JP7280843B2 - 質量分析装置および質量分析方法 - Google Patents

質量分析装置および質量分析方法 Download PDF

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Description

本発明は質量分析装置および質量分析方法に関し、特に、ニードルと、ニードルに対向する対向電極と、ニードルに電圧を印加するイオン源電源と、対向電極に電圧を印加する対向電極電源とを備えた質量分析装置、および、当該質量分析装置を用いた質量分析方法に関するものである。
質量分析装置を構成する部分としては、例えば、前処理部から注入される分析対象の試料を気化させ、気化した当該試料に高電界を印加することで気化試料をイオン化するイオン源が知られている。
特許文献1(国際公開第03/065406号)には、質量分析装置において、前処理部であるクロマトグラフから分析対象の試料をイオン源に注入する際、特定の質量を有するイオンの電流値を測定し、当該電流値が閾値を下回った時にノズル詰まりが発生したと判断し、装置における測定異常の発生を操作者に知らせることが記載されている。
国際公開第03/065406号
質量分析装置の測定中に高い頻度で発生する測定異常の原因には、前処理部からニードルに通じるチューブ内の詰まり(ノイズ詰まり)の他に、イオン源における放電がある。一般的にイオン源に印加可能な電圧には上限が設けられており、正常な質量分析装置では、当該電圧以下で使用される限り放電は起きない。しかし、イオン源で分析対象の試料をイオン化する際、イオン化されなかった試料がイオン源内部に夾雑物として堆積するため、イオン源内部の耐電圧が低下して放電が発生し得る。これにより、正常な測定ができなくなる。このとき、放電による異常測定の結果は、前処理部のチューブの詰まりなどの異常と分別がつかないため、異常箇所の特定および異常原因の除去に時間を要する課題がある。このことは、質量分析装置のメンテナンス性の低下、および、試料の浪費に繋がる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である質量分析装置は、イオン源電源とフレームとの間、および、対向電極電源とフレームとの間のそれぞれに直列に接続されたリターン電流検出部を設け、それらのリターン電流検出部で測定された電流と閾値とを比較することで、放電の発生および放電発生箇所を検出するものである。
代表的な実施の形態によれば、質量分析装置の性能を向上させることができる。特に、測定中の異常放電発生時における放電発生箇所の特定を容易にし、試料の浪費の低減、有効な測定データの選択・取得、質量分析装置のメンテナンス性向上を実現できる。
実施の形態1である質量分析装置の概略図である。 実施の形態1である質量分析装置を構成するイオン源の放電電流を検出する電気回路の結線図である。 実施の形態2である質量分析装置の放電電圧および電流の特性を表すグラフである。 実施の形態2である質量分析装置における、異常放電を判断する閾値の設定を表す信号図である。 実施の形態2である質量分析装置における、異常放電を判断する閾値の設定を表す信号図である。 正負イオン切り替え測定時のイオン源電源のリターン電流波形を表す信号図である。 実施の形態3である質量分析装置における、正負切り替え測定時に突入電流をマスクする方法を説明する信号図である。 実施の形態4である質量分析装置を構成するイオン源電源および対向電極電源のそれぞれの突入電流の経路を表す結線図である。 実施の形態4である質量分析装置を構成する対向電極電源の放電電流および突入電流のそれぞれの経路を表す結線図である。 実施の形態4である質量分析装置のイオン源電源のリターン電流波形を示す信号図である。 実施の形態4である質量分析装置の対向電極電源のリターン電流波形を示す信号図である。 実施の形態1である質量分析装置の動作フローである。 実施の形態1である質量分析装置のユーザーインターフェース画面を示す模式図である。 実施の形態5である質量分析装置の概略図である。 比較例である質量分析装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
以下では、リターン電流検出部を備えたイオン源電源と対向電極電源を搭載した質量分析装置であって、分析対象の試料を測定しているときのリターン電流検出部が検出する電流量と質量分析装置が測定しているイオン量の検出結果とから、測定異常、放電の有無および放電の発生箇所を検知する方法について説明する。
<本実施の形態の構造>
図1に、本実施の形態の質量分析装置の概略図を示す。図1は、質量分析装置におけるイオン源の放電電流を検出する手段を説明する図である。質量分析装置は、導電性を有し、グランド(フレームグランド)として機能する容器であるフレーム(装置フレーム)1を備えている。また、質量分析装置は、イオン源10、収束部11、分離部12、検知器13、イオン検出器7および制御部2を有している。
イオン源10、収束部11、分離部12および検知器13は、フレーム1内に設けられている。イオン源10は、前処理部4から注入される分析対象の試料をイオン化する部分である。イオン源10で生成されたイオン化試料9は、収束部11で収束させられる。つまり、収束部11は、収束部11に設けられた電極9aに電圧を印加することでイオン化試料を収束させる部分である。分離部12は、収束部11で収束したイオン化試料9を質量電荷比に応じてフィルタリングすることで、検出対象のイオン化試料9のみを通過させる部分である。このフィルタリングは、分離部12に設けられた電極9bに電圧を印加することで行う。検知器13は、分離部12で通過したイオン化試料9の量に応じた電気信号を出力する装置である。イオン検出器7は、検知器13から出力される電気信号からイオン量を取得する装置である。制御部2は、イオン量の検出結果をディスプレイ(表示部)に表示する装置である。前処理部4は、例えば、人の血液または尿などの試料(検査対象)を質量分析装置に送り込む装置である。
検知器13は、分離部12を通過したイオン化試料9を衝突させ、イオン化試料9から電子5を放出させるコンバージョンダイノード(電極)9cと、電子5が入射した際、電子5の量に応じた電気信号をイオン検出器7に出力するイオン電気変換部6と、を有する。
イオン源10は、前処理部4から注入される分析対象の試料をイオン化させるニードル3と、試料をイオン化するための電圧をニードル3に印加するイオン源電源20と、イオン化した試料を収束部11へ引き込むための電界を生成する対向電極19と、当該対向電極19に電圧を印加する対向電極電源21を有する。ニードル3および対向電極19は、互いに離間してフレーム1内に設けられている。前処理部4とニードル3とは、チューブを介して接続されている。なお、対向電極19は、ニードル3に対して対向する電極である。対向電極19について、ここでは「対向」と記載しているが、ニードル3の面と対向電極19の面とが互いに平行な状態で向き合っている必要はなく、また、対向電極19が複数の電極により構成され、それらの電極のそれぞれの面が互いに平行な状態で向かい合っている必要もない。
イオン源電源20および対向電極電源21のそれぞれは、第1端子、第2端子および第3端子を有している。イオン源電源20の第1端子(出力端子)は、ニードル3に電気的に接続されている。イオン源電源20の第2端子(グランド)は、フレーム1に電気的に接続されている。イオン源電源20の第3端子は、制御部2に電気的に接続されている。対向電極電源21の第1端子(出力端子)は、対向電極19に電気的に接続されている。対向電極電源21の第2端子(グランド)は、フレーム1に電気的に接続されている。対向電極電源21の第3端子は、制御部2に電気的に接続されている。ただし、イオン源電源20内において、第1端子および第2端子に対し、第3端子は電気的に絶縁されている。同様に、対向電極電源21内において、第1端子および第2端子に対し、第3端子は電気的に絶縁されている。
イオン源電源20は、出力した電流を、フレーム1を介して戻ってきたリターン電流から検出可能にするリターン電流検出部(電流計)1aを有している。対向電極電源21は、出力した電流を、フレーム1を介して戻ってきたリターン電流から検出可能にするリターン電流検出部(電流計)1bを有している。
リターン電流検出部1aは、イオン源電源20とフレーム1との間に直列に接続されている。つまり、イオン源電源20の第2端子とリターン電流検出部1aとは電気的に接続され、リターン電流検出部1aとフレーム1とは電気的に接続されている。言い換えれば、イオン源電源20とフレーム1とは、リターン電流検出部1aを介して電気的に接続されている。同様に、リターン電流検出部1bは、対向電極電源21とフレーム1との間に直列に接続されている。つまり、対向電極電源21の第2端子とリターン電流検出部1bとは電気的に接続され、リターン電流検出部1bとフレーム1とは電気的に接続されている。言い換えれば、対向電極電源21とフレーム1とは、リターン電流検出部1bを介して電気的に接続されている。
リターン電流検出部1a、1bは、通過した電流量を検出し、当該検出した電流量を制御部2に送信する手段を有する。例えば、リターン電流検出部の電流量検出精度は数nA~数十nA程度であり、検出可能な電流量の範囲は数十μA程度である。
リターン電流検出部1a、1bが検出した電流量を送信する手段は、送信先である制御部2と電気的に絶縁されている。言い換えれば、リターン電流検出部1a、1b、イオン源電源20および対向電極電源21は、制御部2に対して絶縁されている。また、リターン電流検出部1a、1bのそれぞれから上記電流量を制御部2に送信する経路の一部は、絶縁されている。これは、リターン電流検出部1a、1b、イオン源電源20および対向電極電源21と制御部2とが互いに導通すると、リターン電流検出部1a、1bにおいて正確な電流の検出が困難となるためである。上記のように絶縁を行うことで、リターン電流検出部1a、1bでの電流検出精度を高めることができる。電気的に絶縁された状態でイオン源電源20および対向電極電源21から制御部2に電流量を送信する手段としては、例えば、車載通信で使用されるフォトダイオードを用いた光通信などを用いることができる。
制御部2は、イオン検出器7から送信されるイオン量の検出結果を操作者(装置操作者)へ表示する機能を有している。また、制御部2は、リターン電流検出部1a、1bから送信される電流量を受信して、当該電流量と、予め設定された閾値T1、T2とを比較することで電流量が正常か異常かを判断し、その判断結果を表示する機能を有している。また、制御部2は、質量分析全体の測定を制御する機能を有している。また、図1に示すように、制御部2が、リターン電流検出部1a、1bから送信される電流量(電流信号A、B)を表示する機能を有していてもよい。操作者は制御部2を通して質量分析装置を操作する。図1に示すイオン量の検出結果、電流信号AおよびBのそれぞれを示す信号図の横軸は時間であり、縦軸は電流量である。制御部2は、例えばパーソナルコンピュータおよびディスプレイで構成される。
リターン電流検出部から送信される電流量と比較する閾値は、イオン源10が放電する際に流れる電流量を基に設定する。例えば、予めイオン源10を放電させ、その放電開始時に流れる電流量を閾値として制御部2に保存する。また、放電を開始する前に異常を検知したい場合は、放電開始時の電流量より少し低い値を閾値として保存してもよい。また、リターン電流検出部1aから送信される電流量と比較する閾値T1と、リターン電流検出部1bから送信される電流量と比較する閾値T2とは、別々の値でもよい。
次に、イオン源10の放電種と放電電流の経路について、図2を用いて説明する。
図2に、本実施の形態の質量分析装置を構成するイオン源10において、放電電流を検出する電気回路の結線図を示す。質量分析装置の正常な動作時には、イオン源10において放電は起こらない。しかし、質量分析装置内の夾雑物の堆積などにより、質量分析装置内で異常な放電が起こる場合がある。図2では、異常な放電による電流の流れる経路を破線で示している。
イオン源10において生じる放電の種類は、ニードル3から対向電極19への放電2bと、ニードル3から対向電極19以外のフレーム1に電気的に導通された部分への放電2aとの2つがある。放電2bにより流れる異常放電の電流(放電電流)3bは、対向電極19および対向電極電源21を順に介してリターン電流検出部1bを通過し、さらにリターン電流検出部1aを通過した後、電流出力元であるイオン源電源20へ戻る。放電2aにより流れる異常放電の電流(放電電流)3aは、フレーム1を介してリターン電流検出部1aを通過した後、電流出力元であるイオン源電源20へ戻る。
このため、リターン電流検出部1aは、放電2a、2bの両方の電流3a、3bを検出し、リターン電流検出部1bは、放電2bの電流3bのみを検出する。このことから、まず、リターン電流検出部1aでイオン源10の異常放電の有無を検知できる。加えて、リターン電流検出部1bの測定結果から、異常放電により流れた電流が、電流3aの経路または電流3bの経路のいずれの経路で流れたものであるかを判断できる。つまり、イオン源10の放電有無と放電発生箇所の特定とが可能となる。
このとき、制御部2は、リターン電流検出部1aで測定された電流量の絶対値が閾値T1(図1参照)以上であり、かつ、リターン電流検出部1bで測定された電流量の絶対値が閾値T2(図1参照)未満のとき、放電2aが生じていると判断する。また、制御部2は、リターン電流検出部1aで測定された電流量の絶対値が閾値T1以上であり、かつ、リターン電流検出部1bで測定された電流量の絶対値が閾値T2以上のとき、放電2bが生じていると判断する。このようにして、制御部は、リターン電流検出部1a、1bのそれぞれで測定された電流量に基づいて、ニードル3と対向電極19以外のイオン源の構成物との間の放電2aの有無と、ニードル3と対向電極19との間の放電2bの有無とをそれぞれ判断する。
図1には、リターン電流検出部1aが送信した電流量を示す電流信号Aと、リターン電流検出部1bが送信した電流量を示す電流信号Bと、イオン検出器7が送信したイオン量の検出結果を併せて示している。当該3つの波形は、イオン源10で異常放電が発生していない正常な波形領域1Nと、放電2bが発生した放電の波形領域2Xと、放電2aが発生した放電の波形領域1Xに分けている。
装置の操作者は、測定中、イオン量の検出結果のみをモニタしており、イオン源10で異常放電が発生していない正常時は、正常なイオン量の結果を取得可能である。イオン源10に放電が発生してリターン電流検出部1aの電流量が閾値T1を超えた場合、制御部2は異常放電の発生をエラーやワーニングとして操作者へ表示、点灯または音などにより通知するとともに、リターン電流検出部1bの電流量と閾値T2の大小関係から放電発生箇所も表示する。例えば、波形領域1Xのような電流を検知した場合には、放電発生箇所はニードル3とフレーム1との間の放電2aの経路で発生したものと判断できる。また、波形領域2Xのような電流を検知した場合には、放電発生箇所はニードル3と対向電極19との間の放電2bの経路で発生したものと判断できる。
装置の操作者は、表示された情報を基に、測定の中断と、上記のようにして特定された放電発生箇所(イオン源10)の洗浄などの放電原因除去の対応を実施することが可能となる。測定の中断(質量分析処理の停止)は、装置の操作者の操作により行われてもよく、波形領域1X、2Xのような異常電流を検知した時点で、制御部2により自動的に行われてもよい。
図12に、本実施の形態の質量分析装置の動作フローを示す。本動作フローは、一般的な質量分析の動作フローに、前述した本実施の形態による放電検知の手順を組み込んだ一例である。
まず、ステップS1の装置起動処理では、制御部2を介して操作者から入力される質量分析の開始情報を基に質量分析装置の動作を設定する。当該開始情報は、例えば、質量分析の動作モード、搭載させる各種電源の電圧、および、測定終了条件(例えば測定時間)などである。
ステップS2の測定開始待ちは、操作者から制御部2を介して測定開始指示が入力されるまでの待機時に実施する処理である。当該処理は、例えば、定期的な装置状態の情報の読み込みなどである。
ステップS3は測定開始指示の入力判定であり、操作者から制御部2を介して測定開始指示が入力されると、ステップS4へ移動する。測定開始指示が未入力の状態ではステップS2へ移動する。
ステップS4のイオン量データ取得では、イオン検出器7から送信されるイオン量の検出データを制御部2に取り込む処理を実施する。
ステップS5の質量分析処理では、ステップS4で取得したイオン量データを、ステップS1で設定された動作モードなどの情報を基に演算処理する。動作モードは、例えば、質量分析のスキャンモードやSIM(Selected Ion Monitoring)モードである。
ステップS6の質量分析結果表示は、ステップS5の演算処理結果を制御部2の画面などに表示する処理である。表示する結果は、例えば、マススペクトラムまたはクロマトグラムなどである。
ステップS7の装置状態読み込みは、質量分析装置の状態が正常か異常かの判断が可能な装置状態情報を、質量分析装置に搭載された各種センサや検出器などから読み込む処理である。本実施の形態のリターン電流検出部で得た電流量は、ここで制御部2へ送信される。また、他の装置状態情報は、例えば、各種電源若しくは真空ポンプ部のエラー・警告情報、または、ヒータの温度情報などである。
ステップS8は装置状態情報のエラー・警告判定であり、ステップS7で読み込んだ装置状態情報でエラーまたは警告がある場合、ステップS9へ移動する。エラーまたは警告が無い場合は、ステップS12へ移動する。
ステップS9は放電有無の判定であり、ステップS7で読み込んだ装置状態情報に含まれる本実施の形態のリターン電流検出部から送信される電流量の絶対値と閾値とを比較した結果から、制御部2が放電の発生が有ると判断した場合は、ステップS10へ移動する。制御部2が放電の発生が無いと判断した場合は、ステップS11へ移動する。
ステップS10の放電対応処理は、イオン源10で放電が発生した場合に実施する処理である。例えば、放電発生の警告を制御部2から操作者へ通知する、速やかに質量分析装置の測定動作を停止させるために測定終了の条件情報を真値にする、または、リターン電流検出部1bが送信する電流量を基に放電箇所を判定して操作者へ通知する、などである。
ステップS11の他異常処理は、放電以外の異常状態に対する処理である。例えば、各種電源若しくは真空ポンプの動作エラーに対応した警告通知、または、測定終了条件への真値設定などである。
ステップS12は測定動作の終了判定であり、操作者の測定終了指示を入力した場合、測定時間が終了した場合、または、ステップS10若しくはS11で測定終了条件が真値に設定された場合などに、質量分析装置の測定動作を終了する。
図13は、本実施の形態の質量分析装置のユーザーインターフェース画面の一例を示す模式図である。ユーザーインターフェース画面100は、制御部2のディスプレイ内に表示され、操作領域110と表示領域111とから構成される。
操作領域110は、装置を起動させる装置起動ボタン101と、質量分析の開始情報を入力する設定ボタン102とを有する。操作者は、装置起動ボタン101および設定ボタン102によりステップS1を実行する。また、操作領域110は、測定開始ボタン103と測定終了ボタン104とを有する。操作者は、測定開始ボタン103によりステップS3を実行し、測定終了ボタン104によりステップS12を実行する。
表示領域111は、測定結果領域105と装置状態表示領域106とを有し、測定結果領域105はステップS6の実行結果であるイオン量の検出結果を、装置状態表示領域106はステップS7の実行結果をそれぞれ表示する。
装置状態表示領域106は、装置状態をモニタした総合結果を表示する装置状態結果107を有する。装置状態結果107の表示内容は、例えば、ステップS7で実行した装置状態読み込み結果に1つでもエラーまたは警告があれば異常を、エラーまたは警告が無ければ正常を表示する。
また、装置状態表示領域106は、詳細状態結果109を有する。詳細状態結果109は、例えば、ステップS7で実行した装置状態読み込み結果を個別に表示する。表示する結果は、例えば、イオン源10の放電、温度、真空度などの異常の有無である。詳細状態結果109は、操作者が必要に応じて確認できるよう、普段はユーザーインターフェース画面100に表示せずに、操作者の指示によって別画面で表示してもよい。制御部2が放電2aまたは2b(図1参照)の発生を検知した場合には、制御部2は当該放電の発生箇所を装置状態表示領域106に表示する。
<本実施の形態の効果>
ここで、本実施の形態の効果を説明するために、比較例の質量分析装置を図15に示す。図15に示す比較例の質量分析装置の構造は、イオン源電源20および対向電極電源21のそれぞれの第2端子とフレーム1との間に電流計が設けられていない点、および、イオン源電源20および対向電極電源21のそれぞれが第3端子を有していない点で、図1に示す質量分析装置とは異なる。上記電流計が設けられていないため、制御部2に異常電流の電流量は送信されない。
質量分析装置では、使用を継続することで内部に夾雑物(ゴミ)が溜まることが考えられる。内部に夾雑物が蓄積していない正常な質量分析装置は、イオン源内で放電が起こらないような耐電圧性能を有している。しかし、夾雑物の蓄積が進むと放電が起きるようになり、例えばニードルとフレームとの間、または、ニードルと対向電極との間で放電が起きる。このような放電が起きると、ニードルの本来の役割である試料のイオン化の効率が低下し、正常に質量分析を行うことが困難となる。
測定中、比較例の質量分析装置の操作者は、イオン量の検出結果のみをモニタしており、異常放電が発生すると、検出結果である当該イオン量が減少するなどの異常が確認されると考えられる。その場合、操作者は、測定を中断して放電原因を除去する。しかし、放電箇所を即座に特定できないため、質量分析装置の内部の各箇所の検査に時間を要する問題がある。
また、モニタしている検出結果であるイオン量が減少する異常の原因の1つとして、質量分析装置内の放電が考えられるが、その他に、前処理部とニードルとの間のチューブ内で生じる詰まりなど、当該放電以外の原因も考えられる。比較例の質量分析装置では、イオン量の検出結果のみをモニタして異常の有無を判断しているため、その異常原因が、放電か、チューブ内での詰まりなどのその他の要因によるものかを判断することができない。したがって、異常原因が放電以外にあるかどうかを検査するために時間を要する問題がある。
また、放電による測定異常が起きたときに、その異常に操作者が気付かず、有効でないイオン量の測定データを取得する虞がある。
また、異常放電が発生した時点から、その異常を認知して測定を中断するまでに時間を要するため、その間に試料を浪費する問題がある。例えば、試料が人の血液などである場合、予め用意された試料の量は多くなく、このような場合は特に、試料の浪費を極力抑える必要がある。
これに対し、本実施の形態では、図1に示すように、異常放電によりフレーム1を介して流れる電流3aを検出するリターン電流検出部1aと、異常放電によりフレーム1を介して流れる電流3bを検出する1bとを設けている。これにより、異常放電の発生を瞬時に検出することができる。また、リターン電流検出部1a、1bをイオン源電源20、対向電極電源21にそれぞれ設けているため、イオン源10内での放電発生箇所を特定できる。また、イオン量の検出結果の異常の原因が、チューブの詰まりなどではなく放電にあることが明白であるため、異常原因が放電以外にあるかどうかを検査する工程を省くことができる。これにより、放電発生箇所の特定のために、質量分析装置の内外の各箇所を検査する工程を省略できるため、質量分析装置を用いた質量分析を短時間かつ低コストで行うことができる。よって、質量分析装置の性能を向上させることができる。
また、制御部2または操作者により即座に測定を中断できるため、試料の浪費を抑えることができる。特に、制御部2により測定を中止すれば、試料の浪費を最小限に抑えることができる。よって、質量分析装置の性能を向上させることができる。
以上から、放電による測定異常の発生を瞬時に認識できるため、短時間で測定を中断させて試料の浪費を削減できる。また、この時の測定データは異常が発生している無効なデータとして削除し、分析結果の健全性を確保できる。加えて、放電箇所も短時間で分かるため、メンテナンス性を向上できる。
本実施の形態の質量分析装置は、図15に示す比較例の質量分析装置の電源とフレームとの間に単に電流計を設けることで実現でき、当該電流計により測定された電流量を監視することで上記効果を得ることができる。
(実施の形態2)
質量分析装置の測定では、分析対象の種類または分析方法に合わせてイオン源のニードルと対向電極に印加する電圧の極性が異なる。分析対象の試料を正イオン化させる場合は、ニードルと対向電極に正極性の電圧を、試料を負イオン化させる場合は、ニードルと対向電極に負極性の電圧を印加する。以下では、前記実施の形態1で説明した質量分析装置において、ニードルと対向電極に印加する電圧極性に合わせた放電有無を判断する閾値の設定方法について説明する。
図3に、本実施の形態の質量分析装置の放電電圧および電流の特性を表すグラフを示す。当該グラフにおいて、横軸は、イオン源のニードルの印加電圧であり、縦軸は、イオン源電源に搭載したリターン電流検出部が検出する電流量である。ニードル印加電圧を正極性の方向へ0Vから増加させるとリターン電流量も増加していき、ニードル印加電圧がX1に達すると、リターン電流量が急峻に増加する。このときニードル印加電圧X1は、正極性で放電が開始する電圧であり、リターン電流量Y1は、正極性で放電が開始する電流である。一方、ニードル印加電圧を負極性の方へ0Vから減少させるとリターン電流は負極性の方向へリターン電流が増加していき、ニードル印加電圧がX2に達すると、リターン電流量が急峻に負極性の方向へ増加する。このときニードル印加電圧X2は、負極性で放電が開始する電圧であり、リターン電流量Y2は、負極性で放電が開始する電流である。
ここで、正極性のニードル印加電圧X1と負極性のニードル印加電圧X2とは互いに異なり、正極性のリターン電流量Y1と負極性のリターン電流量Y2とは互いに異なる。このため、リターン電流量について1つ閾値を設定して放電有無を判断すると、以下のような場合に、放電を検出することができない点に注意する。
ここでは、比較例として、イオン源の放電有無を判断する閾値を正イオン測定時と負イオン測定時で同じ閾値を用いた場合について述べる。例えば、閾値に正極性のリターン電流量Y1を設定した場合、負極性のリターン電流量Y2が正極性のリターン電流量Y1より低い場合、負イオン化させて測定して放電が発生しても、リターン電流検出部の電流量が閾値を下回っており、放電を検出することができない。このため、分析対象の試料を正イオン化して測定する際にイオン源の放電有無を判断する閾値と、負イオンを測定している際の閾値は、異なる値を設定する必要がある。
また、正極性のニードル印加電圧X1と負極性のニードル印加電圧X2とのそれぞれの絶対値は互いに異なり、正極性のリターン電流量Y1と負極性のリターン電流量Y2とのそれぞれの絶対値は互いに異なる。このため、リターン電流量の1つの絶対値のみで判断しようとすると、放電を検出することができない場合がある。
図4および図5に、本実施の形態の質量分析装置における、異常放電を判断する閾値の設定を表す信号図を示す。図4は、ニードルおよび対向電極に正電圧を印加した場合の信号図である。図5は、ニードルおよび対向電極に負電圧を印加した場合の信号図である。図4および図5のそれぞれにおいて、電流信号A、Bのそれぞれを示す信号図の横軸は時間であり、縦軸は電流量である。
図4および図5では、放電有無を判断する閾値として、イオン源電源のリターン電流検出部1aの電流量と比較するための正極性の閾値30と、負極性の閾値31とを記載している。また、図4および図5では、放電有無を判断する閾値として、対向電極電源のリターン電流検出部1bの電流量と比較するための正極性の閾値40と、負極性の閾値41とを記載している。ここで、閾値30と閾値31との絶対値は互いに異なる値を設定し、閾値40と閾値41との絶対値も互いに異なる値を設定している。
<本実施の形態の効果>
図4に示すように、試料を正イオン化して測定する場合は、閾値30、40を閾値として用い、図5に示すように、試料を負イオン化して測定する場合は、閾値31、41を閾値として用いることで、正と負の極性で放電電流が異なっていても、正常に放電の発生有無を判断することができる。
(実施の形態3)
質量分析装置では、分析時間を短縮するために前記の正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定とを短時間で切り替えて測定する手法(以下、正負切り替え測定と記載)がある。以下では、前記実施の形態2で説明した質量分析装置において、イオン源の放電有無を判断する方法について、図6および図7を用いて説明する。
正負切り替え測定(正負イオン切り替え測定)は、イオン源のニードルと対向電極に印加する電圧極性を短時間に切り替えることで実現する。このときの切り替え時間は、例えば、数msから数十msである。ここで、ニードルと装置のフレームとの間、および、対向電極と装置のフレームとの間には、物理的に浮遊容量が発生しており、イオン源電源と対向電極電源は、ニードルと対向電極に電圧を印加するとき、当該浮遊容量を充電することになる。
図6に、正負イオン切り替え測定時のイオン源電源のリターン電流波形を表す信号図を示す。図6の横軸は時間、縦軸はリターン電流量であり、時間軸は正イオン化して行う測定を表す測定(正)の領域と、負イオン化して行う測定を表す測定(負)の領域に別けている。また正極性の閾値30と負極性の閾値31も併せて記載している。ここで、閾値30、31の実線部分は、当該閾値が有効な領域である。例えば、閾値30では、正イオン化して行う測定を表す測定(正)の領域を実線で表示し、測定(負)の領域では破線で表示しており、これにより、測定(正)の領域で、閾値30が有効であることを明示している。反対に、閾値31は、測定(負)の領域において実線で表示し、測定(正)の領域において破線で表示している。図6では、放電51が起きた際の信号波形を一点鎖線で示している。
図6において、測定(負)から測定(正)に切り替える際、前述した浮遊容量を充電するための突入電流50によりリターン電流量が大きくなっている。この時、リターン電流量は閾値30を超えている。同様に、測定(正)から測定(負)に切り替える際も突入電流50によりリターン電流量が閾値31を超える。つまり、正負切り替え測定では、突入電流50と放電電流とを分別できずに、切り替え動作時の突入電流を誤って放電として検出することになる。
その対策として、図7に、本実施の形態の質量分析装置における、正負切り替え測定時に突入電流をマスクする方法を信号図で示す。図7では、放電51が起きた際の信号波形を一点鎖線で示している。正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定との切り替えは、質量分析装置の制御部2(図1参照)が制御している。制御部2は、突入電流が発生するタイミングを把握しているため、切り替えタイミング時に放電を検知しないよう閾値判定を実施しないデッドタイム53を設けることが可能となる。なお、デッドタイム53の期間は、事前に突入電流が安定するまでの時間を測定し、制御部2に設定しておく。図7の信号図では、デッドタイム53の時間帯にハッチングを付している。
すなわち、ここでは、突入電流の発生する直前から、突入電流が安定するまでの一定時間、閾値判定を実施しない時間(デッドタイム53)を設けている。この一定時間とは、少なくとも、突入電流の発生前の時点、つまり、正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定とを切り替える直前のタイミングから、電流量の絶対値が閾値より小さくなるまでの間の時間である。
<本実施の形態の効果>
上記のように、正負切り替え測定において、正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定との切り替え時に、放電を検知しないデッドタイムを設けて突入電流をマスクすることで、放電の誤検出を抑止することが可能となる。
(実施の形態4)
前記実施の形態3では、正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定とを短時間で切り替えて測定する際に発生する突入電流を誤って放電電流として検出することを回避するために、突入電流が発生するタイミングで、放電検出を実施しないデッドタイムを設けることについて説明した。以下では、当該デッドタイムはイオン源電源のリターン電流検出部が送信する電流量のみで必要となり、対向電極電源のリターン電流検出部が送信する電流量には不要となることを、図8~図11を用いて説明する。
図8に、本実施の形態の質量分析装置を構成するイオン源電源および対向電極電源のそれぞれの突入電流の経路を表す結線図を示す。ここでは、例として、負イオン化して行う測定から正イオン化して行う測定に切り替えるために、ニードル3と対向電極19との電圧を負極性から正極性に変更する動作について説明する。
まず、イオン源電源の突入電流経路について述べる。イオン源電源20は、ニードル3に電圧を印加する際、ニードル3とフレーム1との間の浮遊容量7aを充電する。この充電時に発生する突入電流8aは、イオン源電源20から出力されており、ニードル3と浮遊容量7a、フレーム1を介してリターン電流検出部1aを通過してイオン源電源20に戻る。つまり、突入電流8aは、電流3a(図2参照)と同じ経路を通る。
次に、対向電極電源の突入電流経路について述べる。対向電極電源21は、対向電極19に電圧を印加する際、対向電極19とフレーム1との間の浮遊容量7bを充電する。この充電時に発生する突入電流8bは、対向電極電源21から出力されており、対向電極19、浮遊容量7b、フレーム1およびリターン電流検出部1bを順に通過して対向電極電源21に戻る。つまり、突入電流8bは、電流3b(図2参照)と反対の方向でリターン電流検出部1bを通過することになる。
図9を用いて、突入電流8bと電流3bの経路の方向をより具体的に説明する。図9は、本実施の形態の質量分析装置を構成する対向電極電源の放電電流および突入電流のそれぞれの経路を表す結線図である。図9では、電流3bの経路を実線で示し、突入電流8bの経路を破線で示している。
放電2bにより発生する電流3bは、対向電極19に重畳し、対向電極電源21の第1端子(出力端子)に吸い込まれる。この時、対向電極電源21は正極性の電圧を出力しつつ電流を吸収する動作を行っている。対向電極電源21に吸い込まれた電流3bは、リターン電流検出部1bを通過後、フレーム1を介して放電2bの電流供給元であるイオン源電源20(図2参照)へ戻る。一方、突入電流8bの流れる方向は、対向電極電源21が対向電極19を正極性に充電するため、対向電極電源21の第1端子(出力端子)から放出される方向となる。
以上から、突入電流8bと電流3bとは、リターン電流検出部1bを通過する方向が反対となる。
なお、上述した説明は、負イオン化して行う測定から正イオン化して行う測定に切り替えるために、ニードル3と対向電極19の電圧を負極性から正極性に変更する動作についての説明である。これに対し、切り替える電圧極性を正極性から負極性に変更する動作についても、各電流が流れる方向が逆方向となるだけで、同様に突入電流8bと電流3bのそれぞれのリターン電流検出部1bを通過する方向は、互いに反対となる。
図10に、本実施の形態のイオン源電源のリターン電流波形を信号図で示し、図11に、本実施の形態の対向電極電源のリターン電流波形を信号図で示す。図10および図11に示す波形は、負イオン化して行う測定から正イオン化して行う測定に切り替えるために、ニードル3と対向電極19の電圧を負極性から正極性に変更する際の波形である。図10および図11では、放電51が起きた際の信号波形を一点鎖線で示している。
図10に示すように、イオン源電源のリターン電流波形は、測定(負)から測定(正)への切り替えタイミングで突入電流50が発生する。この突入電流50を、誤って放電51として検出しないために、前記実施の形態3で述べたように、デッドタイム53を設けている。一方、図11に示すように、対向電極電源のリターン電流波形でも、測定(負)から測定(正)への切り替えタイミングで突入電流54が発生する。ただし、突入電流54の流れる方向は、突入電流50および放電51のそれぞれの流れる方向に対して反対である。このため、デッドタイムを設けなくても、正イオン化して行う測定に切り替える際の閾値30では、突入電流54を誤って放電として検出することはない。
すなわち、制御部には、イオン源電源からニードルに印加する電圧の極性を切り替える際に、リターン電流検出部1aで測定された電流量に基づいて放電を検知しないデッドタイム53が設定されている。これに対し、対向電極電源から対向電極に印加する電圧の極性を切り替える際に、リターン電流検出部1bで測定された電流量に基づいて放電を検知しないデッドタイム53は、制御部に設定されていない。言い換えれば、ここでは、イオン源電源からニードルに印加する電圧の極性を切り替える際、当該切り替えの直前から当該切り替え後までの一定時間、リターン電流検出部1aで測定された電流量に基づいて放電を検知しない。これに対し、対向電極電源から対向電極に印加する電圧の極性を切り替える際は、当該切り替え動作の前後に亘って連続的に、リターン電流検出部1bで測定された電流量に基づいて放電の検出を行う。
<本実施の形態の効果>
正負切り替え測定において、正イオン化して行う測定と負イオン化して行う測定との切り替え時に発生する突入電流を放電として誤検出しないためには、イオン源電源に搭載したリターン電流検出部の送信する電流量のみに、放電を検知しないデッドタイムを設ければよい。これにより、デッドタイムの期間を予め測定する必要があるのは、イオン源電源のみとなり、対向電極電源では不要である。つまり、対向電極電源での測定に関し、デッドタイムを設定する必要がないため、放電検出するための立ち上げ調整時間を短縮することができる。
(実施の形態5)
前記実施の形態1~4では、イオン源における放電を検知する手段を記載した。以下では、リターン電流検出部を備えた収束部電源、分離部電源および検知器電源を搭載した質量分析装置であって、分析対象の試料を測定しているときのリターン電流検出部が検出する電流量と、質量分析装置が測定しているイオン量の検出結果とから、収束部、分離部および検知器における放電の有無を判断する方法について説明する。
イオン源以外の放電電流を検出する手段を説明するため、図14に、本実施の形態の質量分析装置の概略図を示す。本実施の形態の質量分析装置は、収束部電源22と、分離部電源23と、検知器電源24とを有している。収束部電源22は、収束部11に設けられた電極9aに電圧を印加する電源である。分離部電源23は、分離部12に設けられた電極9bに電圧を印加する電源である。検知器電源24は、検知器13に設けられたコンバージョンダイノード(電極)9cに電圧を印加する電源である。
収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24は、出力した電流を、フレーム1を介して戻ってきたリターン電流から検出可能にするリターン電流検出部(電流計)1c、1dおよび1eをそれぞれ有している。すなわち、収束部電源22とフレーム1との間はリターン電流検出部1cを介して電気的に接続されており、分離部電源23とフレーム1との間はリターン電流検出部1dを介して電気的に接続されており、検知器電源24とフレーム1との間はリターン電流検出部1eを介して電気的に接続されている。
収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24のそれぞれは、前記実施の形態1の対向電極電源21と同様に、第1端子、第2端子および第3端子を有している。収束部電源22の第1端子(出力端子)は、電極9aに電気的に接続されている。収束部電源22の第2端子(グランド)は、フレーム1に電気的に接続されている。収束部電源22の第3端子は、制御部2に電気的に接続されている。分離部電源23の第1端子(出力端子)は、電極9bに電気的に接続されている。分離部電源23の第2端子(グランド)は、フレーム1に電気的に接続されている。分離部電源23の第3端子は、制御部2に電気的に接続されている。検知器電源24の第1端子(出力端子)は、コンバージョンダイノード9cに電気的に接続されている。検知器電源24の第2端子(グランド)は、フレーム1に電気的に接続されている。検知器電源24の第3端子は、制御部2に電気的に接続されている。
ただし、収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24のそれぞれにおいて、第1端子および第2端子に対し、第3端子は電気的に絶縁されている。つまり、リターン電流検出部(電流計)1c、1dおよび1eで検出した電流量を送信する手段は、送信先である制御部2と電気的に絶縁されている。言い換えれば、リターン電流検出部1c、1d、1e、収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24は、制御部2に対して絶縁されている。
なお、収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24は、図1には示していないが、前記実施の形態1の質量分析装置にも設けられている。すなわち、本実施の形態の質量分析装置は、収束部電源22、分離部電源23および検知器電源24がそれぞれリターン電流検出部1c、1dおよび1eを有している点で前記実施の形態1の質量分析装置と異なる。
制御部2は、イオン検出器7から送信されるイオン量の検出結果を操作者へ表示する機能を有している。また、制御部2は、リターン電流検出部1c、1dおよび1eから送信される電流量を受信して、当該電流量と閾値とを比較することで電流量が正常か異常かを判断し、その判断結果を表示する機能を有している。また、制御部2は、質量分析全体の測定を制御する機能を有している。操作者は、制御部2を通して質量分析装置を操作する。なお、上記のようにリターン電流検出部1c、1dおよび1eから送信される電流量と閾値とを比較し、電流量が正常か異常かを判断するとともに、リターン電流検出部1a、1bから送信される電流量と閾値とを比較して、イオン源10における放電の有無を判断してもよい。
<本実施の形態の効果>
質量分析装置の収束部、分離部および検知器の放電による測定異常が瞬時に分かるため、短時間で測定を中断させて試料の浪費を削減できる。また、この時の測定データは異常が発生している無効なデータとして削除し、分析結果の健全性を確保できる。加えて、放電箇所も短時間で分かるため、メンテナンス性を向上できる。
以上、本発明者らによってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 フレーム
1a~1e リターン電流検出部(電流計)
2 制御部
3 ニードル
4 前処理部
6 イオン電気変換部
7 イオン検出器
9c コンバージョンダイノード
11 収束部
12 分離部
13 検知器
19 対向電極
20 イオン源電源
21 対向電極電源

Claims (13)

  1. 試料を分析する質量分析装置であって、
    導電性を有する容器であるフレームと、
    前記フレーム内に設けられたニードルと、
    前記フレーム内において、前記ニードルと離間して設けられた電極と、
    前記試料から生成されたイオン化試料から放出された電子によりイオン量を検出する検出器と、
    前記検出器により測定された電流量を表示する制御部と、
    前記ニードルに第1電圧を印加する第1電源と、
    前記電極に第2電圧を印加する第2電源と、
    前記第1電源のグランドと前記フレームとの間に直列に接続された第1電流検出部と、
    前記第2電源のグランドと前記フレームとの間に直列に接続された第2電流検出部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記第1電流検出部および前記第2電流検出部のそれぞれで測定された電流量に基づいて、前記ニードルと前記電極以外のイオン源の構成物との間の第1放電の有無と、前記ニードルと前記電極との間の第2放電の有無とをそれぞれ判断する、質量分析装置。
  2. 請求項1記載の質量分析装置において、
    前記第1放電の発生を検知した場合、前記第1放電の発生箇所を表示し、前記第2放電の発生を検知した場合、前記第2放電の発生箇所を表示する、質量分析装置。
  3. 請求項1記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、
    前記第1電流検出部で測定された第1電流量の絶対値が第1閾値以上であり、かつ、前記第2電流検出部で測定された第2電流量の絶対値が第2閾値未満のとき、前記第1放電が生じていると判断し、
    前記第1電流量の絶対値が前記第1閾値以上であり、かつ、前記第2電流量の絶対値が前記第2閾値以上のとき、前記第2放電が生じていると判断する、質量分析装置。
  4. 請求項3記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、
    前記第1電圧および前記第2電圧の極性が正である場合、前記第1閾値として第3閾値を適用し、前記第2閾値として第4閾値を適用し、
    前記第1電圧および前記第2電圧の極性が負である場合、前記第1閾値として第5閾値を適用し、前記第2閾値として第6閾値を適用する、質量分析装置。
  5. 請求項1記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、ユーザーインターフェースに放電検知の有無を表示する、質量分析装置。
  6. 請求項5記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、前記第1放電または前記第2放電を検知した場合に、放電発生箇所を前記ユーザーインターフェースに表示する、質量分析装置。
  7. 請求項1記載の質量分析装置において、
    正負イオン切り替え測定を行う場合において、前記制御部には、電源電圧切り替え時に放電を検知しないデッドタイムが設定されている、質量分析装置。
  8. 請求項7記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、前記第2電圧の極性を切り替える動作の前後に亘って連続的に、前記第2電流検出部で測定された第2電流量に基づいて放電を検知する、質量分析装置。
  9. 請求項1記載の質量分析装置において、
    前記電極は、イオン源、収束部、分離部または検知器に設けられている、質量分析装置。
  10. 試料を分析する質量分析方法であって、
    導電性を有する容器であるフレームと、
    前記フレーム内に設けられたニードルと、
    前記フレーム内において、前記ニードルと離間して設けられた電極と、
    前記試料から生成されたイオン化試料から放出された電子によりイオン量を検出する検出器と、
    前記検出器により測定された電流量を表示する制御部と、
    前記ニードルに第1電圧を印加する第1電源と、
    前記電極に第2電圧を印加する第2電源と、
    前記第1電源のグランドと前記フレームとの間に直列に接続された第1電流検出部と、
    前記第2電源のグランドと前記フレームとの間に直列に接続された第2電流検出部と、
    を備えた、質量分析装置を用い、
    前記制御部において実行されるステップとして、
    (a)前記質量分析装置を用いて質量分析処理を開始するステップ、
    (b)前記(a)ステップの後、前記第1電流検出部および前記第2電流検出部から送信される電流量の絶対値と閾値とを比較した結果から、前記ニードルと前記電極以外のイオン源の構成物との間の第1放電の有無と、前記ニードルと前記電極との間の第2放電の有無とをそれぞれ判断するステップ、
    を有する、質量分析方法。
  11. 請求項10記載の質量分析方法において、
    前記制御部において実行されるステップとして、
    (c)前記(b)ステップで前記第1放電または前記第2放電の発生を検知した場合、前記第1放電または前記第2放電の発生箇所を表示するステップをさらに有する、質量分析方法。
  12. 請求項10記載の質量分析方法において、
    前記制御部は、前記(b)ステップにおいて、
    前記第1電流検出部で測定された第1電流量の絶対値が第1閾値以上であり、かつ、前記第2電流検出部で測定された第2電流量の絶対値が第2閾値未満のとき、前記第1放電が生じていると判断し、
    前記第1電流量の絶対値が前記第1閾値以上であり、かつ、前記第2電流量の絶対値が前記第2閾値以上のとき、前記第2放電が生じていると判断する、質量分析方法。
  13. 請求項10記載の質量分析方法において、
    前記制御部において実行されるステップとして、
    (d)前記(b)ステップで前記第1放電または前記第2放電の発生を検知した場合、前記質量分析処理を停止させるステップをさらに有する、質量分析方法。
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