JP7278573B2 - 複合粉体の製造方法及びメイクアップ化粧料 - Google Patents

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本願発明は、薄く均一で白浮きせず、かつ紫外線防御効果に優れた、液面プラズマにより水中分散させた微粒子酸化チタンを板状粉体に被覆した複合粉体の製造方法及びその複合粉体を含有したメイクアップ化粧料に関する。
メイクアップ化粧料に含有される粉体には、紫外線防御効果や毛穴やしわといった肌表面の凹凸をカバーする効果を付与するため、屈折率の高い酸化亜鉛や酸化チタンなどの無機粉体を用いることが多い。しかしながら、これらの無機粉体を多量に用いると、塗布後の肌の仕上がりは強いきしみ感、滑らかさの欠如などを感じ、さらに不自然な白浮きが表出することで、肌の透明感は失われてしまう。
このような使用感が現れるのは、無機粉体の粒子径が主な原因であり、平均一次粒子径が100nm以上(サブミクロン)の顔料級と呼ばれる無機粉体が有する隠蔽力の高さと、一次粒子径が100nm以下のナノサイズの無機粉体が互いに凝集を起こし、大きな凝集体を形成しているために起こる。
この問題の解決のため、公知な技術としては親水性のシリカやアルミナ、又は疎水性のステアリン酸やジメチコン等による表面処理を施すことが挙げられ、この処理により様々な剤型における分散性の向上が認められる。
また凝集体由来の白浮きを抑えるため、板状粉体上に酸化チタンを複合化した複合粉体を含む化粧料(特許文献1、2)が開示されているが、その製法は従来ある硫酸チタニルの加水分解法を用いたものであり、反応溶液の昇温速度、反応温度の管理や焼成工程といった条件が煩雑かつ製造に時間を要する。
その他の複合粒子では、無機粉体を分散させる分散媒の検討もなされており、特許文献3はシリカ粒子の内部に微粒子酸化チタンを分散させ、可視光に対する高い透明性と紫外線防御効果を併せ持った複合粒子が提示されている。しかし、実施例のSPF値が低いことから鑑みるに高い透明性は得られるものの酸化チタン本来の紫外線防御効果が有意に現れているとは言い難い。
特開昭63-159476 特開2008-88317 特開2017-114826
以上のことから、本願発明が解決しようとする課題は、無機粉体の顔料級若しくは凝集体に特有な白浮きを抑え、滑らかさと紫外線防御効果に優れた、複合粉体を製造する方法及びその複合粉体を含有したメイクアップ化粧料を提供することである。
本願発明者らは、アルミニウム又はアルミニウムの合金を水中電極とした液面プラズマ処理により微粒子酸化チタン表面のゼータ電位を特異的に上昇させる方法(特許第6093518号)を適用して、微粒子酸化チタンを良好に分散した水分散体を利用することで、等電点が高い板状粉体でも複合粉体を得られることを見出した。また複合粉体について、肌へ塗布した際に適度な隠蔽力、透明性と滑らかな使用感が現れ、さらに紫外線防御効果を示すことを見出し、本願発明に至った。
すなわち本願発明は、液面プラズマ処理により微粒子酸化チタンを水中分散させた良好水分散体と等電点が5以上9以下の板状粉体を水中で攪拌混合することにより、板状粉体上に微粒子酸化チタンを板状粉体に対して5~35重量%の割合で固着させ、濾取後、乾燥して得られる複合粉体の製造方法と、この複合粉体を含有するメイクアップ化粧料である。
本願発明の複合粉体は、適度な隠蔽力、透明性、滑らかさ、そして紫外線防御効果を有することから、この複合粉体を含有する化粧料を使用すれば、明かりに照らされた際の不自然な白浮きや外観の厚ぼったさがなく、均一で紫外線防御効果に優れた化粧塗膜を形成することができる。
実施例1に係る複合粉体の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)画像 各粉体の紫外可視光(UV-Vis)透過率曲線 プラズマ処理装置概略図
本願発明の複合粉体に用いられる微粒子酸化チタンは、特に限定されず、どのようなものでも好適に用いることができるが、表面に水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)を有し、表面処理によりこれらが全体、又は一部分が被覆された微粒子酸化チタンであればより好ましい。
本願発明の複合粉体に用いられる微粒子酸化チタンの平均一次粒子径(電子顕微鏡観察による)は100nm以下である。より好ましくは75nm以下であり、もっとも好ましくは10~50nmである。100nmより大きいと、紫外線防御効果及び隠蔽効果は得られるものの、白さが目立ち、化粧料に適用した際に自然な仕上がりを損なう恐れがある。
本願発明の複合粉体を構成する微粒子酸化チタンの組成比率は、板状粉体に対して5~35重量%である。より好ましくは10~30重量%であり、もっとも好ましくは15~25重量%である。5重量%より少ないと紫外線防御効果が十分に得られず、35重量%よりも多いと、化粧料に適用した際、不自然な白浮きが現れる恐れがあり、また、塗布時に酸化チタン凝集体特有のきしみ感を生じ、肌表面の滑らかさが失われることがあるため、好ましくない。
本願発明の複合粉体を構成する板状粉体は、等電点が5以上9以下の無機板状粉体である。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、酸化セリウム、酸化第二鉄等が挙げられる。複合粉体の母粉体としては適度な屈折率を有し、ソフトなカバー力のある硫酸バリウムが好ましい。また、板状粉体の平均長径(レーザー回折法による)は、50μm以下である。より好ましくは35μm以下であり、もっとも好ましくは5~25μmである。
本願発明は微粒子酸化チタンを水又は水溶性の分散媒へ添加した分散体に対して、液面プラズマ処理を行なう。
本願発明の複合粉体は以下の工程(1)にて微粒子酸化チタン水分散体を得て、(2)の操作で調製されるものである。
(1)水中に投入された微粒子酸化チタンに対して、一対の電極のうち、一方は水中に浸す又は水面に接触させ、他方は水面上部の気中に配置して、両電極間に電圧を印加してプラズマを発生させる方式によりプラズマを照射して微粒子酸化チタン水分散体を得る。
(2)工程(1)で得られた微粒子酸化チタン水分散体と板状粉体を水中で攪拌混合し、静置後沈降した粉体を濾取、乾燥して複合粉体を得る。
上記工程(1)において液面プラズマ処理を行なう分散体の粉体濃度は特に限定されないが、濃度が低い場合、複合粉体及び化粧料へ適用する際の汎用性に欠ける。また濃度が高い場合は処理時間が長くなることから、0.1~20重量%が好ましく、より好ましくは1~17.5重量%であり、もっとも好ましくは5~12.5重量%である。
上記工程(1)の液面プラズマ処理方法において、プラズマの発生に使用する電源には、直流電源、パルス・ナノパルス電源、低周波・高周波交流電源、マイクロ波電源等様々な方式を用いることができ、大きな印加電圧・電流を用いる場合は、処理効率を低下させることなく電極の赤熱を軽減できることから、気中に設置した電極側をプラス、分散体中に設置した電極側をマイナスとなるように整流回路を用いる方法や、電流分岐ユニットを用いて複数の電極から複数のプラズマを発生させる方法が好ましい。
また、気中に用いる電極について、本数は特に限定されず、プラズマ発生条件によって適宜選択すればよく、大きな印加電圧・電流を用いる場合では複数本の気中電極を用いた方が1つの電極にかかる負担が減少するため、好ましい。また形状については、特に規定しないが、針状、中空針状、線状、平板状等が考えられ、その中でも、不平等電界が発生することで絶縁破壊電圧が低くなりプラズマを低電圧でも発生させやすくする針状のものが好ましい。
上記工程(1)の液面プラズマにおいて、水中に浸す又は水面に接触する電極の素材は、アルミニウム又はアルミニウム合金が適用できるが、電極のコンタミネーションを考慮するとアルミニウムが好ましい。また、気中に配置される電極の素材は、タングステン、グラファイト、チタン、ステンレス、モリブデン、アルミニウム、鉄、銅、銀、金、白金等、若しくはこれらを組み合わせた合金が挙げられるが、同様に電極のコンタミネーションを考慮すると、白金が好ましい。
上記工程(1)では、液面プラズマと機械的解砕力や機械的攪拌力を併用すれば、さらにプラズマ処理・分散処理の効率を上昇させることができる。具体的には、マグネチックスターラー、ミキサー、超音波浴、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイダルミル、スタンプミル、ロッドミル、ボールミル、ビーズミル、ジョークラッシャー、ニーダー、プラネタリー、薄膜旋回型高速ミキサー等が挙げられるが、特にこれらに限定されず、2つ以上併用しても構わない。また、攪拌力と解砕力を同時に効率よく付与できるという点から、超音波浴、高速ホモミキサー、ビーズミル、薄膜旋回型高速ミキサーを併用することが好ましい。
本願発明では、これら各機械的な攪拌力・解砕力と、設置する電極の位置を任意に選択し組み合わせることができ、その組み合わせは特に限定しないが、プラズマ処理を行なうことを主とするプラズマ照射部と、攪拌・解砕を主とする攪拌・解砕部を分離させ、液送ポンプ等の循環器等を用いて双方を循環させることで効率よく微粒子酸化チタンの水分散体を調製することができる。(図3参照)
上記工程(2)において、工程(1)にて得られた微粒子酸化チタン水分散体と板状粉体の水中混合方法は特に限定されないが、粉体固形分濃度が5~20重量%となるように水へ板状粉体を分散させた後に、微粒子酸化チタン水分散体を添加する方法が、板状粉体上に被覆する微粒子酸化チタンの均一性が高いことから好ましい。
本願発明で得られる複合粉体は、未処理で使用することもできるが、適宜、表面処理を施して使用してもよい。表面処理剤としては、通常、化粧料用粉体に用いられる表面処理剤であれば特に限定されない。具体的な表面処理剤として、例えば、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等が挙げられる。
本願発明で得られる複合粉体は、白色顔料が含有され得るメイクアップ化粧料ならばいずれでも適用可能であり、特に下地、ファンデーション、プレストパウダー等のベースメイクアップ化粧料であれば本願発明の紫外線防御、透明感付与の効果を感じられやすく、好ましい。また、メイクアップ化粧料への含有量は0.01~10重量%が好ましく、0.1~5重量%がより好ましい。
次に、本願発明について実施例を挙げて詳細に説明するが、本願発明はこれにより何ら限定されるものではない。尚、表中の数値は含有量(重量%)を意味する。
(製造方法)実施例1~4
工程(1):下記表1の成分1又は成分2を、固形分濃度10重量%となるように調製し、水分散体6Lを用意した。その後、この水分散体を予備解砕するため、高速ホモミキサー(コンビミックス3M-5型;プライミクス社製)と薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス56-L型;プライミクス社製)を併用して、下記条件にて循環処理を行なった。
・攪拌、解砕条件
ホモミキサー回転速度:8,000rpm
ホモディスパー回転速度:2,000rpm
薄膜旋回ミキサー周速:30m/sec.
分散媒:イオン交換水
循環送液速度:1.6L/min.
処理時間:2時間
さらに上記循環処理を行なった分散体に対し、液面プラズマ処理を追加して処理を行なった。プラズマの発生条件・処理条件は下記のように設定した。
<液面プラズマ処理>
電源:高出力パルス電源(最大出力±10kV p-p, 1kW, 周波数15kHz)
印加電圧:3kV
電流:4A
電極:気中電極は白金線(Φ1.0mm)×8本、水中電極は棒状アルミニウム(φ3.5mm)
気中電極と液面間距離:5mm
雰囲気:照射開始後1時間は空気雰囲気、それ以降はアルゴン雰囲気にて1時間処理を行なった。
・攪拌、解砕条件
ホモミキサー回転速度:2,500rpm
ホモディスパー回転速度:2,000rpm
薄膜旋回ミキサー周速:30m/sec.
超音波洗浄器 周波数:44kHz、出力55W
処理時間:2時間
工程(2):上記工程(1)から得られた成分1又は成分2の水分散体、及び成分3を固形分濃度10重量%となるように水分散体を用意し、成分1又は成分2の水分散体を成分3の水分散体へスターラーを用いて10分間攪拌混合しながら加え、さらに10分間攪拌した。その後、上澄みが透明になるまで静置し、粉体の凝集物を沈殿させた。得られた沈殿物を濾取し、乾燥、及び粉砕工程を経て成分1又は成分2と、成分3の複合粉体を得た。
(製造方法)実施例5
実施例1~4の製造方法で示した工程(1)と同様にして成分1の分散体を調製し、上記工程(2)と同様にして複合化を行い、成分1と、成分4の複合粉体を得た。
(製造方法)比較例1
実施例1~4の製造方法で示した工程(1)と同様にして成分1の分散体を調製し、上記工程(2)と同様にして複合化を行い、成分1と成分3の複合粉体を得た。
(製造方法)比較例2
成分1、及び成分3をヘンシェルミキサーにて均一に混合して、混合粉体を得た。
<紫外線防御効果の評価>
実施例1~5、及び比較例1、2に示す複合粉体、又は混合粉体の紫外線防御特性の評価は下記方法に従って実施した。熱硬化性シリコーン樹脂中に5重量%濃度となるように各粉体を均一分散させ、厚さ20μmのフィルムサンプルを作製し、紫外可視分光測定により280~800nmの波長範囲における透過率を得た。また、以下の基準に沿って紫外線防御効果を判定した。
(判定基準)
紫外線の内、UVB領域である280~320nmにおける透過率
〔透過率〕 〔判定〕
20%以下 :◎
20~40% :○
40~60% :△
<使用感の評価>
化粧品専門パネル5名に実施例1~5、及び比較例1、2に示す複合粉体、又は混合粉体を使用してもらい、肌に塗布した際の滑らかさ、隠蔽力等の使用感について、以下の評価基準により評点を付し、各粉体に対して評点の平均点を算出、以下に示す判定基準に従って判定した。
(評価基準)
〔使用性〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1

<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
Figure 0007278573000001
図2に紫外可視分光測定により得られた280~800nmの波長範囲における透過率のグラフを示す。また図2には代表して実施例1、実施例3、及び比較例1のデータを示した。
実施例3は、実施例1と比較すると成分1の被覆量が少ないため、紫外線防御効果が低くなる傾向がみられた。成分1の被覆量が多い比較例1は、紫外線防御効果は良好であるものの、実施例1と使用感を比較すると明らかなきしみ感を生じ、隠蔽力が強く白浮きしてしまう傾向があった。また、工程の異なる比較例2は、実施例1と比較すると紫外線防御効果が有意に低下し、酸化チタンの凝集による特有の強いきしみ感と白浮きが目立った。さらに、実施例5は紫外線防御効果はあるが、実施例1と比べて塗布時の滑り性が悪く、炭酸カルシウムの屈折率が硫酸バリウムより低いことからカバー力もやや劣ることが分かった。
実施例1の複合粉体が最も良く、紫外領域の散乱効果、及び可視領域の透明性に優れており、この特徴は、構成成分の粒子形態制御、及び複合化により得られた効果であると考えられる。
続いて以下に、本願発明の化粧料用複合粉体を固形粉末化粧料に適用した実施例を挙げる。尚、表中の数値は含有量(重量%)を意味する。
実施例6:パウダーファンデーション
成分名 含有量(重量%)
1.シリコーン処理タルク 残分
2.シリコーン処理セリサイト 15.00
3.シリコーン処理顔料級酸化チタン 4.00
4.シリコーン処理黄酸化鉄 0.90
5.シリコーン処理弁柄 0.20
6.シリコーン処理黒酸化鉄 0.10
7.実施例1記載の複合粉体 4.00
8.無水ケイ酸 15.00
9.球状セルロース 5.00
10.メチルパラベン 0.20
11.エチルパラベン 0.10
12.塩化ナトリウム 0.10
13.ジメチコン 7.00
14.イソノナン酸イソトリデシル 2.00
15.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2.00
16.トコフェロール 0.02
17.香料 0.05
合計100.00
(製造方法)実施例6
成分1~12(粉体部)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行なった。さらに、粉体部の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分13~17(油剤部)をヘンシェルミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通して粉末化粧料基材を得た。得られた粉末化粧料基材を中皿に充填し、圧縮成型することでパウダーファンデーションを得た。
実施例7及び比較例3:パウダーファンデーション
実施例6に適用した実施例1に記載の複合粉体を、実施例5又は比較例2に記載の混合粉体に代替してパウダーファンデーションを調製し、実施例7及び比較例4とした。
実施例6は比較例4に比べて、UVA、及びUVB領域ともに、紫外線防御効果に優れていた。また、実施例7と比べても、より滑らかな使用性から均一に塗布することができ、化粧もちも良く、経時安定性が良好な固形粉末化粧料であった。
実施例8:プレストパウダー
成分名 含有量(重量%)
1.タルク 残分
2.シリコーン処理合成セリサイト 5.00
3.シリコーン処理合成マイカ 20.00
4.シリコーン処理黄酸化鉄 0.25
5.シリコーン処理弁柄 0.12
6.シリコーン処理黒酸化鉄 0.03
7.実施例1記載の複合粉体 3.00
8.無水ケイ酸 10.00
9.メチルパラベン 0.20
10.ジメチコン 1.50
11.ワセリン 0.50
12.コハク酸ジエチルヘキシル 1.50
13.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 1.00
14.トコフェロール 0.05
15.香料 0.05
合計100.00
(製造方法)実施例8
成分1~9(粉体部)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行なった。さらに、粉体部の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分10~15(油剤部)をヘンシェルミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通して粉末化粧料基材を得た。得られた粉末化粧料基材を中皿に充填し、圧縮成型することでプレストパウダーを得た。
実施例8はUVA、及びUVB領域ともに、製品として満足な紫外線防御効果を有していた。また、使用性と化粧もちに優れ、経時安定性が良好な固形粉末化粧料であった。
液面プラズマ処理を行なった微粒子酸化チタン水分散体と、液面プラズマ処理を行なっていないものでは微粒子酸化チタンの凝集、沈降挙動が異なることが分かっている。一般的に、未処理の微粒子酸化チタンは水中に分散すると一時的に良好な分散体の様相を取るが、非常に凝集し易い性質から、直ちに沈降してしまう。しかしながら、アルミニウム又はアルミニウムの合金を水中電極とした液面プラズマ処理により微粒子酸化チタン表面のゼータ電位を特異的に上昇させる方法を適用すれば、静電斥力により微粒子同士の凝集を抑制することができる。また、同様の効果から微粒子酸化チタンは互いに反発して水中を浮遊することにより、経時的に沈降する速度は遅く、仮に沈降したとしても軽度な混和操作により良好に再分散する。本願発明は、このような特徴を有する微粒子酸化チタン水分散体を利用することにより、板状粉体上へ均一に微粒子酸化チタンを固着化した複合粉体の製造方法に関するものである。
本願発明の複合粉体は、微粒子酸化チタンを母粉体に固着化したものであり、微粒子の空気中への飛散を抑え、紫外線防御効果に優れながらも、不自然な白浮きもなく滑らかなものである。本願発明の化粧料用複合粉体は、固形粉末化粧料に好適に含有することができる。
1 被処理液体を入れる貯留槽
2 被処理液体
3 電源
4 気中に設置した電極
5 水中に設置した電極
6 絶縁管
7 プラズマ
8 アルゴンガス
9 恒温水
10 超音波処理槽
11 攪拌機
12 高速ホモミキサー
13 薄膜旋回型高速ミキサー
14 ポンプ

Claims (4)

  1. 液面プラズマ処理により水中分散した微粒子酸化チタンを等電点が5以上9以下である板状粉体に対して5~35重量%含有し、両者を水中混合してなる複合粉体の製造方法。
  2. 板状粉体が硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の複合粉体の製造方法。
  3. 以下の工程(1)及び(2)にて得られることを特徴とする請求項1又は2記載の複合粉体の製造方法。
    (1)水中に投入された微粒子酸化チタンに対して、一対の電極のうち、一方は水中に浸す又は水面に接触させたアルミニウム又はアルミニウム合金を用い、他方は水面上部の気中に配置して、両電極間に電圧を印加してプラズマを発生させる方式によりプラズマを照射して微粒子酸化チタン水分散体を得る。
    (2)工程(1)で得られた微粒子酸化チタン水分散体と板状粉体を水中で攪拌混合し、静置後沈降した粉体を濾取、乾燥して複合粉体を得る。
  4. 請求項1~3いずれか一項記載の製造方法によって得られる複合粉体を含有するメイクアップ化粧料の製造方法
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