JP7278573B2 - 複合粉体の製造方法及びメイクアップ化粧料 - Google Patents
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Description
(1)水中に投入された微粒子酸化チタンに対して、一対の電極のうち、一方は水中に浸す又は水面に接触させ、他方は水面上部の気中に配置して、両電極間に電圧を印加してプラズマを発生させる方式によりプラズマを照射して微粒子酸化チタン水分散体を得る。
(2)工程(1)で得られた微粒子酸化チタン水分散体と板状粉体を水中で攪拌混合し、静置後沈降した粉体を濾取、乾燥して複合粉体を得る。
上記工程(1)では、液面プラズマと機械的解砕力や機械的攪拌力を併用すれば、さらにプラズマ処理・分散処理の効率を上昇させることができる。具体的には、マグネチックスターラー、ミキサー、超音波浴、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高速ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイダルミル、スタンプミル、ロッドミル、ボールミル、ビーズミル、ジョークラッシャー、ニーダー、プラネタリー、薄膜旋回型高速ミキサー等が挙げられるが、特にこれらに限定されず、2つ以上併用しても構わない。また、攪拌力と解砕力を同時に効率よく付与できるという点から、超音波浴、高速ホモミキサー、ビーズミル、薄膜旋回型高速ミキサーを併用することが好ましい。
工程(1):下記表1の成分1又は成分2を、固形分濃度10重量%となるように調製し、水分散体6Lを用意した。その後、この水分散体を予備解砕するため、高速ホモミキサー(コンビミックス3M-5型;プライミクス社製)と薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス56-L型;プライミクス社製)を併用して、下記条件にて循環処理を行なった。
・攪拌、解砕条件
ホモミキサー回転速度:8,000rpm
ホモディスパー回転速度:2,000rpm
薄膜旋回ミキサー周速:30m/sec.
分散媒:イオン交換水
循環送液速度:1.6L/min.
処理時間:2時間
<液面プラズマ処理>
電源:高出力パルス電源(最大出力±10kV p-p, 1kW, 周波数15kHz)
印加電圧:3kV
電流:4A
電極:気中電極は白金線(Φ1.0mm)×8本、水中電極は棒状アルミニウム(φ3.5mm)
気中電極と液面間距離:5mm
雰囲気:照射開始後1時間は空気雰囲気、それ以降はアルゴン雰囲気にて1時間処理を行なった。
・攪拌、解砕条件
ホモミキサー回転速度:2,500rpm
ホモディスパー回転速度:2,000rpm
薄膜旋回ミキサー周速:30m/sec.
超音波洗浄器 周波数:44kHz、出力55W
処理時間:2時間
実施例1~4の製造方法で示した工程(1)と同様にして成分1の分散体を調製し、上記工程(2)と同様にして複合化を行い、成分1と、成分4の複合粉体を得た。
実施例1~4の製造方法で示した工程(1)と同様にして成分1の分散体を調製し、上記工程(2)と同様にして複合化を行い、成分1と成分3の複合粉体を得た。
成分1、及び成分3をヘンシェルミキサーにて均一に混合して、混合粉体を得た。
実施例1~5、及び比較例1、2に示す複合粉体、又は混合粉体の紫外線防御特性の評価は下記方法に従って実施した。熱硬化性シリコーン樹脂中に5重量%濃度となるように各粉体を均一分散させ、厚さ20μmのフィルムサンプルを作製し、紫外可視分光測定により280~800nmの波長範囲における透過率を得た。また、以下の基準に沿って紫外線防御効果を判定した。
(判定基準)
紫外線の内、UVB領域である280~320nmにおける透過率
〔透過率〕 〔判定〕
20%以下 :◎
20~40% :○
40~60% :△
化粧品専門パネル5名に実施例1~5、及び比較例1、2に示す複合粉体、又は混合粉体を使用してもらい、肌に塗布した際の滑らかさ、隠蔽力等の使用感について、以下の評価基準により評点を付し、各粉体に対して評点の平均点を算出、以下に示す判定基準に従って判定した。
(評価基準)
〔使用性〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
実施例3は、実施例1と比較すると成分1の被覆量が少ないため、紫外線防御効果が低くなる傾向がみられた。成分1の被覆量が多い比較例1は、紫外線防御効果は良好であるものの、実施例1と使用感を比較すると明らかなきしみ感を生じ、隠蔽力が強く白浮きしてしまう傾向があった。また、工程の異なる比較例2は、実施例1と比較すると紫外線防御効果が有意に低下し、酸化チタンの凝集による特有の強いきしみ感と白浮きが目立った。さらに、実施例5は紫外線防御効果はあるが、実施例1と比べて塗布時の滑り性が悪く、炭酸カルシウムの屈折率が硫酸バリウムより低いことからカバー力もやや劣ることが分かった。
成分名 含有量(重量%)
1.シリコーン処理タルク 残分
2.シリコーン処理セリサイト 15.00
3.シリコーン処理顔料級酸化チタン 4.00
4.シリコーン処理黄酸化鉄 0.90
5.シリコーン処理弁柄 0.20
6.シリコーン処理黒酸化鉄 0.10
7.実施例1記載の複合粉体 4.00
8.無水ケイ酸 15.00
9.球状セルロース 5.00
10.メチルパラベン 0.20
11.エチルパラベン 0.10
12.塩化ナトリウム 0.10
13.ジメチコン 7.00
14.イソノナン酸イソトリデシル 2.00
15.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2.00
16.トコフェロール 0.02
17.香料 0.05
合計100.00
成分1~12(粉体部)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行なった。さらに、粉体部の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分13~17(油剤部)をヘンシェルミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通して粉末化粧料基材を得た。得られた粉末化粧料基材を中皿に充填し、圧縮成型することでパウダーファンデーションを得た。
実施例6に適用した実施例1に記載の複合粉体を、実施例5又は比較例2に記載の混合粉体に代替してパウダーファンデーションを調製し、実施例7及び比較例4とした。
成分名 含有量(重量%)
1.タルク 残分
2.シリコーン処理合成セリサイト 5.00
3.シリコーン処理合成マイカ 20.00
4.シリコーン処理黄酸化鉄 0.25
5.シリコーン処理弁柄 0.12
6.シリコーン処理黒酸化鉄 0.03
7.実施例1記載の複合粉体 3.00
8.無水ケイ酸 10.00
9.メチルパラベン 0.20
10.ジメチコン 1.50
11.ワセリン 0.50
12.コハク酸ジエチルヘキシル 1.50
13.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 1.00
14.トコフェロール 0.05
15.香料 0.05
合計100.00
成分1~9(粉体部)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行なった。さらに、粉体部の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分10~15(油剤部)をヘンシェルミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通して粉末化粧料基材を得た。得られた粉末化粧料基材を中皿に充填し、圧縮成型することでプレストパウダーを得た。
2 被処理液体
3 電源
4 気中に設置した電極
5 水中に設置した電極
6 絶縁管
7 プラズマ
8 アルゴンガス
9 恒温水
10 超音波処理槽
11 攪拌機
12 高速ホモミキサー
13 薄膜旋回型高速ミキサー
14 ポンプ
Claims (4)
- 液面プラズマ処理により水中分散した微粒子酸化チタンを等電点が5以上9以下である板状粉体に対して5~35重量%含有し、両者を水中混合してなる複合粉体の製造方法。
- 板状粉体が硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の複合粉体の製造方法。
- 以下の工程(1)及び(2)にて得られることを特徴とする請求項1又は2記載の複合粉体の製造方法。
(1)水中に投入された微粒子酸化チタンに対して、一対の電極のうち、一方は水中に浸す又は水面に接触させたアルミニウム又はアルミニウム合金を用い、他方は水面上部の気中に配置して、両電極間に電圧を印加してプラズマを発生させる方式によりプラズマを照射して微粒子酸化チタン水分散体を得る。
(2)工程(1)で得られた微粒子酸化チタン水分散体と板状粉体を水中で攪拌混合し、静置後沈降した粉体を濾取、乾燥して複合粉体を得る。 - 請求項1~3いずれか一項記載の製造方法によって得られる複合粉体を含有するメイクアップ化粧料の製造方法。
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JP2019015054A JP7278573B2 (ja) | 2019-01-31 | 2019-01-31 | 複合粉体の製造方法及びメイクアップ化粧料 |
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JP2020122088A JP2020122088A (ja) | 2020-08-13 |
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