JPH07196447A - 薄片状粉体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

薄片状粉体及びこれを配合した化粧料

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JPH07196447A
JPH07196447A JP5349053A JP34905393A JPH07196447A JP H07196447 A JPH07196447 A JP H07196447A JP 5349053 A JP5349053 A JP 5349053A JP 34905393 A JP34905393 A JP 34905393A JP H07196447 A JPH07196447 A JP H07196447A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 タルク、マイカ、カオリン、セリサイト等の
フィロケイ酸塩粉体をチタン、亜鉛、珪素、ジルコニウ
ム、セリウム、アルミニウム等の金属ヒドロゾルの存在
下、層間剥離せしめて得られる、好ましくはアスペクト
比が10以上の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体およびこ
れを含有する化粧料。 【効果】 本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体は、
従来の板状粉体に比べ高いアスペクト比、すなわち薄片
化されているため、この薄片状粉体を配合することによ
って光学特性に優れ、かつ、滑らかさ等の使用感が良好
な化粧料を得ることができる。 また、薄片状金属ヒド
ロゾル複合粉体に吸着させる金属の種類を選択すること
により、紫外線遮断効果等の特殊な効果を付与すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な薄片状粉体及びこ
れを含有する化粧料に関し、更に詳細には、透明感や艶
等の光学特性に優れ、かつ滑らかさ等の使用感の良好な
薄片状粉体およびこれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】タルク、マイカ、カオリン、セリサイト
等のフィロケイ酸塩あるいは層状粘土鉱物と呼ばれる鉱
物は、主としてケイ酸とアルミナから構成される層状構
造(板状構造)を持ち、透明感や艶のような光学特性、
滑らかな使用感等の特性を有する体質顔料であるため、
従来より化粧料原料として広く用いられている。
【0003】このフィロケイ酸塩粉体が有する上記特性
は、その層状の形状に起因しているので、フィロケイ酸
塩粉体の特性をさらに向上させるには、その形状を制御
すること、即ち、当該粉体をさらに薄片化させ、層状粒
子の平面部の平均粒子径と端面部の厚さの比(アスペク
ト比)をより大きくすることが必要である。
【0004】しかしながら、従来の乾式粉砕あるいは湿
式粉砕方法は、粉体を大きな塊状から微粉まで等方的な
形状に粉砕する方法であり、粒子の微粒化や粒子径の均
一化は可能であるものの、粉体の層間剥離とともに多く
の面内破壊も起こるため、アスペクト比を一定の大きさ
以上にすることは困難であり、非等方的で薄片状に制御
された粉砕物を得ることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、アスぺク
ト比がより大きく、かつ形状が一定に制御された薄片状
粉体およびその製造方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結
果、金属ヒドロゾルを存在せしめて薄片化すれば、アス
ペクト比が大きく一定形状の薄片状粉体が得られること
を見出した。また、この薄片状粉体を配合することによ
って光学性に優れ、かつ、使用感の良好な化粧料が得ら
れ、さらに、金属ヒドロゾルの成分を適宜選択すること
により、薄片状粉体自体に紫外線遮断効果等の特殊な効
果を付与することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明の目的はフィロケイ酸塩
粉体を金属ヒドロゾルの存在下、層間剥離せしめて得ら
れる薄片状粉体を提供することである。また本発明の別
の目的は、上記薄片状粉体を含有する化粧料を提供する
ことである。
【0008】本発明の薄片状粉体を調製するには、フィ
ロケイ酸塩を金属ヒドロゾルの存在下、層間剥離させれ
ば良いが、具体的には、例えばフィロケイ酸塩粉体を必
要に応じ分散剤を用いて水、液状アルコール、液状炭化
水素などの分散媒中に分散せしめてサスペンションとし
た後、これに金属ヒドロゾルを添加し、ボールミル等を
用いて湿式粉砕すれば良い。
【0009】原料であるフィロケイ酸塩粉体としては、
例えばタルク、マイカ、カオリン、セリサイト等の層状
粘土鉱物が挙げられる。 これらのフィロケイ酸塩粉体
は、使用目的に応じて、1種または2種以上を選択し、
組み合わせることができる。就中、タルク類は、層間結
合力が弱いので本発明の薄片化効果が効率良く発現でき
るので特に好ましい。
【0010】また、サスペンションは、上記フィロケイ
酸塩粉体を分散媒に対して10〜50容量%、好ましく
は20〜30容量%となるよう分散させ、必要に応じて
0.1〜10重量%(以下、単に「%」で示す)の界面
活性剤を加えて調製すればよい。
【0011】金属ヒドロゾルとしては、金属のアルコキ
シド、硫酸物、塩化物等を、酸あるいはアルカリで加水
分解したものを利用することができ、金属の具体例とし
ては、チタン、亜鉛、珪素、ジルコニウム、セリウム、
アルミニウム等が挙げられる。この金属ヒドロゾルは、
製造される薄片状粉体の目的に応じてこれらの1種また
は2種以上を選択し、組み合わせて使用することができ
る。
【0012】使用される金属ヒドロゾルの量は、フィロ
ケイ酸塩粉体に対して、酸化物として0.01〜100
%程度、特に0.1〜50%程度とすることが好まし
い。
【0013】なお、本発明によれば、金属ヒドロゾル中
の金属成分がフィロケイ酸塩粉体の表面や端面に吸着し
複合化するので、この金属成分を適宜選択することによ
り、薄片状粉体自体に紫外線遮断効果や皮脂、汗吸収効
果、分散性向上効果等を付与することができる。 例え
ば、金属成分としてチタン、亜鉛、ジルコニウム、セリ
ウム等を用いた場合には薄片状粉体に紫外線遮断効果を
付与することが、また、珪素等を用いた場合は皮脂・汗
吸収効果、分散性向上効果を薄片状粉体に付与すること
ができる。
【0014】上述の如くして得られた本発明に係る薄片
状粉体は、これをそのまま、あるいは常法により濾過、
洗浄、乾燥等の処理を施して用いることができる。 ま
た、必要に応じて焼成して用いてもよい。
【0015】本発明の薄片状粉体は、化粧料に配合する
ためには、その平均粒子径が0.1〜100μm、厚さ
が0.01μm〜1μm程度で、アスペクト比が10以
上、特に50以上であることが特性及び使用感上好まし
い。 なお、ここでいう平均粒子径とは、板状粒子の平
面部の最長径として表されるものである。
【0016】本発明の薄片状粉体は、さらに目的に応じ
て、通常化粧料に用いられる油脂類、ワックス類、界面
活性剤、酸化防止剤、アルコール類、多価アルコール
類、紫外線吸収剤等で表面処理して用いることも可能で
ある。 その一例としては、耐水や耐汗性の向上を狙い
シリコーン油、フッ素系油剤、高級脂肪酸あるいはその
塩、高級脂肪酸エステルなどで処理する方法等が挙げら
れる。
【0017】以上の様にして得られた薄片状粉体を用い
る化粧料の調製は、常法に従い、従来の化粧料用粉体を
本発明の薄片状粉体に代えることにより行うことができ
る。
【0018】すなわち、本発明の薄片状粉体と、通常化
粧料に用いられる各種成分、例えば油脂類、ワックス
類、界面活性剤、酸化防止剤、香料、顔料、粉体、アル
コール類、紫外線吸収剤、増粘剤、キレート剤、防腐
剤、水などを組合せることにより調製することができ
る。
【0019】本発明の薄片状粉体を含有する化粧料の剤
型は、粉体状、クリーム状、乳液状、ローション状等の
いずれであってもよく、特にメーキャップ化粧料、スキ
ンケア化粧料、ヘアケア化粧料等とすることが好まし
い。
【0020】なお、化粧料中の薄片状粉体の配合量は、
その化粧料の特質に応じて任意に選択されるが、通常は
0.5〜99%程度の範囲で配合すればよい 。
【0021】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらになんら制約さ
れるものではない。
【0022】実 施 例 1 本発明薄片状粉体の調製:市販タルク 100gを、分
散剤としてモノオイレン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタン1gを含む0.01M NH4Cl溶液160
ml中に分散せしめ、サスペンションを調製した。
【0023】このサスペンションに、塩酸−エタノール
混液にチタンテトライソポリオキシド(和光純薬工業
製)とエタノールとの混合溶液を添加、加水分解して得
た0.5Mの透明チタニアゾル 1.85gを添加した。
次いで、このサスペンションを卓上型ボールミル(入江
商会社製)に充填し、このボールミルに直径10mmの
アルミナボール320個を500cm3の樹脂製ポット
に充填して入れ、77rpmで1時間撹拌して薄片状粉
体を得た。
【0024】比 較 例 1 比較薄片状粉体の調製:透明チタニアゾルを添加しない
以外は実施例1と同様に処理して比較粉体を調製した。
【0025】試 験 例 1 粉体形状の測定:実施例1および比較例1で得られた粉
体について、以下の方法で粒子径、厚さを測定し、これ
からアスペクト比を求めた。平均粒子径はサスペンショ
ン中の粉砕粒子を光学顕微鏡で捕らえ、画像分析装置
(ニレコ社製LUZEX450)により解析した。ま
た、粉砕粒子の厚さはX線回折法により、タルクの底面
反射である(002)面の回析ピークの広がりから得ら
れるC軸方向の結晶子の大きさによって表した。 その
結果を表2に示す。
【0026】
【0027】上記の結果からわかるように、チタニアゾ
ルを添加して薄片化した実施例1の薄片状粉体は、市販
タルクと比較して、平均粒子径はあまり小さくならない
にもかかわらず、厚さが極めて薄くなっており、アスペ
クト比が10倍以上になった。 これに対し、チタニア
ゾルを添加しない比較例1の粉体では、平均粒子径が市
販タルクの半分以下になったにもかかわらず、その厚み
は実施例1のものより5割ほど厚かった。 従って、本
発明の薄片状粉体と比較粉体では、アスペクト比におい
て約2倍の差がみられた。これはチタニアゾルの添加粉
砕により、板状粉体の面内破壊が抑制され、かつ層間の
剥離が効率的に行なわれたためと考えられる。
【0028】試 験 例 2 実施例1で得られた本発明薄片状粉体について、SEM
−X線マイクロアナライザーを用いてタルクへのチタニ
アゾルの吸着を観察した。その結果、タルク表面にチタ
ンの吸着が見られ、特に粉体のエッジ部分(端面)に多
く存在していることが判明した。 この結果から、チタ
ニアゾルの吸着が層間剥離効果を高めたものと推定され
る。
【0029】試 験 例 3 実施例1で得られた薄片状粉体について、紫外部領域の
波長に対する遮断効果について調べた。実施例1および
比較例1で得られた薄片状粉体を、それぞれドクターブ
レードを用いて石英板上に25μmの厚さに塗布したも
のを試料とし、分光光度計にて透過率を測定して紫外線
遮断効果を比較した。結果を図1に示す。この試験結果
から、本発明品であるチタンを吸着した実施例1の薄片
状粉体は優れた紫外線遮断効果を有することが判明し
た。
【0030】実 施 例 2 パウダーファンデーション:以下に示す組成のパウダー
ファンデーションを調製し、のび広がりの良さ(スライ
ド感)、透明感、化粧膜の均一性、ツヤ、キメの各評価
項目について、評価パネルにより官能評価を行った。
その結果を表3に示す。
【0031】 < 組 成 > 本発明品 比 較 品 1. 薄片状タルク* 50(%) − (%) 2. 未処理タルク − 50 3. 酸化チタン 15 15 4. マイカ 残 量 残 量 5. 無水ケイ酸 2 2 6. 顔料 適 量 適 量 7. 流動パラフィン 7 7 8. トリオクタン酸グリセリル 3 3 9. ワセリン 1 1 10. メチルポリシロキサン 2 2 11. 香料 適 量 適 量 12. 防腐剤 適 量 適 量 * 実施例1で得たもの。
【0032】< 評 価 >
【0033】< 判定基準 > ◎: 非常に良い ○: 良い △: 普通 ×: 悪い
【0034】表3の結果より、本発明薄片状粉体を配合
した化粧料は、肌上でのスライド感が良く、均一な化粧
膜が得られることが明らかになった。また、仕上がりも
透明感とツヤのある優れたものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明の薄片状粉体は、従来の板状粉体
に比べ高いアスペクト比、すなわちより薄片化されてい
るため、この薄片状粉体を配合することによって光学特
性に優れ、かつ、滑らかさ等の使用感が良好な化粧料を
得ることができる。また、薄片状粉体に吸着させる金属
の種類を選択することにより、紫外線遮断効果等の特殊
な効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明薄片状粉体の紫外線遮断効果を示す図
面。 以 上
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 薄片状粉体及びこれを配合した化粧料
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な薄片状金属ヒドロ
ゾル複合粉体及びこれを含有する化粧料に関し、更に詳
細には、透明感や艶等の光学特性に優れ、かつ滑らかさ
等の使用感の良好な薄片状金属ヒドロゾル複合粉体およ
びこれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】タルク、マイカ、カオリン、セリサイト
等のフィロケイ酸塩あるいは層状粘土鉱物と呼ばれる鉱
物は、主としてケイ酸とアルミナから構成される層状構
造(板状構造)を持ち、透明感や艶のような光学特性、
滑らかな使用感等の特性を有する体質顔料であるため、
従来より化粧料原料として広く用いられている。
【0003】このフィロケイ酸塩粉体が有する上記特性
は、その層状の形状に起因しているので、フィロケイ酸
塩粉体の特性をさらに向上させるには、その形状を制御
すること、即ち、当該粉体をさらに薄片化させ、層状粒
子の平面部の平均粒子径と端面部の厚さの比(アスペク
ト比)をより大きくすることが必要である。
【0004】しかしながら、従来の乾式粉砕あるいは湿
式粉砕方法は、粉体を大きな塊状から微粉まで等方的な
形状に粉砕する方法であり、粒子の微粒化や粒子径の均
一化は可能であるものの、粉体の層間剥離とともに多く
の面内破壊も起こるため、アスペクト比を一定の大きさ
以上にすることは困難であり、非等方的で薄片状に制御
された粉砕物を得ることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、アスぺク
ト比がより大きく、かつ形状が一定に制御された薄片状
粉体およびその製造方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結
果、金属ヒドロゾルを存在せしめて薄片化すれば、アス
ペクト比が大きく一定形状の薄片状金属ヒドロゾル複合
粉体が得られることを見出した。この薄片状金属ヒドロ
ゾル複合粉体を配合することによって光学性に優れ、か
つ、使用感の良好な化粧料が得られ、さらに、金属ヒド
ロゾルの成分を適宜選択することにより、薄片状金属ヒ
ドロゾル複合粉体自体に紫外線遮断効果等の特殊な効果
を付与することができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明の目的はフィロケイ酸塩
粉体を金属ヒドロゾルの存在下、層間剥離せしめて得ら
れる薄片状金属ヒドロゾル複合粉体を提供することであ
る。また本発明の別の目的は、上記薄片状金属ヒドロゾ
ル複合粉体を含有する化粧料を提供することである。
【0008】本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体
調製するには、フィロケイ酸塩を金属ヒドロゾルの存在
下、層間剥離させれば良いが、具体的には、例えばフィ
ロケイ酸塩粉体を必要に応じ分散剤を用いて水、液状ア
ルコール、液状炭化水素などの分散媒中に分散せしめて
サスペンションとした後、これに金属ヒドロゾルを添加
し、ボールミル等を用いて湿式粉砕すれば良い。
【0009】原料であるフィロケイ酸塩粉体としては、
例えばタルク、マイカ、カオリン、セリサイト等の層状
粘土鉱物が挙げられる。 これらのフィロケイ酸塩粉体
は、使用目的に応じて、1種または2種以上を選択し、
組み合わせることができる。就中、タルク類は、層間結
合力が弱いので本発明の薄片化効果が効率良く発現でき
るので特に好ましい。
【0010】また、サスペンションは、上記フィロケイ
酸塩粉体を分散媒に対して10〜50容量%、好ましく
は20〜30容量%となるよう分散させ、必要に応じて
0.1〜10重量%(以下、単に「%」で示す)の界面
活性剤を加えて調製すればよい。
【0011】金属ヒドロゾルとしては、金属のアルコキ
シド、硫酸物、塩化物等を、酸あるいはアルカリで加水
分解したものを利用することができ、金属の具体例とし
ては、チタン、亜鉛、珪素、ジルコニウム、セリウム、
アルミニウム等が挙げられる。この金属ヒドロゾルは、
製造される薄片状金属ヒドロゾル複合粉体の目的に応じ
てこれらの1種または2種以上を選択し、組み合わせて
使用することができる。
【0012】使用される金属ヒドロゾルの量は、フィロ
ケイ酸塩粉体に対して、酸化物として0.01〜100
%程度、特に0.1〜50%程度とすることが好まし
い。
【0013】なお、本発明によれば、金属ヒドロゾル中
の金属成分がフィロケイ酸塩粉体の表面や端面に吸着し
複合化するので、この金属成分を適宜選択することによ
り、薄片状金属ヒドロゾル複合粉体自体に紫外線遮断効
果や皮脂、汗吸収効果、分散性向上効果等を付与するこ
とができる。 例えば、金属成分としてチタン、亜鉛、
ジルコニウム、セリウム等を用いた場合には薄片状金属
ヒドロゾル複合粉体に紫外線遮断効果を付与すること
が、また、珪素等を用いた場合は皮脂・汗吸収効果、分
散性向上効果を薄片状金属ヒドロゾル複合粉体に付与す
ることができる。
【0014】上述の如くして得られた本発明に係る薄片
状金属ヒドロゾル複合粉体は、これをそのまま、あるい
は常法により濾過、洗浄、乾燥等の処理を施して用いる
ことができる。 また、必要に応じて焼成し薄片状金属
酸化物複合粉体として用いてもよい。
【0015】本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体
は、化粧料に配合するためには、その平均粒子径が0.
1〜100μm、厚さが0.01μm〜1μm程度で、
アスペクト比が10以上、特に50以上であることが特
性及び使用感上好ましい。 なお、ここでいう平均粒子
径とは、板状粒子の平面部の最長径として表されるもの
である。
【0016】本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体
は、さらに目的に応じて、通常化粧料に用いられる油脂
類、ワックス類、界面活性剤、酸化防止剤、アルコール
類、多価アルコール類、紫外線吸収剤等で表面処理して
用いることも可能である。その一例としては、耐水や耐
汗性の向上を狙いシリコーン油、フッ素系油剤、高級脂
肪酸あるいはその塩、高級脂肪酸エステルなどで処理す
る方法等が挙げられる。
【0017】以上の様にして得られた薄片状金属ヒドロ
ゾル複合粉体を用いる化粧料の調製は、常法に従い、従
来の化粧料用粉体を本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合
粉体に代えることにより行うことができる。
【0018】すなわち、本発明の薄片状金属ヒドロゾル
複合粉体と、通常化粧料に用いられる各種成分、例えば
油脂類、ワックス類、界面活性剤、酸化防止剤、香料、
顔料、粉体、アルコール類、紫外線吸収剤、増粘剤、キ
レート剤、防腐剤、水などを組合せることにより調製す
ることができる。
【0019】本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体
含有する化粧料の剤型は、粉体状、クリーム状、乳液
状、ローション状等のいずれであってもよく、特にメー
キャップ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等
とすることが好ましい。
【0020】なお、化粧料中の薄片状金属ヒドロゾル複
合粉体の配合量は、その化粧料の特質に応じて任意に選
択されるが、通常は0.5〜99%程度の範囲で配合す
ればよい 。
【0021】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらになんら制約さ
れるものではない。
【0022】実 施 例 1 本発明薄片状金属ヒドロゾル複合粉体の調製:市販タル
ク 100gを、分散剤としてモノオイレン酸ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタン1gを含む0.01M
4Cl溶液160ml中に分散せしめ、サスペンショ
ンを調製した。
【0023】このサスペンションに、塩酸−エタノール
混液にチタンテトライソポリオキシド(和光純薬工業
製)とエタノールとの混合溶液を添加、加水分解して得
た0.5Mの透明チタニアゾル 1.85gを添加した。
次いで、このサスペンションを卓上型ボールミル(入江
商会社製)に充填し、このボールミルに直径10mmの
アルミナボール320個を500cm3 の樹脂製ポット
に充填して入れ、77rpmで1時間撹拌して薄片状金
属ヒドロゾル複合粉体を得た。
【0024】比 較 例 1 比較薄片状粉体の調製:透明チタニアゾルを添加しない
以外は実施例1と同様に処理して比較粉体を調製した。
【0025】試 験 例 1 粉体形状の測定:実施例1および比較例1で得られた粉
体について、市販タルクとともに以下の方法で粒子径、
厚さを測定し、これからアスペクト比を求めた。平均粒
子径はサスペンション中の粉砕粒子を光学顕微鏡で捕ら
え、画像分析装置(ニレコ社製LUZEX450)によ
り解析した。また、粉砕粒子の厚さはX線回折法によ
り、タルクの底面反射である(002)面の回析ピーク
の広がりから得られるC軸方向の結晶子の大きさによっ
て表した。 その結果を表2に示す。
【0026】
【0027】上記の結果からわかるように、チタニアゾ
ルを添加して薄片化した実施例1の薄片状金属ヒドロゾ
ル複合粉体は、市販タルクと比較して、平均粒子径はあ
まり小さくならないにもかかわらず、厚さが極めて薄く
なっており、アスペクト比が10倍以上になった。 こ
れに対し、チタニアゾルを添加しない比較例1の粉体で
は、平均粒子径が市販タルクの半分以下になったにもか
かわらず、その厚みは実施例 1のものより5割ほど厚
かった。 従って、本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合
粉体と比較粉体では、アスペクト比において約2倍の差
がみられた。これはチタニアゾルの添加粉砕により、板
状粉体の面内破壊が抑制され、かつ層間の剥離が効率的
に行なわれたためと考えられる。
【0028】試 験 例 2 実施例1で得られた本発明薄片状金属ヒドロゾル複合粉
について、SEM−X線マイクロアナライザーを用い
てタルクへのチタニアゾルの吸着を観察した。その結
果、タルク表面にチタンの吸着が見られ、特に粉体のエ
ッジ部分(端面)に多く存在していることが判明した。
この結果から、チタニアゾルの吸着が層間剥離効果を
高めたものと推定される。
【0029】試 験 例 3 実施例1で得られた薄片状金属ヒドロゾル複合粉体につ
いて、紫外部領域の波長に対する遮断効果について調べ
た。実施例1および比較例1で得られた薄片状粉体を、
それぞれドクターブレードを用いて石英板上に25μm
の厚さに塗布したものを試料とし、分光光度計にて透過
率を測定して紫外線遮断効果を比較した。結果を図1に
示す。この試験結果から、本発明品であるチタンを吸着
した実施例1の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体は優れた
紫外線遮断効果を有することが判明した。
【0030】実 施 例 2 パウダーファンデーション:以下に示す組成のパウダー
ファンデーションを調製し、のび広がりの良さ(スライ
ド感)、透明感、化粧膜の均一性、ツヤ、キメの各評価
項目について、評価パネルにより官能評価を行った。
その結果を表3に示す。
【0031】 < 組 成 > 本発明品 比 較 品 1. 薄片状金属ヒドロゾル 50(%) − (%) 複合タルク * 2. 未処理タルク − 50 3. 酸化チタン 15 15 4. マイカ 残 量 残 量 5. 無水ケイ酸 2 2 6. 顔料 適 量 適 量 7. 流動パラフィン 7 7 8. トリオクタン酸グリセリル 3 3 9. ワセリン 1 1 10. メチルポリシロキサン 2 2 11. 香料 適 量 適 量 12. 防腐剤 適 量 適 量 * 実施例1で得たもの。
【0032】< 評 価 >
【0033】< 判定基準 > ◎: 非常に良い ○: 良い △: 普通 ×: 悪い
【0034】表3の結果より、本発明薄片状金属ヒドロ
ゾル複合粉体を配合した化粧料は、肌上でのスライド感
が良く、均一な化粧膜が得られることが明らかになっ
た。また、仕上がりも透明感とツヤのある優れたもので
あった。
【0035】
【発明の効果】本発明の薄片状金属ヒドロゾル複合粉体
は、従来の板状粉体に比べ高いアスペクト比、すなわち
より薄片化されているため、この薄片状金属ヒドロゾル
複合粉体を配合することによって光学特性に優れ、か
つ、滑らかさ等の使用感が良好な化粧料を得ることがで
きる。また、薄片状金属ヒドロゾル複合粉体に吸着させ
る金属の種類を選択することにより、紫外線遮断効果等
の特殊な効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明薄片状金属ヒドロゾル複合粉体の紫外
線遮断効果を示す図面。 以 上
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィロケイ酸塩粉体を金属ヒドロゾルの
    存在下、層間剥離せしめて得られる薄片状粉体。
  2. 【請求項2】 アスペクト比が10以上である請求項第
    1項記載の薄片状粉体。
  3. 【請求項3】 フィロケイ酸塩がタルク、マイカ、カオ
    リン、セリサイトから選ばれたものである請求項第1項
    または第2項記載の薄片状粉体。
  4. 【請求項4】 金属ヒドロゾルがチタニアゾル、シリカ
    ゾル、酸化亜鉛ゾル、ジルコニアゾル、酸化セリウムゾ
    ル、アルミナゾルから選ばれる一種または二種以上であ
    る請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記載の薄片
    状粉体。
  5. 【請求項5】 平均粒子径が0.1〜100μm、厚さ
    が0.01〜1μmでである請求項第1項ないし第4項
    のいずれかの項記載の薄片状粉体。
  6. 【請求項6】 請求項第1項ないし第5項のいずれかの
    項記載の薄片状粉体を含有する化粧料。
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