JP7277204B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、及び静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するためのトナーに関する。
近年の高画質化・省エネルギー化・高速印刷化に対応して小粒径かつ低温定着性とシャープメルト性を有するトナーを使用することが必要になっている。例えば、省エネルギー対応策としてガラス転移点や軟化点の低い結着樹脂を用いることで定着工程での消費電力を抑えている。さらに、高速印刷化に対応してシャープメルト性を有する結着樹脂を用いることで素早く溶融させている。また、小粒径にすることで、がさつきを抑えて画質を向上させている。
しかしこのような技術を用いた場合、トナーの流動性が低下し、それに起因するチャージアップなどが生じやすくなり、現像性、いわゆるトナー離れを満足させることが困難になる。こうした課題に対処するために、これまで以上の流動性を有するトナーが要求されている。
こうした課題を解決する為に、特許文献1ではチタン酸ストロンチウムを外添することでトナーの流動性を付与する手法が提案されている。
特開2009-169150号公報
しかしながら、特許文献1のトナーは、初期においては流動性が良好であるが、長期間の使用における流動性の低下、それに起因したスリーブゴーストの発生という点に関しては改善の余地があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされるものであり、長時間の使用における流動性の低下、ひいては、長時間の使用におけるスリーブゴースト発生を抑制しうるトナーを提供するものである。
本発明者らは、結着樹脂としてポリエステルを含有するトナー粒子上に、チタン酸ストロンチウム粒子と結合シリカ粒子とを所定の状況で存在させることによって、上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、
結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、外添剤とを含有するトナーであって、
該結着樹脂は、非晶性ポリエステルを含有し、
該外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子と、シリカ一次粒子が結合してなるシリカ結合体粒子とを含有し、
該チタン酸ストロンチウム粒子による該トナー粒子の被覆率が、17%以上50%以下であり、
該シリカ結合体粒子の平均稠密度が、0.40以上0.75以下であり、
該トナー中における該シリカ結合体粒子の質量割合(質量%)をWSiとし、該トナー中における該チタン酸ストロンチウム粒子の質量割合(質量%)をWSTとしたとき、該WSiと該WSTとが、
0.55≦WSi/WST≦16.00
を満たし、
該シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子の個数平均粒径(nm)をRSiとし、該チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径(nm)をRSTとしたとき、該RSiと該RSTとが、
3.4≦RSi/RST≦10.0
を満たすことを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、長期間の使用によっても流動性の低下が抑制されており、スリーブゴーストの発生を抑制しうるトナーを提供することができる。
表面処理装置の概略説明図。 テストチャートの説明図。 スリーブゴーストの説明図。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明のトナーは、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、外添剤とを含有するトナーであって、
該結着樹脂は、非晶性ポリエステルを含有し、
該外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子と、シリカ一次粒子が結合してなるシリカ結合体粒子とを含有し、
該チタン酸ストロンチウム粒子による該トナー粒子の被覆率が、17%以上50%以下であり、
該シリカ結合体粒子の平均稠密度が、0.40以上0.75以下であり、
該トナー中における該シリカ結合体粒子の質量割合(質量%)をWSiとし、該トナー中における該チタン酸ストロンチウム粒子の質量割合(質量%)をWSTとしたとき、該WSiと該WSTとが、
0.55≦WSi/WST≦16.00
を満たし、
該シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子の個数平均粒径(nm)をRSiとし、該チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径(nm)をRSTとしたとき、該RSiと該RSTとが、
3.4≦RSi/RST≦10.0
を満たすことを特徴とする。
以下、本発明の各成分について説明する。
<外添剤>
本発明のトナーには、シリカ一次粒子が結合してなる、稠密度0.40以上0.75以下のシリカ結合体粒子が外添されている。稠密度とは外添剤を2次元画像へ投影して形成される投影像の面積を、外添剤の凸面積で除した値である。ここで凸面積とは、対象の外添剤の輪郭を基に作成される凸包(外添剤をゴムバンドで囲った際に形成される像のイメージ)の面積である。稠密度は、0より大きく1以下の値をとり、この値が小さいということは、くびれ部位が多い、もしくは入り組んだ形状を有していることを意味する。
シリカ結合体粒子の稠密度が上記の範囲である場合、トナー粒子表面との接触点が多くなりやすく、トナー粒子表面にしっかりと付着するようになる。
さらに、本発明のトナーには、シリカ結合体粒子とともに、チタン酸ストロンチウム粒子が共存している。
チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径(nm)をRSTとし、シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子の個数平均粒径(nm)をRSiとしたとき、
3.0≦RSi/RST≦10.0
を満たすことが求められる。
シリカ結合体粒子と、シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子よりも小さいチタン酸ストロンチウム粒子とを、上記の関係を満たした上で共存させることにより、チタン酸ストロンチウム粒子は、トナー同士およびキャリアとの衝突に際し直接の外力を受けにくくなり、トナー表面から移行したり埋め込まれたりしにくくなる。それによって長時間の使用に際しても、チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子の被覆量を維持することができる。その結果、流動性を維持することができ、スリーブゴーストの発生を抑止しつづけることができる。
また、シリカ一次粒子の結合体であるシリカ結合体粒子は、個数平均長径(nm)が100nm以上1500nm以下であることが好ましい。稠密度および個数平均長径が上記の範囲を満たすことにより、チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子の被覆量を適切に維持しつつ、トナーの粒子同士のかみ合いを抑制でき、流動性の低下をより良好に抑えることができる。
また、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径RSTは30nm以上80nm以下であることが好ましい。この範囲であることによって、長時間の使用でもチタン酸ストロンチウム粒子の移行を抑え、流動性を維持することができる。
チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子の被覆率は17%以上である。それによって、長時間の使用に際しても十分な流動性を保つことができ、スリーブゴーストの発生を抑制できる。また、チタン酸ストロンチウム粒子による被覆率は50%以下である。50%より大きいと、外添剤同士がトナー表面上で重なりやすくなる。そのためにトナーから他の部材へと移行しやすくなり、長時間使用に際して流動性の低下をひきおこしやすくなる。
さらに、トナー中における、シリカ結合体粒子の質量割合をWSi(質量%)とし、チタン酸ストロンチウム粒子の質量割合をWST(質量%)としたとき、
0.55≦WSi/WST≦16.00
を満たすことが求められる。上記の規定を満たす場合、チタン酸ストロンチウム粒子が、シリカ結合体粒子によってトナー粒子表面に担持されやすくなり、より強固に付着するようになる。
また、トナー中におけるチタン酸ストロンチウム粒子の質量割合WSTは、0.5質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。上記の範囲内であることによって、長時間の使用でもチタン酸ストロンチウム粒子の固着させつづけることができるとともに、高い流動性を保つことができる。
チタン酸ストロンチウム粒子は、例えば、常圧加熱反応法により製造することができる。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、チタン以外の金属源としては水溶性酸性金属化合物を用いるとよい。そして、該原料の混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。
以下、常圧加熱反応法について説明する。
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、硫酸法で得られたSO含有量が1.0質量%以下(より好ましくは0.5質量%以下)のメタチタン酸を、塩酸でpHを0.8以上1.5以下に調整して解膠したものを用いる。
一方、ストロンチウム源としては、ストロンチウムの硝酸塩又は塩酸塩などを使用することができる。硝酸塩としては例えば、硝酸ストロンチウムを使用することができる。塩酸塩としては例えば、塩化ストロンチウムを用いることができる。ここで得られるチタン酸ストロンチウム粒子はペロブスカイト結晶構造を有するため、帯電の環境安定性がさらに向上する点で好ましい。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
常圧加熱反応法において、得られるチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、メタチタン酸を塩酸で解膠する際のpH、酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、などが挙げられる。さらには、アルカリ水溶液を添加するときの温度、添加速度、反応時間及び撹拌条件などが挙げられる。これらの因子は、目的の粒子径及び粒度分布のチタン酸金属粒子を得るため適宜調整することができる。例えば、アルカリ水溶液の添加後に、氷水中に投入するなどして急激に系の温度を低下させて反応を停止させると、結晶成長が飽和する中途で強制的に反応を停止でき、広い粒度分布を有するチタン酸ストロンチウム粒子が得られやすい。また、撹拌速度を低下する、撹拌方法を変更する、などして反応系の状態を不均一な状態にすることでも、広い粒度分布を有するチタン酸ストロンチウムが得られやすくなる。
反応時の酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合は、SrO/TiOのモル比で、0.90以上1.40以下であることが好ましく、1.05以上1.20以下であることがより好ましい。
反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして0.050モル/L以上1.300モル/L以下であることが好ましく、0.080モル/L以上1.200モル/L以下であることがより好ましい。反応初期の酸化チタン源の濃度を高くすることで、チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の個数平均粒径を小さくすることができる。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、100℃超とするためには、オートクレーブなどの圧力容器が必要であり、実用的には60℃以上100℃以下の範囲が適切である。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し0.001当量/h以上1.2当量/h以下であることが好ましく、より好ましくは0.002当量/h以上1.1当量/h以下である。これらは、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
常圧加熱反応によって得たチタン酸ストロンチウム粒子をさらに酸処理することが好ましい。常圧加熱反応終了後、残存した未反応のストロンチウム源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成しやすい。また、表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための表面処理をする際に、不純物の影響で表面処理剤を均一に被覆しにくくなる。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うとよい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5以上7.0以下に調整することが好ましく、pH4.5以上6.0以下に調整することがより好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸などを酸処理に用いることができる。硫酸を用いると、水への溶解度が低い金属硫酸塩が発生しやすい。
チタン酸ストロンチウム粒子は、表面処理が可能である。表面処理剤は特に限定はされないが、ジシリルアミン化合物、ハロゲン化シラン化合物、シリコーン化合物又はシランカップリング剤が挙げられる。
ジシリルアミン化合物は、ジシリルアミン(Si-N-Si)部位を有する化合物である。ジシリルアミン化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N-メチル-ヘキサメチルジシラザン又はヘキサメチル-N-プロピルジシラザンが挙げられる。
ハロゲン化シラン化合物の例としては、ジメチルジクロロシランが挙げられる。
シリコーン化合物の例としては、シリコーンオイル又はシリコーン樹脂(ワニス)が挙げられる。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル又はフッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。シリコーン樹脂(ワニス)としては、メチルシリコーンワニス、フェニルメチルシリコーンワニスが挙げられる。
シランカップリング剤の例としては、アルキル基とアルコキシ基とを有するシランカップリング剤、又はアミノ基とアルコキシ基とを有するシランカップリング剤、又は含フッ素シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としてより具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルジメトキメチルシラン又はγ-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルジメトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルジエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、1,1.1-トリフルオロヘキシルジエトキシシランなどが挙げられる。特にトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシランなどのフッ素系のシランカップリング剤で処理されていることが好ましい。
上述の表面処理剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましい表面処理剤の量としては、チタン酸ストロンチウム粒子100質量部に対し、0.5~20.0質量部の量で処理されていることが好ましい。
<トナー粒子>
トナー粒子には、結着樹脂として非晶性ポリエステルが含有されている。非晶性ポリエステルを含有することで、稠密度の低いシリカ結合体粒子を外添していることによる熱の伝達効率の低下が生じても、良好な低温定着性を維持することができ、かつ、流動性を高めることができる。
本発明のトナーは、平均円形度が0.960以上0.975以下であることが好ましい。円形度とは粒子投影像の周長に対する、粒子投影面積と同じ面積の円の周長の比である。
一般的に、トナー粒子の平均円形度をより高めることは、接触面積を減らすことから、流動性を高める観点から有効であり、この円形度が0.960以上であることが好ましい。一方、平均円形度が0.975より高いと、トナーの変形が生じ難くなる傾向にあり、低温定着性が得られ難くなる傾向がある。したがって、円形度が0.960以上0.975以下の範囲であることによって、良好な流動性と低温定着性を有することができる。
<結着樹脂>
本発明におけるトナー粒子は、結着樹脂として、非晶性ポリエステルを含有していることが、低温定着性の観点から必要である。尚、本発明における非晶性ポリエステルは、ポリエステルユニットにビニル系樹脂が結合したハイブリッド樹脂も含む。
ポリエステルの合成に用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、「歪み硬化性」を発現させるため、分岐ポリマーを作成するためには、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、p-ベンゼンジオールエチレンオキサイド付加物、p-ベンゼンジオールプロピレンオキサイド付加物、およびp-ベンゼンジオールメチルプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用することができる。
多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n-ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用することができる。
非晶性ポリエステルの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。非晶性ポリエステルの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルがより好ましい。
また、非晶性ポリエステルの酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが好ましい。そして水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における水分吸着量を抑え、非静電付着力を低く抑えることができることから、カブリを抑制できるため好ましい。
また、結着樹脂は、非晶性ポリエステル以外の樹脂を含有していてもよい。例えば、ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;スチレン系共重合樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
また、結着樹脂は、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂を混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の含有比率は質量基準で40/60以上85/15以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
<結晶性ポリエステル>
トナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが、定着性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルは、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が6乃至12であることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状、より好ましくは直鎖状の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコールネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールの如き直鎖脂肪族、α,ω-ジオールが好ましく例示される。上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数6乃至12の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコールを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、ラウリルアルコール、2-エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等の1官能性アルコールなどが挙げられる。
一方、脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数6乃至12の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
上記結晶性ポリエステルは、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下含有することが好ましい。
<着色剤>
本発明におけるトナー粒子は、着色剤を含有する。着色剤としては、以下のものが挙げられる。尚、着色剤としては、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
着色剤の含有量は、樹脂成分の総量に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<その他の外添剤>
本発明におけるトナーは、外添剤として、チタン酸ストロンチウムとシリカ結合体粒子とを含有するが、それ以外の外添剤を有していてもよい。また必要に応じて外添剤は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていていてもよい。
外添剤とトナー粒子とを混合するための装置としては、限定されるものではなく、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)などの公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
本発明におけるトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることもできる。
磁性キャリアとしては、磁性体粒子をそのまま用いることもできるが、磁性体をバインダー樹脂中に分散した粒子であってもよく、一般に公知のものを使用できる。また、磁性体としては、例えば、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、及び希土類のような金属粒子;それらの合金粒子;それらの酸化物粒子を用いることができる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際の磁性キャリアの混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4.0質量%以上13.0質量%以下である。
<トナーの製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されないが、顔料などのトナー材料の分散の観点から粉砕法が好ましい。粉砕工程後に、トナー粒子の表面処理を行うことが好ましい。
例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風による表面処理を行うことができる。以下、図1の表面処理装置を用いた、トナー粒子の表面処理(球形化処理)について説明する。
原料定量供給手段1により定量供給された被処理粒子は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した被処理粒子は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。このとき、処理室に供給された被処理粒子は、処理室内に設けられた被処理粒子の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された被処理粒子は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された被処理粒子を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12により分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、熱風供給手段出口11を経由して、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃~300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、被処理粒子を加熱しすぎることによる粒子の融着や合一を防止しつつ、均一に球形化処理することが可能となる。
更に熱処理された熱処理粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段8から供給される温度は-20℃~30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理粒子の融着や合一を防止することができる。尚、冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された被処理粒子の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給される被処理粒子の旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、被処理粒子に強力な遠心力がかかり、被処理粒子の分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃った熱処理粒子を得ることができる。
熱処理工程後、熱処理粒子に対して必要に応じて分級を行う。分級工程においては、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)など用いることができる。
分級工程後、熱処理されたトナー粒子に、所望量の外添剤を外添処理する。外添処理する方法としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する。あるいはメカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合するといった方法が挙げられる。その際、必要に応じて、さらに流動化剤等の外添剤を外添処理しても良い。
<各物性の測定方法>
各種物性の測定法について以下に説明する。
[固着率の測定方法]
先ず、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いて、トナー中のストロンチウムの元素強度を測定する。次に、下記の水洗処理を行った後のトナーにおけるストロンチウムの元素強度を測定する。固着率は、下式より算出される。
固着率(%)=(水洗処理後のトナーのSr元素強度/トナー中のSr元素強度)×100
・水洗処理方法
イオン交換水10.3gにショ糖20.7g(キシダ化学社製)を溶解させたショ糖水溶液と、界面活性剤であるコンタミノンN6mLとを、30mLのガラスバイアルに入れて十分混合し、分散液を作製する。ここでコンタミノンNとしては、たとえば非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤を使用することができる。またガラスバイアルとしては、例えば、日電理化硝子株式会社製、VCV-30、外径:35mm、高さ:70mmを使用することができる。このバイアルにトナー1.0gを添加し、トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液を作製する。この分散液を、振とう機(YS-8D型:(株)ヤヨイ製)にて、振とう速度:200rpmで5分間振とうし、トナー粒子表面からのチタン酸ストロンチウム粒子の離脱を促進させた。脱離したチタン酸ストロンチウム粒子と、残存したチタン酸ストロンチウム粒子を担持するトナーとを、遠心分離機を用いて分離する。遠心分離工程は3700rpmで30min行った。チタン酸ストロンチウム粒子が残存したトナーを吸引濾過することで採取し、乾燥させ水洗後のトナーを得る。
[チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子表面の被覆率の測定]
日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面画像を20個無作為にサンプリングする。
その画像情報を、画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)によって、トナー粒子表面部分と外添剤部分との明度が異なることを利用して、2値化する。この2値化によって、外添剤部分の面積を求める。一方、トナー粒子部分の面積STonerをトナー画像の輪郭から求める。
外添剤部分の面積には、シリカ結合体粒子に由来する面積と、チタン酸ストロンチウム粒子に由来する面積とを含むが、元素分析を併用しながら分析するなどして、それらを区別する。尚、形状や大きさが異なる場合には、それらの違いに基づいても区別することができる。シリカ結合体粒子の形状は不定形であり、チタン酸ストロンチウム粒子は直方体や立方体形状をしているため、その違いに基づいて容易に区別できる。
チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子表面の被覆率は、チタン酸ストロンチウム粒子に由来する面積をSSTとしたとき、下式に基づいて算出される。
チタン酸ストロンチウム粒子によるトナー粒子表面の被覆率(%)=SST/SToner×100
[シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子の個数平均粒径RSi、シリカ結合体粒子の個数平均長径、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径RST
透過型電子顕微鏡(TEM)により、加速電圧200kVの条件のもと、視野中の外添剤が十分に測長できる倍率(例えば200k~1M倍)にて、トナーの粒子表面を撮影する。得られた画像において、ランダムに100個の外添剤の粒径・長径を測定して、個数平均粒径・個数平均長径を求める。一次粒子の粒径の測定は手動でもよいし、計測ツールを用いてもよい。
[シリカ結合体粒子の稠密度の測定方法]
透過型電子顕微鏡(TEM)によって得られたシリカ結合体粒子の画像において、シリカ結合体粒子領域とそうでない領域とを、明度の違いから二値化によって区分する。二値化には、画像解析ソフトウェアImageJを用いることができ、二値化の条件は適切に選択される。
得られたシリカ結合体粒子の二値化画像に対し、画像解析ソフトウェアImageJで解析することで、稠密度(Solidity)を算出する。上記の解析を二値化画像100枚について行い、その平均値をシリカ結合体粒子の稠密度とする。
[平均円形度の測定方法]
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3,000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。標準ラテックス粒子としてはDuke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈したものを用いる。
なお、後述の実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときと同じ測定及び解析条件で測定を行った。
[樹脂の軟化点の測定方法]
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター「流動特性評価装置フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用い、約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:40℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
以下、本発明を実施例と比較例を用いて更に詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpHを5.8にし、ろ過・水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.4とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.16モル添加し、SrO/TiO(モル比)が1.15となるようにした。
次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを40分間かけて添加した。その後、温度95℃に上げ、45分間撹拌を続け反応を終了した。この反応スラリーを50℃まで冷却し、pH4.9となるまで塩酸を加え20分間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーションし、洗浄し、ろ過・分離後、120℃で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン(株)製 ノビルタNOB-130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/秒で10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーションし、洗浄した。沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した。
次に、固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後に添加し、10時間撹拌保持を続けた。更に、5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた。ろ過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃で8時間乾燥し、チタン酸ストロンチウム粒子1を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例2~11>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1において、反応工程の時間を変化させて、平均粒子径が異なるチタン酸ストロンチウム2~11を得た。各チタン酸ストロンチウム粒子の粒径を表1に示す。
Figure 0007277204000001
<シリカ粒子1の製造例>
・アルカリ触媒溶液(1)の調製
金属製撹拌棒、滴下ノズル(テフロン(登録商標)製マイクロチューブポンプ)、及び、温度計を有した容積3Lのガラス製反応容器に、メタノール600部、10%アンモニア水88部を入れ、撹拌混合して、アルカリ触媒溶液(1)を得た。
得られたアルカリ触媒溶液(1)のアンモニア触媒量(NH量=(NH〔mol〕/(アンモニア水+メタノール)〔L〕)は、0.61mol/Lであった。
・シリカ微粒子懸濁液(1)の調製
アルカリ触媒溶液(1)を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液(1)を撹拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)120部と、触媒(NH)濃度が4.4%のアンモニア水80部とを、下記供給量で、同時に滴下を開始し、シリカ微粒子懸濁液(1)を得た。
ここで、テトラメトキシシラン(TMOS)の供給量は、アルカリ触媒溶液(1)中のメタノール1mol当たり、0.0046mol/minとした。4.4%アンモニア水の供給量は、テトラメトキシシランの供給量1mol当たり、0.29molとした。
・シリカ微粒子の疎水化処理
シリカ微粒子懸濁液(1)200部(固形分13.985%)に、トリメチルシラン5.59部を添加して疎水化処理を行った。その後、ホットプレートを用いて、65℃で加熱し、乾燥させることで、シリカ結合体粒子としてのシリカ粒子1を生成した。
<シリカ粒子の製造例2~15>
シリカ粒子の製造例1の“アルカリ触媒溶液(1)の調製”において、10%アンモニア水の供給量を変化させ、“シリカ微粒子懸濁液(1)の調製”において、テトラメトキシシラン(TMOS)の供給量を変化させた。それによって、一次粒子の個数平均粒子径および稠密度を変化させることで、シリカ結合体粒子としてシリカ粒子2~15を得た。各シリカ粒子の一次粒子の個数平均粒径と、結合体粒子としての個数平均長径、稠密度を表2に示す。
<シリカ粒子の製造例16>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール589.6g、水42.0g、28質量%アンモニア水47.1gを加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)及び5.4質量%アンモニア水395.2gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール-水分散液を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させて、メタノールを除去した。その後、留去したメタノールと同量の純水を加えた。この分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。得られた微粒子を恒温槽にて400℃で10分間加熱した。純水を加えて、乾燥させる工程を数十回実施し、得られたシリカ粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理した。
その後、シリカ粒子500gを内容積1000mLのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら、0.5gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)及び0.1gの水を二流体ノズルにて霧状にしてシリカ粉末に均一になるように吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、200℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧して脱アンモニアを行い、シリカ粒子16を得た。
得られたシリカ粒子16は、ほとんど一次粒子同士が結合せず、単粒子として存在していた。シリカ粒子16の一次粒子の個数平均粒径と稠密度を表2に示す。
Figure 0007277204000002
<非晶性ポリエステルの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:73.3質量部(0.20モル部;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:22.4質量部(0.13モル部;多価カルボン酸総モル数に対して82.0mol%)
・アジピン酸:4.3質量部(0.03モル部;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させ、非晶性ポリエステル(非晶性PES)を得た。得られた非晶性ポリエステルの軟化点は90℃であった。
<スチレンアクリル樹脂の製造例>
温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した2リットルのガラス製の四つ口フラスコにキシレン850質量部を入れ、窒素置換後、150℃に昇温した。
・スチレン 1700質量部
・n-ブチルアクリレート 250質量部
・モノブチルマレート 50質量部
・ジクミルパーオキサイド 80質量部
その後、上記の材料の混合物を滴下ロートより、4時間かけて滴下し、150℃で4時間反応させた。その後、200℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去して、スチレンアクリル樹脂を得た。得られたスチレンアクリル樹脂(StAc樹脂)の軟化点は108℃であった。
<結晶性ポリエステルの合成例>
・ドデカンジオール:34.5質量部(0.29モル部;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・セバシン酸:65.5質量部(0.28モル部;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた。その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻し、結晶性ポリエステルを得た。融点は82℃だった。
(トナーの製造例1)
<トナー粒子の製造例1>
・上記非晶性ポリエステル 100部
・上記結晶性ポリエステル 5部
・フィッシャートロプシュワックス(融点:90℃) 6部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.3部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で予備混合した後、二軸混練押し出し機(PCM-30型、株式会社池貝製)によって、160℃で溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで1mm以下に粗粉砕した後、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。
得られた微粉砕物を、ファカルティ(F-300、ホソカワミクロン社製)を用いて分級し、トナー粒子1を得た。分級時の運転条件は、分級ローター回転数を11000rpm、分散ローター回転数を7200rpmとした。
・トナー粒子1 100部
・シリカ粒子1 3.16部
・チタン酸ストロンチウム粒子1 2.11部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-10C型、日本コークス(株)製)を用いて、回転数67s-1(4000rpm)、回転時間2minで混合した後、目開き54μmの超音波振動篩を通過させ、トナー1を得た。
<トナー2~25の製造例>
トナー1の製造例において、処方を表3となるように変更した以外は同様にして、トナー2~25を得た。また、トナー1~25におけるチタン酸ストロンチウムの固着率と被覆率を表3に示す。
Figure 0007277204000003
<磁性コア粒子の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7部
MnCO 29.5部
Mg(OH) 6.8部
SrCO 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)0.257(MgO)0.117(SrO)0.007(Fe0.393
・工程3(粉砕工程):
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子を得た。
<被覆樹脂の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8部
メチルメタクリレートモノマー 0.2部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3部
メチルエチルケトン 31.3部
アゾビスイソブチロニトリル 2.0部
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを下記装置にいれる。すなわち還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れる。そして窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。
次いで、30部の被覆樹脂1を、トルエン40部及びメチルエチルケトン30部に溶解させて、重合体溶液(樹脂固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液の調製>
重合体溶液(樹脂固形分30質量%) 33.3部
トルエン 66.4部
カーボンブラックRegal330(キャボット製) 0.3部
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記の材料を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液を得た。
<磁性キャリアの製造>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、磁性コア粒子及び被覆樹脂溶液を投入した(被覆樹脂溶液の投入量は、100部の磁性コア粒子に対して樹脂成分として2.5部になる量)。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリアを得た。
<現像剤の製造例1>
92.0部の磁性キャリアと8.0部のトナー1をV型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、現像剤1を得た。
<現像剤の製造例2~25>
現像剤の製造例1において、トナー1をトナー2~25に変更する以外は同様の操作を行い、現像剤2~25を得た。尚、現像剤13を用いた実施例13は参考例として記載するものである。
<実施例1>
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800又はその改造機を用い、シアンステーションの現像器に、現像剤1を投入し、下記評価を行った。
[耐久後スリーブゴーストの評価]
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800の改造機を用い、シアンステーションの現像器に、現像剤1を投入した。改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。また、FFH画像(ベタ画像)におけるトナーの紙上への載り量が0.45mg/cmとなるように調整した。FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。本評価では、画像比率1%で、1万枚の耐久画像出力試験を行った。
1万枚の連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行うこととした。評価紙は、コピー普通紙GF-C081(A4、坪量81.4g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
1万枚の連続通紙後に、図2に示すようなベタ黒の縦帯と、縦帯以外はベタ白であるテストチャートを999枚連続で通紙した後に1000枚目を同じジョブ内で、全面ハーフトーン画像を流した。ハーフトーン画像上において、図3におけるベタ黒の縦帯を通紙していた領域(a)とベタ白を通紙していた領域(b)の画像濃度を測定し、その濃淡差によりスリーブゴーストを評価した。なお、領域(a)と領域(b)はスリーブの1周目の範囲である。
画像濃度は、X-Riteカラー反射濃度計(X-rite社製、X-rite 500Series)を用いて測定した。
測定は、常温常湿(NN)環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)、常温低湿(NL)環境下(温度23℃、相対湿度5%)、高温高湿(HH)環境下(温度30℃、相対湿度80%)で行った。そのうち、もっとも濃度差の高い値を、濃度差とし、以下のようにランク付けした。評価結果を表4に示す。
(評価基準:長時間使用後スリーブゴースト)
A:領域(a)と領域(b)の濃度差が0.02未満
B:領域(a)と領域(b)の濃度差が0.02以上0.04未満
C:領域(a)と領域(b)の濃度差が0.04以上0.06未満
D:領域(a)と領域(b)の濃度差が0.06以上0.10未満
[低温定着性(定着可能下限温度)]
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800改造機のシアンステーションに現像剤1を入れた現像器を搭載し、定着器を取り外した状態で画像形成できるように改造を行った。また、FFH画像(以下、ベタ部)のトナーの紙上への載り量が1.2mg/cmとなるように現像条件を調整し、A4縦評価紙先端から3cm、評価紙の中心の位置に2cm×10cmの未定着画像を形成した。評価紙としては、普通紙GF-C157(A4、157g/cm)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。また、未定着画像は低湿低温環境下(15℃/10%Rh)に24時間調湿した。
続いて、キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800から定着器を取り出し、プロセススピード、上下の定着部材温度を独立に制御できるよう定着試験用治具を準備した。定着性評価は、低温低湿環境下(15℃/10%Rh)で実施し、プロセススピードを400mm/secとなるように調整した前記定着試験用治具を用いた。評価では、前記定着試験用治具の上ベルト温度を100℃~200℃の範囲で調整しながら未定着画像を通紙し、その間、下ベルト温度は100℃に固定した状態で評価を行った。
定着器を通過させた定着画像を4.9kPaの荷重をかけたレンズクリーニングワイパー(ダスパー 小津産業株式会社製)で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる最低定着温度(上ベルト温度)を求め、下記の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
(評価基準:低温定着性)
A:130℃未満
B:130℃以上150℃未満
C:150℃以上160℃未満
D:160℃以上
Figure 0007277204000004
1 原料定量供給手段
2 圧縮気体調整手段
3 導入管
4 突起状部材
5 供給管
6 処理室
7 熱風供給手段
8 冷風供給手段
9 規制手段
10 回収手段
11 熱風供給手段出口
12 分配部材
13 旋回部材
14 粉体粒子供給口

Claims (4)

  1. 結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、外添剤とを含有するトナーであって、
    該結着樹脂は、非晶性ポリエステルを含有し、
    該外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子と、シリカ一次粒子が結合してなるシリカ結合体粒子とを含有し、
    該チタン酸ストロンチウム粒子による該トナー粒子の被覆率が、17%以上50%以下であり、
    該シリカ結合体粒子の平均稠密度が、0.40以上0.75以下であり、
    該トナー中における該シリカ結合体粒子の質量割合(質量%)をWSiとし、該トナー中における該チタン酸ストロンチウム粒子の質量割合(質量%)をWSTとしたとき、該WSiと該WSTとが、
    0.55≦WSi/WST≦16.00
    を満たし、
    該シリカ結合体粒子を形成するシリカ一次粒子の個数平均粒径(nm)をRSiとし、該チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径(nm)をRSTとしたとき、該RSiと該RSTとが、
    3.4≦RSi/RST≦10.0
    を満たすことを特徴とするトナー。
  2. 該RST(nm)が、30nm以上80nm以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 該WST(質量%)が、0.5質量%以上50.0質量%以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナー粒子が、結晶性ポリエステルを含有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
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