以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。図面に記載されている装置の構成及び制御は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
<印刷装置1の機械的構成>
図1~図8を参照し、印刷装置1の機械的構成を説明する。以下説明では、図1の左下側、右上側、右下側、左上側、上側、及び下側を、夫々、印刷装置1及びテープカセット30の左側、右側、前側、後側、上側、及び下側とする。印刷装置1は、テープ57を収容するテープカセット30を交換可能に装着し、テープ57に印刷を行う。印刷装置1は、本出願人が出願した特開2015-85507号公報に記載されたテープ印字装置の機械的構成と略同様の構成を有する。
図1に示すように、印刷装置1は、略直方体形状の筐体2を備えている。筐体2に、テープカセット30を着脱可能に装着するカセット装着部8が設けられている。筐体2の前面に、印刷装置1を操作する為のスイッチ3が配置されている。
筐体2の上面に、テープカセット30の交換時に開閉されるカセットカバー6が設けられている。カセットカバー6は、筐体2の後方の左右両端部で軸支された、平面視略長方形状の蓋部である。図1は、カセットカバー6を開放した状態を示す。カセットカバー6に、点灯又は点滅可能なLED4(図10参照)が設けられている。
筐体2の左面に、排出口111が設けられている。排出口111とカセット装着部8は、印刷済みのテープ57の搬送経路を形成するテープ排出部110により連通する。排出口111は、印刷済みのテープ57がカセット装着部8からテープ排出部110を経由して排出される開口である。排出口111とカセット装着部8の間には、印刷済みのテープ57を切断する切断機構80が内蔵される。切断機構80の詳細は後述する。
図1に示すように、カセット装着部8の前部に、ヘッドホルダ74が立設されている。ヘッドホルダ74の前面に、サーマルヘッド(図示外)が設けられている。サーマルヘッドの前側に、プラテンローラ(図示外)が回転可能に軸支されている。プラテンローラは、サーマルヘッドに対して接離可能である。カセット装着部8の下側に、ステッピングモータであるテープ駆動モータ26(図10参照)が配置されている。
テープカセット30に収容されるテープ57は、詳しく図示しないが、印刷基材と粘着テープとを有する。印刷基材は、透明な長尺状のフィルムテープである。印刷基材の片面は、印刷装置1によって印刷される印刷面である。粘着テープは、印刷基材の印刷面側に貼り付けられ、第一粘着層、背景基材、第二粘着層、及び剥離紙を有する。第一粘着層は、背景基材と印刷基材との間に設けられる。第二粘着層は、背景基材と剥離紙との間に設けられる。第一、第二粘着層は、より詳細には、背景基材の両面に粘着剤が塗布された層である。このように、テープ57は、複数層で構成される。
<切断機構80>
図2~図8を参照して、切断機構80を説明する。図2に示す切断機構80は、図1における筐体2の内側カバー121を外した状態で、右方から見たときの図である。図2の左側、右側、手前側、奥側、上側、及び下側を、説明の都合上、切断機構80の左側、右側、前側、後側、上側、及び下側とする。ここで、切断機構80が印刷装置1に内蔵されている状態では、図2の左側、右側が、図1の前側、後側になり、図2の前側、後側が、図1の右側、左側になる。切断機構80は、本出願人が出願した特開2015-85507号公報に記載された機械的構成と同様の構成を有する。
図2に示すように、切断機構80は、ハーフカット機構200、フルカット機構300、搬送機構400(図5、図7、図8参照)、カッタ駆動モータ90、駆動カム76等を含む。上記の各機構は、前側から順に、フルカット機構300、ハーフカット機構200、搬送機構400の順に配置されている。
図3~図5に示すように、駆動カム76は、略円板状のカム板760を有する。カム板760には、前後方向に延びる貫通孔(図示略)が形成されている。貫通孔は、ベース板81に設けられた前方向に延びる軸部761(図5~図7参照)に挿通する。よって、駆動カム76は、軸部761を中心に回転可能である。カム板760は、突出部762を有する。突出部762は、カム板760のうちで径方向外側に突出する部位である。カム板760は、突出部762を除いて、軸部761から周面までの距離(つまり、半径)が略等しい(図4参照)。
カム板760の周面は、前周面760A及び後周面760Bを含む。前周面760Aは、カム板760の前後方向略中心よりも前側の周面である。後周面760Bは、カム板760の前後方向略中心よりも後側の周面である。先述の突出部762は、前周面760Aの一部を構成する。
図3~図5に示すように、カム板760に、第一駆動ピン763、第二駆動ピン764、第一検出板765、及び第二検出板766が設けられている。第一駆動ピン763及び第二駆動ピン764は、いずれもカム板760から前側に突出する。詳細には、第二駆動ピン764は、突出部762から前側に突出する。第一駆動ピン763は、突出部762とは異なるカム板760の外縁部から前側に突出する。図5に示すように、第一駆動ピン763は、第二駆動ピン764に対して、軸部761を中心として時計回り方向に略90度回転した位置に設けられる。
第一検出板765は、後周面760Bから径方向外側に突出する板状体である。第一検出板765は、突出部762の後側に設けられている。第二検出板766は、前周面760Aから径方向外側に突出する板状体である。図5に示すように、第二検出板766は、軸部761を中心として、突出部762から反時計回り方向に略90度回転した位置に設けられている。第一検出板765の突出端及び第二検出板766の突出端は、いずれも軸部761からの距離が等しい。
図4を参照して、ハーフカット機構200を説明する。ハーフカット機構200は、テープ57のうち、一部の層のみを切断する為の機構である。本実施形態では、ハーフカット機構200は、テープ57の剥離紙は切断せずに、印刷基材、第一粘着層、背景基材、及び第二粘着層を切断する。ハーフカット機構200は、固定部210、可動部220、及び押圧バネ240を含む。
固定部210は、略L字形の板状部材であり、第一板部211、第二板部212、及び受台213を含む。第一板部211は、左右方向に延びる板状部である。第一板部211は、図示しないネジによりベース板81(図3参照)に固定される。第二板部212は、第一板部211の右端部から上方向に延びる板状部である。受台213は、第二板部212の左辺部から後方(紙面奥方)に突出した、前後方向及び上下方向に平行な面部である。受台213は、上下方向に長く且つ前後方向に短い矩形形状である。
可動部220は、略L字形の板状部材であり、第一板部221、第二板部222、切断刃223、突部231等を含む。可動部220は、固定部210の後面に重ねて配置され、且つ、カム板760の前側に配置されている。第一板部221は、略左右方向に延びる板状部であり、固定部210の後面側からカム板760の前面側まで延びている。
第二板部222は、第一板部221の左端部から、第一板部221に対して略90度傾斜して上側に延びる板状部である。切断刃223は、第二板部222の右辺部に沿って延び、受台213に対して左側から対向する刃部である。突部231は、第二板部222の上端右部に設けられている。突部231は、切断刃223よりも上側から、切断刃223よりも受台213に向けて僅かに突出している。
尚、第一板部221及び第二板部222が連接する部位に、可動部220を貫通する支持穴(図示外)が設けられている。第一板部211及び第二板部212が連接する部位から後方に、固定部210に設けられた回転軸201が延びている。回転軸201は、可動部220の支持穴に挿通されて、可動部220を回転可能に支持する。
押圧バネ240は、第一板部221に保持されるねじりコイルバネであり、コイル部241と腕部242とを含む。コイル部241は、第一板部221に設けられた前方向に延びる支持軸226に挿入されて支持される。腕部242は、第一板部221が延びる方向と同方向に右方に延びる。第一板部221の右端部には、前方に突出する係止板225が設けられる。腕部242の先端部は、係止板225を下側から付勢することで、係止板225に係止されている。
図5を参照して、フルカット機構300を説明する。フルカット機構300は、テープ57の全ての層を切断する、即ち、テープ57を分断する為の機構である。フルカット機構300は、固定部310と、可動部320とを含む。
固定部310は、略L字形の板状部材であり、第一板部311、第二板部312、及び固定刃314を含む。第一板部311は、左右方向に延びる板状部である。第一板部311は、図示しないネジによりベース板81(図3参照)に固定される。第二板部312は、第一板部311の右端部から上方向に延びる板状部である。固定刃314は、第二板部312の左辺部に設けられた、上下方向に延びる刃部である。
可動部320は、略L字形の板状部材であり、第一板部321、第二板部322、可動刃324等を含む。可動部320は、固定部310の後面に重ねて配置され、且つ、カム板760の前側に配置されている。第一板部321は、略左右方向に延びる板状部であり、固定部310の後面側からカム板760の前面側まで延びている。第二板部322は、第一板部321の左端部から、第一板部321に対して略90度傾斜して上側に延びる板状部である。可動刃324は、第二板部322の右辺部に沿って延び、固定刃314に対して左側から対向する刃部である。
第一板部311及び第二板部312が連接する部位に、後方向に延びる回転軸301が設けられている。第一板部321及び第二板部322が連接する部位に、可動部320を貫通する支持穴(図示外)が設けられている。回転軸301は、可動部320の支持孔に挿通され、可動部320を回転可能に軸支する。
第一板部321に、ガイド部323及びガイド穴325が設けられている。ガイド部323は、第一板部321の右端側に設けられた、第一板部321の上辺部から下方に凹む部位である。ガイド穴325は、第一板部321の長手方向略中心に設けられた、第一板部321を貫通する穴である。ガイド穴325は、第一板部321の長手方向と略平行に延びる長穴である。
図5、図7、図8を参照して、搬送機構400を説明する。搬送機構400は、フルカット機構300によって切断されたテープ57を、排出口111(図1参照)に向けて搬送する為の機構である。搬送機構400は、第一リンク410、第二リンク420、可動ローラ430、従動ローラ440等を含む。尚、図8は、搬送機構400を後方から見た図である。
従動ローラ440は、第二板部212の後側に設けられたホルダ(図示外)に支持され、上下方向に延びる軸線を中心に回転可能である。従動ローラ440の下方に、回転軸401が設けられている。回転軸401は、前端部が第一板部211に固定され、後方向に延びる軸部であり、第一リンク410及び第二リンク420を前後方向に並べて軸支する。
第一リンク410は、可動部320の後側に配置された略左右方向に長い板状部材であり、且つ第二リンク420の前側で回転軸401を中心に回転可能である。第一リンク410の右端部は、回転軸401から右方、且つガイド穴325の後側まで延びている。第一リンク410の右端部に、前方に突出する係止ピン411が設けられている。係止ピン411は、ガイド穴325に挿入されている。第一リンク410の左端部は、回転軸401から左上方向、且つ従動ローラ440の左側まで延びている。第一リンク410の左上端部に、可動ローラ430を回転させる作動機構412が設けられている。
第二リンク420は、第一リンク410の後側で回転軸401を中心に回転可能であり、回転軸401から左上方向に延びている。第二リンク420は、第一リンク410に対して、回転軸401に装着されたねじりバネ402により、図8において反時計回り方向に付勢されている。第二リンク420の左上端部に、可動ローラ430を回転支持するローラホルダ414が設けられている。ローラホルダ414は、作動機構412の右側に配置されている。可動ローラ430は、従動ローラ440に対して左側から対向している。可動ローラ430は、第二リンク420の揺動により、従動ローラ440に接触又は離隔する。可動ローラ430は、略上下方向に延びる軸線を中心に回転可能である。
図2、図4及び図5に示すように、カム板760の下側に、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が設けられている。第一検出センサ91は、カム板760の右下方に設けられた、可動片91Aを有する機械式センサである。可動片91Aの基端部は、センサ本体部に揺動可能に支持され、可動片91Aの先端部は、前周面760Aに向けて上方に延びている。可動片91Aが上方に延びる定常状態である場合、第一検出センサ91はOFF信号を出力する。可動片91Aが時計回り方向に回転すると、可動片91Aは傾斜状態に変化する。可動片91Aが傾斜状態である場合、第一検出センサ91はON信号を出力する。以下、第一検出センサ91がON信号を出力する場合を第一検出センサ91がONであるといい、第一検出センサ91がOFF信号を出力する場合を第一検出センサ91がOFFであるという。
第二検出センサ92は、カム板760の左下方に設けられた、可動片92Aを有する機械式センサである。可動片92Aの基端部は、センサ本体部に揺動可能に支持され、可動片92Aの先端部は、後周面760Bに向けて上方に延びている。可動片92Aが上方に延びる定常状態である場合、第二検出センサ92はOFF信号を出力する。可動片92Aが定常状態から反時計回り方向に回転すると、可動片92Aは傾斜状態に変化する。可動片92Aが傾斜状態である場合、第二検出センサ92はON信号を出力する。以下、第二検出センサ92がON信号を出力する場合を第二検出センサ92がONであるといい、第二検出センサ92がOFF信号を出力する場合を第二検出センサ92がOFFであるという。
カッタ駆動モータ90が駆動されていない場合、切断機構80は待機状態(図2、図4及び図5参照)にある。待機状態の切断機構80における、可動部220、320及び第二リンク420の位置を、夫々、第一~第三待機位置という。待機状態において、固定刃314と可動刃324との隙間、受台213と切断刃223との隙間、及び従動ローラ440と可動ローラ430との隙間が、互いに前後方向に連通する。テープ排出部110(図1参照)におけるテープ57の搬送経路は、これらの隙間を経由する。印刷済みのテープ57は、固定刃314、受台213、従動ローラ440に沿って搬送される。
切断機構80が待機状態における、突出部762が左側を向くカム板760の回転位置を、基準回転位置という(図5参照)。カム板760が基準回転位置にある場合、図4に示すように、第一駆動ピン763は、係止板225に係止された押圧バネ240の腕部242に上側から接触する。また、図5に示すように、第二駆動ピン764は、第一板部321のガイド部323に上側から接触する。可動片91A及び可動片92Aは、夫々、定常状態であり、第一検出センサ91及び第二検出センサ92は、夫々、OFF信号を出力する。
<切断機構80の作動態様>
図4、図6及び図9を参照し、ハーフカット機構200の作動態様を概略的に説明する。制御部20(図10参照)は、ハーフカット機構200に印刷済みのテープ57を切断させる場合、カッタ駆動モータ90を正方向に回転(以下、正転)させる。カッタ駆動モータ90が正転すると、カム板760が時計回り方向に回転する。カム板760の回転に伴って、第一駆動ピン763は軸部761を中心として第一作動方向に回転する。本実施形態の第一作動方向は、図6において時計回り方向である。
第一作動方向に回転する第一駆動ピン763は、腕部242を下方に付勢する。第一待機位置に位置する可動部220は、回転軸201を中心に第一作動方向に回転する。つまり腕部242は、第一駆動ピン763から受けた力を可動部220に伝達する。
第二板部222は第一待機位置(図4参照)から第一切断位置(図6参照)に向けて右側に移動する。第一切断位置は、切断刃223が受台213と近接する位置である。可動部220が第一切断位置にある場合、切断刃223と受台213との間に、印刷済みテープ57の厚みよりも狭い隙間(例えば、剥離紙の厚みと略等しい隙間)が形成される。テープ排出部110(図1参照)に搬送された印刷済みのテープ57が、切断刃223によって受台213に押圧され、印刷済みのテープ57の剥離紙以外の層が、切断刃223によって切断される。切断刃223によって印刷済みのテープ57の剥離紙以外の層が切断完了される時点のカム板760の回転位置を第一回転位置という。
カム板760が基準回転位置から第一作動方向に回転するのに伴って、可動片91Aは前周面760A(図3参照)に沿って相対的に移動する。図6に示すように、カム板760が第一回転位置まで回転すると、突出部762が可動片91Aを押圧する。可動片91Aが定常状態から傾斜状態に変化し、第一検出センサ91はOFFからONに切り換わる。一方、可動片92Aは第二検出板766の後方を通って、後周面760B(図3参照)に沿って相対的に移動する。このとき、可動片92Aは押圧されない為、第二検出センサ92はOFFに保持される。
従って、カッタ駆動モータ90の正転中において、第一検出センサ91がON、且つ第二検出センサ92がOFFになった場合、カム板760が第一回転位置まで回転し、可動部220が第一切断位置に位置したと判断する(図9参照)。
その後、制御部20は、カッタ駆動モータ90を逆方向に回転(以下、反転)させる。カッタ駆動モータ90が反転すると、カム板760が反時計回り方向に回転する。カム板760の回転に伴って、第一駆動ピン763は軸部761を中心として第二作動方向に回転する。本実施形態の第二作動方向は、反時計回り方向である。
カム板760が第二作動方向に回転し、第一回転位置から離れると、突出部762による可動片91Aへの押圧が解除される。可動片91Aが傾斜状態から定常状態に変化する為、第一検出センサ91はONからOFFに切り換わる。
一方、第一回転位置から第二作動方向に回転するカム板760が基準回転位置に到達し、更に第一作動方向に回転すると、後周面760Bに沿って相対的に移動する可動片92Aが第一検出板765によって押圧される。カム板760が第二作動方向に回転し、基準回転位置から離れた場合、可動片92Aが定常状態から傾斜状態に変化し、第二検出センサ92はOFFからONに切り換わる。制御部20は、カッタ駆動モータ90を正転させ、カム板760を第一作動方向に回転させる。カム板760が基準回転位置に到達すると、第一検出板765による可動片92Aへの押圧が解除される。可動片92Aが傾斜状態から定常状態に変化する為、第二検出センサ92はONからOFFに切り換わる。
従って、ハーフカット機構200の作動時において、第一検出センサ91がOFFになり、且つ第二検出センサ92がOFFから一度ONを経過してOFFになった場合、制御部20はカム板760が基準回転位置まで回転し、可動部220が第一待機位置に位置したと判断して(図9参照)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する。
以上の動作により、ハーフカット機構200は待機状態に復帰する。その後、制御部20はテープ駆動モータ26(図10参照)を所定量駆動する。これにより、剥離紙以外の層が切断された印刷済みのテープ57は、排出口111に向けて搬送される。
図5、図7、図8及び図9を参照し、フルカット機構300及び搬送機構400の作動態様を説明する。制御部20は、フルカット機構300に印刷済みのテープ57を切断させる場合、カッタ駆動モータ90を反転させ、カム板760を基準回転位置から第二作動方向に回転させる。
第二作動方向に回転する第二駆動ピン764は、ガイド部323において第一板部321を下方に付勢する。第一板部321が下方に移動するのに伴って、可動部320が回転軸301を中心に第一作動方向に回転する。可動部320が第二待機位置(図5参照)から第二切断位置(図7参照)に移動する。第二切断位置は、可動刃324が固定刃314と交差する際の可動部320の位置である。
また、第一板部321が下方に移動するのに伴って、ガイド穴325も下方に移動するので、ガイド穴325に係合する係止ピン411も下方に移動する。係止ピン411の下方への移動に伴って、第一リンク410が回転軸401を中心に第一作動方向に回転する。第二リンク420も、ねじりバネ402を介して、第一リンク410と連動して回転する。
第二リンク420は第三待機位置(図5参照)から搬送位置(図8参照)に移動する。搬送位置は、可動ローラ430が印刷済みのテープ57を介して従動ローラ440を押圧する位置である。
カム板760が基準回転位置から第二回転位置まで第二作動方向に回転するのに伴って、可動ローラ430は、テープ排出部110(図1参照)に搬送された印刷済みのテープ57を、従動ローラ440に押し付ける。印刷済みのテープ57の全ての層が、可動刃324と固定刃314との間で切断される。可動ローラ430が印刷済みのテープ57を介して従動ローラ440を付勢し、可動刃324と固定刃314との協働により印刷済みのテープ57の全ての層が切断完了される時点のカム板760の回転位置を第二回転位置という。
第一リンク410の移動量(揺動量)は、第二リンク420の移動量(揺動量)に対して所定量だけ大きく設定されている。具体的には、第二リンク420が搬送位置に移動した後も、第一リンク410は、ねじりバネ402の付勢力に抗して第一作動方向に所定量だけ更に移動する。第一リンク410の更なる移動により、作動機構412に設けられる圧縮バネ(図示外)が圧縮される。圧縮バネが所定量圧縮されると、クラッチ部材(図示外)が外れて圧縮バネの圧縮状態が開放される。この時点で第一リンク410の移動は停止する。このとき、圧縮バネの弾性力は、可動ローラ430を回転させる方向に付勢する。これにより、可動ローラ430は、印刷字済みのテープ57を従動ローラ440に付勢しながら所定量回転する。可動ローラ430が回転することで、切断された印刷済みのテープ57は、排出口111に向かう方向に搬送される。以下、説明の便宜上、第二リンク420が搬送位置に位置したときには、可動ローラ430が回転したものとする。
カム板760が基準回転位置から第二作動方向に回転するのに伴って、可動片92Aが第一検出板765によって押圧される。カム板760が第二作動方向に回転し、基準回転位置から離れた場合、可動片92Aが定常状態から傾斜状態に変化し、第二検出センサ92はOFFからONに切り換わる。一方、基準回転位置から第二作動方向に回転するカム板760が第二回転位置に到達すると、可動片91Aが第二検出板766によって押圧される。可動片91Aが定常状態から傾斜状態に変化する為、第一検出センサ91はOFFからONに切り換わる。
従って、カッタ駆動モータ90の反転中において、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が何れもONになった場合、制御部20はカム板760が第二回転位置まで回転し、可動部320が第二切断位置に位置し、第二リンク420が搬送位置に位置したと判断して(図9参照)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する。
その後、制御部20は、カッタ駆動モータ90を正転させ、カム板760を第二回転位置から第一作動方向に回転させる。カム板760が第一作動方向に回転し、第二回転位置から離れると、可動片91Aは第二検出板766による押圧が解除される。可動片91Aが傾斜状態から定常状態に変化する為、第一検出センサ91はONからOFFに切り換わる。一方、第二回転位置から第一作動方向に回転するカム板760が基準回転位置に到達すると、可動片92Aは第一検出板765による押圧が解除される。可動片92Aが傾斜状態から定常状態に変化する為、第二検出センサ92はONからOFFに切り換わる。
従って、フルカット機構300及び搬送機構400の作動時において、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が何れもOFFになった場合、制御部20はカム板760が基準回転位置まで回転したと判断して(図9参照)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する。
また、可動部320の回転に伴って、係止ピン411が上方に移動して、第一リンク410及び第二リンク420が回転軸401を中心に第二作動方向に回転する。第二リンク420が搬送位置から第三待機位置に移動を開始するとき、即ち、可動ローラ430が印刷済みのテープ57から離れる直前に、第一リンク410に設けられた爪部材(図示外)が可動ローラ430を所定量回転させる。これにより、切断された印刷済みのテープ57は、排出口111に向けて更に確実に搬送される。
<印刷装置1の電気的構成>
図10を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、制御部20を備える。制御部20は、CPU21、フラッシュメモリ22、ROM23、RAM24等を備える。CPU21は、印刷装置1を統括制御する。CPU21に、フラッシュメモリ22、ROM23、RAM24等が接続される。フラッシュメモリ22は、CPU21に後述のメイン処理を実行させる為のプログラム等を記憶する。ROM23は、各種プログラムの実行時にCPU21が必要な各種パラメータを記憶する。RAM24は、タイマ、カウンタ等の一時的なデータを記憶する。
また、CPU21に、A/Dコンバータ28、スイッチ3、第一検出センサ91、及び第二検出センサ92が接続される。CPU21には、A/Dコンバータ28、スイッチ3、第一検出センサ91、及び第二検出センサ92から制御に必要な情報が入力される。
また、CPU21は、サーマルヘッド10、テープ駆動モータ26、モータドライバ27、及びLED4が接続される。CPU21は、サーマルヘッド10、テープ駆動モータ26、モータドライバ27、及びLED4の制御に必要な情報を出力する。
モータドライバ27は、カッタ駆動モータ90、A/Dコンバータ28、及び抵抗Rの一端側が接続される。モータドライバ27は、CPU21より出力された制御に応じてカッタ駆動モータ90を駆動する為のドライバ素子である。モータドライバ27は、カッタ駆動モータ90に通電される電流と同値の電流を出力し、抵抗Rに通電する。この場合、抵抗Rの両端には、通電された電流に応じた電圧が発生する。A/Dコンバータ28は、抵抗Rに発生した電圧レベルを、アナログ値からデジタル値に変換し、CPU21に出力する。従って、CPU21は、A/Dコンバータ28により得られたデジタル値に基づき、抵抗Rの両端間に発生した電圧を特定し、更に、特定された電圧と抵抗Rの関係に基づき、カッタ駆動モータ90に通電された電流を検出できる。故に、カッタ駆動モータ90に通電される電流が過電流であることをA/Dコンバータ28により検出できる。
<メイン処理>
図11~図26を参照し、メイン処理を説明する。メイン処理は、印刷装置1によるテープ57への印刷、及び印刷済みのテープ57を切断機構80により切断する為の処理である。
メイン処理で使用されるカウンタ、フラグを説明する。RAM24には、異常位置フラグ、過負荷フラグ、算出フラグ、定量フラグ、検出フラグ、稼働時間カウンタ、第一規定時間カウンタ、第二規定時間カウンタ、第一検出時間カウンタ、第二検出時間カウンタ等が記憶される。
異常位置フラグは、CPU21が可動部220、320の何れかが異常な位置にあると判断した場合に1が記憶されてONになり、正常な位置にあると判断した場合に0が記憶されてOFFになる。可動部220、320の異常な位置とは、往動した場合には可動部220、320が第一切断位置及び第二切断位置のうちの対応する位置ではない位置であり、復動した場合には可動部220、320が第一待機位置及び第二待機位置のうちの対応する位置ではない位置である。
過負荷フラグは、CPU21がカッタ駆動モータ90に通電される電流が過電流であると判断した場合に1が記憶されてONになり、過電流ではないと判断した場合に0が記憶されてOFFになる。算出フラグ、定量フラグ、及び検出フラグについては後述する。
稼働時間カウンタは、後述のフルカット処理における可動部320の稼動時間を計時する為の加算カウンタである。第一規定時間カウンタは、予めROM23に記憶された、可動部220が第一待機位置から第一切断位置まで、又は第一切断位置から第一待機位置までの移動にかかる時間である第一規定時間を計時する為の減算カウンタである。第二規定時間カウンタは、予めROM23に記憶された、可動部320が第二待機位置から第二切断位置まで、又は第二切断位置から第二待機位置までの移動にかかる時間である第二規定時間を計時する為の減算カウンタである。第一検出時間カウンタ及び第二検出時間カウンタについては後述する。
ユーザは、テープ57に印刷させる為にスイッチ3を操作する。CPU21は、スイッチ3の操作を受け付けると、メイン処理を実行する。
図11に示すように、CPU21は、初期処理を行う(S1)。初期処理では、CPU21は、モータドライバ27を介してカッタ駆動モータ90の夫々を制御することで、可動部220、320の位置を夫々、第一待機位置、第二待機位置とする。また、フラグ、カウンタの値がリセットされて、RAM24に記憶される。また、印刷回数の値を0にリセットされて、RAM24に記憶される。印刷回数は、印刷装置1による印刷動作の実行回数を示す。
CPU21は異常位置フラグがONか判断する(S2)。異常位置フラグがONであると判断された場合(S2:YES)、CPU21は処理をS21に移行する。
異常位置フラグがOFFであると判断された場合(S2:NO)、CPU21は過負荷フラグがONか判断する(S3)。過負荷フラグがONであると判断した場合(S3:YES)、CPU21は処理をS21に移行する。
過負荷フラグがOFFであると判断した場合(S3:NO)、CPU21は、指定印刷数を取得する(S4)。指定印刷数は、印刷装置1が後述の印刷動作(S5)を繰り返し実行する回数を示し、スイッチ3を介してユーザによって入力される。
CPU21は公知の印刷動作を実行する(S5)。これにより、例えば文字等がテープ57に印刷される。CPU21は印刷回数に1を加算し、RAM24に記憶する(S6)。
CPU21は印刷回数が指定印刷数に達したか判断する(S8)。印刷回数が指定印刷数に達していない場合(S8:NO)、CPU21はテープ駆動モータ26を駆動し、印刷済みのテープ57を切断機構80が切断可能なカット位置まで搬送する(S9)。
CPU21はハーフカット処理を実行する(S10)。切断機構80の可動部220により印刷済みのテープ57の一部の層が切断される。CPU21は処理をS5に戻す。CPU21は印刷回数が指定印刷数に達するまで上記処理(S5~S10)を繰り返す。即ち、CPU21は印刷動作とハーフカット処理とを繰り返し実行する。
印刷回数が指定印刷数に達した場合(S8:YES)、CPU21は印刷済みのテープ57をカット位置まで搬送する(S11)。CPU21はフルカット処理を実行する(S12)。切断機構80の可動部320により印刷済みのテープ57の全ての層が切断される。フルカット処理が完了した場合、CPU21はメイン処理を終了する。
ハーフカット処理は後述のフルカット処理(S12)と略同様である。CPU21はハーフカット処理において可動部220を、フルカット処理において可動部320を制御する。夫々の作動態様の概要は上記した通りである。本実施形態は、フルカット処理を説明し、ハーフカット処理については説明を省略する。
図12を参照し、フルカット処理について説明する。CPU21は、稼動時間カウンタに0をセットし(S51)、計時を開始する。CPU21は、往動処理(S52)、復動処理(S53)を実行する。CPU21はフルカット処理を終了し、メイン処理に戻る。
図13を参照し、往動処理について説明する。往動処理は、可動部320を第二待機位置から第二切断位置に向けて移動する処理である。
CPU21は、定量フラグ及び第一定量フラグが何れもONか判断する(S101)。定量フラグ及び第一定量フラグが何れもONではない場合(S101:NO)、CPU21は、算出フラグ及び第一算出フラグが何れもONか判断する(S102)。尚、後述するように、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が何れも正常であれば、定量フラグ、第一定量フラグ、算出フラグ、第一算出フラグは何れもOFFなので(S101:NO、S102:NO)、CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S103)。
可動部320が固定部310に向けて移動を開始する。CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S105)。カッタ駆動モータ90に通電される電流が過電流であり、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出された場合(S105:YES)、CPU21は過負荷フラグをONにし(S108)、処理をS107に移行する。
カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されていない場合(S105:NO)、CPU21は第一検出センサ91がONか判断する(S106)。第一検出センサ91がOFFの場合(S106:NO)、CPU21は稼働時間が往動警報時間に到達したか判断する(S109)。S109の判断はS51(図12参照)でセットした稼働時間カウンタの値に応じて行われる。往動警報時間は、ROM23に予め記憶され、第二規定時間よりも十分に長く設定されている。稼働時間が往動警報時間に到達していないと判断した場合(S109:NO)、CPU21は処理をS105に戻す。
稼働時間が往動警報時間に到達したと判断した場合(S109:YES)、第二規定時間よりも十分長い時間が経過したにも拘らず、第一検出センサ91がOFFのままである。CPU21は、第一検出センサ91がOFFであるので可動部320が第二切断位置に位置せず、可動部320が異常な位置に位置するとして、異常位置フラグをONにし(S110)、処理をS107に移行する。
一方、第一検出センサ91がONの場合(S106:YES)、先述の通り、カム板760は第二回転位置に位置し、第二検出センサ92はONである。第一検出センサ91及び第二検出センサ92がONであるので、CPU21は可動部320が第二切断位置に位置するとして(図9参照)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S107)。CPU21は往動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
図14及び図15を参照し、復動処理について説明する。復動処理は、可動部320を第二切断位置から第二待機位置に向けて移動する処理である。
図14に示すように、CPU21は異常位置フラグがONか判断する(S151)。異常位置フラグがONの場合(S151:YES)、CPU21は処理をS162(図15参照)に移行する。異常位置フラグがOFFの場合(S151:NO)、CPU21は過負荷フラグがONか判断する(S152)。過負荷フラグがONの場合(S152:YES)、CPU21は処理をS165(図15参照)に移行する。
過負荷フラグがOFFの場合(S152:NO)、CPU21は定量フラグがON、且つ第一定量フラグがOFFか判断する(S153)。定量フラグがON、且つ第一定量フラグがOFFではない場合(S153:NO)、算出フラグがON、且つ第一算出フラグがOFFか判断する(S154)。算出フラグがON、且つ第一算出フラグがOFFではない場合(S154:NO)、CPU21は処理をS156(図15参照)に移行する。尚、後述するように、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が何れも正常であれば、定量フラグ、第一定量フラグ、算出フラグ、第一算出フラグは何れもOFFである(S153:NO、S154:NO)。CPU21はカッタ駆動モータ90の正転を開始する(S156)。可動部320は、固定部310から離れる方向に移動する。
CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S157)。カッタ駆動モータ90への過負荷が検出された場合(S157:YES)、CPU21はLED4による点灯で報知を開始する(S165)。LED4による報知は、後述の位置設定更新処理が行われた場合、停止する。CPU21は過負荷フラグをONにし(S166)、処理をS164に移行する。
カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されていない場合(S157:NO)、CPU21は第二検出センサ92がOFFか判断する(S158)。第二検出センサ92がONの場合(S158:NO)、CPU21は稼働時間が復動警報時間に到達したか判断する(S161)。S161の判断はS51(図12参照)でセットした稼働時間カウンタの値に応じて行われる。復動警報時間は、ROM23に予め記憶され、第二規定時間の二倍の値よりも十分に長く設定されている。稼働時間が復動警報時間に到達していないと判断した場合(S161:NO)、CPU21は処理をS157に戻す。
稼働時間が復動警報時間に到達したと判断した場合(S161:YES)、第二規定時間よりも十分長い時間が経過したにも拘らず、第二検出センサ92がONのままである。CPU21は、第二検出センサ92がONであるので可動部320が第二待機位置に位置せず、可動部320が異常な位置に位置するとして、CPU21はLED4による点灯で報知する(S162)。LED4による報知は、後述の位置設定更新処理が行われた場合、停止する。CPU21は異常位置フラグをONにし(S163)、処理をS164に移行する。CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S164)。CPU21は復動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
一方、第二検出センサ92がOFFの場合(S158:YES)、先述の通りカム板760は基準回転位置に位置し、第一検出センサ91はOFFである。第一検出センサ91及び第二検出センサ92がOFFであるので、CPU21は可動部320が第二待機位置に位置するとして(図9参照)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S159)。CPU21は、フルカットされた印刷済みのテープ57を搬送機構400により排出口111へと排出する(S160)。CPU21は復動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
ここで、第一検出センサ91又は第二検出センサ92によって、可動部220が第一切断位置又は第一待機位置に、可動部320が第二切断位置又は第二待機位置に位置することを検出できない場合がある。例えば、印刷装置1が落下してしまった場合に、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方が切断機構80に対して取り付けられた位置からずれて、一方の検出センサが機能不全となることがある。
第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方の機能不全である場合、一方の検出センサは可動部220が第一切断位置又は第一待機位置に、可動部320が第二切断位置又は第二待機位置に位置することを正確に検出できない。従って、稼働時間が往動警報時間又は復動警報時間に到達しても一方の検出センサによる検出が行われず、異常位置フラグがONになる場合や(S110、S163)、可動部220、320が異常な位置に位置することで、可動部220が固定部210に、又は可動部320が固定部310に強く押圧され、カッタ駆動モータ90に過負荷が生じ、過負荷フラグがONになる場合がある(S108、S166)。
CPU21は第一検出センサ91及び第二検出センサ92の検出結果に基づき切断動作を実行するので、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方が機能不全である場合、切断機構80による切断が良好に行えない可能性がある。
ユーザがLED4による報知を確認した場合、又は切断機構80による切断が良好に行えない場合、ユーザはスイッチ3により所定の操作を行う。スイッチ3は所定の操作の入力を受け付けた場合、位置設定更新信号をCPU21に送信する。
ユーザは、メイン処理を行う為にスイッチ3を操作する。CPU21は、スイッチ3から開始指示を受信した場合、メイン処理を実行する。図11に示すように、CPU21は、初期処理を行い(S1)、異常位置フラグがON、又は過負荷フラグがONか判断する(S2、S3)。異常位置フラグ又は過負荷フラグがONの場合(S2:YES、又はS3:YES)、CPU21はスイッチ3から位置設定更新信号を受信したか判断する(S21)。位置設定更新信号を受信しなかった場合(S21:NO)、CPU21は処理をS2に戻す。
位置設定更新信号を受信した場合(S21:YES)、CPU21は位置設定更新処理を実行し(S22)、処理をS2に戻す。
図16を参照し、位置設定更新処理について説明する。CPU21は、定量更新処理信号を受信したか判断する(S201)。ユーザは、スイッチ3を操作することにより、定量更新処理信号及び算出更新処理信号の何れか一方を実行するか選択する。
位置設定更新処理には、定量更新処理と算出更新処理がある。CPU21は、定量更新処理及び算出更新処理の何れかが実行した場合、正常に検出できる他方の検出センサが検出した位置に基づき、可動部220又は可動部320を移動させた位置を、正常に検出できない一方の検出センサが検出する位置に替えて、往復移動の新たな基点となる更新位置を設定する。
定量更新処理では、正常に検出できる他方の検出センサが検出した位置からROM23に予め記憶された第一規定時間又は第二規定時間分、可動部220又は可動部320を移動させた位置を更新位置としてCPU21が設定する。
算出更新処理では、正常に検出できる他方の検出センサが検出した位置から第一規定時間又は第二規定時間分、可動部220又は可動部320を移動させた位置と、正常に検出できない一方の検出センサが検出する位置との間のずれ量が算出される。そして、一方の検出センサが検出した位置から算出されたずれ量を移動した位置を更新位置としてCPU21が設定する。
定量更新処理では、更新位置の設定に正常に検出できない一方の検出センサの検出結果を用いず、移動時間だけで更新位置が設定される。算出更新処理では、移動時間だけではなく、更新位置の設定に正常に検出できない一方の検出センサの検出結果を用いて、更新位置が設定される。検出センサの検出結果を用いる算出更新処理で設定された更新位置に基づく切断動作は、検出センサの検出結果を用いない定量更新処理で設定された更新位置に基づく切断動作と比較して、精度よく実行される。従って、位置設定更新処理において算出更新処理を実行し、算出更新処理にて更新位置を設定しても切断機構80による切断が良好に行えない場合、定量更新処理を実行することが望ましい。
定量更新処理信号を受信した場合(S201:YES)、CPU21は第一検出センサ91が対象か判断する(S202)。ユーザは、スイッチ3を操作することにより、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の正常に検出できない何れか一方を選択する。ユーザは目視による判断、切断機構80による切断動作の状況から判断し、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の正常に検出できない何れか一方を選択する。ユーザの操作に応じて、スイッチ3は第一検出センサ91及び第二検出センサ92の選択された一方を示す指示信号をCPU21に出力する。
第一検出センサ91が選択されたことを示す指示信号をスイッチ3から受信した場合、CPU21は第一検出センサ91が対象であるとして(S202:YES)、第一定量更新処理を実行する(S203)。CPU21は位置設定更新処理を終了し、メイン処理に戻る。第一検出センサ91を対象とする指示信号をスイッチ3から受信ぜず、第一検出センサ91が対象ではない場合(S202:NO)、CPU21は第二検出センサ92が対象であるとして、第二定量更新処理を実行する(S204)。CPU21は位置設定更新処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、定量更新処理信号を受信しなかった場合(S201:NO)、CPU21は第一検出センサ91が対象か判断する(S205)。この判断はS202と略同様である。
第一検出センサ91が対象である場合(S205:YES)、第一算出更新処理を実行する(S206)。CPU21は位置設定更新処理を終了し、メイン処理に戻る。第一検出センサ91が対象ではない場合(S205:NO)、CPU21は第二検出センサ92が対象であるとして、第二算出更新処理を実行する(S207)。CPU21は位置設定更新処理を終了し、メイン処理に戻る。
図17を参照し、第一定量更新処理について説明する。CPU21は、可動部220について、第一待機位置から第一規定時間分、カッタ駆動モータ90が正転した場合に移動する位置を、第一切断位置に替わる更新位置である第一更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S301)。
CPU21は、可動部320について、第二待機位置から第二規定時間分、カッタ駆動モータ90が反転した場合に移動する位置を第二切断位置に替わる更新位置である第二更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S302)。
CPU21は、異常位置フラグ、過負荷フラグを夫々OFFにし(S303、S304)、LED4の点灯による報知を停止する(S305)。CPU21は、定量フラグ、第一定量フラグを夫々ONにする(S306、S307)。CPU21は第一定量更新処理を終了し、位置設定更新処理に戻る。
定量フラグは、第一定量更新処理及び第二定量更新処理の何れか一方が実行された場合に1が記憶されてONになる。第一定量フラグは、第一定量更新処理が実行された場合に1が記憶されてONになる。即ち、定量フラグがONであり、且つ第一定量フラグがONの場合、第一切断位置に替わり第一更新切断位置が、第二切断位置に替わり第二更新切断位置が、夫々切断機構80による切断動作の基点となる。
図18を参照し、第二定量更新処理について説明する。CPU21は、可動部220について、第一切断位置から第一規定時間分、カッタ駆動モータ90が反転した場合に移動する位置を第一待機位置に替わる更新位置である第一更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S351)。
CPU21は、可動部320について、第二切断位置から第二規定時間分、カッタ駆動モータ90が正転した場合に移動する位置を第二待機位置に替わる更新位置である第二更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S352)。
CPU21は、異常位置フラグ、過負荷フラグを夫々OFFにし(S353、S354)、LED4の点灯による報知を停止する(S355)。CPU21は、定量フラグをONにする(S356)。CPU21は第二定量更新処理を終了し、図16に示す位置設定更新処理に戻る。定量フラグがONであり、且つ第一定量フラグがOFFの場合、第一待機位置に替わり第一更新待機位置が、第二待機位置に替わり第二更新待機位置が、夫々切断機構80による切断動作の基点となる。
図19を参照し、第一算出更新処理について説明する。CPU21は、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S401)。CPU21は、可動部220が第一待機位置に、可動部320が第二待機位置に夫々位置するか判断する(S402)。CPU21は正常に検出が行える第二検出センサ92がONからOFFに切り替わったことに基づき、可動部220が第一待機位置に、可動部320が第二待機位置に夫々位置すると判断する。可動部220及び可動部320の少なくとも一方が対応する第一待機位置又は第二待機位置に位置しない場合(S402:NO)、CPU21は処理をS402に戻す。
可動部220が第一待機位置に、可動部320が第二待機位置に夫々位置する場合(S402:YES)、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止する(S403)。CPU21はカッタ駆動モータ90を正転させる(S404)。可動部220は、固定部210に向けて移動する。CPU21は第一規定時間カウンタに第一規定時間の値をセットし(S405)、第一規定時間の計時を開始する。
CPU21は、第一検出センサ91がONか判断する(S406)。第一検出センサ91がOFFの場合(S406:NO)、CPU21は、第一規定時間カウンタの値に基づき、第一規定時間が経過したか判断する(S408)減算カウンタである第一規定時間カウンタの値が0ではなく、第一規定時間が経過していない場合(S408:NO)、CPU21は処理をS406に戻す。
第一検出センサ91がONの場合(S406:YES)、CPU21は検出フラグをONにする(S407)。検出フラグは、第一規定時間又は第二規定時間を計時中に、第一規定時間又は第二規定時間が経過するまでに、対応する第一検出センサ91又は第二検出センサ92の出力信号が切り替わった場合に1が記憶されてONになる。後述するが、検出フラグは更新位置が設定された場合に0が記憶されてOFFになる。CPU21は処理をS408に移行する。
第一規定時間が経過した場合(S408:YES)、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止する(S409)。可動部220は、第一切断位置に位置する。CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動開始する(S410)。
カッタ駆動モータ90が回転する方向は、検出フラグがONかOFFかで判断する。検出フラグがONの場合、可動部220が第一待機位置から第一切断位置に移動する間に第一検出センサ91の出力信号がOFFからONに切り替わったので、第一検出センサ91の出力信号が切り替わる位置は第一待機位置から第一切断位置の間である。CPU21はカッタ駆動モータ90を反転させて、第一切断位置から第一検出センサ91の出力信号が切り替わる位置に向けて可動部220を移動させる。一方、検出フラグがOFFの場合、第一検出センサ91の出力信号が切り替わる位置は第一待機位置から第一切断位置の間にはないので、CPU21はカッタ駆動モータ90を更に正転させて、第一切断位置から第一検出センサ91の出力信号が切り替わる位置に向けて可動部220を移動させる。
CPU21は、第一検出時間カウンタに0をセットし(S411)、第一検出時間の計時を開始する。第一算出更新処理において、第一検出時間カウンタは第一切断位置から第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置まで可動部220が移動に要する時間を計時する為の加算カウンタである。
CPU21は、第一検出センサ91の出力信号が切り替わったか判断する(S412)。詳細には、CPU21は、S410の時点で第一検出センサ91がOFFの場合、OFFからONに、S410の時点で第一検出センサ91がONの場合、ONからOFFに切り替わったかを判断する。第一検出センサ91の出力信号が切り替わっていない場合(S412:NO)、CPU21は処理をS412に戻す。
第一検出センサ91の出力信号が切り替わった場合(S412:YES)、CPU21は第一切断補償時間と、カッタ駆動モータ90の回転方向を算出し、フラッシュメモリ22に記憶する(S413)。第一切断補償時間は、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置から第一切断位置まで可動部220が移動に要する時間であり、第一検出時間カウンタの値に基づいて算出される。カッタ駆動モータ90の回転方向は、可動部220が、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置から第一切断位置に向かう方向である。
CPU21は、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置からフラッシュメモリ22に記憶した第一切断補償時間及びカッタ駆動モータ90の回転方向に基づいて移動した可動部220の位置を、第一切断位置に替わる更新位置である第一更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S414)。CPU21は検出フラグをOFFにする(S415)。
CPU21は、可動部220を第一待機位置に戻す為に、カッタ駆動モータ90の反転を開始する(S416)。第二検出センサ92がOFFから一度ONを経過し(S417:YES)、OFFになった場合(S420:YES)、CPU21は可動部220が第一待機位置に位置すると判断する。CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止する(S421)。
図20に示すように、CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S422)。可動部220が第一待機位置に位置し、カム板760の回転角度が基準回転位置に位置するので、可動部320は第二待機位置に位置する。可動部320は、固定部310に向けて移動する。CPU21は第二規定時間カウンタに第二規定時間の値をセットし(S423)、第二規定時間の計時を開始する。
可動部220の場合と同様に、CPU21は第二規定時間が経過するまでの間に第一検出センサ91がONになったか判断する(S424)。S424で第一検出センサ91がONになった場合(S424:YES)、CPU21は検出フラグをONにし(S425)、そうでない場合(S424:NO)、フラグの操作を行わない。
第二規定時間が経過した場合(S426:YES)、可動部320が第二切断位置に位置するとして、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止し(S427)、その後、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S428)。カッタ駆動モータ90が回転する方向は、検出フラグの状態で判断する。検出フラグがONの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を正転させる。検出フラグがOFFの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を反転させる。可動部320は第二切断位置から第一検出センサ91の出力信号が切り替わる位置に向けて移動する。
CPU21は、第二検出時間カウンタに0をセットし(S429)、第二検出時間の計時を開始する。第一算出更新処理において、第二検出時間カウンタは第二切断位置から第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置まで可動部320が移動に要する時間を計時する為の加算カウンタである。CPU21は、第一検出センサ91の出力信号が切り替わったか判断する(S430)。この判断はS412(図19参照)と同様である。第一検出センサ91の出力信号が切り替わっていない場合(S430:NO)、CPU21は処理をS430に戻す。
第一検出センサ91の出力信号が切り替わった場合(S430:YES)、CPU21は第二切断補償時間とカッタ駆動モータ90の回転方向を算出し、フラッシュメモリ22に記憶する(S431)。第二切断補償時間は、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置から第二切断位置までの移動に要する時間であり、第二検出時間カウンタの値に基づいて算出される。尚、本実施形態において第二切断補償時間は第二検出時間と同値であるが、詳細は後述する。カッタ駆動モータ90の回転方向は、可動部320が、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置から第二切断位置に向かう方向である。
CPU21は、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置からフラッシュメモリ22に記憶した第二切断補償時間及びカッタ駆動モータ90の回転方向に基づいて移動した可動部320の位置を、第二切断位置に替わる更新位置である第二更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S432)。CPU21は検出フラグをOFFにする(S433)。
CPU21は、異常位置フラグ、過負荷フラグを夫々OFFにし(S434、S435)、LED4の点灯による報知を停止する(S436)。CPU21は、算出フラグ、第一算出フラグを夫々ONにする(S437、S438)。CPU21は第一算出更新処理を終了し、位置設定更新処理に戻る。算出フラグ及び第一算出フラグがONの場合、第一切断位置に替わり第一更新切断位置が、第二切断位置に替わり第二更新切断位置が、夫々切断機構80による切断動作の基点となる。
図21及び図22を参照し、第二算出更新処理について説明する。第二算出更新処理で行われる処理のうちで第一算出更新処理と略同様の処理については、概略的に説明する。
図21に示すように、CPU21は、カッタ駆動モータ90の正転を開始する(S451)。CPU21は、可動部220が第一切断位置に位置するか判断する(S452)。CPU21は正常に検出が行える第一検出センサ91がOFFからONに切り替わったことに基づき、可動部220が第一切断位置に位置すると判断する。可動部220が第一切断位置に位置しない場合(S452:NO)、CPU21は処理をS452に戻す。
可動部220が第一切断位置に位置する場合(S452:YES)、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止する(S453)。CPU21はカッタ駆動モータ90を反転させる(S454)。可動部220は、固定部210から離隔する方向に移動する。CPU21は第一規定時間カウンタに第一規定時間の値をセットし(S455)、第一規定時間の計時を開始する。
CPU21は第一規定時間が経過するまでの間に第二検出センサ92がONになったか判断する(S456)。S457の判断で第二検出センサ92がONになったと判断された場合(S456:YES)、CPU21は検出フラグをONにし(S457)、そうでない場合(S456:NO)、フラグの操作を行わない。
第一規定時間が経過した場合(S458:YES)、可動部220が第一待機位置に位置するとして、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止し(S459)、その後、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S460)。カッタ駆動モータ90が回転する方向は、検出フラグの状態で判断する。検出フラグがONの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を正転させる。検出フラグがOFFの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を反転させる。可動部220は第一待機位置から第二検出センサ92により検出される位置に向けて移動する。
CPU21は、第一検出時間カウンタに0をセットし(S461)、第一検出時間の計時を開始する。第二算出更新処理において、第一検出時間カウンタは第一待機位置から第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置まで可動部220が移動に要する時間を計時する為の加算カウンタである。CPU21は、第二検出センサ92の出力信号が切り替わったか判断する(S462)。第二検出センサ92の出力信号が切り替わっていない場合(S462:NO)、CPU21は処理をS462に戻す。
第二検出センサ92の出力信号が切り替わった場合(S462:YES)、CPU21は第一待機補償時間とカッタ駆動モータ90の回転方向とを算出し、フラッシュメモリ22に記憶する(S463)。第一待機補償時間は、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置から第一待機位置まで可動部220が移動に要する時間であり、第一検出時間カウンタの値に基づいて算出される。カッタ駆動モータ90の回転方向は、可動部220が、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置から第一待機位置に向かう方向である。
CPU21は、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置からフラッシュメモリ22に記憶した第一待機補償時間及びカッタ駆動モータ90の回転方向に基づいて移動した可動部220の位置を、第一待機位置に替わる更新位置である第一更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S464)。CPU21は検出フラグをOFFにする(S465)。
CPU21は、カッタ駆動モータ90の反転を開始する(S466)。CPU21は、可動部320が第二切断位置に位置するか判断する(S467)。CPU21は正常に検出が行える第一検出センサ91がOFFからONに切り替わったことに基づき、可動部320が第二切断位置に位置すると判断する。可動部320が第二切断位置に位置しない場合(S467:NO)、CPU21は処理をS467に戻す。可動部320が第二切断位置に位置する場合(S467:YES)、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止する(S468)。
図22に示すように、CPU21はカッタ駆動モータ90の正転を開始する(S469)。可動部320は、固定部310から離隔する方向に移動する。CPU21は第二規定時間カウンタに第二規定時間の値をセットし(S470)、第二規定時間の計時を開始する。
CPU21は第二規定時間が経過するまでの間に第二検出センサ92がOFFになったか判断する(S471)。S471の判断で第二検出センサ92がOFFになったと判断された場合(S471:YES)、CPU21は検出フラグをONにし(S472)、そうでない場合(S471:NO)、フラグの操作を行わない。
第二規定時間が経過した場合(S473:YES)、可動部320が第二待機位置に位置するとして、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止し(S474)、その後、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S475)。カッタ駆動モータ90が回転する方向は、検出フラグの状態で判断する。検出フラグがONの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を反転させる。検出フラグがOFFの場合、CPU21はカッタ駆動モータ90を正転させる。可動部320は第二待機位置から第二検出センサ92により検出される位置に向けて移動する。
CPU21は、第二検出時間カウンタに0をセットし(S476)、第二検出時間の計時を開始する。第二算出更新処理において、第二検出時間カウンタは第二待機位置から第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置まで可動部320が移動に要する時間を計時する為の加算カウンタである。CPU21は、第二検出センサ92の出力信号が切り替わったか判断する(S477)。第二検出センサ92の出力信号が切り替わっていない場合(S477:NO)、CPU21は処理をS477に戻す。
第二検出センサ92の出力信号が切り替わった場合(S477:YES)、CPU21は第二待機補償時間とカッタ駆動モータ90の回転方向とを算出し、フラッシュメモリ22に記憶する(S478)。第二待機補償時間は、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置から第二待機位置まで可動部320が移動に要する時間であり、第二検出時間カウンタの値に基づいて算出される。尚、本実施形態において第二待機補償時間は第二検出時間と同値であるが、詳細は後述する。カッタ駆動モータ90の回転方向は、可動部320が、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置から第二待機位置に向かう方向である。
CPU21は、第二検出センサ92がONからOFFに切り替わる位置からフラッシュメモリ22に記憶した第二待機補償時間及びカッタ駆動モータ90の回転方向に基づいて移動した可動部320の位置を、第二待機位置に替わる更新位置である第二更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に記憶する(S479)。CPU21は検出フラグをOFFにする(S480)。
CPU21は、異常位置フラグ、過負荷フラグを夫々OFFにし(S481、S482)、LED4の点灯による報知を停止する(S483)。CPU21は、定量フラグをONにする(S484)。CPU21は第二算出更新処理を終了し、位置設定更新処理に戻る。算出フラグがONであり、且つ第一算出フラグがOFFの場合、第一待機位置に替わり第一更新待機位置が、第二待機位置に替わり第二更新待機位置が、夫々切断機構80による切断動作の基点となる。
位置設定更新処理が行われた後の往動処理について説明する。図13に示すように、フルカット処理(図12参照)の往動処理が開始され、定量フラグ及び第一定量フラグが何れもONの場合(S101:YES)、位置設定更新処理のうちの第一定量更新処理が実行され、第二切断位置に替わり第二更新切断位置が切断機構80による切断動作の基点となる。CPU21は定量往動処理を実行した後(S120)、往動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
図23を参照し、定量往動処理を説明する。定量往動処理は、第一検出センサ91が正常な場合の往動処理と一部共通するので、共通する処理については同一符号を付して説明を簡略化する。CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S103)。CPU21は減算カウンタである第二規定時間カウンタに第二規定時間の値をセットし(S501)、第二規定時間の計時を開始する。
CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S105)。過負荷が検出された場合(S105:YES)、過負荷フラグをONにし(S108)、処理をS107に移行する。
過負荷が検出されない場合(S105:NO)、CPU21は第二規定時間カウンタの値に基づき、第二規定時間が経過したか判断する(S502)。第二規定時間カウンタの値が0ではなく、第二規定時間が経過していない場合(S502:NO)、CPU21は稼働時間が往動警報時間に到達したか判断する(S109)。稼働時間が往動警報時間に到達していないと判断した場合(S109:NO)、CPU21は処理をS105に戻す。稼働時間が往動警報時間に到達したと判断した場合(S109:YES)、CPU21は異常位置フラグをONにし(S110)、処理をS107に移行する。
第二規定時間カウンタの値が0であり、第二規定時間が経過した場合(S502:YES)、CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S107)。CPU21は定量往動処理を終了し、往動処理に戻る。
図13に示すように、フルカット処理(図12参照)の往動処理が開始され、定量フラグ及び第一定量フラグが何れもONではない場合(S101:NO)、算出フラグ及び第一算出フラグが何れもONか判断する(S102)。算出フラグ及び第一算出フラグが何れもONの場合(S102:YES)、位置設定更新処理のうちの第一算出更新処理が実行され、第二切断位置に替わり第二更新切断位置が切断機構80による切断動作の基点となる。CPU21は算出往動処理を実行した後(S130)、往動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
図24を参照し、算出往動処理を説明する。算出往動処理も、第一検出センサ91が正常な場合の往動処理と一部共通するので、共通する処理については同一符号を付して説明を簡略化する。CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S103)。CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S105)。過負荷が検出された場合(S105:YES)、過負荷フラグをONにし(S108)、処理をS107に移行する。
過負荷が検出されない場合(S105:NO)、CPU21は第一検出センサ91がONか判断する(S601)。算出往動処理において、第一検出センサ91により検出される位置と第二切断位置とは異なる位置である。第一検出センサ91がOFFの場合(S601:NO)、CPU21は稼働時間が往動警報時間に到達したか判断する(S109)。稼働時間が往動警報時間に到達していないと判断した場合(S109:NO)、CPU21は処理をS105に戻す。稼働時間が往動警報時間に到達したと判断した場合(S109:YES)、CPU21は異常位置フラグをONにし(S110)、処理をS107に移行する。
第一検出センサ91がONの場合(S601:YES)、CPU21はカッタ駆動モータ90を駆動停止し(S602)、その後、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S603)。S603の処理においてカッタ駆動モータ90が回転する方向は、第一算出更新処理のS431(図20参照)で記憶した回転方向である。CPU21は減算カウンタである第二切断補償時間カウンタにフラッシュメモリ22に記憶された第二切断補償時間の値をセットし(S604)、第二切断補償時間の計時を開始する。
CPU21は、第二切断補償時間カウンタの値に基づき、第二切断補償時間が経過したか判断する(S605)。第二切断補償時間カウンタの値が0ではなく、第二切断補償時間が経過していない場合(S605:NO)、CPU21は処理をS605に戻す。第二切断補償時間カウンタの値が0であり、第二切断補償時間が経過した場合(S605:YES)、CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S107)。CPU21は算出往動処理を終了し、往動処理に戻る。
尚、本実施形態の第二切断補償時間及び第一算出更新処理で計時される第二検出時間(図20参照)は何れも、カッタ駆動モータ90が駆動停止した状態から、第一検出センサ91がOFFからONに切り替わる位置と第二更新切断位置(又は第二切断位置)との間の移動に可動部320が要する時間である。故に、第二切断補償時間と第二検出時間とは同じ値である。
図14に示すように、フルカット処理(図12参照)の復動処理が開始され、異常位置フラグ及び過負荷フラグがOFFであり(S151:NO、S152:NO)、定量フラグがON、且つ第一定量フラグがOFFの場合(S153:YES)、位置設定更新処理のうちの第二定量更新処理が実行され、第二待機位置に替わり第二更新待機位置が切断機構80による切断動作の基点となる。CPU21は定量復動処理を実行した後(S170)、復動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
図25を参照し、定量復動処理を説明する。定量復動処理は、第二検出センサ92が正常な場合の復動処理と一部共通するので、共通する処理については同一符号を付して説明を簡略化する。CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S156)。CPU21は減算カウンタである第二規定時間カウンタに第二規定時間の値をセットし(S551)、第二規定時間の計時を開始する。
CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S157)。過負荷が検出された場合(S157:YES)、CPU21はLED4による点灯で報知し(S165)、過負荷フラグをONにし(S166)、処理をS164に移行する。
カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されていない場合(S157:NO)、CPU21は、第二規定時間カウンタの値に基づき、第二規定時間が経過したか判断する(S552)。第二規定時間カウンタの値が0でなく、第二規定時間が経過していない場合(S552:NO)、CPU21は稼働時間が復動警報時間に到達したか判断する(S161)。稼働時間が復動警報時間に到達していないと判断した場合(S161:NO)、CPU21は処理をS157に戻す。
稼働時間が復動警報時間に到達したと判断した場合(S161:YES)、CPU21はLED4による点灯で報知し、(S162)異常位置フラグをONにする(S163)。CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S164)。CPU21は定量復動処理を終了し、復動処理に戻る。
一方、第二規定時間カウンタの値が0であり、第二規定時間が経過した場合(S552:YES)、CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止し(S159)、印刷済みのテープ57を搬送機構400により排出口111へと排出する(S160)。CPU21は定量復動処理を終了し、復動処理に戻る。
図13に示すように、フルカット処理(図12参照)の復動処理が開始され、異常位置フラグ及び過負荷フラグがOFFであり(S151:NO、S152:NO)、定量フラグがON、且つ第一定量フラグがOFFではない場合(S153:NO)、算出フラグがON、且つ第一算出フラグがOFFか判断する(S154)。算出フラグがON、且つ第一算出フラグがOFFの場合(S154:YES)、位置設定更新処理のうちの第二算出更新処理が実行され、第二待機位置に替わり第二更新待機位置が切断機構80による切断動作の基点となる。CPU21は算出復動処理を実行した後(S180)、復動処理を終了し、フルカット処理に戻る。
図26を参照し、算出復動処理を説明する。算出復動処理も、第二検出センサ92が正常な場合の復動処理と一部共通するので、共通する処理については同一符号を付して説明を簡略化する。CPU21はカッタ駆動モータ90の反転を開始する(S156)。CPU21は、カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されたか判断する(S157)。過負荷が検出された場合(S157:YES)、CPU21はLED4による点灯で報知し(S165)、過負荷フラグをONにし(S166)、処理をS164に移行する。
カッタ駆動モータ90への過負荷が検出されていない場合(S157:NO)、CPU21は第二検出センサ92がOFFか判断する(S651)。算出復動処理において、第一検出センサ91により検出される位置と第二待機位置とは異なる位置である。第二検出センサ92がONの場合(S651:NO)、CPU21は稼働時間が復動警報時間に到達したか判断する(S161)。稼働時間が復動警報時間に到達していないと判断した場合(S161:NO)、CPU21は処理をS157に戻す。
稼働時間が復動警報時間に到達したと判断した場合(S161:YES)、CPU21はLED4による点灯で報知し、(S162)異常位置フラグをONにし(S163)、処理をS164に移行する。CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止する(S164)。CPU21は算出復動処理を終了し、復動処理に戻る。
一方、第二検出センサ92がOFFの場合(S651:YES)、CPU21は、カッタ駆動モータ90の駆動を停止し(S652)、その後、カッタ駆動モータ90を駆動開始する(S653)。S653の処理においてカッタ駆動モータ90が回転する方向は、第二算出更新処理のS478(図22参照)で記憶した回転方向である。CPU21は減算カウンタである第二待機補償時間カウンタにフラッシュメモリ22に記憶された第二待機補償時間の値をセットし(S654)、第二待機補償時間の計時を開始する。
CPU21は、第二待機補償時間カウンタの値に基づき、第二待機補償時間が経過したか判断する(S655)。第二待機補償時間カウンタの値が0ではなく、第二待機補償時間が経過していない場合(S655:NO)、CPU21は処理をS655に戻す。第二待機補償時間カウンタの値が0であり、第二切断補償時間が経過した場合(S605:YES)、カッタ駆動モータ90の駆動を停止し(S159)、印刷済みのテープ57を搬送機構400により排出口111へと排出する(S160)。CPU21は算出復動処理を終了し、復動処理に戻る。
<本実施形態の作用効果>
以上説明したように、印刷装置1の切断機構80は、第一切断位置と第一待機位置とに亙って往復移動し、第一待機位置から第一切断位置に向かって第一規定時間往動することにより印刷済みのテープ57の一部を切断するハーフカット機構200の可動部220を備える。切断機構80は、第二切断位置と第二待機位置とに亙って往復移動し、第二待機位置から第二切断位置に向かって第二規定時間往動することにより印刷済みのテープ57を切断するフルカット機構300の可動部320を更に備える。切断機構80は、可動部220が第一切断位置に位置すること及び可動部320が第二切断位置に位置することを検出可能な第一検出センサ91と、可動部220が第一待機位置に位置すること及び可動部320が第二待機位置に位置することを検出可能な第二検出センサ92とを更に備える。
CPU21は、第一検出センサ91が異常である場合、第一定量更新処理を実行する。第一定量更新処理において、CPU21は、可動部220が第一待機位置からカッタ駆動モータ90により第一規定時間往動した位置を、第一切断位置に替わり可動部220の往復移動の新たな基点となる第一更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に第一更新切断位置を記憶する。更にCPU21は、可動部320が第二待機位置からカッタ駆動モータ90により第二規定時間往動した位置を、第二切断位置に替わり可動部320の往復移動の新たな基点となる第二更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に第二更新切断位置を記憶する。
これにより、印刷装置1は、第一検出センサ91が異常であっても、第二検出センサ92が検出する第一待機位置及び第二待機位置に基づき、往復移動の新たな基点となる第一更新切断位置及び第二更新切断位置を設定できる。故に、印刷装置1は、第一検出センサ91が異常であっても、第二検出センサ92だけで対象物の少なくとも一部を確実に切断できる。
また、CPU21は、第二検出センサ92が異常である場合、第二定量更新処理を実行する。第二定量更新処理において、CPU21は、可動部220が第一切断位置からカッタ駆動モータ90により第一規定時間往動した位置を、第一待機位置に替わり可動部220の往復移動の新たな基点となる第一更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に第一更新待機位置を記憶する。更にCPU21は、可動部320が第二切断位置からカッタ駆動モータ90により第二規定時間往動した位置を、第二待機位置に替わり可動部320の往復移動の新たな基点となる第二更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に第二更新待機位置を記憶する。
これにより、印刷装置1は、第二検出センサ92が異常であっても、第一検出センサ91が検出する第一切断位置及び第二切断位置に基づき、往復移動の新たな基点となる第一更新待機位置及び第二更新待機位置を設定できる。故に、印刷装置1は、第二検出センサ92が異常であっても、第一検出センサ91だけで対象物の少なくとも一部を確実に切断できる。
CPU21は、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方が検出する位置が、第一検出センサ91及び第二検出センサ92が正常な場合とは異なる異常位置である場合、第一算出更新処理及び第二算出更新処理の何れか一方を実行する。第一算出更新処理及び第二算出更新処理において、CPU21は正常である他方の検出センサが検出する位置と、異常位置とのずれ方向と補償時間を算出する。
第一算出更新処理が実行された場合、CPU21は、ずれ方向及び補償時間に基づき、第一切断位置に替わり可動部220の往復移動の新たな基点となる第一更新切断位置として設定し、第二切断位置に替わり可動部320の往復移動の新たな基点となる第二更新切断位置として設定し、フラッシュメモリ22に第一更新切断位置及び第二更新切断位置を記憶する。
第二算出更新処理が実行された場合、CPU21は、ずれ方向及び補償時間に基づき、第一待機位置に替わり可動部220の往復移動の新たな基点となる第一更新待機位置として設定し、第二待機位置に替わり可動部320の往復移動の新たな基点となる第二更新待機位置として設定し、フラッシュメモリ22に第一更新待機位置及び第二更新待機位置を記憶する。
これにより、印刷装置1は、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方が、異常位置を検出する場合であっても、正常である他方の検出センサに基づき、往復移動の新たな基準となる第一更新切断位置及び第二更新切断位置、又は第一更新待機位置及び第二更新待機位置を設定できる。故に、印刷装置1は、第一検出センサ91及び第二検出センサ92の何れか一方が異常位置で検出する場合であっても、正常な動作を実行できる。
CPU21は、カッタ駆動モータ90が駆動する時間を制御することにより、第一規定時間及び第二規定時間を制御する。これにより、印刷装置1は、可動部220及び可動部320の移動量を制御できる。
切断機構80は、カッタ駆動モータ90と連動して回転し、カッタ駆動モータ90が正転した場合、可動部220を往動させ、カッタ駆動モータ90が反転した場合、可動部320を往動させる駆動カム76を備える。第一検出センサ91は、可動部220が第一切断位置に位置することを、駆動カム76が予め設定された第一回転位置に位置することを検出することにより検出できる。第一検出センサ91は、可動部320が第二切断位置に位置することを、駆動カム76が予め設定された第二回転位置に位置することを検出することにより検出できる。第二検出センサ92は、可動部220が第一待機位置に位置し、可動部320が第二待機位置に位置し、駆動カム76が予め設定された基準回転位置に位置することを検出することにより検出できる。これにより、第一検出センサ91及び第二検出センサ92は、駆動カム76の回転位置を検出することにより、可動部220又は可動部320の位置を検出できる。
上記実施形態において、印刷装置1は本発明の「切断装置」又は「印刷装置」に相当する。切断刃223を有する可動部220、可動刃324を備える可動部320が本発明の「可動刃」に相当する。可動部220が本発明の「第一可動刃」に相当する。可動部320が本発明の「第二可動刃」に相当する。ハーフカット機構200及びフルカット機構300が本発明の「移動機構部」に相当する。カッタ駆動モータ90及びカム板760が本発明の「駆動部」に相当する。可動部220が本発明の「第一機構部」に相当する。第一切断位置が本発明の「第一作用位置」に相当する。第一待機位置が本発明の「第一非作用位置」に相当する。可動部320が本発明の「第二機構部」に相当する。第二切断位置が本発明の「第二作用位置」に相当する。第二待機位置が本発明の「第二非作用位置」に相当する。第一検出センサ91が本発明の「第一検出部」に相当する。第二検出センサ92が本発明の「第二検出部」に相当する。第一更新切断位置、第二更新切断位置、第一更新待機位置、及び第二更新待機位置が本発明の「更新位置」に相当する。S301、S302、S351、S352、S415、S433、S465、及びS480を実行するCPU21が本発明の「設定手段」に相当する。フラッシュメモリ22が本発明の「記憶手段」に相当する。
第一規定時間が本発明の「第一所定量」に相当する。テープ57が本発明の「対象物」に相当する。第二規定時間が本発明の「第二所定量」に相当する。第一更新切断位置が本発明の「第一更新作用位置」に相当する。第二更新切断位置が本発明の「第二更新作用位置」に相当する。第一更新待機位置が本発明の「第一更新非作用位置」に相当する。第二更新待機位置が本発明の「第二更新非作用位置」に相当する。第一切断補償時間、第二切断補償時間、第一待機補償時間、及び第二待機補償時間が本発明の「ずれ量」に相当する。カッタ駆動モータ90が本発明の「モータ」に相当する。カム板760が本発明の「回転部材」に相当する。サーマルヘッド10が本発明の「印刷手段」に相当する。
<変形例>
本発明は、上記実施形態から種々の変更が可能である。上記実施形態では、位置設定更新処理において可動部220及び可動部320における往復移動の基点を設定したが、設定の対象はこれに限らない。例えば、可動部320の代わりに搬送機構400における往復運動の基点である第三待機位置又は搬送位置を設定してもよい。
上記実施形態では、可動部220及び可動部320の往復移動における移動量を第一規定時間等のカッタ駆動モータ90が駆動する時間で制御しているが、例えば、カッタ駆動モータ90の回転量で制御してもよい。この場合、カッタ駆動モータ90の回転の加速及び減速を勘案しなくてもよく、CPU21は精度よく可動部220及び可動部320を制御することができる。
上記実施形態では、第一算出更新処理及び第二算出更新処理が実行された場合、ユーザによる操作を行われることなく、自動でずれ量を算出した。これに対し、ずれ量はユーザによる操作に基づいて算出されてもよい。例えば、第一算出更新処理及び第二算出更新処理において、ユーザはスイッチ3を操作すると、カッタ駆動モータ90が所定回転数回転する。ユーザによりスイッチ3が操作された回数に応じて、可動部220又は可動部320が移動する。第一検出センサ91又は第二検出センサ92が検出した場合、LED4による報知を行う。ユーザはスイッチ3を介してCPU21に操作の完了を指示する。CPU21は、ユーザによりスイッチ3が操作された回数に基づきずれ量を算出する。
切断機構80は、可動部220、320の往復移動の基点に到達する前からカッタ駆動モータ90の回転速度を減速させる、所謂オーバーラン補正を行ってもよい。この場合、可動部220、320のオーバーランが生じることが抑制され、可動部220、320を往復移動の基点で精度よく停止させることができる。
印刷装置1は、メイン処理(図11参照)において切断機構80による切断動作であるハーフカット処理(S10)又はフルカット処理(S12)を休止する非切断モードに切り替え可能であってもよい。また、印刷装置1は、メイン処理の初期処理において可動部220、320の位置を夫々、第一待機位置、第二待機位置とする原点出しの実行を休止可能であってもよい。この場合、切断機構80に異常があっても、印刷装置1はテープへの印刷動作のみを継続して実行することができる。
上記実施形態では、第一検出センサ91及び第二検出センサ92は、機械式センサであるが、光学センサ又は磁気センサであってもよい。また、上記実施形態では、可動部220及び可動部320は、回転軸201及び回転軸301の対応する一方を中心に回動移動した。これに対し、可動部220及び可動部320は、レール等の案内部材によって固定部210及び固定部310の対応する一方に対して接近又は離隔する方向に直動可能に支持されてもよい。