以下、添付の図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下の実施の形態によって開示される構成のあらゆる変形およびあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による殺菌装置100を備えた給湯装置1の全体構成を示す図である。図2は、実施の形態1による殺菌装置100の構成を模式的に示す断面図である。まず、図1を参照し、殺菌装置100を備えた給湯装置1について説明する。
図1に示されるように、実施の形態1による殺菌装置100を備えた給湯装置1は、ヒートポンプユニット2および貯湯タンクユニット3を備える。ヒートポンプユニット2は、屋外に設置される。貯湯タンクユニット3は、屋外に設置されてもよいし、屋内に設置されてもよい。図示の構成ではヒートポンプユニット2と貯湯タンクユニット3とが別体であるが、ヒートポンプユニット2と貯湯タンクユニット3とが一体でもよい。
ヒートポンプユニット2は、冷媒回路4を備える。冷媒回路4は、圧縮機5、熱交換器6、減圧装置7、蒸発器8および冷媒配管9を備える。圧縮機5、熱交換器6、減圧装置7および蒸発器8は、冷媒配管9によって環状に接続されている。
圧縮機5は、低圧冷媒ガスを圧縮する。冷媒は、例えば、二酸化炭素、R410A、R32、炭化水素、のうちの一つである。熱交換器6は、圧縮機5により圧縮されて高温高圧になった冷媒と水との間で熱を交換する。水は、熱交換器6内で加熱されることで湯になる。減圧装置7は、熱交換器6を通過した高圧冷媒を減圧させて膨張させる。膨張弁を減圧装置7として用いてもよい。蒸発器8は、減圧装置7を通過した低圧冷媒を蒸発させる。蒸発器8は、外気の熱を冷媒に吸収させることで冷媒を蒸発させるものでもよい。蒸発器8で蒸発した低圧冷媒ガスは、圧縮機5に吸入される。
貯湯タンクユニット3内には、貯湯タンク10、第一ポンプ11、切替弁12、風呂熱交換器13、第二ポンプ14、第三ポンプ15、減圧弁16、給湯混合弁17、風呂混合弁18および殺菌装置100が備えられている。また、本実施の形態において、貯湯タンクユニット3には、制御装置50が備えられている。
貯湯タンク10は、低温の水とヒートポンプユニット2によって加熱された湯とを貯留することができる。貯湯タンク10内には、温度による水の密度の違いによって、温度成層を形成することができる。貯湯タンク10内は、上側が高温で下側が低温になる。
貯湯タンクユニット3の内部には、外部から第一給水路21が引き込まれている。第一給水路21には、例えば、上水道等の水源からの水が流れる。第一給水路21は、貯湯タンクユニット3の内部で減圧弁16に接続されている。減圧弁16は、第一給水路21から供給される水の圧力を、所定圧力に減圧する。
第一給水路21は、減圧弁16の下流において、第二給水路22と第三給水路23とに分岐している。第二給水路22は、貯湯タンク10の下部にある水入口10aに接続されている。水源からの水が第一給水路21および第二給水路22を通って貯湯タンク10の下部に供給されることで、貯湯タンク10は、満水状態に維持される。また、第三給水路23は、給湯混合弁17および風呂混合弁18のそれぞれに、水を供給可能に接続されている。
ヒートポンプユニット2は、貯湯タンク10から供給された水を沸き上げることができる。給湯装置1には、貯湯タンクユニット3の貯湯タンク10からヒートポンプユニット2へ水を供給するための第一水路24および第二水路25が備えられている。図1に示されるように、第一水路24は、貯湯タンク10の下部にある水出口10bと切替弁12の入口とを接続する。第二水路25は、切替弁12の第一出口とヒートポンプユニット2内の熱交換器6の入口とを接続する。
第一ポンプ11は、第二水路25の途中の位置に設けられている。第一ポンプ11は、貯湯タンク10とヒートポンプユニット2との間で水を循環させる。なお、図示の構成では第一ポンプ11が貯湯タンクユニット3に内蔵されているが、第一ポンプ11がヒートポンプユニット2内に配置されていてもよい。
ヒートポンプユニット2内の熱交換器6の出口は、第三水路26によって、貯湯タンク10の上部にある湯入口10cに接続されている。第二水路25および第三水路26の一部は、ヒートポンプユニット2および貯湯タンクユニット3の外部を通る。図1に示されるように、第三水路26の途中の箇所は、第四水路27によって、切替弁12の第二出口と接続されている。切替弁12は、第一水路24を第二水路25および第三水路26に連通させる状態と、第一水路24を第四水路27および第三水路26に連通させる状態とに、流路を切替可能である。
本実施の形態の給湯装置1は、浴室にある浴槽200に湯を供給することができる。以下の説明では、浴槽200に供給された湯を「浴槽水」と呼ぶことがある。風呂熱交換器13は、浴槽水を再加熱するための熱交換器である。風呂熱交換器13は、一次側流路及び二次側流路を備える。
貯湯タンク10の上部にある第一湯出口10dは、第五水路28を介して、風呂熱交換器13の一次側流路の入口である第一入口13aに接続されている。風呂熱交換器13の一次側流路の出口である第一出口13bは、第六水路29を介して、貯湯タンク10の戻り口10fに接続されている。戻り口10fは、貯湯タンク10の下部において、水入口10aおよび水出口10bより高い位置にある。第二ポンプ14は、第六水路29の途中の位置に設けられている。第二ポンプ14は、貯湯タンク10と風呂熱交換器13との間で水を循環させる。
第五水路28、風呂熱交換器13の一次側流路および第六水路29は、浴槽水を追い焚きするための熱源が循環する追い焚き用熱源回路を構成している。第二ポンプ14は、この追い焚き用熱源回路に湯を循環させるためのポンプである。
風呂熱交換器13の二次側流路の入口である第二入口13cは、第七水路30を介して、浴槽200に接続されている。図1に示されるように、第三ポンプ15は、第七水路30の途中の位置に設けられている。風呂熱交換器13の二次側流路の出口である第二出口13dは、第八水路31を介して、浴槽200に接続されている。第七水路30および第八水路31は、浴槽アダプタ210を介して、浴槽200内に連通している。第三ポンプ15は、浴槽200と風呂熱交換器13との間で浴槽水を循環させる。
また、貯湯タンク10の上部にある第二湯出口10eは、第九水路32の一端が接続されている。第九水路32の他端側は、途中で分岐し、給湯混合弁17および風呂混合弁18のそれぞれに、湯を供給可能に接続されている。
本実施の形態の給湯装置1は、給湯栓300に湯を供給することができる。給湯栓300は、例えば、浴室のシャワー、キッチンシンクの蛇口、洗面所の蛇口等の少なくとも1つである。給湯栓300は、使用者が手で操作して開栓するものである。給湯栓300は、使用者がセンサを感応させて自動的に開栓させるものでもよい。
給湯混合弁17の出口は、第一給湯管33を介して、給湯栓300に接続されている。また、給湯栓300には、貯湯タンクユニット3の外部において、給水管34が接続されている。給水管34は、第一給水路21から分岐して延びて、給湯栓300に接続されている。
風呂混合弁18の出口は、第二給湯管35を介して、第七水路30の途中の位置に接続されている。第二給湯管35の途中の位置には、風呂電磁弁38が設置されている。風呂電磁弁38は、第二給湯管35内の流路を開閉する。
図1に示されるように、第七水路30には、風呂往き温度センサ39が設けられている。風呂往き温度センサ39は、浴槽200から第七水路30へ取り出される浴槽水の温度を検出する。給湯装置1による追い焚き運転は、風呂往き温度センサ39が検出した水温が設定温度に到達すると、終了する。
図1に示されるように、第八水路31には、風呂戻り温度センサ40が設けられている。風呂戻り温度センサ40は、風呂熱交換器13を通過した浴槽水の温度を検出する。第一ポンプ11の動作は、風呂戻り温度センサ40が検出した水温に応じて制御される。これにより、風呂熱交換器13の二次側流路の流量が制御される。
殺菌装置100は、一例として、第八水路31の途中の位置に設置されている。本実施の形態においては、一例として、殺菌装置100は、浴槽水が循環する回路に設置されている。殺菌装置100は、水に対して紫外線を照射して、当該水の殺菌を行う装置である。殺菌装置100についてのより詳細な説明は後述する。
制御装置50は、給湯装置1の各種の運転を制御する。給湯装置1が備えるアクチュエータ、センサなどの電子機器は、制御装置50に接続される。上述した圧縮機5、減圧装置7、第一ポンプ11、切替弁12、第二ポンプ14、第三ポンプ15、給湯混合弁17、風呂混合弁18、風呂電磁弁38および殺菌装置100等の動作は、制御装置50により制御される。風呂往き温度センサ39および風呂戻り温度センサ40で検出された温度情報は、制御装置50に入力される。制御装置50は、本開示に係る制御手段の一例である。
制御装置50には、無線または有線により、双方向にデータ通信可能な端末装置60が接続されている。端末装置60は、給湯装置1のユーザーインターフェースとして機能する。端末装置60は、例えば、キッチン、リビング、浴室の壁等に設置されている。制御装置50には、異なる場所に設置された複数の端末装置60が接続されていてもよい。また、例えば、スマートフォンのような持ち運び可能な携帯端末が端末装置60として機能してもよい。制御装置50と端末装置60とは、他の機器またはネットワークを介して通信してもよい。
端末装置60は、操作部61および表示装置62を備える。操作部61は、使用者が操作する複数の入力スイッチを有する。使用者は、操作部61を操作することで、例えば、給湯温度の設定、浴槽200に湯を供給する運転、浴槽水を再加熱する運転などの指令または予約、蓄熱運転の制御モードの選択等に関する入力操作を行うことができる。すなわち、使用者は、給湯装置1の運転に関する指令及び設定値の変更等を、端末装置60に対して入力できる。
端末装置60は、使用者によって入力された情報を制御装置50へ送信する。制御装置50は、端末装置60から受信した情報に応じて、給湯装置1の運転を制御する。表示装置62は、例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネル等のフラットディスプレイパネルを用いて構成される。表示装置62は、文字、図形、キャラクタ等を視覚表示することで情報を表示できる。表示装置62は、報知装置の例である。端末装置60は、例えば、音声出力装置などの他の報知装置をさらに備えてもよい。
次に、給湯装置1が行う各種の運転について説明する。まず、給湯装置1の蓄熱運転について説明する。蓄熱運転は、ヒートポンプユニット2により加熱された湯を貯湯タンク10内に蓄積する運転である。
蓄熱運転が行われる際には、ヒートポンプユニット2および第一ポンプ11が動作する。また、切替弁12は、第一水路24を第二水路25および第三水路26に連通させる状態にさせられる。ヒートポンプユニット2、第一ポンプ11および切替弁12は、制御装置50によって制御される。貯湯タンク10の下部の水出口10bから流出した低温水が、第一水路24および第二水路25を通って、ヒートポンプユニット2の熱交換器6に導かれる。水が熱交換器6内で加熱されることで、湯、すなわち高温水が生成される。この湯が、第三水路26を通って、湯入口10cから貯湯タンク10の上部へ流入する。蓄熱運転が行われることで、貯湯タンク10内には、上から下へ向かって湯が蓄積していく。
次に、給湯栓300への給湯運転について説明する。使用者によって給湯栓300が開かれると、給湯栓300への給湯運転が開始する。給湯栓300への給湯運転が行われる際には、水源から供給される低温水が、第一給水路21および第三給水路23を通って、給湯混合弁17の第一入口に流入する。また、貯湯タンク10の上部の第二湯出口10eから流出した高温水が、第九水路32を通って、給湯混合弁17の第二入口に流入する。このとき、第二湯出口10eから流出した高温水と同量の低温水が、第二給水路22を通って、水入口10aから貯湯タンク10の下部に流入する。
給湯混合弁17は、当該給湯混合弁17に流入した低温水と高温水とを混合する。給湯混合弁17は、低温水と高温水との混合比を変えることができる。給湯混合弁17での混合により生成された湯は、第一給湯管33を通って給湯栓300へ供給される。制御装置50は、例えば、第一給湯管33に設置された図示しない温度センサにより検出される給湯温度が目標値に等しくなるように、給湯混合弁17の動作を制御する。給湯温度の目標値は、使用者が端末装置60によって設定した温度でもよい。また、使用者は、給湯栓300を操作することで、第一給湯管33から供給される湯に、給水管34から供給される低温水を混合することができる。
次に、浴槽200への給湯運転について説明する。浴槽200への給湯運転は、制御装置50が風呂電磁弁38を開くことで開始する。浴槽200への給湯運転が行われる際には、水源から供給される低温水が、第一給水路21および第三給水路23を通って、風呂混合弁18の第一入口に流入する。また、貯湯タンク10の上部の第二湯出口10eから流出した高温水が、第九水路32を通って、風呂混合弁18の第二入口に流入する。このとき、第二湯出口10eから流出した高温水と同量の低温水が、第二給水路22を通って、水入口10aから貯湯タンク10の下部に流入する。
風呂混合弁18は、当該風呂混合弁18に流入した低温水と高温水とを混合する。風呂混合弁18は、低温水と高温水との混合比を変えることができる。風呂混合弁18での混合により生成された湯は、第二給湯管35、第七水路30および第八水路31を通って、浴槽200へ注入される。制御装置50は、第二給湯管35に設置された図示しない温度センサにより検出される給湯温度が目標値に等しくなるように、風呂混合弁18の動作を制御する。給湯温度の目標値は、使用者が端末装置60にて設定した温度でもよい。
次に、浴槽200に対する追い焚き運転について説明する。追い焚き運転は、浴槽水を再加熱する運転である。追い焚き運転が行われる際には、第二ポンプ14および第三ポンプ15が駆動する。第三ポンプ15が駆動することで、浴槽200内の浴槽水は、第七水路30、風呂熱交換器13および第八水路31を通過してから浴槽200に戻るように循環する。
また、第二ポンプ14が駆動することで、貯湯タンク10の上部の第一湯出口10dから流出した高温水が、第五水路28を通って、風呂熱交換器13に流入する。風呂熱交換器13内で、浴槽水が高温水によって加熱される。風呂熱交換器13内で、高温水は、浴槽水に熱を奪われることで、中温水になる。風呂熱交換器13から流出した中温水は、第六水路29を通って、戻り口10fから貯湯タンク10内に流入する。
図1によって示される実施例では、第八水路31に殺菌装置100が設けられている。すなわち、殺菌装置100は、追い焚き運転時に、風呂熱交換器13から浴槽200へと再加熱後の水を供給する流路中に設けられている。図1によって示される実施例において、殺菌装置100は、追い焚き運転時に循環する浴槽水の殺菌を行うことができる。追い焚き運転時には、浴槽水が殺菌装置100に殺菌されつつ循環することで、やがて、浴槽200内の浴槽水の全体が殺菌される。
なお、給湯装置1は、例えば、追い焚き運転とは別の運転として、浴槽水殺菌運転を実行可能に構成されていてもよい。浴槽水殺菌運転が行われる際には、第三ポンプ15が駆動する。これにより、浴槽水が循環する。循環する浴槽水は、殺菌装置100によって殺菌される。また、浴槽水殺菌運転が行われる際には、第二ポンプ14は停止している。浴槽水殺菌運転によれば、浴槽水を昇温させることなく殺菌することができる。
次に、図2を参照し、殺菌装置100の構成について説明する。図2は、一例として、第八水路31に設けられた殺菌装置100の構成例を示している。なお、殺菌装置100が設けられる位置は、図1および図2に示される実施例に限定されるものではない。殺菌装置100は、給湯装置1に備えられた任意の水路に設置されてもよい。例えば、殺菌装置100は、水源から貯湯タンク10に水を流入させる水路に設置されてもよい。また、給湯装置1には、複数の殺菌装置100が備えられていてもよい。以下では、あくまで一例として、第八水路31に設けられた殺菌装置100の構成について説明する。
殺菌装置100は、水路を流れる水に対して紫外線を照射する紫外線照射部101を備える。本実施の形態において、紫外線照射部101は、第八水路31を通過する水に紫外線を照射する。
第八水路31内の水の中には、例えば、レジオネラ菌のような細菌が存在する可能性がある。レジオネラ菌は、自然界の土壌及び淡水に生息するグラム陰性の桿菌である。レジオネラ菌は、20℃から50℃の温度範囲で生育し、36℃前後で最もよく生育するといわれている。紫外線は、細菌などの微生物を死滅または不活化する作用を有する。本開示では、紫外線による細菌等の死滅または不活化をまとめて、「殺菌」と総称している。第八水路31内の水に含まれる細菌のような微生物は、紫外線照射部101からの紫外線により、殺菌される。本実施の形態であれば、浴槽水に、例えばレジオネラ菌のような細菌類を含む微生物が生育する可能性を低減できる。なお、本開示では、例えばレジオネラ菌のような細菌類を含む微生物を単に「微生物」と呼ぶ場合がある。
紫外線照射部101は、例えば、図2に示されるように、LED光源102、基板103、台座部104、放熱部105および窓部106を備えている。
LED光源102は、紫外線を発する発光ダイオードである。LED光源102は、予め設定された波長の紫外線を発する。LED光源102が発する紫外線の波長は、例えば、200nmから400nmの範囲内に含まれていることが望ましい。200nmから400nmの波長を有する紫外線は細菌の原形質である核酸に作用して増殖能力を奪うだけでなく、原形質を破壊して細菌を死滅させる作用を有する。
LED光源102は、基板103に設けられている。LED光源102は、基板103を介して直流電流が供給されることにより点灯する。基板103の制御、すなわち、LED光源102の点灯の制御は、制御装置50によって行われる。紫外線照射部101は、LED光源102が点灯することで発せられた紫外線を水に対して照射するものである。
LED光源102が設けられた基板103は、台座部104に設けられている。台座部104の材質は、例えば、アルミニウムである。台座部104には、LED光源102が点灯することで生じた熱を放熱するための放熱部105が設けられている。
LED光源102の発光面側は、窓部106によって覆われている。窓部106の材質は、紫外線透過性を有する。窓部106の一部は、紫外線を拡散させるように構成されてもよい。窓部106の材質は、具体的には、例えば、石英ガラス等である。窓部106は、第八水路31の内側に露出している。LED光源102が発した紫外線は、窓部106を透過して、第八水路31を通過する水に照射される。
紫外線照射部101から照射される紫外線が当たる可能性のある範囲の第八水路31を形成する配管は、以下のように構成されることが望ましい。当該配管は、紫外線耐性および耐水性を有する材料で構成されることが望ましい。例えば、当該配管は、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂で構成されていることが望ましい。ポリテトラフルオロエチレンは、紫外線耐性に優れるだけでなく、紫外線を反射する。当該配管の内壁面をポリテトラフルオロエチレンにより構成することで、紫外線照射部101からの紫外線が当該内壁面で反射し、紫外線照射部101から、より遠い範囲にまで、紫外線が照射される。なお、当該配管の全体が上記のような材料で構成されていてもよいし、当該配管の内壁面のみが上記のような材料で被覆されていてもよい。
また、殺菌装置100は、図2に示されるように、温度検出部107を備える。温度検出部107は、物の温度を検出可能に構成されている。温度検出部107は、例えば、熱電対式のセンサまたはサーミスタ等から構成される。温度検出部107は、紫外線照射部101の温度を検出可能な位置に設けられている。本実施の形態において、温度検出部107は、LED光源102の近傍に配置されている。温度検出部107は、熱抵抗が既知である物体に接触して配置される。具体的には、温度検出部107は、例えば、基板103の裏側、台座部104の裏側、放熱部105の表面等に設けられてもよい。
一例として、温度検出部107は、図2に示されるように、台座部104と放熱部105との間に設けられる。温度検出部107とLED光源102との間にある物体である基板103および台座部104の熱抵抗は既知である。このため、本実施の形態において、温度検出部107は、LED光源102の温度を検出することができる。LED光源102の点灯動作は、温度検出部107が検出した温度の情報に基づいて制御される。LED光源102の点灯動作の具体的な制御については、後述する。
放熱部105は、第八水路31および殺菌装置100の周囲の空気に露出している。殺菌装置100の周囲の空気と温度検出部107との間にある物体である放熱部105の熱抵抗は既知である。LED光源102が点灯していない状態、すなわち、LED光源102が発熱していない状態において、温度検出部107は、殺菌装置100の周囲の気温を検出することができる。貯湯タンクユニット3が屋外に設置されている場合、第八水路31に設けられた殺菌装置100の周囲の空気の温度は、屋外の気温、すなわち外気の温度と同等となる。このため、本実施の形態おいて、温度検出部107は、外気の温度を検出することができる。本実施の形態において、温度検出部107は、給湯装置1の動作を制御するための外気の温度の情報を取得する温度センサとしても機能する。
図3は、実施の形態1による殺菌装置100の制御ブロック図である。上記したように、温度検出部107は、紫外線照射部101の温度を検出する。温度検出部107が検出した紫外線照射部101の温度情報は、制御装置50に入力される。また、温度検出部107は、外気の温度を検出する。温度検出部107が検出した外気温の温度情報は、制御装置50に入力される。
制御装置50は、温度検出部107が検出した温度情報に基づいて、紫外線照射部101を制御する。また、一例として、制御装置50は、温度検出部107が検出した外気温に応じて、ヒートポンプユニット2を制御する。制御装置50は、例えば、温度検出部107が検出した外気温に応じて、ヒートポンプユニット2による沸き上げ量を調節する。また、制御装置50は、例えば、温度検出部107が検出した外気温に応じて、ヒートポンプユニット2に凍結防止運転を行わせる。なお、図3においては図示を省略しているが、制御装置50は、例えば、温度検出部107が検出した温度情報に基づいて、第一ポンプ11、切替弁12、第二ポンプ14、第三ポンプ15、給湯混合弁17、風呂混合弁18および風呂電磁弁38を制御してもよい。
図4は、実施の形態1の制御装置50の機能を実現するためのハードウェア構成の例を示す図である。殺菌装置100および殺菌装置100を備えた給湯装置1を制御するための制御手段の一例である制御装置50の機能は、処理回路51によって実現することができる。
処理回路51は、例えば、専用ハードウェア52として形成されていてもよい。処理回路51は、プロセッサ53およびメモリ54を備えていてもよい。処理回路51は、その一部が専用ハードウェア52として形成され、且つ、更にプロセッサ53およびメモリ54を備えていてもよい。図4は、処理回路51の一部が専用ハードウェア52として形成され、当該処理回路51が更にプロセッサ53およびメモリ54を備えている場合の例を示している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア52である処理回路51には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
プロセッサ53は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ54には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
処理回路51が少なくとも1つのプロセッサ53および少なくとも1つのメモリ54を備える場合、制御装置50の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ54に格納される。プロセッサ53は、メモリ54に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、予め設定された処理を実行して制御装置50の機能を実現する。
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置50の機能を実現することができる。なお、給湯装置1は、単一の制御装置50により動作が制御される構成に限定されるものではない。給湯装置1は、複数の装置が連携することで動作を制御されてもよい。
図1から図3によって示される構成例においては、1つの制御装置50によって、一例として、ヒートポンプユニット2、第一ポンプ11、切替弁12、第二ポンプ14、第三ポンプ15、給湯混合弁17、風呂混合弁18、風呂電磁弁38および紫外線照射部101が制御されている。例えば、紫外線照射部101を制御する装置は、ヒートポンプユニット2、第一ポンプ11、切替弁12、第二ポンプ14、第三ポンプ15、給湯混合弁17、風呂混合弁18および風呂電磁弁38等の給湯装置1を構成する各機器を制御する装置とは別であってもよい。また、当該各機器を制御する装置および紫外線照射部101を制御する装置の少なくとも一方は、給湯装置1の外部に設けられていてもよい。
次に、実施の形態1による殺菌装置100の動作例について、フローチャートを参照して説明する。図5は、実施の形態1による殺菌装置100の第1の動作例を示すフローチャートである。例えば、殺菌装置100は、上記した追い焚き運転または浴槽水殺菌運転が行われる際に動作する。なお、殺菌装置100は、追い焚き運転および浴槽水殺菌運転のいずれも行われていないとき、すなわち、給湯装置1の水路内に流れが生じていないときに動作をしてもよい。
殺菌装置100の動作の開始時において、紫外線照射部101は、紫外線の照射を停止している。殺菌装置100の動作が開始すると、まず、温度検出部107によって温度情報が検出される。本実施の形態では、紫外線照射部101による紫外線の照射が停止している時、温度検出部107は、LED光源102の温度と外気の温度とを検出する。紫外線照射部101による紫外線の照射が停止している時、LED光源102の温度と外気の温度とは同等になっている。
図5に示されるように、殺菌装置100の動作が開始して温度検出部107による温度情報の検出が行われると、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1以上であるか否かの判定が行われる(ステップS101)。ステップS101の判定は、例えば、制御装置50によって行われる。なお、ステップS101の判定は、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を超えているか否かの判定であってもよい。
ステップS101での判定の閾値である基準温度T1は、LED光源102の許容温度に応じて予め設定される。LED光源102の許容温度は、例えば、100℃である。LED光源102の許容温度が100℃であるとき、基準温度T1は、例えば、60℃として設定される。本実施の形態における基準温度T1は、本開示に係る第1の基準温度の一例である。
温度検出部107が検出した温度が基準温度T1以上であるとステップS101において判定された場合、紫外線照射部101のLED光源102は、オフの状態になる(ステップS102)。すなわち、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を上回っている場合には、紫外線照射部101は、紫外線の照射を停止し続ける。
このように、本実施の形態においては、温度検出部107が検出した温度、すなわちLED光源102の温度および外気温が基準温度T1を超える高温である場合には、LED光源102は点灯を開始しない。本実施の形態によれば、LED光源102の温度が許容温度を超えるまで過剰に上昇してしまうことが防止される。これにより、LED光源102の劣化が抑制され、また、殺菌装置100による殺菌効果の低下が抑制される。
一方、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を下回っているとステップS101において判定された場合、紫外線照射部101のLED光源102は、オンの状態になる(ステップS103)。紫外線の照射を停止している紫外線照射部101は、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を下回っている場合には、紫外線の照射を開始する。これにより、水の殺菌が行われる。紫外線照射部101は、第1出力で紫外線を照射する。
紫外線照射部101が紫外線の照射を実行している際も、温度検出部107による温度情報の検出が行われる。紫外線照射部101が紫外線の照射を実行している際には、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2以上であるか否かの判定が行われる(ステップS104)。ステップS104の判定は、例えば、制御装置50によって行われる。なお、ステップS104の判定は、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2を超えているか否かの判定であってもよい。
ステップS104での判定の閾値である基準温度T2は、LED光源102の許容温度に応じて予め設定される。LED光源102の許容温度が100℃であるとき、基準温度T2は、例えば、LED光源102の許容温度である100℃として設定される。なお、基準温度T2は、LED光源102の許容温度よりも低い温度、例えば、80℃として設定されてもよい。本実施の形態における基準温度T2は、本開示に係る第2の基準温度の一例である。第2の基準温度の一例である基準温度T2は、第1の基準温度の一例である基準温度T1よりも高い温度として設定される。
温度検出部107が検出した温度が基準温度T2を下回っているとステップS104において判定された場合、LED光源102は、オンの状態のままになる。すなわち、紫外線照射部101は、LED光源102の温度が基準温度T2に達するまで紫外線の照射を継続する。一方、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2以上であるとステップS104において判定された場合、LED光源102は、上記のステップS102と同様に、オフの状態になる。すなわち、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2を上回っている場合には、紫外線照射部101は、紫外線の照射を停止する。
このように、本実施の形態においては、LED光源102の温度が基準温度T2を超える高温である場合には、LED光源102の点灯が停止する。これにより、LED光源102の温度が許容温度を超えるまで過剰に上昇してしまうことが防止され、LED光源102の劣化が抑制される。また、殺菌装置100による殺菌効果の低下が抑制される。
なお、殺菌装置100の紫外線照射部101は、例えば、紫外線照射部101の周囲の気温が予め設定された基準温度を下回っている場合に紫外線を照射するように構成されていてもよい。紫外線照射部101の周囲の気温は、上記したように、例えば、温度検出部107によって検出される。また、殺菌装置100は、紫外線照射部101の周囲の気温を検出するセンサ等を、温度検出部107とは別に備えていてもよい。紫外線照射部101は、紫外線照射部101の周囲の気温が基準温度を下回っている場合にのみ紫外線を照射することで、LED光源102を定格の入力で点灯させることができる。これにより、殺菌装置100による殺菌効率が向上する。
図6は、実施の形態1による殺菌装置100の第2の動作例を示すフローチャートである。図6を参照して、殺菌装置100の第2の動作例について説明する。
図6に示す動作例において、殺菌装置100の動作が開始すると、温度検出部107によって温度情報が検出される。殺菌装置100の動作が開始して温度検出部107による温度情報の検出が行われると、図5におけるステップS101と同様に、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1以上であるか否かの判定が行われる(ステップS201)。
図6に示す動作例においては、ステップS201の判定結果に依らず、LED光源102はオンの状態になる。温度検出部107が検出した温度が基準温度T1以上であるとステップS201において判定された場合には、紫外線照射部101は、第2出力で紫外線を照射する(ステップS202)。また、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を下回るとステップS201において判定された場合には、紫外線照射部101は、第1出力で紫外線を照射する(ステップS203)。
上記した第2出力は、第1出力よりも低く設定される。すなわち、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を上回っている場合には、紫外線照射部101は、低出力で紫外線を照射する。本実施の形態においては、LED光源102の温度および外気温が基準温度T1を超える高温である場合には、LED光源102は低出力で点灯する。これにより、LED光源102の劣化を抑制しつつ、紫外線照射部101による殺菌も行うことができる。
また、紫外線照射部101が紫外線の照射を実行している際には、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2以上であるか否かの判定が行われる(ステップS204)。温度検出部107が検出した温度が基準温度T2を下回っているとステップS104において判定された場合、LED光源102は、オンの状態のままになる。紫外線照射部101は、LED光源102の温度が基準温度T2に達するまで紫外線の照射を継続する。
温度検出部107が検出した温度が基準温度T2以上であるとステップS204において判定された場合、LED光源102は、オフの状態になる(ステップS205)。すなわち、温度検出部107が検出した温度が基準温度T2を上回っている場合には、紫外線照射部101は、紫外線の照射を停止する。これにより、LED光源102が許容温度を超えて過剰に昇温してしまうことが防止される。
上記した図5および図6に示される動作例において、基準温度T2は基準温度T1よりも高い。これにより、紫外線照射部101が紫外線を照射する期間、すなわち水の殺菌が行われる期間を確保しつつ、LED光源102の温度が許容温度を超えてしまうことを効果的に抑制することができる。
図7は、実施の形態1による殺菌装置の第3の動作例を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、図5のフローチャートにおけるステップS104を図6のフローチャート全体に置き換えたものに相当する。図7のステップS301からステップS303は、それぞれ、図5のステップS101からステップS103に対応する。図7のステップS304からステップS307は、それぞれ、図6のステップS201からステップS204に対応する。図7に示されるように、図5に示される第1の動作例と図6に示される第2の動作例とは、適宜組み合わせることが可能である。ステップS301からステップS307についての詳細な説明は省略する。
図7に示される第3の動作例においては、紫外線の照射を実行している紫外線照射部101は、ステップS303からステップS306に示されるように、温度検出部107が検出した温度が基準温度T1を上回ると、出力を下げて動作を継続する。これにより、LED光源102の劣化を抑制しつつ、紫外線照射部101による殺菌も行うことができる。
以上に示したように、本実施の形態に係る殺菌装置100は、水路を流れる水に対して紫外線を照射する紫外線照射部101と、紫外線照射部101の温度を検出可能な位置に設けられた温度検出部107と、を備える。紫外線照射部101は、温度検出部107が検出した温度が基準温度を下回っている場合には第1出力で紫外線を照射し、温度検出部107が検出した温度が基準温度を上回っている場合には紫外線の照射を停止または第1出力よりも低い第2出力で紫外線を照射する。上記の構成によれば、LED光源102の劣化を抑制可能な殺菌装置100を提供することができる。また、この殺菌装置100を備えた給湯装置1を提供することができる。なお。以上のように構成された殺菌装置100は、給湯装置1以外にも、例えば、浄水器等の水路を有する任意の機器にも適用可能である。
上記の実施の形態によれば、LED光源102が許容温度を超えることが効果的に防止される。これにより、例えば、放熱部105の大きさを必要最小限に抑えることが可能となる。
上記の実施の形態において、殺菌装置100は、浴槽水が循環する回路に設置されている。殺菌装置100は、浴槽水の殺菌を行う。本実施の形態であれば、使用者が触れる浴槽水に微生物が生育する可能性を低減できる。
また、上記の実施の形態において、温度検出部107は、外気の温度を検出可能な位置に設けられている。上記の実施の形態によれば、殺菌装置100および殺菌装置100を備えた給湯装置1は、温度検出部107とは別のセンサを必要とすることなく、外気温に応じた動作をすることが可能となる。
また、一般的な給湯装置には、外気温を検出する外気温センサが設けられている。この外気温センサを、紫外線照射部101の温度を検出可能な位置に設けることで、上記の実施の形態の構成を実現することも可能である。