本明細書に開示される方法の実施、ならびに組成物の調製および使用は、特に明記しない限り、当業者の技能の範囲内であるような分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、組換えDNAならびに関連分野の慣用的な技術を使用する。これらの技術は文献に十分に説明されている。例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989および第3版、2001;Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、ニューヨーク、1987および周期的更新;シリーズMETHODS IN ENZYMOLOGY、Academic Press、サンディエゴ;Wolffe、CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION、第3版、Academic Press、サンディエゴ、1998;METHODS IN ENZYMOLOGY、第304巻、「Chromatin」(P.M.WassarmanおよびA.P.Wolffe編)、Academic Press、サンディエゴ、1999;およびMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY、第119巻、「Chromatin Protocols」(P.B.Becker編) Humana Press、Totowa、1999年を参照されたい。
ここでは、タンパク質分解を促進するための高度に選択的で可逆的な方法を提供するために遺伝子とタンパク質両方の破壊を利用する方法を記載する。この方法論は、正確な、一時的な、小分子制御標的検証、ならびに目的のタンパク質分解の細胞効果およびインビボ効果の探索にとって価値がある。
この方法では、相同組換え(HR)標的化ベクターに存在するdTAGのための発現カセットを挿入(ノックイン)するために、目的の標的遺伝子の領域を、ガイドRNAおよびCas9によって標的化する。HR標的化ベクターは、目的の標的化遺伝子座を囲むゲノムDNAに相同な発現カセットの5’末端および3’末端に相同アームを含む。目的の標的遺伝子とインフレームでdTAGを融合させることによって、発現時に得られる融合タンパク質が、生体不活性(bioinert)小分子ヘテロ二官能性化合物での処理時にプロテアソーム媒介分解を受けやすくなる。
哺乳動物細胞におけるゲノム編集は、ヒト疾患の治療および修正に大きな可能性を提供する。短い一本鎖ガイドRNA(sgRNA)を使用することによって、Cas9エンドヌクレアーゼを目的のゲノム位置に向けさせることができ、それによってDNA二本鎖切断が誘導される。これらの切断は、遺伝子を不活性化する挿入または欠失(インデル)を生成するために活用することができる非相同末端結合によって修復される。インビボゲノム編集は、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルス、粒子、流体力学的注入もしくは電気穿孔媒介方法、またはこれらの組み合わせによるCRISPR/Cas9送達によって達成することができ(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Kumarら、Hum.Gene Ther.12、(2001):1893~1905;Wuら、Mol.Ther.18、(2010):80~86;Ranら、Nature520、(2015):186~191;Swiechら、Nat.Biotechnol.33、(2015):102~105;Zurisら、Nat.Biotechnol.33、(2015):73~80;Kauffmanら、Nano.Lett.15、(2015):7300~7306;Dingら、Circ.Res.115、(2014):488~492;Mareschら、Nat.Commun.7、(2016):10770;Khorsandiら、Cancer Gene Ther.15、(2008):225~230;Yinら、Nat.Rev.Genet.15、(2014):541~555;Yinら、Nat.Biotechnol.34、(2016):328~333;およびXueら、Nature514、(2014):380~384参照)、体細胞ゲノム編集が肺、肝臓、脳および膵臓などのマウス器官に適用されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Xueら、Nature514、(2014):380~384;Sanchez-Riveraら、Nature516、(2014):428~431;Plattら、Cell159、(2014):440~455;Yinら、Nat.Biotechnol.32、(2014):551~553;Zuckermannら、Nat.Commun.6、(2015):7391;Chiouら、Genes Dev.29、(2015):1576~1585;およびMazurら、Nat.Med.21、(2015):1163~1171参照)。しかしながら、永久的なゲノム改変の長期的な影響は知られておらず、ゲノム編集の不完全な精度および生物学的代償機序が存在し得る成人における直接修正の影響に対する懸念が存在する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Fuら、Nat.Biotechnol.31(9)、(2013):822~826、およびChoら、Genome Res.24、(2014):132~141参照)。
ここで本発明者らは、内因性遺伝子座から産生され、リガンド依存性、可逆性、および用量反応性の様式で容易に分解されるノックイン融合タンパク質を産生するためのインビボゲノム工学に基づく広範な治療用途のための戦略を記載する。融合タンパク質は、二価または多価のヘテロ二官能性化合物によって標的化されるdTAGを含む。ヘテロ二官能性化合物は、dTAGに結合し、E3リガーゼ、例えばセレブロン含有CRL4A E3ユビキチンリガーゼ複合体を動員する能力を有する。この動員は、融合タンパク質のユビキチン化(dTAGドメイン上または同族タンパク質上のいずれか)およびその後のUPPを介した分解を誘導する。このアプローチを通して、目的のタンパク質についての新規のリガンドの発見を必要とすることなく、目的のタンパク質を、高い特異性および高い特異性で迅速なユビキチン媒介分解の標的とすることができる。インビボ使用のための小分子とゲノム工学の組み合わせ使用に照らして。
それだけに限らないが、ブロモドメイン、例えばBRD4の第1のブロモドメイン;ホルモン受容体、例えばER、AR、RXR;FKBP12;DHFR、特に細菌DHFR、およびヘテロ二官能性化合物に変換することができるリガンドが結合することができる他の一般的に使用されるタンパク質融合タグを含む種々のdTAGを使用することができる。場合によっては、プロテインキナーゼのATP結合部位を選択的に標的化するために開発されたものに概念的に関連する「バンプ-ホール」戦略を活用するdTAGを使用することに利点があるだろう。このような場合、dTAG融合体は、アミノ酸突然変異(F36V)を介して「ホール」を形成する空洞で操作されたFK506およびラパマイシン結合タンパク質FKBP12のバージョンである。次いで、この変異FKBP12(「バンプされた」FKBP、別名FKBP*(配列番号2))を、FKBP12結合ドメイン中の合成「バンプ」、リンカーおよびセレブロン標的化ドメイン(例えば、IMID誘導体)を有するヘテロ二官能性化合物(または同様の分子)によって標的化する。この分子は、天然FKBP12を標的としないので、ヒト細胞に天然に存在するタグの野生型変異体に対するヘテロ二官能性化合物の選択性を提供する。例示される「バンプ-ホール」戦略を表す例証を図1に提供する。
本明細書に記載される本発明は、ゲノム工学を分解の小分子活性化/調節と組み合わせることによって、疾患に関連する内因性タンパク質の分解を制御するための機序を提供する。この技術の用途には、それだけに限らないが、1)病理学が1つまたは複数の機能獲得型変異の関数である場合のタンパク質の標的化分解、2)病理学が増幅または発現増加の関数である場合のタンパク質の標的化分解、3)単遺伝性疾患の徴候であるタンパク質の標的化分解、4)遺伝的素因が長期間にわたって、またしばしば代替的生物学的代償機序がもはや十分ではなくなった後で現れる場合、例えば、高コレステロール血症、タンパク質症のタンパク質の標的化分解が含まれる。
定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に使用され、直鎖状または環状の立体構造、および一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語はポリマーの長さに関して限定するものとして解釈されるべきではない。この用語は、天然ヌクレオチドの既知の類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート骨格)が修飾されているヌクレオチドを包含することができる。一般に、特定のヌクレオチドの類似体は同じ塩基対形成特異性を有する、すなわち、Aの類似体はTと塩基対形成するだろう。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用される。この用語はまた、1個または複数のアミノ酸が対応する天然アミノ酸の化学的類似体または改変誘導体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。
「結合」とは、巨大分子間(例えば、タンパク質と核酸間)または巨大分子と小分子間(例えば、タンパク質と薬物間)の配列特異的な非共有結合性相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用の全ての成分が配列特異的である必要はない(例えば、DNA骨格中のリン酸残基との接触)。
「組換え」とは、2つのポリヌクレオチド間の遺伝情報の交換の過程を指す。本開示の目的のために、「相同組換え」(HR)は、例えば相同指向修復機序を介した細胞内の二本鎖切断の修復中に起こるこのような交換の特殊な形態を指す。この過程は、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経験したもの)の鋳型修復に「ドナー」分子を使用し、ドナーから標的への遺伝情報の伝達をもたらす。
本明細書に記載される1つまたは複数の標的化ヌクレアーゼは、所定の部位で標的配列(例えば、細胞クロマチン)内に二本鎖切断を作り出すので、dTAGをコードし、切断領域中のヌクレオチド配列との相同性を有する「ドナー」ポリヌクレオチドを細胞に導入することができる。二本鎖切断の存在はドナー配列の組込みを容易にすることが示されている。ドナー配列を物理的に組み込んでもよく、その結果、ドナーにおけるようにヌクレオチド配列の全部または一部が細胞クロマチンに導入される。したがって、細胞クロマチン中の第1の配列を、ドナーポリヌクレオチド中に存在する配列に改変および変換することができる。
細胞クロマチンの目的の領域における配列の標的化組換えおよび/または置換および/または改変のための一定の方法では、dTAGをコードする外因性「ドナー」ヌクレオチド配列との相同組換えによって染色体配列を改変する。このような相同組換えは、切断領域に相同な配列が存在する場合、細胞クロマチン中の二本鎖切断の存在によって刺激される。
本明細書に記載される方法のいずれにおいても、外因性ヌクレオチド配列(「ドナー配列」または「導入遺伝子」)は、目的の領域のゲノム配列と相同であるが同一ではない配列を含むことができ、それによって相同組換えを刺激して、同一でない配列、すなわちdTAGをコードする核酸配列を目的の領域に挿入することができる。したがって、目的の領域の配列と相同なドナー配列の部分は、置き換えられるゲノム配列と約80~99%(またはその間の任意の整数)の配列同一性を示す。他の実施形態では、例えば、100を超える連続塩基対のドナー配列とゲノム配列との間のようにただ1個のヌクレオチドのみが異なる場合、ドナー配列とゲノム配列との間の相同性が99%より高い。ドナー配列の非相同部分は、目的の領域に存在しない核酸配列、例えばdTAGをコードする配列を含み、結果として新しい配列が目的の領域に導入される。これらの例では、非相同配列に、一般に、50~1,000塩基対(もしくはそれらの間の任意の整数値)、または目的の領域の配列と相同もしくは同一の1,000超の任意の数の塩基対の配列が隣接する。他の実施形態では、ドナー配列が、第1の配列と非相同であり、非相同組換え機序によってゲノムに挿入される。
「切断」とは、DNA分子の共有結合骨格の破壊を指す。切断は、それだけに限らないが、ホスホジエステル結合の酵素的または化学的加水分解を含む種々の方法によって開始され得る。一本鎖切断と二本鎖切断の両方が可能であり、二本鎖切断は、2つの異なる一本鎖切断事象の結果として起こり得る。DNA切断は平滑末端または付着末端のいずれかの生成をもたらし得る。一定の実施形態では、融合ポリペプチドが標的二本鎖DNA切断に使用される。
「クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびにヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含むタンパク質を含む。真核細胞クロマチンの大部分はヌクレオソームの形態で存在し、ヌクレオソームコアは、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4をそれぞれ2個含む八量体と会合した約150塩基対のDNAを含み、リンカーDNA(生物に応じて可変長である)がヌクレオソームコア間に伸びている。ヒストンH1の分子は一般にリンカーDNAと会合している。本開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、原核生物と真核生物の両方の全ての種類の細胞核タンパク質を包含することを意味する。細胞クロマチンは、染色体クロマチンとエピソームクロマチンの両方を含む。
「外因性」分子は、細胞内に通常は存在しない分子、例えば一定のdTAGであるが、1つまたは複数の遺伝学的方法、生化学的方法または他の方法によって細胞に導入することができる。外因性分子は、例えば、合成内因性タンパク質-dTAGハイブリッドを含み得る。
「内因性」タンパク質は、特定の環境条件下で特定の発生段階で特定の細胞に通常存在するものである。例えば、内因性タンパク質は、例えば、転写因子もしくは酵素、または他の任意の種類の天然に発現されるタンパク質であり得る。
「融合」または「ハイブリッド」タンパク質は、2つ以上のポリペプチドが、好ましくは共有結合的に結合しているタンパク質である。融合タンパク質の例には、例えば、内因性タンパク質とdTAGとの間の融合が含まれる。
本開示の目的のための「遺伝子」は、遺伝子産物をコードするDNA領域、ならびに調節配列がコード配列および/または転写配列に隣接しているかどうかにかかわらず、遺伝子産物の産生を調節する全てのDNA領域を含む。したがって、遺伝子には、必ずしもこれらに限定されないが、プロモーター配列、ターミネーター、リボソーム結合部位および配列内リボソーム進入部位などの翻訳調節配列、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、バウンダリーエレメント、複製起点、マトリックス付着部位および遺伝子座制御領域が含まれる。
「遺伝子発現」とは、遺伝子に含まれる情報を遺伝子産物に変換することを指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNAもしくは他の任意の型のRNA)またはmRNAの翻訳によって産生されるタンパク質であり得る。遺伝子産物には、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化および編集などの過程によって修飾されたRNA、ならびに、例えばメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチル化およびグリコシル化によって修飾されたタンパク質も含まれる。
タンパク質発現の「調節」とは、タンパク質の活性の変化を指す。発現の調節には、それだけに限らないが、タンパク質活性の低下またはタンパク質活性の上昇が含まれる。例えば、本明細書で企図されるように、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドをヘテロ二官能性化合物に曝露し、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドの分解が生じると、内因性タンパク質の活性が調節され得る。したがって、タンパク質不活性化は部分的または完全であり得る。
「ベクター」は遺伝子配列を標的細胞に移入することができる。典型的には、「ベクター構築物」、「発現ベクター」および「遺伝子導入ベクター」は、目的の遺伝子の発現を指示することができ、遺伝子配列を標的細胞に導入することができる任意の核酸構築物を意味する。したがって、この用語はクローニングおよび発現ビヒクル、ならびに組み込みベクターを含む。
「対象」および「患者」という用語は互換的に使用され、ヒト患者および非ヒト霊長類などの哺乳動物、ならびにウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウサギおよび他の動物などの実験動物を指す。したがって、本明細書で使用される「対象」または「患者」という用語は、障害を有する任意の患者または対象(例えば、哺乳動物)を意味する。
A.ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質(dTAG)
本発明は、内因性遺伝子座から産生され、リガンド依存性、可逆性、および用量反応性の様式で容易に分解されるノックイン融合タンパク質を作製する方法を提供する。具体的には、dTAGをコードする核酸を目的の標的遺伝子とインフレームで挿入し、発現時に、得られる融合タンパク質は、二価または多価のヘテロ二官能性化合物によって標的化されるdTAGを含む。ヘテロ二官能性化合物は、標的タンパク質に結合し、E3リガーゼ、例えばセレブロン含有CRL4A E3ユビキチンリガーゼ複合体を動員する能力を有する。この動員は、融合タンパク質のユビキチン化(dTAG上または同族タンパク質上のいずれか)およびその後のユビキチンプロテアソーム経路(UPP)を介した分解を誘導する。このアプローチを通して、目的のタンパク質についての新規のリガンドの発見を必要とすることなく、POIを、高い特異性で迅速なユビキチン媒介分解の標的とすることができる。
合成遺伝子のヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質は、ヘテロ二官能性化合物が結合することができる任意のアミノ酸配列であり、ヘテロ二官能性化合物と接触すると、発現される内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質のユビキチン化および分解をもたらす。好ましくは、dTAGは内因性発現タンパク質の機能を妨害すべきでない。一実施形態では、dTAGが、ヘテロ二官能性化合物の選択性をもたらし、ヘテロ二官能性化合物の投与時のオフターゲット効果の回避を可能にする非内因性ペプチドである。一実施形態では、dTAGが、ヘテロ二官能性化合物が改変アミノ酸配列のみに結合し、内因性発現タンパク質に結合しないように改変された、内因性タンパク質またはそのフラグメントに由来するアミノ酸配列である。一実施形態では、dTAGが、内因性発現タンパク質または内因性発現タンパク質のフラグメントである。ヘテロ二官能性化合物に使用するためにリガンドによって結合され得る任意のアミノ酸配列ドメインを、本明細書で企図されるようにdTAGとして使用することができる。一定の実施形態では、特定のヘテロ二官能性化合物によって結合され得る最小アミノ酸配列がdTAGとして利用されることが好ましい。
特定の実施形態では、本発明に使用するためのdTAGが、それだけには限定されないが、FK506結合タンパク質12(FKBP12)、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)、CREB結合タンパク質(CREBBP)および転写活性化因子BRG1(SMARCA4)、またはこれらの変異体などの内因性発現タンパク質に由来するアミノ酸配列を含む。本明細書で企図されるように、「変異体」は、変異体が元の配列と同じ機能を実質的に保持する限り、この場合はヘテロ二官能性化合物のためのリガンドを提供している限り、1個または数個~複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加を含む任意の変異体を意味する。他の実施形態では、本発明に使用するためのdTAGが、例えばホルモン受容体、例えばエストロゲン受容体タンパク質、アンドロゲン受容体タンパク質、レチノイドx受容体(RXR)タンパク質、および細菌DHFRを含むジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、細菌デヒドロゲナーゼ、ならびに変異体を含み得る。
dTAGのいくつかの実施形態は、それだけに限らないが、Hsp90阻害剤、キナーゼ阻害剤、MDM2阻害剤、ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質を標的化する化合物、サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12を標的化する化合物、HDAC阻害剤、ヒトリジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、免疫抑制化合物、およびアリール炭化水素受容体(AHR)を標的化する化合物に由来するものであり得る。
一定の実施形態では、dTAGが、キナーゼ、BETブロモドメイン含有タンパク質、サイトゾルシグナル伝達タンパク質(例えば、FKBP12)、核タンパク質、ヒストンデアセチラーゼ、リジンメチルトランスフェラーゼ、血管新生を調節するタンパク質、免疫応答を調節するタンパク質、アリール炭化水素受容体(AHR)、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、グルココルチコイド受容体、または転写因子(例えば、SMARCA4、SMARCA2、TRIM24)に由来する。
一定の実施形態では、dTAGが、キナーゼ、例えば、それだけに限らないが、チロシンキナーゼ(例えば、AATK、ABL、ABL2、ALK、AXL、BLK、BMX、BTK、CSF1R、CSK、DDR1、DDR2、EGFR、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHA10、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT4、FRK、FYN、GSG2、HCK、IGF1R、ILK、INSR、INSRR、IRAK4、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KSR1、LCK、LMTK2、LMTK3、LTK、LYN、MATK、MERTK、MET、MLTK、MST1R、MUSK、NPR1、NTRK1、NTRK2、NTRK3、PDGFRA、PDGFRB、PLK4、PTK2、PTK2B、PTK6、PTK7、RET、ROR1、ROR2、ROS1、RYK、SGK493、SRC、SRMS、STYK1、SYK、TEC、TEK、TEX14、TIE1、TNK1、TNK2、TNNI3K、TXK、TYK2、TYRO3、YES1またはZAP70)、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、カゼインキナーゼ2、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼC、Rafキナーゼ、CaMキナーゼ、AKT1、AKT2、AKT3、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、Aurora A、Aurora B、Aurora C、CHK1、CHK2、CLK1、CLK2、CLK3、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DMPK、ERK1、ERK2、ERK5、GCK、GSK3、HIPK、KHS1、LKB1、LOK、MAPKAPK2、MAPKAPK、MNK1、MSSK1、MST1、MST2、MST4、NDR、NEK2、NEK3、NEK6、NEK7、NEK9、NEK11、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PIM1、PIM2、PLK1、RIP2、RIP5、RSK1、RSK2、SGK2、SGK3、SIK1、STK33、TAO1、TAO2、TGF-β、TLK2、TSSK1、TSSK2、ULK1またはULK2)、サイクリン依存性キナーゼ(例えば、Cdk1~Cdk11)、およびロイシンリッチリピートキナーゼ(例えば、LRRK2)に由来する。
一定の実施形態では、dTAGが、BETブロモドメイン含有タンパク質、例えば、それだけに限らないが、ASH1L、ATAD2、BAZ1A、BAZ1B、BAZ2A、BAZ2B、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRD5、BRD6、BRD7、BRD8、BRD9、BRD10、BRDT、BRPF1、BRPF3、BRWD3、CECR2、CREBBP、EP300、FALZ、GCN5L2、KIAA1240、LOC93349、MLL、PB1、PCAF、PHIP、PRKCBP1、SMARCA2、SMARCA4、SP100、SP110、SP140、TAF1、TAF1L、TIF1a、TRIM28、TRIM33、TRIM66、WDR9、ZMYND11およびMLL4に由来する。一定の実施形態では、BETブロモドメイン含有タンパク質がBRD4である。
一定の実施形態では、dTAGが、それだけに限らないが、7,8-ジヒドロ-8-オキソグアニントリホスファターゼ、AFAD、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質、アポリポタンパク質、バキュロウイルスIAPリピート含有タンパク質2、Bcl-2、Bcl-xL、E3リガーゼXIAP、脂肪細胞由来脂肪酸結合タンパク質4(FABP4)、GTPase k-RAS、HDAC6、造血プロスタグランジンDシンターゼ、ラクトグルタチオンリアーゼ、Mcl-1、PA2GA、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼNIMA-相互作用1、ポリ-ADP-リボースポリメラーゼ14、ポリ-ADP-リボースポリメラーゼ15、プロサポシン、プロスタグランジンEシンターゼ、杆体ロドプシン感受性cGMP3’,’5-サイクリックホスホジエステラーゼサブユニットδ、S100-A7、Src、Sumo-コンジュゲート酵素UBC9、スーパーオキシドジスムターゼ、タンキラーゼ1またはタンキラーゼ2に由来する。
一定の実施形態では、dTAGが、それだけに限らないが、BRD2、BRD3、BRD4、アンテナペディアホメオドメインタンパク質、BRCA1、BRCA2、CCAAT増強結合タンパク質、ヒストン、ポリコーム群タンパク質、高移動度タンパク質、テロメア結合タンパク質、FANCA、FANCD2、FANCE、FANCF、肝細胞核因子、Mad2、NF-κB、核内受容体コアクチベーター、CREB結合タンパク質、p55、p107、p130、Rbタンパク質、p53、c-fos、c-jun、c-mdm2、c-mycおよびc-relを含む核タンパク質に由来する。
特定の実施形態では、dTAGが、BRD2((参照により本明細書に組み込まれるUniversal Protein Resource Knowledge Base(UniProtKB)-P25440(BRD2_HUMAN))、BRD3(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q15059(BRD3_HUMAN))、BRD4(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-O60885(BRD4_HUMAN))、またはBRDT(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q58F21(BRDT_HUMAN))に由来するアミノ酸配列を有する(共に参照により本明細書に組み込まれる、Baudら、「A bump-and-hole approach to engineer controlled selectivity of BET bromodomains chemical probes」、Science346(6209)(2014):638~641;およびBaudら、「New Synthetic Routes to Triazolo-benzodiazepine Analogues:Expanding the Scope of the Bump-and-Hole Approach for Selective Bromo and Extra-Terminal(BET) Bromodomain Inhibition」、JMC 59(2016):1492~1500参照)。一定の実施形態では、dTAGが、改変もしくは変異BRD2、BRD3、BRD4またはBRDTタンパク質である(共に参照により本明細書に組み込まれる、Baudら、「A bump-and-hole approach to engineer controlled selectivity of BET bromodomains chemical probes」、Science346(6209)(2014):638~641;およびBaudら、「New Synthetic Routes to Triazolo-benzodiazepine Analogues:Expanding the Scope of the Bump-and-Hole Approach for Selective Bromo and Extra-Terminal(BET) Bromodomain Inhibition」、JMC59(2016):1492~1500参照)。一定の実施形態では、BRD2の1つまたは複数の突然変異が、アミノ酸97位のトリプトファン(W)の突然変異、アミノ酸103位のバリン(V)の突然変異、アミノ酸110位のロイシン(L)の突然変異、アミノ酸370位のWの突然変異、アミノ酸376位のVの突然変異、またはアミノ酸381位のLの突然変異を含む。一定の実施形態では、BRD3の1つまたは複数の突然変異が、アミノ酸57位のWの突然変異、アミノ酸63位のVの突然変異、アミノ酸70位のLの突然変異、アミノ酸332位のWの突然変異、アミノ酸338位のVの突然変異、またはアミノ酸345位のLの突然変異を含む。一定の実施形態では、BRD4の1つまたは複数の突然変異が、アミノ酸81位のWの突然変異、アミノ酸87位のVの突然変異、アミノ酸94位のLの突然変異、アミノ酸374位のWの突然変異、アミノ酸380位のVの突然変異、またはアミノ酸387位のLの突然変異を含む。一定の実施形態では、BRDTの1つまたは複数の突然変異が、アミノ酸50位のWの突然変異、アミノ酸56位のVの突然変異、アミノ酸63位のLの突然変異、アミノ酸293位のWの突然変異、アミノ酸299位のVの突然変異、またはアミノ酸306位のLの突然変異を含む。
一定の実施形態では、dTAGが、キナーゼ阻害剤、BETブロモドメイン含有タンパク質阻害剤、サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12リガンド、HDAC阻害剤、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、免疫抑制化合物、およびアリール炭化水素受容体(AHR)阻害剤に由来する。
特定の実施形態では、dTAGが、サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12に由来する。一定の実施形態では、dTAGが、改変または変異サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12である。一定の実施形態では、改変または変異サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12が、FKBP12リガンドのための拡大された結合ポケットを作り出す1つまたは複数の突然変異を含む。一定の実施形態では、1つまたは複数の突然変異が、アミノ酸36位のフェニルアラニン(F)のバリン(V)への突然変異(F36V)(メチオニン開始コドンなしでカウントされる)(本明細書では互換的にFKBP*またはFKBP12と呼ぶ)を含む(Clacksonら、「Redesigning an FKBP-ligand interface to generate chemical dimerizers with novel specificity」、PNAS 95(1998):10437~10442参照)(参照により本明細書に組み込まれる)。
特定の実施形態では、dTAGが、FKBP12タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P62942(FKB1A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号1)GVQVETISP GDGRTFPKRG QTCVVHYTGM LEDGKKFDSS RDRNKPFKFM LGKQEVIRGW EEGVAQMSVG QRAKLTISPD YAYGATGHPG IIPPHATLVF DVELLKLEに由来する。
一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列(配列番号2)GVQVETISPGDGRTFPKRGQTCVVHYTGMLEDGKKFDSSRDRNKPFKFMLGKQEVIRGW EEGVAQMSVGQRAKLTISPDYAYGATGHPGIIPPHATLVFDVELLKLEを有する、アミノ酸36位の(メチオニンなしでカウント)のフェニルアラニン(F)のバリン(V)への突然変異(F36V)(FKBP*)を有するFKBP12由来アミノ酸配列である。
一実施形態では、dTAGが、BRD4タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-O60885(BRD4_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号3)
MSAESGPGTRLRNLPVMGDGLETSQMSTTQAQAQPQPANAASTNPPPPETSNPNKPKRQTNQLQYLLRVVLKTLWKHQFAWPFQQPVDAVKLNLPDYYKIIKTPMDMGTIKKRLENNYYWNAQECIQDFNTMFTNCYIYNKPGDDIVLMAEALEKLFLQKINELPTEETEIMIVQAKGRGRGRKETGTAKPGVSTVPNTTQASTPPQTQTPQPNPPPVQATPHPFPAVTPDLIVQTPVMTVVPPQPLQTPPPVPPQPQPPPAPAPQPVQSHPPIIAATPQPVKTKKGVKRKADTTTPTTIDPIHEPPSLPPEPKTTKLGQRRESSRPVKPPKKDVPDSQQHPAPEKSSKVSEQLKCCSGILKEMFAKKHAAYAWPFYKPVDVEALGLHDYCDIIKHPMDMSTIKSKLEAREYRDAQEFGADVRLMFSNCYKYNPPDHEVVAMARKLQDVFEMRFAKMPDEPEEPVVAVSSPAVPPPTKVVAPPSSSDSSSDSSSDSDSSTDDSEEERAQRLAELQEQLKAVHEQLAALSQPQQNKPKKKEKDKKEKKKEKHKRKEEVEENKKSKAKEPPPKKTKKNNSSNSNVSKKEPAPMKSKPPPTYESEEEDKCKPMSYEEKRQLSLDINKLPGEKLGRVVHIIQSREPSLKNSNPDEIEIDFETLKPSTLRELERYVTSCLRKKRKPQAEKVDVIAGSSKMKGFSSSESESSSESSSSDSEDSETEMAPKSKKKGHPGREQKKHHHHHHQQMQQAPAPVPQQPPPPPQQPPPPPPPQQQQQPPPPPPPPSMPQQAAPAMKSSPPPFIATQVPVLEPQLPGSVFDPIGHFTQPILHLPQPELPPHLPQPPEHSTPPHLNQHAVVSPPALHNALPQQPSRPSNRAAALPPKPARPPAVSPALTQTPLLPQPPMAQPPQVLLEDEEPPAPPLTSMQMQLYLQQLQKVQPPTPLLPSVKVQSQPPPPLPPPPHPSVQQQLQQQPPPPPPPQPQPPPQQQHQPPPRPVHLQPMQFSTHIQQPPPPQGQQPPHPPPGQQPPPPQPAKPQQVIQHHHSPRHHKSDPYSTGHLREAPSPLMIHSPQMSQFQSLTHQSPPQQNVQPKKQELRAASVVQPQPLVVVKEEKIHSPIIRSEPFSPSLRPEPPKHPESIKAPVHLPQRPEMKPVDVGRPVIRPPEQNAPPPGAPDKDKQKQEPKTPVAPKKDLKIKNMGSWASLVQKHPTTPSSTAKSSSDSFEQFRRAAREKEEREKALKAQAEHAEKEKERLRQERMRSREDEDALEQARRAHEEARRRQEQQQQQRQEQQQQQQQQAAAVAAAATPQAQSSQPQSMLDQQRELARKREQERRRREAMAATIDMNFQSDLLSIFEENLF
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、配列番号3のアミノ酸75~147に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ASH1Lタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9NR48(ASH1L_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9NR48のアミノ酸2463~2533に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ATAD2タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q6PL18(ATAD2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q6PL18のアミノ酸1001~1071に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BAZ1Aタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9NRL2(BAZ1A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9NRL2のアミノ酸1446~1516に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BAZ1Bタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9UIG0(BAZ1B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9UIG0のアミノ酸1356~1426に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BAZ2Aタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9UIF9(BAZ2A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9UIF9のアミノ酸1810~1880に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BAZ2Bタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9UIF8(BAZ2B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9UIF8のアミノ酸2077~2147に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-O95696(BRD1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、O95696のアミノ酸579~649に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD2タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P25440(BRD2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号13)
MLQNVTPHNKLPGEGNAGLLGLGPEAAAPGKRIRKPSLLYEGFESPTMASVPALQLTPANPPPPEVSNPKKPGRVTNQLQYLHKVVMKALWKHQFAWPFRQPVDAVKLGLPDYHKIIKQPMDMGTIKRRLENNYYWAASECMQDFNTMFTNCYIYNKPTDDIVLMAQTLEKIFLQKVASMPQEEQELVVTIPKNSHKKGAKLAALQGSVTSAHQVPAVSSVSHTALYTPPPEIPTTVLNIPHPSVISSPLLKSLHSAGPPLLAVTAAPPAQPLAKKKGVKRKADTTTPTPTAILAPGSPASPPGSLEPKAARLPPMRRESGRPIKPPRKDLPDSQQQHQSSKKGKLSEQLKHCNGILKELLSKKHAAYAWPFYKPVDASALGLHDYHDIIKHPMDLSTVKRKMENRDYRDAQEFAADVRLMFSNCYKYNPPDHDVVAMARKLQDVFEFRYAKMPDEPLEPGPLPVSTAMPPGLAKSSSESSSEESSSESSSEEEEEEDEEDEEEEESESSDSEEERAHRLAELQEQLRAVHEQLAALSQGPISKPKRKREKKEKKKKRKAEKHRGRAGADEDDKGPRAPRPPQPKKSKKASGSGGGSAALGPSGFGPSGGSGTKLPKKATKTAPPALPTGYDSEEEEESRPMSYDEKRQLSLDINKLPGEKLGRVVHIIQAREPSLRDSNPEEIEIDFETLKPSTLRELERYVLSCLRKKPRKPYTIKKPVGKTKEELALEKKRELEKRLQDVSGQLNSTKKPPKKANEKTESSSAQQVAVSRLSASSSSSDSSSSSSSSSSSDTSDSDSG
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、配列番号13のアミノ酸91~163または364~436に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD3タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q15059(BRD3_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号14)
MSTATTVAPAGIPATPGPVNPPPPEVSNPSKPGRKTNQLQYMQNVVVKTLWKHQFAWPFYQPVDAIKLNLPDYHKIIKNPMDMGTIKKRLENNYYWSASECMQDFNTMFTNCYIYNKPTDDIVLMAQALEKIFLQKVAQMPQEEVELLPPAPKGKGRKPAAGAQSAGTQQVAAVSSVSPATPFQSVPPTVSQTPVIAATPVPTITANVTSVPVPPAAAPPPPATPIVPVVPPTPPVVKKKGVKRKADTTTPTTSAITASRSESPPPLSDPKQAKVVARRESGGRPIKPPKKDLEDGEVPQHAGKKGKLSEHLRYCDSILREMLSKKHAAYAWPFYKPVDAEALELHDYHDIIKHPMDLSTVKRKMDGREYPDAQGFAADVRLMFSNCYKYNPPDHEVVAMARKLQDVFEMRFAKMPDEPVEAPALPAPAAPMVSKGAESSRSSEESSSDSGSSDSEEERATRLAELQEQLKAVHEQLAALSQAPVNKPKKKKEKKEKEKKKKDKEKEKEKHKVKAEEEKKAKVAPPAKQAQQKKAPAKKANSTTTAGRQLKKGGKQASASYDSEEEEEGLPMSYDEKRQLSLDINRLPGEKLGRVVHIIQSREPSLRDSNPDEIEIDFETLKPTTLRELERYVKSCLQKKQRKPFSASGKKQAAKSKEELAQEKKKELEKRLQDVSGQLSSSKKPARKEKPGSAPSGGPSRLSSSSSSESGSSSSSGSSSDSSDSE
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、配列番号14のアミノ酸51~123または326~398に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD7タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9NPI1(BRD7_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9NP11のアミノ酸148~218に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD8タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9H0E9(BRD8_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9H0E9のアミノ酸724~794または1120~1190に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRD9タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9H8M2(BRD9_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9H8M2のアミノ酸153~223に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRDTタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q58F21(BRDT_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号15)
MSLPSRQTAIIVNPPPPEYINTKKNGRLTNQLQYLQKVVLKDLWKHSFSWPFQRPVDAVKLQLPDYYTIIKNPMDLNTIKKRLENKYYAKASECIEDFNTMFSNCYLYNKPGDDIVLMAQALEKLFMQKLSQMPQEEQVVGVKERIKKGTQQNIAVSSAKEKSSPSATEKVFKQQEIPSVFPKTSISPLNVVQGASVNSSSQTAAQVTKGVKRKADTTTPATSAVKASSEFSPTFTEKSVALPPIKENMPKNVLPDSQQQYNVVKTVKVTEQLRHCSEILKEMLAKKHFSYAWPFYNPVDVNALGLHNYYDVVKNPMDLGTIKEKMDNQEYKDAYKFAADVRLMFMNCYKYNPPDHEVVTMARMLQDVFETHFSKIPIEPVESMPLCYIKTDITETTGRENTNEASSEGNSSDDSEDERVKRLAKLQEQLKAVHQQLQVLSQVPFRKLNKKKEKSKKEKKKEKVNNSNENPRKMCEQMRLKEKSKRNQPKKRKQQFIGLKSEDEDNAKPMNYDEKRQLSLNINKLPGDKLGRVVHIIQSREPSLSNSNPDEIEIDFETLKASTLRELEKYVSACLRKRPLKPPAKKIMMSKEELHSQKKQELEKRLLDVNNQLNSRKRQTKSDKTQPSKAVENVSRLSESSSSSSSSSESESSSSDLSSSDSSDSESEMFPKFTEVKPNDSPSKENVKKMKNECIPPEGRTGVTQIGYCVQDTTSANTTLVHQTTPSHVMPPNHHQLAFNYQELEHLQTVKNISPLQILPPSGDSEQLSNGITVMHPSGDSDTTMLESECQAPVQKDIKIKNADSWKSLGKPVKPSGVMKSSDELFNQFRKAAIEKEVKARTQELIRKHLEQNTKELKASQENQRDLGNGLTVESFSNKIQNKCSGEEQKEHQQSSEAQDKSKLWLLKDRDLARQKEQERRRREAMVGTIDMTLQSDIMTMFENNFD
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、配列番号15のアミノ酸44~116または287~359に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRPF1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P55201(BRPF1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P55201のアミノ酸645~715に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRPF3タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9ULD4(BRPF3_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9ULD4のアミノ酸606~676に由来する。
一実施形態では、dTAGが、BRWD3タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q6RI45(BRWD3_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q6RI45のアミノ酸1158~1228または1317~1412に由来する。
一実施形態では、dTAGが、CECR2タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q9BXF3(CECR2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9BXF3のアミノ酸451~521に由来する。
一実施形態では、dTAGが、CREBBPタンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q92793(CBP_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q92793のアミノ酸1103~1175に由来する。
一実施形態では、dTAGが、EP300タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q09472(EP300_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q09472のアミノ酸1067~1139に由来する。
一実施形態では、dTAGが、FALZタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q12830(BPTF_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q12830のアミノ酸2944~3014に由来する。
一実施形態では、dTAGが、GCN5L2タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q92830(KAT2A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q92830のアミノ酸745~815に由来する。
一実施形態では、dTAGが、KIAA1240タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9ULI0(ATD2B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9ULI0のアミノ酸975~1045に由来する。
一実施形態では、dTAGが、LOC93349タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q13342(SP140_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q13342のアミノ酸796~829に由来する。
一実施形態では、dTAGが、MLLタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q03164(KMT2A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q03164のアミノ酸1703~1748に由来する。
一実施形態では、dTAGが、PB1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q86U86(PB1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q86U86のアミノ酸63~134、200~270、400~470、538~608、676~746または792~862に由来する。
一実施形態では、dTAGが、PCAFタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q92831(KAT2B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q92831のアミノ酸740~810に由来する。
一実施形態では、dTAGが、PHIPタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q8WWQ0(PHIP_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q8WWQ0のアミノ酸1176~1246または1333~1403に由来する。
一実施形態では、dTAGが、PRKCBP1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9ULU4(PKCB1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9ULU4のアミノ酸165~235に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SMARCA2タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P51531(SMCA2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P51531のアミノ酸1419~1489に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SMARCA4タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P51532(SMCA4_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P51532のアミノ酸1477~1547に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SP100タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-P23497(SP100_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P23497のアミノ酸761~876に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SP110タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB-Q9HB58(SP110_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9HB58のアミノ酸581~676に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SP140タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q13342(SP140_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q13342のアミノ酸796~829に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TAF1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P21675(TAF1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P21675のアミノ酸1397~1467または1520~1590に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TAF1Lタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q8IZX4(TAF1L_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q8IZX4のアミノ酸1416~1486または1539~1609に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TIF1Aタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-O15164(TIF1A_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、O15164のアミノ酸932~987に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TRIM28タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q13263(TIF1B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q13263のアミノ酸697~801に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TRIM33タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9UPN9(TRI33_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9UPN9のアミノ酸974~1046に由来する。
一実施形態では、dTAGが、TRIM66タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-O15016(TRI66_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、O15016のアミノ酸1056~1128に由来する。
一実施形態では、dTAGが、WDR9タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9NSI6(BRWD1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9NSI6のアミノ酸1177~1247または1330~1400に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ZMYND11タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q15326(ZMY11_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q15326のアミノ酸168~238に由来する。
一実施形態では、dTAGが、MLL4タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q9UMN6(KMT2B_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、Q9UMN6のアミノ酸1395~1509に由来する。
一実施形態では、dTAGが、エストロゲン受容体、ヒト(UniProtKB-P03372-1)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号4)
MTMTLHTKASGMALLHQIQGNELEPLNRPQLKIPLERPLGEVYLDSSKPAVYNYPEGAAYEFNAAAAANAQVYGQTGLPYGPGSEAAAFGSNGLGGFPPLNSVSPSPLMLLHPPPQLSPFLQPHGQQVPYYLENEPSGYTVREAGPPAFYRPNSDNRRQGGRERLASTNDKGSMAMESAKETRYCAVCNDYASGYHYGVWSCEGCKAFFKRSIQGHNDYMCPATNQCTIDKNRRKSCQACRLRKCYEVGMMKGGIRKDRRGGRMLKHKRQRDDGEGRGEVGSAGDMRAANLWPSPLMIKRSKKNSLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRLHAPTSRGGASVEETDQSHLATAGSTSSHSLQKYYITGEAEGFPATV
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、エストロゲン受容体リガンド結合ドメインまたはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号5)
SLALSLTADQMVSALLDAEPPILYSEYDPTRPFSEASMMGLLTNLADRELVHMINWAKRVPGFVDLTLHDQVHLLECAWLEILMIGLVWRSMEHPGKLLFAPNLLLDRNQGKCVEGMVEIFDMLLATSSRFRMMNLQGEEFVCLKSIILLNSGVYTFLSSTLKSLEEKDHIHRVLDKITDTLIHLMAKAGLTLQQQHQRLAQLLLILSHIRHMSNKGMEHLYSMKCKNVVPLYDLLLEMLDAHRL
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アンドロゲン受容体、UniProtKB-P10275(ANDR_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号6)
MEVQLGLGRVYPRPPSKTYRGAFQNLFQSVREVIQNPGPRHPEAASAAPPGASLLLLQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQETSPRQQQQQQGEDGSPQAHRRGPTGYLVLDEEQQPSQPQSALECHPERGCVPEPGAAVAASKGLPQQLPAPPDEDDSAAPSTLSLLGPTFPGLSSCSADLKDILSEASTMQLLQQQQQEAVSEGSSSGRAREASGAPTSSKDNYLGGTSTISDNAKELCKAVSVSMGLGVEALEHLSPGEQLRGDCMYAPLLGVPPAVRPTPCAPLAECKGSLLDDSAGKSTEDTAEYSPFKGGYTKGLEGESLGCSGSAAAGSSGTLELPSTLSLYKSGALDEAAAYQSRDYYNFPLALAGPPPPPPPPHPHARIKLENPLDYGSAWAAAAAQCRYGDLASLHGAGAAGPGSGSPSAAASSSWHTLFTAEEGQLYGPCGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGEAGAVAPYGYTRPPQGLAGQESDFTAPDVWYPGGMVSRVPYPSPTCVKSEMGPWMDSYSGPYGDMRLETARDHVLPIDYYFPPQKTCLICGDEASGCHYGALTCGSCKVFFKRAAEGKQKYLCASRNDCTIDKFRRKNCPSCRLRKCYEAGMTLGARKLKKLGNLKLQEEGEASSTTSPTEETTQKLTVSHIEGYECQPIFLNVLEAIEPGVVCAGHDNNQPDSFAALLSSLNELGERQLVHVVKWAKALPGFRNLHVDDQMAVIQYSWMGLMVFAMGWRSFTNVNSRMLYFAPDLVFNEYRMHKSRMYSQCVRMRHLSQEFGWLQITPQEFLCMKALLLFSIIPVDGLKNQKFFDELRMNYIKELDRIIACKRKNPTSCSRRFYQLTKLLDSVQPIARELHQFTFDLLIKSHMVSVDFPEMMAEIISVQVPKILSGKVKPIYFHTQ
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アンドロゲン受容体リガンド結合ドメインまたはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号10)
DNNQPDSFAALLSSLNELGERQLVHVVKWAKALPGFRNLHVDDQMAVIQYSWMGLMVFAMGWRSFTNVNSRMLYFAPDLVFNEYRMHKSRMYSQCVRMRHLSQEFGWLQITPQEFLCMKALLLFSIIPVDGLKNQKFFDELRMNYIKELDRIIACKRKNPTSCSRRFYQLTKLLDSVQPIARELHQFTFDLLIKSHMVSVDFPEMMAEIISVQVPKILSGKVKPIYFHT
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、レチノイン酸受容体、(UniProtKB-P19793)(RXRA_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号7)
MDTKHFLPLDFSTQVNSSLTSPTGRGSMAAPSLHPSLGPGIGSPGQLHSPISTLSSPINGMGPPFSVISSPMGPHSMSVPTTPTLGFSTGSPQLSSPMNPVSSSEDIKPPLGLNGVLKVPAHPSGNMASFTKHICAICGDRSSGKHYGVYSCEGCKGFFKRTVRKDLTYTCRDNKDCLIDKRQRNRCQYCRYQKCLAMGMKREAVQEERQRGKDRNENEVESTSSANEDMPVERILEAELAVEPKTETYVEANMGLNPSSPNDPVTNICQAADKQLFTLVEWAKRIPHFSELPLDDQVILLRAGWNELLIASFSHRSIAVKDGILLATGLHVHRNSAHSAGVGAIFDRVLTELVSKMRDMQMDKTELGCLRAIVLFNPDSKGLSNPAEVEALREKVYASLEAYCKHKYPEQPGRFAKLLLRLPALRSIGLKCLEHLFFFKLIGDTPIDTFLMEMLEAPHQMT
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、レチノイン酸受容体リガンド結合ドメインまたはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号11)
SANEDMPVERILEAELAVEPKTETYVEANMGLNPSSPNDPVTNICQAADKQLFTLVEWAKRIPHFSELPLDDQVILLRAGWNELLIASFSHRSIAVKDGILLATGLHVHRNSAHSAGVGAIFDRVLTELVSKMRDMQMDKTELGCLRAIVLFNPDSKGLSNPAEVEALREKVYASLEAYCKHKYPEQPGRFAKLLLRLPALRSIGLKCLEHLFFFKLIGDTPIDTFLMEMLEAPHQMT
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、DHFR、大腸菌(E.coli)、UniProtKB-Q79DQ2(Q79DQ2_ECOLX)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号8)
MNSESVRIYLVAAMGANRVIGNGPNIPWKIPGEQKIFRRLTEGKVVVMGRKTFESIGKPLPNRHTLVISRQANYRATGCVVVSTLSHAIALASELGNELYVAGGAEIYTLALPHAHGVFLSEVHQTFEGDAFFPMLNETEFELVSTETIQAVIPYTHSVYARRNG
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、細菌性デハロゲナーゼまたはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号9)
MAEIGTGFPFDPHYVEVLGERMHYVDVGPRDGTPVLFLHGNPTSSYVWRNIIPHVAPTHRCIAPDLIGMGKSDKPDLGYFFDDHVRFMDAFIEALGLEEVVLVIHDWGSALGFHWAKRNPERVKGIAFMEFIRPIPTWDEWPEFARETFQAFRTTDVGRKLIIDQNVFIEGTLPMGVVRPLTEVEMDHYREPFLNPVDREPLWRFPNELPIAGEPANIVALVEEYMDWLHQSPVPKLLFWGTPGVLIPPAEAARLAKSLPNCKAVDIGPGLNLLQEDNPDLIGSEIARWLSTLEISG
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、MDM2のN末端またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号12)
MCNTNMSVPTDGAVTTSQIPASEQETLVRPKPLLLKLLKSVGAQKDTYTMKEVLFYLGQYIMTKRLYDEKQQHIVYCSNDLLGDLFGVPSFSVKEHRKIYTMIYRNLVVV
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アポトーシス調節因子Bcl-xLタンパク質、UniProtKB-Q07817(B2CL1_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号16)
MSQSNRELVVDFLSYKLSQKGYSWSQFSDVEENRTEAPEGTESEMETPSAINGNPSWHLADSPAVNGATGHSSSLDAREVIPMAAVKQALREAGDEFELRYRRAFSDLTSQLHITPGTAYQSFEQVVNELFRDGVNWGRIVAFFSFGGALCVESVDKEMQVLVSRIAAWMATYLNDHLEPWIQENGGWDTFVELYGNNAAAESRKGQERFNRWFLTGMTVAGVVLLGSLFSRK
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、CD209抗原、UniProtKB_Q9NNX6(CD209_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号17)
MSDSKEPRLQQLGLLEEEQLRGLGFRQTRGYKSLAGCLGHGPLVLQLLSFTLLAGLLVQVSKVPSSISQEQSRQDAIYQNLTQLKAAVGELSEKSKLQEIYQELTQLKAAVGELPEKSKLQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKLQEIYQELTWLKAAVGELPEKSKMQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTRLKAAVGELPEKSKQQEIYQELTQLKAAVERLCHPCPWEWTFFQGNCYFMSNSQRNWHDSITACKEVGAQLVVIKSAEEQNFLQLQSSRSNRFTWMGLSDLNQEGTWQWVDGSPLLPSFKQYWNRGEPNNVGEEDCAEFSGNGWNDDKCNLAKFWICKKSAASCSRDEEQFLSPAPATPNPPPA
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、E3リガーゼXIAP、UniProtKB_P98170(XIAP_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号18)
MTFNSFEGSKTCVPADINKEEEFVEEFNRLKTFANFPSGSPVSASTLARAGFLYTGEGDTVRCFSCHAAVDRWQYGDSAVGRHRKVSPNCRFINGFYLENSATQSTNSGIQNGQYKVENYLGSRDHFALDRPSETHADYLLRTGQVVDISDTIYPRNPAMYSEEARLKSFQNWPDYAHLTPRELASAGLYYTGIGDQVQCFCCGGKLKNWEPCDRAWSEHRRHFPNCFFVLGRNLNIRSESDAVSSDRNFPNSTNLPRNPSMADYEARIFTFGTWIYSVNKEQLARAGFYALGEGDKVKCFHCGGGLTDWKPSEDPWEQHAKWYPGCKYLLEQKGQEYINNIHLTHSLEECLVRTTEKTPSLTRRIDDTIFQNPMVQEAIRMGFSFKDIKKIMEEKIQISGSNYKSLEVLVADLVNAQKDSMQDESSQTSLQKEISTEEQLRRLQEEKLCKICMDRNIAIVFVPCGHLVTCKQCAEAVDKCPMCYTVITFKQKIFMS
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、バキュロウイルスIAPリピート含有タンパク質2、UniProtKB-Q13490(BIRC2_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号19)
MHKTASQRLFPGPSYQNIKSIMEDSTILSDWTNSNKQKMKYDFSCELYRMSTYSTFPAGVPVSERSLARAGFYYTGVNDKVKCFCCGLMLDNWKLGDSPIQKHKQLYPSCSFIQNLVSASLGSTSKNTSPMRNSFAHSLSPTLEHSSLFSGSYSSLSPNPLNSRAVEDISSSRTNPYSYAMSTEEARFLTYHMWPLTFLSPSELARAGFYYIGPGDRVACFACGGKLSNWEPKDDAMSEHRRHFPNCPFLENSLETLRFSISNLSMQTHAARMRTFMYWPSSVPVQPEQLASAGFYYVGRNDDVKCFCCDGGLRCWESGDDPWVEHAKWFPRCEFLIRMKGQEFVDEIQGRYPHLLEQLLSTSDTTGEENADPPIIHFGPGESSSEDAVMMNTPVVKSALEMGFNRDLVKQTVQSKILTTGENYKTVNDIVSALLNAEDEKREEEKEKQAEEMASDDLSLIRKNRMALFQQLTCVLPILDNLLKANVINKQEHDIIKQKTQIPLQARELIDTILVKGNAAANIFKNCLKEIDSTLYKNLFVDKNMKYIPTEDVSGLSLEEQLRRLQEERTCKVCMDKEVSVVFIPCGHLVVCQECAPSLRKCPICRGIIKGTVRTFLS
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、造血プロスタグランジンDシンターゼ、UniProtKB_O60760(HPGDS_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号20)
MPNYKLTYFNMRGRAEIIRYIFAYLDIQYEDHRIEQADWPEIKSTLPFGKIPILEVDGLTLHQSLAIARYLTKNTDLAGNTEMEQCHVDAIVDTLDDFMSCFPWAEKKQDVKEQMFNELLTYNAPHLMQDLDTYLGGREWLIGNSVTWADFYWEICSTTLLVFKPDLLDNHPRLVTLRKKVQAIPAVANWIKRRPQTKL
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、GTPase k-RAS、UniProtKB-P01116(RASK_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号21)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、Poly-ADP-リボースポリメラーゼ15、UniProtKB-Q460N3(PAR15_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号22)
MAAPGPLPAAALSPGAPTPRELMHGVAGVTSRAGRDREAGSVLPAGNRGARKASRRSSSRSMSRDNKFSKKDCLSIRNVVASIQTKEGLNLKLISGDVLYIWADVIVNSVPMNLQLGGGPLSRAFLQKAGPMLQKELDDRRRETEEKVGNIFMTSGCNLDCKAVLHAVAPYWNNGAETSWQIMANIIKKCLTTVEVLSFSSITFPMIGTGSLQFPKAVFAKLILSEVFEYSSSTRPITSPLQEVHFLVYTNDDEGCQAFLDEFTNWSRINPNKARIPMAGDTQGVVGTVSKPCFTAYEMKIGAITFQVATGDIATEQVDVIVNSTARTFNRKSGVSRAILEGAGQAVESECAVLAAQPHRDFIITPGGCLKCKIIIHVPGGKDVRKTVTSVLEECEQRKYTSVSLPAIGTGNAGKNPITVADNIIDAIVDFSSQHSTPSLKTVKVVIFQPELLNIFYDSMKKRDLSASLNFQSTFSMTTCNLPEHWTDMNHQLFCMVQLEPGQSEYNTIKDKFTRTCSSYAIEKIERIQNAFLWQSYQVKKRQMDIKNDHKNNERLLFHGTDADSVPYVNQHGFNRSCAGKNAVSYGKGTYFAVDASYSAKDTYSKPDSNGRKHMYVVRVLTGVFTKGRAGLVTPPPKNPHNPTDLFDSVTNNTRSPKLFVVFFDNQAYPEYLITFTA
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、Poly-ADP-リボースポリメラーゼ14、UniProtKB-Q460N5(PAR14_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号23)
MAVPGSFPLLVEGSWGPDPPKNLNTKLQMYFQSPKRSGGGECEVRQDPRSPSRFLVFFYPEDVRQKVLERKNHELVWQGKGTFKLTVQLPATPDEIDHVFEEELLTKESKTKEDVKEPDVSEELDTKLPLDGGLDKMEDIPEECENISSLVAFENLKANVTDIMLILLVENISGLSNDDFQVEIIRDFDVAVVTFQKHIDTIRFVDDCTKHHSIKQLQLSPRLLEVTNTIRVENLPPGADDYSLKLFFENPYNGGGRVANVEYFPEESSALIEFFDRKVLDTIMATKLDFNKMPLSVFPYYASLGTALYGKEKPLIKLPAPFEESLDLPLWKFLQKKNHLIEEINDEMRRCHCELTWSQLSGKVTIRPAATLVNEGRPRIKTWQADTSTTLSSIRSKYKVNPIKVDPTMWDTIKNDVKDDRILIEFDTLKEMVILAGKSEDVQSIEVQVRELIESTTQKIKREEQSLKEKMIISPGRYFLLCHSSLLDHLLTECPEIEICYDRVTQHLCLKGPSADVYKAKCEIQEKVYTMAQKNIQVSPEIFQFLQQVNWKEFSKCLFIAQKILALYELEGTTVLLTSCSSEALLEAEKQMLSALNYKRIEVENKEVLHGKKWKGLTHNLLKKQNSSPNTVIINELTSETTAEVIITGCVKEVNETYKLLFNFVEQNMKIERLVEVKPSLVIDYLKTEKKLFWPKIKKVNVQVSFNPENKQKGILLTGSKTEVLKAVDIVKQVWDSVCVKSVHTDKPGAKQFFQDKARFYQSEIKRLFGCYIELQENEVMKEGGSPAGQKCFSRTVLAPGVVLIVQQGDLARLPVDVVVNASNEDLKHYGGLAAALSKAAGPELQADCDQIVKREGRLLPGNATISKAGKLPYHHVIHAVGPRWSGYEAPRCVYLLRRAVQLSLCLAEKYKYRSIAIPAISSGVFGFPLGRCVETIVSAIKENFQFKKDGHCLKEIYLVDVSEKTVEAFAEAVKTVFKATLPDTAAPPGLPPAAAGPGKTSWEKGSLVSPGGLQMLLVKEGVQNAKTDVVVNSVPLDLVLSRGPLSKSLLEKAGPELQEELDTVGQGVAVSMGTVLKTSSWNLDCRYVLHVVAPEWRNGSTSSLKIMEDIIRECMEITESLSLKSIAFPAIGTGNLGFPKNIFAELIISEVFKFSSKNQLKTLQEVHFLLHPSDHENIQAFSDEFARRANGNLVSDKIPKAKDTQGFYGTVSSPDSGVYEMKIGSIIFQVASGDITKEEADVIVNSTSNSFNLKAGVSKAILECAGQNVERECSQQAQQRKNDYIITGGGFLRCKNIIHVIGGNDVKSSVSSVLQECEKKNYSSICLPAIGTGNAKQHPDKVAEAIIDAIEDFVQKGSAQSVKKVKVVIFLPQVLDVFYANMKKREGTQLSSQQSVMSKLASFLGFSKQSPQKKNHLVLEKKTESATFRVCGENVTCVEYAISWLQDLIEKEQCPYTSEDECIKDFDEKEYQELNELQKKLNINISLDHKRPLIKVLGISRDVMQARDEIEAMIKRVRLAKEQESRADCISEFIEWQYNDNNTSHCFNKMTNLKLEDARREKKKTVDVKINHRHYTVNLNTYTATDTKGHSLSVQRLTKSKVDIPAHWSDMKQQNFCVVELLPSDPEYNTVASKFNQTCSHFRIEKIERIQNPDLWNSYQAKKKTMDAKNGQTMNEKQLFHGTDAGSVPHVNRNGFNRSYAGKNAVAYGKGTYFAVNANYSANDTYSRPDANGRKHVYYVRVLTGIYTHGNHSLIVPPSKNPQNPTDLYDTVTDNVHHPSLFVAFYDYQAYPEYLITFRK
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、スーパーオキシドジスムターゼ、UniProtKB_P00441(SODC_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号24)
MATKAVCVLKGDGPVQGIINFEQKESNGPVKVWGSIKGLTEGLHGFHVHEFGDNTAGCTSAGPHFNPLSRKHGGPKDEERHVGDLGNVTADKDGVADVSIEDSVISLSGDHCIIGRTLVVHEKADDLGKGGNEESTKTGNAGSRLACGVIGIAQ
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、桿体ロドプシン感受性cGMP 3’,5’-環状ホスホジエステラーゼサブユニットδ、UniProtKB-O43924(PDE6D_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号25)
MSAKDERAREILRGFKLNWMNLRDAETGKILWQGTEDLSVPGVEHEARVPKKILKCKAVSRELNFSSTEQMEKFRLEQKVYFKGQCLEEWFFEFGFVIPNSTNTWQSLIEAAPESQMMPASVLTGNVIIETKFFDDDLLVSTSRVRLFYV
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、誘導骨髄性白血病細胞分化タンパク質Mcl-1、UniProtKB-Q07820(MCL1_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号26)
MFGLKRNAVIGLNLYCGGAGLGAGSGGATRPGGRLLATEKEASARREIGGGEAGAVIGGSAGASPPSTLTPDSRRVARPPPIGAEVPDVTATPARLLFFAPTRRAAPLEEMEAPAADAIMSPEEELDGYEPEPLGKRPAVLPLLELVGESGNNTSTDGSLPSTPPPAEEEEDELYRQSLEIISRYLREQATGAKDTKPMGRSGATSRKALETLRRVGDGVQRNHETAFQGMLRKLDIKNEDDVKSLSRVMIHVFSDGVTNWGRIVTLISFGAFVAKHLKTINQESCIEPLAESITDVLVRTKRDWLVKQRGWDGFVEFFHVEDLEGGIRNVLLAFAGVAGVGAGLAYLIR
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アポトーシス調節因子Bcl-2、UniProtKB-Q07820(BCL2_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号27)
MAHAGRTGYDNREIVMKYIHYKLSQRGYEWDAGDVGAAPPGAAPAPGIFSSQPGHTPHPAASRDPVARTSPLQTPAAPGAAAGPALSPVPPVVHLTLRQAGDDFSRRYRRDFAEMSSQLHLTPFTARGRFATVVEELFRDGVNWGRIVAFFEFGGVMCVESVNREMSPLVDNIALWMTEYLNRHLHTWIQDNGGWDAFVELYGPSMRPLFDFSWLSLKTLLSLALVGACITLGAYLGHK
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼNIMA相互作用1、UniProtKB-Q13526(PIN1_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号28)
MADEEKLPPGWEKRMSRSSGRVYYFNHITNASQWERPSGNSSSGGKNGQGEPARVRCSHLLVKHSQSRRPSSWRQEKITRTKEEALELINGYIQKIKSGEEDFESLASQFSDCSSAKARGDLGAFSRGQMQKPFEDASFALRTGEMSGPVFTDSGIHIILRTE
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、タンキラーゼ1、UniProtKB_O95271(TNKS1_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号29)
MAASRRSQHHHHHHQQQLQPAPGASAPPPPPPPPLSPGLAPGTTPASPTASGLAPFASPRHGLALPEGDGSRDPPDRPRSPDPVDGTSCCSTTSTICTVAAAPVVPAVSTSSAAGVAPNPAGSGSNNSPSSSSSPTSSSSSSPSSPGSSLAESPEAAGVSSTAPLGPGAAGPGTGVPAVSGALRELLEACRNGDVSRVKRLVDAANVNAKDMAGRKSSPLHFAAGFGRKDVVEHLLQMGANVHARDDGGLIPLHNACSFGHAEVVSLLLCQGADPNARDNWNYTPLHEAAIKGKIDVCIVLLQHGADPNIRNTDGKSALDLADPSAKAVLTGEYKKDELLEAARSGNEEKLMALLTPLNVNCHASDGRKSTPLHLAAGYNRVRIVQLLLQHGADVHAKDKGGLVPLHNACSYGHYEVTELLLKHGACVNAMDLWQFTPLHEAASKNRVEVCSLLLSHGADPTLVNCHGKSAVDMAPTPELRERLTYEFKGHSLLQAAREADLAKVKKTLALEIINFKQPQSHETALHCAVASLHPKRKQVTELLLRKGANVNEKNKDFMTPLHVAAERAHNDVMEVLHKHGAKMNALDTLGQTALHRAALAGHLQTCRLLLSYGSDPSIISLQGFTAAQMGNEAVQQILSESTPIRTSDVDYRLLEASKAGDLETVKQLCSSQNVNCRDLEGRHSTPLHFAAGYNRVSVVEYLLHHGADVHAKDKGGLVPLHNACSYGHYEVAELLVRHGASVNVADLWKFTPLHEAAAKGKYEICKLLLKHGADPTKKNRDGNTPLDLVKEGDTDIQDLLRGDAALLDAAKKGCLARVQKLCTPENINCRDTQGRNSTPLHLAAGYNNLEVAEYLLEHGADVNAQDKGGLIPLHNAASYGHVDIAALLIKYNTCVNATDKWAFTPLHEAAQKGRTQLCALLLAHGADPTMKNQEGQTPLDLATADDIRALLIDAMPPEALPTCFKPQATVVSASLISPASTPSCLSAASSIDNLTGPLAELAVGGASNAGDGAAGTERKEGEVAGLDMNISQFLKSLGLEHLRDIFETEQITLDVLADMGHEELKEIGINAYGHRHKLIKGVERLLGGQQGTNPYLTFHCVNQGTILLDLAPEDKEYQSVEEEMQSTIREHRDGGNAGGIFNRYNVIRIQKVVNKKLRERFCHRQKEVSEENHNHHNERMLFHGSPFINAIIHKGFDERHAYIGGMFGAGIYFAENSSKSNQYVYGIGGGTGCPTHKDRSCYICHRQMLFCRVTLGKSFLQFSTMKMAHAPPGHHSVIGRPSVNGLAYAEYVIYRGEQAYPEYLITYQIMKPEAPSQTATAAEQKT
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、タンキラーゼ2、UniProtKB_O9H2K2(TNKS2_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号30)
MSGRRCAGGGAACASAAAEAVEPAARELFEACRNGDVERVKRLVTPEKVNSRDTAGRKSTPLHFAAGFGRKDVVEYLLQNGANVQARDDGGLIPLHNACSFGHAEVVNLLLRHGADPNARDNWNYTPLHEAAIKGKIDVCIVLLQHGAEPTIRNTDGRTALDLADPSAKAVLTGEYKKDELLESARSGNEEKMMALLTPLNVNCHASDGRKSTPLHLAAGYNRVKIVQLLLQHGADVHAKDKGDLVPLHNACSYGHYEVTELLVKHGACVNAMDLWQFTPLHEAASKNRVEVCSLLLSYGADPTLLNCHNKSAIDLAPTPQLKERLAYEFKGHSLLQAAREADVTRIKKHLSLEMVNFKHPQTHETALHCAAASPYPKRKQICELLLRKGANINEKTKEFLTPLHVASEKAHNDVVEVVVKHEAKVNALDNLGQTSLHRAAYCGHLQTCRLLLSYGCDPNIISLQGFTALQMGNENVQQLLQEGISLGNSEADRQLLEAAKAGDVETVKKLCTVQSVNCRDIEGRQSTPLHFAAGYNRVSVVEYLLQHGADVHAKDKGGLVPLHNACSYGHYEVAELLVKHGAVVNVADLWKFTPLHEAAAKGKYEICKLLLQHGADPTKKNRDGNTPLDLVKDGDTDIQDLLRGDAALLDAAKKGCLARVKKLSSPDNVNCRDTQGRHSTPLHLAAGYNNLEVAEYLLQHGADVNAQDKGGLIPLHNAASYGHVDVAALLIKYNACVNATDKWAFTPLHEAAQKGRTQLCALLLAHGADPTLKNQEGQTPLDLVSADDVSALLTAAMPPSALPSCYKPQVLNGVRSPGATADALSSGPSSPSSLSAASSLDNLSGSFSELSSVVSSSGTEGASSLEKKEVPGVDFSITQFVRNLGLEHLMDIFEREQITLDVLVEMGHKELKEIGINAYGHRHKLIKGVERLISGQQGLNPYLTLNTSGSGTILIDLSPDDKEFQSVEEEMQSTVREHRDGGHAGGIFNRYNILKIQKVCNKKLWERYTHRRKEVSEENHNHANERMLFHGSPFVNAIIHKGFDERHAYIGGMFGAGIYFAENSSKSNQYVYGIGGGTGCPVHKDRSCYICHRQLLFCRVTLGKSFLQFSAMKMAHSPPGHHSVTGRPSVNGLALAEYVIYRGEQAYPEYLITYQIMRPEGMVDG
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、7,8-ジヒドロ-8-オキソグアニントリホスファターゼ、UniProtKB-P36639(8ODP_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号31)
MYWSNQITRRLGERVQGFMSGISPQQMGEPEGSWSGKNPGTMGASRLYTLVLVLQPQRVLLGMKKRGFGAGRWNGFGGKVQEGETIEDGARRELQEESGLTVDALHKVGQIVFEFVGEPELMDVHVFCTDSIQGTPVESDEMRPCWFQLDQIPFKDMWPDDSYWFPLLLQKKKFHGYFKFQGQDTILDYTLREVDTV
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、癌原遺伝子チロシンプロテインキナーゼSrc、UniProtKB-P12931(SRC_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号32)
MGSNKSKPKDASQRRRSLEPAENVHGAGGGAFPASQTPSKPASADGHRGPSAAFAPAAAEPKLFGGFNSSDTVTSPQRAGPLAGGVTTFVALYDYESRTETDLSFKKGERLQIVNNTEGDWWLAHSLSTGQTGYIPSNYVAPSDSIQAEEWYFGKITRRESERLLLNAENPRGTFLVRESETTKGAYCLSVSDFDNAKGLNVKHYKIRKLDSGGFYITSRTQFNSLQQLVAYYSKHADGLCHRLTTVCPTSKPQTQGLAKDAWEIPRESLRLEVKLGQGCFGEVWMGTWNGTTRVAIKTLKPGTMSPEAFLQEAQVMKKLRHEKLVQLYAVVSEEPIYIVTEYMSKGSLLDFLKGETGKYLRLPQLVDMAAQIASGMAYVERMNYVHRDLRAANILVGENLVCKVADFGLARLIEDNEYTARQGAKFPIKWTAPEAALYGRFTIKSDVWSFGILLTELTTKGRVPYPGMVNREVLDQVERGYRMPCPPECPESLHDLMCQCWRKEPEERPTFEYLQAFLEDYFTSTEPQYQPGENL
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アミノ酸341位にグリシン(G)またはアラニン(A)によるトレオニン(T)の置換を含む。一実施形態では、dTAGが、配列番号62に由来するアミノ酸配列、またはそのフラグメントである。
LRLEVKLGQGCFGEVWMGTWNGTTRVAIKTLKPGTMSPEAFLQEAQVMKKLRHEKLVQLYAVVSEEPIYIVTEYGSKGSLLDFLKGETGKYLRLPQLVDMAAQIASGMAYVERMNYVHRDLRAANILVGENLVCKVADFGLARLIEDNEYTARQGAKFPIKWTAPEAALYGRFTIKSDVWSFGILLTELTTKGRVPYPGMVNREVLDQVERGYRMPCPPECPESLHDLMCQCWRKEPEERPTFEYLQAFLEDYF。
一実施形態では、dTAGが、配列番号63に由来するアミノ酸配列、またはそのフラグメントである。
LRLEVKLGQGCFGEVWMGTWNGTTRVAIKTLKPGTMSPEAFLQEAQVMKKLRHEKLVQLYAVVSEEPIYIVTEYASKGSLLDFLKGETGKYLRLPQLVDMAAQIASGMAYVERMNYVHRDLRAANILVGENLVCKVADFGLARLIEDNEYTARQGAKFPIKWTAPEAALYGRFTIKSDVWSFGILLTELTTKGRVPYPGMVNREVLDQVERGYRMPCPPECPESLHDLMCQCWRKEPEERPTFEYLQAFLEDYF。
一実施形態では、dTAGが、プロスタグランジンEシンターゼ、UniProtKB_O14684(PTGES_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号33)
MPAHSLVMSSPALPAFLLCSTLLVIKMYVVAIITGQVRLRKKAFANPEDALRHGGPQYCRSDPDVERCLRAHRNDMETIYPFLFLGFVYSFLGPNPFVAWMHFLVFLVGRVAHTVAYLGKLRAPIRSVTYTLAQLPCASMALQILWEAARHL
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質、UniProtKB-P20292(AL5AP_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号34)
MDQETVGNVVLLAIVTLISVVQNGFFAHKVEHESRTQNGRSFQRTGTLAFERVYTANQNCVDAYPTFLAVLWSAGLLCSQVPAAFAGLMYLFVRQKYFVGYLGERTQSTPGYIFGKRIILFLFLMSVAGIFNYYLIFFFGSDFENYIKTISTTISPLLLIP
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、脂肪細胞由来の脂肪酸結合タンパク質、UniProtKB-P15090(FABP4_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号35)
MCDAFVGTWKLVSSENFDDYMKEVGVGFATRKVAGMAKPNMIISVNGDVITIKSESTFKNTEISFILGQEFDEVTADDRKVKSTITLDGGVLVHVQKWDGKSTTIKRKREDDKLVVECVMKGVTSTRVYERA
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、PH相互作用タンパク質、UniProtKB-Q8WWQ0(PHIP_HUMAN)(参照により本明細書中に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号36)
MSCERKGLSELRSELYFLIARFLEDGPCQQAAQVLIREVAEKELLPRRTDWTGKEHPRTYQNLVKYYRHLAPDHLLQICHRLGPLLEQEIPQSVPGVQTLLGAGRQSLLRTNKSCKHVVWKGSALAALHCGRPPESPVNYGSPPSIADTLFSRKLNGKYRLERLVPTAVYQHMKMHKRILGHLSSVYCVTFDRTGRRIFTGSDDCLVKIWATDDGRLLATLRGHAAEISDMAVNYENTMIAAGSCDKMIRVWCLRTCAPLAVLQGHSASITSLQFSPLCSGSKRYLSSTGADGTICFWLWDAGTLKINPRPAKFTERPRPGVQMICSSFSAGGMFLATGSTDHIIRVYFFGSGQPEKISELEFHTDKVDSIQFSNTSNRFVSGSRDGTARIWQFKRREWKSILLDMATRPAGQNLQGIEDKITKMKVTMVAWDRHDNTVITAVNNMTLKVWNSYTGQLIHVLMGHEDEVFVLEPHPFDPRVLFSAGHDGNVIVWDLARGVKIRSYFNMIEGQGHGAVFDCKCSPDGQHFACTDSHGHLLIFGFGSSSKYDKIADQMFFHSDYRPLIRDANNFVLDEQTQQAPHLMPPPFLVDVDGNPHPSRYQRLVPGRENCREEQLIPQMGVTSSGLNQVLSQQANQEISPLDSMIQRLQQEQDLRRSGEAVISNTSRLSRGSISSTSEVHSPPNVGLRRSGQIEGVRQMHSNAPRSEIATERDLVAWSRRVVVPELSAGVASRQEEWRTAKGEEEIKTYRSEEKRKHLTVPKENKIPTVSKNHAHEHFLDLGESKKQQTNQHNYRTRSALEETPRPSEEIENGSSSSDEGEVVAVSGGTSEEEERAWHSDGSSSDYSSDYSDWTADAGINLQPPKKVPKNKTKKAESSSDEEEESEKQKQKQIKKEKKKVNEEKDGPISPKKKKPKERKQKRLAVGELTENGLTLEEWLPSTWITDTIPRRCPFVPQMGDEVYYFRQGHEAYVEMARKNKIYSINPKKQPWHKMELREQELMKIVGIKYEVGLPTLCCLKLAFLDPDTGKLTGGSFTMKYHDMPDVIDFLVLRQQFDDAKYRRWNIGDRFRSVIDDAWWFGTIESQEPLQLEYPDSLFQCYNVCWDNGDTEKMSPWDMELIPNNAVFPEELGTSVPLTDGECRSLIYKPLDGEWGTNPRDEECERIVAGINQLMTLDIASAFVAPVDLQAYPMYCTVVAYPTDLSTIKQRLENRFYRRVSSLMWEVRYIEHNTRTFNEPGSPIVKSAKFVTDLLLHFIKDQTCYNIIPLYNSMKKKVLSDSEDEEKDADVPGTSTRKRKDHQPRRRLRNRAQSYDIQAWKKQCEELLNLIFQCEDSEPFRQPVDLLEYPDYRDIIDTPMDFATVRETLEAGNYESPMELCKDVRLIFSNSKAYTPSKRSRIYSMSLRLSAFFEEHISSVLSDYKSALRFHKRNTITKRRKKRNRSSSVSSSAASSPERKKRILKPQLKSESSTSAFSTPTRSIPPRHNAAQINGKTESSSVVRTRSNRVVVDPVVTEQPSTSSAAKTFITKANASAIPGKTILENSVKHSKALNTLSSPGQSSFSHGTRNNSAKENMEKEKPVKRKMKSSVLPKASTLSKSSAVIEQGDCKNNALVPGTIQVNGHGGQPSKLVKRGPGRKPKVEVNTNSGEIIHKKRGRKPKKLQYAKPEDLEQNNVHPIRDEVLPSSTCNFLSETNNVKEDLLQKKNRGGRKPKRKMKTQKLDADLLVPASVKVLRRSNRKKIDDPIDEEEEFEELKGSEPHMRTRNQGRRTAFYNEDDSEEEQRQLLFEDTSLTFGTSSRGRVRKLTEKAKANLIGW
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、SUMOコンジュゲート酵素UBC9、UniProtKB_P63279(UBC9_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号37)
MSGIALSRLAQERKAWRKDHPFGFVAVPTKNPDGTMNLMNWECAIPGKKGTPWEGGLFKLRMLFKDDYPSSPPKCKFEPPLFHPNVYPSGTVCLSILEEDKDWRPAITIKQILLGIQELLNEPNIQDPAQAEAYTIYCQNRVEYEKRVRAQAKKFAPS
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、タンパク質S100-A7、UniProtKB-P31151(S10A7_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号38)
MSNTQAERSIIGMIDMFHKYTRRDDKIEKPSLLTMMKENFPNFLSACDKKGTNYLADVFEKKDKNEDKKIDFSEFLSLLGDIATDYHKQSHGAAPCSGGSQ
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ホスホリパーゼA2、膜結合型、UniProtKB-P14555(PA2GA_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号39)
MKTLLLLAVIMIFGLLQAHGNLVNFHRMIKLTTGKEAALSYGFYGCHCGVGGRGSPKDATDRCCVTHDCCYKRLEKRGCGTKFLSYKFSNSGSRITCAKQDSCRSQLCECDKAAATCFARNKTTYNKKYQYYSNKHCRGSTPRC
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ヒストンデアセチラーゼ6、UniProtKB_Q9UBN7(HDAC6_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号40)
MTSTGQDSTTTRQRRSRQNPQSPPQDSSVTSKRNIKKGAVPRSIPNLAEVKKKGKMKKLGQAMEEDLIVGLQGMDLNLEAEALAGTGLVLDEQLNEFHCLWDDSFPEGPERLHAIKEQLIQEGLLDRCVSFQARFAEKEELMLVHSLEYIDLMETTQYMNEGELRVLADTYDSVYLHPNSYSCACLASGSVLRLVDAVLGAEIRNGMAIIRPPGHHAQHSLMDGYCMFNHVAVAARYAQQKHRIRRVLIVDWDVHHGQGTQFTFDQDPSVLYFSIHRYEQGRFWPHLKASNWSTTGFGQGQGYTINVPWNQVGMRDADYIAAFLHVLLPVALEFQPQLVLVAAGFDALQGDPKGEMAATPAGFAQLTHLLMGLAGGKLILSLEGGYNLRALAEGVSASLHTLLGDPCPMLESPGAPCRSAQASVSCALEALEPFWEVLVRSTETVERDNMEEDNVEESEEEGPWEPPVLPILTWPVLQSRTGLVYDQNMMNHCNLWDSHHPEVPQRILRIMCRLEELGLAGRCLTLTPRPATEAELLTCHSAEYVGHLRATEKMKTRELHRESSNFDSIYICPSTFACAQLATGAACRLVEAVLSGEVLNGAAVVRPPGHHAEQDAACGFCFFNSVAVAARHAQTISGHALRILIVDWDVHHGNGTQHMFEDDPSVLYVSLHRYDHGTFFPMGDEGASSQIGRAAGTGFTVNVAWNGPRMGDADYLAAWHRLVLPIAYEFNPELVLVSAGFDAARGDPLGGCQVSPEGYAHLTHLLMGLASGRIILILEGGYNLTSISESMAACTRSLLGDPPPLLTLPRPPLSGALASITETIQVHRRYWRSLRVMKVEDREGPSSSKLVTKKAPQPAKPRLAERMTTREKKVLEAGMGKVTSASFGEESTPGQTNSETAVVALTQDQPSEAATGGATLAQTISEAAIGGAMLGQTTSEEAVGGATPDQTTSEETVGGAILDQTTSEDAVGGATLGQTTSEEAVGGATLAQTTSEAAMEGATLDQTTSEEAPGGTELIQTPLASSTDHQTPPTSPVQGTTPQISPSTLIGSLRTLELGSESQGASESQAPGEENLLGEAAGGQDMADSMLMQGSRGLTDQAIFYAVTPLPWCPHLVAVCPIPAAGLDVTQPCGDCGTIQENWVCLSCYQVYCGRYINGHMLQHHGNSGHPLVLSYIDLSAWCYYCQAYVHHQALLDVKNIAHQNKFGEDMPHPH
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、プロサポシン、UniProtKB_P07602(SAP_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号41)
MYALFLLASLLGAALAGPVLGLKECTRGSAVWCQNVKTASDCGAVKHCLQTVWNKPTVKSLPCDICKDVVTAAGDMLKDNATEEEILVYLEKTCDWLPKPNMSASCKEIVDSYLPVILDIIKGEMSRPGEVCSALNLCESLQKHLAELNHQKQLESNKIPELDMTEVVAPFMANIPLLLYPQDGPRSKPQPKDNGDVCQDCIQMVTDIQTAVRTNSTFVQALVEHVKEECDRLGPGMADICKNYISQYSEIAIQMMMHMQPKEICALVGFCDEVKEMPMQTLVPAKVASKNVIPALELVEPIKKHEVPAKSDVYCEVCEFLVKEVTKLIDNNKTEKEILDAFDKMCSKLPKSLSEECQEVVDTYGSSILSILLEEVSPELVCSMLHLCSGTRLPALTVHVTQPKDGGFCEVCKKLVGYLDRNLEKNSTKQEILAALEKGCSFLPDPYQKQCDQFVAEYEPVLIEILVEVMDPSFVCLKIGACPSAHKPLLGTEKCIWGPSYWCQNTETAAQCNAVEHCKRHVWN
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、アポリポタンパク質α、UniProtKB_P08519(APOA_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号42)
MEHKEVVLLLLLFLKSAAPEQSHVVQDCYHGDGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHQHNRTTENYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDAVAAPYCYTRDPGVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTVTPVPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPEYYPNAGLIMNYCRNPDPVAAPYCYTRDPSVRWEYCNLTQCSDAEGTAVAPPTITPIPSLEAPSEQAPTEQRPGVQECYHGNGQSYQGTYFITVTGRTCQAWSSMTPHSHSRTPAYYPNAGLIKNYCRNPDPVAAPWCYTTDPSVRWEYCNLTRCSDAEWTAFVPPNVILAPSLEAFFEQALTEETPGVQDCYYHYGQSYRGTYSTTVTGRTCQAWSSMTPHQHSRTPENYPNAGLTRNYCRNPDAEIRPWCYTMDPSVRWEYCNLTQCLVTESSVLATLTVVPDPSTEASSEEAPTEQSPGVQDCYHGDGQSYRGSFSTTVTGRTCQSWSSMTPHWHQRTTEYYPNGGLTRNYCRNPDAEISPWCYTMDPNVRWEYCNLTQCPVTESSVLATSTAVSEQAPTEQSPTVQDCYHGDGQSYRGSFSTTVTGRTCQSWSSMTPHWHQRTTEYYPNGGLTRNYCRNPDAEIRPWCYTMDPSVRWEYCNLTQCPVMESTLLTTPTVVPVPSTELPSEEAPTENSTGVQDCYRGDGQSYRGTLSTTITGRTCQSWSSMTPHWHRRIPLYYPNAGLTRNYCRNPDAEIRPWCYTMDPSVRWEYCNLTRCPVTESSVLTTPTVAPVPSTEAPSEQAPPEKSPVVQDCYHGDGRSYRGISSTTVTGRTCQSWSSMIPHWHQRTPENYPNAGLTENYCRNPDSGKQPWCYTTDPCVRWEYCNLTQCSETESGVLETPTVVPVPSMEAHSEAAPTEQTPVVRQCYHGNGQSYRGTFSTTVTGRTCQSWSSMTPHRHQRTPENYPNDGLTMNYCRNPDADTGPWCFTMDPSIRWEYCNLTRCSDTEGTVVAPPTVIQVPSLGPPSEQDCMFGNGKGYRGKKATTVTGTPCQEWAAQEPHRHSTFIPGTNKWAGLEKNYCRNPDGDINGPWCYTMNPRKLFDYCDIPLCASSSFDCGKPQVEPKKCPGSIVGGCVAHPHSWPWQVSLRTRFGKHFCGGTLISPEWVLTAAHCLKKSSRPSSYKVILGAHQEVNLESHVQEIEVSRLFLEPTQADIALLKLSRPAVITDKVMPACLPSPDYMVTARTECYITGWGETQGTFGTGLLKEAQLLVIENEVCNHYKYICAEHLARGTDSCQGDSGGPLVCFEKDKYILQGVTSWGLGCARPNKPGVYARVSRFVTWIEGMMRNN
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、ラクトグルタチオンリアーゼ、UniProtKB_Q04760(LGUL_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号43)
MAEPQPPSGGLTDEAALSCCSDADPSTKDFLLQQTMLRVKDPKKSLDFYTRVLGMTLIQKCDFPIMKFSLYFLAYEDKNDIPKEKDEKIAWALSRKATLELTHNWGTEDDETQSYHNGNSDPRGFGHIGIAVPDVYSACKRFEELGVKFVKKPDDGKMKGLAFIQDPDGYWIEILNPNKMATLM
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、タンパク質アファジン、UniProtKB_P55196(AFAD_HUMAN)(参照により本明細書に組み込まれる)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号44)
MSAGGRDEERRKLADIIHHWNANRLDLFEISQPTEDLEFHGVMRFYFQDKAAGNFATKCIRVSSTATTQDVIETLAEKFRPDMRMLSSPKYSLYEVHVSGERRLDIDEKPLVVQLNWNKDDREGRFVLKNENDAIPPKKAQSNGPEKQEKEGVIQNFKRTLSKKEKKEKKKREKEALRQASDKDDRPFQGEDVENSRLAAEVYKDMPETSFTRTISNPEVVMKRRRQQKLEKRMQEFRSSDGRPDSGGTLRIYADSLKPNIPYKTILLSTTDPADFAVAEALEKYGLEKENPKDYCIARVMLPPGAQHSDEKGAKEIILDDDECPLQIFREWPSDKGILVFQLKRRPPDHIPKKTKKHLEGKTPKGKERADGSGYGSTLPPEKLPYLVELSPGRRNHFAYYNYHTYEDGSDSRDKPKLYRLQLSVTEVGTEKLDDNSIQLFGPGIQPHHCDLTNMDGVVTVTPRSMDAETYVEGQRISETTMLQSGMKVQFGASHVFKFVDPSQDHALAKRSVDGGLMVKGPRHKPGIVQETTFDLGGDIHSGTALPTSKSTTRLDSDRVSSASSTAERGMVKPMIRVEQQPDYRRQESRTQDASGPELILPASIEFRESSEDSFLSAIINYTNSSTVHFKLSPTYVLYMACRYVLSNQYRPDISPTERTHKVIAVVNKMVSMMEGVIQKQKNIAGALAFWMANASELLNFIKQDRDLSRITLDAQDVLAHLVQMAFKYLVHCLQSELNNYMPAFLDDPEENSLQRPKIDDVLHTLTGAMSLLRRCRVNAALTIQLFSQLFHFINMWLFNRLVTDPDSGLCSHYWGAIIRQQLGHIEAWAEKQGLELAADCHLSRIVQATTLLTMDKYAPDDIPNINSTCFKLNSLQLQALLQNYHCAPDEPFIPTDLIENVVTVAENTADELARSDGREVQLEEDPDLQLPFLLPEDGYSCDVVRNIPNGLQEFLDPLCQRGFCRLIPHTRSPGTWTIYFEGADYESHLLRENTELAQPLRKEPEIITVTLKKQNGMGLSIVAAKGAGQDKLGIYVKSVVKGGAADVDGRLAAGDQLLSVDGRSLVGLSQERAAELMTRTSSVVTLEVAKQGAIYHGLATLLNQPSPMMQRISDRRGSGKPRPKSEGFELYNNSTQNGSPESPQLPWAEYSEPKKLPGDDRLMKNRADHRSSPNVANQPPSPGGKSAYASGTTAKITSVSTGNLCTEEQTPPPRPEAYPIPTQTYTREYFTFPASKSQDRMAPPQNQWPNYEEKPHMHTDSNHSSIAIQRVTRSQEELREDKAYQLERHRIEAAMDRKSDSDMWINQSSSLDSSTSSQEHLNHSSKSVTPASTLTKSGPGRWKTPAAIPATPVAVSQPIRTDLPPPPPPPPVHYAGDFDGMSMDLPLPPPPSANQIGLPSAQVAAAERRKREEHQRWYEKEKARLEEERERKRREQERKLGQMRTQSLNPAPFSPLTAQQMKPEKPSTLQRPQETVIRELQPQQQPRTIERRDLQYITVSKEELSSGDSLSPDPWKRDAKEKLEKQQQMHIVDMLSKEIQELQSKPDRSAEESDRLRKLMLEWQFQKRLQESKQKDEDDEEEEDDDVDTMLIMQRLEAERRARLQDEERRRQQQLEEMRKREAEDRARQEEERRRQEEERTKRDAEEKRRQEEGYYSRLEAERRRQHDEAARRLLEPEAPGLCRPPLPRDYEPPSPSPAPGAPPPPPQRNASYLKTQVLSPDSLFTAKFVAYNEEEEEEDCSLAGPNSYPGSTGAAVGAHDACRDAKEKRSKSQDADSPGSSGAPENLTFKERQRLFSQGQDVSNKVKASRKLTELENELNTK
に由来する。
一実施形態では、dTAGが、参照により本明細書に組み込まれる上皮成長因子受容体(EGFR、UniProtKB P00533(EGFR_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号53):(L858R)
GEAPNQALLRILKETEFKKIKVLGSGAFGTVYKGLWIPEGEKVKIPVAIKELREATSPKANKEILDEAYVMASVDNPHVCRLLGICLTSTVQLITQLMPFGCLLDYVREHKDNIGSQYLLNWCVQIAKGMNYLEDRRLVHRDLAARNVLVKTPQHVKITDFGRAKLLGAEEKEYHAEGGKVPIKWMALESILHRIYTHQSDVWSYGVTVWELMTFGSKPYDGIPASEISSILEKGERLPQPPICTIDVYMIMVKCWMIDADSRPKFRELIIEFSKMARDPQRYLVIQGDERMHLPSPTDSNFYRALMDEEDMDDVVDADEYLIPQQG
に由来する、を含む、またはである。
一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号54):(T790M)
GEAPNQALLRILKETEFKKIKVLGSGAFGTVYKGLWIPEGEKVKIPVAIKELREATSPKANKEILDEAYVMASVDNPHVCRLLGICLTSTVQLIMQLMPFGCLLDYVREHKDNIGSQYLLNWCVQIAKGMNYLEDRRLVHRDLAARNVLVKTPQHVKITDFGRAKLLGAEEKEYHAEGGKVPIKWMALESILHRIYTHQSDVWSYGVTVWELMTFGSKPYDGIPASEISSILEKGERLPQPPICTIDVYMIMVKCWMIDADSRPKFRELIIEFSKMARDPQRYLVIQGDERMHLPSPTDSNFYRALMDEEDMDDVVDADEYLIPQQG
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号54が、163位にロイシンを有する。
一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号55):(C797S)
GEAPNQALLRILKETEFKKIKVLGSGAFGTVYKGLWIPEGEKVKIPVAIKELREATSPKANKEILDEAYVMASVDNPHVCRLLGICLTSTVQLIMQLMPFGSLLDYVREHKDNIGSQYLLNWCVQIAKGMNYLEDRRLVHRDLAARNVLVKTPQHVKITDFGRAKLLGAEEKEYHAEGGKVPIKWMALESILHRIYTHQSDVWSYGVTVWELMTFGSKPYDGIPASEISSILEKGERLPQPPICTIDVYMIMVKCWMIDADSRPKFRELIIEFSKMARDPQRYLVIQGDERMHLPSPTDSNFYRALMDEEDMDDVVDADEYLIPQQG
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号55が、163位にロイシンを有する。一実施形態では、配列番号55が、95位にトレオニンを有する。一実施形態では、配列番号55が、163位にロイシンおよび95位にトレオニンを有する。
一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号56):(C790G)
GEAPNQALLRILKETEFKKIKVLGSGAFGTVYKGLWIPEGEKVKIPVAIKELREATSPKANKEILDEAYVMASVDNPHVCRLLGICLTSTVQLIMQLMPFGCGLDYVREHKDNIGSQYLLNWCVQIAKGMNYLEDRRLVHRDLAARNVLVKTPQHVKITDFGRAKLLGAEEKEYHAEGGKVPIKWMALESILHRIYTHQSDVWSYGVTVWELMTFGSKPYDGIPASEISSILEKGERLPQPPICTIDVYMIMVKCWMIDADSRPKFRELIIEFSKMARDPQRYLVIQGDERMHLPSPTDSNFYRALMDEEDMDDVVDADEYLIPQQG
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号56が、163位にロイシンを有する。一実施形態では、配列番号56が、95位にトレオニンを有する。一実施形態では、配列番号56が、163位にロイシンおよび95位にトレオニンを有する。
一実施形態では、dTAGが、上皮成長因子受容体(BCR-ABL)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号57):(T315I)
SPNYDKWEMERTDITMKHKLGGGQYGEVYEGVWKKYSLTVAVKTLKEDTMEVEEFLKEAAVMKEIKHPNLVQLLGVCTREPPFYIIIEFMTYGNLLDYLRECNRQEVNAVVLLYMATQISSAMEYLEKKNFIHRDLAARNCLVGENHLVKVADFGLSRLMTGDTYTAHAGAKFPIKWTAPESLAYNKFSIKSDVWAFGVLLWEIATYGMSPYPGIDLSQVYELLEKDYRMERPEGCPEKVYELMRACWQWNPSDRPSFAEIHQAFETMFQES
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号57が、87位にトレオニンを有する。
一実施形態では、dTAGが、BCR-ABL(BCR-ABL)またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号58)
SPNYDKWEMERTDITMKHKLGGGQYGEVYEGVWKKYSLTVAVKTLKEDTMEVEEFLKEAAVMKEIKHPNLVQLLGVCTREPPFYIITEFMTYGNLLDYLRECNRQEVNAVVLLYMATQISSAMEYLEKKNFIHRDLAARNCLVGENHLVKVADFGLSRLMTGDTYTAHAGAKFPIKWTAPESLAYNKFSIKSDVWAFGVLLWEIATYGMSPYPGIDLSQVYELLEKDYRMERPEGCPEKVYELMRACWQWNPSDRPSFAEIHQAFETMFQES
に由来する、を含む、またはである。
一実施形態では、dTAGが、参照により本明細書に組み込まれるALK(ALK、UniProtKB Q9UM73(ALK_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号59)(L1196M):
ELQSPEYKLSKLRTSTIMTDYNPNYCFAGKTSSISDLKEVPRKNITLIRGLGHGAFGEVYEGQVSGMPNDPSPLQVAVKTLPEVCSEQDELDFLMEALIISKFNHQNIVRCIGVSLQSLPRFIMLELMAGGDLKSFLRETRPRPSQPSSLAMLDLLHVARDIACGCQYLEENHFIHRDIAARNCLLTCPGPGRVAKIGDFGMARDIYRAGYYRKGGCAMLPVKWMPPEAFMEGIFTSKTDTWSFGVLLWEIFSLGYMPYPSKSNQEVLEFVTSGGRMDPPKNCPGPVYRIMTQCWQHQPEDRPNFAIILERIEYCTQDPDVINTALPIEYGPLVEEEEK
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号59が、136位にロイシンを有する。
一実施形態では、dTAGが、参照により本明細書に組み込まれるJAK2(JAK2、UniProtKB O60674(JAK2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号60)(V617F):
VFHKIRNEDLIFNESLGQGTFTKIFKGVRREVGDYGQLHETEVLLKVLDKAHRNYSESFFEAASMMSKLSHKHLVLNYGVCFCGDENILVQEFVKFGSLDTYLKKNKNCINILWKLEVAKQLAWAMHFLEENTLIHGNVCAKNILLIREEDRKTGNPPFIKLSDPGISITVLPKDILQERIPWVPPECIENPKNLNLATDKWSFGTTLWEICSGGDKPLSALDSQRKLQFYEDRHQLPAPKAAELANLINNCMDYEPDHRPSFRAIIRDLNSLFTPD
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号60が、82位にバリンを有する。
一実施形態では、dTAGが、参照により本明細書に組み込まれるBRAF(BRAF、UniProtKB P15056(BRAF_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、アミノ酸配列:(配列番号61)(V600E):
DWEIPDGQITVGQRIGSGSFGTVYKGKWHGDVAVKMLNVTAPTPQQLQAFKNEVGVLRKTRHVNILLFMGYSTAPQLAIVTQWCEGSSLYHHLHASETKFEMKKLIDIARQTARGMDYLHAKSIIHRDLKSNNIFLHEDNTVKIGDFGLATEKSRWSGSHQFEQLSGSILWMAPEVIRMQDSNPYSFQSDVYAFGIVLYELMTGQLPYSNINNRDQIIEMVGRGSLSPDLSKVRSNCPKRMKRLMAECLKKKRDERPSFPRILAEIEELARE
に由来する、を含む、またはである。一実施形態では、配列番号61が、152位にバリンを有する。一実施形態では、配列番号61が、153位にチロシンを有する。一実施形態では、配列番号61が、152位にバリンを有する。一実施形態では、配列番号61が、153位にリジンを有する。一実施形態では、配列番号61が、152位にバリンおよび153位にリジンを有する。
一実施形態では、dTAGが、LRRK2タンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB_Q5S007(LRRK2_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、LRRK2アミノ酸1328~1511に由来する。一実施形態では、dTAGが、LRRK2アミノ酸1328~1511に由来し、アミノ酸1441がシステインである。
一実施形態では、dTAGが、PDGFRαタンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB_P09619(PDGFR_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P09619のアミノ酸600~692に由来する。一実施態様では、dTAGがP09619のアミノ酸600~692に由来し、アミノ酸674がイソロイシンである。
一実施形態では、dTAGが、RETタンパク質(参照により本明細書に組み込まれるUniProtKB_P07949(RET_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来する。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸691がセリンである。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸749がトレオニンである。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸762がグルタミンである。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸791がフェニルアラニンである。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸804がメチオニンである。一実施形態では、dTAGが、P07949のアミノ酸724~1016に由来し、アミノ酸918がトレオニンである。
一実施形態では、dTAGが、JAK3タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P52333(JAK3_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、ABLタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P00519(ABL_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、MEK1タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q02750(MP2K1_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、KITタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P10721(KIT_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、KITタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P10721(KIT_HUMAN))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、HIV逆転写酵素タンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-P04585(POL_HV1H2))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、dTAGが、HIVインテグラーゼタンパク質(参照により本明細書中に組み込まれるUniProtKB-Q76353(Q76353_9HIV1))またはその変異体に由来するアミノ酸配列を有する。
B.目的のタンパク質
本明細書で企図されるように、dTAG戦略は、目的のタンパク質をコードする核酸配列と5’または3’インフレームでdTAG核酸配列をゲノム挿入することによって、インビボで、または場合によってはエキソビボもしくはインビトロで、安定的に発現される内因性タンパク質-dTAGハイブリッドを産生するために利用することができる。インフレームdTAG核酸配列の挿入後、細胞は内因性タンパク質-dTAGハイブリッドを発現し、dTAGに結合することができるヘテロ二官能性化合物の投与を通して内因性タンパク質-dTAGハイブリッドの活性の調節が可能になり、したがって内因性タンパク質-dTAGハイブリッドが分解される。一実施形態では、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドの活性が低下する。
一定の実施形態では、dTAGをコードする核酸が、障害に関与するタンパク質をコードする遺伝子とインフレームでゲノム的に挿入され得る。dTAG挿入の標的とされ得る障害に関与する特定の遺伝子の非限定的な例としては、非限定的な例として、α-1アンチトリプシン(A1AT)、アポリポタンパク質B(APOB)、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)、アポリポタンパク質C3(APOC3)、カテニン(CTNNB1)、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)、C反応性タンパク質(CRP)、アポリポタンパク質a(アポ(a))、第VII因子、第XI因子、アンチトロンビンIII(SERPINC1)、ホスファチジルイノシトールグリカンクラスA(PIG-A)、C5、α-1アンチトリプシン(SERPINA1)、ヘプシジン調節(TMPRSS6)、(δ-アミノレブリン酸シンターゼ1(ALAS-1)、アシルCaA:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)、miR-122、miR-21、miR-155、miR-34a、プレカリクレイン(KLKB1)、結合組織成長因子(CCN2)、細胞間接着分子1(ICAM-1)、グルカゴン受容体(GCGR)、グルココルチコイド受容体(GCCR)、プロテインチロシンホスファターゼ(PTP-1B)、c-Rafキナーゼ(RAF1)、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)、血管接着分子-1(VCAM-1)、最晩期抗原-4(VLA-4)、トランスサイレチン(TTR)、生存運動ニューロン2(SMN2)、成長ホルモン受容体(GHR)、筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)、細胞核酸結合タンパク質(CNBPまたはZNF9)、クラステリン(CLU)、真核生物翻訳開始因子4E(eIF-4e)、MDM2、MDM4、熱ショックタンパク質27(HSP27)、シグナル伝達兼転写活性化因子3タンパク質(STAT3)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、キネシン紡錘体タンパク質(KIF11)、B型肝炎ゲノム、アンドロゲン受容体(AR)、Atonalホモログ1(ATOH1)、血管内皮増殖因子受容体1(FLT1)、網膜分離症1(RS1)、網膜色素上皮特異的65kDaタンパク質(RPE65)、Rabエスコートタンパク質1(CHM)、およびナトリウムチャネル、電位開口型、X型、αサブユニット(PN3またはSCN10A)が挙げられる。dTAG挿入によって標的化され得るさらなる目的のタンパク質には、機能獲得型変異に関連するタンパク質、例えば、がんを引き起こすタンパク質が含まれる。
特定の実施形態では、標的化のための目的のタンパク質が、apoB-100、ANGPTL3、PCSK9、APOC3、CRP、ApoA、第XI因子、第VII因子、アンチトロンビンIII、ホスファチジルイノシトールグリカンクラスA(PIG-A)、補体のC5成分、α-1-アンチトリプシン(A1AT)、TMPRSS6、ALAS-1、DGAT-2、KLB1、CCN2、ICAM、グルカゴン受容体、グルココルチコイド受容体、PTP-1B、FGFR4、VCAM-1、VLA-4、GCCR、TTR、SMN1、GHR、DMPKまたはNAV1.8である。
一実施形態では、dTAGが、プロテオパシーに関連する内因性タンパク質をコードする遺伝子に5’または3’インフレームでゲノム的に組み込まれる。一実施形態では、dTAGが、アルツハイマー病(アミロイドβペプチド(Aβ);τタンパク質)、脳β-アミロイド血管症(アミロイドβペプチド(Aβ))、緑内障における網膜神経節細胞変性(アミロイドβペプチド(Aβ))、プリオン病(プリオンタンパク質)、パーキンソン病および他のシヌクレイノパチー(α-シヌクレイン)、タウオパチー(微小管関連タンパク質τ(τタンパク質))、前頭側頭葉変性症(FTLD)(Ubi+、Tau-)(TDP-43)、FTLD-FUS(Fused in sarcoma(FUS)タンパク質)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(スーパーオキシドジスムターゼ、TDP-43、FUS)、ハンチントン病および他の三塩基反復障害(タンデムグルタミン伸長を有するタンパク質)、家族性英国型認知症(ABri)、家族性デンマーク型認知症(Adan)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド型)(HCHWA-I)(シスタチンC)、CADASIL(Notch3)、アレクサンダー病(グリア線維酸性タンパク質(GFAP))、セイピノパシー(Seipinopathies)(セイピン)、家族性アミロイドニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシス(トランスサイレチン)、セルピノパシー(Serpinopathies)(セルピン)、AL(軽鎖)アミロイドーシス(原発性全身性アミロイドーシス)(モノクローナル免疫グロブリン軽鎖)、AH(重鎖)アミロイドーシス(免疫グロブリン重鎖)、AA(続発性)アミロイドーシス(アミロイドAタンパク質)、II型糖尿病(膵島アミロイドポリペプチド(IAPP;アミリン)、大動脈中膜アミロイドーシス(メジン(Medin)(ラクトアドヘドリン))、ApoAIアミロイドーシス(アポリポタンパク質AI)、ApoAIIアミロイドーシス(アポリポタンパク質AII)、ApoAIVアミロイドーシス(アポリポタンパク質AIV)、フィンランド型家族性アミロイドーシス(FAF)(ゲルゾリン)、リゾチームアミロイドーシス(リゾチーム)、フィブリノーゲンアミロイドーシス(フィブリノーゲン)、透析アミロイドーシス(β2ミクログロブリン)、封入体筋炎/ミオパチー(アミロイドβペプチド(Aβ))、白内障(クリスタリン)、ロドプシン突然変異を伴う網膜色素変性症(ロドプシン)、甲状腺髄様癌(カルシトニン)、心房性アミロイドーシス(心房性ナトリウム利尿因子)、下垂体プロラクチノーマ(プロラクチン)、遺伝性格子状角膜ジストロフィー(ケラトエピセリン)、皮膚苔癬アミロイドーシス(ケラチン)、マロリー小体(ケラチン中間径フィラメントタンパク質)、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス(ラクトフェリン)、肺胞蛋白症(サーファクタントタンパク質C(SP-C))、歯原性(ピンドボルグ)腫瘍アミロイド(歯原性エナメル芽細胞関連タンパク質)、精嚢アミロイド(セメノゲリン(Semenogelin)I)、嚢胞性線維症(嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)タンパク質)、鎌状赤血球症(ヘモグロビン)、および重症疾患ミオパチー(CIM)(ミオシンユビキチン化の過タンパク分解状態)から選択される障害に関連する内因性タンパク質をコードする遺伝子に5’または3’インフレームでゲノム的に組み込まれる。
本明細書で企図されるように、目的の特定のタンパク質とインフレームでdTAGをコードする核酸をゲノム的に挿入することによって、タンパク質-dTAGハイブリッドに結合するdTAGに特異的なヘテロ二官能性化合物を投与することによって、目的のタンパク質の調節を達成し、その分解をもたらすことができる。このようにして目的の特定のタンパク質を調節することができるので、このような戦略を使用して、細胞内で一定の閾値レベルを超えるタンパク質の発現が病的状態をもたらす障害を治療することができる。この技術の他の用途には、それだけに限らないが、1)病理学が1つまたは複数の機能獲得型変異の関数である場合のタンパク質の標的化分解、2)病理学が増幅または発現増加の関数である場合のタンパク質の標的化分解、3)単遺伝性疾患の徴候であるタンパク質の標的化分解、4)遺伝的素因が長期間にわたって、またしばしば代替的生物学的代償機序がもはや十分ではなくなった後で現れる場合、例えば、それだけに限らないが、高コレステロール血症およびタンパク質症のタンパク質の標的化分解が含まれる。
内因性タンパク質-dTAGハイブリッドの制御された分解によって、タンパク質発現または活性反応速度論の好ましい変化が、それを必要とする対象の障害の予防および/または治療をもたらし得る。
現在企図されている方法によって治療することができる代表的な疾患および障害は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、「疾患の治療の予防のための方法および組成物」と題された米国特許出願第20150329875号明細書に記載されている。
一定の実施形態では、標的タンパク質が脂質代謝に関与している。例えば、高コレステロール血症は、冠動脈疾患のリスクを増加させることが知られている、血中の非常に高レベルのコレステロールを特徴とする状態である。家族性高コレステロール血症、高脂血症および家族性カイロミクロン血症は、異常な遺伝子が観察される総体症状を引き起こす家族に受け継がれる遺伝的状態である。LDL受容体(LDLR)、アポリポタンパク質B(APOB)、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)およびプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)をコードする遺伝子の突然変異がこれらの疾患に関与している。LDLRは、細胞への内部移行のために血漿からLDLを除去するのに役立つ。LDLRはクラスリン被覆ピットに局在する膜貫通タンパク質であり、そこでApoB-100(APOBの長い遺伝子産物)およびアポEリッチリポタンパク質と複合体を形成する。この複合体のエンドサイトーシス後、これはエンドソームに移動し、そこでリソソームによる最終的な分解のためにリポタンパク質が複合体から放出される。その後、LDLRが細胞表面にリサイクルされ得る。
「家族性欠陥アポリポ蛋白B」(FDB)と呼ばれる欠陥型apoB-100の患者はAPOBにR3500Q突然変異を頻繁に保有しているため、LDLのLDLRへの結合能力が低下し、血漿クリアランスが低下し、したがって血漿中の脂肪酸レベルが上昇する(Innerarityら、(1987)PNAS USA 84:6919)。FDBは一般的に常染色体優性状態として認識されており、欧州家系の約1:700人に発生する(GinsburgおよびWillard(2012)Genomic and Personalized Medicine、第1巻および第2巻. Academic Press、ロンドン.507頁)。したがって、apoB-100での突然変異についてヘテロ接合性であるFDB患者では、肝細胞中の対立遺伝子にインフレームでdTAGを挿入し、ヘテロ二官能性化合物を投与し、apo-100欠陥タンパク質-dTAGハイブリッドの遺伝子産物を得ることによる、欠陥apoB-100対立遺伝子の特異的分解が、疾患の修正を引き起こす可能性がある。
同様に、ANGPTL3のレベル上昇を引き起こすアンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)過剰発現突然変異は、対象の高脂血症を引き起こし得る。ANGPTL3は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)および内皮リパーゼ(EL)の二重阻害剤としても作用し、げっ歯類において血漿トリグリセリドおよびHDLコレステロールを増加させる。ANGPTL3は肝臓で主に発現され、分泌され、通常はトリグリセリド、LDLコレステロールおよびHDLコレステロールの血漿レベルを上昇させるように作用し、肝臓に直接作用して肝細胞リポタンパク質の分泌およびクリアランスを調節する(Musunuruら、(2010)N Engl J Med 363:23 2220頁)。したがって、本発明の方法を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、タンパク質の標的化分解を通してANGPTL3過剰発現に関連した高脂血症を治療することができる。
PCSK9はコレステロール恒常性において主要な調節的役割を果たすタンパク質をコードする別の遺伝子である。PCSK9は、LDLRの上皮成長因子様リピートA(EGF-A)ドメインに結合し、LDLR分解を誘導する。PCSK9における常染色体優性の毒性機能獲得型変異(例えば、S127R、P216L、D374YおよびN157K)が記載されており、対応する血漿LDLコレステロールの増加をもたらすLDLR分解速度の増加の結果として高脂血症および家族性高コレステロール血症(FH)に関連する(Abifadelら(2003)Nat Gen 34(2):154)。さらに、血漿LDLコレステロール量の関連する実質的な減少を伴う肝LDLRレベルの増加を引き起こす機能喪失型PCSK9変異(例えば、Y142X、C679XおよびR46L)が特定されており、冠動脈性心臓病の発生率の88%の減少をもたらす(Cohenら、(2003)New Eng J Med 354(12):1264)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、PCSK9タンパク質の標的化分解を通して高脂血症および/またはFHを治療または予防することができる。
家族性カイロミクロン血症症候群またはFCSは、極めて高レベルの血漿トリグリセリドを特徴とし、腹痛、肝臓および脾臓の肥大ならびに再発性急性膵炎などのいくつかの健康問題をもたらす。さらに、FCSを有さない高いトリグリセリドレベルを持つ対象が存在するが、トリグリセリド上昇のために、同様の健康問題を有する。APOC3遺伝子によってコードされるアポリポタンパク質C3またはapo-CIIIは、超低密度リポタンパク質(VLDL)、LDL、HDLおよびカイロミクロンの成分であり、通常、リポタンパク質リパーゼおよび肝性リパーゼを阻害することによって脂肪分解を阻害する。apo-CIIIは、トリグリセリドリッチ粒子の肝臓への取り込みを阻害し、高脂血症の患者で上昇する可能性があり(Bobik、(2008)Circulation 118:702)、独立した心血管疾患の危険因子である。マウスでAPOC3遺伝子をノックアウトすると、正常と比較して血漿トリグリセリドレベルが低下した動物が得られる(Maedaら(1994)J Biol Chem 269(38):23610)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、APOC3タンパク質の標的化分解によって脂質代謝障害(例えば、家族性高コレステロール血症、高脂血症および家族性カイロミクロン血症)を有する対象を予防または治療することができる。
他の実施形態では、1つまたは複数の標的タンパク質が心血管疾患および冠動脈疾患などの血管疾患に関与している。上に論じられる脂質代謝障害と同様に、冠動脈疾患も特定の遺伝子によって引き起こされ得る。例えば、C反応性タンパク質(CRP)は、炎症性疾患に関連している肝臓で産生されるタンパク質である。これは、死細胞または死にかけている細胞の表面で発現されるホスホコリンに結合する急性期タンパク質であり、その役割は補体系を活性化して細胞を除去するのを助けることである。慢性炎症性疾患では、CRPレベル上昇が、全体的な慢性炎症状態に寄与し、これを増幅することによって疾患症状を悪化させ得る。さらに、ラットモデルでは、CRPが心筋梗塞および脳梗塞のサイズを増加させることが示されており、これはヒト患者に移すと、心臓発作後のより悪い予後を予測し得る。CRPの阻害剤をこれらのラットモデルに導入すると、梗塞サイズおよび心機能不全が減少する(Pepysら(2005)Nature 440(27):1217)。したがって、CRPの阻害は、炎症性疾患と冠動脈疾患の両方において有益となり得る。本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、CRPタンパク質の標的化分解によってCRP発現の調節を引き起こすことができる。
血漿リポタンパク質(Lp(a))は、アポリポタンパク質(a)(apo(a))を含む低密度リポタンパク質粒子であり、またアテローム性動脈硬化症を含む心血管疾患の独立危険因子でもある。Apo(a)は、ジスルフィド結合によって連結されたapoB-100を通してLDLの表面と接触しており、高Apo(a)レベルと関連する遺伝的多型が、過剰な率の心筋梗塞と関連していることが報告されている(Chasmanら(2009)Atherosclerosis 203(2):371)。血漿中のLp(a)濃度は個体間で濃度が広く異なり、これらの濃度差は遺伝的に決定されるように思われる。apo(a)遺伝子は、いくつかのプラスミノーゲンクリングル4様リピートを含み、これらのクリングルリピートの数は、Lp(a)の血漿濃度に反比例する。apo(a)に対する免疫応答を高め、Lp(a)の抗体媒介クリアランスを引き起こすように設計されたDNAワクチンアプローチは、マウスにおけるLp(a)のアテローム性動脈硬化促進性(proatherosclerotic)活性の減少を実証した(Kyutokuら(2013)Sci Rep 3 doi:10.1038/srep1600)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、ApoAタンパク質の標的化分解によって、ApoAタンパク質の発現を低下させ、Lp(a)の血漿濃度を低下させることができる。
しばしば栓友病と呼ばれる凝固障害は、血管疾患に派生効果を有し得る。哺乳動物の凝固を調節する生化学的事象の複雑なネットワークは、5つの補因子(組織因子、第V因子、第VIII因子、トロンボモジュリンおよび表面膜タンパク質)と相互作用して、血餅の主成分であるフィブリンを生成する5つのプロテアーゼ(第II、VII、IXおよびX因子ならびにCタンパク質)を含む。強力な内因性凝血原と血栓抵抗力との間には微妙なバランスが存在しており、それによって血液の流動性が確保され、損傷が発生した場合に血餅を誘発するこれらの因子の準備が維持される。第XI因子と第VII因子の両方の高い血漿活性は、凝固亢進および血栓性疾患(冠動脈梗塞、脳卒中、深部静脈血栓症、肺塞栓症)および患者予後不良と関連している。重度の第XI因子欠乏症を有する人々は虚血性脳傷害および脳卒中から保護されることが実証されている(Salomanら(2008)Blood 111:4113)。同時に、高レベルのFXIが患者の高い脳卒中発生率と関連することが示されている(Yangら、(2006)Am J Clin Path 126:411)。同様に、高い第VII因子レベルも冠動脈疾患に関連しているが、これは第VII因子をどのように測定するかおよびタンパク質のどの形態を分析するかなどの他の考慮事項によって複雑化される(Chanら、(2008)Circulation 118:2286)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、第XI因子および/または第VII因子の標的化分解によって、疾患に関連する凝固因子(例えば、第VII因子および第XI因子)の選択的分解を通して高血栓性疾患を有する対象を予防または治療することができる。
上記のように、凝固カスケードのバランスが非常に重要である。したがって、凝固因子の重要性に加えて、これらの因子の阻害剤もまた重要である。血友病患者は、凝固カスケードの1つまたは複数の成分が不足しており、結果として凝固能力が低下している。このカスケードの最後のステップの1つでは、トロンビンがフィブリノーゲンに作用して血餅の主成分であるフィブリンを生成する。カスケードは活性トロンビンの産生に次第に至ってこれが起こることを可能にする。系のバランスを保つために、アンチトロンビン(SERPINC1遺伝子によってコードされるアンチトロンビンIIIとしても知られる)はトロンビンに作用してその作用を阻害する。多くの血友病患者では、因子の欠乏が絶対的なものではなく、ある程度の凝固が起こる。したがって、アンチトロンビンの分解に基づくアプローチは、上流因子が限られている場合、潜在的にどの因子が欠乏しているかにかかわらず、凝固カスケードが十分な凝固を生じることを可能にし得るだろう。これは、血友病A患者由来の血液を用いて実証されている(Di Miccoら(2000)Eur J Pharmacol.3月10日;391(1~2):1~9参照)。本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、アンチトロンビンIIIタンパク質の標的化分解によって、血友病Aおよび血友病Bなどの血友病患者を治療することができる。
1つまたは複数の標的タンパク質が血液障害(血液学的状態)にも関与し得る。補体系は、複数の血液学的状態において極めて重要な役割を果たす。発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、PIG-A遺伝子欠損によって引き起こされる溶血性疾患である(Brodsky(2008)Blood Rev 22(2):65参照)。PIG-A遺伝子産物ホスファチジルイノシトールグリカンクラスAは、GPIアンカータンパク質の合成の最初のステップに必要である。PIG-AはX染色体上に見られ、PIG-A中の突然変異は補体による溶血に対して感受性のある赤血球をもたらす。特に、これらの変異細胞は、GPIアンカータンパク質CD55およびCD59を欠いている。CD59は補体関連膜侵襲複合体(またはMAC)と直接相互作用して、孔の集合における重要な段階であるC9の凝集を遮断することによって溶解孔形成を防止する。CD55はC3転換酵素の破壊を促進するように機能するので、CD55の非存在下では、C3転換酵素がさらに多くなり、より多くのMAC形成をもたらす。したがって、これらのタンパク質の両方が欠如していると、変異赤血球の溶解が増加する。PNH患者の場合、血栓症の増加による合併症が最大の懸念である(Brodsky(2008)Blood Rev 22(2):65)。PNH患者の40%が進行中の血栓症を患っており、これは脳卒中および急性心血管疾患を引き起こし得る。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、ホスファチジルイノシトールグリカンクラスA(PIG A)の標的化分解によって、対象のPHNを治療および/または予防することができる。
補体のC5成分の阻害は、PNHと非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の両方の治療として承認されており、C5が重要な治療標的であることを確認している。aHUSに関連する赤血球の溶血は、細胞が補体系(自然免疫の一部)の調節不全に起因する代替経路により破壊の標的とされると起こる。通常、破壊的C3bBb複合体は侵入細胞(例えば、細菌)の表面上に形成され、補体系の代替経路の一部としてその破壊を促進する。C3bBb複合体は別のC3bと結合してC3bBbC3b複合体を形成することができ、次いで、これがC5転換酵素として作用する。C5転換酵素はC5をC5aおよびC5bに切断し、C5bはC6、C7、C8およびC9を動員してMACを形成する。補体調節タンパク質(例えば、CD35、CD46、CD55およびCD59)のセットは、体自身の細胞に位置して、これらのタンパク質の活性を阻害し、したがってこれらを保護する。しかしながら、これらの調節タンパク質の不均衡があると、C3bBb複合体が不適切に形成する可能性がある(de Jorgeら、(2011)J Am Soc Nephrol 22:137)。この症候群は、赤血球の早期破壊に加えて、糸球体濾過装置の損傷および目詰まりの結果として腎臓病も引き起こし得る。C5陰性マウスは、補体調節タンパク質突然変異を有するマウスと交配すると保護されることが示された(aHUS(de Jorge、同上)および補体調節不全に関連する他の疾患における標的としてのC5の概念を検証するために使用されたデータ)。C5b特異的モノクローナル抗体エクリズマブは、aHUS(GruppoおよびRother、(2009)N Engl J Med 360;5 544頁)および他の補体媒介疾患(例えば、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH))(Hillmenら、(2013)Br.J Haem 162:62))の治療に首尾よく使用されている。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、C5の標的化分解によって、C5の発現を調節し、補体調節不全に関連する疾患を予防または治療することができる。
α-1-アンチトリプシン(A1AT)欠乏症は、欧州祖先の1500~3000人に約1人で発生するが、アジア子孫の人ではまれである。α-1-アンチトリプシンタンパク質は、SERPINA1遺伝子によってコードされ、好中球エラスターゼ、トリプシンおよびプロテイナーゼ-3(PR-3)を含む炎症細胞によって放出されるプロテアーゼの活性から細胞を保護するのに役立つプロテアーゼ阻害剤である。欠乏症は、変異対立遺伝子からの発現低下または阻害活性の低い変異A1ATタンパク質の発現が組織損傷をもたらす好中球エラスターゼ阻害の慢性的欠如をもたらすヘテロ接合性個体において、変異SERPINA1遺伝子によって引き起こされる常染色体共優性または劣性障害である。最も一般的なSERPINA1突然変異は、患者の肝細胞の小胞体内でタンパク質に規則的なポリマーを形成させるGlu342Lys置換(Z対立遺伝子とも呼ばれる)を含む。これらの包含は、最終的に肝移植によってのみ治療することができる肝硬変を引き起こす(Yusaら(2011)Nature 478 391頁)。肝細胞内での重合は血漿A1ATレベルの激しい低下をもたらし、この炎症性疾患のリスク増加をもたらす。さらに、A1AT欠乏症は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫および慢性気管支炎を含む肺疾患と関連しており(Tuderら(2010)Proc Am Thorac Soc 7(6):381頁)、1型および2型糖尿病、急性心筋梗塞、関節リウマチ、炎症性腸疾患、嚢胞性繊維症、移植拒絶反応、移植片対宿主病および多発性硬化症を含む他の疾患の進行の阻害へのはるかに広い到達を潜在的に有し得る(Lewis(2012)Mol Med 18 (1)957頁)。集団研究は、これらの疾患を避けるためにおよそ0.5mg/mL(非炎症性状態における正常な血漿レベルはおよそ0.9~1.75mg/MLである)の最小ATA1血漿閾値を示唆しており、現在の療法は主に気管支拡張薬などの使用を通して症状を減らすように作用するが、A1AT(Zemaira(登録商標))の毎週の注入の使用もまた、血漿A1ATの深刻な欠如が実証されている気腫患者のための選択肢である。A1ATに関連する重度の肺疾患もまた最終的には移植によって治療される。A1AT欠乏症の治療のための臨床試験は、ほんの数例を挙げると、濃縮A1ATタンパク質の送達、IM注射によるA1AT遺伝子を含むAAV構築物の使用、およびHIVにおけるA1ATの使用を含む種々のアプローチを含む。したがって、本発明の組成物および方法を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、α-1-アンチトリプシンタンパク質の標的化分解によってA1AT欠乏症に関連する疾患を治療または予防し、それによって肝硬変をもたらし得る肝凝集物を排除することができる。
目的の別の肝臓標的には、体内の鉄含量の調節に関与しているあらゆるタンパク質が含まれる。鉄はヘモグロビン産生に必須であるが、過剰になると活性酸素種の産生をもたらし得る。輸血に依存している患者(例えば、ある種の血友病、異常ヘモグロビン症)では、二次性鉄過剰症が一般的である。鉄調節ホルモンヘプシジン、ならびにその受容体および鉄チャネルフェロポーチンは、その細胞内取り込みを促進することによって鉄の食物吸収、貯蔵、および組織分布を制御する。ヘプシジンの調節は転写レベルで行われ、血漿中の鉄濃度に感受性であり、ここではヘプシジン発現増加がより低い血漿鉄濃度をもたらす。ヘモジュベリンとして知られる受容体を含む一連の受容体-リガンド相互作用を通して、ヘプシジン遺伝子はSMAD転写因子によって上方制御される。同様に、鉄関連ヘプシジンの下方制御は、ヘモジュベリンを切断し、ヘプシジンの上方制御を妨げるTMPRSS6として知られるプロテアーゼによって制御される(Ganz(2011)Blood 117:4425)。TMRSS6 mRNAを標的化する抑制性RNAの使用によるTMPSS6発現の下方制御は、マウスモデルにおいて鉄過剰症の減少を引き起こすことが示されている(Schmidtら(2013)Blood 121:1200)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略の使用を通して、分解のためにTMPRSS6を標的化することができる。
体内の鉄利用経路に関連する他の症状はポルフィリン症である。これらの障害は、ヘム合成に関与する酵素のいくつかの欠損から生じる。急性間欠性ポルフィリン症(AIP)は常染色体優性障害であり、2番目に一般的なポルフィリン症であり、100,000人に約5~10人の発生率である。AIPは、ヒドロキシメチルビランシンターゼ(HMBシンターゼ(HMBS)、ポルフォビリノーゲン-デアミナーゼとも呼ばれる)の欠乏によって引き起こされ、HMBS遺伝子の突然変異は、ミスセンス変異および点突然変異を含み、非常に不均一である(Solisら(1999)Mol Med 5:664)。生命を脅かす可能性のあるAIP発作は、消化器系、神経精神系、心血管系および神経系の症状を呈し得る。発作はいくつかの引き金があり、数日間持続し、しばしば入院を必要とし、ある種の薬物、感染症、カロリー制限、喫煙、アルコールおよび月経周期に関連するホルモン変動を含むいくつかの一見無関係な因子によって突然引き起こされ得る(Yasudaら(2010)Mol Ther 18(1):17)。HMBシンターゼはヘム合成経路の一部であり、ここではグリシンとスクシニル-CoAがδ-アミノレブリン酸シンターゼ1(ALAS-1)によって結合されてアミノレブリン酸を生成し、次いで、アミノレブリン酸デヒドラターゼ(ALAD)によって作用されてホスホビリノーゲンを生成する。ホスホビリノーゲンは、HMBシンターゼによってヒドロキシメチルビランに変換される。経路はそこから続き、最終的にはヘムを生成する(Ajiokaら(2006)Biochim Biophys Acta 1762:723)。引き金とは無関係に、全ての攻撃は酵素δ-アミノレブリン酸シンターゼ1(ALAS-1)の上昇をもたらす。この酵素は、肝臓ヘム合成経路の最初の酵素であり、誘導されると、HMBシンターゼの欠乏が律速になり、アミノレブリン酸およびホスホビリノーゲン前駆体が蓄積する(Yasuda、同上)。AIP患者の肝移植は発作を止めることができ、肝臓を標的化することが治療上有益となり得ることを示している。さらに、マウスが正常なHMBシンターゼレベルの30%しか有さないAIPのマウスモデルにおいて、HMBシンターゼをコードする導入遺伝子HMBSの挿入によって、マウスにフェノバルビタールを与えるとアミノレブリン酸およびホスホビリノーゲン蓄積の減少がもたらされた(Yasuda、同上)。ALAS-1の阻害のために設計された二本鎖RNAもまた、マウスAIPモデルにおいてインビボでのALAS-1発現を低下させ、フェノバルビタール処置に応答してホスホビリノーゲン蓄積を減少させることが示されている(米国特許出願公開第20130281511号明細書参照)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、ALAS-1の標的化分解によってAIPを予防および治療することができる。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、世界で最も一般的な肝疾患の形態であり、西洋人集団では15~30%の有病率であり、肝臓内のトリグリセリド蓄積によって引き起こされる。しかしながら、有病率は、過体重集団では58%および肥満集団では98%に増加する。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝損傷が発生したより進行した形態のNAFLDであり、肝不全、門脈圧亢進、肝細胞癌および肝硬変をもたらし得る(SchwengerおよびAllard(2014)World J Gastronen 20(7):1712)。NALFDで観察される肝臓トリグリセリド蓄積は、しばしば2型糖尿病およびメタボリックシンドロームの一部として、肝臓インスリン抵抗性と強く関連していることを示唆するように思われる(Choiら(2017、J Biol Chem 282(31):22678))。アシル-CaA:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)は、sn-1,2ジアシルグリセロール(DAG)と長鎖アシルCoAの結合を促進することによって、トリグリセリド合成の最終段階を触媒する。DGATには、DGAT-1とDGAT-2の2つの主要アイソフォームが存在する。DGAT-1は主に小腸で発現され、DGAT-2は主に肝臓での発現を示し、その発現はインスリン反応性である。食餌誘発性NALFDを有するラットにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用したDGAT-1またはDGAT-2の発現のノックダウンは、DGAT-2ノックダウンで肝脂肪を有意に改善したが、DGAT-1ノックダウンではしなかった(Choi、同上)。したがって、本発明の材料および方法を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、DGAT-2の標的化分解によって、NASHおよびNALFDを治療するためにDGAT-2の発現を変化させ、肝インスリン抵抗性を低下させることができる。
さらなる血管標的は、遺伝性血管浮腫(HAE)に関与するものを含む。HAEは常染色体優性疾患で、50,000人に1人が発症し、C1阻害剤のレベルが低下した結果である。患者は身体のあらゆる部分で腫脹の再発エピソードを経験し、中咽頭、喉頭または腹部に局在する腫脹が罹患率および死亡の最高リスクを有する(TseおよびZuraw、(2013)Clev Clin J of Med 80(5):297参照)。この疾患は、ブラジキニンの過剰産生の結果としての組織への血漿の溢出から生じる。その機序は、活性血漿カリクレイン(より多くの第XII因子を活性化する)を放出する、活性化第XII因子によるプレカリクレイン(PKKとしても知られる)の切断を伴うように思われる。次いで、血漿カリクレインがキニノーゲンを切断し、ブラジキニンを放出する。次いで、ブラジキニンは内皮細胞上のB2ブラジキニン受容体に結合し、内皮の透過性を増加させる。通常、C1阻害剤(SERPING1によってコードされる)は、血漿カリクレインおよび第XII因子の活性化を阻害することによってブラジキニン産生を制御する。HAEは、存在するC1阻害剤の量および種類で区別されるI型とII型、ならびに第XII因子のThr309Lys突然変異に関連するIII型の3つの型で起こる(Prietoら(2009)Allergy 64(2):284)。I型HAEは低レベルのC1阻害剤を有し、これは作られる少量のC1阻害剤タンパク質の発現が乏しく破壊された結果であるように思われる。1型はHAE患者のおよそ85%を占める。II型患者は正常レベルのC1阻害剤を有するが、C1阻害剤タンパク質が突然変異のために無効である(TseおよびZuraw、同上)。SERPING1の250を超える突然変異が特徴付けられており、これらが小型および大型の挿入および欠失ならびに重複を含むI型HAEをもたらす(Rijavecら(2013)PLoS One 8(2):e56712)。HAEの遺伝学的基礎におけるこの高い変動性のために、本発明の方法および組成物を使用して、HAEの出現において下流のプレーヤーを標的化することによって、HAEを予防または治療することができる。例えば、プレカリクレイン(肝細胞で発現されるKLKB1)を標的化してプレカリクレイン(略してPKK)発現を低下させると、HAEを引き起こしている上流の突然変異の種類にかかわらずブラジキニン産生が減少し、血漿溢出の減少がもたらされ得る。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、KLKB1の標的化分解によって、KLKB1の発現を減少させてHAEを予防または治療することができる。
1つまたは複数の標的は線維性疾患にも関与し得る。種々の器官の線維性疾患は臓器不全の主因であり、別の根本的な疾患に対する反応として、または罹患個体における線維症の素因の結果として起こり得る。線維症の顕著な特徴は、コラーゲンおよび関連糖タンパク質などの細胞外マトリックス化合物の不適切な沈着である。TGF-βが線維化過程で主要な役割を果たし、線維芽細胞が細胞外マトリックス(ECM)タンパク質を合成するのを誘導し、またECM分解活性を有するタンパク質の発現を阻害する(Leask(2011)J Cell Commun Signal 5:125)。CNNタンパク質(いわゆる最初の3つの膜タンパク質、すなわちCYR61(システインリッチ61/CCN1)、CTGF(結合組織成長因子/CCN2)およびNOV(過剰発現腎芽細胞腫/CCN3)が記載されているので)として知られるECM調節タンパク質のクラスがある。これらのタンパク質は、細胞接着、遊走、アポトーシス、生存および遺伝子発現を含む種々の細胞機能を調節する。TGF-βは、TGF-βと共因子として相乗的に作用し、周皮細胞活性化、線維症に必須であると思われる過程に関与していると思われるCCN2発現を強力に上方制御する(Leask同上)。CCN2は、肺組織を含む線維性組織で過剰発現され、全身性硬化症(強皮症)の患者の血漿中にも見られる。また、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の使用を通したCCN2発現のノックダウンは、化学誘発性肝線維症、尿管閉塞誘発性腎線維症、皮膚創傷における線維性瘢痕、および部分的腎摘出後の腎臓間質性線維化を減少させた(JunおよびLau(2013)Nat Rev Drug Discov.10(12):945~963)。その線維化促進性の役割に加えて、CCN2はがん、特に転移において重要であり得る。これは血管新生を誘導することによって腫瘍増殖を促進する可能性があり、乳がん細胞中の高レベルのCCN2は骨転移能のマーカーである(JunおよびLau、同上)。モノクローナル抗体または抑制性RNAなどのCCN2調節化合物の使用を通して、線維症、がん、心血管疾患および網膜症の種々のモデルでCCN2発現をノックダウンする実験モデルが、いくつかのこれらの疾患の臨床的進行の影響を示している。(JunおよびLau同上)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、CCN2の標的化分解によってCCN2の発現を減少させることによって、線維症、がん、血管疾患および網膜症を予防または治療することができる。
他の実施形態では、1つまたは複数の標的が自己免疫疾患に関与している。クラスとしての自己免疫疾患は一般的であり、米国だけで2300万人超が罹患している。多くの様々なレベルの重症度および予後を有するいくつかの異なる種類が存在する。一般に、これらは自分自身の体に対する免疫応答をもたらす種々の自己抗原に対する自己抗体の産生を特徴とする。腸の自己免疫疾患は、潰瘍性大腸炎および炎症性/過敏性腸疾患(例えば、クローン病)などの状態を引き起こし得る。細胞表面糖タンパク質細胞間接着分子1(ICAM-1)は内皮細胞上で発現され、炎症状態で上方制御され、組織への移動中に白血球に対する結合タンパク質として働く。特定のICAM-1対立遺伝子が、クローン病(例えば、K469E対立遺伝子、エキソン6)または潰瘍性大腸炎(例えば、G241R、エキソン4)と関連していることが分かっており、これらの疾患に見られる慢性炎症誘発に優先的に関与し得る(Braunら(2001)Clin Immunol.101(3):357~60)。血管疾患および糖尿病疾患のマウスモデルにおけるICAMのノックアウトが、この治療アプローチの有用性を実証している(それぞれ、Bourdillonら(2000)Ather Throm Vasc Bio 20:2630およびOkadaら(2003)Diabetes 52:2586参照)。したがって、本発明の方法および組成物を、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、ICAMの標的化分解によって、炎症性疾患におけるICAM発現を一般的に減少させるために使用することができる。
自己免疫疾患として最近認識されている別の一般的な疾患は糖尿病である。グルカゴン、膵島のα細胞によって放出されるペプチドホルモンは、肝臓のグルコース産生を調節することにおいて重要な役割を果たし、顕著な高血糖性効果を有する。さらに、グルカゴンは、糖新生に必要な複数の酵素、特に、糖新生における律速段階であるピルビン酸をホスホエノールピルビン酸に変換するための酵素系を活性化する。以下の所見に基づいて、高グルカゴン血症が糖尿病の発病の原因因子であることが提案されている:1)動物からヒト研究までの糖尿病性高血糖は、相対的または絶対的高グルカゴン血症を一貫して伴う;2)ソマトスタチンの注入は、内因性グルカゴン放出を阻害し、これが今度はアロキサンまたはジアゾキシドによって誘発された糖尿病のイヌの血糖値を低下させる;および3)慢性グルカゴン注入は、ヒトで肝インスリン抵抗性をもたらす(Liangら(2004)Diabetes 53(2):410参照)。グルカゴン受容体(GCGR遺伝子によってコードされる)は主に肝臓で発現され、グルカゴン受容体を標的化するアンチセンスRNAで糖尿病(db/db)マウスを処置すると、血清グルコースレベル、トリグリセリドおよび脂肪酸が対照と比較して有意に減少する(Liangら、同上)。同様に、グルココルチコイド(GC)は、肝臓糖新生を増加させ、肝臓グルコース排出の調節において重要な役割を果たす。db/dbマウスにおいて、標的化アンチセンスRNAの使用を通したグルココルチコイド受容体(GCCR)発現の減少は、摂食時および絶食時グルコースレベルの約40%の低下および血漿トリグリセリドの約50%の減少を引き起こした(Wattsら(2005)Diabetes 54(6):1846参照)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によってグルカゴン受容体および/またはグルココルチコイド受容体の発現を減少させることによって、グルカゴン受容体および/またはグルココルチコイド受容体の標的化を通して糖尿病を予防または治療することができる。
2型インスリン抵抗性糖尿病における別の潜在的な標的は、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP-1B)である。インスリン抵抗性は、グルコース取り込みおよび組織内での利用に関して、細胞がインスリンに反応する能力の低下として定義される。インスリンシグナル伝達を調節する最も重要なホスファターゼの1つは、直接的脱リン酸化によってインスリン受容体およびインスリン受容体基質1を阻害するPTP-1Bである。PTP-1B-/-(両対立遺伝子で突然変異している)であるマウスは、インスリンに対して過敏であり、高脂肪食での体重増加に対して抵抗性である(Fernandez-Ruizら(2014)PLoS One 9(2):e90344参照)。したがって、この標的は糖尿病治療と肥満の両方に有用となり得る。この酵素に特異的な阻害性小分子を開発することは高度に保存された活性部位ポケットのために問題があるが、PTP-1Bに向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドは肝臓および脂肪組織でPTP-1B mRNA発現を約50%減少させ、高血糖の、インスリン抵抗性のob/obマウスおよびdb/dbマウスでグルコース低下効果をもたらすことが示された、非ヒト霊長類で繰り返された実験(Swarbrickら、(2009)Endocrin 150:1670参照)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、PTP-1Bの標的化分解によって、PTP-1Bを標的化し、インスリン感受性を高めることができる。
糖尿病型インスリン抵抗性糖尿病を発症する高い危険因子は肥満である。世界中で、10億人超の人々が過体重(肥満度指数(BMI)≧25kg/m2)であると推定されており、これらのうち3億人超が肥満(BMI≧30kg/m2)であると考えられ、肥満が今日の公衆衛生に対する最大の脅威の1つであることを意味している(LagerrosおよびRossner(2013)Ther Adv Gastroenterol 6(1):77)。肥満は、インスリン抵抗性II型糖尿病、脂質異常症、高血圧および心血管疾患などの併存症と大いに関連している。肥満の治療は、典型的には食事および運動の修正から始まるが、多くの場合カロリー消費量の減少、身体によるエネルギー消費量の平行的な交絡した減少が観察される(Yuら、(2013)PLoS One 8(7):e66923)。線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)は、マウス肥満モデルにおいて抗肥満効果を有することが示されている。FGFR4は主に肝臓で発現され、それとそのリガンドFGF19(ヒトにおいて)は胆汁酸代謝を調節する。FGFR4/FGF19はコレステロール7α-ヒドロキシラーゼの発現およびその活性を調節する。さらに、FGFR4およびFGF19は脂質、炭水化物またはエネルギー代謝に関与しているようである。肝FGFR4発現は絶食によって減少し、インスリンによって増加する。FGFR4ヌルマウスはまた、様々な栄養状態に応じて、野生型マウスと比較した脂質プロファイルの変化を示す。肥満マウスをFGF19で処置すると、代謝率が上昇し、脂肪症、脂肪肝、インスリン感受性および血漿脂質レベルが改善され、またグリコーゲン合成を増加させながら肝臓の脂肪酸合成および糖新生が阻害された。肥満マウスにおけるFGFR4のアンチセンス減少はまた、明白な毒性なしに、体重および脂肪症の減少、インスリン感受性および脂肪肝の改善、ならびに血漿FGF15(FGF19のマウス等価物)レベル上昇をもたらす(Yuら、同上)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的分解によってFGFR4の発現を減少させることによって、肥満を治療することができる。
多発性硬化症(MS)は、炎症、脱髄および軸索破壊を特徴とする、中枢神経系の慢性の、身体障害性の自己免疫疾患である。再発性MS(患者の85~95%に発生する)に伴う再燃は、活性化リンパ球の脳内への侵入に関連すると考えられている。現在利用可能な治療法は、再発率を約30%しか抑制できない。炎症反応は血管系の内皮上の血管接着分子-1(VCAM-1)の発現を誘導し、リンパ球のVCAM-1への接着は、活性化細胞が脳へ通過することを可能にする必要な工程である。リンパ球によるVCAM-1接着は、活性化リンパ球の表面上の最晩期抗原-4(VLA-4、α4β1インテグリンとしても知られる)の結合によって媒介される(Wolfら(2013)PLos One 8(3):e58438)。この相互作用の破壊が、抗VLA-4特異的抗体および小分子アンタゴニストの治療的使用の背後にある考えであった(Wolfら、同上)。したがって、本発明の材料および方法を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によってVCAM-1またはVLA-4発現を標的化することができる。
目的の別の疾患は、クッシング病/症候群(CS)である。この疾患では、患者が、副腎による発現増加のためにグルココルチコイドの血清レベルが上昇している。CSは、発生率が年間1.8~2.4人患者/百万の珍しい状態である。内因性CSの最も一般的な原因はACTH産生下垂体腺腫であり、CS患者の約70%に見られる。コルチゾール産生副腎腺腫および異所性ACTH産生腫瘍はあまり一般的ではなく、それぞれ症例の約10~15%を占める。下垂体由来CS患者に対する第一選択治療は、経蝶形骨洞下垂体手術(TSS)およびコルチゾール産生副腎腺腫に対する片側副腎摘出術である。片側副腎摘出術はコルチゾール産生副腎腺腫のほぼ全ての患者で治癒的であり、永久的な副腎機能不全はまれである。逆に、下垂体機能低下はTSS後に一般的であり、13~81%の範囲である(RagnarssonおよびJohannsson(2013)Eur J Endocrin 169:139参照)。しかしながら、一部の患者では、外科的切除が成功せず、したがって薬理学的治療が必要とされる。1つのアプローチは、例えば、ミフェプリストン(RU486としても知られる)、GCCRアンタゴニストを使用して、グルココルチコイド受容体(GCCR)を標的化することによって高コルチゾール血症の活性を阻害することである(JohanssenおよびAllolio(2007)Eur J Endocrin 157:561参照)。しかしながら、RU 486は他にもいくつかの活性がある(最も注目に値するのは、妊娠中の患者における中絶の誘発である)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって発現を減少させることによってGCCRを標的化することができる。
トランスサイレチンアミロイドーシス(TTRA)は、誤って折り畳まれ凝集したタンパク質(アミロイド)に関連すると疑われるいくつかの変性疾患のうちの1つである。トランスサイレチン(TTR)は、ホロレチナール結合タンパク質を輸送するのに役立つ、肝臓で産生され、血流に分泌される四量体である。しかしながら、立体配座が変化すると、これはアミロイド形成的になる。部分的アンフォールディングは、最終的にクロスβシートアミロイド構造の前に、大部分が非構造化球形凝集体に効率的に誤って組み立てられる拡張立体配座の疎水性残基のストレッチを露出させる(Johnsonら、(2012)J Mol Biol 421(2-3):183参照)。TTRAは、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)および家族性アミロイド心筋症(FAC)を含む散発性と常染色体優性遺伝型の両方の患者に発生し得る。これらの遺伝型は通常、より早期に発症し、TTR遺伝子で記載されている100を超える点突然変異に関連している。一般的に、突然変異がより不安定なタンパク質であるほど、それはいくらかの量のアミロイド病理を持っている可能性が高い。形成されたアミロイドは、FACでは心臓組織またはFAPでは末梢神経および中枢神経組織の選択的破壊を引き起こす。抑制性RNA戦略などの、これらの疾患を治療するためのいくつかの新しい治療戦略は、TTRの量を減少させてタンパク質の凝集能を低下させようとすることに重点を置いている(Johnsonら、同上)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって、一般にTTRタンパク質の病理学的形態の量を減少させるおよび/またはTTR濃度を低下させる目的でTTRを標的化することができる。
筋疾患も本発明の方法を使用してアプローチすることができる。脊髄性筋萎縮症は、「運動神経細胞生存」(SMN)タンパク質をコードするSMN1遺伝子の突然変異によって引き起こされる常染色体劣性疾患であり、一般的な筋消耗および運動障害を特徴とする。SMNタンパク質は、スプライソソーム機構の構成要素の組み立てに関与しており、SMN1遺伝子のいくつかの欠損は、成熟mRNAのエキソン7を特異的に排除させるスプライシング欠陥と関連している。これらの欠損は、脊髄運動ニューロンにおいて特に一般的であり、脊髄性筋萎縮症を引き起こし得る。SMN1欠損の重症度は、SMN2として知られるSMN1のパラログによって修正することができる。SMN2遺伝子配列は、エキソン7および8におけるわずかな一塩基多型ならびにイントロン配列におけるいくつかの他のものにおいてのみSMN1と異なる。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって、一般にSMN1タンパク質の病理学的形態の量を減少させるおよび/またはSMN1濃度を低下させる目的でSMN1を標的化することができる。
成長ホルモン(GH)分泌の調節不全は、約40歳で初めて明らかになる、先端巨大症、不均衡性骨格、組織および器官成長障害として知られている状態につながり得る(RobertsおよびKatznelson(2006)US Endocrine Disease:71)。これは、年間およそ5症例/百万人の発生率で起こり、診断は、GH分泌の調節不全およびIGF1レベル上昇の決定を必要とする。経口グルコース負荷後2時間の間にGH分泌を抑制できないことが、先端巨大症の診断に一般的に使用されている。GH分泌の正常な調節は下垂体によって行われる。視床下部GH放出ホルモン(GHRH)、グレリンおよびソマトスタチンは、下垂体前葉成長ホルモン分泌細胞によるGH産生を調節する。GH受容体またはGHRをコードする遺伝子は広く発現されており、GH分子がGHR二量体と相互作用すると、シグナルがJAK2依存性および非依存性の細胞内シグナル伝達経路を介して進む(Melmed(2009)J Clin Invest 119(11):3189参照)。循環GHはインスリン様成長因子-1(IGF-1)の肝分泌を刺激する。先端巨大症は、良性下垂体腫瘍がGH分泌の増加、ひいてはIGF-1分泌の増加を引き起こすと起こる。先端巨大症に結びついている1つのGHR突然変異は、タンパク質の22個のアミノ酸の欠失を引き起こすエキソン3のインフレーム欠失を有する。d3-GHRとして知られるこの突然変異受容体は、GH応答性の増強をもたらす。現在の治療法は、しばしば下垂体腫瘍の外科的切除を通した、GHおよびIGF-1レベルの正常化に焦点を当てている。IGF-1の分泌はGHによって誘導されるので、GHRの標的化は本発明の方法および組成物にとって魅力的な標的である。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって発現を減少させることによってGHRを標的化することができる。
筋消耗に関連する別の疾患は筋緊張性ジストロフィーであり、これは筋消耗、白内障、心臓伝導障害、内分泌変化、多臓器損傷および筋強直症(自発収縮後の長期筋収縮)を特徴とする慢性疾患である。筋緊張性ジストロフィーは、100,000人当たり約13人の発生率で起こり、疾患には、1型筋緊張性ジストロフィー(Steinert病、MMD1またはDM1とも呼ばれ、最も一般的である)および2型筋緊張性ジストロフィー(MMD2またはDM2)の2種類の型が存在する。共に、2つの遺伝子(1型についてはDMPK遺伝子(筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼをコードする)のCTG、および2型についてはZNF9遺伝子(細胞核酸結合タンパク質をコードする)のCCTG)の3’非コード領域の異常な伸長によって引き起こされる遺伝性常染色体優性疾患であり、DM1が成人の筋ジストロフィーの最も一般的な形態である。これらの突然変異は、RNA封入体または病巣における突然変異転写産物の有毒な核内蓄積をもたらす(Caillet-Boudinら、(2014)Front.Mol.Neurosci doi:10.3389参照)。1型患者は、50超のCTGコピー数を有し、無症候性から重症に及ぶ様々な表現型を有する。DM1筋芽細胞の増殖速度に影響を及ぼさないが、それらの分化を回復させるインビトロでの変異DMPK転写産物の特異的破壊を引き起こすためにアンチセンスRNA技術が使用されてきた(Furlingら、(2003)Gene Therapy 10:795)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって、筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼまたは細胞核酸結合タンパク質を標的化することができる。
慢性疼痛は、重大な関連罹患率および個人の生活の質への影響を有する、その生涯のある時点で8000万人のアメリカ人が罹患している主な健康問題である。慢性疼痛は、がん、感染性疾患、自己免疫関連症候群および外科手術を含む種々の炎症性および神経損傷事象から生じ得る。電位開口型ナトリウムチャネル(VGSC)はニューロンの興奮性を調節するのに基本的であり、これらのチャネルの過剰発現は慢性疼痛を支える異常な自然発火パターンを生じ得る。神経系には少なくとも9つの異なるVGSCサブタイプがあり、各サブタイプをテトロドトキシン感受性またはテトロドトキシン耐性のいずれかとして機能的に分類することができる。Nav1.3、Nav1.7、Nav1.8およびNav1.9を含む神経ナトリウムチャネルサブタイプは、侵害受容情報の処理に関与している。VGSC Nav1.8は一次求心性ニューロンに制限された分布を有するテトロドトキシン耐性ナトリウムチャネルであり、Nav1.8含有求心路の大部分は侵害受容シグナルを脊髄の疼痛処理領域に伝達する。炎症または神経損傷後のNav1.8(PN3によってコードされる)の発現、輸送および再分布の変化が、求心性神経の感作および疼痛の発生に大きく寄与していると考えられている(SchuelertおよびMcDougall(2012)Arthritis Res Ther 14:R5参照)。骨関節炎のげっ歯類モデルは、脊髄のシナプス結合を伴う、末梢神経上のNav1.8チャンネルの阻害が侵害受容感覚処理の有望な治療法であり、より顕著でより長持ちする鎮痛を達成するために有用となり得ることを実証した。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって、NAV1.8の局所的発現を減少させることによって慢性疼痛を治療することができる。
がんもまた本明細書に記載されるように標的化され得る。がんは、細胞増殖調節の欠如によって結び付けられるいくつかの特定の疾患を説明するために使用される一般的な用語である。無数の異なる細胞型を含む非常に多くの形態があるので、がんに関与する多数の特定の遺伝子標的もある。例えば、CLU遺伝子によってコードされるクラステリンタンパク質(アポリポタンパク質Jとしても知られる)は、一次ポリペプチドCLU遺伝子産物の2本鎖へのタンパク質分解的切断後に集合したヘテロ二量体タンパク質である。近年、分泌高度グリコシル化型(sCLU)と核型(nCLU)の2つの型のクラステリンが存在することが分かっており、nCLUは、最初に細胞質で見られる前核型(pnCLU)として合成される。2つのCLU型の違いは、CLUメッセージの選択的スプライシングとメッセージ翻訳中の開始ATGの選択に関係している。sCLUの翻訳は全長CLU mRNA中の最初のAUGを利用したが、pnCLUの翻訳は全長mRNAからの転写されたリーダー部分およびエキソン1のスプライス依存的除去に続く第2のインフレームAUGから開始される。sCLU型は細胞生存を促進するように思われるが、nCLU型はアポトーシスに関連している。sCLU型のタンパク質の過剰発現は、前立腺、皮膚、膵臓、乳房、肺および結腸の腫瘍、ならびに食道扁平上皮癌および神経芽細胞腫を含む多くの腫瘍型で見出されている。さらに、いくつかのがん型が高悪性度型および転移型に進行すると、sCLUレベルが上昇する(Shannanら(2006)Cell Death Dif 13:12)。標準治療と組み合わせてsCLU発現サイレンシングを引き起こすように設計された特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の使用が、乳がんおよび前立腺がんの第I相試験で行われており、ASOと標準治療薬の両方を受けた患者においてのみアポトーシスの増加が観察されている(Shannan同上)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、標的化分解によって、sCLU発現の増加を特徴とするがんを治療することができる。
発癌性の役割があると思われる別のタンパク質は、真核細胞翻訳開始因子4E(eIF-4E)である。eIF3-4Eは真核mRNAのM7GpppNキャップ(Nは任意のヌクレオチド)に結合し、eIF-4F複合体形成の律速メンバーである。eIF-4Eは通常、eIF-4F複合体のeIF-4Gと複合体を形成し、正常な生理学的条件下では、eIF-4Eの利用可能性が、eIF-4GからeIF-4Eを隔離するよう作用する4E-BPとして知られる阻害タンパク質のファミリーの結合によって負に調節される。eIF-4Eは通常低レベルで発現されるため、mRNAは翻訳されるために利用可能なeIF-4Eについて競合する。短い、構造化されていない5’UTRを有するmRNAが、eIF-4F複合体に見られる巻き戻し活性への依存性が低いため、翻訳に関してより競合的であると考えられる。そのため、高度に構造的なmRNAは、翻訳のためにeIF-4E結合により依存しているので、eIF3-4Eが過剰発現されると、これらのmRNAがより容易に翻訳される。サイクリンD1、VEGF、c-myc、FGF2、ヘパラナーゼ、ODCおよびMMP9などの増殖促進遺伝子産物は、これらの複雑な5’UTRを有する(Mamaneら、(2004)Oncogene 23:3172、Fischer(2009)Cell Cycle 8(16):2535)。さらに、eIF-4Eは、核膜孔複合体の修飾において役割を果たし、これらの同じmRNAの細胞質への移行を増加させ得る(Culjikovic-Kraljacicら(2012)Cell Reports 2 207頁)。eIF-4Eは発癌性細胞の形質転換に関与しており、急性骨髄性白血病、結腸がん、乳がん、膀胱がん、肺がん、前立腺がん、消化管がん、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫および神経芽細胞腫を含むいくつかのがん型で過剰発現しており、レベル上昇は疾患悪性度増加に関連する。eIF-4Eの標的化は、4E-BPおよびそれに由来するペプチドの過剰発現、eIF-4E:eIFG相互作用を防止するための小分子阻害剤の開発、およびeIF-4Eに特異的なアンチセンスオリゴ(ASO)を含むいくつかの異なるアプローチによって試みられている(Jiaら、(2012)Med Res Rev 00、第00号:1~29)。ASO投与は、インビトロでの腫瘍細胞における、およびインビボでのマウスモデルの異種移植片腫瘍におけるeIF-4E発現のノックダウンを実証した。eIF-4Eの発現レベルが、化学療法剤に対する化学感受性を高め、がん細胞アポトーシスを増加させ、腫瘍増殖を抑制しながら、全体的なタンパク質翻訳の減少および明白な毒性なしにこれらのマウスモデルで80%低下した(Jia同上)。したがって、本発明の方法および組成物を種々のがんの治療または予防に使用することができる。eIF-4Fの発現を、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、分解によって調節することができる。
その受容体VEGFRを介して作用する血管内皮受容体(VEGF)は、正常な発達において、またがんにおける病理学的血管新生の発達においても役割を果たす。ヒトでは、5つの異なるVEGFファミリーメンバーが存在する:VEGF-A(VEGFとしても知られる);胎盤増殖因子(PIGF)、VEGF-B、VEGF-CおよびVEGF-D。VEGF-Aはまた、3つの一般的なサブタイプ:VEGF-121、VEGF-165およびVEGF-189を有する。種々のVEGFは血管新生で異なる役割を果たし、VEGF-Aは主に正常な血管新生ならびにまた腫瘍増殖および転移に関与し、VEGF-CおよびVEGF-Dは正常なリンパ管新生および悪性リンパ節転移に関与する。さらに、VEGF-Aサブタイプはまたホルモン応答性腫瘍において特異的な増殖促進活性を有し得る。この知見に基づいて、VEGF-VEGFR相互作用を直接または相互作用によって活性化されるシグナル伝達経路を抑制するいくつかの抗体および小分子キナーゼ阻害剤。しかしながら、これらの治療薬はしばしば顕著で潜在的に厄介な副作用プロファイルを有するので、特異性を高めた阻害剤を開発するための活発な研究が行われている(Shibuya、(2014)Biomol Ther 11(1):1~9)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、分解によって、特定のVEGFタンパク質を標的化することによって、対象のがんを予防または治療することができる。
いくつかのがんで役割を果たす別のタンパク質は、KIF11遺伝子によってコードされるキネシンスピンドルタンパク質(KSP)である。現在使用されている最も成功している抗がん療法は微小管を標的としており、これらの薬剤は乳がん、肺がん、卵巣がん、膀胱がんおよび頭頸部がんの治療に使用されている。微小管は有糸分裂紡錘体の一部であり、したがってそれらを標的とすることは急速に分裂しているがん細胞を阻害することに成功しているが、微小管は細胞骨格の一部でもあるので、これらの薬剤による治療はまた重篤な副作用と関連する。キネシン、特にキネシンスピンドルタンパク質は、紡錘体繊維に結合し、細胞分裂における染色体分離中に紡錘体繊維を引き離すように働くモータータンパク質である。したがって、KSP特異的抗有糸分裂剤を使用してKSPを標的化することは、分裂細胞のみを標的化し、副作用がより少なくなり得る。KSPを枯渇させる薬剤は、有糸分裂において細胞周期停止を選択的に導き、長期間後にアポトーシスを導く。KSPは分裂組織にも豊富であり、乳房、結腸、肺、卵巣および子宮の腫瘍において高度に発現される(SarliおよびGiannis、(2008)Clin Cancer Res 14:7583)。さらに、肝臓併発を有するがん患者で、KSPおよびVEGFを同時に標的化するRNA干渉を使用した臨床試験が進行中である(Taberneroら、(2013)Cancer Discovery 3:406)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、キネシンスピンドルタンパク質(KSP)の標的化分解によって、がんを治療または予防することができる。
熱ショックタンパク質27(HSP27、熱ショックタンパク質β-1またはHSPB1としても知られる)は、がんに関与している別のタンパク質である。HSPB1遺伝子によってコードされるHSP27は、損傷タンパク質の適切なリフォールディングを容易にする小型シャペロニンとして熱ショックに応答して最初に特徴付けられた熱ショックタンパク質である。しかしながら、進行中の研究によって、これが酸化ストレスおよび化学的ストレスなどの細胞ストレス条件への応答にも関与し、抗アポトーシス活性を有するように思われ、熱ショックおよび他のストレス条件の間にアクチン細胞骨格動態を調節することができることが明らかになった(Vidyasagarら(2012)Fibrogen Tis Rep 5(7))。さらに、研究によって、HSP27が血管新生乳がん細胞で上方制御され、インビボでのHSP27の抑制が長期の腫瘍休眠をもたらすことが明らかにされているので、HSP27の抑制はがんの長期休眠において役割を果たす可能性がある(Straumeら(2012)Proc Natl Acad Sci USA 109(22):8699~8704)。腫瘍細胞における熱ショックタンパク質の発現増加は、p53機能の喪失およびc-mycなどの癌原遺伝子の上方制御に関連している。HSP27の抗アポトーシス活性は腫瘍細胞を保護し、乳がんおよび白血病で化学療法耐性に関連することも示されている(Vidysagar、同上)。したがって、HSP27はがん療法のための適切な標的であり得、タンパク質の阻害剤をそれらの活性を増強するための公知の化学療法と組み合わせて使用することができる。HSP27阻害剤ケルセチンは、薬剤単独と比較して、伝統的な化学療法剤と組み合わせると、インビボで腫瘍量を有意に減少させることが示されている。さらに、HSP27抑制性ASOは、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび膵臓がんにおける臨床試験で現在評価されている(Vidyasagar、同上)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、HSP27の標的化分解を通してHSP27発現を阻害することによってがんを治療することができる。
いくつかのキナーゼは、それらがしばしば細胞増殖の重要な調節因子であるので、抗がん療法の研究の標的となってきた。しかしながら、シグナル伝達経路の下流では、変異キナーゼの効果が、STAT3遺伝子によってコードされるシグナル伝達兼転写活性化因子3タンパク質、すなわちStat3の上方制御でしばしば見られる。さらに、B型肝炎とC型肝炎の両方がStat3を活性化し、共に肝がんの発症と関連しているようである。したがって、HepBおよびHepCウイルスはStat3シグナル伝達経路を破壊し、肝細胞形質転換を促進すると考えられる(Liら、(2006)Clin Cancer Res 12(23):7140)。
RASタンパク質は、細胞分化、増殖および生存において役割を果たすタンパク質のファミリーである。異常なRASシグナル伝達が全がんのおよそ30%において役割を果たすことが分かっているので、RASタンパク質ファミリーの種々のメンバーが、がんに関与しているとされている。KRASタンパク質(V-Ki-ras2 Kirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログとしても知られる)は、正常組織シグナル伝達において必須の機能を果たすGTPaseである。KRAS遺伝子における頻繁な点突然変異はタンパク質を構成的に活性にするので、KRASは魅力的ながん標的である。したがって、KRASはがん療法のための適切な標的であり得、KRASタンパク質の機能を標的化する小分子が、それらの活性を増強するための公知の化学療法との組み合わせを含む治療上の利点のために使用され得る。一実施形態では、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、KRASの標的化分解を通してKRAS発現を調節することによってがんを治療することができる。
全ての種々のStatタンパク質が、サイトカインおよび成長因子受容体からのシグナル伝達を主に媒介する転写因子である。例えば、IL6およびIL11は、それらのそれぞれの受容体サブユニットに結合し、Stat3活性化を誘引する膜貫通受容体であるgp130のホモ二量体化を誘引する。成長因子受容体のリン酸化を介した活性化の後、Stat3タンパク質は二量体化して核内へ通過し、配列特異的にDNAに結合し、細胞増殖に関与する多くの遺伝子を上方制御する。種々の型の腫瘍細胞がしばしばStat3の過剰発現をもたらすキナーゼ突然変異を有するので、Stat3発現の減少は、それぞれの特定の変異キナーゼに関係なく、複数の起源のがんにおいて有益となる可能性がある(Jarnickiら(2010)Cell Div 5:14)。Stat3はいくつかの機序で悪性腫瘍に寄与している。これは、生存促進性/抗アポトーシス性Bcl2タンパク質を上方制御することによってアポトーシスを阻害し、主にサイクリンB1、cdc2、c-myc、VEGF、H1F1αおよびサイクリンD1の発現を刺激することによって、ならびに細胞周期阻害剤p21の抑制を通して増殖を促進する。Stat3はまた、MMP-2およびMMP-9を含む細胞外マトリックス分解メタロプロテイナーゼの誘導を通して腫瘍転移を促進する。正常な生理学的状態では、Stat3機能は転写阻害剤Socs3によって阻害され、これは通常、細胞内の成長バランスを維持するためにStat3によって誘導される。しかしながら、悪性細胞では、Stat3過剰発現がSocs3阻害を克服することができる。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、Stat3の標的化分解によって、Stat3機能を阻害し、がんを予防または治療することができる。
前立腺がん(PCa)は、アンドロゲン依存性疾患であり、米国における主な死亡原因の1つであり、男性におけるがんによる主な死亡原因である。前立腺がん症例の最大42%に遺伝的関連があることを示唆するいくつかの研究が行われているが(MazarisおよびTsiotras(2013)Nephro Urol Mon 5(3):792~800)、いくつかの遺伝様式の型が観察されており(例えば、X連鎖、常染色体優性、常染色体劣性)、PCaの遺伝につながる唯一の遺伝子も遺伝子突然変異も存在しないことを示唆している。このがんは、成長および進行に対するアンドロゲン受容体の活性に依存している(Mahmoudら(2013)PLoS One 8(10):e78479)。典型的には、PCaは、かなり保存的なアプローチを使用して治療することができる進行が遅い疾患であり得るが、症例の約25~30%で、がんが患者の死をもたらす侵攻性のものであり得る。転移性疾患の場合、患者の70~80%が最初にアンドロゲン除去療法に反応するが、後期では、腫瘍がホルモン抵抗性になり、より侵攻性になり、予後が悪化する(MazarisおよびTsiotras同上)。ホルモン抵抗性PCaは循環アンドロゲンに依存せず、むしろAR増幅、成長因子の調節解除およびAR補助因子の同時増幅のような機序を通したアンドロゲン受容体(AR、AR遺伝子によってコードされる)の不適切な活性化によって駆動される。さらに、ARリガンド結合ドメインの突然変異は、ARを非常に低い循環アンドロゲンレベルに対して過敏性にする、またはエストロゲン、プロゲスチン、アドレニルステロイドおよび抗アンドロゲンなどのリガンドの拡張セットに対して感受性にすることができる。ARリガンド結合ドメインでこれらの種類の突然変異を受けた腫瘍細胞は、ARの活性に対するがんの依存にもかかわらず、もはや抗アンドロゲン療法に対して感受性ではなくなり得る。通常、ARは細胞質に存在し、その活性化を防ぐために熱ショックタンパク質が結合している。アンドロゲンに曝されると、受容体が二量体化して細胞核内に移動し、いくつかの成長関連遺伝子の発現を促進することができる。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、本明細書に記載されるdTAG挿入戦略を使用して、アンドロゲン受容体の分解を標的化することによって全ての段階でPCaを治療することができる。
C.dTAGのゲノムインフレーム挿入
上記のように、本発明の方法は、目的の内因性タンパク質を発現する遺伝子とインフレームでdTAGをゲノム挿入することに基づく。本明細書で企図されるように、dTAGをコードする核酸配列の5’または3’インフレーム挿入は、得られた核酸配列の発現時に、特異的ヘテロ二官能性化合物の投与による分解の標的となり得る内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質を生じる。
dTAGをコードする核酸配列のインフレーム挿入は、任意の公知の有効なゲノム編集プロセスによって実施または達成することができる。一態様では、本発明はCRISPR-Cas9システムを利用して、内因性遺伝子座から産生され、リガンド依存性、可逆性、および用量反応性の様式で容易に分解されるノックイン内因性タンパク質-dTAG融合タンパク質を産生する。一定の実施形態では、CRISPR-Cas内核形成(endonucleation)後の相同組換え中に目的のタンパク質のゲノム遺伝子座に挿入される「ドナー」配列として働くdTAG核酸配列と共に、相同組換え(HR)ドナー配列中に存在するdTAGのための発現カセットを挿入するために、CRISPR-Cas9システムが使用される。HR標的化ベクターは、目的の標的化遺伝子座を囲むゲノムDNAに相同な発現カセットの5’末端および3’末端に相同アームを含む。目的の標的遺伝子とインフレームでdTAGをコードする核酸配列を融合することによって、得られる融合タンパク質は、ヘテロ二官能性化合物によって標的化されるdTAGを含む。
本発明は、目的の標的遺伝子とインフレームでの外因性dTAG配列(「ドナー配列」または「ドナー」または「導入遺伝子」とも呼ばれる)の挿入を提供し、得られた融合タンパク質は、ヘテロ二官能性化合物によって標的化されるdTAGを含む。ドナー配列はそれが配置されているゲノム配列と同一である必要はないことが容易に明らかであろう。ドナー配列は、目的の位置での効率的なHRを可能にするために2つの相同性領域が隣接した非相同配列を含むことができる。さらに、ドナー配列は、細胞クロマチン中の目的の領域に相同ではない配列を含むベクター分子を含むことができる。ドナー分子は、細胞クロマチンと相同性のあるいくつかの不連続領域を含むことができる。例えば、通常は目的の領域に存在しない配列、例えば本発明のdTAGの標的化挿入のために、前記配列がドナー核酸分子中に存在し、目的の領域の配列と相同性の領域が隣接することができる。あるいは、ドナー分子が、非相同末端結合(NHEJ)機序を介して切断された標的遺伝子座に組み込まれてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0207221号明細書および米国特許出願公開第2013/0326645号明細書を参照されたい。
挿入するためのドナーdTAGコード配列は、一本鎖および/または二本鎖のDNAまたはRNAであり得、線状または環状形態で細胞に導入され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0047805号明細書、米国特許出願公開第2011/0281361号明細書および同第2011/0207221号明細書を参照されたい。ドナー配列は、環状または線状形態で細胞に導入され得る。線状形態で導入される場合、ドナー配列の末端を、当業者に公知の方法によって(例えば、エキソヌクレアーゼ分解から)保護することができる。例えば、1個または複数のジデオキシヌクレオチド残基を線状分子の3’末端に付加する、および/または自己相補的オリゴヌクレオチドを一方もしくは両方の末端に連結する。例えば、Changら Proc.Natl.Acad.Sci.84、(1987):4959~4963およびNehlsら Science、272、(1996):886~889を参照されたい。外因性ポリヌクレオチドを分解から保護するためのさらなる方法には、それだけに限らないが、1個または複数の末端アミノ基の付加および修飾ヌクレオチド間結合、例えばホスホロチオエート、ホスホロアミデートおよびO-メチルリボースまたはデオキシリボース残基の使用が含まれる。
dTAGをコードするドナーポリヌクレオチドは、例えばCRISPR-Cas配列、複製起点、プロモーターおよび抗生物質耐性をコードする遺伝子などの追加の配列を有するベクター分子の一部として細胞に導入することができる。さらに、ドナーポリヌクレオチドは、裸の核酸として、リポソームもしくはポロキサマーなどの薬剤と複合体化した核酸として導入することができる、またはウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、レンチウイルスおよびインテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV))によって送達することができる。
本発明は、よく特徴付けられている挿入戦略、例えばCRISPR-Cas9システムを利用する。一般に、「CRISPRシステム」は、Cas遺伝子をコードする配列、tracr(トランス活性化CRISPR)配列(例えば、tracrRNAまたは活性部分tracrRNA)、tracrメイト配列(内因性CRISPRシステムの文脈で「直接反復」およびtracrRNAプロセシング部分直接反復を包含する)、ガイド配列(内因性CRISPRシステムの文脈で「スペーサー」とも呼ばれる)ならびに/あるいはCRISPR遺伝子座からの他の配列および転写産物を含む、CRISPR関連(「Cas」)遺伝子の発現またはその活性の指示に関与する転写産物および他のエレメントを総称する。(例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Ruan,J.ら「“Highly efficient CRISPR/Cas9-mediated transgene knockin at the H11 locus in pigs.」 Sci.Rep.5、(2015):14253;およびPark A、Won ST、Pentecost M、Bartkowski WおよびLee B「CRISPR/Cas9 Allows Efficient and Complete Knock-In of a Destabilization Domain-Tagged Essential Protein in a Human Cell Line,Allowing Rapid Knockdown of Protein Function.」 PLoS ONE 9(4)、(2014):e95101参照)。
Casヌクレアーゼは周知の分子である。例えば、Cas-9ヌクレアーゼ遺伝子によってコードされるタンパク質配列は、受託番号Q99ZW2-(配列番号52)でSwissProtデータベースに見いだすことができる:
MDKKYSIGLDIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD。
いくつかの実施形態では、CRISPR/CasヌクレアーゼまたはCRISPR/Casヌクレアーゼ系が、DNAに配列特異的に結合する非コードRNA分子(ガイド)RNA、およびヌクレアーゼ機能性(例えば、2つのヌクレアーゼドメイン)を有するCasタンパク質(例えば、Cas9)を含む。目的のタンパク質のゲノム遺伝子座へのインフレーム挿入のためのdTAGをコードするドナーヌクレオチドがさらに含まれる。
いくつかの実施形態では、CRISPRシステムの1つまたは複数の要素が、I型、II型またはIII型のCRISPRシステムに由来する。いくつかの実施形態では、CRISPRシステムの1つまたは複数の要素が、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)などの内因性CRISPRシステムを含む特定の生物に由来する。
いくつかの実施形態では、CasヌクレアーゼおよびgRNA(標的配列に特異的なcrRNAと固定tracrRNAの融合体を含む)、およびdTAGをコードするドナー配列を細胞に導入する。一般に、gRNAの5’末端の標的部位は、相補的塩基対形成を使用してCasヌクレアーゼを標的部位、例えば遺伝子に標的化する。いくつかの実施形態では、標的部位が、典型的にはNGGまたはNAGなどのプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列のすぐ5’側の位置に基づいて選択される。これに関して、ガイドRNAの最初の20ヌクレオチドを標的DNA配列に対応するように改変することによって、gRNAを所望の配列に標的化する。
いくつかの実施形態では、CRISPRシステムが、標的部位でDSBを誘導し、引き続いて、本明細書で論じられるように、dTAGをコードするドナー配列を目的のタンパク質のゲノム遺伝子座に相同組換えする。他の実施形態では、「ニッカーゼ」と見なされるCas9変異体を使用して、標的部位で一本鎖に切れ目を入れる。いくつかの態様では、ニックの導入時に、同時に、5’オーバーハングが導入されるように、異なるgRNA標的化配列ペアによってそれぞれ指示される、ペアニッカーゼを使用して、例えば、特異性を改善する。
一般に、CRISPRシステムは、標的配列の部位でのCRISPR複合体の形成を促進する要素を特徴とする。典型的には、CRISPR複合体の形成の文脈において、「標的配列」とは、一般に、この配列に対する相補性を有するようにガイド配列が設計される配列を指し、ここでは標的配列とガイド配列との間のハイブリダイゼーションがCRISPR複合体の形成を促進し、dTAGをコードするドナー配列の挿入が行われるべきである。ハイブリダイゼーションを引き起こし、CRISPR複合体の形成を促進するのに十分な相補性があるならば、完全な相補性は必ずしも必要ではない。
典型的には、内因性CRISPRシステムの文脈において、CRISPR複合体(標的配列にハイブリダイズし、1つまたは複数のCasタンパク質と複合体化したガイド配列を含む)の形成は、標的配列内のまたは標的配列近くの(例えば、そこから1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50またはそれ以上の塩基対以内の)一方または両方の鎖の切断をもたらす。理論によって拘束されることを望むものではないが、野生型tracr配列の全部または一部(例えば、約20、26、32、45、48、54、63、67、85またはそれ以上を超える野生型tracr配列のヌクレオチド)を含み得るまたはからなり得る、tracr配列も、例えばtracr配列の少なくとも一部に沿って、ガイド配列に作動可能に連結したtracrメイト配列の全部または一部とのハイブリダイゼーションによって、CRISPR複合体の一部を形成し得る。いくつかの実施形態では、tracr配列が、ハイブリダイズし、CRISPR複合体の形成に関与するのに十分なtracrメイト配列との相補性を有する。
標的配列と同様に、いくつかの実施形態では、完全な相補性が必ずしも必要ではない。いくつかの実施形態では、tracr配列が、最適に整列すると、tracrメイト配列の長さに沿って少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%の配列相補性を有する。いくつかの実施形態では、CRISPRシステムの要素の発現が1つまたは複数の標的部位でのCRISPR複合体の形成を指示するように、CRISPRシステムの1つまたは複数の要素の発現を駆動する1つまたは複数のベクターを細胞に導入する。例えば、Cas酵素、tracrメイト配列に連結したガイド配列、およびtracr配列をそれぞれ、別々のベクター上の別々の調節エレメントに作動可能に連結することができるだろう。あるいは、同じまたは異なる調節エレメントから発現される2つ以上のエレメントを単一のベクターに組み合わせてもよく、1つまたは複数の追加のベクターが第1のベクターに含まれないCRISPRシステムの任意の成分を提供する。いくつかの実施形態では、単一のベクターに組み合わされるCRISPRシステム要素を、任意の適切な配向で、例えば1つの要素が第2の要素に対して5’(第2の要素の「上流」)または第2の要素に対して3’(第2の要素の「下流」)に位置するように配置することができる。1つの要素のコード配列が、第2の要素のコード配列の同じまたは反対の鎖上に位置してもよく、同じまたは反対の方向に配向してもよい。いくつかの実施形態では、単一のプロモーターが、CRISPR酵素およびガイド配列、tracrメイト配列(場合によりガイド配列と作動可能に連結している)および1つまたは複数のイントロン配列内に(例えば、それぞれ異なるイントロンに、2つ以上が少なくとも1つのイントロンに、または全部が単一のイントロンに)埋め込まれたtracr配列の1つまたは複数をコードする転写産物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、CRISPR酵素、ガイド配列、tracrメイト配列およびtracr配列が、同じプロモーターに作動可能に連結しており、そこから発現される。
いくつかの実施形態では、ベクターが、CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼをコードする酵素コード配列に作動可能に連結された調節エレメントを含む。いくつかの実施形態では、ベクターが、Casタンパク質などのCRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に連結された調節エレメントを含む。Casタンパク質の非限定的な例としては、Casl、Cas IB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(CsnlおよびCsxl2としても知られる)、CaslO、Csyl、Csy2、Csy3、Csel、Cse2、Cscl、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmrl、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csbl、Csb2、Csb3、Csxl7、Csxl4、CsxlO、Csxl6、CsaX、Csx3、Csxl、Csxl5、Csfl、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、これらのホモログ、またはこれらの改変変異体が挙げられる(参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/200334号パンフレット参照)。これらの酵素は公知であり、例えば、化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)Cas9タンパク質のアミノ酸配列は、受託番号Q99ZW2(参照により本明細書に組み込まれる)でSwissProtデータベースに見いだすことができる。
Casタンパク質は一般に少なくとも1つのRNA認識または結合ドメインを含む。このようなドメインはガイドRNA(gRNA、以下により詳細に記載される)と相互作用することができる。Casタンパク質はまた、ヌクレアーゼドメイン、例えばエンドヌクレアーゼドメイン(例えばDNaseまたはRNaseドメイン)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、および他のドメインを含むことができる。ヌクレアーゼドメインは、核酸切断に対して触媒活性を有する。切断は、核酸分子の共有結合の切断を含む。切断は平滑末端または付着末端を生じさせることができ、これは一本鎖または二本鎖であり得る。
Casタンパク質の例としては、Casl、Cas IB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8al、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(CsnlまたはCsxl2)、CaslO、CaslOd、CasF、CasG、CasH、Csyl、Csy2、Csy3、Csel(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Cscl、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmrl、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csbl、Csb2、Csb3、Csxl7、Csxl4、CsxlO、Csxl6、CsaX、Csx3、Csxl、Csxl5、Csfl、Csf2、Csf3、Csf4およびCul966、ならびにこれらのホモログまたは改変変異体が挙げられる(参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/200334号パンフレット参照)。
所望の認識部位へのニックまたは二本鎖切断を誘導する任意のCasタンパク質を、本明細書に開示される方法および組成物に使用することができる。
一般に、ガイド配列は、標的配列とハイブリダイズし、標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指示するのに十分な標的ポリヌクレオチド配列との相補性を有する任意のポリヌクレオチド配列である。いくつかの実施形態では、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適に配列すると、ガイド配列とその対応する標的配列との間の相補性の程度が、約50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%、97.5%、99%またはそれ以上を超える。
最適なアラインメントは、配列を整列させるための任意の適切なアルゴリズムを使用して決定することができ、その非限定的な例としては、Smith-Watermanアルゴリズム、Needleman-Wunschアルゴリズム、Burrows-Wheeler変換に基づくアルゴリズム(例えば、Burrows Wheeler Aligner)、ClustalW、Clustal X、BLAT、Novoalign(Novocraft Technologies、ELAND(Illumina、カリフォルニア州サンディエゴ))、SOAP(soap.genomics.org.cnで入手可能)、およびMaq(maq.sourceforge.netで入手可能)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ガイド配列が約5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、75またはそれ以上を超えるヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ガイド配列が、約75、50、45、40、35、30、25、20、15、12またはそれ未満のヌクレオチド長である。ガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指示する能力は、任意の適切なアッセイによって評価され得る。例えば、試験されるガイド配列を含むCRISPR複合体を形成するのに十分なCRISPRシステムの構成要素を、例えばCRISPR配列の成分をコードするベクターでのトランスフェクション、引き続いて標的配列内の優先切断の評価、例えば本明細書に記載されるSurveyorアッセイによって、対応する標的配列を有する細胞に提供することができる。同様に、標的ポリヌクレオチド配列の切断を、標的配列、試験されるガイド配列および試験ガイド配列とは異なる対照ガイド配列を含むCRISPR複合体の構成要素を提供し、試験ガイド配列反応と対照ガイド配列反応との間で標的配列での結合または切断の速度を比較することによって、試験管内で評価することができる。
ガイド配列は、任意の標的配列を標的化するように選択され得る。いくつかの実施形態では、標的配列が、細胞のゲノム内の配列、特に、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドの操作を通して制御された分解を標的化する目的のタンパク質である。代表的な標的配列には、インフレーム配向でdTAGドナー核酸の挿入を提供する標的ゲノムに特有のものが含まれる。いくつかの実施形態では、ガイド配列が、ガイド配列内の二次構造の程度を低下させるように選択される。二次構造は、任意の適切なポリヌクレオチドフォールディングアルゴリズムによって決定され得る。
一般に、tracrメイト配列は、以下の1つまたは複数を促進するのに十分なtracr配列との相補性を有する任意の配列を含む:(1)対応するtracr配列を含む細胞中のtracrメイト配列が隣接するガイド配列の切除;および(2)標的配列でのCRISPR複合体の形成(CRISPR複合体はtracr配列にハイブリダイズしたtracrメイト配列を含む)。一般に、相補性の程度は、2つの配列のうちの短い方の長さに沿った、tracrメイト配列とtracr配列の最適アラインメントに対するものである。
本明細書で企図されるように、CRISPR-Casシステムを使用して、真核生物、例えばヒト細胞に、目的のタンパク質をコードするゲノム配列とインフレームでdTAGをコードする核酸配列を挿入する。いくつかの実施形態では、本方法は、CRISPR複合体が目的の標的化タンパク質のゲノム配列に結合して、ゲノム配列の切断をもたらすことを可能にするステップを含み、CRISPR複合体は、前記標的ポリヌクレオチド内の標的配列とハイブリダイズしたガイド配列と複合体化したCRISPR酵素を含み、前記ガイド配列はtracrメイト配列と結合しており、今度はこれがtracr配列にハイブリダイズする。
いくつかの態様では、本方法は、dTAGをコードする核酸を導入することによって真核細胞におけるポリヌクレオチドの発現を改変することを含む。
いくつかの態様では、CRISPR-Casシステムのポリペプチドおよびドナー配列が細胞に投与または導入される。核酸は、典型的にはウイルス発現ベクターなどの発現ベクターの形態で投与される。いくつかの態様では、発現ベクターがレトロウイルス発現ベクター、アデノウイルス発現ベクター、DNAプラスミド発現ベクターまたはAAV発現ベクターである。いくつかの態様では、CRISPR-Casシステムおよびドナー配列をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドが細胞に送達される。いくつかの態様では、送達が2つ以上のベクターの送達による。
本明細書に記載される核酸配列を細胞に送達する方法は、例えば、その全ての開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,586,526号明細書;同第6,453,242号明細書;同第6,503,717号明細書;同第6,534,261号明細書;同第6,599,692号明細書;同第6,607,882号明細書;同第6,689,558号明細書;同第6,824,978号明細書;同第6,933,113号明細書;同第6,979,539号明細書;同第7,013,219号明細書;および同第7,163,824号明細書に記載されている。
本明細書に記載される種々のポリヌクレオチドはまた、本明細書に記載される組成物の1つまたは複数をコードする配列を含むベクターを使用して送達され得る。それだけに限らないが、プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター;ヘルペスウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクター等を含む任意のベクター系が使用され得る。全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,534,261号明細書;同第6,607,882号明細書;同第6,824,978号明細書;同第6,933,113号明細書;同第6,979,539号明細書;同第7,013,219号明細書;および同第7163824号明細書も参照されたい。
核酸の非ウイルス送達の方法には、リポフェクション、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、微粒子銃、ビロソーム、リポソーム、イムノリポソーム、ポリカチオンまたは脂質:核酸コンジュゲート、裸のDNA、人工ビリオン、およびDNAの薬剤増強取り込みが含まれる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号明細書、同第4,946,787号明細書;および同第4,897,355号明細書に記載されており、リポフェクション試薬は市販されている(例えば、Transfectam(商標)およびLipofectin(商標))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに適したカチオン性および中性脂質には、Feigner、国際公開第1991/17424号パンフレットおよび国際公開第1991/16024号パンフレットのものが含まれる。送達は、細胞(例えば、インビトロもしくはエキソビボ投与)または標的組織(例えば、インビボ投与)に対するものであり得る。
いくつかの実施形態では、送達が、核酸を送達するためのRNAまたはDNAウイルスに基づく系の使用を介する。いくつかの態様におけるウイルスベクターは、患者に直接投与することができる(インビボ)、またはこれらをインビトロもしくはエキソビボで使用して細胞を処理し、次いで、患者に投与することができる。いくつかの実施形態におけるウイルスに基づく系は、遺伝子導入のためのレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴および単純ヘルペスウイルスベクターを含む。レトロウイルスの向性は、外来エンベロープタンパク質を組み込み、標的細胞の潜在的標的集団を拡大することによって変更され得る。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞に形質導入または感染することができ、典型的には高いウイルス力価を生じることができるレトロウイルスベクターである。レトロウイルス遺伝子導入システムの選択は標的組織に依存する。レトロウイルスベクターは、最大6~10kbの外来配列に対するパッケージング能力を有するシス作用性の長い末端反復配列で構成される。最小シス作用性LTRはベクターの複製およびパッケージングに十分であり、そのためこれを使用して治療用遺伝子を標的細胞に組み込んで、永久的な導入遺伝子発現を提供する。広く使用されているレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびこれらの組み合わせに基づくものが含まれる(例えば、BuchscherらJ.Virol.66、(1992):2731~2739;Johannら、J.Virol.66(1992):1635~1640;Sommerfeltら、J.Virol.176、(1990):58~69;Wilsonら、J.Virol.63、(1989):2374~2378;Millerら、J.Virol.65、(1991):2220~2224、およびPCT/US94/05700参照)。
一過性発現が好ましい用途では、アデノウイルスに基づく系を使用することができる。アデノウイルスに基づくベクターは、多くの細胞型において非常に高い形質導入効率が可能であり、細胞分裂を必要としない。このようなベクターを用いて、高力価および高レベルの発現が得られている。このベクターは比較的単純な系で大量に作製することができる。アデノ随伴ウイルス(「AAV」)ベクターはまた、例えば核酸およびペプチドのインビトロ産生において、ならびにインビボおよびエキソビボでの遺伝子治療手順のために、標的核酸で細胞を形質導入するために使用される(例えば、Westら、Virology 160、(1987):38~47;米国特許第4,797,368号明細書;国際公開第1993/24641号パンフレット;Kotin、Human Gene Therapy5、(1994):793~801;Muzyczka、J.Clin.Invest.94、(1994):1351参照)。組換えAAVベクターの構築は、米国特許第5,173,414号明細書;Tratschinら、Mol.Cell.Biol.5、(1985):3251~3260;Tratschinら、Mol.Cell.Biol.4、(1984):2072~2081;Hermonat&Muzyczka、PNAS81、(1984):6466~6470;およびSamulskiら、J.Virol.63、(1989):3822~3828を含むいくつかの刊行物に記載されている。
少なくとも6つのウイルスベクターアプローチが臨床試験における遺伝子導入に現在利用可能であり、これらは形質導入剤を生成するためにヘルパー細胞株に挿入された遺伝子による欠陥ベクターの相補性を含むアプローチを利用する。
pLASNおよびMFG-Sは、臨床試験で使用されているレトロウイルスベクターの例である(Dunbarら、Blood85、(1995):3048~305;Kohnら、Nat.Med.1、(1995):1017~1023;Malechら、PNAS 94(22)、(1997):12133~12138)。PA317/pLASNは、遺伝子治療試験で使用された最初の治療用ベクターであった。(Blaeseら、Science270、(1995):475~480)。MFG-Sパッケージベクターについて、50%以上の形質導入効率が観察されている。(Ellemら、Immunol Immunother.44(1)、(1997):10~20;およびDranoffら、Hum.Gene Ther.1(1997):111~112)。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドの導入に適したベクターには、非組み込み型レンチウイルスベクター(IDLV)も含まれる。例えば、NaldiniらProc.Natl.Acad.Sci.93、(1996):11382~11388;Dullら J.Virol.72、(1998):8463~8471;Zufferyら J.Virol.72、(1998):9873~9880;FollenziらNature Genetics25、(2000):217~222;および米国特許出願公開第2009/0117617号明細書を参照されたい。
組換えアデノ随伴ウイルスベクター(rAAV)を使用して本明細書に記載される組成物を送達することもできる。全てのベクターは、導入遺伝子発現カセットに隣接するAAV逆位末端反復配列のみを保持するプラスミドに由来する。効率的な遺伝子導入および安定した導入遺伝子送達がこのベクター系の重要な特徴である。(Wagnerら、Lancet351、(1998):9117 1702~3、およびKearnsら、Gene Ther.9、(1996):748~55)。AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV9およびAAVrh10、偽型AAV、例えばAAV2/8、AAV2/5およびAAV2/6ならびにこれらの全ての変異体を含む他のAAV血清型もまた本発明によって使用することができる。
複製欠損組換えアデノウイルスベクター(Ad)は、高力価で産生され得、いくつかの異なる細胞型に容易に感染し得る。ほとんどのアデノウイルスベクターが、導入遺伝子がAd E1a、E1bおよび/またはE3遺伝子を置き換えるように操作され;その後、複製欠損ベクターが、欠失した遺伝子機能をトランスに供給するヒト293細胞中で増殖される。Adベクターは、肝臓、腎臓および筋肉に見られるものなどの非分裂分化細胞を含む、インビボで複数の種類の組織を形質導入することができる。従来のAdベクターは大きな運搬能力を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋肉内注射による抗腫瘍免疫化のためのポリヌクレオチド療法を含んでいた(Stermanら、Hum.Gene Ther7、(1998):1083~1089)。臨床試験における遺伝子導入のためのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例としては、Roseneckerら、Infection24(1)、(1996):5~10;Stermanら、Hum.Gene Ther.9(7)、(1998):1083~1089;Welshら、Hum.Gene Ther.2、(1995):205~218;Alvarezら、Hum.Gene Ther.5、(1997):597~613;Topfら、Gene Ther.5、(1998):507~513;Stermanら、Hum.Gene Ther7、(1998):1083~1089が挙げられる。
パッケージング細胞を使用して、宿主細胞に感染することができるウイルス粒子を形成する。このような細胞には、アデノウイルスをパッケージングする293細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするψ2細胞またはPA317細胞が含まれる。遺伝子治療に使用されるウイルスベクターは通常、核酸ベクターをウイルス粒子にパッケージングするプロデューサー細胞株によって作製される。ベクターは、典型的には、パッケージングおよびその後の宿主への組込み(該当する場合)に必要とされる最小のウイルス配列を含み、他のウイルス配列は発現されるタンパク質をコードする発現カセットによって置き換えられる。欠けているウイルス機能は、パッケージング細胞株によってトランスに供給される。例えば、遺伝子治療に使用されるAAVベクターは、典型的にはパッケージングおよび宿主ゲノムへの組込みに必要とされるAAVゲノム由来の逆位末端反復(ITR)配列のみを有する。ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子、すなわちrepおよびcapをコードするが、ITR配列を欠くヘルパープラスミドを含む細胞株にパッケージングされる。また、細胞株をヘルパーとしてのアデノウイルスに感染させる。ヘルパーウイルスは、AAVベクターの複製およびヘルパープラスミドからのAAV遺伝子の発現を促進する。ヘルパープラスミドは、ITR配列の欠如のために有意な量でパッケージングされない。アデノウイルスによる汚染は、例えば、アデノウイルスがAAVよりも感受性である熱処理によって減少させることができる。
ベクターを、特定の組織型に対して高度の特異性で送達することができる。したがって、ウイルスの外面上にウイルスコートタンパク質との融合タンパク質としてリガンドを発現させることによって、ウイルスベクターを所与の細胞型に対する特異性を有するように改変することができる。リガンドは、目的の細胞型に存在することが知られている受容体に対して親和性を有するように選択される。例えば、Hanら、Proc.Natl.Acad.Sci.92、(1995):9747~9751は、モロニーマウス白血病ウイルスを、gp70に融合したヒトヘレグリンを発現するように改変することができ、組換えウイルスが、ヒト上皮成長因子受容体を発現する一定のヒト乳がん細胞に感染することを報告した。この原理を、標的細胞が受容体を発現し、ウイルスが細胞表面受容体に対するリガンドを含む融合タンパク質を発現する他のウイルス-標的細胞対に拡大することができる。例えば、繊維状ファージを、事実上任意の選択された細胞受容体に対して特異的結合親和性を有する抗体フラグメント(例えば、FABまたはFv)を提示するように操作することができる。上記の説明は主としてウイルスベクターに適用されるが、同じ原理を非ウイルスベクターに適用することができる。このようなベクターを、特定の標的細胞による取り込みを促進する特異的取り込み配列を含むように操作することができる。
ベクターを、以下に記載されるように、典型的には全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、髄腔内、気管内、皮下もしくは頭蓋内注入)または局所施用による個々の対象への投与によってインビボで送達することができる。あるいは、ベクターを、個々の患者から外植された細胞(例えば、リンパ球、骨髄穿刺液、組織生検)または万能ドナー造血幹細胞などの細胞にエキソビボで送達し、引き続いて通常はベクターを組み込んだ細胞についての選択後に、細胞を患者に再移植することができる。
ヌクレアーゼおよび/またはドナー構築物を含有するベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、リポソーム等)を、インビボでの細胞の形質導入のために生物に直接投与することもできる。あるいは、裸のDNAを投与することができる。投与は、それだけに限らないが、注射、注入、局所施用および電気穿孔を含む、血液または組織細胞と最終的に接触するように分子を導入するために通常使用される経路のいずれかによるものである。このような核酸を投与する適切な方法が利用可能であり、当業者に周知であり、2つ以上の経路を使用して特定の組成物を投与することができるが、通常は特定の経路が別の経路よりも迅速かつ有効な反応を提供し得る。
いくつかの実施形態では、CRISPR-Casシステムのポリペプチドが、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの細胞への導入の結果として、細胞内でインサイツで合成される。いくつかの態様では、CRISP-Casシステムのポリペプチドが細胞外で産生され、次いで、そこに導入され得る。CRISPR-Casポリヌクレオチド構築物を動物細胞に導入する方法は公知であり、これには、非限定的な例として、本明細書に記載される、ポリヌクレオチド構築物が細胞のゲノムに組み込まれる安定な形質転換方法、ポリヌクレオチド構築物が細胞のゲノムに組み込まれない一過性形質転換方法、およびウイルス媒介方法が含まれる。好ましくは、CRISPR-Casポリヌクレオチドが一過的に発現され、細胞のゲノムに組み込まれない。いくつかの実施形態では、CRISPR-Casポリヌクレオチドを、例えば、組換えウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス)、リポソームなどによって細胞に導入することができる。例えば、いくつかの態様では、一過性形質転換方法には、マイクロインジェクション、電気穿孔または微粒子銃が含まれる。いくつかの実施形態では、CRISPR-Casポリヌクレオチドを、細胞内で発現されることを考慮して、ベクター、より具体的にはプラスミドまたはウイルスに含めることができる。
いくつかの実施形態では、非CRISPR-CASウイルスおよび非ウイルス系遺伝子導入方法を使用して、哺乳動物細胞または標的組織中の目的のタンパク質のゲノム遺伝子座にインフレームでdTAGをコードする核酸を挿入することができる。このような方法を使用して、ZFP、ZFN、TALEおよび/またはTALENシステムの成分をコードする核酸を、培養中の細胞または目的のタンパク質のゲノム遺伝子座へのインフレーム挿入のためのdTAGをコードするドナー配列を含む宿主生物に投与することができる。
非ウイルスベクター送達系には、DNAプラスミド、RNA(例えば、本明細書に記載されるベクターの転写産物)、裸の核酸、およびリポソームなどの送達ビヒクルと複合体化した核酸が含まれる。ウイルスベクター送達システムには、細胞への送達後にエピソームゲノムまたは組み込まれたゲノムのいずれかを有するDNAおよびRNAウイルスが含まれる。遺伝子治療手順の概説については、Anderson、Science256、(1992):808~813;Nabel&Feigner、TIBTECH 11、(1993):211~217;Mitani&Caskey、TIBTECH 11、(1993):162~166;Dillon.TIBTECH11、(1993):167~173;Miller、Nature357、(1992):455~460;Van Brunt、Biotechnology6(10)、(1988):1149~1154;Vigne、Restorative Neurology and Neuroscience8、(1995):35~36;Kremer&Perricaudet、British Medical Bulletin51(1)、(1995):31~44;およびYuら、Gene Therapy1、(1994):13~26を参照されたい。
免疫脂質(immunolipid)複合体などの標的化リポソームを含む脂質:核酸複合体の調製は、当業者に周知である(例えば、Crystal、Science270、(1995):404~410;Blaeseら、Cancer Gene Ther.2、(1995):291~297;Behrら、Bioconjugate Chem.5、(1994):382~389;Remyら、Bioconjugate Chem.5、(1994):647~654;Gaoら、Gene Therapy2、(1995):710~722;Ahmadら、Cancer Res.52、(1992):4817~4820;ならびに米国特許第4,186,183号明細書、同第4,217,344号明細書、同第4,235,871号明細書、同第4,261,975号明細書、同第4,485,054号明細書、同第4,501,728号明細書、同第4,774,085号明細書、同第4,837,028号明細書および同第4,946,787号明細書参照)。
さらなる送達方法には、送達されるべき核酸のEnGeneIC送達媒体(EDV)へのパッケージングの使用が含まれる。これらのEDVは二重特異性抗体を使用して標的組織に特異的に送達され、抗体の一方のアームが標的組織に対する特異性を有し、他方がEDVに対する特異性を有する。抗体がEDVを標的細胞表面に運び、次いで、エンドサイトーシスによってEDVが細胞に取り込まれる。いったん細胞内に入ると、内容物が放出される(MacDiarmidらNature Biotechnology27(7)、(2009):643参照)。
D.ヘテロ二官能性化合物
本出願は、(i)ユビキチンリガーゼに結合する部分と、(ii)ユビキチン化およびプロテアソーム分解を意図した内因性タンパク質に融合しているdTAGに結合する標的化部分とを有するヘテロ二官能性化合物の使用を含む。一実施形態では、ヘテロ二官能性化合物が、対応する内因性タンパク質に対する選択性を有するように突然変異しているdTAGに結合する(すなわち、dTAG標的化リガンドがdTAGに結合するが、天然には有意には結合しない(また、いくつかの実施形態では、宿主によって発現される突然変異体にも変異体タンパク質にも有意には結合しない))。
ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)を利用してタンパク質を選択的に標的化および分解する戦略は、タンパク質機能の翻訳後制御に使用されてきた。ヘテロ二官能性化合物は、標的タンパク質結合リガンドおよびE3ユビキチンリガーゼリガンドで構成される。ヘテロ二官能性化合物は、E3ユビキチンリガーゼへの動員およびその後のユビキチン化を介して、選択されたタンパク質のプロテアソーム媒介分解を誘導することができる。これらの薬物様分子は、タンパク質レベルに対する可逆的で、用量反応性で、調整可能な、一時的制御の可能性を提供する。このような化合物の初期の説明は、Deshalesらによって2000年9月に出願され、2006年5月に付与された「キメラ医薬を標的化するタンパク質分解(Proteolysis Targeting Chimeric Pharmaceutical)」と題された米国特許第7,041,298号明細書に提供された。「PROTACS:タンパク質をユビキチン化および分解のためにSkp1-カリンFボックス複合体に標的化するキメラ分子(Chimeric Molecules that Target Proteins to the Skp1-Cullin F Box Complex for Ubiquitination and Degradation)」と題された、Sakamotoらによる刊行物(PNAS 98(15)(2001):8554~8559)は、Fボックスタンパク質β-TRCPに結合することができるペプチドに結合したMAP-AP-2の小分子結合剤からなるヘテロ二官能性化合物を記載しており、その開示が米国特許第7,041,298号明細書でも提供されている。「ユビキチン化および分解のためにがん促進タンパク質を標的化するためのPROTACSの開発(Development of PROTACS to Target Cancer-promoting Proteins for Ubiquitination and Degradation)」と題された、Sakamotoらによる刊行物(Molecular and Cellular Proteomics2(2003):1350~1358)は、MAP-AP-2を分解する代わりに、エストロゲンおよびアンドロゲン受容体を分解する類似のヘテロ二官能性化合物(PROTAC2)を記載している。「タンパク質レベルの化学的遺伝的制御:選択的インビボ標的化分解(Chemical Genetic Control of Protein Levels:Selective in vivo Targeted Degradation)」と題された、Schneeklothらによる刊行物(JACS 126(2004):3748~3754)は、FK506結合タンパク質(FKBP12)を標的化する類似のヘテロ二官能性化合物(PROTAC3)を記載しており、PROTAC2とPROTAC3の両方が緑色蛍光タンパク質(GFP)イメージングでそれぞれの標的にヒットすることを示している。「細胞内タンパク質分解を制御するための化学的アプローチ(Chemical Approaches to Controlling Intracellular Protein Degradation)」と題された、Schneeklothらによる刊行物(ChemBioChem 6(2005)40~46)は、その技術を使用して、当時の当分野の状況を記載した。「小分子によって誘導される標的化細胞内タンパク質分解:ケミカルプロテオミクスへの道(Targeted Intracellular Protein Degradation Induced by a Small Molecule:En Route to Chemical Proteomics)」と題された、Schneeklothらによる刊行物(BMCL 18(22)(2008):5904~5908)は、アンドロゲン受容体およびユビキチンE3リガーゼを同時に結合することによって、アンドロゲン受容体をインビボで分解するPEGによって結合された2つの小分子からなるヘテロ二官能性化合物を記載している。「タンパク質分解を促進するのに有用な化合物および同化合物を使用する方法(Compounds Useful for Promoting Protein Degradation and Methods Using Same)」と題された、Crewsらの国際公開第2013/170147号パンフレットは、リンカーに共有結合したタンパク質分解部分を含む化合物を記載しており、化合物のClogPは1.5以上である。Buckleyらによる前記刊行物(Angew.Chem.Int.Ed.53(2014):2312~2330)の概説は、「ユビキチンプロテアソーム系の調節を通した細胞内タンパク質レベルの小分子制御(Small-Molecule Control of Intraceullular Protein Levels through Modulation of the Ubiquitin Proteasome System)」と題されている。「タンパク質分解のイミド系モジュレーターおよび関連する使用方法(Imide Based Modulators of Proteolysis and Associated methods of Use)」と題された、Arvinas Inc.に譲渡された国際公開第2015/160845号パンフレットは、E3リガーゼタンパク質としてセレブロンを利用するためのサリドマイドによるデグロン技術の使用を記載している。「BDR4を効率的に標的化するためのE3ユビキチンリガーゼセレブロンのハイジャック(Hijacking the E3 Ubiquitin Ligase Cereblon to efficiently Target BDR4)」と題された、J.Luらによる後の刊行物(Chemistry and Biol.22(6)(2015):755~763)も同様に、BDR4を分解するのに有用なサリドマイド系化合物を記載している。この技術を記載しているさらなる刊行物には、Bondesonら(Nature Chemical Biology11(2015):611~617)、Gustafsonら(Angew.Chem.Int.Ed.54(2015):9659~9662)、Buckleyら(ACS Chem.Bio.10(2015):1831~1837)、「タンパク質分解のイミド系モジュレーターおよび関連する使用方法(Imide Based Modulators of Proteolysis and Associated Methods of Use)」と題された、Arvinas Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2016/0058872号明細書、「エストロゲン関連受容体α系PROTAC化合物および関連する使用方法(Estrogen-related Receptor Alpha Based PROTAC Compounds and Associated Methods of Use)」と題されたArvinas Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2016/0045607号明細書、「E3ユビキチンリガーゼによる標的化タンパク質および他のポリペプチドの増強された分解のための化合物および方法(Compounds and Methods for the Enhanced Degradation of Targeted Proteins&Other Polypeptides by an E3 Ubiquitin Ligase)」と題されたエール大学、GlaxoSmithKlineおよびケンブリッジ大学のケンブリッジエンタープライズリミテッドに譲渡された米国特許出願公開第2014/0356322号明細書、Laiら(Angew.Chem.Int.Ed.55(2016):807~810)、Toureら(Angew.Chem.Int.Ed.55(2016):1966~1973)および「二官能性分子を通して標的化タンパク質分解を誘導する方法(Methods to Induce Targeted Protein Degradation Through Bifunctional Molecules)」と題されたDana Farber Cancer Instituteに譲渡された米国特許出願公開第2016/0176916号明細書が含まれる。
標的化タンパク質分解技術の他の記載には、E3ユビキチンリガーゼを利用して分解レチノイン酸結合タンパク質にするペプチドに結合した小分子を記載する、「メチルベスタチン-リガンドハイブリッド分子を用いたタンパク質ノックダウン:細胞レチノイン酸結合タンパク質のユビキチン化媒介分解の誘導剤の設計および合成(Protein Knockdown Using Methyl Bestatin-Ligand Hybrid Molecules:Design and Synthesis of Inducers of Ubiquitination-Mediated Degradation of Cellular Retinoic Acid-Binding Proteins)」と題された、Itohら(JACS 132(16)(2010):5820~5826)、およびサリドマイドベースの標的化タンパク質分解技術を記載している、「インビボ標的タンパク質分解のための戦略としてのフタルイミドコンジュゲーション(Phthalimide Conjugation as a Strategy for in vivo Target Protein Degradation)」と題された、Winterら(Science348(2015):1376~1381)が含まれる。
本発明に有用なヘテロ二官能性化合物は、dTAGに結合して分解を誘導することができる任意のヘテロ二官能性化合物であり得る。ヘテロ二官能性化合物は、当技術分野で一般的に知られている。例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,041,298号明細書;Sakamotoら(PNAS、2001、98(15):8554~8559);Sakamotoら(Molecular and Cellular Proteomics 2(2003)1350~1358);Schneeklothら(JACS126(2004):3748~3754);Schneeklothら(ChemBioChem 6(2005):40~46);Schneeklothら(BMCL18(22)(2008):5904~5908);国際公開第2013/170147号パンフレット;Buckleyら(Angew.Chem.Int.Ed.53(2014):2312~2330);国際公開第2015/160845号パンフレット;Luら(Chemistry and Biol.22(6)(2015):755~763);Bondesonら(Nature Chemical Biology 11(2015):611~617);Gustafsonら(Angew.Chem.Int.Ed.54(2015):9659~9662);Buckleyら(ACS Chem.Bio.10(2015):1831~1837);「タンパク質分解のイミド系モジュレーターおよび関連する使用方法(Imide Based Modulators of Proteolysis and Associated Methods of Use)」と題された、Arvinas Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2016/0058872号明細書、「エストロゲン関連受容体α系PROTAC化合物および関連する使用方法」と題されたArvinas Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2016/0045607号明細書、「E3ユビキチンリガーゼによる標的化タンパク質および他のポリペプチドの増強された分解のための化合物および方法(Compounds and Methods for the Enhanced Degradation of Targeted Proteins&Other Polypeptides by an E3 Ubiquitin Ligase)」と題されたエール大学、GlaxoSmithKlineおよびケンブリッジ大学のケンブリッジエンタープライズリミテッドに譲渡された米国特許出願公開第2014/0356322号明細書、「二官能性分子を通して標的化タンパク質分解を誘導する方法(Methods to Induce Targeted Protein Degradation Through Bifunctional Molecules)」と題されたDana-Farber Cancer Institute,Inc.に譲渡された米国特許出願公開第2016/0176916号明細書、Laiら(Angew.Chem.Int.Ed.55(2016):807~810);Toureら(Angew.Chem.Int.Ed.55(2016):1966~1973);Itohら(JACS132(16)(2010):5820~5826);およびWinterら(Science348(2015):1376~1381)を参照されたい。
一般に、本出願に使用するのに適したヘテロ二官能性化合物は、一般構造:
デグロン-リンカー-dTAG標的化リガンド
(式中、リンカーは、デグロンおよびdTAG標的化リガンドに共有結合しており、デグロンは、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)などのユビキチンリガーゼに結合することができる化合物であり、dTAG標的化リガンドは、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質上のdTAGに結合することができる)
を有する。
一定の実施形態では、本出願は、式Iまたは式IIの化合物:
(式中、
リンカーは、dTAG標的化リガンドおよびYに共有結合する基であり;
dTAG標的化リガンドは、dTAG標的に結合する、またはdTAG標的によって結合されて、タグ付けが起こることを可能にすることができる)
を利用する。
一定の実施形態では、本出願は、式(I)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、もしくは薬学的に許容される塩
(式中、
リンカー(L)は、dTAG標的化リガンドおよびYに共有結合する基であり;
dTAG標的化リガンドは、dTAGに結合することができるまたは結合し;
X1、X2、Y、R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、mおよびnはそれぞれ本明細書で定義される通りである)
を提供する。
一定の実施形態では、本出願は、式(II)の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、もしくは薬学的に許容される塩
(式中、
リンカーは、dTAG標的化リガンドおよびYに共有結合する基であり;
dTAG標的化リガンドは、dTAGに結合することができるまたは結合し;
X1、X2、Y、R1、R2、R2’、R3、R3’、R4、R5、mおよびnはそれぞれ本明細書で定義される通りである)
を提供する。
一定の実施形態では、本発明は、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIIIおよび式IXの化合物:
(式中、
リンカー(L)は、dTAG標的化リガンドおよびZ
2に共有結合する基であり;
dTAG標的化リガンドは、標的dTAGに結合することができる、または標的dTAGが結合することができ;
Z
2は、結合、アルキル、-O、-C(O)NR
2、-NR
6C(O)、-NHまたは-NR
6であり;
R
6は、H、アルキル、-C(O)アルキルまたは-C(O)Hであり;
X
3は、O、SおよびCH
2から独立に選択され;
W
2は、CH
2、CHR、C=O、SO
2、NHおよびN-アルキルの群から独立に選択され;
Y
2は、NH、N-アルキル、N-アリール、N-ヘタリール、N-シクロアルキル、N-ヘテロシクリル、OおよびSの群から独立に選択され;
GおよびG’は、H、アルキル、OH、場合によりR’で置換されたCH
2-ヘテロシクリル、および場合によりR’で置換されたベンジルの群から独立に選択され;
Q
1、Q
2、Q
3およびQ
4は、CH、N、CR’およびN-オキシドから独立に選択され、
A
2は、アルキル、シクロアルキル、ClおよびFの群から独立に選択され;
R
7は、-CONR’R”、-OR’、-NR’R”、-SR’、-SO
2R’、-SO
2NR’R”、-CR’R”-、-CR’NR’R”-、-アリール、-ヘタリール、-アルキル、-シクロアルキル、-ヘテロシクリル、-P(O)(OR’)R”、-P(O)R’R”、-OP(O)(OR’)R”、-OP(O)R’R”、-Cl、-F、-Br、-I、-CF
3、-CN、-NR’SO
2NR’R”、-NR’CONR’R”、-CONR’COR”、-NR’C(=N-CN)NR’R”、-C(=N-CN)NR’R”、-NR’C(=N-CN)R”、-NR’C(=C-NO
2)NR’R”、-SO
2NR’COR”、-NO
2、-CO
2R’、-C(C=N-OR’)R”、-CR’=CR’R”、-CCR’、-S(C=O)(C=N-R’)R”、-SF
5および-OCF
3から選択され
R’およびR’’は、結合、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから独立に選択される)
を使用する。
本発明に使用するためのdTAG標的化リガンドの非限定的な例としては、
いくつかの実施形態では、dTAG標的化リガンドが、変異内因性標的または非内因性標的を標的化する。
デグロン
デグロンは、プロテアソーム分解のために、リンカーおよびdTAG標的化リガンドを通してdTAGをユビキチンリガーゼに連結する化合物部分である。一定の実施形態では、デグロンがユビキチンリガーゼに結合することができる、または結合する化合物である。さらなる実施形態では、デグロンがE3ユビキチンリガーゼに結合することができる、または結合する化合物である。さらなる実施形態では、デグロンがセレブロンに結合することができる、または結合する化合物である。さらなる実施形態では、デグロンがサリドマイドまたはその誘導体もしくは類似体である。
一定の実施形態では、デグロンが、式D、式D0もしくは式D’:
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは立体異性体の部分(式中、
であり;
Yは、結合、(CH
2)
1~6、(CH
2)
0~6-O、(CH
2)
0~6-C(O)NR
2’、(CH
2)
0~6-NR
2’C(O)、(CH
2)
0~6-NHまたは(CH
2)
0~6-NR
2であり;
XはC(O)またはC(R
3)
2であり;
X
1-X
2はC(R
3)=NまたはC(R
3)
2-C(R
3)
2であり;
各R
1は独立に、ハロゲン、OH、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6アルコキシであり;
R
2はC
1~C
6アルキル、C(O)-C
1~C
6アルキルまたはC(O)-C
3~C
6シクロアルキルであり;
R
2’はHまたはC
1~C
6アルキルであり;
各R
3は独立に、HまたはC
1~C
3アルキルであり;
各R
3’は独立に、C
1~C
3アルキルであり;
各R
4は独立に、HまたはC
1~C
3アルキルである;あるいは2つのR
4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C(O)、C
3~C
6炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4、5もしくは6員複素環を形成し;
R
5はH、重水素、C
1~C
3アルキル、FまたはClであり;
mは0、1、2または3であり;
nは0、1または2である)
であり、
化合物が
を介して別の部分(例えば、化合物またはリンカー)に共有結合している。
一定の実施形態では、デグロンが、
一定の実施形態では、デグロンが、
一定の実施形態では、デグロンが、XがC(O)である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、XがC(R3)2であり;各R3がHである、式Dの部分である。一定の実施形態では、XがC(R3)2であり;R3の一方がHであり、他方がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。一定の実施形態では、XがC(R3)2であり;各R3がメチル、エチルおよびプロピルから独立に選択される。
一定の実施形態では、デグロンが、X1-X2がC(R3)=Nである、式Dの部分である。一定の実施形態では、X1-X2がCH=Nである。一定の実施形態では、X1-X2がC(R3)=Nであり;R3がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。一定の実施形態では、X1-X2がC(CH3)=Nである。
一定の実施形態では、デグロンが、X1-X2がC(R3)2-C(R3)2であり;各R3がHである、式Dの部分である。一定の実施形態では、X1-X2がC(R3)2-C(R3)2であり;R3の1つがHであり、他の3つのR3が独立に、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。一定の実施形態では、X1-X2がC(R3)2-C(R3)2であり;R3の2つがHであり、他の2つのR3が独立に、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。一定の実施形態では、X1-X2がC(R3)2-C(R3)2であり;R3の3つがHであり、残りのR3がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、デグロンが、Yが結合である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、Yが(CH2)1、(CH2)2、(CH2)3、(CH2)4、(CH2)5または(CH2)6である、式Dの部分である。一定の実施形態では、Yが(CH2)1、(CH2)2または(CH2)3である。一定の実施形態では、Yが(CH2)1または(CH2)2である。
特定の実施形態では、デグロンが、YがO、CH2-O、(CH2)2-O、(CH2)3-O、(CH2)4-O、(CH2)5-Oまたは(CH2)6-Oである、式Dの部分である。一定の実施形態では、YがO、CH2-O、(CH2)2-Oまたは(CH2)3-Oである。一定の実施形態では、YがOまたはCH2-Oである。一定の実施形態では、YがOである。
一定の実施形態では、デグロンが、YがC(O)NR2’、CH2-C(O)NR2’、(CH2)2-C(O)NR2’、(CH2)3-C(O)NR2’、(CH2)4-C(O)NR2’、(CH2)5-C(O)NR2’または(CH2)6-C(O)NR2’である、式Dの部分である。一定の実施形態では、YがC(O)NR2’、CH2-C(O)NR2’、(CH2)2-C(O)NR2’または(CH2)3-C(O)NR2’である。一定の実施形態では、YがC(O)NR2’またはCH2-C(O)NR2’である。一定の実施形態では、YがC(O)NR2’である。
一定の実施形態では、デグロンが、YがNR2’C(O)、CH2-NR2’C(O)、(CH2)2-NR2’C(O)、(CH2)3-NR2’C(O)、(CH2)4-NR2’C(O)、(CH2)5-NR2’C(O)または(CH2)6-NR2’C(O)である、式Dの部分である。一定の実施形態では、YがNR2’C(O)、CH2-NR2’C(O)、(CH2)2-NR2’C(O)または(CH2)3-NR2’C(O)である、 一定の実施形態では、YがNR2’C(O)またはCH2-NR2’C(O)である。一定の実施形態では、YがNR2’C(O)である。
一定の実施形態では、デグロンが、R2’がHである、式Dの部分である。一定の実施形態では、デグロンが、R2’がメチル、エチル、プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、i-ペンチルおよびヘキシルから選択される、式Dの部分である。一定の実施形態では、R2’が、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、デグロンが、YがNH、CH2-NH、(CH2)2-NH、(CH2)3-NH、(CH2)4-NH、(CH2)5-NHまたは(CH2)6-NHである、式Dの部分である。一定の実施形態では、YがNH、CH2-NH、(CH2)2-NHまたは(CH2)3-NHである。一定の実施形態では、YがNHまたはCH2-NHである。一定の実施形態では、YはNHである。
一定の実施形態では、デグロンが、YがNR2、CH2-NR2、(CH2)2-NR2、(CH2)3-NR2、(CH2)4-NR2、(CH2)5-NR2または(CH2)6-NR2である、式Dの部分である。一定の実施形態では、YがNR2、CH2-NR2、(CH2)2-NR2または(CH2)3-NR2である。一定の実施形態では、YがNR2またはCH2-NR2である。一定の実施形態では、YがNR2である。
一定の実施形態では、デグロンが、R2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、i-ペンチルおよびヘキシルから選択される、式Dの部分である。一定の実施形態では、R2が、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、デグロンが、R2がC(O)-メチル、C(O)-エチル、C(O)-プロピル、C(O)-ブチル、C(O)-i-ブチル、C(O)-t-ブチル、C(O)-ペンチル、C(O)-i-ペンチルおよびC(O)-ヘキシルから選択される、式Dの部分である。一定の実施形態では、R2が、C(O)-メチル、C(O)-エチルおよびC(O)-プロピルから選択されるC(O)-C1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、デグロンが、R2がC(O)-シクロプロピル、C(O)-シクロブチル、C(O)-シクロペンチルおよびC(O)-シクロヘキシルから選択される、式Dの部分である。一定の実施形態では、R2がC(O)-シクロプロピルである。
一定の実施形態では、デグロンが、R3がHである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、R3がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである、式Dの部分である。一定の実施形態では、R3がメチルである。
一定の実施形態では、デグロンが、nが0である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、nが1である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、nが2である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、各R3’が独立に、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、mが0である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、mが1である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、mが2である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、mが3である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、各R1がハロゲン(例えば、F、Cl、BrおよびI)、OH、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、i-ペンチルおよびヘキシル)、およびC1~C6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、i-ブトキシ、t-ブトキシおよびペントキシ)から独立に選択される、式Dの部分である。さらなる実施形態では、デグロンが、各R1がF、Cl、OH、メチル、エチル、プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、メトキシおよびエトキシから独立に選択される、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、各R4がHである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、R4の一方がHであり、他方のR4がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、各R4が独立に、メチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、2つのR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C(O)を形成する、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、2つのR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを形成する、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、2つのR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される4、5または6員複素環を形成する、式Dの部分である。一定の実施形態では、2つのR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、オキセタンを形成する。
一定の実施形態では、デグロンが、R5がH、重水素またはC1~C3アルキルである、式Dの部分である。さらなる実施形態では、R5が(S)または(R)配置である。さらなる実施形態では、R5が(S)配置である。一定の実施形態では、デグロンが、化合物が(S)-R5と(R)-R5のラセミ混合物を含む、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、R5がHである、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、R5が重水素である、式Dの部分である。
一定の実施形態では、デグロンが、R5がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである、式Dの部分である。一定の実施形態では、R5がメチルである。
一定の実施形態では、デグロンが、R5がFまたはClである、式Dの部分である。さらなる実施形態では、R5が(S)または(R)配置である。さらなる実施形態では、R5が(R)配置である。一定の実施形態では、デグロンが、化合物が(S)-R5と(R)-R5のラセミ混合物を含む、式Dの部分である。一定の実施形態では、R5がFである。
一定の実施形態では、デグロンが、XがH、重水素、C1~C3アルキルまたはハロゲンであり;Rがリンカーの結合点である、図21の構造から選択される。
一定の実施形態では、デグロンが図22の構造から選択される。
一定の実施形態では、デグロンが図23の構造から選択される。
リンカー
リンカーは、dTAG標的化リガンドとデグロンを連結する結合または化学基である。一定の実施形態では、リンカーが炭素鎖である。一定の実施形態では、炭素鎖が、場合によりN、OおよびSから選択される1個、2個、3個またはそれ以上のヘテロ原子を含む。一定の実施形態では、炭素鎖が飽和鎖炭素原子のみを含む。一定の実施形態では、炭素鎖が、場合により2個以上の不飽和鎖炭素原子(例えば、
)
を含む。一定の実施形態では、炭素鎖中の1個または複数の鎖炭素原子が、場合により1個または複数の置換基(例えば、オキソ、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
3アルコキシ、OH、ハロゲン、NH
2、NH(C
1~C
3アルキル)、N(C
1~C
3アルキル)
2、CN、C
3~C
8シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルおよびヘテロアリール)で置換されている。
一定の実施形態では、リンカーが少なくとも5個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが20個未満の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが5、7、9、11、13、15、17または19個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが5、7、9または11個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが6、8、10、12、14、16または18個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。一定の実施形態では、リンカーが6、8、10または12個の鎖原子(例えば、C、O、NおよびS)を含む。
一定の実施形態では、リンカーが、場合によりかさ高くない置換基(例えば、オキソ、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C3アルコキシ、OH、ハロゲン、NH2、NH(C1~C3アルキル)、N(C1~C3アルキル)2およびCN)で置換された炭素鎖である。一定の実施形態では、かさ高くない置換が、デグロンに近接する鎖炭素原子上に位置する(すなわち、炭素原子が、デグロンが結合している炭素原子からリンカー中少なくとも3、4または5個の鎖原子によって分離されている)。
一定の実施形態では、リンカーが式L0:
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは立体異性体(式中、
p1は0~12から選択される整数であり;
p2は0~12から選択される整数であり;
p3は1~6から選択される整数であり;
各Wは独立に、存在しない、CH
2、O、S、NHまたはNR
5であり;
Zは存在しない、CH
2、O、NHまたはNR
5であり;
各R
5は独立に、C
1~C
3アルキルであり;
Qは存在しないまたは-CH
2C(O)NH-である)
のものであり、
リンカーがQの隣の
でdTAG標的化リガンドに共有結合しており、リンカー中の鎖原子の総数が20未満である。
一定の実施形態では、リンカー-dTAG標的化リガンド(TL)が、式L1またはL2:
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは立体異性体(式中、
p1は0~12から選択される整数であり;
p2は0~12から選択される整数であり;
p3は1~6から選択される整数であり;
各Wは独立に、存在しない、CH
2、O、S、NHまたはNR
5であり;
Zは存在しない、CH
2、O、NHまたはNR
5であり;
各R
5は独立に、C
1~C
3アルキルであり;
TLはdTAG標的化リガンドである)
の構造を有し、
リンカーが
一定の実施形態では、p1が0~10から選択される整数である。
一定の実施形態では、p1が2~10から選択される整数である。
一定の実施形態では、p1が1、2、3、4、5および6から選択される。
一定の実施形態では、p1が1、3および5から選択される。
一定の実施形態では、p1が1、2および3から選択される。
一定の実施形態では、p1が3である。
一定の実施形態では、p2が0~10から選択される整数である。
一定の実施形態では、p2が0、1、2、3、4、5および6から選択される。
一定の実施形態では、p2が0および1から選択される整数である。
一定の実施形態では、p3が1~5から選択される整数である。
一定の実施形態では、p3が2、3、4および5から選択される。
一定の実施形態では、p3が1、2および3から選択される。
一定の実施形態では、p3が2および3から選択される。
一定の実施形態では、少なくとも1つのWがCH2である。
一定の実施形態では、少なくとも1つのWがOである。
一定の実施形態では、少なくとも1つのWがSである。
一定の実施形態では、少なくとも1つのWがNHである。
一定の実施形態では、少なくとも1つのWがNR5であり;R5がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、WがOである。
一定の実施形態では、Zが存在しない。
一定の実施形態では、ZがCH2である。
一定の実施形態では、ZがOである。
一定の実施形態では、ZがNHである。
一定の実施形態では、ZがNR5であり;R5がメチル、エチルおよびプロピルから選択されるC1~C3アルキルである。
一定の実施形態では、Zがリンカーに結合しているdTAG標的化リガンドの一部である、すなわち、ZがdTAG標的化リガンドの官能基とリンカーの反応から形成される。
一定の実施形態では、WがCH2であり、ZがCH2である。
一定の実施形態では、WがOであり、ZがCH2である。
一定の実施形態では、WがCH2であり、ZがOである。
一定の実施形態では、WがOであり、ZがOである。
一定の実施形態では、リンカー-dTAG標的化リガンドが、表Lから選択される構造を有する:
表L
(式中、Z、TLおよびp1はそれぞれ上記の通りである)。
本明細書に記載されるデグロンのいずれか1つが、本明細書に記載されるリンカーのいずれか1つに共有結合することができる。
一定の実施形態では、本出願は、以下の構造を有するデグロン-リンカー(DL)を含む:
(式中、変数の各々は、式D0および式L0で上記の通りであり、dTAG標的化リガンドは、Zの隣の
一定の実施形態では、本出願は、以下の構造を有するデグロン-リンカー(DL)を含む:
(式中、変数の各々は、式Dおよび式L0で上記の通りであり、dTAG標的化リガンドは、Zの隣の
本出願のいくつかの実施形態は、以下の構造を有する二官能性化合物:
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは立体異性体(式中、変数の各々は、式Dおよび式L0で上記の通りであり、dTAG標的化リガンドは、本明細書中以下に記載される)
に関する。
本出願のさらなる実施形態は、以下の構造を有する二官能性化合物:
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは立体異性体(式中、変数の各々は、式Dおよび式L0で上記の通りであり、dTAG標的化リガンドは、本明細書中以下に記載される)
に関する。
本出願の一定の実施形態は、以下の構造の1つを有する二官能性化合物に関する:
一定の実施形態では、リンカーが、約1個~約12個のエチレングリコール単位、1個~約10個のエチレングリコール単位、約2個~約6個のエチレングリコール単位、約2個~5個のエチレングリコール単位、約2個~4個のエチレングリコール単位に及ぶサイズのポリエチレングリコール基であり得る。
一定の実施形態では、リンカーが、リンカーの結合位置に関して、dTAG標的化リガンドのSAR(構造活性相関)およびX線結晶学に基づいて設計および最適化される。
一定の実施形態では、最適なリンカー長および組成が標的によって異なり、その標的に結合した元のdTAG標的化リガンドのX線構造に基づいて推定することができる。リンカー長および組成を、代謝安定性ならびに薬物動態(PK)および薬力学(PD)パラメータを調節するように改変することもできる。
dTAG標的化リガンドが複数の標的に結合する一定の実施形態では、リンカー長を変えることによって選択性を達成することができ、ここではリガンドが異なる結合ポケット、例えば他のものより深いまたは浅い結合ポケットでその標的のいくつかに結合する。
さらなる実施形態では、本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物が化学リンカー(L)を含む。一定の実施形態では、リンカー基Lが、Aの1つまたは複数の共有結合構造単位(例えば、-A1...Aq-)(式中、A1は、デグロン、dTAG標的化リガンドまたはこれらの組み合わせの少なくとも1つに結合した基である)を含む基である。一定の実施形態では、A1が、デグロン、dTAG標的化リガンドまたはこれらの組み合わせを別のデグロン、標的化リガンドまたはこれらの組み合わせに直接的に連結する。他の実施形態では、A1が、デグロン、dTAG標的化リガンドまたはこれらの組み合わせを、Aqを通して別のデグロン、dTAG標的化リガンドまたはこれらの組み合わせに間接的に連結する。
一定の実施形態では、A1~Aqが、それぞれ独立に、結合、CRL1RL2、O、S、SO、SO2、NRL3、SO2NRL3、SONRL3、CONRL3、NRL3CONRL4、NRL3SO2NRL4、CO、CRL1=CRL2、C≡C、SiRL1RL2、P(O)RL1、P(O)ORL1、NRL3C(=NCN)NRL4、NRL3C(=NCN)、NRL3C(=CNO2)NRL4、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたC3~11シクロアルキル、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたC3~11ヘテロシクリル、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたアリール、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたヘテロアリール(RL1および/またはRL2は、それぞれ独立に、他のA基と結合して、0~4個のRL5基でさらに置換されていてもよいシクロアルキルおよび/またはヘテロシクリル部分を形成することができる)(式中、
(RL1、RL2、RL3、RL4およびRL5は、それぞれ独立に、H、ハロ、C1~8アルキル、OC1~8アルキル、SC1~8アルキル、NHC1~8アルキル、N(C1~8アルキル)2、C3~11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3~11ヘテロシクリル、OC1~8シクロアルキル、SC1~8シクロアルキル、NHC1~8シクロアルキル、N(C1~8シクロアルキル)2、N(C1~8シクロアルキル)(C1~8アルキル)、OH、NH2、SH、SO2C1~8アルキル、P(O)(OC1~8アルキル)(C1~8アルキル)、P(O)(OC1~8アルキル)2、CC-C1~8アルキル、CCH、CH=CH(C1~8アルキル)、C(C1~8アルキル)=CH(C1~8アルキル)、C(C1~8アルキル)=C(C1~8アルキル)2、Si(OH)3、Si(C1~8アルキル)3、Si(OH)(C1~8アルキル)2、COC1~8アルキル、CO2H、ハロゲン、CN、CF3、CHF2、CH2F、NO2、SF5、SO2NHC1~8アルキル、SO2N(C1~8アルキル)2、SONHC1~8アルキル、SON(C1~8アルキル)2、CONHC1~8アルキル、CON(C1~8アルキル)2、N(C1~8アルキル)CONH(C1~8アルキル)、N(C1~8アルキル)CON(C1~8アルキル)2、NHCONH(C1~8アルキル)、NHCON(C1~8アルキル)2、NHCONH2、N(C1~8アルキル)SO2NH(C1~8アルキル)、N(C1~8アルキル)SO2N(C1~8アルキル)2、NHSO2NH(C1~8アルキル)、NHSO2N(C1~8アルキル)2、NHSO2NH2である)
である。
一定の実施形態では、qが0以上の整数である。一定の実施形態では、qが1以上の整数である。
一定の実施形態では、例えば、qが2より大きい場合、Aqがデグロンに接続されている基であり、A1とAqがAの構造単位(このようなAの構造単位の数:q-2)を介して接続されている。
一定の実施形態では、例えば、qが2である場合、AqがA1およびデグロン部分に接続されている基である。
一定の実施形態では、例えば、qが1である場合、リンカー基Lの構造が-A1-であり、A1がデグロン部分およびdTAG標的化リガンド部分に接続されている基である。
さらなる実施形態では、qが1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~20または1~10の整数である。
一定の実施形態では、リンカー(L)が図24の構造から選択される。
他の実施形態では、リンカー(L)が、
さらなる実施形態では、リンカー基が、1~約100個のエチレングリコール単位、約1~約50個のエチレングリコール単位、1~約25個のエチレングリコール単位、約1~10個のエチレングリコール単位、1~約8個のエチレングリコール単位および1~6個のエチレングリコール単位、2~4個のエチレングリコール単位を有する場合により置換された(ポリ)エチレングリコール、または場合により置換されたO、N、S、PもしくはSi原子が散在する場合により置換されたアルキル基である。一定の実施形態では、リンカーが、アリール、フェニル、ベンジル、アルキル、アルキレンまたは複素環基で置換されている。一定の実施形態では、リンカーが非対称または対称であり得る。
本明細書に記載される化合物の実施形態のいずれにおいても、リンカー基が本明細書に記載される任意の適切な部分であり得る。一実施形態では、リンカーが、約1個~約12個のエチレングリコール単位、1個~約10個のエチレングリコール単位、約2個~約6個のエチレングリコール単位、約2個~5個のエチレングリコール単位、約2個~4個のエチレングリコール単位に及ぶサイズの置換または非置換ポリエチレングリコール基である。
デグロン基およびdTAG標的化リガンド基は、リンカーの化学的性質に対して適切かつ安定である任意の基を通してリンカー基に共有結合していてよいが、リンカーは、好ましくはアミド、エステル、チオエステル、ケト基、カルバメート(ウレタン)、炭素またはエーテル(これらの基の各々がデグロン基およびdTAG標的化リガンド基上のどこに挿入されていてもよい)を通してデグロン基およびdTAG標的化リガンド基に独立に共有結合して、ユビキチンリガーゼ上のデグロン基と標的dTAG上のdTAG標的化リガンド基の最大結合をもたらす。(デグロン基がユビキチンリガーゼを標的化する一定の態様では、分解のための標的タンパク質がユビキチンリガーゼ自体であり得ることに留意されたい)。リンカーは、デグロンおよび/またはdTAG標的化リガンド基上の場合により置換されたアルキル、アルキレン、アルケンまたはアルキン基、アリール基または複素環式基に結合していてもよい。
一定の実施形態では、「L」が4~24個の直鎖原子を有する直鎖であり得、図26の構造のように、直鎖中の炭素原子が、酸素、窒素、アミド、フッ化炭素等で置換されていてもよい。
一定の実施形態では、「L」が非直鎖であり得、脂肪族または芳香族またはヘテロ芳香族環式部分であり得、「L」のいくつかの例としては、それだけに限らないが、図27の構造(式中、XおよびYは、結合、CRL1RL2、O、S、SO、SO2、NRL3、SO2NRL3、SONRL3、CONRL3、NRL3CONRL4、NRL3SO2NRL4、CO、CRL1=CRL2、C≡C、SiRL1RL2、P(O)RL1、P(O)ORL1、NRL3C(=NCN)NRL4、NRL3C(=NCN)、NRL3C(=CNO2)NRL4、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたC3~11シクロアルキル、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたC3~11ヘテロシクリル、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたアリール、場合により0~6個のRL1および/またはRL2基で置換されたヘテロアリール(RL1またはRL2は、それぞれ独立に、他のA基と結合して、0~4個のRL5基でさらに置換されていてもよいシクロアルキルおよび/またはヘテロシクリル部分を形成することができる)から独立に選択される)が挙げられる。
dTAG標的化リガンド
dTAG標的化リガンド(TL)は、dTAGに結合することができる、またはユビキチンによるタグ付けが起こることを可能にするdTAG標的が結合することができる。
本明細書で企図されるように、本発明のゲノムは、細胞質内に位置するヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質(dTAG)を含む。ゲノムのヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質は、ヘテロ二官能性化合物が結合することができる任意のアミノ酸配列であり、ヘテロ二官能性化合物と接触すると、タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質の分解をもたらす。好ましくは、dTAGはCARの機能を妨害すべきでない。一実施形態では、dTAGが、ヘテロ二官能性化合物の選択性をもたらし、ヘテロ二官能性化合物の投与時のオフターゲット効果の回避を可能にする非内因性ペプチドである。一実施形態では、dTAGが、ヘテロ二官能性化合物が改変アミノ酸配列のみに結合し、内因性発現タンパク質に結合しないように改変された、内因性タンパク質に由来するアミノ酸配列である。一実施形態では、dTAGが内因性発現タンパク質である。ヘテロ二官能性化合物に使用するためにリガンドによって結合され得る任意のアミノ酸配列ドメインを、本明細書で企図されるようにdTAGとして使用することができる。
特定の実施形態では、本発明に使用するためのdTAGが、それだけには限定されないが、FK506結合タンパク質12(FKBP12)、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)、CREB結合タンパク質(CREBBP)および転写活性化因子BRG1(SMARCA4)、またはその変異体などの内因性発現タンパク質に由来するアミノ酸配列を含む。本明細書で企図されるように、「変異体」は、変異体が元の配列と同じ機能を実質的に保持する限り、この場合はヘテロ二官能性化合物のためのリガンド結合を提供している限り、1個または数個~複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加などの任意の変異体を意味する。他の実施形態では、本発明に使用するためのdTAGが、例えばホルモン受容体、例えばエストロゲン受容体タンパク質、アンドロゲン受容体タンパク質、レチノイドx受容体(RXR)タンパク質、および細菌DHFRを含むジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、細菌デヒドロゲナーゼ、ならびに変異体を含み得る。
一実施形態では、dTAGが、本明細書で特定されるタンパク質のいずれかの一部である。例えば、dTAGは、BRD4のBD1ドメインまたはBRD4のBD2ドメインであり得る。一実施形態では、親dTAGを標的とすると本明細書中で特定された標的化リガンドが、代わりに部分を標的化するために使用される。一実施形態では、表T中のBRD4標的化リガンドを使用して、BD1 dTAGを標的化することができる。別の実施形態では、表T中のBRD4標的化リガンドを使用して、BD2 dTAGを標的化することができる。
本出願のいくつかの実施形態は、それだけに限らないが、Hsp90阻害剤、キナーゼ阻害剤、MDM2阻害剤、ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質を標的化する化合物、サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12を標的化する化合物、HDAC阻害剤、ヒトリジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、免疫抑制化合物、およびアリール炭化水素受容体(AHR)を標的化する化合物に由来するものを含む、dTAGを標的化するTLを含む。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、キナーゼ、BETブロモドメイン含有タンパク質、サイトゾルシグナル伝達タンパク質(例えば、FKBP12)、核タンパク質、ヒストンデアセチラーゼ、リジンメチルトランスフェラーゼ、血管新生を調節するタンパク質、免疫応答を調節するタンパク質、アリール炭化水素受容体(AHR)、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、グルココルチコイド受容体、または転写因子(例えば、SMARCA4、SMARCA2、TRIM24)に由来するdTAGに結合することができるまたは結合する化合物である。
一定の実施形態では、dTAGが、それだけに限らないが、チロシンキナーゼ(例えば、AATK、ABL、ABL2、ALK、AXL、BLK、BMX、BTK、CSF1R、CSK、DDR1、DDR2、EGFR、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHA10、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT4、FRK、FYN、GSG2、HCK、IGF1R、ILK、INSR、INSRR、IRAK4、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、KDR、KIT、KSR1、LCK、LMTK2、LMTK3、LTK、LYN、MATK、MERTK、MET、MLTK、MST1R、MUSK、NPR1、NTRK1、NTRK2、NTRK3、PDGFRA、PDGFRB、PLK4、PTK2、PTK2B、PTK6、PTK7、RET、ROR1、ROR2、ROS1、RYK、SGK493、SRC、SRMS、STYK1、SYK、TEC、TEK、TEX14、TIE1、TNK1、TNK2、TNNI3K、TXK、TYK2、TYRO3、YES1またはZAP70)、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、カゼインキナーゼ2、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼC、Rafキナーゼ、CaMキナーゼ、AKT1、AKT2、AKT3、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、Aurora A、Aurora B、Aurora C、CHK1、CHK2、CLK1、CLK2、CLK3、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DMPK、ERK1、ERK2、ERK5、GCK、GSK3、HIPK、KHS1、LKB1、LOK、MAPKAPK2、MAPKAPK、MNK1、MSSK1、MST1、MST2、MST4、NDR、NEK2、NEK3、NEK6、NEK7、NEK9、NEK11、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PIM1、PIM2、PLK1、RIP2、RIP5、RSK1、RSK2、SGK2、SGK3、SIK1、STK33、TAO1、TAO2、TGF-β、TLK2、TSSK1、TSSK2、ULK1またはULK2)、サイクリン依存性キナーゼ(例えば、Cdk1~Cdk11)、およびロイシンリッチリピートキナーゼ(例えば、LRRK2)を含む、dTAG標的化リガンドが結合することができるまたは結合するキナーゼに由来する。
一定の実施形態では、dTAGが、それだけに限らないが、ASH1L、ATAD2、BAZ1A、BAZ1B、BAZ2A、BAZ2B、BRD1、BRD2、BRD3、BRD4、BRD5、BRD6、BRD7、BRD8、BRD9、BRD10、BRDT、BRPF1、BRPF3、BRWD3、CECR2、CREBBP、EP300、FALZ、GCN5L2、KIAA1240、LOC93349、MLL、PB1、PCAF、PHIP、PRKCBP1、SMARCA2、SMARCA4、SP100、SP110、SP140、TAF1、TAF1L、TIF1a、TRIM28、TRIM33、TRIM66、WDR9、ZMYND11およびMLL4を含む、dTAG標的化リガンドが結合することができるまたは結合するBETブロモドメイン含有タンパク質に由来する。一定の実施形態では、BETブロモドメイン含有タンパク質がBRD4である。
一定の実施形態では、dTAGが、それだけに限らないが、BRD2、BRD3、BRD4、アンテナペディアホメオドメインタンパク質、BRCA1、BRCA2、CCAAT増強結合タンパク質、ヒストン、ポリコーム群タンパク質、高移動度タンパク質、テロメア結合タンパク質、FANCA、FANCD2、FANCE、FANCF、肝細胞核因子、Mad2、NFκB、核内受容体コアクチベーター、CREB結合タンパク質、p55、p107、p130、Rbタンパク質、p53、c-fos、c-jun、c-mdm2、c-mycおよびc-relを含む、dTAG標的化リガンドが結合することができるまたは結合する核タンパク質に由来する。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、キナーゼ阻害剤、BETブロモドメイン含有タンパク質阻害剤、サイトゾルシグナル伝達タンパク質FKBP12リガンド、HDAC阻害剤、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、免疫抑制化合物、およびアリール炭化水素受容体(AHR)阻害剤から選択される。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)またはSERD(選択的エストロゲン受容体分解剤)である。SERMおよびSERDの非限定的な例は、Astra Zenecaに譲渡された国際公開第2014/191726号パンフレット、Olema Pharmaceuticalsに譲渡された国際公開第2013/090921号パンフレット、国際公開第2014/203129号パンフレット、国際公開第2014/203132号パンフレットおよび米国特許出願公開第2013/0178445号明細書、ならびに米国特許第9078871号明細書、同第8853423号明細書および同第8703810号明細書、ならびにSeragon Pharmaceuticalsに譲渡された米国特許出願公開第2015/0005286号明細書、国際公開第2014/205136号パンフレットおよび国際公開第2014/205138号パンフレットに提供されている。
さらなるdTAG標的化リガンドには、例えば、内因性タンパク質に結合する(標的dTAGに結合する)任意の部分が含まれる。例示的なdTAG標的化リガンドには、とりわけ小分子dTAG標的化リガンド:Hsp90阻害剤、キナーゼ阻害剤、HDM2およびMDM2阻害剤、ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質を標的化する化合物、HDAC阻害剤、ヒトリジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、核ホルモン受容体化合物、免疫抑制化合物およびアリール炭化水素受容体(AHR)を標的化する化合物が含まれる。このような小分子標的dTAG結合部分はまた、これらの組成物の薬学的に許容される塩、エナンチオマー、溶媒和物および多形、ならびに目的のdTAGを標的化し得る他の小分子を含む。
いくつかの実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Insights Into the Allosteric Inhibition of the SUMO E2 Enzyme Ubc9」Hewitt,W.M.ら(2016)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.55:5703~5707に記載されるものを含む、Ubc9 SUMO E2リガーゼ5F6D標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Structure of human tankyrase 1 in complex with small-molecule inhibitors PJ34 and XAV939.」Kirby,C.A.、Cheung,A.、Fazal,A.、Shultz,M.D.、Stams,T、(2012)Acta Crystallogr.,Sect.F 68:115~118;および「Structure-Efficiency Relationship of [1,2,4]Triazol-3-ylamines as Novel Nicotinamide Isosteres that Inhibit Tankyrases.」Shultz,M.D.ら(2013)J.Med.Chem.56:7049~7059に記載されるものを含む、Tank1標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Requirements for Specific Binding of Low Affinity Inhibitor Fragments to the SH2 Domain of pp60Src Are Identical to Those for High Affinity Binding of Full Length Inhibitors」Gudrun Langeら、J.Med.Chem.2003、46、5184~5195に記載されるものを含む、pp60 Src標的化リガンドのSH2ドメインである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「The Lysosomal Protein Saposin B Binds Chloroquine.」Huta,B.P.ら、(2016)Chemmedchem 11:277に記載されるものを含む、Sec7ドメイン標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「The structure of cytomegalovirus immune modulator UL141 highlights structural Ig-fold versatility for receptor binding」I.NemcovicovaおよびD.M.Zajonc Acta Cryst.(2014).D70、851~862に記載されるものを含む、サポシン-B標的化リガント゛である。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「2WOS STRUCTURE OF HUMAN S100A7 IN COMPLEX WITH 2,6 ANS」DOI:10.2210/pdb2wos/pdb;および「Identification and Characterization of Binding Sites on S100A7,a Participant in Cancer and Inflammation Pathways.」Leon,R.、Murrayら(2009)Biochemistry 48:10591~10600に記載されるものを含む、タンパク質S100-A7 2OWS標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Structure-based design of the first potent and selective inhibitor of human non-pancreatic secretory phospholipase A2」Schevitz,R.W.ら、Nat.Struct.Biol.1995、2、458~465に記載されるものを含む、ホスホリパーゼA2標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「A Poised Fragment Library Enables Rapid Synthetic Expansion Yielding the First Reported Inhibitors of PHIP(2),an Atypical Bromodomain」Krojer,T.ら Chem.Sci.2016、7、2322~2330に記載されるものを含む、PHIP標的化リガント゛である。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Discovery of Low-Molecular-Weight Ligands for the AF6 PDZ Domain」Mangesh Joshiら Angew.Chem.Int.Ed.2006、45、3790~3795に記載されるものを含む、PDZ標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Structural Basis for Lack of ADP-ribosyltransferase Activity in Poly(ADP-ribose) Polymerase-13/Zinc Finger Antiviral Protein.」Karlberg,T.ら、(2015)J.Biol.Chem.290:7336~7344に記載されるものを含む、PARP15標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Discovery of Ligands for ADP-Ribosyltransferases via Docking-Based Virtual Screening.」Andersson,C.D.ら、(2012)J.Med.Chem.55:7706~7718.;「Family-wide chemical profiling and structural analysis of PARP and tankyrase inhibitors.」Wahlberg,E.ら(2012)Nat.Biotechnol.30:283~288.;「Discovery of Ligands for ADP-Ribosyltransferases via Docking-Based Virtual Screening.」Andersson,C.D.ら(2012)J.Med.Chem.55:7706~7718に記載されるものを含む、PARP14標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「MTH1 inhibition eradicates cancer by preventing sanitation of the dNTP pool」Helge Gadら Nature、2014、508、215~221に記載されるものを含む、MTH1標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Crystal Structures of mPGES-1 Inhibitor Complexes Form a Basis for the Rational Design of Potent Analgesic and Anti-Inflammatory Therapeutics.」Luz,J.G.ら(2015)J.Med.Chem.58:4727~4737に記載されるものを含む、mPGES-1標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「Crystal structure of inhibitor-bound human 5-lipoxygenase-activating protein.」Ferguson,A.D.、McKeever,B.M.、Xu,S.、Wisniewski,D.、Miller,D.K.、Yamin,T.T.、Spencer,R.H.、Chu,L.、Ujjainwalla,F.、Cunningham,B.R.、Evans,J.F.、Becker,J.W.(2007)Science 317:510~512に記載されるものを含む、FLAP-5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「A Real-World Perspective on Molecular Design.」Kuhn,B.ら、J.Med.Chem.2016、59、4087~4102に記載されるものを含む、FA結合タンパク質標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、それだけに限らないが、「ABT-199,a potent and selective BCL-2 inhibitor,achieves antitumor activity while sparing platelets.」Souers,A.J.ら(2013)NAT.MED.(N.Y.)19:202~208に記載されるものを含む、BCL2標的化リガンドである。
別の実施形態では、dTAG標的化リガンドがEGFR標的化リガンドである。一実施形態では、dTAG標的化リガンドが、エルロチニブ(Tarceva)、ゲフィチニブ(Iressa)、アファチニブ(Gilotrif)、ロシレチニブ(CO-1686)、オシメルチニブ(Tagrisso)、オルムチニブ(Olita)、ナコチニブ(ASP8273)、ナザルチニブ(EGF816)、PF-06747775(Pfizer)、イコチニブ(BPI-2009)、ネラチニブ(HKI-272;PB272);アビチニブ(AC0010)、EAI045、タルロキソチニブ(tarloxotinib)(TH-4000;PR-610)、PF-06459988(Pfizer)、テセバチニブ(XL647;EXEL-7647;KD-019)、トランスチニブ、WZ-3146、WZ8040、CNX-2006およびダコミチニブ(PF-00299804;Pfizer)から選択される。リンカーを、EGFRへの標的化リガンドの結合を妨げない任意の位置でこれらの標的化リガンド上に配置することができる。リンカー結合位置の非限定的な例を以下の表Tで提供する。一実施形態では、EGFR標的化リガンドが、EGFRのL858R突然変異体に結合する。別の実施形態では、EGFR標的化リガンドが、EGFRのT790M突然変異体に結合する。別の実施形態では、EGFR標的化リガンドが、EGFRのC797GまたはC797S突然変異体に結合する。一実施形態では、EGFR標的化リガンドが、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、ネラチニブおよびダコミチニブから選択され、EGFRのL858R突然変異体に結合する。別の実施形態では、EGFR標的化リガンドが、オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、PF-06747775、イコチニブ、ネラチニブ、アビチニブ、タルロキソチニブ、PF-0645998、テセバチニブ、トランスチニブ、WZ-3146、WZ8040およびCNX-2006から選択され、EGFRのT790M突然変異体に結合する。別の実施形態では、EGFR標的化リガンドがEAI045であり、EGFRのC797GまたはC797S突然変異体に結合する。
dTAG標的化リガンド基に結合し、ユビキチンリガーゼに作用するまたはユビキチンリガーゼによって分解され得る任意のタンパク質が、本発明による標的タンパク質である。一般に、dTAGとして使用するための内因性標的タンパク質には、例えば、構造タンパク質、受容体、酵素、細胞表面タンパク質、触媒活性、アロマターゼ活性、運動活性、ヘリカーゼ活性、代謝過程(同化作用および異化作用)、抗酸化活性、タンパク質分解、生合成、キナーゼ活性を有するタンパク質、オキシドレダクターゼ活性、トランスフェラーゼ活性、ヒドロラーゼ活性、リアーゼ活性、イソメラーゼ活性、リガーゼ活性、酵素調節活性、シグナルトランスデューサ活性、構造分子活性、結合活性(タンパク質、脂質、炭水化物)、受容体活性、細胞運動性、膜融合、細胞間情報伝達、生物学的過程の制御、発生、細胞分化、刺激反応、行動タンパク質、細胞接着タンパク質、細胞死に関与するタンパク質、輸送に関与するタンパク質(タンパク質輸送体活性、核輸送、イオン輸送体活性、チャネル輸送体活性、担体活性、パーミアーゼ活性、分泌活性、電子輸送体活性を含む)、病原性、シャペロン調節活性、核酸結合活性、転写調節活性、細胞外組織化および生合成活性、翻訳調節活性に関与するタンパク質を含む、細胞の統合機能に関連するタンパク質が含まれ得る。
より具体的には、ヒト治療用のいくつかの薬物標的は、タンパク質標的またはdTAG標的化リガンドを結合させて、本発明による化合物に組み込むことができるdTAG標的を表す。これらには、例えばB7.1およびB7、TINFR1m、TNFR2、NADPHオキシダーゼ、BclIBaxおよびアポトーシス経路の他のパートナー、C5a受容体、HMG-CoAレダクターゼ、PDE Vホスホジエステラーゼ型、PDE IVホスホジエステラーゼ4型、PDE I、PDE II、PDE III、スクアレンシクラーゼ阻害剤、CXCR1、CXCR2、一酸化窒素(NO)シンターゼ、シクロオキシゲナーゼ1、シクロオキシゲナーゼ2、5HT受容体、ドーパミン受容体、Gタンパク質、すなわち、Gq、ヒスタミン受容体、5-リポキシゲナーゼ、トリプターゼセリンプロテアーゼ、チミジル酸シンターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、GAPDHトリパノソーマ、グリコーゲンホスホリラーゼ、炭酸脱水酵素、ケモカイン受容体、JAW STAT、RXRなど、HIV 1プロテアーゼ、HIV 1インテグラーゼ、インフルエンザ、ノイラミニダーゼ、B型肝炎逆転写酵素、ナトリウムチャネル、多剤耐性(MDR)、プロテインP糖タンパク質(およびMRP)、チロシンキナーゼ、CD23、CD124、チロシンキナーゼp56 lck、CD4、CD5、IL-2受容体、IL-1受容体、TNF-αR、ICAM1、Cat+チャネル、VCAM、VLA-4インテグリン、セレクチン、CD40/CD40L、ニューオキニン(newokinin)および受容体、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ、p38 MAPキナーゼ、RaslRaflMEWERK経路、インターロイキン-1変換酵素、カスパーゼ、HCV、NS3プロテアーゼ、HCV NS3 RNAヘリカーゼ、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ、ライノウイルス3Cプロテアーゼ、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-I)、プロテアーゼ、サイトメガロウイルス(CMV)プロテアーゼ、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、血管内皮増殖因子、オキシトシン受容体、ミクロソーム移動タンパク質阻害剤、胆汁酸輸送阻害剤、5αレダクターゼ阻害剤、アンジオテンシン11、グリシン受容体、ノルアドレナリン再取り込み受容体、エンドセリン受容体、ニューロペプチドYおよび受容体、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、アデノシン受容体、アデノシンキナーゼおよびAMPデアミナーゼ、プリン作動性受容体(P2Y1、P2Y2、P2Y4、P2Y6、P2X1-7)、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、NGFの受容体であるTrkA、βアミロイド、チロシンキナーゼFlk-IIKDR、ビトロネクチン受容体、インテグリン受容体、Her-21 neu、テロメラーゼ阻害、サイトゾルホスホリパーゼA2およびEGF受容体チロシンキナーゼを含む、多数の多遺伝子性疾患で機能を回復するために使用され得るタンパク質が含まれる。dTAGとして有用なさらなるタンパク質標的には、例えば、エクジソン20-モノオキシゲナーゼ、GABA作動性塩素チャネルのイオンチャネル、アセチルコリンエステラーゼ、電位感受性ナトリウムチャネルタンパク質、カルシウム放出チャネル、および塩素チャネルが含まれる。dTAGとして使用するためのなおさらなる標的タンパク質には、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、アデニルコハク酸シンテターゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼおよびエノールピルビルシキミ酸ホスフェートシンターゼが含まれる。
一実施形態では、dTAGおよびdTAG標的化リガンド対が、リガンドのライブラリーをスクリーニングすることによって選択される。このようなスクリーニングは、「Kinase Inhibitor Profiling Reveals Unexpected Opportunities to Inhibit Disease-Associated Mutant Kinases」Duong-Lyら;Cell Reports 14、772~781 2016年2月2日に例示されている。
ハロアルカンデハロゲナーゼ酵素は、dTAGとして使用することができる本発明による具体的な化合物の別の標的である。クロロアルカンペプチド結合部分(C1~C12、しばしば約C2~C10アルキルハロ基)を含む本発明による化合物を使用して、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月6日に出願され、2012年6月14日に国際公開第2012/078559号パンフレットとして公開されたPCT/US2012/063401に記載される融合タンパク質または関連する診断用タンパク質に使用されるハロアルカンデハロゲナーゼ酵素を阻害および/または分解することができる。
dTAG標的化リガンドの非限定的な例を以下の表Tに示し、これはdTAGとして有用なタンパク質またはアミノ酸配列を標的化することができるdTAG標的化リガンドを表す。
表T:
A.BRD dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBRD dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
R’はメチルまたはエチルである)。
B.CREBBP dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるCREBBP dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
AはNまたはCHであり;
mは0、1、2、3、4、5、6、7または8である)。
C.SMARCA4、PB1および/またはSMARCA2 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるSMARCA4、PB1および/またはSMARCA2 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
AはNまたはCHであり;
mは0、1、2、3、4、5、6、7または8である)。
D.TRIM24および/またはBRPF1 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるTRIM24および/またはBRPF1 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
mは0、1、2、3、4、5、6、7または8である)。
E.グルココルチコイド受容体dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるグルココルチコイドdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
F.エストロゲンおよび/またはアンドロゲン受容体dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるエストロゲンおよび/またはアンドロゲンdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
G.DOT1L dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるDOT1L dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
AはNまたはCHであり;
mは0、1、2、3、4、5、6、7または8である)。
H.Ras dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるRas dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
I.RasG12C dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるRasG12C dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
J.Her3 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHer3 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
Rはリンカーが結合している点であり;
R’は
K.Bcl-2またはBcl-XL dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBcl-2またはBcl-XL dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
L.HDAC dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHDAC dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
M.PPAR-γ dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPPAR-γ dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
N.RXR dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるRXR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
O.DHFR dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるDHFR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
P.EGFR dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるEGFR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、ネラチニブおよびダコミチニブを含む、L858R変異EGFRを標的化する標的化リガンド。
2.オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、PF-06747775、イコチニブ、ネラチニブ、アビチニブ、タルロキソチニブ、PF-0645998、テセバチニブ、トランスチニブ、WZ-3146、WZ8040およびCNX-2006を含む、T790M変異EGFRを標的化する標的化リガンド:
3.EAI045を含むC797S変異EGFRを標的化する標的化リガンド:
Q.BCR-ABL dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBCR-ABL dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.ニロチニブおよびダサチニブを含む、T315I変異BCR-ABL(PDB番号3CS9)を標的化する標的化リガンド:
2.ニロチニブ、ダサチニブ、ポナチニブおよびボスチニブを含む、BCR-ABLを標的化する標的化リガンド:
R.ALK dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるALK dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.セリチニブを含むL1196M変異ALK(PDB番号4MKC)を標的化する標的化リガンド:
S.JAK2 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるJAK2 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.ルキソリチニブを含む、V617F変異JAK2を標的化する標的化リガンド:
T.BRAF dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBRAF dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.ベムラフェニブを含むV600E変異BRAF(PBD番号3OG7)を標的化する標的化リガンド:
2.ダブラフェニブを含む、BRAFを標的化する標的化リガンド:
U.LRRK2 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるLRRK2 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.
(式中、
Rはリンカーが結合している点である)
を含む、R1441C変異LRRK2を標的化する標的化リガンド。
2.
(式中、
Rはリンカーが結合している点である)
を含む、G2019S変異LRRK2を標的化する標的化リガンド。
3.
(式中、
Rはリンカーが結合している点である)
を含む、I2020T変異LRRK2を標的化する標的化リガンド。
V.PDGFRα dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPDGFRα dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.AG-1478、CHEMBL94431、ドビチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、Janex1、パゾパニブ、PD153035、ソラフェニブ、スニチニブ、WHI-P180を含む、T674I変異PDGFRαを標的化する標的化リガンド:
W.RET dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるRET dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.トザセルチブを含む、G691S変異RETを標的化する標的化リガンド
2.トザセルチブを含む、R749T変異RETを標的化する標的化リガンド
3.トザセルチブを含む、E762Q変異RETを標的化する標的化リガンド
4.トザセルチブを含む、Y791F変異RETを標的化する標的化リガンド
5.トザセルチブを含むV804M変異RETを標的化とする標的化リガンド
6.トザセルチブを含む、M918T変異RETを標的化する標的化リガンド
X.熱ショックタンパク質90(HSP90)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用される熱ショックタンパク質90(HSP90)dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.YKB(N-[4-(3H-イミダゾ[4,5-C]ピリジン-2-イル)-9H-フルオレン-9-イル]-スクシンアミド)を含む、Valleeら、「Tricyclic Series of Heat Shock Protein 90(HSP90) Inhibitors Part I:Discovery of Tricyclic Imidazo[4,5-C]Pyridines as Potent Inhibitors of the HSP90 Molecular Chaperone(2011)J.Med.Chem.54:7206で特定されるHSP90阻害剤:
リンカー基Lまたは-(Lデグロン)基が、例えば、末端アミド基を介して結合している場合、誘導体化されている;
2.HSP90阻害剤p54(改変)(8-[(2,4-ジメチルフェニル)スルファニル]-3]ペンタ-4-イン-1-イル-3H-プリン-6-アミン):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、末端アセチレン基を介して結合している場合、誘導体化されている;
3.構造:
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、アミド基を介して(アミンまたはアミン上のアルキル基に)結合している場合、誘導体化されている
を有する、化合物2GJ(5-[2,4-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)フェニル]-n-エチル-4-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]イソオキサゾール-3-カルボキサミド)を含む、Broughら、「4,5-Diarylisoxazole HSP90 Chaperone Inhibitors:Potential Therapeutic Agents for the Treatment of Cancer」、J.MED.CHEM.第51巻、196頁(2008)で特定されるHSP90阻害剤(改変);
4.構造:
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)が、例えば、ブチル基を介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、HSP90阻害剤PU3を含む、Wrightら、Structure-Activity Relationships in Purine-Based Inhibitor Binding to HSP90 Isoforms、Chem Biol.2004年6月;11(6):775~85で特定されるHSP90阻害剤(改変);および
5.HSP90阻害剤ゲルダナマイシン((4E,6Z,8S,9S,10E,12S,13R,14S,16R)-13-ヒドロキシ-8,14,19-トリメトキシ-4,10,12,16-テトラメチル-3,20,22-トリオキソ-2-アザビシクロ[16.3.1](誘導体化)またはその誘導体のいずれか(例えば、17-アルキルアミノ-17-デスメトキシゲルダナマイシン(「17-AAG」)または17-(2-ジメチルアミノエチル)アミノ-17-デスメトキシゲルダナマイシン(「17-DMAG」))(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、アミド基を介して結合している場合、誘導体化されている)。
Y.キナーゼおよびホスファターゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるキナーゼおよびホスファターゼdTAG標的化リガンドとしては、それだけに限らないが、以下が挙げられる:
1.エルロチニブ誘導体チロシンキナーゼ阻害剤:
(式中、Rは、例えばエーテル基を介して結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である);
2.キナーゼ阻害剤スニチニブ(誘導体化):
Rが、例えば、ピロール部分に結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
3.キナーゼ阻害剤ソラフェニブ(誘導体化):
Rが、例えば、アミド部分に結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
4.キナーゼ阻害剤デサチニブ(誘導体化):
Rが、例えば、ピリミジンに結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)である場合、誘導体化されている;
5.キナーゼ阻害剤ラパチニブ(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、スルホニルメチル基の末端メチルを介して結合している場合、誘導体化されている;
6.キナーゼ阻害剤U09-CX-5279(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、アミン(アニリン)、カルボン酸またはシクロプロピル基に対してαのアミン、またはシクロプロピル基に結合している場合、誘導体化されている;
7.構造:
YIX(1-エチル-3-(2-{[3-(1-メチルエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イル]スルファニル}ベンジル)尿素、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、i-プロピル基を介して結合している場合、誘導体化されている;
YIW
1-(3-tert-ブチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(2-{[3-(1-メチルエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-6-イル]スルファニル}ベンジル)尿素
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、好ましくはi-プロピル基またはt-ブチル基のいずれかを介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、キナーゼ阻害剤Y1WおよびY1X(誘導体化)を含む、Millanら、Design and Synthesis of Inhaled P38 Inhibitors for the Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease、J.MED.CHEM.第54巻、7797頁(2011)で特定されるキナーゼ阻害剤;
8.構造:
6TP
4-アミノ-2-[4-(tert-ブチルスルファモイル)フェニル]-N-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミドチエノピリジン19
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、アミド部分に結合した末端メチル基を介して結合している場合、誘導体化されている;
0TP
4-アミノ-N-メチル-2-[4-(モルホリン-4-イル)フェニル]チエノ[3,2-c]ピリジン-7-カルボキサミドチエノピリジン8
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、アミド部分に結合した末端メチル基を介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、化合物6TPおよび0TP(誘導体化)を含む、Schenkelら、Discovery of Potent and Highly Selective Thienopyridine Janus Kinase 2 Inhibitors J.Med.Chem.、2011、54(24)、8440~8450頁で特定されるキナーゼ阻害剤;
9.構造:
07U
2-メチル-N
~1
~-[3-(ピリジン-4-イル)-2,6-ナフチリジン-1-イル]プロパン-1,2-ジアミン
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、第二級アミンまたは末端アミノ基を介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、キナーゼ阻害剤07Uを含む、Van Eisら、「2,6-Naphthyridines as potent and selective inhibitors of the novel protein kinase C isozymes」、Biorg.Med.Chem.Lett.2011年12月15日;21(24):7367~72で特定されるキナーゼ阻害剤;
10.構造
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、末端ヒドロキシル基のいずれかを介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、キナーゼ阻害剤YCFを含む、Lountosら、「Structural Characterization of Inhibitor Complexes with Checkpoint Kinase 2(Chk2),a Drug Target for Cancer Therapy」、J.STRUCT.BIOL.第176巻、292頁(2011)で特定されるキナーゼ阻害剤;
11.構造:
XK9
N-{4-[(1E)-N-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)エタンヒドラゾノイル]フェニル}-7-ニトロ-1H-インドール-2-カルボキサミド
NXP
N-{4-[(1E)-N-カルバムイミドイルエタンヒドラゾノイル]フェニル}-1H-インドール-3-カルボキサミド
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、末端ヒドロキシル基(XK9)またはヒドラゾン基(NXP)を介して結合している場合、誘導体化されている
を有する、キナーゼ阻害剤XK9およびNXP(誘導体化)を含む、Lountosら、「Structural Characterization of Inhibitor Complexes with Checkpoint Kinase 2(Chk2),a Drug Target for Cancer Therapy」、J.STRUCT.BIOL.第176巻、292頁(2011)で特定されるキナーゼ阻害剤;
12.キナーゼ阻害剤アファチニブ(誘導体化)(N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[[(3S)-テトラヒドロ-3-フラニル]オキシ]-6-キナゾリニル)-4(ジメチルアミノ)-2-ブテンアミド)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、脂肪族アミン基を介して結合している場合、誘導体化されている);
13.キナーゼ阻害剤フォスタマチニブ(誘導体化)([6-({5-フルオロ-2-[(3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アミノ)-2,2-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-ピリド[3,2-b]-1,4-オキサジン-4-イル]メチル二ナトリウムホスフェート六水和物)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシ基を介して結合している場合、誘導体化されている);
14.キナーゼ阻害剤ゲフィチニブ(誘導体化)(N-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イルプロポキシ)キナゾリン-4-アミン):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシまたはエーテル基を介して結合している場合、誘導体化されている;
15.キナーゼ阻害剤レンバチニブ(誘導体化)(4-[3-クロロ-4-(シクロプロピルカルバモイルアミノ)フェノキシ]-7-メトキシ-キノリン-6-カルボキサミド)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、シクロプロピル基を介して結合している場合、誘導体化されている);
16.キナーゼ阻害剤バンデタニブ(誘導体化)(N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-6-メトキシ-7-[(1-メチルピペリジン-4-イル)メトキシ]キナゾリン-4-アミン)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシまたはヒドロキシル基を介して結合している場合、誘導体化されている);
17.キナーゼ阻害剤ベムラフェニブ(誘導体化)(プロパン-1-スルホン酸{3-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル}アミド)、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、スルホニルプロピル基を介して結合している場合、誘導体化されている;
18.キナーゼ阻害剤グリベック(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基としてのRが、例えば、アミド基を介してまたはアニリンアミン基を介して結合している場合、誘導体化されている;
19.キナーゼ阻害剤パゾパニブ(誘導体化)(VEGFR3阻害剤):
Rが、例えば、フェニル部分に、またはアニリンアミン基を介して、結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
20.キナーゼ阻害剤AT-9283(誘導体化)オーロラキナーゼ阻害剤
(式中、Rは、例えば、フェニル部分に結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である);
21.キナーゼ阻害剤TAE684(誘導体化)ALK阻害剤
(式中、Rは、例えば、フェニル部分に結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である);
22.キナーゼ阻害剤ニロタニブ(誘導体化)Abl阻害剤:
Rが、例えば、フェニル部分またはアニリンアミン基に結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
23.キナーゼ阻害剤NVP-BSK805(誘導体化)JAK2阻害剤
Rが、例えば、フェニル部分またはジアゾール基に結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
24.キナーゼ阻害剤クリゾチニブ誘導体化Alk阻害剤
Rが、例えば、フェニル部分またはジアゾール基に結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
25.キナーゼ阻害剤JNJ FMS(誘導体化)阻害剤
Rが、例えば、フェニル部分に結合しているリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
26.キナーゼ阻害剤フォレチニブ(誘導体化)Met阻害剤
Rが、例えば、フェニル部分またはキノリン部分上のヒドロキシルもしくはエーテル基に結合したリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基である場合、誘導体化されている;
27.アロステリックタンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤PTP1B(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、示されるようにRで結合している場合、誘導体化されている;
28.チロシンホスファターゼのSHP-2ドメインの阻害剤(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている;
29.BRAF(BRAFV600E)/MEK阻害剤(誘導体化):
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている;
30.チロシンキナーゼABLの阻害剤(誘導体化)
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている;
31.キナーゼ阻害剤OSI-027(誘導体化)mTORC1/2阻害剤
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている;
32.キナーゼ阻害剤OSI-930(誘導体化)c-Kit/KDR阻害剤
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている;および
33.キナーゼ阻害剤OSI-906(誘導体化)IGF1R/IR阻害剤
リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、Rで結合している場合、誘導体化されている。
ここで、第I~XVII節に記載される実施形態のいずれにおいても、「R」は、ピペラジン部分上のリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合のための部位を示す。
Z.HDM2および/またはMDM2 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHDM2および/またはMDM2 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.以下に記載される化合物ニュートリン-3、ニュートリン-2およびニュートリン-1(誘導体化)ならびにそのすべての誘導体および類似体を含む(またはさらに)、Vassilevら、In vivo activation of the p53 pathway by small-molecule antagonists of MDM2, SCIENCE 第303巻、844~848頁(2004)およびSchneeklothら、Targeted intracellular protein degradation induced by a small molecule:En route to chemical proteomics、Bioorg.Med.Chem.Lett.18(2008)5904~5908で特定されるHDM2/MDM2阻害剤:
(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシ基でまたはヒドロキシル基として結合している場合、誘導体化されている);
(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシ基またはヒドロキシル基で結合している場合、誘導体化されている);
(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、メトキシ基を介してまたはヒドロキシル基として結合している場合、誘導体化されている);および
2.トランス-4-ヨード-4’-ボラニル-カルコン
(リンカー基Lまたはリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、ヒドロキシ基を介して結合している場合、誘導体化されている)。
AA.ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質dTAG標的化リガンド:
一定の実施形態では、「dTAG標的化リガンド」が、ブロモ末端および末端外(BET)タンパク質BRD2、BRD3およびBRD4に結合するリガンドであり得る。ヒトBETブロモドメイン含有タンパク質を標的化する化合物には、それだけに限らないが、以下に記載される標的に関連する化合物が含まれる(式中、「R」または「リンカー」は、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基結合の部位を示す)、例えば:
1.JQ1、Filippakopoulosら Selective inhibition of BET bromodomains.Nature(2010):
2.I-BET、Nicodemeら Suppression of Inflammation by a Synthetic Histone Mimic.Nature(2010).Chungら Discovery and Characterization of Small Molecule Inhibitors of the BET Family Bromodomains.J.Med Chem.(2011):
3.Hewingsら 3,5-Dimethylisoxazoles Act as Acetyl-lysine Bromodomain Ligands.J.Med.Chem.(2011)54 6761~6770に記載される化合物。
4.I-BET151、Dawsonら Inhibition of BET Recruitment to Chromatin as an Effective Treatment for MLL-fusion Leukemia.Nature(2011):
5.カルバゾール型(米国特許出願公開第2015/0256700号明細書)
6.ピロロピリドン型(米国特許出願公開第2015/0148342号明細書)
7.テトラヒドロキノリン型(国際公開第2015/074064号パンフレット)
8.トリアゾロピラジン型(国際公開第2015/067770号パンフレット)
9.ピリドン型(国際公開第2015/022332号パンフレット)
10.キナゾリノン型(国際公開第2015/015318号パンフレット)
11.ジヒドロピリドピラジノン型(国際公開第2015/011084号パンフレット)
(RまたはLまたはリンカーは、各例で、例えばリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す)。
BB.HDAC dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHDAC dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.Finnin,M.S.ら Structures of Histone Deacetylase Homologue Bound to the TSA and SAHA Inhibitors.Nature 40、188~193(1999).
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている);および
2.PCT国際公開第0222577号パンフレット(「脱アセチル化阻害剤」)の式(I)によって定義される化合物(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、ヒドロキシル基を介して結合している場合、誘導体化されている);
CC.ヒトリジンメチルトランスフェラーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるヒトリジンメチルトランスフェラーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.Changら Structural Basis for G9a-Like protein Lysine Methyltransferase Inhibition by BIX-1294.Nat.Struct.Biol.(2009)16(3)312.
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている);
2.Liu,F.ら Discovery of a 2,4-Diamino-7-aminoalkoxyquinazoline as a Potent and Selective Inhibitor of Histone Methyltransferase G9a.J.Med.Chem.(2009)52(24)7950.
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の潜在的結合部位を示す場合、誘導体化されている);
3.アザシチジン(誘導体化)(4-アミノ-1-(3-D-リボフラノシル-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、ヒドロキシ基またはアミノ基を介して結合している場合、誘導体化されている);および
4.デシタビン(誘導体化)(4-アミノ-1-(2-デオキシ-b-D-エリトロ-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、ヒドロキシ基またはアミノ基のいずれかを介して結合している場合、誘導体化されている)。
DD.官能性によって組織化されたdTAG標的化リガンド
血管新生阻害剤:
血管新生阻害剤には、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.Sakamotoら Development of Protacs to target cancer-promoting proteins for ubiquitination and degradation, Mol Cell Proteomics 2003年12月;2(12):1350~8に記載される1つまたは複数の構造およびリンカーとの結合を有する、GA-1(誘導体化)ならびにその誘導体および類似体;
2.Rodriguez-Gonzalezら、Targeting steroid hormone receptors for ubiquitination and degradation in breast and prostate cancer、Oncogene(2008)27、7201~7211に一般的に記載されるように、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基に結合し得るエストラジオール(誘導体化);
3.Sakamotoら、Development of Protacs to target cancer-promoting proteins for ubiquitination and degradation、Mol Cell Proteomics 2003年12月;2(12):1350~8に一般的に記載される1つまたは複数の構造およびリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基との結合を有する、それだけに限らないが、DHTならびにその誘導体および類似体を含む、エストラジオール、テストステロン(誘導体化)および関連誘導体;および
4.Sakamotoら、Protacs:chimeric molecules that target proteins to the Skp1-Cullin-F box complex for ubiquitination and degradation Proc Natl Acad Sci USA.2001年7月17日;98(15):8554~9および米国特許第7,208,157号明細書に一般的に記載されるように、1つまたは複数の構造およびリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基との結合を有する、オバリシン、フマギリン(誘導体化)ならびにその誘導体および類似体。
免疫抑制化合物:
免疫抑制化合物には、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.Schneeklothら、Chemical Genetic Control of Protein Levels:Selective in Vivo Targeted Degradation、J.AM.CHEM.SOC.2004、126、3748~3754に一般的に記載されるように、1つまたは複数の構造およびリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基との結合を有する、AP21998(誘導体化);
2.グルココルチコイド(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロンおよびメチルプレドニゾロン)(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えば、ヒドロキシルのいずれかに結合している場合、誘導体化されている)およびベクロメタゾンジプロピオン酸エステル(リンカー基または-(L-デグロン)が、例えば、プロピオネートに結合している場合、誘導体化されている);
3.メトトレキサート(リンカー基または-(L-デグロン)基が、例えば末端ヒドロキシルのいずれかに結合することができる場合は誘導体化されている);
4.シクロスポリン(リンカー基または-(L-デグロン)基が、例えばブチル基のいずれかで結合することができる場合は誘導体化されている);
5.タクロリムス(FK-506)およびラパマイシン(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えばメトキシ基の1つで結合することができる場合は誘導体化されている);
6.アクチノマイシン(リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基が、例えばイソプロピル基の1つで結合することができる場合は誘導体化されている)。
EE.アリール炭化水素受容体(AHR)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるAHR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.アピゲニン(Leeら、Targeted Degradation of the Aryl Hydrocarbon Receptor by the PROTAC Approach:A Useful Chemical Genetic Tool、Chem Bio Chem 第8巻、第17号、2058~2062頁、2007年11月23日に一般的に例示されるように、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基に結合するように誘導体化されている);および
2.Boitanoら、Aryl Hydrocarbon Receptor Antagonists Promote the Expansion of Human Hematopoietic Stem Cells、Science 10 2010年9月:第329巻 第5997号 1345~1348頁に記載されるように、(リンカー基Lまたは-(L-DEGRON)が結合しているように誘導体化されている)SR1およびLGC006。
FF.RAF dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるRAF dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
PLX4032
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基結合の部位を示す場合、誘導体化されている)。
GG.FKBP dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるFKBP dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基結合の部位を示す場合、誘導体化されている)。
HH.アンドロゲン受容体(AR)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるAR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.アンドロゲン受容体のRU59063リガンド(誘導体化)
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。
2.アンドロゲン受容体のSARMリガンド(誘導体化)
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。
3.アンドロゲン受容体リガンドDHT(誘導体化)
(「R」が、例えば、リンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。
4.MDV3100リガンド(誘導体化)
II.エストロゲン受容体(ER)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるER dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.エストロゲン受容体リガンド
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。
JJ.甲状腺ホルモン受容体(TR)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるTR dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.甲状腺ホルモン受容体リガンド(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示し、MOMOがメトキシメトキシ基を示す場合、誘導体化されている)。
KK.HIVプロテアーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHIVプロテアーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.HIVプロテアーゼの阻害剤(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。J.Med.Chem.2010、53、521~538を参照されたい。
2.HIVプロテアーゼの阻害剤
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の潜在的結合部位を示す場合、誘導体化されている)。J.Med.Chem.2010、53、521~538を参照されたい。
LL.HIVインテグラーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHIVインテグラーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.HIVインテグラーゼの阻害剤(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。J.Med.Chem.2010、53、6466を参照されたい。
2.HIVインテグラーゼの阻害剤(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。J.Med.Chem.2010、53、6466を参照されたい。
MM.HCVプロテアーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHCVプロテアーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.HCVプロテアーゼの阻害剤(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。
NN.アシル-タンパク質チオエステラーゼ-1および-2(APT1およびAPT2)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるアシル-タンパク質チオエステラーゼ-1および-2(APT1およびAPT2)dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.APT1およびAPT2の阻害剤(誘導体化)
(「R」がリンカー基Lまたは-(L-デグロン)基の結合部位を示す場合、誘導体化されている)。Angew.Chem.Int.Ed.2011、50、9838~9842参照(式中、本明細書中に別途記載されるように、リンカーがデグロン基をdTAG標的化リガンド基に結合するように、Lは本明細書中に別途記載されるリンカー基であり、前記デグロン基は本明細書中に別途記載される通りである)。
OO.BCL2 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBCL2 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
PP.BCL-XL dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるBCL-XL dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
QQ.FA結合タンパク質dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるFA dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
RR.FLAP-5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるFLAP-5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
SS.HDAC6 ZnフィンガードメインdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHDAC6 ZnフィンガードメインdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
TT.クリングルドメインV 4BVV dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるクリングルドメインV 4BVV dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
UU.ラクトイルグルタチオンリアーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるラクトイルグルタチオンリアーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
VV.mPGES-1 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるmPGES-1 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
WW.MTH1 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるMTH1 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
XX.PARP14 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPARP14 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
YY.PARP15 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPARP15 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
ZZ.PDZドメインdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPDZドメインdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
(式中、
RおよびR’は1つまたは複数のリンカーが結合している点である)。
AAA.PHIP dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるPHIP dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
BBB.ホスホリパーゼA2ドメインdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるホスホリパーゼA2ドメインdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
CCC.タンパク質S100-A7 2WOS dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるタンパク質S100-A7 2WOS dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
DDD.サポシンB dTAG標的化リガンド:
本明細書中で使用されるサポシンB dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
EEE.Sec7 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるSec7 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
FFF.pp60 SrcのSH2ドメインdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるpp60 SrcのSH2ドメインdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
GGG.Tank1 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるTank1 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
HHH.Ubc9 SUMO E2リガーゼSF6D dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるUbc9 SUMO E2リガーゼSF6D dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
III.Src(c-Src)dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるSrc dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.AP23464を含むSrc標的化リガンド:
2.
(式中、
Rはリンカーが結合している点である)
を含む、Src-AS1および/またはSrc AS2標的化リガンド。
JJJ.JAK3 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるJAK3 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.トファシチニブを含む、JAK3を標的化する標的化リガンド:
KKK.Abl dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるAbl dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.トファシチニブおよびポナチニブを含む、Ablを標的化する標的化リガンド:
LLL.MEK1 dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるMEK1 dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1. PD318088、トラメチニブおよびG-573を含む、MEK1を標的化する標的化リガンド:
MMM.KIT dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるKIT dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.レゴラフェニブを含む、KITを標的化する標的化リガンド:
NNN.HIV逆転写酵素dTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHIV逆転写酵素dTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.エファビレンツ、テノホビル、エムトリシタビン、リトナビル、ラルテグラビルおよびアタザナビルを含む、HIV逆転写酵素を標的化する標的化リガンド:
OOO.HIVプロテアーゼdTAG標的化リガンド:
本明細書で使用されるHIVプロテアーゼdTAG標的化リガンドには、それだけに限らないが、以下が含まれる:
1.リトナビル、ラルテグラビルおよびアタザナビルを含む、HIVプロテアーゼを標的化する標的化リガンド:
一実施形態では、表Tの上記のdTAG標的化リガンドのいずれかを使用して、本明細書に記載される任意のdTAGを標的化する。
多くのdTag標的化リガンドは、2つ以上のdTAGに結合することができ、例えば、アファチニブは、EGFR、ErbB2およびErbB4タンパク質に結合する。これにより、表Zに例示されるように多くのタンパク質の二重攻撃が可能になる。一実施形態では、dTAG標的化リガンドが表Zの「dTAG標的化リガンド」列から選択され、dTAGが対応する「dTAG」行から選択される。
表Z.dTAG標的化リガンドと対応するdTAG
特定の実施形態では、本出願は、表1に示されるdTAG標的化リガンドを含む化合物を含む。
表1.dTAG標的化リガンド1~6
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが式TL-Iの化合物:
であり;
A
1はSまたはC=Cであり;
A
2はNRa
5またはOであり;
nn1は0、1または2であり;
各Ra
1は独立に、C
1~C
3アルキル、(CH
2)
0~3-CN、(CH
2)
0~3-ハロゲン、(CH
2)
0~3-OH、(CH
2)
0~3-C
1~C
3アルコキシ、C(O)NRa
5L、OL、NRa
5LまたはLであり;
Ra
2はH、C
1~C
6アルキル、(CH
2)
0~3-ヘテロシクリル、(CH
2)
0~3-フェニルまたはLであり、ヘテロシクリルは、1個の飽和5員または6員環ならびに1~2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含み、場合によりC
1~C
3アルキル、LまたはC(O)Lで置換されており、フェニルは場合によりC
1~C
3アルキル、CN、ハロゲン、OH、C
1~C
3アルコキシまたはLで置換されており;
nn2は0、1、2または3であり;
各Ra
3は独立に、C
1~C
3アルキル、(CH
2)
0~3-CN、(CH
2)
0~3-ハロゲン、LまたはC(O)NRa
5Lであり;
Ra
4はC
1~C
3アルキルであり;
Ra
5はHまたはC
1~C
3アルキルであり;
Lはリンカーである)
であり、
ただし、式TL-Iの化合物がただ1個のLで置換されている。
一定の実施形態では、
一定の実施形態では、
一定の実施形態では、A1がSである。
一定の実施形態では、A1がC=Cである。
一定の実施形態では、A2がNRa5である。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、Ra5がメチルである。
一定の実施形態では、A2がOである。
一定の実施形態では、nn1が0である。
一定の実施形態では、nn1が1である。
一定の実施形態では、nn1が2である。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa1がメチルである。さらなる実施形態では、2個のRa1がメチルである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1が、CN、(CH2)-CN、(CH2)2-CNまたは(CH2)3-CNである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa1が(CH2)-CNである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1が、ハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)、(CH2)-ハロゲン、(CH2)2-ハロゲンまたは(CH2)3-ハロゲンである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa1が、Cl、(CH2)-Cl、(CH2)2-Clまたは(CH2)3-Clである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1が、OH、(CH2)-OH、(CH2)2-OHまたは(CH2)3-OHである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1が、C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシ)、(CH2)-C1~C3アルコキシ、(CH2)2-C1~C3アルコキシまたは(CH2)3-C1~C3アルコキシである。一定の実施形態では、少なくとも1個のRa1がメトキシである。
一定の実施形態では、1個のRa1がC(O)NRa5Lである。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、1個のRa1がOLである。
一定の実施形態では、1個のRa1がNRa5Lである。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。他の実施形態では、Ra5がメチルである。
一定の実施形態では、1個のRa1がLである。
一定の実施形態では、Ra2がHである。
一定の実施形態では、Ra2が直鎖C1~C6または分岐C3~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチルもしくはヘキシル)である。さらなる実施形態では、Ra2がメチル、エチルまたはt-ブチルである。
一定の実施態様では、Ra2が、ヘテロシクリル、(CH2)-ヘテロシクリル、(CH2)2-ヘテロシクリルまたは(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、Ra2が(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルが、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルから選択される。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルがピペラジニルである。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルが、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)で置換されている。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルがC(O)Lで置換されている。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルがLで置換されている。
一定の実施形態では、Ra2が、フェニル、(CH2)-フェニル、(CH2)2-フェニルまたは(CH2)3-フェニルである。さらなる実施形態では、Ra2がフェニルである。
一定の実施形態では、フェニルが、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)で置換されている。一定の実施形態では、フェニルがCNで置換されている。一定の実施形態では、フェニルがハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)で置換されている。一定の実施形態では、フェニルがOHで置換されている。一定の実施形態では、フェニルがC1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ)で置換されている。
一定の実施形態では、フェニルがLで置換されている。
一定の実施形態では、Ra2がLである。
一定の実施形態では、nn2が0である。
一定の実施形態では、nn2が1である。
一定の実施形態では、nn2が2である。
一定の実施形態では、nn2が3である。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa3が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa3がメチルである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa3が、CN、(CH2)-CN、(CH2)2-CNまたは(CH2)3-CNである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa3がCNである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa3が、ハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)、(CH2)-ハロゲン、(CH2)2-ハロゲンまたは(CH2)3-ハロゲンである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa3が、Cl、(CH2)-Cl、(CH2)2-Clまたは(CH2)3-Clである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa3がClである。
一定の実施形態では、1個のRa3がLである。
一定の実施形態では、1個のRa3がC(O)NRa5Lである。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Ra4が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、Ra4がメチルである。
特定の実施態様では、Ra5がHである。
一定の実施形態では、Ra5が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、Ra5がメチルである。
一定の実施形態では、
一定の実施形態では、
一定の実施形態では、
一定の実施形態では、A2がNHであり、Ra2が(CH2)0~3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、Ra2が(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルがピペラジニルである。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルがC1~C3アルキル、LまたはC(O)Lで置換されている。
一定の実施形態では、A2がNHであり、Ra2が(CH2)0~3-フェニルである。さらなる実施形態では、Ra2がフェニルである。さらなる実施形態では、フェニルがOHまたはLで置換されている。
一定の実施形態では、A2がNHであり、Ra2がLである。
一定の実施形態では、A2がNHであり、Ra2がHまたはC1~C6アルキルである。さらなる実施形態では、Ra2がC1~C4アルキルである。
一定の実施形態では、A2がOであり、Ra2がHまたはC1~C6アルキルである。さらなる実施形態では、Ra2がC1~C4アルキルである。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I1の化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、A
2、Ra
1、Ra
2、Ra
3、Ra
4、Ra
5、nn1およびnn2はそれぞれ式TL-Iで上に定義される通りである)である。
A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得る。A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2のあるものについて定義される部分の各々を、式TL-Iで上記のA2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I1a~TL-I1dの化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、
各Ra
6は独立に、C
1~C
3アルキル、(CH
2)
0~3-CN、(CH
2)
0~3-ハロゲン、(CH
2)
0~3-OHまたは(CH
2)
0~3-C
1~C
3アルコキシであり;
Ra
7は(CH
2)
0~3-ヘテロシクリル、(CH
2)
0~3-フェニルまたはLであり、ヘテロシクリルは、1個の飽和5員または6員環ならびに1~2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含み、LまたはC(O)Lで置換されており、フェニルはLで置換されており;
Ra
8はH、C
1~C
6アルキル、(CH
2)
0~3-ヘテロシクリルまたは(CH
2)
0~3-フェニルであり、ヘテロシクリルは、1個の飽和5員または6員環ならびに1~2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含み、場合によりC
1~C
3アルキルで置換されており、フェニルは場合によりC
1~C
3アルキル、CN、ハロゲン、OHまたはC
1~C
3アルコキシで置換されており;
Ra
10はC
1~C
3アルキル、(CH
2)
0~3-CNまたは(CH
2)
0~3-ハロゲンであり;
A
2、Ra
4、Ra
5、nn1およびLはそれぞれ、式TL-Iで上に定義される通りである)
である。
一定の実施形態では、nn1が0である。
一定の実施形態では、nn1が1である。
一定の実施形態では、nn1が2である。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa6がメチルである。さらなる実施形態では、2個のRa6がメチルである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6が、CN、(CH2)-CN、(CH2)2-CNまたは(CH2)3-CNである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa6が(CH2)-CNである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6が、ハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)、(CH2)-ハロゲン、(CH2)2-ハロゲンまたは(CH2)3-ハロゲンである。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRa6が、Cl、(CH2)-Cl、(CH2)2-Clまたは(CH2)3-Clである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6が、OH、(CH2)-OH、(CH2)2-OHまたは(CH2)3-OHである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6が、C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシ)、(CH2)-C1~C3アルコキシ、(CH2)2-C1~C3アルコキシまたは(CH2)3-C1~C3アルコキシである。一定の実施形態では、少なくとも1個のRa6がメトキシである。
一定の実施態様では、Ra7が、ヘテロシクリル、(CH2)-ヘテロシクリル、(CH2)2-ヘテロシクリルまたは(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、Ra7が(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルが、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルから選択される。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルがピペラジニルである。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルがC(O)Lで置換されている。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルがLで置換されている。
一定の実施形態では、Ra7が、フェニル、(CH2)-フェニル、(CH2)2-フェニルまたは(CH2)3-フェニルである。さらなる実施形態では、Ra7がフェニルである。
一定の実施形態では、Ra7がLである。
一定の実施形態では、Ra8がHである。
一定の実施形態では、Ra8が直鎖C1~C6または分岐C3~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチルもしくはヘキシル)である。さらなる実施形態では、Ra8がメチル、エチルまたはt-ブチルである。
一定の実施態様では、Ra8が、ヘテロシクリル、(CH2)-ヘテロシクリル、(CH2)2-ヘテロシクリルまたは(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、Ra8が(CH2)3-ヘテロシクリルである。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルが、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルから選択される。さらなる実施形態では、ヘテロシクリルがピペラジニルである。
一定の実施形態では、ヘテロシクリルが、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)で置換されている。
一定の実施形態では、Ra8が、フェニル、(CH2)-フェニル、(CH2)2-フェニルまたは(CH2)3-フェニルである。さらなる実施形態では、Ra8がフェニルである。
一定の実施形態では、フェニルが、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)で置換されている。一定の実施形態では、フェニルがCNで置換されている。一定の実施形態では、フェニルがハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)で置換されている。一定の実施形態では、フェニルがOHで置換されている。一定の実施形態では、フェニルがC1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ)で置換されている。
一定の実施形態では、Ra10が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Ra10が、CN、(CH2)-CN、(CH2)2-CNまたは(CH2)3-CNである。
一定の実施形態では、Ra10が、ハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)、(CH2)-ハロゲン、(CH2)2-ハロゲンまたは(CH2)3-ハロゲンである。さらなる実施形態では、Ra10が、Cl、(CH2)-Cl、(CH2)2-Clまたは(CH2)3-Clである。さらなる実施形態では、Ra10がClである。
A2、Ra4、Ra5およびnn1の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得る。A2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra10およびnn1のあるものについて定義される部分の各々を、式TL-Iで上記のA2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra10およびnn1の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I2の化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、A
2、Ra
1、Ra
2、Ra
3、Ra
4、Ra
5、nn1およびnn2はそれぞれ式TL-Iで上に定義される通りである)である。
A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得る。A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2のあるものについて定義される部分の各々を、式TL-Iで上記のA2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I2a~TL-I2cの化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、A
2、Ra
4、Ra
5、nn1およびLはそれぞれ、式TL-Iで上に定義される通りであり、Ra
6、Ra
7、Ra
8およびRa
10はそれぞれ、式TL-I1a~TL-I1dで上に定義される通りである)である。
A2、Ra4、Ra5およびnn1の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得、Ra6、Ra7、Ra8およびRa10の各々は、式TL-I1a~TL-I1dで上記の部分から選択され得る。A2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra10およびnn1のあるものについて定義される部分の各々を、式TL-IおよびTL-I1a~TL-I1dで上記のA2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra10およびnn1の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I3の化合物:
A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2はそれぞれ、式TL-Iで上に定義される通りである。A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得る。A2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2のあるものについて定義される部分の各々を、式TL-Iで上記のA2、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、nn1およびnn2の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-I3a~TL-I3cの化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、
Ra
9はC(O)NRa
5L、OL、NRa
5LまたはLであり;
A
2、Ra
4、Ra
5、nn1およびLはそれぞれ、式TL-Iで上に定義される通りであり;
Ra
6、Ra
7、Ra
8およびRa
10はそれぞれ、式TL-I1a~TL-I1dで上に定義される通りである)である。
一定の実施形態では、Ra9がC(O)NRa5Lである。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Ra9がOLである。
一定の実施形態では、Ra9がNRa5Lである。さらなる実施形態では、Ra5がHである。他の実施形態では、Ra5がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。他の実施形態では、Ra5がメチルである。
一定の実施形態では、Ra9がLである。
A2、Ra4、Ra5およびnn1の各々は、式TL-Iで上記の部分から選択され得、Ra6、Ra7、Ra8およびRa10の各々は、式TL-I1a~TL-I1dで上記の部分から選択され得る。A2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra9、Ra10およびnn1のあるものについて定義される部分の各々を、上ならびに式TL-IおよびTL-I1a~TL-I1dに記載されるA2、Ra4、Ra5、Ra6、Ra7、Ra8、Ra9、Ra10およびnn1の他について定義される部分のいずれかと組み合わせることができる。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-VIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、
Rf
1はC(O)NRf
2L、OL、NRf
2LまたはLであり;
Rf
2は独立に、HまたはC
1~C
3アルキルであり;
Lはリンカーである)
である。
一定の実施形態では、Rf1がC(O)NRf2Lである。さらなる実施形態では、Rf2がHである。他の実施形態では、Rf2がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Rf1がOLである。
一定の実施形態では、Rf1がNRe4Lである。さらなる実施形態では、Rf2がHである。他の実施形態では、Rf2がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。他の実施形態では、Rf2がメチルである。
一定の実施形態では、Rf1がLである。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、式TL-VIIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩(式中、
T
7はCH
2またはCH
2CH
2であり;
Rg
1はC(O)Rg
5または(CH
2)
1~3Rg
6であり;
nn10は0、1、2または3であり;
nn11は0、1、2または3であり;
各Rg
2は独立に、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、CNまたはハロゲンであり;
Rg
3は、C(O)NRg
4L、OL、NRg
4L、L、O-(CH
2)
1~3-C(O)NRg
4LまたはNHC(O)-(CH
2)
1~3-C(O)NRg
4Lであり;
Rg
4はHまたはC
1~C
3アルキルであり;
Rg
5はC
1~C
6アルキルであり;
Rg
6は、場合によりC
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、CNまたはハロゲンで置換されたフェニルであり;
Lはリンカーである)
である。
一定の実施形態では、T7がCH2である。
一定の実施形態では、T7がCH2CH2である。
一定の実施形態では、Rg1がC(O)Rg5である。
一定の実施形態では、Rg1が(CH2)-Rg6、(CH2)2-Rg6または(CH2)3-Rg6である。
一定の実施形態では、Rg5が直鎖C1~C6または分岐C3~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチルもしくはヘキシル)である。
一定の実施形態では、Rg6が非置換フェニルである。
一定の実施形態では、Rg6が、1個、2個、3個またはそれ以上のC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)、C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、CNおよびハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)から独立に選択される置換基で置換されたフェニルである。
一定の実施形態では、nn10が0である。
一定の実施形態では、nn10が1である。
一定の実施形態では、nn10が2である。
一定の実施形態では、nn10が3である。
一定の実施形態では、nn11が0である。
一定の実施形態では、nn11が1である。
一定の実施形態では、nn11が2である。
一定の実施形態では、nn11が3である。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRg2が、C1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRg2がメチルである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRg2が、C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ)である。さらなる実施形態では、少なくとも1個のRg2がメトキシである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRg2がCNである。
一定の実施形態では、少なくとも1個のRg2がハロゲン(例えば、F、ClまたはBr)である。
一定の実施形態では、Rg3がC(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg4がHである。他の実施形態では、Rg4がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Rg3がOLである。
一定の実施形態では、Rg3がNRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg4がHである。他の実施形態では、Rg4がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。他の実施形態では、Rg4がメチルである。
一定の実施形態では、Rg3がLである。
一定の実施形態では、Rg3が、O-(CH2)-C(O)NRg4L、O-(CH2)2-C(O)NRg4LまたはO-(CH2)3-C(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg3がO-(CH2)-C(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg4がHである。他の実施形態では、Rg4がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、Rg3が、NHC(O)-(CH2)-C(O)NRg4L、NHC(O)-(CH2)2-C(O)NRg4LまたはNHC(O)-(CH2)3-C(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg3が、NHC(O)-(CH2)-C(O)NRg4L、NHC(O)-(CH2)2-C(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg3が、NHC(O)-(CH2)2-C(O)NRg4Lである。さらなる実施形態では、Rg4がHである。他の実施形態では、Rg4がC1~C3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドが、図28の構造から選択され、Rが、リンカーが結合している点である。
一定の実施形態では、dTAG標的化リガンドまたは標的が、リンカーを収容することができる機能的位置を有する強力で選択的なリガンドを開発する存在(既知のdTAG結合部分)および能力に基づいて選択される。いくつかの実施形態は、化合物選択性または標的IDの尺度としてのプロテオミクスと組み合わせた分解から利益を得ることができる、選択性が低いdTAG標的化リガンドに関する。
本出願のいくつかの実施形態は、CARの30%~100%の分解または喪失に関する。一定の実施形態は、CARの50~100%の損失に関する。他の実施形態は、CARの75~95%の損失に関する。
本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物の非限定的な例としては、図29、図30、図31および図32のものが挙げられる。
図29は、本発明に使用するための具体的なヘテロ二官能性化合物を提供する。
図30は、本発明に使用するための具体的なヘテロ二官能性化合物を提供し、上記構造中のXは、F、Cl、BrおよびIから選択されるハロゲンである。
図31は、本発明に使用するための特定のヘテロ二官能性化合物を提供する。
図32は、本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物
(式中、
RAR1は
本発明に使用するためのさらなる化合物は、図33の構造を含む。
前記ヘテロ二官能性化合物のいくつかは、1つまたは複数の不斉中心を含み、したがって種々の異性体形態、例えば立体異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。したがって、化合物およびその医薬組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であり得る、または立体異性体の混合物の形態であり得る。一定の実施形態では、本出願の化合物がエナンチオピュアな化合物である。一定の他の実施形態では、立体異性体またはジアステレオマーの混合物が提供される。
さらに、本明細書に記載される一定のヘテロ二官能性化合物は、特に指示しない限り、Z異性体またはE異性体のいずれかとして存在することができる1つまたは複数の二重結合を有し得る。本出願はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての化合物、あるいは種々の異性体の混合物、例えば立体異性体のラセミ混合物としての化合物を包含する。上記化合物自体に加えて、本出願はまた、これらのヘテロ二官能性化合物の薬学的に許容される誘導体、および1種または複数の本出願の化合物と1種または複数の薬学的に許容される賦形剤または添加剤とを含む組成物を包含する。
本出願のヘテロ二官能性化合物は、異なる条件下で化合物を結晶化することによって調製することができ、本出願の一部を形成する化合物の多形の1つまたは組み合わせとして存在することができる。例えば、再結晶化のために様々な溶媒もしくは様々な溶媒混合物を使用して;様々な温度で結晶化を行うことによって;または結晶化中、非常に速い冷却から非常に遅い冷却に及ぶ種々の冷却モードを使用することによって、様々な多形を特定および/または調製することができる。化合物を加熱または融解し、引き続いて徐冷または急冷することによって多形を得ることもできる。固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定、粉末X線回折図および/または他の技術によって、多形の存在を決定することができる。したがって、本出願は、ヘテロ二官能性化合物、それらの誘導体、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多形、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物およびこれらを含有する薬学的に許容される組成物を包含する。
ヘテロ二官能性化合物の一般的合成
本明細書に記載されるヘテロ二官能性化合物は、当業者に知られている方法によって調製することができる。非限定的な一例では、開示されるヘテロ二官能性化合物を、以下のスキームによって調製することができる。
スキーム1に示されるように、本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物は、デグロンとリンカーを化学的に組み合わせ、引き続いて後にdTAG標的化リガンドを添加することによって調製することができる。同様に、スキーム2で、本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物は、最初にdTAG標的化リガンドとリンカーを化学的に組み合わせ、引き続いて後にデグロンを添加することによって調製される。上記および以下のスキームに示されるように、本発明に使用するためのヘテロ二官能性化合物は、種々の方法および化学反応で当業者によって容易に合成され得る。
スキーム3:ステップ1で、求核性デグロンがリンカー上の脱離基を置換してデグロンリンカーフラグメントを生成する。ステップ2で、保護基を当技術分野で公知の方法によって除去して、リンカー上の求核部位を解放する。ステップ3で、求核性デグロンリンカーフラグメントが、dTAG標的化リガンド上の脱離基を置換して、本発明に使用するための化合物を形成する。代替実施形態では、ステップ1および/またはステップ2が、求核攻撃の代わりにカップリング反応によって達成される。
スキーム4:ステップ1で、求核性dTAG標的化リガンドがリンカー上の脱離基を置換してdTAG標的化リガンドリンカーフラグメントを生成する。ステップ2で、保護基を当技術分野で公知の方法によって除去して、リンカー上の求核部位を解放する。ステップ3で、求核性dTAG標的化リガンドリンカーフラグメントが、デグロン上の脱離基を置換して、本発明に使用するための化合物を形成する。代替実施形態では、ステップ1および/またはステップ2が、求核攻撃の代わりにカップリング反応によって達成される。
スキーム5およびスキーム6:ステップ1で、求核性デグロンがリンカー上の脱離基を置換してデグロンリンカーフラグメントを生成する。ステップ2で、保護基を当技術分野で公知の方法によって除去して、リンカー上の求核部位を解放する。ステップ3で、求核性デグロンリンカーフラグメントが、dTAG標的化リガンド上の脱離基を置換して、式Iまたは式IIの化合物を形成する。代替実施形態では、ステップ1および/またはステップ2が、求核攻撃の代わりにカップリング反応によって達成される。
a)tert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメートまたはその類似体(例えば、n=1~20)(1)またはその類似体(例えば、n=1~20)を、クロロアセチルクロリドと適切な条件下で反応させて、tert-ブチル(2-(2-クロロアセトアミド)エチル)カルバメートまたはその類似体(例えば、n=1~20)(2)を生成する;
b)tert-ブチル(2-(2-クロロアセトアミド)エチル)カルバメートまたはその類似体(2)をジメチル3-ヒドロキシフタレートと適切な条件下で反応させて、ジメチル3-(2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレートまたはその類似体(3)を得る;
c)ジメチル3-(2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレートまたはその類似体(3)を強塩基と反応させ、引き続いて3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩と反応させて、tert-ブチル(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エチル)カルバメートまたはその類似体(4)を生成する;
d)化合物(4)を脱保護して、ジアミノエチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロ酢酸塩またはその類似体(5)を得る;
e)化合物(5)をdTAG標的化リガンドの酸誘導体(化合物(6))と適切な条件下で反応させて、二官能性化合物(7)を得る。
一定の実施形態では、上記の方法が液相で行われる。一定の他の実施形態では、上記の方法が固相で行われる。一定の実施形態では、合成方法が、ハイスループット技術またはコンビナトリアルケミストリーにおいて一般的に使用される技術に適している。
ヘテロ二官能性化合物の代表的な合成
特に指示しない限り、出発材料は市販されている、または当技術分野に合理的に精通している人なら誰でも実験室合成を介して容易に入手可能である。以下に一般的に記載されるのは、一般的にならびに本明細書のサブクラスおよび種に記載される化合物を合成するための手順および一般的手引きである。
合成実施例1’:IMiD誘導体およびデグロンの合成
一般的手順I:IMiD縮合
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(D-1)
20mLガラスバイアル中で、酢酸(10.2mL、0.3M)中3-ヒドロキシフタル酸無水物(500mg、3.05mmol、1当量)、酢酸カリウム(927mg、9.44mmol、3.1当量)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(552mg、3.35mmol、1.1当量)の混合物を一晩90℃に加熱した。黒色反応混合物を室温に冷却し、水で20mLに希釈し、その後氷上で30分間冷却した。得られたスラリーを50mLファルコンチューブに移し、これを3500rpmで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、黒色固体をメタノールを含む250mL RBFに移し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2:MeOH(9:1))によって精製すると、標記化合物が白色固体(619mg、74%)として得られた。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ11.07(s,1H)、7.65(dd,J=8.4,6.8Hz,1H)、7.31(d,J=6.8Hz,1H)、7.24(d,J=8.4Hz,1H)、5.06(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.94-2.82(m,1H)、2.64-2.43(m,2H)、2.08-1.97(m,1H);MS(ESI)C
13H
11N
2O
5[M+H]
+についての計算値275.07、実測値275.26。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(D-10)
3-ニトロフタル酸無水物(300mg、1.55mmol、1当量)、酢酸カリウム(473mg、4.82mmol、3.1当量)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(281mg、1.71mmol、1.1当量)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(9:1))による精製後、標記化合物が淡黄色固体(280mg、59%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.17(s,1H)、8.35(d,J=8.1Hz,1H)、8.24(d,J=7.5Hz,1H)、8.14-8.10(m,1H)、5.20(dd,J=12.9,5.5Hz,1H)、2.93-2.84(m,1H)、2.64-2.45(m,2H)、2.11-2.04(m,1H);MS(ESI)C13H10N3O6[M+H]+についての計算値304.06、実測値304.19。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(D-2)
4-ニトロフタル酸無水物(300mg、1.55mmol)、酢酸カリウム(473mg、4.82mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(281mg、1.71mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(30:1))による精製後、標記化合物が白色固体(409mg、87%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.18(s,1H)、8.68(dd,J=8.1,1.9Hz,1H)、8.56(d,J=1.9Hz,1H)、8.19(d,J=8.1Hz,1H)、5.24(dd,J=12.9,5.4Hz,1H)、2.90(ddd,J=17.2,13.9,5.5Hz,1H)、2.69-2.48(m,2H)、2.14-2.05(m,1H);MS(ESI)C13H10N3O6[M+H]+についての計算値304.06、実測値304.19。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1、3-ジオン(D-6)
フタル酸無水物(155mg、1.05mmol)、酢酸カリウム(318mg、3.24mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(189mg、1.15mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(15:1))による精製後、標記化合物が白色固体(235mg、87%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.13(s,1H)、8.00-7.76(m,4H)、5.16(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.89(ddd,J=16.8,13.7,5.4Hz,1H)、2.65-2.42(m,2H)、2.12-1.99(m,1H);MS(ESI)C13H11N2O4[M+H]+についての計算値259.07、実測値259.23。
2-(2,5-ジオキソピロリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-7)
フタル酸無水物(90mg、0.608mmol)、酢酸カリウム(185mg、1.88mmol)および3-アミノピロリジン-2,5-ジオン塩酸塩(101mg、0.668mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(14:1))による精製後、標記化合物が白色固体(95mg、64%)として得られた。MS(ESI)C12H9N2O4[M+H]+についての計算値245.06、実測値245.26。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボン酸(D-13)
1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物(200mg、1.04mmol)、酢酸カリウム(317mg、3.23mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(188mg、1.15mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(9:1))による精製後、標記化合物が白色固体(178mg、57%)として得られた。MS(ESI)C14H11N2O6[M+H]+についての計算値303.06、実測値303.24。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(D-14)
3-フルオロフタル酸無水物(200mg、1.20mmol)、酢酸カリウム(366mg、3.73mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(218mg、1.32mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(50:1))による精製後、標記化合物が白色固体(288mg、86%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.15(s,1H)、7.96(ddd,J=8.3,7.3,4.5Hz,1H)、7.82-7.71(m,2H)、5.17(dd,J=13.0,5.4Hz,1H)、2.90(ddd,J=17.1,13.9,5.4Hz,1H)、2.65-2.47(m,2H)、2.10-2.04(m,1H)、MS(ESI)C13H10FN2O4についての計算値[M+H]+277.06、実測値277.25。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリン-1,3-ジオン(D-19)
3-メチルフタル酸無水物(150mg、0.925mmol)、酢酸カリウム(281mg、2.87mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(167mg、1.02mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(15:1))による精製後、標記化合物が白色固体(168mg、67%)として得られた。MS(ESI)C14H13N2O4[M+H]+についての計算値273.09、実測値273.24。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(D-24)
4-フルオロフタル酸無水物(200mg、1.20mmol)、酢酸カリウム(366mg、3.73mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(218mg、1.32mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(15:1))による精製後、標記化合物が白色固体(254mg、76%)として得られた。MS(ESI)C13H10FN2O4[M+H]+についての計算値277.06、実測値277.24。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-4-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-43)
フタル酸無水物(60mg、0.311mmol)、酢酸カリウム(95mg、0.963mmol)および4-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(56mg、0.342mmol)を使用して一般的手順Iに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(9:1))による精製後、標記化合物が白色固体(40mg、43%)として得られた。MS(ESI)C13H11N2O4[M+H]+についての計算値259.07、実測値259.18。
一般的手順II:芳香族ニトロ基の還元
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-4)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(173mg、0.854mmol)、Pd(OAc)
2(12.8mg、0.0854mmol、10mol%)およびフッ化カリウム(66mg、1.71mmol、2当量)のTHF:水(8:1)(5.7mL、0.1M)中溶液を室温で撹拌した。トリエチルシラン(365μL、3.41mmol、4当量)をゆっくり添加し、得られた黒色溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をceliteパッドを通して濾過し、これを酢酸エチルで過剰に洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2:MeOH(7:1))によって精製すると、標記化合物が黄色粉末(72mg、46%)として得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.08(s,1H)、7.47(dd,J=8.5,7.0Hz,1H)、7.06-6.95(m,1H)、6.59-6.44(m,1H)、5.04(dd,J=12.7,5.4Hz,1H)、2.93-2.82(m,1H)、2.64-2.45(m,2H)、2.05-1.98(m,1H);MS(ESI)C
13H
11N
3O
4[M+H]
+についての計算値274.08、実測値274.23。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(D-8)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(100mg、0.330mmol)、Pd(OAc)2(7.4mg、0.033mmol)、フッ化カリウム(38mg、0.660mmol)およびトリエチルシラン(211μL、1.32mmol)を使用して一般的手順IIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(9:1))による精製後、標記化合物が黄色固体(33mg、37%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.05(s,1H)、7.52(d,J=8.2Hz,1H)、6.94(d,J=2.0Hz,1H)、6.83(dd,J=8.2,2.0Hz,1H)、6.55(s,2H)、5.01(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.86(ddd,J=16.9,13.9,5.5Hz,1H)、2.68-2.43(m,2H)、2.03-1.93(m,1H);MS(ESI)C13H12N3O4[M+H]+についての計算値274.08、実測値274.59。
4-アミノ-2-(1-ベンジル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-12)
2-(1-ベンジル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(48mg、0.122mmol)、Pd(OAc)2(2.7mg、0.0122mmol)、フッ化カリウム(14mg、0.244mmol)およびトリエチルシラン(78μL、0.488mmol)を使用して一般的手順IIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色固体(7mg、16%)として得られた。MS(ESI)C20H18N3O4[M+H]+についての計算値364.13、実測値364.34。
3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-17)
3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(21mg、0.0664mmol)、Pd(OAc)2(1.5mg、0.0066mmol)、フッ化カリウム(7.7mg、0.133mmol)およびトリエチルシラン(42μL、0.266mmol)を使用して一般的手順IIに従うと、分取HPLCによる精製後、標記化合物が白色固体(7mg、37%)として得られた。MS(ESI)C14H15N4O3[M+H]+についての計算値287.11、実測値287.30。
3-(7-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-41)
3-(7-ニトロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(11mg、0.038mmol)、Pd(OAc)2(0.9mg、0.0038mmol)、フッ化カリウム(4.4mg、0.076mmol)およびトリエチルシラン(24μL、0.152mmol)を使用して一般的手順IIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色固体(2mg、21%)として得られた。MS(ESI)C13H14N3O3[M+H]+についての計算値260.10、実測値260.52。
一般的手順III:アニリンのアシル化
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)アセトアミド(D-5)
4mLガラスバイアル中で、THF(1.8mL、0.1M)中、5-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.110mmol、1当量)および塩化アセチル(26μL、0.220mmol、2当量)の混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を濾過し、濾過ケークをEt
2Oで洗浄すると、標記化合物が白色固体(27mg、47%)として得られ、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.11(s,1H)、10.63(s,1H)、8.24(d,J=1.5Hz,1H)、7.91-7.83(m,2H)、5.11(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.88(ddd,J=17.0,13.8,5.4Hz,1H)、2.63-2.46(m,2H)、2.13(s,3H)、2.09-2.00(m,1H);MS(ESI)C
15H
14N
3O
5[M+H]
+についての計算値316.09、実測値316.23。
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド(D-3)
4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(50mg、0.183mmol)および塩化アセチル(26μL、0.366mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(10mg、17%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.14(s,1H)、9.73(s,1H)、8.44(d,J=8.4Hz,1H)、7.83(dd,J=8.4,7.3Hz,1H)、7.62(d,J=7.2Hz,1H)、5.14(dd,J=12.9,5.4Hz,1H)、2.90(ddd,J=17.1,13.9,5.4Hz,1H)、2.66-2.45(m,2H)、2.19(s,3H)、2.14-2.00(m,1H);MS(ESI)C15H14N3O5[M+H]+についての計算値316.09、実測値316.27。
2-クロロ-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)アセトアミド(D-32)
5-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(10mg、0.0366mmol)およびクロロアセチルクロリド(6μL、0.0732mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(7.1mg、55%)として得られた。MS(ESI)C15H13ClN3O5[M+H]+についての計算値350.05、実測値350.23。
2-クロロ-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド(D-34)
3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20mg、0.0771mmol)およびクロロアセチルクロリド(12μL、0.154mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(14.9mg、56%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.02(s,1H)、10.20(s,1H)、7.81(dd,J=7.7,1.3Hz,1H)、7.65-7.47(m,2H)、5.16(dd,J=13.3,5.1Hz,1H)、4.45-4.34(m,2H)、4.33(s,2H)、3.00-2.85(m,1H)、2.68-2.56(m,1H)、2.41-2.28(m,1H)、2.09-1.97(m,1H);MS(ESI)C15H15ClN3O4[M+H]+についての計算値336.07、実測値336.31。
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アクリルアミド(D-35)
3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20mg、0.0771mmol)および塩化アクリロイル(13μL、0.154mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(18mg、76%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ15.77(s,1H)、14.81(s,1H)、12.65(dd,J=7.4,1.6Hz,1H)、12.37-12.18(m,2H)、11.28(dd,J=17.0,10.2Hz,1H)、11.06(dd,J=17.0,1.9Hz,1H)、10.57(dd,J=10.2,1.9Hz,1H)、9.91(dd,J=13.3,5.1Hz,1H)、9.24-9.05(m,2H)、7.67(ddd,J=17.2,13.7,5.5Hz,1H)、7.36(dt,J=17.3,3.8Hz,1H)、7.20-7.03(m,1H)、6.83-6.72(m,1H)、MS(ESI)C16H16N3O4[M+H]+についての計算値314.11、実測値314.24。
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)アクリルアミド(D-36)
5-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(10mg、0.0366mmol)および塩化アクリロイル(6μL、0.0732mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(8.8mg、73%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.12(s,1H)、10.83(s,1H)、8.33(d,J=1.8Hz,1H)、7.99(dd,J=8.2,1.9Hz,1H)、7.90(d,J=8.2Hz,1H)、6.48(dd,J=17.0,10.1Hz,1H)、6.36(dd,J=17.0,1.9Hz,1H)、5.88(dd,J=10.0,1.9Hz,1H)、5.13(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、2.95-2.84(m,1H)、2.67-2.46(m,2H)、2.09-2.01(m,1H);MS(ESI)C16H14N3O5[M+H]+についての計算値328.09、実測値328.23。
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド(D-37)
3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20mg、0.0771mmol)および塩化アセチル(11μL、0.154mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(17mg、71%)として得られた。MS(ESI)C15H16N3O4[M+H]+についての計算値302.11、実測値301.99。
N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド(D-38)
3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20mg、0.0771mmol)およびシクロプロパンカルボニルクロリド(14μL、0.154mmol)を使用して一般的手順IIIに従うと、標記化合物が白色固体(19mg、75%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.01(s,1H)、10.06(s,1H)、7.84(dd,J=7.2,1.9Hz,1H)、7.66-7.38(m,2H)、5.14(dd,J=13.3,5.1Hz,1H)、4.52-4.30(m,2H)、2.92(ddd,J=17.3,13.6,5.4Hz,1H)、2.64-2.54(m,1H)、2.45-2.27(m,1H)、2.08-1.95(m,1H)、1.93-1.83(m,1H)、0.90-0.75(m,4H);MS(ESI)C17H18N3O4[M+H]+についての計算値328.13、実測値328.00。
一般的手順IV:キナゾリノン縮合
3-(2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-9)
20mLガラスバイアル中で、ピリジン(1.0μL、0.7M)中、アントラニル酸(100mg、0.729mmol、1当量)、酢酸(42μL、0.729mmol、1当量)およびP(OPh)
3(479μL、1.82mmol、2.5当量)を90℃に加熱した。4時間後、反応混合物を室温に冷却し、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(144mg、0.875mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を1.5時間90℃に再加熱し、その後これを室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(15mL)および水(15mL)に溶解した。有機層を食塩水(2×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0~5%MeOH)によって精製すると、標記化合物が白色固体(79mg、40%)として得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.03(s,1H)、8.03(dd,J=7.9,1.5Hz,1H)、7.82(ddd,J=8.5,7.1,1.6Hz,1H)、7.62(dd,J=8.3,1.1Hz,1H)、7.50(ddd,J=8.1,7.1,1.1Hz,1H)、5.27(dd,J=11.5,5.7Hz,1H)、2.92-2.78(m,1H)、2.73-2.56(m,5H)、2.26-2.06(m,1H);MS(ESI)C
14H
14N
3O
3[M+H]
+についての計算値272.10、実測値272.33。
3-(2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピロリジン-2,5-ジオン(D-11)
アントラニル酸(200mg、1.46mmol)、酢酸(84μL、1.46mmol)、P(OPh)3(959μL、3.65mmol)および3-アミノピロリジン-2,5-ジオン塩酸塩(263mg、1.75mmol)を使用して一般的手順IVに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH(15:1))による精製後、標記化合物が白色固体(25mg、7%)として得られた。MS(ESI)C13H12N3O3[M+H]+についての計算値258.09、実測値258.22。
3-(5-フルオロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-66)
6-フルオロアントラニル酸(100mg、0.645mmol)、酢酸(37μL、0.644mmol)、P(OPh)3(424μL、1.61mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(127mg、0.774mmol)を使用して一般的手順IVに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が白色固体(70mg、38%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.03(s,1H)、7.84-7.76(m,1H)、7.44(dd,J=8.2,1.0Hz,1H)、7.25(ddd,J=11.1,8.2,1.0Hz,1H)、5.24(dd,J=11.3,5.7Hz,1H)、2.90-2.75(m,1H)、2.62(s,3H)、2.61-2.56(m,2H)、2.20-2.12(m,1H);MS(ESI)C14H13FN3O3[M+H]+についての計算値290.09、実測値290.27。
3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-67)
6-ニトロアントラニル酸(100mg、0.549mmol)、酢酸(31μL、0.549mmol)、P(OPh)3(361μL、1.37mmol)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(108mg、0.659mmol)を使用して一般的手順IVに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が白色固体(29mg、17%)として得られた。MS(ESI)C14H13N4O5[M+H]+についての計算値317.09、実測値317.58。
一般的手順V:アミドカップリング
N-ベンジル-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミド(D-15)
4mLガラスバイアル中で、DMF(331μL、0.1M)中2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボン酸(10mg、0.033mmol、1当量)、HATU(13mg、0.033mmol、1当量)、DIPEA(17μL、0.099mmol、3当量)およびベンジルアミン(4μL、0.036mmol、1.1当量)を室温で一晩撹拌した。反応混合物をMeOHで4mLに希釈し、濾過し、次いで、分取HPLCによって精製すると、標記化合物が白色固体(6mg、46%)として得られた。MS(ESI)C
21H
18N
3O
5[M+H]
+についての計算値392.12、実測値392.33。
一般的手順VI:求核芳香族置換
4-(ベンジルアミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-16)
4mLガラスバイアル中で、NMP(362μL、0.1M)中2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(10mg、0.036mmol、1当量)、ベンジルアミン(4.4μL、0.040mmol、1.1当量)およびDIPEA(13μL、0.072mmol、2当量)を一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(15mL)に溶解した。有機層をNaHCO
3(水溶液)(15mL)、水(15mL)および食塩水(3×15mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)によって精製すると、標記化合物が黄色フィルム(5mg、38%)として得られた。
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.10(s,1H)、7.44(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.40-7.25(m,5H)、7.12(d,J=7.1Hz,1H)、6.84(d,J=8.5Hz,1H)、6.71(t,J=5.9Hz,1H)、4.93(dd,J=12.3,5.3Hz,1H)、4.51(d,J=5.9Hz,2H)、2.93-2.66(m,3H)、2.21-2.07(m,1H);MS(ESI)C
20H
18N
3O
4[M+H]
+についての計算値364.13、実測値364.31。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-(イソプロピルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-18)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、イソプロピルアミン(10μL、0.119mmol)およびDIPEA(21μL、0.119mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(11mg、32%)として得られた。MS(ESI)C16H18N3O4[M+H]+についての計算値316.13、実測値316.65。
4-(ジエチルアミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-21)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、ジエチルアミン(11μL、0.130mmol)およびDIPEA(32μL、0.181mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(28mg、97%)として得られた。MS(ESI)C17H20N3O4[M+H]+についての計算値330.14、実測値330.62。
5-(ベンジルアミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-25)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、ベンジルアミン(13μL、0.119mmol)およびDIPEA(38μL、0.217mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(6mg、15%)として得られた。MS(ESI)C20H18N3O4[M+H]+についての計算値364.13、実測値364.34。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-(イソプロピルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-26)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、イソプロピルアミン(11μL、0.130mmol)およびDIPEA(38μL、0.217mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(6mg、17%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.00(s,1H)、7.53(d,J=8.3Hz,1H)、6.87(d,J=2.1Hz,1H)、6.64(dd,J=8.3,2.2Hz,1H)、4.86(dd,J=12.3,5.4Hz,1H)、4.30(d,J=7.8Hz,1H)、2.86-2.58(m,3H)、2.12-2.01(m,1H)、1.26-1.15(m,6H);MS(ESI)C16H18N3O4[M+H]+についての計算値316.13、実測値316.30。
5-(ジエチルアミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-27)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、ジエチルアミン(14μL、0.130mmol)およびDIPEA(38μL、0.217mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(6mg、31%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.08(s,1H)、7.57(d,J=8.6Hz,1H)、6.98(d,J=2.4Hz,1H)、6.72(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、4.90-4.80(m,1H)、3.40(q,J=7.1Hz,4H)、2.89-2.61(m,3H)、2.11-2.01(m,1H)、1.16(t,J=7.1Hz,6H);MS(ESI)C17H20N3O4[M+H]+についての計算値330.14、実測値330.69。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-((フラン-2-イルメチル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-28)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(50mg、0.181mmol)、フルフリルアミン(18μL、0.199mmol)およびDIPEA(63μL、0.362mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(8mg、13%)として得られた。MS(ESI)C18H16N3O4[M+H]+についての計算値354.11、実測値354.25。
tert-ブチル(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)カルバメート(D-29)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(50mg、0.181mmol)、1-Boc-エチレンジアミン(32mg、0.199mmol)およびDIPEA(63μL、0.362mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(31mg、41%)として得られた。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.08(bs,1H)、7.50(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.12(d,J=7.1Hz,1H)、6.98(d,J=8.5Hz,1H)、6.39(t,J=6.1Hz,1H)、4.96-4.87(m,1H)、4.83(bs,1H)、3.50-3.41(m,2H)、3.41-3.35(m,2H)、2.92-2.66(m,3H)、2.16-2.09(m,1H)、1.45(s,9H);MS(ESI)C20H25N4O6[M+H]+についての計算値417.18、実測値417.58。
tert-ブチル(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)アミノ)エチル)カルバメート(D-30)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(50mg、0.181mmol)、1-Boc-エチレンジアミン(32mg、0.199mmol)およびDIPEA(63μL、0.362mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(22mg、29%)として得られた。MS(ESI)C20H25N4O6[M+H]+についての計算値417.18、実測値417.32。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((フラン-2-イルメチル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-31)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(19.5mg、0.0706mmol)、フルフリルアミン(7μL、0.078mmol)およびDIPEA(25μL、0.141mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~2.5%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(19mg、76%)として得られた。MS(ESI)C18H16N3O4[M+H]+についての計算値354.11、実測値354.27。
3-(5-(ベンジルアミノ)-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-39)
反応混合物を90℃の代わりに170℃に加熱したことを除いて、3-(5-フルオロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(30mg、0.104mmol)、ベンジルアミン(13μL、0.114mmol)およびDIPEA(36μL、0.207mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が白色固体(15mg、38%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.73(t,J=5.7Hz,1H)、8.39(s,1H)、7.41(t,J=8.1Hz,1H)、7.39-7.19(m,5H)、6.77(d,J=7.7Hz,1H)、6.41(d,J=8.3Hz,1H)、4.67(dd,J=11.5,5.9Hz,1H)、4.43(d,J=5.7Hz,2H)、3.03-2.79(m,2H)、2.72-2.61(m,1H)、2.60(s,3H)、2.15-2.07(m,1H);MS(ESI)C21H21N4O3[M+H]+についての計算値377.16、実測値377.02。
3-(5-(イソプロピルアミノ)-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(D-40)
反応混合物を90℃の代わりに170℃に加熱したことを除いて、3-(5-フルオロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(30mg、0.104mmol)、イソプロピルアミン(10μL、0.114mmol)およびDIPEA(36μL、0.207mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が白色固体(5mg、15%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.31(s,1H)、8.21(d,J=7.2Hz,1H)、7.50-7.37(m,1H)、6.70(dd,J=7.9,0.9Hz,1H)、6.47(d,J=8.4Hz,1H)、4.65(dd,J=11.4,5.9Hz,1H)、3.69-3.56(m,1H)、3.03-2.80(m,3H)、2.58(s,3H)、2.14-2.03(m,1H)、1.27(d,J=2.7Hz,3H)、1.26(d,J=2.7Hz,3H);MS(ESI)C17H21N4O3[M+H]+についての計算値329.16、実測値329.97。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-68)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、アミノエタノール(7μL、0.119mmol)およびDIPEA(38μL、0.217mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(6mg、18%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.26(s,1H)、7.50(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.12(d,J=7.0Hz,1H)、6.95(d,J=8.5Hz,1H),6.50(t,J=5.9Hz,1H)、4.97-4.85(m,1H)、3.94-3.79(m,2H)、3.47(q,J=5.5Hz,2H)、3.03-2.68(m,3H)、2.19-2.04(m,1H);MS(ESI)C15H16N3O5[M+H]+についての計算値318.11、実測値318.22。
4-(シクロプロピルアミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D47)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(20mg、0.0724mmol)、シクロプロピルアミン(6μL、0.080mmol)およびDIPEA(25μL、0.141mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(16mg、70%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.05(s,1H)、7.53(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.33-7.21(m,1H)、7.15(dd,J=7.1,0.7Hz,1H)、6.44(bs,1H)、4.95-4.85(m,1H)、2.98-2.66(m,3H)、2.62-2.50(m,1H)、2.19-2.06(m,1H)、0.92-0.78(m,2H)、0.67-0.56(m,2H);MS(ESI)C16H16N3O4[M+H]+についての計算値314.11、実測値314.54。
4-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-48)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(20mg、0.0724mmol)、トリプタミン(13mg、0.080mmol)およびDIPEA(25μL、0.144mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(10mg、33%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.14(s,1H)、8.11(s,1H)、7.65-7.55(m,1H)、7.45(dd,J=8.6,7.1Hz,1H)、7.37(dt,J=8.2,0.9Hz,1H)、7.21(ddd,J=8.2,7.0,1.2Hz,1H)、7.16-7.04(m,3H)、6.88(d,J=8.5Hz,1H)、6.34(t,J=5.6Hz,1H)、4.89(dd,J=12.4,5.4Hz,1H)、3.59(td,J=6.8,5.5Hz,2H)、3.19-3.03(m,2H)、2.93-2.64(m,3H)、2.14-2.04(m,1H);MS(ESI)C23H21N4O4[M+H]+についての計算値417.16、実測値417.26。
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((4-ヒドロキシフェネチル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-49)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(20mg、0.0724mmol)、チラミン(11mg、0.080mmol)およびDIPEA(25μL、0.144mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(15mg、54%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.20(s,1H)、7.51(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.17-7.08(m,2H)、6.90(d,J=8.5Hz,1H)、6.85-6.72(m,2H)、4.95-4.90(m,1H)、3.52-3.46(m,2H)、2.97-2.87(m,2H)、2.86-2.72(m,2H)、2.21-2.09(m,1H);MS(ESI)C21H20N3O5[M+H]+についての計算値394.14、実測値394.25。
4-((2-(1H-イミダゾール-2-イル)エチル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-50)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(20mg、0.0724mmol)、ヒスタミン(15mg、0.080mmol)およびDIPEA(25μL、0.144mmol)を使用して一般的手順VIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が黄色フィルム(5mg、19%)として得られた。1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ8.19(s,1H)、7.61(d,J=1.2Hz,1H)、7.47(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.07(d,J=6.9Hz,1H)、6.96-6.83(m,2H)、6.39(t,J=5.7Hz,1H)、4.97-4.79(m,1H)、3.59(q,J=6.5Hz,2H)、2.95(t,J=6.6Hz,2H)、2.92-2.62(m,2H)、2.16-2.04(m,1H);MS(ESI)C18H18N5O4[M+H]+についての計算値368.14、実測値368.47。
一般的手順VII:第一級アミンのアシル化
N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル)シクロプロパンカルボキサミド(D-22)
4mLガラスバイアル中で、MeCN(250μL、0.35M)中4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(25mg、0.087mmol、1当量)およびDIPEA(30μL、0.174mmol、2当量)を0℃に冷却した。シクロプロパンカルボニルクロリド(8.7μL、0.096mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。生成物を濾過によって単離すると、標記化合物が白色固体(4.8mg、15%)として得られ、これをさらに精製することなく使用した。MS(ESI)C
18H
18N
3O
5[M+H]
+についての計算値356.12、実測値356.32。
N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル)アセトアミド(D-23)
4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(25mg、0.087mmol)、DIPEA(30μL、0.174mmol)および塩化アセチル(7μL、0.096mmol)を使用して一般的手順VIIに従うと、標記化合物が白色固体(4.5mg、16%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.13(s,1H)、8.47(t,J=6.0Hz,1H)、7.88-7.76(m,2H)、7.70(dt,J=7.3,1.1Hz,1H)、5.15(dd,J=12.7,5.4Hz,1H)、4.69(d,J=6.0Hz,2H)、2.90(ddd,J=16.8,13.8,5.4Hz,1H)、2.64-2.44(m,2H)、2.15-2.01(m,1H)、1.92(s,3H);MS(ESI)C16H16N3O5[M+H]+についての計算値330.11、実測値330.05。
2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エタン-1-アミニウム2,2,2-トリフルオロアセテート(D-33)
tert-ブチル(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)カルバメート(205mg、0.492mmol、1当量)のジクロロメタン(2.25mL)中攪拌溶液にトリフルオロ酢酸(0.250mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後揮発性物質を真空中で除去した。標記化合物が黄色固体(226mg、>95%)として得られ、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(500MHz、MeOD)δ7.64(d,J=1.4Hz,1H)、7.27-7.05(m,2H)、5.10(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、3.70(t,J=6.0Hz,2H)、3.50-3.42(m,2H)、3.22(t,J=6.0Hz,1H)、2.93-2.85(m,1H)、2.80-2.69(m,2H)、2.17-2.10(m,1H);MS(ESI)C
15H
17N
4O
4[M+H]
+についての計算値317.12、実測値317.53。
一般的手順VIII:フェノールアルキル化
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)イソインドリン-1,3-ジオン(D-45)
4mLガラスバイアル中で、DMF(365μL、0.3M)中2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol、1当量)およびK
2CO
3(15mg、0.109mmol、1当量)を室温で撹拌した。DMF(200μL)中4-(4-(ブロモメチル)ベンジル)モルホリン(30mg、0.109mmol、1当量)を添加し、反応混合物を室温で4日間撹拌した。反応混合物を水(15mL)およびEtOAc(15mL)に溶解し、有機層を食塩水(3×15mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0~10%MeOH)によって精製すると、標記化合物が白色固体(20mg、40%)として得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.10(s,1H)、7.82(dd,J=8.5,7.2Hz,1H)、7.60(d,J=8.5Hz,1H)、7.50-7.42(m,3H)、7.35(d,J=8.1Hz,2H)、5.35(s,2H)、5.09(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、3.64-3.51(m,4H)、3.46(s,2H)、2.88(ddd,J=17.0,14.1,5.4Hz,1H)、2.63-2.47(m,2H)、2.38-2.31(m,4H)、2.07-1.99(m,1H);MS(ESI)C
25H
26N
3O
6[M+H]
+についての計算値464.18、実測値464.00。
4-(ベンジルオキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-46)
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(30mg、0.109mmol)、K2CO3(15mg、0.109mmol)および臭化ベンジル(8μL、0109mmol)を使用して一般的手順VIIIに従うと、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~10%MeOH)による精製後、標記化合物が白色固体(8mg、20%)として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.10(s,1H)、7.83(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.60(d,J=8.5Hz,1H)、7.53-7.50(m,2H)、7.47(d,J=7.2Hz,1H)、7.45-7.39(m,2H)、7.38-7.32(m,1H)、5.38(s,2H)、5.09(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、2.88(ddd,J=16.9,13.8,5.5Hz,1H)、2.64-2.46(m,2H)、2.07-1.99(m,1H);MS(ESI)C20H17N2O5[M+H]+についての計算値365.11、実測値365.21。
2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル4-メチルベンゼン-スルホネート(D-44)
4mLガラスバイアル中で、CH
2Cl
2(200μL)中2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(7mg、0.0221mmol、1当量)およびEt
3N(3μL、0.033mmol、1.5当量)を室温で撹拌した。CH
2Cl
2(100μL)中塩化トシル(6mg、0.026mmol、1.2当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0~10%MeOH)によって精製すると、標記化合物が白色固体(4mg、40%)として得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.13(s,1H)、7.64-7.59(m,2H)、7.46(dd,J=8.6,7.1Hz,1H)、7.33-7.27(m,2H)、7.04-6.93(m,2H)、6.58(t,J=6.4Hz,1H)、5.09(dd,J=12.7,5.4Hz,1H)、4.15(t,J=5.1Hz,2H)、3.65-3.52(m,2H)、2.97-2.83(m,1H)、2.67-2.46(m,2H)、2.27(s,3H)、2.12-2.02(m,1H);MS(ESI)C
22H
22N
3O
7S[M+H]
+についての計算値472.12、実測値472.39。
(R)-4-ヒドロキシ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-52)
ヒドロキシイソベンゾフラン-1,3-ジオン(147.08mg、0.896mmol、1当量)を(R)-3-アミノ-3-メチルピペリジン-2,6-ジオン塩酸(127.32mg、0.896mmol、1当量)に添加した。次いで、ピリジン(3.584ml、0.25M)を混合物に添加し、これを110℃で17時間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM 25分勾配)によって精製すると、白色油(110.9mg、収率42.63%)が得られた。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ10.95(s,1H)、7.61(dd,J=8.4,7.2Hz,1H)、7.27-7.14(m,2H)、2.73-2.63(m,1H)、2.57-2.51(m,1H)、2.04-1.97(m,1H)、1.86(s,3H)。LCMS 289(M+H)。
(S)-4-ヒドロキシ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-53)
4-ヒドロキシイソベンゾフラン-1,3-ジオン(148.99mg、0.907mmol、1当量)を(S)-3-アミノ-3-メチルピペリジン-2,6-ジオン塩酸(128.97mg、0.907mmol、1当量)に添加した。次いで、ピリジン(3.628ml、0.25M)を混合物に添加し、これを110℃で17時間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM 25分勾配)によって精製すると、白色油(150mg、収率57.4%)が得られた。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ10.95(s,1H)、7.62(dd,J=8.4,7.2Hz,1H)、7.27-7.16(m,2H)、2.75-2.62(m,1H)、2.55(dd,J=14.0,4.3Hz,1H)、2.05-1.96(m,1H)、1.86(s,3H)。LCMS 289(M+H)。
(S)-2-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(D-55)
TFA(0.63ml、0.1M)を、tert-ブチル(S)-2-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセテート(25.4mg、0.063mmol、1当量)に添加し、混合物を50℃で1時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、減圧下で濃縮すると、白色粉末(20.5mg、収率93.9%)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。1H NMR(500MHz、メタノール-d4)δ7.81-7.75(m,1H)、7.50(d,J=7.3Hz,1H)、7.45(d,J=8.6Hz,2H)、7.43-7.37(m,3H)、5.09(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.63(dd,J=9.1,5.2Hz,1H)、3.66-3.55(m,30H)、3.51-3.41(m,5H)、2.90-2.83(m,1H)、2.79-2.71(m,2H)、2.69(s,3H)、2.43(s,3H)、2.14(ddt,J=10.5,5.5,3.2Hz,1H)、1.69(s,3H)。LCMS 347(M+H)。
(R)-2-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(D-54)
TFA(1.78ml、0.1M)を、tert-ブチル(R)-2-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセテート(71.3mg、0.178mmol、1当量)に添加し、混合物を50℃で1時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、減圧下で濃縮すると、白色粉末(47.2mg、収率76.63%)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.72(ddd,J=8.5,7.3,5.0Hz,1H)、7.46-7.42(m,1H)、7.30(dd,J=8.6,4.5Hz,1H)、4.94(d,J=5.3Hz,2H)、2.81-2.56(m,2H)、2.24-2.07(m,1H)、2.00(s,2H)、0.90(t,J=6.5Hz,2H)。LCMS 347(M+H)。
4,7-ジクロロ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(D-51)
4,7-ジクロロイソベンゾフラン-1,3-ジオン(434.6mg、2.002mmol、1当量)を、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸(362.6mg、2.203mmol、1.1当量)に添加した。次いで、酢酸カリウム(609.07mg、6.206mmol、3.1当量)および酢酸(6.67ml、0.3M)を混合物に添加し、これを90℃で18時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、脱イオン水で希釈し、5分間遠心分離した。沈殿をメタノールで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM 25分勾配)によって精製すると、白色粉末(160.4mg、収率24.5%)が得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.15(s,1H)、7.91(s,2H)、5.17(dd,J=12.9,5.4Hz,1H)、2.88(ddd,J=17.2,13.9,5.4Hz,1H)、2.68-2.54(m,1H)、2.05(ddd,J=10.5,5.4,2.7Hz,1H)。LCMS 328(M+H)。
合成実施例1:dBET1の合成
(1)JQ酸の合成
JQ1(1.0g、2.19mmol、1当量)を室温でギ酸(11mL、0.2M)に溶解し、75時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮すると、黄色固体(0.99g、定量的収率)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.50-7.36(m,4H)、4.59(t,J=7.1Hz,1H)、3.51(d,J=7.1Hz,2H)、2.70(s,3H)、2.45(s,3H)、1.71(s,3H)。LCMS 401.33(M+H)。
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートを、以前に公開された手順(Fischerら、Nature 512(2014):49)に従って合成した。
(2)dBET1の合成
JQ酸(11.3mg、0.0281mmol、1当量)およびN-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(14.5mg、0.0281mmol、1当量)を室温でDMF(0.28mL、0.1M)に溶解した。次いで、DIPEA(14.7μL、0.0843mmol、3当量)およびHATU(10.7mg、0.0281mmol、1当量)を添加し、混合物を19時間撹拌した。次いで、混合物を分取HPLCによって精製すると、dBET1が黄色固体(15.90mg、0.0202mmol、72%)として得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.77(dd,J=8.3,7.5Hz,1H)、7.49(d,J=7.3Hz,1H)、7.47-7.37(m,5H)、5.07(dd,J=12.5,5.4Hz,1H)、4.74(s,2H)、4.69(dd,J=8.7,5.5Hz,1H)、3.43-3.32(m,3H)、3.29-3.25(m,2H)、2.87-2.62(m,7H)、2.43(s,3H)、2.13-2.04(m,1H)、1.72-1.58(m,7H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.41、172.33、171.27、171.25、169.87、168.22、167.76、166.73、166.70、156.26、138.40、138.23、137.44、134.83、133.92、133.40、132.30、132.28、131.97、131.50、129.87、121.85、119.31、118.00、69.53、54.90、50.54、40.09、39.83、38.40、32.12、27.74、27.65、23.61、14.42、12.97、11.57。LCMS 785.44(M+H)。
合成実施例2:dBET4の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.438mL、0.0438mmol、1.2当量)を、室温で(R)-JQ酸(JQ酸と同様の方法で(R)-JQ1から調製)(14.63mg、0.0365mmol、1当量)に添加した。DIPEA(19.1μL、0.1095mmol、3当量)およびHATU(15.3mg、0.0402mmol、1.1当量)を添加し、混合物を24時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製すると、黄色固体(20.64mg、0.0263mmol、72%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.79(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.51(d,J=7.3Hz,1H)、7.47-7.39(m,5H)、5.11-5.06(m,1H)、4.75(s,2H)、4.68(dd,J=8.8,5.5Hz,1H)、3.47-3.31(m,5H)、2.83-2.65(m,7H)、2.44(s,3H)、2.13-2.06(m,1H)、1.68(s,3H)、1.67-1.60(m,4H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ174.43、172.40、171.29、169.92、168.24、167.82、166.71、156.31、153.14、138.38、138.24、137.54、134.88、133.86、133.44、132.29、132.00、131.49、129.88、122.46、121.90、119.38、118.02、69.59、54.96、50.55、40.09、39.84、38.45、32.14、27.75、27.65、23.62、14.41、12.96、11.56。MS 785.48(M+H)。
合成実施例3:dBET3の合成
N-(2-アミノエチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.475mL、0.0475mmol、1.2当量)を、室温でJQ酸(15.86mg、0.0396mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(20.7μL、0.1188mmol、3当量)およびHATU(16.5mg、0.0435mmol、1.1当量)を添加し、混合物を24時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製すると、黄色固体(22.14mg、0.0292mmol、74%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.82-7.75(m,1H)、7.52-7.32(m,6H)、5.04(dd,J=11.6,5.5Hz,1H)、4.76(d,J=3.2Hz,2H)、4.66(d,J=6.6Hz,1H)、3.58-3.35(m,6H)、2.78-2.58(m,6H)、2.48-2.41(m,3H)、2.11-2.02(m,1H)、1.70(d,J=11.8Hz,3H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ174.38、171.26、171.19、170.26、168.86、168.21、167.76、166.72、156.27、153.14、138.44、138.36、138.19、134.87、133.71、132.31、131.57、131.51、129.90、129.86、121.81、119.36、117.95、69.48、54.83、50.52、40.09、39.76、38.30、32.09、23.63、14.40、11.61。LCMS 757.41(M+H)。
合成実施例4:dBET5の合成
N-(6-アミノヘキシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.247mL、0.0247mmol、1当量)を、室温でJQ酸(9.9mg、0.0247mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(12.9μL、0.0741mmol、3当量)およびHATU(9.4mg、0.0247mmol、1当量)を添加し、混合物を21時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製すると、黄色固体(13.56mg、0.0167mmol、67%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.82-7.78(m,1H)、7.53(dd,J=7.3,2.0Hz,1H)、7.49-7.37(m,5H)、5.10(dt,J=12.4,5.3Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.70(dd,J=8.7,5.5Hz,1H)、3.42-3.33(m,2H)、3.25(dt,J=12.3,6.0Hz,3H)、2.87-2.67(m,7H)、2.48-2.42(m,3H)、2.14-2.09(m,1H)、1.69(d,J=4.8Hz,3H)、1.58(s,4H)、1.42(d,J=5.2Hz、4H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ174.51、171.31、171.26、169.82、168.27、168.26、167.75、156.26、150.46、138.20、134.92、133.92、133.47、132.34、132.01、131.52、129.88、121.69、119.34、117.95、111.42、69.39、54.97、50.56、40.39、40.00、38.40、32.15、30.46、30.16、27.58、27.48、23.64、14.41、12.96、11.55。LCMS 813.38。
合成実施例5:dBET6の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.191mL、0.0191mmol、1当量)を、室温でJQ酸(7.66mg、0.0191mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10μL、0.0574mmol、3当量)およびHATU(7.3mg、0.0191mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌し、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製すると、クリーム色固体が得られた。(8.53mg、0.0101mmol、53%)。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.80(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.53(d,J=7.4Hz,1H)、7.49-7.36(m,5H)、5.10(dt,J=12.3,5.3Hz,1H)、4.75(s,2H)、4.69(dd,J=8.8,5.3Hz,1H)、3.42(dd,J=15.0,8.9Hz,1H)、3.30-3.18(m,4H)、2.90-2.64(m,7H)、2.45(s,3H)、2.13(dtt,J=10.8,5.2,2.6Hz,1H)、1.71(d,J=4.4Hz,3H)、1.56(d,J=6.2Hz,4H)、1.33(d,J=17.1Hz,8H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ174.50、172.38、171.30、169.81、168.28、167.74、166.64、156.25、138.38、138.20、137.55、134.92、133.88、133.42、132.27、132.02、131.50、129.85、121.66、119.30、117.95、69.37、55.01、50.58、40.51、40.12、38.44、32.18、30.46、30.33、30.27、30.21、27.91、27.81、23.63、14.42、12.96、11.55。LCMS 841.64(M+H)。
合成実施例6:dBET9の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.321mL、0.0321mmol、1当量)を、室温でJQ酸(12.87mg、0.0321mmol、1当量)に添加した。DIPEA(16.8μL、0.0963mmol、3当量)およびHATU(12.2mg、0.0321mmol、1当量)を添加し、混合物を24時間撹拌し、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製すると、黄色油が得られた。(16.11mg、0.0176mmol、55%)。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.79(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.52(d,J=7.2Hz,1H)、7.49-7.36(m,5H)、5.10(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.78-4.67(m,3H)、3.64-3.52(m,11H)、3.48-3.32(m,6H)、2.94-2.64(m,7H)、2.52-2.43(m,3H)、2.18-2.08(m,1H)、1.81(p,J=6.3Hz,4H)、1.73-1.67(m,3H)。LCMS 918.45(M+H)。
合成実施例7:dBET17の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.281mL、0.0281mmol、1当量)を、室温で(S)-2-(4-(4-シアノフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)酢酸(11mg、0.0281mmol、1当量)に添加した。DIPEA(14.7μL、0.0843mmol、3当量)およびHATU(10.7mg、0.0281mmol、1当量)を添加し、混合物を24時間撹拌し、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム0~10%MeOH/DCM)による精製によって、白色固体(14.12mg、0.0182mmol、65%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.82-7.72(m,3H)、7.61(dd,J=8.5,2.0Hz,2H)、7.51(d,J=7.9Hz,1H)、7.44-7.40(m,1H)、5.11-5.05(m,1H)、4.76(s,2H),4.66(dd,J=9.0,5.1Hz,1H)、3.48-3.32(m,4H)、3.30-3.23(m,1H)、2.87-2.61(m,7H)、2.43(s,3H)、2.10(dt,J=10.7,5.2Hz,1H)、1.70-1.59(m,7H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.42、172.65、171.27、169.92、168.25、167.80、165.88、156.31、143.55、138.24、134.88、133.92、133.50、133.39、131.72、131.46、130.55、121.93、119.39、119.21、118.02、115.17、69.59、55.50、50.55、40.10、39.83、38.86、32.11、27.78、27.67、23.62、14.41、12.91、11.64。LCMS 776.39(M+H)。
合成実施例8:dBET15の合成
N-(6-アミノヘキシル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミドトリフルオロアセテート(13.29mg、0.258mmol、1当量)およびJQ酸(10.3mg、0.0258mmol、1当量)をDMF(0.26mL)に溶解した。DIPEA(13.5μL、0.0775mmol、3当量)、引き続いてHATU(9.8mg、0.0258mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で撹拌した。24時間後、この物質をDCMで希釈し、カラムクロマトグラフィー(ISCO、0~15%MeOH/DCM)、引き続いて分取HPLCによって精製すると、薄黄色固体(11.44mg、0.0146mmol、57%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ8.29-8.23(m,2H)、7.93(dd,J=8.1,4.2Hz,1H)、7.50-7.34(m,4H)、5.17-5.11(m,1H)、4.75-4.69(m,1H)、3.53-3.32(m,6H)、3.25(dd,J=13.8,6.7Hz,1H)、2.90-2.67(m,6H)、2.49-2.38(m,3H)、2.18-2.10(m,1H)、1.64(d,J=22.4Hz,6H)、1.47(s,4H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.48、171.17、168.05、168.03、167.99、167.70、166.63、141.81、138.40、137.47、135.09、134.77、134.74、133.96、133.94、133.38、132.24、132.05、131.44、129.85、124.57、123.12、123.09、54.98、50.78、40.88、40.08、38.37、32.13、30.40、30.23、27.34、27.26、23.58、14.40、12.96、11.54。LCMS 783.43(M+H)。
合成実施例9:dBET2の合成
(1)(R)-エチル4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシベンゾエートの合成
(R)-2-クロロ-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-7,8-ジヒドロプテリジン-6(5H)-オン(44.2mg、0.15mmol、1当量)、エチル4-アミノ-3-メトキシベンゾエート(35.1mg、0.18mmol、1.2当量)、Pd
2dba
3(6.9mg、0.0075mmol、5mol%)、XPhos(10.7mg、0.0225mmol、15mol%)および炭酸カリウム(82.9mg、0.60mmol、4当量)をtBuOH(1.5mL、0.1M)に溶解し、100℃に加熱した。21時間後、混合物を室温に冷却し、celiteを通して濾過し、DCMで洗浄し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、18分間勾配で0~100%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、黄色油(52.3mg、0.115mmol、77%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.57(d,J=8.5Hz,1H)、7.69(td,J=6.2,2.9Hz,2H)、7.54(d,J=1.8Hz,1H)、4.52(t,J=7.9Hz,1H)、4.37(q,J=7.1Hz,2H)、4.23(dd,J=7.9,3.7Hz,1H)、3.97(s,3H)、3.33(s,3H)、2.20-2.12(m,1H)、2.03-1.97(m,1H)、1.86(ddd,J=13.9,7.6,3.6Hz,4H)、1.78-1.65(m,4H)、1.40(t,J=7.1Hz,3H)、0.88(t,J=7.5Hz,3H)。LCMS 454.32(M+H)。
(2)(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸の合成
(R)-エチル4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシベンゾエート(73.8mg、0.163mmol、1当量)およびLiOH(11.7mg、0.489mmol、3当量)をMeOH(0.82mL)、THF(1.63mL)および水(0.82mL)に溶解した。20時間後、さらに水0.82mLを添加し、混合物をさらに24時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、クリーム色固体(53mg、0.125mmol、76%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.97(d,J=8.4Hz,1H)、7.67(dd,J=8.3,1.6Hz,1H)、7.64-7.59(m,2H)、4.38(dd,J=7.0,3.2Hz,1H)、4.36-4.29(m,1H)、3.94(s,3H)、3.30(s,3H)、2.13-1.98(m,2H)、1.95-1.87(m,2H)、1.87-1.76(m,2H)、1.73-1.57(m,4H)、0.86(t,J=7.5Hz,3H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ168.67、163.72、153.59、150.74、150.60、130.95、127.88、125.97、123.14、121.68、116.75、112.35、61.76、61.66、56.31、29.40、29.00、28.68、28.21、23.57、23.41、8.69。LCMS 426.45(M+H)。
(3)dBET2の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.183mL、0.0183mmol、1.2当量)を、室温で(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(6.48mg、0.0152mmol、1当量)に添加した。DIPEA(7.9μL、0.0456mmol、3当量)およびHATU(6.4mg、0.0168mmol、1.1当量)を添加し、混合物を23時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、黄色固体(9.44mg、0.0102mmol、67%)が得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.84-7.77(m,2H)、7.58(d,J=1.8Hz,2H)、7.53-7.46(m,2H)、7.42(d,J=8.4Hz,1H)、5.11-5.05(m,1H)、4.76(s,2H)、4.48(dd,J=6.5,3.1Hz,1H)、4.33-4.24(m,1H)、3.95(s,3H)、3.49-3.35(m,4H)、2.97(d,J=10.5Hz,3H)、2.89-2.65(m,5H)、2.17-1.99(m,4H)、1.89(dd,J=14.5,7.3Hz,2H)、1.69-1.54(m,6H)、1.36(dt,J=7.6,3.9Hz,1H)、0.85(t,J=7.5Hz,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ176.52、174.48、173.05、171.34、169.99、168.91、168.25、167.80、164.58、156.34、154.48、153.10、150.63、138.22、134.89、133.96、129.53、123.93、121.87、120.78、119.36、117.99、111.54、69.55、63.29、63.10、56.68、50.55、40.71、39.86、32.15、29.43、29.26、28.73、28.63、27.81、27.77、24.25、23.63、8.47。LCMS 810.58(M+H)。
合成実施例10:dBET7の合成
N-(6-アミノヘキシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.186mL、0.0186mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(7.9mg、0.0186mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.7μL、0.0557mmol、3当量)およびHATU(7.1mg、0.0186mmol、1当量)を添加し、混合物を19時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、所望のトリフルオロ酢酸塩が黄色固体(13.62mg、0.0143mmol、77%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.80(t,J=8.3Hz,2H)、7.61-7.57(m,2H)、7.55-7.49(m,2H)、7.42(d,J=8.4Hz,1H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、4.48(dd,J=6.5,3.2Hz,1H)、4.33-4.24(m,1H)、3.97(s,3H)、3.40(t,J=7.1Hz,2H)、3.34(d,J=6.7Hz,2H)、3.30(s,3H)、2.98(d,J=8.5Hz,1H)、2.89-2.82(m,1H)、2.79-2.63(m,3H)、2.17-2.00(m,4H)、1.91(dt,J=14.4,7.1Hz,3H)、1.61(dt,J=13.4,6.6Hz,7H)、1.47-1.41(m,3H)、0.86(t,J=7.5Hz,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.54、171.37、169.84、168.84、168.27、167.74、164.59、156.26、154.47、153.18、150.69、138.19、134.91、134.05、129.47、124.78、124.01、121.65、120.77、119.29、117.92、117.86、111.55、69.34、63.31、63.13、56.67、50.53、40.97、39.96、32.16、30.42、30.19、29.42、29.26、28.72、28.62、27.65、27.46、24.26、23.65、8.47。LCMS 838.60(M+H)。
合成実施例11:dBET8の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.186mL、0.0186mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(7.9mg、0.0186mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.7μL、0.0557mmol、3当量)およびHATU(7.1mg、0.0186mmol、1当量)を添加し、混合物を16時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、所望のトリフルオロ酢酸塩が灰白色固体(7.15mg、0.007296mmol、39%)として得られた。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.83-7.77(m,2H)、7.61-7.56(m,2H)、7.55-7.50(m,2H)、7.42(d,J=8.5Hz,1H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、4.49(dd,J=6.6,3.3Hz,1H)、4.33-4.24(m,1H)、3.97(s,3H)、3.39(t,J=7.1Hz,2H)、3.34-3.32(m,2H)、3.30(s,3H)、3.01-2.83(m,2H)、2.82-2.65(m,3H)、2.17-2.01(m,4H)、1.91(dt,J=14.2,7.4Hz,1H)、1.68-1.54(m,7H)、1.37(s,7H)、0.86(t,J=7.5Hz,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.52、171.35、169.81、168.85、168.28、167.74、164.58、156.27、154.47、153.89、150.64、138.19、134.93、134.18、129.52、129.41、124.91、123.83、121.67、120.76、119.31、117.95、117.89、111.57、69.37、63.37、63.17、56.67、50.58、41.12、40.12、32.19、30.43、30.28、30.22、30.19、29.40、29.25、28.71、28.62、27.94、27.75、24.29、23.65、8.46。LCMS 866.56(M+H)。
合成実施例12:dBET10の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.172mL、0.0172mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(7.3mg、0.0172mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.0μL、0.0515mmol、3当量)およびHATU(6.5mg、0.0172mmol、1当量)を添加し、混合物を23時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、所望のトリフルオロ酢酸塩が灰白色油(10.7mg、0.0101mmol、59%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.78(d,J=8.3Hz,1H)、7.75(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.56-7.51(m,2H)、7.49-7.44(m,2H)、7.36(d,J=8.4Hz,1H)、5.08(dd,J=12.4,5.4Hz,1H)、4.69(s,2H)、4.44(dd,J=6.7,3.2Hz,1H)、4.30-4.21(m,1H)、3.92(s,3H)、3.59-3.42(m,12H)、3.35(t,J=6.7Hz,2H)、3.25(s,3H)、2.95-2.64(m,5H)、2.13-1.95(m,4H)、1.91-1.71(m,7H)、1.65-1.48(m,4H)、0.81(t,J=7.5Hz,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.50、171.35、169.83、168.77、168.25、167.68、164.57、156.26、154.47、153.05、150.59、138.19、134.92、133.89、129.53、124.57、123.98、121.72、120.75、119.26、117.95、117.86、111.54、71.51、71.46、71.28、71.20、70.18、69.65、69.41、63.27、63.07、56.71、50.57、38.84、37.59、32.17、30.41、30.32、29.46、29.26、28.73、28.64、24.27、23.65、8.49。LCMS 942.62(M+H)。
合成実施例13:dBET16の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.402mL、0.0402mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((4-シクロペンチル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(16.55mg、0.0402mmol、1当量)に添加した。DIPEA(21μL、0.1206mmol、3当量)およびHATU(15.3mg、0.0402mmol、1当量)を添加し、混合物を21時間撹拌した後、分取HPLC、引き続いてカラムクロマトグラフィー(ISCO、12g NH2-シリカカラム、0~15%MeOH/DCM、20分勾配)によって精製してHPLCを得ると、褐色固体(10.63mg、0.0134mmol、33%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ8.22(d,J=8.4Hz,1H)、7.78(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.73-7.68(m,1H)、7.49(d,J=7.4Hz,2H)、7.46-7.39(m,2H)、6.98(d,J=8.8Hz,1H)、5.97-5.87(m,1H)、5.06(dd,J=12.6,5.4Hz,1H)、4.76(s,2H)、3.98(s,3H)、3.61(s,2H)、3.44-3.36(m,4H)、2.92(s,1H)、2.78(dd,J=14.3,5.2Hz,1H)、2.68(ddd,J=17.7,8.2,4.5Hz,2H)、2.36-2.26(m,2H)、2.10-1.90(m,5H)、1.76-1.62(m,6H)、1.31(d,J=16.0Hz,4H)。LCMS 795.38(M+H)。
合成実施例14:dBET11の合成
(1)エチル4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシベンゾエートの合成
2-クロロ-5,11-ジメチル-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6(11H)-オン(82.4mg、0.30mmol、1当量)、エチル4-アミノ-3-メトキシベンゾエート(70.3mg、0.36mmol、1.2当量)、Pd
2dba
3(13.7mg、0.015mmol、5mol%)、XPhos(21.5mg、0.045mmol、15mol%)および炭酸カリウム(166mg、1.2mmol、4当量)をtBuOH(3.0mL)に溶解し、100℃に加熱した。17時間後、混合物を室温に冷却し、celiteを通して濾過した。混合物をカラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~100%EtOAc/ヘキサン、19分勾配)によって精製すると、灰白色固体(64.3mg、0.148mmol、49%)が得られた。
1H NMR(400MHz、50%cd3od/cdcl3)δ8.51(d,J=8.5Hz,1H)、8.17(s,1H)、7.73(ddd,J=18.7,8.1,1.7Hz,2H)、7.52(d,J=1.8Hz,1H)、7.46-7.41(m,1H)、7.15-7.10(m,2H)、4.34(q,J=7.1Hz,4H)、3.95(s,3H)、3.47(s,3H)、3.43(s,3H)、1.38(t,J=7.1Hz,3H)。13C NMR(100MHz、50%cd3od/cdcl3)δ169.28、167.39、164.29、155.64、151.75、149.73、147.45、146.22、133.88、133.18、132.37、126.44、124.29、123.70、123.36、122.26、120.58、118.05、116.83、110.82、61.34、56.20、38.62、36.25、14.51。LCMS 434.33(M+H)。
(2)4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸の合成
エチル4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシベンゾエート(108.9mg、0.251mmol、1当量)およびLiOH(18mg)をTHF(2.5mL)および水(1.25mL)に溶解した。24時間後、MeOH(0.63mL)を添加して溶解度を改善し、さらに24時間撹拌した後、MeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、淡黄色固体(41.31mg)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ8.51(d,J=8.5Hz,1H)、8.22(s,1H)、7.73(ddd,J=11.8,8.1,1.7Hz,2H)、7.57(d,J=1.8Hz,1H)、7.49-7.44(m,1H)、7.19-7.11(m,2H)、3.97(s,3H)、3.48(s,3H)、3.45(s,3H)。LCMS 406.32(M+H)。
(3)dBET11の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.190mL、0.0190mmol 1当量)を、室温で4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(7.71mg、0.0190mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.9μL、0.0571mmol、3当量)およびHATU(7.2mg、0.0190mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌した後、分取HPLCによって精製してHPLCを得ると、所望のトリフルオロ酢酸塩がクリーム色固体(6.72mg、0.00744mmol、39%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ8.46(d,J=8.3Hz,1H)、8.21(s,1H)、7.79-7.73(m,2H)、7.52(d,J=7.1Hz,1H)、7.50-7.43(m,3H)、7.33(d,J=8.2Hz,1H)、7.15(dd,J=7.7,5.9Hz,2H)、4.98(dd,J=12.0,5.5Hz,1H)、4.69(s,2H)、3.97(s,3H)、3.49(s,3H)、3.46-3.34(m,7H)、2.81-2.67(m,3H)、2.13-2.08(m,1H)、1.69(dt,J=6.6,3.5Hz,4H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ173.40、170.10、169.68、169.00、168.85、167.60、167.15、164.77、156.01、155.42、151.83、150.03、148.21、137.82、134.12、133.48、132.58、132.52、128.11、126.72、124.54、122.33、121.06、120.63、118.77、118.38、117.94、117.62、109.67、68.90、56.33、49.96、40.16、39.48、38.72、36.34、31.82、27.24、23.16。LCMS 790.48(M+H)。
合成実施例15:dBET12の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.186mL、0.0186mmol 1当量)を、室温で4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(7.53mg、0.0186mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.7μL、0.0557mmol、3当量)およびHATU(7.1mg、0.0186mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌した後、分取HPLCによって精製してHPLCを得ると、所望のトリフルオロ酢酸塩がクリーム色固体(7.50mg、0.00724mmol、39%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ8.46(d,J=8.9Hz,1H)、8.21(s,1H)、7.73(dd,J=15.2,7.8Hz,2H)、7.50-7.42(m,3H)、7.28(d,J=8.5Hz,1H)、7.15(t,J=7.7Hz,2H)、5.01(dd,J=11.8,5.8Hz,1H)、4.68(s,2H)、3.97(s,3H)、3.67-3.58(m,7H)、3.58-3.43(m,10H)、3.39(t,J=6.8Hz,2H)、3.35(s,2H)、2.97(s,1H)、2.84-2.70(m,3H)、2.16-2.07(m,1H)、1.93-1.76(m,4H)。LCMS 922.57(M+H)。
合成実施例16:dBET13の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.501mL、0.0501mmol 1当量)を、室温で2-((2-(4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)アミノ)酢酸(McKeownら、J.Med.Chem、2014、57、9019のように合成)(18.22mg、0.0501mmol、1当量)に添加した。DIPEA(26.3μL、0.150mmol、3当量)およびHATU(19.0mg、0.0501mmol、1当量)を添加し、混合物を21時間撹拌した後、分取HPLCによって精製してHPLCを得ると、所望のトリフルオロ酢酸塩が暗黄色油(29.66mg、0.0344mmol、69%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ9.09(s,1H)、8.65(d,J=5.2Hz,1H)、8.14-8.06(m,2H)、7.94-7.88(m,1H)、7.80-7.74(m,1H)、7.59-7.47(m,3H)、7.40(dd,J=8.4,4.7Hz,1H)、5.11-5.06(m,1H)、4.72(d,J=9.8Hz,2H)、3.90(s,2H)、3.25-3.22(m,1H)、3.12(t,J=6.4Hz,1H)、2.96(s,2H)、2.89-2.79(m,1H)、2.76-2.62(m,2H)、2.48-2.42(m,3H)、2.29(s,3H)、2.10(ddq,J=10.2,5.3,2.7Hz,1H)、1.49-1.45(m,2H)、1.37(dd,J=6.7,3.6Hz,2H)。
13C NMR(100MHz、cd
3od)δ174.45、171.98、171.35、169.88、168.17、167.85、167.40、159.88、156.28、141.82、138.26、135.85、134.82、133.09、132.06、130.75、129.67、122.07、121.94、119.30、118.98、118.06、117.24、69.56、50.56、40.05、39.73、32.13、27.53、23.62、18.71、17.28、11.64、10.85。LCMS 748.49(M+H)。
合成実施例17:dBET14の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.510mL、0.0510mmol 1当量)を、室温で2-((2-(4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)フェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-3-イル)アミノ)酢酸(McKeownら、J.Med.Chem、2014、57、9019のように合成)(18.52mg、0.0510mmol、1当量)に添加した。DIPEA(26.6μL、0.153mmol、3当量)およびHATU(19.4mg、0.0510mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌した後、分取HPLCによって精製してHPLCを得ると、所望のトリフルオロ酢酸塩が暗黄色油(32.63mg、0.0328mmol、64%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ9.09(s,1H)、8.66(d,J=5.4Hz,1H)、8.17-8.08(m,2H)、7.92(d,J=5.6Hz,1H)、7.77(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.60-7.47(m,3H)、7.39(d,J=8.4Hz,1H)、5.09(dd,J=12.4,5.5Hz,1H)、4.71(s,2H)、3.91(s,2H)、3.62-3.46(m,10H)、3.38(dt,J=16.0,6.4Hz,3H)、3.18(t,J=6.8Hz,2H)、2.97(s,1H)、2.89-2.81(m,1H)、2.78-2.66(m,2H)、2.47(s,3H)、2.31(s,3H)、2.16-2.08(m,1H)、1.79(dt,J=12.8,6.5Hz,2H)、1.64(t,J=6.3Hz,2H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.48、171.88、171.34、169.80、168.22、167.69、167.42、159.87、156.24、141.87、138.21、135.89、134.88、133.13、132.04、130.76、129.67、122.08、121.69、119.20、117.94、117.23、71.44、71.22、71.10、69.92、69.62、69.38、50.57、49.64、38.11、37.55、32.16、30.30、30.20、23.63、11.67、10.88。LCMS 880.46(M+H)。
合成実施例18:dBET18の合成
(1)(S)-tert-ブチル4-(3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミド)プロピル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成
JQ酸(176.6mg、0.441mmol、1当量)を室温でDMF(4.4mL)に溶解した。HATU(176mg、0.463mmol、1.05当量)を添加し、引き続いてDIPEA(0.23mL)、1.32mmol、3当量)を添加した。10分後、tert-ブチル4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-カルボキシレート(118mg、0.485mmol、1.1当量)をDMF(0.44mL)中溶液として添加した。24時間後、混合物を半飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、DCMで2回およびEtOAcで1回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、23分勾配)による精製によって、黄色油(325.5mg、定量的収率)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.67(t,J=5.3Hz,1H)、7.41-7.28(m,4H)、4.58(dd,J=7.5,5.9Hz,1H)、3.52-3.23(m,8H)、2.63(s,9H)、2.37(s,3H)、1.80-1.69(m,2H)、1.64(s,3H)、1.42(s,9H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ171.41、164.35、155.62、154.45、150.20、136.92、136.64、132.19、131.14、130.98、130.42、129.98、128.80、80.24、56.11、54.32、52.70、38.96、37.85、28.42、25.17、14.43、13.16、11.82。LCMS 626.36(M+H)。
(2)(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-N-(3-(ピペラジン-1-イル)プロピル)アセトアミドの合成
(S)-tert-ブチル4-(3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミド)プロピル)ピペラジン-1-カルボキシレート(325.5mg)をDCM(5mL)およびMeOH(0.5mL)に溶解した。ジオキサン中4M HCl溶液(1mL)を添加し、混合物を16時間撹拌し、次いで、窒素流下で濃縮すると、黄色固体(231.8mg)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.64-7.53(m,4H)、5.05(t,J=7.1Hz,1H)、3.81-3.66(m,6H)、3.62-3.33(m,9H)、3.30(p,J=1.6Hz,1H)、2.94(s,3H)、2.51(s,3H)、2.09(dq,J=11.8,6.1Hz,2H)、1.72(s,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ171.78、169.38、155.83、154.03、152.14、140.55、136.33、134.58、134.53、133.33、132.73、130.89、130.38、56.07、53.54、41.96、37.22、36.23、25.11、14.48、13.14、11.68。LCMS 526.29(M+H)。
(3)(S)-tert-ブチル(6-(4-(3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミド)プロピル)ピペラジン-1-イル)-6-オキソヘキシル)カルバメートの合成
(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-N-(3-(ピペラジン-1-イル)プロピル)アセトアミド(62.1mg)および6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(24.0mg、0.1037mmol、1等量)をDMF(1mL)に溶解した。DIPEA(72.2μL、0.4147mmol、4当量)、引き続いてHATU(39.4mg、0.1037mmol、1当量)を添加し、混合物を25時間撹拌した。混合物を半飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、DCMで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、15分勾配)による精製によって、黄色油(71.75mg、0.0970mmol、94%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.61(s,1H)、7.43-7.28(m,4H)、4.63(s,1H)、4.61-4.56(m,1H)、3.82-3.21(m,10H)、3.11-3.01(m,2H)、2.61(d,J=24.3Hz,9H)、2.38(s,3H)、2.28(t,J=7.4Hz,2H)、1.73(dq,J=13.8,7.4Hz,2H)、1.63-1.55(m,2H)、1.53-1.24(m,14H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ171.63、171.11、164.34、156.17、155.66、150.21、136.96、136.72、132.25、131.14、131.01、130.47、130.00、128.85、79.11、56.42、54.46、53.06、52.82、45.04、41.02、40.47、39.29、38.33、33.00、29.90、28.54、26.60、25.29、24.86、14.47、13.20、11.86。LCMS 739.37(M+H)。
(4)(S)-N-(3-(4-(6-アミノヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミドの合成
(S)-tert-ブチル(6-(4-(3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミド)プロピル)ピペラジン-1-イル)-6-オキソヘキシル)カルバメート(71.75mg、0.0970mmol、1当量)をDCM(2mL)およびMeOH(0.2mL)に溶解した。ジオキサン中4M HCl溶液(0.49mL)を添加し、混合物を2時間撹拌し、次いで、窒素流、引き続いて真空下で濃縮すると、黄色泡(59.8mg、0.0840mmol、87%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.68-7.53(m,4H)、5.04(d,J=6.6Hz,1H)、4.66(d,J=13.6Hz,1H)、4.23(d,J=13.6Hz,1H)、3.63-3.34(m,7H)、3.29-3.00(m,5H)、2.95(d,J=6.0Hz,5H)、2.51(d,J=9.2Hz,5H)、2.08(s,2H)、1.77-1.62(m,7H)、1.45(dt,J=15.3,8.6Hz,2H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ173.77、171.84、169.35、155.85、153.99、140.56、136.40、134.58、133.35、132.70、130.39、55.83、53.57、52.92、52.70、43.57、40.55、39.67、37.33、36.25、33.17、28.26、26.94、25.33、25.26、14.49、13.15、11.65。LCMS 639.35(M+H)。
(5)dBET18の合成
(S)-N-(3-(4-(6-アミノヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセトアミド二塩酸塩(20.0mg、0.0281mmol、1当量)および2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(9.32mg、0.0281mmol、1当量)をDMF(0.281mL)に溶解した。DIPEA(19.6μL、0.1124mmol、4当量)を添加し、引き続いてHATU(10.7mg、0.0281mmol、1当量)を添加した。24時間後、混合物をMeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望のトリフルオロ酢酸塩が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.83-7.79(m,1H)、7.54(d,J=7.1Hz,1H)、7.45(q,J=8.8Hz,5H)、5.12(dd,J=12.5,5.4Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.68(t,J=7.3Hz,1H)、3.59-3.32(m,8H)、3.28-3.18(m,4H)、2.87(ddd,J)=19.0,14.7,5.3Hz,2H)、2.80-2.65(m,6H)、2.44(d,J=6.8Hz,5H)、2.33-2.25(m,1H)、2.14(dd,J=9.8,4.9Hz,1H)、2.06-1.89(m,3H)、1.70(s,3H)、1.61(dq,J=14.4,7.3,6.9Hz,4H)、1.45-1.37(m,2H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.52、173.97、173.69、171.44、169.88、168.26、167.83、166.72、156.36、138.28、137.84、134.89、133.52、132.12、131.83、131.38、129.89、121.87、119.32、118.01、69.52、55.64、55.03、52.79、50.58、43.69、39.77、38.57、36.89、33.47、32.16、29.93、27.34、25.76、25.45、23.63、14.39、12.94、11.66。LCMS 953.43(M+H)。
合成実施例19:dBET19の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(235μL、0.0235mmol、1当量)を、室温で(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2-(シアノメチル)-3,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)酢酸(10mg、0.0235mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.3μL、0.0704mmol、3当量)およびHATU(8.9mg、0.0235mmol、1当量)を添加し、混合物を18.5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(12.96mg、0.0160mmol、68%)として得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.80(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.55-7.37(m,6H)、5.14-5.06(m,1H)、4.77(d,J=1.5Hz,2H)、4.64(dd,J=8.0,5.6Hz,1H)、3.45-3.32(m,5H)、3.29-3.21(m,2H)、2.83-2.66(m,6H)、2.58(s,3H)、2.14-2.06(m,1H)、1.71-1.57(m,4H)。LCMS 810.30、M+H)。
合成実施例20:dBET20の合成
3-((2-((4-(4-(4-アミノブタノイル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(tert-ブチル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート(7.41mg、0.0107mmol、1当量)および2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(3.6mg、0.0107mmol、1当量)を、室温でDMF(214μL、0.05M)に溶解した。DIPEA(5.6μL、0.0321mmol、3当量)およびHATU(4.1mg、0.0107mmol、1当量)を添加した。22.5時間後、混合物をMeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が褐色残渣(6.27 mg、0.00701mmol、65%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ8.06(s,1H)、7.84-7.75(m,3H)、7.65(s,1H)、7.55(t,J=7.8Hz,2H)、7.45(d,J=8.4Hz,1H)、7.25-7.20(m,2H)、6.99(d,J=8.8Hz,2H)、5.11(dd,J=12.5,5.4Hz,1H)、4.78(s,2H)、3.79-3.66(m,4H)、3.40(t,J=6.6Hz,2H)、3.24-3.13(m,4H)、2.82-2.68(m,3H)、2.52(t,J=7.4Hz,2H)、2.24-2.19(m,3H)、2.12(dd,J=10.2,5.1Hz,1H)、1.92(dd,J=13.4,6.4Hz,2H)、1.18(s,9H)。LCMS 895.63(M+H)。
合成実施例21:dBET21の合成
4-((10-アミノデシル)オキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオントリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(232μL、0.0232mmol、1当量)を、室温でJQ酸(9.3mg、0.0232mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.1μL、0.0696mmol、3当量)およびHATU(8.8mg、0.0232mmol、1当量)を添加し、混合物を18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。分取HPLC、引き続いてカラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が灰白色残渣(1.84mg、0.00235mmol、10%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.77-7.73(m,1H)、7.50-7.33(m,6H)、5.09(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.62(s,1H)、4.21(t,J=6.4Hz,2H)、3.36(s,2H)、2.87-2.67(m,6H)、2.44(s,3H)、1.88-1.82(m,2H)、1.70(s,3H)、1.58(s,4H)、1.29(s,8H)。LCMS 784.51(M+H)。
合成実施例22:dBET22の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(247μL、0.0247mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-3,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(10.98mg、0.0247mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.9μL、0.0740mmol、3当量)およびHATU(9.4mg、0.0247mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を21時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(9.79mg、0.0118mmol、48%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.80(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.51(dd,J=7.1,1.5Hz,1H)、7.48-7.34(m,5H)、5.11(ddd,J=12.4,5.4,3.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.69(td,J=7.2,1.4Hz,1H)、3.76(s,3H)、3.55(d,J=7.2Hz,2H)、3.48-3.33(m,4H)、2.93-2.82(m,1H)、2.78-2.64(m,5H)、2.14-2.07(m,1H)、1.96(d,J=0.9Hz,3H)、1.66(s,4H)。LCMS 829.39(M+H)。
合成実施例23:dBET23の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(220μL、0.0220mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-3,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(9.87mg、0.0220mmol、1当量)に添加した。DIPEA(11.5μL、0.0660mmol、3当量)およびHATU(8.4mg、0.0220mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を21時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(8.84mg、0.00998mmol、45%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.81(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.53(d,J=7.3Hz,1H)、7.50-7.39(m,5H)、5.12(dd,J=12.6,5.4Hz,1H)、4.75(s,2H)、4.68(t,J=7.2Hz,1H)、3.76(s,3H)、3.54(d,J=7.2Hz,2H)、3.39-3.32(m,3H)、3.29(s,1H)、2.90-2.83(m,1H)、2.79-2.68(m,5H)、2.14(dd,J=8.9,3.7Hz,1H)、1.99(s,3H)、1.65-1.53(m,4H)、1.36(d,J=6.5Hz,8H)。LCMS 885.47(M+H)。
合成実施例24:dBET24の合成
ステップ1:tert-ブチル(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(200mg、0.602mmol、1当量)をDMF(6.0mL、0.1M)に溶解した。HATU(228.9mg、0.602mmol、1当量)、DIPEA(0.315mL、1.81mmol、3当量)およびN-Boc-2,2’-(エチレンジオキシ)ジエチルアミン(0.143mL、0.602mmol、1当量)を順次添加した。6時間後、さらなるHATU(114mg、0.30mmol、0.5当量)を添加して反応の完結を確実にした。さらに24時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水でおよび食塩水で2回洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、15分勾配)による精製によって、所望の生成物が黄色油(0.25g、0.44mmol、74%)として得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.82-7.75(m,1H)、7.51(d,J=7.4Hz,1H)、7.41(d,J=8.5Hz,1H)、5.13(dd,J=12.4,5.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、3.66-3.58(m,6H)、3.53-3.45(m,4H)、3.19(t,J=5.6Hz,2H)、2.95-2.83(m,1H)、2.80-2.67(m,2H)、2.19-2.12(m,1H)、1.41(s,9H)。LCMS 563.34(M+H)。
ステップ2:N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートの合成
tert-ブチル(2-(2-(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメート(0.25g、0.44mmol、1当量)をTFA(4.5mL)に溶解し、50℃に加熱した。3時間後、混合物を室温に冷却し、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによる精製によって、所望の生成物が黄褐色固体(0.197g、0.342mmol、77%)として得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.81(ddd,J=8.4,7.4,1.1Hz,1H)、7.55-7.50(m,1H)、7.43(d,J=8.5Hz,1H)、5.13(dd,J=12.7,5.5Hz,1H)、4.78(s,2H)、3.74-3.66(m,6H)、3.64(t,J=5.4Hz,2H)、3.52(t,J=5.3Hz,2H)、3.14-3.08(m,2H)、2.89(ddd,J=17.5,13.9,5.2Hz,1H)、2.80-2.66(m,2H)、2.16(dtd,J=13.0,5.7,2.7Hz,1H)。LCMS 463.36(M+H)。
ステップ2:dBET24の合成
N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.324mL、0.0324mmol、1当量)をJQ酸(13.0mg、0.324mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(16.9μL、0.0972mmol、3当量)およびHATU(12.3mg、0.0324mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が灰白色固体(20.0mg、0.0236mmol、73%)として得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.77-7.72(m,1H)、7.49(d,J=7.4Hz,1H)、7.45-7.35(m,5H)、5.09(ddd,J=12.3,5.4,3.7Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.60(dd,J=8.9,5.3Hz,1H)、3.68-3.62(m,6H)、3.59(t,J=5.6Hz,2H)、3.54-3.48(m,2H)、3.47-3.35(m,4H)、2.84(ddd,J=19.4,9.9,4.6Hz,1H)、2.77-2.69(m,2H)、2.68(d,J=1.8Hz,3H)、2.43(s,3H)、2.12(dt,J=9.8,5.3Hz,1H)、1.68(s,3H)。LCMS 845.39(M+H)。
合成実施例25:dBET25の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(183μL、0.0183mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(8.16mg、0.0183mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.6μL、0.0550mmol、3当量)およびHATU(7.0mg、0.0183mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を23時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が黄色固体(4.39mg、0.00529mmol、29%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.82(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.55(d,J=7.3Hz,1H)、7.45(d,J=8.2Hz,1H)、7.43-7.31(m,4H)、5.16-5.10(m,1H)、4.77(d,J=1.5Hz,2H)、4.56(s,1H)、3.74(d,J=1.8Hz,3H)、3.66-3.60(m,1H)、3.50(dd,J=16.5,7.3Hz,1H)、3.37-3.32(m,1H)、3.28(s,3H)、2.85(t,J=7.2Hz,2H)、2.75(d,J=7.8Hz,1H)、2.71(d,J=0.9Hz,3H)、2.59(d,J=1.0Hz,3H)、2.18-2.10(m,1H)、1.36-1.24(m,4H)。LCMS 829.38(M+H)。
合成実施例26:dBET26の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(186μL、0.0186mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸(8.26mg、0.0186mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.7μL、0.0557mmol、3当量)およびHATU(7.1mg、0.0186mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を23時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(6.34mg、0.00716mmol、38%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.83-7.78(m,1H)、7.53(dd,J=7.3,2.2Hz,1H)、7.45-7.38(m,3H)、7.32(dd,J=8.5,1.3Hz,2H)、5.16-5.08(m,1H)、4.76(s,2H)、4.56(s,1H)、3.75(s,3H)、3.66(dd,J=15.9,8.7Hz,1H)、3.50(dd,J=16.9,6.9Hz,1H)、3.32(d,J=2.8Hz,4H)、2.84-2.74(m,3H)、2.70(d,J=1.1Hz,3H)、2.66-2.54(m,3H)、2.14(d,J=5.3Hz,1H)、1.62-1.22(m,12H)。LCMS 885.48(M+H)。
合成実施例27:dBET27の合成
4-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオントリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(257μL、0.0257mmol、1当量)をJQ酸(10.3mg、0.0257mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(13.4μL、0.0771mmol、3当量)およびHATU(9.8mg、0.0257mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(14.53mg、0.0195mmol、76%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.75(ddd,J=8.5,7.3,1.3Hz,1H)、7.47-7.30(m,6H)、5.00(ddd,J=25.4,12.2,5.2Hz,1H)、4.61(td,J=9.4,5.0Hz,1H)、4.36(q,J=4.8Hz,2H)、3.96-3.89(m,2H)、3.74(q,J=5.6Hz,2H)、3.53-3.41(m,3H)、3.30-3.24(m,1H)、2.78-2.53(m,6H)、2.41(d,J=3.9Hz,3H)、2.09-1.98(m,1H)、1.67(d,J=5.0Hz,3H)。
合成実施例28:dBET28の合成
4-(4-アミノブトキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオントリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(202μL、0.0202mmol、1当量)をJQ酸(8.1mg、0.0202mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(10.6μL、0.0606mmol、3当量)およびHATU(7.7mg、0.0202mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で18.5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(10.46mg、0.0144mmol、71%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.76(t,J=7.5Hz,1H)、7.43(td,J=6.5,2.5Hz,4H)、7.34(t,J=8.8Hz,2H)、5.08-4.98(m,1H)、4.64(td,J=9.1,5.0Hz,1H)、4.26(t,J=5.3Hz,2H)、3.57-3.32(m,4H)、2.84-2.59(m,6H)、2.45-2.37(m,3H)、2.08-2.01(m,1H)、2.00-1.91(m,2H)、1.82(dq,J=13.8,6.9Hz,2H)、1.68(d,J=11.7Hz,3H)。LCMS 728.38(M+H)。
合成実施例29:dBET29の合成
4-((6-アミノヘキシル)オキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオンのDMF中0.1M溶液(205μL、0.0205mmol、1当量)をJQ酸(8.2mg、0.0205mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(10.7μL、0.0614mmol、3当量)およびHATU(7.8mg、0.0205mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で19時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(8.04mg、0.0106mmol、52%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.75-7.71(m,1H)、7.51-7.34(m,6H)、5.07(ddd,J=12.1,5.4,2.4Hz,1H)、4.62(dd,J=9.0,5.2Hz,1H)、4.22(t,J=6.4Hz,2H)、3.44-3.32(m,2H)、3.29-3.21(m,2H)、2.88-2.65(m,6H)、2.43(s,3H)、2.13-2.06(m,1H)、1.86(dt,J=13.9,6.7Hz,2H)、1.68(s,3H)、1.59(dq,J=14.2,7.0Hz,4H)、1.54-1.45(m,2H)。LCMS 756.40(M+H)。
合成実施例30:dBET30の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(163μL、0.0163mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-3,9-ジメチル-6-(2-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル)アミノ)-2-オキソエチル)-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(9.31mg、0.0163mmol、1当量)に添加した。DIPEA(8.5μL、0.0490mmol、3当量)およびHATU(6.2mg、0.0163mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を23.5時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が黄色油(11.48mg、0.0107mmol、66%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.82-7.78(m,1H)、7.54-7.35(m,6H)、5.09(td,J=12.7,5.4Hz,1H)、4.77-4.70(m,3H)、3.56-3.31(m,12H)、3.23(dd,J=8.0,6.0Hz,3H)、3.05(d,J=3.2Hz,2H)、2.93-2.81(m,5H)、2.78-2.63(m,5H)、2.15-2.05(m,2H)、1.96-1.86(m,4H)、1.68(s,4H)。LCMS 954.55(M+H)。
合成実施例31:dBET31の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(153μL、0.0153mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-3,9-ジメチル-6-(2-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル)アミノ)-2-オキソエチル)-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(8.7mg、0.0153mmol、1当量)に添加した。DIPEA(7.9μL、0.0458mmol、3当量)およびHATU(5.8mg、0.0153mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を25時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物がナイスブラウン(糞褐色に似ていない、煉瓦に似た種類)油(9.52mg、0.00847mmol、55%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.81(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.59-7.40(m,6H)、5.12(dd,J=12.5,5.4Hz,1H)、4.75(s,2H)、4.71(t,J=7.4Hz,1H)、3.53-3.34(m,8H)、3.29-3.11(m,6H)、3.03-2.61(m,13H)、2.15(s,1H)、2.01-1.84(m,5H)、1.59(s,4H)、1.37(s,8H)。LCMS 1010.62(M+H)。
合成実施例32:dBET32の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(180μL、0.0180mmol、1当量)を、室温で4-(4-(4-((4-((3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(10.7mg、0.0180mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.4μL、0.0539mmol、3当量)およびHATU(6.8mg、0.0180mmol、1当量)を添加し、混合物を19時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が褐色油(4.40mg、0.00449mmol、25%)として得られた。1H NMR(500MHz、メタノール-d4)δ8.08(d,J=13.6Hz,1H)、7.84-7.76(m,3H)、7.63(s,1H)、7.57-7.51(m,2H)、7.41(d,J=8.4Hz,1H)、7.22(td,J=6.7,2.2Hz,2H)、7.03-6.97(m,2H)、5.14(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.76(d,J=16.8Hz,2H)、3.72(dt,J=10.0,5.2Hz,4H)、3.34-3.33(m,1H)、3.23-3.12(m,5H)、2.97(dd,J=8.8,4.0Hz,3H)、2.80-2.69(m,4H)、2.64(dd,J=7.6,5.5Hz,1H)、2.50(t,J=6.8Hz,1H)、2.22(dd,J=2.4,0.9Hz,3H)、2.17-2.11(m,1H)、1.67-1.52(m,4H)、1.18(d,J=0.8Hz,9H)。LCMS 980.64(M+H)。
合成実施例33:dBET33の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(188μL、0.0188mmol、1当量)を、室温で4-(4-(4-((4-((3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(10.8mg、0.0188mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.8μL、0.0564mmol、3当量)およびHATU(7.1mg、0.0188mmol、1当量)を添加し、混合物を23時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が褐色残渣(7.41mg、0.00715mmol、38%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ8.06(s,1H)、7.80(ddd,J=10.5,7.6,3.2Hz,3H)、7.65(d,J=4.5Hz,1H)、7.57-7.51(m,2H)、7.41(dd,J=8.4,2.9Hz,1H)、7.25(td,J=6.7,2.9Hz,2H)、7.02(t,J=8.0Hz,2H)、5.16-5.09(m,1H)、4.75(d,J=9.5Hz,2H)、3.76(dq,J=16.0,5.3Hz,4H)、3.29-3.12(m,7H)、3.00-2.67(m,7H)、2.51(t,J=6.8Hz,1H)、2.22(d,J=3.1Hz,3H)、2.13(dtd,J=10.4,5.7,3.1Hz,1H)、1.59-1.52(m,2H)、1.51-1.43(m,2H)、1.32(t,J=16.6Hz,8H)、1.18(d,J=1.3Hz,9H)。LCMS 1036.69(M+H)。
合成実施例34:dBET34の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(173μL、0.0173mmol、1当量)を、室温で4-(4-(4-((4-((3-(N-(tert-ブチル)スルファモイル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(10.3mg、0.0173mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.0μL、0.0519mmol、3当量)およびHATU(6.6mg、0.0173mmol、1当量)を添加し、混合物を25時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が褐色残渣(7.99mg、0.00718mmol、42%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ8.06(s,1H)、7.83-7.76(m,3H)、7.65(s,1H)、7.58-7.50(m,2H)、7.43(dd,J=17.7,8.4Hz,1H)、7.27-7.21(m,2H)、7.02(t,J=8.0Hz,2H)、5.13(dt,J=12.7,5.2Hz,1H)、4.76(d,J=12.4Hz,2H)、3.73(q,J=6.3Hz,4H)、3.63-3.49(m,10H)、3.41(q,J=6.6Hz,2H)、3.27-3.15(m,5H)、3.01-2.81(m,4H)、2.79-2.63(m,5H)、2.50(t,J=6.8Hz,1H)、2.22(d,J=2.3Hz,3H)、2.17-2.11(m,1H)、1.88-1.70(m,4H)、1.18(d,J=1.2Hz,9H)。LCMS 1112.74(M+H)。
合成実施例35:dBET35の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アミノ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(185μL、0.0185mmol、1当量)をJQ酸(7.4mg、0.0185mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(9.6μL、0.0554mmol、3当量)およびHATU(7.0mg、0.0185mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で17時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(2.71mg、0.00351mmol、19%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.48-7.37(m,4H)、7.34(t,J=7.8Hz,1H)、7.14(dd,J=7.4,2.4Hz,1H)、6.67(d,J=8.1Hz,1H)、5.14(td,J=13.5,5.2Hz,1H)、4.66-4.60(m,1H)、4.59(d,J=8.3Hz,2H)、4.43-4.31(m,2H)、3.88(s,2H)、3.25(dd,J=14.8,7.1Hz,4H)、2.94-2.72(m,3H)、2.68(d,J=4.9Hz,3H)、2.49-2.40(m,4H)、2.21-2.12(m,1H)、1.68(s,3H)、1.53(s,4H)。LCMS 770.51(M+H)。
合成実施例36:dBET36の合成
N-(4-アミノブチル)-2-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(222μL、0.0222mmol、1当量)をJQ酸(8.9mg、0.0222mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(11.6μL、0.0666mmol、3当量)およびHATU(8.4mg、0.0222mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で17.5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(12.42mg、0.0156mmol、70%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.80-7.74(m,2H)、7.68(d,J=6.8Hz,1H)、7.42(q,J=8.7Hz,4H)、5.11(dt,J=12.3,4.6Hz,1H)、4.63(dd,J=8.8,5.5Hz,1H)、4.10-4.00(m,2H)、3.39(ddd,J=14.9,8.8,2.5Hz,1H)、3.30-3.21(m,5H)、2.88-2.76(m,1H)、2.74-2.65(m,5H)、2.44(s,3H)、2.15-2.08(m,1H)、1.69(s,3H)、1.63-1.55(m,4H)。LCMS 769.49(M+H)。
合成実施例37:dBET37の合成
6-アミノ-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル)ヘキサンアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(195μL、0.0195mmol、1当量)をJQ酸(7.8mg、0.0195mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(10.2μL、0.0584mmol、3当量)およびHATU(7.4mg、0.0195mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(11.83mg、0.0151mmol、77%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.78-7.74(m,2H)、7.71(dd,J=5.3,3.5Hz,1H)、7.42(q,J=8.5Hz,4H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.82(s,2H)、4.63(dd,J=8.8,5.5Hz,1H)、3.40(ddd,J=15.0,8.8,1.6Hz、1H)、3.30-3.21(m,3H)、2.86(ddd,J=18.4,14.6,4.8Hz,1H)、2.74(ddd,J=13.8,10.1,2.8Hz,2H)、2.69(s,3H)、2.44(s,3H)、2.30(t,J=7.4Hz,2H)、2.13(dtd,J=12.9,4.9,2.3Hz,1H)、1.74-1.64(m,5H)、1.59(p,J=7.0Hz,2H)、1.46-1.38(m,2H)。LCMS 783.47(M+H)。
合成実施例38:dBET38の合成
ステップ1:tert-ブチル(3-(3-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)プロポキシ)プロピル)カルバメートの合成
tert-ブチル(3-(3-アミノプロポキシ)プロピル)カルバメート(134.5mg、0.579mmol、1当量)をDMF(5.79ml、0.05M)に溶解し、次いで、2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(192.38mg、0.579mmol、1当量)に添加した。DIPEA(0.28ml、1.74mmol、3当量)およびHATU(153.61mg、0.579mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、黄色油(157.1mg)が得られた。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 25分勾配)によって精製すると、黄色油(121.3mg、0.222mmol、38.27%)が得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.78(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.50(d,J=7.3Hz,1H)、7.41(d,J=8.5Hz,1H)、5.13(dd,J=12.4,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、3.53-3.37(m,6H)、3.14-3.07(m,2H)、2.94-2.88(m,1H)、2.79-2.68(m,2H)、2.16(ddd,J=12.8,6.6,2.7Hz,1H)、1.81(p,J=6.4Hz,2H)、1.73-1.65(m,2H)、1.40(s,9H)。LCMS 547.6(M+H)。
ステップ2:N-(3-(3-アミノプロポキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソプペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロ酢酸塩の合成
TFA(2.22ml、0.1M)をtert-ブチル(3-(3-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)プロポキシ)プロピル)カルバメート(121.3mg、0.222mmol、1当量)に添加し、混合物を50℃で2時間撹拌した。次いで、混合物をMeOHに溶解し、減圧下で濃縮すると、褐色油(114.1mg)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.81-7.74(m,1H)、7.50(d,J=7.3Hz,1H)、7.41(d,J=8.5Hz,1H)、5.12(dd,J=12.7,5.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、3.57-3.52(m,2H)、3.48(t,J=5.9Hz,2H)、3.40(t,J=6.6Hz,2H)、3.06(t,J=6.5Hz,2H)、2.87(ddd,J=14.1,10.1,7.0Hz,1H)、2.79-2.65(m,2H)、2.15(dtd,J=12.8,5.5,2.6Hz,1H)、1.92(dt,J=11.7,5.9Hz,2H)、1.81(p,J=6.3Hz,2H)。LCMS 447.2(M+H)。
ステップ3:dBET38の合成
N-(3-(3-アミノプロポキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.215mL、0.0215mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.6mg、0.0215mmol、1当量)に添加した。DIPEA(11.2μL、0.0644mmol、3当量)およびHATU(8.2mg、0.0215mmol、1当量)を添加した。19時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(10.6mg、0.0127mmol、59%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.79-7.74(m,1H)、7.50(d,J=8.1Hz,1H)、7.46-7.36(m,5H)、5.11(ddd,J=12.4,5.5,1.7Hz,1H)、4.73(s,2H)、4.62(ddd,J=8.7,5.4,1.4Hz,1H)、3.50(q,J=6.3Hz,4H)、3.43(t,J=6.5Hz,2H)、3.41-3.32(m,3H)、3.29-3.24(m,1H)、2.85(ddd,J=18.3,14.6,4.2Hz,1H)、2.77-2.65(m,5H)、2.43(s,3H)、2.17-2.09(m,1H)、1.80(h,J=6.4Hz,4H)、1.68(s,3H)。LCMS 829.32(M+H)。
合成実施例39:dBET39の合成
4-((10-アミノデシル)オキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオントリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.212mL、0.0212mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.5mg、0.0212mmol、1当量)に添加した。DIPEA(11.1μL、0.0636mmol、3当量)およびHATU(8.1mg、0.0212mmol、1当量)を添加した。19時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM、25分勾配)および分取HPLCによる精製によって、所望の生成物(0.39mg、0.00048mmol、2.3%)が得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.77-7.73(m,1H)、7.56-7.31(m,6H)、5.11-5.06(m,1H)、4.62(dd,J=9.2,5.0Hz,1H)、4.58(s,2H)、4.21(t,J=6.3Hz,2H)、3.42-3.38(m,1H)、3.24-3.20(m,1H)、2.90-2.68(m,6H)、2.45(d,J=6.7Hz,3H)、2.11(s,1H)、1.83(dd,J=14.7,6.6Hz,2H)、1.70(s,3H)、1.61-1.49(m,4H)、1.32(d,J=23.2Hz,10H)。LCMS 812.60(M+H)。
合成実施例40:dBET40の合成
4-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオントリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.242mL、0.0242mmol、1当量)を、室温でJQ酸(9.7mg、0.0242mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.6μL、0.0726mmol、3当量)およびHATU(9.2mg、0.0242mmol、1当量)を添加した。22時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)および分取HPLCによる精製によって、所望の生成物が褐色油(4.74mg、0.00601mmol、25%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.77-7.67(m,1H)、7.52-7.36(m,5H)、5.09-5.03(m,1H)、4.64(d,J=4.8Hz,1H)、4.40-4.32(m,2H)、3.97-3.88(m,2H)、3.81-3.74(m,2H)、3.69-3.60(m,5H)、3.55-3.38(m,4H)、2.89-2.54(m,6H)、2.45(d,J=5.9Hz,3H)、2.11(s,1H)、1.70(d,J=8.6Hz,3H)。LCMS 788.42(M+H)。
合成実施例41:dBET41の合成
ステップ1:tert-ブチル(4-((2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)メチル)ベンジル)カルバメートの合成
tert-ブチル(4-(アミノメチル)ベンジル)カルバメート(183.14mg、0.755mmol、1当量)をDMF(15.1ml、0.05M)に溶解し、2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸(250.90mg、0.755mmol、1当量)に添加した。DIPEA(0.374ml、2.265mmol、3当量)およびHATU(296.67mg、0.755mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、淡褐色油が得られた。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 25分勾配)によって精製すると、淡褐色油(373.1mg、0.678mmol、89.8%)が得られた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.10(s,2H)、8.48(t,J=5.8Hz,1H)、7.80(dd,J=8.4,7.3Hz,1H)、7.49(d,J=7.2Hz,1H)、7.40(d,J=8.6Hz,1H)、7.26-7.08(m,4H)、5.11(dd,J=12.9,5.4Hz,1H)、4.86(s,2H)、4.33(d,J=3.9Hz,2H)、4.09(d,J=5.3Hz,2H)、2.65-2.51(m,3H)、2.07-1.99(m,1H)、1.38(s,9H)。LCMS 551.5(M+H)。
ステップ2:N-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロ酢酸塩の合成
TFA(6.77ml、0.1M)をtert-ブチル(4-((2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)メチル)ベンジル)カルバメート(373.1mg、0.677mmol、1当量)に添加し、混合物を50℃で1.5時間撹拌した。次いで、混合物をMeOHに溶解し、減圧下で濃縮すると、褐色油(270.29mg)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.11(s,1H)、8.55(t,J=6.2Hz,1H)、8.07(s,3H)、7.81(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.51(d,J=7.2Hz,1H)、7.40(dd,J=14.9,8.3Hz,3H)、7.31(d,J=8.2Hz,2H)、5.11(dd,J=12.9,5.4Hz,1H)、4.87(s,2H)、4.37(d,J=6.1Hz,2H)、4.01(q,J=5.8Hz,2H)、2.66-2.51(m,3H)、2.07-1.99(m,1H)。LCMS 451.3(M+H)。
ステップ3:dBET41の合成
N-(4-(アミノメチル)ベンジル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(0.237mL、0.0237mmol、1当量)を、室温でJQ酸(9.5mg、0.0237mmol、1当量)に添加した。23時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(11.8mg、0.0142mmol、60%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.80-7.75(m,1H)、7.51(dd,J=7.3,1.5Hz,1H)、7.41(d,J=8.4Hz,1H)、7.36(d,J=2.2Hz,4H)、7.34-7.28(m,4H)、5.10-5.00(m,1H)、4.82(s,2H)、4.67-4.64(m,1H)、4.61-4.42(m,4H)、4.34(dd,J=14.9,12.8Hz,1H)、3.49(ddd,J=14.8,9.5,5.2Hz,1H)、2.83-2.75(m,1H)、2.73-2.61(m,5H)、2.44-2.39(m,3H)、2.06(ddq,J=9.8,4.7,2.6Hz,1H)、1.66(d,J=4.2Hz,3H)。LCMS 832.92(M+H)。
合成実施例42:dBET42の合成
5-アミノ-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(222μL、0.0222mmol、1当量)をJQ酸(8.9mg、0.0222mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(11.6μL、0.0666mmol、3当量)およびHATU(8.4mg、0.0222mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が白色固体(12.23mg、0.0165mmol、74%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.76-7.71(m,1H)、7.66-7.62(m,1H)、7.51(td,J=7.8,2.5Hz,1H)、7.45-7.35(m,4H)、5.11(ddd,J=13.2,11.3,5.2Hz,1H)、4.63(ddd,J=8.8,5.7,3.2Hz,1H)、4.47(s,2H)、3.45-3.32(m,3H)、3.30-3.27(m,1H)、2.90-2.80(m,1H)、2.73-2.63(m,4H)、2.49(t,J=7.4Hz,2H)、2.46-2.38(m,4H)、2.11(ddtd、J=12.8,10.5,5.3,2.3Hz,1H)、1.84-1.75(m,2H)、1.66(dd,J=16.2,7.6Hz,5H)。LCMS 741.46(M+H)。
合成実施例43:dBET43の合成
7-アミノ-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ヘプタンアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(227μL、0.0227mmol、1当量)をJQ-酸(9.1mg、0.0227mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(11.9μL、0.0681mmol、3当量)およびHATU(8.6mg、0.0227mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で25.5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が灰白色固体(12.58mg、0.0164mmol、72%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.71(d,J=7.9Hz,1H)、7.64(d,J=7.4Hz,1H)、7.51(t,J=7.8Hz,1H)、7.46-7.38(m,4H)、5.14(ddd,J=13.3,5.2,2.2Hz,1H)、4.62(ddd,J=8.6,5.6,2.1Hz,1H)、4.49-4.45(m,2H)、3.39(ddd,J=14.9,8.7,1.3Hz,1H)、3.30-3.24(m,3H)、2.93-2.83(m,1H)、2.79-2.65(m,4H)、2.50-2.40(m,6H)、2.16(ddq,J=9.9,5.2,2.6Hz,1H)、1.78-1.70(m,2H)、1.68(d,J=2.1Hz、3H)、1.63-1.57(m,2H)、1.50-1.42(m,4H)。LCMS 769.55(M+H)。
合成実施例44:dBET44の合成
8-アミノ-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オクタンアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(217μL、0.0217mmol、1当量)をJQ-酸(8.7mg、0.0217mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(11.3μL、0.0651mmol、3当量)およびHATU(8.3mg、0.0217mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で20.5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(14.28mg、0.0182mmol、84%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.72-7.68(m,1H)、7.64(d,J=7.5Hz,1H)、7.51(t,J=7.7Hz,1H)、7.46-7.39(m,4H)、5.14(dt,J=13.3,5.0Hz,1H)、4.62(dd,J=8.8,5.4Hz,1H)、4.48-4.44(m,2H)、3.40(ddd,J=14.9,8.8,0.9Hz,1H)、3.26(dt,J=13.2,6.9Hz,3H)、2.88(ddd,J=18.7,13.5,5.4Hz,1H)、2.75(dddd,J=17.6,7.1,4.5,2.4Hz,1H)、2.68(d,J=2.2Hz,3H)、2.49-2.39(m,6H)、2.17(ddt,J=9.8,5.3,2.3Hz,1H)、1.76-1.70(m,2H)、1.70-1.67(m,3H)、1.61-1.54(m,2H)、1.42(s,6H)。LCMS 783.53(M+H)。
合成実施例45:dBET45の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(268μL、0.0268mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((4-シクロペンチル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(11.0mg、0.0268mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(14.0μL、0.0804mmol、3当量)およびHATU(10.2mg、0.0268mmol、1当量)を添加し、混合物を18.5時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が暗褐色固体(10.44mg、0.0108mmol、40%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ8.38(d,J=8.4Hz,1H)、7.80-7.75(m,1H)、7.55-7.48(m,1H)、7.48-7.35(m,3H)、7.27(d,J=8.3Hz,1H)、6.45(d,J=8.2Hz,1H)、5.12(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.72(d,J=5.1Hz,2H)、4.53(s,1H)、4.28(d,J=6.8Hz,1H)、3.98(d,J=4.1Hz,3H)、3.48-3.33(m,4H)、2.90-2.82(m,1H)、2.80-2.69(m,2H)、2.18-2.01(m,4H)、1.88-1.52(m,10H)、1.34(d,J=42.9Hz,10H)、1.17(d,J=6.8Hz,3H)。LCMS 851.67(M+H)。
合成実施例46:dBET46の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(256μL、0.0256mmol、1当量)を、室温で(R)-4-((4-シクロペンチル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)アミノ)-3-メトキシ安息香酸(10.5mg、0.0256mmol、1当量)に添加した。次いで、DIPEA(13.4μL、0.0767mmol、3当量)およびHATU(9.7mg、0.0256mmol、1当量)を添加し、混合物を20時間撹拌した。次いで、混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCによって精製すると、所望の生成物が暗褐色固体(13.69mg、0.0132mmol、51%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ8.28-8.24(m,1H)、7.74-7.71(m,1H)、7.49(dd,J=7.3,3.7Hz,1H)、7.39-7.34(m,2H)、7.28-7.25(m,1H)、7.14-7.10(m,1H)、6.34(d,J=8.3Hz,1H)、5.01-4.97(m,1H)、4.62(s,2H)、4.25(q,J=6.7Hz,1H)、3.95(d,J=5.4Hz,3H)、3.60(ddd,J=9.0,6.1,1.6Hz,8H)、3.53-3.46(m,6H)、3.40-3.37(m,2H)、2.78(td,J=11.1,6.6Hz,3H)、2.16-2.00(m,4H)、1.84(ddt,J=33.5,13.0,6.4Hz,7H)、1.75-1.60(m,6H)、1.17(d,J=6.8Hz,3H)。LCMS 927.74(M+H)。
合成実施例47:dBET50の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.0200mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-3,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(8.9mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を17時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物がクリーム色固体(9.31mg、0.00968mmol、48%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.82-7.78(m,1H)、7.52(dd,J=7.1,1.6Hz,1H)、7.49-7.40(m,5H)、5.10(ddd,J=12.8,5.5,2.9Hz,1H)、4.74(s,2H)、4.67(t,J=7.1Hz,1H)、3.76(s,3H)、3.62-3.50(m,14H)、3.49-3.43(m,2H)、3.40(q,J=6.5Hz,2H)、2.87(ddd,J=17.6,14.0,5.3Hz,1H)、2.79-2.67(m,5H)、2.12(ddq,J=10.3,5.4,2.9Hz,1H)、2.00(s,3H)、1.86(q,J=6.3Hz,2H)、1.80(p,J=6.4Hz,2H)。LCMS 961.67(M+H)。
合成実施例48:dBET51の合成
N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.0200mmol、1当量)を、室温で(S)-4-(4-クロロフェニル)-6-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-3,9-ジメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-2-カルボン酸(8.9mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。次いで、混合物を17時間攪拌し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が灰白色固体(8.38mg、0.00942mmol、47%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.80(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.52(dd,J=7.2,1.3Hz,1H)、7.48-7.38(m,5H)、5.08(ddd,J=12.7,5.5,1.6Hz,1H)、4.74(d,J=2.7Hz,2H)、4.66(t,J=7.1Hz,1H)、3.75(d,J=3.0Hz,3H)、3.65(t,J=4.1Hz,6H)、3.59(t,J=5.3Hz,2H)、3.57-3.49(m,4H)、3.49-3.40(m,2H)、2.93-2.84(m,1H)、2.78-2.64(m,5H)、2.15-2.09(m,1H)、2.00(d,J=0.9Hz,3H)。LCMS 889.58(M+H)。
合成実施例49:dBET52の合成
N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.020mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.0mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。17.5時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が無色残渣(9.12mg、0.01025mmol、51%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.77(t,J=7.9Hz,1H)、7.50(dd,J=7.3,1.5Hz,1H)、7.47-7.36(m,5H)、5.09(ddd,J=13.0,7.6,5.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、4.62(dd,J=9.1,5.1Hz,1H)、3.62(ddt,J=17.3,11.2,6.5Hz,12H)、3.52-3.41(m,5H)、3.28(d,J=5.1Hz,1H)、2.90-2.81(m,1H)、2.79-2.66(m,5H)、2.44(s,3H)、2.16-2.09(m,1H)、1.69(s,3H)。LCMS 889.38(M+H)。
合成実施例50:dBET53の合成
N-(14-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.020mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.0mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。17.5時間後、さらなるHATU(7.6mg)およびDIPEA(10.5μLを添加し)、混合物をさらに5時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物(3.66mg)が得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.79(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.51(d,J=7.3Hz,1H)、7.45(d,J=7.7Hz,2H)、7.43-7.36(m,3H)、5.08(ddd,J=12.7,5.5,2.2Hz,1H)、4.78-4.74(m,2H)、4.62(dd,J=9.1,5.1Hz,1H)、3.70-3.51(m,16H)、3.50-3.41(m,5H)、3.27(dd,J=5.1,2.3Hz,1H)、2.87(ddt,J=18.2,9.5,4.9Hz,1H)、2.78-2.66(m,5H)、2.44(s,3H)、2.16-2.09(m,1H)、1.69(s,3H)。LCMS 933.43(M+H)。
合成実施例51:dBET54の合成
N-(17-アミノ-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.020mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.0mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。16時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物(6.27mg、0.00641mmol、32%)が得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.81-7.76(m,1H)、7.51(d,J=7.1Hz,1H)、7.47-7.38(m,5H)、5.09(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.77(s,2H)、4.62(dd,J=8.8,5.0Hz,1H)、3.67-3.55(m,20H)、3.46(ddd,J=20.1,10.2,4.7Hz,5H)、3.28(d,J=5.1Hz,1H)、2.91-2.83(m,1H)、2.78-2.68(m,5H)、2.44(s,3H)、2.16-2.10(m,1H)、1.72-1.66(m,3H)。LCMS 977.50(M+H)。
合成実施例52:dBET55の合成
N-(29-アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.020mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.0mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。18時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物(10.55mg、0.00914mmol、46%)が得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.82(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.55(d,J=7.0Hz,1H)、7.49-7.41(m,5H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.80(s,2H)、4.65(dd,J=9.1,5.1Hz,1H)、3.68-3.58(m,36H)、3.53-3.44(m,5H)、2.94-2.86(m,1H)、2.81-2.70(m,5H)、2.46(s,3H)、2.19-2.13(m,1H)、1.74-1.69(m,3H)。LCMS 1153.59(M+H)。
合成実施例53:dBET56の合成
N-(35-アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキサペンタトリアコンチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートのDMF中0.1M溶液(200μL、0.020mmol、1当量)を、室温でJQ酸(8.0mg、0.020mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.5μL、0.060mmol、3当量)およびHATU(7.6mg、0.020mmol、1当量)を添加した。20時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、所望の生成物が油性残渣(9.03mg、0.00727mmol、36%)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール-d
4)δ7.81(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.53(d,J=7.1Hz,1H)、7.50-7.40(m,5H)、5.11(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.78(s,2H)、4.68(dd,J=8.6,5.0Hz,1H)、3.69-3.56(m,44H)、3.52-3.43(m,5H)、3.34(dd,J=7.9,3.5Hz,1H)、2.88(ddd,J=18.0,14.0,5.2Hz,1H)、2.79-2.68(m,5H)、2.46(s,3H)、2.17-2.12(m,1H)、1.71(s,3H)。LCMS 1241.60(M+H)。
合成実施例54:dBET57の合成
ステップ1:2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオンの合成
4-フルオロイソベンゾフラン-1,3-ジオン(200mg、1.20mmol、1当量)のAcOH(4.0mL、0.3M)中溶液に、2,6-ジオキソピペリジン-3-アミン塩酸塩(218mg、1.32mmol、1.1当量)および酢酸カリウム(366mg、3.73mmol、3.1当量)を添加した。反応混合物を一晩90℃に加熱し、その後、これを水で20mLに希釈し、氷上で30分間冷却した。得られたスラリーを濾過し、黒色固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中2%MeOH、R
f=0.3)によって精製すると、標記化合物が白色固体(288mg、86%)として得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO-d
6)δ11.15(s,1H)、7.96(ddd,J=8.3,7.3,4.5Hz,1H)、7.82-7.71(m,2H)、5.17(dd,J=13.0,5.4Hz,1H)、2.90(ddd,J=17.1,13.9,5.4Hz,1H)、2.65-2.47(m,2H)、2.10-2.04(m,1H)、MS(ESI)C
13H
10FN
2O
4についての計算値[M+H]
+277.06、実測値277.25。
ステップ2:tert-ブチル(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)カルバメートの合成
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(174mg、0.630mmol、1当量)のDMF(6.3mL、0.1M)中撹拌溶液に、DIPEA(220μL、1.26mmol、2当量)および1-Boc-エチレンジアミン(110μL、0.693mmol、1.1当量)を添加した。反応混合物を一晩90℃に加熱し、その後、これを室温に冷却し、EtOAc(30mL)および水(30mL)に溶解した。有機層を食塩水(3×20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0→10%MeOH)によって精製すると、標記化合物が黄色固体(205mg、79%)として得られた。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ8.08(bs,1H)、7.50(dd,J=8.5,7.1Hz,1H)、7.12(d,J=7.1Hz,1H)、6.98(d,J=8.5Hz,1H)、6.39(t,J=6.1Hz,1H)、4.96-4.87(m,1H)、4.83(bs,1H)、3.50-3.41(m,2H)、3.41-3.35(m,2H)、2.92-2.66(m,3H)、2.16-2.09(m,1H)、1.45(s,9H);MS(ESI)C
20H
25N
4O
6[M+H]
+についての計算値417.18、実測値417.58。
ステップ3:2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エタン-1-アミニウム2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
tert-ブチル(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)カルバメート(205mg、0.492mmol、1当量)のジクロロメタン(2.25mL)中攪拌溶液にトリフルオロ酢酸(0.250mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後揮発性物質を真空中で除去した。標記化合物が黄色固体(226mg、>95%)として得られ、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(500MHz、MeOD)δ7.64(d,J=1.4Hz,1H)、7.27-7.05(m,2H)、5.10(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、3.70(t,J=6.0Hz,2H)、3.50-3.42(m,2H)、3.22(t,J=6.0Hz,1H)、2.93-2.85(m,1H)、2.80-2.69(m,2H)、2.17-2.10(m,1H);MS(ESI)C
15H
17N
4O
4[M+H]
+についての計算値317.12、実測値317.53。
ステップ2:dBET57の合成
JQ酸(8.0mg、0.0200mmol、1当量)および2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エタン-1-アミニウム2,2,2-トリフルオロアセテート(8.6mg、0.0200mmol、1当量)を、室温でDMF(0.200mL、0.1M)に溶解した。次いで、DIPEA(17.4μL、0.100mmol、5当量)およびHATU(7.59mg、0.0200mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(15mL)に溶解し、飽和NaHCO
3(水溶液)(15mL)、水(15mL)および食塩水(3×15mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0→10%MeOH、R
f=0.3(CH
2Cl
2中10%MeOH))によって精製すると、標記化合物が明黄色固体(11.2mg、80%)として得られた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ8.49(bs,0.6H)、8.39(bs,0.4H)、7.51-7.43(m,1H)、7.38(d,J=7.8Hz,2H)、7.29(dd,J=8.8,1.7Hz,2H)、7.07(dd,J=7.1,4.9Hz,1H)、6.97(dd,J=8.6,4.9Hz,1H)、6.48(t,J=5.9Hz,1H)、6.40(t,J=5.8Hz,0.6H)、4.91-4.82(m,0.4H)、4.65-4.60(m,1H)、3.62-3.38(m,6H)、2.87-2.64(m,3H)、2.63(s,3H)、2.40(s,6H)、2.12-2.04(m,1H)、1.67(s,3H)、回転異性体;MS(ESI)C
34H
32ClN
8O
5S[M+H]
+についての計算値700.19、実測値700.34。
合成実施例55:dGR1の合成
(1)SLF-スクシネートの合成
SLF(25mg、MeOAc中10mg/mL溶液2.5mL、0.0477mmol、1当量)をDMF(0.48mL、0.1M)および無水コハク酸(7.2mg、0.0715mmol、1.5当量)と合わせ、室温で24時間撹拌した。低い転換率が観察され、混合物をN
2流下に置き、MeOAcを除去した。さらなる無水コハク酸7.2mgおよびDMAP(5.8mg、0.0477mmol、1当量)と共に、さらなるDMF0.48mLを添加した。次いで、混合物をさらに24時間撹拌した後、分取HPLCによって精製すると、SLF-スクシネートが黄色油(24.06mg、0.0385mmol、81%)として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.62(d,J=10.7Hz,1H)、7.44(d,J=8.0Hz,1H)、7.26(td,J=7.9,2.7Hz,1H)、7.07-6.97(m,1H)、6.80(dd,J=8.1,2.1Hz,1H)、6.74-6.66(m,2H)、5.73(dd,J=8.1,5.5Hz,1H)、5.23(d,J=4.8Hz,1H)、3.83(s,3H)、3.81(s,3H)、3.39-3.29(m,4H)、3.21(td,J=13.2,3.0Hz,1H)、2.68-2.50(m,5H)、2.37-2.19(m,2H)、2.12-2.02(m,1H)、1.79-1.61(m,4H)、1.49-1.30(m,2H)、1.27-1.05(m,6H)、0.82(dt,J=41.2,7.5Hz,3H)。LCMS 624.72(M+H)。
(2)dFKBP-1の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(9.9mg、0.0192mmol、1当量)を、DMF0.192mL中溶液(0.1M)として、SLFスクシネート(11.98mg、0.0192mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.0μL、0.0575mmol、3当量)を添加し、引き続いてHATU(7.3mg、0.0192mmol、1当量)を添加した。混合物を17時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、dFKBP-1(7.7mg、0.00763mmol、40%)が黄色固体として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.81(s,1H)、7.77-7.70(m,1H)、7.55-7.49(m,2H)、7.26(dd,J=8.0,5.3Hz,2H)、7.05-6.99(m,1H)、6.77(d,J=8.8Hz,1H)、6.66(d,J=6.8Hz,2H)、5.77-5.72(m,1H)、5.24(d,J=4.8Hz,1H)、4.99(dd,J=12.3,5.7Hz,1H)、4.68-4.59(m,2H)、3.82(s,3H)、3.81(s,3H)、3.32(dt,J=3.3,1.6Hz,4H)、3.26-3.14(m,3H)、2.79(dd,J=18.9,10.2Hz,3H)、2.64-2.48(m,5H)、2.34(d,J=14.4Hz,1H)、2.22(d,J=9.2Hz,1H)、2.14-2.02(m,2H)、1.78-1.49(m,9H)、1.43-1.30(m,2H)、1.20-1.04(m,6H)、0.90-0.76(m,3H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ208.51、173.27、172.64、171.63、169.93、169.51、168.04、167.69、167.09、166.71、154.92、149.05、147.48、140.76、138.89、137.48、133.91、133.67、129.36、122.19、120.61、120.54、119.82、118.41、118.12、117.79、112.12、111.76、68.54、56.10、55.98、51.67、46.94、44.57、39.32、39.01、38.23、32.64、31.55、31.43、26.68、26.64、25.08、23.52、23.21、22.85、21.27、8.76。LCMS 1009.66(M+H)。
合成実施例59:dFKBP-2の合成
(1)tert-ブチル(1-クロロ-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメートの合成
tert-ブチル(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバメート(1.0g、3.12mmol、1当量)をTHF(31mL、0.1M)に溶解した。DIPEA(0.543mL、3.12mmol、1当量)を添加し、溶液を0℃に冷却した。クロロアセチルクロリド(0.273mL、3.43mmol、1.1当量)を添加し、混合物を室温にゆっくり加温した。24時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、黄色油(1.416g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.24(s,1H)、5.00(s,1H)、3.98-3.89(m,2H)、3.54(dddt,J=17.0,11.2,5.9,2.2Hz,10H)、3.47-3.40(m,2H)、3.37-3.31(m,2H)、3.17-3.07(m,2H)、1.79-1.70(m,2H)、1.67(p,J=6.1Hz,2H)、1.35(s,9H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ165.83、155.97、78.75、70.49、70.47、70.38、70.30、70.14、69.48、42.61、38.62、38.44、29.62、28.59、28.40。LCMS 397.37(M+H)。
(2)ジメチル3-((2,2-ジメチル-4,20-ジオキソ-3,9,12,15-テトラオキサ-5,19-ジアザヘンイコサン-21-イル)オキシ)フタレートの合成
tert-ブチル(1-クロロ-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメート(1.41g、3.12mmol、1当量)をMeCN(32mL、0.1M)に溶解した。ジメチル3-ヒドロキシフタレート(0.721g、3.43mmol、1.1当量)および炭酸セシウム(2.80g、8.58mmol、2.75当量)を添加した。フラスコに還流冷却器を取り付け、19時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、クロロホルムで1回、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 22分勾配)によって精製すると、黄色油(1.5892g、2.78mmol、2ステップにわたって89%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.52(d,J=7.8Hz,1H)、7.35(t,J=8.1Hz,1H)、7.04(d,J=8.3Hz,1H)、7.00(t,J=5.3Hz,1H)、5.06(s,1H)、4.46(s,2H)、3.83(s,3H)、3.78(s,3H)、3.47(ddd,J=14.9,5.5,2.8Hz,8H)、3.39(dt,J=9.4,6.0Hz,4H)、3.29(q,J=6.5Hz,2H)、3.09(d,J=6.0Hz,2H)、1.70(p,J=6.5Hz,2H)、1.63(p,J=6.3Hz,2H)、1.31(s、9H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ167.68、167.36、165.45、155.93、154.41、130.87、129.60、125.01、123.20、117.06、78.60、70.40、70.17、70.06、69.39、68.67、68.25、52.77、52.57、38.38、36.58、29.55、29.20、28.34。LCMS 571.47(M+H)。
(3)N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートの合成
ジメチル3-((2,2-ジメチル-4,20-ジオキソ-3,9,12,15-テトラオキサ-5,19-ジアザヘンイコサン-21-イル)オキシ)フタレート(1.589g、2.78mmol、1当量)をEtOH(14mL、0.2M)に溶解した。3M NaOH水溶液(2.8mL、8.34mmol、3当量)を添加し、混合物を22時間80℃に加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、DCM 50mLおよび0.5M HCl 20mLで希釈した。層を分離し、有機層を水25mLで洗浄した。水層を合わせ、クロロホルム50mLで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると物質1.53gが得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 553.44。
得られた物質(1.53g)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.480g、2.92mmol、1当量)をピリジン(11.7mL、0.25M)に溶解し、17時間110℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮すると、粗tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメートが黒色スラッジ(3.1491g)として得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 635.47。
粗tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメート(3.15 g)をTFA(20mL)に溶解し、2.5時間50℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。物質を分取HPLCによって精製すると、N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(1.2438g、1.9598mmol、3ステップにわたって71%)が暗赤色油として得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.77(dd,J=8.3,7.5Hz,1H)、7.49(d,J=7.3Hz,1H)、7.40(d,J=8.5Hz,1H)、5.12(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、3.68-3.51(m,12H)、3.40(t,J=6.8Hz,2H)、3.10(t,J=6.4Hz,2H)、2.94-2.68(m,3H)、2.16(dtd,J=12.6,5.4,2.5Hz,1H)、1.92(p,J=6.1Hz,2H)、1.86-1.77(m,2H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ173.17、169.97、168.48、166.87、166.30、154.82、136.89、133.41、120.29、117.67、116.58、69.96、69.68、69.60、68.87、68.12、67.92、49.19、38.62、36.14、30.80、28.92、26.63、22.22。LCMS 536.41(M+H)。
(4)dFKBP-2の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(12.5mg、0.0193mmol、1当量)を、DMF0.193mL中溶液(0.1M)としてSLF-スクシネート(12.08mg、0.0193mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.1μL、0.0580mmol、3当量)およびHATU(7.3mg、0.0193mmol、1当量)を添加し、混合物を19時間撹拌した。次いで、混合物をMeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、dFKBP-2(9.34mg、0.00818mmol、42%)が黄色油として得られた。
1H NMR(400MHz、50%MeOD/クロロホルム-d)δ7.76-7.70(m,1H)、7.58-7.45(m,3H)、7.26(t,J=8.2Hz,2H)、7.05-6.98(m,1H)、6.77(d,J=7.9Hz,1H)、6.71-6.63(m,2H)、5.73(dd,J=8.1,5.6Hz,1H)、5.23(d,J=5.4Hz,1H)、5.03-4.95(m,1H)、4.64(s,2H)、3.82(s,3H)、3.80(s,3H)、3.62-3.52(m,8H)、3.47(t,J=6.1Hz,2H)、3.44-3.33(m,3H)、3.27-3.14(m,3H)、2.84-2.70(m,3H)、2.64-2.47(m,6H)、2.34(d,J=14.1Hz,1H)、2.24(dd,J=14.3,9.3Hz,2H)、2.13-2.00(m,2H)、1.83(p,J=6.3Hz,2H)、1.67(dtd,J=38.4,16.8,14.8,7.0Hz,7H)、1.51-1.26(m,3H)、1.22-1.05(m,6H)、0.80(dt,J=39.8,7.5Hz,3H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ208.64、173.39、173.01、171.76、170.11、169.62、168.24、167.92、167.36、166.69、155.02、149.23、147.66、140.94、139.18、137.57、134.09、133.91、129.49、122.32、120.75、120.52、119.93、118.42、117.75、112.33、111.98、70.77、70.51、70.40、69.45、69.04、68.48、56.20、56.10、51.88、47.09、44.78、38.40、37.48、36.91、32.80、32.71、31.70、31.59、31.55、29.53、29.30、26.77、25.22、23.63、23.33、22.98、21.43。LCMS 1141.71(M+H)。
合成実施例60:dFKBP-3の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(0.233mL、0.0233mmol、1当量)の0.1M溶液を、2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-(3,3-ジメチル-2-オキソペンタノイル)ピロリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(13.3mg、0.0233mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.2μL、0.0700mmol、3当量)を添加し、引き続いてHATU(8.9mg、0.0233mmol、1当量)を添加した。混合物を23時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、白色固体(10.72mg、0.0112mmol、48%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.79-7.74(m,1H)、7.52(d,J=7.4Hz,1H)、7.33(d,J=8.4Hz,1H)、7.26(t,J=8.1Hz,1H)、6.97-6.90(m,2H)、6.89-6.84(m,1H)、6.79(dd,J=8.2,1.9Hz,1H)、6.73-6.64(m,2H)、5.73-5.65(m,1H)、5.07-4.99(m,1H)、4.67(s,2H)、4.57-4.51(m,1H)、4.48(dd,J=5.7,2.5Hz,2H)、3.82(d,J=1.9Hz,3H)、3.80(s,3H)、3.66-3.39(m,3H)、2.88-2.48(m,6H)、2.42-1.87(m,9H)、1.73-1.51(m,6H)、1.19-0.92(m,6H)、0.75(dt,J=56.7,7.5Hz,3H)。LCMS 954.52(M+H)。
実施例61:dFKBP-4の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(0.182mL、0.0182mmol、1当量)の0.1M溶液を、2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-(3,3-ジメチル-2-オキソペンタノイル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(10.6mg、0.0182mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.5μL、0.0545mmol、3当量)を添加し、引き続いてHATU(6.9mg、0.0182mmol、1当量)を添加した。混合物を26時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、白色固体(9.74mg、0.01006mmol、55%)が得られた。
1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.75(dd,J=8.3,7.4Hz,1H)、7.53(d,J=2.3Hz,1H)、7.33-7.25(m,2H)、7.00-6.84(m,3H)、6.79(dd,J=8.1,2.5Hz,1H)、6.72-6.65(m,2H)、5.75-5.70(m,1H)、5.23(d,J=4.9Hz,1H)、5.05-4.96(m,1H)、4.66(s,2H)、4.46(s,2H)、3.82(s,3H)、3.81(s,3H)、3.39-3.32(m,4H)、3.20-3.12(m,1H)、2.82-2.69(m,3H)、2.62-2.49(m,2H)、2.37-2.00(m,5H)、1.78-1.30(m,11H)、1.24-1.08(m,6H)、0.81(dt,J=32.9,7.5Hz,3H)。LCMS 968.55(M+H)。
合成実施例62:dFKBP-5の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(0.205mL、0.0205mmol、1当量)の0.1M溶液を、2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-(2-フェニルアセチル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(11.8mg、0.0205mmol、1当量)に添加した。DIPEA(10.7μL、0.0615mmol、3当量)を添加し、引き続いてHATU(7.8mg、0.0205mmol、1当量)を添加した。混合物を29時間撹拌し、次いで、MeOHで希釈し、分取HPLCによって精製すると、白色固体(10.62mg、0.01106mmol、54%)が得られた。
1H NMR(400 MHz、メタノール-d4)δ7.77-7.72(m,1H)、7.52(s,1H)、7.31-7.11(m,7H)、6.92-6.77(m,4H)、6.68-6.62(m,2H)、5.70-5.64(m,1H)、5.38(d,J=3.8Hz,1H)、4.99(d,J=4.6Hz,1H)、4.65(s,2H)、4.45-4.39(m,2H)、3.80(dd,J=6.7,2.4Hz,8H)、3.13-3.03(m,1H)、2.83-2.68(m,3H)、2.63-2.45(m,3H)、2.34-1.93(m,6H)、1.71-1.52(m,7H)、1.34-1.20(m,3H)。LCMS 960.54(M+H)。
合成実施例63:dFKBP-6の合成
N-(4-アミノブチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(11.9mg、0.0231mmol、1当量)を、DMF0.231mL中溶液(0.1M)として2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-((S)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブタノイル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(16.0mg、0.0231mmol、1当量)に添加した。DIPEA(12.1μL、0.0692mmol、3当量)およびHATU(8.8mg、0.0231mmol、1当量)を添加し、混合物を21時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
上記の合成スキームを使用して、以下に例示されるように、出発材料の選択によって、本明細書中のdFKBP構造の類似のオルトまたはパラ結合配置を提供することもできる。これらの位置異性体のいずれかを本明細書で使用してFKBPを分解することができる。例えば、
同様に、
合成実施例64:dFKBP-7の合成
N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(12.3mg、0.0189mmol、1当量)を、DMF0.189mL中溶液(0.1M)として2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-((S)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブタノイル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(13.1mg、0.0189mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.9μL、0.0566mmol、3当量)およびHATU(7.2mg、0.0189mmol、1当量)を添加し、混合物を17時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
合成実施例65:dFKBP-8の合成
N-(6-アミノヘキシル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(12.7mg、0.0233mmol、1.3当量)を、DMF0.233mL中溶液(0.1M)として2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-((S)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブタノイル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(12.4mg、0.0179mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.3μL、0.0537mmol、3当量)およびHATU(6.8mg、0.0179mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
合成実施例66:dFKBP-9の合成
N-(8-アミノオクチル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(10.4mg、0.0181mmol、1当量)を、DMF0.181mL中溶液(0.1M)として2-(3-((R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(((S)-1-((S)-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ブタノイル)ピペリジン-2-カルボニル)オキシ)プロピル)フェノキシ)酢酸(12.5mg、0.0181mmol、1当量)に添加した。DIPEA(9.5μL、0.0543mmol、3当量)およびHATU(6.9mg、0.0181mmol、1当量)を添加し、混合物を22時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
合成実施例67:dFKBPの合成
X2
FKBP
*-酸(14.0mg、0.0202mmol、1当量)および2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エタン-1-アミニウム2,2,2-トリフルオロアセテート(8.7mg、0.0202mmol、1当量)を、室温でDMF(0.202mL、0.1M)に溶解した。次いで、DIPEA(17.6DL、0.101mmol、5当量)およびHATU(7.6mg、0.0200mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc(15mL)に溶解し、飽和NaHCO
3(水溶液)(15mL)、水(15mL)および食塩水(3×15mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、真空中で濃縮する。粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
合成実施例68:ジアミノエチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
(1)tert-ブチル(2-(2-クロロアセトアミド)エチル)カルバメートの合成
tert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメート(0.40mL、2.5mmol、1当量)を、0℃でTHF(25mL、0.1M)およびDIPEA(0.44mL、2.5mmol、1当量)に溶解した。クロロアセチルクロリド(0.21mL、2.75mmol、1.1当量)を添加し、混合物を室温に加温させた。22時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、白色固体(0.66g、定量的収率)が得られ、これをさらに精製することなく次のステップに進めた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.16(s,1H)、4.83(s,1H)、4.04(s,2H)、3.42(q,J=5.4Hz,2H)、3.32(q,J=5.6Hz,2H)、1.45(s,9H)。LCMS 237.30(M+H)。
(2)ジメチル3-(2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレートの合成
tert-ブチル(2-(2-クロロアセトアミド)エチル)カルバメート(0.66g、1当量)をMeCN(17mL、0.15M)に溶解した。次いで、ジメチル3-ヒドロキシフタレート(0.578g、2.75mmol、1.1当量)および炭酸セシウム(2.24g、6.88mmol、2.75当量)を添加した。フラスコに還流冷却器を取り付け、32時間80℃に加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水で3回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gシリカカラム、15分にわたって0~15%MeOH/DCM勾配)による精製によって、黄色固体(0.394g、0.960mmol、2ステップにわたって38%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.65-7.56(m,1H)、7.50-7.41(m,1H)、7.27(s,1H)、7.11(dd,J=8.4,4.1Hz,2H)、5.17(s,1H)、4.57(d,J=6.3Hz,2H)、3.94(s,2H)、3.88(s,2H)、3.40(p,J=5.8Hz,4H)、3.32-3.19(m,4H)、1.39(d,J=5.7Hz,13H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ168.37、168.23、165.73、156.13、154.71、131.24、130.09、124.85、123.49、117.24、79.42、68.48、53.22、52.83、40.43、39.54、28.44。LCMS 411.45(M+H)。
(3)ジアミノエチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
ジメチル3-(2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレート(0.39g、0.970mmol、1当量)をEtOH(9.7mL、0.1M)に溶解した。3M NaOH水溶液(0.97mL、2.91mmol、3当量)を添加し、混合物を3時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、DCM50mL、1M HCl 5mLおよび水20mLで希釈した。層を分離し、有機層を水20mLで洗浄した。次いで、合わせた水層をクロロホルム50mLで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、黄色固体(0.226g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 383.36。
得られた黄色固体(0.226g)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.102g、0.6197mmol、1当量)をピリジン(6.2mL、0.1M)に溶解し、16時間110℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮すると、tert-ブチル(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エチル)カルバメートが溶解性の低い黒色タール(0.663g)として得られ、これを(溶解性が乏しいため)精製することなく進めた。LCMS 475.42(M+H)。
粗tert-ブチル(2-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)エチル)カルバメートをTFA(10mL)に溶解し、3.5時間50℃に加熱し、次いで、減圧下で濃縮した。分取HPLCによる精製によって、赤色油(176.7mg、0.362mmol、3ステップにわたって37%)が得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.85-7.76(m,1H)、7.57-7.50(m,1H)、7.48-7.41(m,1H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.81(s,2H)、3.62(td,J=5.6,1.8Hz,2H)、3.14(t,J=5.8Hz,2H)、2.97(s,1H)、2.80-2.66(m,2H)、2.15(dddd,J=10.1,8.0,5.8,2.8Hz,1H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ173.09、170.00、169.99、166.78、166.62、154.93、136.88、133.46、120.71、117.93、116.77、68.29、49.17、39.37、38.60、30.73、22.19。LCMS 375.30(遊離塩基に対してM+H)。
合成実施例69:ジアミノブチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
ジアミノブチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートは、FischerらNature、2014、512、49~53の手順に従って調製した。
合成実施例70:ジアミノヘキシル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
(1)tert-ブチル(6-(2-クロロアセトアミド)ヘキシル)カルバメートの合成
tert-ブチル(6-アミノヘキシル)カルバメート(0.224mL、1.0mmol、1当量)をTHF(10mL、0.1M)に溶解した。DIPEA(0.17mL、1.0mmol、1当量)を添加し、混合物を0℃に冷却した。クロロアセチルクロリド(88μL、1.1mmol、1.1当量)を添加し、混合物を室温に加温し、18時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、白色固体(0.2691g、0.919mmol、92%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ6.60(s,1H)、4.51(s,1H)、4.05(s,2H)、3.30(q,J=6.9Hz,2H)、3.11(d,J=6.7Hz,2H)、1.57-1.46(m,4H)、1.44(s,9H)、1.38-1.32(m,4H)。LCMS 293.39(M+H)。
(2)ジメチル3-(2-((6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキシル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレートの合成
tert-ブチル(6-(2-クロロアセトアミド)ヘキシル)カルバメート(0.2691g、0.919mmol、1当量)をMeCN(9.2mL、0.1M)に溶解した。ジメチル3-ヒドロキシフタレート(0.212g、1.01mmol、1.1当量)および炭酸セシウム(0.823g、2.53mmol、2.75当量)を添加した。フラスコに還流冷却器を取り付け、14時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水で3回洗浄し、EtOAcで1回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 15分勾配)によって精製すると、黄色油(0.304g、0.651mmol、71%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.66-7.58(m,1H)、7.44(td,J=8.2,1.6Hz,1H)、7.15-7.08(m,1H)、6.96(s,1H)、4.56(s,2H)、3.92(t,J=1.6Hz,3H)、3.88(t,J=1.6Hz,3H)、3.27(q,J=6.9Hz,2H)、3.10-3.00(m,2H)、1.41(s,13H)、1.33-1.22(m,4H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ167.97、167.37、165.58、155.95、154.37、130.97、129.74、124.94、123.26、116.81、78.96、68.04、52.89、52.87、52.69、52.67、40.41、38.96、29.88、29.13、28.39、26.33、26.30。LCMS 467.49。
(3)ジアミノヘキシル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
ジメチル3-(2-((6-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキシル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレート(0.304g、0.651mmol、1当量)をEtOH(6.5mL、0.1M)に溶解した。3M NaOH水溶液(0.65mL、1.953mmol、3当量)を添加し、混合物を18時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、DCM50mLおよび0.5M HCl 10mLで希釈した。層を分離し、有機層を水20mLで洗浄した。次いで、合わせた水層をクロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、黄色泡(0.290g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 439.47。
得られた黄色固体(0.290g)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.113g、0.69mmol、1当量)をピリジン(6.9mL、0.1M)に溶解し、17時間110℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮すると、tert-ブチル(6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメートが黒色固体(0.4216g)として得られ、これを(溶解性が乏しいため)精製することなく進めた。LCMS 531.41(M+H)。
粗tert-ブチル(6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)ヘキシル)カルバメート(0.4216g)をTFA(10mL)に溶解し、2時間50℃に加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、減圧下で濃縮した。分取HPLCによる精製によって、褐色固体(379.2mg)が得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.79(dd,J=8.4,7.4Hz,1H)、7.52(d,J=7.2Hz,1H)、7.42(d,J=8.4Hz,1H)、5.13(dd,J=12.6,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、3.32(t,J=7.6Hz,2H)、2.96-2.89(m,2H)、2.89-2.65(m,3H)、2.16(ddt,J=10.4,5.4,2.9Hz,1H)、1.63(dp,J=20.6,7.1Hz,4H)、1.51-1.34(m,4H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.57、171.42、169.90、168.24、167.79、156.23、138.23、134.87、121.69、119.22、117.98、69.36、50.53、40.64、39.91、32.14、30.01、28.44、27.23、26.96、23.63。LCMS 431.37(M+H)。
合成実施例71:ジアミノオクチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
(1)tert-ブチル(8-(2-クロロアセトアミド)オクチル)カルバメートの合成
オクタン-1,8-ジアミン(1.65g、11.45mmol、5当量)をクロロホルム(50mL)に溶解した。ジ-tert-ブチルジカーボネート(0.54g、2.291mmol、1当量)のクロロホルム(10mL)中溶液を室温でゆっくり添加し、16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。固体物質をDCM、MeOH、EtOAcおよび0.5N NH
3(MeOH)の混合物に再懸濁し、celiteを通して濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、12g NH2-シリカカラム、15分にわたって0~15%MeOH/DCM勾配)による精製によって、所望の生成物と出発材料の混合物(1.75g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。
この混合物をTHF(72mL)およびDIPEA(1.25mL、7.16mmol)に溶解し、0℃に冷却した。クロロアセチルクロリド(0.63mL、7.88mmol)を添加し、混合物を室温に加温させた。16時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水および食塩水で洗浄した。得られた混合物をカラムクロマトグラフィー(ISCO、シリカ上への乾燥充填、24gカラム、21分にわたって0~100%EtOAc/ヘキサン勾配)によって精製すると、白色固体(0.56g、1.745mmol、2ステップにわたって76%)が得られた。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ6.55(s,1H)、4.48(s,1H)、4.05(s,2H)、3.30(q,J=6.9Hz,2H)、3.10(d,J=6.2Hz,2H)、1.44(s,12H)、1.31(s,9H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)δ165.86、156.14、77.36、42.86、40.73、40.00、30.18、29.44、29.26、28.59、26.86、26.82。LCMS 321.34(M+H)。
(2)ジメチル3-(2-((8-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)オクチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレートの合成
tert-ブチル(8-(2-クロロアセトアミド)オクチル)カルバメート(0.468g、1.46mmol、1当量)をMeCN(15mL、0.1M)に溶解した。ジメチル3-ヒドロキシフタレート(0.337g、1.60mmol、1.1当量)および炭酸セシウム(1.308g、4.02mmol、2.75当量)を添加した。フラスコに還流冷却器を取り付け、18時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、クロロホルムで1回、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 20分勾配)によって精製すると、黄色油(0.434g、0.878mmol、60%)が得られた。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.57(dd,J=7.9,0.8Hz,1H)、7.40(t,J=8.1Hz,1H)、7.07(dd,J=8.4,0.7Hz,1H)、6.89(t,J=5.3Hz,1H)、4.63(s,1H)、4.52(s,2H)、3.88(s,3H)、3.83(s,3H)、3.22(q,J=6.9Hz,2H)、3.01(q,J=6.4Hz,2H)、1.36(s,12H)、1.20(s,9H)。13C NMR(100MHz、cdcl3)167.89、167.29、165.54、155.97、154.38、130.95、129.69、124.96、123.23、116.86、78.82、68.05、52.83、52.82、52.66、52.64、40.54、39.06、29.97、29.19、29.10、29.06、28.40、26.66、26.61。LCMS 495.42(M+H)。
(3)ジアミノオクチル-アセチル-O-サリドマイドトリフルオロアセテートの合成
ジメチル3-(2-((8-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)オクチル)アミノ)-2-オキソエトキシ)フタレート(0.434g、0.878mmol、1当量)をEtOH(8.8mL、0.1M)に溶解した。3M NaOH水溶液(0.88mL、2.63mmol、3当量)を添加し、混合物を24時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、DCM50mLおよび0.5M HCl 10mLで希釈した。層を分離し、有機層を水20mLで洗浄した。次いで、合わせた水層をクロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、黄色固体(0.329g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 467.41。
得られた黄色固体(0.329g)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.121g、0.734mmol、1当量)をピリジン(7.3mL、0.1M)に溶解し、20時間110℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮すると、tert-ブチル(8-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)オクチル)カルバメートが黒色タール(0.293g)として得られ、これを(溶解性が乏しいため)精製することなく進めた。LCMS 559.45(M+H)。
粗tert-ブチル(8-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミド)オクチル)カルバメート(0.293g)をTFA(10mL)に溶解し、4時間50℃に加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、減圧下で濃縮した。分取HPLCによる精製によって、褐色残渣(114.69mg、3ステップにわたって23%)が得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.84-7.78(m,1H)、7.54(d,J=7.3Hz,1H)、7.43(d,J=8.5Hz,1H)、5.13(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.76(s,2H)、3.32(d,J=4.1Hz,1H)、3.30(d,J=3.3Hz,1H)、2.94-2.84(m,3H)、2.80-2.70(m,2H)、2.19-2.12(m,1H)、1.67-1.55(m,4H)、1.40-1.34(m,8H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ174.57、171.37、169.85、168.26、167.78、156.26、138.22、134.91、121.70、119.28、117.97、69.37、50.57、40.76、40.08、32.17、30.19、30.05、30.01、28.52、27.68、27.33、23.63。LCMS 459.41(M+H)。
合成実施例72:N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートの合成
(1)tert-ブチル(1-クロロ-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメートの合成
tert-ブチル(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバメート(1.0g、3.12mmol、1当量)をTHF(31mL、0.1M)に溶解した。DIPEA(0.543mL、3.12mmol、1当量)を添加し、溶液を0℃に冷却した。クロロアセチルクロリド(0.273mL、3.43mmol、1.1当量)を添加し、混合物を室温にゆっくり加温した。24時間後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、黄色油(1.416g)が得られ、これをさらに精製することなく進めた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.24(s,1H)、5.00(s,1H)、3.98-3.89(m,2H)、3.54(dddt,J=17.0,11.2,5.9,2.2Hz,10H)、3.47-3.40(m,2H)、3.37-3.31(m,2H)、3.17-3.07(m,2H)、1.79-1.70(m,2H)、1.67(p,J=6.1Hz,2H)、1.35(s,9H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ165.83、155.97、78.75、70.49、70.47、70.38、70.30、70.14、69.48、42.61、38.62、38.44、29.62、28.59、28.40。LCMS 397.37(M+H)。
(2)ジメチル3-((2,2-ジメチル-4,20-ジオキソ-3,9,12,15-テトラオキサ-5,19-ジアザヘンイコサン-21-イル)オキシ)フタレートの合成
tert-ブチル(1-クロロ-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメート(1.41g、3.12mmol、1当量)をMeCN(32mL、0.1M)に溶解した。ジメチル3-ヒドロキシフタレート(0.721g、3.43mmol、1.1当量)および炭酸セシウム(2.80g、8.58mmol、2.75当量)を添加した。フラスコに還流冷却器を取り付け、19時間80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、クロロホルムで1回、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をカラムクロマトグラフィー(ISCO、24gシリカカラム、0~15%MeOH/DCM 22分勾配)によって精製すると、黄色油(1.5892g、2.78mmol、2ステップにわたって89%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.52(d,J=7.8Hz,1H)、7.35(t,J=8.1Hz,1H)、7.04(d,J=8.3Hz,1H)、7.00(t,J=5.3Hz,1H)、5.06(s,1H)、4.46(s,2H)、3.83(s,3H)、3.78(s,3H)、3.47(ddd,J=14.9,5.5,2.8Hz,8H)、3.39(dt,J=9.4,6.0Hz,4H)、3.29(q,J=6.5Hz,2H)、3.09(d,J=6.0Hz,2H)、1.70(p,J=6.5Hz,2H)、1.63(p,J=6.3Hz,2H)、1.31(s、9H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ167.68、167.36、165.45、155.93、154.41、130.87、129.60、125.01、123.20、117.06、78.60、70.40、70.17、70.06、69.39、68.67、68.25、52.77、52.57、38.38、36.58、29.55、29.20、28.34。LCMS 571.47(M+H)。
(3)N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテートの合成
ジメチル3-((2,2-ジメチル-4,20-ジオキソ-3,9,12,15-テトラオキサ-5,19-ジアザヘンイコサン-21-イル)オキシ)フタレート(1.589g、2.78mmol、1当量)をEtOH(14mL、0.2M)に溶解した。3M NaOH水溶液(2.8mL、8.34mmol、3当量)を添加し、混合物を22時間80℃に加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、DCM 50mLおよび0.5M HCl 20mLで希釈した。層を分離し、有機層を水25mLで洗浄した。水層を合わせ、クロロホルム50mLで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると物質1.53gが得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 553.44。
得られた物質(1.53g)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.480g、2.92mmol、1当量)をピリジン(11.7mL、0.25M)に溶解し、17時間110℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮すると、粗tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメートが黒色スラッジ(3.1491g)として得られ、これをさらに精製することなく進めた。LCMS 635.47。
粗tert-ブチル(1-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)-2-オキソ-7,10,13-トリオキサ-3-アザヘキサデカン-16-イル)カルバメート(3.15 g)をTFA(20mL)に溶解し、2.5時間50℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、MeOHで希釈し、減圧下で濃縮した。物質を分取HPLCによって精製すると、N-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセトアミドトリフルオロアセテート(1.2438g、1.9598mmol、3ステップにわたって71%)が暗赤色油として得られた。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ7.77(dd,J=8.3,7.5Hz,1H)、7.49(d,J=7.3Hz,1H)、7.40(d,J=8.5Hz,1H)、5.12(dd,J=12.8,5.5Hz,1H)、4.75(s,2H)、3.68-3.51(m,12H)、3.40(t,J=6.8Hz,2H)、3.10(t,J=6.4Hz,2H)、2.94-2.68(m,3H)、2.16(dtd,J=12.6,5.4,2.5Hz,1H)、1.92(p,J=6.1Hz,2H)、1.86-1.77(m,2H)。13C NMR(100MHz、cd3od)δ173.17、169.97、168.48、166.87、166.30、154.82、136.89、133.41、120.29、117.67、116.58、69.96、69.68、69.60、68.87、68.12、67.92、49.19、38.62、36.14、30.80、28.92、26.63、22.22。LCMS 536.41(M+H)。
合成実施例73:N-(6-アミノヘキシル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミドの合成
(1)2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボン酸の合成
1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸(0.192g、1mmol、1当量)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.165g、1mmol、1当量)をDMF(2.5mL)および酢酸(5mL)に溶解し、24時間80℃に加熱した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、EtOHで希釈すると、そこから沈殿がゆっくり形成した。沈殿をEtOHで2回洗浄すると、白色固体(84.8mg、0.28mmol、28%)が得られた。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ13.74(s,1H)、11.12(s,1H)、8.39(dd,J=7.8,1.4Hz,1H)、8.26(s,1H)、8.04(d,J=7.8Hz,1H)、5.18(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.93-2.88(m,1H)、2.84(d,J=4.7Hz,0H)、2.66-2.50(m,2H)、2.12-1.99(m,1H)。LCMS 303.19(M+H)。
(2)tert-ブチル(6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミド)ヘキシル)カルバメートの合成
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボン酸(22.7mg、0.0751mmol、1当量)およびHATU(31.4mg、0.0826mmol、1.1当量)をDMF(0.75mL)に溶解した。5分後、DIPA(39.2μL、0.225mmol、3当量)を添加した。さらに5分後、tert-ブチル(6-アミノヘキシル)カルバメート(19.5mg、0.0901mmol、1.2当量)をDMF(0.75mL)中溶液として添加した。混合物を20時間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈した。有機層を食塩水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、4gカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)による精製によって、黄色油(17.18mg、0.03432mmol、46%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.29(d,J=6.2Hz,2H)、8.16(s,1H)、7.94(d,J=8.4Hz,1H)、6.91(s,1H)、5.00(dd,J=12.4,5.3Hz,1H)、4.58(s,1H)、3.47(q,J=6.7Hz,2H)、3.14(q,J=8.5,7.3Hz,2H)、2.97-2.69(m,3H)、2.17(ddd,J=10.4,4.8,2.6Hz,1H)、1.65(p,J=6.9Hz,2H)、1.53-1.32(m,15H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ174.69、170.77、167.86、166.67、165.27、156.49、141.06、133.95、133.71、132.13、124.21、122.27、77.36、49.71、39.75、31.54、30.27、29.22、28.57、25.70、25.37、22.73。LCMS 501.28(M+H)。
(3)N-(6-アミノヘキシル)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミドの合成
tert-ブチル(6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-カルボキサミド)ヘキシル)カルバメート(17.18mg、0.343mmol、1当量)をTFA(1mL)に溶解し、2時間50℃に加熱した。混合物を減圧下で濃縮すると、黄色油(13.29mg)が得られ、これをさらに精製することなく十分に純粋であると見なした。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ8.27(dd,J=9.3,1.3Hz,2H)、7.99(d,J=7.6Hz,1H)、5.18(dd,J=12.5,5.4Hz,1H)、3.48-3.40(m,2H)、2.96-2.84(m,3H)、2.76(ddd,J=17.7,8.1,3.7Hz,2H)、2.20-2.12(m,1H)、1.75-1.63(m,4H)、1.53-1.43(m,4H)。LCMS 401.31(M+H)。
合成実施例74:2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸の合成
(1)2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオンの合成
4-ヒドロキシイソベンゾフラン-1,3-ジオン(0.773g、4.71mmol、1当量)および3-アミノピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(0.775g、4.71mmol、1当量)をピリジン(19mL)に溶解し、16時間110℃に加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~10%MeOH/DCM、25分勾配)によって精製すると、灰白色固体(1.14g、4.16mmol、88%)が得られた。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ11.19(s,1H)、11.07(s,1H)、7.65(dd,J=8.3,7.3Hz,1H)、7.31(d,J=7.2Hz,1H)、7.24(d,J=8.4Hz,1H)、5.07(dd,J=12.8,5.4Hz,1H)、2.88(ddd,J=17.7,14.2,5.4Hz,1H)、2.63-2.50(m,2H)、2.11-1.95(m,1H)。LCMS 275.11(M+H)。
(2)tert-ブチル2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセテートの合成
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(218.8mg、0.798mmol、1当量)をDMF(8mL)に溶解した。炭酸カリウム(165.9mg、1.20mmol、1.5当量)、引き続いてブロモ酢酸tert-ブチル(118μL、0.798mmol、1当量)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水で1回、食塩水で2回洗浄した。カラムクロマトグラフィー(ISCO、12gシリカカラム、0~100%EtOAc/ヘキサン、17分勾配)による精製によって、白色固体(0.26g、0.669mmol、84%)が得られた。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.74(s,1H)、7.61(dd,J=8.4,7.3Hz,1H)、7.46-7.41(m,1H)、7.06(d,J=8.3Hz,1H)、4.98-4.92(m,1H)、4.74(s,2H)、2.83-2.69(m,3H)、2.12-2.04(m,1H)、1.43(s,9H)。
13C NMR(100MHz、cdcl
3)δ171.58、168.37、166.96、166.87、165.49、155.45、136.27、133.89、119.78、117.55、116.83、83.05、66.52、49.20、31.37、28.03、22.55。LCMS 411.23(M+Na)。
(3)2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)酢酸の合成
tert-ブチル2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オキシ)アセテート(47.5mg、0.122mmol、1当量)を、室温でTFA(1.3mL)に溶解した。3時間後、混合物をDCMで希釈し、減圧下で濃縮すると、白色固体(42.27mg)が得られ、これをさらに精製することなく十分に純粋であるとみなした。
1H NMR(400MHz、メタノール-d
4)δ7.76(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.50(d,J=7.3Hz,1H)、7.34(d,J=8.5Hz,1H)、5.11(dd,J=12.5,5.5Hz,1H)、4.96(s,2H)、2.87(ddd,J=17.8,14.2,5.0Hz,1H)、2.80-2.65(m,2H)、2.18-2.09(m,1H)。LCMS 333.15(M+H)。
ヘテロ二官能性化合物医薬組成物
本出願の別の態様では、本明細書に記載されるヘテロ二官能性化合物(またはそのプロドラッグ、薬学的に許容される塩もしくは他の薬学的に許容される誘導体)のいずれか1つを含み、場合により薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。本出願によると、薬学的に許容される誘導体には、それだけに限らないが、必要な患者に投与すると、本明細書に記載されるヘテロ二官能性化合物またはその代謝産物もしくは残基を直接または間接的に提供することができる、薬学的に許容される塩、エステル、このようなエステルの塩、もしくはプロドラッグまたは本出願の化合物の他の付加物もしくは誘導体が含まれる。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用に適しており、合理的な利益/リスク比に釣り合った塩を指す。アミン、カルボン酸および他の種類の化合物の薬学的に許容される塩は当技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらが、参照により本明細書に組み込まれる、 J.Pharmaceutical Sciences 66(1977):1~19に薬学的に許容される塩を詳細に記載している。塩は、本出願のヘテロ二官能性化合物の最終的な単離および精製中にインサイツで調製することができる、あるいは以下に一般的に記載されるように遊離塩基または遊離酸官能基を適切な試薬と反応させることによって別々に調製することができる。例えば、遊離塩基官能基を適切な酸と反応させることができる。さらに、本出願のヘテロ二官能性化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩;およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩などの金属塩が含まれ得る。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸で形成される、またはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合には、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。
さらに、本明細書中で使用する場合、「薬学的に許容されるエステル」という用語は、インビボで加水分解するエステルを指し、人体内で容易に分解して親ヘテロ二官能性化合物またはその塩を残すものを含む。適切なエステル基には、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特に各アルキルまたはアルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有するアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸から誘導されるものが含まれる。特定のエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
さらに、本明細書で使用される「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用に適しており、合理的な利益/リスク比に釣り合っており、その意図した使用に有効である、本出願のヘテロ二官能性化合物のプロドラッグ、ならびに可能な場合には、本出願の化合物の双性イオン形態を指す。「プロドラッグ」という用語は、例えば血中での加水分解によって、インビボで急速に変換されて上記式の親化合物を生じる化合物を指す。共に参照により本明細書に組み込まれる、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro-drugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、ならびにEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、(1987)に徹底的な議論が提供されている。
上記のように、本出願の医薬ヘテロ二官能性化合物組成物は、本明細書で使用される場合、所望の特定の剤形に適した、ありとあらゆる溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などを含む薬学的に許容される担体をさらに含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E.W.Martin(Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、(1980))は、医薬組成物を製剤化するのに使用される種々の担体およびそれを調製するための公知の技術を開示している。任意の従来の担体媒体が、例えば望ましくない生物学的効果を生じさせることによって、または医薬組成物の任意の他の成分と有害に相互作用することによって、本出願の化合物と不適合である場合を除いて、その使用が本出願の範囲内にあることが企図される。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、それだけに限らないが、糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオ脂および坐剤用ワックス;油、例えば落花生油、綿実油;ベニバナ油、ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝液、ならびに他の非毒性適合性潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤が挙げられ、配合者の判断に従って、組成物中に存在することもできる。
経口投与用の液体剤形には、それだけに限らないが、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤も含むことができる。
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁液またはエマルジョン、例えば1,3-ブタンジオール中溶液であってもよい。使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液、米国薬局方および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌不揮発性油が、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、あらゆるブランドの不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
薬物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延させることがしばしば望ましい。これは、液体懸濁液、または水溶性が低い結晶性もしくは非晶質の材料を使用することによって達成され得る。その場合、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。薬物とポリマーの比率および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤はまた、身体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによって調製される。
直腸または膣内投与のための組成物は、好ましくは本出願の化合物を、周囲温度で固体であるが体温で液体であるので、直腸または膣腔内で融解して、活性化合物を放出する適切な非刺激性賦形剤または担体、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することのできる坐剤である。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物が、少なくとも1種の不活性の薬学的に許容される賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムならびに/あるいはa)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアラビアゴム、c)保水剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形が緩衝剤も含み得る。
ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、同様の種類の固体組成物を軟質および硬質ゼラチンカプセルに充填剤として使用することもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび製薬業界で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは場合により不透明化剤を含有してもよく、有効成分のみを、または優先的に腸管の一定の部分で、場合により遅延様式で放出する組成物であってもよい。
使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、同様の種類の固体組成物を軟質および硬質ゼラチンカプセルに充填剤として使用することもできる。
活性ヘテロ二官能性化合物はまた、上記の1種または複数の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび製薬業界で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体剤形では、活性ヘテロ二官能性化合物を、スクロース、ラクトースおよびデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混和してもよい。このような剤形はまた、常道のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば錠剤化潤滑剤および他の錠剤化助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形が緩衝剤も含み得る。これらは場合により不透明化剤を含有してもよく、有効成分のみを、または優先的に腸管の一定の部分で、場合により遅延様式で放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
本出願は、本発明の化合物の薬学的に許容される局所製剤を包含する。本明細書で使用される「薬学的に許容される局所製剤」という用語は、表皮への製剤の施用による本出願の化合物の皮内投与にとって薬学的に許容される任意の製剤を意味する。本出願の一定の実施形態では、局所製剤が担体系を含む。薬学的に有効な担体には、それだけに限らないが、溶媒(例えば、アルコール、ポリアルコール、水)、クリーム、ローション、軟膏、油、硬膏、リポソーム、粉末、エマルジョン、マイクロエマルジョン、および緩衝溶液(例えば、低張または緩衝生理食塩水)または医薬品を局所投与するための当技術分野で公知の任意の他の担体が含まれる。当技術分野で標準的な参照テキスト、例えばその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、(1980)および第17版、(1985)、共にMack Publishing Company、Easton、Pa.により出版によって、当技術分野で公知の担体のより完全なリストが提供される。一定の他の実施形態では、本出願の局所製剤が賦形剤を含み得る。当技術分野で公知の任意の薬学的に許容される賦形剤を使用して、本発明の薬学的に許容される局所製剤を調製することができる。本出願の局所製剤に含めることができる賦形剤の例としては、それだけに限らないが、保存剤、抗酸化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、緩衝剤、可溶化剤、他の浸透剤、皮膚保護剤、界面活性剤および噴射剤、ならびに/あるいは本発明の化合物と組み合わせて使用される追加の治療薬が挙げられる。適切な保存剤には、それだけに限らないが、アルコール、第四級アミン、有機酸、パラベンおよびフェノールが含まれる。適切な抗酸化剤には、それだけに限らないが、アスコルビン酸およびそのエステル、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、ならびにEDTAおよびクエン酸などのキレート剤が含まれる。適切な保湿剤には、それだけに限らないが、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、尿素およびプロピレングリコールが含まれる。本出願で使用するのに適した緩衝剤には、それだけに限らないが、クエン酸、塩酸および乳酸緩衝剤が含まれる。適切な可溶化剤には、それだけに限らないが、塩化第四級アンモニウム、シクロデキストリン、安息香酸ベンジル、レシチンおよびポリソルベートが含まれる。本出願の局所製剤に使用することができる適切な皮膚保護剤には、それだけに限らないが、ビタミンE油、アラントイン、ジメチコン、グリセリン、ワセリンおよび酸化亜鉛が含まれる。
一定の実施形態では、本出願の薬学的に許容される局所製剤が、少なくとも本出願の化合物および浸透促進剤を含む。局所製剤の選択は、治療される状態、存在する本発明の化合物および他の賦形剤の物理化学的特性、製剤中でのそれらの安定性、利用可能な製造装置、ならびに費用の制約を含むいくつかの因子に依存する。本明細書で使用される場合、「浸透促進剤」という用語は、薬理学的に活性な化合物を角質層を通して表皮または真皮に、好ましくは全身吸収をほとんどまたは全く伴わずに輸送することができる薬剤を意味する。多種多様な化合物が、皮膚を通る薬物の浸透速度を高めることにおけるそれらの有効性に関して評価されてきた。例えば、種々の皮膚浸透促進剤の使用および試験を調査しているMaibach H.I.およびSmith H.E.(編)、Percutaneous Penetration Enhancers、CRC Press,Inc.、Boca Raton、Fla.(1995)、およびBuyuktimkinら、Chemical Means of Transdermal Drug Permeation Enhancement in Transdermal and Topical Drug Delivery Systems、Gosh T.K.、Pfister W.R.、Yum S.I.(編)、Interpharm Press Inc.、Buffalo Grove、Ill.(1997)を参照されたい。一定の例示的な実施形態では、本出願で使用するための浸透剤には、それだけに限らないが、トリグリセリド(例えば、大豆油)、アロエ組成物(例えば、アロエベラゲル)、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクトリフェニルポリエチレングリコール(octolyphenylpolyethylene glycol)、オレイン酸、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、N-デシルメチルスルホキシド、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸メチル、モノオレイン酸グリセリンおよびプロピレングリコールモノオレエート)、およびN-メチルピロリドンが含まれる。
一定の実施形態では、組成物が、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、液剤、スプレー、吸入剤またはパッチの形態であり得る。一定の例示的な実施形態では、本出願による組成物の製剤がクリームであり、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、パルミト-オレイン酸、セチルまたはオレイルアルコールなどの飽和または不飽和脂肪酸をさらに含有してもよく、ステアリン酸が有用である。本出願のクリームはまた、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシ-40-ステアレートを含有し得る。一定の実施形態では、活性成分が、滅菌条件下で薬学的に許容される担体および必要に応じて任意の必要な保存剤または緩衝剤と混和される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤もまた、本出願の範囲内であると考えられる。さらに、本出願は、身体への化合物の制御送達を提供するというさらなる利点を有する経皮パッチの使用を企図する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分散させることによって調製される。上記のように、浸透促進剤を使用して皮膚を横切る化合物の流動を増加させることもできる。速度制御膜を設けることによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることによって、速度を制御することができる。
本出願の一定のヘテロ二官能性化合物が、治療のために遊離形態で、または適切な場合にはその薬学的に許容される誘導体として存在することができることも理解されよう。本出願によると、薬学的に許容される誘導体には、それだけに限らないが、必要な患者に投与すると、本明細書に記載される化合物またはその代謝産物もしくは残基を直接または間接的に提供することができる、薬学的に許容される塩、エステル、このようなエステルの塩、もしくはプロドラッグまたは本出願の化合物の他の付加物もしくは誘導体が含まれる。
一実施形態では、上記の医薬組成物のいずれか1つとしてのヘテロ二官能性化合物を、それを必要とする宿主に投与して、合成内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質に対する作用によって目的のタンパク質の発現を停止させる。あるいは、上記の医薬組成物のいずれか1つとしてのヘテロ二官能性化合物を、それを必要とする宿主に投与して、合成内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質に対する作用によって目的のタンパク質の発現を開始させる。
実施例
ヘテロ二官能性化合物に曝露されるとユビキチンプロテアソーム経路(UPP)によって分解されるヘテロ二官能性化合物が結合するまたはヘテロ二官能性化合物に結合することができるdTAGを有する内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質の代表的な操作の例をさらに提供する。実施例は例示にすぎず、限定することを意図するものではなく、内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質を標的化するヘテロ二官能性化合物で標的を特異的に分解することにより目的タンパク質の発現を調節する方法の説明として役立つ。
実施例1:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)-dTAG
本明細書で企図されるようにdTAGの使用を通した分解のための目的の内因性タンパク質の標的化をさらに記載するために、dTAGをコードする核酸の挿入のための例示的な目的のタンパク質、PCSK9の遺伝子産物の標的化を例示する。
プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)はコレステロール恒常性を制御する酵素である。PCSK9は肝臓で低密度リポタンパク質(LDL)受容体の発現を調節する。LDLRは、血液から遊離LDLコレステロールに結合してこれを内部移行し、コレステロールレベルを有効に低下させる。PCSK9が調節解除されると、この酵素がLDLRに結合してこれを分解し、よって遊離血中コレステロールを増加させて高コレステロール血症を引き起こす。PCSK9の阻害または分解はLDLC発現を回復させ、肝臓中の遊離血中コレステロールを有効に減少させるだろう。遊離LDLレベル上昇は心疾患のリスク増加と関連しているので、PCKS9発現または活性を低下させるための努力は一般社会にとって非常に興味深いものである。
内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質を操作するために、左相同領域(イントロン1の一部)、PCSK9のエキソン1とインフレームにクローニングされるdTAG核酸配列(dTAG FKBP*-配列番号2に由来する)、および右相同領域(イントロン2の一部)を含む相同ドナー構築物をクローニングする。dTAGペプチドを2Xグリシンリンカーとインフレームでクローニングする。相同組換えを開始するために、CRISPR sgRNAを、エキソン1のコード配列PCSK9を標的化するように設計する。CAS9発現は、鋳型としてドナー構築物を使用した相同組換え修復によって修復される二本鎖切断を誘導する。最終結果は、PCSK9のエキソン1とインフレームでクローニングされたdTAG核酸を有する遺伝子座となる。
得られるように、インフレームdTAG核酸インサートを含む得られた核酸配列は以下のゲノム核酸配列をもたらす(小文字はPCSK9ゲノム配列のイントロン配列を示し、大文字下線付き配列はsgRNA標的(GAGGGAGATTTGACACACACAGG)(配列番号45)を示し、ATGはPCSK9タンパク質またはPCSK9-dTAGハイブリッドの転写開始部位を示し、大文字はPCSK9タンパク質のエキソンコード配列を示し、大文字のイタリック体文字は2Xグリシンリンカー(GGGGGG)(配列番号46)を有するFKBP*由来dTAG核酸のインフレーム挿入を示す)。例示されるHR戦略を表す例証を図2に提供する。
標的化PCSK9ゲノム遺伝子座(配列番号47)
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得られたPCSK9-dTAGハイブリッド(配列番号48)
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実施例2:β-カテニン(CTNNB1)-dTAG
本明細書で企図されるようにdTAGの使用を通した分解のための目的の内因性タンパク質の標的化をさらに記載するために、dTAG挿入のための代表的な目的のタンパク質、β-カテニン(CTNNB1)の標的化を例示する。
β-カテニンはCTNNB1遺伝子によってコードされている。β-カテニンは、WNTシグナル伝達経路の下流エフェクターとして細胞間接着と遺伝子転写の両方を調節する。正常な条件下では、β-カテニンの機能および発現が、βTrCP E3リガーゼを介したリン酸化およびユビキチン媒介破壊によって媒介される。通常、β-カテニンは、アキシン、GSK3βおよびAPCを含む抑制複合体への結合で調節される。WNT刺激時に、アキシンはFrizzled受容体に捕捉され、よって破壊複合体からβ-カテニンを放出する。次いで、タンパク質が核に転位置してTCF/LEFに結合して転写プログラムを活性化する。Wntリガンドが放出されると、遊離β-カテニンがGSK3βによってリン酸化され、βTrCRP E3リガーゼによる結合およびユビキチン化を通して分解される。
Wnt/β-カテニン経路はヒトがんにおいて頻繁に突然変異しており、β-カテニン突然変異は肝細胞癌のほぼ25%で観察されている。再発性突然変異がβTrCP結合部位内で見られ、発癌性転写調節因子に安定性を付与している。本物の腫瘍学標的ではあるが、β-カテニンは、高親和性で結合する公知のリガンドがほとんどない比較的平坦なタンパク質であるため、歴史的な小分子プログラムは失敗している。これらのデータは、条件付き分解を標的とする代表的な遺伝子としてのβ-カテニンを示唆した。
内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質を操作するために、左相同領域(イントロン1の一部)、CTNNB1の短エキソン1とインフレームにクローニングされるdTAG核酸配列(dTAG FKBP*-配列番号2に由来する)、イントロン2、エキソン2および右相同領域(イントロン3の一部)を含む相同ドナー構築物をクローニングする。dTAG核酸配列を2Xグリシンリンカーとインフレームでクローニングする。
相同組換えを開始するために、CRISPR sgRNAを、エキソン2のコード配列β-カテニンを標的化するように設計する。CAS9発現は、鋳型としてドナー構築物を使用した相同組換え修復によって修復される二本鎖切断を誘導する。最終結果は、CTNNB1のエキソン1とインフレームでクローニングされたdTAG核酸配列を有する遺伝子座となる。
得られるように、インフレームdTAG核酸インサートを含む得られた核酸配列は以下のゲノム核酸配列をもたらす(小文字はCTNNB1ゲノム配列のイントロン配列を示し、大文字下線付き配列はsgRNA標的(TACCACAGCTCCTTCTCTGAGTGG)(配列番号49)を示し、ATGはCTNNB1タンパク質(βカテニン)またはβ-カテニン(CTNBB1)-dTAGハイブリッドの転写開始部位を示し、大文字はβ-カテニンタンパク質のエキソンコード配列を示し、大文字のイタリック体文字は2Xグリシンリンカー(GGGGGG)(配列番号46)を有するFKBP*由来dTAG核酸のインフレーム挿入を示す)。例示されるHR戦略を表す例証を図3に提供する。
CTNNB1ゲノム遺伝子座(配列番号50)
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得られたCTNNB1-dTAGハイブリッド(配列番号51)
aaataatttttgatggcactatatcagaaaacaacttgttaaagaaaatgtggagtttttaaaatcccactgtacctctgttatccaaaggggatctgtgaatttttctgtgaaaggttaaaaaaggagagacctttaggaattcagagagcagctgatttttgaatagtgttttcccctccctggcttttattattacaactctgtgctttttcatcaccatcctgaatatctataattaatatttatactattaataaaaagacatttttggtaaggaggagttttcactgaagttcagcagtgatggagctgtggttgaggtgtctggaggagaccatgaggtctgcgtttcactaacctggtaaaagaggatatgggttttttttgtgggtgtaatagtgacatttaacaggtatcccagtgacttaggagtattaatcaagctaaatttaaatcctaatgacttttgattaactttttttagggtatttgaagtataccatacaactgttttgaaaatccagcgtggacaATGGGAGTGCAGGTGGAAACCATCTCCCCAGGAGACGGGCGCACCTTCCCCAAGCGCGGCCAGACCTGCGTGGTGCACTACACCGGGATGCTTGAAGATGGAAAGAAAGTTGATTCCTCCCGGGACAGAAACAAGCCCTTTAAGTTTATGCTAGGCAAGCAGGAGGTGATCCGAGGCTGGGAAGAAGGGGTTGCCCAGATGAGTGTGGGTCAGAGAGCCAAACTGACTATATCTCCAGATTATGCCTATGGTGCCACTGGGCACCCAGGCATCATCCCACCACATGCCACTCTCGTCTTCGATGTGGAGCTTCTAAAACTGGGGGGGATGGCTACTCAAGgtttgtgtcattaaatctttagttactgaattggggctctgcttcgttgccattaagccagtctggctgagatccccctgctttcctctctccctgcttacttgtcaggctaccttttgctccattttctgctcactcctcctaatggcttggtgaaatagcaaacaagccaccagcaggaatctagtctggatgactgcttctggagcctggatgcagtaccattcttccactgattcagtgagtaactgttaggtggttccctaagggattaggtatttcatcactgagctaaccctggctatcattctgcttttcttggctgtctttcagatttgactttatttctaaaaatatttcaatgggtcatatcacagattctttttttttaaattaaagtaacatttcaatctactaatgctaatactgtttcgtatttatagcCTGATTTGATGGAGTTGGACATGGCCATGGAACCAGACAGAAAAGCGGCTGTTAGTCACTGGCAGCAACAGTCTTACCTGGACTCTGGAATCCATTCTGGTGCCACTACCACAGCTCCTTCTCTGAGTGGTAAAGGCAATCCTGAGGAAGAGGATGTGGATACCTCCCAAGTCCTGTATGAGTGGGAACAGGGATTTTCTCAGTCCTTCACTCAAGAACAAGTAGCTGgtaagagtattatttttcattgccttactgaaagtcagaatgcagttttgagaactaaaaagttagtgtataatagtttaaataaaatgttgtggtgaagaaaagagagtaatagcaatgtcacttttaccatttaggatagcaaatacttaggtaaatgctgaactgtggatagtgagtgttgaattaaccttttccagATATTGATGGACAGTATGCAATGACTCGAGCTCAGAGGGTACGAGCTGCTATGTTCCCTGAGACATTAGATGAGGGCATGCAGATCCCATCTACACAGTTTGATGCTGCTCATCCCACTAATGTCCAGCGTTTGGCTGAACCATCACAGATGCTGAAACATGCAGTTGTAAACTTGATTAACTATCAAGATGATGCAGAACTTGCCACACGTGCAATCCCTGAACTGACA
以下の実施例のいずれにおいても、dFKBP13-oとdFKBP13-pまたはdFKBP7-oとdFKBP7-pのいずれかを使用することができる。
実施例3:
図4は、dFKBP7によるFKBP*融合タンパク質の選択的分解を確認するための例を示す。
dTAGは、内因性野生型FKBPに対するFKBP*特異的リガンドの選択性に基づいている。野生型FKBP12またはFKBP*を発現する293T細胞では、dFKBP7がFKBP*発現細胞においてのみ標的化分解を誘導する。本発明に記載されるヘテロ二官能性化合物で処理した細胞の免疫ブロットを行った。HAタグ付きFKBP12WTまたはFKBP*のいずれかを発現する293FT細胞(CRBN-WTまたはCRBN-/-)を、指示される濃度のdFKBP7で4時間処理した。FKBPWTではなくFKBP*のCRBN依存性分解により、変異FKBP*に対するdFKBP7の選択的活性が確認される。
実施例4:
図5A~Bは、示差的分解活性を測定するためのdFKBPヘテロ二官能性化合物のパネルのプロファイリングの例を示す。
強力かつ選択的なdFKPBヘテロ二官能性化合物を特定するための努力で、標的化FKBP*分解のハイスループット測定を代替レベルのルシフェラーゼによって測定した。ここでは、FKBP*が、FKBP*タンパク質レベルの細胞正規化定量化を可能にする2種類のルシフェラーゼ:ナノルシフェラーゼ(NLuc)およびホタルルシフェラーゼ(FLuc)を有するマルチシストロン性転写産物として外因的に発現される。FKBP*の分解は、指示濃度のdFKBPで4時間処理した野生型(図4A)またはCRBN-/-(図4B)293FT細胞におけるシグナル比(Nluc/Fluc)として測定される。シグナル比の減少は、FKBP*(Nluc)分解を示し、セレブロン依存的にFKBP*を有効に分解する分子が観察される(例、dFKBP7)。
実施例5:
図6は、本発明に記載される二官能性分子であるdFKBP7およびdFKBP13によるFKBP*融合タンパク質の選択的分解の例を示す。
野生型FKBP12またはFKBP*を発現する293T細胞では、dFKBP7およびdFKBP13による処理によって、FKBP*発現細胞でのみ標的化分解が誘導される。同質遺伝子型293FT細胞(CRBN-WTまたはCRBN-/-)を、FKBP12WTまたはFKBP*のいずれかを発現するように操作した。細胞を100nMのdFKBP7またはdFKBP13のいずれかで4時間処理した後、溶解物をウエスタン免疫ブロット分析用に調製した。FKBP12WTでも内因性FKBP12でもなくFKBP*のCRBN依存性分解により、変異FKBP*に対するdFKBP7およびdFKBP13の選択性が確認される。
実施例6:
図7は、二官能性分子dFKBP13によるHAタグ付きFKBP12*の用量依存的分解の例を示している。
FKBP*の分解を誘導するためのdFKB13ヘテロ二官能性化合物の最適濃度を定義するための努力において、漸増濃度のdFKBP13での処理時に分解を測定した。同質遺伝子型293FT細胞(CRBN-WTまたはCRBN-/-)を、HAタグ付きFKBP*を発現するように操作した。細胞を指示用量のdFKBP13で4時間処理した後、溶解物をウエスタン免疫ブロット分析用に調製した。これらのデータは、dFKBP13によるHAタグ付きFKBP*の用量およびCRBN依存性の分解を裏付けている。
実施例7:
図8は、HAタグ付きFKBP*のdFKBP13依存的分解の速度論的制御を示す。
標的化分解FKBP*の速度論的制御を評価するために、dFKBP13を持続時間を延長して投与した。293FT細胞(CRBN-WT)を、HAタグ付きFKBP*を発現するように操作した。細胞を100nM dFKBP13で指示される時間処理した。細胞を収穫し、タンパク質溶解物を免疫ブロットして、dFKBP13によって誘導されるHAタグ付きFKBP*分解の反応速度論を測定した。
実施例8:
図9は、二官能性分子dFKBP13によるFKBP*のCRBNおよびプロテアソーム依存的分解を確認するための例を示している。
293FT細胞(CRBN-WT)を、FKBP*を発現するように操作した。細胞を、dFKBP13で4時間処理する2時間前に、1μMのカルフィルゾミブ(プロテアソーム阻害剤)、0.5μMのMLN4924(NEDD化阻害剤)および10μMのレナリドマイド(CRBN結合リガンド)で前処理した。溶解物を調製し、ウエスタン免疫ブロット分析を行った。dFKBP13によるHAタグ付きFKBP*の分解が、プロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブによって救済され、プロテアソーム機能の要件が確立された。NAE1阻害剤MLN4924による前処理は、進行性E3リガーゼ活性のためにNEDD化を必要とするカリンベースのユビキチンリガーゼについて予想されるように、CRL活性への依存を確立するHAタグ付きFKBP*を救済した。過剰のレナリドマイドによる前処理は、dFKBP13依存性FKBP*分解を廃止し、分解に対するCRBN関与の必要性を確認した。
実施例9:
図10A~Bは、dTAGに融合した際の目的のタンパク質の標的化分解を確認している。
いくつかのタンパク質型にわたるdTAG技術の一般的な有用性を試験するために、MV4;11白血病細胞でdTAGに融合した指示されるタンパク質を発現させた。指示されるdFKBP二官能性分子(dFKBP7およびdFKBP13)で処理すると、ウエスタンブロットによって測定されるように、標的化タンパク質分解が観察された。細胞を指示濃度のFKBP*選択的ヘテロ二官能性化合物で16時間処理し、ナノモル濃度で分解を観察した。
実施例10:
図11は、N末端dTAG-KRASの分解を確認する例を示す。
N末端dTAG-KRASでは、dFKBP7処理によってp-AKTシグナルの強力な分解ならびに下流減少がもたらされ、過剰発現された内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質の生物学的関連性が示唆された。細胞を500nM dFKBP7で指示される時間処理した。細胞を収穫し、免疫ブロットして、FKBP*-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。dTAG KRASの過剰発現は、ウエスタンブロットによって測定されるp-AKTシグナルの観察される増加として、関連する下流シグナル伝達経路の活性化をもたらした。
実施例11:
図12は、dTAG-KRASの分解を誘導するためのdFKBPヘテロ二官能性化合物のプロファイリングを示す。
最も性能の良いdFKBP分子を特定するための努力において、dTAG-KRAS分解を一連のdFKBP分子にわたってプロファイリングした。dTAG-KRASG12Vを発現するNIH3T3細胞のウエスタンブロッティングを、1μMの指示されるdFKBPヘテロ二官能性化合物で24時間処理した。細胞を収穫し、免疫ブロットして、FKBP*-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。データは、dFKBP9、dFKBP12およびdFKBP13がFKBP*-KRASの強力な分解および下流シグナル伝達の阻害を誘導することを示唆している。
実施例12:
図13は、dFKBP13によるdTAG-KRASの標的化分解を確認する例を示す。
dFKBP13ヘテロ二官能性化合物は、ナノモル濃度でdTAG-KRASを強力に分解する。指示される濃度のdFKBP13で24時間処理したKRASのN末端に融合したFKBP*を発現するNIH3T3細胞のウエスタンブロッティング。細胞を収穫し、免疫ブロットして、FKBP*-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。データは、dFKBP13がFKBP*-KRASの強力な分解を誘導し、IC50>100nMで下流シグナル伝達を強力に阻害することを示唆している。
実施例13:
図14は、dFKBP13によるdTAG-KRASの標的化分解の速度論的制御の例を示す。
dTAG-KRASの標的化分解の速度論的制御を評価するために、dFKBP13を持続時間を延長して投与した。1μMのdFKBP13で指示された時間処理したKRASのN末端に融合したFKBP*を発現するNIH3T3細胞のウエスタンブロッティング。細胞を収穫し、免疫ブロットして、FKBP*-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。データは、dFKBP13が、処理後1時間という早さでFKBP*-KRASの強力な分解および下流シグナル伝達の阻害を誘導することを示唆している。
実施例14:
図15は、ヘテロ二官能性化合物dFKBP13によるdTAG-KRASG12VのCRBNおよびプロテアソーム依存的分解を確認するための例を示している。
NIH3T3細胞(CRBN-WT)を、dTAG-KRASG12Vを発現するように操作した。細胞を、dFKBP13で4時間処理する2時間前に、1μMのカルフィルゾミブ(プロテアソーム阻害剤)、0.5μMのMLN4924(NEDD化阻害剤)および10μMのレナリドマイド(CRBN結合リガンド)で前処理した。溶解物を調製し、ウエスタン免疫ブロット分析を行った。dFKBP13によるdTAG-KRASG12Vの分解が、プロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブによって救済され、プロテアソーム機能の要件が確立された。NAE1阻害剤MLN4924による前処理は、進行性E3リガーゼ活性のためにNEDD化を必要とするカリンベースのユビキチンリガーゼについて予想されるように、CRL活性への依存を確立するdTAG-KRASG12V発現を救済した。過剰のレナリドマイドによる前処理は、dFKBP13依存性dTAG-KRASG12V分解を廃止し、分解に対するCRBN関与の必要性を確認した。
実施例15:
図16は、dFKBP13による発癌性dTAG-KRAS対立遺伝子の標的化分解を確認する例を示す。
dFKBP13ヘテロ二官能性化合物は、dTAG-KRAS変異対立遺伝子を強力に分解する。NIH3T3細胞を、WTまたは変異型のアミノ酸グリシン12(G12C、G12DおよびG12V)のいずれかのKRAS対立遺伝子を発現するように操作した。KRAS対立遺伝子のN末端に融合したdTAGを発現するNIH3T3細胞のウエスタンブロッティングを、1μMのdFKBP13で24時間処理した。細胞を収穫し、免疫ブロットして、dTAG-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。データは、dFKBP13がWTおよび変異型KRAS対立遺伝子の強力な分解を誘導し、下流シグナル伝達を強力に阻害することを示唆している。
実施例16:
図17は、dFKBP13による発癌性dTAG-KRAS対立遺伝子の標的化分解を確認する例を示す。
dFKBP13ヘテロ二官能性化合物は、dTAG-KRAS変異対立遺伝子を強力に分解する。NIH3T3細胞を、WTまたは変異KRAS対立遺伝子(G13D、Q61LおよびQ61R)のいずれかを発現するように操作した。KRAS対立遺伝子のN末端に融合したdTAGを発現するNIH3T3細胞のウエスタンブロッティングを、1μMのdFKBP13で24時間処理した。細胞を収穫し、免疫ブロットして、dTAG-KRASの分解およびKRASシグナル伝達の下流代用物(例えば、pMEKおよびpAKT)を測定した。データは、dFKBP13がWTおよび変異型KRAS対立遺伝子の強力な分解を誘導し、下流シグナル伝達を強力に阻害することを示唆している。
実施例17:
図18A~Dは、dTAG-KRASの分解時に誘導される表現型の変化を確認するために行われた実験を示す。
位相差イメージングによって示されるように、dTAG-KRASの過剰発現時にNIH3T3細胞に形態学的変化が観察された。dFKBP13で24時間処理すると、細胞は形態学的に野生型(DMSO対照)状態に戻る。
実施例18:
図19A~Dは、NIH3T3細胞の生存率に対するdTAG-KRAS分解の表現型の重大性を示す。
ATPlite 1-ステップルミネセンス測定法は、ATPと添加ルシフェラーゼおよびD-ルシフェリンの反応によって引き起こされる光の生成に基づいて細胞における細胞増殖および細胞毒性を測定する。シグナルの減少は細胞数の減少を示す。dTAG-KRASを発現するNIH3T3細胞における増殖に対するdFKBP13の効果を評価するために、ATPレベルの代理測定によって生存率を評価した。細胞を、指示濃度のdFKBPで72時間処理し、細胞生存率をATPliteアッセイを用いて測定した。
実施例19:
図20は、NIH3T3細胞の細胞周期プロファイルに対するdTAG-KRAS分解の表現型の重大性を示す。
NIH3T3細胞を、dTAG-KRASG12Vを発現するように操作した。dTAG-KRASG12Vを発現するNIH3T3細胞をdFKBP7およびdFKBP13で48時間処理して、標的化dTAG-KRASG12V分解を誘導した。固定細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、細胞周期分析を行った。S期進入の駆動における内因性KRASG12Vの生物学的役割と一致して、dFKBP7とdFKBP13の両方による処理が、S期進入の減少をもたらした。これらのデータは、細胞生存率でのdTAG-KRASG12V分解に対する観察された効果と一致する。
実施例20:CRISPR-CAS9および相同ドナーベクターの肝臓への送達
標的遺伝子治療は、アデノ随伴もしくはレンチウイルスなどのウイルスと非ウイルスの両方のアプローチ、または脂質ベースの製剤を使用して達成することができる。例えば、単一バイシストロン性ベクター系を使用して、PCKS9またはCTNNB1のいずれかを標的化するsgRNAを送達し、CAS9を隣接するプロモーターから発現させる。CRISPRベクターとドナー相同プラスミドの両方を、がん細胞標的化対正常肝細胞のさらなる特異性を提供するポリ(β-アミノエステル)(PBAE)カチオン性ポリマーに封入させる。PBAEナノ粒子はまた生分解性である、または加水分解によって分解し、したがって内部移行すると腫瘍細胞の細胞質中にプラスミドDNAを放出する。PBAEカプセル化プラスミドDNAは、肝内動脈投与を介して局所的におよび静脈内注射を介して全身的に送達される。組換えが成功し、ヘテロ二官能性化合物を投与した後、局所コア生検を行うと、PCKS9遺伝子産物またはCTNNB1遺伝子産物のいずれかの分解が確認されるだろう。
本明細書を、本発明の実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に示される本発明の範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更を行うことができることを理解するだろう。したがって、本明細書は限定的な意味ではなくむしろ例示的な意味で考えられるべきであり、このような修正は全て本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
ヘテロ二官能性化合物によって結合され得るヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質をコードするゲノム的に組み込まれた核酸配列
を含む形質転換細胞であって;
前記dTAGがEGFR、BCR-ABL、ALK、JAK2、BRAF、Src、LRRK2、PDGFRαまたはRETに由来するアミノ酸配列を含み;
前記dTAGをコードする前記核酸配列が、内因性タンパク質をコードする遺伝子の核酸配列と5’または3’配向でゲノム的にインフレームで組み込まれており;
内因性タンパク質をコードする前記遺伝子の発現が内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質をもたらし;
前記ヘテロ二官能性化合物が、a)前記dTAGを通して前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質、およびb)前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質をユビキチンリガーゼに近接させるようにユビキチンリガーゼに結合することができ;
前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質がユビキチン化され、次いで、プロテアソームによって分解される、
形質転換細胞。
[2]
ヒト細胞である、[1]に記載の形質転換細胞。
[3]
前記ヒト細胞が肝細胞である、[2]に記載の形質転換細胞。
[4]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、非内因性タンパク質由来のアミノ酸配列を含む、[1]から[3]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[5]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53~63から選択されるアミノ酸配列を含む、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[6]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、EGFR由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[7]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53のアミノ酸配列である、[6]に記載の形質転換細胞。
[8]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号54のアミノ酸配列である、[6]に記載の形質転換細胞。
[9]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号55のアミノ酸配列である、[6]に記載の形質転換細胞。
[10]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号56のアミノ酸配列である、[6]に記載の形質転換細胞。
[11]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BCR-ABL由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[12]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号57のアミノ酸配列である、[11]に記載の形質転換細胞。
[13]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号58のアミノ酸配列である、[11]に記載の形質転換細胞。
[14]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、ALK由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[15]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号59のアミノ酸配列である、[14]に記載の形質転換細胞。
[16]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、JAK2由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[17]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号60のアミノ酸配列である、[16]に記載の形質転換細胞。
[18]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BRAF由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[19]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号61のアミノ酸配列である、[18]に記載の形質転換細胞。
[20]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、Src由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[21]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号62のアミノ酸配列である、[20]に記載の形質転換細胞。
[22]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号63のアミノ酸配列である、[20]に記載の形質転換細胞。
[23]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、LKKR2由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[24]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、PDGFRα由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[25]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、RET由来のアミノ酸配列である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[26]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質をコードする前記核酸配列が、機能獲得型変異、増幅または発現増加、単遺伝性疾患、プロテオパシーまたはこれらの組み合わせの結果である疾患に関連する内因性タンパク質をコードする遺伝子とインフレームで挿入される、[1]から[25]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[27]
CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼをコードする核酸配列をさらに含む、[1]から[26]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[28]
前記CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼが、Cas1、CasIB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4およびCpf1から選択される、[27]に記載の形質転換細胞。
[29]
前記核酸が配列番号52のアミノ酸配列で構成されるCas9エンドヌクレアーゼをコードする、[28]に記載の形質転換細胞。
[30]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、前記内因性発現タンパク質の機能を実質的に妨害しない、[1]から[29]のいずれか一項に記載の形質転換細胞。
[31]
対象の遺伝子発現を調節する方法であって、
有効量のヘテロ二官能性化合物を前記対象に投与するステップを含み;
前記対象が、ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質(dTAG)をコードする核酸配列で形質転換された1つまたは複数の形質転換細胞を有し;
前記dTAGが、EGFR、BCR-ABL、ALK、JAK2、BRAF、Src、LRRK2、PDGFRαまたはRETに由来するアミノ酸配列を含み;
前記dTAGをコードする前記核酸配列が、疾患に関連する内因性タンパク質の核酸配列と5’または3’配向でゲノム的にインフレームで組み込まれ;
前記dTAGをコードする前記核酸配列のゲノム配列への挿入によって、発現時に内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質がもたらされ;
前記ヘテロ二官能性化合物が、a)前記dTAGを通して前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質、およびb)前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質をユビキチンリガーゼに近接させるようにユビキチンリガーゼに結合し、
前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質がユビキチン化され、次いで、プロテアソームによって分解される、
方法。
[32]
前記細胞がヒト細胞である、[31]に記載の方法。
[33]
前記ヒト細胞が肝細胞である、[32]に記載の方法。
[34]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、非内因性タンパク質由来のアミノ酸配列を含む、[31]から[33]のいずれか一項に記載の方法。
[35]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53~63から選択されるアミノ酸配列を含む、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[36]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、EGFR由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[37]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53のアミノ酸配列である、[36]に記載の方法。
[38]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号54のアミノ酸配列である、[36]に記載の方法。
[39]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号55のアミノ酸配列である、[36]に記載の方法。
[40]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号56のアミノ酸配列である、[36]に記載の方法。
[41]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BCR-ABL由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[42]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号57のアミノ酸配列である、[41]に記載の方法。
[43]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号58のアミノ酸配列である、[41]に記載の方法。
[44]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、ALK由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[45]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号59のアミノ酸配列である、[44]に記載の方法。
[46]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、JAK2由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[47]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号60のアミノ酸配列である、[46]に記載の方法。
[48]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BRAF由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[49]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号61のアミノ酸配列である、[48]に記載の方法。
[50]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、Src由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[51]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号62のアミノ酸配列である、[50]に記載の方法。
[52]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号63のアミノ酸配列である、[50]に記載の方法。
[53]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、LKKR2由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[54]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、PDGFRα由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[55]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、RET由来のアミノ酸配列である、[31]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[56]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質をコードする前記核酸配列が、機能獲得型変異、増幅または発現増加、単遺伝性疾患、プロテオパシーまたはこれらの組み合わせの結果である疾患に関連する内因性タンパク質をコードする遺伝子とインフレームで挿入される、[31]から[55]のいずれか一項に記載の方法。
[57]
CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼをコードする核酸配列をさらに含む、[31]から[56]のいずれか一項に記載の方法。
[58]
前記CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼが、Cas1、CasIB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4およびCpf1から選択される、[57]に記載の方法。
[59]
前記核酸が配列番号52のアミノ酸配列で構成されるCas9エンドヌクレアーゼをコードする、[58]に記載の方法。
[60]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、前記内因性発現タンパク質の機能を実質的に妨害しない、[31]から[59]のいずれか一項に記載の方法。
[61]
対象の遺伝子過剰発現を減少させる方法であって、
有効量のヘテロ二官能性化合物を前記対象に投与するステップを含み;
前記対象が、ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質(dTAG)をコードする核酸配列で形質転換された1つまたは複数の形質転換細胞を有し;
前記dTAGが、EGFR、BCR-ABL、ALK、JAK2、BRAF、Src、LRRK2、PDGFRαまたはRETに由来するアミノ酸配列を含み;
前記dTAGをコードする前記核酸配列が、タンパク質の過剰発現による疾患に関連する内因性タンパク質の核酸配列と5’または3’配向でゲノム的にインフレームで組み込まれ;
前記dTAGをコードする前記核酸配列のゲノム配列への挿入によって、発現時に内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質がもたらされ;
前記ヘテロ二官能性化合物が、a)前記dTAGを通して前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質、およびb)前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質をユビキチンリガーゼに近接させるようにユビキチンリガーゼに結合し、
前記内因性タンパク質-dTAGハイブリッドタンパク質がユビキチン化され、次いで、プロテアソームによって分解される、
方法。
[62]
前記細胞がヒト細胞である、[61]に記載の方法。
[63]
前記ヒト細胞が肝細胞である、[62]に記載の方法。
[64]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、非内因性タンパク質由来のアミノ酸配列を含む、[61]から[63]のいずれか一項に記載の方法。
[65]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53~63から選択されるアミノ酸配列を含む、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[66]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、EGFR由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[67]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号53のアミノ酸配列である、[66]に記載の方法。
[68]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号54のアミノ酸配列である、[66]に記載の方法。
[69]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号55のアミノ酸配列である、[66]に記載の方法。
[70]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号56のアミノ酸配列である、[66]に記載の方法。
[71]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BCR-ABL由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[72]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号57のアミノ酸配列である、[71]に記載の方法。
[73]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号58のアミノ酸配列である、[71]に記載の方法。
[74]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、ALK由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[75]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号59のアミノ酸配列である、[74]に記載の方法。
[76]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、JAK2由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[77]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号60のアミノ酸配列である、[76]に記載の方法。
[78]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、BRAF由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[79]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号61のアミノ酸配列である、[78]に記載の方法。
[80]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、Src由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[81]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号62のアミノ酸配列である、[80]に記載の方法。
[82]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、配列番号63のアミノ酸配列である、[80]に記載の方法。
[83]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、LKKR2由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[84]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、PDGFRα由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[85]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、RET由来のアミノ酸配列である、[61]から[64]のいずれか一項に記載の方法。
[86]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質をコードする前記核酸配列が、機能獲得型変異、増幅または発現増加、単遺伝性疾患、プロテオパシーまたはこれらの組み合わせの結果である疾患に関連する内因性タンパク質をコードする遺伝子とインフレームで挿入される、[61]から[85]のいずれか一項に記載の方法。
[87]
CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼをコードする核酸配列をさらに含む、[31]から[56]のいずれか一項に記載の方法。
[88]
前記CRISPR RNAガイドエンドヌクレアーゼが、Cas1、CasIB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4およびCpf1から選択される、[87]に記載の方法。
[89]
前記核酸が配列番号52のアミノ酸配列で構成されるCas9エンドヌクレアーゼをコードする、[88]に記載の方法。
[90]
前記ヘテロ二官能性化合物標的化タンパク質が、前記内因性発現タンパク質の機能を実質的に妨害しない、[61]から[89]のいずれか一項に記載の方法。