JP7271892B2 - 酸素インジケーターおよび酸素インジケーターラベル - Google Patents

酸素インジケーターおよび酸素インジケーターラベル Download PDF

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Description

本発明は、変色性能が良好な酸素インジケーターに関する。
酸素はその反応性の高さから、食品や医薬品等の物品の酸化劣化を起こすことが知られている。物品の酸化劣化を抑制するために、例えば物品とともに脱酸素剤を袋に真空包装する方法が採られている。しかし、上記の方法であっても、脱酸素剤の能力の低下や包装材に発生したピンホールから酸素が侵入する等の理由から、包装内の酸素濃度が増加し、その結果、物品の酸化劣化が進行する場合がある。そこで、包装内に酸素インジケーターを入れて、酸素インジケーターの変色機能を利用して包装内の酸素の有無を管理することがなされている。
酸素インジケーターは、酸化還元色素および還元剤を少なくとも含む酸素インジケーター層を構成に有する。酸素インジケーターによる変色機能は、酸化還元色素の還元状態と酸化状態とで呈する色調の違いを利用したものである。
酸素インジケーターは、酸素の有無を高感度で検知すること、変色時間のばらつきが小さいこと、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すこと等が求められる。例えば、特許文献1では、ガスバリア性を有するバリアフィルムと、酸化還元色素、還元剤およびバインダー樹脂を含む酸素インジケーター層と、粘着剤層とをこの順に有する酸素インジケーターラベルが開示されており、上記積層構成とすることで、酸素インジケーターの色素が染み出すことによる酸素検知性の低下が抑制可能であることが開示されている。
また、特許文献2では、透明基材と、アンカーコート層と、酸化還元色素、還元剤、結着材、水またはアルコール系溶剤を含むインキ組成物から形成された酸素インジケーター層と、遮蔽性を有する白色層とをこの順に有する酸素インジケーターが開示されており、上記積層構成とすることで、色差計による測定における測定値のばらつきを小さくすることが開示されている。
特開2017-166970号公報 特開2014-215111号公報
例えば酸素インジケーターを食品と共に包装する場合、食品衛生上、食品と酸素インジケーター層との直接接触を避ける必要がある。また、食品に含まれる油分により酸素インジケーター層から酸化還元色素が析出するのを防ぐ必要がある。そこで、酸素インジケーターは、物品と酸素インジケーター層との接触や酸素インジケーター層の劣化等を防ぐために、酸素インジケーター層の外側に粘着剤層を介して透明保護フィルムが設けられる。このとき、上記粘着剤層に含まれる酸性成分がブリードアウトして酸素インジケーター層に入ると、酸化還元色素の酸化還元反応速度が減速してしまい、酸素の有無を高感度で検知することが難しくなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、酸素の有無を高感度で検知可能であり、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことが可能な酸素インジケーターを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、透明な酸性成分バリア層と、酸性成分を含む第1粘着剤層と、酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、をこの順に有する、酸素インジケーターを提供する。
本発明によれば、酸素インジケーター層と酸性成分を含む第1粘着剤層との間に、透明な酸性成分バリア層がさらに配置されているため、第1粘着剤層からブリードアウトした酸性成分の酸素インジケーター層側への移行を酸性成分バリア層で遮断することができる。これにより、本発明の酸素インジケーターは、酸化還元色素の酸化還元反応速度を維持することができるため、酸素の有無を高感度で検知可能となり、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことができる。
また、本発明は、酸素インジケーターと、第2粘着剤層と、を有し、上記酸素インジケーターは、上記第2粘着剤層側から、基材と、酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、透明な酸性成分バリア層と、酸性成分を含む第1粘着剤層と、酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、をこの順に有する、酸素インジケーターラベルを提供する。
本発明によれば、酸素の有無を高感度で検知可能であり、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことが可能な酸素インジケーターを、被着体の所望の位置に容易に貼付することができる。
本発明は、酸素の有無を高感度で検知可能であり、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことが可能な酸素インジケーターを提供することができるという効果を奏する。
本発明の酸素インジケーターの一例を示す概略断面図である。 本発明の酸素インジケーターラベルの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の酸素インジケーターおよび酸素インジケーターラベルについて、それぞれ説明する。
A.酸素インジケーター
本発明の酸素インジケーターは、基材と、酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、透明な酸性成分バリア層と、酸性成分を含む第1粘着剤層と、酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、をこの順に有する。
図1は、本発明の酸素インジケーターの一例を示す概略断面図である。本発明の酸素インジケーター10は、基材1と、酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層2と、透明な酸性成分バリア層3と、酸性成分を含む第1粘着剤層4と、酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルム5と、をこの順に有する。
例えば、酸化還元色素としてメチレンブルーを含む酸素インジケーター層は、脱酸素下では、還元剤の働きによりメチレンブルーが還元されてロイコメチレンブルーになることで、還元色である無色を呈する。一方、酸素雰囲気下では、ロイコメチレンブルーが周囲の酸素により酸化されてメチレンブルーになることで、青色を呈する。
無色から青色への色の変化はアルカリ性条件下で顕著に発現されることから、酸化還元色素の酸化反応を促進させるために、水酸化マグネシウム等のアルカリ化剤を添加して酸素インジケーター層をアルカリ性にすることがなされる。
所望の空間内にある酸素の有無を高感度で検知するためには、空間内の酸素による酸化還元色素の酸化反応が速やかに進行する必要がある。しかし、第1粘着剤層に含まれる酸性成分が酸素インジケーター層に入ると、移行した酸性成分とアルカリ化剤とが優位に反応してしまい、酸化還元色素の酸化還元反応速度が低下してしまう。その結果、酸素インジケーターは、酸素の有無を高感度で検知することが困難になり、酸素インジケーターは、規定の時間内に変色を完了することができず、変色安定性に劣るという問題が生じる。
これに対し、本発明によれば、酸素インジケーター層と酸性成分を含む第1粘着剤層との間に、透明な酸性成分バリア層がさらに配置されているため、第1粘着剤層からブリードアウトした酸性成分の酸素インジケーター層側への移行を酸性成分バリア層で遮断することができる。これにより、本発明の酸素インジケーターは、酸化還元色素の酸化還元反応速度を維持することができるため、酸素の有無を高感度で検知可能となり、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことができる。
第1粘着剤層に含まれる酸性成分とは、少なくとも1つの酸性基を含むモノマー、オリゴマーまたはポリマーをいう。上記酸性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性ヒドロキシル基等が挙げられる。
以下、本発明の酸素インジケーターの各構成について説明する。
1.酸性成分バリア層
本発明の酸素インジケーターにおける酸性成分バリア層は、酸素インジケーター層と第1粘着剤層との間に配置される透明な層であり、第1粘着剤層からブリードアウトする酸性成分が酸素インジケーター層側へ移行するのを遮断する機能を有する。
本発明の酸素インジケーターにおいて、酸性成分バリア層の第1面には、酸素インジケーター層が配置される。酸性成分バリア層の第1面には、通常、酸素インジケーター層が直接接して配置されるが、酸性成分バリア層の第1面と酸素インジケーター層との間に他の層が介在していてもよい。また、酸性成分バリア層の上記第1面と対向する第2面には、第1粘着剤層が配置される。酸性成分バリア層の第2面には、通常、第1粘着剤層が直接接して配置されるが、酸性成分バリア層の第2面と第1粘着剤層との間に他の層が介在していてもよい。
酸性成分バリア層は、酸素インジケーター層の色調の変化を目視で視認可能な程度の透明性を有する。また、酸性成分バリア層は、通常、無色である。
酸性成分バリア層は、酸素透過性および水蒸気透過性を有する。酸性成分バリア層の酸素透過度および水蒸気透過度については、後述する「4.透明保護フィルム」の項で説明する透明保護フィルムの酸素透過度および水蒸気透過度と同様とすることができる。
酸性成分バリア層は、中性であることが好ましく、通常、酸性成分バリア層のpHは、5以上9以下である。
酸性成分バリア層は、上述した所望の機能を有する層であれば特に限定されない。このような酸性成分バリア層としては、例えば樹脂層等が挙げられる。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、中性の樹脂が挙げられる。中性の樹脂とは、親水性溶剤に溶解する極性を示す置換基を有しない非イオン樹脂である。具体的には、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセチルプロピオネート等のセルロース系樹脂;ブチラール樹脂;ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリエーテル樹脂;ポリアミド樹脂;石油系樹脂等が挙げられる。樹脂層は、これらの樹脂のうち単一若しくは二種以上を含むことができる。
樹脂層は、樹脂の他に、ワックスやシリコン等を含んでいてもよい。また必要に応じてスリップ剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。
具体的な樹脂層としては、ポリオレフィン樹脂を有するオーバープリントニス層(OPニス層)等が挙げられる。
酸性成分バリア層は、第1粘着剤層からブリードアウトした酸性成分が酸性インジケーター層側に移行するのを遮断することが可能な厚みとすることができ、上記厚みは、酸性成分バリア層の種類や組成等に応じて適宜設定することができる。酸性成分バリア層が樹脂層の場合、例えばオーバープリントニス層である場合、上記厚みとして具体的には、1.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
酸性成分バリア層の形成方法は、酸素インジケーター層上に直接形成可能な方法であれば、特に限定されない。酸性成分バリア層が樹脂層である場合、上記樹脂層は、例えば、上述した樹脂組成物を有機溶媒或いは水に溶解または分散して調製したインキを用い、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等の印刷方法或いは塗布方法等により、酸素インジケーター層の表面に施して乾燥させることで形成することができる。
2.酸素インジケーター層
本発明の酸素インジケーターにおける酸素インジケーター層は、酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む。
酸素インジケーター層は、酸素の有無、具体的には酸素濃度の変化に伴って可逆的な色調の変化が起こる層である。詳しくは、酸素インジケーター層は、酸素濃度が高い環境、例えば大気中では、酸化還元色素が酸化を受けた状態であるが、酸素濃度が低い環境に置くと、共存する還元剤の作用により、酸化還元色素は酸化を受けた状態から還元された状態となり、色調の変化が起こる。この酸化還元は可逆的であり、共存する還元剤が消費され、枯渇するまでの間可逆性が持続する。
酸素インジケーター層に含まれる酸化還元色素は、酸化状態と還元状態との間で変色可能な色素であれば特に限定されないが、中でも、酸化状態で有色となり還元状態では無色又は淡色となる色素が好ましい。酸化状態で酸素インジケーター層が有色を呈することで、視認により酸素濃度が高いことを容易に知ることができるからである。
このような色素としては、例えばチアジン系色素、インジゴ系色素、ビオロゲン系色素、アジン系色素、オキサジン系色素等の有機色素、フェロセン系色素等の無機色素を挙げることができる。
より具体的には、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ニュートラルレッド、インジゴカルミン、アシッドレッド、サフラニンT、フェノサフラニン、カプリブルー、ナイルブルー、ジフェニルアミン、キシレンシアノール、ニトロジフェニルアミン、フェロイン、N-フェニルアントラニル酸等が挙げられる。
酸素インジケーター層は、これらの色素のうち一種のみを含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。中でも酸素インジケーター層は、メチレンブルーを含むことが好ましい。メチレンブルーは、汎用で且つ色調を明彩に発現できるからである。
酸素インジケーター層に含まれる還元剤は、酸化還元色素の酸化体を還元することが可能な材料であれば特に限定されない。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸またはその塩;エリソルビン酸またはその塩;D-アラビノース、D-エリスロース、D-ガラクトース、D-キシロース、D-グルコース、D-マンノース、D-フラクトース、D-ラクトース、D-フルクトース等の還元糖;第一スズ塩;第一鉄塩等が挙げられる。酸素インジケーター層は、これらの還元剤のうち一種のみを含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。
酸素インジケーター層に含まれるバインダー樹脂は、公知のインジケーター用インキに用いられる樹脂を適用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えばエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセチルプロピオネート等のセルロース誘導体;ブチラール樹脂;ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリエーテル樹脂;ポリアミド樹脂;石油系樹脂等が挙げられる。酸素インジケーター層は、これらのバインダー樹脂のうち一種のみを含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。
酸素インジケーター層は、さらにアルカリ化剤を含む。酸素インジケーター層をアルカリ性とすることができ、酸化還元色素の酸化還元反応を促進させることができるからである。また、第1粘着剤層から移行した酸性成分が酸素インジケーター層に入ると、上記酸性成分はアルカリ化剤が有する水酸基と反応しやすいため、上記アルカリ化剤による酸化還元反応速度の促進効果が得られにくくなるところ、本発明では、酸素インジケーター層と第1粘着剤層との間に酸性成分バリア層が配置されるため、上記アルカリ化剤による酸化還元反応の促進効果を十分に得ることができる。
酸素インジケーター層に含まれるアルカリ化剤は、公知の材料を適用することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、水酸化マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム塩等の水酸化物、カルボン酸塩、各種塩類等が挙げられる。
中でも長期安定性の点からは水酸化マグネシウムが好ましい。酸素インジケーター層は、これらのアルカリ化剤のうち一種のみを含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。
酸素インジケーター層は、上述した酸化還元色素、還元剤、およびバインダー樹脂、ならびにアルカリ化剤の他に、必要に応じて顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、硬化剤、シランカップリング剤、防錆剤、防腐剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光性向上剤、芳香剤、難燃剤などの添加剤を含んでいてもよい。
酸素インジケーター層は、アルカリ性を示すことが好ましい。酸化還元色素の酸化還元反応速度を高めることができるからである。通常、酸素インジケーター層のpHは8以上である。
酸素インジケーター層は、所望の変色機能を発揮し、変色を視認することが可能となる厚みを有することができ、上記厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。
酸素インジケーター層は、上述した酸化還元色素、還元剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含むインキ組成物を、有機溶剤あるいは水に溶解または分散した酸素インジケーター層形成用インキを調製し、該インキを例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等の印刷方法或いは塗布方法等により、後述する基材の一方の面に施して乾燥することで形成することができる。
3.第1粘着剤層
本発明の酸素インジケーターにおける第1粘着剤層は、酸性成分を含む層であり、透明保護フィルムと酸性成分バリア層との間に配置される。
第1粘着剤層は、酸性成分を含むことから酸性を示す。第1粘着剤層のpHは、通常、1以上7以下である。
第1粘着剤層は、酸素インジケーター層を含む積層体と透明保護フィルムとを貼合するのに十分な粘着力を発揮することが可能な厚みを有することができ、上記厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。
第1粘着剤層は、上述した粘着剤を、所望の印刷方法或いは塗布方法等により酸性成分バリア層の表面に施して乾燥させることで形成することができる。
4.透明保護フィルム
本発明の酸素インジケーターにおける透明保護フィルムは、酸素透過性および水蒸気透過性を有する。透明保護フィルムは、第1粘着剤層の酸素インジケーター層側とは反対側の面に直接接して配置される。
透明保護フィルムは、酸素インジケーター層の色調の変化を目視で視認可能な程度の透明性を有する。また、上記透明保護フィルムは、通常、無色である。
透明保護フィルムは、酸素透過性および水蒸気透過性を示し、透明性を有する熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂フィルムとして具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体などの変性ポリオレフィンフィルム;ポリスチレン、スチレン-メチルメタクリレート共重合体などのポリスチレンフィルム;その他ポリアミドフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリ塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。上記透明保護フィルムは、延伸されていてもよく無延伸であってもよい。
透明保護フィルムは、酸素インジケーター層を保護し、酸素インジケーター層において酸化還元色素の酸化還元反応が進行するために十分な量の酸素および水蒸気を透過することが可能な厚みを有することが好ましく、例えば、20μm以下とすることができ、中でも18μm以上20μm以下が好ましい。
5.基材
本発明の酸素インジケーターにおける基材は、酸素インジケーター層の、第1粘着剤層側とは反対側の面に配置される部材である。基材としては、例えば、紙、合成紙、不織布、合成樹脂フィルム、酸素バリア性を有する透明フィルム、金属箔、無機蒸着フィルム等が挙げられる。
基材は、酸素インジケーター層を支持することが可能な厚みを有することができ、上記厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。
6.任意の構成
本発明の酸素インジケーターは、上述した構成部材の他に、基材と酸素インジケーター層との間に目止剤層を有することができる。基材と酸素インジケーター層との間に目止剤層を設けることで、基材表面を平坦にすることができ、基材上に酸素インジケーター層を形成する際に、酸素インジケーター層を形成するインキが基材に滲み込むのを防ぐことができるからである。
上記目止剤層は、酸性成分バリア性を有することが好ましい。すなわち、本発明の酸素インジケーターは、上記酸素インジケーター層の第1粘着剤層側の面に第1酸性成分バリア層が配置され、上記酸素インジケーター層の基材側の面に第2酸性成分バリア層が配置されていることが好ましい。基材が酸性を示す場合に、上述した目止剤層による機能に加えて、基材からマイグレートした酸性成分が酸素インジケーター層側に移行するのを、上記目止剤層により遮断することができるからである。
7.用途
本発明の酸素インジケーターは、食品、飲料、医療・医薬品等の物品の長期保存環境において、上記物品の保存環境内の酸素の有無を管理する用途に用いることができる。具体的には、物品と共に包装される脱酸素剤の脱酸素状態を検知する用途、包装材の破損等の有無を検知する用途等に用いることができる。中でも、透明保護フィルムの存在により酸素インジケーター層との直接接触を防ぐことができることから、食品用酸素インジケーターとして好適に用いることができる。
B.酸素インジケーターラベル
本発明の酸素インジケーターラベルは、酸素インジケーターと、第2粘着剤層と、を有し、上記酸素インジケーターは、上記第2粘着剤層側から、基材と、酸化還元色素、還元剤およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、透明な酸性成分バリア層と、酸性成分を含む第1粘着剤層と、酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、をこの順に有する。
図2は、本発明の酸素インジケーターラベルの一例を示す概略断面図である。本発明の酸素インジケーターラベル20は、酸素インジケーター10と、第2粘着剤層11と、を有する。図2に示す酸素インジケーター10の層構成は、図1に示した酸素インジケーター10と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、酸素の有無を高感度で検知可能であり、変色時間のばらつきが小さく、規定の時間内に変色が完了する変色安定性を示すことが可能な酸素インジケーターを、被着体の所望の位置に容易に貼付することができる。
以下、本発明の酸素インジケーターラベルについて、構成ごとに説明する。
1.酸素インジケーター
本発明の酸素インジケーターラベルにおける酸素インジケーターについては、上記「A.酸素インジケーター」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
2.第2粘着剤層
本発明の酸素インジケーターラベルにおける第2粘着剤層は、酸素インジケーターの基材側表面に配置され、酸素インジケーターを被着体に貼付するために用いられる部材である。第2粘着剤層の組成については、特に限定されず、一般に、ラベルの粘着剤層に含まれる粘着剤組成物が挙げられる。
3.剥離層
本発明の酸素インジケーターラベルは、上述した構成部材の他に、第2粘着剤層の酸素インジケーター側とは反対側の面に剥離層を有することができる。剥離層は、酸素インジケーターラベルを被着体に貼付する際に、剥離除去される層である。上記剥離層は、第2粘着剤層から剥離可能であればよく、一般にラベル用途に用いられる剥離層を用いることができる。
4.用途
本発明の酸素インジケーターラベルは、食品、飲料、医療・医薬品等の物品の長期保存環境において、上記物品の保存環境内の所望の位置に貼付して、上記保存環境内の酸素の有無を管理する用途に用いることができる。具体的には、物品と共に包装される脱酸素剤の脱酸素状態を検知する用途、包装材の破損等の有無を検知する用途等に用いることができる。中でも、透明保護フィルムの存在により酸素インジケーター層と物品との直接接触を防ぐことができることから、食品用酸素インジケーターラベルとして好適に用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[準備]
下記組成の印刷インキをそれぞれ調製した。
(目止層形成用インキ)
下記材料を用いて目止層形成用インキを調製した。
・ポリオレフィン系樹脂 10質量%
・水酸化マグネシウム 30質量%
・トルエン 60質量%
(酸素インジケーター層形成用インキ)
下記材料を用いて、酸素インジケーター層形成用インキを調製した。
・メチレンブルー 0.05%
・フロキシンB 0.03%
・D-フルクトース 7.58%
・セルロースアセテートプロピオネート 5.73%
・水酸化マグネシウム 21.72%
・エチレングリコール 11.14%
・酢酸エチル 26.87%
・イソプロピルアルコール 26.88%
[実施例1]
厚み80μmのユポ紙(ユポコーポレーション、商品名:FGP80)の一方の面に目止層形成用インキを直接印刷し、乾燥させて目止層を形成した。次に、目止層上に酸素インジケーター層形成用インキを直接印刷し、乾燥させて酸素インジケーター層を形成した。
続いて酸素インジケーター層上に、オーバープリント(OP)ニス(DICG、商品名:AP-1OP、組成:ポリオレフィン系樹脂10%、トルエン90%)を印刷し乾燥させて、酸性成分バリア層として厚み1.2μmのOPニス層を形成した。なお、OPニス層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した断面の画像から5か所の厚みを測定し、その平均値をOPニス層の厚みとした。後述する実施例2~3におけるOPニス層の厚みも、上記の方法で特定した。
次にOPニス層上に、粘着層を有する2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(リンテック、商品名:PP20PLシン7LK)を粘着層がOPニス層側となるように貼り合わせた。これにより、透明保護フィルム/第1粘着剤層/OPニス層/酸素インジケーター層/目止層/基材の積層構成を有する酸素インジケーターを得た。なお、上記積層構成中の「/」は界面を示す。
[実施例2]
酸素インジケーター層上に、酸性成分バリア層として厚み0.8μmのOPニス層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして酸素インジケーターを得た。
[実施例3]
酸素インジケーター層上に、酸性成分バリア層として厚み0.4μmのOPニス層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして酸素インジケーターを得た。
[比較例1]
酸素インジケーター層上に酸性成分バリア層(OPニス層)を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして酸素インジケーターを得た。
[評価]
1.変色性能評価
実施例1~3、および比較例1で得た酸素インジケーターを、それぞれ酸素に曝して好気色(青色)にした状態で、保湿剤および脱酸素剤が同封された袋に入れ、袋内の酸素濃度を0.01%以下に設定した。この状態をスタート(0時間)として、該サンプルの呈色が嫌気色(無色)になるまでの時間を目視で測定した。測定は、温度25℃、湿度60%RH環境下で、変色測定光源としてD6500光源を用い、色見本となるチャートと照らし合わせ、チャート同色となった時間から、その酸素インジケーターの変色完了時間とした。
実施例1~3、および比較例の測定は、それぞれについて複数回行い、各変色完了時間となった比率を求め、下記表1にまとめた。なお、ここでいう1回の測定としては、一連の測定として3度の測定を行い、その平均値を1回の値とした。
Figure 0007271892000001
上記表1の結果より、OPニス層を設けた実施例1~3の酸素インジケーターは、OPニス層を設けなかった比較例1の酸素インジケーターと比較して、変色完了時間が短く、変色性能が向上したことが分かった。また、実施例1~3の酸素インジケーターを比較すると、OPニス層を厚く設けたものの方が変色性能が向上する傾向が見られた。
1 … 基材
2 … 酸素インジケーター層
3 … 酸性成分バリア層
4 … 第1粘着剤層
5 … 透明保護フィルム
10 …酸素インジケーター
11 … 第2粘着剤層
20 … 酸素インジケーターラベル

Claims (2)

  1. 基材と、
    酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、
    透明な酸性成分バリア層と、
    酸性成分を含む第1粘着剤層と、
    酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、
    をこの順に有し、
    前記透明保護フィルムが、2軸延伸ポリプロピレンフィルムである、酸素インジケーター。
  2. 酸素インジケーターと、第2粘着剤層と、を有し、
    前記酸素インジケーターは、前記第2粘着剤層側から、基材と、
    酸化還元色素、還元剤、アルカリ化剤、およびバインダー樹脂を少なくとも含む酸素インジケーター層と、
    透明な酸性成分バリア層と、
    酸性成分を含む第1粘着剤層と、
    酸素透過性および水蒸気透過性を有する透明保護フィルムと、
    をこの順に有し、
    前記透明保護フィルムが、2軸延伸ポリプロピレンフィルムである、酸素インジケーターラベル。
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