JP7271174B2 - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録装置は、商業印刷分野やオフィス印刷分野で使用する機会が増えている。商業印刷分野やオフィス印刷分野で使用されるインクジェット記録装置には、高速で画像を記録するために、予備吐出などの回復動作の回数を少なくすることが求められている。予備吐出とは、インクの吐出頻度の低い吐出口で、インクの粘度上昇による吐出性の低下を抑制するために行う、吐出口の回復処理のひとつである。インクの吐出頻度の低い吐出口で、インクの粘度上昇による吐出性の低下を抑制するために、記録ヘッドを含むインク循環路内でインクを循環させることが知られている(特許文献1参照)。
特開2010-77259号公報
本発明者らは、特許文献1に記載のように、記録ヘッドを含むインク循環路内でインクを循環させることが可能なインクジェット記録装置を使用して、長期間にわたって画像を記録した。その結果、画像に濃度ムラが生じる場合があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、長期間にわたって画像を記録する場合でも、画像の濃度ムラを抑制できるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット記録方法を使用するインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、第1インクが循環するインク循環路、前記インク循環路に第2インクを供給するインク供給路、及び前記インク循環路に連通する記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置を使用して、前記記録ヘッドから前記第1インク及び前記第2インクを含む水性インクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記第1インク中の水の含有量(質量%)、及び前記第2インク中の水の含有量(質量%)の差が、2.00質量%以上であり、前記第1インクが、顔料を含有し、かつ、前記第2インクよりも水の含有量が小さい濃縮インクであり、前記第2インクが、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録方法に関する。
また、本発明は、第1インクが循環するインク循環路、前記インク循環路に第2インクを供給するインク供給路、前記インク循環路に連通する記録ヘッド、並びに前記第1インク及び前記第2インクを含む水性インクを具備するインクジェット記録装置であって、前記第1インク中の水の含有量(質量%)、及び前記第2インク中の水の含有量(質量%)の差が、2.00質量%以上であり、前記第1インクが、顔料を含有し、かつ、前記第2インクよりも水の含有量が小さい濃縮インクであり、前記第2インクが、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録装置に関する。
本発明によれば、長期間にわたって画像を記録する場合でも、画像の濃度ムラを抑制できるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
記録ヘッドを含むインク循環路内のインクを循環させることが可能なインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に述べる。本発明においては、以下、水性インクは、「インク」と記載することがある。各種の物性値は、特に断りのない限り、温度25℃における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を表すものとする。第1インク、及び第2インクは、いずれも水性インクである。
インクジェット記録装置は、インクを循環するインク循環路、インク循環路にインクを供給するインク供給路、及びインク循環路に連通する記録ヘッドを具備する。これにより、記録ヘッドを含むインク循環路内のインクを循環させることが可能となる。このインクジェット記録装置を使用して長期間にわたって画像を記録すると、インク循環路内で長期間にわたってインクが循環することとなる。そのため、吐出口などから、循環しているインク中の水が蒸発しやすい。これにより、インク循環路に新たに供給されるインクと比べて、循環しているインクは、インク中の水の含有量が小さくなり、濃縮される。したがって、インクジェット記録装置内のインク循環路、及びインク供給路で、インク中の水の含有量が異なるインクが存在することになる。本発明においては、便宜上、インク循環路内で循環しているインクを第1インク、インク循環路に供給されるインクを第2インクと表現する。
本発明者らの検討の結果、インクジェット記録装置内のインク循環路、及びインク供給路でインク中の水の含有量が異なる第1インク、及び第2インクが存在する場合、記録される画像に濃度ムラが生じることがわかった。特に、第1インク中の水の含有量、及び第2インク中の水の含有量の差が2.00質量%以上である場合、画像の濃度ムラという課題が顕著に生じることもわかった。さらに、第1インクが顔料を含有する場合、画像の濃度ムラという課題が顕著に生じることもわかった。その理由は、以下の通りである。なお、第1インク、及び第2インクの水の含有量の差は、カールフィッシャー法により各インクの水の含有量を測定することにより算出できる。
長期間にわたって循環している第1インクは、吐出口などからインク中の水が蒸発することで、インク中の水の含有量が小さくなり、濃縮される。一方で、インク循環路に供給される第2インクは、循環している第1インクと異なり、濃縮していないインクである。濃縮している第1インク、及び濃縮していない第2インクは混ざりにくいため、混ざっていない状態のインクが記録ヘッドから吐出されると、記録される画像に濃度ムラが生じてしまう。特に、第1インクが顔料を含有する場合、インク中の水の含有量が小さくなることで、顔料と顔料が近づきやすくなるため、インク中の顔料が凝集しやすい。そのため、第1インク、及び第2インクが混ざっていない状態で記録ヘッドからインクが吐出すると、顔料の凝集物が付着する領域と、付着しない領域で画像の濃度が大きく異なり、記録される画像の濃度ムラを認識しやすい。
そこで、本発明者らは、濃縮している第1インク、及び濃縮していない第2インクが混ざりにくいことで生じる、画像の濃度ムラを抑制するため、第2インクに、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有させることとした。その理由は以下の通りである。
LogP値とは、水溶性有機溶剤の極性を示す指標である。この値が大きいと、極性は低くなり、この値が小さいと、極性は高くなる。LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤は、疎水性が高いため、顔料との親和性が高い。したがって、第2インク中の第1水溶性有機溶剤が第1インク中の顔料の凝集物に近づくことで、第1インク、及び第2インクが混ざりやすくなる。また、インクを循環させることで、インクにせん断力が加わり、第1インク中の顔料の凝集物がほぐれて、動きやすくなる。さらに、インクの循環により、顔料の凝集物に近づいている第2インク中の第1水溶性有機溶剤が動くことで、第1水溶性有機溶剤とともに顔料の凝集物もほぐれて、より動きやすくなる。
界面活性剤は、一般に、顔料と親和性の高い疎水性部位を有するとともに、水と親和性の高い親水性部位も有する。第2インクに、さらに界面活性剤を含有させることで、顔料を速やかに分散させることができ、第1インク、及び第2インクがより混ざりやすくなる。このように、第2インク中の第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤により第1インク中の顔料の凝集物を速やかに分散させることができ、第1インク、及び第2インクがより混ざりやすくなるため、画像の濃度ムラを有効に抑制できる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を記録する。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが好ましい。
<インクジェット記録装置>
記録ヘッドとしては、シリアル型の記録ヘッド(シリアルヘッド)や、ライン型の記録ヘッド(ラインヘッド)を用いることができる。なかでも記録ヘッドは、ラインヘッドであることが好ましい。ラインヘッドは、インクを吐出する吐出口が記録媒体の幅全域にわたって配置されているため、高速に画像を記録することが可能となる。
図1は、記録ヘッドを含むインク循環路内のインクを循環させることが可能なインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。メインタンク1及びサブタンク3は、いずれもインク収容部としての機能を持つ。メインタンク1からインク供給路2を介してサブタンク3へ送られたインクは、インクを循環させる手段としての循環ポンプ4により図中の矢印方向に向かって、インク循環路5内を流れ、フィルタ6を通過して、記録ヘッド7へと送られる。画像データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出する場合は、記録ヘッド7内のインク流路8をインクが流れ、吐出口面9に形成された吐出口からインクが吐出することで、記録媒体(不図示)に画像が記録される。また、予備吐出データに基づいて記録ヘッド7からインクを排出することもできる。画像記録や予備吐出などのために装置外に排出されなかったインクは、再びインク循環路5に戻り、サブタンク3に送られる。このようにして、インクはサブタンク3から記録ヘッド7までの間を循環することで、記録ヘッドを含むインク循環路内のインクを循環させることができる。循環の際の流速(流量)は、装置の構成に応じて適宜に決定すればよいが、例えば、1~50mL/分とすることが好ましく、1~10mL/分とすることがさらに好ましい。
メインタンクに収容することが可能なインクの容量(g)は、80g以上600g以下であることが好ましい。記録ヘッドやインク循環路を含む、メインタンク以外の装置部分のインクの容量(g)は、140g以上150g以下であることが好ましい。
画像データに基づく記録の前に予備加熱を行う場合、吐出口などからインク中の水が特に蒸発しやすく、インクジェット記録装置内のインク循環路、及びインク供給路で第1インク、及び第2インクの水の含有量の差が大きくなりやすい。予備加熱は、インクを吐出するための記録素子近傍に存在する加熱素子などによる加熱である。記録ヘッドから吐出されるインクの温度(℃)は、40℃以上であることが好ましく、45℃以下であることが好ましい。
さらに、インク循環路内でインクを循環させながら脱気を行う場合、吐出口などからインク中の水が特に蒸発しやすく、インクジェット記録装置内のインク循環路、及びインク供給路で第1インク、及び第2インクの水の含有量の差が大きくなりやすい。インクジェット記録装置内でインクを脱気させる手法としては、インク収容部を減圧する方法などが挙げられる。インク収容部を減圧する方法としては、メインタンクやサブタンクを減圧する方法や、メインタンクやサブタンクとは別のインク収容部をインク循環路内に設けて、そのインク収容部を減圧する方法などが挙げられる。液体の表面積を増やすとともに、気泡を抜けやすくするため、スターラーなどを用いてインク収容部内のインクを撹拌したり、インク収容部を振動させたりしてもよい。なかでも、インクを脱気させる手法としては、サブタンクを減圧する方法であることが好ましく、サブタンクに接続した脱気ポンプにより減圧する方法であることがさらに好ましい。
<インク>
第1インクは、顔料を含有する。第2インクは、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有する。
第1インクは、第2インクよりも水の含有量が小さい濃縮インクであることが好ましい。第1インク、及び第2インクは、水以外の成分がほぼ同じであることが好ましい。つまり、第1インク、及び第2インクは、いずれも顔料、第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することが好ましい。さらに、第1インク、及び第2インクの水以外の成分の含有量は、ほぼ同じであることが好ましく、第1インク、及び第2インクの水以外の成分の含有量の差は、±0.50%以下であることが好ましい。特に、第1インクが第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することで、循環している第1インク中での顔料の凝集を抑制できるため、供給される第2インクと混ざりやすくなり、画像の濃度ムラを有効に抑制できる。
以下、インク中の各成分の含有量や比率を記載しているが、これらの値は、濃縮されていない第2インクの値である。水以外の成分の含有量は、第1インク、及び第2インクでほぼ同じであるため、第1インク、及び第2インクの水以外の成分の含有量や比率の好ましい範囲もほぼ同じである。
(顔料)
インクは、顔料を含有する。顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料を挙げることができる。
顔料の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いた樹脂分散顔料や、顔料の粒子表面に親水性基が結合している自己分散顔料などを用いることができる。また、顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型顔料や、顔料の粒子の表面を樹脂などで被覆したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。分散方法が異なる顔料を併用することも可能である。
インク中の顔料の含有量は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上11.00質量%以下であることがより好ましい。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤の極性を示す指標とするLogP(Log Pow)値について説明する。LogP値とは、水とオクタノール(1-オクタノール)の分配係数のことをいう。LogP値は対象物質の水へのなじみやすさに関連する物性値であり、この値が大きいほど極性は低くなる。LogP値は、LogP=Log10/C(Cはオクタノール相中の対象物質の濃度を表し、Cは水相中の対象物質の濃度を表す)の関係式により算出される。LogP値は、JIS Z 7260-107に記載の方法で実験的に求めることもできる。また、商品名「ACD/PhysChem Suite」(ACD/Labs製)などの市販の計算ソフトを利用して求めることもできる。後述する実施例においては、商品名「ACD/PhysChem Suite Version 12.00」(ACD/Labs製)を使用して求めた値を採用した。
通常「水溶性有機溶剤」とは液体を指すものであるが、本発明においては、温度25℃で固体であるものも水溶性有機溶剤に含めることとする。インクに含有させる水溶性有機溶剤としては、温度25℃での蒸気圧が水より低いものが好ましい。水溶性有機溶剤の具体例としては、以下に示すものなどが挙げられる(括弧内の数値は、LogP値を表す)。数平均分子量が1,000であるポリエチレングリコール(-6.35)、数平均分子量が400であるポリエチレングリコール(-2.82)、数平均分子量が200であるポリエチレングリコール(-1.88)、テトラエチレングリコール(-1.88)、ビスヒドロキシエチルスルホン(-1.86)、グリセリン(-1.85)、尿素(-1.66)、トリエチレングリコール(-1.65)、ジエチレングリコール(-1.41)、1,2,6-ヘキサントリオール(-1.39)、エチレングリコール(-1.36)、エチレン尿素(-1.24)、1,3-プロパンジオール(-1.09)、2-ピロリドン(-1.09)、1,2-プロパンジオール(-1.01)、トリメチロールプロパン(-0.97)、1,4-ブタンジオール(-0.77)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(-0.66)、N-メチル-2-ピロリドン(-0.64)、γ-ブチロラクトン(-0.63)、δ-バレロラクタム(-0.57)、1,5-ペンタンジオール(-0.56)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(-0.21)、δ-バレロラクトン(-0.10)、1,6-ヘキサンジオール(-0.05)、イソプロパノール(0.18)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(0.36)、1,2-ヘキサンジオール(0.52)、エチレングリコールモノブチルエーテル(0.83)、1-ペンタノール(1.35)、1,2-オクタンジオール(1.54)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(1.66)などが挙げられる。
[第1水溶性有機溶剤]
インクは、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤を含有する。第1水溶性有機溶剤のLogP値は、1.70以下であることが好ましく、0.60以下であることがさらに好ましい。
第1水溶性有機溶剤の具体例としては、以下に示すものなどが挙げられる(括弧内の数値は、LogP値を表す)。1,3-プロパンジオール(-1.09)、2-ピロリドン(-1.09)、1,2-プロパンジオール(-1.01)、トリメチロールプロパン(-0.97)、1,4-ブタンジオール(-0.77)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(-0.66)、N-メチル-2-ピロリドン(-0.64)、γ-ブチロラクトン(-0.63)、δ-バレロラクタム(-0.57)、1,5-ペンタンジオール(-0.56)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(-0.21)、δ-バレロラクトン(-0.10)、1,6-ヘキサンジオール(-0.05)、イソプロパノール(0.18)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(0.36)、1,2-ヘキサンジオール(0.52)、エチレングリコールモノブチルエーテル(0.83)、1-ペンタノール(1.35)、1,2-オクタンジオール(1.54)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(1.66)などが挙げられる。
なかでも、第1水溶性有機溶剤は、アルカンジオール、及びグリコールエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。水溶性有機溶剤の中でも、アルカンジオール、及びグリコールエーテルは、浸透性が高い。そのため、アルカンジオールやグリコールエーテルは、顔料の凝集物に近づきやすいとともに、第1インク、及び第2インクの間でも移動しやすいため、第1インク、及び第2インクが速やかに混ざる。これにより、画像の濃度ムラをさらに有効に抑制できる。
また、アルカンジオールの炭素数は、水溶性の観点から、8以下であることが好ましい。炭素数が8を超えると、アルカンジオールが立体的に大きくなるため、顔料の凝集物に近づきにくくなる。さらに、第1インク、及び第2インクの間でアルカンジオールが移動しにくくなるため、第1インク、及び第2インクが速やかに混ざりにくい。これにより、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。
グリコールエーテルは、R-(OR-OHで表される。Rは、アルキル基であり、Rは、アルキレン基である。Rの炭素数は、2以上4以下であることが好ましく、Rの炭素数は、2又は3であることが好ましく、nは、1以上3以下であることが好ましい。グリコールエーテルが立体的に大きくなると、顔料の凝集物に近づきにくくなる。さらに、第1インク、及び第2インクの間でグリコールエーテルが移動しにくくなるため、第1インク、及び第2インクが速やかに混ざりにくい。これにより、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。
インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上15.00質量%以下であることが好ましい。第1水溶性有機溶剤の含有量が0.50質量%未満であると、第1水溶性有機溶剤が少ないため、顔料の凝集物に第1水溶性有機溶剤が近づきにくく、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。第1水溶性有機溶剤の含有量が15.00質量%を超えると、第1水溶性有機溶剤が多いため、顔料の粒子表面に、疎水性の高い第1水溶性有機溶剤がより付着する。第1水溶性有機溶剤を介して顔料が凝集しやすいため、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。
第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.10倍以上3.00倍以下であることが好ましく、0.10倍以上2.50倍以下であることがさらに好ましい。
なお、インクが、LogP値が-1.10以上の第1水溶性有機溶剤を含有すれば、さらにLogP値が-1.10未満の水溶性有機溶剤も併用して用いることができる。インク中の全水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に占める、第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の割合(%)は、1.00%以上50.00%以下であることが好ましい。
(界面活性剤)
インクは、界面活性剤を含有する。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。なかでも、界面活性剤は、インクの信頼性の観点から、ノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、アセチレングリコール系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの炭化水素系の界面活性剤、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などのフッ素系の界面活性剤、ポリエーテル変性シロキサン化合物などのシリコーン系の界面活性剤などが挙げられる。なかでも、ノニオン性界面活性剤としては、炭化水素系の界面活性剤であることが好ましく、アセチレングリコール系の界面活性剤であることがさらに好ましい。
なかでも、界面活性剤は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。下記一般式(1)で表される化合物は、x+yが0.0の場合、アセチレングリコール系の界面活性剤であり、x+yが0.0を超えて10.0以下である場合、エチレンオキサイドが付加したアセチレングリコール系の界面活性剤である。一般式(1)で表される化合物は、炭素と炭素の間の三重結合を中心に対称の構造を有しており、かつ親水性部分と疎水性部分のバランスに優れているため、界面、特に顔料の粒子表面にすばやく配向する。そのため、第1水溶性有機溶剤が顔料の凝集物に近づきやすくなり、界面活性剤が顔料の粒子表面にすばやく配向することで、顔料が速やかに分散できる。これにより、第1インク、及び第2インクがより混ざりやすくなり、画像の濃度ムラをさらに有効に抑制できる。
Figure 0007271174000001

(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基であり、x+yは、0.0以上10.0以下である。)
一般式(1)中、R及びRが、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基であることで、顔料の粒子表面にすばやく配向することができる。一般式(1)中、Rの炭素数は4であり、Rの炭素数は1であることが好ましい。
一般式(1)中、x+yは、0.0以上10.0以下であることが好ましい。x+yが10.0を超えると、化合物内にエチレンオキサイド基が多いため、親水性が高まり、顔料の粒子表面にすばやく配向しにくい。これにより、第1インク、及び第2インクが混ざりにくくなり、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。一般式(1)中、x+yは、4.0以上8.0以下であることがさらに好ましい。
インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。さらに、界面活性剤の含有量(質量%)は、第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.03倍以上であることが好ましい。前記質量比率が0.03倍未満であると、第1水溶性有機溶剤に対して界面活性剤が少なく、インク中で顔料が分散されにくいため、画像の濃度ムラを十分に抑制できない場合がある。前記質量比率は、1.50倍以下であることが好ましく、1.00倍以下であることがより好ましく、0.50倍以下であることがさらに好ましい。
界面活性剤の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.02倍以上であることが好ましく、0.05倍以上0.20倍以下であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。水性媒体はさらに、第1水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤を含有してもよい。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではなく、第1水溶性有機溶剤以外のアルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が3.00質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が十分に得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が50.00質量%超であると、インクの保存安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の成分)
インクには、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。なお、これらの添加剤は、一般的にインク中の含有量もかなり少なく、本発明の効果への影響も小さい。このため、本発明においては、これらの添加剤は「水溶性有機溶剤」に含めず、LogP値を算出する対象としない。
(インクの物性)
本発明においては、インクの温度25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、インクの温度25℃における静的表面張力は、28.0mN/m以上45.0mN/m以下であることが好ましい。さらに、インクのpHは、7.0以上9.0以下であることが好ましい。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」、及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かした溶液に、温度5℃で、4-アミノ-1,2-ベンゼンジカルボン酸1.6gを加えた。温度10℃以下を維持するために、アイスバスで撹拌しながら、上記で得られた溶液に、水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。15分撹拌後、比表面積が220m/gであり、DBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6.0gを加え、混合した。さらに、15分撹拌後、得られたスラリーをろ紙(標準用ろ紙No.2、アドバンテック製)でろ過し、カーボンブラックを十分に水洗し、温度110℃のオーブンで乾燥させた。得られたカーボンブラックに水を添加して、カーボンブラックの含有量(固形分)が10.0%である顔料分散液1を得た。顔料分散液1には、粒子表面に-C-(COONa)基が結合している自己分散顔料が含まれていた。その後、イオン交換法を用いて、ナトリウムイオンをカリウムイオンに置換した。
(顔料分散液2)
顔料20.0g、処理剤8.0mmol、硝酸8.0mmol、及び水200.0mLを混合した。顔料としてはC.I.ピグメントイエロー74(Hansa yellow 5GXB、クラリアント製)、処理剤としてはp-アミノフタル酸を用いた。シルヴァーソン混合機を用い、温度25℃、6,000rpm、30分の条件で混合した。得られた混合物に、少量の水に亜硝酸カリウム8.0mmolを溶解させた水溶液をゆっくり添加した。水溶液の添加により、混合物の温度は60℃に達した。温度60℃で、混合物を1時間反応させた。その後、1.0mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて、混合物のpHを10に調製した。そして30分後、混合物に水20.0mLを加え、スペクトラムメンブランを用いて低分子物の除去、及び脱塩を行った。さらに、混合物を水で希釈し、自己分散顔料が含まれる顔料分散液2(顔料の含有量が10.0%)を得た。顔料分散液2には、粒子表面に-C-(COOK)基が結合している自己分散顔料が含まれていた。
(顔料分散液3)
顔料分散液2の調製において、処理剤の量を4.0mmol、顔料の種類をC.I.ピグメントレッド122(Ink Jet Magenta E 02、BASF製)に変更した。それ以外は、顔料分散液2の調製と同様の手順で、顔料分散液3(顔料の含有量が10.0%)を得た。顔料分散液3には、粒子表面に-C-(COOK)基が結合している自己分散顔料が含まれていた。
(顔料分散液4)
顔料分散液2の調製において、処理剤の量を1.6mmol、顔料の種類をC.I.ピグメントブルー15:3(Hostaperm Blue B2G、クラリアント製)に変更した。それ以外は、顔料分散液2の調製と同様の手順で、顔料分散液4(顔料の含有量が10.0%)を得た。顔料分散液4には、粒子表面に-C-(COOK)基が結合している自己分散顔料が含まれていた。
(顔料分散液5)
顔料10.0部、樹脂を含む液体15.0部、及びイオン交換水75.0部を混合した。顔料としてはカーボンブラックを用いた。樹脂を含む液体としては、スチレン-アクリル酸エチル-アクリル酸共重合体を、共重合体の酸価に対して等モル量の水酸化カリウム水溶液で中和し、樹脂の含有量が20.0%である液体を用いた。スチレン-アクリル酸エチル-アクリル酸共重合体は、酸価が150mgKOH/gであり、重量平均分子量が8,000である。この混合物を、粒径0.3mmのジルコニアビーズ200.0部を充填したバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)を用いて、水で冷やしながら5時間分散した。その後、この分散液を遠心分離処理して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルタ(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行った。前記の方法により、顔料が樹脂によって水中に分散された状態の顔料分散液5(顔料の含有量が10.0%、樹脂の含有量が3.0%)を得た。
<インクの調製>
表2~4に記載の各成分を混合した。その際、表1に記載のノニオン性界面活性剤を用いた。十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルタにて加圧ろ過を行い、インクを得た。表2~4において、括弧内に示す数値は、LogP値である。また、調製後のインク1~31は、濃縮されていないインク(第2インク)であり、それぞれ第2インク1~31とする。
Figure 0007271174000002
Figure 0007271174000003
Figure 0007271174000004
Figure 0007271174000005
<評価>
図1に示す主要部を有するインクジェット記録装置のメインタンク1に各インクを充填した。メインタンクの容量は、200gであり、メインタンク以外の容量は、145gであった。図1に示す循環ポンプ4を用いて、5mL/分の速度(流量)でインクを循環させることにより、インクを一定期間濃縮した。濃縮されたインクをそれぞれ第1インク1~31とする。参考例3及び4は、循環ポンプ4を用いなかったため、第1インク30、及び第1インク1は、濃縮されていなかった。
第1インク、及び第2インクの水の含有量の差は、以下のように算出した。記録ヘッドから抜き取った第1インクと、メインタンクから抜き取った第2インクのそれぞれの水の含有量を、カールフィッシャー水分計(MKC-510、京都電子工業製)を用いて、測定した。その際、滴定試薬として、HYDRANAL-Composite 534805-1L-Rを用いた。第1インク、第2インクの各インクの水の含有量の値から、第1インク、及び第2インクの水の含有量の差を算出した。
本発明においては、A又はBを許容できるレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果は、表5に記載する。なお、インクの組成が同じであるものの、インクの循環の有無が異なる実施例1、及び参考例4は、画像の濃度ムラにおいていずれもAランクであった。しかし、記録ヘッドを数ヵ月程度放置した後に、目詰まりした吐出口を吸引して固着したインクを除去する評価を行ったところ、インクを循環しない参考例4と比べて、インクを循環する実施例1は、相対的に良好な結果となった。
(画像の濃度ムラ)
記録ヘッドとしては、ノズル数1024個、ノズル列1列当たりのノズル密度600dpi、1ノズル当たりのインク吐出量5ngの記録素子基板を千鳥状に配置した、ラインヘッドを使用した。第1インク及び第2インクの水の含有量の差が表5に記載の値となるまで、インクを循環させた後、メインタンクに濃縮されていない第2インクを充填した。その後、1/600インチ×1/600インチの単位領域にインク滴を3滴付与する条件で、A4サイズの記録媒体の全面にベタ画像を1枚記録した。記録媒体としては、普通紙(高品位専用紙HR-101S、キヤノン製)を使用した。ベタ画像を目視又はルーペで確認し、以下の評価基準にしたがって、画像の濃度ムラを評価した。
A:目視でもルーペで10倍に拡大しても、画像の濃度ムラが確認されなかった
B:目視では、画像の濃度ムラが確認されなかったものの、ルーペで10倍に拡大すると、画像の濃度ムラが確認された
C:目視で、画像の濃度ムラが確認された。
Figure 0007271174000006

Claims (19)

  1. 第1インクが循環するインク循環路、前記インク循環路に第2インクを供給するインク供給路、及び前記インク循環路に連通する記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置を使用して、前記記録ヘッドから前記第1インク及び前記第2インクを含む水性インクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記第1インク中の水の含有量(質量%)、及び前記第2インク中の水の含有量(質量%)の差が、2.00質量%以上であり、
    前記第1インクが、顔料を含有し、かつ、前記第2インクよりも水の含有量が小さい濃縮インクであり、
    前記第2インクが、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記第1インク中の前記顔料の含有量(質量%)が、0.10質量%以上15.00質量%以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記第1インク中の前記顔料が、樹脂によって分散されてなる請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.50質量%以上15.00質量%以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第1水溶性有機溶剤が、アルカンジオール、及びグリコールエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記アルカンジオールの炭素数が、8以下である請求項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記グリコールエーテルが、R-(OR-OH(式中、Rは炭素数が2以上4以下のアルキル基であり、Rは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、nは1以上3以下である)で表される化合物である請求項又はに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記第2インク中の前記界面活性剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.10質量%以上1.00質量%以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記界面活性剤が、アセチレングリコール系のノニオン性界面活性剤である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記アセチレングリコール系のノニオン性界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 0007271174000007

    (一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基であり、x+yは、0.0以上10.0以下である。)
  11. 前記第2インク中の前記界面活性剤の含有量(質量%)が、前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.03倍以上である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記第2インク中の前記界面活性剤の含有量(質量%)が、前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、1.50倍以下である請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記第2インクがさらに、顔料を含有する請求項1乃至12のいずれか1項にインクジェット記録方法。
  14. 前記第2インク中の前記顔料の含有量(質量%)が、0.10質量%以上15.00質量%以下である請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記記録ヘッドが、ラインヘッドである請求項1乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記インク循環路における前記第1インクの流速が、1~50mL/分である請求項1乃至15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記インク循環路における前記第1インクの流速が、1~10mL/分である請求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記インク供給路は、インク収容部から前記インク循環路に前記第2インクを供給する請求項1乃至17のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  19. 第1インクが循環するインク循環路、前記インク循環路に第2インクを供給するインク供給路、前記インク循環路に連通する記録ヘッド、並びに前記第1インク及び前記第2インクを含む水性インクを具備するインクジェット記録装置であって、
    前記第1インク中の水の含有量(質量%)、及び前記第2インク中の水の含有量(質量%)の差が、2.00質量%以上であり、
    前記第1インクが、顔料を含有し、かつ、前記第2インクよりも水の含有量が小さい濃縮インクであり、
    前記第2インクが、LogP値が-1.10以上である第1水溶性有機溶剤、及び界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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