JP7270933B2 - 作物収穫機 - Google Patents
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Description
これにより、収穫部からの作物の株元が、搬送体の始端部とガイドレールの始端部との間に入り込むと、バネに抗してガイドレールの始端部を上側に押し上げるのであり、作物の株元が搬送体とガイドレールとの間に入り込んで挟持され、搬送体が回転駆動されることによって作物が横倒れ姿勢で搬送される。
この構成において本発明によると、ガイドレールの始端部を付勢する付勢部材の付勢力が、ガイドレールにおける始端部よりも搬送下手側の部分を付勢する付勢部材の付勢力よりも弱いものに設定されており、ガイドレールの始端部が、ガイドレールにおける始端部よりも搬送下手側の部分よりも、搬送体から離れる方向に移動し易い状態となっている。
これにより、収穫部から搬送体及びガイドレールへの作物の株元の受け渡しが円滑に行われるようになる。
これにより、作物の株元が搬送体の始端部とガイドレールの始端部との間に入り込んで挟持されてから、作物の株元が十分な挟持力により搬送体とガイドレールとの間に挟持されて、搬送体により作物が横倒れ姿勢で搬送される。
図1及び図2に示すように、右及び左のクローラ型式の走行装置2により、機体1が支持されており、機体1の前部の左部に収穫部3が設けられ、機体1の前部の右部に運転部4が設けられている。機体1の後部に分離部5が設けられ、機体1の右部に回収部6が設けられている。
図1及び図2に示すように、収穫部3の前部が下側で、収穫部3の後部が上側となるように、収穫部3が側面視で斜めの姿勢で、機体1の前部の左部に前後方向に沿って支持されている。収穫部3が、左右方向に沿った軸芯P1周りに上下揺動可能に、機体1の前部の左部の上部に支持されている。油圧シリンダ14が、機体1の前部と収穫部3とに亘って接続され、油圧シリンダ14により収穫部3が昇降操作される。
前述の(収穫部の構成)に記載のように、起立姿勢の作物Aが収穫部3(搬送ベルト12)の終端部に達すると、作物Aは、姿勢変更部21により起立姿勢から横倒れ姿勢に変更されながら、搬送チェーン22に受け渡される。
図9,12,13に示すように、搬送チェーン22は、外側部材31、内側部材32、搬送接続部材である接続ピン34及びカラー35、位置決めピン33を有して、無端のチェーン状に構成されている。
図3及び図5に示すように、ガイドレール23が、搬送チェーン22に対して上側の位置を搬送チェーン22に沿って、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)の後部から、搬送チェーン22の終端部の近傍まで配置されている。
つまり、前記ガイドレール23は、作物搬送方向に沿って列状に連結された多数のレール部材40の組み合わせによって構成されている。そして、レール部材同士40,40は、互いの連結箇所となるピン39を揺動中心として、搬送体である搬送チェーン22から上側へ離れる方向で相対揺動可能に構成されている。
図3,5,6,8に示すように、機体1の左部の上部に、前後方向に沿って支持フレーム44が支持されている。図8及び図11に示すように、パイプ状のガイド部材45が支持フレーム44に沿って所定間隔を空けて配置されており、ガイド部材45が支持フレーム44に上下方向に沿って取り付けられている。
支持ロッド46が上下動することにより、ガイドレール23(レール部材40)が、搬送チェーン22(下限位置B11)から上側に離れる方向に移動可能に支持されている。
複数のバネ52,53が、ガイドレール23に沿って所定の間隔を空けて配置されており、バネ52,53は、ガイドレール23(レール部材40)を搬送チェーン22に向けて付勢する。
上記の付勢部材であるバネ52,53は、付勢対象がレール部材40,40同士の連結箇所であるものと、その連結箇所のうちの最前端の連結箇所よりも前方位置のレール部材40を付勢対象としたものと、がある。
レール部材40,40同士の連結箇所を付勢対象としたバネ52,53(連結箇所付勢部材に相当する)は、ガイドレール23を構成するレール部材40,40同士の各連結箇所に設けられた支持ロッド46に装着されて、その連結箇所を搬送チェーン22に向けて付勢している。
レール部材40,40同士の連結箇所のうちの最前端の連結箇所(前から2本目の支持ロッド46に装着された部位(図3、図11参照))よりも前方位置のレール部材40を付勢対象としたバネ53(前端レール部付勢部材に相当する)は、最前端の連結箇所よりも前方位置に設けられた支持ロッド46(前から1本目の支持ロッド46(図3、図11参照))に装着されて、レール部材40を搬送チェーン22に向けて付勢している。
図3,5,6,11に示すように、複数の支持ロッド46のうち、ガイドレール23の始端部の2本の支持ロッド46において、ナット49が廃止されて、バネ受け部材50が接続部材48に接触して支持されている。バネ52よりもバネ定数が小さく(柔らかく)且つ全長が長いバネ53が、バネ受け部材50,51の間に取り付けられている。
すなわち、上述した付勢部材としてのバネ52,53において、レール部材40,40同士の連結箇所のうちの最前端の連結箇所を付勢対象としたバネ53(前から2本目の支持ロッド46に装着)、及びその最前端の連結箇所よりも前方位置のレール部材40を付勢対象としたバネ53(前から1本目の支持ロッド46に装着)は、最前端の連結箇所よりも後方位置の連結箇所を付勢対象としたバネ52の付勢力よりも弱いものに設定されている。
短いバネ52のバネ受け部材50が支持ロッド46の上下中間部分に設けられ、長いバネ53のバネ受け部材50が接続部材48の位置に設けられていることにより、全てのレール部材40(支持ロッド46)の下限位置B11が同じ位置となっている。
上記のガイドレール23の始端部で2本の支持ロッド46に支持されたレール部材40は、2本の支持ロッド46のうちの搬送方向での終端側に位置する支持ロッド46が、連結ピン39を介して後続のレール部材40の始端部にも連結されている。この連結箇所が、レール部材40同士の連結箇所のうちの最前端の連結箇所である。そして、前記2本の支持ロッド46のうちで、最前端の連結箇所を押圧付勢するバネ53よりも搬送方向での始端側に位置する支持ロッド46は、始端部のレール部材40のうちの前記連結箇所よりも始端側寄りの箇所を搬送チェーン22に向けて押圧付勢するバネ53を備えている。
これによって、始端部における上記の2本の支持ロッド46のそれぞれに装着されたバネ53,53の上限位置B21は、最前端の連結箇所よりも後方に位置する前記バネ52の上限位置B22よりも、搬送チェーン22から離れた高い位置に設定されている。
図3及び図5に示すように搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)が、ガイドレール23の始端部よりも収穫部3に近い側である前側に位置しており、ガイドレール23から下側に離れるように、ガイドレール23の始端部から収穫部3に向けて斜め下方に延出されている。
図1,2,5に示すように、収穫部3の終端部の上部に、姿勢変更部21が斜め上方の後方に向けて支持されている。姿勢変更部21は、上及び下の平板状のガイド部55と、ガイド部55の間に支持された無端チェーン56及び爪体57とを有しており、無端チェーン56及び爪体57が、平面視で図2の時計方向に回転駆動される。
図1及び図2に示すように、運転座席65が運転部4に設けられており、防塵カバー62が、平面視で運転部4(運転座席65)と姿勢変更部21との間に設けられている。
図5,6,7に示すように、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)において、株元ガイド部77が、搬送チェーン22(接続ピン34)の突出部34aに対して上側の位置を、平面視で搬送チェーン22(接続ピン34)の突出部34aと重複するように、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)に沿って前後方向に配置されている。
図5,6,7に示すように、起立姿勢の作物Aが、収穫部3の右及び左の搬送ベルト12により挟持されながら搬送されて、収穫部3の搬送ベルト12の終端部に達すると、作物Aの株元A1が株元ガイド部77に接触して、作物Aの株元A1が搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)に向けて案内される。
これにより、作物Aの株元A1が、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)と、ガイドレール23の始端部との間に入り込み易く、搬送チェーン22とガイドレール23との間に挟持(支持)され易い。
図1,2,14,15に示すように、搬送チェーン22により搬送さる作物Aから実A2を分離する分離部5が、搬送チェーン22に対して右側に配置されている。
唐箕69の選別風が回収コンベア66の後部と搬送コンベア67との間を後方に流れているので、屑は、搬送コンベア67に落下せずに選別風により後方に飛ばされて、送り出し回転体68の回転により地面に放出される。搬送コンベア67に落下した実A2は、搬送コンベア67により回収部6に搬送される。
図8,14,15に示すように、第1の上側の回転体115が、平面視で搬送チェーン22に対して右側に配置され、平面視で搬送チェーン22と交差する方向で且つ水平方向に沿った軸芯P11周りに回転駆動可能に、分離部5の壁部19と壁部20とに亘って支持されている。
第2の上側の回転体17が、平面視で搬送チェーン22に対して右側に配置され、平面視で搬送チェーン22と交差する方向で且つ水平方向に沿った軸芯P21周りに回転駆動可能に、壁部19と壁部20とに亘って支持されている。
図8及び図16に示すように、第1の上側及び下側の回転体15,16は、軸部80、本体部81及び突出部82を有している。
軸部80は、断面6角形状である。4個の突出部82が軸部80に連結されており、突出部82の先端部は、硬質ゴムにより形成されている。
図14及び図15に示すように、分離部5において、壁部63,64が壁部20に対して外側に設けられ、駆動軸70が壁部63,64に亘って支持されている。駆動軸70のプーリー70cに伝動ベルト83が取り付けられており、エンジン(図示せず)の動力が伝動ベルト83を介して駆動軸70に伝達される。
図14~図17に示すように、駆動軸70により、第2の下側の回転体18が回転方向C2に回転駆動される。駆動軸70,71の伝動ギヤ70a,71aの咬合により、駆動軸70の動力が逆方向の動力として駆動軸71に伝達されて、第2の上側の回転体17が回転方向C1に回転駆動されており、第2の上側及び下側の回転体17,18が互いに逆方向に回転駆動される。
図14及び図15に示すように、株元支持部85が分離部5の内部に設けられており、株元支持部85は、第1部材86と第2部材87とを有している。
前述の(収穫部の搬送ベルトの終端部から搬送チェーンの始端部への作物の受け渡しの状態)及び図8,12,14,15に示すように、作物Aが横倒れ姿勢となりながら、作物Aの株元A1が搬送チェーン22とガイドレール23との間に挟持(支持)されるのであり、作物Aが分離部5の内部に入ると直ぐに、作物Aは第1の上側の回転体15と第1の下側の回転体16との間に入る。
これにより、作物Aの実A2が付く部分が作物Aが株元A1側に圧縮され座屈して折れ曲がったりするようなことがなく、作物Aから実A2が無理なく分離される。
図6,8,12に示すように、平板状の作物案内部材54が、搬送チェーン22(接続ピン34)の突出部34aに対して下側に配置され、搬送チェーン22に沿って、ガイドレール23の始端部から終端部に亘って配置されている。
これに加えて、搬送チェーン22(接続ピン34)の突出部34aが、作物Aの株元A1における搬送チェーン22から分離部5の反対側(左側)に出る部分にも掛かり、搬送チェーン22の作物Aの支持部分(内側部材32及び外側部材31)以外の部分にも、搬送チェーン22の搬送作用が与えられる。これにより、分離部5において、作物Aが横倒れ姿勢で安定して搬送される。
搬送チェーン22が機体1の右部に配置されて、分離部5(回転体15~18)が、平面視で搬送チェーン22に対して左側に配置されてもよい。
ガイドレール23が、搬送チェーン22に対して下側に配置されてもよい。
この構成において、ガイドレール23(レール部材40)が、搬送チェーン22に接近した上限位置から下側に移動可能に支持され、バネ52,53により搬送チェーン22に向けて上側に付勢される。
ガイドレール23の始端部の下限位置(限度位置の相当)が、ガイドレール23における始端部よりも搬送下手側の部分の下限位置(限度位置に相当)よりも、搬送チェーン22から下側に離れた位置に設定される。
ガイドレール23が搬送チェーン22に対して下側に配置された場合、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)が、ガイドレール23の始端部よりも収穫部3に近い側に位置し、且つ、ガイドレール23から上側に離れるように、ガイドレール23の始端部から収穫部3に向けて斜め上方に延出されてもよい。
ガイドレール23が搬送チェーン22に対して下側に配置された場合、案内部材61がガイドレール23の始端部から収穫部3に向けて、搬送チェーン22の始端部(ガイドレール25の部分)から下側に離れるように、斜め下方に延出されてもよい。
コイル型式のバネ52,53に代えて、板状のバネ(図示せず)やゴム等を付勢部材として使用してもよい。
バネ52,53において、限度位置が同じ位置に設定されてもよい。
5 分離部
22 搬送チェーン(搬送体)
23 ガイドレール
49 ナット(付勢力調節部)
52 バネ(付勢部材)
53 バネ(付勢部材)
61 案内部材
A 作物
A1 株元
A2 実
B21 上限位置(限度位置)
B22 上限位置(限度位置)
Claims (6)
- 圃場の作物を収穫する収穫部と、
前後方向に沿って移動するように回転駆動される無端の搬送体と、
前記搬送体に対して上側又は下側の位置を前記搬送体に沿って配置され、前記搬送体から上側又は下側の離れる方向に移動可能に支持されたガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って所定の間隔を空けて配置され、前記ガイドレールを前記搬送体に向けて付勢する複数の付勢部材と、
前記搬送体に対して右側又は左側に配置された分離部とが備えられ、
前記収穫部により収穫された作物の株元が、前記搬送体の始端部と前記ガイドレールの始端部との間から、前記搬送体と前記ガイドレールとの間に挟持されて、前記搬送体が回転駆動されることにより作物が横倒れ姿勢で搬送され、前記分離部において前記搬送体により搬送される作物から実が分離され、
前記ガイドレールが、作物搬送方向に沿って列状に連結された多数のレール部材の組み合わせによって構成され、
前記レール部材同士が、互いの連結箇所を揺動中心として、前記搬送体から上側又は下側へ離れる方向で相対揺動可能に構成され、
前記付勢部材が、前記レール部材同士の連結箇所を前記搬送体に向けて押圧付勢する連結箇所付勢部材と、
前記連結箇所付勢部材のうちの最前端に位置する前記連結箇所付勢部材よりも前方位置において前記レール部材を前記搬送体に向けて押圧付勢する前端レール部付勢部材と、を備え、
前記付勢部材のうち、前記前端レール部付勢部材と、最前端に位置する前記連結箇所付勢部材と、の付勢力が、最前端に位置する前記連結箇所付勢部材よりも後方に位置する前記連結箇所付勢部材の付勢力よりも弱いものに設定されている作物収穫機。 - 前記ガイドレールが前記搬送体から上側又は下側に離れる方向に移動する限度位置は、
前記ガイドレールの始端部における前記前端レール部付勢部材との連結部位、及び最前端に位置する前記連結箇所付勢部材との連結部位の前記限度位置が、前記ガイドレールにおける前記最前端に位置する前記連結箇所付勢部材との連結部位よりも後方に位置する前記連結箇所付勢部材との連結部位の前記限度位置よりも、前記搬送体から離れた位置に設定されている請求項1に記載の作物収穫機。 - 前記搬送体の始端部が、前記ガイドレールの始端部よりも前記収穫部に近い側に位置し、且つ、前記ガイドレールから下側又は上側に離れるように、前記ガイドレールの始端部から前記収穫部に向けて斜め下方又は斜め上方に延出されている請求項1又は2に記載の作物収穫機。
- 前記ガイドレールの始端部から前記収穫部に向けて、前記搬送体の始端部から上側又は下側に離れるように、斜め上方又は斜め下方に延出された案内部材が備えられている請求項3に記載の作物収穫機。
- 前記ガイドレールにおける始端部よりも搬送下手側の部分を付勢する前記付勢部材の付勢力を調節可能な付勢力調節部が備えられている請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の作物収穫機。
- 前記付勢部材が、バネであり、
前記ガイドレールの始端部を付勢する前記バネのバネ定数が、前記ガイドレールにおける始端部よりも搬送下手側の部分を付勢する前記バネのバネ定数よりも小さいものに設定されている請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の作物収穫機。
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