JP7265466B2 - レジスト除去システムおよびレジスト除去方法 - Google Patents

レジスト除去システムおよびレジスト除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジスト除去システムおよびレジスト除去方法に関する。
半導体デバイス用シリコン基板や液晶パネル用ガラス基板等の基板上の不要となったレジストを除去するレジスト除去方法は、一般に、プラズマを利用するドライプロセスと、薬液を使用するウェットプロセスに分けられる。ドライプロセスには、酸素プラズマ中に基板を晒すアッシングや、オゾン及びUV照射による酸化除去などがある。一方、ウェットプロセスには、市販のレジスト剥離液(有機溶剤)による方法や、硫酸と過酸化水素水の混合溶液(いわゆる硫酸過水)による方法などがある。
しかしながら、従来のドライプロセスで基板上のレジストを剥離除去する場合には、プラズマ発生装置という高価な装置を必要とし、しかも、処理温度が250℃以上と高温になり、基板がこの高温に晒されるため、回路に与えるダメージが大きいという問題がある。またウェットプロセスで基板上のレジストを剥離除去する場合には、大量の薬液を使用するため、ランニングコストが大きく、しかも環境へ与える負荷が大きいという問題がある。
特許文献1では、環境への負荷が小さいレジスト除去方法として、オゾンまたは酸素のマイクロバブルを含有する純水を利用する方法が提案されている。
特許第6501191号
しかしながら、マイクロバブルを含有する液体を利用して基板の洗浄を行う場合、製品のレジスト塗布状況のばらつきによるレジスト残りが懸念される。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、微小気泡含有液により基板の洗浄を行う際に、レジスト残りを改善できるレジスト除去システムおよびレジスト除去方法を提供することにある。
また、マイクロバブルを含有する液体を利用して基板の洗浄を行う場合、いかに早くレジストを剥離しやすい状況にできるかが重要な点である。
微小気泡含有液により基板の洗浄を行う際に、より早くレジストを剥離しやすい状況にできるレジスト除去システムおよびレジスト除去方法を提供することが望まれる。
一態様に係るレジスト除去システムは、
基板を保持して回転させる回転保持部と、
前記基板表面に微小気泡含有液を供給可能な微小気泡発生ノズルであって、揺動ノズルを含む微小気泡発生ノズルと、
前記揺動ノズルを前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動させるノズル揺動部と、
前記回転保持部による前記基板の回転と前記ノズル揺動部による前記揺動ノズルの揺動とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記微小気泡発生ノズルから前記基板表面に微小気泡含有液を供給する際に、前記揺動ノズルを揺動させずに、前記基板の回転速度を第1回転速度にし、次いで、前記揺動ノズルを揺動させながら、前記基板の回転速度を前記第1回転速度より速い第2回転速度まで上げる。
別の態様に係るレジスト除去システムは、
回転される基板表面に微小気泡含有液を供給する微小気泡発生ノズルと、
前記基板表面のレジストを検出するセンサと、
前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を停止した状態で、前記センサの検出結果に基いて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断し、除去未完の場合には、前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を再開する制御部と、
を備える。
図1は、一実施の形態に係るレジスト除去システムの概略構成を示す平面図である。 図2は、一実施の形態に係るレジスト除去システムの概略構成を示す側面図である。 図3は、液体供給部の概略構成を示す図である。 図4は、一実施の形態に係るレジスト除去方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、一実施の形態の一変形例に係るレジスト除去システムの概略構成を示す平面図である。 図6は、一実施の形態の一変形例に係るレジスト除去システムの概略構成を示す側面図である。
実施形態の第1の態様に係るレジスト除去システムは、
基板を保持して回転させる回転保持部と、
前記基板表面に微小気泡含有液を供給可能な微小気泡発生ノズルであって、揺動ノズルを含む微小気泡発生ノズルと、
前記揺動ノズルを前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動させるノズル揺動部と、
前記回転保持部による前記基板の回転と前記ノズル揺動部による前記揺動ノズルの揺動とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記微小気泡発生ノズルから前記基板表面に微小気泡含有液を供給する際に、前記揺動ノズルを揺動させずに、前記基板の回転速度を第1回転速度にし、次いで、前記揺動ノズルを揺動させながら、前記基板の回転速度を前記第1回転速度より速い第2回転速度まで上げる。
このような態様によれば、揺動ノズルを揺動させながら基板を第2回転速度で回転させて基板表面からレジストを除去する前に、基板の回転速度を第2回転速度より遅い第1回転速度にすることで、遠心力により基板表面から外側に逃げる微小気泡含有液の量が減少するため、微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。また、揺動ノズルを揺動させないため、揺動ノズルから吐出される微小気泡含有液の着水部分が受ける圧力が大きくなり(すなわち小さい面積に集中的に圧力をかけることができ)、この圧力によってレジストを剥離する「とっかかり」としての穴を形成でき、レジストが剥離しやすくなる。そして、その後に揺動ノズルを揺動させることで、穴が形成されて「とっかかり」ができたところから、レジストと基板との隙間に微小気泡含有液が入り込むようにされ、高速回転による遠心力と着水部分の揺動によりレジストが勢いよく剥離される。そのため、レジスト除去レートを上げることができる。
実施形態の第2の態様に係るレジスト除去システムは、第1の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記制御部は、前記揺動ノズルを前記基板表面の中心部と対向する位置から周縁部と対向する位置へと揺動させるときに、前記揺動ノズルの揺動速度を徐々に遅くし、前記揺動ノズルを前記基板表面の周縁部と対向する位置から中心部と対向する位置へと揺動させるときに、前記揺動ノズルの揺動速度を徐々に速くする。
このような態様によれば、基板表面の周縁部に近いほど大きな遠心力を受けることで微小気泡含有液が外側に逃げやすいが、基板表面の周縁部に近いほど揺動ノズルの揺動速度を遅くすることにより、微小気泡含有液の供給量が増えるため、基板表面の周縁部において微小気泡含有液が不足することを防止できる。これにより、基板表面の周縁部において微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。
実施形態の第3の態様に係るレジスト除去システムは、第1または2の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記制御部は、前記揺動ノズルを揺動させるときに、前記基板の回転方向を予め定められた時間毎に逆転させる。
このような態様によれば、基板の回転方向を予め定められた時間毎に逆転させることで、基板表面に形成された配線パターンなどの凹部に対して微小気泡含有液の流れ込む向きを交互に変えることができるため、微小気泡含有液の流れの圧力により凹部内のレジストが剥離しやすくなる。
実施形態の第4の態様に係るレジスト除去システムは、
基板を保持して回転させる回転保持部と、
前記基板表面に微小気泡含有液を供給可能な微小気泡発生ノズルであって、揺動ノズルを含む微小気泡発生ノズルと、
前記揺動ノズルを前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動させるノズル揺動部と、
前記回転保持部による前記基板の回転と前記ノズル揺動部による前記揺動ノズルの揺動とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記微小気泡発生ノズルから前記基板表面に微小気泡含有液を供給する際に、前記揺動ノズルを揺動させながら、前記基板の回転方向を予め定められた時間毎に逆転させる。
このような態様によれば、基板の回転方向を予め定められた時間毎に逆転させることで、基板表面に形成された配線パターンなどの凹部に対して微小気泡含有液の流れ込む向きを交互に変えることができため、微小気泡含有液の流れの圧力により凹部内のレジストが剥離しやすくなる。したがって、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
実施形態の第5の態様に係るレジスト除去システムは、第1~4のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記微小気泡発生ノズルに液体を供給する液体供給部と、
前記液体供給部から前記微小気泡発生ノズルへと供給される液体を加熱するヒーターと、
をさらに備える。
このような態様によれば、基板表面に供給される微小気泡含有液の温度を上げることができるため、基板からレジストを浮かせるリフトアップ効果がはたらき、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
実施形態の第6の態様に係るレジスト除去システムは、第1~5のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記基板の裏面に温水を供給して前記基板を加熱する基板加熱部
をさらに備える。
このような態様によれば、基板の温度を上げることができるため、基板からの熱伝導により基板表面に供給された微小気泡含有液の温度を上げることができ、これにより、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
実施形態の第7の態様に係るレジスト除去システムは、第1~6のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の周縁部と対向する位置に固定された固定ノズルをさらに含む。
このような態様によれば、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部に対して、揺動ノズルから供給される微小気泡含有液に加えて、固定ノズルからも微小気泡含有液が供給されることで、基板表面の周縁部において微小気泡含有液が不足することを防止できる。
実施形態の第8の態様に係るレジスト除去システムは、第1~7のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記基板表面のレジストを検出するセンサ
をさらに備え、
前記制御部は、前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を停止した状態で、前記センサの検出結果に基いて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断し、除去未完の場合には、前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を再開する。
このような態様によれば、微小気泡含有液により基板の洗浄を行う際に、センサにより基板表面のレジストが検出され、センサの検出結果に基いてレジスト除去状況が判断され、製品のレジスト塗布状況のばらつきなどによりレジスト残りがあったとしても、除去未完と判断された場合には微小気泡含有液の供給が再開されるため、レジスト残りを改善することができる。
実施形態の第9の態様に係るレジスト除去システムは、第8の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、色判別センサ、膜厚センサ、距離センサ、画像センサのうちの少なくとも1つを含む。
実施形態の第10の態様に係るレジスト除去システムは、第8または9の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、前記基板表面の周縁部のレジストを検出する。
このような態様によれば、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部においてレジストの検出を確実に行うことができる。
実施形態の第11の態様に係るレジスト除去システムは、第8~10のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記基板表面に乾燥ガスを供給するガスノズル
をさらに備える。
このような態様によれば、センサによるレジスト検出前に、ガスノズルから供給される乾燥ガスにより基板表面上における微小気泡含有液の液膜の厚みが低減されることにより、センサによるレジストの検出精度を高めることができる。
実施形態の第12の態様に係るレジスト除去システムは、第11の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記ガスノズルは、前記基板表面の周縁部に向けて前記乾燥ガスを供給する。
このような態様によれば、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部において、ガスノズルから供給される乾燥ガスにより微小気泡含有液の液膜の厚みが低減されることにより、周縁部におけるレジストの検出精度を高めることができる。
実施形態の第13の態様に係るレジスト除去方法は、
回転される基板表面に微小気泡発生ノズルから微小気泡含有液を供給し、前記基板表面からレジストを除去する方法であって、
前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動可能な揺動ノズルを有し、
前記微小気泡発生ノズルから前記基板表面に微小気泡含有液を供給する際に、前記揺動ノズルを揺動させずに、前記基板の回転速度を第1回転速度にし、次いで、前記揺動ノズルを揺動させながら、前記基板の回転速度を前記第1回転速度より速い第2回転速度まで上げる。
このような態様によれば、揺動ノズルを揺動させながら基板を第2回転速度で回転させて基板表面からレジストを除去する前に、基板の回転速度を第2回転速度より遅い第1回転速度にすることで、遠心力により基板表面から外側に逃げる微小気泡含有液の量が減少するため、微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。また、揺動ノズルを揺動させないため、揺動ノズルから吐出される微小気泡含有液の着水部分が受ける圧力が大きくなり(すなわち小さい面積に集中的に圧力をかけることができ)、この圧力によってレジストを剥離する「とっかかり」としての穴を形成でき、レジストが剥離しやすくなる。そして、その後に揺動ノズルを揺動させることで、穴が形成されて「とっかかり」ができたところから、レジストと基板との隙間に微小気泡含有液が入り込むようにされ、高速回転による遠心力と着水部分の揺動によりレジストが勢いよく剥離される。そのため、レジスト除去レートを上げることができる。
実施形態の第14の態様に係るレジスト除去方法は、
回転される基板表面に微小気泡発生ノズルから微小気泡含有液を供給し、前記基板表面からレジストを除去する方法であって、
前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動可能な揺動ノズルを有し、
前記微小気泡発生ノズルから前記基板表面に微小気泡含有液を供給する際に、前記揺動ノズルを揺動させながら、前記基板の回転方法を予め定められた時間毎に逆転させる。
このような態様によれば、基板の回転方向を予め定められた時間毎に逆転させることで、基板表面に形成された配線パターンなどの凹部に対して微小気泡含有液の流れ込む向きを交互に変えることができため、微小気泡含有液の流れの圧力により凹部内のレジストが剥離しやすくなる。したがって、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
実施形態の第15の態様に係るレジスト除去システムは、
回転される基板表面に微小気泡含有液を供給する微小気泡発生ノズルと、
前記基板表面のレジストを検出するセンサと、
前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を停止した状態で、前記センサの検出結果に基いて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断し、除去未完の場合には、前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を再開する制御部と、
を備える。
このような態様によれば、微小気泡含有液により基板の洗浄を行う際に、センサにより基板表面のレジストが検出され、センサの検出結果に基いてレジスト除去状況が判断され、製品のレジスト塗布状況のばらつきなどによりレジスト残りがあったとしても、除去未完と判断された場合には微小気泡含有液の供給が再開されるため、レジスト残りを改善することができる。
実施形態の第16の態様に係るレジスト除去システムは、第15の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動される揺動ノズルを含む。
このような態様によれば、揺動ノズルから微小気泡含有液が供給されることで、回転される基板表面全体に微小気泡含有液を提供することができる。
実施形態の第17の態様に係るレジスト除去システムは、第16の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の周縁部と対向する位置に固定された固定ノズルをさらに含む。
このような態様によれば、固定ノズルから微小気泡含有液が供給されることで、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部に微小気泡含有液を十分に提供することができる。
実施形態の第18の態様に係るレジスト除去システムは、第15~17のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、色判別センサ、膜厚センサ、距離センサ、画像センサのうちの少なくとも1つを含む。
実施形態の第19の態様に係るレジスト除去システムは、第15~18のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、前記基板表面の周縁部のレジストを検出する。
このような態様によれば、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部においてレジストの検出を確実に行うことができる。
実施形態の第20の態様に係るレジスト除去システムは、第15~19のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記基板表面に乾燥ガスを供給するガスノズルをさらに備える。
このような態様によれば、センサによるレジスト検出前に、ガスノズルから供給される乾燥ガスにより基板表面上における微小気泡含有液の液膜の厚みが低減されることにより、センサによるレジストの検出精度を高めることができる。
実施形態の第21の態様に係るレジスト除去システムは、第20の態様に係るレジスト除去システムであって、
前記ガスノズルは、前記基板表面の周縁部に向けて前記乾燥ガスを供給する。
このような態様によれば、回転される基板表面のうちレジストが残りやすい周縁部において、ガスノズルから供給される乾燥ガスにより微小気泡含有液の液膜の厚みが低減されることにより、周縁部におけるレジストの検出精度を高めることができる。
実施形態の第22の態様に係るレジスト除去システムは、第15~21のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、前記基板表面を撮像して撮像画像を生成する画像センサを含み、
レジストが完全に除去された状態の前記基板表面の撮像画像のカラーチャートが前記制御部のメモリに記憶されており、
前記制御部は、前記画像センサから微小気泡含有液供給後の基板表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像のカラーチャートを、メモリに予め記憶されているカラーチャートと比較し、その差分に基づいて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断する。
実施形態の第23の態様に係るレジスト除去システムは、第15~21のいずれかの態様に係るレジスト除去システムであって、
前記センサは、前記基板表面を撮像して撮像画像を生成する画像センサを含み、
レジストが完全に除去された状態の前記基板表面の撮像画像からピクセルデータが抽出され、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングが行われてRGB相対値が決定され、当該RGB相対値が前記制御部のメモリに記憶されており、
前記制御部は、前記画像センサから微小気泡含有液供給後の基板表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像からピクセルデータを抽出し、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングを行ってRGB相対値を決定し、当該RGB相対値を、メモリに予め記憶されているRGB相対値と比較し、その差分に基づいて、基板表面のレジスト除去状況を判断する。
実施形態の第24の態様に係るレジスト除去方法は、
回転される基板表面に微小気泡含有液を供給するステップと、
前記微小気泡含有液の供給を停止した状態で、前記基板表面のレジストをセンサにより検出するステップと、
前記センサの検出結果に基いて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断し、除去未完の場合には、前記微小気泡含有液の供給を再開するステップと、
を含む。
このような態様によれば、微小気泡含有液により基板の洗浄を行う際に、センサにより基板表面のレジストが検出され、センサの検出結果に基いてレジスト除去状況が判断され、製品のレジスト塗布状況のばらつきなどによりレジスト残りがあったとしても、除去未完と判断された場合には微小気泡含有液の供給が再開されるため、レジスト残りを改善することができる。
以下に、添付の図面を参照して、実施の形態の具体例を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
図1は、一実施の形態に係るレジスト除去システム10の概略構成を示す平面図であり、図2は、同側面図である。
図1および図2に示すように、レジスト除去システム10は、回転保持部18と、微小気泡発生ノズル11a、11bと、ノズル揺動部16と、第1センサ12および第2センサ120(以下、センサ12、120ということがある)と、ガスノズル13と、制御部14とを有している。
このうち回転保持部18は、基板Wを保持して回転させるものであり、たとえば回転テーブルが用いられる。図示された例では、回転保持部18は、基板Wを水平に保持するとともに、保持した基板Wを鉛直な回転軸線回りに回転する。
微小気泡発生ノズル11a、11bは、たとえば流路にオリフィスが設けられ、ガス溶解液がそのオリフィスを通過する際の圧力解放によって微小気泡が発生する構造で、マイクロバブル、ナノバブルと呼ばれる気泡を発生させることが可能なノズルである。なお、本明細書において、マイクロバブルとは直径50μm以下の気泡をいい、ナノバブルとは直径50nm以下の気泡をいう。
図1および図2に示すように、微小気泡発生ノズル11a、11bは、回転保持部18に保持された基板Wの表面と対向できる位置(図示された例では鉛直上方)に配置されており、微小気泡発生ノズル11a、11bには、液体(たとえばオゾン水)を供給する液体供給部15が接続されている。
図3は、液体供給部15の概略構成を示す図である。図3に示すように、液体供給部15は、ポンプ151と、オゾンガス発生器152と、混合器153と、気液分離器154と、濃度計155と、オゾンガス分解器156とを有している。
ポンプ151から吐出される超純水と、オゾンガス発生器152にて生成されるオゾンガスとが、混合器153(たとえばアスピレーターやエジェクター)にて混合されて、オゾン水が生成される。生成されたオゾン水は、気液分離器154にて貯留されたのち、濃度計155を通って、微小気泡発生ノズル11a、11bへと供給される。また、気液分離器154にてオゾン水から分離したオゾンガスは、オゾンガス分解器156にて分解されたのち、大気中に排出される。
図1および図2に示すように、液体供給部15から微小気泡発生ノズル11a、11bへと液体(オゾン水)が供給されると、微小気泡発生ノズル11a、11bは、供給される液体(オゾン水)から微小気泡含有液を生成し、生成された微小気泡含有液を基板Wの表面へと供給する。
図1および図2に示すように、微小気泡発生ノズル11a、11bは、揺動ノズル11aと固定ノズル11bとを有している。
図示された例では、ノズル揺動部16は、鉛直方向に延びる回転軸と、回転軸を鉛直な回転軸線回りに回転させる回転駆動部(たとえばモータ)と、回転軸の上端部から水平方向に延びるアーム部とを有しており、揺動ノズル11aは、ノズル揺動部16のアーム部の先端部に固定されている。
ノズル揺動部16の回転駆動部(たとえばモータ)が回転軸を回転させることにより、アーム部は回転軸とともに鉛直な回転軸線回りに揺動(水平に旋回)され、これにより、アーム部の先端部に固定された揺動ノズル11aは、基板Wの表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動される。
なお、本明細書において、基板Wの表面の周縁部とは、基板Wの表面のうち最も外側の環状の部位であり、その幅は基板Wのサイズ等に応じて適宜決定され得るが、たとえば基板Wの直径の10分の1以下であってもよいし、20分の1以下であってもよいし、30分の1以下であってもよい。具体的には、たとえば、直径300mmの基板Wの場合、その周辺部の幅は約10mmであってもよい。
回転される基板Wの表面に対して、基板Wの表面の中心部と周縁部との間で揺動される揺動ノズル11aから微小気泡含有液が供給されることで、基板Wの表面全体に微小気泡含有液を効率的に供給することができる。
固定ノズル11bは、基板Wの表面の周縁部と対向する位置に第1固定治具17aを用いて固定されている。揺動ノズル11aから供給される微小気泡含有液は、基板Wの周縁部の近くに供給されるものほど大きな遠心力を受けることにより、基板Wの表面に留まりづらく(留まる時間が短く)、そのために揺動ノズル11aのみからの微小気泡含有液の供給では、基板Wの周縁部において微小気泡含有液が不足してレジストが残りやすくなるものの、揺動ノズル11aだけでなく固定ノズル11bからも微小気泡含有液が供給されることにより、回転される基板Wの表面のうちレジストが残りやすい周縁部に対して、微小気泡含有液を十分に供給することが可能である。
センサ12、120は、回転保持部20に保持された基板Wの表面と対向できる位置(図示された例では鉛直上方)に配置されており、基板Wの表面のレジストを検出する。
センサ12、120は、色判別センサ、膜厚センサ、距離センサのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。色判別センサは、レジストの色とその下の基板Wの色との違い(すなわち反射光の波長領域の違い)を利用して、基板Wの表面に残るレジストを検出するセンサであり、たとえばCCDカメラを用いることができる。膜厚センサは、たとえば光干渉方式によりレジストの膜厚を測定することにより、基板Wの表面に残るレジストを検出するセンサである。距離センサは、基板Wの表面までの距離を測定することにより、基板Wの表面に残るレジストを検出するセンサである。
センサ12、120は、画像センサを含んでいてもよい。画像センサは、基板表面を撮像して撮像画像を生成する撮像装置(カメラ)であり、たとえば基板表面から反射または放射される光を受光して2次元の電子情報に変換するCCDカメラやCMOSカメラを用いることができる。
図示された例では、第1センサ12は、基板Wの表面の周縁部と対向する位置に固定治具18を用いて固定されており、基板Wの表面の周縁部のレジストを検出するようになっている。また、第2センサ120は、基板Wの表面の中心部と対向する位置に不図示の固定治具を用いて固定されており、基板Wの表面全体のレジスト状態を検出するようになっている。
ガスノズル13は、回転保持部20に保持された基板Wの表面と対向できる位置(図示された例では鉛直上方)に配置されている。ガスノズル13には、乾燥ガス(たとえば窒素や空気)を供給するガス供給部19が接続されている。ガス供給部19から供給される乾燥ガスは、ガスノズル13を介して基板Wの表面に供給される。
図示された例では、ガスノズル13は、第1センサ12と同じ固定治具18を用いて、基板Wの表面の周縁部と対向する位置に固定されており、ガスノズル13から供給される乾燥ガスは、基板Wの表面の周縁部(図示された例では、第1センサ12の検出部位)に向けて供給される。
制御部14は、1つまたは複数のコンピュータによって構成されている。制御部14は、回転保持部18に接続されており、回転保持部18による基板の回転(回転速度および回転方向)を制御する。また、制御部14は、ノズル揺動部16に接続されており、ノズル揺動部16による揺動ノズル11aの揺動(揺動速度および揺動方向)を制御する。さらに、制御部14は、液体供給部15に接続されており、液体供給部15のバルブの開閉を切り換えることにより、微小気泡発生ノズル11a、11bからの微小気泡含有液の供給の開始と停止とを切り替える。また、制御部14は、センサ12、120に接続されており、センサ12、120からレジストの検出結果(たとえばCCDカメラによる画像データ)を取得する。また、制御部14は、ガス供給部19に接続されており、ガスノズル13からの乾燥ガスの供給を制御する。
本実施の形態では、制御部14は、微小気泡発生ノズル11a、11bから基板Wの表面に微小気泡含有液を供給する際に、揺動ノズル11aを揺動させずに、基板Wの回転速度を第1回転速度にし、次いで、揺動ノズル11aを揺動させながら、基板Wの回転速度を第1回転速度より速い第2回転速度まで上げる。ここで、第2回転速度は、基板Wのサイズ等に応じて適宜決定され得るが、たとえば300rpmであってもよい。また、第1回転速度は、基板Wのサイズ等に応じて適宜決定され得るが、たとえば0rpm(ゼロ回転)であってもよい。
揺動ノズル11aを揺動させながら基板Wを第2回転速度で回転させて基板Wの表面からレジストを除去する前に、基板Wの回転速度を第2回転速度より遅い第1回転速度にすることで、遠心力により基板Wの表面から外側に逃げる微小気泡含有液の量が減少するため、微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。また、このとき、揺動ノズル11aを揺動させないため、揺動ノズル11aから吐出される微小気泡含有液の着水部分が受ける圧力が大きくなり(すなわち小さい面積に集中的に圧力をかけることができ)、この圧力によってレジストを剥離する「とっかかり」としての穴を形成でき、レジストが剥離しやすくなる。そして、その後に揺動ノズル11aを揺動させることで、穴が形成されて「とっかかり」ができたところから、レジストと基板Wとの隙間に微小気泡含有液が入り込むようにされ、高速回転による遠心力と着水部分の揺動によりレジストが勢いよく剥離される。そのため、レジスト除去レートを上げることができる。
制御部14は、揺動ノズル11aを基板Wの表面の中心部と対向する位置から周縁部と対向する位置へと揺動させるときに、揺動ノズル11aの揺動速度を徐々に遅くし、揺動ノズル11aを基板Wの表面の周縁部と対向する位置から中心部と対向する位置へと揺動させるときに、揺動ノズル11aの揺動速度を徐々に速くしてもよい。具体的には、たとえば、制御部14は、揺動ノズル11aを基板Wの表面の中心部と対向する位置から周縁部と対向する位置へと揺動させるときに、揺動ノズル11aの揺動速度を20mm/秒から10mm/秒へと徐々に遅くし、揺動ノズル11aを基板Wの表面の周縁部と対向する位置から中心部と対向する位置へと揺動させるときに、揺動ノズル11aの揺動速度を10mm/秒から20mm/秒へと徐々に速くしてもよい。
基板Wの表面の周縁部に近いほど大きな遠心力を受けることで微小気泡含有液が外側に逃げやすいが、基板Wの表面の周縁部に近いほど揺動ノズル11aの揺動速度を遅くすることにより、微小気泡含有液の供給量が増えるため、基板Wの表面の周縁部において微小気泡含有液が不足することを防止できる。これにより、基板Wの表面の周縁部において微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。
また、制御部14は、揺動ノズル11aを揺動させるときに、基板Wの回転方向を予め定められた時間毎に逆転させてもよい。基板Wの回転方向を予め定められた時間毎に逆転させることで、基板Wの表面に形成された配線パターンなどの凹部に対して微小気泡含有液の流れ込む向きを交互に変えることができるため、微小気泡含有液の流れの圧力により凹部内のレジストが剥離しやすくなる。
図1および図2に示すように、レジスト除去システム10は、ヒーター21a、21bと、基板加熱部20とをさらに有していてもよい。
ヒーター21a、21bは、液体供給部15と微小気泡発生ノズル11a、11bとを接続する配管に取り付けられており、液体供給部15から微小気泡発生ノズル11a、11bへと供給される液体(たとえばオゾン水)を加熱する。基板Wの表面に供給される微小気泡含有液の温度を、たとえば50℃~60℃まで上げることにより、基板Wからレジストを浮かせるリフトアップ効果がはたらき、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
基板加熱部20は、回転保持部18に保持された基板Wの裏面と対向する位置に配置されており、基板Wの裏面に温水を供給することにより基板Wを加熱する。基板Wの温度を上げることにより、基板Wからの熱伝導によって基板Wの表面に供給された微小気泡含有液の温度を上げることができため、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
本実施の形態では、制御部14は、回転される基板Wの表面に微小気泡発生ノズル11a、11bから微小気泡含有液を供給し、基板Wの表面からレジストを除去する処理を行ったのち、基板Wの回転を停止(または低速回転)するとともに、微小気泡発生ノズル11a、11bからの微小気泡含有液の供給を停止した状態で、センサ12、120の検出結果に基いて、基板Wの表面のレジスト除去状況を判断する。
具体的には、たとえば、制御部14は、微小気泡含有液供給前のセンサ12、120の検出結果と、微小気泡含有液供給後のセンサ12、120の検出結果とを比較して、その差分を算出することにより、基板Wの表面のレジスト除去状況を判断する(たとえば、その差分が予め定められた閾値より小さい場合には、レジストの除去が未完であると判断する)。
一変形例として、センサ12、120が画像センサ(カメラ)の場合には、レジストが完全に除去された状態の基板Wの表面の撮像画像のカラーチャートが予め用意されて制御部14のメモリに記憶されており、制御部14は、センサ12、120から微小気泡含有液供給後の基板Wの表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像のカラーチャートを、メモリに予め記憶されているカラーチャート(レジストが完全に除去された状態についてのカラーチャート)と比較し、その差分に基づいて、基板Wの表面のレジスト除去状況を判断してもよい(たとえば、その差分が予め定められた閾値より小さい場合には、レジストの除去が完了したと判断してもよい)。
別の変形例として、センサ12、120が画像センサ(カメラ)の場合には、レジストが完全に除去された状態の基板Wの表面の撮像画像からピクセルデータが抽出され、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングが行われてRGB相対値が決定され、当該RGB相対値が制御部14のメモリに予め記憶されており、制御部14は、センサ12、120から微小気泡含有液供給後の基板Wの表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像からピクセルデータを抽出し、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングを行ってRGB相対値を決定し、当該RGB相対値を、メモリに予め記憶されているRGB相対値(レジストが完全に除去された状態についてのRGB相対値)と比較し、その差分に基づいて、基板Wの表面のレジスト除去状況を判断してもよい(たとえば、その差分が予め定められた閾値より小さい場合には、レジストの除去が完了したと判断してもよい)。ここで「RGB相対値」とは、たとえばRGB信号を0~255のレベルをもつ256の強度レベルで表示するときのR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の数値(0~255のいずれか)である。RGB相対値としては、対象とする領域について、色の面積の平均値(たとえば5×5ピクセルの領域については当該領域に含まれる25ピクセルの各々のRGB相対値の平均値)を採用してもよいし、X軸Y軸の2軸を規定したときにY軸方向は平均値を採用するがX軸方向は平均値を採用せずに色変化を見てもよい(たとえば5×5ピクセルの領域についてはX=0の列に含まれる5ピクセルの各々のRGB相対値の平均値と、X=1の列に含まれる5ピクセルの各々のRGB相対値の平均値と、X=2の列に含まれる5ピクセルの各々のRGB相対値の平均値と、X=3の列に含まれる5ピクセルの各々のRGB相対値の平均値と、X=4の列に含まれる5ピクセルの各々のRGB相対値の平均値の計5つの数値を(当該5つの数値の平均値はとらずに)それぞれ採用してX軸方向における色変化を見てもよい)。なお、実際のカメラピクセルはもっと多く、たとえば1024×1024以上でもよい。
なお、基板Wの回転を停止せずに低速回転する場合には、第1センサ12において基板Wの表面の周縁部1周のレジストが検出されるため、制御部14は、第1センサ12の検出結果に基いて、基板Wの表面の周縁部1周のレジスト除去状況を判断できる。「低速回転」の速度は、第1回転速度以下であってもよい。
また、制御部14は、レジストの除去が未完であると判断した場合には、基板Wの回転を再開するとともに、微小気泡発生ノズル11a、11bからの微小気泡含有液の供給を再開する。製品のレジスト塗布状況のばらつきなどにより基板Wの表面にレジスト残りがあったとしても、除去未完と判断された場合には微小気泡含有液の供給が再開されるため、レジスト残りを改善することができる。
次に、このような構成からなるレジスト除去システム10によるレジスト除去方法の一例ついて説明する。図4は、レジスト除去方法の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、微小気泡含有液の供給前に、回転保持部20に保持された基板Wの表面のレジストがセンサ12、120により検出される(ステップS10)。センサ12、120の検出結果は、制御部14に記憶される。
次に、回転保持部18に保持された基板Wの回転速度が第1回転速度にされるとともに、揺動ノズル11aを揺動させることなく、微小気泡発生ノズル11a、11bから基板Wの表面に微小気泡含有液が供給される(ステップS11)。微小気泡含有液が基板Wの表面のレジストに接触することで、基板Wの表面のレジストが微小気泡含有液中に剥離・溶解して除去される。
ステップS11が予め定められた時間継続されたのち、ノズル揺動部16によって揺動ノズル11aが揺動されるとともに、回転保持部18によって基板Wの回転速度が第1回転速度より速い第2回転速度まで上げられる(ステップS12)。回転される基板Wの表面に対して、基板Wの表面の中心部と周縁部との間で揺動される揺動ノズル11aから微小気泡含有液が供給されることで、基板Wの表面全体に微小気泡含有液を効率的に供給することができる。
ステップS12において、揺動ノズル11aが基板Wの表面の中心部と対向する位置から周縁部と対向する位置へと揺動されるときに、揺動ノズル11aの揺動速度が徐々に遅くされ、揺動ノズル11aが基板Wの表面の周縁部と対向する位置から中心部と対向する位置へと揺動されるときに、揺動ノズル11aの揺動速度が徐々に速くされてもよい。基板Wの表面の周縁部に近いほど大きな遠心力を受けることで微小気泡含有液が外側に逃げやすいが、基板Wの表面の周縁部に近いほど揺動ノズル11aの揺動速度を遅くすることにより、微小気泡含有液の供給量が増えるため、基板Wの表面の周縁部において微小気泡含有液が不足することを防止できる。これにより、基板Wの表面の周縁部において微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。
また、ステップS12において、基板Wの回転方向が予め定められた時間毎に逆転されてもよい。この場合、基板Wの表面に形成された配線パターンなどの凹部に対して微小気泡含有液の流れ込む向きを交互に変えることができるため、微小気泡含有液の流れの圧力により凹部内のレジストが剥離しやすくなる。
ステップS11およびステップS12のいずれか一方または両方において、液体供給部15から微小気泡発生ノズル11a、11bへと供給される液体(オゾン水)がヒーター21a、21bにより加熱されてもよい。基板Wの表面に供給される微小気泡含有液の温度を上げることにより、基板Wからレジストを浮かせるリフトアップ効果がはたらき、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
ステップS11およびステップS12のいずれか一方または両方において、基板加熱部20から基板Wの裏面に温水が供給され、基板Wが加熱されてもよい。この場合、基板Wの温度が上がるため、基板Wからの熱伝導により基板Wの表面に供給された微小気泡含有液の温度を上げることができ、これにより、より早くレジストを剥離しやすい状況にできる。
ステップS12が予め定められた洗浄時間継続されたのち、回転保持部18による基板Wの回転が停止(または低速回転)されるとともに、微小気泡発生ノズル11a、11bからの微小気泡含有液の供給が停止される(ステップS13)。
次に、ガスノズル13から基板Wの表面に乾燥ガスが供給され、基板Wの表面上における微小気泡含有液の液膜に乾燥ガスが作用され、基板Wの表面上における微小気泡含有液の液膜の厚みが低減される(ステップS14)。
次いで、センサ12、120により基板Wの表面のレジストが検出される(ステップS15)。ステップS14において、ガスノズル13から供給される乾燥ガスにより基板Wの表面上における微小気泡含有液の液膜の厚みが低減されているため、微小気泡含有液による検出光の吸収を低減することでき、センサ12、120によるレジストの検出精度を高めることができる。センサ12、120の検出結果は、制御部14に記憶される。
次に、制御部14が、センサ12、120の検出結果に基いて、基板Wの表面のレジスト除去状況を判断する(ステップS16)。具体的には、たとえば、ステップS10にて取得されたセンサ12、120の検出結果と、ステップS14において取得されたセンサ12、120の検出結果とを比較し、その差分を算出し、その差分が予め定められた閾値以上であれば、レジストの除去が完了したと判断し、その差分が予め定められた閾値より小さければ、レジストの除去が未完であると判断する。ステップS13において基板Wが停止されずに低速回転される場合には、ステップS15において第1センサ12により基板Wの表面の周縁部1周のレジストが検出され、これにより、ステップS16において制御部14は、第1センサ12の検出結果に基いて、基板Wの表面の周縁部1周のレジスト除去状況を判断できる。
制御部14は、第1センサ12と第2センサ120とを用いて2段階でレジストの除去状況を判断してもよい。すなわち、制御部14は、ステップS10にて取得された第1センサ12の検出結果と、ステップS14において取得された第1センサ12の検出結果とを比較し、その差分を算出し、その差分が予め定められた閾値以上であれば、少なくとも周縁部ではレジストの除去が完了したと判断し、その差分が予め定められた閾値より小さければ、レジストの除去が未完であると判断する。次に、少なくとも周縁部ではレジストの除去が完了したと判断された場合には、制御部14は、ステップS10にて取得された第2センサ120の検出結果と、ステップS14において取得された第2センサ120の検出結果とを比較し、その差分を算出し、その差分が予め定められた閾値以上であれば、表面全体にてレジストの除去が完了(「最終的に完全に終了」)したと判断し、その差分が予め定められた閾値より小さければ、レジストの除去が未完であると判断してもよい。
そして、レジストの除去が完了(2段階で判断する場合には「最終的に完全に終了
」)したと判断された場合には(ステップS17:YES)、処理を終了する。
他方、レジストの除去が未完であると判断された場合には(ステップS17:NO)、ステップS11に戻って、回転保持部20による基板Wの第1回転速度での回転が再開されるとともに、微小気泡発生ノズル11a、11bからの微小気泡含有液の供給が再開される。
以上のような本実施の形態によれば、ステップS12において揺動ノズル11aを揺動させながら基板Wを第2回転速度で回転させて基板Wの表面からレジストを除去する前に、ステップS11において基板Wの回転速度を第2回転速度より遅い第1回転速度にすることで、遠心力により基板Wの表面から外側に逃げる微小気泡含有液の量が減少するため、微小気泡含有液とレジストとの接触時間が長くなり、レジストが剥離しやすくなる。また、ステップS11において揺動ノズル11aを揺動させないため、揺動ノズル11aから吐出される微小気泡含有液の着水部分が受ける圧力が大きくなり(すなわち小さい面積に集中的に圧力をかけることができ)、この圧力によってレジストを剥離する「とっかかり」としての穴を形成でき、レジストが剥離しやすくなる。そして、その後に揺動ノズルを揺動させることで、穴が形成されて「とっかかり」ができたところから、レジストと基板との隙間に微小気泡含有液が入り込むようにされ、高速回転による遠心力と着水部分の揺動によりレジストが勢いよく剥離される。そのため、レジスト除去レートを上げることができる。
また、本実施の形態によれば、回転される基板Wの表面のうちレジストが残りやすい周縁部に対して、揺動ノズル11aから供給される微小気泡含有液に加えて、固定ノズル11bからも微小気泡含有液が供給されることで、基板Wの表面の周縁部において微小気泡含有液が不足することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、センサ12、120により基板Wの表面のレジストが検出され、センサ12、120の検出結果に基いてレジスト除去状況が判断され、製品のレジスト塗布状況のばらつきなどによりレジスト残りがあったとしても、除去未完と判断された場合には微小気泡含有液の供給が再開されるため、レジスト残りを改善することができる。
また、本実施の形態によれば、第1センサ12が基板Wの表面の周縁部のレジストを検出するため、回転される基板Wの表面のうちレジストが残りやすい周縁部においてレジストの検出を確実に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、ガスノズル13が基板Wの表面の周縁部に向けて乾燥ガスを供給するため、回転される基板Wの表面のうちレジストが残りやすい周縁部において、ガスノズルから供給される乾燥ガスにより微小気泡含有液の液膜の厚みを低減することができ、周縁部におけるレジストの検出精度を高めることができる。
なお、図1および図2に示す例では、回転保持部として回転テーブル18が用いられたが、基板Wを回転保持できるものであれば、これに限定されるものではなく、たとえば、図5および図6に示すように、回転保持部としてローラーチャック18a~18dが用いられてもよい。
以上、本発明の実施の形態および変形例を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。また、各実施の形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
10 レジスト除去システム
11a 微小気泡発生ノズル(揺動ノズル)
11b 微小気泡発生ノズル(固定ノズル)
12 センサ(第1センサ)
120 センサ(第2センサ)
13 ガスノズル
14 制御部
15 液体供給部
151 ポンプ
152 オゾンガス発生部
153 混合器
154 気液分離器
155 濃度計
156 オゾンガス分解器
16 ノズル揺動部
17a 第1固定治具
17b 第2固定治具
18 回転保持部(回転テーブル)
18a~18d 回転保持部(ローラチャック)
19 ガス供給部
20 回転保持部(回転テーブル)
21a、21b ヒーター
W 基板

Claims (7)

  1. 回転される基板表面に微小気泡含有液を供給する微小気泡発生ノズルと、
    前記基板表面のレジストを検出するセンサと、
    前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を停止した状態で、前記センサの検出結果に基いて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断し、除去未完の場合には、前記微小気泡発生ノズルからの前記微小気泡含有液の供給を再開する制御部と、
    を備え
    前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の中心部と対向する位置と周縁部と対向する位置との間で揺動される揺動ノズルを含
    前記微小気泡発生ノズルは、前記基板表面の周縁部と対向する位置に固定された固定ノズルをさらに含む、
    ことを特徴とするレジスト除去システム。
  2. 前記センサは、色判別センサ、膜厚センサ、距離センサ、画像センサのうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレジスト除去システム。
  3. 前記センサは、前記基板表面の周縁部のレジストを検出する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレジスト除去システム。
  4. 前記基板表面に乾燥ガスを供給するガスノズル
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のレジスト除去システム。
  5. 前記ガスノズルは、前記基板表面の周縁部に向けて前記乾燥ガスを供給する、
    ことを特徴とする請求項に記載のレジスト除去システム。
  6. 前記センサは、前記基板表面を撮像して撮像画像を生成する画像センサを含み、
    レジストが完全に除去された状態の前記基板表面の撮像画像のカラーチャートが前記制御部のメモリに記憶されており、
    前記制御部は、前記画像センサから微小気泡含有液供給後の基板表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像のカラーチャートを、メモリに予め記憶されているカラーチャートと比較し、その差分に基づいて、前記基板表面のレジスト除去状況を判断する、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のレジスト除去システム。
  7. 前記センサは、前記基板表面を撮像して撮像画像を生成する画像センサを含み、
    レジストが完全に除去された状態の前記基板表面の撮像画像からピクセルデータが抽出され、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングが行われてRGB相対値が決定され、当該RGB相対値が前記制御部のメモリに記憶されており、
    前記制御部は、前記画像センサから微小気泡含有液供給後の基板表面の撮像画像を取得し、当該撮像画像からピクセルデータを抽出し、当該ピクセルデータのRGB信号に対してマッピングを行ってRGB相対値を決定し、当該RGB相対値を、メモリに予め記憶されているRGB相対値と比較し、その差分に基づいて、基板表面のレジスト除去状況を判断する、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のレジスト除去システム。
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