JP7263021B2 - 既設ラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法 - Google Patents

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本発明は、ラックの高さを抑えることが可能であると共に、安価に免震化することが可能な既設ラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法に関する。
ラックの免震構造としては、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1の「書架等のラック用の免震台」は、既設のラックを簡単に免震できるようにすることを課題とし、ラックの左右脚の間の空間に入り込むベースに、ラックのアジャスターボルトが載るサイドフレームを設け、ベースには、免震用のローラを設け、サイドフレームにねじで固定された固定具に、アジャスターボルトに嵌合する係合穴を形成しておくことで、ラックに特段の加工を施さなくても、ラックに免震台を簡単に取付けることができるようになっている。
この免震台は、特に、前後一対のフロントフレームと左右一対のサイドフレームとで平面視矩形に形成されたベースを有しており、サイドフレームには、外向きにはみ出たフランジ部が形成されている。
また、フロントフレームの内部に嵌まり込む前後一対のメインフレームには、軸受ブラケットを介してローラ(コロ)が回転自在に取り付けられている。
ラックは、左右の支柱の下端に設けられ、前後に延びる左右一対の脚に固着されたナットに螺合されているアジャスターボルトが、サイドフレームのフランジ部に載置されて、免震台に支持されている。
また、特許文献2のように、倉庫の床面上に走行自在に設けられたスタッカークレーンの走行方向に沿って配置されたラックの免震構造も知られている。特許文献2の「自動倉庫ラックの免震化方法」は、倉庫の床面上に走行自在に設けられたスタッカークレーンと、このスタッカークレーンの上記走行方向に沿って配置されたラックとを備えた自動倉庫の上記ラックを免震化する方法であって、上記走行方向と直交する方向に配設された上記ラックの複数本の支柱の下部間であって免震装置を介装可能な高さ位置に、第1の新設梁を横架することにより上記複数本の支柱を一体的に連結し、上記第1の新設梁と上記床面との間に上記免震装置を設置した後に、上記複数本の支柱を上記第1の新設梁と上記床面との間で切断して上記ラックの重量を上記免震装置によって支持させるようにしている。
このラックの免震構造は、特に、走行方向と直交する方向に配設された複数本の支柱の下部間であって、免震装置を介装可能な高さ位置に、新設梁を横架して、複数本の支柱を一体的に連結し、新設梁と床面との間に、免震装置を設置した後に、複数本の支柱を、新設梁と床面との間で切断して、ラックの重量を免震装置によって支持させている。
特開2001-61579号公報 特許第6296498号公報
上記従来のラックの免震構造のように、ラックを免震台上に載置する場合には、ラックの高さが高くなってしまう。高さが高くなってしまうと、例えば、倉庫などに既に設置されているラック(以下、既設ラックという)を免震化する場合には、既設ラックが倉庫内に納まらないおそれがあったり、自動運転されるスタッカークレーンの運転に支障をきたすおそれがある。
複数本の支柱の下部間に新設梁を横架して、新設梁と床面との間に免震装置を設置する場合には、部材が増えると共に構造が複雑化してしまう。新設梁にラック及びラックに載置されている物品の全重量がかかるため、新設梁には大きなせん断力及び曲げモーメントが作用する。このため、新設梁の断面を大きくする必要があり、多大な費用がかかるという課題がある。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、ラックの高さを抑えることが可能であると共に、安価に免震化することが可能な既設ラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる既設ラックの免震構造は、ラックを構成する複数の柱と、各々の該柱の下端に設けた高さ調整機構とを有する既設ラックの免震構造であって、上記高さ調整機構に、上記ラックが設置される部位と対向する部位に配置して設けられる滑り材と、上記高さ調整機構の下に設けられ、上記滑り材が載置される受けプレートとからなる滑り支承を備え、該滑り支承の上記滑り材及び上記受けプレートは、厚みが上記高さ調整機構の調整代よりも薄い、板状の部材であることを特徴とする。
前記滑り支承に対し、転がり支承が並設されていることを特徴とする。
前記受けプレートは、所定方向に沿って設けられると共に、前記滑り材が載置される載置面よりも上方に立ち上がる立ち上がり部を有することを特徴とする。
前記立ち上がり部の上端は、前記載置面と対向する向きに折れ曲がった載置面対向部を有することを特徴とする。
本発明にかかる既設ラックの免震化改修方法は、上記既設ラックの免震構造を既設ラックに備えるための改修方法であって、前記柱の下端に前記高さ調整機構を有する上記既設ラックを、ジャッキにより持ち上げるジャッキアップ工程と、上記高さ調整機構の下側に前記滑り材を取り付ける滑り材固定工程と、上記柱の下に上記滑り材が載置される前記受けプレートを設置する受けプレート設置工程と、上記高さ調整機構の調整代により上記滑り材及び上記受けプレートの厚みを相殺し、上記ジャッキにより上記既設ラックを降ろして上記滑り材を上記受けプレートに当接させ、該受けプレート上に上記既設ラックの上記柱を載置するラック載置工程とを含むことを特徴とする。
本発明にかかる既設ラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法にあっては、ラックを免震化したときの高さを抑えることができると共に、安価に免震化することができる。詳細には、滑り支承の滑り材及び受けプレートは、厚みが高さ調整機構の調整代よりも薄い、板状の部材であるので、高さ調整機構により滑り材及び受けプレートの厚みを相殺して、既設ラックの高さを変えることなく免震構造を備えることができる。すなわち、ラックに滑り支承を備えたとしても、高さ調整機構で高さ調整することにより、ラックの高さが高くなることを防止することができ、従って、ラックの高さを抑えることが可能であり、かつ安価にラックを免震化することができる。これにより、特に、スタッカークレーンにより自動で荷物等が出し入れされるラックの場合、スタッカークレーンに対する高さ調整が必要となるが、改修後も改修前と同じ高さが保たれるので、何らの支障なく、スタッカークレーンを運転することができる。
本発明に係るラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法が適用されるラックの例を示す斜視図である。 図1に示したラックの部分拡大斜視図である。 図1に示したラックが有する荷物の収容空間を示す斜視図である。 本発明に係るラックの免震構造の好適な一実施形態を示す要部拡大斜視図である。 図4に示したラックの免震構造が適用される前の、既存ラックの柱脚部周辺の構造を示す斜視図である。 図4に示したラックの免震構造に適用される滑り材の取付状態を下方から見上げた斜視図である。 図4に示したラックの免震構造に適用されるカバー材の取付状態を示す斜視図である。 図4に示したラックの免震構造に適用されるリニアレールとオイルダンパーの設置例を示す概略平面図である。 図4に示したラックの免震構造に適用される受けプレートの変形例を説明する説明図である。 本発明に係る既設ラックの免震化改修方法の好適な一実施形態を説明するフローチャート図である。 図8に示したラックの免震構造に適用されるオイルダンパーの設置の変形例を示す概略平面図である。
以下に、本発明にかかる既設ラックの免震構造及び既設ラックの免震化改修方法を、添付図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、走行自在に設けられたスタッカークレーン(図示せず)により荷物等が出し入れされる既設ラック1(以下、単にラックとも言う)を例に挙げて説明する。ラック1は、スタッカークレーンの走行方向(以下、走行方向という)に沿って長く設けられている。
本実施形態の免震構造を備えたラック1は、スタッカークレーンにより、パレット2に載せられて運ばれる荷物3等が走行方向と直交する方向(奥行き方向)から出し入れされる収容空間Sを複数備えている。ラック1には、このような複数の収容空間Sが、走行方向に連ねて設けられると共に、上下方向に複数段設けられている。
このため、ラック1全体では、走行方向に長く、高さが高く、奥行き方向の幅は、走行方向に比べて極端に狭い形状に形成されている。それ故に、このラック1は、大きな地震力が作用すると、奥行き方向に大きな揺れが発生する。
図1に示すように、走行方向に長く延びたラック1は、スタッカークレーンの走行領域Rを挟んで、対をなすように設けられている。
各々のラック1は、奥行き方向に対をなす2本の柱4が、走行方向に適宜間隔を隔てて複数対設けられている。奥行き方向に対をなす2本の柱4には、柱脚部4aに短梁5が掛け渡されている。
図3に示すように、各柱4において、各収容空間Sの下端側には、走行方向に隣接する2つの収容空間Sに各々突出する支持バー6が設けられている。奥行き方向に対をなす2本の柱4に設けられている支持バー6間には、パレット2が載置される腕木7が各々の収容空間S側で掛け渡されている。
このため、各収容空間Sの下端側では、走行方向に隣り合う二対の柱4各々に設けられている支持バー6に掛け渡された腕木7が突出している。
奥行き方向に対をなす2本の柱4には、上下方向において隣り合う2本の腕木7を支持する支持バー6近傍に、斜めに掛け渡してブレース8が設けられている。奥行き方向に対をなす2本の柱4の上端部は、走行領域Rを挟んで対をなすラック1の奥行き方向に対をなす2本の柱4の上端部に対して、1本の連結梁9で接合されている。
奥行き方向に対をなす2本の柱4のうち、スタッカークレーンの走行領域R側に面する側の各柱4同士、並びに、奥行き方向に対をなす2本の柱4のうち、スタッカークレーンの走行領域Rには面しない反対側の各柱4同士はそれぞれ、それらに掛け渡される長梁10で連結されている。
長梁10は、収容空間Sの下端に配置され、走行領域Rに面しない反対側に設けられた長梁10には、上述したブレース8と連結されている。
ラック1を構成する各柱4には、当該柱4の下端である柱脚部4aに、図4に示すように、ラック1が設置される部位となる例えば床11との間に介在される高さ調整機構12が設けられている。この高さ調整機構12は、そもそも免震構造を備えない状態で、図5に示すように、柱4の柱脚部4aに設けられるものである。
高さ調整機構12は、床11と対向する面を有するベース材13と、柱4に取り付けられて、ベース材13を上下方向に移動可能に保持するベース材保持部14とを有している。
ベース材13は、中央が上方へ膨らむように形成されたドーム部13aと、ドーム部13aの下縁から水平方向に延びる平板部13bと、ドーム部13aの頂部に、上方へ突出させて設けられ、周面に雄ねじが設けられたロッド部13cとを有している。
平板部13bには、図5に示すように、免震構造を備えない状態で、床11から突出しているアンカーボルト15が挿通可能な切り欠き部13dが、ドーム部13aを挟んで両側に設けられている。ベース材13は、切り欠き部13dが並んで形成される方向の長さが、当該方向と直交する方向の長さよりも長い、ほぼ楕円形状をなしている。
ベース材保持部14は、柱脚部4aの下端に設けられる。ベース材保持部14には、ロッド部13cが螺合可能な雌ねじが形成されている。ベース材保持部14は例えば、ナットが溶接されたプレート材であって、柱脚部4aの下端に溶接されている。
ベース材13のロッド部13cをベース材保持部14に螺合して締め込んでいくと、床面11からの柱4の高さが低くなり、緩めると、高くなって、これにより柱4の高さを調整することが可能である。
本実施形態のラックの免震構造は、図4及び図6に示すように、各柱4が有する高さ調整機構12のベース材13の下面に設けたシート状の滑り材16と、ベース材13の下面と対面する床11に設けた受けプレート17とを備えて、受けプレート17上に滑り材16が当接される滑り支承18によって構成される。
すなわち、当該滑り支承18は、高さ調整機構12に、ラック1が設置される床面11と対向するベース材13に配置して設けられる滑り材16と、高さ調整機構12の下の床面11に設けられ、滑り材16が載置される受けプレート17とからなる。
滑り材16は、例えばバックメタル付きの四フッ化エチレン樹脂の複層材であり、ベース材13の平板部13bの下面に貼り付けられている。受けプレート17は、例えばSUSコーティング板であり、ほぼ楕円形状をなすベース材13の長軸側の長さより僅かに広い幅を短辺とする長方形状をなしている。
滑り材16及び受けプレート17は、いずれも板状の部材であり、それらの厚みは、ラック1が備える高さ調整機構12の調整代よりも十分に薄い。
受けプレート17は、図8に示すように、長辺側をラック1の奥行き方向に沿わせると共に、各柱4が受けプレート17のほぼ中央に位置するように配置されている。各柱4に螺合されているベース材13は、長軸側が走行方向に沿うように配置されて受けプレート17上に載置されている。
受けプレート17上には、図7に示すように、ベース材13が載置された状態の受けプレート17上方全面を覆うために、ベース材13と共に移動可能なカバー材19が設けられている。カバー材19は、例えばスポンジであり、ロッド部13cが貫通された状態で、ベース材13全体を含め、受けプレート17上に接触して、これらを覆っている。
カバー材19は、滑り材16と受けプレート17との間への埃等の異物の侵入を防止する。カバー材19は、ベース材13の移動を妨げることなく、受けプレート17上を覆うものであれば、スポンジに限るものではない。
また、本実施形態のラックの免震構造では、滑り支承18に並設して、図8に示すように、上述した走行方向へのラック1の移動を規制するレール式の転がり支承としてのリニアレール20と、リニアレール20により許容されるラック1の移動方向(奥行き方向)に対し、ラック1に復原力を付与するオイルダンパー21とが設けられている。
リニアレール20は、レール20aと、レール20a上をスライドするスライダー20bとを有している。レール20aは、奥行き方向に沿って床11に固定されており、スライダー20bは、滑り材16と同様に、高さ調整機構12を備える柱脚部4aに固定されている。
オイルダンパー21は、伸縮方向がレール20aの延長線上に位置するように配置され、一方の端部が床11に固定され、他方の端部がスライダー20bもしくはスライダー20bが固定された柱4に固定されている。オイルダンパー21は、レール20aに沿って移動したスライダー20bを元の位置に復原するように機能する。
本実施形態のラック1においては、リニアレール20とオイルダンパー21とは、連結された状態で、奥行き方向に対をなす2本の柱4に対して配置されている。
滑り支承18とリニアレール20及びオイルダンパー21とは、走行方向において交互に配置されていることが望ましい。
本実施形態のラックの免震構造は、ラック1が設置される部位となる床11と対向するベース材13に設けられた滑り材16が、床11に設置された受けプレート17上に載置された構成の滑り支承18を備えている。
これにより、地震によって揺れが生じても、滑り支承18により、柱4で組まれたラック1は、受けプレート17上を滑って移動することが可能であるので、床11から伝達される揺れが抑制される。
また、滑り支承18は、ラック1の柱4が備える高さ調整機構12に貼り付けられる滑り材16と、床11に設けられる受けプレート17だけの構成なので、安価に滑り支承18を備えることができる。
ラック1が備える各柱4には、柱脚部4aに高さ調整機構12が設けられており、滑り材16と受けプレート17の厚みは、高さ調整機構12の調整代よりも十分に薄いので、ラック1に滑り支承18を備えたとしても、高さ調整機構12で高さ調整することにより、ラック1の高さが高くなることを防止することができる。従って、ラック1の高さを抑えることが可能であり、かつ安価にラック1を免震化することができる。
また、滑り支承18とリニアレール20とを並設するようにしたので、所定方向に大きな揺れが生じるラック1について、その揺れを抑制する方向を設定することができる。このため、さらに効果的にラック1の揺れを抑制することができる。
また、リニアレール20により許容されている移動方向に復原力を付与するオイルダンパー21を有しているので、滑り支承18及びリニアレール20により移動したラック1を、オイルダンパー21によって適切に元の位置に復原することができる。
上記実施形態においては、滑り支承18により移動する方向を規制するために、リニアレール20を設ける例について説明したが、これに限られるものではない。図9は、移動方向を規制するための変形例を示していて、図9(a)は、立ち上がり部17bを備えた受けプレート17を示す図であり、図9(b)は、図9(a)におけるA部に載置面対向部17c及び滑り材16を備えた状態を示す図である。
図9(a)に示すように、受けプレート17の長手方向に沿う縁に、滑り材16が載置される載置面17aよりも上方に立ち上げた立ち上がり部17bを設けて、ベース材13の移動方向を規制するようにしてもよい。
このとき、立ち上がり部17bは、各受けプレート17それぞれの両縁に設けてもよいが、走行方向に隣り合う滑り支承18の受けプレート17同士の間で、互いに異なる側の一方の縁それぞれに設けるようにしても良い。
受けプレート17に立ち上がり部17bを設けた場合は、リニアレール20を用いるよりも、さらに安価に免震装置を構成することができる。
また、図9(b)に示すように、立ち上がり部17bの上端に、載置面17aと対向する向きに折れ曲がった載置面対向部17cを設けると、ベース材13が載置面17aから浮き上がって、受けプレート17上から外れてしまうことを防止することができる。
このとき、載置面対向部17cの載置面17aと対向する面に、さらに追加の滑り材16を設けるようにしても良い。
本実施形態のラック1は、新設時に、滑り支承18、リニアレール20及びオイルダンパー21からなる免震構造を備えるようにしてもよいが、例えば、高さ調整機構12のベース材13の切り欠き部13dに、床11からのアンカーボルト15が挿通され、ナットが螺合されて固定されている既設ラック1であっても、免震構造を備えたラック1に改修することができる。以下に既設ラック1の免震化改修方法について説明する。
既設ラック1を改修する場合には、図10に示すように、まず、既設ラック1の各収容空間Sに収容されている荷物3等を一旦運び出し、ラック1を空の状態とする。
次に、最下段の収容空間Sに設けられている腕木7の下に支持用の木材を掛け渡し、木材と床11との間にジャッキを介在させ、当該ジャッキで既設ラック1aを持ち上げる(ジャッキアップ工程:S1)。
次に、各柱4の柱脚部4aに設けられている高さ調整機構12のベース材13を取り外し、下面に滑り材16を貼り付け(滑り材固定工程:S2)、再び柱脚部4aに取り付ける。
次に、各柱4の下に位置するように床11に、滑り材16が載置される受けプレート17を設置する(受けプレート設置工程:S3)。このとき、滑り材固定工程S2と受けプレート設置工程S3とは、どちらの工程を先に行っても構わない。また、この際、床11上に、リニアレール20が設置される。
次に、ジャッキにより既設ラック1を床11上に降ろし、滑り材16を受けプレート17に当接させ、受けプレート17上に既設ラック1の柱4を載置する(ラック載置工程:S4)。また、この際、リニアレール20は柱脚部4aに接合して固定される。
最後に、ラック1と床11との間にオイルダンパー21を設置して、免震化のための改修が完了する。
本実施形態の既設ラックの免震化改修方法によれば、既設ラック1を、ジャッキにより持ち上げて、ベース材13の下側に滑り材16を取り付け、また、床11に受けプレート17を設置し、その後、ジャッキを取り外すだけで、既設ラック1に容易に免震構造を備えることができる。
高さ調整機構12と床11との間に、高さ調整機構12の調整代よりも薄い板状をなす滑り材16及び受けプレート17を介在させるだけなので、高さ調整機構12により滑り材16及び受けプレート17の厚みを相殺して、ラック1の高さを変えることなく免震構造を備えることができる。
特に、本実施形態のラック1のように、スタッカークレーンにより自動で荷物等が出し入れされるラック1の場合には、スタッカークレーンに対する高さ調整が必要となるが、本実施形態の既設ラック1の免震化改修方法によれば、改修後も改修前と同じ高さが保たれるので、何らの支障なく、スタッカークレーンを運転することができる。
上記実施形態においては、リニアレール20及びオイルダンパー21と、滑り支承18とが、走行方向において交互に設けられる例について説明したが、これに限らず、リニアレール20及びオイルダンパー21は、いずれかの位置に設けられていればよい。また、リニアレール20及びオイルダンパー21は、必ずしも設けられていなくとも構わない。
上記実施形態においては、滑り支承18とリニアレール20とは、走行方向において交互に配置されているが、当該構成に代えて、例えば、滑り支承18を2~3個連続させて設置し、これらの間にリニアレール20を設置するようにしても良いし、あるいは、ラック1の両端や中央にのみリニアレール20を設置するようにしても良い。
また、オイルダンパー21は、走行方向へのずれが生じ難いリニアレール20に連結してセットで配置する場合について説明したが、リニアレール20ではなく、滑り支承18と共に設置するようにしてもよい。
また、オイルダンパー21は、図11に示すように、走行方向に隣接する一対の柱4の中央に位置させて、長梁10に対し接合するようにしてもよい。この場合、長梁10の折れ曲がりを防止するために、オイルダンパー21に対し、ブレース材22が併設される。さらに、オイルダンパー21は、上記実施形態では、ラック1の奥行き方向で当該ラック1の外方に設置されているが、図11に示したように、ラック1直下に設けるようにしてもよい。
また、オイルダンパー21に代えて、同様な復元力を有するバネダンパーを採用するようにしてもよい。
上記実施形態においては、スタッカークレーンにより荷物3等が出し入れされるラック1を例に挙げて説明したが、これに限るものではない。
1 ラック
4 柱
11 床
12 高さ調整機構
16 滑り材
17 受けプレート
17a 載置面
17b 立ち上がり部
17c 載置面対向部
18 滑り支承
20 リニアレール

Claims (5)

  1. ラックを構成する複数の柱と、各々の該柱の下端に設けた高さ調整機構とを有する既設ラックの免震構造であって、
    上記高さ調整機構に、上記ラックが設置される部位と対向する部位に配置して設けられる滑り材と、上記高さ調整機構の下に設けられ、上記滑り材が載置される受けプレートとからなる滑り支承を備え、
    該滑り支承の上記滑り材及び上記受けプレートは、厚みが上記高さ調整機構の調整代よりも薄い、板状の部材であることを特徴とする既設ラックの免震構造。
  2. 前記滑り支承に対し、転がり支承が並設されていることを特徴とする請求項1に記載の既設ラックの免震構造。
  3. 前記受けプレートは、所定方向に沿って設けられると共に、前記滑り材が載置される載置面よりも上方に立ち上がる立ち上がり部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の既設ラックの免震構造。
  4. 前記立ち上がり部の上端は、前記載置面と対向する向きに折れ曲がった載置面対向部を有することを特徴とする請求項3に記載の既設ラックの免震構造。
  5. 請求項1~4いずれかの項に記載の既設ラックの免震構造を既設ラックに備えるための改修方法であって、
    前記柱の下端に前記高さ調整機構を有する上記既設ラックを、ジャッキにより持ち上げるジャッキアップ工程と、
    上記高さ調整機構の下側に前記滑り材を取り付ける滑り材固定工程と、
    上記柱の下に上記滑り材が載置される前記受けプレートを設置する受けプレート設置工程と、
    上記高さ調整機構の調整代により上記滑り材及び上記受けプレートの厚みを相殺し、上記ジャッキにより上記既設ラックを降ろして上記滑り材を上記受けプレートに当接させ、該受けプレート上に上記既設ラックの上記柱を載置するラック載置工程とを含むことを特徴とする既設ラックの免震化改修方法。
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