JP7260778B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Description
焼結機1は、ドワイト・ロイド式の焼結機であり、床敷鉱ホッパー11と、スウィングシュート12と、サージホッパー13と、ドラムフィーダー14と、パレット15と、点火炉16と、風箱17と、排風支管18aと、排風本管18bと、排ガス集塵機19と、吸引ブロワ20とを含む。床敷鉱ホッパー11には、床敷鉱が貯留されている。床敷鉱には、後述するように、予め焼結された焼結鉱を用いることができる。サージホッパー13には、焼結用原料が貯留されている。焼結用原料には、粉鉱石、炭材及び粉石灰石等が含まれている。
一次破砕機2は、排鉱部10から排鉱されたシンターケーキ(床敷層を含む)の落下軌跡上に位置する。一次破砕機2は、鬼歯21と、鬼歯21の下方に位置する受歯22と、から構成される。鬼歯21は、回転軸21aと、回転軸21aの周方向に等間隔に配設され、回転軸21aの径方向外側に向かって突出する複数の回転歯21bと、から構成される。これらの回転歯21bは、回転軸21aの軸方向に沿って等間隔に複数組設けられている。受歯22は、短冊状に形成されており、回転動作する回転歯21bを通過させるためのスリットを、回転歯21bの組の数だけ有している。
排鉱部10では、シンターケーキが割れる際に発塵が生じる。また、一次破砕機2では、シンターケーキを破砕した際に発塵が生じる。そのため、排鉱部10及び一次破砕機2をフード7で覆うことにより、外部へのダスト漏れを抑制している。フード7からフード外部に延びる排気管71には、排ガス集塵機72と、吸引ブロワ73と、が配置されている。排ガス集塵機72は、排風管71を介して排出されるガスの集塵処理を行う。吸引ブロワ73は、排気管71における排ガス集塵機72のガス下流側に配設されており、ガスを吸引するための動力を生成する。
シュート6に落下供給された焼結鉱は、ホットスクリーン3に排鉱され、粗粒と細粒とに分級される。分級点は特に限定しないが、例えば、5mmに設定することができる。分級された焼結鉱のうち篩下の細粒は、原料槽のホット返鉱槽(不図示)に返鉱され、篩上の粗粒は、コンベヤ4によって冷却機5に搬送される。コンベア4は、焼結鉱が高温のために、金属製のパン型あるいはチェーン型が使用される。なお、本実施形態では、ホットスクリーン3から冷却機5に向かって焼結鉱を搬送する搬送手段として、パン型あるいはチェーン型のコンベヤ4が好ましいが、本発明はこれに限るものではなく、他の搬送コンベアを用いてよい。
コンベヤ4によって搬送された焼結鉱は冷却機5に装入され、冷却機5に備えられたトラフ(不図示)に充填される。このトラフを冷却機5の軸回りに回転させながら、トラフに充填された焼結鉱の熱を抜熱することにより、焼結鉱が連続的に冷却される。
>冷却方法1<
冷却方法1では、フード7の天井部に散水ノズル70を配設して、排鉱部10から分断された焼結鉱の直上から冷却水を散水する。この方法によれば、排鉱部10で分断された焼結鉱の断面に対して散水することができるため、より効率的に焼結鉱を冷却することができる。また、一次破砕機2の上流側で散水することにより、一次破砕時における発塵を、より効果的に抑制することができる。本例では、フード7の天井部に散水ノズル70を配設したが、本発明はこれに限るものではなく、排鉱部10から分断された焼結鉱が一次破砕機2に到達する前に散水冷却することができる適宜の位置(例えば、フード7の側壁)に散水ノズル70を配設してもよい。
冷却方法2では、回転歯21bの先端に散水ノズル21cを配設して、一次破砕機2に搬送された焼結鉱を冷却する。ここで、回転軸21aには、焼結鉱の熱を受熱することによる高温化を防止するために、水冷管が設けられている場合があり、この水冷管を回転歯21bの先端まで引き回すことにより、回転歯21bの先端に散水ノズル21cを配設することができる。本例では、回転歯21bに散水ノズル21cを配設したが、本発明はこれに限るものではなく、受歯22に散水ノズル21cを配設してもよい。また、回転歯21b及び受歯22の双方に散水ノズル21cを配設してもよい。
冷却方法3では、ホットスクリーン3の上方に散水ノズル31を配設して、篩面上を流下する焼結鉱を冷却する。
冷却方法4では、コンベヤ4の上方に散水ノズル41を配設して、コンベヤ4上で焼結鉱を冷却する。
A=B×C+D・・・式(1)
Bは、1時間当たりに焼結機1に装入される焼結用原料の量(t/hour)である。Cは、焼成歩留である。Dは、1時間当たりに排鉱部10から排出される床敷層の量(t/hour)である。
A=B×C+D-E×0.5・・・式(2)
Eは、1時間当たりにホットスクリーン3の篩下となる焼結鉱(すなわち、ホットスクリーンでの返鉱)の量(t/hour)を表す。
A=B×C+D-E・・・式(3)
(配合原料の準備)
表1に示す条件にしたがって、複数銘柄の鉱石および副原料、炭材を配合した。配合された原料(配合原料)を、ドラムミキサーを用いて混合(2min)し、水分が7.0mass%となるように水を添加したのち、同様にドラムミキサーで造粒(5min)した。
前記配合原料50kgを直径300mm高さ500mmの鍋に装入し、LPGを用いてフレーム先端の温度を1300℃に設定して60秒点火したのち、一定の吸引負圧-1300mmAqで焼成した。ここで焼成完了点は、鍋下に設置した熱電対にて排ガス温度を計測し、排ガス温度が極大となる位置に設定した。
焼成完了後、直ちにシンターケーキ(焼成体)を金床上に取り出し、ハンマーで軽く破砕した。破砕後、焼結鉱の表面温度を赤外線温度計で測定しながら、所定の温度まで大気放冷を行った。
散水処理をせずに、大気温度20℃の大気中で放冷した場合をベースとした。実施例1~3では、散水量をそれぞれ、焼結ケーキ1t当たり9kg、27kg、45kgとして、焼結鉱表面温度が500℃(ハンマー破砕の直後)に低下した時に散水冷却を実施した。実施例4では、焼結鉱表面温度が400℃となった時に散水冷却を実施した。実施例5では、焼結鉱表面温度が300℃となった時に散水冷却を実施した。比較例では、焼結鉱表面温度が200℃となった時に散水冷却を実施した。実施例4、5、比較例における散水量は、焼結ケーキ1t当たり27kgとした。散水手段として、霧吹きを使用した。
冷却後の焼結鉱を2m×4回落下させて破砕し、粉率(破砕後の焼結鉱の-10mmの質量比率)も測定した。さらに、15~19mmの焼結鉱を採取し、JIS-M8720低温還元後強度試験方法に準拠して、RDIの値を測定した。
実験条件及び実験結果を表2に示す。実施例1、2、4、5は、ベースに対し、RDIの値が大きく改善され、かつ粉率にほとんど差がないため、評価を「◎」とした。また、実施例3では、ベースに対し、RDIの値が大きく改善された一方、散水過多による過冷却となり、脆弱に粉化した結果、粉率が増大した。そのため、評価を「○」とした。一方、比較例では、RDIの値がベースとほとんど変わらなかったため、評価を「×」とした。比較例では、時間をかけて焼結表面温度を低下させた後に、散水冷却しているため、RDI改善効果が小さくなったと考えられる。すなわち、300~500℃の表面温度を有する焼結鉱において、散水によるRDI改善効果が確認された。
上述の実施形態においては、焼結鉱の製造過程においてホットスクリーン3が配置されているが、本発明は、ホットスクリーン3がない焼結鉱の製造方法にも適用することができる。
Claims (6)
- 焼結機から排鉱された焼結鉱を、前記焼結機の終端部に配設されるフードの内部にある一次破砕機で破砕した後、冷却機で冷却することにより高炉装入用の焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、
前記焼結機から排鉱された焼結鉱を、前記冷却機の入口に到達する前に散水冷却することを特徴とする焼結鉱の製造方法。 - 焼結鉱に対する散水量は、前記散水冷却による冷却領域を通過する焼結鉱1t当たり9kg以上27kg以下であることを特徴とする、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
- 前記フードの内部において、前記フードの内壁から延出する散水ノズルにより前記散水冷却を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
- 前記一次破砕機は、一対の鬼歯及び受歯からなり、
前記鬼歯及び前記受歯のうち少なくとも一方に設けられた散水ノズルにより前記散水冷却を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。 - 前記一次破砕機と前記冷却機との間にホットスクリーンが設けられている場合、
前記ホットスクリーンの篩面上を流下する焼結鉱に向けて、前記散水冷却を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。 - 前記一次破砕機で破砕された焼結鉱を前記冷却機に向かって搬送するためのコンベア上において前記散水冷却を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
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