JP4332081B2 - 回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法 - Google Patents

回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化鉄含有物と石炭やコークス等の炭素質物質とからなる粉状の原料を成型して、回転炉床式焼成還元炉(以下、回転炉床炉と称す)に装入して還元鉄を製造する方法に関し、更に詳しくは、炉床上に固着する固着物が緻密化されるのを防止し、還元鉄排出装置の摩耗を軽減する方法に関するものである。
安価な石炭系エネルギーを使用する回転炉床法やキルン法等は還元鉄の安価な製造方法として有効な技術である。このうち、回転炉床炉の装置構成の概略を図1に示す。図1(a)は回転炉床炉の上面図、(b)は(a)に示すAA断面で切断した断面図である。粉状の酸化鉄含有物と石炭やコークス等の炭素質物質とからなる原料を混合して、成型し、その成型物5を、原料投入口2から回転炉床炉床面7に装入し、1100℃以上の温度で加熱することで、前記酸化鉄を前記炭素質物質と反応させて還元し、還元鉄を製造する。炉内で生成した還元鉄はスクリュー式排出装置3で回転炉床炉から排出される。この回転炉床法は、生産性が高い、ペレットの融着が生じないため、製品歩留りが高い等の特徴を有し、還元鉄を製造するプロセスとして、有効な技術である。近年、回転炉床法は主に、その特徴を生かし、鉄鉱石と石炭を用いた直接還元鉄の製造や、電気炉や溶鉱炉を含む製鉄所ダスト等の還元による還元鉄の製造に用いられている。
回転炉床炉内で生成した還元鉄の排出は、通常、スクリュー式排出装置を使用して行われるが、炉床上に固着した強固な固着物6により、スクリューの刃先が摩耗してしまう。そのため、しばしば操業を中断して排出装置の取り替え作業を必要とし、稼働率の低下やメンテナンス費用の増加等が問題となっていた。
上記炉床上に固着する固着物は、原料中の粉が回転炉床炉内の高温場で焼成されて焼結化したものであり、回転炉床法では不可避である。
スクリュー式排出装置の刃先が摩耗する問題を解決するために、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている発明は、羽根を中空にしてその中に冷却水を流すことによって羽根を冷却し、刃先の摩耗を軽減させるものである。しかし、高温で硬度の高い炉床に接する刃先部の温度は高くなり、刃先の摩耗の軽減にはあまり効果がなく、摩耗が進行すると冷却水が外に漏れ出し、還元鉄を再酸化させてしまう問題や、羽根の構造が複雑になるため、設備費が増加するという問題がある。
また、特許文献2に開示されている発明は、炉床上に滞留する金属鉄の粉や固着物を除去するため、噴流ガス流で吹飛ばして吸引フードで回収する方法、回転羽根付き箒で掃き出す方法、およびスクレーパーで掻き取る方法を提案したものである。しかし、噴流ガス流で吹飛ばす方法では、炉床上の緻密な固着物の除去は困難であり、吹飛ばされた原料中の粉が吸引フード内に付着する問題がある。また、回転羽根付き箒で掃き出す方法では、炉床上の緻密な固着物の除去は困難である。さらに、スクレーパーで掻き取る方法では、スクレーパーで原料中の粉が押し潰されて圧密、圧延され、むしろ固着物の緻密化を助長する可能性が高いという問題があった。
また、特許文献3に開示されている発明は、回転炉床炉の炉床表面に散水して急冷すること、および/または、機械的衝撃を加えることで炉床上に固着した固着物に亀裂を発生させ、固着物を排出装置で除去するものである。しかし、散水による冷却や機械的衝撃により、回転炉床炉の耐火物の損傷が懸念される問題があった。
また、特許文献4では、金属酸化物と炭素含有物質を含む粉体を、パン式造粒機で球状のペレットを製造するに際して、粒子径10μm以下の粒子を20〜80%を含むことで、造粒時のペレットの強度を向上させ、還元炉への搬送や投入途中でのペレットの崩壊を抑制できることが記載されている。しかしながら、粉化の割合は低減できるものの、粉化して微粉となったものの多くは、スクリューで排出されずに炉床上に時間の経過と共に蓄積され、結局強固な固着物を生じて、スクリューの刃先を磨耗させてしまうという課題は残されていた。
特開昭63−91484号公報 特開平11−50120号公報 特開2002−12906号公報 特開2002−206120号公報
本発明は、例え成型物(造粒物ともいう)の一部が粉化して還元炉内の炉床上に堆積したとしても、緻密化した強固な固着物にはせず、還元鉄の再酸化、設備費の増加や回転炉床炉における耐火物の損傷等の問題がなく、スクリュー式排出装置の刃先の摩耗を軽減し、稼働率の低下やメンテナンス費用の増加等の問題を解決するための還元鉄の製造方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)溶鉱炉で発生するダスト、転炉で発生するダスト、焼結機で発生するダスト、及び、粉鉱石を有する酸化鉄含有物と、コークス粉を有する炭素質物質との混合物からなる粉状の原料を、最大粒子径が2mm以下となるように、かつ、5μm以下の粒子の比率が粒子体積で60vol%以下、又は20μm以上の粒子の比率が粒子体積で20〜85vol%となるように調整し、その後、成型して、回転炉床式焼成還元炉に装入し、1100〜1400℃に加熱して、該酸化鉄を還元し、その後スクリュー式排出装置にて排出することで、炉床上の固着物の気孔率を25%以上にすることを特徴とする回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法。
(2)前記5μm以下の粒子の比率が粒子体積で30vol%以下、又は、前記20μm以上の粒子の比率が粒子体積で60〜85vol%となるように調整することを特徴とする(1)に記載の回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法。
回転炉床炉における加熱温度を1100〜1400℃として、粉状の原料中5μm以下の粒子の比率を粒子体積で60vol%以下に調整することにより、または、粉状の原料中20μm以上の粒子の比率を粒子体積で20〜85vol%に調整することにより、還元鉄を製造するとともに、炉床上に固着する固着物の気孔率を25%以上とすることができる。そうすることで、例え成型物の一部が粉化して炉床上に堆積しても、固着物が緻密化せず、還元鉄の再酸化、設備費の増加や回転炉床炉における耐火物の損傷等の問題がなく、回転炉床炉におけるスクリュー式排出装置の刃先の摩耗を軽減することができ、稼働率の低下やメンテナンス費用の増加等の問題を解決できる回転炉床炉の操業技術を提供可能となった。
本発明者等は、炉床上に固着する固着物6の気孔率を25%以上にすれば、固着物が緻密化せず、回転炉床炉におけるスクリュー式排出装置3の刃先の摩耗を軽減することができることを見出した。本発明はそのための製造方法を提示するものである。
炉床上に固着する固着物の気孔率と回転炉床炉におけるスクリュー式排出装置の刃先の修繕頻度の関係を図3に示す。刃先の材質は耐熱鋳鋼であり、回転炉床炉の操業条件は以下に示す。原料は製鉄所の溶鉱炉で発生するダスト、転炉で発生するダスト、焼結機で発生するダスト、粉鉱石及びコークス粉の混合物であり、主に酸化鉄含有物と炭素質物質とからなる粉状の原料である。それらの混合割合は、目的の還元鉄を得るためや、発生バランスを考慮しながら調整すればよい。回転炉床炉の加熱温度は1100〜1400℃であり、原料の滞留時間は10〜25分である。
刃先の修繕頻度は、回転炉床炉の稼働率の低下やメンテナンス費用の増加等の問題を解決するために、1年以上を目標とする。そのためには、炉床上に固着する固着物の気孔率を25%以上にする必要がある。
次に、炉床上に固着する固着物の気孔率を25%以上にするための最良の形態を、以下に説明する。
まず、酸化鉄含有物と炭素質物質とからなる前記粉状の原料を、5μm以下の粒子の比率が粒子体積で60vol%以下、または、20μm以上の粒子の比率が粒子体積で20vol%以上になるように調整する。尚、20μm以上の粒子の比率が粒子体積で85vol%を超えると、該原料の成型性が悪化し、回転炉床炉に粉化せずに装入することが困難となるため、20μm以上の粒子の比率は、粒子体積で20〜85vol%の範囲が望ましい。
本発明者等は、固着物の硬さや緻密さは、主に気孔率により決定されることを見出した。また、気孔率は物質の空隙の体積割合に等しいため、固着物の気孔率を制御するには、原料の粒子体積を基準とした粒度を調整することで可能であると考えた。原料の粒度により、固着物の気孔率が変化する作用・効果については後述する。
ここで、原料としては、前記粉状の原料に加えて、電気炉等から発生するダストやスラッジを単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。これらの原料の中には、酸化鉄の他に、二酸化珪素や酸化カルシウム等の灰分が含まれている。粉状の炭素質物質としては、石炭粉やコークス粉の他に、前記ダストやスラッジ中に含まれる炭素質物質を単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの粉状の原料中5μm以下の粒子の比率が粒子体積で60vol%以下、または、20μm以上の粒子の比率が粒子体積で20〜85vol%になるように調整する。粒度を調整する手段としては、原料をボールミルやローラーミル等の破砕機で粉砕、あるいは振動篩い等で篩い分け、等のいずれの方法を用いても良い。ボールミルやローラーミル等の破砕機で粉砕する場合は、粉砕時間を変化させて、粒度を調整すれば良い。元々5μm以下の粒子が粒子体積で60vol%を越えて存在しているダスト等を使用する場合は、篩い分けにより、5μm以下の粒子を取り除くことで使用することができる。原料の粒度を測定する手段としては、レーザー回折法が望ましい。レーザー回折法は、レーザー光を粒子に照射したときに生じる回折パターンが粒子径により異なることを利用して粒度分布を求めるものであり、測定に要する時間が短く、操作が簡単であることから、広く用いられている粒度測定法である。このレーザー回折法では体積基準の粒度分布が測定される。体積基準の粒度分布を測定するのは、固着物は粒子の固相拡散に基づく焼結結合で緻密化すると考えられるため、固着物の緻密さや気孔率には、焼結化する前の原料の粒子の体積基準の粒径が大きく影響すると考えられるからである。また、原料の粒子径の上限は、次の工程の成型の観点から、2mm以下が望ましい。
複数の原料を混合して粒度調整する際には、原料であるダストやスラッジを混合後、粉砕し、粉砕途中の粒度をレーザー回折法により測定して範囲内になるように粉砕の程度を調整しても良いし、予め各ダストや各スラッジの粒度を求めておき、粒度が範囲内になるような混合割合を計算により求めて各原料を混合しても良い。
次に、粒度調整した粉状の原料を成型し、成型物5として回転炉床炉に装入する。ここで、粉状の原料を成型する手段としては、パン式造粒機、ダブルロール式圧縮機、押出し型成型機等、いずれを使用してもよく、成型物5の形状も球状、ブリケット状、円柱状等のいずれでもよい。また、成型物を搬送したり、回転炉床炉に装入する際に、成型物5が落下衝撃で崩壊することを抑制するために、前記原料にバインダーを添加しても良い。回転炉床炉に装入される成型物5は成型時や搬送の途中で一部既に粉化しており、更に炉内への投入時や炉内の加熱の途中でも粉化する。
粉化した粉体は、スクリュー式排出装置でも多くは排出されずに炉床上に堆積し、炉内に設置した複数のバーナーにより繰り返し加熱され、粉体中の酸化鉄が炭素質物質や還元雰囲気中の一酸化炭素と反応して還元され、焼結化して還元鉄となるが、気孔率が25%以上と高いため、緻密化せず、強固な固化物にはならない。原料を加熱する温度は、酸化鉄の還元を促進するとともに、溶融することを防止するために、1100〜1400℃が望ましい。成型物5は回転炉床炉内で問題なく還元されて還元鉄となり、スクリュー式排出装置3で排出されて、還元鉄含有物質を得る。
本発明により、たとえ成型物の一部が粉化して炉床上に堆積しても、固着物が緻密化しないため、スクリュー刃先の修繕頻度が低下することを防止できる。更に還元鉄の再酸化、設備費の増加や回転炉床炉における耐火物の損傷等の問題もなく、原料の粒度を調整するだけで、稼働率の低下やメンテナンス費用の増加等の問題を解決できる回転炉床炉の操業技術を提供可能となった。
本発明者らは、図2に示す電気炉焼成還元装置において、種々の実験を行い、還元鉄の製造および、スクリュー式排出装置の刃先が摩耗する問題を軽減するための還元鉄の製造方法を見いだした。回転炉床法は原料が動かずに、原料を載せた炉床面が炉内を回転移動するプロセスであるため、加熱温度や加熱時間を回転炉床法に合わせれば、回転炉床法を簡易的に模擬できるため、該電気炉焼成還元装置を用いて、回転炉床法の実験を行った。
図2においては、8は発熱体であり、アルミナ管9の炉床に置かれたアルミナボート10の上に原料粉11または成型物12を置いて上下方向から焼成する。アルミナ管の端部は栓でふさがれており、栓の中央を貫通して燃焼排ガスを吹き込むガス管13が差し込まれている。14は熱電対であり、レコーダー15を介して装置内の温度を予定の温度に保っている。
まず、酸化鉄含有物と炭素質物質とからなる粉状の原料を、5μm以下の粒子の比率が粒子体積で60vol%以下、または、20μm以上の粒子の比率が粒子体積で20〜85vol%になるように調整し、その粉状の原料を供試料とし、還元鉄を製造する実験を行った。該原料の種類と成分組成を表1に示す。
Figure 0004332081
アルミナボート10の上に前記粉状の原料を成型した成型物12を置いて、図2に示す電気炉焼成還元装置の実験炉で焼成した。成型物はパン式造粒機で直径10mm〜15mmの球状の物を製造した。実験炉の焼成時間は15分間(昇温時間2分を含む。)であり、加熱温度を変化させて還元鉄を製造し、還元率と外観形状を評価した。ここで、還元率とは、原料に含まれる酸化鉄中の酸素原子の減少率、つまり、原料中の酸化鉄の酸化度の減少率である。その結果を表2に示した。
表2に示すように、加熱温度の増加とともに還元率が増加し、還元鉄としては良好な結果となるが、1400℃を超える温度では、還元鉄が溶融し、還元率が低下した。これはスラグ成分の溶融や金属鉄が浸炭して融点が下がり溶融したため、ガス還元が阻害され還元率が低下したと考えられる。ここで、ガス還元とは、主に、原料中の炭素質物質と、酸化鉄や二酸化炭素ガスが反応して発生する一酸化炭素ガスによる酸化鉄の還元であり、原料が溶融すると、一酸化炭素ガスが原料の空隙部を拡散できなくなるため、ガス還元が阻害されると考えられる。また、還元鉄が溶融すると、炉床や排出装置に付着し、回転炉床炉から排出できなくなることが懸念される。
一方、1100℃より低い温度では、還元が不十分であるばかりでなく、充分に焼結されていないため、還元鉄が脆く、回転炉床炉から排出する段階で粉化して、後工程で使用できないことが懸念される。従って、還元鉄を製造する加熱温度は1100〜1400℃が望ましい。但し、還元鉄の溶融性は、原料組成、特に原料の塩基度(CaO/SiO2質量比)、還元鉄の鉄分含有量、還元鉄の残留炭素比率に影響されると考えられるが、本実験を行った範囲では、これらの影響はわずかで、1100〜1400℃の加熱温度では、溶融、還元不足、還元鉄が脆くなる等の問題は見られなかった。なお、本実験を行った範囲とは、原料の塩基度は0.8〜3.2、還元鉄の鉄分含有量は50〜85%、還元鉄の残留炭素比率は0.5〜3.5%であった。これは、還元鉄の焼結化や溶融には加熱温度の影響が大きいためであると考えられる。
Figure 0004332081
次に、回転炉床炉の炉床上に固着する固着物への影響を調査した。酸化鉄含有物と炭素質物質とからなる粉状の原料の粒度を、5μm以下0〜100vol%、20μm以上0〜100vol%の範囲で種々変えて、成型物を製造し、その成型物を1mの高さから5回、ゴム上に落下させ、生成した1mm以下の粉体11を供試料とした。この際、成型前の粉状の原料の粒度は、ボールミルにて粉砕する時間を変えて、粒度を調整した。成型物はパン式造粒機で直径10mm〜15mmの球状の物を製造した。成型物を回転炉床炉まで搬送する際に、成型物が落下衝撃で崩壊し、粉化することを想定し、成型物を1mの高さから5回、ゴム上に落下させた。また、1mm以下の原料粉を供試料としたのは、1mm以下の粉はスクリュー式排出装置で排出されにくく、回転炉床炉の中に取り残され、固着物になりやすいからである。
次にアルミナボート10の上に前記粉体11を装入し、図2に示す電気炉焼成還元装置の実験炉で焼成した。実験炉の焼成時間は24時間であり、粉状の原料の粒度と加熱温度を変化させて焼成した。加熱温度は還元鉄を製造する条件の上限である1400℃と下限である1100℃の2条件で焼成した。固着物の気孔率は焼成時間を長くするほど小さくなるが、24時間以上の焼成時間では飽和するため、焼成時間を24時間とした。粉状の原料中の5μm以下の粒子の比率に対する固着物の気孔率の関係を図4に、粉状の原料中の20μm以上の粒子の比率に対する固着物の気孔率の関係を図5に示す。粉状の原料中の5μm以下の粒子の比率が減少する程、または、原料中の20μm以上の粒子の比率が増加する程、固着物の気孔率が増加する。その結果、固着物が緻密化することを防止できる。また、原料中の5μm以下の粒子の比率を30vol%以下、又は20μm以上の粒子の比率を60vol%以上に更に調整すれば、固着物の気孔率がより増加し、固着物が緻密化することをより防止できるため好ましい。
これは、固着物は酸化金属や還元された金属が、高温場で焼結するためと考えられるが、原料粒子径が20μm以上の割合が多くて粗い場合や、5μm以下の割合が減って細かい粒子が少ない場合は、粒子の固相拡散が減少し、焼結結合が発達しないため、焼成前の空隙が減少せず、気孔率が多くなり、固着物が緻密化することを防止したものと推定される。
回転炉床法でスクリュー式排出装置の刃先の摩耗が激しく、2ヶ月程度で刃先を修繕せざるを得ない場合の固着物の気孔率は20%以下であり、刃先の摩耗がほとんどなく、1年以上、刃先の修繕を必要としない場合の固着物の気孔率は25%以上であった。従って、本実施例1により、回転炉床炉にて還元鉄を製造する際、加熱温度1100〜1400℃において、粉状の原料中5μm以下の粒子の比率を粒子体積で60vol%以下に調整、または、原料中20μm以上の粒子の比率を粒子体積で20vol%以上に調整すれば、炉床に固着する固着物の気孔率を25%以上にでき、回転炉床炉における排出装置のスクリューの刃先の摩耗を軽減することができることが判る。
表1に示す焼結ダスト、溶鉱炉ダストおよび転炉ダストを混合し、ボールミルでの粉砕時間を調整し、5μm以下の粒子の比率を粒子体積で20〜30vol%にした後、皿形造粒機で成型して、回転炉床式焼成還元炉に装入し、最高温度1200〜1300℃に加熱し、酸化鉄を還元して還元鉄を製造した結果、還元率70〜90%の還元鉄を製造でき、溶鉱炉で使用することができた。その際、固着物の気孔率は48%程度であり、スクリュー式排出装置の刃先の修繕を2年間必要とせずに、操業を継続する事ができた。
表1に示す焼結ダスト、溶鉱炉ダストおよび転炉ダストを混合し、ボールミルでの粉砕時間を調整し、20μm以上の粒子の比率を粒子体積で20〜30vol%にした後、皿形造粒機で成型して、回転炉床式焼成還元炉に装入し、最高温度1200〜1300℃に加熱し、酸化鉄を還元して還元鉄を製造した結果、還元率70〜90%の還元鉄を製造でき、溶鉱炉で使用することができた。その際、固着物の気孔率は35%程度であり、スクリュー式排出装置の刃先の修繕を2年間必要とせずに、操業を継続する事ができた。
(比較例)
表1に示す焼結ダスト、溶鉱炉ダストおよび転炉ダストを混合し、ボールミルでの粉砕時間を調整し、5μm以下の粒子の比率を粒子体積で70〜90vol%、かつ、20μm以上の粒子の比率を粒子体積で0〜10vol%にした後、皿形造粒機で成型して、回転炉床式焼成還元炉に装入し、最高温度1200〜1300℃に加熱し、酸化鉄を還元して還元鉄を製造した結果、還元率70〜90%の還元鉄を製造でき、溶鉱炉で使用することができた。しかし、スクリュー式排出装置の刃先の摩耗が激しく、2ヶ月程度で刃先の修繕を余儀なくされていた。その際の固着物の気孔率は20%以下であった。
回転炉床式焼成還元炉の装置構成を示す概略図である。(a)は上面図、(b)はAA断面で切断した断面図である。 本発明の実験に用いた電気炉焼成還元装置の概略図である。 本発明に係る、炉床上に固着する固着物の気孔率と回転炉床式焼成還元炉におけるスクリュー式排出装置の刃先の修繕頻度との関係を示した図である。 本発明に係る、原料中の5μm以下の粒子割合と炉床上に固着する固着物の気孔率の関係を示した図である。 本発明に係る、原料中の20μm以上の粒子割合と炉床上に固着する固着物の気孔率の関係を示した図である。
符号の説明
1 回転炉床炉天井
2 原料投入口
3 スクリュー式排出装置
4 排ガス出口
5 成型物
6 固着物
7 回転炉床炉床面
8 発熱体
9 アルミナ管
10 アルミナボート
11 粉体
12 成型物
13 ガス管
14 熱電対
15 レコーダー

Claims (2)

  1. 溶鉱炉で発生するダスト、転炉で発生するダスト、焼結機で発生するダスト、及び、粉鉱石を有する酸化鉄含有物と、コークス粉を有する炭素質物質との混合物からなる粉状の原料を、最大粒子径が2mm以下となるように、かつ、5μm以下の粒子の比率が粒子体積で60vol%以下、又は、20μm以上の粒子の比率が粒子体積で20〜85vol%となるように調整し、その後、成型して、回転炉床式焼成還元炉に装入し、1100〜1400℃に加熱して、該酸化鉄を還元し、その後、スクリュー式排出装置にて排出することで、炉床上の固着物の気孔率を25%以上にすることを特徴とする回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法。
  2. 前記5μm以下の粒子の比率が粒子体積で30vol%以下、又は、前記20μm以上の粒子の比率が粒子体積で60〜85vol%となるように調整することを特徴とする請求項1に記載の回転炉床式焼成還元炉による還元鉄の製造方法。
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