JP2510555B2 - 高炉装入原料の焼結方法 - Google Patents

高炉装入原料の焼結方法

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JP2510555B2 JP62045663A JP4566387A JP2510555B2 JP 2510555 B2 JP2510555 B2 JP 2510555B2 JP 62045663 A JP62045663 A JP 62045663A JP 4566387 A JP4566387 A JP 4566387A JP 2510555 B2 JP2510555 B2 JP 2510555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高炉装入原料として使用される焼結鉱を製
造する際に、外気の吸引に起因して焼結層(なお、本願
明細書においては、焼結終了層及び焼結反応層を合わせ
て焼結層という)の上層部が熱不足となることを抑制
し、焼結層内部の熱移動に起因する焼結層下層部の熱過
剰を解消した高炉装入原料の焼結方法及び焼結装置に関
する。
〔従来の技術〕 粉鉱石等の製鉄原料から焼結鉱を製造する方法におい
ては、約10mm以下の鉄鉱石粉末に適度な粒度のコークス
及び必要に応じて石灰石粉末を混合し、この混合物を焼
結パレットに装入している。そして、供給された焼結原
料に添加された表層部のコークスに点火し、下方に向け
て空気を吸引しながらコークスを燃焼させ、このときに
発生する燃焼熱によって粉鉱石を焼結している。このよ
うにコークスの燃焼によって焼結反応が進行することか
ら、焼結層内部の熱移動に起因して、焼結層の下層部ほ
ど熱過剰となって、通気抵抗が増加する。これを抑制す
るため、原料層の上層部を細粒とし、下層部を粗粒とす
るように焼結原料を供給する方法が、たとえば特開昭48
−48303号公報で提案されている。
ところで、この原料層は、下方に配置したウインドボ
ックス等によって外気を厚み方向に沿って吸引しながら
焼結される。したがって、焼結層の上層部は、吸引され
た外気により冷却され、焼結層の中層部及び下層部に比
較して熱不足となる。そのために、上層部では充分な焼
結反応が行われず、非常に脆弱なものとなる。他方、下
層部では熱過剰となるために、焼結原料の一部が過溶融
状態にまで至り、やはり脆弱化する。このようにして焼
結された鉱石に粉砕,篩い分け等の後工程を行うとき、
粉化して焼結歩留りを劣化させる原因となる。
これを避けるためには、原料充填層の上層部に炭材を
別途供給し、この炭材を燃焼させることにより、焼結層
の上層部の温度補償を行う必要がある。しかし、この炭
材は、点火後の早い段階で燃焼し尽くしてしまうため、
原料層の一部が過熱状態となって溶融し、通気性を低下
させる原因になる。また、供給された炭材が燃焼し尽く
した後では、所期の保温効果を期待することができな
い。
この炭材の早期燃焼を遅らせ、点火後の原料層を焼結
に必要な温度に維持するため、特公昭41−7041号公報で
は、点火直後の赤熱表層部に高炉ガス灰等の遅燃性微粉
を散布している。この遅燃性微粉の散布により、上層部
における燃焼反応が緩やかなものとなり、上層部が溶融
状態となって通気性を阻害したり、焼結層内部に亀裂が
発生し焼成が不均一になることが防止される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、特公昭41−7041号公報記載の方法によ
るとき、遅燃性微粉を用意することが必要となる。ま
た、その微粉を焼結層の上層部に供給するために輸送機
構を必要とする。したがって、焼結機が複雑化し、その
保守・操作が面倒なものとなる。
また、この遅燃性微粉には、原料層内で溶融して、結
合材としての作用をも持たせたている。しかし、遅燃性
微粉の溶融は、添加コークスの燃焼熱による焼結溶融反
応よりも遅れて生じるため、焼結層の内部に通気抵抗の
大きな溶融ゾーンが二度生じることになる。その結果、
焼結原料の焼結反応の円滑な進行が阻害されて、焼結歩
留りが低下する原因となる そこで、本発明は、このような遅燃性微粉を別途供給
する必要なく、特に原料層の上層部から下層部にかけて
の状態を焼結に必要な時間維持し、歩留り良く焼結鉱を
製造することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の焼結方法は、その目的を達成するために、焼
結機のパレット上に形成された原料層を点火して焼結反
応を行うに際し、点火後の焼結層上に炭材を、焼結機の
進行方向に沿って漸次減少させながら供給することを特
徴とする。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、実施例により本発明の特
徴を具体的に説明する。
第1図は、本実施例における焼結装置の全体構成を示
す。
鉱石粒,炭材等を混合して調整された焼結原料1は、
サージホッパ2に蓄えられており、逐次ドラムフィーダ
3等の搬送手段によって傾斜板等のシュート4を経て、
焼結後のパレット5上に送給される。
このようにして原料層8が設けられたパレット5を図
面右方向に搬送する、この原料層8において、焼結原料
1に含まれている炭材は、その粒度が比較的小さなもの
であるため、上層部に偏って分布している。そこで、こ
の炭材を点火炉9で点火し燃焼させることによって、原
料層8を加熱する。
この点火炉9の後方には炭材供給機構10が配置されて
おり、焼結層14の表層部に対して炭材11が更に供給され
る。この別途供給される炭材11として、粒径0.25mm以下
の微粉コークスを使用した。この炭材供給機構10は、パ
レット5の進行方向に沿って長尺状に設けられたもので
あり、好ましくは点火炉9直後から排鉱部13直前までの
範囲にわたって炭材11を焼結層14に供給する。
炭材11が供給される焼結層14は、下方に配置したウイ
ンドボックス12によって外気を焼結層14と原料層8の厚
み方向に吸引しながら焼結される。そのため、供給され
た炭材11は、吸引流に乗って焼結層14の表層に散布さ
れ、焼結層14の内部にまで到達することになる。この点
火された後の焼結層14に供給された炭材11は、燃焼し
て、焼結層14の焼結に必要な熱源となる。このとき、炭
材11の供給が焼結層14の搬送経路に沿って長い範囲で行
われることによって、外気の吸引に起因した焼結層14の
上層部における温度降下が抑制される。これに対し、炭
材11を追加装入しない従来の方法では、焼結原料の一部
として持ち込まれた炭材が比較的早い段階で消費されて
しまうので、その温度降下が避けられないものであっ
た。
焼結された原料は、次いで排鉱部13から排出され、粉
砕,篩い分け等の後処理を施された後、高炉装入原料と
される。
第2図は、炭材11を点火後の焼結層14に散布する効果
を具体的に表したグラフである。
本例においては、炭材として3.0%のコークスを含む
焼結原料1から厚み500mmの原料層8をパレット5上に
形成した。この原料層8を点火した後に生じる焼結層14
の表層部に対し、0.3%の割合で炭材11として微粉コー
クスを散布した。また、炭材11が散布される範囲を、点
火炉9後方の1〜65mに設定した。そして、原料層8の
上層部,中層部及び下層部の3点に熱電対を装入し、そ
の部分の温度変化をパレット5の搬送方向に沿って測定
した。このときの測定結果を、第2図において(a)と
して示した。
他方、比較例として、点火炉9通過後の焼結層14に炭
材11を供給しない場合についても、同じ位置で原料層8
の温度を測定し、その温度変化を第2図において(b)
として示した。
この図から明らかなように、点火炉9を通過した後の
焼結層14の上層部は、吸引された微粉コークスによって
熱が付加され、焼結に必要な高温保持時間(以下、1000
℃以上の高温保持時間を焼結時間という)が保証され
る。一方、下層部は、比較例よりコークス量が減少でき
るため、熱の蓄積が少なく、過剰の焼結時間とならな
い。このため、上層部から下層部にかけてほぼ均一な焼
結時間となり、原料層8はその厚み方向に関して均一に
焼結され、焼結歩留りも78.1%と高いものであった。
これに対し、比較例の場合には、点火炉9を通過した
焼結層14の上層部における外気吸引に起因する熱不足を
補償するため、パレット5に装入する焼結原料1の炭材
含有量を3.4%に増量した。
この炭材の増量に拘らず、焼結層14の上層部温度は、
炭材が燃焼された後で速やかに低下する。そのため、焼
結時間が短いものであった。他方、原料層8の下部にあ
っては、その炭材の増量に応じて蓄熱量が大きくなり、
長時間にわたって焼結原料が高温に保持され、一部が過
溶融状態となった。その結果、原料層8の厚み方向に関
する焼結が均一に行われず、焼結不足や過熱等に起因し
て焼結鉱の粉化率も大きく、焼結歩留りが74.3%に低下
した。
点火炉9通過後の焼結層14に散布される炭材11の量
は、パレット5の長手方向に沿って漸次減少させること
が好ましい。第3図は、この散布量の変化の一例を示し
たグラフである。炭材11の散布量は、平均としては0.3
%であるが、焼結の進行によって焼結層14の下層部に蓄
積される熱量を考慮して炭材11の散布量を減少させた。
これによって、点火炉9から排鉱部13に至るパレット
5搬送過程のほとんどにおいて、焼結層14の上層部,中
層部及び下層部のいずれに対しても焼結時間をほぼ同一
にすることができた。このようにして、焼結層14内部の
熱移動に起因する焼結時間の不均一性が避けられ、原料
層8の各部を均一に焼結することができた。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、点火後の
焼結層に炭材を散布することにより、吸引された外気に
起因する温度降下を抑制し、原料層を焼結するのに必要
な時間を維持することができる。そのため、原料層の各
部が均一に焼結され、焼結歩留りの改善が図られる。ま
た、熱源となる炭材全量を当初から焼結原料に混合する
ことに代え、一部を点火された後の焼結層の表層から吸
引しているので、焼結層内部の熱移動に起因して下層部
ほど熱過剰となる傾向を避け、装入された炭材を効率良
く原料層の加熱に利用することが可能となる。そのた
め、炭材の消費量も節減される。このように、本発明に
よるとき、優れた生産性で焼結鉱が製造される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の焼結装置を示し、第2図は本発
明の効果を具体的に表したグラフであり、第3図は本発
明においてパレット進行方向に関して炭材散布量を変化
させた実施例を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結機のパレット上に形成された原料層を
    点火して焼結反応を行うに際し、点火後の焼結層上に炭
    材を、焼結機の進行方向に沿って漸次減少させながら供
    給することを特徴とする高炉装入原料の焼結方法。
JP62045663A 1987-02-27 1987-02-27 高炉装入原料の焼結方法 Expired - Lifetime JP2510555B2 (ja)

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