JP7259133B2 - 電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置 - Google Patents

電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置に関する。
近年、エンジン始動直後の排気ガス浄化性能の低下を改善するため、電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCは、例えば、導電性セラミックスからなる柱状のハニカム構造体に金属電極を接続し、通電によりハニカム構造体自体を発熱させることで、エンジン始動前に触媒の活性温度まで昇温できるようにしたものである。EHCに電流を流すためには、外部配線に接続された金属電極をEHCに接合させる必要がある。
特許文献1には、ハニカム構造体、電極層及び電極部を有し、当該電極層及び当該電極部が下地層を介して電気的に接合される電気加熱型触媒用担体において、ハニカム構造体の外周壁に配設された一対の電極層上にスポット状に下地層を配置している。そして、このような構成によれば、電極部を溶接または溶射することで接合する際に、接合されている下地層と接合されていない下地層との間の温度差によるクラックの発生を抑制することができると記載されている。
特開2019-171345号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、電極層上に配置する下地層の熱膨張率が、電極層の熱膨張率より高い場合、ハニカム構造体の昇温に伴う熱膨張差による熱応力が発生する。その結果、下地層と電極層との界面にクラックが発生する問題が生じるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、電極層と下地層との界面におけるクラックの発生を良好に抑制することが可能な電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決されるものであり、本発明は以下のように特定される。
(1)外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有するセラミックス製の柱状ハニカム構造体と、
前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面に配設された電極層と、
前記電極層上に設けられた中間層と、
前記中間層上に設けられた下地層と、
前記下地層上に設けられた金属電極と、
を備え、
前記中間層の熱膨張率が、前記電極層の熱膨張率より低い電気加熱式担体。
(2)(1)に記載の電気加熱式担体と、
前記電気加熱式担体を保持する缶体と、
を有する排気ガス浄化装置。
本発明によれば、電極層と下地層との界面におけるクラックの発生を良好に抑制することが可能な電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の実施形態における電気加熱式担体のセルの延伸方向に垂直な断面模式図である。 本発明の実施形態における柱状ハニカム構造体及び電極層の外観模式図である。 本発明の実施形態における柱状ハニカム構造体、電極層、中間層、下地層、及び金属電極の断面模式図である。 本発明の実施形態における柱状ハニカム構造体、電極層、中間層、下地層、及び金属電極の断面模式図である。 本発明の実施形態における電気加熱式担体の下地層の配置例を示す平面模式図である。 実施例に係る昇降温サイクル試験で用いた積層体のサンプルの模式図である。
次に本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1.電気加熱式担体)
図1は、本発明の実施形態における電気加熱式担体10のセル18の延伸方向に垂直な断面模式図である。電気加熱式担体10は、柱状ハニカム構造体11と、柱状ハニカム構造体11の外周壁12の表面に配設された電極層13a、13bと、電極層13a、13b上に設けられた中間層20a、20bと、中間層20a、20b上に設けられた下地層16a、16bと、下地層16a、16b上に設けられた金属電極14a、14bとを備えている。
(1-1.柱状ハニカム構造体)
図2は本発明の実施形態における柱状ハニカム構造体11及び電極層13a、13bの外観模式図を示すものである。柱状ハニカム構造体11は、外周壁12と、外周壁12の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセル18を区画形成する隔壁19とを有する。
柱状ハニカム構造体11の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、底面が円形の柱状(円柱形状)、底面がオーバル形状の柱状、底面が多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。また、柱状ハニカム構造体11の大きさは、耐熱性を高める(外周壁の周方向に入るクラックを抑制する)という理由により、底面の面積が2000~20000mm2であることが好ましく、5000~15000mm2であることが更に好ましい。
柱状ハニカム構造体11は、セラミックス製であり、導電性を有する。導電性の柱状ハニカム構造体11が通電してジュール熱により発熱可能である限り、当該セラミックスの電気抵抗率については特に制限はないが、0.1~200Ωcmであることが好ましく、1~200Ωcmであることより好ましく、10~100Ωcmであることが更に好ましい。本発明において、柱状ハニカム構造体11の電気抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
柱状ハニカム構造体11の材質としては、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックスからなる群から選択することができる。また、炭化珪素-金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。これらの中でも、耐熱性と導電性の両立の観点から、柱状ハニカム構造体11の材質は、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素を主成分とするセラミックスを含有していることが好ましい。柱状ハニカム構造体11の材質が、珪素-炭化珪素複合材を主成分とするものであるというときは、柱状ハニカム構造体11が、珪素-炭化珪素複合材(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。ここで、珪素-炭化珪素複合材は、骨材としての炭化珪素粒子、及び炭化珪素粒子を結合させる結合材としての珪素を含有するものであり、複数の炭化珪素粒子が、炭化珪素粒子間に細孔を形成するようにして、珪素によって結合されていることが好ましい。柱状ハニカム構造体11の材質が、炭化珪素を主成分とするものであるというときは、柱状ハニカム構造体11が、炭化珪素(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。
柱状ハニカム構造体11が、珪素-炭化珪素複合材を含んでいる場合、柱状ハニカム構造体11に含有される「骨材としての炭化珪素粒子の質量」と、柱状ハニカム構造体11に含有される「結合材としての珪素の質量」との合計に対する、柱状ハニカム構造体11に含有される「結合材としての珪素の質量」の比率が、10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることが更に好ましい。10質量%以上であると、柱状ハニカム構造体11の強度が十分に維持される。40質量%以下であると、焼成時に形状を保持しやすくなる。
セル18の延伸方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、四角形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム構造体11に排気ガスを流したときの圧力損失が小さくなり、触媒の浄化性能が優れたものとなる。構造強度及び加熱均一性を両立させやすいという観点からは、四角形が特に好ましい。
セル18を区画形成する隔壁19の厚みは、0.1~0.3mmであることが好ましく、0.15~0.25mmであることがより好ましい。隔壁19の厚みが0.1mm以上であることで、ハニカム構造体の強度が低下するのを抑制可能である。隔壁19の厚みが0.3mm以下であることで、ハニカム構造体を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排気ガスを流したときの圧力損失が大きくなるのを抑制できる。本発明において、隔壁19の厚みは、セル18の延伸方向に垂直な断面において、隣接するセル18の重心同士を結ぶ線分のうち、隔壁19を通過する部分の長さとして定義される。
柱状ハニカム構造体11は、セル18の流路方向に垂直な断面において、セル密度が40~150セル/cm2であることが好ましく、70~100セル/cm2であることが更に好ましい。セル密度をこのような範囲にすることにより、排気ガスを流したときの圧力損失を小さくした状態で、触媒の浄化性能を高くすることができる。セル密度が40セル/cm2以上であると、触媒担持面積が十分に確保される。セル密度が150セル/cm2以下であると柱状ハニカム構造体11を触媒担体として用いて、触媒を担持した場合に、排気ガスを流したときの圧力損失が大きくなりすぎることが抑制される。セル密度は、外側壁12部分を除く柱状ハニカム構造体11の一つの底面部分の面積でセル数を除して得られる値である。
柱状ハニカム構造体11の外周壁12を設けることは、柱状ハニカム構造体11の構造強度を確保し、また、セル18を流れる流体が外周壁12から漏洩するのを抑制する観点で有用である。具体的には、外周壁12の厚みは好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.15mm以上、更により好ましくは0.2mm以上である。但し、外周壁12を厚くしすぎると高強度になりすぎてしまい、隔壁19との強度バランスが崩れて耐熱衝撃性が低下することから、外周壁12の厚みは好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下であり、更により好ましくは0.5mm以下である。ここで、外周壁12の厚みは、厚みを測定しようとする外周壁12の箇所をセル18の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における外周壁12の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
隔壁19は多孔質とすることができる。隔壁19の気孔率は、35~60%であることが好ましく、35~45%であることが更に好ましい。気孔率が35%以上であると、焼成時の変形をより抑制しやすくなる。気孔率が60%以下であるとハニカム構造体の強度が十分に維持される。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
柱状ハニカム構造体11の隔壁19の平均細孔径は、2~15μmであることが好ましく、4~8μmであることが更に好ましい。平均細孔径が2μm以上であると、電気抵抗率が大きくなりすぎることが抑制される。平均細孔径が15μm以下であると、電気抵抗率が小さくなりすぎることが抑制される。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
(1-2.電極層)
柱状ハニカム構造体11の外周壁12の表面に、電極層13a、13bが配設されている。電極層13a、13bは、柱状ハニカム構造体11の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層13a、13bであってもよい。
電極層13a、13bの形成領域に特段の制約はないが、柱状ハニカム構造体11の均一発熱性を高めるという観点からは、各電極層13a、13bは外周壁12の外面上で外周壁12の周方向及びセル18の延伸方向に帯状に延設することが好ましい。具体的には、各電極層13a、13bは、柱状ハニカム構造体11の両底面間の80%以上の長さに亘って、好ましくは90%以上の長さに亘って、より好ましくは全長に亘って延びていることが、電極層13a、13bの軸方向へ電流が広がりやすいという観点から望ましい。
各電極層13a、13bの厚みは、0.01~5mmであることが好ましく、0.01~3mmであることが更に好ましい。このような範囲とすることにより均一発熱性を高めることができる。各電極層13a、13bの厚みが0.01mm以上であると、電気抵抗が適切に制御され、より均一に発熱することができる。5mm以下であると、キャニング時に破損する恐れが低減される。各電極層13a、13bの厚みは、厚みを測定しようとする電極層の箇所をセル18の延伸方向に垂直な断面で観察したときに、各電極層13a、13bの外面の当該測定箇所における接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
各電極層13a、13bの電気抵抗率を柱状ハニカム構造体11の電気抵抗率より低くすることにより、電極層に優先的に電気が流れやすくなり、通電時に電気がセル18の流路方向及び周方向に広がりやすくなる。電極層13a、13bの電気抵抗率は、柱状ハニカム構造体11の電気抵抗率の1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましく、1/30以下であることが更により好ましい。但し、両者の電気抵抗率の差が大きくなりすぎると対向する電極層の端部間に電流が集中して柱状ハニカム構造部の発熱が偏ることから、電極層13a、13bの電気抵抗率は、柱状ハニカム構造体11の電気抵抗率の1/200以上であることが好ましく、1/150以上であることがより好ましく、1/100以上であることが更により好ましい。本発明において、電極層13a、13bの電気抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
各電極層13a、13bの材質は、金属及び導電性セラミックスとの複合材(サーメット)を使用することができる。金属としては、例えばCr、Fe、Co、Ni、Si又はTiの単体金属又はこれらの金属よりなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する合金が挙げられる。導電性セラミックスとしては、限定的ではないが、炭化珪素(SiC)が挙げられ、珪化タンタル(TaSi2)及び珪化クロム(CrSi2)等の金属珪化物等の金属化合物が挙げられる。金属及び導電性セラミックスとの複合材(サーメット)の具体例としては、金属珪素と炭化珪素の複合材、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材、更には上記の一種又は二種以上の金属に熱膨張低減の観点から、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト、窒化珪素及び窒化アルミ等の絶縁性セラミックスを一種又は二種以上添加した複合材が挙げられる。
(1-3.中間層)
本発明の実施形態における電気加熱式担体10は、電極層13a、13b上に中間層20a、20bが設けられている。中間層20a、20bの熱膨張率は、電極層13a、13bの熱膨張率より低い。このような構成によれば、電極層13a、13bと、下地層16a、16bとの間に、電極層13a、13bよりも熱膨張率が低い層を設けているため、電気加熱式担体10の加熱によって電極層13a、13bが昇温しても、中間層20a、20bの熱膨張が電極層13a、13bの熱膨張より小さくなる。このため、電極層13a、13bと下地層16a、16bとの熱膨張率差に伴う熱応力を緩和し、電極層13a、13bと下地層16a、16bとの界面に発生するクラックを良好に抑制することができる。
中間層20a、20bの熱膨張率が電極層13a、13bの熱膨張率より低ければ、上記効果を得ることができるが、より顕著な効果を得るには、中間層20a、20bの熱膨張率が、電極層13a、13bの熱膨張率に対して、0.3~0.9倍であるのが好ましい。中間層20a、20bの熱膨張率が、電極層13a、13bの熱膨張率に対して、0.3倍以上であれば、電極層13a、13bと下地層16a、16bとの熱膨張率差に伴う熱応力をより緩和することができ、クラックは更に発生しにくくなる。中間層20a、20bの熱膨張率が、電極層13a、13bの熱膨張率に対して、0.9倍以下であると、中間層20a、20bが、電極層13a、13bと下地層16a、16bとの熱膨張率差に伴う熱応力をより緩和し、電極層13a、13bと下地層16a、16bとの界面に発生するクラックをより低減可能である点から好ましい。中間層20a、20bの熱膨張率は、電極層13a、13bの熱膨張率に対して、0.3~0.7倍であることがより好ましく、0.4~0.6倍であることが更により好ましい。中間層20a、20bの熱膨張率は、中間層20a、20bの熱膨張率より低い限り、適宜調整することができ、例えば、0.5~7.0ppm/Kとすることができる。
中間層20a、20bの熱膨張率が、下地層16a、16bの熱膨張率より低いことが好ましい。このような構成によれば、中間層20a、20bが前述のクラックの発生を抑制する役割を果たすことがより高まるほか、下地層16a、16bの熱膨張率をより自由に設定することができ、ひいては材料の選択範囲が広がるという利点がある。
中間層20a、20bを、電極層13a、13bと、下地層16a、16bとの間に設けることによって、前述のクラックの発生を抑制することの他に、電極層13a、13b中の、例えばSiまたはSiCと、下地層16a、16b中の金属成分との反応を抑制することができ、電極層13a、13bの劣化を良好に抑制することができる。このような反応防止層としての機能を有するために、中間層20a、20bの気孔率は5%以下であるのが好ましく、3%以下であるのがより好ましく、1%以下であるのが更により好ましい。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
また、図示では中間層20a、20bが連続した層を形成しているが(図1、図3、図4参照)、中間層20a、20bは、必ずしも単独で層を形成する必要はなく、前述の中間層20a、20bの機能を果たすことができる限り、任意の形態で配置することができる。中間層20a、20bは、例えば、2層または3層以上が積層して形成されていてもよい。例えば、中間層20a、20bを2層とする場合、一方の層が電極層より熱膨張率が低い層とし、他方の層が気孔率5%以下の層にして反射防止効果を得る構成として、機能分離させてもよい。中間層20a、20bがこのように複数の層で構成されている場合、それらの熱膨張率が一定である必要はなく、電極層13a、13bの熱膨張率より低い限り、連続的又は非連続的に変動してもよいが、熱応力の緩和の観点から、連続的に変動することが好ましい。また、中間層20a、20bがこのように複数の層で構成されている場合、複数の中間層20a、20bのそれぞれの熱膨張率が、下地層16a、16bの熱膨張率より低いことが、より好ましい形態である。
中間層20a、20bの厚みは、3~400μmであることが好ましい。中間層20a、20bの厚みを3μm以上とすることにより、その効果をより顕著に得ることができる。一方、中間層20a、20bの厚みを400μm以下とすることにより、柱状ハニカム構造体11に流れる電流に対する影響を抑えることができ、電気加熱式担体10の本来の機能に対する影響を最小限にすることができる。以上の観点から、中間層20a、20bの厚みは5~200μmであることが更に好ましい。
中間層20a、20bの熱膨張率が、電極層13a、13bの熱膨張率より低い限り、本発明の課題を解決できるが、良好な接合強度を保ち、接合部分の電気抵抗の変化率及び接合部分の接触熱抵抗を低く保つ観点から、中間層20a、20bは、酸化物セラミック、又は金属若しくは金属化合物と酸化物セラミックとの混合物であることが好ましい。
中間層20a、20bの金属としては、単体金属又は合金のいずれでもよく、例えばシリコン、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタン、タングステン、Ni-Cr合金などを好適に用いることができる。中間層20a、20bの金属化合物としては、酸化物セラミック以外の物であって、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属珪化物、金属ホウ化物、複合酸化物等が挙げられ、例えばFeSi2、CrSi2などを好適に用いることができる。中間層20a、20bの金属及び金属化合物は、いずれも、単独一種でもよく、二種以上を併用してもよい。酸化物セラミックとしては、具体的には、ガラス、コージェライト、ムライトなどがある。ガラスは、B、Mg、Al、Si、P、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の成分からなる酸化物を更に含んでも良い。上記群より選択される少なくとも1種を更に含んでいると、中間層20a、20bの強度がより向上する点で更に好ましい。
中間層20a、20bの表面粗さRa(JIS B 0601-2001;算術平均粗さ)は、300μm以下であるのが好ましい。中間層20a、20bの表面粗さRaが300μm以下であると、中間層20a、20bと下地層16a、16bとの接合強度が向上するという効果が得られる。中間層20a、20bの表面粗さRaは、5~200μmであるのがより好ましく、5~100μmであるのが更により好ましい。
(1-4.下地層)
本発明の実施形態における電気加熱式担体10は、中間層20a、20b上に、下地層16a、16bが設けられている。下地層16a、16bは、金属若しくは金属化合物と、酸化物セラミックとの混合物であることが好ましい。金属若しくは金属化合物としては、上記中間層20a、20bで用いられる金属若しくは金属化合物の種類と同様のものが例示される。また、酸化物セラミックとしては、上記中間層20a、20bで用いられる金属若しくは金属化合物の種類と同様のものが例示される。
下地層16a、16bの数及び配置の仕方は制限されず、金属電極14a、14bを固定するのに必要な範囲内で適宜設定できる。また、下地層16a、16bの形状は、平面視で円形状、楕円形状、多角形状など、任意の形状に形成することができる。なお、下地層16a、16bの形状は、生産性及び実用性の観点から、円形又は矩形であることが好ましい。
柱状ハニカム構造体11の外周壁12の表面において、下地層16a、16bの投影面が中間層20a、20bの投影面に含まれることが好ましい。このような構成によれば、電極層13a、13bと、下地層16a、16bとの間に中間層20a、20bが常に介在するため、電極層13a、13bと、下地層16a、16bとの間の熱膨張差による熱応力をより確実に抑制することができる。
下地層16a、16bは、単層で構成されていてもよく、2層または3層以上の複数の層を積層することで構成されていてもよい。図3に、下地層16a、16bが2層で構成されている例を示す。図3に示す実施形態では、下地層16a、16bが、金属電極14a、14b側に設けられ、金属電極14a、14bと接合する第1の層21と、中間層20a、20b側に設けられ、柱状ハニカム構造体11の外周壁12の表面において、第1の層21の投影面より広い投影面を有する第2の層22とを有している。このとき、下地層16a、16bを構成する第1の層21を、金属電極14a、14bと接合する際のレーザー溶接の下地となる溶接下地層とすることができる。また、第2の層22は、柱状ハニカム構造体11の外周壁12の表面において、第1の層21の投影面より広い投影面を有するため、金属電極14a、14bから第1の層21を通って来る電流を、柱状ハニカム構造体11の軸方向へ拡散するための電流拡散層とすることができる。また、第1の層21及び第2の層22は、これに限らず、種々の目的に応じて、適宜、種々の機能を付与することができる。
図4に、下地層16a、16bが3層で構成されている例を示す。図4に示す実施形態では、下地層16a、16bが、金属電極14a、14b側に設けられ、金属電極14a、14bと接合する第1の層21と、中間層20a、20b側に設けられた第2の層22と、第1の層21と第2の層22との間に設けられた第3の層23とを有している。このとき、第1の層21及び第3の層23を溶接下地層とし、さらに、両者を別材料で形成してもよい。例えば、金属電極14a、14b側の溶接下地層を構成する第1の層21を、金属電極14a、14bとの溶接性を向上させた材料で形成してもよい。また、中間層20a、20b側の溶接下地層を構成する第3の層23を、電流拡散層を構成する第2の層22と同材料で形成することで、第3の層23と第2の層22との接合性を向上させることができる。
(1-5.金属電極)
金属電極14a、14bは、下地層16a、16b上に設けられている。金属電極14a、14bは、一方の金属電極14aが、他方の金属電極14bに対して、柱状ハニカム構造体11の中心軸を挟んで対向するように配設される一対の金属電極であってもよい。金属電極14a、14bは、電極層13a、13bを介して電圧を印加すると通電してジュール熱により柱状ハニカム構造体11を発熱させることが可能である。このため、電気加熱式担体10はヒーターとしても好適に用いることができる。印加する電圧は12~900Vが好ましく、48~600Vが更に好ましいが、印加する電圧は適宜変更可能である。
金属電極14a、14bの材質としては、金属であれば特段の制約はなく、単体金属及び合金等を採用することもできるが、耐食性、電気抵抗率及び線膨張率の観点から例えば、Cr、Fe、Co、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種を含む合金とすることが好ましく、ステンレス鋼及びFe-Ni合金がより好ましい。金属電極14a、14bの形状及び大きさは、特に限定されず、電気加熱式担体10の大きさや通電性能等に応じて、適宜設計することができる。
金属電極14a、14bは2つ以上の電極部15を有していてもよい。各電極部15は、下地層16a、16bの外表面に固定されてもよい。ここで、電極部15は、溶接により下地層16a、16bに固定されてもよく、溶射により形成される固定層で下地層16a、16bに固定されてもよい。
図5に示される実施形態では、金属電極14a、14bはそれぞれ3つの櫛状電極部15を有し、それぞれの電極部15は2つの下地層16a、16bに固定されている。このように、櫛状電極部15と電極層13a、13bとの電気的接続は、互いに離間した2つ以上の下地層16a、16bにより実現されていてもよい。
なお、電極部15は、図5では櫛状に成形されているが、下地層16a、16bに固定され電極層13a、13bと電気的に接続し得る限り、または、溶射により電極層13a、13bに固定され得る限り、いかなる形状も採用できる。
(1-6.触媒担体)
電気加熱式担体10に触媒を担持することにより、電気加熱式担体10を触媒担体として使用することができる。複数のセル18の流路には、例えば、自動車排気ガス等の流体を流すことができる。触媒としては、例えば、貴金属系触媒又はこれら以外の触媒が挙げられる。貴金属系触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)といった貴金属をアルミナ細孔表面に担持し、セリア、ジルコニア等の助触媒を含む三元触媒や酸化触媒、又は、アルカリ土類金属と白金を窒素酸化物(NOx)の吸蔵成分として含むNOx吸蔵還元触媒(LNT触媒)が例示される。貴金属を用いない触媒として、銅置換又は鉄置換ゼオライトを含むNOx選択還元触媒(SCR触媒)等が例示される。また、これらの触媒からなる群から選択される2種以上の触媒を用いてもよい。なお、触媒の担持方法についても特に制限はなく、従来、ハニカム構造体に触媒を担持する担持方法に準じて行うことができる。
(2.電気加熱式担体の製造方法)
次に、本発明の実施形態に係る電気加熱式担体10を製造する方法について例示的に説明する。本発明の電気加熱式担体10の製造方法は一実施形態において、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を得る工程A1と、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を焼成して柱状ハニカム構造体を得る工程A2と、柱状ハニカム構造体の電極層上に、中間層形成ペースト及び下地層形成ペーストを設けた後、焼成して中間層及び下地層付き柱状ハニカム構造体を得る工程A3と、柱状ハニカム構造体の下地層に金属電極を溶接する工程A4とを含む。
工程A1は、ハニカム構造部の前駆体であるハニカム成形体を作製し、ハニカム成形部の側面に電極層形成ペーストを塗布して、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を得る工程である。ハニカム成形体の作製は、公知のハニカム構造部の製造方法におけるハニカム成形体の作製方法に準じて行うことができる。例えば、まず、炭化珪素粉末(炭化珪素)に、金属珪素粉末(金属珪素)、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料を作製する。炭化珪素粉末の質量と金属珪素の質量との合計に対して、金属珪素の質量が10~40質量%となるようにすることが好ましい。炭化珪素粉末における炭化珪素粒子の平均粒子径は、3~50μmが好ましく、3~40μmが更に好ましい。金属珪素(金属珪素粉末)の平均粒子径は、2~35μmであることが好ましい。炭化珪素粒子及び金属珪素(金属珪素粒子)の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。炭化珪素粒子は、炭化珪素粉末を構成する炭化珪素の微粒子であり、金属珪素粒子は、金属珪素粉末を構成する金属珪素の微粒子である。なお、これは、ハニカム構造部の材質を、珪素-炭化珪素系複合材とする場合の成形原料の配合であり、ハニカム構造部の材質を炭化珪素とする場合には、金属珪素は添加しない。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、2.0~10.0質量部であることが好ましい。
水の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、20~60質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.1~2.0質量部であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.5~10.0質量部であることが好ましい。造孔材の平均粒子径は、10~30μmであることが好ましい。10μmより小さいと、気孔を十分形成できないことがある。30μmより大きいと、成形時に口金に詰まることがある。造孔材の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。造孔材が吸水性樹脂の場合には、造孔材の平均粒子径は吸水後の平均粒子径のことである。
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形してハニカム成形体を作製する。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。次に、得られたハニカム成形体について、乾燥を行うことが好ましい。ハニカム成形体の中心軸方向長さが、所望の長さではない場合は、ハニカム成形体の両底部を切断して所望の長さとすることができる。乾燥後のハニカム成形体をハニカム乾燥体と呼ぶ。
次に、電極層を形成するための電極層形成ペーストを調合する。電極層形成ペーストは、電極層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び、セラミックス粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。電極層を積層構造とする場合、第一の電極層用のペースト中の金属粉末の平均粒子径に比べて、第二の電極層用のペースト中の金属粉末の平均粒子径を大きくすることにより、中間層と電極層の接合強度が向上する傾向にある。金属粉末の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
次に、得られた電極層形成ペーストを、ハニカム成形体(典型的にはハニカム乾燥体)の側面に塗布し、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を得る。電極層形成ペーストを調合する方法、及び電極層形成ペーストをハニカム成形体に塗布する方法については、公知のハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができるが、電極層をハニカム構造部に比べて低い電気抵抗率にするために、ハニカム構造部よりも金属の含有比率を高めたり、金属粒子の粒径を小さくしたりすることができる。
柱状ハニカム構造体の製造方法の変更例として、工程A1において、電極層形成ペーストを塗布する前に、ハニカム成形体を一旦焼成してもよい。すなわち、この変更例では、ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製し、当該ハニカム焼成体に、電極層形成ペーストを塗布する。
工程A2では、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を焼成して、柱状ハニカム構造体を得る。焼成を行う前に、電極層形成ペースト付き未焼成ハニカム構造部を乾燥してもよい。また、焼成の前に、バインダ等を除去するため、脱脂を行ってもよい。焼成条件としては、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1400~1500℃で、1~20時間加熱することが好ましい。また、焼成後、耐久性向上のために、1200~1350℃で、1~10時間、酸化処理を行うことが好ましい。脱脂及び焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
工程A3では、柱状ハニカム構造体上の電極層の表面に、中間層を形成するための材料(中間層形成用材料)のペーストを塗布し、更にその上に、下地層を形成するための導電性材料のペーストを塗布する。このように調製したペーストを曲面印刷機などで所定の配置となるように塗布し、これを乾燥した後、焼成することで、中間層及び下地層を形成する。
中間層形成用材料のペーストとしては、例えば、ガラス材料及びステンレスなどの金属粉を用いて調製する。このガラス材料及びステンレスなどの金属粉に対してバインダを1質量%、界面活性剤を1質量%、水を20~40質量%加えることにより、中間層形成ペーストを調製することができる。また、中間層は、中間層形成用材料を溶射によって、所定の配置、形状となるように形成してもよい。
下地層を形成するための導電性材料のペーストとしては、例えば、金属粉(NiCr系材料、ステンレス等の金属粉)をガラス材料に混合する。このとき、体積割合で金属比率20~85体積%、ガラス材料を15~80体積%で混合し、セラミック原料を調製することができる。次いで、このセラミック原料に対してバインダを1質量%、界面活性剤を1質量%、水を20~40質量%加えることにより、下地層形成ペーストを調製することができる。また、下地層は、導電性材料を溶射によって、所定の配置、形状となるように形成してもよい。
工程A4では、工程A3によって得られた中間層及び下地層付き柱状ハニカム構造体の下地層上に、金属電極をレーザー溶接または超音波溶接により固定する。このようにして、本発明の実施形態に係る電気加熱式担体10が得られる。
(3.排気ガス浄化装置)
上述した本発明の実施形態に係る電気加熱式担体は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱式担体と、当該電気加熱式担体を保持する缶体とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱式担体は、エンジンからの排気ガスを流すための排気ガス流路の途中に設置される。缶体としては、電気加熱式担体を収容する金属製の筒状部材等を用いることができる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1.円柱状の坏土の作製)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミックス原料を調製した。そして、セラミックス原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。そして、成形原料を真空土練機により混練し、円柱状の坏土を作製した。バインダの含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに7質量部とした。造孔材の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに3質量部とした。水の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに42質量部とした。炭化珪素粉末の平均粒子径は20μmであり、金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。また、造孔材の平均粒子径は20μmであった。炭化珪素粉末、金属珪素粉末及び造孔材の平均粒子径は、レーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(2.ハニカム乾燥体の作製)
得られた円柱状の坏土を碁盤目状の口金構造を有する押出成形機を用いて成形し、セルの流路方向に垂直な断面における各セル形状が正方形である円柱状ハニカム成形体を得た。このハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両底面を所定量切断して、ハニカム乾燥体を作製した。
(3.電極層形成ペーストの調製)
金属珪素(Si)粉末、炭化珪素(SiC)粉末、メチルセルロース、グリセリン、及び水を、自転公転攪拌機で混合して、電極層形成ペーストを調製した。Si粉末、及びSiC粉末は体積比で、Si粉末:SiC粉末=40:60となるように配合した。また、Si粉末、及びSiC粉末の合計を100質量部としたときに、メチルセルロースは0.5質量部であり、グリセリンは10質量部であり、水は38質量部であった。金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。炭化珪素粉末の平均粒子径は35μmであった。これらの平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(4.電極層形成ペーストの塗布及び焼成)
次に、この電極層形成ペーストを曲面印刷機によって、ハニカム乾燥体に対して適切な面積及び膜厚で塗布し、さらに熱風乾燥機で120℃、30分乾燥した後、ハニカム乾燥体と共にAr雰囲気にて1400℃で3時間焼成し、柱状ハニカム構造体とした。
(5.中間層形成ペーストの調製)
SUS430:ガラス=20体積%:80体積%の割合で混合した原料に対してバインダを1質量%、界面活性剤を1質量%、水を20~40質量%加えてペースト原料を作製した。
(6.下地層形成ペーストの調製)
SUS430の金属粉を、体積割合で金属比率40%となるように、ガラス材料に混合し、セラミック原料を作製した。このセラミック原料に対してバインダを1質量%、界面活性剤を1質量%、水を20~40質量%加えて、第2の層(下地層)を形成するためのペースト原料を作製した。また、SUS430の金属粉を、体積割合で金属比率40%となるように、ガラス材料に混合し、セラミック原料を作製した。このセラミック原料に対してバインダを1質量%、界面活性剤を1質量%、水を20~40質量%加えて、第1の層(下地層)を形成するためのペースト原料を作製した。第1の層及び第2の層を形成するためのペースト原料において、それぞれレーザー回折法で測定した金属粉の平均粒子径は10μmであった。
(7.中間層形成ペースト及び下地層形成ペーストの塗布及び焼成)
曲面印刷機によって、柱状ハニカム構造体の電極層に対して、上記の中間層形成ペースト、下地層(第2の層)形成ペーストを平膜状に、及び、下地層(第1の層)形成ペーストをスポット状に、それぞれこの順で塗布した。続いて、熱風乾燥機で120℃、30分乾燥した後、Ar雰囲気にて1100℃で1時間焼成した。
ハニカム構造体は、底面が直径100mmの円形であり、高さ(セルの流路方向における長さ)が100mmであった。セル密度は93セル/cm2であり、隔壁の厚みは101.6μmであり、隔壁の気孔率は45%であり、隔壁の平均細孔径は8.6μmであった。電極層の厚みは0.2mmであり、中間層の厚みは0.2mmであり、下地層の厚みは0.2mmであった。ハニカム構造体、電極層、中間層、下地層(第2の層)及び下地層(第1の層)と同一材質の試験片を用いて25℃における電気抵抗率を四端子法により測定した。また、ハニカム構造体、電極層、中間層、下地層(第2の層)及び下地層(第1の層)の気孔率を、水銀ポロシメータにより測定した。また、ハニカム構造体、電極層、中間層、下地層(第2の層)及び下地層(第1の層)の熱膨張率をTMA法(熱機械分析)によって測定した。これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0007259133000001
(8.電極の固定)
下地層が形成されたハニカム構造体上に金属電極を配置し、金属電極と下地層が重なった部分について、φ0.5mmの径でレーザー溶接した。
<実施例2>
実施例2は、中間層を、FeSi2:ガラス=10体積%:90体積%で構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例3>
実施例3は、中間層を、SUS430:ガラス=10体積%:90体積%で構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例4>
実施例4は、中間層を、SUS304:ガラス=6体積%:94体積%で構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例5>
実施例5は、中間層を、CrSi2:ガラス=10体積%:90体積%で構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例6>
実施例6は、中間層を、ガラスのみで構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例7>
実施例7は、中間層を、SUS430:ガラス=10体積%:90体積%で構成し、造孔材(吸水性樹脂)を添加して気孔率を10%とした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例8>
実施例8は、中間層を、SUS430:ガラス=10体積%:90体積%で構成し、造孔材(吸水性樹脂)を添加して気孔率を20%とした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<比較例1>
比較例1は、中間層を設けなかった以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<比較例2>
比較例2は、中間層を、SUS304:ガラス=20体積%:80体積%で構成した以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
(9.冷熱耐久性評価試験)
このようにして作製した、金属電極、下地層(第1の層)、下地層(第2の層)、中間層、電極層及び基材からなる積層体を加熱して、50℃から950℃まで昇温させ、続いて、冷却して950℃から50℃まで降温させた。この操作を1サイクルとして、合計50サイクルを連続実施した(昇降温サイクル試験)。
次に、昇降温サイクル試験実施後の積層体から、基材のセル方向の長さが15~20mmとなるようにサンプルを切り出し、図6(A)に示すように、ハニカム構造体の軸方向に沿って、スポット状の下地層(第1の層)の中央部分で切断した。当該切断は、積層体のサンプルを樹脂で固めた状態で行った。積層体のサンプルの切断面の模式図を図6(B)に示す。
次に、切断面をSEM(電子走査型顕微鏡)によって観察し、下地層界面のクラックの有無を確認した。
上述の試験条件及び評価結果を表2に示す。表2において、「CTE」は「熱膨張率」を示す。
Figure 0007259133000002
(10.考察)
実施例1~8では、下地層界面におけるクラック発生数が、20測定箇所のうち、0~16箇所以下であり、昇降温サイクルによる下地層界面でのクラックの発生を抑制することができた。
比較例1は、中間層を設けておらず、下地層界面におけるクラックが、20測定箇所全てにおいて確認された。
比較例2は、中間層の熱膨張率が、電極層の熱膨張率より高いため、下地層界面におけるクラックが、20測定箇所全てにおいて確認された。
10 電気加熱式担体
11 柱状ハニカム構造体
12 外周壁
13a、13b 電極層
14a、14b 金属電極
15 電極部
16a、16b 下地層
18 セル
19 隔壁
20a、20b 中間層
21 第1の層
22 第2の層
23 第3の層

Claims (12)

  1. 外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有するセラミックス製の柱状ハニカム構造体と、
    前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面に配設された電極層と、
    前記電極層上に設けられた中間層と、
    前記中間層上に設けられた下地層と、
    前記下地層上に設けられた金属電極と、
    を備え、
    前記中間層の熱膨張率が、前記電極層の熱膨張率より低い電気加熱式担体。
  2. 前記中間層の熱膨張率が、前記電極層の熱膨張率に対して、0.3~0.9倍である請求項1に記載の電気加熱式担体。
  3. 前記中間層の熱膨張率が、0.5~7.0ppm/Kである請求項1または2に記載の電気加熱式担体。
  4. 前記中間層の気孔率が、5%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  5. 前記中間層の厚みが、3~400μmである請求項1~4のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  6. 前記中間層の熱膨張率が、前記下地層の熱膨張率より低い請求項1~5のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  7. 前記中間層の材質が、酸化物セラミック、又は金属若しくは金属化合物と酸化物セラミックとの混合物である請求項1~6のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  8. 前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面において、前記下地層の投影面が前記中間層の投影面に含まれる請求項1~7のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  9. 前記下地層が、
    前記金属電極側に設けられ、前記金属電極と接合する第1の層と、
    前記中間層側に設けられ、前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面において、前記第1の層の投影面より広い投影面を有する第2の層と、
    を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  10. 前記下地層が、前記第1の層と、前記第2の層との間に、第3の層を更に有する請求項9に記載の電気加熱式担体。
  11. 前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面に配設された電極層が、前記柱状ハニカム構造体の外周壁の表面に、前記柱状ハニカム構造体の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層である請求項1~10のいずれか一項に記載の電気加熱式担体。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の電気加熱式担体と、
    前記電気加熱式担体を保持する缶体と、
    を有する排気ガス浄化装置。
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