JP2022144219A - ハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置 - Google Patents

ハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱衝撃性が向上したハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置を提供する。【解決手段】外周壁と、外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有するセラミックス製のハニカム構造部、及び、ハニカム構造部の中心軸を挟んで、外周壁の外面上において、セルの流路方向に帯状に延びるように設けられた一対の電極層、を備え、電極層の下に位置する外周壁の少なくとも一部の厚みYと、電極層の厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さい、ハニカム構造体。【選択図】図3

Description

本発明は、ハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置に関する。
近年、エンジン始動直後の排気ガス浄化性能の低下を改善するため、電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCは、例えば、導電性セラミックスからなる柱状のハニカム構造体に金属電極を接続し、通電によりハニカム構造体自体を発熱させることで、エンジン始動前に触媒の活性温度まで昇温できるようにしたものである。
特許文献1には、EHCに用いるハニカム構造体において、外部電源からの通電時に電気を周方向に広げるために、帯状の電極層を側面に設ける構造が開示されている。
EHCは、ハニカム構造体の通電経路を遮断しないため、また、ハニカム構造体の脱落を抑制するために、排気ガス温度の変化に対してクラックが発生し難い、良好な耐衝撃性を備える構造を有することが好ましい。特に、排ガスからの熱によりハニカム基材の温度が上昇することで、ハニカム基材と電極層との間に生じる熱膨張の差により、引張応力が発生しやすく、ハニカム基材の軸方向に沿ってクラック(縦クラックともいう)が生じることがある。
特許文献2には、ハニカム構造体の外周部に、軸方向に沿ってスリットを設けることにより、耐熱衝撃性を向上させる技術が開示されている。
国際公開第2011/043434号 特許第5997259号公報
本発明者の検討の結果、従来の、スリットをハニカム構造体に設けたEHCは、耐熱衝撃性、特には上記縦クラック抑制の点でさらなる改善の余地があることが分かった。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、耐熱衝撃性が向上したハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決されるものであり、本発明は以下のように特定される。
(1)外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有するセラミックス製のハニカム構造部、及び、
前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで、前記外周壁の外面上において、前記セルの流路方向に帯状に延びるように設けられた一対の電極層、
を備え、
前記電極層の下に位置する前記外周壁の少なくとも一部の厚みYと、前記電極層の厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、前記電極層の下に位置していない前記外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、
前記Yが前記Xよりも小さい、ハニカム構造体。
(2)(1)に記載のハニカム構造体と、
前記ハニカム構造体の前記電極層に電気的に接続された金属電極と、
を備えた電気加熱式担体。
(3)(2)に記載の電気加熱式担体と、
前記電気加熱式担体を保持するための金属製の筒状部材と、
を有する排気ガス浄化装置。
本発明によれば、耐熱衝撃性が向上したハニカム構造体、電気加熱式担体及び排気ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るハニカム構造体の外観模式図である。 本発明の実施形態に係るハニカム構造体の第1端面の模式図である。 図2における点線枠S1及びS2で囲まれた部位の拡大模式図である。 図2における点線枠S2で囲まれた部位の他の実施形態に係る拡大模式図である。 図2における点線枠S2で囲まれた部位の他の実施形態に係る拡大模式図である。 本発明の実施形態に係る電気加熱式担体のセルの流路方向に垂直な断面模式図である。 (A)及び(B)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電極層及び外周壁にスリットが設けられたハニカム構造体の第1端面の模式図である。
次に本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
<1.ハニカム構造体>
図1は、本発明の実施形態におけるハニカム構造体10の外観模式図である。図2は、本発明の実施形態に係るハニカム構造体10の第1端面の模式図である。ハニカム構造体10は、ハニカム構造部11と、電極層13a、13bとを備えている。
(1-1.ハニカム構造部)
ハニカム構造部11は、柱状の部材であり、外周壁12と、外周壁12の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路を形成する複数のセル18を区画形成する隔壁19とを有する。柱状とは、セル18のセルの流路方向に厚みを有する立体形状と理解できる。ハニカム構造部11の軸方向長さとハニカム構造部11の端面の直径又は幅との比(アスペクト比)は任意である。柱状には、セルの流路方向長さが端面の直径又は幅よりも短い形状(偏平形状)も含まれていてよい。
ハニカム構造部11の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、端面が円形の柱状(円柱形状)、端面がオーバル形状の柱状、端面が多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。また、ハニカム構造部11の大きさは、耐熱性を高める(外周壁の周方向に入るクラックを抑制する)という理由により、端面の面積が2000~20000mm2であることが好ましく、5000~15000mm2であることが更に好ましい。
ハニカム構造部11の材質としては、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックスからなる群から選択することができる。また、炭化珪素-金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。これらの中でも、耐熱性と導電性の両立の観点から、ハニカム構造部11の材質は、珪素-炭化珪素複合材又は炭化珪素を主成分とするセラミックスを含有していることが好ましい。ハニカム構造部11の材質が、珪素-炭化珪素複合材を主成分とするものであるというときは、ハニカム構造部11が、珪素-炭化珪素複合材(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。ここで、珪素-炭化珪素複合材は、骨材としての炭化珪素粒子、及び炭化珪素粒子を結合させる結合材としての珪素を含有するものであり、複数の炭化珪素粒子が、炭化珪素粒子間に細孔を形成するようにして、珪素によって結合されていることが好ましい。ハニカム構造部11の材質が、炭化珪素を主成分とするものであるというときは、ハニカム構造部11が、炭化珪素(合計質量)を、全体の90質量%以上含有していることを意味する。
ハニカム構造部11が、珪素-炭化珪素複合材を含んでいる場合、ハニカム構造部11に含有される「骨材としての炭化珪素粒子の質量」と、ハニカム構造部11に含有される「結合材としての珪素の質量」との合計に対する、ハニカム構造部11に含有される「結合材としての珪素の質量」の比率が、10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることが更に好ましい。
セル18の流路方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、構造強度及び加熱均一性を両立させやすいという観点から、四角形及び六角形が好ましい。
セル18を区画形成する隔壁19の厚みは、0.1~0.3mmであることが好ましく、0.1~0.2mmであることがより好ましい。本発明において、隔壁19の厚みは、セル18の流路方向に垂直な断面において、隣接するセル18の重心同士を結ぶ線分のうち、隔壁19を通過する部分の長さとして定義される。
ハニカム構造部11は、セル18の流路方向に垂直な断面において、セル密度が40~150セル/cm2であることが好ましく、70~100セル/cm2であることが更に好ましい。セル密度をこのような範囲にすることにより、排気ガスを流したときの圧力損失を小さくした状態で、触媒の浄化性能を高くすることができる。セル密度は、外周壁12部分を除くハニカム構造部11の一つの端面部分の面積でセル数を除して得られる値である。
ハニカム構造部11の外周壁12を設けることは、ハニカム構造部11の構造強度を確保し、また、セル18を流れる流体が外周壁12から漏洩するのを抑制する観点で有用である。外周壁12の厚みについては後述する。
ハニカム構造部11の隔壁19の平均細孔径は、2~15μmであることが好ましく、4~8μmであることが更に好ましい。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
隔壁19は多孔質としてもよい。多孔質とする場合、隔壁19の気孔率は、35~60%であることが好ましく、35~45%であることが更に好ましい。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
ハニカム構造部11は、導電性を有する。ハニカム構造部11は、通電してジュール熱により発熱可能である限り、体積抵抗率については特に制限はないが、0.1~200Ω・cmであることが好ましく、1~200Ω・cmであることがより好ましい。本発明において、ハニカム構造部11の体積抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
(1-2.電極層)
ハニカム構造部11の中心軸を挟んで、外周壁12の外面上において、セル18の流路方向に帯状に延びるように、一対の電極層13a、13bが設けられている。一対の電極層13a、13bがこのように設けられていることで、ハニカム構造体10の均一発熱性を高めることができる。電極層13a、13bは、ハニカム構造体10の両端面間の80%以上の長さに亘って、好ましくは90%以上の長さに亘って、より好ましくは全長に亘って延びていることが、電極層13a、13bの軸方向へ電流が広がりやすいという観点から望ましい。電極層13a、13bの厚みについては後述する。
電極層13a、13bの体積抵抗率をハニカム構造部11の体積抵抗率より低くすることにより、電極層13a、13bに優先的に電気が流れやすくなり、通電時に電気がセル18の流路方向及び周方向に広がりやすくなる。電極層13a、13bの体積抵抗率は、ハニカム構造部11の体積抵抗率の1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましく、1/30以下であることが更により好ましい。但し、両者の体積抵抗率の差が大きくなりすぎると、対向する電極層の端部間に電流が集中してハニカム構造部11の発熱が偏ることから、電極層13a、13bの体積抵抗率は、ハニカム構造部11の体積抵抗率の1/200以上であることが好ましく、1/150以上であることがより好ましく、1/100以上であることが更により好ましい。本発明において、電極層13a、13bの体積抵抗率は、四端子法により25℃で測定した値とする。
電極層13a、13bの材質は、導電性セラミックス、金属、又は金属及び導電性セラミックスとの複合材(サーメット)を使用することができる。金属としては、例えばCr、Fe、Co、Ni、Si又はTiの単体金属又はこれらの金属よりなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する合金が挙げられる。導電性セラミックスとしては、限定的ではないが、炭化珪素(SiC)が挙げられ、珪化タンタル(TaSi2)及び珪化クロム(CrSi2)等の金属珪化物等の金属化合物が挙げられる。金属及び導電性セラミックスとの複合材(サーメット)の具体例としては、金属珪素と炭化珪素の複合材、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材、更には上記の一種又は二種以上の金属に熱膨張低減の観点から、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト、窒化珪素及び窒化アルミ等の絶縁性セラミックスを一種又は二種以上添加した複合材が挙げられる。
本発明の実施形態に係るハニカム構造体10は、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の少なくとも一部の厚みYと、電極層13a、13bの厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、電極層13a、13bの下に位置していない外周壁12の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さい。図3に、図2における点線枠S1及びS2で囲まれた部位の拡大模式図を示す。点線枠S1で囲まれた部位は、電極層13a、13bの下に位置し、厚みYを有する外周壁12が、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の周方向の中央部である形態を示している。点線枠S2で囲まれた部位は、電極層13a、13bの下に位置し、厚みYを有する外周壁12が、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の周方向の端部である形態を示している。
電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の少なくとも一部の厚みYと、電極層13a、13bの厚みZとの合計厚み(Y+Z)を、電極層13a、13bの下に位置していない外周壁12の厚みXに対して、0.5~1.8倍に制御しつつ、YをXよりも小さくすることで、電極層13a、13b付近のハニカム構造部11と、電極層13a、13bとの剛性差を抑えることができる。このため、ハニカム構造部11が温度上昇した際の、ハニカム構造部11の電極層が形成されていない外周壁と電極層13a、13bの端部との間に生じる伸びの差による引張応力の発生を抑え、ハニカム構造部11の軸方向に沿った縦クラックの発生を良好に抑制することができる。上記外周壁12の厚みXに対する、外周壁12及び電極層13a、13bの厚み合計(Y+Z)は、0.7~1.4倍に制御するのが好ましい。
特に、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の周方向の端部は、ハニカム構造部11が温度上昇した際のハニカム構造部11と電極層13a、13bとの間に生じる伸びの差による引張応力が発生し、縦クラックが生じやすい部位であるため、図3の点線枠S2で囲まれた部位で示されるように、厚みYを有する外周壁12が、当該端部に設けられていることが好ましい。また、電極層13a、13bの下に位置する全ての外周壁12が厚みYを有しているのがより好ましい。このような構成によれば、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の中で、厚みに差が無くなるため、ハニカム構造部11が温度上昇した際の外周壁12の周方向における引張応力の発生を抑制することができる。また、図7(A)および(B)に示すように、電極層13a、13b及び外周壁12がそれぞれスリット21によって分割されている場合は、上述の電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の周方向の端部が、分割された数に応じて増加するが、そのような場合であっても、各端部において、外周壁12の厚みXに対する、外周壁12及び電極層13a、13bの厚み合計(Y+Z)が0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さいことが好ましい。外周壁12及び電極層13a、13bの厚みは、厚みを測定しようとする箇所をセル18の流路方向に垂直な断面で観察したときに、外周壁12又は電極層13a、13bの外面の当該測定箇所における接線に対する法線方向の厚みとして定義される。図7(A)は、ハニカム構造体10の周方向における電極層13a、13bの中心部分及びその直下の外周壁12において、ハニカム構造体10の中心軸を挟んで一対のスリット21が設けられた例を示している。図7(B)は、図7(A)のスリット21に加えて、電極層13a、13bの下に位置しない外周壁12について、ハニカム構造体10の周方向において略等間隔に3つのスリット21が、ハニカム構造体10の中心軸を挟んで各一対形成され、合計8つのスリット21が設けられた例を示している。
電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の少なくとも一部の厚みYと、電極層13a、13bの厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、電極層13a、13bの下に位置していない外周壁12の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さいものであれば、外周壁12及び電極層13a、13bの具体的な厚みは特に限定されず、ハニカム構造体10の強度や熱容量などの観点から適宜設計することができる。ハニカム構造体10の強度の向上という観点からは、外周壁12の厚みは好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.1mm以上、更により好ましくは0.15mm以上である。但し、外周壁12を厚くしすぎると高強度になりすぎてしまい、隔壁19との強度バランスが崩れて耐熱衝撃性が低下すること、および外周壁12の厚みを大きくしすぎると、熱容量が増加し、外周壁12の外周側と内周側の間で温度差が大きくなり、耐熱衝撃性が低下することから、外周壁12の厚みは好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下であり、更により好ましくは0.5mm以下である。
外周壁12の少なくとも一部の厚みYについては、耐熱衝撃性の観点から、0.05~0.5mmであることが好ましく、0.1~0.4mmであることがより好ましく、0.1~0.2mmであることが更により好ましい。また、外周壁2の厚みXについては、0.1~0.5mmであることが好ましく、0.2~0.5mmであることがより好ましい。
電極層13a、13bの厚みZは、0.01~5mmであることが好ましく、0.01~3mmであることがより好ましく、0.05~0.5mmであることが更により好ましい。このような範囲とすることにより均一発熱性を高めることができる。
電極層13a、13bの下に位置する外周壁12全体の厚みが、電極層13a、13bの下に位置していない外周壁の厚みに対して、95%以下であることが好ましい。このような構成によれば、電極層13a、13bの下に位置する外周壁12の全体と電極層13a、13bの下に位置していない外周壁との間における厚みの差が小さくなるため、発熱時の外周壁12の周方向における引張応力の発生をより良好に抑制することができる。電極層13a、13bの下に位置する外周壁12全体の厚みが、電極層13a、13bの下に位置していない外周壁の厚みに対して、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることが更により好ましい。
ハニカム構造体10は、図4に示すように、電極層13a、13bの周方向の端部に傾斜部Eが設けられていることが好ましい。すなわち、電極層13a、13bの断面において、電極層13a、13bの周方向の端部が、電極層13a、13bの上面から下面側に向かうにつれて幅が拡張するように傾斜した傾斜部Eを有していることが好ましい。図4に示す実施形態では、傾斜部Eは、電極層13a、13bの周方向の端部において、電極層13a、13bの上面から厚みXを有する外周壁12の端部にかけて傾斜している。傾斜部Eは、このような形態に限らず、図5に示すように、電極層13a、13bの周方向の端部において、電極層13a、13bの上面から厚みXを有する外周壁12の上面上の所定の位置にかけて傾斜していてもよい。このような構成によれば、発熱時のハニカム構造部11と電極層13a、13bとの間に生じる伸びの差による引張応力が発生しやすい上記端部において、電極層13a、13bの上面から下面にかけてハニカム構造部11と電極層との剛性差の変化を緩やかにすることができるため、縦クラックの発生をより良好に抑制することができる。また、図4及び図5の傾斜部Eの拡大図に示される、傾斜部Eの傾斜角度θ(度)は特に限定されず、0<θ<90の間で適宜設計することができるが、好ましくは30<θ<80であり、より好ましくは30<θ<60である。更に、傾斜部Eは図4に示すように一定の角度θによって一次関数的に傾斜していなくてよく、二次関数的に傾斜していてもよい。
外周壁12のヤング率をA、電極層13a、13bのヤング率をBとしたとき、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.5≦(Y×A+Z×B)/(X×A)≦1.8・・・(1)
式(1)において、(Y×A+Z×B)は、電極層13a、13bが位置する外周壁12と電極層13a、13bとを合わせた剛性を示し、(X×A)は電極層13a、13bが位置しない外周壁12の剛性を示す。このため、(Y×A+Z×B)/(X×A)は電極層13a、13bが位置しない外周壁12の剛性に対し、電極層13a、13bが位置する外周壁12と電極層13a、13bとを合わせた剛性の比を示している。当該比の値を0.5~1.8に制御することで、電極層13a、13b付近のハニカム構造部11と、電極層13a、13bとの剛性差をより良好に抑えることができる。このため、ハニカム構造部11が温度上昇した際のハニカム構造部11と電極層13a、13bとの間に生じる伸びの差による引張応力の発生を抑え、ハニカム構造部11の軸方向に沿った縦クラックの発生をより良好に抑制することができる。式(1)における(Y×A+Z×B)/(X×A)は、0.7~1.4であるのがより好ましく、更にはより好ましくは0.8~1.2である。
外周壁12のヤング率Aは、2~500GPaの範囲であることが好ましい。電極層13a、13bのヤング率Bは、2~200GPaの範囲であることが好ましい。外周壁12及び電極層13a、13bのヤング率は、それぞれ、JIS R1602に準拠して、曲げ共振法によって測定することで求められる。電極層13a、13bのヤング率の測定に用いる試験片としては、電極層13a、13bを形成する電極層形成原料からなる複数のシートを積み重ねて積層体を得た後、この積層体を乾燥させ、3mm×4mm×40mmの大きさに切り出したものを用いる。
<2.電気加熱式担体>
図6は、本発明の実施形態における電気加熱式担体30のセルの流路方向に垂直な断面模式図である。電気加熱式担体30は、ハニカム構造体10と、ハニカム構造体10の電極層13a、13bに電気的に接続された金属電極33a、33bとを備えている。
(2-1.金属電極)
金属電極33a、33bは、ハニカム構造体10の電極層13a、13b上に設けられている。金属電極33a、33bは、一方の金属電極33aが、他方の金属電極33bに対して、ハニカム構造部11の中心軸を挟んで対向するように配設される一対の金属電極であってもよい。金属電極33a、33bは、電極層13a、13bを介して電圧を印加すると通電してジュール熱によりハニカム構造部11を発熱させることが可能である。このため、電気加熱式担体30はヒーターとしても好適に用いることができる。印加する電圧は12~900Vが好ましく、48~600Vが更に好ましいが、印加する電圧は適宜変更可能である。
金属電極33a、33bの材質としては、金属であれば特段の制約はなく、単体金属及び合金等を採用することもできるが、耐食性、体積抵抗率及び線膨張率の観点から例えば、Cr、Fe、Co、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種を含む合金とすることが好ましく、ステンレス鋼及びFe-Ni合金がより好ましい。金属電極33a、33bの形状及び大きさは、特に限定されず、電気加熱式担体30の大きさや通電性能等に応じて、適宜設計することができる。
電気加熱式担体30に触媒を担持することにより、電気加熱式担体30を触媒体として使用することができる。ハニカム構造体10の複数のセル18の流路には、例えば、自動車排気ガス等の流体を流すことができる。触媒としては、例えば、貴金属系触媒又はこれら以外の触媒が挙げられる。貴金属系触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)といった貴金属をアルミナ細孔表面に担持し、セリア、ジルコニア等の助触媒を含む三元触媒や酸化触媒、又は、アルカリ土類金属と白金を窒素酸化物(NOx)の吸蔵成分として含むNOx吸蔵還元触媒(LNT触媒)が例示される。貴金属を用いない触媒として、銅置換又は鉄置換ゼオライトを含むNOx選択還元触媒(SCR触媒)等が例示される。また、これらの触媒からなる群から選択される二種以上の触媒を用いてもよい。なお、触媒の担持方法についても特に制限はなく、従来、ハニカム構造体に触媒を担持する担持方法に準じて行うことができる。
<3.ハニカム構造体の製造方法>
次に、本発明の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、ハニカム成形体を作製する成形工程と、ハニカム乾燥体を作製する乾燥工程と、ハニカム焼成体を作製する焼成工程と、を備える。
(成形工程)
成形工程では、まず、導電性のセラミックス原料を含有する成形原料を準備する。成形原料は、炭化珪素粉末(炭化珪素)に、金属珪素粉末(金属珪素)、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して作製する。炭化珪素粉末の質量と金属珪素の質量との合計に対して、金属珪素の質量が10~40質量%となるようにすることが好ましい。炭化珪素粉末における炭化珪素粒子の平均粒子径は、3~50μmが好ましく、3~40μmが更に好ましい。金属珪素(金属珪素粉末)の平均粒子径は、2~35μmであることが好ましい。炭化珪素粒子及び金属珪素(金属珪素粒子)の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。炭化珪素粒子は、炭化珪素粉末を構成する炭化珪素の微粒子であり、金属珪素粒子は、金属珪素粉末を構成する金属珪素の微粒子である。なお、これは、ハニカム構造体の材質を、珪素-炭化珪素系複合材とする場合の成形原料の配合であり、当該材質を炭化珪素とする場合には、金属珪素は添加しない。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、2.0~10.0質量部であることが好ましい。
水の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、20~60質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.1~2.0質量部であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末の合計質量を100質量部としたときに、0.5~10.0質量部であることが好ましい。造孔材の平均粒子径は、10~30μmであることが好ましい。造孔材の平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。造孔材が吸水性樹脂の場合には、造孔材の平均粒子径は吸水後の平均粒子径を指す。
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形してハニカム成形体を作製する。ハニカム成形体は、外周壁と、外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで延びる流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する。
ここで得られたハニカム成形体の外周壁の少なくとも一部を切削などにより除去することで、除去後の外周壁が上述の厚みYとなるように形成してもよい。当該除去した外周壁が、電極層の下に位置する外周壁となり、更に、後述の電極層の厚みZを制御することによって、合計厚み(Y+Z)が、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さくなるように制御することができる。
(乾燥工程)
次に、得られたハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を作製する。乾燥方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。乾燥の条件として、電磁波加熱方式にて、乾燥前の水分量に対して、30~99質量%の水分を除いた後、外部加熱方式にて、3質量%以下の水分にすることが好ましい。電磁波加熱方式としては、誘電加熱乾燥が好ましく、外部加熱方式としては、熱風乾燥が好ましい。乾燥温度は、50~120℃とすることが好ましい。
ここで得られたハニカム乾燥体の外周壁の少なくとも一部を切削などにより除去することで、除去後の外周壁が上述の厚みYとなるように形成してもよい。当該除去した外周壁が、電極層の下に位置する外周壁となり、更に、後述の電極層の厚みZを制御することによって、合計厚み(Y+Z)が、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さくなるように制御することができる。
次に、ハニカム乾燥体の側面に、セラミックス原料を含有する電極層形成原料を塗布し、乾燥させて、ハニカム乾燥体の中心軸を挟んで、外周壁の外面上において、セルの流路方向に帯状に延びるように一対の未焼成電極層を形成して、未焼成電極層付きハニカム乾燥体を作製する。このとき、上述のように、少なくとも一部を除去した外周壁上の所定部位に位置するように、電極層形成原料を塗布して未焼成電極層を形成する。除去した外周壁に対する当該未焼成電極層の形成位置を調整することによって、図2の点線枠S1やS2に示したように、除去した外周壁と電極層との位置関係を制御することができる。また、除去した外周壁の厚みY及び除去していない外周壁の厚みXに対し、当該未焼成電極層の厚みZを調整することによって、合計厚み(Y+Z)が、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さくなるように制御することができる。
続いて、未焼成電極層付きハニカム乾燥体を焼成して一対の電極層を有するハニカム焼成体を作製する。これにより、電極層を有するハニカム構造体が得られる。なお、電極層はハニカム焼成体を作製した後に形成してもよい。具体的には、一旦、ハニカム焼成体を作製し、ハニカム焼成体上に一対の未焼成電極層を形成し、これを焼成して一対の電極層を有するハニカム焼成体を作製してもよい。
電極層形成原料は、電極層の要求特性に応じて配合した原料粉(金属粉末、及び/又は、セラミックス粉末等)に各種添加剤を適宜添加して混練することで形成することができる。金属粉体としては、ステンレス、金属珪素等の金属粉を用いることができる。
電極層形成原料を調合する方法、及び電極層形成原料をハニカム焼成体に塗布する方法については、公知のハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができるが、電極層をハニカム構造部に比べて低い体積抵抗率にするために、ハニカム構造部よりも金属の含有比率を高める、又は、金属粒子の粒径を小さくすることができる。また、図4及び図5に示すような電極層の端部が傾斜部を有している構造は、電極層形成原料をハニカム焼成体に塗布したとき、その端部をスキージ等でならして傾斜部を形成してもよく、端部が傾斜するように削ることで形成してもよい。
未焼成電極層付きハニカム乾燥体を焼成する前に、バインダ等を除去するため、脱脂を行ってもよい。脱脂工程は400~500℃で大気雰囲気、不活性雰囲気、または減圧雰囲気にて実施する。脱脂の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。
(焼成工程)
次に、未焼成電極層付きハニカム乾燥体を焼成してハニカム焼成体を作製する。焼成条件としては、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1400~1500℃で、1~20時間加熱することが好ましい。また、焼成後、耐久性向上のために、1200~1350℃で、1~10時間、酸化処理を行うことが好ましい。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。これにより、本発明の実施形態に係るハニカム構造体10が得られる。
<4.電気加熱式担体の製造方法>
本発明の実施形態に係る電気加熱式担体30の製造方法は一実施形態において、ハニカム構造体10の電極層上に、金属電極を固定する。固定方法としては、例えば、レーザー溶接、溶射、超音波溶接などが挙げられる。より具体的には、ハニカム構造体10のハニカム構造部の中心軸を挟んで、電極層の表面上において、一対の金属電極を設ける。このようにして、本発明の実施形態に係る電気加熱式担体30が得られる。
<5.排気ガス浄化装置>
上述した本発明の実施形態に係る電気加熱式担体は、排気ガス浄化装置に用いることができる。当該排気ガス浄化装置は、電気加熱式担体と、当該電気加熱式担体を保持する金属製の筒状部材とを有する。排気ガス浄化装置において、電気加熱式担体は、エンジンからの排気ガスを流すための排気ガス流路の途中に設置される。このような構成によれば、電気加熱式担体のハニカム構造部11と電極層13a、13bとの間に生じる伸びの差による引張応力の発生を抑え、ハニカム構造部11の軸方向に沿った縦クラックの発生を良好に抑制することができる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1.坏土の作製)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミックス原料を調製した。そして、セラミックス原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。そして、成形原料を真空土練機により混練し、円柱状の坏土を作製した。バインダの含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに7質量部とした。造孔材の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに3質量部とした。水の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに42質量部とした。炭化珪素粉末の平均粒子径は20μmであり、金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。また、造孔材の平均粒子径は20μmであった。炭化珪素粉末、金属珪素粉末及び造孔材の平均粒子径は、レーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
(2.ハニカム乾燥体の作製)
得られた円柱状の坏土を碁盤目状の口金構造を有する押出成形機を用いて成形し、セルの流路方向に垂直な断面における各セル形状が六角形である円柱状ハニカム成形体を得た。このハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、ハニカム乾燥体を作製した。このハニカム乾燥体に対し、ハニカム焼成体において表1に示すような外周壁の厚みYとなるように、電極層を形成する領域に位置する外周壁を切削した。
(3.電極層形成ペーストの調製及び塗布)
金属珪素(Si)粉末、炭化珪素(SiC)粉末、メチルセルロース、グリセリン、及び水を、自転公転攪拌機で混合して、電極層形成ペーストを調製した。Si粉末、及びSiC粉末は体積比で、Si粉末:SiC粉末=40:60となるように配合した。また、Si粉末、及びSiC粉末の合計を100質量部としたときに、メチルセルロースは0.5質量部であり、グリセリンは10質量部であり、水は38質量部であった。金属珪素粉末の平均粒子径は6μmであった。炭化珪素粉末の平均粒子径は35μmであった。これらの平均粒子径はレーザー回折法で粒度の頻度分布を測定したときの、体積基準による算術平均径を指す。
次に、この電極層形成ペーストを曲面印刷機によって、ハニカム焼成体において表1に示すような電極層の厚みZとなるように、ハニカム乾燥体に対して適切な面積及び膜厚で塗布した。
(4.ハニカム焼成体の作製)
次に、電極層形成ペースト付きハニカム乾燥体をAr雰囲気にて1400℃で3時間焼成し、ハニカム構造体とした。
ハニカム構造体は、端面が直径100mmの円形であり、セルの流路方向における長さ(L寸)が100mmであった。セル密度は93セル/cm2であり、隔壁の厚みは101.6μmであり、隔壁の気孔率は45%であり、隔壁の平均細孔径は8.6μmであった。ハニカム構造体は、図3に示すような電極層と外周壁との厚みの関係を有しており、電極層の下に位置する外周壁の厚みYは0.15mm、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXは0.3mm、電極層の厚みZは0.25mmであった。
<実施例2>
外周壁の厚みYを0.2mm、外周壁の厚みXを0.3mm、電極層のヤング率を6GPaとした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例3>
外周壁の厚みYを0.2mm、外周壁の厚みXを0.4mm、電極層の厚みZを0.1mmとした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例4>
外周壁のヤング率を100GPaとした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例5>
電極層のヤング率を50GPaとした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例6>
図4に示すように、電極層の周方向の端部において、電極層の上面から厚みXを有する外周壁の端部にかけて傾斜する傾斜部Eを形成し、当該傾斜部Eの傾斜角度を70度とした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<実施例7>
図4に示すように、電極層の周方向の端部において、電極層の上面から厚みXを有する外周壁の端部にかけて傾斜する傾斜部Eを形成し、当該傾斜部Eの傾斜角度を50度とした以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<比較例1>
外周壁の厚みY及び外周壁の厚みXを、いずれも0.3mmとして、電極層の下に位置する外周壁の厚み、及び、電極層の下に位置しない外周壁の厚みに差を設けなかった以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
<比較例2>
外周壁のヤング率を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にサンプルを作製した。
(5.耐熱衝撃性試験)
サンプルを収納する金属ケースと、当該金属ケース内に加熱ガスを供給することができるプロパンガスバーナーと、を備えたプロパンガスバーナー試験機を用いて、実施例1~7及び比較例1、2のハニカム構造体(サンプル)の加熱冷却試験を実施した。上記加熱ガスは、ガスバーナー(プロパンガスバーナー)でプロパンガスを燃焼させることにより発生する燃焼ガスとした。そして、上記加熱冷却試験によって、サンプルにクラックが発生するか否かを確認することにより、耐熱衝撃性を評価した。具体的には、まず、プロパンガスバーナー試験機の金属ケースに、得られたサンプルを収納(キャニング)した。そして、金属ケース内に、プロパンガスバーナーにより加熱されたガス(燃焼ガス)を供給し、ハニカム構造体内を通過するようにした。金属ケースに流入する加熱ガスの温度条件(入口ガス温度条件)を以下のようにした。まず、5分で指定温度まで昇温し、指定温度で10分間保持し、その後、5分で100℃まで冷却し、100℃で10分間保持した。このような昇温、冷却、保持の一連の操作を「昇温、冷却操作」と称する。その後、サンプルのクラックを確認した。そして、指定温度を825℃から25℃ずつ上昇させながら上記「昇温、冷却操作」を繰り返した。指定温度は、825℃から25℃ずつ、14段階設定した。つまり、上記「昇温、冷却操作」は、指定温度が1150℃になるまで行った。指定温度が高くなると昇温峻度が大きくなり、端部における電極層と、電極層が形成されていない外周壁との境界で、引っ張り応力が発生する。表1において、「耐熱衝撃性試験」の欄は、耐熱衝撃性試験において、ハニカム構造体にクラックが発生したときの指定温度を示している。
試験条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 2022144219000002
(6.考察)
実施例1~7のサンプルは、電極層の下に位置する外周壁の少なくとも一部の厚みYと、電極層の厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、電極層の下に位置していない外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、YがXよりも小さかった。このため、いずれも、良好な耐熱衝撃性が得られた。
また、電極層の端部に傾斜部を設けた実施例6及び7は、当該傾斜部を設けなかった実施例1に比べて、より良好な耐熱衝撃性が得られた。
比較例1及び2は、YがXと同じ値であったため、耐熱衝撃性が実施例1~7に対して劣っていた。
10 ハニカム構造体
11 柱状ハニカム構造部
12 外周壁
13a、13b 電極層
18 セル
19 隔壁
21 スリット
30 電気加熱式担体
33a、33b 金属電極

Claims (7)

  1. 外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第1端面から第2端面まで延びる流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有するセラミックス製のハニカム構造部、及び、
    前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで、前記外周壁の外面上において、前記セルの流路方向に帯状に延びるように設けられた一対の電極層、
    を備え、
    前記電極層の下に位置する前記外周壁の少なくとも一部の厚みYと、前記電極層の厚みZとの合計厚み(Y+Z)が、前記電極層の下に位置していない前記外周壁の厚みXに対して、0.5~1.8倍であり、
    前記Yが前記Xよりも小さい、ハニカム構造体。
  2. 前記電極層の下に位置する前記外周壁の少なくとも一部が、前記電極層の下に位置する前記外周壁の周方向の端部である、請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記電極層の下に位置する前記外周壁全体の厚みが、前記電極層の下に位置していない前記外周壁の厚みに対して、95%以下である、請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記電極層の断面において、前記電極層の周方向の端部が、前記電極層の上面から下面側に向かうにつれて幅が拡張するように傾斜した傾斜部を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記外周壁のヤング率をA、前記電極層のヤング率をBとしたとき、下記式(1)を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
    0.5≦(Y×A+Z×B)/(X×A)≦1.8・・・(1)
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のハニカム構造体と、
    前記ハニカム構造体の前記電極層に電気的に接続された金属電極と、
    を備えた電気加熱式担体。
  7. 請求項6に記載の電気加熱式担体と、
    前記電気加熱式担体を保持するための金属製の筒状部材と、
    を有する排気ガス浄化装置。
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