JP7257801B2 - 耐風機構 - Google Patents

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本発明は、免震層を備える構造物に適用される耐風機構に関する。
ある程度規模の大きな建物(大規模オフィス、超高層集合住宅等)は、高い建物高さ、スレンダーなプロポーション、均質な形状、大きなファサード面積、長い固有周期等を有するという特徴がある。これらの規模の大きな建物は、いずれも建物に作用する風外力が増大する傾向にあり、結果的に地震力に対する風外力の影響が相対的に大きくなる。
近年、地震発生時に揺れを低減するために、免震構造を備えた建物が増加している。特に上記特徴を有するような建物に免震構造を適用して計画する場合、毎年発生する台風等により免震構造に生じる建物の振動を抑制して快適な居住性を確保する必要がある。これを実現するために、例えば、鉛プラグ等を用いて免震層のダンパー量を一定以上確保しつつ変位を抑制すると共に、揺れを低減する免震構造が提案されている。しかしながら、風力により生じる振動を低減するために、免震構造を備える建物にダンパーを単に増設するとダンパー量が地震外乱に対して過多となって地震外力に対する免震効果を阻害する虞がある。
この問題に対し、風外力に対しては免震層をロックする等して変位を抑制すると共に、地震外力に対してはロックを解除することにより、風と地震の外乱に対して適正に機能する免震構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、ロックがかかると変位が固定され、ロックが解除されるとオイルダンパーとして機能する風外力に対するダンパーのロック機構が記載されている。このロック機構は、風速計や地震計から取得された信号に基づいて、ダンパーのロックまたは解除を行う電磁弁を備えている。このロック機構によれば、電磁弁は風速計の信号に基づいて、通常時はロックを行わず、所定の風速以上となった場合にロックがかかり、所定の風速未満となった場合にロックは解除され、ロック時に地震計の信号に基づいて、所定の加速度が検出された場合、ロックが解除されるよう構成されている。
特許文献2には、ピンにより免震層をロックするロック機構が記載されている。このロック機構によれば、強風が発生すると予想される場合、手動により免震層にピンを差し込み、強風が終了した場合にピンを抜くことで免震層の動きをロック又は解除するよう構成されている。そして、このロック構造によれば、ピンを差し込んだ状態のままで地震が発生した場合、ピンが破断するよう構成されている。
特開平09-291721号公報 特開2004-176525号公報
特許文献1に記載されたロック機構によれば、電磁弁が電気的に自動制御されるため、正確な動作を実現するためには確実なメンテナンスが必要となる他、通常のオイルダンパーを用いる場合に比してシステムが複雑化してコストが上昇する。更に、外部から電力供給が必要となり、停電時の電源を確保する必要があるという課題がある。
特許文献2に記載されたロック機構によれば、簡便な機構により免震層のロックを実現しているものの、ピンの抜き差しに手間を要する他、ヒューマンエラーが発生する虞があり、大地震の発生後はピンを交換する等の管理作業が煩雑化する。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、簡便な構成により管理作業を低減化しつつも、風により発生する建物の変位を抑止すると共に大地震時には建物を免震することができる耐風機構を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、本発明は、免震層が設けられた免震対象物と設置面との間に設けられた耐風機構であって、前記設置面に連動して移動する第1押圧部と、前記第1押圧部に対向して配置されると共に、前記免震対象物に連動して移動する第2押圧部と、前記第1押圧部と前記第2押圧部とに挟持され、軟質部材により変形自在に形成されると共に、内部に液体が充満された収容容器と、前記収容容器に設けられ、前記収容容器内に生じる圧力を調整するための圧力解放部と、を備え、前記圧力解放部は、外力が生じて前記収容容器が前記第1押圧部と前記第2押圧部とに押圧されて変形した際に前記収容容器内に生じる圧力が所定値以上となる場合、前記収容容器の一部を開口させ前記液体の一部を前記収容容器の外部に放出させることを特徴とする、耐風機構である。
本発明によれば、変形自在に形成された収容容器が、外力が生じた際に押圧する方向に移動する第1押圧部と第2押圧部とに挟持されており、収容容器に、所定値で開口する圧力解放部が設けられていることにより、風に起因する外力により第1押圧部と第2押圧部が収容容器を押圧しても収容容器内部に生じる圧力が所定値未満となるために圧力解放部により圧力が解放されず、収容容器が第1押圧部と第2押圧部とに挟持されたまま免震対象物の動きがロックされる。これに対して、地震に起因する外力により第1押圧部と第2押圧部が収容容器を押圧した場合、収容容器内部に生じる圧力が所定値以上となるために圧力解放部により圧力が解放され、収容容器内部の液体が外部に放出される共に、変形した収容容器が第1押圧部と第2押圧部とに挟持されなくなり落下して免震対象物のロックを解除することができる。
本発明は、また、前記圧力解放部が弾性体により形成されると共に、前記収容容器に形成された開口部に圧入された栓を備え、前記栓は、前記圧力が所定値以上となる場合に前記液体に押圧されて前記開口部から離脱するように構成されていてもよい。
本発明によれば、圧力解放部が開口部に圧入された栓により構成されているため、収容容器内部の圧力が所定値以上となる場合に開口部から栓が離脱して内部の液体を外部に放出させる。本発明によれば、圧力解放部が栓で構成されているため、構成を簡略化すると共に、地震発生後に収容容器に液体を再注入して栓を塞ぐことで復旧作業を単純化し、コストを低減することができる。
本発明は、また、前記圧力解放部が前記収容容器に設けられた開口部を塞ぐように形成されたバルブと、前記バルブが前記開口部を塞ぐ方向に付勢する付勢部と、を備え、前記付勢部は、前記圧力が所定値以上となる場合に前記液体に押圧された前記バルブが解放されるように付勢力が調整されているように構成されていてもよい。
本発明によれば、圧力解放部がバルブと付勢部で構成されているため、栓に比してより正確な圧力解放の制御を行うことができる共に、地震発生後の復旧作業を単純化することができる。
本発明は、また、前記収容容器が、前記圧力が所定値以上となるように前記第1押圧部及び前記第2押圧部の移動方向における変形が生じた場合、前記第1押圧部と前記第2押圧部との間から落下するよう構成されていいてもよい。
本発明によれば、収容容器内で圧力が所定値以上となるように第1押圧部と第2押圧部の移動方向における変形が生じた場合、落下することにより、免震対象物の免震層のロックを解除することができる。
本発明は、また、前記第1押圧部が前記収容容器の設置時に前記収容容器が前記第1押圧部と前記第2押圧部との間から落下することを防止するように形成されたテーパ面を備えるように構成されていてもよい。
本発明によれば、収容容器の設置時に収容容器を第1押圧部及び前第2押圧部との間に嵌め込んだ際にテーパ面が収容容器の下方の移動を規制し、収容容器が落下することを防止することができる。
本発明は、また、前記収容容器の側面には補強部材が設けられ、前記補強部材は、前記第1押圧部の押圧面、および前記第2押圧部の押圧面に接する第1側面に配された板状の第1補強部材と、前記第1補強部材が設けられた前記第1側面と直交する第2側面に配された第2補強部材と、を備え、前記第2補強部材は、前記収容容器の前記第2側面の幅よりも狭い幅で形成されていてもよい。
本発明によれば、収容容器の側面に補強部材が取り付けられていることで、風に起因する外力により収容容器の膨張を防止して免震層のロック状態を保たせるが、地震に起因する外力により第1押圧部及び第2押圧部の移動方向に収容容器を変形させ、免震層のロック状態を解除することができる。
本発明によれば、簡便な構成により管理作業を低減化しつつも、風により発生する建物の変位を抑止すると共に大地震時には建物を免震することができる。
本発明に係る耐風機構の構成を示す断面図である。 第2押圧部の構成を示す断面図である。 収容容器の構成を示す断面図である。 収容容器の構成を示す斜視図である。 圧力解放部の構成を示す断面図である。 圧力が解放された状態の圧力解放部の構成を示す断面図である。 収容容器の寸法の一例を示す図である。 第1押圧部の変形例を示す図である。 耐風機構の動作状態を示す図である。 耐風機構の動作状態を示す図である。 耐風機構の動作状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る耐風機構の実施形態について説明する。
図1から図3に示されるように、耐風機構1は、免震層(不図示)が設けられた建物C等の免震対象物と設置面E(地球側)との間に設けられる。耐風機構1は、免震層をロックして台風発生時に免震層により生じる変位を抑制すると共に、地震発生時にはロックを解除して免震層を機能させるものである。耐風機構1は、水平面内の所定方向と所定方向に直交する方向に作用するように一つの免震層に対して2方向分に2つ設けられる。
耐風機構1は、設置面E側に設けられた第1押圧部2と、第1押圧部2に対向して配置され、建物C側に設けられた第2押圧部10と、第1押圧部2と第2押圧部10とに挟持された収容容器V1,V2とを備える。
第1押圧部2は、例えば、設置面E側に設けられた免震ピットE1に固定されている。免震ピットE1は、例えば、設置面Eから下方に窪んで形成されている。第1押圧部2は、免震ピットE1の底面E2から上方に立設された一対の側壁E3,E4に対して突っ張るように固定されたロッド2Aと、ロッド2Aの軸方向における途中に設けられた第1押圧板2Bとを備える。
ロッド2Aは、例えば、円形断面または矩形断面の棒材により形成されている。ロッド2Aの両端には、側壁に取り付けるためのエンドプレート2Cが設けられている。エンドプレート2Cは、例えば、側壁にアンカーボルト及びナットにより固定される。
第1押圧板2Bは、ロッド2Aが貫通するようにロッド2Aに取り付けられている。第1押圧板2Bは、ロッド2Aの軸線方向に力が加わってもずれないようにロッド2Aに確実に固定されている。第1押圧板2Bは、一面側にロッド2Aの軸線Lと直交方向に形成された押圧面2B1が形成され、他面側に押圧面2B1と平行に押圧面2B2が形成されている。これにより、第1押圧部2は、地震力が伝搬する等して設置面Eが移動した場合、設置面Eに連動して移動する。
第2押圧部10は、例えば、建物Cの底部に設けられた台座C1に設けられている。第2押圧部10は、台座C1の下方から垂下して設けられている。第2押圧部10は、台座C1の下方から垂下した一対の押圧板11,12を備える。一対の押圧板11,12は、矩形の板状に形成されている。一対の押圧板11,12は、同様の構成により形成されている。一対の押圧板11,12は、第1押圧部2の両側に離間して配置されている。押圧板11は、第1押圧部2の押圧面2B1に対向して配置されている。押圧板12は、第1押圧部2の押圧面2B2に対向して配置されている。押圧板11と押圧板12とは、X軸方向に沿った両側が一対の側板13,14により接続されている。
押圧板11の押圧面11Aには、ロッド2Aが挿通された矩形の貫通孔11Kが形成されている。貫通孔11Kは、上下方向(Z軸方向)の幅がロッド2Aの径の幅よりも若干大きく形成されている。貫通孔11Kは、ロッド2Aの軸線Lと直交方向(X軸方向)の幅がロッド2Aの径よりも大きく形成されている。貫通孔11KのX軸方向の幅は、ロッド2AがX軸方向に移動するためのクリアランスとなるように形成されている。
押圧板11の押圧面11Aには、貫通孔11Kの中心部から下方に連通する挿入孔11Sが形成されている。挿入孔11Sは、第1押圧部2を免震ピットE1内に設置する際にロッド2Aを挿入するために用いられる。押圧板11と同様に、押圧板12にも貫通孔12K,挿入口12Sが形成されている。上記構成により、第2押圧部10は、建物Cに連動して移動する。
第1押圧板2Bの押圧面2B1側において、収容容器V1が第1押圧板2Bと押圧板11とに挟持されている。同様に、第1押圧板2Bの押圧面2B2側において、収容容器V2が第1押圧板2Bと押圧板12とに挟持されている。収容容器V1と収容容器V2とは、同形に形成されている。以下、代表して収容容器V1について説明する。
図4に示されるように、収容容器V1は、ロッド2Aの軸線L方向(Y軸方向)から見て凹部Mを有するU字断面形状に形成されている。収容容器V1内には、例えば、水等の液体が充満している。収容容器V1は、例えば、アラミド繊維等の引張に強い軟質部材により変形自在に形成されている。収容容器V1において、押圧面11A,押圧面2B1に接する側面、即ち、Y軸方向の両側の側面には、U字状に形成された板状の補強部材U1がそれぞれ取り付けられている。
収容容器V1において、X軸方向の両側の側面には矩形に形成された板状の補強部材Q1が取り付けられている。補強部材U1,Q1は、例えば、鋼板を用いて形成されている。補強部材U1,Q1は、収容容器V1が押圧面11Aと押圧面2B1に押圧された際に生じる収容容器V1内の水圧により収容容器V1が膨張することを防止する。補強部材Q1は、収容容器V1のY軸方向に沿った側面の幅よりも狭い幅で形成されている。これにより、収容容器V1は、後述のように収容容器V1の内部の圧力が解放された際に、収容容器V1をY軸方向に沿って潰されるように形成されている。
収容容器V1において、押圧面11Aに接する側面には、収容容器V1内に生じる圧力を調整するための圧力解放部Pが設けられている。圧力解放部Pは、例えば、押圧面11Aに接する側面に2つ設けられている。圧力解放部Pは、外力が生じて収容容器V1が前記第1押圧部と前記第2押圧部とに押圧されて変形した際に収容容器V1内に生じる圧力(水圧)が所定値以上となる場合、収容容器の一部を開口させ水の一部を収容容器V1の外部に放出させる。
図5に示されるように、圧力解放部Pは、例えば、収容容器V1に形成された開口部P1と、開口部P1に圧入された栓P2とを備える。開口部P1は、例えば、収容容器V1の押圧面11Aに接する側面V1Aと補強部材U1とに連通して設けられた矩形断面に形成された貫通孔である。栓P2は、例えば、コルク等の弾性体により形成されている。栓P2は、任意の位置、場所に任意の個数で設けられていてもよい。栓P2は、開口部P1の径よりも若干大きい径で四角柱状に形成されている。
図6に示されるように、栓P2は、収容容器V1内の圧力が所定値以上となる場合に収容容器V1内の水Wに押圧されて開口部P1から離脱するように構成されている。栓P2は、例えば、開口部P1に対する径が調整されて形成されている。
図7に示されるように、収容容器V1の断面積Aが185,000[mm]となるように側面V1Aの各寸法が設定されている場合、補強部材U1に形成された開口部P1の径の大きさを10[mm]四方とすると穴の面積は100[mm]となる。
耐風機構1の限界荷重を200[kN]と仮定した場合、栓P2に掛かる荷重は約108[N](=11[kgf])である。限界荷重とは、栓P2に掛かる水圧による荷重が栓P2と開口部P1との間に生じている摩擦力による栓P2の抗力より大きくなって栓P2が取れるような耐風機構1に加わる外力である。限界荷重は、例えば、大規模の地震力により加わる想定された荷重に設定される。即ち、台風等の風力により耐風機構1に加わる荷重は、限界荷重未満であるため、栓P2が収容容器V1から離脱することはない。
この程度の荷重に対して、栓P2は、コルク等の弾性体により形成されていれば、限界荷重まで十分耐えることが可能である。栓P2は、例えば、φ12[mm]の円柱状に形成されていてもよい。栓P2の水圧による荷重に対する耐力は、開口部P1と栓P2との間に生じる摩擦力で調整されてもよく、栓P2の開口部P1に対する貫入量の大きさや、矩形断面又は円形断面以外で栓P2と開口部P1との嵌合形状により調整されていてもよい。例えば、栓P2をテーパ状に形成し、開口部P1に貫入させることで嵌合させるようにしてもよい。この場合、開口部P1の面積は113[mm]である。栓P2が離脱する方向における前方には、栓P2及び水の高速な射出を邪魔する邪魔板が設けられていてもよい。また、栓P2と収容容器V1とは紐等で連結されていてもよい。
上記構成により、収容容器V1,V2は、内部が空の状態で建物Cの下方から凹部Mにロッド2Aが嵌るように取り付けられる。その後、開口部P1から水Wが内部に充満するように注入される。この時、収容容器V1,V2には、第1押圧部2と第2押圧部10とに挟持されて保持されるような摩擦力が生じる圧力まで水Wが注入される。水Wは、必ずしも開口部P1から注入されなくてもよく、開口部P1以外の位置に水の注入口が設けられていてもよい。
図8に示されるように、収容容器V1,V2の設置時に収容容器V1,V2が第1押圧部2及び第2押圧部10との間から落下することを防止するために、第1押圧板2Bの押圧面2B1,2B2は、上方を向くような勾配のテーパ面に形成されていてもよい。
次に、耐風機構1の動作について説明する。
台風等の大きな風力により建物CにY軸方向の外力が加わった場合、建物Cは、Y軸方向に沿って移動しようとする(図1参照)。上述したように風力により建物Cに加わる荷重は、限界荷重未満であるため、栓P2は、収容容器V1から離脱せず、収容容器V1,V2は元の形状を保つ。そうすると、収容容器V1,V2は、第1押圧部2と第2押圧部10に挟持されたまま同じ位置に留まり、第1押圧部2と第2押圧部10とは、相対的に移動せずロックされた状態が保たれる。
図9に示されるように、地震力により建物Cが側壁E3に近位する方向に荷重が加わった場合、収容容器V2は、押圧面2B2と押圧面12Aとに押圧される。この時、収容容器V2内の圧力は、上述したように限界荷重以上となり、栓P2が収容容器V2から離脱する。そうすると、収容容器V2内の水Wの一部が外部に放出されると共に、収容容器V2が押圧面2B2と押圧面12Aとに押圧されてY軸方向に潰れ、建物CがY軸方向に沿って側壁E3に近位する方向に移動する。
図10に示されるように、この時、押圧面2B1と押圧面11Aとの間の距離が収容容器V1のY軸方向に沿った幅より大きく離間して、収容容器V1が下方に落下する。収容容器V1が落下した際に収容容器V1と底面E2との間に所定の空間が形成されるように収容容器V1がロッド2Aにワイヤで吊られるようにしてもよいし、収容容器V1と底面E2との間に支持部材が設けられていてもよい。
図11に示されるように、建物Cが免震層の復元力により、側壁E4に近位する方向に反転して移動すると、押圧面2B2と押圧面12Aとの間の距離が収容容器V2のY軸方向に沿って潰れた幅より大きく離間して、収容容器V2が下方に落下する。
上述したように、耐風機構1によれば、風により建物Cに生じる外力に対しては免震層の変位をロックし、地震力により建物Cに生じる外力に対してはロックを解除することで双方の外乱に対して適正な免震層の性状を発揮させることができる。また、耐風機構1によれば、建物C等の上部構造の設計外力も低減され、躯体数量削減、プラン自由度の確保が実現できる。また、耐風機構1によれば、構成を簡便にしつつも電力を用いた制御を不要とし、且つ、大地震が発生した後にも部品交換を不要とするパッシブ型で安価な免震構造を実現することができる。また、耐風機構1によれば、収容容器に水が封入されているため、外部に放出されても安全性が確保される。更に、耐風機構1によれば、地震発生後は、収容容器に水を注入し栓を閉めるだけの簡易な作業により復旧させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、圧力解放部Pは、栓P2だけでなく、オイルダンパーなどで使用されている、リリーフ弁を用いて制御力を高めても良い。リリーフ弁は一般的な構造の圧力調整用の弁であり、例えば、収容容器に設けられた開口部を塞ぐように形成されたバルブと、バルブが開口部を塞ぐ方向に付勢するバネ等の弾性体で形成された付勢部と、を備える。
付勢部は、収容容器V1,V2内の圧力が限界荷重における所定値以上となる場合に水に押圧されたバルブが解放されるように付勢力が調整されてもよい。リリーフ弁を用いることにより、タンク内の圧力が一定以上に達した場合に弁が解放され、水を放出させることが可能となる。なお、栓の位置や個数に関しては任意の位置、場所に付けることが可能である。
1 耐風機構
2 第1押圧部
2B1 押圧面
2B2 押圧面
10 第2押圧部
C 建物
E 設置面
P 圧力解放部
Q1 補強部材(第2補強部材)
U1 補強部材(第1補強部材)
V1、V2 収容容器
W 水

Claims (6)

  1. 免震層が設けられた免震対象物と設置面との間に設けられた耐風機構であって、
    前記設置面に連動して移動する第1押圧部と、
    前記第1押圧部に対向して配置されると共に、前記免震対象物に連動して移動する第2押圧部と、
    前記第1押圧部と前記第2押圧部とに挟持され、軟質部材により変形自在に形成されると共に、内部に液体が充満された収容容器と、
    前記収容容器に設けられ、前記収容容器内に生じる圧力を調整するための圧力解放部と、を備え、
    前記圧力解放部は、外力が生じて前記収容容器が前記第1押圧部と前記第2押圧部とに押圧されて変形した際に前記収容容器内に生じる圧力が所定値以上となる場合、前記収容容器の一部を開口させ前記液体の一部を前記収容容器の外部に放出させることを特徴とする、
    耐風機構。
  2. 前記圧力解放部は、弾性体により形成されると共に、前記収容容器に形成された開口部に圧入された栓を備え、
    前記栓は、前記圧力が所定値以上となる場合に前記液体に押圧されて前記開口部から離脱するように構成されている、
    請求項1に記載の耐風機構。
  3. 前記圧力解放部は、前記収容容器に設けられた開口部を塞ぐように形成されたバルブと、前記バルブが前記開口部を塞ぐ方向に付勢する付勢部と、を備え、
    前記付勢部は、前記圧力が所定値以上となる場合に前記液体に押圧された前記バルブが解放されるように付勢力が調整されている、
    請求項1に記載の耐風機構。
  4. 前記収容容器は、前記圧力が所定値以上となるように前記第1押圧部及び前記第2押圧部の移動方向における変形が生じた場合、前記第1押圧部と前記第2押圧部との間から落下するように構成されている、
    請求項1から3のうちいずれか1項に記載の耐風機構。
  5. 前記第1押圧部は、前記収容容器の設置時に前記収容容器が前記第1押圧部と前記第2押圧部との間から落下することを防止するように形成されたテーパ面を備える、
    請求項1から4のうちいずれか1項に記載の耐風機構。
  6. 前記収容容器の側面には補強部材が設けられ、
    前記補強部材は、
    前記第1押圧部の押圧面、および前記第2押圧部の押圧面に接する第1側面に配された板状の第1補強部材と、
    前記第1補強部材が設けられた前記第1側面と直交する第2側面に配された第2補強部材と、を備え、
    前記第2補強部材は、前記収容容器の前記第2側面の幅よりも狭い幅で形成されている、
    請求項1から5のうちいずれか1項に記載の耐風機構。
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