以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムの全体構成の一例を示す。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の電子装置10と、サーバ20とを備え、電子装置10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、複数の電子装置10を含む、サーバ-クライアントシステムを想定して説明するが、電子装置10は1台であってもよいし、サーバ20を介さないピアツーピアシステムによっても実現可能であるし、1台の電子装置によるスタンドアロン形式でも実現可能である。
図2は本発明の一実施形態による電子装置10及びサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。電子装置10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、電子装置10はゲームを実行するための家庭用のゲーム機である。ただし、電子装置10は、上記の構成を備えるものであれば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ及びコンピュータ等の端末装置とすることができる。
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
プロセッサ11、21は、電子装置10ないしサーバ20全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21は、記憶装置14、24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11、21は、複数のプロセッサから構成される。
表示装置12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などを電子装置10のユーザ(プレイヤ)ないしサーバ20のユーザ(管理者)に表示する。液晶ディスプレイ、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等、ユーザに対して情報を表示できるものであればどのようなものであってもよい。
入力装置13、23は、電子装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、コントローラ、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態において電子装置10はゲーム機であるため、電子装置10は入力装置13としてゲーム機用のコントローラを備え、表示装置22は液晶テレビとする。表示装置12を液晶ディスプレイとして電子装置10と一体となる構成としてもよいし、更に表示装置12と入力装置13とが一体となる構成であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。
記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリを用いた記憶装置及び磁気記憶装置等を含む、一般的なスマートフォン及びコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ゲームプログラムやブラウザプログラムを記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。ゲームプログラムやブラウザプログラムは、電子装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、電子装置10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各プレイヤ端末において実行されるゲームプログラムやブラウザプログラム上でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。また、記憶装置として、電子装置10及びサーバ20から物理的に分離されたデータベースを用いることもできる。
通信装置15、25は、ネットワーク2(図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。電子装置10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。
図3は本発明の一実施形態による電子装置10及びサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。電子装置10は、入力部31、表示部32、通信部33及びゲーム制御部34を備え、サーバ20は、入力部41、表示部42、通信部43及びゲーム管理部44を備える。本実施形態においては、プロセッサ11及び21がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24に記憶されているゲームプログラム及びゲーム管理用プログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
入力部31、41は、入力装置13、23を用いて構成されるものであり、電子装置10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付ける。電子装置10及びサーバ20は、入力部31、41によりユーザ入力を受け付ける。
表示部32は、ゲームフィールドを含むゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作に応じたゲーム用画面を表示する。表示部42は、必要に応じてゲーム管理者のための管理用画面を表示装置22に表示する。
ゲーム制御部34は、本実施形態のゲームを実行するための制御処理及び各種パラメータ等の情報の記憶を行う。ゲーム管理部44は、本実施形態の電子装置10において実行されるゲームの管理のための処理及び各種パラメータ等の情報の記憶を行う。1つの例では、ゲーム管理部44は、電子装置10においてゲームアプリケーションが実行されると、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。例えばゲーム管理部44は、電子装置10において実行されたゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶し、適宜電子装置10に提供する。
複数のプレイヤが協力してゲームを進行させるマルチプレイヤの場合には、プレイヤのゲーム進行についてのデータを他のプレイヤの電子装置10へ提供する。各電子装置10のゲーム制御部34は自己のゲーム状態及び他の電子装置10から送信されてきたゲーム状態に基づいてゲームを進行させる。
例えば、本実施形態においては、ゲーム制御部34は、入力部31を介してプレイヤによるゲーム開始入力を受け付けると、ゲーム管理部44へプレイヤ識別子を含むゲーム開始要求を送信する。ゲーム管理部44は、当該ゲームを実行するために必要なパラメータを生成して記憶するとともに、必要なデータを含むゲーム開始許可信号を電子装置10へ送信する。他の電子装置10のユーザである他のプレイヤの参加を許可する場合には、ゲーム管理部44が他の電子装置10からのゲーム参加要求を受信した後に、ゲーム開始許可信号を送信するようにしてもよい。
ゲームを開始するために必要なパラメータは、例えば、ゲームフィールドを定義するデータ、各キャラクタの初期位置を定義するデータ等を含む。ゲームフィールドは予め用意された複数のゲームフィールドからプレイヤによって選択されたゲームフィールドを定義するデータとすることができる。またゲームフィールドのデータは各電子装置10のゲーム制御部34に予め記憶されており、プレイヤによって選択されたゲームフィールドを示すゲームフィールド識別情報をゲーム管理部44が他の電子装置10へのゲーム開始許可信号へ含ませてもよい。各キャラクタの初期位置はゲーム管理部44によって決定し、各電子装置10へ送信してもよいし、各電子装置10によって決定された情報を、ゲーム管理部44を介してすべての電子装置10へ送信するようにしてもよい。
ゲームを開始するために必要なパラメータは、更に、味方キャラクタ及び敵キャラクタの攻撃力、防御力、ヒットポイント、状態を含むことができる。また、本実施形態では敵キャラクタのパラメータとして特殊値を示す情報を含むものとする。特殊値は、敵キャラクタへの味方キャラクタによる攻撃が成功すると変更される。本実施形態においては、攻撃は通常攻撃とするが、奥義攻撃等の他の攻撃によって特殊値を変更してもよい。
敵キャラクタの状態は通常状態及び特殊攻撃対象状態を含み、特殊値が特殊攻撃対象状態移行条件を満たすと、敵キャラクタの状態を通常状態から特殊攻撃対象状態に移行させる。例えば、敵キャラクタが一定回数以上の攻撃を受けると気絶状態となり、特殊な攻撃を受け得る状態になったことを表現する。ゲーム用画面において、敵キャラクタが気絶してよろける演出を表現してもよい。敵キャラクタの状態は、強力な攻撃を行うことができる状態などその他の状態を含んでもよい。
味方キャラクタの状態は、通常状態、特殊攻撃実行可能状態、奥義攻撃実行可能状態を含むことができる。味方キャラクタが所定の条件を満たすと特殊攻撃実行可能状態に移行され、他の所定の条件を満たすと奥義攻撃実行可能状態に移行される。
さらに、味方キャラクタ全体に関連付けられ、すべての味方キャラクタに共通のパラメータである補正ポイント及び補正レベルをパラメータに含ませることができる。補正ポイントは、味方キャラクタの攻撃力等のパラメータを補正するかを決定するために使用されるポイントであり、補正レベルはパラメータを補正する段階を示す。その他のパラメータは必要に応じて適宜説明する。
ここでは、ノンプレイヤキャラクタの行動の決定はゲーム管理部44が実行するものとする。各種パラメータは、プレイヤ入力によって決定されるプレイヤキャラクタの行動及びノンプレイヤキャラクタの行動を示す情報に基づくゲームの進行に従って変動するものであり、適宜、ゲーム制御部34及びゲーム管理部44によって決定され、ネットワークを介して各電子装置10及びサーバ20へ適宜送信することで、複数の電子装置10の間でゲームの進行状態を同期することを可能とする。
ゲーム制御部34は、ゲーム開始許可信号を受信すると、ゲームフィールドを定義するデータ及び各キャラクタの初期位置を定義するデータに基づいて、複数の味方キャラクタと敵キャラクタとをゲームフィールドに配置してゲームを開始する。複数の味方キャラクタは電子装置10のユーザであるプレイヤのプレイヤ入力によって操作されるプレイヤキャラクタと当該プレイヤキャラクタと協働して敵キャラクタと対戦する他の味方キャラクタを含む。ここでは敵キャラクタはプレイヤの入力によらずに制御されるノンプレイヤキャラクタとし、味方キャラクタは電子装置10のユーザであるプレイヤの入力によって制御されるプレイヤキャラクタとする。敵キャラクタ及び味方キャラクタは他のプレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタであってもよいし、ノンプレイヤキャラクタであってもよいし、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタの組合せであってもよい。
ゲームが開始されると、ゲーム制御部34は、プレイヤの入力に基づいて対応する各プレイヤキャラクタの行動を制御するとともに、プレイヤキャラクタの行動を示す情報をゲーム管理部44へ送信する。プレイヤキャラクタの行動を示す情報はプレイヤ入力そのものであってもよい。一つの電子装置10が複数のコントローラを備え、これらのコントローラを用いて複数のプレイヤが同時にプレイする場合には、一つの電子装置10のゲーム制御部34がそれぞれのプレイヤからのプレイヤ入力に基づいて対応するプレイヤキャラクタの制御を行う。
サーバ20のゲーム管理部44は敵キャラクタを含むノンプレイヤキャラクタの行動を決定するとともに、決定されたノンプレイヤキャラクタの行動及び電子装置10から受信したプレイヤキャラクタの行動を示す情報を各電子装置10へ送信する。電子装置10のゲーム制御部34は、当該電子装置10のプレイヤ入力、受信した敵キャラクタ及び他のプレイヤキャラクタの行動を示す情報に基づいて、各プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタの行動を含むゲームフィールドを表現する画像を電子装置10の表示部32に表示する。行動は、移動、通常攻撃、特殊攻撃、奥義攻撃等を含む。
複数の味方キャラクタのうちの1つの味方キャラクタによる敵キャラクタへの攻撃が成功した後、所定期間内に他の味方キャラクタが敵キャラクタへの攻撃を成功させた場合、特殊値の変更量を上昇させることができる。味方キャラクタと連携することにより、より効果的に敵キャラクタを特殊攻撃対象状態に至らせることを可能とし、戦略的に連携する楽しさを提供することができる。
ゲーム制御部34は、敵キャラクタが特殊攻撃の対象となる特殊攻撃対象状態であるか否かを判定し、敵キャラクタが特殊攻撃対象状態であるときは、ゲームフィールドにおいて敵キャラクタの所定の範囲内に配置された味方キャラクタを特殊攻撃が実行可能な状態とし、味方キャラクタによる特殊攻撃を実行する。そして、実行された特殊攻撃が成功したか否かを判定し、特殊攻撃が成功した場合、補正ポイントを上昇させる。補正ポイントが上昇されない期間に応じて、補正ポイントを減少させる。補正ポイントが補正条件を満たすと、味方キャラクタに関連付けられたパラメータを補正する。補正条件は多段階の条件を含み、パラメータを補正する段階は、補正ポイントが満たした補正条件の段階に基づいて、パラメータを補正するようにすることができる。
一つの実施形態においては、ゲームフィールドに2以上の敵キャラクタを配置することができる。この場合、特殊値は敵キャラクタの各々に対して設定され、2以上の敵キャラクタのうちの1つの敵キャラクタが特殊攻撃対象状態であるときは、当該他の敵キャラクタへの味方キャラクタによる攻撃が成功したと場合であっても、他の敵キャラクタの特殊値を、当該特殊値が特殊攻撃対象状態移行条件を満たす変更は実行しないようにすることができる。
本明細書において説明する電子装置10のゲーム制御部34が備える機能及びサーバ20のゲーム管理部44が備える機能は、他方が備えてもよいし、すべてを一方のみが備えてもよいし、両方が少なくとも一部を重複して備え、処理の結果に整合が生じた場合には一方の実行結果、例えば、ゲーム管理部44の実行結果が優先されるようにしてもよい。本明細書において説明するすべての処理についても同様である。
図4はゲーム用画面の一例を示す図である。電子装置10のゲーム制御部34は、電子装置10のプレイヤのキャラクタが配置されたゲームフィールド内の位置に基づいて、ゲームフィールドの一部を表現する画像を表示部32においてゲーム用画面50として表示する。ここでは、ゲームフィールド内には、味方キャラクタ51~54及び敵キャラクタ55が配置される。味方キャラクタ51は、電子装置10のユーザであるプレイヤの入力に基づいてゲームフィールド内で行動するオブジェクトであるプレイヤオブジェクトである。味方キャラクタ52~54は、ここでは他のプレイヤの入力に基づいて制御されるプレイヤオブジェクトとする。
味方キャラクタ情報領域60は、各味方キャラクタのレベル、名前、残りヒットポイント(HP)及び奥義ゲージを含む。奥義ゲージは、例えば、敵キャラクタへの攻撃を成功させることにより上昇し、一定値(例えば、100%)に達すると強力な攻撃である奥義攻撃を実行することが可能となる。また、一体の味方キャラクタが奥義攻撃を成功させた後、一定期間内に他の味方キャラクタが奥義攻撃を成功させると連続奥義攻撃による追加奥義攻撃を実行し、ボーナスダメージを与えるようにすることができる。追加奥義攻撃は、連続した奥義攻撃の数が多ければ多いほど、大きなダメージを与えるようにしてもよい。
補正情報領域65は補正ポイント及び補正レベルを示すゲージ66とパラメータ補正情報を含む。補正情報領域65は補正ポイント及び補正ポイントに基づいて決定された補正レベルを示すとともに、現在の補正レベルによってパラメータへ与えられる補正の内容を示す。
次に、図5~10を用いて、本発明の一実施形態によるゲームシステム1において実行される情報処理について説明する。図5はゲーム状態を表現するための画像を表示するための画像表示処理100のフローを示し、図6はプレイヤキャラクタの操作入力に基づくプレイヤキャラクタ制御処理200のフローを示し、図7は特殊攻撃対象状態管理処理300のフローを示し、図8は特殊攻撃実行可能状態管理処理400のフローを示し、図9は補正ポイント及びパラメータ補正管理処理500のフローを示し、図10は連続奥義攻撃管理処理600のフローを示す。
まず図5に基づいて画像表示処理100について説明する。電子装置10は、ゲームを開始すると、表示用画像を生成するためにゲーム状態を取得する(S101)。ゲーム状態は、ゲーム制御部34及びゲーム管理部44等によって生成されたゲームに関連するパラメータ及びゲームフィールドを定義するデータ等を含む。そして、ゲーム制御部34は取得したゲーム状態に基づいてゲーム状態を表現するための画像を生成し、表示部32に表示する(S102)。
ゲーム状態は各種のパラメータ等に基づいて決定され、各プレイヤの入力によって制御されるプレイヤキャラクタの行動及びゲーム管理部44等によって制御されるノンプレイヤキャラクタの行動に基づいて変更される。図6~10を用いて後述する処理を含む複数の処理が画像表示処理100と並列に実行されて、ゲーム状態が更新される。電子装置10は、ゲーム制御部34等のゲーム終了命令が発行されたか否かを判定し(S104)、終了命令がなされるまで、S101及びS102を繰り返し実行することで、他の処理によって更新されたゲーム状態を表現する画像を表示部32に表示し続ける。本実施形態においては電子装置10としてゲーム機を用いており、一般的にゲーム機は30fps、60fpsなどのフレームレートが設定される。電子装置10は、好ましくは、フレームレートに対応させて一定時間毎に図5に示す画像表示処理を実行する。
次に、図6に基づいてプレイヤキャラクタの操作入力に基づくプレイヤキャラクタ制御処理200を説明する。以下の説明において、プレイヤキャラクタに限らずプレイヤキャラクタを含む各味方キャラクタに対して実行される処理の場合には、これを明確にするために味方キャラクタという用語を用いる。また、プレイヤキャラクタとの用語が用いられている処理であっても、味方ノンプレイヤキャラクタに対しても同様の処理が実行される場合があることは当業者には明確に理解される。
プレイヤキャラクタ制御処理200はゲーム制御部34によって実行されるものとする。各ステップにおいて変更されたパラメータは、各ステップを実行したゲーム制御部34によってゲーム管理部44へ送信され、ゲーム管理部44を介してすべての電子装置10へ供給され、共通のパラメータでゲームが進行される。入力部31がプレイヤによるプレイヤ入力を受け付けると(S201)、これに基づいて、プレイヤキャラクタの制御が実行される。ここではプレイヤ入力は移動コマンド、通常攻撃コマンド、特殊攻撃コマンド及び奥義攻撃コマンドのいずれか一つであるものとするが、その他のコマンドを含んでもよい。
ゲーム制御部34は入力されたプレイヤ入力が、移動コマンドであるか否かを判定する(S202)。移動コマンドであった場合には、プレイヤ入力が含む方向指示等に基づいて、プレイヤキャラクタのゲームフィールド上の位置を移動させる(S204)。例えば、ゲームフィールドに座標を定義し、プレイヤキャラクタのゲームフィールド上の位置を示す座標の位置を、プレイヤ入力に含まれる方向指示によって指示された方向へ所定量だけ移動させる。
プレイヤ入力が移動コマンドではない場合、通常攻撃コマンドであるか否かの判定を行う(S206)。通常攻撃は、特殊攻撃や奥義攻撃のような所定の条件を満たした場合にのみ実行可能な攻撃とは異なり、所定の条件を満たすことなく実行可能な攻撃である。プレイヤ入力が通常攻撃コマンドである場合には、通常攻撃が敵キャラクタに対してヒットしたか否かを判定する(S208)。ヒット判定は例えば、ゲームフィールド上に定義された座標を用いて、プレイヤキャラクタの位置、敵キャラクタの位置、通常攻撃が実行された方向、通常攻撃の射程範囲等に基づいて判定される。通常攻撃の射程範囲はプレイヤキャラクタの種類によって設定されてもよいし、プレイヤキャラクタが装備する武器等によって設定されてもよい。
プレイヤキャラクタによる攻撃が敵キャラクタにヒットしたと判定した場合には、敵キャラクタへのダメージ処理を実行する(S210)。敵キャラクタへ与えるダメージ量は、例えば、プレイヤキャラクタの攻撃力及び敵キャラクタの防御力に基づいて決定され、決定されたダメージ量だけ、敵キャラクタのHPを減少させる。敵キャラクタのHPが0以下となった場合には、敵キャラクタをゲームフィールドから消滅させて、本プレイヤ入力に基づく通常攻撃処理を終了させる。敵キャラクタの討伐がゲームの終了条件であれば、ゲームを終了させる処理を実行させてもよい。ゲーム終了条件を満たすか否かを判定する処理はゲーム実行中は他の処理と並行して実行され、条件を満たすと判定された場合には他の処理を中断して、ゲームを終了させるものとする。
次に、プレイヤキャラクタの攻撃がヒットした敵キャラクタが特殊攻撃対象状態であるか否かを判定する(S212)。敵キャラクタが既に特殊攻撃対象状態であれば、次のプレイヤ入力を受け付けるためにS201へ戻る。特殊攻撃対象状態でないと判定された場合には、特殊値を減少させる処理を実行する(S214)。ここでは、敵キャラクタの特殊値は初期状態では0より大きい所定の値であり、特殊攻撃対象状態移行条件は特殊値が0以下となることとする。味方キャラクタの攻撃を受けると特殊値が減少され、0以下となると、特殊攻撃対象状態移行条件を満たし、敵キャラクタの状態を示すパラメータを特殊攻撃対象状態を示すパラメータに設定する。一つの変形例においては、特殊値を最小値から上昇させ、所定値以上となった場合に特殊攻撃対象状態に移行させるようにしてもよい。
特殊値を減少させる量は、通常攻撃の際には常に同じ所定量だけ減少させてもよいし、他の条件に基づいて減少量を変動させてもよい。例えば、プレイヤキャラクタによる敵キャラクタへの通常攻撃のヒットが、他の味方キャラクタが通常攻撃を同一の敵キャラクタに対してヒットさせてから所定の期間内である場合には、ボーナスとして追加の減少量を加えた減少量だけ特殊値を減少させてもよい。更に、このような同一敵キャラクタへの攻撃の連続的なヒットの回数が多ければ多いほどボーナス量を増加させてもよい。複数のプレイヤで協働して敵キャラクタを倒すようなマルチプレイのゲームにおいて、連携して同一の敵キャラクタを攻撃することで、一人で敵キャラクタと戦うよりも効果的な攻撃を可能とすることにより、マルチプレイの楽しさをより感じさせ、ゲームへの没入感を高めることができる。
所定の期間内に特殊値を減少させる処理が実行されない場合には、特殊値を上昇させる処理を実行させる。例えば、敵キャラクタ毎に特殊値を管理する処理を実行し、特殊値を上昇させるためのタイマーを用いて特殊値を減少させる処理を監視し、特殊値を減少する処理が所定期間内に実行されれば、タイマーをリセットし、所定期間経過すれば、特殊値を上昇させてタイマーをリセットするようにすることができる。特殊値は予め設定された上限値を最大値として上昇させる。所定の時間毎の特殊値の上昇量は敵キャラクタ毎に予め設定してもよい。
一つの実施形態においては、ゲームフィールドに複数の敵キャラクタが配置され、そのうちの一体の敵キャラクタが特殊攻撃対象状態に設定された場合には、他の敵キャラクタの特殊値を減少する処理において、特殊攻撃対象状態に移行する条件を満たす値へ特殊値を減少させる処理は実行しない。例えば、S214においては、攻撃を受けた敵キャラクタ以外の敵キャラクタが特殊攻撃対象状態であるか否かを判定する処理を実行し、攻撃を受けた敵キャラクタ以外の敵キャラクタが特殊攻撃対象状態でなければ、特殊値を減少させる処理を実行する。
一方、攻撃を受けた敵キャラクタ以外の敵キャラクタが特殊攻撃対象状態である場合には、攻撃を受けた敵キャラクタの特殊値が特殊攻撃対象状態移行条件を満たさないように特殊値の減少処理を実行する。例えば、特殊値が0以下の場合に条件を満たすと判定される場合には、特殊値の下限値を1とし、減少処理によっても特殊攻撃対象状態に移行しないようにする。
次に、敵キャラクタの特殊値が特殊攻撃対象状態移行条件を満たしたか否かを判定する(S216)。特殊攻撃対象状態移行条件を満たさない場合には、次のプレイヤからの入力を待ち受け(S201)、満たす場合には、この敵キャラクタの状態を特殊攻撃対象状態へ移行させるとともに、特殊攻撃対象状態用のタイマーを開始する(S218)。S216又はS218の後、次のプレイヤ入力を待ち受けるためにS201へ戻る。
特殊対象攻撃対象状態は一定の条件を満たすと終了し、通常状態に戻るものとする。ここでは、特殊攻撃対象状態へ移行した後、所定の期間が経過した後は通常の状態に戻るものとする。特殊攻撃対象状態用のタイマーを用いて、経過時間を測定する。
図7を用いて、特殊攻撃対象状態管理処理300を説明する。敵キャラクタは通常状態と特殊攻撃対象状態の2つの状態をとるものとする。敵キャラクタに関連付けられた状態を示すパラメータ及び特殊値を用いて敵キャラクタの状態遷移処理を行う。本実施形態においては、S218において、敵キャラクタの状態を特殊攻撃対象状態に設定し、タイマーを開始すると、特殊攻撃対象状態管理処理300が開始される。
まず、特殊攻撃受付時間が終了したか否かを判定する(S301)。これは、S218において開始された特殊攻撃対象状態用のタイマーを用いることとし、例えば、タイマーの初期値を100秒に設定し、100秒経過すると特殊攻撃受付時間が終了したと判定することができる。特殊攻撃受付時間が終了したことをタイマーが示す場合には、特殊攻撃対象状態を終了させるために、敵キャラクタの状態パラメータを通常状態に設定することで、通常状態に遷移させる(S308)。
特殊攻撃受付時間が終了していないと判定された場合には(S301)、すべての味方キャラクタの特殊攻撃が実行済であるか否かを判定する(S302)。すべての味方キャラクタの特殊攻撃が実行済であると判定された場合には、特殊攻撃対象状態を終了させる(S308)。本実施形態においては、一回の特殊攻撃対象状態においては、各味方キャラクタは特殊攻撃を一回しか実行できないものとする。例えば、各味方キャラクタに特殊攻撃実行済かを示すフラグを関連付け、すべての味方キャラクタのフラグが特殊攻撃実行済を示すか否かに基づいて判定する。変形例としては、2回以上の所定回数、特殊攻撃を実行できるようにしてもよいし、特殊攻撃を実行できる回数に制限を設定しなくともよい。
味方キャラクタの特殊攻撃が実行済であると判定されなかった場合には(S302)、敵キャラクタが死亡したかを判定し(S304)、敵キャラクタが死亡している場合には特殊攻撃対象状態を終了させる(S308)。死亡していない場合には、奥義攻撃がヒットしたか否かを判定する(S306)。味方キャラクタの一体が奥義攻撃を実行し、その奥義攻撃が敵キャラクタにヒットした場合には特殊攻撃対象状態を終了させる(S308)。ここでは、一体の味方キャラクタの奥義攻撃が複数回の攻撃を含むものとし、そのうちの最初の攻撃である奥義始動攻撃がヒットした場合に奥義攻撃がヒットしたものとする。奥義攻撃が一回の攻撃しか含まない場合には、その一回の攻撃を奥義始動攻撃とする。奥義攻撃は非常に強力な攻撃であり、特殊攻撃やその後のパラメータ補正に寄与させると、味方キャラクタの優位性が高くなりすぎて、敵キャラクタとのバランスが保ちにくくなるためである。一つの変形例においては、奥義攻撃がヒットした場合であっても特殊攻撃状態を終了させない。
特殊攻撃対象状態管理処理300は特殊攻撃対象状態が終了するまで繰り返し実行される。全味方キャラクタ特殊攻撃実行済判定処理(S302)、敵キャラクタ死亡判定処理(S304)、及び奥義始動攻撃ヒット判定処理(S306)は、割り込み処理によって実行されてもよい。例えば、味方キャラクタによる特殊攻撃が実行される度に全味方キャラクタ特殊攻撃実行済判定処理を実行し、全味方キャラクタ特殊攻撃実行済と判定された場合には、特殊攻撃対象状態終了処理(S308)を実行するようにしてもよい。また同様に、奥義攻撃が実行された際に奥義始動攻撃ヒット判定処理を実行し、ヒットしたと判定された場合には、特殊攻撃対象状態終了処理(S308)を実行するようにしてもよい。
図6のプレイヤキャラクタ制御処理200の説明に戻る。S206において、プレイヤ入力が通常攻撃でない場合には、特殊攻撃であるか否かの判定を行う(S220)。特殊攻撃は、プレイヤキャラクタが特殊攻撃実行可能状態のときに所定の入力を行うことで実行可能な攻撃である。
ここで、図8を用いて、味方キャラクタの特殊攻撃実行可能状態管理処理400を説明する。この管理処理400は、敵キャラクタが特殊攻撃対象状態に移行したときに開始され、味方キャラクタ毎に実行される。まず、敵キャラクタが依然として特殊攻撃対象状態であるか否かを判定する(S401)。前述のとおり敵キャラクタは所定の条件を満たすと特殊攻撃対象状態から通常状態へ移行する。この敵キャラクタの状態を監視し、敵キャラクタが通常状態へ移行した場合には本処理は終了する。
敵キャラクタが特殊攻撃対象状態にあると判定された場合(S401)、味方キャラクタが特殊攻撃を実行済であるか否かを判定する(S402)。前述のとおり、例えば、各味方キャラクタに関連付けたフラグに基づいて特殊攻撃を実行済であるか否かを判定する。敵キャラクタが特殊攻撃対象状態から通常状態に移行するときフラグをリセットすることができる。また、複数の敵キャラクタが同時に特殊攻撃対象状態に移行することを許容する場合には、敵キャラクタ毎にフラグを設定してもよい。
本実施形態においては、敵キャラクタの一回の特殊攻撃対象状態に対して一回の特殊攻撃のみを実行可能とするから、特殊攻撃を一度実行済であると判定された場合には(S402)、特殊攻撃実行可能状態管理処理400を終了させ、この味方キャラクタにはこれ以上の特殊攻撃を実行させない。
特殊攻撃を未実行であると判定された場合には(S402)、味方キャラクタが特殊攻撃対象状態である敵キャラクタの所定の範囲内に配置されているか否かを判定する(S404)。味方キャラクタが敵キャラクタの所定の範囲内に配置されているか否かは、例えば、ゲームフィールドにおいて敵キャラクタの座標から所定の距離の範囲内に味方キャラクタの座標が位置しているか否かを判定することにより判定することができる。所定の距離は仮想的な3次元距離であってもよいし、2次元距離であってもよい。
味方キャラクタが特殊攻撃対象状態である敵キャラクタの所定の範囲内に配置されていると判定された場合には(S404)、当該味方キャラクタの状態を特殊攻撃実行可能状態に移行させる(S406)。既に特殊攻撃実行可能状態である場合にはその状態を維持する。味方キャラクタが特殊攻撃対象状態である敵キャラクタの所定の範囲内に配置されていないと判定された場合には(S404)、当該味方キャラクタの状態を特殊攻撃実行不可状態に移行させる(S408)。既に特殊攻撃実行不可状態である場合にはその状態を維持する。
味方キャラクタであるプレイヤキャラクタが特殊攻撃実行可能状態にある場合には、特殊攻撃を実行するための入力ボタンを表示部32に表示することで特殊攻撃が実行可能であることをプレイヤに示し、特殊攻撃の実行を促すことができるものとする。そして、特殊攻撃実行可能状態時に、特殊攻撃を実行するための入力ボタンが押下された場合には、特殊攻撃コマンドがプレイヤ入力として受け付けられ、特殊攻撃が実行される。特殊攻撃実行不可状態時に、特殊攻撃を実行するための入力ボタンが押下されても、プレイヤ入力として受け付けないものとする。
図6のプレイヤキャラクタ制御処理200の説明に戻る。プレイヤ入力が特殊攻撃コマンドであると判定されると(S220)、特殊攻撃実行済を示すようにプレイヤキャラクタに関連付けられたフラグを設定し(S222)、特殊攻撃が敵キャラクタにヒットしたか否かの判定を行う(S224)。特殊攻撃が敵キャラクタにヒットしたか否かの判定は例えば、ゲームフィールド上におけるプレイヤキャラクタの位置、敵キャラクタの位置、特殊攻撃が実行された方向、特殊攻撃の射程範囲等に基づいて判定される。特殊攻撃の射程範囲はプレイヤキャラクタの種類によって設定されてもよいし、プレイヤキャラクタが装備する武器によって設定されてもよい。特殊攻撃の射程範囲は通常攻撃と同じでもよいし、異なるようにしてもよい。
特殊攻撃実行中の味方キャラクタは敵キャラクタからの攻撃がヒットしないようにすることができる。処理200とは並列に敵キャラクタの行動処理を実行するものとし、敵キャラクタの攻撃がプレイヤキャラクタへヒットしたと判定された場合には、プレイヤキャラクタの入力に基づいて実行されている行動が中断されるものとする。例えば、プレイヤの移動コマンドに基づいてプレイヤキャラクタが移動処理を実行している間に敵キャラクタの攻撃がヒットすれば、移動処理を中断し、次のプレイヤ入力を待つ(S201)。
本実施形態においては、敵キャラクタの行動処理において敵キャラクタによる味方キャラクタへの攻撃が実行されても、当該味方キャラクタが特殊攻撃実行中である場合には、敵キャラクタによる攻撃のヒット判定を行わない。更に、特殊攻撃は、特殊攻撃対象状態の敵キャラクタのみがヒットしたと判定されるものとし、特殊攻撃対象状態ではない敵キャラクタにはヒットしない。
特殊攻撃がヒットしなかった場合には、特殊攻撃は失敗し、次のプレイヤ入力の受付処理に戻る(S201)。特殊攻撃がヒットした場合には、敵キャラクタにダメージを与える処理を実行する(S226)。敵キャラクタへ与えるダメージ量は、通常攻撃と同様に、例えば、プレイヤキャラクタの攻撃力及び敵キャラクタの防御力に基づいて決定され、決定されたダメージ量だけ、敵キャラクタのHPを減少させる。通常攻撃に比べて、敵キャラクタへ与えるダメージ量を大きくするために、プレイヤキャラクタの攻撃力にボーナス値を加算したり、攻撃力を2倍にしてダメージを算出してもよい。通常攻撃によって与えられるダメージの所定倍のダメージを与えるものとしてもよい。一つの変形例として、特殊攻撃は後述する補正ポイントのみに関与し、敵キャラクタへのダメージ処理は実行しないようにしてもよい。
次に、補正ポイントを上昇させる処理を実行する(S228)。補正ポイントは味方キャラクタ全体に関連付けられ、味方キャラクタ全体に共通するパラメータである。補正ポイントの上昇量は一定量としてもよいし、所定の条件に基づいて決定してもよい。例えば、特殊攻撃をヒットさせた場合の基本上昇量に加えて、敵キャラクタの一回の特殊攻撃対象状態の間に敵キャラクタにヒットさせた特殊攻撃の回数に応じてボーナスポイント分を上昇させてもよい。補正ポイントの上昇は所定量を加算することによって実現してもよいし、乗算やその他の演算によって実現してもよい。
例えば、基本上昇量を1000ポイントとし、2回目にヒットした特殊攻撃については2000ポイント(2×1000)のボーナスを加え、3000ポイント上昇させるようにしてもよい。更に、本実施形態においては、連続奥義攻撃成功時及び連続奥義攻撃終了後のボーナスダメージ付与後にも補正ポイントを上昇させる。例えば、連続奥義攻撃成功時には、奥義攻撃毎に連続奥義攻撃回数×1000ポイントの補正ポイントを上昇させる。連続奥義攻撃終了後のボーナスダメージ付与後も連続奥義攻撃回数×1000ポイントの補正ポイントを上昇させることができる。
ここで図9を用いて、補正ポイント及びパラメータ補正管理処理500を説明する。この管理処理500は、ゲームが開始したときに開始され、すべての味方キャラクタに対して共通する処理として実行され、補正ポイント及び補正レベルはすべての味方キャラクタに共通のパラメータとして管理される。
まず、補正ポイントが補正条件を満たしているか否かを判定する(S501)。ここでは、補正条件は多段階の条件を含むものとし、その一例を表1に示した。補正条件は複数の補正レベルと各補正レベルに対して定められた閾値を含む。補正レベルとしてレベル0~5を用意するものとする。
表1においてレベルは補正レベルを意味し、閾値は次の補正レベルへ移行するために必要な補正ポイントを意味する。各補正レベルにおいて補正ポイントが下降閾値~上昇閾値の間はその補正レベルを維持し、上昇閾値を超えて補正ポイントが上昇すると、補正レベルを上昇させるための補正条件を満たして次の補正レベルに上昇し、補正ポイントが下降閾値未満となると補正レベルを下降させるための補正条件を満たして下の補正レベルに下降する。
例えば、補正レベル1においては上昇閾値=1000であるから、補正レベル1の状態で補正ポイントを1000ポイント以上まで上昇させると、補正レベル2へ上昇させるための補正条件を満たしたと判定し、補正レベルを2に上昇する。一方、補正レベル2の状態で補正ポイントが下降閾値(0)を下回ると補正レベルを1にする補正条件を満たしたと判定し、補正レベルを1に下降させる。補正レベルを上昇させた場合には、補正ポイントを0に設定する。補正レベルを下降させた場合には、補正ポイントを下降させた補正レベルの上昇閾値に設定する。一番低い補正レベル0においては下の補正レベルへの下降はしないし、一番高い補正レベル5においては上の補正レベルへの上昇はしない。
本実施形態においては、補正レベル5の場合には補正ポイントは0より大きい値をとらないものとする。このため、後述する補正ポイントタイマーが満了して補正ポイントが減少すると直ちに下降閾値(0)未満となって、補正レベル4に下降する。補正ポイントタイマーが満了する前に敵キャラクタへの攻撃を成功させる等によって補正ポイントタイマーをリセットすることにより、補正レベルの下降を防止することができる。
S501において、補正ポイントが補正条件を満たしていると判定されると、味方キャラクタのパラメータを補正する(S502)。パラメータの補正は例えば、味方キャラクタ全員の攻撃力を一定割合だけ変更させることができる。ここでいう補正条件は、味方キャラクタに有利な補正をするための補正条件と、有利な補正をもとに戻す補正のような不利な補正をするための補正条件の両方を含む。
例えば、味方キャラクタの攻撃力を上昇させるための補正条件を満たす場合には、味方キャラクタの攻撃力を上昇させるパラメータ補正処理を実行し、上昇された攻撃力をもとに戻すための補正条件を満たす場合には、味方キャラクタの攻撃力を上昇前の値に低下させるパラメータ補正処理を実行する。
表2に示すように補正レベルに応じて上昇量を変動させてもよい。パラメータの補正は、攻撃力の上昇に限らず、防御力を上昇させてもよいし、毒に侵された状態のために減少するヒットポイント量を減少させたりするような味方キャラクタにとって有利なパラメータのその他の補正であってもかまわない。自身のヒットポイントが低いほど攻撃力が上昇するような味方キャラクタがいる場合にはヒットポイントを減少させる補正としてもよい。
次に、補正ポイントタイマーが満了しているか否かを判定する(S504)。補正ポイントタイマーが満了している場合には、満了してからの経過時間に基づいて補正ポイントを減少させる(S506)。表3に示すように補正ポイントの減少を開始させるための満了時間及び減少開始後の減少レートは補正レベル毎に設定することができる。例えば、補正レベル3の場合には補正ポイントタイマーがリセットされてから10秒経過すると補正ポイントの減少が開始され、その後は毎秒600ポイントずつ補正ポイントを減少させる。補正ポイントの減少は、所定量を減算することによって実現してもよいし、除算等のその他の演算を用いて実現することもできる。
S508において、補正ポイントの上昇処理が実行されたか否かを判定する。敵キャラクタへの攻撃がヒットした場合、連続奥義攻撃がヒットした場合等に補正ポイントが上昇する。補正ポイントを上昇させる処理が実行されたと判定された場合には補正ポイントタイマーをリセットする(S510)。補正ポイントタイマーの管理処理は独立して並列に処理されるプロセスによって実行してもよい。
補正ポイントが上昇されていないと判定された後(S508)、又は、補正ポイントタイマーがリセットされた後(S510)、S501へ戻り、S501~S510が繰り返し実行される。
特殊攻撃対象状態の敵キャラクタに対して、複数の味方キャラクタが接近して、特殊攻撃受付時間内にタイミングよく次々と特殊攻撃を実行することにより、補正ポイントを効率的に上昇させることを可能とする。プレイヤに他の味方キャラクタとタイミングを合わせて連係をする楽しさを感じさせるとともに、受付時間を限定的な時間とすることにより、よりプレイに集中させ、ゲームへの没入感を高めることができる。
図6のプレイヤキャラクタ制御処理200の説明に戻る。S220において、プレイヤ入力が特殊攻撃でないと判定された場合には、奥義攻撃であると判定し、奥義攻撃がヒットしたか否かの判定を行う(S230)。本実施形態においては、プレイヤ入力は、移動コマンド、通常攻撃コマンド、特殊攻撃コマンド及び奥義攻撃コマンドのいずれかであるものとし、プレイヤ入力が、移動コマンド、通常攻撃コマンド及び特殊攻撃コマンドのいずれでもない場合には奥義攻撃コマンドであると判定する。
奥義攻撃がヒットしなかった場合には、奥義攻撃は失敗し、次のプレイヤ入力の受付処理に戻る(S201)。奥義攻撃がヒットした場合には、敵キャラクタにダメージを与える処理を実行する。敵キャラクタへ与えるダメージ量は、例えば、プレイヤキャラクタの攻撃力及び敵キャラクタの防御力に基づいて決定されるものとするが、通常攻撃より大きなダメージを与えるために、通常攻撃によって与えるダメージの所定倍のダメージ等としてもよい。
更に、S234において連続奥義攻撃処理を実行する。例えば、連続奥義攻撃の連続数をカウントする連続奥義カウンタ及び連続奥義攻撃受付タイマーを味方キャラクタに共通のパラメータとして設定し、連続奥義カウンタが0の場合には最初の奥義攻撃であり、1以上である場合には、最初の奥義攻撃ではないことを示す。連続奥義攻撃受付タイマーは所定の期間を経過すると満了し、受付期間が満了するものとする。
連続奥義攻撃処理(S234)は、連続奥義カウンタが0である場合には、連続奥義攻撃受付タイマーを開始するとともに、連続奥義攻撃カウンタを1に設定し、当該プレイヤキャラクタに関連付けられた奥義攻撃実行済フラグをオンに設定し、図10を用いて後述する連続奥義攻撃管理処理600を開始する。連続奥義攻撃カウンタが1以上である場合には、連続奥義攻撃カウンタをインクリメントする。
更に連続奥義攻撃の回数に応じて補正ポイントを上昇させる。例えば、連続奥義攻撃カウンタの数に1000ポイントを乗じて得られた値分だけ補正ポイントを上昇させることができる。その後、次のプレイヤ入力の受付処理に戻る(S201)。
図10を用いて連続奥義攻撃管理処理600を説明する。前述のとおり、S234の連続奥義攻撃処理によって、連続奥義攻撃カウンタが0である場合に連続奥義攻撃受付タイマーを開始するとともに、連続奥義攻撃管理処理600が開始される。連続奥義攻撃受付タイマーは所定の期間を経過すると満了し、受付期間が満了するものとする。
まず、S601において、連続奥義攻撃受付タイマーが満了したか否かを判定する。受付タイマーが満了していない場合には、すべての味方キャラクタが奥義攻撃を実行済であるか否かを判定する(S602)。味方キャラクタが奥義攻撃実行済であるか否かは例えば、各味方キャラクタの奥義攻撃実行済フラグがオンになっているか否かを判定することによって実行することができる。
タイマーが満了したと判定されるか(S601)、すべての味方キャラクタが奥義攻撃を実行済であると判定される(S602)まで、味方キャラクタによる奥義攻撃の実行を待ち受け、少なくともいずれか一方の判定が真であると判定されると、次に、連続奥義攻撃が成功したか否かを判定する(S604)。連続奥義カウンタが2以上であれば、連続奥義攻撃が成功したと判定し、1であれば連続奥義攻撃が成功しなかったと判定することができる。
連続奥義攻撃が成功したと判定された場合には、連続奥義攻撃による追加奥義攻撃によるボーナスダメージを更に敵キャラクタに与えるとともに(S606)、補正ポイントも上昇させるものとする(S608)。例えば、連続奥義カウンタに1000ポイントを乗算して得られる値だけ補正ポイントを上昇させることができる。その後、連続奥義攻撃管理処理600を終了させる。
本実施形態を用いることにより、味方キャラクタと連携して敵キャラクタの特殊値を減少させて特殊攻撃対象状態にし、特殊攻撃対象状態の間に特殊攻撃を成功させることにより、補正ポイントを上昇させ、補正条件を満たして、味方キャラクタに関連付けられたパラメータを補正することにより、有利に敵キャラクタとの対戦を行うことができる。また、特殊値の減少量や補正ポイントの上昇量を味方キャラクタとの連携によって上昇させることで有利に対戦を進めることが可能となる。
プレイヤ単体の技量では得られない有利な効果を得ることで、プレイヤは味方キャラクタとの連携の意義を感じ、連携する動機付けが与えられるとともに、連携が成功したときの楽しさを感じることができる。特に、味方キャラクタが他のプレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタである場合には、他のプレイヤと協力するための戦略を練りながらプレイすることで、他者とのコミュニケーションを楽しむことを可能とする。さらに、タイミングよく連係することを求めることにより、よりゲームへ集中させ、ゲームへの没入感を高めることができる。個人技の追求だけでは得られない、マルチプレイによる奥深い楽しさを感じさせることを可能とする。また、味方キャラクタ同士の連携を表現することにより、キャラクタの魅力を演出することも可能である。
一つの変形例として、補正ポイントが補正条件を満たした場合に実行される味方キャラクタに関連付けられたパラメータの補正処理に代えて、敵キャラクタに関連付けられたパラメータの補正処理を実行するようにしてもよい。
補正される敵キャラクタのパラメータは例えば、敵キャラクタの攻撃力、防御力とすることができる。敵キャラクタの攻撃力や防御力を補正によって低下させることができる。更に、敵キャラクタが実行可能な行動を所定の行動に制限することも含む。敵キャラクタが実行可能な行動を示す行動識別子のうち、一部の行動識別子を選択不能にすることができる。敵キャラクタの攻撃力や防御力を低下させたり、行動を制限することによって、味方キャラクタは有利に行動を行うことが可能となる。また、敵キャラクタのパラメータを補正する処理として、敵キャラクタのアニメーション再生スピードを減少させてもよい。プレイヤからは敵キャラクタの行動がゆっくり見えるから、通常より有利にプレイすることが可能となる。
別の変形例として、味方キャラクタに関連付けられたパラメータの補正処理に加えて、敵キャラクタに関連付けられたパラメータの補正処理を実行するようにしてもよい。プレイヤによる特殊攻撃によって補正レベルが最大補正レベルに到達し、最大補正レベルが維持されている期間中、更に、敵キャラクタを特殊攻撃対象状態に移行させることを可能とする。この特殊攻撃対象状態の期間中に味方プレイヤによる特殊攻撃が所定回数以上成功すると、敵キャラクタに関連付けられたパラメータを補正する。ここでは、味方キャラクタに関連付けられたパラメータを補正する条件を満たすための特殊攻撃及び特殊攻撃対象状態を第1の特殊攻撃及び第1の特殊攻撃対象状態といい、敵キャラクタに関連付けられたパラメータを補正する条件を満たすための特殊攻撃及び特殊攻撃対象状態を第2の特殊攻撃及び第2の特殊攻撃対象状態という。
例えば、第1の特殊攻撃対象状態の間に第1の特殊攻撃を実行して補正レベルが最大補正レベルに到達すると(S220~S228)、敵キャラクタの特殊値をリセットする。そして、S206~S218と同様の処理により、味方キャラクタによる攻撃によって敵キャラクタの特殊値が減少され、補正レベルが最大補正レベルに維持されている間に特殊値が0以下になると第2の特殊攻撃対象状態に移行する。そして、S220~S226と同様の処理により特殊攻撃ヒット判定及び敵ダメージ処理を実行する。ゲームフィールドにおいて当該敵キャラクタの所定の範囲内に配置された味方キャラクタを第2の特殊攻撃が実行可能な状態とし、第2の特殊攻撃を実行可能な状態において、味方キャラクタによる第2の特殊攻撃を実行する。実行された第2の特殊攻撃が所定回数以上成功したか否かを判定し、第2の特殊攻撃が所定回数以上成功したと判定された場合、敵キャラクタに関連付けられたパラメータを補正する。
所定回数は、例えば、味方キャラクタの数と等しくすることができる。一回の第2の特殊攻撃受付期間においては、各味方キャラクタが実行可能な第2の特殊攻撃は一回までとし、すべての味方キャラクタが第2の特殊攻撃を成功させた場合に、敵キャラクタに関連付けられたパラメータを補正できるものとする。味方キャラクタが1回の第2の特殊攻撃受付期間において2回以上、特殊攻撃を実行できるようにしてもよい。また、所定回数は、1回でもよいし、味方キャラクタの数と等しくないその他の整数であってもかまわない
一つの変形例として、サーバ20を介することなく、各パラメータ等に関連する情報の送受信を各電子装置10の間でピアツーピア(PtoP)通信によっておこなってもよい。この場合には、サーバ20のゲーム管理部44の機能を各電子装置10が備えてもよいし、いずれか一つの電子装置10が備えるようにしてもよい。もう一つの変形例としては、サーバ20及び他の電子装置10とは通信を行わず、電子装置10がスタンドアロンで動作するようにしてもよい。この場合には、プレイヤは1人であってもよいし、複数のプレイヤからのプレイヤ入力を受け付ける一つの電子装置10を用いて、複数のプレイヤによるゲームプレイを実行してもよい。一つの電子装置10がすべての機能を備えることで実行することができる。
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
以上に説明した処理、動作又は主体において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理、動作又は主体上の矛盾が生じない限りにおいて、処理、動作又は主体を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。