ここから、本発明に係るゲームプログラムの一実施態様について説明する。
<実施の形態1>
本発明に係るゲームプログラムは、ゲーム媒体を用いてユーザが対戦相手と対戦する対戦ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、記憶処理機能と、第1表示機能と、受付処理機能と、対戦処理機能と、変動処理機能とを実現させる。
上記記憶処理機能は、複数のユーザのゲーム媒体に関する情報及び複数の対戦相手に関する情報を記憶部に記憶する。
ゲーム媒体は、上記ゲームプログラムによって実現されるゲームまたは他のゲームにおいて、プレイヤに利用される任意の電子データ(例えば、キャラクタ、アイテムなど)であってよい。以下の説明では、ゲーム媒体は、ユーザキャラクタが該当する。
ゲーム媒体に関する情報とは、上記ゲームプログラムによって実現されるゲームまたは他のゲームにおいて、当該ゲーム媒体を規定する各種の情報であってよく、例えば、キャラクタ・アイテムの属性、当該キャラクタ・アイテムのパラメータ(例えば、攻撃力、守備力、経験値、体力(HP)、速度、必要アビリティポイント、必殺技、サポートスキル、使用回数)などを広く含む。以下の説明では、ユーザキャラクタのキャラクタステータスが該当する。
対戦相手とは対戦ゲームにおいてユーザのゲーム媒体が対戦するものであって、ゲームプログラムにより操作される電子データであり、以下の説明では、レイドモンスター、対戦相手A、対戦相手B、対戦相手Cが該当する。
対戦相手に関する情報とは、上記ゲームプログラムによって実現されるゲームまたは他のゲームにおいて、当該対戦相手を規定する各種の情報であってよく、例えば、キャラクタの属性、当該キャラクタのパラメータ(例えば、攻撃力、守備力、経験値、体力、速度、必要アビリティポイント、必殺技、サポートスキル、使用回数、支援能力)などを広く含む。以下の説明では、モンスターステータスが該当する。
記憶部はコンピュータに備えられた記録媒体であってもよいし、コンピュータ外部に設けられたコンピュータがアクセス可能な記録媒体であってもよい。以下の説明では、記憶部230が該当する。
上記第1表示機能は、対戦ゲームの対戦相手選択画面上に、複数の対戦相手をそれぞれ選択可能に表示させるものである。対戦相手選択画面は、対戦相手が複数表示され、かつ、各対戦相手を選択できるものであればよく、選択するとは、対戦相手を指定する入力を受け付けることをいう。また、選択可能に表示するとは、対戦相手を指定する入力ができるようにすることをいう。以下の説明では、対戦相手選択画面は、例えば、図1、図10〜図12に示す対戦相手選択画面1が該当する。また、選択可能に表示とは、図1、図10〜図12に示すボタン表示領域17〜19を表示することが該当する。
上記受付処理機能は、ユーザが対戦する対戦相手を決定し、その選択の入力を受け付けるものである。以下の説明では、ボタン表示領域17〜19のいずれかへのタッチ入力が該当する。
上記対戦処理機能は、ユーザのゲーム媒体と対戦相手との対戦の処理に係る制御を実行するものである。また、対戦処理機能は、複数の対戦相手を全て討伐した場合に、複数のユーザの勝利と決定するものである。
対戦の処理とは、例えば、ユーザのゲーム媒体の対戦相手に対する攻撃、対戦相手のユーザのゲーム媒体に対する攻撃、ユーザのゲーム媒体によるユーザまたは他のユーザのゲーム媒体に対する支援行動など、対戦において取り得る各種の行動に係る処理を含んでよい。
また、討伐とは、対戦相手がそれ以上行動できないようにすることであり、例えば、対戦相手に設定されている体力を0にすることを含んでよい。以下の説明では対戦処理機能は、対戦処理部により実現される。
上記変動処理機能は、複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、他の対戦相手に関する情報を変動させるものである。
対戦に関する所定の条件とは、対戦に関する状況(戦況、対戦相手の状態、対戦相手と対戦しているユーザのゲーム媒体、対戦の経過時間)に関連する条件であればよく、例えば、対戦相手の体力が所定の閾値を下回る、対戦相手と対戦しているユーザのゲーム媒体の対戦参加数が所定数を上回る、対戦に係る経過時間が一定時間を超過するなどの条件を含んでよい。以下の説明では、変動処理機能は、対戦処理部により実現され、変動処理機能は、レイドモンスターによる他のレイドモンスターに対する支援処理として説明し、所定の条件は支援発動条件として説明している。
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、少なくとも次の3つの構成で実施され得る。すなわち、上記ゲームプログラムは、(a)コンピュータがクライアント装置(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータなど)として機能し、上記ゲームプログラムが当該クライアント装置において実行される構成で実施されてもよいし、(b)コンピュータがサーバ装置(例えば、メインフレーム、クラスタコンピュータ、ゲームサービスを外部の機器に提供可能な任意のコンピュータなど)として機能し、上記ゲームプログラムの一部または全部が当該サーバ装置において実行され、当該実行された処理の結果が上記クライアント装置に返される構成で実施されてもよいし、(c)上記ゲームプログラムに含まれる処理を、上記クライアント装置およびサーバ装置において任意に分担する構成で実施されてもよい。
したがって、上記ゲームプログラムによって実現される表示機能は、(a)上記コンピュータと所定のネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続された外部の表示装置(例えば、携帯端末が備えた表示部)に情報(例えば、表示情報)を出力することによって、当該表示装置に上記ゲーム画面を表示させてもよいし、(b)上記コンピュータが備えた表示装置に上記表示情報を出力することによって、当該表示装置に上記ゲーム画面を表示させてもよい。
また、(a)コンピュータと所定のネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続されたクライアント装置が、所定の入力装置を備え、当該クライアント装置が当該所定の入力装置を介して入力された入力情報(対戦相手の選択)を当該コンピュータに送信し、上記ゲームプログラムによって上記コンピュータ上において実現される受付処理機能が、当該操作情報を取得する構成であってもよいし、(b)上記コンピュータが、上記所定の入力装置を備え、上記受付処理機能が、当該所定の入力装置を介して上記操作情報を取得してもよい。
<概要>
本発明の一実施形態に係る対戦ゲームの概要について説明する。本実施の形態においては、ユーザは通常は一人でゲームを進め、その間の一つのモードとしてミニゲームを選択できるゲームであるものとする。本実施の形態においてはユーザがそのミニゲームを選択した場合の処理について説明する。ミニゲームはユーザがゲーム媒体を用いて、ゲームの進行を行うものである。
具体的には、本実施の形態に係るミニゲーム(対戦ゲーム)は、ユーザあるいはユーザの操作するキャラクタ(以下、ユーザキャラクタという)がグループ(チーム、レイド、ギルド、フレンドなど呼称はゲームによってさまざまにあるが、ここでは、2以上のユーザキャラクタからなる集合のことをいう)を組み、強大な敵(以下、ここではレイドモンスターと呼称するが、この呼称もまたボス、レイドボスなど様々にある)と戦う対戦処理を含む対戦ゲームである。より具体的には、本実施の形態に係る対戦ゲームにおいて、各レイドモンスターには、ユーザが当該レイドモンスターと対戦可能な回数又は時間の制限が設けられる。各ユーザは、複数のレイドモンスターのうちから対戦相手を選択する。各ユーザは、選択した対戦相手との対戦を行う。各ユーザは、対戦において当該ユーザ又は対戦相手のHPがゼロ以下になると、又は対戦開始から所定時間が経過すると、対戦から離脱して複数のレイドモンスターのうちから対戦相手を再度選択可能となる。そして、複数のユーザによって複数のレイドモンスターの全てが討伐された場合、複数のユーザの勝利となる。すなわち、本実施の形態におけるミニゲームにおいては、各ユーザキャラクタが対戦可能なレイドモンスターは複数いるものの、ユーザキャラクタ1体が一度に相対する(対戦する)ことができるレイドモンスターは1体のみである。そして、その複数のレイドモンスター各々を、各レイドモンスターを対戦相手として選択した1以上のユーザキャラクタ群各々が討伐できた場合に、ミニゲームに参加している全てのユーザのキャラクタの勝利が確定する。
図1は、そのゲーム画面の一例を示す図であり、ユーザがミニゲームを選択したときに表示される画面であって、対戦可能な複数のレイドモンスターの中から対戦相手となる1体を選択するための対戦相手選択画面の一例である。
図1に示すように対戦相手選択画面1には、レイドモンスター群表示領域11と、対戦情報表示領域12と、メッセージ表示領域13と、各レイドモンスターとの対戦を受け付けるボタン表示領域17~19が表示されている。
レイドモンスター群表示領域11は、各ユーザがそれぞれのキャラクタを駆使して討伐すべき敵(対戦相手)の名前及び画像が表示されている。ここでは、一例として「対戦相手A」、「対戦相手B」、「対戦相手C」の3体のレイドモンスターが表示されている。なお、実際には、対戦相手A、B、Cにはゲームにおける固有の名前がプログラマにより付与される。
そして、対戦情報表示領域12には、各レイドモンスターの残存体力メーター、各レイドモンスター各々を討伐するために対戦に参加しているユーザの人数が対応付けられて表示されている。また、メッセージ表示領域13には、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザのチャット14(「ユーザA:対戦相手A強い!」)や、対戦情報の一種であるシステムメッセージ15(「対戦相手Cの支援効果発動まで2ターン」)、16(「対戦相手B戦、パーティー効果:有効武器効果2倍!!レア抽選確率2倍!!」)なども表示される。このように、本実施の形態に係るゲームプログラムは、コンピュータにレイドモンスターとの対戦における様々な対戦情報を表示する。
ボタン表示領域17〜19には、ユーザからの対戦相手の選択を受け付ける(入力を受け付ける)ためのソフトキーが表示されており、当該ボタン表示領域17〜19それぞれの表示領域にユーザがタッチした(または、カーソルを合わせて選択した)場合に、対応する対戦相手の対戦に移行する。
このように、本実施の形態においては、対戦相手選択画面上に複数のレイドモンスターそれぞれにおける対戦情報が明示される。
したがって、各ユーザはその対戦情報から自身のユーザキャラクタがどのレイドモンスターとの対戦に参加すべきか、参加した場合の有利不利などを考慮しての戦略を練りやすくなる。よって、ミニゲームにおいて、このような対戦情報を表示することにより、ゲームにおける戦略性を向上させることができる。また、対戦情報の一環として表示しているシステムメッセージ15からもわかるように、レイドモンスターは他のレイドモンスターに対する支援を実行することがあり、この行動もまたゲームの戦略性をより向上させるための一役を担っている。ユーザキャラクタは自身が対戦しているレイドモンスターとの対戦中は他のレイドモンスターに対する行動はとれないのに対し、レイドモンスター同士は互いに協調する行動をとる処理を行うこともまた本実施の形態に係るゲームプログラムの一つの特徴となる。
<構成>
ここから上述したミニゲームを実現するための詳細な構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係るゲームプログラムを実行するシステムの構成を示すシステム図である。
図2に示すように、本システムは、携帯端末100a、100b、100cとサーバ200とを含み、これらがネットワーク300を介して接続される。なお、サーバの台数、携帯端末の台数は図2に示した数に限定されるものではなく、以下に示す処理が実行されるのであれば、何台であってもよい。本実施の形態に係るゲームは、携帯端末100とサーバ200とでそれぞれのゲームプログラムが実行され、その実行処理の一環として互いに通信を行って実現される。
以下、本システムにかかる携帯端末100とサーバ200の詳細な構成を説明する。なお、本実施の形態においては、ゲームにおいて、ユーザキャラクタ同士がグループを形成してレイドモンスターを討伐するにあたって、ゲーム上の戦略性を向上させるための構成に係る部分についてのみ説明するものとし、その他のゲーム上の処理については従来のゲームと同様の処理を採用可能であるものとして説明を割愛する。
図3は、携帯端末100の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、携帯端末100は、入力部110と、通信部120と、記憶部130と、制御部140と、表示部150とを含む。
入力部110は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力内容を制御部140に伝達する機能を有する。入力部110は、例えば、携帯端末100に備えられたタッチパネルなどにより実現され、この場合には、ユーザがタッチしたタッチパネル上の入力座標情報や、スワイプ操作の場合にはその軌跡情報を伝達する。
通信部120は、制御部140からの指示にしたがって、ネットワーク300を介して、サーバ200と通信を実行する機能を有する。ここでは、制御部140からの指示にしたがってゲーム上のユーザキャラクタの行動に関する情報をサーバ200に送信し、サーバ200からは、ユーザキャラクタに係る各種情報や新たな対戦情報を逐次受信する。通信部120は、受信した情報を制御部140に伝達する。なお、通信部120は、外部の機器(例えば、他の携帯端末、またはサーバ200など)との通信を実現する本質的な機能が備わってさえいればよく、通信回線、通信方式、または通信媒体などは限定されない。通信部120は、例えばイーサネット(登録商標)アダプタなどの機器で構成できる。また、通信部120は、例えばIEEE802.11無線通信、Bluetooth(登録商標)などの通信方式や通信媒体を利用できる。
記憶部130は、携帯端末100が動作する上で必要とする各種プログラム、データを記憶する記録媒体である。記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現される。
制御部140は、携帯端末100の各部を制御する機能を有する。また、制御部140は、サーバ200にアクセスし、ゲームに係る各種処理を実行する。制御部140は、情報処理部141と、表示処理部142との機能部を含む。
情報処理部141は、入力部110から伝達された入力位置に従い、表示部150に表示されている画像との座標の対応関係からどの操作が行われたかを特定し、特定した操作内容をサーバ200に通信部120を介して送信する機能を有する。また、情報処理部141は、通信部120を介してサーバ200から受信したゲームに係る表示データを表示処理部142に表示させるよう指示する機能も有する。
表示処理部142は、情報処理部141からの指示にしたがって表示すべきフレームデータを生成し、表示部150のフレームバッファ(図示せず)に書き込む。
表示部150は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにより実現されるディスプレイであり、制御部140からの指示に従ってデータを表示する機能を有する。表示部150は、表示処理部142によりフレームバッファに書き込まれたデータを読み出してミニゲームに関する表示データを例えば図1(対戦相手選択画面1)あるいは図9(対戦画面2)に示すように表示する。
図4は、サーバ200の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ200は、通信部220と、記憶部230と、制御部240とを含んで構成される。
通信部220は、ネットワーク300を介して、各携帯端末100と通信を実行する機能を有する。通信部220は、外部の機器(例えば、他の携帯端末、またはサーバ200など)との通信を実現する本質的な機能が備わってさえいればよく、通信回線、通信方式、または通信媒体などは限定されない。通信部220は、例えばイーサネット(登録商標)アダプタなどの機器で構成できる。また、通信部220は、例えばIEEE802.11無線通信、Bluetooth(登録商標)などの通信方式や通信媒体を利用できる。
記憶部230は、サーバ200が動作するうえで必要とする各種プログラム、データを記憶する機能を有する記録媒体である。記憶部230が、ゲームに係る情報を保持する。ゲームに係る情報とは、ゲームをプレイするユーザの登録情報(ログインIDやログインパスワードなど)、ゲームに係る各種動作プログラム、ゲームで参照されるデータ(レイドモンスターのパラメータなど)を含む。記憶部230は、ミニゲームにおける勝利条件(ここでは、ミニゲームに登場する全てのレイドモンスターの討伐を条件とするが、これ以外の条件、例えば、特定のレイドモンスターのみを討伐する、全レイドモンスター中の一定数のレイドモンスターを討伐するというような条件であってもよい)を記憶している。また、記憶部230は、ミニゲームで必要とされる対戦情報500やパーティー効果情報600を保持する。対戦情報500およびパーティー効果情報600の詳細については後述する。
制御部240は、記憶部230に記憶されたゲームプログラムに従って、サーバ200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。
制御部240は、対戦ゲームに係るゲームプログラムを実行し、当該ゲームプログラムに係る各種処理を実行する。ゲームプログラムを実行する場合に、制御部240は、以下の機能部によりミニゲームに係る処理を実行する。制御部240は、選択処理部241と、対戦処理部242と、更新部243との機能部を含む。
選択処理部241は、ミニゲーム開始時における対戦相手選択画面1における処理を実行する機能を有する。選択処理部241は、ユーザがミニゲームを選択したことを示す情報を、通信部220を介して受信すると、図1に示すように、対戦相手となるレイドモンスター群および当該レイドモンスター各々の対戦情報500を用いて対戦相手選択画面1の表示データを生成する。そして、生成した対戦相手選択画面1の表示データを、ミニゲームを選択したユーザの携帯端末100に通信部220を介して送信する。また、選択処理部241は、ユーザの携帯端末100から対戦相手となるレイドモンスターの選択を受け付けると、対戦処理部242に対戦の処理を依頼するとともに、当該ユーザのキャラクタに関する情報と、選択したレイドモンスターに関する情報を更新部243に伝達し、対戦情報500の更新を依頼する。
対戦処理部242は、選択処理部241からの依頼にしたがって、対戦に関する処理を実行する機能を有する。対戦処理部242は、選択処理部241からの依頼にしたがい、当該依頼で設定されているレイドモンスターについての対戦画面2に関する表示データ(その結果表示される対戦画面の表示例は図9に示される)を生成する。対戦処理部242は、生成した表示データを、対戦を実行している携帯端末100に、通信部220を介して送信する。対戦処理部242は、通信部220を介して、各携帯端末100から、各ユーザキャラクタの行動に関する情報を受信し、その行動に応じた各対戦における処理を実行し、その実行結果を各携帯端末100に通信部220を介して送信する。例えば、ユーザキャラクタの行動が攻撃を示す場合には、そのユーザキャラクタに対して設定されている攻撃力、属性、所持武器などや、そのユーザキャラクタが対戦しているレイドモンスターの防御力、属性、装備品などに応じてレイドモンスターに与えるダメージを予め定められているアルゴリズムに従って算出し、そのダメージを通信部220を介して、レイドモンスターとの対戦を実行している携帯端末に送信する。また、例えば、所定の条件を満たした場合にレイドモンスターが発動した支援能力について、その効果を適用し、支援能力が発動したこととその結果を各携帯端末に通信部220を介して送信する。対戦処理部242は、各ミニゲームの各ターンにおいて、対戦情報500のモンスターステータス502を参照し、支援発動条件を満たしているか否かを判定する。例えば、支援発動条件が「リンクモンスターのいずれかのHPが半分以下になった場合」である場合には、リンクモンスター名505に示される対戦相手それぞれの対戦情報に含まれるモンスターステータスを参照し、その最大HPと現在HPとを比較して当該条件を満たしているか否かを判定する。また、例えば、支援発動条件が「ミニゲーム開始から3ターン経過」であった場合には、対戦処理部242はミニゲームの開始からのターン数をカウントしているので、そのターン数が3を示すか否かを判定する。そして、支援発動条件を満たしていると判定した場合に、対戦処理部242は、対応する支援能力を適用する。例えば、支援能力が「全回復」である場合には、リンクモンスター名505に示される対戦相手のHPを全快させる処理を行う。また、例えば、支援能力が「復活」である場合には、リンクモンスター名505に示される対戦相手を復活させる処理を行う。そして、対戦処理部242は、当該処理を行った結果を各携帯端末に送信する。これにより各携帯端末では支援処理のエフェクトと効果が対戦情報の一種として表示される。
対戦処理部242は、このようにミニゲームのレイドモンスターとの対戦に係る対戦処理一般を実行する。
更新部243は、選択処理部241からの依頼にしたがって、当該依頼に含まれる選択されたレイドモンスターの対戦情報500の対戦参加キャラクタ名503に、当該依頼で示されるユーザキャラクタの名称を追加する。そして、追加した名称に対応させて、当該ユーザキャラクタのステータスを対戦情報500に追加する。また、更新部243は、携帯端末100からの対戦情報の要求に応じて、記憶部230に記憶、保持されている対戦情報を読み出して、当該要求を送信した携帯端末100に通信部220を介して送信する。
<データ>
図5は、対戦情報500のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図5に示すように対戦情報500は、モンスター名501と、モンスターステータス502と、対戦参加キャラクタ名503と、キャラクタステータス504と、リンクモンスター名505とが対応付けられた情報である。
モンスター名501は、レイドモンスターにゲーム上で付された名称である。
モンスターステータス502は、モンスター名501で示されるレイドモンスターのゲーム上のステータス(パラメータ)を示す情報である。ここでいうステータスとは、敵に設定されているHP(Hit Point:体力値)やゲーム上の属性、他のレイドモンスターに対する支援能力の内容、当該支援能力の発動条件のことである。図5には図示していないが、そのほかに、魔法を使うためのリソースであるMP(Magic Point:精神力値)、攻撃力、防御力、素早さなどの情報のほか、レイドモンスターとの対戦でレイドモンスターが使用可能な特殊能力なども含まれてよい。
対戦参加キャラクタ名503は、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタの名称である。
キャラクタステータス504は、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ各々のゲーム上のステータスを示す情報である。ユーザキャラクタのステータスとしての項目は、モンスターステータスの項目とほぼ一致する。ただし、レイドモンスターが所有する他のレイドモンスターに対して発動させる支援などの特殊能力などはない。
リンクモンスター名505は、ミニゲームにおいて、モンスター名501で示されるレイドモンスターが、協力しあう対象のレイドモンスターの名称を示す情報である。具体的には、リンクモンスター名505において示される対戦相手は、モンスターステータス502で示される支援能力の発動対象であり、また、一部の支援発動条件の判断となる対象を示している。
このように対戦情報500は、レイドモンスターとの対戦で必要とされる各種情報が含まれる。
なお、図5に示す対戦情報500は、一例であり、図1や、図9~図12に示す画面例に示すような対戦に関する情報を画面上に表示するために必要な情報を含むものであればよい。
すなわち、対戦に関する情報を列記すれば、レイドモンスターの残存HP(数値、メーター)、各レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザ数、レイドモンスターの属性、各レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザの属性(各属性の人数や割合など)、レイドモンスターにより発動した支援能力の内容や当該支援能力が発動するまでの時間(タ―ンでも良い)、レイドモンスター対ユーザの戦力比(戦力の定義はプログラマが決定する。各々のステータスから算出してもよいし、単純にユーザの人数に閾値を設ける形で有利不利を判断することとしてもよい)、ユーザによるチャット入力の内容などがある。また、対戦に関する情報の表示としては、単純な情報の表示に限らず、ユーザに対戦に係る状況などを知らせることができればよく、例えば、ユーザが不利になっている状況のレイドモンスターとの対戦の、レイドモンスターの背景を赤く点滅させたり、表示する対戦情報をより目立たせたりする態様(通常とは異なる態様)で表示することとしてもよい。また、複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、当該対戦相手または対戦情報を通常とは異なる態様で対戦相手選択画面に表示させることとしてもよい。当該対戦に関する所定の条件とは、対戦に係る状態に基づいて定められる条件のことであり、例えば、支援発動条件に応じて定められてもよい。例えば、対戦相手に設定された支援効果の発動までの残存時間(ターン数)が所定値以下である場合に、当該対戦相手を通常とは異なる態様で表示してもよい。対戦に関する情報は、対戦相手選択画面1上や、対戦画面2上のどこかに表示されればよい。
図6は、パーティー効果情報600のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図6に示すように、パーティー効果情報600は、参加キャラクタ数601と、パーティー効果602とが対応付けられた情報である。
参加キャラクタ数601は、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数の範囲を示す情報である。レイドモンスターとの対戦が実行される場合に、そのレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数と、参加キャラクタ数601とを比較し、適合する範囲に対応するパーティー効果602が適用され、ゲーム上の処理が実行される。
パーティー効果602は、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数に応じて、そのレイドモンスターとの対戦に影響を及ぼす特殊効果を示す情報である。特殊効果は、例えば、ユーザキャラクタ又はレイドモンスターのパラメータ等、対戦の進行に用いられる多様なパラメータを変動させる効果を含んでもよい。好適には、パーティー効果はユーザのユーザキャラクタがレイドモンスターとの対戦で有利になるような、または、そのレイドモンスターとの対戦に参加したくなると思わせる効果である。パーティー効果は、対戦に参加しているユーザキャラクタ数が多くなればなるほど、より良い効果が設定されている。
図6の場合では、例えば、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数が12体である場合には、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ各々の攻撃力が1.2倍にした上で、対戦で与えるダメージの算出が行われる。また、あるいは、例えば、参加ユーザキャラクタ数が25体である場合には、付与されるパーティー効果は属性効果が2倍であり、レイドモンスターに対して有効な属性のユーザキャラクタの攻撃力が2倍になるものである。また、例えば、参加ユーザキャラクタ数が51人を超えている場合には、レイドモンスターに対して有効な武器をユーザキャラクタが所持していた場合に、その武器攻撃力を2倍にし、かつ、レイドモンスターを討伐した場合に得られる報酬の希少価値が2倍になるというパーティー効果が付与される。ここで、討伐時の報酬には複数種類あり、それぞれには取得可能な抽選確率が設定されている。そこで、この効果が発動している場合には、希少価値の高い報酬の取得の抽選確率が2倍になるというものである。
なお、これらの効果は一例であり、ゲームプログラムを提供するプログラマにより、その内容が設定される。
<動作>
本実施の形態に係るゲームは、ミニゲームにおいて対戦相手を選択可能な回数(例えば10ターン)が制限されているゲームであるとする。なお、レイドモンスターとの対戦において対戦相手を選択可能な時間が制限されているゲームであってもよい。また、対戦相手を選択可能な回数又は時間は、ユーザごと又はレイドボスごとに定められていてもよく、或いは全てのユーザ及び全てのレイドボスに共通に定められてもよい。対戦相手を選択可能な回数又は時間は、ユーザに関する情報又は対戦相手に関する情報の一部として記憶部230に記憶されてもよい。各ユーザが対戦相手選択画面1でレイドモンスターとの対戦を選択すると、対戦画面2に移行する。全てのユーザがレイドモンスターとの対戦を選択すると、経過ターン数が1ターン分増加する。制限である10ターンを経過して全レイドモンスターを討伐できていない場合にはユーザ側の敗北が決定する。一方、10ターンの経過までに全レイドモンスターを討伐できた場合には、ミニゲームに参加したユーザ全ての勝利が決定する。
以下、ゲームに係る携帯端末100とサーバ200の動作を説明する。図7は、ミニゲームにおける携帯端末100の動作を示すフローチャートである。
ユーザは、携帯端末100を用いて、サーバ200にアクセスして、ゲームの開始を選択し、ゲーム中のミニゲームの実行を、入力部110を用いて選択する(ステップS701)。情報処理部141は入力部110からの入力にしたがって、ミニゲームの実行を選択する情報を通信部120を介してサーバ200に送信する。
携帯端末100の通信部120は、ミニゲームの選択に応じてサーバ200から送信されてくる対戦相手選択画面1に係る表示データを受信する。通信部120は当該表示データを情報処理部141に伝達し、情報処理部141は、当該表示データの表示を表示処理部142に依頼する。表示処理部142は、受けとった表示データに基づく画素データを表示部150のフレームバッファに書き込み、表示部150は、対戦相手選択画面1を表示する(ステップS702)。対戦相手選択画面1には、上述の通り対戦情報に関する表示が含まれる。
対戦相手選択画面1においてユーザが対戦相手の選択を行うごとに、対戦情報500の更新がサーバ200で実行されるため、その都度、サーバ200では、対戦相手選択画面1の更新が実行される。そして、サーバ200は更新後の対戦相手選択画面1の表示データを送信し、携帯端末100は、更新後の対戦相手選択画面1に係る表示データを受信する(ステップS703のYES)。
情報処理部141は、通信部120を介して、対戦相手選択画面1に係る表示データを受信すると(ステップS703のYES)、表示処理部142に当該表示データの表示を依頼する。当該依頼を受けて表示処理部142は表示部150に更新後の対戦相手選択画面1を表示させる(ステップS704)。なお、新たに対戦相手選択画面1に係る表示データを受信していない場合には(ステップS703のNO)、ステップS705に移行する。
携帯端末100は、ユーザから入力部110を介して、対戦相手を選択する入力を受け付けると(ステップS705のYES)、情報処理部141は、選択された対戦相手(レイドモンスター)の識別子と、ユーザキャラクタの識別子とを含み、レイドモンスターとの対戦を希望する参加要求を、通信部120を介して送信する。つまり、入力部110は、対戦相手選択画面1においてボタン表示領域17〜19のいずれかをタッチするタッチ操作を検出する。情報処理部141は、検出されたタッチ操作の位置と対応する表示位置にあるボタンを特定し、特定したボタンと対応する対戦相手を特定する。そして、情報処理部141は、通信部120を介してサーバ200に特定した対戦相手との対戦を選択したことを示す参加要求を送信する。一方、対戦相手を選択する入力を受け付けていない場合(ステップS705のNO)には、ステップS702に戻る。
情報処理部141は、通信部120を介して、当該参加要求の送信に応じてサーバ200から送信された対戦画面2に係る表示データを受信する。すると、情報処理部141は、受信した表示データを表示処理部142に伝達し、その表示を依頼する。当該依頼を受けて表示処理部142は、対戦画面2を表示部150に表示させる(ステップS706)。
対戦画面2を見たユーザは、自身のユーザキャラクタの行動を決定し、表示部150に表示される対戦画面2に表示された中から選択したい行動が表示されている箇所をタッチする。入力部110は当該タッチを検出して、その位置座標を情報処理部141に伝達する。情報処理部141は、当該位置座標に対応して表示されていた行動を特定し、特定した行動内容を、通信部120を介してサーバ200に送信する(ステップS707)。
情報処理部141は、通信部120を介して、サーバ200からユーザキャラクタが実行した行動結果に係る表示データを受信する。情報処理部141は、受信したユーザキャラクタの行動結果に係る表示データを表示処理部142に伝達し、表示処理部142は当該表示データを表示部150のフレームバッファに書き込む。その結果、表示部150には、ユーザキャラクタの行動結果に係る画像が表示される(ステップS708)。
次に、情報処理部141は、通信部120を介して、サーバ200から対戦相手のレイドモンスターが実行した行動結果に係る表示データを受信する。情報処理部141は、受信したレイドモンスターの行動結果に係る表示データを表示処理部142に伝達し、表示処理部142は当該表示データを表示部150のフレームバッファに書き込む。その結果、表示部150には、レイドモンスターの行動結果に係る画像が表示される(ステップS709)。
次に、通信部120は、サーバ200においてレイドモンスターにより支援処理が実行されていた場合には、支援処理の内容および結果を示す表示データを受信する。情報処理部141は、受信した支援処理の内容および結果に係る表示データを表示処理部142に伝達し、表示処理部142は当該表示データを表示部150のフレームバッファに書き込む。その結果、表示部150には、レイドモンスターの支援処理に係る画像が表示される(ステップS710)。
なお、ステップS708における行動によりレイドモンスターが討伐されていた場合には、ステップS709、S710の処理はスキップされる。
全てのレイドモンスターが討伐されていた場合には、サーバ200からユーザ勝利を示す画像データが送信される。当該画像データを受信し、情報処理部141は、当該画像データを表示処理部142に伝達する。表示処理部142は、当該表示データを表示部150のフレームバッファに書き込む。その結果、表示部150にユーザの勝利に係る画面が表示され(ステップS714)、ミニゲームが終了する。
一方、全レイドモンスターが討伐されておらず(ステップS711のNO)、所定ターン(10ターン)が経過していない場合には(ステップS712のNO)、サーバ200からは対戦相手選択画面1に係る表示データを受信する。すなわち、ステップS702の処理に戻る。
全レイドモンスターが討伐されておらず(ステップS711のNO)、所定ターン(10ターン)が経過していた場合には(ステップS712のYES)、サーバ200からは、ユーザ敗北を示す画像データが送信される。そして、その結果、表示部150にユーザの敗北に係る画面が表示され(ステップS713)、ミニゲームが終了する。
以上が、ミニゲームにおける携帯端末100の動作である。
一方、図8は、ミニゲームにおけるサーバ200の動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、ゲーム実行時において、制御部240は、通信部220からミニゲームの実行を選択する情報を受信しているか否かを判定する(ステップS801)。
ミニゲームの実行を選択する情報を受信した場合には(ステップS801のYES)、選択処理部241は、記憶部230に記憶されている対戦情報500を読み出して、対戦相手選択画面1に係る表示データを生成する。そして、対戦相手選択画面1に係る表示データを、通信部120を介してミニゲームを選択した携帯端末100に送信する(ステップS802)。
その後に、選択処理部241は、レイドモンスターとの対戦の参加要求を受け付けるまで待機する(ステップS803のNO)。選択処理部241は、ミニゲーム中の携帯端末100からレイドモンスターとの対戦の参加要求を、通信部220を介して受け付けると(ステップS803のYES)、参加要求に含まれるユーザキャラクタの識別子と選択されたレイドモンスターの識別子とを更新部243に伝達する。更新部243は、伝達されたユーザキャラクタの識別子から記憶部230に記憶されているユーザキャラクタのステータスを特定する。そして、特定したユーザキャラクタのステータスを、伝達されたレイドモンスターに対応する対戦情報500に登録して、更新する(ステップS804)。
更新部243により対戦情報500が更新されると、選択処理部241は、対戦相手選択画面1の内容を対戦情報500にしたがって更新する。そして、選択処理部241は、対戦相手選択画面1を表示している全携帯端末100に更新後の対戦相手選択画面1に係る情報を送信する(ステップS805)。
また、選択処理部241は、ステップS803において受け付けた参加要求に応じて、対戦処理部242にユーザキャラクタの識別子と、対戦するレイドモンスターの識別子を伝達する。これを受けて対戦処理部242は、当該レイドモンスターとの対戦画面2の表示データを生成し、参加要求を送信した携帯端末に当該表示データを、通信部220を介して送信する(ステップS806)。
通信部220は、携帯端末100からユーザキャラクタの行動に係る情報を受信する。対戦処理部242は、ユーザキャラクタの行動(例えば、攻撃、魔法、アイテム使用など)に係る情報に基づき、当該行動の実行及び結果の算出を行う(ステップS807)。
そして、対戦処理部242は、ユーザキャラクタの行動の結果の内容を示す対戦画面の表示データを生成する。そして対戦処理部242は、生成した当該表示データを、通信部220を介して、ユーザキャラクタの行動に係る情報を送信した携帯端末100に送信する(ステップS808)。
その後に、対戦処理部242は、対戦しているレイドモンスターの行動を所定のアルゴリズムにしたがって決定し、実行する。対戦処理部242は、レイドモンスターの行動結果に係る対戦画面の表示データを生成する。そして、対戦処理部242は、レイドモンスターの行動結果に係る対戦画面の表示データを、通信部220を介して、送信する(ステップS809)。
対戦処理部242は、対戦情報500のモンスターステータス502の支援発動条件を参照する。そして、対戦処理部242は、ミニゲームにおいて支援発動条件を満たしているか否かを判定する(ステップS810)。
対戦処理部242は、支援発動条件を満たしていると判定した場合には(ステップS810のYES)、対応する支援能力で示される支援の効果を実行する。そして、対戦処理部242は、支援処理の効果を示す対戦画面の表示データを生成する。対戦処理部242は、生成した支援処理の効果を示す対戦画面の表示データを、通信部220を介して携帯端末100に送信する(ステップS811)。なお、ステップS808においてレイドモンスターを討伐した場合には、ステップS809の処理は省略される。
対戦処理部242は、ミニゲームにおけるレイドモンスター全てが討伐されているか否かを判定する(ステップS812)。全レイドモンスターが討伐されていた場合には、ユーザの勝利が決定するので(ステップS815)、対戦処理部242は、ユーザ勝利を示す対戦画面の表示データを生成してミニゲームを終了する。
全レイドモンスターを討伐できていない場合には(ステップS812のYES)、対戦処理部242は、所定ターンが経過しているか否かを判定する(ステップS813)。所定ターンが経過していない場合には(ステップS813のNO)、対戦を実行したターン数を1加算し、選択処理部241に対戦が終了したことを通知して、ステップS802に戻る。その結果、選択処理部241は対戦相手選択画面に係る表示データを生成して、携帯端末100に送信する。
一方、カウントしていた対戦を実行したターン数が所定数に達していた場合、すなわち、所定ターン数が経過していた場合(ステップS813)、ユーザの敗北が決定する(ステップS814)。したがって、対戦処理部242は、ユーザ敗北を示す対戦画面に係る表示データを生成して、携帯端末100に送信し、ミニゲームを終了する。
以上が、ミニゲームにおけるサーバ200の動作である。
<レイドモンスターとの対戦におけるパーティー効果適用処理>
ここで、対戦処理の一環として処理されるレイドモンスターとの対戦におけるパーティー効果およびパーティー効果を適用する際の携帯端末100、サーバ200の動作について説明する。
対戦処理部242は、レイドモンスターとの対戦においては、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数に応じたパーティー効果を発動させる処理を行う。
対戦処理部242は、各レイドモンスターとの対戦において参加しているユーザキャラクタ数を対戦情報500のユーザキャラクタ名をカウントすることで得る。対戦処理部242は、得られたキャラクタ数と、パーティー効果情報600のユーザキャラクタ数601とを比較、参照する。そして、該当するユーザキャラクタ数601に対応するパーティー効果を読み出して、そのレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタあるいはそのレイドモンスターとの対戦に適用(例えば、レイドモンスターのステータスを低下させたり、レイドモンスターとの対戦で得られる報酬に対する補正をかけたりする)する。対戦処理部242は、適用したパーティー効果情報を各携帯端末100の情報処理部141に送信する。
対戦処理部242は、選択処理部241からのユーザの参加要求を受信するたびに当該処理を実行する。これにより、適切なパーティー効果を奏することができ、ゲームの戦略性、興趣性をより向上させることができる。特に、少ない人数では苦戦する状態でもレイドモンスターとの対戦に参加するユーザキャラクタ数が増加することにより、ユーザキャラクタが強化されるので、それによりレイドモンスターを討伐しやすくなるので、討伐しにくいレイドモンスターにはユーザキャラクタを集中させるという戦略をとることができる。
<ミニゲームにおけるレイドモンスターの支援処理>
ここで、対戦処理の一環として処理されるミニゲームにおけるレイドモンスターによる他のレイドモンスターに対する支援処理について説明する。支援処理は、他のモンスターの何らかのパラメータを変動させるものである。
支援処理は、サーバ200側の対戦処理部242により実行され、予め定められた条件のもとで予め定められた効果が発動する。すなわち、対戦処理部242は、各レイドモンスターに対して設定されている支援処理について、その条件を満たすか否かを逐次管理し、満たした場合に支援処理を適用する処理を実行する。そして、対戦処理部242は、適用した支援処理の内容と、結果を示す表示データを、対戦を実行している携帯端末に送信し、各携帯端末の情報処理部141は受信した内容に応じた表示を表示処理部142に指示する。
以下、支援処理についての具体例を説明する。
(例1)回復処理
回復処理とは、レイドモンスターが他のレイドモンスターのHPを回復させる処理(ゲーム上の処理としては、レイドモンスターに対して設定管理されているHPの数値を、上限値を超えない範囲で増加させる処理)である。他のレイドモンスターとは、図5に示す対戦情報500におけるリンクモンスター名505で示されるレイドモンスターのことである。
回復処理が発動するための条件の一例としては、以下のようなものがある。
(1)他のレイドモンスターのHPが一定以下になった場合。
(2)他のレイドモンスターに対して一定時間(例えば一定ターン)内に所定以上のダメージをユーザキャラクタが与える必要がある場合に、一定時間が経過してそのダメージを与えることができていなかった場合。
(3)一定確率でランダムに発動する場合。
(4)ミニゲームが開始してから一定時間(所定ターン数(ただし当該ターン数はミニゲームを実行するターン数よりも短いものとする))が経過した場合。
(5)レイドモンスターのHPが一定以下になった場合。
これらの条件のうちのいずれか、または複数を満たした場合に、他のレイドモンスターのHPを回復させる処理を対戦処理部242が実行する。
また、HPを回復させる場合にも、いくつかの事例がある。例えば、以下のようなものがある。
(1)条件を満たした場合に、レイドモンスターのHPの上限値にまで回復する。すなわち、レイドモンスターに対して設定しているHPの現在値を上限値に設定しなおす。
(2)条件を満たした場合に、レイドモンスターのHPを予め定められた所定値だけ回復する。すなわち、レイドモンスターのHPの現在値に固定値(プログラムが定めた数値であってもよいし、レイドモンスターのHPの一定割合の数値であってもよい。)を加算する処理を行う。
この回復処理を発動する能力を有するレイドモンスターを発見したユーザは当該レイドモンスターを優先して討伐する必要があるという戦略を見出すことになる。
(例2)蘇生処理
蘇生処理とは、他のレイドモンスターが他のユーザキャラクタにより討伐された場合、すなわち、他のレイドモンスターの対戦に参加しているユーザキャラクタによる攻撃により、当該他のレイドモンスターのHPが0以下になった場合に、そのレイドモンスターのHPを1以上にする処理である。
蘇生処理の発動する条件としては、例えば、以下のようなものがある。
(1)他のレイドモンスターが討伐された場合。すなわち、討伐されると即時発動する。
(2)他のレイドモンスターが討伐されてから所定時間経過(所定ターン数)した場合。
(3)レイドモンスター本体が討伐される場合に、他のレイドモンスターが既に討伐されている場合。
また、蘇生処理の内容としても、いくつかの例がある。
(1)他のレイドモンスターのHPを1にする。
(2)他のレイドモンスターのHPを予め定められた所定の値にする。
(3)他のレイドモンスターのHPをその上限値に設定する。
この蘇生処理を発動する能力を有するレイドモンスターを発見したユーザは当該レイドモンスターをより優先して討伐する必要があるという戦略を見出すことになる。また、例えば、回復処理を行うレイドモンスターと蘇生処理を行うレイドモンスターがミニゲームにいる場合には、それらの倒し方を工夫するための戦略を練ることになる。
(例3)属性変更処理
属性変更処理とは、他のレイドモンスターのいずれかのパラメータを変更する処理である。発動条件としては、上記回復処理の条件(1)〜(5)のほかには、以下のような条件が考えられる。
(1)他のレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数が一定数を超える。
(2)他のレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタについて、所定の属性の比率が一定数を超える。
(3)他のレイドモンスターが一度に所定値以上のダメージを受ける。
この条件を満たした場合に、発動する属性変更処理としては、以下のような例がある。
(1)他のレイドモンスターの防御力を増加させる。すなわち、防御力として設定されている数値に、所定値を加算または防御力の基本値の一定割合の数値を加算する。あるいは防御力の数値を予め定めた数値倍する。
(2)他のレイドモンスターの攻撃力を増加させる。すなわち、攻撃力として設定されている数値に、所定値を加算または攻撃力の基本値の一定割合の数値を加算する。あるいは攻撃力の数値を予め定めた数値倍する。
(3)他のレイドモンスターに対する攻撃について、特定の属性以外の攻撃を無効化する。
(4)他のレイドモンスターに対して予め設定されている属性を別の属性に変更する。
(例4)ユーザの継戦能力短縮処理
上述の通り、本実施の形態に示すミニゲームにおいては、ユーザが対戦できる合計ターン数(対戦相手を選択可能な回数)を10ターンと定めている。ユーザの継戦能力短縮処理とは、このターン数を減少させる処理のことをいう。発動条件としては、上記(例1)〜(例3)のものを使用する。
そして、発動する継戦能力短縮処理は、以下のような例がある。
(1)他のレイドモンスターとの対戦に参加している全ユーザ(一部でも可。その場合はランダム選択でも、対戦可能ターン数(時間)が多いユーザ優先でもよい)の対戦可能ターン数(時間)を所定数減少する。
(2)ミニゲームにおける全ユーザ(一部でも可。その場合はランダム選択でも、選択可能回数が多いユーザ優先でもよい)の対戦相手選択画面において、討伐するレイドモンスターを選択できるターン数(本実施の形態では、初期値は10ターン)を減少させる。
これにより、ユーザは対戦可能な時間が短縮されることにより、より短い時間でのレイドモンスターの攻略が必要となるため、より綿密な戦略を考案する必要が出てくる。
このように、各種の支援処理が発動することにより、レイドモンスターの組み合わせによって、その所持する支援能力の違いにより、ゲーム展開が異なってくることになり、それらのレイドモンスター群を討伐するためにユーザは戦略を練ることになるので、ユーザに飽きを来さない、興趣性が高く、また、戦略性の高いゲームを提供することができる。
<表示例>
図9から図12は、ゲーム画面の表示例を示している。
図9は、対戦相手Aとの対戦ユーザが選択する、すなわち、図1で言えばボタン表示領域17のボタンをタッチしたときに表示される画面の一例であり、対戦画面の一例を示す図である。
図9に示すように、対戦画面では、対戦相手表示領域91にユーザが選択したレイドモンスターの拡大画像(図1で表示しているレイドモンスター画像を拡大した画像)が表示される。併せて、当該レイドモンスターの残存体力を示すゲージがその下に表示される。ここでは、図1において、ユーザは対戦相手Aとの対戦を選択した場合の対戦画面例を示している。
また、選択されなかったレイドモンスターも表示領域92に、その縮小画像が表示される(図2で表示しているレイドモンスター画像を縮小した画像)。そして、ここに表示されるレイドモンスターに対応付けて、それぞれのレイドモンスターとの対戦に係る対戦情報が表示される。ここでは、各レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ数を表示する例を示している。また、他のレイドモンスターが対戦しているレイドモンスターに対して行った支援効果も表示している。
行動選択表示領域93には、ユーザのキャラクタが取り得る行動に関する入力ボタン(GUI:Graphical User Interface)が表示される。アタックを選択した場合には、ユーザキャラクタの武器攻撃を、スキルを選択した場合には、ユーザキャラクタが習得している技能に係る処理を、アイテムを選択した場合には、ユーザキャラクタが保持しているアイテムの効果に係る処理を、チャットを選択した場合には、ユーザ書き込みによるチャット機能が実行される。図示はしていないが、チャットをユーザが選択した場合には、対戦画面上にソフトウェアキーボードが表示され、それに対する入力に基づく文章がメッセージ表示領域96に表示される。また、当該チャットに基づく文章は、図1に示す対戦相手選択画面のメッセージ欄に合わせて表示することとしてもよい。
自キャラクタ表示欄94には、ユーザ自身のキャラクタの画像が表示され、その下には、当該キャラクタの残存体力(HP)が表示される。また、同じレイドモンスターと対戦するユーザキャラクタの画像も画像表示領域95に表示される。
また、メッセージ表示領域96には、対戦処理に係るシステムメッセージや、ユーザがチャット機能で書き込んだチャットの文言が表示される。
なお、ここで示す表示例は一例であり、対戦情報さえ表示されれば、表示アイテムの配置箇所や、表示内容は図9に限定されるものではない。
図10は、対戦情報として、レイドモンスターやユーザキャラクタの属性を示す場合のレイドモンスターを選択する対戦相手選択画面の画面例である。図10に示すように、対戦相手Aの画像の右上部には炎を示すポップアップが表示されている。このことから、ユーザは対戦相手Aの属性が炎であることが認識でき、その対抗属性である水属性が有効であることが認識でき、ゲームの戦略性を向上させている。また、レイドモンスターと対戦するユーザキャラクタ群の属性配分表示領域97が各レイドモンスターに対応付けられて表示されている。これによりレイドモンスターの属性と相まって、ある属性が足りないからその属性を有する武器を装備してレイドモンスターとの対戦に参加するといった戦略を練ることができる。
図11には、対戦情報として、各レイドモンスターに対応付けて、そのレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタの名称を示す名称表示領域98が表示されている。これにより、どのユーザキャラクタが参加していることを認識できるので、例えば、その名前から検索をかけて、どのようなキャラクタかを確認すれば、レイドモンスターとの対戦の有利不利を認識することができるので、そのレイドモンスターとの対戦に参加すべきかどうかの戦略を練ることができる。したがって、対戦情報としてユーザキャラクタの名称を示す名称表示領域98を表示することはゲームの戦略性の向上に一躍を担う。なお、名称表示領域98には、ユーザキャラクタの名称の他、ユーザキャラクタのレベルや属性など、ユーザキャラクタに関する情報が表示されてもよい。より詳細なユーザキャラクタに係る情報が名称表示領域98に表示されることで、ユーザはより高度な戦略を練ることができる。
図12は、対戦情報として、各レイドモンスターとの対戦におけるユーザキャラクタ群対レイドモンスターの戦力比ゲージ99を示している。戦力比ゲージ99の白い部分がユーザ側の戦力、黒い部分がレイドモンスター側の戦力を示している。当該戦力比の算出方法は様々に考えられるが、一例としては、ユーザキャラクタ群がレイドモンスターに対して一回の攻撃で与え得るダメージの合計と、レイドモンスターがユーザキャラクタ群に対して一回の攻撃で与え得るダメージの合計の比を用いるとよい。その他にもレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタの人数に応じて判断した有利不利を戦力比として表示することとしてもよく、例えば、5人以下なら不利、6人〜15人なら対等、16人以上なら有利というような形で判断して、戦力比を表示してもよいし、レイドモンスターのHPと、ユーザキャラクタのHPの合計値との比を戦力比として表示してもよい。この戦力比ゲージ99を見れば、ユーザは一目で、対レイドモンスターとの対戦の有利不利が明確に理解でき、自身のキャラクタを対戦に参加させるべきかどうかの戦略を練ることができる。
<対戦情報の表示内容>
図1、図9〜図12にいくつかの対戦情報の表示例を示したが、ここで、対戦情報として用いることができる情報例を列挙する。
(1)レイドモンスターとの対戦に参加するユーザキャラクタ数(例えば、ユーザキャラクタ数そのものでもよいし、ユーザキャラクタ数に対する閾値による判断に基づく「多い」、「少ない」といった表現であってもよい。)
(2)レイドモンスターの残存体力(例えば、体力として設定されている数値そのものでもよいし、「大」「中」「小」などの表現でもよいし、ゲージで表示してもよい。)
(3)レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタの残存体力(例えば、体力として設定されている数値そのものでもよいし、「大」「中」「小」などの表現でもよいし、ゲージで表示してもよい。)
(4)レイドモンスターの属性(例えば、「炎」、「水」、「風」、「土」、「無」などのことであり、ゲーム上の設定である。通常属性には対抗属性(1種以上)が設定され、対抗属性による攻撃はダメージが大きくなるように設定されている。また、どの属性に対しても強くないが、どの属性からの攻撃にも弱くないという無属性も含んでよい。)
(5)レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタ群の属性配分(割合が数値で表現されてもよいし、グラフで表現されてもよい。)
(6)レイドモンスターとの対戦に参加するユーザキャラクタ名
(7)レイドモンスターとの対戦におけるユーザキャラクタ対レイドモンスターの戦力比(それぞれの戦力を数値で表現してもよいし、「圧倒的」、「危険」といった表現であってもよいし、ゲージで表現されてもよい。)
(8)ユーザにより書き込まれたチャット(ユーザが対戦したレイドモンスターについての感想や情報などを、チャット機能を用いて書き込んだチャットも戦略性を含む文言があることから対戦情報として用いることができる。)
(9)レイドモンスターとの対戦で発動しているパーティー効果
(10)レイドモンスターから他のレイドモンスターに対して発動する支援処理の内容。または、支援処理が発動するまでの時間(またはターン数)。また、その支援処理の発動を阻止するための条件(例えば、特定属性による攻撃を命中させる、特定のアイテムを使用する、レイドモンスターに挑戦するための回数が制限されている場合にその回数の消費、レイドモンスターとの対戦で対戦可能な時間が定められている場合にその対戦可能時間の消費など)
(11)レイドモンスターを討伐するためにユーザキャラクタ側に残されている時間(またはターン数)。すなわち、表示された時間内に討伐できなければユーザキャラクタ側の敗北が決定する。
このような対戦情報の表示を行うことで、ユーザは考慮すべき情報が増加するので、取り得る戦略の幅が大きくなる。したがって、興趣性および戦略性の高いゲームを提供することができる。
なお、対戦情報はレイドモンスターとの対戦に係る情報(レイドモンスターに関する情報、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタに関する情報、レイドモンスターとの対戦の対戦内容に関する情報など)であればよく、ゲームにおける戦略に幅を持たせるためのものであれば、上述したもの以外の情報であってもよい。また、対戦情報は、少なくとも1種が表示されればよい。
<変形例>
上記実施の形態には、本発明に係る一実施形態を示したが、本発明の思想がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。以下に、本発明の思想として含まれる各種変形例を説明する。
(1)上記実施の形態においては、携帯端末100およびサーバ200の各記憶部230は、対戦情報500を記憶保持することとしたが、これは、本実施の形態の内容をよりわかりやすく説明するために記憶保持させたものであり、ゲーム上のデータとしては、対戦情報500における各モンスターのステータス情報や、各ユーザのステータス情報などは、もともとゲームプログラム上のデータとして保持している情報であることから、その都度、対応する情報を携帯端末100やサーバ200のコンピュータに収集させる構成としてもよい。
(2)上記実施の形態においては、更新部243により対戦情報が更新されると、選択処理部241が対戦相手選択画面を更新し、その表示データを送信する構成としているが、携帯端末100側から、当該表示データを定期的に要求する構成としてもよい。
(3)上記実施の形態において、図1、図9〜12を用いて説明したゲーム画面例は一例である。対戦情報の表示方法については、その他の形式をとってもよく、例えば、各レイドモンスターに対応付けたポップアップメッセージのような表示方法をとってもよいし、あるいは、ゲームプログラムとして対戦情報を音声データとして保存可能であれば、保存されている音声データの中から適切な音声データを選択して、音声による伝達を行なってもよい。この場合には、各携帯端末100には、音声処理機能およびスピーカを備える必要がある。
(4)上記実施の形態においては、パーティー効果は、ユーザキャラクタに有利になるものとしての一例を示したが、そのほかにもユーザが相対的に有利になるものであればよく、例えば、敵を弱体化させるような効果であってもよい。例えば、敵対するレイドモンスターの攻撃力が0.8倍になったり、支援効果の発動までに要するターン数(時間)が長くなったりといった効果であってもよい。
(5)上記実施の形態においては、レイドモンスターの他のレイドモンスターに対する支援処理は、他のレイドモンスターのパラメータに影響を及ぼすものだけでなく、他のレイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタのパラメータに影響を与えるものであってもよい。例えば、レイドモンスターとの対戦の対戦時間が予め定められた時間での対戦である場合には、その残余時間を所定時間もしくは所定割合の時間だけ短縮する、ユーザキャラクタの防御力を半減させる、ユーザキャラクタの属性を一律他のレイドモンスターにとって相性の良い属性に変更するなど、他のレイドモンスターが有利になり、他のレイドモンスターとの対戦に参加するユーザキャラクタが不利になる効果を適用することとしてもよい。
(6)上記実施の形態においては、特に記載していなかったが、ゲームプログラムは以下の処理を含んでもよい。
例えば、ミニゲームは、一定期間内にしか発生しないゲーム上のイベントであってもよい。一定期間は、プログラマが定めればよいが、一例としては、一か月のうちの10日のみしか行われないこととしてもよい。
また、例えば、ミニゲームは、レイドモンスターの内容が定期的(例えば、一か月ごと)に変更されることとしてもよく、その場合に、早期の討伐をなしたユーザキャラクタには、報酬としてより良いアイテムを渡すこととしてもよい。
また、例えば、ミニゲームにおいては、ユーザに対してユーザキャラクタが有利になるアイテムを付与することとしてもよい。また、ここでいう有利なアイテムは、使い切りの消耗アイテムであってもよいし、永続的に使用可能な武器防具などの装備品などであってもよい。そして、そのような装備品はゲーム内で設定されている特殊アイテムを用いて強化可能になっていてもよい。ここで強化とは、その装備品のパラメータを向上させることをいい、例えば、武器の場合であれば、攻撃力として設定されている数値を増加させたり、レイドモンスターに対して有利になる属性が付与された武器に変化したり、当該武器に設定されている隠し能力(例えば、攻撃が通常1回のところが2回攻撃になる、あるいは、攻撃のダメージが敵の防御力を無視して算出されるようになるなど)が発動するなどの具体例がある。
(7)上記実施の形態においては、ミニゲームにおいて、各レイドモンスターとの対戦に参加するキャラクタはユーザのキャラクタを想定しているが、ここには、コンピュータ制御による、いわゆる、NPC(Non Player Character)も対戦に参加させてもよい。このようなNPCは予め定められたアルゴリズムに従って対戦処理部242により、その行動が決定される。
(8)上記実施の形態においては、特に記載していなかったが、ユーザは、所定条件下で、レイドモンスターによる他のレイドモンスターへの支援は、妨害できることとしてもよい。所定条件とは、例えば、ミニゲームにおいてレイドモンスターと対戦可能なターン数(上記実施の形態でいえば10ターンのうちの1以上のターン数)を減じることを条件としてもよいし、ユーザキャラクタが保持している特定のアイテムを消耗することを条件としてもよい。
(9)上記実施の形態においては、入力部110の一例としてタッチパネルを示したが、これはその限りではない。ユーザからの入力内容を受け付けて制御部140に伝達できるものであればどのようなものであってもよく、入力部110は、例えば、携帯端末100に備え付けられたハードキーであってもよいし、携帯端末100に接続されたマウスやコントローラなどであってもよい。
(10)上記実施の形態には記載していないが、対戦情報の表示として、特定条件下において、対戦相手であるレイドモンスター、あるいは、対戦情報を通常とは異なる態様での表示(例えば、点滅表示、誇張表示など)を行って対戦に係る状態を認識させることとしてもよい。例えば、特定条件として、レイドモンスターとの対戦に参加しているユーザキャラクタの残存体力の平均値が予め定められた閾値を下回った場合にユーザキャラクタ側にとって危機的状況であることを明示するために赤色で点滅させたり、特定のイベントが発動している(例えば、そのレイドモンスターとの対戦に参加した場合には参加したユーザキャラクタ全員にもれなく特定アイテムが配布される、パラメータが変動するなど)ことを明示するように対戦情報(イベント内容)を大きくポップアップさせたりするなど、通常とは異なる態様の表現をすることを以て、対戦情報の表示に換えてもよい。
(11)上記実施の形態においては、所定ターン以内に全てのレイドモンスターを討伐できない場合には、ユーザ側の敗北としたが、敗北条件は設けずともよい。すなわち、全てのレイドモンスターを討伐しきるまで、対戦処理を繰り返すこととしてもよい。
(12)上記実施の形態においては、ウェブブラウザを用いたウェブアプリとして実施する例を説明したが、これはその限りではない。上記実施の形態に示したサーバ200が実行する機能を携帯端末100に備えさせて実行するネイティブアプリの形態をとることとしてもよい。ネイティブアプリの場合には、携帯端末100は、他の携帯端末100からそれぞれの携帯端末で選択された入力に関する情報を受け取って処理を実行する。
また、例えば、サーバ200が生成したデータに基づきゲームの進行画面(対戦相手選択画面や対戦画面におけるボタン表示領域17〜19や行動選択表示領域93のメニュー以外の部分)を携帯端末100にて表示させるウェブ表示とし、その他のメニュー画面(ボタン表示領域17〜19や行動選択表示領域93の各種メニュー)等を携帯端末100にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とする等、サーバ200と携帯端末100のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることとしてもよい。
(13)上記実施の形態においては、レイドモンスターはリンクモンスターに対する支援として、モンスターステータスに示されるもののみを発動することとしているが、これはその限りではない。対戦処理部242は、ミニゲームにおいて、レイドモンスター側が有利になるような支援能力を選択し、その発動条件を満たしている場合に発動させることとしてもよい。例えば、ユーザの属性が一属性に偏っている場合には、その一属性に対して有効な対抗属性に変更する支援を発動させたりすることができる。
(14)上記実施の形態においては、レイドモンスターと対戦するユーザキャラクタ数が複数いる場合を示しているが、これは複数である必要はなく、1体のユーザキャラクタで1体のレイドモンスターに挑むこともできる。
(15)携帯端末100およびサーバ200の各機能部は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100またはサーバ200は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた情報処理端末(例えば、携帯端末100)と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバ(例えば、サーバ200)とを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
(16)本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
(17)上記実施の形態および変形例に示した各実施の形態を適宜組み合わせて使用することとしてもよい。
<補足>
以下、本発明に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、および、コンピュータについての一実施態様とその効果について説明する。
(a)本発明に係るゲームプログラムは、ゲーム媒体を用いてユーザが対戦相手と対戦する対戦ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、複数のユーザのゲーム媒体に関する情報及び複数の対戦相手に関する情報を記憶部に記憶する記憶処理機能と、前記対戦ゲームの対戦相手選択画面上に、前記複数の対戦相手をそれぞれ選択可能に表示させる第1表示機能と、前記複数のユーザ各々が対戦する対戦相手の選択を受け付ける受付処理機能と、各対戦相手と、当該対戦相手を選択した1以上のユーザとの対戦処理を実行する対戦処理機能と、前記複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、他の対戦相手に関する情報を変動させる変動処理機能とを実現させ、前記対戦処理機能は、前記複数の対戦相手全てを討伐した場合に、前記複数のユーザの勝利と決定する。
また、本発明に係るコンピュータの制御方法は、ゲーム媒体を用いてユーザが対戦相手と対戦する対戦ゲームの進行を処理するコンピュータの制御方法であって、複数のユーザのゲーム媒体に関する情報及び複数の対戦相手に関する情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記対戦ゲームの対戦相手選択画面上に、前記複数の対戦相手をそれぞれ選択可能に表示させる表示ステップと、前記複数のユーザ各々が対戦する対戦相手の選択を受け付ける受付ステップと、各対戦相手と、当該対戦相手を選択した1以上のユーザとの対戦処理を実行する対戦処理ステップと、前記複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、他の対戦相手に関する情報を変動させる変動処理ステップとを含み、前記対戦ステップは、前記複数の対戦相手全てを討伐した場合に、前記複数のユーザの勝利と決定することを特徴とする。
また、本発明に係るコンピュータは、ゲーム媒体を用いてユーザが対戦相手と対戦する対戦ゲームの進行を処理するコンピュータであって、複数のユーザのゲーム媒体に関する情報及び複数の対戦相手に関する情報を記憶部に記憶する記憶部と、前記対戦ゲームの対戦相手選択画面上に、前記複数の対戦相手をそれぞれ選択可能に表示させる表示部と、前記複数のユーザ各々が対戦する対戦相手の選択を受け付ける受付部と、各対戦相手と、当該対戦相手を選択した1以上のユーザとの対戦処理を実行する対戦処理部と、前記複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、他の対戦相手に関する情報を変動させる変動処理部とを備え、前記対戦処理部は、前記複数の対戦相手全てを討伐した場合に、前記複数のユーザの勝利と決定する。
本発明にゲームプログラムによれば、1以上のユーザのゲーム媒体で1体の対戦相手と戦う対戦処理を複数実行し、対戦相手全てを討伐するとユーザ全ての勝利が決定するというゲームにおいて、対戦相手が他の対戦相手に関する情報を変動させて影響を及ぼすため、対戦相手を選択する戦略性が向上する。例えば、対戦相手が、他の対戦相手に関する情報として他の対戦相手の残存体力を増加させるという変動を行った場合にユーザはその体力を増加させた対戦相手を優先的に討伐するという戦略を練ることになる。したがって、より戦略性の高いゲームを提供することができる。
(b)上記(a)に係るゲームプログラムにおいて、前記対戦処理が終了すると、前記第1表示機能と、前記受付処理機能、及び前記対戦処理機能による処理を再度実行することとしてもよい。
これにより、全ての対戦相手を討伐するまで、選択、対戦の処理が繰り返されることになるので、選択のたびに、対戦相手の情報を確認して戦略を練ることになる。したがって、より高い戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(c)上記(a)または(b)に係るゲームプログラムにおいて、前記変動処理機能は、前記他の対戦相手がユーザと対戦するうえで有利になるように、前記他の対戦相手に関する前記情報を変動させることとしてもよい。
ここで、他の対戦相手が有利になるとは、他の対戦相手の戦力が増強される、または、他の対戦相手と対戦しているユーザが弱体化されるものであればよく、例えば、他の対戦相手のパラメータ(例えば、体力、攻撃力、防御力、速度など)を増加させること、他の対相手と対戦しているユーザのゲーム媒体のパラメータ(例えば、体力、攻撃力、防御力、速度)を減少させること、ユーザのゲーム媒体が対戦に参加できる時間を短縮することなどを含んでよい。
これにより、ユーザ側は対戦において不利になるため、その逆境を覆すための戦略を練ることになる。したがって、より高い戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(d)上記(a)から(c)のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、前記対戦相手に関する情報は、当該対戦相手のパラメータ、または、ユーザが前記対戦相手選択画面において当該対戦相手を選択可能な回数若しくは時間を含むこととしてもよい。
ここで、対戦相手を選択可能な回数若しくは時間とは、対戦相手の対戦を行うにあたりゲームにおいて、対戦相手を選択して対戦を実行できる回数または時間のことであり、例えば、対戦ターン数、対戦時間を含んでよい。
これにより、ユーザは、例えば、対戦相手のパラメータを見て自身の有利不利を認識した選択をとったり、自身に残された時間に応じた有効な手を打ったりすることができるので、より高い戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(e)上記(a)から(d)のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、前記ゲームプログラムは、さらに、前記コンピュータに、前記対戦相手各々の対戦に関する対戦情報を、前記対戦相手選択画面上に表示させる第2表示機能を実現させることとしてもよい。
当該第2表示機能は、上記実施の形態で言えば、選択処理部241により実現される。
これにより、対戦に関する対戦情報を認識することができるので、各ユーザはその情報に基づいて、対戦する相手を決定することができる。例えば、対戦情報として、その対戦相手に挑戦するユーザ数が表示されていれば、その多寡に応じて自身が対戦に参加すべきかどうかの戦略を練ることができる。その対戦情報の種別に応じて、様々な戦略を練ることができるので、戦略性の高いゲームを提供することができる。
(f)上記(e)に係るゲームプログラムにおいて、前記対戦情報は、前記対戦相手各々と対戦するユーザに関する情報を含むこととしてもよい。
これにより、ユーザは、ユーザに係る情報を得ることにより、対戦相手との対戦の有利不利を判断することができる。例えば、ユーザの情報として対戦相手に対して有効なアイテムを所持しているなどの情報を得ることができれば、対戦相手との対戦の有利不利の一基準を得ることができる。したがって、どの対戦相手との対戦に挑むかの選択に戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(g)上記(e)または(f)に係るゲームプログラムにおいて、前記対戦情報は、前記所定の条件を示す情報を含むこととしてもよい。
これにより、対戦相手が他の対戦相手に対してなんらかのパラメータ変動(例えば、体力を回復させる、防御力を高くするなど)を実行する場合に、その発動条件が表示されるので、ユーザはそれを阻止するための行動をとるか否かの戦略を練ることになる。したがって、高い戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(h)上記(e)から(g)のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、前記対戦情報は、前記変動処理機能により前記変動させる前記情報を含むこととしてもよい。
これにより、ユーザは、変動した情報に応じた戦略を練ることになる。例えば、変動した情報が、他の対戦相手の属性であった場合に、変動後の属性に対して有効な対抗属性を有するユーザが率先してその他の対戦相手に挑戦するといった戦略を練ることになる。したがって、より高い戦略性を持たせたゲームを提供することができる。
(i)上記(e)から(h)のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、前記ゲームプログラムは、さらに、前記コンピュータに、前記対戦相手との前記対戦処理を実行するための対戦画面を表示させる第3表示機能と、前記対戦画面上に、他の対戦相手の前記対戦情報を表示させる第4表示機能とを実現させることとしてもよい。
ここで、第3表示機能、第4表示機能は、上記実施の形態においては、対戦処理部242により実現されるものであり、対戦画面は、図9に示す対戦画面2が該当する。また、対戦処理を実行するための対戦画面とは、対戦相手に係る画像、対戦相手に係るパラメータ、ユーザのゲーム媒体に係る画像、ユーザのゲーム媒体のパラメータ、ユーザのゲーム媒体の行動を決定するための入力メニューを含んでよい。また、他の対戦相手の対戦情報の表示は、上記実施の形態では、図9の表示領域92に示す内容が該当する。
これにより、ユーザは自身のゲーム媒体が対戦相手との対戦を開始しても、他の対戦相手と当該他の対戦相手に挑んでいるゲーム媒体との対戦に係る状態を認識することができる。
(j)上記(e)から(h)のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、前記ゲームプログラムは、さらに、前記コンピュータに、前記複数の対戦相手のうち少なくとも1の対戦相手の対戦に関する所定の条件に応じて、当該対戦相手または前記対戦情報を通常とは異なる態様で前記対戦相手選択画面上に表示させることとしてもよい。
これにより、ユーザのゲーム媒体は、選択した対戦相手に対する行動しかとれないのに対し、対戦相手は対戦相手間でパラメータを変動させる処理を実行することができる。パラメータを変動させるとは、対戦相手のステータスを変動させることを意味し、例えば、他の対戦相手の攻撃力、防御力、属性などのパラメータを変動させる。これにより対戦の状況が一変するため、ゲーム展開に幅を持たせることができる。したがって、より戦略性の高いゲームを提供することができる。