JP7256248B2 - 空気調和機の梱包セット - Google Patents

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Description

本発明は、可燃性の冷媒の漏洩検知機能を有する空気調和機および当該空気調和機の梱包セットに関する。
従来、可燃性の冷媒の漏洩検知機能を有する空気調和機が知られている。たとえば国際公開第2017/187618号パンフレット(特許文献1)には、室内における可燃性の冷媒の濃度を検知する冷媒検知手段を備える空気調和機が開示されている。当該空気調和機においては、冷媒検知手段によって検知される冷媒濃度が閾値以上である場合に、室内送風ファンが予め設定された風量で運転される。その結果、冷媒が漏洩した場合に、室内に可燃濃度領域が形成されるのを抑制することができる。
国際公開第2017/187618号パンフレット
圧縮機に貯留されている冷凍機油は、通常、冷媒とともに圧縮機から吐出されて空気調和機を循環する。そのため、冷媒が漏洩している場合、冷凍機油も漏洩していることがほとんどある。しかし、特許文献1においては、冷媒とともに冷凍機油が漏洩することについては考慮されていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、空気調和機の安全性を向上させることである。
本発明の一局面に係る空気調和機においては、可燃性の冷媒が、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する。圧縮機は、冷凍機油を貯留し、冷媒とともに冷凍機油を吐出する。冷凍機油は、冷媒とともに圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する。第1熱交換器は、第1空間に配置される。第2熱交換器は、第2空間に配置される。空気調和機は、第1センサと、第2センサと、制御装置とを備える。第1センサは、第1空間内の冷媒を検知する。第2センサは、第1空間内の冷凍機油の臭気を検知する。制御装置は、第1センサからの第1検知信号および第2センサからの第2検知信号を用いて、冷媒の漏洩を検知する。
本発明の他の局面に係る空気調和機においては、可燃性の冷媒が、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する。圧縮機は、冷凍機油を貯留し、冷媒とともに冷凍機油を吐出する。冷凍機油は、冷媒とともに圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する。第1熱交換器は、第1空間に配置される。第2熱交換器は、第2空間に配置される。空気調和機は、センサと、サンプル収容部と、制御装置とを備える。センサは、第1空間内の冷媒を検知する。サンプル収容部は、冷凍機油のサンプルを収容し、外部に当該サンプルの臭気を放出可能である。制御装置は、センサからの検知信号を用いて、冷媒の漏洩を検知する。
本発明の他の局面に係る空気調和機の梱包セットは、可燃性の冷媒が、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する空気調和機の梱包セットである。空気調和機の稼働時において、圧縮機は、冷凍機油を貯留し、冷媒とともに冷凍機油を吐出する。冷凍機油は、冷媒とともに圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する。第1熱交換器は、第1空間に配置される。第2熱交換器は、第2空間に配置される。空気調和機は、センサと、制御装置とを備える。センサは、第1空間内の冷媒を検知する。制御装置は、センサからの検知信号を用いて、冷媒の漏洩を検知する。梱包セットは、内部に臭気が密閉されたサンプル容器と、梱包箱とを備える。梱包箱は、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、第2熱交換器、センサ、および制御装置の少なくとも1つおよびサンプル容器を収容する。
本発明に係る空気調和機および空気調和機の梱包セットによれば、冷凍機油の臭気によっても第1空間に漏洩した冷媒を検知可能であるため、第1空間内における冷媒漏洩の検知精度を高めることができる。その結果、空気調和機の安全を向上させることができる。
実施の形態1に係る空気調和機の構成を示す機能ブロック図である。 図1の空気調和機の室内機の概略的な外観図である。 制御装置によって行なわれる冷媒漏洩検知処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置によって行なわれる冷媒漏洩検知処理の流れの他の例を示すフローチャートである。 X軸を冷媒センサの検知レベルとし、Y軸を臭気センサの検知レベルとし、冷媒センサの検知レベルと臭気センサの検知レベルとの関係を示す座標平面である。 冷媒漏洩領域に含まれているか否かによって冷媒漏洩を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空気調和機の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態3に係る空気調和機の構成を示す機能ブロック図である。 図8の空気調和機の室内機の概略的な外観図である。 図9のサンプル容器の概略的な外観図である。 実施の形態4に係る空気調和機の梱包セットによって、室内機が梱包されている様子を示す図である。 図11の梱包セットが開梱された様子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機100の構成を示す機能ブロック図である。図2は、図1の空気調和機100の室内機10の概略的な外観図である。空気調和機100においては、可燃性のR290(プロパン)を含む冷媒が使用される。空気調和機100は、運転モードとして暖房モード、冷房モード、および除霜モードを含む。図1に示されるように、空気調和機100は、室内機10と、室外機11とを備える。室内機10および室外機11は、いずれも主電源Ps1(第1電源)から電力が供給される。
室内機10は、室内(第1空間)に配置されている。室内機10は、室内熱交換器1(第1熱交換器)と、室内ファン2と、冷媒センサs1(第1センサ)と、臭気センサs2(第2センサ)とを含む。室外機11は、室外(第2空間)に配置されている。室外機11は、圧縮機3と、四方弁4と、膨張弁5と、室外熱交換器6(第2熱交換器)と、室外ファン7と、制御装置8とを含む。圧縮機3は、圧縮機構を潤滑するための冷凍機油を貯留している。当該冷凍機油は、独特の臭気を有する冷凍機油で、たとえばPAG(PolyAlkylene Glycol)油を含む。
暖房モードにおいては、冷媒が圧縮機3、室内熱交換器1、膨張弁5、および室外熱交換器6の順に循環するように、制御装置8は四方弁4を制御して流路を形成する。暖房モードにおいて室内熱交換器1は凝縮器として機能し、室外熱交換器6は蒸発器として機能する。
冷房モードおよび除霜モードにおいては、冷媒が圧縮機3、室外熱交換器6、膨張弁5、および室内熱交換器1の順に循環するように、制御装置8は四方弁4を制御して流路を形成する。冷房モードおよび除霜モードにおいては、室内熱交換器1は蒸発器として機能し、室外熱交換器6は凝縮器として機能する。
制御装置8は、圧縮機3の駆動周波数を制御することにより、圧縮機3が単位時間あたりに吐出する冷媒量を制御する。制御装置8は、膨張弁5の開度を調節する。制御装置8は、室内ファン2,室外ファン7の各単位時間当たりの送風量を制御する。
室内機10において冷媒センサs1および臭気センサs2は、室内ファン2による送風方向に関して、室内熱交換器1よりも風下に配置されている。冷媒センサs1は、冷媒濃度を表す検知信号(第1検知信号)を制御装置8に出力する。臭気センサs2は、冷凍機油の臭気を表す検知信号(第2検知信号)を制御装置8に出力する。
圧縮機3に貯留されている冷凍機油は、通常、冷媒とともに圧縮機3から吐出されて空気調和機100を循環する。そのため、冷媒が漏洩している場合、冷凍機油も漏洩していることがほとんどある。
そこで、実施の形態1においては、室内における冷媒漏洩を、冷媒濃度および冷凍機油の臭気を用いて検知する。冷媒濃度に加えて冷凍機油の臭気を用いることにより、冷媒濃度のみを用いて冷媒漏洩を検知する場合よりも冷媒漏洩の検知精度を高めることができるため、空気調和機の安全性を向上させることができる。
図3は、制御装置8によって行なわれる冷媒漏洩検知処理の流れを示すフローチャートである。図3に示される処理は、空気調和機100の運転を制御する不図示のメインルーチンによって定期的あるいは不定期に呼び出される。以下ではステップをSとも記載する。また、検知レベルL1は冷媒センサs1の検知信号のレベルを表し、検知レベルL2は臭気センサs2の検知信号のレベルを表す。
図3に示されるように、制御装置8は、S11において室内の冷媒濃度の検知レベルL1が閾値A1(第1閾値)より大きいか否かを判定する。検知レベルL1が閾値A1より大きい場合(S11においてYES)、制御装置8は、S14において安全確保処理を行なった後、処理をメインルーチンに返す。安全確保処理においては、たとえば、室内ファン2によって室内の空気を攪拌して室内の冷媒分布を均一化して冷媒濃度を薄める処理、アラーム音の発生、ランプの点滅、およびメッセージの表示が行なわれる。
室内の冷媒濃度の検知レベルL1が閾値A1以下である場合(S11においてNO)、制御装置8は、S12において、室内の冷凍機油の検知レベルL2が閾値B1(第2閾値)より大きいか否かを判定する。室内の冷凍機油の検知レベルL2が閾値B1より大きい場合(S12においてYES)、制御装置8は、S14において安全確保処理を行なった後、処理をメインルーチンに返す。室内の冷凍機油の検知レベルL2が閾値B1以下である場合(S12においてNO)、制御装置8は、処理をメインルーチンに返す。
図3においては、冷媒濃度を用いた冷媒漏洩判定(S11)と冷凍機油の臭気を用いた冷媒漏洩判定(S12)とを互いに異なるステップで行なう。冷媒濃度および冷凍機油の臭気の双方を同じステップで用いて冷媒漏洩判定を行なってもよく、たとえば、図3に示される処理に替えて、図4に示される処理が行なわれても良い。図4においては、冷媒濃度を用いた冷媒漏洩判定において検知レベルL1が閾値A1以下(S11においてNO)であり、かつ、冷凍機油の臭気を用いた冷媒漏洩判において検知レベルL2が閾値B1以下(S12においてNO)である場合に、冷媒濃度および冷凍機油の臭気を一緒に用いる冷媒漏洩判定(S13)が行なわれる。
S13が行なわれる時点では、検知レベルL1が閾値A1以下であり、かつ検知レベルL2が閾値B1以下であるため、S13においては、検知レベルL1が閾値A1以下であり、かつ検知レベルL2が閾値B1以下である範囲において冷媒漏洩と判定すべき条件を設定する必要がある。そのため、図4において、閾値A2(第3閾値)は閾値A1より小さく、閾値B2(第4閾値)は閾値B1より小さい。
図4に示されるように、S11,S12の条件がいずれも成立しない場合(S11においてNO、かつS12においてNO)、制御装置8は、S13において、検知レベルL1が閾値A2よりも大きく、かつ検知レベルL2が閾値B2より大きいか否かを判定する。検知レベルL1が閾値A2よりも大きく、かつ検知レベルL2が閾値B2より大きい場合(S13においてYES)、制御装置8は、S14において安全確保処理を行なって処理をメインルーチンに戻す。検知レベルL1が閾値A2以下であるか、または検知レベルL2が閾値B2以下である場合(S13においてNO)、制御装置8は、処理をメインルーチンに戻す。
図3,図4において、冷媒漏洩の判定条件は、冷媒濃度の検知レベルL1あるいは冷凍機油の検知レベルL2が閾値より大きいか否かという条件である。冷媒漏洩の判定条件は、検知レベルL1と検知レベルL2との関係を示す座標平面上で冷媒漏洩と判定すべき冷媒漏洩領域に、検知レベルL1および検知レベルL2によって特定される点が含まれるか否かによって判定してもよい。
図5は、X軸を冷媒濃度の検知レベルL1とし、Y軸を冷凍機油の検知レベルL2とする、検知レベルL1と検知レベルL2との関係を示す座標平面である。図5に示される冷媒漏洩領域は、以下の式(1)として表される。式(1)を満たす検知レベルL1および検知レベルL2は、冷媒漏洩領域に含まれる。なお、図4の検知レベルL1の閾値A2および検知レベルL2の閾値B2は、たとえば冷媒漏洩領域と非冷媒漏洩領域(式(1)を満たさない領域)との境界線(点P1(A1,0)および点P2(0,B1)を結ぶ直線)上の点P3の検知レベルL1および検知レベルL2にそれぞれ設定される。
Figure 0007256248000001
図6は、式(1)を用いて冷媒漏洩を判定する処理の流れを示すフローチャートである。図6に示されるフローチャートは、図3のS11,S12が、S10に置き換えられたフローチャートである。図6に示されるように、制御装置8は、検知レベルL1および検知レベルL2が式(1)を満たすか否かを判定する。検知レベルL1および検知レベルL2が式(1)を満たす場合(S10においてYES)、制御装置8は、処理をS14において安全確保処理を行なって処理をメインルーチンに返す。検知レベルL1および検知レベルL2が式(1)を満たさない場合(S10においてNO)、制御装置8は、処理をメインルーチンに返す。
以上、実施の形態1および変形例1,2に係る空気調和機によれば、空気調和機の安全性を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、冷媒センサおよび臭気センサが空気調和機の電源から電力を供給される場合について説明した。実施の形態2においては、冷媒センサおよび臭気センサの少なくとも一方が空気調和機の電源とは別の電源から電力を供給される場合について説明する。このような構成とすることにより、空気調和機に電力が供給されていない場合(空気調和装置と電源とが接続されていない場合、あるいは停電の場合)でも、冷媒センサあるいは臭気センサの少なくとも一方は動作しているため、冷媒漏洩を検知することができる。
図7は、実施の形態2に係る空気調和機200の構成を示す機能ブロック図である。空気調和機200の構成は、図1の空気調和機100の構成に補助電源Ps2(第2電源)が加えられるとともに、冷媒センサs1および臭気センサs2が冷媒センサs21および臭気センサs22にそれぞれ置き換えられた構成である。それ以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図7に示されるように、補助電源Ps2は、臭気センサs22に電力を供給する。補助電源Ps2は、たとえば電池を含む。臭気センサs22は、検知レベルL2が閾値B1を超えた場合、たとえばアラーム音、ランプの点滅、あるいはメッセージの表示により冷媒漏洩を報知する。主電源Ps1からの電力供給が停止している場合(たとえば空気調和機200のコンセントが主電源Ps1から抜かれている場合、あるいは停電の場合)に補助電源Ps2から電力が供給されるセンサは、冷媒センサs21でもよい。この場合、冷媒センサs21は、検知レベルL1が閾値A1を超えた場合、たとえばアラーム音、ランプの点滅、あるいはメッセージの表示により冷媒漏洩を報知する。主電源Ps1からの電力供給が停止している場合でも、冷媒センサs1および臭気センサs22の少なくとも一方は動作しているため、動作しているセンサによって冷媒漏洩の検知が可能である。
主電源Ps1からの電力供給が停止する非常時に補助電源Ps2の電力を確実に確保しておくため、補助電源Ps2から電力が供給されるセンサは、通常は主電源Ps1から電力を受けて補助電源Ps2の電力を消費せず、非常時に補助電源Ps2から電力を受ける構成とする方が好ましい。また、冷媒漏洩の検知精度を高めるため、主電源Ps1からの電力供給が停止している場合も冷媒センサs1および臭気センサs2の双方が動作するように、冷媒センサs1および臭気センサs2の双方に補助電源Ps2から電力供給をする方がさらに好ましい。
以上、実施の形態2に係る空気調和機によれば、空気調和機に電力が供給されていない場合でも冷媒漏洩の検知が可能になるため、空気調和機の安全性を実施の形態1よりもさらに向上させることができる。
実施の形態3および4.
実施の形態1,2においては、冷凍機油の臭気をセンサによって検知する構成について説明した。実施の形態3および4においては、冷房機油の臭気をユーザに認識させることによって、室内に冷凍機油が漏洩していることをユーザ自身が気づくことができる構成について説明する。
実施の形態1に係る空気調和装置において用いられる冷媒に含まれるR290は、ほとんど無臭であることが知られている。また、空気調和装置内を循環する冷媒には化学的安定性が求められるため、通常、冷媒に付臭剤が混合されない。そのため、室内に漏洩した冷媒の臭気にユーザが気づくことは困難である場合が多い。
一方、PAG油のような冷凍機油は、独特の臭気を有するため、空気調和機から冷媒と一緒に冷凍機油が漏洩している場合に、室内に通常と異なる臭気が含まれていることにユーザが気づくことは可能である。しかし、当該臭気が冷凍機油の臭気であることはユーザに認識されていない場合が多い。
そこで、実施の形態3,4においては、空気調和機の圧縮機に潤滑に用いられる冷凍機油のサンプルを用いて、当該冷凍機油の臭気をユーザに予め認識させる。ユーザは、室内において当該臭気を感じたときに、室内に冷凍機油が漏洩していることに気づくことができる。空気調和装置による冷媒濃度を用いた冷媒漏洩判定に加えて、ユーザ自身が室内の冷凍機油の臭気に気づくことができるため、ユーザが冷凍機油の臭気を知らない場合よりも空気調和装置の安全性を向上させることができる。また、空気調和装置に電力が供給されていない場合であっても、冷媒漏洩をユーザ自身が気づくことができる。さらに、実施の形態3,4によれば、臭気センサが不要となるため、実施の形態1,2よりも実施の形態3,4の方が製造コストを低減することができる。
実施の形態3においては、室内機に冷凍機油のサンプル収容部が設けられている空気調和機について説明する。実施の形態4においては、空気調和機とは別個の冷凍機油のサンプル容器が、空気調和機とともに梱包される空気調和機の梱包セットについて説明する。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る空気調和機300の構成を示す機能ブロック図である。空気調和機300の構成は、図1の空気調和機100の室内機10が室内機30に置き換えられているとともに、室外機11の制御装置8が制御装置38に置き換えられた構成である。室内機30の構成は、室内機10の構成から臭気センサs2が除かれているとともに、図9に示されるようにサンプル容器31(サンプル収容部)が着脱可能に取り付けられた構成である。制御装置38は、冷媒センサs1からの検知信号を受けて、冷媒濃度を用いた冷媒漏洩判定を行なう一方、冷凍機油の臭気を用いた冷媒漏洩判定を行なわない。制御装置38は、冷媒濃度の検知レベルL1が閾値A1より大きい場合に、安全確保処理を行なう。これら以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図10は、図9のサンプル容器31の概略的な外観図である。図10に示されるように、サンプル容器31は、樹脂製の本体311と、樹脂製の蓋312とを含む。本体311は図8の圧縮機3の潤滑に用いられる冷凍機油のサンプルがしみ込んだスポンジSpgを収容する。蓋312が本体311に取り付けられている場合(図10(a))、冷凍機油の臭気は、サンプル容器31の内部に密閉され、サンプル容器31の外部にほとんど漏れない。図10(a)に示される状態で空気調和機300に取り付けられている。サンプル容器31は、蓋312が本体311から外れた状態(図10(b))において、外部に冷凍機油のサンプルの臭気を放出可能である。ユーザは、サンプル容器31を空気調和機300から取り外し、図10(b)に示されるように蓋312を本体311から外して、冷凍機油の臭気を確認する。
以上、実施の形態3に係る空気調和機によれば、空気調和機の安全性を向上させることができるとともに、空気調和装置の製造コストを実施の形態1,2よりも低減することができる。
実施の形態4.
図11は、実施の形態4に係る空気調和機の梱包セット400によって、室内機40が梱包されている様子を示す図である。室内機40の外観は、図2に示される室内機10と同様である。また、室内機40は、図8に示される室内機30と同様に臭気センサを含まない。図11に示されるように、室内機40は、緩衝剤42,43によって両端部を覆われて、梱包箱41に収容されている。梱包箱41が室内機40の長手方向にスライドされることにより、梱包セット400は開梱される。
図12は、図11の梱包セット400が開梱された様子を示す図である。図12に示されるように、室内機40の背面には、リモートコントローラRmと、一緒に包装された取扱説明書および冷凍機油のサンプル容器31とが添付されている。サンプル容器31は、図10に示されているものと同様であり、内部に冷凍機油がしみ込んだスポンジを収容している。ユーザは、サンプル容器31を用いて冷凍機油の臭気を確認することができる。
以上、実施の形態4に係る空気調和機の梱包セットによれば、空気調和機の安全性を向上させることができるとともに、空気調和装置の製造コストを実施の形態1,2よりも低減することができる。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することも予定されている。今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 室内熱交換器、2 室内ファン、3 圧縮機、4 四方弁、5 膨張弁、6 室外熱交換器、7 室外ファン、8,38 制御装置、10,30,40 室内機、11 室外機、31 サンプル容器、41 梱包箱、42,43 緩衝剤、100,200,300 空気調和機、311 本体、312 蓋、400 梱包セット、A1,A2,B1,B2 閾値、Ps1 主電源、Ps2 補助電源、Rm リモートコントローラ、Spg スポンジ、s1,s21 冷媒センサ、s2,s21 臭気センサ。

Claims (1)

  1. 可燃性の冷媒が、圧縮機、第1熱交換器、膨張弁、および第2熱交換器の順に循環する空気調和機の梱包セットであって、
    前記空気調和機の稼働時において、
    前記圧縮機は、冷凍機油を貯留し、前記冷媒とともに前記冷凍機油を吐出し、
    前記冷凍機油は、前記冷媒とともに前記圧縮機、前記第1熱交換器、前記膨張弁、および前記第2熱交換器の順に循環し、
    前記第1熱交換器は、第1空間に配置され、
    前記第2熱交換器は、第2空間に配置され、
    前記空気調和機は、
    前記第1空間内の前記冷媒を検知するセンサと、
    前記センサからの検知信号を用いて、前記冷媒の漏洩を検知する制御装置とを備え、
    前記梱包セットは、
    内部に臭気が密閉されたサンプル容器と、
    前記圧縮機、前記第1熱交換器、前記膨張弁、前記第2熱交換器、前記センサ、および前記制御装置の少なくとも1つおよび前記サンプル容器を収容するための梱包箱とを備える、空気調和機の梱包セット。
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