(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機管理システムを前記図1ないし図7に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機管理システム1は、使用者に対しマッサージを実行するマッサージ機10の近傍に設置されて、このマッサージ機10の作動の可否を制御する装置管理部70と、この装置管理部70に対し、ネットワーク100を介してデータ送受信可能とされ、マッサージ機10を使用する使用者の特典情報を記録すると共に使用者から閲覧可能とするサービスを実行する管理サーバ90とを備える構成である。
前記マッサージ機10は、椅子状に形成されて使用者の身体を支持しつつ、内蔵された制御部による制御で、同じく内蔵されたマッサージ機構を使用者の使用に係る操作に基づいて作動させ、使用者に対しマッサージを実行可能な公知の装置であり、詳細な説明を省略する。
前記装置管理部70は、マッサージ機10の近傍に配設され、このマッサージ機10についての使用者の使用可否情報を取得可能とされると共に、この使用可否情報に基づいてマッサージ機10の作動可否を制御し、且つ、使用者によるマッサージ機10の使用を検出して、この使用に係るマッサージ機10の使用状況情報を取得する構成である。
この装置管理部70は、マッサージ機10の作動可否の制御及びマッサージ機使用の検出のために、マッサージ機10とこれに電力を供給する商用電源等の電源部60との間に介在するように設けられるものである。
詳細には、装置管理部70は、使用者の個人識別情報を読み取るための読み取り部71と、マッサージ機10の状態から使用者によるマッサージ機10の使用を検出する検出部72と、ネットワーク100に接続されて管理サーバ90と通信を行う通信部73と、使用可否情報に基づいてマッサージ機10の作動可否を制御する制御部74とを備える構成である。
前記読み取り部71は、個人を識別可能な指紋や虹彩等の身体的特徴情報を使用者の個人識別情報として読み取ったり、個人識別情報としての個人ごとに付与され暗号化された電子的情報が記録されたICカード等の記録媒体から情報を読み出し、管理サーバ90へ送信できるようにするものである。読み取り部71の情報を読み取る機構については、公知の個人認証用の指紋や虹彩等の読み取り装置や、公知のカード情報読み取り装置等と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
なお、読み取り部に代えて、あるいは読み取り部と共に、使用者ごとにあらかじめ設定された、個人の識別用番号(ID番号)と、これと対をなし、他人のなりすましを防ぐための暗証番号とを、個人識別情報として使用者に入力させる入力部を、装置管理部に設ける構成とすることもできる。
前記検出部72は、マッサージ機10の一部の状態変化を検知し、これに基づいて、マッサージ機10が作動して使用者にマッサージを行っている使用状態を検出するものである。例えば、マッサージ機10の電源ケーブルにおける電流をセンサ(変流器)で計測し、電流の大小から、マッサージ機10の使用状態を検出可能とする仕組みを有する。この他、検出部は、マッサージ機内部の制御回路部に電気的に接続されて制御信号から使用状態を検出するものでもよい。
前記通信部73は、有線又は無線でLANやIP通信網と接続し、これらを介してネットワーク100に接続された管理サーバ90と通信し、使用可否情報や使用状況情報等をやり取りする機能を有するものである。
前記制御部74は、マッサージ機10の作動可否を制御すると共に、検出部72で検出された使用者によるマッサージ機10の使用から使用時間を導き、これをマッサージ機10の使用状況情報として取得するものである。
装置管理部70が、使用者の個人識別情報に対応する使用可否情報を管理サーバ90より得ると、制御部74でこの使用可否情報を参照し、使用者がマッサージ機使用可とされていれば、マッサージ機10の使用を許可して、マッサージ機10をあらかじめ設定された所定時間の間、作動可能な状態とする。一方、使用可否情報において、使用者がマッサージ機使用不可とされていれば、制御部74はマッサージ機の使用を許可せず、マッサージ機を非作動状態に維持する仕組みである。
具体的には、制御部74は、使用可否情報で使用者がマッサージ機使用可とされていることを判別しない限りは、マッサージ機10の使用を許可しない状態として、マッサージ機10を電源断とするか、マッサージ機10の制御回路を待機状態で維持するのに最低限必要な電力がマッサージ機10に供給されるのみとして、マッサージ機10を作動できなくする。そして、使用可否情報において使用者がマッサージ機10を使用可とされている場合には、制御部74は、マッサージ機10の使用を許可する状態として、マッサージ機10を電源断から電源投入状態とするか、マッサージ機を問題なく作動させられるだけの電力を供給可能な状態に移行して、マッサージ機10が使用者の操作に応じて作動し、マッサージを行えるようにする。
また、制御部74は、マッサージ機10の使用を許可し、マッサージ機を作動可能な状態としている中で、使用者がマッサージ機を操作し、マッサージ機を作動させてマッサージを実行させる、すなわち、使用者によりマッサージ機が使用されると、この使用状態が検出部72で検出されることにより、使用を把握し、使用者によるマッサージ機10の使用時間をカウントする。制御部74は、使用者についてマッサージ機の使用を許可した一回の使用機会ごとの使用時間を、使用者のマッサージ機10の使用状況情報として取得することとなる。
装置管理部70における処理は、まず、読み取り部71で使用者から個人識別情報を読み取って取得し、この個人識別情報を通信部73で管理サーバ90に送信する。この後、装置管理部70は管理サーバ90からの使用者の使用可否情報の受信を待つ状態となる。
この場合、管理サーバ90では、ネットワーク100を通じて個人識別情報を受信、取得すると、この個人識別情報に基づいて、あらかじめ記録された使用者ごとの登録情報のうち、前記個人識別情報に対応する使用者の登録情報を抽出し、登録情報の一部をなす使用者の使用可否情報を取得して、装置管理部70に送信する処理が行われる。
装置管理部70の通信部73で、管理サーバ90から送られた使用可否情報を受け取ると、この使用可否情報に基づいて、制御部74でマッサージ機10の作動可否制御を行う。使用可否情報で使用者がマッサージ機使用可とされている場合、制御部74がマッサージ機10の使用を許可し、マッサージ機10を作動可能な状態とする。
このマッサージ機10への使用者の操作によりマッサージ機が作動し、実際に使用者へのマッサージにマッサージ機10が使用されると、装置管理部70では検出部72により使用を検出し、制御部74で使用状態が把握される。そして、使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は使用時間を使用状況情報として取得する。この使用状況情報は、先に取得した個人識別情報と関連付け、どの使用者による使用であるか判別可能な状態として、通信部73より管理サーバ90に送信される。
前記管理サーバ90は、所定のネットワーク100に接続され、装置管理部70で得られた使用状況情報をネットワークを通じて取得し、使用者ごとに使用状況情報から特典データを算出し、この特典データを積算記録した使用者ごとの特典情報を、使用者にネットワークを通じて閲覧可能とするサービスを実行可能なサーバとされる構成である。
なお、本実施形態をはじめとする本願で使用する「サーバ」の語は、必ずしも単独の装置を意味するものでなく、複数の装置がネットワーク接続されて協動して、要求される一又は複数のサービスを一体として提供する装置群である場合も包含する。
管理サーバ90は、マッサージ機の使用に応じた特典情報の記録を希望する使用者としてあらかじめ登録された使用者について、その登録の旨を、使用者を区別するための個人情報等と共に登録情報として、使用者ごとに記録している。そして、管理サーバ90は、装置管理部70で得られた使用状況情報をネットワーク100を通じて取得すると、この使用状況情報に関連付けられた個人識別情報で示される、使用状況情報に対応する登録済の使用者を登録情報から抽出、特定した上で、その使用者について、使用状況情報から特典データを算出し、この特典データを積算記録して特典情報とする仕組みである。
管理サーバ90で記録される特典情報は、例えばポイントであり、使用状況情報としてのマッサージ機使用の際における使用時間の長さに対応するポイント数(特典データ)が算出され、これが使用者ごとに積算記録される。ポイントは電子商取引で一般的に取り扱われるものと同様、使用者の求めにより所定の価値との交換が可能とされ、マッサージ機及び管理サーバの運営者がポイント交換可サイトも運営している場合は、使用者はそのサイトでポイントを直接交換して使用するか、他の電子商取引サイトで利用可能な別のポイントに交換する形で使用する。使用者がポイントを使用すると、その旨の情報が管理サーバに送られ、使用者が使用した分のポイントは特典情報から減算される。
なお、特典情報を使用者が実際に所定の価値と交換、使用すると、その分のコストが発生し、それを負担する者(特典提供者)が必要となる。この特典提供者は、主に、マッサージ機10及び管理サーバ90の運営者を兼ねる、マッサージ機の販売者など、マッサージ機の使用促進により利益を受ける可能性のある者が受け持つ。ただし、これに限られるものではなく、例えば、マッサージ機が設置されたスポーツジム等の営利施設の施設運営者については、使用者のマッサージ機をより多く使用したいとの願望が施設への来訪の動機となることで、使用者の施設への来訪増加と、それによる利益の発生が見込めることから、施設のマッサージ機の使用により付与された特典情報分については、施設運営者を特典使用時のコストを負担する特典提供者とすることもできる。こうして、施設のマッサージ機を使用者が使用しようとすることに起因して発生が見込める収益を特典のコストに充てる仕組みとすれば、マッサージ機10や管理サーバ90の管理運営者が使用者の特典使用に伴う負担を負うことなく、使用者の特典を求める動機を利用した使用者へのマッサージ機使用を促せる。
一方、管理サーバ90は、取得した使用状況情報について、この使用状況情報からわかる使用者のマッサージ機使用が、使用者の健康面に基づいてあらかじめ設定された正常な範囲を超えて行われたものであると認定する、例えば、一日あたりのマッサージ上限が1時間であるのに対し、使用者がマッサージ機を2時間使用してマッサージを行ったと認定すると、正常な範囲を超えた分の使用に対応する特典データ、例えば上記の場合、使用時間2時間のうちの1時間を超える分に対応する特典データ、については、特典情報としての積算記録を行わない仕組みである。
このように、管理サーバ90が、正常な範囲に収まったと認められた使用のみ特典情報の対象とすることで、使用者が特典目当てでマッサージ機の使用頻度を単純に増やしても、マッサージ機使用が正常な範囲を超えて行われると特典につながらないことを認識させて、使用者に正常な範囲に収まる使用を促し、特典によるマッサージ機使用の動機付けが過剰な使用を招かないようにして、過大なマッサージによる身体への悪影響を防ぎつつ、マッサージが本来備える健康に繋がる効果を発揮可能な範囲で、有効にマッサージ機を使用させることができる。
管理サーバ90は、こうして記録された特典情報を、ネットワーク100を通じて使用者に閲覧可能とするサービスを実行する。詳細には、使用者が管理サーバ90が提供するウェブ上のサイトにコンピュータや通信端末(クライアント)を用いてアクセスすると、管理サーバ90は、ウェブ画面に表示される画像情報や、コンピュータや通信端末のスピーカを通じて出力される音声情報として、特典情報を使用者側のコンピュータや通信端末に伝え、使用者はこれらコンピュータや通信端末を介して特典情報を閲覧できる仕組みである。
合わせて、管理サーバ90は、こうした特典情報の閲覧に係るサービスとして、ネットワークを通じた特典情報の閲覧を目的とするアクセスに対し、情報閲覧可否に係る個人認証を行い、この認証において受信した個人識別情報から、特典情報のある使用者であることを認定すると、この使用者の特典情報を閲覧する許可を与えるようにしている。これにより、使用者の特典情報は、コンピュータや通信端末で管理サーバ90にアクセスし、使用者本人と認証された使用者のみ閲覧できる。
また、管理サーバ90は、マッサージ機の使用に応じた特典情報の記録を希望する使用者としてあらかじめ登録された使用者について、その時点で使用しようとするマッサージ機の使用が可であるか、又は使用が不可であるかを規定する使用可否情報を、登録情報の一部として記録している。この使用可否情報は、使用者ごとに設定されるものであり、例えば、使用者がある期間の使用契約を行って使用者に貸し出されたマッサージ機について、契約期間の間は使用可否情報でマッサージ機の使用を可とされる一方、契約更新がなされずに契約期間が終わると、使用可否情報で使用者のマッサージ機の使用を不可とされる、といった制限を設定できる。また、ある施設に設置された複数のマッサージ機について、施設の有料会員である使用者は、使用可否情報で全てのマッサージ機の使用を可とされるのに対し、施設の無料会員である使用者は、使用可否情報で一部の高機能なマッサージ機や有料会員の使用頻度の高いマッサージ機の使用を不可とされ、残りのマッサージ機のみ使用を可とされる、といった制限を設定できる。
この他、使用者ごとの使用可否情報の設定としては、例えば、家電量販店に設置されている展示品のマッサージ機について、家電量販店のポイント会員である使用者は、使用可否情報でマッサージ機の使用を無条件で可とされ、マッサージ機を優先的に試用できるのに対し、会員ではない使用者は、使用可否情報で会員の使用者がマッサージ機を試用しようとしている時はマッサージ機の使用を不可とされ、会員の使用者の試用可能性がない時のみマッサージ機の使用を可とされる、というように設定することもできる。
さらに、使用可否情報には時間的制限のある使用可の状態を設定することもでき、マッサージ機や使用者ごとに、使用可とされてマッサージ機を使用者が作動させられる時間を変えるようにすることもできる。例えば、人気の高いマッサージ機は多くの人が利用できるよう、マッサージ機の使用が可である使用者でもマッサージ機の使用を可とされる時間を短く設定して入れ替わりを促したり、高齢者や体力のあまりない使用者については、マッサージ機の使用が可である使用者でもマッサージ機の使用を可とされる時間を短く設定して過剰なマッサージとならないようにすることができる。
管理サーバ90では、装置管理部70で読み取られた個人識別情報をネットワーク100を通じて取得すると、この個人識別情報に基づいて、あらかじめ記録された使用者ごとの登録情報のうち、前記個人識別情報に対応する使用者の登録情報を抽出し、この登録情報の一部として記録されている使用者の使用可否情報を取得し、これを装置管理部70に送信する処理が行われる。
この他、管理サーバ90では、使用者からのアクセスに対し、特典情報の閲覧許可を与えて、使用者が特典情報を閲覧可能な状態で、使用者に対し所定の情報提供を行うコンテンツ情報を伴わせつつ特典情報を閲覧に供することとなる。
コンテンツ情報としては、特典情報がポイントの場合、マッサージ機及び管理サーバの運営者が運営するサイトや、他の電子商取引サイトでポイントを交換できる旨を、そうしたサイトへのリンクと共に示したり、マッサージ機を使用する使用者にとって有益な、健康に関する情報や、使用者のマッサージ機の使用履歴とそれに応じたマッサージのアドバイス等を示すことができる。こうして、マッサージ機及び管理サーバの運営者やこの運営者の許諾を得た第三者が、使用者に伝えたい所定の情報を、特典情報と共に発信することで、特典情報を確認しようとする使用者が、他の情報も特典情報と共に閲覧する状況を生じさせられ、確実に使用者が情報を受け取るようにすることができ、使用者への情報伝達の効率を高められる。
なお、管理サーバ90が、取得した使用状況情報について、この使用状況情報からわかる使用者のマッサージ機使用を、使用者の健康面に基づいてあらかじめ設定された正常な範囲を超えて行われたものであると認定し、正常な範囲を超えた分の使用に対応する特典データを、特典情報として積算記録を行わなかった場合には、使用者に対し、該当するマッサージ機の使用について、正常範囲を超える過剰使用であり、その使用の分の特典は加算されなかった旨の説明を、コンテンツ情報として特典情報に伴わせて出力することが望ましい。これにより、使用者に適切な使用を強く促せることとなる。
上記コンテンツ情報としては、広告情報を閲覧させるようにすることもできる。この場合、使用者を対象とする広告情報を、使用者の特典情報を閲覧したい動機を利用して、的確に使用者に届けることができ、広告の効率を高めることができる。
そして、コンテンツ情報を広告情報とする場合、広告情報の広告主又は広告仲介者が、特典情報で示される特典のコストを負担する特典提供者となるようにして、広告情報発信に起因して発生が見込める広告主又は広告仲介者の収益を、特典のコストに充てる仕組みとすることもでき、マッサージ機10や管理サーバ90の管理運営者が使用者の特典使用に伴う負担を負うことなく、使用者の特典を求める動機を利用した使用者へのマッサージ機使用を促す取り組みを進められる。
使用者に広告情報を閲覧させる際は、例えば、特典情報が出力される前の数秒間に強制的に広告情報を出すなど、使用者が広告情報を受け取ってはじめて特典情報の閲覧が可能となるよう、情報の出力順序を制御するのが望ましい。また、特典情報閲覧の際に、同じ広告が続くと、使用者の広告への印象が悪くなるなど、使用者に却って悪影響を与えるおそれがあるため、使用者ごとに広告情報の出力内容を管理して、使用者に対し短期間に同じ広告情報を繰り返し出さないようにするのが望ましい。
次に、本実施形態に係るマッサージ機管理システムによるマッサージ機の使用の管理と特典情報記録について説明する。前提として、マッサージ機10は装置管理部70により電源部60からの電力供給状態を制御され、装置管理部70により作動不可とされている間は、使用者による操作を受けてもマッサージ機10は作動しない状態に維持される一方、装置管理部70により作動可とされると、使用者の操作を受けて直ちにマッサージを実行可能な起動状態となるものとする。
また、装置管理部70と情報をやり取りする管理サーバ90には、マッサージ機10を使用する使用者があらかじめ登録され、また、登録内容に応じたマッサージ機の使用可否情報や、その時点までの特典情報が使用者ごとに記録されているものとする。
まず、使用者が使用しようとする所定のマッサージ機10近傍の、装置管理部70の読み取り部71に対し、使用者がICカードを近付けたり、指の指紋のある面を押し当てたり、虹彩を撮像可能となるまで目を近付けたりするなどして、読み取り部71で使用者の個人識別情報を読み取り可能な状態にすると、読み取り部71がこうした個人識別情報を読み取ることで、装置管理部70が個人識別情報を取得する(図2参照)。
装置管理部70は、この個人識別情報を通信部73を通じて管理サーバ90に送信する。この送信後、装置管理部70は管理サーバ90からの使用者の使用可否情報の送信を待ち受ける状態となる。
管理サーバ90は、ネットワーク100を通じて装置管理部70からの個人識別情報を受信、取得すると、この個人識別情報に基づいて、あらかじめ記録された使用者ごとの登録情報のうち、前記個人識別情報に対応する使用者の登録情報を抽出し、この登録情報から使用者の使用可否情報を取得して、装置管理部70に送信する(図3参照)。
装置管理部70は、管理サーバ90から送られた使用者の使用可否情報を通信部73で受け取ると、この使用可否情報に基づくマッサージ機の作動可否制御を行う。詳細には、制御部74が使用可否情報を参照し、使用者がマッサージ機使用可とされていれば、制御部74はマッサージ機10の使用を許可して、マッサージ機10をあらかじめ設定された所定時間の間、作動可能な状態とする。また、使用可否情報において、使用者がマッサージ機使用不可とされていれば、制御部74はマッサージ機の使用を許可せず、マッサージ機をそれまでと同様の非作動状態に維持する。なお、装置管理部70に、光、画像、音等を出力して使用者に対し報知を行う報知部を設けて、使用者にマッサージ機の使用を許可した旨や許可しない旨を、報知部からの報知により使用者が容易に理解できるようにするのが望ましい。
ここで、制御部74によるマッサージ機10の作動可能な状態とは、マッサージ機10を電源断から電源投入状態とするか、マッサージ機を問題なく作動させられるだけの電力を供給可能な状態に移行して、マッサージ機10が使用者の操作に応じて作動し、マッサージを行える状態を指す。
装置管理部70の制御部74がマッサージ機10の使用を許可すると、マッサージ機10では使用者のマッサージ実行を指示する操作を待つ状態となる。このマッサージ機10に対し、使用者が、正しい姿勢で着座し、マッサージ機10の操作部からマッサージ実行を操作すると、マッサージ機10が作動する状態となり、マッサージ機10自体の制御により、必要に応じてマッサージ開始前の準備動作が自動実行された後、使用者が入力指示した内容のマッサージをマッサージ機10が実行する。
制御部74がマッサージ機10の使用を許可し、これを作動可能な状態としている中で、使用者がマッサージ機10を操作してマッサージを実行させ、マッサージ機10を使用すると、この使用状態が検出部72で検出される。制御部74はこの使用を把握し、使用者によるマッサージ機10の使用時間をカウントする。
装置管理部70の制御部74は、使用可否情報に設定されるか、制御部74自体にあらかじめ設定されていた、使用可能時間の間は、マッサージ機10を作動可能な状態に維持して、使用者の操作によるマッサージの実行を許容する。しかし、使用可能時間を超えて以降は、新たな使用者による装置管理部70の読み取り部71に個人識別情報を読み取らせる行動がなされ、個人識別情報が読み取られる以降の前記同様の各処理を経て、新たにマッサージ機10の使用が許可されるまで、使用者がマッサージ機10を操作しても作動しない非作動状態に戻ることとなる。
使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は、マッサージ機10が使用された時間を認定して、使用者についてマッサージ機10の使用を許可したこの一回の使用機会における使用時間を、使用状況情報として取得する。
装置管理部70は、使用状況情報を、最初に取得した個人識別情報やマッサージ機の個体を識別する情報と関連付け、いずれのマッサージ機のどの使用者による使用であるか判別可能な状態として、通信部73より管理サーバ90に送信する。
管理サーバ90は、装置管理部70で得られた使用状況情報をネットワーク100を通じて取得すると、使用状況情報に関連付けられた使用者を特定し、その使用者について、使用状況情報としてのマッサージ機使用の際における使用時間の長さに対応する特典データ(例えば、ポイント数)を算出し、この特典データを既存の特典情報に積算するよう記録して特典情報(例えば、合計ポイント)を更新する(図4参照)。
ただし、管理サーバ90は、取得した使用状況情報について、この使用状況情報からわかる使用者のマッサージ機使用が、あらかじめ設定された正常な範囲を超えて行われたものであると認定すると、正常な範囲を超えた分の使用に対応する特典データについては、特典情報としての積算記録を行わない。
また、管理サーバ90は、必要に応じて、例えばマッサージ機の総使用時間が前払い分の使用限界に達したり、マッサージ機の定額使用契約の有効期間が終了するなど、使用条件に変化のあった使用者について、使用可否情報を前記変化に対応したものに書き換える。
続いて、本実施形態に係るマッサージ機管理システムによる使用者への特典情報提示について説明する。
特典情報の更新と並行して、管理サーバ90は、使用者ごとに記録された特典情報を使用者に閲覧可能とするサービスとして、ネットワーク上で、特典情報をクライアントの表示装置で表示可能なウェブページ画面に含まれる画像又はテキスト情報や、ウェブページへの操作でクライアントの音声出力装置を通じて出力可能な音声情報等として伝えるウェブサイトを提供する。合わせて、管理サーバ90は、前記ウェブサイトへのネットワークを通じた特典情報の閲覧を目的とするアクセスに対し、情報閲覧可否に係る個人認証を行い、この認証において受信した個人識別情報から、特典情報のある使用者であることを認定した場合のみ、この使用者の特典情報を閲覧する許可を与えるサービスを実行する。
使用者が特典情報を閲覧、確認したい場合には、この管理サーバ90が提供するウェブサイトに、使用者がクライアントとしてのコンピュータや通信端末80を用いてアクセスし(図5参照)、ウェブページ上の指示に従い、個人認証用のページの入力部分に個人識別情報、例えば、ID番号と暗証番号、を入力して送信する(図6参照)。この個人識別情報が、管理サーバ90による認証で、特典情報のある使用者のものであることを認められると、使用者は管理サーバ90により特典情報を閲覧する許可を与えられ、使用者は、クライアントを介して、ウェブページ画面に表示される画像情報や、スピーカから出力される音声情報である特典情報を閲覧、確認できる(図7参照)。
使用者がウェブページの特典情報を確認する際、管理サーバ90は、使用者からのアクセスに対し特典情報の閲覧許可を与えて、使用者が特典情報を閲覧可能な状態となった場合に、必要に応じて、使用者に対し特典情報とは異なるコンテンツ情報、例えば、特典情報(ポイント)の交換・使用についての案内情報や、使用者の健康維持とマッサージ機使用に係るアドバイス情報、等を特典情報と共に示すことができる。これにより、特典情報を確認しようとする使用者が、他の情報も特典情報と共に閲覧する状況を生じさせられ、確実に使用者に情報を受け取らせることができる。
特に、管理サーバ90は、コンテンツ情報として、使用者に対応する広告情報を発することもでき、使用者を対象とする広告情報を、使用者の特典情報を閲覧したい動機を利用して、的確に使用者に届けることが期待できる。この場合、特典情報と広告情報の出力順序を制御する、例えば、特典情報が出力される前の数秒間に強制的に広告情報を出すなどして、使用者が広告情報を受け取った後に特典情報を閲覧できるようにし、使用者が意図的に広告情報を避ける事態を防いで、使用者への広告の到達率を高めることもできる。ただし、これと合わせて、管理サーバ90は、使用者に対し短期間に同じ広告情報を繰り返し出さないようにするなど、使用者ごとに広告情報の出力内容を管理して、使用者への広告の効果が損なわれる事態を防ぐことが望ましい。
使用者がコンピュータや通信端末80を用いて管理サーバ90にアクセスし、特典情報を閲覧してその値を確認し、特典情報が交換、使用可能なものとなっている場合には、使用者は、コンピュータや通信端末80を用いて、管理サーバ90又は別のサーバで提供される特典情報の交換用サイトにアクセスして、交換を申請し、特典情報を所定の価値(商品、サービス、貨幣、金券、電子マネー、仮想通貨等の電子的決済手段、他の電子商取引サイトで利用可能なポイント、など)と交換して使用できる。使用者がポイントを交換、使用すると、その旨の情報を管理サーバ90で取得し、管理サーバ90は、特典情報から使用者が使用した分を減算して特典情報を更新する。
使用者が特典情報を交換、使用可能な時期は、管理サーバ90で特典情報の交換可否を制御することで調整でき、例えば、マッサージ機の販売者がマッサージ機10や管理サーバ90の管理運営者、又は、特典提供者である場合、マッサージ機未購入の登録使用者に、公共施設や営利施設に設置したマッサージ機の使用を許可して、マッサージ機を試用目的で使用させ、使用に応じて増える特典情報の記録を管理サーバ90に行わせるものの、特典情報の交換は、使用者がマッサージ機の購入契約を行うまで管理サーバ90で許可しないようにすることができ、使用者の特典を求める動機を確実に使用者によるマッサージ機の購入につなげられる。
さらに、特典情報の交換、使用の対象となる価値については、使用者ごとに異なるように設定することもでき、例えば、使用者が家電量販店のポイント会員である場合には、家電量販店の商品をより少ない特典情報で交換できる一方、非会員にはそうした有利な交換条件は適用されない、といった設定が可能である。
このように、本実施形態に係るマッサージ機管理システムは、装置管理部70で使用者の使用可否情報を参照して、マッサージ機10の使用資格を有する使用者にマッサージ機10の使用を許可する管理を行いつつ、マッサージ機10の使用状況情報としての使用時間に係る情報を管理サーバ90で収集し、管理サーバ90で使用者ごとに使用状況に応じた特典データを付与し、且つこの特典データを積算した使用者ごとの特典情報を使用者から閲覧可能な状態とすることから、使用者がマッサージ機10を使用すると特典が付与される点を自ら認識して、特典に基づくマッサージ機10の使用動機を有することとなり、例えば、使用者がマッサージ機10の使用権を購入して使用している場合には、使用者にマッサージ機10の継続的な使用を促して、購入契約の延長、継続につなげられる。また、使用者がマッサージ機を購入せずに施設等のマッサージ機10を使用する場合は、使用者がマッサージ機10を使用する機会を増やして、試用によるマッサージ機購入意欲の増大を促して、マッサージ機の購入につなげたり、マッサージ機のある施設等への使用者の来訪促進が図れる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいて、マッサージ機の「使用者」は、マッサージ機の使用に応じた特典情報の記録を希望して管理サーバ90にあらかじめ登録された者であり、装置管理部70でマッサージ機10の使用を許可されてはじめて、実際にマッサージ機を使用可能とされる。そして、管理サーバ90は、使用者がマッサージ機を有償で使用するか無償で使用するかに関わりなく、その使用状況に応じた特典情報を使用者ごとに記録するようにしており、例えば、マッサージ機の購入等契約を結んだ契約者であることや、公共施設や営利施設に設置されたマッサージ機を会費を支払って使用する登録会員であることなどを、使用者としての前提条件とすることはない。このため、購入等契約の対象となったマッサージ機について、その契約者以外の者を使用者に設定したり、施設設置のマッサージ機について、登録会員以外の者を使用者に設定して、特典による使用促進を様々な使用者に広げて適用することができる。
このように契約者(費用負担者)以外の者を使用者に設定すると、例えば、子(契約者)が親(使用者)にプレゼントとしてマッサージ機を贈って使ってもらうなどした場合、特典を享受できるのが親(使用者)なので、使用者が使用継続を強く願う動機付けになり、購入の場合は購入満足度が向上し、サブスクリプション型契約の場合は契約者の契約継続を促すことができる。
ただし、使用可否情報によるマッサージ機使用の可否の設定については、使用者の資格に応じてマッサージ機使用を細かく制限するようにしてもよく、例えば、ある契約者により購入等契約が結ばれたマッサージ機や、施設に設置されたマッサージ機については、使用可否情報において、上記の契約者や施設の運営管理者から特別にマッサージ機の使用許可を与えられた使用者のみに使用を許可し、それ以外の者には使用を許可しないようにしたり、有償での使用は許可するなどの付帯条件を付加したりすることができる。この場合、有償での使用を許可された使用者も、使用に応じて得られた特典情報を所定の価値と交換すれば、使用に伴って生じる有償使用料負担の一部又は全部を相殺するのと同じことになり、使用者の負担感の軽減が図れ、さらなる使用を促せる。
また、前記実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいて、管理サーバ90で登録済の使用者のマッサージ機使用に対応して記録、更新された特典情報については、使用者本人が所定の価値との交換を申請するなどして交換、使用できる構成としているが、これに限られるものではなく、登録済の使用者が、使用者本人と共に又は使用者に代わって、特典享受者として設定した他者に特典情報を交換、使用させるようにすることもできる。この他、マッサージ機の購入者(所有者)や、マッサージ機について期間限定の使用権の購入契約を行った契約者が、自らのマッサージ機を使用する所定の使用者について、管理サーバ90に登録して登録済の使用者とし、その使用者のマッサージ機使用に応じた特典情報が記録されるようにしたり、自らのマッサージ機を使用して得られた特典情報を交換、使用できる任意の特典享受者を設定する権限を、管理システムに対し有するようにすることもできる。
また、前記実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいては、管理サーバ90で使用者ごとの使用可否情報を管理し、使用者がマッサージ機10を使用しようとすると使用者に対応する使用可否情報が管理サーバ90から装置管理部70に送られ、装置管理部70でマッサージ機の作動可否の制御が行われる構成としているが、これに限らず、図8に示すように、装置管理部70が使用料金決済部78を有し、使用者による使用料金決済部78への金銭又は他の支払手段(プリペイドカードや電子マネーなど)での入金操作による所定額の入金に基づいて、装置管理部70が使用者のマッサージ機使用を可とする使用可否情報を生成、取得する構成とすることもできる。
この場合、使用者は、装置管理部70に対し、従来のコインタイマー同様の入金操作のみでマッサージ機10を使用することができ、マッサージを簡易に利用できることに加え、装置管理部70でのマッサージ機10の作動可否制御にあたり、装置管理部70の外部から情報を受け取る必要がなく、安全且つ速やかにマッサージを行える。また、装置管理部70での使用可否情報の取得が、管理サーバ90での処理を必要としないことで、より簡易でコストを抑えたシステムとすることができる。
なお、既存のコインタイマー付きのマッサージ機に、新たに装置管理部を設けて前記同様の構成とすることもでき、その場合、既設コインタイマーによるマッサージ機の作動可否制御を、装置管理部が代わって行うようにされ、コインタイマーは前記使用料金決済部として用いられて、使用者により入金操作がなされると、前記同様に装置管理部が使用可否情報を生成、取得することとなる。
また、前記実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいては、不特定多数の使用者がマッサージ機10を使用する可能性をあらかじめ想定して、装置管理部70が、まず使用者の個人識別情報を読み取り、この個人識別情報に基づいた使用者の使用可否情報を管理サーバ90から得るようにする構成としているが、これに限られるものではなく、例えば、マッサージ機が、月、年単位での使用権を購入させるサブスクリプション型の購入契約で使用者個人に貸し出されて使用されるものであるなど、使用者が一人のみと考えられ、管理サーバ90でマッサージ機の個体識別情報があれば、マッサージ機に係る契約時の登録情報からその使用者を判別できるようなマッサージ機の場合、こうしたマッサージ機の使用に際しては、装置管理部70による個人識別情報読み取りを省略する構成とすることもできる。この場合、さらに、契約期間は装置管理部70が使用可否情報を常に使用可として取り扱い、使用可否情報の取得も省略する構成とすることもでき、装置管理部70での処理を少なくできると共に、外部との情報のやり取りを省略でき、安全且つ速やかにマッサージを行える。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機管理システムを前記図9ないし図11に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ機管理システム2は、前記第1の実施形態同様、装置管理部70と、管理サーバ90とを備える構成を有する一方、異なる点として、装置管理部70がネットワーク100に直接接続されず、使用者の通信端末80を通じて管理サーバ90と各情報をやり取りする構成とされるものである。
なお、装置管理部70で作動可否を制御されるマッサージ機10は、前記第1の実施形態同様、椅子状に形成されて使用者の身体を支持しつつ、内蔵されたマッサージ機構を作動させ、使用者に対しマッサージを実行可能な公知の装置であり、詳細な説明を省略する。
前記装置管理部70は、前記第1の実施形態同様、検出部72と制御部74とを備えて、マッサージ機10についての使用者の使用可否情報を取得可能とされ、この使用可否情報に基づいてマッサージ機10の作動可否を制御し、且つ、使用者によるマッサージ機10の使用を検出して、この使用に係るマッサージ機10の使用状況情報を取得する構成を有する一方、異なる点として、前記第1の実施形態における読み取り部71と通信部73に代えて、使用者の通信端末80に接続されて通信を行う近接通信部75を備え、この近接通信部75により通信端末80を介してネットワーク100に接続され、通信端末80経由で管理サーバ90と通信を行い、使用者の使用可否情報を取得する構成である。
なお、前記検出部72は、前記第1の実施形態同様、マッサージ機10の一部の状態変化を検知し、これに基づいて、マッサージ機10が作動して使用者にマッサージを行っている使用状態を検出するものであり、詳細な説明を省略する。
また、前記制御部74は、前記第1の実施形態同様、マッサージ機10の作動可否を制御すると共に、検出部72で検出された使用者によるマッサージ機10の使用から使用時間を導き、これをマッサージ機10の使用状況情報として取得するものである。
装置管理部70が、近接通信部75及び通信端末80を通じて、使用者の個人識別情報に対応する使用可否情報を管理サーバ90より得ると、制御部74でこの使用可否情報を参照し、使用者がマッサージ機使用可とされていれば、マッサージ機10の使用を許可して、マッサージ機10をあらかじめ設定された所定時間の間、作動可能な状態とする。一方、使用可否情報において、使用者がマッサージ機使用不可とされていれば、制御部74はマッサージ機の使用を許可せず、マッサージ機を非作動状態に維持する仕組みである。
この制御部74における、使用可否情報に基づくマッサージ機の作動可否制御、及び、検出部72での検出に基づく、使用者のマッサージ機10の使用状況情報を取得する制御については、前記第1の実施形態同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記近接通信部75は、有線又は無線で使用者の通信端末80と通信を行い、通信端末80から送信される使用者の使用可否情報を受信すると共に、マッサージ機10の使用状態に係る使用状況情報を通信端末80に向け送信するものである。通信端末80との通信は、ケーブルを介した直接接続による通信、あるいは、例えば、ISO/IEC 18092で定義される近距離無線通信や、IEEE 802.11シリーズ、IEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。
この近接通信部75は、前記第1の実施形態における通信部73とは異なり、通信端末80を通じて、管理サーバ90から送信された使用可否情報を受け取り、且つ、使用状況情報を管理サーバ90に送信することとなる。
装置管理部70における処理は、まず、近接通信部75と通信端末80との通信状態確立に伴って、使用者の通信端末80に記録された個人識別情報を通信端末80から管理サーバ90に送信する。この後、装置管理部70は、通信端末80を通じて管理サーバ90からの使用者の使用可否情報の受信を待つ状態となる。
この場合、管理サーバ90では、個人識別情報を受信、取得すると、この個人識別情報に基づいて、あらかじめ記録された使用者ごとの使用可否情報のうち、前記個人識別情報に対応する使用者の使用可否情報を読出し、携帯端末80を通じて装置管理部70に送信する処理が行われる。
装置管理部70の近接通信部75で、管理サーバ90から送られた使用可否情報を受け取ると、この使用可否情報に基づいて、制御部74でマッサージ機の作動可否制御を行う。使用可否情報で使用者がマッサージ機使用可とされている場合、制御部74がマッサージ機10の使用を許可し、マッサージ機10を作動可能な状態とする。
このマッサージ機10への使用者の操作によりマッサージ機が作動し、実際に使用者へのマッサージにマッサージ機10が使用されると、装置管理部70では検出部72により使用を検出し、制御部74で使用状態が把握される。そして、使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は使用時間を使用状況情報として取得する。この使用状況情報は、近接通信部75より携帯端末80に送信され、あらかじめ記録された個人識別情報と関連付け、どの使用者による使用であるか判別可能な状態として、管理サーバ90に送信される。
前記管理用サーバ90は、前記第1の実施形態同様、所定のネットワーク100に接続され、装置管理部70で得られた使用状況情報をネットワークを通じて取得し、使用者ごとに使用状況情報から特典データを算出し、この特典データを積算記録した使用者ごとの特典情報を、使用者にネットワークを通じて閲覧可能とするサービスを実行可能なサーバとされる構成である。
本実施形態に係る管理サーバ90は、前記第1の実施形態における、装置管理部70で読み取られた個人識別情報を取得するのに代えて、マッサージ機近傍に存在する使用者の有する通信端末80と装置管理部70の近接通信部75との通信状態の確立、又は、使用者による通信端末80操作に基づいて、通信端末80から送信される、使用者の個人識別情報を取得することとなる。
また、管理サーバ90は、前記第1の実施形態における、使用者の使用可否情報をネットワーク100を通じて接続された装置管理部70に直接送信するのに代えて、使用者の使用可否情報を使用者の通信端末80経由で装置管理部70に送信することとなる。
さらに、管理サーバ90は、前記第1の実施形態における、マッサージ機の使用に伴って装置管理部70で得られた使用者の使用状況情報を、ネットワーク100を通じて接続された装置管理部70の送信部73から直接取得するのに代えて、使用者の使用可否情報を装置管理部70の近接送信部75から使用者の通信端末80経由で取得することとなる。
これらの点を除けば、管理サーバ90は、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記通信端末80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、IP通信網と接続して通信する機能を有する携帯電話やいわゆるスマートフォン、PDA(携帯情報端末)などの公知の装置であり、このうち、端末上でアプリケーションプログラムを実行可能であり、且つ、IP通信網への接続用の無線通信手段83とは別の、装置管理部70の近接通信部75と直接無線通信又は有線接続で通信する通信接続手段84と、個人識別情報等のデータを保持可能な記憶手段85とを有するものである。この通信端末80は、タッチパネル式の表示デバイス81を有して、表示デバイスが入力デバイス82を兼ねる構成である。
通信端末80は、使用者が通信端末80を装置管理部70の近接通信部75に近付けて、待機状態にあった前記通信接続手段84が近接通信部75からの電波を捕捉する、もしくは、待機状態にあった近接通信部75が通信接続手段84からの電波を捕捉して、通信接続手段84と近接通信部75との間で通信状態が確立すると、送信用プログラムを自動的に起動、実行することにより、又は、使用者の操作で送信用プログラムを起動、実行させられることにより、個人識別情報をネットワーク100を通じて管理サーバ90に送信する機能を有するものである。
この他、通信端末80は、管理サーバ90から送信された使用可否情報を受け取ると、装置管理部70の近接通信部75と通信を行って使用可否情報を装置管理部70にさらに送信したり、装置管理部70の近接通信部75から送信された使用状況情報を受け取ると、ネットワーク100を通じて使用状況情報を管理サーバ90にさらに送信できる仕組みである。
次に、本実施形態に係るマッサージ機管理システムによるマッサージ機の使用の管理と特典情報記録について説明する。前提として、マッサージ機10は装置管理部70により電源部60からの電力供給状態を制御され、装置管理部70により作動不可とされている間は、使用者による操作を受けてもマッサージ機が作動しない状態に維持する一方、装置管理部70により作動可とされると、使用者の操作を受けて直ちにマッサージを実行可能な起動状態となるものとする。
また、装置管理部70と情報をやり取りする管理サーバ90には、マッサージ機10を使用する使用者があらかじめ登録され、また、登録内容に応じたマッサージ機の使用可否情報や、その時点までの特典情報が使用者ごとに記録されているものとする。
まず、使用者が使用しようとする所定のマッサージ機10近傍の、装置管理部70の近接通信部75に対し、使用者の有する通信端末80を近付けたり、近接通信部75の上に置いたりするなどして、通信端末80と近接通信部75とが通信可能な状態とすると、通信端末80の通信接続手段84と近接通信部75との間で通信状態が確立し、それに伴って通信端末80で送信用プログラムが自動的に起動、実行される。この送信用プログラムの実行により、通信端末80は、記憶手段85に記録された使用者の個人識別情報をネットワーク100を通じて管理サーバ90に送信する。
この送信後、通信端末80は、管理サーバ90からの使用者の使用可否情報の送信を待ち受ける状態となる。
また、装置管理部70は、通信端末80と近接通信部75との間で通信状態が確立すると、通信端末80からの使用可否情報の送信を待ち受ける状態となる。
管理サーバ90は、ネットワーク100を通じて装置管理部70からの個人識別情報を受信、取得すると、この個人識別情報に基づいて、あらかじめ記録された使用者ごとの登録情報のうち、前記個人識別情報に対応する使用者の登録情報を抽出し、この登録情報から使用者の使用可否情報を取得して、通信端末80に送信する(図10参照)。
通信端末80は、管理サーバ90から送られた使用者の使用可否情報を受け取ると、この使用可否情報を通信接続手段84から装置管理部70の近接通信部75に送信する。
装置管理部70は、通信端末80から送られた使用可否情報を近接通信部75で受け取ると、前記第1の実施形態同様、この使用可否情報に基づくマッサージ機の作動可否制御を行う。制御部74は、使用可否情報を参照して、使用者がマッサージ機使用可とされていれば、制御部74はマッサージ機10の使用を許可して、マッサージ機10をあらかじめ設定された所定時間の間、作動可能な状態とする。また、使用可否情報において、使用者がマッサージ機使用不可とされていれば、制御部74はマッサージ機の使用を許可せず、マッサージ機をそれまでと同様の非作動状態に維持する。
装置管理部70の制御部74がマッサージ機10の使用を許可すると、前記第1の実施形態と同様、マッサージ機10では使用者のマッサージ実行を指示する操作を待つ状態となる。このマッサージ機10に対して使用者が正しい姿勢で着座し、操作部30からマッサージ実行を操作すると、マッサージ機10が作動する状態となり、必要に応じてマッサージ開始前の準備動作が自動実行された後、マッサージ機10自体の制御により、使用者が入力指示した内容のマッサージをマッサージ機10が実行する。
装置管理部70の制御部74がマッサージ機10を作動可能な状態としている中で、使用者がマッサージ機10を操作してマッサージを実行させ、マッサージ機を使用すると、前記第1の実施形態と同様に、マッサージ機10の使用状態が検出部72で検出される。制御部74はこの使用を把握し、使用者によるマッサージ機10の使用時間をカウントする。
使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は、マッサージ機が使用された時間を認定して、使用者についてマッサージ機の使用を許可したこの一回の使用機会における使用時間を、使用状況情報として取得する。装置管理部70は、使用状況情報を近接通信部75より通信端末80に送信する。
通信端末80は、装置管理部70の近接通信部75から送られた使用者の使用状況情報を通信接続手段84で受け取ると、この使用状況情報を個人識別情報と関連付け、いずれの使用者によるマッサージ機の使用であるかを判別可能な状態として、ネットワーク100を通じて管理サーバ90に送信する。
管理サーバ90は、使用状況情報をネットワーク100を通じて取得すると、前記第1の実施形態同様、使用状況情報に関連付けられた使用者を特定し、その使用者について、使用状況情報としてのマッサージ機使用の際における使用時間の長さに対応する特典データ(ポイント数)を算出し、この特典データを既存の特典情報に積算するよう記録して特典情報(合計ポイント)を更新する(図11参照)。同時に、管理サーバ90は、使用条件に変化のあった使用者について、使用可否情報を前記変化に対応したものに書き換える。
前記第1の実施形態と同様、管理サーバ90は、取得した使用状況情報について、この使用状況情報からわかる使用者のマッサージ機使用が、あらかじめ設定された正常な範囲を超えて行われたものであると認定すると、正常な範囲を超えた分の使用に対応する特典データについては、特典情報としての積算記録を行わない。
なお、通信端末80が携帯電話やスマートフォンの場合、端末ごとに識別可能な固有の情報を有していることに基づき、管理サーバ90に、あらかじめ登録された使用者とその使用者の通信端末80の識別情報を対応付けて記録するようにしておけば、通信端末80が管理サーバ90に使用可否情報の送信を要求する通信を行うと、管理サーバ90において、通信端末80との通信からその端末を識別し、あらかじめ記録されている識別情報と比較照合して使用者を特定し、使用者の使用可否情報を抽出して送信することができる。
また、通信端末から使用状況情報を管理サーバ90に送信する際も、使用状況情報のみ送信すれば、管理サーバ90は通信端末80との通信からその端末を識別し、前記同様使用者を特定でき、使用状況情報に対応した特典データを使用者の特典情報に加算する処理を滞りなく行える。こうして、管理サーバ90での使用者の特定の際に使用者側からの個人識別情報の送信を省略でき、安全性を高められる。
続いて、本実施形態に係るマッサージ機管理システムによる使用者への特典情報提示について説明する。
特典情報の更新と並行して、管理サーバ90は、使用者ごとに記録された特典情報を使用者に閲覧可能とするサービスとして、前記第1の実施形態同様、ネットワーク上でクライアントから特典情報を閲覧できるウェブサイトを提供する。合わせて、管理サーバ90は、前記ウェブサイトへのネットワークを通じた特典情報の閲覧を目的とするアクセスに対し、情報閲覧可否に係る個人認証を行い、この認証において受信した個人識別情報から、特典情報のある使用者であることを認定した場合のみ、この使用者の特典情報を閲覧する許可を与えるサービスを実行する。
使用者が特典情報を閲覧、確認したい場合には、この管理サーバ90が提供するウェブサイトに、使用者が例えば通信端末80を用いてアクセスし、ウェブページ上の指示に従い、個人認証用のページの入力部分に個人識別情報、例えば、ID番号と暗証番号、を入力して送信する。この個人識別情報が、管理サーバ90による認証で、特典情報のある使用者のものであることを認められると、使用者は管理サーバ90により特典情報を閲覧する許可を与えられ、使用者は、通信端末80を介して、ウェブページ画面に表示される画像情報や、スピーカから出力される音声情報である特典情報を閲覧、確認できる。
使用者が通信端末80で特典情報を確認する際、管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、使用者に対し特典情報とは異なるコンテンツ情報を特典情報と共に示すことができる。
特に、管理サーバ90が、コンテンツ情報として、広告情報を発する場合、使用者を対象とする広告情報を、使用者の特典情報を閲覧したい動機を利用して、的確に使用者に届けることが期待できる。
使用者が通信端末80を用いて管理サーバ90にアクセスし、特典情報を閲覧してその値を確認し、特典情報が交換、使用可能なものとなっている場合には、使用者は、通信端末80を用いて、管理サーバ90又は別のサーバで提供される特典情報の交換用サイトにアクセスして、交換を申請し、特典情報を所定の価値(商品、サービス、貨幣、金券、電子マネー、仮想通貨等の電子的決済手段、他の電子商取引サイトで利用可能なポイント、など)と交換して使用できる。使用者がポイントを交換、使用すると、その旨の情報を管理サーバ90で取得し、管理サーバ90は、特典情報から使用者が使用した分を減算して特典情報を更新する。
このように、本実施形態に係るマッサージ機管理システムは、使用者の有する通信端末80から送信された個人識別情報に基づいて、管理サーバ90が使用者の使用可否情報を抽出して通信端末80に送り、この通信端末80から送られた使用可否情報を装置管理部70が取得して、マッサージ機10の作動可否を制御し、マッサージ機10が使用可の場合に、使用者がマッサージ機10を作動させて使用できるようにし、且つ、装置管理部70が使用者のマッサージ機使用に基づいて得た使用状況情報を、通信端末80に一旦送り、この通信端末80から管理サーバ90へ使用状況情報が送信されることから、装置管理部70に代わって使用者の通信端末80が使用者の個人識別情報を管理サーバ90に送ると共に、管理サーバ90から使用可否情報を受け取り、また、通信端末80が使用状況情報を管理サーバ90へ送信することとなり、装置管理部70に、使用者の個人識別情報を読み取る入力手段や、装置管理部70をネットワーク100に接続する通信手段などの付加機構を設けずに済み、装置管理部70の構成を簡略化でき、コストを抑えられる。
なお、前記第1及び第2の各実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいて、装置管理部70は、マッサージ機10とは別の装置としてマッサージ機10近傍に設置され、この装置管理部70を、マッサージ機10の作動可否の制御及びマッサージ機使用の検出のために、マッサージ機10とこれに電力を供給する商用電源等の電源部60との間に介在するようにされる構成としているが、これに限られるものではなく、装置管理部をユニットとしてマッサージ機に取り付ける構成とすることもできる。
例えば、装置管理部の検出部と制御部を他部と分離させた形態としてマッサージ機の電源ケーブル近くに設けるようにする場合、装置管理部の読み取り部等を使用者のアクセスしやすいマッサージ機上部やマッサージ機操作部に設ける構成としてもかまわない。また、装置管理部70の読み取り部71が使用者の個人識別情報を読み取り可能で、且つ検出部72がマッサージ機10の使用状態を検出でき、さらに通信部73がネットワーク100を通じて管理サーバ90と通信可能とされるものであれば、装置管理部70はマッサージ機に一体化(内蔵)される構成とすることもできる。すなわち、外から見た限りでは、装置管理部の機能を有するマッサージ機が直接使用者の個人識別情報を読み取ったり、通信端末や管理サーバと通信を行うようになっていてもかまわない。
(本発明の第3の実施形態)
前記第1及び第2の各実施形態に係るマッサージシステムにおいては、装置管理部70で使用者の個人識別情報を読み取り、これを管理サーバ90に送信するか、通信端末80から個人識別情報を管理サーバ90に送信した後、管理サーバ90で個人識別情報に該当する使用者の使用可否情報を抽出させ、管理サーバ90から取得した使用可否情報に基づいて装置管理部70がマッサージ機の作動可否の制御を行う構成としているが、これに限らず、図12に示すように、使用者が有するICカード等の記録媒体88、又は通信端末80の記憶手段に、使用者の使用可否情報を記録し、装置管理部70が、前記記録媒体88もしくは通信端末80から使用可否情報を読み出して、又は、通信端末80から使用可否情報の送信を受けて取得し、得られた使用可否情報に基づいてマッサージ機の作動可否制御を行う構成とすることもできる。
この場合、管理サーバ90に一旦個人識別情報を送り、管理サーバ90で使用可否情報を抽出し、得られた使用可否情報を装置管理部70に送る過程が不要となり、使用可否情報の取得がネットワーク100でのトラフィックの影響を受けず、装置管理部70で速やかにマッサージ機10の作動可否を判断して、マッサージ機10を作動可能とすることができ、マッサージ可能となるまでの使用者の待ち時間を必要最小限にでき、使い勝手に優れると共に、マッサージによる使用者のリラックス状態へのスムーズな移行を妨げない。
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機管理システムを前記図13に基づいて説明する。
前記図13において本実施形態に係るマッサージ機管理システムは、前記第1の実施形態同様、装置管理部70と、管理サーバ90とを備える構成を有する一方、異なる点として、装置管理部70が使用可否情報を取得してマッサージ機10の作動可否を制御する過程を省略して、いずれの使用者もマッサージ機10を使用可能としつつ、使用者が登録済使用者である場合には、使用者の使用状況情報に対応した特定データの算出と特定情報の更新を行う構成とされるものである。
なお、装置管理部70で使用を検出可能とされるマッサージ機10は、前記第1の実施形態同様、椅子状に形成されて使用者の身体を支持しつつ、内蔵されたマッサージ機構を作動させ、使用者に対しマッサージを実行可能な公知の装置であり、詳細な説明を省略する。
前記装置管理部70は、前記第1の実施形態同様、読み取り部71と、検出部72と、通信部73と、制御部74とを備えて、使用者によるマッサージ機10の使用を検出して、この使用に係るマッサージ機10の使用状況情報を取得する構成を有する一方、異なる点として、使用者がマッサージ機を使用するにあたって、マッサージ機10についての使用者の使用可否情報の取得と、この使用可否情報に基づくマッサージ機10の作動可否制御を行わず、使用者によるマッサージ機10の使用をそのまま許容する構成である。
なお、前記読み取り部71、検出部72、及び通信部73は、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記制御部74は、前記第1の実施形態同様、検出部72で検出された使用者によるマッサージ機10の使用から使用時間を導き、これをマッサージ機10の使用状況情報として取得する一方、異なる点として、マッサージ機10の作動可否制御を実行しないものである。
この制御部74は、使用者がマッサージ機10を操作し、マッサージ機10を作動させてマッサージを実行させる、すなわち、使用者によりマッサージ機10が使用されると、この使用状態が検出部72で検出されることにより、使用を把握し、使用者によるマッサージ機10の使用時間をカウントする。制御部74は、この使用者による一回の使用機会における使用時間を、使用者のマッサージ機10の使用状況情報として取得することとなる。
装置管理部70における処理は、まず、読み取り部71で使用者から個人識別情報を読み取って取得した後、マッサージ機10への使用者の操作によりマッサージ機が作動し、実際に使用者へのマッサージにマッサージ機10が使用されると、装置管理部70では検出部72により使用を検出し、制御部74で使用状態が把握される。そして、使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は使用時間を使用状況情報として取得する。この使用状況情報は、先に取得した個人識別情報と関連付け、どの使用者による使用であるか判別可能な状態として、通信部73より管理サーバ90に送信される。
前記管理用サーバ90は、前記第1の実施形態同様、所定のネットワーク100に接続され、装置管理部70で得られた使用状況情報をネットワークを通じて取得し、使用者ごとに使用状況情報から特典データを算出し、この特典データを積算記録した使用者ごとの特典情報を、使用者にネットワークを通じて閲覧可能とするサービスを実行可能なサーバとされる構成である。
本実施形態に係る管理サーバ90は、前記第1の実施形態における、装置管理部70で取得された個人識別情報に基づいて使用可否情報を取得する処理を行わず、装置管理部70から個人識別情報が関連付けられた使用状況情報を受け取ると、この使用状況情報に関連付けられた個人識別情報で示される、使用状況情報に対応する登録済の使用者を登録情報から抽出、特定した上で、その使用者について、使用状況情報から特典データを算出し、この特典データを積算記録して特典情報とする仕組みである。そして、使用者ごとの登録情報に使用可否情報は含まれず、登録は特典情報の記録を個人ごとに行うためにされるものとなる。
これらの点を除けば、管理サーバ90は、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係るマッサージ機管理システムにおけるマッサージ機の使用の管理と特典情報記録について説明する。前提として、マッサージ機10は、電源部60からの電力供給状態を確保され、使用者による操作を受けると、直ちにマッサージを実行可能な起動状態にあるものとする。
また、装置管理部70と情報をやり取りする管理サーバ90には、マッサージ機10を使用する使用者のうち、マッサージ機の使用に応じて記録、更新される特典情報に基づくサービスを享受したい使用者があらかじめ登録され、その時点までの特典情報が使用者ごとに記録されているものとする。
まず、マッサージ機10を使用しようとする使用者のうち、登録済の使用者が、マッサージ機10近傍の、装置管理部70の読み取り部71に対し、ICカードを近付けたり、指の指紋のある面を押し当てたり、虹彩を撮像可能となるまで目を近付けたりするなどして、読み取り部71で使用者の個人識別情報を読み取り可能な状態にすると、読み取り部71がこうした個人識別情報を読み取ることで、装置管理部70が個人識別情報を取得する。
なお、マッサージ機10を使用しようとする使用者のうち、登録されていない他の使用者や、登録済使用者であってもマッサージ機の使用に応じた特典情報の更新なしにマッサージ機を使いたい使用者は、装置管理部70に個人識別情報を読み取らせることなく、そのまま公知の手順でマッサージ機10の操作部を操作し、マッサージ機10自体の制御により、使用者が操作指示した内容のマッサージを実行させ、マッサージ機10を使用することとなる。
装置管理部70で個人識別情報を取得する一方、マッサージ機10は、使用者のマッサージ実行を指示する操作を待つ状態にある。このマッサージ機10に対し、使用者が、正しい姿勢で着座し、マッサージ機10の操作部からマッサージ実行を操作すると、マッサージ機10が作動する状態となり、マッサージ機10自体の制御により、必要に応じてマッサージ開始前の準備動作が自動実行された後、使用者が入力指示した内容のマッサージをマッサージ機10が実行する。
こうして使用者がマッサージ機10を操作してマッサージを実行させ、マッサージ機10を使用すると、前記第1の実施形態と同様に、マッサージ機10の使用状態が検出部72で検出される。制御部74はこの使用を把握し、使用者によるマッサージ機10の使用時間をカウントする。
装置管理部70の制御部74は、制御部74にあらかじめ設定されていた、使用可能時間の間は、検出部72で検出したマッサージ機10の使用状態を、同じ一人の使用者によるものとして扱う。しかし、使用可能時間を超えて以降は、使用者が同一人であるとの認定が一旦解除され、新たに使用者によるマッサージ機10の操作がなされてマッサージが実行され、マッサージ機10の使用を検出する状態は、事前に先の使用者が個人識別情報を装置管理部70の読み取り部71に読み取らせるようにしない限り、別の使用者による使用と見なされる。
使用者のマッサージ機使用が終了すると、制御部74は、マッサージ機10が使用された時間を認定して、この使用者による一回の使用機会における使用時間を、使用状況情報として取得する。
装置管理部70は、使用状況情報を、最初に取得した個人識別情報やマッサージ機の個体を識別する情報と関連付け、いずれのマッサージ機のどの使用者による使用であるか判別可能な状態として、通信部73より管理サーバ90に送信する。なお、個人識別情報を取得していない場合には、装置管理部70は使用状況情報をマッサージ機の個体を識別する情報のみと関連付けた上で、通信部73より管理サーバ90に送信する。
管理サーバ90は、使用状況情報をネットワーク100を通じて取得すると、前記第1の実施形態同様、使用状況情報に関連付けられた個人識別情報が存在する場合は、その個人識別情報に基づいて使用状況情報に対応する使用者を特定し、その使用者について、使用状況情報としてのマッサージ機使用の際における使用時間の長さに対応する特典データ(例えば、ポイント数)を算出し、この特典データを既存の特典情報に積算するよう記録して特典情報(例えば、合計ポイント)を更新する(図13参照)。
続いて、本実施形態に係るマッサージ機管理システムによる使用者への特典情報提示について説明する。
特典情報の更新と並行して、管理サーバ90は、使用者ごとの特典情報を使用者に閲覧可能とするサービスとして、前記第1の実施形態同様、ネットワーク上でクライアントから特典情報を閲覧できるウェブサイトを提供する。合わせて、管理サーバ90は、前記ウェブサイトへのネットワークを通じた特典情報の閲覧を目的とするアクセスに対し、情報閲覧可否に係る個人認証を行い、この認証において受信した個人識別情報から、特典情報のある使用者であることを認定した場合のみ、この使用者の特典情報を閲覧する許可を与えるサービスを実行する。
使用者が特典情報を閲覧、確認したい場合には、この管理サーバ90が提供するウェブサイトに、使用者がクライアントとしてのコンピュータや通信端末80を用いてアクセスし、ウェブページ上の指示に従い、個人認証用のページの入力部分に個人識別情報、例えば、ID番号と暗証番号、を入力して送信する。この個人識別情報が、管理サーバ90による認証で、特典情報のある使用者のものであることを認められると、使用者は管理サーバ90により特典情報を閲覧する許可を与えられ、使用者はクライアントを介して特典情報を閲覧、確認できる。
使用者がクライアントで特典情報を確認する際、管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、使用者に対し特典情報とは異なるコンテンツ情報、例えば、広告情報、を特典情報と共に示すことができる。
使用者がクライアントを用いて管理サーバ90にアクセスし、特典情報を閲覧してその値を確認し、特典情報が交換、使用可能なものとなっている場合には、使用者は、クライアントを用いて、ネットワーク上の特典情報の交換用サイトにアクセスして、交換を申請し、特典情報を所定の価値と交換して使用できる。使用者が特典情報を交換、使用すると、その旨の情報を管理サーバ90で取得し、管理サーバ90は、特典情報から使用者が使用した分を減算して特典情報を更新する。
このように、本実施形態に係るマッサージ機管理システムは、マッサージ機の使用者が、マッサージ機の使用に応じた特典情報の記録を希望する登録済の使用者と、登録されていない他の使用者との両方となる場合であっても、使用に応じた特典を享受したい登録済の使用者については、装置管理部70で個人識別情報を取得すると共に、装置管理部70がマッサージ機10の使用時間に係る情報を装置管理部70で使用状況情報として取得し、この使用状況情報を管理サーバ90で収集し、管理サーバ90で使用者ごとに使用状況に応じた特典データを付与し、且つこの特典データを積算して使用者ごとの特典情報を得ることから、特典に基づいてマッサージ機10の使用動機を有する使用者は、装置管理部70に個人識別情報を読み取らせてからマッサージ機10を使用すると、使用時間に応じた特典情報の増大が見込め、登録されていない他の使用者によるマッサージ機10の使用を許容しつつ、登録済使用者がマッサージ機10を使用する機会を増やすよう促すことができ、マッサージ機の使用増加に伴って生じる利益の獲得が図れる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ機管理システムにおいて、使用者の登録は、特典情報を個別に記録するために行われるものであり、マッサージ機10の使用に際し登録の有無は問題にされない。そして、マッサージ機使用の際の、装置管理部70による個人識別情報の読み取りも、使用実績を確実に使用者本人の特典情報に反映させるためのもので、マッサージ機10の使用の前提とはなっていないため、個人識別情報取得の対象外である、登録されていない使用者もマッサージ機10を制限なく使用でき、また、登録済使用者が装置管理部70に個人識別情報を読み取らせる手順を省略しても、問題なくマッサージ機10を使用できる。
ただし、管理サーバ90は、原則として、使用状況情報に関連付けられた個人識別情報が存在しないと、使用状況情報から算出した特典データを個人ごとの特典情報に反映させる術がないことから、管理サーバ90が使用状況情報を取得する際に個人識別情報がない場合、例えば、上記の登録されていない使用者や、装置管理部70に個人識別情報を読み取らせなかった登録済使用者がマッサージ機10を使用する場合、この使用に対応した使用状況情報を管理サーバ90が受け取っても、管理サーバ90は特典データの算出とそれによる特典情報の更新記録を行わない。
しかし、これに限られるものではなく、管理サーバ90において、マッサージ機について、使用に基づく特典情報の記録、更新の対象とする標準の登録済使用者をあらかじめ設定して、使用状況情報と共に個人識別情報が得られない場合には、使用状況情報から算出した特典データを標準設定の登録済使用者の特典情報に積算記録する構成とすることもできる。すなわち、使用状況情報と共に個人識別情報が得られない場合には、その使用状況情報については、あらかじめ設定された所定の登録済使用者による使用に基づくものと見なして、特典情報の更新記録の処理を行うこととなる。
この場合、登録されていない使用者や、装置管理部70に個人識別情報を読み取らせなかった登録済使用者の使用に基づく特典データも、標準設定の登録済使用者の特典情報に反映させられることで、この登録済使用者が特典に基づいて自らマッサージ機を使用する動機を有するだけでなく、他者のマッサージ機使用も積極的に促すようになることが見込め、マッサージ機の使用全体を増やして、このマッサージ機の使用に伴って生じる利益のさらなる増大につなげられる。なお、管理サーバ90で使用状況情報と共に個人識別情報が得られる場合は、当然ながら、個人識別情報に対応した使用者の特典情報を更新する通常の処理がなされる。
そして、上記のように、使用者の登録は、特典情報を個別に記録するために行われることから、登録済の使用者はマッサージ機の使用の義務を課せられるわけではなく、登録を維持するために使用を強制されることもない。したがって、マッサージ機を使用しない登録済使用者も許容される。前記標準設定の登録済使用者としては、こうしたマッサージ機を使用しない使用者を設定することもでき、その場合、標準設定の登録済使用者は、本人によらないマッサージ機の使用に基づいて特典情報を記録され、その特典情報を交換使用できる、一種の特典享受者と言い替えることができる。