JP7254530B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7254530B2
JP7254530B2 JP2019005619A JP2019005619A JP7254530B2 JP 7254530 B2 JP7254530 B2 JP 7254530B2 JP 2019005619 A JP2019005619 A JP 2019005619A JP 2019005619 A JP2019005619 A JP 2019005619A JP 7254530 B2 JP7254530 B2 JP 7254530B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
image
bias
exposure amount
photosensitive drum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019005619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020112760A (ja
Inventor
貴之 金澤
賢治 進藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019005619A priority Critical patent/JP7254530B2/ja
Publication of JP2020112760A publication Critical patent/JP2020112760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7254530B2 publication Critical patent/JP7254530B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing For Electrophotography (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。ここで画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いてシートに画像を形成するもので、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタが含まれる。
(電子写真プロセス)
電子写真の画像形成のプロセスは、五つのプロセスから成り立っている。一つ目が帯電プロセス、二つ目が露光プロセス、三つ目が現像プロセス、四つ目が転写プロセス、五つ目が定着プロセスである。一つ目の帯電プロセスでは、帯電部材によって、静電潜像担持体としての電子写真感光体(感光ドラム)の表面を均一の電位に帯電させる。二つ目の露光プロセスでは、感光ドラム表面の均一の電位を、レーザースキャナ等の露光装置によって緩和し、所望の画像の静電潜像を形成する。三つ目の現像プロセスでは、現像装置によって、静電潜像の電位プロファイルに従って、電荷を帯びた現像剤を静電的に供給し、感光ドラム表面に、現像剤像を形成する。四つ目の転写プロセスでは、感光ドラム表面に形成された現像剤像を所望のシートに転写させる。五つ目の定着プロセスでは、シート上の現像剤像を定着装置による熱と圧によって定着する。このような電子写真の画像形成のプロセスを経て、シートに現像剤像が形成された印刷物が完成する。
(帯電プロセス)
帯電プロセスについて説明する。従来、感光ドラムを所定の電位に一様に帯電する帯電手段としては、低オゾン、低電力の利点を有することから、接触帯電装置が採用されている。接触帯電装置は、感光ドラムに当接させた帯電部材に電圧を印加して感光ドラムの帯電を行う方式の装置である。特に、帯電部材として帯電ローラを用いたローラ帯電方式の装置は、帯電安定性の点から好ましく、広く用いられている。また、帯電に用いる印加バイアスとしては、DCバイアスにACバイアスを重畳させたAC帯電方式と、DCバイアスのみのDC帯電方式がある。AC帯電方式に関しては、高価な高圧基板を用いるものの、感光ドラムの表面電位のコントロールが容易で、例えば1000Vの表面電位を次の帯電のタイミングで500Vに下げることや、除電(0V)を行うことができる。一方で、DC帯電方式では、高圧基板は安価なものの、一旦形成した感光ドラムの表面電位を下げることは難しいため、感光ドラムの表面電位を下げるためには感光ドラムの表面に露光を行うことが一般的である。
(転写プロセス)
加えて、転写プロセスについて説明する。従来、安価な転写方式として直接転写方式が広く用いられる。直接転写方式とは、紙等の出力物をシートとして用い、転写部材として転写ローラ等を用いて、転写部材と感光ドラムによって、出力物を挟み込む。ここで、転写部材に所望のバイアスを印加し、感光ドラムとの間に電位差を設けることによって、感光ドラムから出力物へ現像剤像を直接転写させる方式である。
(転写メモリ)
転写プロセスにおいては、帯電プロセスとは逆極性のバイアスを転写部材としての転写ローラに印加し、感光ドラムから出力物へ現像剤像を転写する。しかし、転写バイアスが大きいと、感光ドラムと転写ローラの間で放電が発生し、感光ドラム表面が逆極性に帯電することがある。この現象を転写メモリと呼ぶ。表面を逆極性に帯電されて転写メモリを生じてしまった感光ドラムは、次のタイミングの帯電プロセスで表面電位を均すことが困難である。そのため、感光ドラムと転写ローラの間の放電はなるべく抑制することが好ましい。
転写メモリの発生し易くなる条件として、直接転写方式において、感光ドラムと転写ローラの間に出力物としてのシートが介在していない状態で転写バイアスが印加されている場合が挙げられる。シートが介在していない状態とは、前回転中、紙間、後回転中など、シート状に現像剤像を転写していない状態である。ここで、紙間とは、連続してシートに画像を形成する時の、先行シートの後端とこの先行シートの次のシートである後続シートの先端との間のことである。感光ドラムと転写ローラの間に抵抗体であるシートが介在しない状態で、シートが介在する時と同様の転写バイアスが転写ローラに印加されると、感光ドラムと転写ローラの間で放電が起こり易くなる。
これを回避するために、感光ドラムの前回転中、紙間、後回転中に転写バイアスを低く設定する技術は一般的である。他の技術として、AC帯電方式を用いて感光ドラムの表面電位を転写バイアスの値に近づけることによって、放電現象を抑えることも考えられる。また、特許文献1のように、感光ドラムの非帯電面と帯電面の各々が、転写ローラと対向する位置を通過するのに同期させて、転写バイアスの設定を変更する技術が開示されている。
特開2013-218029号公報
しかし、近年の印刷(プロセス)スピードの高速化に伴い、特に紙間においては、先行するシートの後端の転写バイアスの立ち下げ、後続するシートの先端の転写バイアスの立ち上げの同期が間に合わない場合があった。同じ理由で、AC帯電方式における帯電バイアスのDC成分の立ち下げならびに立ち上げの同期が間に合わない場合があった。
そこで、本発明の目的は、感光ドラムの表面が転写ローラとの対向位置にて逆極性に帯電する転写メモリを低減することである。
上記目的を達成するため、本発明は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体の表面を露光する露光手段と、前記像担持体と対向する現像部において、前記像担持体の表面に正規極性に帯電した現像剤を供給して現像剤像を現像する現像剤担持体と、前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体の表面に形成された前記現像剤像をシートに転写する転写手段と、前記現像剤担持体に、DCバイアスにACバイアスを重畳した現像バイアスを印加する現像バイアス印加部と、前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加部と、前記露光手段と前記現像バイアス印加部と前記転写バイアス印加部と、を制御する制御部と、を有し、シートに画像形成を行う画像形成装置であって、前記制御部の制御により連続してシートに画像を形成するとき、前記像担持体の表面においてシート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域は、前記露光手段により画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光され、前記正規極性の前記DCバイアスが印加され前記ACバイアスがOFFされた状態で前記現像部を通過した領域であって、前記領域が前記転写部を通過するときに、前記転写手段には前記正規極性とは逆極性の前記転写バイアスが印加されることを特徴とする。
本発明によれば、感光ドラムの表面が転写ローラとの対向位置にて逆極性に帯電する転写メモリを低減することができる。
実施例1に係る画像形成装置のシーケンスチャート 画像形成装置の断面図 転写ローラの芯金印加バイアスと表面電位を示す図 (a)~(e)は感光ドラムの紙中、紙間の位相を表す状態図 画像形成装置の位置関係を示す図 露光発光量と感光ドラム表面電位の関係を示す図 実施例1に係る画像形成装置の別のバリエーションのシーケンスチャート 実施例2に係る画像形成装置の紙間露光の有無のフローチャート 実施例3に係る抵抗測定構成のブロック図 測定電流値と転写ローラ抵抗の関係を示す図 実施例3に係る画像形成装置の紙間露光の有無のフローチャート
以下、図面を参照して、本発明に適する実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。環境は特に断りが無い限り常温(23℃、50%)を想定する。
〔実施例1〕
(画像形成装置全体概要)
図2を用いて、本実施例に係る画像形成装置の画像形成プロセスを、配置部材と共に説明する。図2は、画像形成装置の断面図である。図2に示すように、画像形成装置本体Aのシートカセット12から搬送ローラ(不図示)によって紙等のシートPを搬送する。このシート搬送と同期して、像担持体である感光ドラム1を帯電手段である帯電ローラ2によって正規極性に帯電した後、露光手段である露光装置3により選択的な露光をして静電潜像を形成する。感光ドラム1と帯電ローラ2は回転体であり、図2に示す矢印の方向に回転する。露光装置3はレーザービームをポリゴンミラーによって反射させ、感光ドラム1表面を主走査及び副走査方向に露光する。
磁性一成分現像剤Tは現像剤収容室4から撹拌部材5によって、現像剤担持体である現像スリーブ6の近傍に供給される。現像スリーブ6は中空の回転体であり、内部に搬送部材であるマグネットローラ(不図示)を配置している。このマグネットローラの磁力によって現像スリーブ6の表面に現像剤Tが担持され、現像スリーブ6の回転により搬送される。更に現像ブレード7により現像スリーブ6表面に所望の量の現像剤Tが薄層担持される。
次に、現像スリーブ6に現像バイアスを印加することによって感光ドラム1と対向する現像部において感光ドラム1に現像剤Tを供給し、感光ドラム1上に潜像に応じた現像剤像を現像する。現像スリーブ6は、感光ドラム1に対して所定の間隔をあけて対向して設けられている。現像スリーブ6には不図示の現像バイアス印加部によりDCバイアスにACバイアスを重畳させた現像バイアスが印加されており、このクーロン力により現像剤Tが現像スリーブ6から感光ドラム1へ飛翔する。これをジャンピングAC現像と呼ぶ。次に感光ドラム1上に形成された現像剤像を、回転体である転写ローラ10に正規極性とは逆極性の転写バイアスを印加することによって、転写部に搬送されたシートPに転写する。シートPは定着装置11へ搬送されて、転写された現像剤像が定着され、排紙ローラ(不図示)によって装置上部の排紙部13に排出される。
感光ドラム1は転写終了後、転写残現像剤が残留する。この転写残現像剤をクリーニング手段として弾性を有するクリーニングブレード8によってクリーニングする。クリーニングされた現像剤は廃現像剤として、廃現像剤室9に貯留される。
図2に示す画像形成装置は、前述したように動作するよう各部を制御する制御部14を備えている。
以下に画像形成装置に使用される、現像剤、感光ドラム、帯電ローラ、露光装置、転写ローラなどに関して詳しく説明する。
(現像剤)
現像剤Tは、懸濁重合法により製造される重合トナーである。まず、スチレン系の重合性単量体及び着色剤(磁性粉体、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させ、重合性単量体組成物とする。この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有した連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散させ、同時に重合反応を行わせ、重量平均粒径が8μmである現像剤を得る。こうして得られた現像剤表面には、流動性や荷電性を整えるために、数nm~数十nmのシリカ等の粉末を外添する。本実施例の現像剤は、現像スリーブ6への薄層コートで負帯電するような材料を選択している。
(感光ドラム)
像担持体である感光ドラム1は、アルミシリンダ等の支持体の表面に、電気的バリア性を有する下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を積層させたものである。感光ドラム1の電荷輸送層は、帯電ローラ2と接触する最表面であり、ポリカーボネート樹脂等を用いる。感光ドラム1は、図2中の矢印方向に300mm/sのプロセススピードで回転駆動する。感光ドラム1は、同時に従動回転する帯電ローラ2の放電によって暗電位(-400V)に帯電される。感光ドラム1は、帯電後、露光装置3により所望の画像パターンに即した明電位(-100V)に露光されることで所望の静電潜像を実現する。
(帯電ローラ)
帯電手段である帯電ローラ2は、鉄、ステンレス(SUS)等の芯金上に、導電層としてヒドリンゴム等を用い、更に表層に保護層としてウレタンゴム等をコートした構成である。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接触配置されており、感光ドラム1の回転に対して図2に示す矢印の方向に従動回転する。帯電ローラ2には、不図示の帯電バイアス印加部が接続されており、この電源からDC電圧が印加されるように構成されている。具体的には、帯電ローラ2は、帯電バイアス印加部である電源から-900VのDC電圧が印加されることにより、感光ドラム1の表面を-400Vに均一帯電することができる。
(露光装置)
露光手段である露光装置3は、ビデオ信号に基づく画像情報をレーザー基板が受信すると、レーザー基板と電気的に接続されたレーザーからレーザービームが出射する。出射したレーザービームは、シリンドリカルレンズによって副走査方向のみ集光され、黒色樹脂等から成る光学箱に形成された光学絞りによって所定のビーム径に制限され、ポリゴンミラーの反射面に主走査方向に長い線状に集光される。ポリゴンミラーは、スキャナモータによって回転駆動され、入射したレーザービームを偏向する。偏向されたレーザービームは、fθレンズを通過し、長尺の折返しミラーで反射後、感光ドラム1上に集光、走査され、静電潜像を形成する。光学箱の上部開口は、樹脂等や板金等から成る光学蓋によって略閉塞される。光学箱と光学蓋とで露光装置3(スキャナユニット)の筐体を構成している。
本実施例に係る露光装置3は、第1の露光量(0.25μJ・cm-2)又は前記第1の露光量より大きい第2の露光量(0.40μJ・cm-2)で感光ドラム1の表面を露光することが可能である。この露光装置3の露光量の切り替えは、制御部14によってなされる。この露光量の切り替えについては後述する。
(転写ローラ)
転写手段である転写ローラ10は、金属芯金の外周に導電層を設けたスポンジローラである。転写ローラ10は、10^6~10^8Ωの抵抗値に調整されたイオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられる。転写ローラ10は、感光ドラム1の表面を一定の圧で押圧しており、感光ドラム1の表面に当接したニップ部(転写部)を形成している。この転写ローラ10と感光ドラム1のニップ部(転写部)に、紙等のシートPが搬送される。また、転写ローラ10は、不図示の転写バイアス印加部に接続されており、転写バイアス印加部である電源から所定の転写バイアスが転写ローラ10に印加されるようになっている。これにより、転写ローラ10と感光ドラム1のニップ部に転写電界が形成される。本実施例では、転写バイアスとして、+2000Vの直流電圧を転写ローラ10に印加し、転写電界を形成する引力転写方式を採用している。+2000Vという設定は、小さな値であると十分な転写が行われずに、転写不良を生じ、また大きすぎる値であると転写がムラになってしまうため、両者のバランスを鑑みて設定されている。転写不良や転写ムラが発生しない領域であれば、転写バイアスの設定は適宜なされるべきである。
転写プロセスにおいては、帯電プロセスとは逆極性(正規極性とは逆極性)の転写バイアスを転写ローラ10に印加し、転写部にて感光ドラム1に形成された現像剤像をシートPに転写する。しかし、転写バイアスがあまりに巨大であると、感光ドラム1と転写ローラ10の間で放電が行われ、感光ドラム1の表面が逆極性に帯電することがある。この現象を転写メモリと呼ぶ。表面が逆極性に帯電する転写メモリを生じてしまった感光ドラム1は、次のタイミングの帯電プロセスで表面電位を均すことが困難である。そのため、感光ドラム1と転写ローラ10の間の放電はなるべく抑制することが好ましい。そこで、転写ローラ10に印加する転写バイアスにおいて、感光ドラム1と転写ローラ10の間で放電しない閾値について説明する。
パッシェンの法則に従い、転写ローラ10の表面電位と感光ドラム1の表面電位の電位差が所望の値になった時に、放電が起こる。具体的には、常温、常圧下では、転写ローラ10の表面電位と感光ドラム1の表面電位の電位差Δが500V以上であると、放電のリスクがあるとされる。帯電プロセスの結果、感光ドラム1の表面電位は数Vオーダーの誤差でコントロールされ、例えば、-400Vに帯電後の表面電位が設定される。一方、転写ローラ10は、金属芯金に抵抗体であるスポンジを纏った構成である。そのため、金属芯金への印加バイアスは数Vオーダーの誤差でコントロールされているが、実際の転写ローラ10の表面電位はスポンジの劣化を含めた抵抗値によりバラつきを持つ。感光ドラム1の表面電位が-400Vの時、10^6Ωの抵抗値に調整された転写ローラ10の金属芯金への印加バイアスと、連続通紙中の紙間の転写メモリの関係は、以下の表1に示すようになる。表1において、○は転写メモリが発生せず、×は転写メモリが発生した場合である。ここで、紙間とは、図1に示すように、シートが連続通紙される時の、先行するシートの後端とこの先行するシートに後続するシートの先端との間のことである。
Figure 0007254530000001
表1に示す結果から、連続通紙中の紙間における転写ローラ10の金属芯金への印加バイアスは、+1500Vに閾値があることがわかる。図3に示すように、転写ローラ10の金属芯金への印加バイアスが+1500Vであれば、転写ローラ10のスポンジでの減衰分を考慮して、転写ローラ10の表面電位が+100V程度になっている。そのため、連続通紙中の紙間であっても、転写ローラ10の表面電位と感光ドラム1の表面電位との電位差Δが500Vになっていると考えられる。一方で、画像形成中は転写ローラ10の金属芯金への印加バイアスが+2000Vである。そのため、連続通紙中の紙間であると、転写ローラ10の表面電位は図3に示すように133V程度だと考えられ、感光ドラム1の表面電位との電位差Δは533Vになり、放電が生じ、転写メモリが生じてしまう。
続いて、転写ローラ10、帯電ローラ2、現像スリーブ6、露光装置3の各部材に印加する各バイアスの立ち上がり、立ち下がりについて説明する。高圧電源、露光装置の性能にもよるが、ファームウェア的に入力信号が発生してから、前記各部材に印加される電圧や出力光量が所望の設定値に落ち着くまで、時間を要する。これを立ち上がり、立ち下がりと呼ぶことにする。今回、連続通紙中の紙間の転写メモリを問題として、これらの時間的な同期について説明する。各部材に印加する各バイアスの立ち上がり、立ち下がりに要する時間を表2に示す。
Figure 0007254530000002
表2に示すように、バイアスのDC成分は所望の値を達成するまでに時間がかかる。一方で、バイアスのAC成分はクロック信号のOFF、ONで立ち下げ、立ち上げを行えるため、1msecで済む。また、露光装置は高圧電源に電圧がかかった状態であるならば、ダイオードに電流が流れ、発光するまでの時間は1nsecで済む。
転写ローラ10の表面電位と感光ドラム1の表面電位の電位差Δを小さくし、異常な放電を防ぐことによって、感光ドラム1の紙間に対応する領域の転写メモリの低減を図る。例えば、プロセススピードを300mm/sとして、紙間を20mmとすると、紙間に割ける時間は67msecである。仮に、紙間に対応したタイミングだけ、転写バイアスを下げようとすると、前述した立ち下げ、立ち上げが間に合わず、転写メモリ低減が不十分となり、転写不良を生じてしまう。一方で、立ち下げ、立ち上げの短い露光で、感光ドラム1の表面電位を下げることによって前記電位差Δを下げることは、紙間での同期を図りやすい。
また、露光装置3による露光プロセスを経た感光ドラム1は、その露光面が現像スリーブ6との対向位置を通過することとなる。ここで、現像スリーブ6に現像バイアスが印加されていると、現像スリーブ6から感光ドラム1への現像剤の現像(転移)が行われてしまう。そこで、現像スリーブ6から感光ドラム1への現像剤の現像(転移)が行われないように、現像スリーブ6への現像バイアスをオフする工夫も必要となる。
(実際のシーケンスと同期について)
以上を踏まえて、本実施例に係る画像形成装置のシーケンスについて、図4の状態図と図1のタイミングチャートを参照しながら説明する。図4は感光ドラム1の表面において、紙間と同期する領域を白塗り、紙を介在する領域(紙中)を網掛けで示している。図1は時間軸ではなく、感光ドラム1の位相に沿って示している。ここで、感光ドラム1の表面において、紙間と同期する領域とは、感光ドラム1の表面のシート間で転写ローラ10に当接する領域である。すなわち、感光ドラム1の表面の、先行するシートの後端とその先行するシートに後続するシートの先端との間で転写ローラ10に当接する領域である。
本実施例では、連続して紙に画像を形成するとき、制御部14が、露光装置3を制御して、感光ドラム1の表面の、先行するシートの後端とその先行するシートに後続するシートの先端との間の領域に、後述する第2の露光量で露光する露光プロセスを施す。次いで制御部14が、現像バイアス印加部(不図示)を制御して、感光ドラム1の表面の前記領域に、ACバイアスがOFFされた現像バイアスを印加する現像プロセスを施す。以下、詳しく説明する。
なお、以下の説明では、先行するシートを先行紙、先行するシートに後続するシートを後続紙、先行紙の後端と後続紙の先端の間を紙間、紙の先端から後端までの間を紙中という。
印刷開始の信号が入力されると印刷動作が始まる。印刷動作が始まり、紙が介在しない状態を前回転と呼ぶ。前回転中に印刷の準備として、感光ドラム1の回転が始まると共に、DCバイアスとして-900Vの帯電バイアスが印加され、感光ドラム1の表面電位が-400Vとなる。この状態のまま紙が搬送され始める。その後、画像パターンに合うタイミングで露光、現像、転写を行う。
図4(a)のタイミングの帯電プロセスに注目すると、紙の先端検知とは関係無く、前回転中と同様に、DCバイアスとして-900Vの帯電バイアスが帯電ローラ2に印加され、感光ドラム1の表面電位は-400Vとなる。
図4(b)は紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)が帯電ローラ2と当接する位置に到達したタイミングである。ここでも、紙中と同期する感光ドラム1の表面と同様にDCバイアスとして-900Vの帯電バイアスが帯電ローラ2に印加され、感光ドラム1の表面電位は-400Vとなる。
図4(b)は、視点を変えると、紙中と同期する感光ドラム1の表面の領域(網掛け)が露光装置3から露光を受けるタイミングでもある。所望の画像パターンに沿って露光を行うが、本実施例では、紙先端の検知からのタイミングで露光を開始する。位置関係は図5に示すようになっており、シートとしての紙の搬送方向の端部を検知するセンサ等の検知手段をTOPとして示した。TOPに紙先端が検知されてから、感光ドラム1と転写ローラ10が対向するニップ部に到達するまでの距離aを100mm、速度を300mm/secとすると、TOPからニップ部に到達するまでに333msec掛かる。一方、感光ドラム1の径を24mm、感光ドラム1の表面のニップ部から露光位置までの角度αを135°として、距離cは27.9mmとすると、感光ドラム1の表面のニップ部から露光位置までの時間は94msec必要である。従って、紙の先端検知後から333msec-94msec=238msec後に画像の先端位置を書き出す。図6の露光発光量と感光ドラム1の表面電位の関係光量から、-400Vの感光ドラム1の表面電位を全時間発光して-100Vに落とすことのできる第1の露光量である0.25μJ・cm-2の発光量をPWM(Pulse Width Modulation)制御して使用する。
図4(c)は紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)が露光装置3から露光を受けるタイミングである。すなわち、感光ドラム1の表面においてシート間で転写部を通過する感光ドラム1の領域(白塗り)は、露光装置3により画像形成時に露光される第1の露光量より大きい第2の露光量で露光される。紙のサイズをA4サイズとすると、その紙の先端から搬送方向の長さが297mm、時間が990msec進んだタイミングから紙間の始まりとなる。すなわち、連続通紙中において、先行紙の後端が、紙間の始まりのタイミングとなる。従って、238msec+990msec=1237msecのタイミングで、紙間の始まりとなり、紙間と同期する感光ドラム1の表面を、第1の露光量より大きい第2の露光量に切り替えて露光する。今回は、なるべく、感光ドラム1の表面電位を0Vに近づけるために、露光装置3の最大出力を全時間発光する。図6の露光発光量と感光ドラム1の表面電位の関係光量から、第2の露光量である0.4μJ・cm-2の光量を用いて、感光ドラム1の表面電位を-400Vから-40Vにする。露光装置3の出力変更に要する時間、すなわち露光量の切り替えに要する時間は、表2に示すように1nsecオーダーのため、事実上瞬間的である。
連続通紙中において、紙間の終わるタイミングは、先行紙の次の紙である後続紙の先端である。そこで、改めて次の紙である後続紙の先端検知の信号を受けて、そこから露光のタイミングを図る。従って、次の紙の先端検知後から238msec後に画像の先端位置を書き出す。このタイミングと同期して元の発光量0.25μJ・cm-2を設定する。すなわち、紙間から紙中に切り替わるタイミングで、露光装置3の光量を、第2の露光量から第2の露光量より小さい第1の露光量(元の光量)に戻す。
図4(c)は、視点を変えると、紙中と同期する感光ドラム1の表面の領域(網掛け)が現像スリーブ6から現像剤を現像されるタイミングでもある。感光ドラム1の径を24mm、感光ドラム1と転写ローラ10とのニップ部から現像位置までの角度βを90°として、距離bは18.84mmとすると、感光ドラム1と転写ローラ10とのニップ部から現像位置までの時間は63msec必要である。従って、後続紙の先端検知後から333msec-63msec=270msec後に画像の先端位置を現像し始める。現像スリーブ6に印加する現像バイアスは-200VのDC成分(DCバイアス)にVpp(peak-to-peak)=1200VのAC成分(ACバイアス)を重畳させ、現像を行う。
図4(d)は紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)が現像スリーブ6と対向する現像位置にて現像されるタイミングである。ここで、感光ドラム1の表面においてシート間で転写部を通過する領域(白塗り)は、すでに露光装置3により画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光された領域である。従って、紙間と同期する感光ドラム1の表面電位は、第2の露光量による露光により-400Vから-40Vに下げられている。そのため、DCバイアスにACバイアスが重畳された通常の現像バイアスが現像スリーブ6に印加されたままであると、この現像位置にて不必要な現像が行われる。そこで、これを避けるために、紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)が現像されるタイミングで、現像スリーブ6の現像バイアスをオフする。すなわち、感光ドラム1の表面においてシート間で転写部を通過する領域(白塗り)に、ACバイアスがOFFされた現像バイアスが印加された現像スリーブ6により現像する。詳しくは、現像バイアスは、-200VのDC成分は立ち下げ、立ち上げが間に合わないため変えずに、AC成分をVpp+1200Vから0Vに切り替える。すなわち、ACバイアスがOFFされ、DCバイアスのみの現像バイアスを現像スリーブ6に印加する。現像スリーブ6と感光ドラム1の間には、図4(d)に示すように所定の間隔(ここでは300μm)がある。このため、帯電後に第2の露光量で露光された感光ドラム1と、ACバイアスがOFFされ、DCバイアスのみの現像バイアスが印加された現像スリーブ6との電位差では、現像位置にて現像されることが無い。現像バイアスのAC成分を0Vに切り替えるタイミングに関しては、紙のサイズをA4サイズとすると、その紙の先端から搬送方向の長さが297mm、時間が990msec進んだタイミングから紙間の始まりとなる。すなわち、連続通紙中において、先行紙の後端が、紙間の始まりのタイミングとなる。従って、270msec+990msec=1260msecのタイミングで、現像バイアスのAC成分(ACバイアス)をOFFにする。AC成分の立ち下がり、立ち上がりは表2に示すように1msecであり、瞬間的である。
連続通紙中において、紙間の終わるタイミングは、先行紙の次の紙である後続紙の先端である。そこで、改めて次の紙である後続紙の先端検知の信号を受けて、そこから現像のタイミングを図る。従って、次の紙の先端検知後から270msec後に現像バイアスのAC成分を元のAC成分Vpp=1200Vに戻す。すなわち、紙間から紙中に切り替わるタイミングで、現像バイアス印加部による現像バイアスを、ACバイアスがOFFされた現像バイアスからACバイアスを元に戻した現像バイアスに戻す。
図4(d)は、視点を変えると、紙中と同期する感光ドラム1の表面の領域(網掛け)の現像剤像が転写ローラ10により転写されるタイミングでもある。転写は紙の先端が感光ドラム1と転写ローラ10が対向するニップ部(転写部)に到達するタイミングから行う。TOPに紙先端が検知されてから、その紙がニップ部に到達するまでの距離aを100mm、速度を300mm/secとして、時間が333msec掛かる。それに加え、転写バイアスの立ち上がりの分300msecを考慮して、紙の先端検知後から333msec-300msec=33msecのタイミングで転写バイアス+2000Vを転写ローラ10に印加する。
図4(e)は紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)の現像剤像が転写されるタイミングである。ここでは転写バイアスは立ち下げ、立ち上げが間に合わないため、紙間では紙中と同様の+2000VのDCバイアスを転写ローラ10に印加する。すなわち、紙間と同期する感光ドラム1の表面の領域(白塗り)が転写部を通過するときに、転写ローラ10には正規極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。転写バイアスが印加された転写ローラの表面電位は+133Vであるが、紙間に同期する感光ドラム1の表面電位は-400Vから-40Vに下げられているため、その電位差はΔ173Vである。このため、感光ドラム1の表面の紙間に対応する領域(白塗り)において、転写ローラ10と感光ドラム1の間で放電現象が発生することはない。
以上をまとめると、図1のようなシーケンスチャートになる。こうして、感光ドラム1表面の紙間に対応する領域が転写ローラ10との対向位置にて逆極性に帯電する転写メモリを低減することができた。
(シーケンスの順番について)
図1に示す本実施例のシーケンスを時間順に表記すると、以下の(1)~(6)の順になる。
すなわち、紙先端の検知を0msecとして、(1)紙先端の検知は0msec、(2)転写バイアス印加開始は33msecとなる。(3)第1の露光量(0.25μJ・cm-2)による露光開始は238msecとなる。(4)DCバイアスにACバイアスを重畳した現像バイアスの印加開始(DC+AC)は270msecとなる。(5)第2の露光量(0.4μJ・cm-2)による紙間露光開始は1237msecとなる。(6)ACバイアスがOFFされ、DCバイアスのみの現像バイアスの印加開始(DC)は1260msecとなる。
連続通紙中においては、先行紙の先端の検知を0msecとして(1)~(6)の順に行われ、次いで先行紙の次の後続紙の先端の検知を0msecとして(1)~(6)の順に行われ、繰り返される。
別の言い方をすると、複数枚の紙に連続して画像を形成するときの、画像保証を行う紙の搬送方向後端を画像保証後端と定義し、画像保証を行う紙の搬送方向先端を画像保証先端と定義する。そして、連続通紙して紙に画像形成したときに、先行紙の画像保証後端から次の後続紙の画像保証先端が感光ドラム1に接触するまでの間で、感光ドラム1上での位置関係が下流から上流(下流<上流)へと表記すると、以下の通りとなる。すなわち、先行紙の画像保証後端≦現像バイアスの交流電圧オフ<紙間用の第2の露光量による露光オン<先行紙の後端<後続紙の先端<紙間用の第2の露光量による露光オフ≦現像バイアスの交流電圧オン<後続紙の画像保証先端、という順になる。
(露光強度の設定について)
転写メモリを低減する観点では、感光ドラム1の表面電位と、転写ローラ10の表面電位の電位差Δが500V以内であれば良い。すなわち、紙中の光量である第1の露光量より強い紙間の光量である第2の露光量は、最大光量の露光でなくても、電位差Δが500Vを満たすように露光量を設定すればよい。先の実施例と異なり露光発光量を切り替えることができずに、紙中の値(固定値)しか取れない場合には、0.25μJ・cm-2の発光量でも放電しない条件の場合に設定できることもある。その場合、図7に示すようなシーケンスチャートになる。この時、転写ローラ10の表面電位が+133Vであるが、感光ドラム1の表面電位が-100Vのため、両者の電位差Δは233Vであり、電位差Δが500V以内であるため、転写ローラ10と感光ドラム1の間で放電現象が発生することはない。以上のようにして、転写メモリを低減することができる。
〔実施例2〕
実施例2に係る画像形成装置について説明する。本実施例に係る画像形成装置の概略構成は、前述した実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。本実施例では、紙間と同期する感光ドラム1表面に対して露光量の切り替えを行う点は前述した実施例1と同様であるが、その露光量の切り替えを行うか行わないかを判定するアルゴリズムを投入した点が前述した実施例1と異なる。本実施例では、感光ドラム1の摩耗量または機内の絶対水分量によって、紙間と同期する感光ドラム1表面に対する露光量の切り替え条件を限定している。以下、詳しく説明する。
選択する材料によるが、感光ドラム1は露光を受けすぎると、電荷発生層の劣化を生じることがある。その場合、明電位が十分に変化しない。例えば、-400Vの表面電位の感光ドラム1に、第1の露光量である0.25μJ・cm-2の発光量の露光を与えた場合に、劣化していない状態なら-100Vになったのが、劣化した状態で-110Vにしかならない場合がある。即ち、劣化により感度が悪くなる現象が生じる。これを防ぐために、紙間と同期する感光ドラム1表面で露光量を切り替える条件を限定することが考えられる。
感光ドラム1の電荷輸送層は印刷による摩耗で次第に薄くなるものであるが、電荷輸送層の摩耗が少ない程(膜厚が厚い程)転写メモリは生じ易い。これは静電容量が小さいことにより、放電による電荷変動の影響が大きいためと考えられる。実際に印刷による摩耗の程度を見積もるために、感光ドラム1の回転数をカウントしておき、カウントに応じて感光ドラム1表面の紙間に対応する領域に対する第2の露光量による露光の有無を設定する。
常温、常圧下での放電現象を説明してきたが、絶対湿度、即ち、絶対水分量の大きな環境の方が放電現象が起こり易い。これは、水分が介在して絶縁破壊が起こり易いためである。絶対水分量の大きな条件は高温、高湿下であるため、画像形成装置内に温度センサ、湿度センサを設ける。そして、これらセンサの検知結果に応じて、感光ドラム1表面の紙間に対応する領域の露光の有無を選択する。絶対水分量は、相対湿度(%)と温度(℃)を変数として、Tetensの式(1930)と気体の状態方程式から、以下のように表される。
絶対水分量(g/m^3)=((109.98×相対湿度×10^(7.5×温度)/(273.15+温度))/(8.31×(273.15+温度))
本実施例では、制御部14は、感光ドラム1の摩耗量に基づいて、感光ドラム1の表面の先行紙の後端と後続紙の先端との間の領域に対する第2の露光量による露光の有無を判定する。
さらに制御部14は、絶対水分量に基づいて、感光ドラム1の表面の先行紙の後端と後続紙の先端との間の領域に対する第2の露光量による露光の有無を判定する。
(実際のシーケンス)
以下、実際のシーケンスについて詳しく説明する。本実施例では、感光ドラム1の電荷輸送層の膜厚は初期25μmのものを用いる。感光ドラム1の電荷輸送層の膜厚は、印刷と共に摩耗して減少する。閾値に関しては、以下の表3に示す転写メモリのレベルと膜厚、絶対水分量の相関のデータを参考にする。
Figure 0007254530000003
以上より、感光ドラム1の電荷輸送層の膜厚の閾値を18μm以上、絶対水分量の閾値を7g/m^3とする。感光ドラム1の電荷輸送層の厚さ18μmに相当する感光ドラム1の回転数については、本機種の場合、連続二枚通紙毎休止するモードで、感光ドラム1の回転数130000回転のため、これを閾値(所定値)とする。
図8に本シーケンスのフローチャートを示す。制御部14(図1参照)は、印刷動作と共に感光ドラム1の回転数をカウントし、画像形成装置内に設けられた記憶手段である不揮発メモリ(不図示)にカウント結果を保存しておく。また、制御部14は、画像形成装置内に設けられた検知手段である温湿度センサ(不図示)を用いて機内の温湿度をモニターし、先に示した計算式に従って絶対水分量に変換し、その検知結果を保存しておく。
図8に示すように、画像形成動作が始まるタイミングで(スタート)、感光ドラム1の回転数が所定値未満かどうかを判定する(ステップS11)。感光ドラム1の回転数が閾値である所定値(130000回転)未満であった場合は(N)、感光ドラム1の表面の先行紙の後端と後続紙の先端との間の領域に対する第2の露光量による紙間露光を行わない(ステップS12)。一方、感光ドラム1の回転数が所定値以上であった場合には(Y)、次の判定に移る(ステップS13)。
次に、感光ドラム1の回転数が所定値以上であった場合に、絶対水分量が所定値以上かどうかを判定する(ステップS13)。絶対水分量が所定値(7g/m^3)以上でなかった場合は(N)、紙間露光を行わない(ステップS14)。絶対水分量が所定値以上であった場合には(Y)、紙間露光を行う(ステップS15)。
以上のようにして、感光ドラム1の摩耗量または機内の絶対水分量によって、紙間と同期する感光ドラム1表面に対する露光量の切り替え条件を限定することで、感光ドラム1の劣化を防ぎつつ転写メモリを低減することができた。
〔実施例3〕
実施例3に係る画像形成装置について説明する。本実施例に係る画像形成装置の概略構成は、前述した実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。本実施例では、紙間と同期する感光ドラム1表面に対して露光量の切り替えを行う点は前述した実施例1と同様であるが、その露光量の切り替えを行うか行わないかを判定するアルゴリズムを投入した点が前述した実施例1と異なる。実施例2と異なる点は、本実施例では、転写ローラ10の抵抗によって、紙間と同期する感光ドラム1表面に対する露光量の切り替え条件を限定している。以下、詳しく説明する。
同じ転写バイアスを印加している時、感光ドラム1と転写ローラ10の間に紙が介在するときに比べ、紙が介在しないときは、紙の分の抵抗が下がり大電流が流れ、放電が起こり易く転写メモリも生じやすい。抵抗に関しては、感光ドラム1自身と転写ローラ10自身の抵抗も影響する。特に転写ローラ10は、抵抗変動が大きく、通電劣化によって通紙を経る毎に抵抗が高くなる。また、機内温度の影響を受け、低温環境の方が高くなる。
これらを総じて図9に示すようなブロック図で表される抵抗検出手段を機内に設置し、画像形成を行わないタイミングで、転写ローラ10の抵抗値を算出している。感光ドラム1と転写ローラ10のニップ部に紙を介在させない状態で、定圧電源15から転写ローラ10に定電圧を印加する。そのときの感光ドラム1の電流値から、制御部14が転写ローラ10の抵抗値を算出している。この算出した転写ローラ10の抵抗値に基づいて、感光ドラム1の表面の先行紙の後端と後続紙の先端との間の領域に対する第2の露光量による露光の有無を判定する。
感光ドラム1の電荷輸送層の膜厚は初期25μmのものを用いて、以下の環境下で転写メモリのレベルを見た。温度32.5℃、湿度80%、絶対水分量21.7g/m^3の条件下で、転写ローラ10に+500Vの直流電圧を印加し、感光ドラム1に-400Vの電位を持たせたとき、抵抗違いの転写ローラ10を用いて測定を行い、転写メモリのレベルを見た。転写ローラ10の抵抗値と転写メモリの関係を表4に示す。表4において、○は転写メモリが発生せず、×は転写メモリが発生した場合である。
Figure 0007254530000004
以上より、転写メモリの発生しにくい転写ローラ10の抵抗値として、閾値を10^8Ωとする。図9に示す抵抗算出手段から算出される電流値としては、予め測定しておいた図10の測定電流値と転写ローラ10の抵抗値の関係のグラフから4μAを閾値とする。
図11に本シーケンスのフローチャートを示す。ジョブの開始のタイミングで(スタート)、通紙前に転写ローラ10から感光ドラム1へ+500Vの電圧が印加され、その電流値を計測し、転写ローラ10の抵抗値を見積もる。その検知結果に応じて、転写ローラ10の抵抗値が閾値である所定値(10^8Ω)未満かどうかを判定する(ステップS21)。転写ローラの抵抗値が、所定電流(4μA)を超える値、すなわち所定値(10^8Ω)未満でなかった場合は(N)、感光ドラム1の表面の先行紙の後端と後続紙の先端との間の領域に対する第2の露光量による紙間露光を行わない(ステップS22)。転写ローラの抵抗値が、所定値未満であった場合には(Y)、紙間露光を行う(ステップS23)。
本件の場合、転写ローラ10に定電圧を印加して、転写ローラ10の抵抗値を算出したが、これに限定されるものではない。例えば、転写ローラ10に定電流を印加して、転写ローラ10の抵抗値を算出しても良い。また、本件の場合、感光ドラム1との合成抵抗値を読み取ることになるが、転写ローラ10を単独で抵抗値を読み取るような回路を用いても良い。
以上のようにして、転写ローラ10の抵抗によって、紙間と同期する感光ドラム1表面に対する露光量の切り替え条件を限定することで、感光ドラム1の劣化を防ぎつつ転写メモリを低減することができた。
なお、前述した実施例では、感光ドラムの表面のシート間で転写ローラと当接する領域に、露光装置により画像形成時の露光量より大きい第2の露光量で露光し、ACバイアスがOFFされた現像バイアスが印加された現像スリーブにより現像した。しかし、これに限定されるものではない。感光ドラムの表面のシート間で転写ローラと当接する領域に、露光装置により画像形成時の露光量より大きい第2の露光量で露光するだけであってもよい。この場合でも、感光ドラムの劣化を防ぎつつ転写メモリを低減することができる。
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であってもよい。また、シート担持体を使用し、該シート担持体に担持されたシートに各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であってもよい。あるいは、中間転写体を使用し、中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、中間転写体に担持されたトナー像をシートに一括して転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
A …画像形成装置本体
T …現像剤
1 …感光ドラム
2 …帯電ローラ
3 …露光装置
6 …現像スリーブ
10 …転写ローラ
14 …制御部

Claims (12)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記像担持体の表面を露光する露光手段と、
    前記像担持体と対向する現像部において、前記像担持体の表面に正規極性に帯電した現像剤を供給して現像剤像を現像する現像剤担持体と、
    前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体の表面に形成された前記現像剤像をシートに転写する転写手段と、
    前記現像剤担持体に、DCバイアスにACバイアスを重畳した現像バイアスを印加する現像バイアス印加部と、
    前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加部と、
    前記露光手段と前記現像バイアス印加部と前記転写バイアス印加部と、を制御する制御部と、
    を有し、シートに画像形成を行う画像形成装置であって、
    前記制御部の制御により連続してシートに画像を形成するとき、前記像担持体の表面においてシート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域は、前記露光手段により画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光され、前記正規極性の前記DCバイアスが印加され前記ACバイアスがOFFされた状態で前記現像部を通過した領域であって、前記領域が前記転写部を通過するときに、前記転写手段には前記正規極性とは逆極性の前記転写バイアスが印加されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記露光手段は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において、先行するシートの後端に対応する位置にて前記画像形成時の露光量から前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量に切り替えられ、前記先行するシートに後続するシートの先端に対応する位置にて前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量から前記画像形成時の露光量に切り替えられて露光することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像バイアス印加部は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において、先行するシートの後端に対応する位置から前記ACバイアスがOFFされた現像バイアスを前記現像剤担持体に印加し、前記先行するシートに後続するシートの先端に対応する位置から前記ACバイアスを元に戻した現像バイアスを前記現像剤担持体に印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. シートの搬送方向の端部を検知する検知手段を有し、
    前記制御部は、前記検知手段からの信号に基づいて、前記露光手段と前記現像バイアス印加部を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記像担持体の摩耗量に基づいて、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域における前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量による露光の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記像担持体の回転数が所定値未満の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光せず、前記像担持体の回転数が所定値以上の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、絶対水分量に基づいて、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域における前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量による露光の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、絶対水分量が所定値未満の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光せず、前記絶対水分量が所定値以上の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記転写手段の抵抗値に基づいて、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域における前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量による露光の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記転写手段の抵抗値が所定値以上の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光せず、前記転写手段の抵抗値が所定値未満の場合は、シート間で前記転写部を通過する前記像担持体の領域において前記画像形成時に露光される露光量より大きい露光量で露光することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記現像剤担持体は、前記像担持体に対して所定の間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記転写手段は、金属芯金の外周に導電層を設けたスポンジローラであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
JP2019005619A 2019-01-17 2019-01-17 画像形成装置 Active JP7254530B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019005619A JP7254530B2 (ja) 2019-01-17 2019-01-17 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019005619A JP7254530B2 (ja) 2019-01-17 2019-01-17 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020112760A JP2020112760A (ja) 2020-07-27
JP7254530B2 true JP7254530B2 (ja) 2023-04-10

Family

ID=71667702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019005619A Active JP7254530B2 (ja) 2019-01-17 2019-01-17 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7254530B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003262993A (ja) 2002-03-11 2003-09-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2004198815A (ja) 2002-12-19 2004-07-15 Canon Inc 画像形成装置
JP2006276256A (ja) 2005-03-28 2006-10-12 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及び画像欠陥抑制処理監視方法
JP2007232881A (ja) 2006-02-28 2007-09-13 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2005070311A5 (ja) 2003-08-22 2008-09-25
JP2018120219A (ja) 2017-01-26 2018-08-02 キヤノン株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0229761A (ja) * 1988-07-20 1990-01-31 Canon Inc 画像形成装置
JP2897698B2 (ja) * 1995-10-31 1999-05-31 日本電気株式会社 画像形成方法
JPH11133809A (ja) * 1997-10-27 1999-05-21 Canon Inc 画像形成装置
JP2005070311A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Canon Inc 画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003262993A (ja) 2002-03-11 2003-09-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2004198815A (ja) 2002-12-19 2004-07-15 Canon Inc 画像形成装置
JP2005070311A5 (ja) 2003-08-22 2008-09-25
JP2006276256A (ja) 2005-03-28 2006-10-12 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及び画像欠陥抑制処理監視方法
JP2007232881A (ja) 2006-02-28 2007-09-13 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2018120219A (ja) 2017-01-26 2018-08-02 キヤノン株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020112760A (ja) 2020-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5253487B2 (ja) 画像形成装置
JP2010134478A (ja) 画像形成装置
JP5197264B2 (ja) 画像形成装置
JP4939164B2 (ja) 画像形成装置
US10656580B2 (en) Image forming apparatus controlling charging bias and transfer bias
US10394156B2 (en) Image formation apparatus controlling charging voltage and development voltage
US10423114B2 (en) Power supply device, image forming apparatus, and output control method
JP2017032777A (ja) 画像形成装置
JP5847647B2 (ja) 画像形成装置
US8412064B2 (en) Image forming apparatus to control photosensitive member irradiation
US9880495B2 (en) Developer container, developing apparatus, process cartridge, and image forming apparatus for detecting an amount of developer based on a change in electric capacitance
JP2000293019A (ja) 画像形成装置
JP7254530B2 (ja) 画像形成装置
JP2018120219A (ja) 画像形成装置
JP2002207351A (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JP5921210B2 (ja) 画像形成装置
US10295930B2 (en) Applied voltage control device, image forming apparatus, method, and non-transitory computer-readable storage medium that control an alternating current development voltage applied to move a developer
US11960219B2 (en) Image forming apparatus for forming images on sheets by using toner
US11934131B2 (en) Image forming apparatus with a laser power correcting feature
JP5328470B2 (ja) 画像形成装置
JP2011237712A (ja) 画像形成装置
JP2009251171A (ja) 画像形成装置
JP2010151981A (ja) 画像形成装置
JP2022178430A (ja) 画像形成装置及び帯電バイアス調整方法
JP2017068041A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230329

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7254530

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151