JP2000293019A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000293019A
JP2000293019A JP11104248A JP10424899A JP2000293019A JP 2000293019 A JP2000293019 A JP 2000293019A JP 11104248 A JP11104248 A JP 11104248A JP 10424899 A JP10424899 A JP 10424899A JP 2000293019 A JP2000293019 A JP 2000293019A
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forming apparatus
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JP11104248A
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Atsutoshi Ando
温敏 安藤
Koichi Suwa
貢一 諏訪
Masaru Sunahara
賢 砂原
Tadashi Onimura
正 鬼村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写材の裏汚れや連続プリント時に画像先端
部の濃度アップを生じず、安定した画像を得ることがで
きる画像形成装置を提供すること。 【構成】 少なくとも回転する感光体(像担持体)1
と、該感光体1の表面を均一に帯電する帯電ローラ(帯
電手段)2と、感光体1上に形成された静電潜像を顕像
化する現像器(現像手段)4と、顕像化された像を、転
写材の裏側に接触した転写部材に電圧を印加することに
よって転写材に転写する転写ローラ(転写手段)5を有
する画像形成装置において、連続プリント時に転写材を
介在しないで前記転写ローラ5の電圧を直接受けた前記
感光体1の表面部分が前記帯電ローラ2との対向部を通
過するときに、前記帯電ローラ2に印加する電圧の直流
成分の絶対値を他の部分に印加する電圧の直流成分の絶
対値よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体を均一に
帯電させる帯電手段を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像担持体としての感光ドラム、感光ベル
ト等の回転する感光体の表面に形成した可転写像を紙、
OHPフィルム等の転写材に転写する工程を含む周知の
画像形成装置において、感光体とこれに圧接された転写
ローラ、転写ブレード等の転写部材とで当接形成された
転写部位に前記転写材を通過させるとともに、該転写部
材に転写バイアスを印加し、これによって形成される電
界の作用で感光体側のトナー像を転写材に転移させるよ
う構成された接触転写手段は既に知られている。この接
触転写手段は、従来のコロナ転写手段と比較して転写材
との密着性に優れることによる高画質化と高速化が可能
であるとともに、人体に有害なオゾンの発生量が少ない
等のメリットを有している。
【0003】画像形成時において複数枚の転写材に連続
して印字する際、転写材と転写材の間に、転写手段と感
光体の間に転写材が介在しない部分(以後、「紙間」と
称する)が生じる。
【0004】接触転写手段を用いた画像形成装置では、
紙間において転写手段が感光体に接触しているため、感
光体上に付着した通常とは逆の極性に帯電した現像剤
(以後「反転トナー」と称する)が転写部材に付着する
という問題が生じる。反転トナーが転写部材に付着した
状態で再び2枚目以降の転写材が転写部に入った際、転
写部材に印加される電圧によって反転トナーが転写材の
裏面に付着し、これにより転写材の裏汚れが発生する。
【0005】転写材の裏汚れが発生した場合、特に両面
印刷を行っている場合には転写材の裏面も画像面として
使用されるために画質上重大な問題となる。又、転写材
の裏面に付着した現像剤が転写材に定着される際に定着
ローラや加圧ローラに付着して蓄積し、現像剤が定着ロ
ーラや加圧ローラに一定以上蓄積すると、定着の際に転
写材に現像剤が逆流して画像欠陥を生じるという問題が
あった。このため、接触転写手段を用いた画像形成装置
においては、紙間においても転写部材に画像転写時と同
極性の電圧を印加することが一般に行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙間に
おいて転写部材に画像転写時と同極性の電圧を印加する
場合、感光体に転写材が介在することなく転写部材から
電圧が直接印加されるこことになる。このため、紙間に
相当する感光体表面の電位が他の部分に比べて帯電極性
と逆側にシフトした電位を持つことになる。この部分は
帯電手段による帯電後も通常の帯電電位より低い電位し
か持たないため、紙間相当部分ではそれ以外の部分に比
べて画像濃度が濃くなる。
【0007】連続プリント時には感光体上の紙間相当部
が2枚目以降の画像先端部に掛かるため、連続プリント
時の2枚目以降の画像先端部分において濃度の段差が生
じてしまうという転写メモリの問題が発生する。
【0008】上記現象の発生を防ぐためには、紙間にお
いて転写部材に画像転写時と同極性の電圧を印加しない
ことが必要であるが、前述のように紙間において転写部
材に画像転写時と同極性の電圧を印加しない場合には転
写材の裏汚れ、定着ローラや加圧ローラの汚れを招くた
めに好ましくなく、転写部材に電圧を印加しても濃度段
差が生じない手段が求められていた。
【0009】従って、本発明の目的とする処は、転写材
の裏汚れや連続プリント時に画像先端部の濃度アップを
生じず、安定した画像を得ることができる画像形成装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、少なくとも回転する像担持
体と、該像担持体表面を均一に帯電する帯電手段と、該
像担持体上に形成された静電潜像を顕像化する現像手段
と、顕像化された像を転写材の裏側に接触した転写部材
に電圧を印加することによって転写する転写手段を有す
る画像形成装置において、連続プリント時に転写材を介
在しないで前記転写手段の電圧を直接受けた前記像担持
体の表面部分が前記帯電手段との対向部を通過するとき
に、前記帯電手段に印加する電圧の直流成分の絶対値を
他の部分に印加する電圧の直流成分の絶対値よりも大き
くすることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記帯電手段に印加する電圧の変化量を外
部記憶手段に記録された情報に基づいて決定することを
特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記外部記憶手段に記録される情報が書き
換え可能であることを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記転写部材に流れる電流値を検知し、検
知された電流値によって前記帯電手段に印加する電圧の
変化幅を可変としたことを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記帯電部材に流れる電流値を検知し、検
知された電流値によって前記帯電手段に印加する電圧の
変化幅を可変としたことを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、画像形成装置本体内の温度或は湿度を検知
する検知手段を有し、該検知手段からの情報に基づいて
前記帯電手段に印加する電圧の変化幅を可変としたこと
を特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1〜5又は
6記載の発明において、前記帯電手段に印加する電圧を
変化させる際に、変化前電圧と変化後電圧を2段階以上
又は連続的に変化させることを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1〜6又は
7記載の発明において、少なくとも像担持体と外部記憶
手段を一体に有するプロセスカートリッジを画像形成装
置本体に対して着脱可能に装填したことを特徴とする。
【0018】従って、請求項1記載の発明によれば、紙
間で転写部材から画像形成時と同極性の電圧が印加され
ることにより像担持体表面に電位の段差が生じた場合に
おいても、帯電手段からの帯電電圧をその分だけ高くす
ることによって連続プリント時の2枚目以降の画像の濃
度差を極力小さく抑えることができる。
【0019】請求項2記載の発明によれば、転写部材の
抵抗やその他の変動要因に従って帯電DC電圧を適切に
コントロールして更に安定した画像を得ることができ
る。
【0020】請求項3記載の発明によれば、転写部材の
抵抗やその他の変動要因をより的確にリアルタイムに近
い状態で検知し、その検知結果に基づいて帯電DC電圧
をより適切にコントロールして更に安定した画像を得る
ことができる。
【0021】請求項4又は5記載の発明によれば、転写
部材の抵抗値により帯電DC電圧の変化幅をより適切に
コントロールして更に安定した画像を得ることができ
る。
【0022】請求項6記載の発明によれば、画像形成装
置内部の環境状態により帯電DC電圧の変化幅を適切に
コントロールして更に安定した画像を得ることができ
る。
【0023】請求項7記載の発明によれば、紙間で転写
部材から画像形成時と同極性の電圧が印加されることか
ら生じる連続プリント時の2枚目以降の画像先端におけ
る濃度の段差を小さく抑えることができ、帯電手段に印
加する電圧を変化させる場合に濃度の段差をより目立た
なくすることができる。
【0024】請求項8記載の発明によれば、請求項2〜
6記載の発明と同様に、転写部材の抵抗やその他の変動
要因に従って帯電DC電圧を適切にコントロールして更
に安定した画像を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0026】<実施の形態1> (1)画像形成装置例:図1は本発明の実施の形態に係
る画像形成装置であるレーザービームプリンタ要部の概
略断面図である。
【0027】図1において、1は像担持体としての回転
ドラム型の電子写真感光体であり、その直径は30mm
であり、この感光体1は矢印方向にプロセススピード
(周速度)Vp=50mm/secで回転駆動される。
尚、本実施の形態では、感光体1は負帯電の積層型OP
Cであって、アルミシリンダの上に下引層、注入防止
層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層して構成されてい
る。
【0028】2は接触帯電部材としての帯電ローラであ
り、本実施の形態では帯電ローラ2は中抵抗のスポンジ
ローラであって、2層構造を有している。即ち、直径6
mmの芯金上に厚さ3mm、体積抵抗値1×106 Ωc
mのEPDMスポンジ層を形成し、その上に厚さ70μ
mの抵抗層を設けて帯電ローラ2が構成されている。抵
抗層はウレタン樹脂に導電性酸化スズを分散して構成さ
れ、帯電ローラ2全体の抵抗値は1×106 Ωcm〜1
×107 Ωcmに調整されている。この帯電ローラ2を
その芯金の両端において計5[N]の力で感光体1に対
してバネ加圧して接触させる。このときの感光体1と帯
電ローラ2の接触ニップ部(帯電部)の幅は約2mmで
ある。尚、本実施の形態においては、この帯電ローラ2
は感光体1の回転に従動して回転する。
【0029】2Aは上記帯電ローラ2に対する電圧印加
高圧電源であり、この電源2Aから帯電ローラ2に所定
の電圧が印加されることによって回転感光体1の面が接
触帯電方式で一様に帯電処理される。尚、本実施の形態
では、DC電圧成分に加えてAC成分として周波数70
0Hz、ピーク間電圧2000Vppの正弦波を重畳して
印加するAC帯電方式によって感光体1の表面を印加D
C電圧と同レベルに均一に帯電することができる。
【0030】又、電源2AにはD/Aコンバータ2Bが
取り付けられており、このD/Aコンバータ2Bに入力
されるデジタル信号によって帯電DC電圧のレベルを変
化させることが可能である。
【0031】3は画像露光手段としてのレーザースキャ
ナであり、これはレーザー光源やポリゴンミラー等から
構成され、コンピュータ、イメージスキャナ、ワードプ
ロセッサ等の不図示のホスト装置から入力される目的の
画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度
変調したレーザービームを出力し、帯電ローラ2で帯電
処理された感光体1の帯電面を露光部(露光位置)にお
いて走査露光する。この露光により回転感光体1の面の
露光部分が除電され、感光体1の面には目的の画像情報
に対応した静電潜像が形成されていく。尚、本実施の形
態では、暗部電位−600V、明部電位−100Vの静
電潜像が形成される。
【0032】4は反転現像器であり、この反転現像器4
は回転感光体1の面に形成された前記静電潜像をその明
部電位部分にネガ現像剤(トナー)を付着させることに
よって反転現像する。4Aは反転現像器4の現像ローラ
4aに現像バイアスを印加する電源であり、本実施の形
態では現像電位を−400Vとしている。
【0033】5は接触転写部材としての転写ローラであ
り、本実施の形態では転写ローラ5は導電性フィラーと
して酸化亜鉛を分散したEPDM(エチレンプロピレン
ジエンの3元共重合体)スポンジを外径8mmのSUS
芯金の上に肉厚6mmで形成して外径20mmとし、そ
の抵抗値は5×108 〜5×109 Ωとされている。
尚、転写ローラ5の抵抗値は、300g重の荷重の下に
接地に対して転写ローラ5を50mm/secの周速で
回転させ、芯金に1.0kVのDC電圧を印加して測定
された電流の関係から求められる。
【0034】6は給紙トレー(給紙部)、Pはこの給紙
トレー6上に積載セットされた転写材、7は給紙ロー
ラ、8は転写材Pの先端と感光体1上の画像との同期取
りを行うためのレジストローラである。
【0035】而して、本実施の形態に係るレーザービー
ムプリンタでは、プリント信号と同時に給紙ローラ7の
駆動による転写材Pの搬送が開始される。即ち、給紙ロ
ーラ7の回転により給紙トレー6上に積載された転写材
Pのうちの最上位の転写材Pに送りが掛かり、その最上
位の転写材Pが不図示の分離爪等の分離手段により1枚
分離されてプリンタ本体内に給送され、この転写材Pは
ガイド板で構成される紙パスを通過してレジストローラ
8において画像との同期が取られ、感光体1とこれに接
触する転写ローラ5との圧接ニップ部である転写ニップ
部Cに搬送されて導入される。
【0036】9はレジストローラ8に転写材Pが搬送さ
れたことを検知するためのレジ前センサ、5Aは転写ロ
ーラ5に対する電圧印加高圧電源である。転写ニップ部
Cに転写材Pが所定のタイミングで導入されると、この
転写材Pの面に対して回転感光体1面側の現像剤像が転
写ローラ5に印加した転写バイアスによって順次静電転
写されていく。
【0037】転写ニップ部Cを出た転写材Pは感光体1
の面から分離され、熱ローラ方式を採用する定着器10
に導入され、この定着器10において画像の定着処理を
受けた後にプリントアウトされる。そして、転写材Pの
後端が排紙センサ12(図3参照)を通過した時点で画
像形成動作が終了する。
【0038】尚、転写材Pに対する画像転写後の感光体
1の面はクリーニング器11のウレタン製のクリーニン
グブレード11aによって転写残トナー等の残留付着汚
染物の掻き取り除去を受けて清掃され、感光体1は繰り
返して作像に供される。 (2)プリンタの動作シーケンス:プリンタの画像形成
プロセス動作は不図示の制御系により制御され、帯電ロ
ーラ2、現像ローラ4a、転写ローラ5には、その制御
回路で電源2A,4A,5Aが制御されて各々所定の時
点で所定の電圧と電流が印加される。
【0039】本実施の形態に係るレーザービームプリン
タにおける帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各
部材の位置関係を図2に示す。
【0040】図2に示すように、感光体1が帯電ローラ
2によって帯電されてから現像部である現像ローラ4a
に到達するまでの角度は110°、更に転写ローラ5と
感光体1との転写ニップ部に突入するまでの角度は90
°となる。又、転写ニップ部より帯電ローラ2によって
再び帯電を受けるまでの角度は160°である。前述の
ように感光体1の直径30mmであるため、これを画像
上の距離に換算すると、感光体1が帯電されてから現像
部に到達するまでは28.8mm、更に転写ニップ部に
突入するまでの距離は23.56mm、転写ニップ部よ
り再び帯電を受けるまでの距離は41.89mmとな
る。
【0041】図3は給紙ローラ7から定着器10及び排
紙センサ12までの位置関係を示す模式図である。
【0042】本実施の形態に係るレーザービームプリン
タにおいては、前述のように感光体1は直径が30mm
で、プロセススピード(周速度)Vp=50mm/se
cで回転駆動される。
【0043】図4に本実施の形態に係るレーザービーム
プリンタのシーケンスチャートを示す。
【0044】図4に示すように、プリント信号を受ける
と感光体1の回転が始まり、401,402,403に
おいて給紙ローラ7の回転による給紙、帯電ローラ2に
対するDCバイアスの印加及びACバイアスの印加が同
時に開始される。
【0045】給紙部から給紙された転写材Pの先端が給
紙部先端7a(図3参照)からレジ前センサ9に達した
0.96秒後(404)にはレーザースキャナ3で画像
露光が開始される。
【0046】帯電と露光が行われ、静電潜像が形成され
た感光体1の表面が405で現像位置に達すると、現像
器4によって静電潜像がトナー像として顕像化され、こ
のトナー像は406において転写ニップ部で転写材Pに
転写されることによって画像が形成される。
【0047】最初の転写材Pに対するトナー像の転写が
終了した後、次の転写材Pが転写ニップ部に突入するま
での間(407〜408の間)、転写バイアスは印加さ
れ続けている。そして、その間に感光体1の表面は転写
ローラ5からプラス極性の電圧を直接受けることにな
る。
【0048】そして、感光体1上の紙間相当部分が再び
帯電ニップ部に突入するのは転写材Pの後端が転写ニッ
プ部を通過した0.84秒後(409)である。このと
き、帯電DCバイアスの値を変化させないで紙間相当部
分が帯電ニップ部で再び帯電を受けたとき、転写材Pが
介在した部分に比べて暗電位が通常の−600Vに対し
て約30V低い−570Vまで低下することが判明して
いる。この部分が通常通りの露光・現像プロセスを経て
再び画像形成に供されるとき、暗電位が低い分だけ濃度
が濃い側にシフトすることが知られている。具体的に
は、マクベス反射濃度計RD−914(Kollmorgen Ins
trument Corp. 製)で測定した場合、25%印字率のハ
ーフトーンを印字した場合の濃度変化の割合は0.05
〜0.2の濃度差となって現れる。
【0049】そこで、409〜410の間、帯電DCバ
イアスとして通常よりも30V高い−630Vの電圧を
印加している。このことにより、感光体1上の紙間相当
部における帯電ニップ通過後の暗電位を測定したとこ
ろ、ほぼ−600Vと、紙間相当部以外の暗電位と同等
値が得られた。このことにより、感光体1表面の全体で
暗電位のレベルが一定に保たれ、前記濃度差が画像に現
れにくくなり、連続プリント時においても画像先端の濃
度が濃くならず、安定した画像を得ることが可能とな
る。
【0050】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2について説明する。
【0051】図5は本発明の実施の形態2に係る画像形
成装置の断面図であり、本実施の形態に係る画像形成装
置の構成は前記実施の形態1とほぼ同様であるが、記憶
手段により予め記憶した情報に基づいて帯電DC電圧の
変化量を可変とした点が実施の形態1と異なる。尚、図
5においては図1に示したと同一要素には同一符号を付
しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0052】図5において、12はEPROM等の不揮
発性メモリ、13は画像形成装置の動作をコントロール
するためのCPUである。尚、EPROM12に記憶さ
せる情報としては様々なものが考えられるが、本実施の
形態においては転写ローラ5の抵抗値を記憶させること
とする。
【0053】画像形成装置の転写ローラ5は、導電性フ
ィラーとして酸化亜鉛を分散したEPDMスポンジを外
径8mmのSUS芯金の上に肉厚6mmで形成し、外径
20mmとして構成されているが、その抵抗値は、30
0g重の荷重の下で接地に対して当該転写ローラ5を5
0mm/secの周速で回転させ、芯金に1.0kVの
DC電圧を印加した際に測定された電流値に基づいて求
められる。この抵抗値は転写ローラ5によってバラツキ
が見られ、5×108 〜5×109 Ωであった。
【0054】図6は転写ローラ5の抵抗値と紙間相当部
における通常の感光体1の表面に対する暗電位の減少幅
との関係を示す図である。
【0055】図6によると、転写ローラ5の抵抗値が低
い程、紙間相当部における暗電位の落ち込み量が大きく
なることが分かる。これは、一定電圧を印加した場合に
は、転写ローラ5の抵抗値が低い程多くの電流が感光体
1の表面に流れ込むことによって該感光体の帯電性が悪
化するためである。
【0056】具体的には、転写ローラ5の抵抗値が5×
108 Ωの場合は、紙間相当部における感光体1表面の
暗電位の落ち込み量は約40V、転写ローラ5の抵抗値
が5×109 Ωの場合は、紙間相当部における感光体1
表面の暗電位の落ち込み量は約20Vである。又、転写
ローラ5の抵抗値が5×109 Ωの場合は、紙間相当部
における感光体1表面の暗電位の落ち込み量は約30V
となった。
【0057】従って、紙間相当部における帯電DC電圧
の増加分を一律30Vと決めてしまうと、感光体1表面
の暗電位の落ち込み量に正確に一致しないために完全に
濃度差を消すことが難しく、転写ローラ5の抵抗値を事
前にEPROM12に記憶させておく。このEPROM
12には図6に示すグラフも記憶されており、CPU1
3は2つの情報に基づいて紙間相当部における感光体1
表面を帯電する際の帯電DC電圧の上昇幅を決定し、電
源2Aをコントロールすることによって連続プリント時
の2枚目以降における画像先端濃度を一定に保つ。更
に、紙間において転写ローラ5に流れる電流値を不図示
の検出手段によって検出することによって画像形成時の
転写ローラ5の抵抗値を求め、図4に示すシーケンスチ
ャートの407〜408の期間に、新たに求められた転
写ローラ5の抵抗値をEPROM12に書き込む。この
ようにして常に転写ローラ5の抵抗値をモニターし、帯
電DC電圧の変化幅へフィードバックすることによって
画像欠陥のより少ない良質のプリントを得ることができ
る。
【0058】尚、この他にも帯電ローラの抵抗値や感光
体の特性を記憶手段に記憶させ、本実施例と同様の要領
で紙間相当部における帯電DC電圧の変化幅を可変とし
ても良い。
【0059】又、画像形成装置に温湿度センサや転写材
厚みセンサを設け、センサから送られる環境情報や転写
材の厚み情報に基づいて紙間相当部における帯電DC電
圧の変化幅を決定しても良い。
【0060】更に、少なくとも感光体とEPROM等の
記憶手段を着脱可能なプロセスカートリッジとしてまと
めた構成としても良い。この場合、感光体や現像器、帯
電ローラ等のプロセス条件、延ては紙間相当部における
感光体表面電位の落ち込み量に大きく影響を及ぼす消耗
品のバラツキを各プロセスカートリッジに組み込まれた
EPROM等の記憶手段に記憶させることによって、よ
り適切な帯電DC電圧の変化幅を決定することができる
ため、より安定した良質のプリントを得ることが可能と
なる。
【0061】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形
態3について説明する。
【0062】図7は本発明の実施の形態3に係る画像形
成装置の断面図であり、本実施の形態に係る画像形成装
置の構成は実施の形態2とほぼ同様であるが、更に、帯
電ローラに流れる電流値を検出する検出手段と環境の湿
度を求める湿度センサとを備え、転写ローラ抵抗、帯電
ローラ抵抗及び環境湿度の組み合わせ情報に基づいて帯
電DC電圧の変化量を可変とした点が異なる。
【0063】転写ローラ5の抵抗値と紙間相当部におけ
る通常の感光体1表面に対する暗電位の減少幅との関係
は既に図6で示した。これに加え、紙間相当部における
通常の感光体1表面に対する暗電位の減少幅は帯電ロー
ラ2の抵抗値及び湿度の影響も受ける。
【0064】帯電ローラ2の抵抗値は、転写ローラ5の
抵抗値と同様に、帯電ローラ2に印加されるDC電圧に
対して流れる電流量を検知する検知手段2Cによって測
定された値によって求められ、この値はEPROM12
に書き込まれる。
【0065】ここで、帯電ローラ2の抵抗値と感光体1
表面に対する暗電位の減少幅との関係を図8に示す。
尚、ここでは、紙間相当部における暗電位の減少幅は転
写ローラ5の抵抗によって決定された暗電位減少幅の値
に対する補正値として示している。
【0066】帯電ローラ2の抵抗値が低い場合、帯電ロ
ーラ2が感光体1表面を帯電する能力が高いため、転写
ローラ5の抵抗値によって予想された電位の落ち込み量
よりも実際の電位落ち込み量が低くなり、紙間相当部に
おける帯電DC電圧の変化幅を小さくする必要がある。
【0067】同様に、湿度による紙間相当部における帯
電DC電圧の変化幅に対する補正に関して以下に詳述す
る。
【0068】図9に環境湿度と紙間相当部における帯電
DC電圧変化幅に対する補正値との関係を示す。
【0069】図9によると、湿度が高い場合は、転写ロ
ーラ5の抵抗値から求められた紙間相当部における帯電
DC電圧変化幅よりも実際の紙間相当部における電位落
ち込み量が小さくなることが分かる。これは、湿度が高
くなることによって転写材Pの抵抗が低くなり、転写材
Pが感光体1と転写ローラ5の間に介在する部分であっ
ても、転写バイアスの影響を受け易くなって紙間相当部
と通常の画像部の電位の差が小さくなるためである。
【0070】図7に示すように、湿度センサ14は感光
体1近辺の湿度を検知し、その値をEPROM12に書
き込んでいる。
【0071】従って、EPROM12は、転写ローラ5
の抵抗値、帯電ローラ2の抵抗値、湿度の3種類の情報
が書き込まれている。これらの情報に基づいてCPU1
3において紙間相当部における帯電DC電圧の変化幅を
決定する。この紙間相当部における帯電DC電圧の変化
幅決定方法を図10に示すフローチャートに基づいて詳
述する。
【0072】ステップS101においてEPROM12
から転写ローラ5の抵抗値を読み込む。この読み込んだ
転写ローラ5の抵抗値に基づいてステップS102にお
いて図6の関係から紙間相当部における帯電DC電圧の
変化幅を決定する。更に、ステップS103において帯
電ローラ2の抵抗値を読み込み、ステップS104にお
いて図8に示す関係からステップS102において決定
した紙間相当部における帯電DC電圧の変化幅に対して
補正を加える。
【0073】その後、ステップS105において湿度情
報を読み込み、ステップS106において図9に示す関
係に基づいてステップS104で決定した紙間相当部に
おける帯電DC電圧の変化幅に対して更なる補正を加え
る。このようにしてステップS107において最終的な
帯電DC電圧の変化幅が決定する。
【0074】更に、CPU13は、最終的に決定された
DC変化幅の情報に基づいて電源2Aをコントロールす
ることによって連続プリント時の2枚目以降における画
像先端濃度を一定に保つ。このようにして、常に転写ロ
ーラ5の抵抗値をモニターし、帯電DC電圧の変化幅へ
フィードバックすることによって画像欠陥のより少ない
良質のプリントを得ることが可能となる。
【0075】<実施の形態4>次に、本発明の実施の形
態4について説明する。
【0076】本実施の形態は、感光体表面の紙間相当部
が帯電ニップを通過するときに帯電DC電圧を変化させ
るに際して、帯電DC電圧の変化が多段階或は滑らかに
変化するように構成することにより、帯電DC電圧が急
激に変化することによる画像への影響を抑えることを目
的としている。
【0077】本実施の形態に係る画像形成装置の構成は
前記実施の形態1とほぼ同様であるが、帯電ローラ2に
電圧を印加する電源2Aからの電圧をD/Aコンバータ
2Bによって段階的に変化させることを特徴としてい
る。
【0078】即ち、帯電DC電圧を急激に変化させると
オーバーシュート等により変化部分で帯電状態が不安定
になることがあり、画像上に鋭い横スジとなって現れる
ことがあるため、これを防止するために帯電DC電圧を
徐々にアップさせることによって、より均一な画像を得
るようにしている。
【0079】本実施の形態における帯電DC電圧は、前
記実施の形態1と同様にD/Aコンバータ2Bからの出
力信号に基づいて電源2Aをコントロールすることによ
って変化せしめられる。
【0080】D/Aコンバータ2Bに00〜FFまでデ
ジタル信号が入力されると、0〜−5Vのアナログ電圧
に変換され、更に帯電高圧電源2Aから0〜−63Vの
出力電圧が出力されるようになる。
【0081】ここで、帯電ニップ部を感光体1の紙間相
当部が通過する際のDC電圧−630VのときのD/A
コンバータ2Bのデジタル信号をFFとすると、通常の
帯電時のDC電圧−600VをD/Aコンバータ2Bの
デジタル信号に換算した場合にはF3となる。
【0082】図11は本実施の形態における帯電DC電
圧の変化の仕方を示す図である。
【0083】図4に示すシーケンスチャートにおいて帯
電DC電圧をアップさせる点(409)より24mse
c以前に、D/Aコンバータ2Bの出力を2msecに
1段階ずつアップさせ、感光体1の紙間相当部が帯電ニ
ップ部に突入する瞬間(図4の409)の24msec
後には−630Vの帯電DC電圧を印加するようにす
る。
【0084】同様に、感光体1の紙間相当部が帯電ニッ
プを通過する瞬間(図4のシーケンスチャートにおける
410の地点)の24msec以前において、D/Aコ
ンバータ2Bの出力を2msecに1段階ずつダウンさ
せ、感光体1の紙間相当部が帯電ニップを通過してから
24msec後には帯電DC電圧が通常の−600Vに
戻るようにコントロールする。
【0085】以上により、紙間相当部における濃度段差
を無くすために帯電DC電圧を変化させた場合において
も、帯電DC電圧のオーバーシュート等の影響によって
画像にスジが発生するのを防いで安定した画像を得るこ
とができる。
【0086】尚、帯電DC電圧の変化速度は本実施の形
態においては48msecとしたが、プロセススピード
等、画像形成装置のプロセス条件によっては、これより
速くしても遅くしても良い。又、より滑らかな電圧変化
のカーブを描くように帯電DC電圧をコントロールして
も良く、安定した画像が得られる程度に電圧の変化率を
粗くしても良い。
【0087】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、少なくとも回転する像担持体と、該像担持体表
面を均一に帯電する帯電手段と、該像担持体上に形成さ
れた静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化された像
を転写材の裏側に接触した転写部材に電圧を印加するこ
とによって転写する転写手段を有する画像形成装置にお
いて、連続プリント時に転写材を介在しないで前記転写
手段の電圧を直接受けた前記像担持体の表面部分が前記
帯電手段との対向部を通過するときに、前記帯電手段に
印加する電圧の直流成分の絶対値を他の部分に印加する
電圧の直流成分の絶対値よりも大きくするため、転写材
の裏汚れや連続プリント時に画像先端部の濃度アップを
生じず、安定した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置(レ
ーザービームプリンタ)要部の概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の主
要部材の位置関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置にお
ける各給紙ローラから定着器及び排紙センサまでの位置
関係を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のシ
ーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置要部
の概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置にお
ける転写ローラ抵抗値と紙間相当部電位落ち込み量補正
値との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置要部
の概略断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置にお
ける帯電ローラ抵抗値と紙間相当部電位落ち込み量補正
値との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置にお
ける湿度と紙間相当部電位落ち込み量補正値との関係を
示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置に
おける紙間相当部の帯電DC電圧変化幅の決定手順を示
すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態4に係る画像形成装置に
おける帯電DC電圧の変化の仕方を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体) 2 帯電ローラ(帯電部材:帯電手段) 2A 電圧印加高圧電源 2B D/Aコンバータ 2C 検知手段 4 現像器(現像手段) 5 転写ローラ(転写部材:転写手段) 12 EPROM(外部記憶手段) 13 CPU 14 湿度センサ P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂原 賢 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 鬼村 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA12 BB11 CC05 DD03 EE11 2H032 AA05 BA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも回転する像担持体と、該像担
    持体表面を均一に帯電する帯電手段と、像担持体上に形
    成された静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化され
    た像を、転写材の裏側に接触した転写部材に電圧を印加
    することによって転写材に転写する転写手段を有する画
    像形成装置において、 連続プリント時に転写材を介在しないで前記転写手段の
    電圧を直接受けた前記像担持体の表面部分が前記帯電手
    段との対向部を通過するときに、前記帯電手段に印加す
    る電圧の直流成分の絶対値を他の部分に印加する電圧の
    直流成分の絶対値よりも大きくすることを特徴とする画
    像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記帯電手段に印加する電圧の変化量を
    外部記憶手段に記録された情報に基づいて決定すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記外部記憶手段に記録される情報が書
    き換え可能であることを特徴とする請求項2記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記転写部材に流れる電流値を検知し、
    検知された電流値によって前記帯電手段に印加する電圧
    の変化幅を可変としたことを特徴とする請求項1記載の
    画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記帯電部材に流れる電流値を検知し、
    検知された電流値によって前記帯電手段に印加する電圧
    の変化幅を可変としたことを特徴とする請求項1記載の
    帯電手段。
  6. 【請求項6】 画像形成装置本体内の温度或は湿度を検
    知する検知手段を有し、該検知手段からの情報に基づい
    て前記帯電手段に印加する電圧の変化幅を可変としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記帯電手段に印加する電圧を変化させ
    る際に、変化前電圧と変化後電圧を2段階以上又は連続
    的に変化させることを特徴とする請求項1〜5又は6記
    載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも像担持体と外部記憶手段を一
    体に有するプロセスカートリッジを本体に対して着脱可
    能に装填して成ることを特徴とする請求項1〜6又は7
    記載の画像形成装置。
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