JP2011237712A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常に帯電したトナー像とかぶりトナーとの転写効率の違いを利用して、画像形成条件の小さな変更量で、かぶりトナー付着量の大きな抑制効果が再現性高く得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】光学式センサ15は、ATVC制御によって設定された転写電圧を用いて感光ドラム1a上の画像の白地部から中間転写ベルト9へ転写されたかぶりトナー付着量を検出する。制御部110は、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値以下であれば、ATVC制御によって設定した転写電圧をそのまま用いる。しかし、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値を超えている場合には、ATVC制御によって設定された転写電圧よりも絶対値が大きくて、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値に収束するような転写電圧を設定する。
【選択図】図2
【解決手段】光学式センサ15は、ATVC制御によって設定された転写電圧を用いて感光ドラム1a上の画像の白地部から中間転写ベルト9へ転写されたかぶりトナー付着量を検出する。制御部110は、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値以下であれば、ATVC制御によって設定した転写電圧をそのまま用いる。しかし、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値を超えている場合には、ATVC制御によって設定された転写電圧よりも絶対値が大きくて、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値に収束するような転写電圧を設定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、像担持体に形成したトナー像を、中間転写体を経由して記録材に転写する画像形成装置、詳しくは最終的に記録材に転写されるかぶりトナーを所定水準以下に抑制する制御に関する。
電子写真プロセスを用いて像担持体の静電像に電気的にトナーを付着させてトナー像を形成し、像担持体に形成したトナー像を中間転写体経由で記録材に転写する画像形成装置が広く用いられている。
電子写真プロセスを用いる画像形成装置では、像担持体上の画像の白地部にかぶりトナーと呼ばれる不必要なトナーが付着して画像品質を低下させる場合がある。かぶりトナーは、現像装置から供給された未帯電トナーや反対極性に帯電した逆帯電トナーであるため、通常に帯電したトナーが付着する画像部には付着しないで、画像の白地部に現像されてしまう。
かぶりトナーは、画像形成装置の起動直後、長時間の連続画像形成時、高温高湿環境等で発生し易く、記録材に形成された最終画像の白地部に色を付けて、画像品質を低下させる。フルカラー画像形成装置の場合は、かぶりトナーが記録材上で他色のトナー像と混色を生じて色彩の再現性を大幅に低下させるため、さらに深刻である。
特許文献1には、カラーパッチを検出するための光学式センサを用いて、非画像形成時に、感光ドラムのかぶりトナー付着量を検出する制御が記載されている。そして、かぶりトナー付着量の検出結果を画像形成条件にフィードバックして、感光ドラムのかぶりトナー付着量を抑制している。また、画像の白地部にトナーを付着させないために設定されるかぶり取り電圧を画像形成時よりも低下させて、意図的にかぶりトナー付着量を増すことにより、画像形成時の感光ドラムのかぶりトナー付着量の推定精度を高めている。
中間転写体を用いる画像形成装置の場合、特許文献1に示される制御では、かぶりトナー付着量をあまり正確に制御できないことが判明した。像担持体の表面で検出されたかぶりトナー付着量が少なくても、記録材に形成された最終画像では、かぶりトナーの影響が大きく現れる場合がある。逆に、像担持体の表面で検出されたかぶりトナー付着量が相当多くても、記録材に形成された最終画像では、かぶりトナーの影響がほとんど現れない場合がある。
検討を重ねた結果、像担持体から中間転写体へトナーが転写される際に、同じ転写電圧でも、通常に帯電したトナー像とかぶりトナーとでは転写効率が大きく異なっていることが判明した(図7参照)。そして、たまたまかぶりトナーに対して高い転写効率の転写電圧が用いられた場合に、記録材に形成された最終画像で、かぶりトナーの影響が大きく現れることが判明した。
本発明は、通常に帯電したトナー像とかぶりトナーとの転写効率の違いを利用して、画像形成条件の小さな変更量で、かぶりトナー付着量の大きな抑制効果が再現性高く得られる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、形成された前記静電像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、中間転写体に前記像担持体が当接する一次転写部に定電圧の転写電圧を印加して前記像担持体から前記中間転写体へトナー像を転写させる一次転写手段と、前記中間転写のトナー像を記録材へ転写する二次転写手段とを備えたものである。そして、トナー像の転写効率を高めるように設定された転写電圧を前記一次転写部に印加して前記像担持体の白地部から前記中間転写体へ転写された前記中間転写体のかぶりトナー付着量を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基いて、前記中間転写体のかぶりトナー付着量が所定値を超える場合には、前記設定された転写電圧よりも絶対値の大きい転写電圧を前記一次転写部に印加してトナー像を転写させる制御手段とを備える。
本発明の画像形成装置では、中間転写体上でかぶりトナー付着量を検出するため、特許文献1のように、像担持体上でかぶりトナー付着量を検出する場合よりも記録材に形成される最終画像に対するかぶりトナー付着量の影響を精密に判断できる。
そして、かぶりトナー付着量が所定値を超える場合には、トナー像の転写効率を高めるように設定された通常の転写電圧よりも絶対値が大きい転写電圧を設定するので、通常に帯電したトナーに比較して、かぶりトナー付着量の転写効率が大きく低下する。このため、一次転写部における画像の転写効率をあまり低下させることなく、かぶりトナー付着量を大きく低下させることができる。
したがって、通常に帯電したトナー像とかぶりトナーとの転写効率の違いを利用して、転写条件の小さな変更量で、かぶりトナー付着量の大きな抑制効果が再現性高く得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、中間転写ベルトの表面でかぶりトナー付着量を検出して転写電圧にフィードバックする限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、フルカラー/モノクロ、タンデム型/1ドラム型の区別無く中間転写型の画像形成装置で広く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
なお、特許文献1に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2は画像形成部の構成の説明図である。図3は中間転写ベルトの断面構成の説明図である。
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2は画像形成部の構成の説明図である。図3は中間転写ベルトの断面構成の説明図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト9に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト9に転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト9に転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト9に転写される。
中間転写ベルト9は、テンションローラ12、駆動ローラ13、及びバックアップローラ10に掛け渡して支持され、300mm/secのプロセススピードで矢印R2方向に回転する。中間転写ベルト9に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。
ピックアップローラ21によって記録材カセット20から取り出された記録材Pは、分離ローラ22で1枚ずつに分離してレジストローラ23へ給送される。レジストローラ23は、中間転写ベルト9のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。トナー像を転写された記録材Pは、定着装置25で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、機体外部へ排出される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色が異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、画像形成部Pb、Pc、Pdについては、画像形成部Paの構成部材に付した符号末尾のaをb、c、dに読み替えて説明されるものとする。
図2に示すように、制御部110は、タッチパネルで構成される操作パネル108を通じて各種表示を行い、操作及び設定がなされることにより、画像形成装置100を制御する。画像形成部Paは、感光ドラム1aの周囲に、帯電ローラ2a、露光装置3a、現像装置4a、一次転写ローラ5a、クリーニング装置6aを配置している。
像担持体の一例である感光ドラム1aは、アルミニウム製シリンダの外周面に、帯電極性が負極性の有機光導電体層(OPC)を形成してある。感光ドラム1aは、不図示の駆動モータから駆動力を伝達されることにより、300mm/secのプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
帯電ローラ2aは、感光ドラム1aに圧接して従動回転する。電源D3は、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を帯電ローラ2aに印加して、感光ドラム1aの表面を一様な負極性の帯電電位VDに帯電させる。感光ドラム1a上の帯電電位VDは−700(V)であるとする。
静電像形成手段の一例である露光装置3aは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを出力し、レーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1aの表面に画像の静電像を書き込む。露光によって明部電位VLとなった部分にトナーが付着する。最高濃度のベタ画像を形成するのに必要な明部電位VLは−350(V)である。
静電像形成手段の一例である現像装置4aは、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を混合した現像剤を、現像容器4i内でスクリュー4g、4hにより攪拌して、トナーを負極性に、キャリアを正極性に摩擦帯電させる。現像剤は、シリカ微粉末を主成分としてトナー粒子の凝集を阻止するとともに、攪拌に伴ってトナー粒子を効率的に摩擦帯電させる外添剤も含む。
帯電した現像剤は、固定マグネット4jの周囲で感光ドラム1aとカウンタ方向に回転する現像スリーブ4sに担持され、磁気ブラシを形成して、感光ドラム1aを摺擦する。
電源D4は、負極性の直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した振動電圧を現像スリーブ4sに印加して、現像スリーブ4sよりも相対的に正極性となった感光ドラム1aの静電像へトナーを移動させて、静電像を反転現像する。直流電圧Vdcは、−550(V)である。
トナー補給部7aは、静電像の現像に伴って現像装置4aから取り出されるトナーを補給して、現像容器4i内の現像剤に占めるトナー重量比率(T/D比、トナー濃度)を一定に維持する。
一次転写ローラ5aは、中間転写ベルト9の内側面を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト9の間に一次転写部Taを形成する。電源D1は、一次転写ローラ5aに正極性の直流電圧を印加して、負極性に帯電して感光ドラム1aに担持されたトナー像を、一次転写部Taを通過する中間転写ベルト9へ一次転写させる。
クリーニング装置6aは、クリーニングブレードを感光ドラム1aに摺擦して、感光ドラム1aの表面に残留した転写残トナーを除去して、次回のトナー像形成に備えさせる。
二次転写ローラ11は、バックアップローラ10に内側面を支持された中間転写ベルト9の外側面に当接して、中間転写ベルト9と二次転写ローラ11との間に二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ11は、金属製のローラ軸11aの外周に抵抗性を付与したスポンジ弾性層11bを配置しており、ローラ軸11aに電源D2が接続されている。バックアップローラ10は、金属円筒で形成されて、接地電位に接続されている。
電源D2は、正極性の定電圧を二次転写ローラ11のローラ軸11aへ印加して、中間転写ベルト9に重ね合わせて二次転写部T2を挟持搬送される記録材Pに、中間転写ベルト9からトナー像を静電的に移転させる。
図3は中間転写ベルトの断面構成の説明図である。図3に示すように、中間転写ベルト9は、樹脂層9a、弾性層9b、表層9cの三層構造からなる弾性ベルトである。中間転写ベルト9は、カーボンを分散したポリイミド系樹脂の樹脂層9aに重ねて、カーボンを分散したクロロプレーン系ゴムの弾性層9bを形成している。弾性層9bの表面には、フッ素系ゴム、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムの弾性材料のうち、2種類以上を使用して、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高める材料を分散させた表層9cを形成している。表面エネルギーを小さくする材料としては、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを採用できる。
樹脂層9a、弾性層9b、表層9cは、体積抵抗率ρ(Ωcm)を109(Ωcm)に調整してある。中間転写ベルト9の体積抵抗率ρ(Ωcm)は、JIS−K6911法準拠プローブを使用して、印加電圧100V、印加時間60sec、23度C50%RHにて測定したとき、105(Ωcm)≦ρ≦1015(Ωcm)が望ましい。
<かぶりトナー>
図2に示すように、画像形成装置100において、画像形成時における、画像濃度、面積、通紙枚数条件等の違いによっては、現像装置4a内のトナーの中には、所望の電荷量より絶対値で極端に低い電荷量をもつトナーが増加する。これらのトナーは、現像装置4aにより、感光ドラム1a上の白地部(画像形成時にトナー画像が形成されない部分)に移って付着し、中間転写ベルト9を介して記録材に転写されて、いわゆるかぶり画像を発生させる。特に、記録材としてコート紙を使用する場合、かぶり画像に対して普通紙以上の高性能が要求される。
図2に示すように、画像形成装置100において、画像形成時における、画像濃度、面積、通紙枚数条件等の違いによっては、現像装置4a内のトナーの中には、所望の電荷量より絶対値で極端に低い電荷量をもつトナーが増加する。これらのトナーは、現像装置4aにより、感光ドラム1a上の白地部(画像形成時にトナー画像が形成されない部分)に移って付着し、中間転写ベルト9を介して記録材に転写されて、いわゆるかぶり画像を発生させる。特に、記録材としてコート紙を使用する場合、かぶり画像に対して普通紙以上の高性能が要求される。
かぶり画像のない最終画像を得るため、特許文献1(特開2006−259101号公報)では、画像調整モード時に、光学式センサによって感光ドラム上のかぶりトナー付着量を検出し、検出結果に応じて現像条件を設定している。この際、かぶり取り電圧を画像形成時より小さく設定して、感光ドラム上の白地部のトナー濃度を測定している。
しかし、特許文献1の方法は、画像形成時、各色の感光ドラムのかぶりトナー付着量を良化させるために現像条件だけを変更し、記録材上でのかぶりを良化させようとしている。この場合、現像バイアス等の設定値によっては、通常画像部の濃度が変動したり、キャリア付着等の画像劣化が発生したりする可能性がある。
また、特許文献1の方法は、画像形成時、各色の感光ドラムのかぶりトナーは、中間転写ベルト上で重ね合わされて記録材に二次転写される場合には不都合がある。各色の感光ドラム上のかぶり画像を良化させたとしても、これらが、一次転写を経て、どの程度中間転写ベルト上にかぶりトナーとして存在するかは判断がつかない。結果として、記録材上の白地部かぶりが、ユーザーが求めるレベルにまで良化していない可能性がある。
ゆえに、ユーザーが求めるレベルにまで的確にかぶり画像を良化させるには、画像劣化を発生させないことは勿論のこと、中間転写ベルト上に各色重ね合わせたかぶりトナー付着量を精密に把握し、中間転写ベルト上のかぶりトナー量を制御することが必要である。
そこで、以下の実施例では、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出し、検出結果に応じて画像形成条件を変えて、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を抑制して記録材上のかぶり画像を防止する。
すなわち、画像濃度制御用を兼ねた光学式センサ15により、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出し、かぶりトナー付着量に応じて画像形成条件を変更する。具体的には、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量が多い時、一次転写ローラ5aに印加する一次転写電圧の絶対値を大きくする。しかし、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量が、ある値未満では、画像形成条件の変更を実行しない。電源投入時に、中間転写体上のかぶりトナー量を検知し、かぶりトナー量に応じて画像形成条件を変更する。
<光学式センサ>
図2に示すように、制御部110は、画像形成時、露光装置3aを制御して、感光ドラム1aに形成される画像の間隔にカラーパッチSTを形成して、中間転写ベルト9に一次転写する。制御部110は、中間転写ベルト9に転写されたカラーパッチSTを光学式センサ15によって検出し、検出結果に基づいて画像形成部Paにおけるトナー像の形成条件を調整する。光学式センサ15は、中間転写ベルト9に赤外光を斜め照射して正反射光を検知することにより、中間転写ベルト9の表面とカラーパッチSTとのコントラストとして、カラーパッチのトナー載り量を検出する。光学式センサ15は、内部のLED15eから赤外線の検知光を射出して、中間転写ベルト9に斜め入射させ、LED15eとほぼ対称位置に配置された受光素子15fで中間転写ベルト9からの正反射光を検出する。LED15eと受光素子15fとは、実際には、中間転写ベルト9を幅方向に横断する垂直な面内に、光軸が配置されている。
図2に示すように、制御部110は、画像形成時、露光装置3aを制御して、感光ドラム1aに形成される画像の間隔にカラーパッチSTを形成して、中間転写ベルト9に一次転写する。制御部110は、中間転写ベルト9に転写されたカラーパッチSTを光学式センサ15によって検出し、検出結果に基づいて画像形成部Paにおけるトナー像の形成条件を調整する。光学式センサ15は、中間転写ベルト9に赤外光を斜め照射して正反射光を検知することにより、中間転写ベルト9の表面とカラーパッチSTとのコントラストとして、カラーパッチのトナー載り量を検出する。光学式センサ15は、内部のLED15eから赤外線の検知光を射出して、中間転写ベルト9に斜め入射させ、LED15eとほぼ対称位置に配置された受光素子15fで中間転写ベルト9からの正反射光を検出する。LED15eと受光素子15fとは、実際には、中間転写ベルト9を幅方向に横断する垂直な面内に、光軸が配置されている。
制御部110は、中間転写ベルト9に担持される画像の間隔にレジマークkを形成し、光学式センサ15を用いてレジマークを検出し、検出結果に基づいて静電像の書き込みタイミングを調整する。制御部110は、図1に示す画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが、それぞれ中間転写ベルト9に一次転写したレジマークを検出して、感光ドラム1a、1b、1c、1dにおける静電像の書き込み開始(露光)タイミングを調整する。
<転写電圧制御>
制御部110は、画像形成装置の画像形成ジョブごとの起動時と連続画像形成2時間ごとのタイミングでATVC制御を実行して、一次転写ローラ5aに印加される一次転写電圧Vを再設定する。上述したベタ画像における転写効率が最大値となる一次転写電流設定値を予め画像形成装置100が有しており、その目標電流値となるよう、一次転写ローラ5aに印加する電圧をATVC制御によって決定している。
制御部110は、画像形成装置の画像形成ジョブごとの起動時と連続画像形成2時間ごとのタイミングでATVC制御を実行して、一次転写ローラ5aに印加される一次転写電圧Vを再設定する。上述したベタ画像における転写効率が最大値となる一次転写電流設定値を予め画像形成装置100が有しており、その目標電流値となるよう、一次転写ローラ5aに印加する電圧をATVC制御によって決定している。
一次転写部T1でベタ画像の転写効率が最大となる一次転写電流設定値は、Y、M、C、K全て同じで30μAである。しかし、一次転写ローラ5aの抵抗値は、温度湿度、連続通電時間によって大きく変化するため、定期的に非画像形成時を作ってATVC制御を実行して、定電圧の一次転写電圧Vを設定し直している。
具体的な手順としては、電源D1を制御して、最後の画像形成で用いた一次転写電圧Vと、V1+500V、V1−500Vの三段階の電圧を一次転写ローラ5aに印加して電流検出回路A1により転写電流値を測定する。そして、3つの電流−電圧データをサンプリングして補間演算することにより、転写電流値が30μAとなる一次転写電圧Vを求めて、それまでの設定と置き換える。
ここでは、最後に実行されたATVC制御において、Y、M、C、Kそれぞれの一次転写電圧Vは、2500(V)、2400(V)、2600(V)、2450(V)に設定されたとする。
<制御部>
図4は制御部の構成の説明図である。図5はかぶりトナー付着量検出時の光学式センサの出力変化の説明図である。図6は中間転写ベルトのかぶりトナー付着量と光学式センサの出力の関係の説明図である。
図4は制御部の構成の説明図である。図5はかぶりトナー付着量検出時の光学式センサの出力変化の説明図である。図6は中間転写ベルトのかぶりトナー付着量と光学式センサの出力の関係の説明図である。
図4に示すように、CPU104は、中央演算装置であって、ホスト装置から印刷情報を受け取ると、画像形成装置100の各部の制御やデータ処理などを実行する。ROM101には、CPU104の各処理手順に関する処理プログラムが記憶され、RAM102は、その処理手順実行の際のワークエリアなどとして用いられる。すなわち、CPU104は、ROM101に記憶されている制御プログラムにより、ホスト装置から受信した印字情報を、RAM102などの周辺ユニットを用いて処理し、印字データに変換するなどの処理を実行する。また、CPU104は、電源D1を介して一次転写部T1に印加する転写電圧を制御し、電源D3、D4を介して画像形成部Paの電圧を制御する。
制御部110は、カラーパッチの検出を兼ねた光学式センサ15を用いて、上述したATVC制御に続くタイミングで、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出する。中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量を検知するタイミングは、画像形成装置100の電源をオンした時と、その後2時間ごとのタイミングである。そして、制御部110は、かぶりトナー付着量が所定値の一例である2.5%を超えて検出された場合、かぶりトナー付着量が2.5%を割り込む水準まで、一次転写電圧Vを上昇させる。
図5に示すように、制御部110は、かぶりトナーを検知するタイミングが来ると、最初に、中間転写ベルト9上にかぶりトナーが無い状態で、光学式センサ15によって中間転写ベルト9の反射光量値V1を読み取る。中間転写ベルト9上にかぶりトナーが無い状態とは、通常の画像形成状態と比較し、帯電電位VD=0(V)、露光なし、現像交流電圧Vac=0(V)、直流電圧Vdc=0(V)、現像スリーブ回転停止の状態である。
制御部110は、続いて、中間転写ベルト9上にかぶりトナーが有る状態で、光学式センサ15によって反射光量値V2を読み取る。中間転写ベルト9上にかぶりトナーがある状態とは、通常の白地画像の形成状態である。
制御部110は、読み取った出力V1、V2からその差分V1−V2を求め、図6に示すように、予め準備された差分とかぶりトナー付着量の関係テーブルを差分V1−V2で参照して、かぶりトナー付着量(%)を求める。かぶりトナー付着量(%)は次のように定義される。最高濃度画像トナー載り量は、8ビット255階調におけるベタ画像トナー載り量のことである。
かぶりトナー付着量(%)=かぶりトナー載り量/最高濃度画像トナー載り量
かぶりトナー付着量(%)=かぶりトナー載り量/最高濃度画像トナー載り量
ここで、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量は、2.5%未満であれば、記録材P上でかぶり画像があまり目立たないが、2.5%を超えると、非常に目立ち始める。このため、ここでは、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量が2.5%未満に収まるように、一次転写電圧Vを調整する。
<かぶりトナー付着量の制御>
図7はかぶりトナーの転写効率の説明図である。図8は転写効率差を利用してかぶりトナー付着量を減少させる制御の説明図である。図9は一次転写電圧の絶対値とかぶりトナー付着量の関係の説明図である。図10は転写電圧の設定の説明図である。
図7はかぶりトナーの転写効率の説明図である。図8は転写効率差を利用してかぶりトナー付着量を減少させる制御の説明図である。図9は一次転写電圧の絶対値とかぶりトナー付着量の関係の説明図である。図10は転写電圧の設定の説明図である。
図7に示すように、ATVC制御によって設定された設定値の近傍では、転写効率がピークを形成しているため、一次転写電圧Vを変化させても、最高濃度画像に対する転写効率はあまり変化しない。しかし、未帯電トナー、逆帯電トナーが主体のかぶり画像に対しては、一次転写電圧Vを少し上げると、転写効率が大幅に低下して、感光ドラム1aから中間転写ベルト9へあまり転写されなくなる。
そこで、制御部110は、かぶりトナー付着量が2.5%を超えて検出された場合には、一次転写電圧Vの絶対値を大きくし、感光ドラム1aから中間転写ベルト9へ転写されるかぶりトナーを減らす。感光ドラム1a上のかぶりトナーは、トナーの電荷量がほぼゼロに近いので、一次転写電圧Vの絶対値を大きくすると、電荷注入を受けた際に逆帯電し易く、逆帯電したトナーは感光ドラム1aに残ってクリーニング装置6aに回収される。
しかし、ATVC制御によって設定された一次転写電圧Vは、最高濃度画像の転写効率が最大となる設定値であるから、絶対値を大きくすると、転写効率が低下して肝心の画像濃度の低下が発生する可能性がある。また、一次転写電圧Vの絶対値を大きくし過ぎると、一次転写部T1で放電が発生して画像不良になる可能性がある。
このため、破線で示すように、最高濃度画像の転写効率が所定値を割り込まない範囲で一次転写部T1の絶対値を大きくする。この範囲を余裕度(ラチチュード)と呼ぶ。
図8の(a)に示すように、一次転写部T1のラチチュードの観点より、一次転写電圧Vの増加範囲は、ATVC設定値+300(V)を上限値としている。この範囲であれば、最大の+300(V)とした場合でも、転写効率は、最高値に比較すれば低下するものの、目立った画像不良を発生することが無いからである。一方、図8の(b)に示すように、この範囲であっても、かぶり画像は良好に改善される。
制御部110は、ATVC設定値+300(V)までの範囲で、かぶりトナー付着量が2.5%未満となる一次転写電圧Vを見つけ出して設定する。この時、最高濃度画像の転写効率の低下を避けるべく、できるだけATVC設定値に近い一次転写電圧Vが望ましい。このため、かぶりトナー付着量が目立たないで済む2.5%ぎりぎりとなるようにして、ATVC設定値からの乖離を最小限に抑えている。
図9に示すように、実験の結果、一次転写電圧Vの絶対値を50(V)大きくするごとに、かぶりトナー付着量が0.2%低下することが確認されている。制御部110は、光学式センサ15の出力の差分値(V1−V2)に応じて、かぶりトナー付着量を2.5%未満にするために必要な一次転写電圧Vの予測オフセット値を計算する。
図10に示すように、続いて、制御部110は、計算した予測オフセット値と、その予測オフセット値±50Vの三段階の一次転写電圧Vを一次転写部T1に印加して、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量を再確認する。
そして、制御部110は、三段階の一次転写電圧Vのうち、かぶりが2.5%を割り込む最小の予測オフセット値をATVC設定値に加算して、画像形成に用いる一次転写電圧Vを設定する。
<実施例1>
図11は実施例1の制御のフローチャートである。図12はトナーの電荷量分布の変化の説明図である。図13は実施例1の制御の説明図である。
図11は実施例1の制御のフローチャートである。図12はトナーの電荷量分布の変化の説明図である。図13は実施例1の制御の説明図である。
実施例1では、かぶりトナー付着量を検出して所定値に誘導する制御について具体的に説明する。
図11に示すように、制御部110は、かぶりトナー付着量の検出タイミングが来ると(S11)、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出する(S12)。検出手段の一例である光学式センサ15が、転写電圧設定手段の一例であるATVC制御によって設定された転写電圧を用いて感光ドラム1a上の画像の白地部から中間転写ベルト9へ転写されたかぶりトナー付着量を検出する。
そして、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値以下、すなわち反射光量値V1と反射光量値V2の差分が0.5V未満であれば(S13のYes)、ATVC制御によって設定した転写電圧をそのまま用いる(S14)。
しかし、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が所定値を超える場合には、制御部110は、ATVC制御によって設定された転写電圧よりも絶対値の大きい転写電圧を設定する(S16〜S18)。制御部110は、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量を所定値に誘導するように転写電圧を設定する(S16〜S18)。
制御部110は、ATVC制御によって設定した転写電圧よりも絶対値の大きな複数段階の転写電圧を一次転写部T1に印加する(S16)。光学式センサ15は、感光ドラム1aの画像の白地部から転写されたかぶりトナー付着量をそれぞれ検出する(S17)。
実施例1では、中間転写ベルト上のかぶりトナー付着量が2.5%を超えるかどうかを判断基準とする。この基準は、図6に示すように、光学式センサ15で検出したV1とV2の差分で見て0.5(V)に相当する。
(1)V1−V2<0.5の場合は、かぶりトナー付着量が2.5%未満なので、Y、M、C、K各色の一次転写電圧Vの設定値を変更しない。
(2)V1−V2≧0.5の場合は、かぶりトナー付着量が2.5%以上なので、Y、M、C、K各色の一次転写電圧Vの絶対値を大きくする。
(1)V1−V2<0.5の場合は、かぶりトナー付着量が2.5%未満なので、Y、M、C、K各色の一次転写電圧Vの設定値を変更しない。
(2)V1−V2≧0.5の場合は、かぶりトナー付着量が2.5%以上なので、Y、M、C、K各色の一次転写電圧Vの絶対値を大きくする。
図10に示すように、かぶりトナー付着量を2.5%未満にするために必要な一次転写電圧Vのオフセット電圧値Vx(V)を計算する。次に、オフセット電圧値Vxの最近傍のオフセット電圧値Vx−50(V)と、オフセット電圧値Vx+50(V)とを求める。
そして、三段階のオフセット電圧値を、実際に一次転写ローラ5aに印加して、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量が改善されたかどうかを確認する。そして、印加した三段階の一次転写電圧Vのうち、かぶりが2.5%を切る最小の値(図10ではVx)を、続く画像形成で用いる一次転写電圧Vの設定値とする。画像形成で用いる一次転写電圧Vの設定値は、ATVC制御による設定値+300(V)を上限とする。
図12に示すように、トナーの電荷量分布が変化して電荷量の少ないトナーが増えると、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量が増えて記録材に形成される画像のかぶり画像が濃くなる。
図2を参照して図13に示すように、画像形成装置100の電源オン時のV1−V2は、V1−V2=0.4(V)であった。図6に示すように、このとき、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量は2.0%であるので、通常の画像形成を行った(S14)。
しかし、2時間後に再度、かぶりトナー付着量を検出したところ、図12に示すように、V1−V2=0.6(V)となり、かぶりトナー付着量が3.0%となった(S13のYES)。ここで、図9に示すように、一次転写電圧Vを50(V)大きくするごとに、かぶりが0.2%改善されるので、かぶりを2.5%未満にするには、一次転写電圧VをATVC制御による設定値に対し、+125(V)シフトさせる必要がある。
しかし、トナーの電荷量分布によっては、一次転写電圧Vを50(V)大きくするごとに、かぶりが丁度0.2%改善するわけではなく、多少の振れが発生する。このため、一次転写電圧VをATVC制御による設定値に対して、+75(V)、+125(V)、+175(V)の三段階に振った。
実際に三段階の一次転写電圧Vを印加して光学式センサ15によりかぶりトナー付着量を検出した(S16)。検出結果を図13に示す。3点の内、かぶりトナー付着量2.5%未満を満たす最低電圧は、一次転写電圧VをATVC制御により決定された電圧に対し+125(V)した電圧である。この時のかぶりトナー付着量は2.4%で、規定値2.5%未満となる。よって、ATVC制御により決定された電圧に対し+125(V)の電圧を通常画像形成時の一次転写電圧Vの設定値とする(S18)。
以上のように、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出し、V1とV2の差分に応じて、かぶりを2.5%未満にするために必要な、一次転写電圧Vのオフセット電圧値を計算する。次に、その計算値の最近傍の一次転写電圧V(予想オフセット値と、予想オフセット値±50V)を転写部材に印加して、中間転写ベルト9上のかぶりが改善されたかどうかを検知し、制御する。これにより、記録材上のかぶりを2.5%未満にすることが可能となった。
なお、実施例1では、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出し、かぶりトナー付着量に応じて画像形成条件を変更するタイミングは、電源投入時と、所定時間経過するごとである。しかし、かぶりトナー付着量に応じて画像形成条件を変更するタイミングは、電源投入時と、所定枚数プリントアウトするごとでもよい。
<実施例2>
図14はトナーの電荷量分布の変化の説明図である。図15は実施例2の制御のフローチャートである。図16は帯電電位とかぶりトナー付着量の関係の説明図である。図17は帯電電位の制御可能な範囲の説明図である。図18は実施例2の制御の説明図である。
図14はトナーの電荷量分布の変化の説明図である。図15は実施例2の制御のフローチャートである。図16は帯電電位とかぶりトナー付着量の関係の説明図である。図17は帯電電位の制御可能な範囲の説明図である。図18は実施例2の制御の説明図である。
図14に示すように、トナーの電荷量分布が変化して、図12よりもさらに電荷量の少ないトナーが増えると、中間転写ベルト9のかぶりトナー付着量がさらに増えて記録材に形成される画像のかぶり画像が一段と濃くなる。このような場合に実施例2の制御は有効である。
実施例2では、かぶりトナー付着量を2.5%未満にするために必要な一次転写電圧Vのシフト量が300V以下であれば、実施例1と同様に一次転写電圧Vを設定する。従って、図15のフローチャート中、実施例1と共通する制御には図11と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
実施例2では、かぶりトナー付着量が多すぎて、一次転写電圧Vの必要なシフト量が300Vを超える場合、一次転写電圧Vのシフト量を300Vに固定して、残りのかぶりトナー付着量の削減を帯電電位VDの調整に委ねる。
図15に示すように、トナー像の転写効率が所定の下限値に達してもかぶりトナーの付着量が所定値を超える場合(S21のYes)、現像装置4aにおけるかぶり取り電圧を高めてかぶりトナー付着量を抑制する(S22〜S25)。かぶり取り電圧は、現像装置4aの電圧条件を固定して、感光ドラム1aの帯電電位を変化させることにより高められる。光学式センサ15は、トナー像の転写効率が所定の下限値となる転写電圧を用いて、感光ドラム1aから中間転写ベルト9へ転写されたかぶりトナー付着量を、複数段階に異ならせた帯電電位にてそれぞれ検出する(S24)。
制御部110は、かぶりトナー付着量を2.5%未満にするために必要な一次転写電圧Vのオフセット電圧値Vx(V)を計算する(S16A)。しかし、オフセット電圧値VxがATVC制御による設定値+300(V)の範囲を超える場合(S21のYes)、転写効率の余裕度の観点より、これ以上転写電圧を上げることができない。
そこで、一次転写電圧Vを、ATVC制御による設定値+300(V)に固定した後(S22)、帯電電位VDの絶対値を大きくし、かぶり取り電圧Vbackを大きくすることでかぶり画像を良化させる(S23〜S25)。
図16に示すように、実験結果により、帯電電位VDを10(V)大きくするごとに、かぶりトナー付着量は0.2%改善されることが判明している。この関係を用いてかぶりトナー付着が2.5%を割り込むような最小の帯電電位VDxを算出する(S23)。そして、VDx、VDx−10(V)、VDx+10(V)の三段階の帯電電位となるように、実際に帯電ローラ2aに電圧を印加して白地画像を形成し、光学式センサ15により中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出する(S24)。
なお、帯電電位VDを変更しても画像の最高濃度が一定に保たれるには、明部電位VLと直流電圧Vdcの差分である現像コントラストが一定に確保される必要がある。実施例2では、帯電電位VDの変更に伴って露光装置3aのレーザー発光強度を変更して明部電位VLを調整することにより、現像コントラストを一定に保っている。
図17に示すように、制御部110は、かぶりトナー付着量が2.5%を切る最小の帯電電位VDxを画像形成で用いる帯電電位VDの設定値とする(S25)。なお、帯電電位VDを+60(V)以上シフトさせるとキャリア付着が目立ち始めることが実験で確認されている。このため、帯電電位VDの余裕度(ラチチュード)は+60(V)を上限とする必要がある。
図2を参照して図18に示すように、画像形成装置100の電源オン時のV1−V2は、V1−V2=0.9(V)であった。図6に示すように、このとき、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量は4.5%である。この場合、図9の関係に基づいて、かぶりトナー付着量を2.5%未満にするために必要な一次転写電圧Vのオフセット電圧値を計算したところ、ATVC制御による設定電圧+400(V)が必要であった。
しかし、上述したように、転写効率の観点から一次転写電圧Vのオフセット電圧値は、ATVC制御による設定値に対し+300(V)が上限である。このため、一次転写電圧Vは、その上限値に設定する(S22)。しかし、この状態でかぶりトナー付着量を検出したところ、V1−V2=0.6(V)であり、図6の関係からかぶりトナー付着量は3.0%である。よって、制御部110は、かぶりトナー付着量が2.5%未満となるまで、帯電電位VDを制御する。
帯電電位VDを変更してかぶりトナー付着量を3.0%から2.5%未満へ誘導するための帯電電位VDのオフセット電圧値は、図16の関係を用いて以下のように計算される。
(3.0−2.5)×10(V)/0.2=25(V)
(3.0−2.5)×10(V)/0.2=25(V)
よって、図18に示すように、VDを設定値+15(V)、設定値+25(V)、設定値+35(V)の三段階に振って実際にかぶりトナー付着量を検出した。その結果、帯電電位VDを設定値+25(V)としたときに、かぶりが2.4%となり、規定値2.5%未満となった。
よって、帯電電位VDを設定値+25(V)とし、この電圧を画像形成時の帯電電位VDの設定値とした。
実施例2では、中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検知し、V1とV2の差分に応じて、かぶりを2.5%未満にするために必要な、一次転写電圧Vのオフセット電圧値を計算する。
次に、その計算値の最近傍の一次転写電圧Vの予想オフセット電圧値が、+300(V)を超えてしまう場合、転写効率の観点より、これ以上転写電圧を上げることができない。このため、一次転写電圧Vを、ATVC制御による設定値+300(V)に固定した後、帯電電位VDの絶対値を大きくし、かぶり取り電圧Vbackを大きくすることでかぶりを良化させる。その際、かぶりトナー付着量が2.5%を切る最小の値VDxを算出し、VDx−10(V)、VDx+10(V)の三段階の帯電電位となるように実際に一次転写部T1に転写電圧を印加して中間転写ベルト9上のかぶりトナー付着量を検出する。そして、かぶりトナー付着量が実際に2.5%を切る最小の値を帯電電位VDの設定値とする。ここで、帯電電位VDは、図17に示すように絶対値が700V+60(V)を超えると、キャリア付着量が目立ち始めるので、−760(V)を上限とする。このような制御を実行することで、記録材上のかぶりを2.5%未満にすることが可能となった。
なお、実施例2では、中間転写ベルト9上のかぶりトナー量が多い時、一次転写電圧の絶対値を大きくするとともに、帯電電位の絶対値を大きくする。しかし、帯電電位の代わりに現像スリーブ4sに印加する直流電圧Vdcの絶対値を小さくしてもよい。
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
2a、2b、2c、2d 帯電ローラ
3a、3b、3c、3d 露光装置
4a、4b、4c、4d 現像装置
4i マグネット、4s 現像スリーブ
5a、5b、5c、5d 一次転写ローラ
9 中間転写ベルト、15 光学式センサ
100 画像形成装置、110 制御部
D1、D2、D3、D4 電源
2a、2b、2c、2d 帯電ローラ
3a、3b、3c、3d 露光装置
4a、4b、4c、4d 現像装置
4i マグネット、4s 現像スリーブ
5a、5b、5c、5d 一次転写ローラ
9 中間転写ベルト、15 光学式センサ
100 画像形成装置、110 制御部
D1、D2、D3、D4 電源
Claims (8)
- 像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体に静電像を形成する静電像形成手段と、形成された前記静電像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、中間転写体に前記像担持体が当接する一次転写部に定電圧の転写電圧を印加して前記像担持体から前記中間転写体へトナー像を転写させる一次転写手段と、前記中間転写のトナー像を記録材へ転写する二次転写手段と、を備えた画像形成装置において、
トナー像の転写効率を高めるように設定された転写電圧を前記一次転写部に印加して前記像担持体の白地部から前記中間転写体へ転写された前記中間転写体のかぶりトナー付着量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基いて、前記中間転写体のかぶりトナー付着量が所定値を超える場合には、前記設定された転写電圧よりも絶対値の大きい転写電圧を前記一次転写部に印加してトナー像を転写させる制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記中間転写体のかぶりトナー付着量が所定値を超える場合には、前記中間転写体のかぶりトナー付着量を前記所定値に誘導するように調整された転写電圧を前記一次転写部に印加してトナー像を転写させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記中間転写体のかぶりトナー付着量が所定値以下の場合には、前記設定された転写電圧をそのまま前記一次転写部に印加してトナー像を転写させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記設定された転写電圧よりも絶対値の大きな複数段階の転写電圧を前記一次転写部に印加して前記像担持体の白地部から転写された前記中間転写体のかぶりトナー付着量をそれぞれ検出することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、トナー像の転写効率が所定の下限値に達してもかぶりトナーの付着量が所定値を超える場合には、前記現像手段におけるかぶり取り電圧を高めることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記かぶり取り電圧は、前記現像手段の電圧条件を固定して前記帯電手段による前記像担持体の帯電電位を変化させて高められ、
前記検出手段は、トナー像の転写効率が所定の下限値となる転写電圧を前記一次転写部に印加して前記像担持体の白地部から転写された前記中間転写体のかぶりトナー付着量を、複数段階に異ならせた前記帯電電位にて、それぞれ検出することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。 - 非画像形成時に、トナー像の転写効率を高めるように転写電圧が設定された後に、前記検出手段が前記中間転写体のかぶりトナー付着量を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記露光手段を制御して前記像担持体に形成して前記中間転写体に転写したカラーパッチを検出するための光学式センサを兼ねていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の画像形成装置。
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Cited By (2)
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JP2013137401A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Kyocera Document Solutions Inc | 画像形成装置 |
JP7409092B2 (ja) | 2020-01-07 | 2024-01-09 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び視認困難画像の確認方法 |
-
2010
- 2010-05-13 JP JP2010110886A patent/JP2011237712A/ja active Pending
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