JP7252463B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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本開示は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GIともいう)、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GAともいう)は、次の製造工程により製造される。はじめに、溶融亜鉛めっき処理の対象となる鋼板(母材鋼板)を準備する。母材鋼板は、熱延鋼板であってもよいし、冷延鋼板であってもよい。母材鋼板を熱延鋼板とする場合、たとえば、酸洗された熱延鋼板を準備する。酸洗以外の他の処理が施された熱延鋼板を準備してもよい。母材鋼板を冷延鋼板とする場合、たとえば、焼鈍処理された冷延鋼板を準備する。焼鈍処理以外の他の処理が施された冷延鋼板を準備してもよい。準備された母材鋼板(上述の熱延鋼板又は冷延鋼板)を溶融亜鉛めっき浴に浸漬して、溶融亜鉛めっき処理を実施し、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合はさらに、溶融亜鉛めっき鋼板を合金化炉内で熱処理することにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。
溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程中の、溶融亜鉛めっき処理の詳細は次のとおりである。溶融亜鉛めっき処理に用いられる溶融亜鉛めっき設備は、溶融亜鉛めっき浴が収納された溶融亜鉛めっきポットと、溶融亜鉛めっき浴中に配置されたシンクロールと、ガスワイピング装置とを備える。
溶融亜鉛めっき処理工程では、鋼板(母材鋼板)を溶融亜鉛めっき浴に浸漬させる。そして、溶融亜鉛めっき浴中に配置されたシンクロールにより、鋼板の進行方向を上方に転換させ、鋼板を溶融亜鉛めっき浴から引き上げる。引き上げられて上方に進む鋼板に対して、ガスワイピング装置からワイピングガスを鋼板表面に吹き付けて、余剰の溶融亜鉛を掻き取り、鋼板表面のめっき付着量を調整する。以上の方法により、溶融亜鉛めっき処理工程を実施する。なお、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合にはさらに、溶融亜鉛めっきの付着量が調整された鋼板を合金化炉に装入して合金化処理を実施する。
上述の溶融亜鉛めっき処理では、溶融亜鉛めっき浴中に浸漬された鋼板から、溶融亜鉛めっき浴中にFeが溶出する。鋼板から溶融亜鉛めっき浴中に溶出したFeが、溶融亜鉛めっき浴中に存在するAlやZnと反応すると、ドロスと呼ばれる金属間化合物が生成する。ドロスにはトップドロスとボトムドロスとが存在する。これらのドロスは、鋼板表面に付着する場合がある。ドロスが付着した場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板又は溶融亜鉛めっき鋼板の表面において、点状の欠陥となる場合がある。このようなドロス起因の表面欠陥を、「ドロス欠陥」という。ドロス欠陥は合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の外観性を低下したり、耐食性を低下したりする。そのため、ドロス欠陥の発生を抑制できる方が好ましい。
ドロス欠陥の発生を抑制する技術が、特開平11-350096号公報(特許文献1)、及び特開平11-350097号公報(特許文献2)に提案されている。
特許文献1では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、溶融亜鉛浴温度をT(℃)とし、Cz=-0.0015×T+0.76で定義される境界Al濃度をCz(wt%)とした場合、溶融亜鉛浴温度Tを435~500℃の範囲内にするとともに、境界Al濃度をCz±0.01wt%の範囲内に保持する。これにより、ドロスを微細化でき、ドロス欠陥の発生が抑制できる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、浴中Al濃度を0.15±0.01wt%の範囲内に保持する。これにより、ドロスを微細化でき、ドロス欠陥の発生が抑制できる、と特許文献2では記載されている。
特開平11-350096号公報 特開平11-350097号公報
Practical Applications of Phase Diagrams in Continuous Galvanizing,Nai-Yong Tang,Journal of Phase Equilibria and Diffusion Vol. 27 No.5,2006
ところで、母材鋼板の表面に形成された溶融亜鉛めっき層の密着性を高めるために、溶融亜鉛めっき処理前にNiめっき処理が施される場合がある。たとえば、上述の母材鋼板を準備する際、酸洗された熱延鋼板に対して、Niめっき処理を実施して、表面にNiめっき層が形成された熱延鋼板が準備される場合がある。他には、焼鈍処理された冷延鋼板に対して、Niめっき処理を実施して、表面にNiめっき層が形成された冷延鋼板が準備される場合がある。Niめっき処理を実施する場合であっても、ドロス欠陥を抑制できることが好ましい。
ドロス欠陥は、溶融亜鉛めっき浴中のドロスの生成量に起因する。ドロスの生成量が多ければ、ドロス欠陥も発生しやすくなる。ドロスの生成量は、溶融亜鉛めっき浴中の液相に溶解したAl濃度であるフリーAl濃度と、溶融亜鉛めっき浴中の液相に溶解したFe濃度であるフリーFe濃度とに関係する。したがって、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を把握し、調整することにより、溶融亜鉛めっき浴でのドロス(トップドロス及びボトムドロス)の生成量を調整できる。
しかしながら、Niめっき処理を実施した鋼板を用いて溶融亜鉛めっき処理を実施する場合、溶融亜鉛めっき浴は、Al、Fe、Ni及びZnを含有する4元系の合金となる。このような4元系の溶融亜鉛めっき浴においても、ドロスの生成量を調整するために、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を確認することは重要である。フリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を確認できれば、確認したフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度に応じて操業条件を調整することにより、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度も調整でき、その結果、ドロスの生成量も調整できるからである。したがって、Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を確認できることが望まれている。
本開示の目的は、Niめっき処理を実施する場合であっても溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を確認できる、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び、その溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を利用した、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することである。
本開示の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
鋼板に対してNiめっき処理をして、前記鋼板の表面にNiめっき層を形成するNiプレめっき工程と、
前記Niめっき層が形成された前記鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理をして前記Niめっき層上に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき工程とを備え、
前記溶融亜鉛めっき工程は、
Al、Fe、Ni及びZnを含有する溶融亜鉛めっき浴中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、全Ni濃度(質量%)、及び、前記溶融亜鉛めっき浴の浴温(℃)を測定する、全濃度及び浴温測定工程と、
測定した前記全Ni濃度(質量%)と前記浴温(℃)とに対応したAl-Fe-Zn3元系状態図に関する情報である、Al-Fe-Zn3元系状態図情報を選択する、状態図情報選択工程と、
選択した前記Al-Fe-Zn3元系状態図情報と、測定した前記全Al濃度(質量%)及び全Fe濃度(質量%)とに基づいて、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているAlの濃度であるフリーAl濃度(質量%)及び/又は、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているFeの濃度であるフリーFe濃度(質量%)を求める、めっき浴組成決定工程と、
前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)に基づいて操業条件を調整する、操業条件調整工程とを備える。
上述のフリーAl濃度(質量%)とは、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているAl濃度を意味する。つまり、本明細書において、「フリーAl濃度」は、ドロス(トップドロス及びボトムドロス)に含まれるAl濃度を除く、溶融亜鉛めっき浴に溶解している(つまり、液相中の)Al濃度を意味する。一方、「全Al濃度」は、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているAl濃度と、ドロスに含まれるAl濃度とを含む全てのAl濃度を意味する。同様に、「フリーFe濃度」は、ドロス(トップドロス及びボトムドロス)に含まれるFe濃度を除く、溶融亜鉛めっき浴に溶解している(つまり、液相中の)Fe濃度を意味する。一方、「全Fe濃度」は、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているFe濃度と、ドロスに含まれるFe濃度とを含む全てのFe濃度を意味する。「全Ni濃度」も同様である。
本開示の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、上述の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程と、溶融亜鉛めっき鋼板に対して合金化処理を実施して、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する合金化処理工程とを備える。
本開示の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、Niめっき処理を実施する場合であっても溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を確認できる。
図1は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる溶融亜鉛めっきライン設備の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。 図2は、図1中のNiプレめっき設備及び溶融亜鉛めっき設備の側面図である。 図3は、図2と異なる構成の溶融亜鉛めっき設備の側面図である。 図4は、図2及び図3と異なる構成の溶融亜鉛めっき設備の側面図である。 図5は、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置の機能ブロック図である。 図6は、特定の浴温における、Znリッチ領域でのAl-Fe-Ni-Zn4元系状態図のイメージ図である。 図7は、図6中の面PD1を示す図である。 図8は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の一例を示すフロー図である。 図9は、図8中の溶融亜鉛めっき工程の詳細を示すフロー図である。
本発明者らは、Niめっき処理を実施する場合における、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度の決定方法について検討した。
従前においては、溶融亜鉛めっき浴は、Al、Fe及びZnを含有する3元系の合金浴であった。このような、Al-Fe-Zn3元系の溶融亜鉛めっき浴の場合、次の方法により、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を特定できる。溶融亜鉛めっき浴から、サンプルを採取する。サンプルを冷却した後、ICP発光分光分析計を用いて、全Al濃度及び全Fe濃度を求める。サンプルにより求めた全Al濃度は、溶融亜鉛めっき浴の液相中に溶解しているAl濃度(つまり、フリーAl濃度)だけでなく、ドロス中のAl濃度も含まれている。同様に、サンプルにより求めた全Fe濃度は、溶融亜鉛めっき浴の液相中に溶解しているFe濃度(つまり、フリーFe濃度)だけでなく、ドロス中のFe濃度も含まれている。
そこで、測定した全Al濃度及び全Fe濃度と、Al-Fe-Zn3元系状態図とを用いて、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める。具体的には、質量%でZn濃度が99%を超える領域でのAl-Fe-Zn3元系状態図上に、測定した全Al濃度及び全Fe濃度で特定される点をプロットする。以下、質量%でZn濃度99%以上を超える領域を「Znリッチ領域」という。プロットされた点から、Znリッチ領域でのZn-Fe-Al三元系状態図中の液相線にタイライン(共役線)を引く。液相線とタイラインとの交点でのFe濃度がフリーFe濃度に相当し、液相線とタイラインとの交点でのAl濃度がフリーAl濃度に相当する。以上の方法により、3元系の溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を求めることができる。なお、Znリッチ領域のZn-Fe-Al三元系状態図はたとえば、非特許文献1中の図2及び図3に開示されている。非特許文献1は、溶融亜鉛めっき浴の研究者及び開発者の間では著名な論文である。
溶融亜鉛めっき浴が3元系の合金(Al-Fe-Zn)である場合、上述の方法により、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を求めることができる。しかしながら、亜鉛めっき処理前にNiめっき処理を実施する場合、溶融亜鉛めっき浴中にはNiが含有される。つまり、この場合の溶融亜鉛めっき浴は、Al、Fe、Ni及びZnを含有する4元系合金となる。4元系溶融亜鉛めっき浴の場合、上述の3元系溶融亜鉛めっき浴と同じ方法により、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を単純に求めることができない。
そこで、本発明者らは、Niを含有する4元系溶融亜鉛めっき浴(Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴)において、フリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を求める方法について検討を行った。
Al-Fe-Ni-Zn4元系の状態図を作成する場合、Ni-Al-Zn3元系状態図の熱力学データと、Ni-Fe-Zn3元系状態図の熱力学データが必要となる。しかしながら、現在公開されているNi-Al-Zn3元系状態図の熱力学データ及びNi-Fe-Zn3元系状態図の熱力学データは十分ではない。そのため、現在公開されている熱力学データを用いて、Al-Fe-Ni-Zn4元系の状態図を作成することはできない。そこで、本発明者らは、Al-Fe-Ni-Zn4元系状態図を作成して、フリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を求めるのではなく、他の方法により、Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める方法を検討した。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴では、浴中にNiが含有されている。そのため、既知の3元系(Al-Fe-Zn)状態図を利用して、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求めることはできない。一方、Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴において、Niはドロスに含まれにくい。つまり、4元系溶融亜鉛めっき浴中の全Ni濃度は、フリーNi濃度とみなすことができる。
そこで、本発明者らは、4元系溶融亜鉛めっき浴中の全Ni濃度(実質的にフリーNi濃度)の変化に応じて、Al-Fe-Zn3元系状態図にどの程度影響があるかを調査した。その結果、本発明者らは、4元系溶融亜鉛めっき浴中の全Ni濃度の変化及び浴温の変化に応じて、Al-Fe-Zn3元系状態図が変化することを知見した。以下、特定の全Ni濃度及び特定の浴温でのAl-Fe-Zn3元系状態図を、「特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図」ともいう。
この知見に基づいて、本発明者らは、全Ni濃度及び浴温に応じて、特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図を使い分ければ、従前の3元系の溶融亜鉛めっき浴の場合と同様に、特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図を用いて、全Al濃度及び全Fe濃度から、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求めることができることを知見した。
要するに、溶融亜鉛めっき浴がAl-Fe-Ni-Zn4元系である場合、全Ni濃度及び浴温に応じた特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図に関する情報を準備しておく。そして、溶融亜鉛めっき浴の全Ni濃度及び浴温に応じた特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図を採用して、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める。このように、全Ni濃度及び浴温に応じた3元系状態図に関する情報を用いれば、4元系の溶融亜鉛めっき浴であっても、擬似的なAl-Fe-Zn3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)に基づいて、フリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を求めることができる。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、次の構成を有する。
[1]の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
鋼板に対してNiめっき処理をして、前記鋼板の表面にNiめっき層を形成するNiプレめっき工程と、
前記Niめっき層が形成された前記鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理をして前記Niめっき層上に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき工程とを備え、
前記溶融亜鉛めっき工程は、
Al、Fe、Ni及びZnを含有する溶融亜鉛めっき浴中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、全Ni濃度(質量%)、及び、前記溶融亜鉛めっき浴の浴温(℃)を測定する、全濃度及び浴温測定工程と、
測定した前記全Ni濃度(質量%)と前記浴温(℃)とに対応したAl-Fe-Zn3元系状態図に関する情報である、Al-Fe-Zn3元系状態図情報を選択する、状態図情報選択工程と、
選択した前記Al-Fe-Zn3元系状態図情報と、測定した前記全Al濃度(質量%)及び全Fe濃度(質量%)とに基づいて、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているAlの濃度であるフリーAl濃度(質量%)及び/又は、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているFeの濃度であるフリーFe濃度(質量%)を求める、めっき浴組成決定工程と、
前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)に基づいて操業条件を調整する、操業条件調整工程とを備える。
ここで、フリーAl濃度(質量%)とは、上述のとおり、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているAl濃度を意味する。つまり、本明細書において、「フリーAl濃度」は、ドロス(トップドロス及びボトムドロス)に含まれるAl含有量を除く、溶融亜鉛めっき浴に溶解している(つまり、液相中の)Al濃度を意味する。一方、「全Al濃度」は、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているAl濃度と、ドロスに含まれるAl濃度とを含む全てのAl濃度を意味する。同様に、「フリーFe濃度」は、ドロス(トップドロス及びボトムドロス)に含まれるFe濃度を除く、溶融亜鉛めっき浴に溶解している(つまり、液相中の)Fe濃度を意味する。一方、「全Fe濃度」は、溶融亜鉛めっき浴に溶解しているFe濃度と、ドロスに含まれるFe濃度とを含む全てのFe濃度を意味する。「全Ni濃度」も同様である。
また、「溶融亜鉛めっき処理の操業条件を調整する」とは、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を調整可能な溶融亜鉛めっき処理の操業条件を調整することを意味する。また、「溶融亜鉛めっき処理の操業条件を調整する」とは、溶融亜鉛めっき処理の操業条件を変更する行為だけでなく、操業条件を現状のまま維持する行為も含む。
本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、全Ni濃度及び浴温に対応した
Al-Fe-Zn3元系状態図情報(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図情報)を用いて、全Al濃度及び全Fe濃度から、4元系溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を求めることができる。そのため、求めたフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度に基づいて操業条件を調整することにより、溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を適切な範囲に調整できる。その結果、ドロスの生成量を抑制することができる。
[2]の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
[1]に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
前記操業条件調整工程では、
求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)に基づいて、(A)~(C)の少なくとも1つを実施して、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)を調整する。
(A)前記溶融亜鉛めっき浴中へのAl添加量を調整する。
(B)前記溶融亜鉛めっき処理を実施する溶融亜鉛めっき設備での前記鋼板の搬送速度を調整する。
(C)前記溶融亜鉛めっき浴の前記浴温を調整する。
上記(A)溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度(質量%)を調整するのに有効な操業条件であり、(B)及び(C)はフリーFe濃度(質量%)を調整するのに有効な操業条件である。したがって、測定した溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度(質量%)又はフリーFe濃度(質量%)に基づいて(A)~(C)のいずれかを実施して溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度(質量%)又はフリーFe濃度を容易に調整できる。
[3]の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
[2]に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
前記操業条件調整工程では、
求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)に基づいて、前記溶融亜鉛めっき浴中へのAl添加量を調整する。
[4]の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
[1]~[3]のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
前記操業条件調整工程ではさらに、
求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記全Al濃度をTX(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度をFX(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記全Fe濃度をTY(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーFe濃度をFY(質量%)と定義したとき、
式(1)及び式(2)を満たすように溶融亜鉛めっき処理の操業条件を調整する、
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
0.1670<FX<0.2100 (1)
√((TX-FX)+(TY-FY))<0.0550 (2)
[5]の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
[1]~[4]のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施して前記溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程と、
溶融亜鉛めっき鋼板に対して合金化処理を実施して、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程とを備える。
本実施形態の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、上述の本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を適用する。そのため、4元系溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を把握でき、フリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を適切な範囲に調整できる。
以下、本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成については、同一符号を付してその説明を繰り返さない。
[溶融亜鉛めっきライン設備の構成について]
図1は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる溶融亜鉛めっきライン設備の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。図1を参照して、溶融亜鉛めっきライン設備1は、Niプレめっき設備40と、溶融亜鉛めっき設備10と、調質圧延機(スキンパスミル)30とを備える。
Niプレめっき設備40では、鋼板に対してNiめっき処理が実施され、鋼板の表面にNiめっき層が形成される。Niめっき層が形成された鋼板は、溶融亜鉛めっき設備10に搬送される。溶融亜鉛めっき設備10は、Niプレめっき設備40の下流に配置される。溶融亜鉛めっき設備10では、Niめっき層が形成された鋼板に対して溶融亜鉛めっき処理が実施され、溶融亜鉛めっき鋼板、又は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。調質圧延機30は、溶融亜鉛めっき設備10の下流に配置される。調質圧延機30では、溶融亜鉛めっき設備10において製造された溶融亜鉛めっき鋼板、又は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して、必要に応じて軽圧下して、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面を調整する。
[Niプレめっき設備40について]
図2は、図1中のNiプレめっき設備40及び溶融亜鉛めっき設備10の側面図である。Niプレめっき設備40は、Niめっきセル401を備える。Niめっきセル401はNiイオンを含有するNiめっき浴を貯留する。Niめっきセル401は内部に図示しない電極を備える。鋼板は、Niめっきセル401内を通過し、この時にNiめっき浴に浸漬される。Niめっき浴中に浸漬した鋼板に、電極との間で電流を流すことで、鋼板の表面にNiめっき層が形成される。Niめっき処理は、周知の電気めっき法により実施される。
[溶融亜鉛めっき設備10について]
図2を参照して、溶融亜鉛めっき設備10は、溶融亜鉛めっきポット101と、シンクロール107と、サポートロール113と、ガスワイピング装置109と、合金化炉111とを備える。
Niプレめっき設備40の出側に相当する溶融亜鉛めっき設備10の上流端部は、ターンダウンロール201が配置されている。ターンダウンロール201の下流には、スナウト202が配置されている。スナウト202の下流端部は、溶融亜鉛めっき浴103中に浸漬されている。
ターンダウンロール201により搬送方向が下向きに変えられた鋼板Sは、スナウト202の内部を搬送されて、溶融亜鉛めっきポット101に貯留されている溶融亜鉛めっき浴103へと連続的に浸漬される。溶融亜鉛めっきポット101の内部には、シンクロール107が配置されている。シンクロール107は、鋼板Sの幅方向と平行な回転軸を有しており、シンクロール107の軸方向の幅は、鋼板Sの幅よりも大きい。シンクロール107は、鋼板Sと接触して鋼板Sの進行方向を溶融亜鉛めっき設備10の上方に転換させる。
サポートロール113は、溶融亜鉛めっき浴103中であって、シンクロール107の上方に配置されている。サポートロール113は、一対のロールを備えている。サポートロール113の一対のロールは、鋼板Sの幅方向と平行な回転軸を有している。サポートロール113は、シンクロール107により進行方向を上方に転換された鋼板Sを挟んで、上方に搬送される鋼板Sを支持する。
ガスワイピング装置109は、シンクロール107及びサポートロール113の上方であって、かつ、溶融亜鉛めっき浴103よりも上方に配置されている。ガスワイピング装置109は、一対のガス噴射装置を備える。一対のガス噴射装置は、互いに対向するガス噴射ノズルを有する。溶融亜鉛めっき処理時において、鋼板Sはガスワイピング装置109の一対のガス噴射ノズルの間を通過する。このとき、一対のガス噴射ノズルは、鋼板Sの表面と対向する。ガスワイピング装置109は、溶融亜鉛めっき浴103から引き上げられた鋼板Sの両表面に対してガスを吹き付けることにより、鋼板Sの両表面に付着した溶融亜鉛めっきの一部を掻き落とし、鋼板Sの表面の溶融亜鉛めっきの付着量を調整する。
合金化炉111は、ガスワイピング装置109の上方に配置されている。合金化炉111は、ガスワイピング装置109を通過して上方に搬送された鋼板Sを内部に通して、鋼板Sに対して合金化処理を実施する。合金化炉111は、鋼板Sの入側から出側に向かって順に、加熱帯、保熱帯、冷却帯を含む。加熱帯は鋼板Sの温度(板温)が略均一になるように加熱する。保熱帯は、鋼板Sの板温を保持する。このとき、鋼板Sの表面に形成された溶融亜鉛めっき層が合金化されて合金化溶融亜鉛めっき層になる。冷却帯は、合金化溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板Sを冷却する。以上のとおり、合金化炉111は、加熱帯、保熱帯、冷却帯を用いて、合金化処理を実施する。なお、合金化炉111は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合に、上述の合金化処理を実施する。一方、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、合金化炉111は合金化処理を実施しない。この場合、鋼板Sは、作動していない合金化炉111を通過する。ここで、作動していないとは、たとえば、合金化炉111がオンラインに配置されたまま、電源が停止した状態(起動していない状態)であることを意味する。合金化炉111を通過した鋼板Sは、トップロール115により次工程に搬送される。
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、図3に示すとおり、合金化炉111がオフラインに移動してもよい。この場合、鋼板Sは、合金化炉111を通過することなく、トップロール115により次工程に搬送される。
なお、溶融亜鉛めっき設備10が溶融亜鉛めっき鋼板専用の設備である場合、溶融亜鉛めっき設備10は、図4に示すとおり、合金化炉111を備えていなくてもよい。
[溶融亜鉛めっきライン設備の他の構成例について]
溶融亜鉛めっきライン設備は、図1の構成に限定されない。図1の溶融亜鉛めっきライン設備1は調質圧延機30を備えるが、溶融亜鉛めっきライン設備1は、調質圧延機30を備えなくてもよい。溶融亜鉛めっきライン設備1は、少なくとも、Niプレめっき設備40及び溶融亜鉛めっき設備10を備えていればよい。調質圧延機30は、必要に応じて配置されればよい。また、溶融亜鉛めっきライン設備1は、Niプレめっき設備40よりも上流に、鋼板を酸洗するための酸洗設備を備えていてもよいし、酸洗設備以外の他の設備を備えていてもよい。溶融亜鉛めっきライン設備1は、Niプレめっき設備40よりも上流に焼鈍炉を備えてもよいし、Niプレめっき設備40の下流であって、溶融亜鉛めっき設備10の上流に、焼鈍炉を備えてもよい。溶融亜鉛めっきライン設備1はさらに、溶融亜鉛めっき設備10よりも下流に、調質圧延機30以外の他の設備を備えていてもよい。
[溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50について]
溶融亜鉛めっき設備10はさらに、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50を備える。図5は、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50の機能ブロック図である。図5を参照して、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50は、記憶部51と、組成決定部52とを備える。記憶部51は、3元系状態図情報を格納する。3元系状態図情報は、Al-Fe-Ni-Zn4元系合金ののうち、Ni濃度及び浴温に応じたZnリッチ領域でのAl-Fe-Znの3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)に関する情報である。3元系状態図情報については後述する。
組成決定部52は、全Ni濃度及び浴温に応じて選択された3元系状態図情報を用いて、全Al濃度及び全Fe濃度に基づくフリーAl濃度(質量%)及びフリーFe濃度(質量%)を求める。
溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50は、図示しない中央演算処理装置(CPU)と、メモリと、ストレージと、入力部と、出力部とを備える。メモリ及びストレージは記憶部51を構成する。またCPU及びメモリは組成決定部52を構成する。
[3元系状態図情報について]
図6及び図7は、3元系状態図情報を説明するための模式図である。図6は、特定の浴温T0における、Znリッチ領域でのAl-Fe-Ni-Zn4元系状態図のイメージ図である。図中のX軸はAl濃度(質量%)を示す。Z軸はNi濃度(質量%)を示す。Y軸はFe濃度(質量%)を示す。各X軸、Z軸、Y軸の矢印方向に向かって、対応する元素(Al、Ni、Fe)濃度が高くなる。
図6を参照して、図中の面LSは、Al-Fe-Ni-Zn4元系状態図での液相面を意味する。図6において、液相面LSよりも下の領域は、液相(L)である。ここで、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の浴温がT0であり、かつ、全Ni濃度がCNi1であると仮定する。この場合、特定の浴温T0のAl-Fe-Ni-Zn4元系状態図のうち、全Ni濃度がCNi1となる面PD1を抜き出す。抜き出した面PD1を図7に示す。
図7を参照して、抜き出した面PD1は、Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温がT0であり、かつ、全Ni濃度が特定の濃度CNi1である場合の、Znリッチ領域でのAl-Fe-Zn3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)に相当する。図7では縦軸がFe濃度(質量%)であり、横軸がAl濃度(質量%)である。図7では、液相線LSよりも下の領域が液相Lである。液相線LSよりも上の領域が、液相Lとドロスとの二相領域又は三相領域である。
図7に示すような3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)の場合、従前と同様の方法により、全Al濃度及び全Fe濃度から、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求めることができる。具体的には、図7を参照して、Al-Fe-Ni-Zn4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温T0での全Al濃度及び全Fe濃度で特定される点ICPをプロットする。点ICPが、液相Lとトップドロスとの二相領域内であったと仮定する。プロットされた点ICPから、液相線LSに向かってタイラインTLを引き、タイラインTLと液相線LSとの交点IPを求める。交点IPでのAl濃度CAlが、フリーAl濃度に相当する。また、交点IPでのFe濃度CFeが、フリーFe濃度に相当する。なお、タイラインTLの長さは、ドロス量の指標となる。つまり、点ICPから液相線LSに引かれたタイラインTLが短ければ、ドロスの生成量が少ない。一方、点ICPから液相線LSに引かれたタイラインTLが長ければ、ドロスの生成量が多いことを意味する。図7の場合は、タイラインTLの長さはトップドロスの生成量を意味する。
[本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について]
[利用する溶融亜鉛めっきライン設備ついて]
本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、溶融亜鉛めっきライン設備を用いる。溶融亜鉛めっきライン設備はたとえば、図1に示す構成を有する。本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる溶融亜鉛めっきライン設備は、図1に示す設備であってもよいし、図1に示す設備にさらに他の構成が追加されたものであってもよい。また、図1と異なる構成の周知の溶融亜鉛めっきライン設備を用いてもよい。
[溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の対象となる鋼板について]
本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる鋼板(母材鋼板)の鋼種及びサイズ(板厚、板幅等)は、特に限定されない。鋼板は、製造する溶融亜鉛めっき鋼板、又は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に求められる各機械的性質(たとえば、引張強度、加工性等)に応じて、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板に適用される公知の鋼板を利用すればよい。自動車外板に用いられる鋼板を溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の対象の鋼板として利用してもよい。
本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の対象となる鋼板(母材鋼板)は、熱延鋼板であってもよいし、冷延鋼板であってもよい。母材鋼板として、たとえば、次の鋼板が用いられる。
(a)酸洗処理された熱延鋼板
(b)焼鈍処理された冷延鋼板
上記(a)及び(b)は、本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる鋼板の例示である。本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に用いられる鋼板は、上記(a)及び(b)に限定されない。上記(a)及び(b)以外の処理が施された熱延鋼板又は冷延鋼板を、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の対象とする鋼板としてもよい。
[溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法]
図8は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の一例を示すフロー図である。図8を参照して、本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、Niプレめっき工程(S1)と、溶融亜鉛めっき工程(S2)とを備える。Niプレめっき工程(S1)では、上述の鋼板に対してNiめっき処理をして、鋼板の表面にNiめっき層を形成する。溶融亜鉛めっき工程(S2)では、Niめっき層が形成された鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理をしてNiめっき層上に溶融亜鉛めっき層を形成する。以下、各工程について説明する。
[Niプレめっき工程(S1)]
Niプレめっき工程(S1)では、周知のNiめっき処理を実施して、鋼板の表面にNiめっき層を形成する。Niめっき処理には、周知のNiめっき浴を使用しても良い。Niめっき浴はたとえば、50~500g/LのNiイオンを含む水溶液である。Niめっき層の形成は電気めっきにより行われる。電気めっきの条件は適宜調整できる。電気めっきの条件はたとえば、電流密度:10~150A/dm、めっき浴温度:40~70℃である。
[溶融亜鉛めっき工程(S2)]
溶融亜鉛めっき工程(S2)では、Niめっき層が形成された鋼板に対して、溶融亜鉛めっき設備を用いて溶融亜鉛めっき処理を実施し、Niめっき層上に溶融亜鉛めっき層を形成する。
図9は、図8中の溶融亜鉛めっき工程(S2)の詳細を示すフロー図である。本実施形態では、溶融亜鉛めっき工程中において、溶融亜鉛めっき浴103のフリーAl濃度、及び、フリーFe濃度を調整して、過剰なドロス(トップドロス又はボトムドロス)の生成を抑制する。しかしながら、上述のとおり、本実施形態では、溶融亜鉛めっき工程(S2)の前段で、Niプレめっき工程(S1)を実施する。そのため、溶融亜鉛めっき浴103中には、Niめっき層が形成された鋼板が浸漬する。そのため、溶融亜鉛めっき浴103は、Al、Fe、Ni、及び、Znからなる4元系の合金となる。なお、溶融亜鉛めっき浴103中のZn濃度は99%以上であるため、溶融亜鉛めっき浴103はZnリッチ領域における4元系合金である。
本実施形態では、図6及び図7で説明したとおり、4元系の溶融亜鉛めっき浴103の各元素(Al、Fe、Ni、Zn)のうち、濃度の調整が困難な全Ni濃度と、浴温とに応じて決まる、Al-Fe-Zn3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)を用いて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を決定する。
具体的には、溶融亜鉛めっき工程(S2)では、次の方法により、4元系溶融亜鉛めっき浴103のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める(S21~S23)。そして、求めたフリーAl濃度及びフリーFe濃度に基づいて、操業条件を調整する(S24)。以下、各工程(S21~S24)について詳述する。
[全濃度及び浴温測定工程(S21)]
全濃度測定工程(S21)は、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、及び全Ni濃度(質量%)を測定する全濃度測定工程(S211)と、4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温(℃)を測定する浴温測定工程(S212)とを含む。
[全濃度測定工程(S211)]
全濃度測定工程(S211)では、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、及び全Ni濃度(質量%)を測定する。
具体的には、4元系溶融亜鉛めっき浴103中からめっき液の一部をサンプルとして採取する。全濃度測定工程(S211)では、経時的にサンプルを採取する。「経時的にサンプルを採取する」とは、特定時間が経過するごとにサンプルを採取することを意味する。特定時間(サンプルを採取した後、次のサンプルを採取するまでの期間)は、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。たとえば、1時間ごとにサンプルを採取してもよい。また、サンプルを採取した後1時間経過後に次のサンプルを採取し、さらに30分経過後に次のサンプルを採取してもよい。特定時間は特に限定されない。
4元系溶融亜鉛めっき浴103中からのサンプル採取量は特に限定されない。ICP分析法により、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、及び全Ni濃度(質量%)を求めることが可能な量であれば、サンプル採取量は特に制限されない。サンプル採取量はたとえば、100~400gである。採取されたサンプルを熱伝導率が高い常温の金属に接触させて、サンプルを常温まで急冷して固化してもよい。熱伝導率が高い常温の金属はたとえば、銅である。
4元系溶融亜鉛めっき浴103中のサンプル採取位置は特に限定されない。たとえば、図2~図4を参照して、4元系溶融亜鉛めっき浴103を深さ方向DにD1~D3に三等分した場合、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の最上部の領域D1でサンプルを採取してもよいし、中部の領域D2でサンプルを採取してもよいし、最下部の領域D3でサンプルを採取してもよい。図2~図4に示すとおり、4元系溶融亜鉛めっき浴103のうち、鋼板Sの板幅方向と平行な方向を幅方向Wと定義し、4元系溶融亜鉛めっき浴103の深さ方向を深さ方向Dと定義し、幅方向W及び深さ方向Dと垂直な方向を長さ方向Lと定義する。この場合、好ましくは、幅方向Wにおける特定の幅範囲、深さ方向Dにおける特定の深さ範囲、及び、長さ方向Lにおける特定の長さ範囲で区画される特定領域内から経時的にサンプルを採取する。要するに、4元系溶融亜鉛めっき浴103内の同じ位置(特定領域内)から、経時的にサンプルを採取する。
好ましくは、できるだけシンクロール107近傍の領域からサンプルを採取する。具体的には、図2~図4に示すとおり、4元系溶融亜鉛めっき浴103のうち、深さ方向Dにおいて、シンクロール107の上端から下端までの特定の深さ範囲D107内から、サンプルを採取するのが好ましい。
サンプルを冷却した後、ICP発光分光分析計を用いて、サンプル中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)及び全Ni濃度(質量%)を測定する。具体的には、ドリルを用いて、サンプルから切粉を生成し、その切粉を採取する。採取された切粉を酸に溶解させて溶液を得る。溶液に対して、ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry)を実施して、サンプル中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、及び、全Ni濃度(質量%)を求める。
[浴温測定工程(S212)]
浴温測定工程(S212)では、サンプルを採取した時点での4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温(℃)を求める。4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温の測定位置は特に限定されない。好ましくは、サンプル採取位置(特定領域内)で浴温(℃)を測定する。
[状態図情報選択工程(S22)]
全濃度及び浴温測定工程(S21)で得られたAl濃度、Fe濃度はいずれも、全Al濃度、全Fe濃度である。全Al濃度及び全Fe濃度は、液相中のいわゆるフリーAl濃度、フリーFe濃度だけでなく、ドロス中のAl濃度、Fe濃度を含んだ値である。溶融亜鉛めっき工程(S2)において、過剰なドロスの発生を抑制するためには、4元系溶融亜鉛めっき浴103中の液相中に溶解しているAl及びFeの濃度、つまり、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を把握することが重要である。
4元系において、全Ni濃度及び浴温が一定であると仮定すれば、Al-Fe-Zn3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)を用いて、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を測定することができる。
そこで、本実施形態では、全Ni濃度及び浴温に対応した3元系状態図情報を選択して、選択した3元系状態図情報を用いて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める。
上述のとおり、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50内の記憶部51には、全Ni濃度及び浴温に対応したAl-Fe-Zn3元系状態図に関する情報である、3元系状態図情報が予め格納されている。3元系状態図情報は、全Ni濃度及び浴温の2つの条件により、変動する。3元系状態図情報は、全Ni濃度及び浴温により特定可能に、記憶部51内にテーブル管理されていてもよいし、パラメータ式(数式)として記憶部51に格納されていてもよい。
溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50のオペレータは、全濃度及び浴温測定工程(S21)で得られた全Al濃度、全Fe濃度、全Ni濃度及び浴温を溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50に入力する。このとき、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50は、記憶部51に格納された3元系状態図情報のうち、入力された全Ni濃度及び浴温に対応した3元系状態図情報を選択(決定)する。
[めっき浴組成決定工程(S23)]
めっき浴組成決定工程(S23)では、選択した3元系状態図情報を用いて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を算出する。具体的には、図7に示すとおり、3元系状態図情報から得られる状態図上において、全Al濃度及び全Fe濃度と一致する点ICPをプロットする。プロットされた点ICPから液相線LSに向かってタイラインTLを引く。液相線LSとタイラインTLとの交点IPでのAl濃度CAlがフリーAl濃度に相当し、液相線とタイラインとの交点でのFe濃度CFeがフリーFe濃度に相当する。
したがって、めっき浴組成決定工程(S23)では、選択した3元系状態図情報を用いて、全Al濃度及び全Fe濃度で決定される3元系状態図上の点ICPから液相線LSに向かってタイラインTLを引いたときのタイラインTLと液相線LSとの交点IPに相当する、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を求める。Al-Fe-Zn3元系状態図情報を用いたフリーAl濃度及びフリーFe濃度の決定方法は、種々の方法が考えられる。たとえば、上述のとおり、3元系状態図情報が、全Al濃度及び全Fe濃度を代入することによりタイラインTLと液相線LSとの交点IP(つまり、フリーAl濃度及びフリーFe濃度)を計算可能なパラメータ式であってもよい。
また、記憶部51内に、浴温及び全Ni濃度ごとの、Al-Fe-Zn3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)の熱力学データが格納されていてもよい。この場合、溶融亜鉛めっき浴組成決定装置50は、入力された全Ni濃度及び浴温から、対応するAl-Fe-Zn3元系状態図の熱力学データを読み出す。そして、対応するAl-Fe-Zn3元系状態図の熱力学データと、入力された全Al濃度及び全Fe濃度とに基づいて、タイラインと液相線との交点IPでのフリーAl濃度及びフリーFe濃度を決定してもよい。
また、測定された浴温、全Ni濃度、全Al濃度、全Fe濃度の値について、所定の濃度ピッチ(たとえば0.001%ごと)での状態図情報(たとえば、浴温、全Ni濃度、全Al濃度、全Fe濃度ごとの、3元系状態図でのフリーAl濃度及びフリーFe濃度)を記憶部51に格納していてもよい。
[操業条件調整工程(S24)]
操業条件調整工程(S24)では、めっき浴組成決定工程(S23)により得られたフリーAl濃度及びフリーFe濃度に基づいて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を調整する。操業条件の調整方法は、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度が調整できれば、特に制限されない。
好ましくは、操業条件の調整方法として、次の(A)~(C)の少なくとも1つを実施する。
(A)4元系溶融亜鉛めっき浴103中へのAlの単位時間当たりの添加量を調整する。
(B)溶融亜鉛めっき処理を実施する溶融亜鉛めっき設備での鋼板の搬送速度を調整する。
(C)4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温を調整する。
[操業条件(A)について]
4元系溶融亜鉛めっき浴103中のAlは、溶融亜鉛めっき処理が行われると消費される。そのため、適量のAlが4元系溶融亜鉛めっき浴103に随時供給される。Alの供給は、たとえばAlインゴットを4元系溶融亜鉛めっき浴103中に浸漬することによって行われる。上記(A)を実施する場合、たとえばAlインゴットの浸漬速度を調整しても良い。Alインゴットの浸漬速度を速くすれば、Alの供給量が上がり、Alの単位時間当たりの添加量が増加する。たとえば、Alインゴットの浸漬を一定時間停止すれば、Alの供給量が低下し、Alの単位時間当たりの添加量が減少する。4元系溶融亜鉛めっき浴103中へのAlの単位時間当たりの添加量を調整する方法は周知の方法でよく、特に限定されない。
[操業条件(B)及び(C)について]
4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度を調整する場合、次の(B)又は(C)を実施する。
(B)前記溶融亜鉛めっき処理を実施する溶融亜鉛めっき設備での前記鋼板の搬送速度を調整する。
(C)4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温を調整する。
操業条件(B)について、溶融亜鉛めっき設備での鋼板の搬送速度を遅くすれば、単位時間当たりに4元系溶融亜鉛めっき浴103を通過する鋼板量(通板量)が減少する。そのため、4元系溶融亜鉛めっき浴103中に溶解するFe量が低減する。その結果、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度が低下する。一方、溶融亜鉛めっき設備での鋼板の搬送速度を速くすれば、単位時間当たりに4元系溶融亜鉛めっき浴103を通過する鋼板量(通板量)が増加する。そのため、4元系溶融亜鉛めっき浴103中に溶解するFe量が増加し、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度が高まる。
操業条件(C)について、4元系溶融亜鉛めっき浴103の温度を高くすれば、鋼板からのFeの溶解量が多くなる。その結果、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度が高まる。
4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度を調整する場合、上述の(B)及び(C)の両方を実施しても良いし、(B)のみを実施しても良いし、(C)のみを実施しても良い。また、フリーAl濃度及びフリーFe濃度の両方を調整してもよい。また、上述の(A)~(C)以外の他の方法により、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を調整してもよい。
(A)~(C)を実施して、ドロスの生成を抑制できるように、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度が調整する。具体的には、図7に示すタイラインTLが短くなるように、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及び/又はフリーFe濃度を調整する。
[操業条件の好ましい調整方法]
上述の操業条件(A)~(C)のうち、好ましくは、操業条件(A)を実施して、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度(質量%)を調整する。つまり、求めた溶融亜鉛めっき浴中のフリーAl濃度(質量%)に基づいて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中へのAl添加量を調整することにより、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度(質量%)を調整する。
操業条件(B)又は(C)を実施する場合、4元系めっき浴中のフリーFe濃度だけでなく、4元系めっき浴中の全Ni濃度も変動する。一方で、操業条件(A)を実施する場合、4元系めっき浴中のフリーAl濃度のみが変動し、フリーFe濃度及び全Ni濃度は実質的に変動しない。したがって、操業条件(A)では、フリーAl濃度を単独で調整しやすい。したがって、好ましくは、操業条件(A)を実施して、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度を調整する。
[4元系溶融亜鉛めっき浴103の好ましい浴温について]
上述の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法における4元系溶融亜鉛めっき浴103の温度(浴温)は、好ましくは、445~480℃である。4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温が445℃以上であれば、Znの凝固を抑制できる。一方、4元系溶融亜鉛めっき浴103の浴温が480℃以下であれば、金属蒸発がさらに抑制され、金属ヒュームの発生がさらに抑制される。したがって、4元系溶融亜鉛めっき浴103の好ましい浴温は445~480℃である。
[4元系溶融亜鉛めっき浴103中のさらに好ましい調整方法]
全濃度及び浴温測定工程(S21)及びめっき浴組成決定工程(S23)において求めた溶融亜鉛めっき浴103中の全Al濃度をTX(質量%)と定義し、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度をFX(質量%)と定義し、溶融亜鉛めっき浴103中の全Fe濃度をTZ(質量%)と定義し、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーFe濃度をFY(質量%)と定義する。このとき、本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、さらに好ましくは、操業条件調整工程(S24)において、次の式(1)及び式(2)を満たすように、(A)~(C)の少なくとも1つを実施する。
0.1670<FX<0.2100 (1)
√((TX-FX)+(TY-FY))<0.0550 (2)
[式(1)について]
式(1)において、フリーAl濃度FXが0.1670%よりも高ければ、ボトムドロスの生成を十分に抑制できる。そのため、ドロス欠陥の発生をさらに抑制することができる。また、フリーAl濃度FXが0.2100%未満であれば、溶融亜鉛めっき層中のAl濃度が高くなりすぎるのを抑えることができる。その結果、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合において、合金化処理により、溶融亜鉛めっき層が十分に合金化される。
[式(2)について]
F2=√((TX-FX)+(TY-FY))と定義する。F2は、ドロス生成量の指標である。フリーAl濃度FXが式(1)を満たしている場合に、F2が0.0550未満であれば、トップドロスの生成が十分に抑制される。そのため、ドロス欠陥の発生をさらに抑制することができる。F2の好ましい上限は0.0500であり、さらに好ましくは0.0200である。
以上のとおり、本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、4元系溶融亜鉛めっき浴103から採取したサンプルを用いて、4元系溶融亜鉛めっき浴103の全Al濃度、全Fe濃度、全Ni濃度を測定し、さらに、浴温を測定する。そして、全Ni濃度及び浴温に対応した3元系状態図情報と、4元系溶融亜鉛めっき浴103の全Al濃度及び全Fe濃度とに基づいて、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度、及びフリーFe濃度を求める。以上の方法を採用することにより、Al-Fe-Ni-Znの4元系溶融亜鉛めっき浴103であっても、Ni濃度及び浴温を固定した擬似的な3元系状態図(特定Ni濃度Al-Fe-Zn3元系状態図)を用いることにより、従前と同様の方法で、フリーAl濃度及びフリーFe濃度を容易に求めることができる。そのため、得られたフリーAl濃度及びフリーFe濃度に基づいて、溶融亜鉛めっき処理中の4元系溶融亜鉛めっき浴103のフリーAl濃度及びフリーFe濃度を調整でき、ドロスの生成量を調整できる。その結果、ドロス生成量の過剰な増加に起因したドロス欠陥の発生も抑制できる。
なお、めっき浴組成決定工程(S23)において、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度の両方を求めてもよいし、4元系溶融亜鉛めっき浴103中のフリーAl濃度及びフリーFe濃度のいずれか一方のみを求めてもよい。この場合であっても、4元系溶融亜鉛めっき浴103のフリーAl濃度及びフリーFe濃度のいずれかを調整可能であり、その結果、ドロスの生成量も調整できる。
[合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法]
上述の本実施形態の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に適用可能である。
本実施形態による合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程と、合金化処理工程とを備える。溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程では、上述の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施する。合金化処理工程では、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程により製造された溶融亜鉛めっき鋼板に対して、図2に示す合金化炉111を用いて合金化処理を実施する。合金化処理方法は、周知の方法を適用すれば足りる。
なお、本実施形態の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程、及び、合金化処理工程以外の他の製造工程を含んでもよい。たとえば、本実施形態の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、合金化処理工程後において、図1に示す調質圧延機30を用いて調質圧延を実施する調質圧延工程を含んでもよい。この場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面の外観品質をさらに高めることができる。また、調質圧延工程以外の他の製造工程を含んでもよい。
以下、実施例により本実施形態の溶融亜鉛めっき処理方法の一態様の効果をさらに具体的に説明する。実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。したがって、本実施形態の溶融亜鉛めっき処理方法は、この一条件例に限定されない。
上述の操業条件調整工程において、全Al濃度TX、全Fe濃度TY、フリーAl濃度FX、フリーFe濃度FY、及び浴温Tの調整と、ドロス欠陥との関係について調査を行った。
具体的には、図2と同じ構成を有する溶融亜鉛めっき設備を利用して、溶融亜鉛めっき処理を実施した。具体的には、4元系溶融亜鉛めっき浴の全Ni濃度(質量%)、全Al濃度TX(質量%)、全Fe濃度TY(質量%)、フリーAl濃度FX(質量%)、フリーFe濃度FY(質量%)、及び、浴温T(℃)を、表1に記載のとおりに調整した。鋼板としては、自動車外板用鋼板(冷延鋼板)を用いた。
Figure 0007252463000001
各試験番号の4元系溶融亜鉛めっき浴の化学組成は、ICP発光分光分析計を用いて測定した。得られた浴温T(℃)及び全Ni濃度(質量%)に対応したAl-Fe-Zn3元系状態図情報を選択した。選択されたAl-Fe-Zn3元系状態図情報と、全Al濃度TX(質量%)及び全Fe濃度TY(質量%)とから、フリーAl濃度FX(質量%)及びフリーFe濃度FY(質量%)を求めた。
溶融亜鉛めっき処理後の鋼板に対して、合金化処理を実施した。合金化処理の条件は、いずれの試験番号でも同じとした。以上の製造工程により、試験番号1~10の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。なお、表1中の「F2」欄には、F2=√((TX-FX)+(TY-FY))の値が記載されている。「式(1)」欄中の「○」は、対応する試験番号の4元系溶融亜鉛めっき浴が式(1)を満たすことを意味する。「×」は、対応する試験番号の4元系溶融亜鉛めっき浴が式(1)を満たさないことを意味する。「式(2)」欄中の「○」は、対応する試験番号の4元系溶融亜鉛めっき浴が式(2)を満たすことを意味する。「×」は、対応する試験番号の4元系溶融亜鉛めっき浴が式(2)を満たさないことを意味する。
[評価試験]
[ドロス欠陥確認試験]
製造された各試験番号の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化溶融亜鉛めっき層の表面におけるドロス欠陥の有無を、次の方法で確認した。製造された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面を目視で観察して、ドロス欠陥の有無を調査した。ドロス欠陥の個数が1個/m以下である場合、ドロス欠陥が抑制されたと判断した。一方、ドロス欠陥の個数が1個/mを超える場合、ドロス欠陥が発生したと判断した。
不合格と判定された合金化溶融亜鉛めっき鋼板のドロス欠陥箇所を含むサンプルを採取した。そして、100倍にて、EPMAによる元素分析、及び、TEMによる構造解析を実施して、視野中のドロス(トップドロス又はボトムドロス)の種類を特定した。なお、TEMによる結晶構造解析では、事前にEPMAにより測定対象のドロスの位置を特定した後、特定された位置に電子ビームを照射して、結晶構造解析を実施した。ドロス欠陥が確認された試験番号の溶融亜鉛めっき鋼板については、上述のドロスの種類の特定により、トップドロスによるドロス欠陥(以下、トップドロス欠陥という)であるか、ボトムドロスによるドロス欠陥(以下、ボトムドロス欠陥)であるかを特定した。
[合金化不良確認試験]
製造された各試験番号の合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、合金化溶融亜鉛めっき層を目視で判断して、合金化不良の有無を調査した。目視によって、鋼板表面に合金化不良に起因すると思われる模様(例えば、流れ模様)が認められる場合に合金化不良と判断した。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。表1の「評価結果」欄の「ドロス欠陥」欄の「トップドロス欠陥」は、トップドロス欠陥が確認されたことを意味する。「ボトムドロス欠陥」は、ボトムドロス欠陥が確認されたことを意味する。「無し」はドロス欠陥が確認されなかったことを意味する。また、「評価結果」欄の「合金化不良」欄の「有り」は合金化不良が確認されたことを意味する。「無し」は、合金化不良が確認されなかったことを意味する。
表1を参照して、試験番号3、4、8及び9では、フリーAl濃度FXが0.1670よりも高く、0.2100よりも低かった。さらに、F2値が0.0550よりも低かった。そのため、ドロス欠陥が確認されず、合金化不良も確認されなかった。つまり、式(1)及び式(2)を満たすことにより、ドロス欠陥及び合金化不良の発生を抑制できた。
一方、試験番号1及び6では、F2が式(1)を満たさなかった。そのため、トップドロス欠陥が確認された。
試験番号2及び7では、フリーAl濃度FXが式(1)の上限を超えた。そのため、合金化不良が確認された。
試験番号5及び10では、フリーAl濃度FXが式(1)の下限未満であった。そのため、ボトムドロス欠陥が確認された。
以上、図面を参照しながら本実施形態の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本実施形態の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本実施形態の技術的範囲に属するものと了解される。
10 溶融亜鉛めっき設備
40 Niプレめっき設備
101 溶融亜鉛めっきポット
103 溶融亜鉛めっき浴
107 シンクロール
109 ガスワイピング装置
111 合金化炉
202 スナウト

Claims (5)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    鋼板に対してNiめっき処理をして、前記鋼板の表面にNiめっき層を形成するNiプレめっき工程と、
    前記Niめっき層が形成された前記鋼板に対して、溶融亜鉛めっき処理をして前記Niめっき層上に溶融亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき工程とを備え、
    前記溶融亜鉛めっき工程は、
    Al、Fe、Ni及びZnを含有する溶融亜鉛めっき浴中の全Al濃度(質量%)、全Fe濃度(質量%)、全Ni濃度(質量%)、及び、前記溶融亜鉛めっき浴の浴温(℃)を測定する、全濃度及び浴温測定工程と、
    測定した前記全Ni濃度(質量%)と前記浴温(℃)とに対応したAl-Fe-Zn3元系状態図に関する情報である、Al-Fe-Zn3元系状態図情報を選択する、状態図情報選択工程と、
    選択した前記Al-Fe-Zn3元系状態図情報と、測定した前記全Al濃度(質量%)及び全Fe濃度(質量%)とに基づいて、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているAlの濃度であるフリーAl濃度(質量%)及び/又は、前記溶融亜鉛めっき浴中に溶解しているFeの濃度であるフリーFe濃度(質量%)を求める、めっき浴組成決定工程と、
    前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)に基づいて操業条件を調整する、操業条件調整工程とを備える、
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    前記操業条件調整工程では、
    求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)に基づいて、(A)~(C)の少なくとも1つを実施して、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)及び/又は前記フリーFe濃度(質量%)を調整する、
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    (A)前記溶融亜鉛めっき浴中へのAl添加量を調整する。
    (B)前記溶融亜鉛めっき処理を実施する溶融亜鉛めっき設備での前記鋼板の搬送速度を調整する。
    (C)前記溶融亜鉛めっき浴の前記浴温を調整する。
  3. 請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    前記操業条件調整工程では、
    求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度(質量%)に基づいて、前記溶融亜鉛めっき浴中へのAl添加量を調整する、
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    前記操業条件調整工程ではさらに、
    求めた前記溶融亜鉛めっき浴中の前記全Al濃度をTX(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーAl濃度をFX(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記全Fe濃度をTY(質量%)と定義し、前記溶融亜鉛めっき浴中の前記フリーFe濃度をFY(質量%)と定義したとき、
    式(1)及び式(2)を満たすように溶融亜鉛めっき処理の操業条件を調整する、
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    0.1670<FX<0.2100 (1)
    √((TX-FX)+(TY-FY))<0.0550(2)
  5. 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施して前記溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程と、
    前記溶融亜鉛めっき鋼板に対して合金化処理を実施して、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程とを備える、
    合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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