JP7250597B2 - スプリンクラーヘッドの作動状態検知システム、消火システム、送水部品 - Google Patents
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Description
最初に、実施の形態に係るスプリンクラーヘッドの作動状態検知システムが適用される消火システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る消火システムの構成を示す概略図である。この図1に示すように、消火システム1は、送水部10と、貯水槽20と、ポンプ30と、モータ40と、制御弁50と、流水検知装置60と、スプリンクラーヘッド70と、検知部80と、作動状態検知装置90と、感知器100と、制御盤110とを備えて構成されている。
まず、送水部10の構成について説明する。送水部10は、貯水槽20からポンプ30によって汲み上げられた消火用水を、スプリンクラーヘッド70に供給するための送水手段である。この送水部10は、建物の壁や天井等に設置されており、一次側配管11と、二次側配管12と、継手部13と、第1排水管14と、第2排水管15とを備えている。
次に、貯水槽20、ポンプ30、及びモータ40の構成について説明する。
次に、制御弁50の構成について説明する。制御弁50は、スプリンクラーヘッド70から放出される消火用水の流れを制御するものである。この制御弁50は、一次側配管11と二次側配管12との相互間に配置されており、弁ボディと、弁体と、スプリングとを備えて構成されている(いずれも図示を省略する)。なお、この制御弁50は、公知の制御弁等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、流水検知装置60の構成について説明する。流水検知装置60は、一次側配管11の消火用水が二次側配管12に流入したことを検知する流水検知手段である。この流水検知装置60は、建物に1台配置されており、操作部と、圧力スイッチと、通信部と、制御部とを備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この流水検知装置60は、例えば公知の流水検知装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、スプリンクラーヘッド70の構成について説明する。図2は、非作動状態であるスプリンクラーヘッド70及びその近傍部分を示す正面断面図である。図3は、作動状態であるスプリンクラーヘッド70及びその近傍部分を示す正面断面図である。スプリンクラーヘッド70は、貯水槽20から送水部10を介して供給された消火用水を放出するものであ。このスプリンクラーヘッド70は、建物の天井等において、法定の設置間隔を満たすように、各階毎に1台又は複数台が配置されている。また、図2、図3に示すように、このスプリンクラーヘッド70は、ヘッド本体71と、弁体72と、ガード枠73と、プッシュリング74と、感熱体75と、デフレクタ76とを備えて構成されている。なお、このスプリンクラーヘッド70は、例えば公知のスプリンクラーヘッド(具体的には、閉鎖型スプリンクラーヘッド等)等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、検知部80の構成について説明する。検知部80は、スプリンクラーヘッド70の弁体72の位置状態を検知する検知手段である。ここで、「弁体72の位置状態」とは、弁体72と放出口71bとの位置関係を意味し、例えば、図2に示す弁体72が放出口71bを閉鎖した状態(以下、「閉鎖位置状態」と称する)、図3に示す弁体72が放出口71bから離脱した状態(以下、「離脱位置状態」と称する)等を含む概念である。
次に、作動状態検知装置90の構成について説明する。図4は、作動状態検知装置90の電気的構成を示したブロック図である。作動状態検知装置90は、スプリンクラーヘッド70の作動状態を検知するためのものである。この作動状態検知装置90は、建物に少なくとも1台以上配置されており、図4に示すように通信部91と、制御部92と、記憶部93とを備えて構成されている。
次に、感知器100の構成について説明する。感知器100は、火災を報知する火災信号、又は火災からの復旧を報知する火災復旧信号を送信する有線式の火災報知端末である。
次に、制御盤110の構成について説明する。制御盤110は、消火システム1の電気的制御を行う制御手段である。この制御盤110は、建物に1台設置されており、操作部と、通信部と、表示部と、制御部と、記憶部とを備えて構成されている。なお、この制御盤110は、例えば公知の制御盤等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、このように構成された消火システム1によって実行される消火処理について説明する。図5は、作動状態検知装置90に関する消火処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。図6は、流水検知装置60に関する消火処理のフローチャートである。消火処理は、スプリンクラーヘッド70から放出される消火用水によって、建物で発生した火災を消火するための処理である。この消火処理においては、概略的には、スプリンクラーヘッド70の作動状態を検知する処理が行われる。また、この消火処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態においては、流水検知装置60、検知部80、作動状態検知装置90、感知器100、及び制御盤110に電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この消火処理の前提としては、以下に示す通りとなる。具体的には、消火システム1における通常時の状態となるように、一次側配管11には消火用水が充填されていると共に、二次側配管12には空気が充填されているものとする。ただし、二次側配管内の圧力が減圧したか否かを検知する必要がなくなるので、二次側配管内の圧力を加圧するためのコンプレッサは省略されており、二次側配管12内の空気は加圧されていないものとする。また、制御弁50、排水弁14a、及び末端弁15aが閉鎖状態であると共に、スプリンクラーヘッド70が非作動状態であるものとする。
次に、スプリンクラーヘッド70が作動状態であるか否かの判定については、上記特定された弁体72の位置状態が閉鎖位置状態である場合に、弁体72によって放出口71bが閉鎖されているので、スプリンクラーヘッド70が作動状態でないと判定する。一方、上記特定された弁体72の位置状態が離脱位置状態である場合に、弁体72の離脱によって放出口71bが開放されているので、スプリンクラーヘッド70が作動状態であると判定する。
そして、作動状態検知装置90の判定部92aは、各スプリンクラーヘッド70が作動状態でないと判定された場合(SA2、No)、SA1に移行し、SA2にて各スプリンクラーヘッド70が作動状態であると判定されるまで、SA1及びSA2の処理を繰り返す。一方、各スプリンクラーヘッド70が作動状態であると判定された場合(SA2、Yes)、SA3に移行する。
このように、作動状態検知装置90の判定部92aが、検知部80の検知結果に基づいて、スプリンクラーヘッド70が作動状態であるか否かを判定するので、従来技術に比べて、スプリンクラーヘッド70が作動状態であるか否かを正確に検知することができ、消火システム1の動作の信頼性を高めることが可能となる。また、消火システム1にコンプレッサを設置する必要がなくなるため、従来技術に比べて、消火システム1の設置コストを低減することが可能となると共に、消火システム1の設置性を向上させることが可能となる。
このように実施の形態によれば、弁体72の位置状態を検知する検知部80と、検知部80の検知結果に基づいて、スプリンクラーヘッド70が作動状態であるか否かを判定する判定部92aと、を備えたので、従来技術に比べて、スプリンクラーヘッド70が作動状態であるか否かを正確に検知することができ、消火システムの動作の信頼性を高めることが可能となる。また、消火システム1にコンプレッサを設置する必要がなくなるため、従来技術に比べて、消火システム1の設置コストを低減することが可能となると共に、消火システム1の設置性を向上させることが可能となる。送水部10の内部において、検知部80が弁体72の位置状態を検知することが可能な位置に、当該検知部80を配置したので、検知部80をスプリンクラーヘッド70の内部に設けた場合に比べて、設置の制約を受けづらいので、検知部80の設置性を高めることが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来のシステムよりも消火システム1の設置性を高めることができない場合であっても、従来のシステムと同程度に、消火システム1の設置性を高めることが従来のシステムとは異なる本願発明のシステムによって達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、流水検知装置60、作動状態検知装置90、又は制御盤110をそれぞれ複数の装置に分散して構成したり、流水検知装置60、作動状態検知装置90、又は制御盤110の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
複数の実施の形態が記載されている場合において、これら複数の実施の形態の相互間においては、その構成や処理の一部を相互に入れ替えたり、一方の構成や処理を他方に適用したりしてもよい。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態では、消火システム1が、乾式予作動式の消火システムであると説明したが、これに限られず、例えば、湿式の消火システムや乾式の消火システムであってもよい。ここで、「湿式の消火システム」とは、通常時には、制御弁50が閉鎖された状態で、送水部10の内部のうち、貯水槽20側の端部から制御弁50に至る範囲まで消火用水が充填されていると共に、制御弁50からスプリンクラーヘッド70側の端部に至る範囲までも消火用水が充填されており、火災時には、スプリンクラーヘッド70が作動することで、制御弁50を開放させて、スプリンクラーヘッド70から消火用水を継続的に放水するシステムである。また、「乾式の消火システム」とは、通常時には、制御弁50が閉鎖された状態で、送水部10の内部のうち、貯水槽20側の端部から制御弁50に至る範囲まで消火用水が充填されていると共に、制御弁50からスプリンクラーヘッド70側の端部に至る範囲まで空気が充填されており、火災時には、スプリンクラーヘッド70が作動することで、制御弁50を開放させて、スプリンクラーヘッド70から消火用水を継続的に放水するシステムである。なお、消火システム1が、湿式の消火システムや乾式の消火システムである場合には、火災信号に基づいて制御弁50を開閉する制御が行われないので、感知器10を省略することができると共に、消火処理におけるSB1、SB5からSB7の処理も省略することができる。
上記実施の形態では、送水部品が継手部13であると説明したが、これに限られない。例えば、送水部品が、一次側配管11又は二次側配管12であってもよく、あるいは、一次側配管11、二次側配管12、及び継手部13を含む送水部10であってもよい。
上記実施の形態では、継手部13が、ソケット型のねじ込み式管継手であると説明したが、これに限られない。例えば、図7に示すように、継手部13が、停滞水防止継手であってもよい。ここで、「停滞水防止継手」とは、継手部13の内部の水が停滞することを防止するための継手である。この場合において、継手部13は、縦断面形状がT字状である管状体にて形成されており、二次側配管12の端部のうち、日常的に使用される図示しない水栓(例えば、トイレ等)側の端部近傍に設置される。そして、継手部13は、当該継手部13に設けられた第1連通口120を介して制御弁50側の二次側配管12と接続され、当該継手部13に設けられた第2連通口121を介して水栓側の二次側配管12と接続され、当該継手部13に設けられた第3連通口122を介してスプリンクラーヘッド70と接続されている。また、継手部13のうち、スプリンクラーヘッド70側の分岐部分の内部には、壁部123が設けられる。壁部123は、スプリンクラーヘッド70側の分岐部分内の消火用水を対流させるものである。この壁部123は、長尺な板状体であり、スプリンクラーヘッド70側の分岐部分の中央において、当該壁部123の長手方向が当該分岐部分の軸方向に沿うように設置されている。このような構造により、継手部13の二次側配管12側の分岐部分を通過する消火用水の一部が、壁部123によってスプリンクラーヘッド70側の分岐部分に引き込まれることで、当該スプリンクラーヘッド70側の分岐部分内の消火用水を押し出すことが可能となる。よって、スプリンクラーヘッド70側の分岐部分内の消火用水を対流させることができ、継手部13の内部の水を清潔な状態に保つことが可能となる。ここで、検知部80の設置については任意であるが、例えば、図7に示すように、弁体72の位置状態が閉鎖位置状態である場合に、送光部81が弁体72に対して検知光を直接的に照射でき、且つ、受光部82が弁体72から反射された検知光を直接的に受光することができるように、スプリンクラーヘッド70側の分岐部分における第3連通口122の近傍位置であって、送光部81から照射された検知光や弁体72から反射された検知光が壁部123に当たらない位置に設置されている。
上記実施の形態では、検知部80が、光センサであると説明したが、これに限られず、例えば、超音波センサや磁気センサ等であってもよい。ここで、検知部80が超音波センサである場合における弁体72の位置状態の特定については、検知部80から音波が送信されてから弁体130に反射して当該検知部80に戻るまでの時間に基づいて特定される。また、検知部80が磁気センサである場合における弁体72の位置状態の特定については、検知部80にて検知された磁気の大きさに基づいて特定される。
上記実施の形態では、制御盤110の制御部による消火用水の供給量の調整については、作動状態であるスプリンクラーヘッド70の個数に基づいて調整されると説明したが、これに限られない。例えば、作動状態であるスプリンクラーヘッド70の位置に基づいて調整されてもよい。具体的には、SA3において、作動状態検知の制御部92が、作動状態信号を送信する場合に、この作動状態信号に対応するスプリンクラーヘッド70の位置情報であって、記憶部93にあらかじめ記憶されたスプリンクラーヘッド70の位置情報(又は、受光部82から送信された検知信号に付加されたスプリンクラーヘッド70の位置情報)を、この作動状態信号に付加して流水検知装置60に送信する。次に、SB4において、流水検知装置60の制御部が、起動信号を送信する場合に、SB2にて受信された作動状態信号に付加されたスプリンクラーヘッド70の位置情報を、この起動信号に付加して制御盤110に送信する。そして、制御盤110の制御部は、流水検知装置60から受信した起動信号に付加されたスプリンクラーヘッド70の位置情報に基づいて消火用水の供給量を調整する。より具体的には、制御盤110の制御部は、受信された位置情報に対応するスプリンクラーヘッド70が貯水槽20から最も離れた場所に位置する場合には、モータ40の回転速度を最大速度とすることで、消火用水の供給量が最大量となるように調整する。また、受信された位置情報に対応するスプリンクラーヘッド70が貯水槽20から最も近い場所に位置している場合には、モータ40の回転速度を最大速度よりも遅くすることで、消火用水の供給量が上記最大量に比べて低く、且つ当該スプリンクラーヘッド70の消火用水の放出量が基準量を下回らないように調整する。このような処理により、スプリンクラーヘッド70の位置に関わらず、スプリンクラーヘッド70から消火用水が放出されるタイミングを略同一にすることができ、消火システム1の消火性能を高めることが可能となる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、付記1のスプリンクラーヘッドの作動状態検知システムは、送水手段を介して供給された消火用水を放出口を介して放出するスプリンクラーヘッドであり、前記放出口に対して離接自在な弁体を備えたスプリンクラーヘッドの作動状態を検知するための作動状態検知システムであって、前記弁体の位置状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記スプリンクラーヘッドが作動状態であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記送水手段の内部において、前記検知手段が前記弁体の位置状態を検知することが可能な位置に、当該検知手段を配置した。
付記1のスプリンクラーヘッドの作動状態検知システム、又は、付記5の消火システムによれば、弁体の位置状態を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づいて、スプリンクラーヘッドが作動状態であるか否かを判定する判定手段と、を備えたので、従来技術に比べて、スプリンクラーヘッドが作動状態であるか否かを正確に検知することができ、消火システムの動作の信頼性を高めることが可能となる。また、二次側配管内の圧力が減圧したか否かを検知する必要がなくなるので、二次側配管内の圧力を加圧するためのコンプレッサを設置する必要がなくなり、従来技術に比べて、消火システムの設置コストを低減することが可能となると共に、消火システムの設置性を向上させることが可能となる。また、送水手段の内部において、検知手段が弁体の位置状態を検知することが可能な位置に、当該検知手段を配置したので、検知手段をスプリンクラーヘッドの内部に設けた場合に比べて、設置の制約を受けづらいので、検知手段の設置性を高めることが可能となる。
2 第1配線
3 第2配線
4 第3配線
5 第4配線
6 第5配線
7 第6配線
10 送水部
11 一次側配管
12 二次側配管
13 継手部
14 第1排水管
14a 排水弁
15 第2排水管
15a 末端弁
20 貯水槽
30 ポンプ
40 モータ
50 制御弁
60 流水検知装置
70 スプリンクラーヘッド
71 ヘッド本体
71a 連通口
71b 放出口
71c 放射路
72 弁体
72a スプリングシール
73 ガード枠
73a ボール
73b 掛止孔
74 プッシュリング
75 感熱体
76 デフレクタ
80 検知部
81 送光部
82 受光部
90 作動状態検知装置
91 通信部
92 制御部
92a 判定部
93 記憶部
100 感知器
110 制御盤
120 第1連通口
121 第2連通口
122 第3連通口
123 壁部
130 弁体
131 第1連通口
132 第2連通口
133 第3連通口
134 感熱ヘッド
134a 感熱部
Claims (1)
- 送水手段を介して供給された消火用水を放出口を介して放出するスプリンクラーヘッドであり、前記放出口に対して離接自在な弁体を備えたスプリンクラーヘッドと、
前記送水手段に関する制御を行う制御手段と、を備えた消火システムであって、
前記スプリンクラーヘッドは、
前記弁体の位置状態を検知する検知手段であって、前記送水手段の内部において、当該検知手段が前記弁体の位置状態を検知することが可能な位置に配置された検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記スプリンクラーヘッドが作動状態であるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記送水手段による前記消火用水の供給量を調整する、
消火システム。
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