JP7249234B2 - 下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法 - Google Patents

下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7249234B2
JP7249234B2 JP2019141999A JP2019141999A JP7249234B2 JP 7249234 B2 JP7249234 B2 JP 7249234B2 JP 2019141999 A JP2019141999 A JP 2019141999A JP 2019141999 A JP2019141999 A JP 2019141999A JP 7249234 B2 JP7249234 B2 JP 7249234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
coating material
coating film
substrate
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019141999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020042018A (ja
Inventor
昌宏 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aica Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Aica Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aica Kogyo Co Ltd filed Critical Aica Kogyo Co Ltd
Publication of JP2020042018A publication Critical patent/JP2020042018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7249234B2 publication Critical patent/JP7249234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

本発明は、塗膜厚みが0.5mm程度以上から10mm程度までに床下地に塗付されることがある塗り床材が、長期間にわたって下地から剥離することが無く、十分な接着性を維持するか否かを評価する、下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法に関する。
従来、塗り床材は、一般的な塗料と異なり、塗膜厚みが0.5mm程度以上から10mm程度までの塗膜厚みが厚い状態で下地表面に塗付されるため、塗膜が硬化反応時やその後の養生時や床としての使用時の緩やかな反応等により比較的大きく塗膜連続方向に収縮することがあり、この収縮は塗膜厚みが厚いため、塗り床材全体としては大きな力となる。該力が下地と塗り床材の接着力より大きくなると、塗り床材は自ら下地コンクリートから剥離するという課題がある。
該剥離の状態を収縮力と内部応力との観点から一応判断したものに特許文献1に係る耐熱床材の実験結果の評価に関する記載がある(特許文献1の(発明の効果)項の手前の2段落目)。しかしながら該記載は該文献中の表1の収縮力、表2の内部応力と引張強度、と表4の塗膜の剥離状況を、比較考察して、特許文献1の請求項1記載の発明に係る塗膜は、その収縮力が塗膜の剥離応力よりも小さいため剥離現象が生じず、内部応力が引張強度よりも小さいため剥離乃至破断することもなく、また伸び力が塗膜の剥離応力より小さいため膨れ現象が生じなかった、と結論するにとどまり、塗膜の剥離を下地表面の強度との関係で正確に評価する評価方法を提示するところまでは至っていない。詳しく言えば、該特許文献1に記載の一般コンクリートの剥離応力約7kgf/cmはどの方向に剥離した場合の応力なのか、該剥離応力を有するコンクリートの配合(例えば水セメント比と骨材量)はどのようなものなのか、また塗膜連続方向の収縮力は下地に対してどのように作用するとしているのか等、不明確な部分があり、決して下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を当業者が理解できる程度までに明示されているとは言えない。
一方、塗り床材の収縮応力を一定範囲とすることで、耐熱衝撃性試験を行っても、該衝撃サイクルが1300サイクル経過後であっても塗膜の剥離等の異常が生じない、ポリウレタン系セメント組成物及びその施工方法が提案されている(特許文献2)。該特許文献2においては、組成物の厚みが4mmの時の塗膜連続方向の収縮応力を一定範囲とした場合に塗膜の剥離等の不具合が生じない、ことを示すにとどまり、決して塗り床材全体に普遍的に適用できるような、下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を明示しているものではない。
また、特許文献3に示される水系ポリウレタン組成物及びこれの床下地コンクリートへの施工方法では、その請求項3で、厚さ6~9mmに水系ポリウレタン組成物を床下地コンクリートに塗付する際には、該床下地コンクリートの脆弱層を除去し、床下地コンクリートの際部に所定の溝部を設け、対向する溝部と溝部の距離が12m超ある場合はさらに所定の条件で目地部を設け、該溝部内及び目地部内に該特許文献3の請求項1又は請求項2の水系ポリウレタン組成物を充填しながら塗付することで、水系ポリウレタン組成物を溝部及び目地部に噛みこませる施工方法が提案されている。
該施工方法は、水系ポリウレタン組成物を溝部及び目地部に噛みこませることで、水系ポリウレタン組成物が硬化する際の塗膜連続方向の収縮力によって塗膜が下地コンクリートから剥離することを未然に防止するものであるが、該特許文献3には、どのような場合に水系ポリウレタン組成物としての塗り床材が下地から剥離するか等の耐剥離性の評価方法の記載はなく、結果として塗り床材の剥離を未然に防止するためには、どのような場合に該特許文献3の請求項3に記載のような溝部や目地部を下地に設けなければならないか、また設ける必要がないのかの判断が出来ないという課題が依然として残されていた。
特許第3110446号公報 特許第4480964号公報 特開2015-81325号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗り床材が長期間にわたって下地から剥離することが無く、塗り床材の下地表面への施工時からの長期間の使用、特に食品工場などで100℃近い熱水で毎日洗浄しても、塗り床材が下地から剥離することが無いことを、試験室で容易に試験し評価することが出来る、下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供し、また、塗り床材を施工する際に、剥離を防止するために上記特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要があるのか否か、を判断することが出来る下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出する工程と、
該収縮力が下地表面に対して角度3~15度で作用するとした際の、下地表面に対して垂直方向のベクトル成分として垂直方向の力を算出する工程と、
該垂直方向の力を下地表面の単位面積当たりに作用する垂直応力に換算する工程と、
該垂直応力と下地表面の単位面積当たりの垂直方向の表面引張強度とを比較し評価する工程と、
から成ることを特徴とする下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供する。
また請求項2記載の発明は、前記塗膜連続方向の収縮力を算出する工程が、塗膜連続方向の収縮量と引張弾性係数、及び塗膜厚みから算出すること工程であることを特徴とする請求項1記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供する。
また請求項3記載の発明は、塗膜連続方向の収縮力は、塗膜を50~120℃で加熱後に該塗膜を塗り床材が使用される温度に徐冷した際に生じる収縮力であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供する。
また請求項4記載の発明は、前記単位面積とは1mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供する。
また請求項5記載の発明は、下地はコンクリート又はモルタルであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を提供する。
本発明の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法は、塗り床材が長期間にわたって下地から剥離することが無く、塗り床材の下地表面への施工時からの長期間の使用、特に食品工場などで100℃近い熱水で毎日洗浄しても、塗り床材が下地から剥離することが無いことを容易に評価することが出来る効果がある。
また、塗り床材を施工する際に、下地からの剥離を防止するために、下地に上記特許文献3に記載の溝部や目地部を設けて、その溝部や目地部に塗り床材を充填しながら塗付することが必要なのか否か、を判断することが出来る効果があり、該溝部や目地部を設ける必要があると判断される場合は、塗り床材の剥離を未然に防止する効果があり、溝部や目地部を設ける必要が無いと判断される場合は、施工に係る労力の削減及び施工に係るコストの低減の効果がある。
下地表面に塗付した塗り床材の塗膜連続方向の収縮力により、3~15度の角度にて剥離する状態を塗膜断面方向から見た塗膜剥離モデル図である。 水セメント比60%の下地コンクリートの表面引張強度とレイタンス残留率との関係を示した図である。レイタンス残留率は、2mm×2mmの面積毎にアタッチメントを介して垂直状に引っ張り、下地コンクリート表面が破壊した際の該コンクリート表面に残留しているレイタンスの割合を目視で判断した。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法は、塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出する工程と、
該収縮力が下地表面に対して角度3~15度で作用するとした際の、下地表面に対して垂直方向のベクトル成分として垂直方向の力を算出する工程と、
該垂直方向の力を下地表面の単位面積当たりに作用する垂直応力に換算する工程と、
該垂直応力と下地表面の単位面積当たりの垂直方向の表面引張強度とを比較し評価する工程において、垂直応力>表面引張強度の場合は、塗り床材は下地から剥離する、施工する場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要があると評価し、垂直応力<表面引張強度の場合は、塗り床材は下地から剥離しない、施工する場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要が無いと評価するものである。なお垂直応力=表面引張強度の場合は、安全のため、塗り床材は下地から剥離する場合がある、施工する場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要がある、等と判断すべきと考えられる。
次に、本発明である下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法を構成する、各工程のそれぞれについて詳しく説明する。
<塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出する工程>
塗り床材は、特に化学反応によって硬化する場合は、該化学反応によって塗膜の厚み方向以外の塗膜が連続している方向(塗膜連続方向)に収縮することがあり、該収縮力は例えば、特許文献2の段落0031~0032に記載のように、塗膜連続方向の収縮量と引張弾性係数とから塗膜の単位断面積当りの収縮応力として求め、これに塗膜厚みを乗じることにより該塗膜厚みの塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出することが出来る。その他、特許文献1の図2記載のアルミニウムの薄片の片側に塗り床材を塗付して、塗り床材の硬化によって生じるアルミニウムの薄片の湾曲をストレインゲージ等で測定し、アルミニウムの剛性とストレインゲージで測定される歪量から、塗膜連続方向の収縮力を算出することが出来る。本発明の塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出する方法は、どのような方法であっても構わないが、本明細書作成時の技術としては、上記塗膜連続方向の収縮量と引張弾性係数、及び塗膜厚みから算出する方法が、簡便で正確である。
該方法は具体的には、例えば2mm厚みで施工し使用される塗り床材の場合、該塗り床材を硬化させて長さ160mm×幅10mm×厚み2mmの短冊状に成型し、23℃7日養生後、さらに例えば50℃14日間加熱養生させた際の長手方向の収縮歪み量L(mm)を測定する。次に長手方向に速度1mm/分で引張り、引張弾性係数E(N/mm)を測定する。収縮歪み量L(mm)と試験体の23℃7日養生後の長さL(mm)とから次式(1)により塗膜単位断面積当りの収縮応力(N/mm)を算出し、さらに塗膜の厚みを乗じて塗膜単位幅当りの塗膜連続方向の収縮力(N/mm)を求めることが出来る。
塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)=E(L/L)・・・(1)
上記例では50℃14日間加熱養生させているが、塗り床材の反応硬化が終了するように養生するか、実際の塗り床材が使用される条件を考慮してその使用最高温度で所定期間養生して上記方法で塗膜連続方向の収縮力(N/mm)を求める等すればよい。
<塗膜連続方向の収縮力が下地表面に対して角度3~15度で作用する際の、下地表面に対して垂直方向のベクトル成分として垂直方向の力を算出する工程>
下地に塗付された塗り床材が、下地より剥離する場合は、例えば、皮スキを塗膜と下地の界面に差し込んで、次にこれを押し込んだ時、パラパラと剥がれていくこと(この際の皮スキと下地コンクリートとの角度は12度程度である)、及び塗り床材に、下地中に含まれた水分による膨れが発生した場合に、その膨れの下地との剥離部分における、塗り床材と下地との角度が5度程度である、ことより、上記塗膜連続方向の収縮力は、下地表面に対して角度3~15度で作用すると判断される。
よって、塗膜連続方向の収縮力が下地表面に対して角度3~15度で作用する図1のような剥離モデルを考え、この収縮力の垂直方向の力を三角関数によって算出する。
<垂直方向の力を下地表面の単位面積当たりに作用する垂直応力に換算する工程>
上記垂直方向の力は、厳密には図1の剥離モデルにおいて、塗り床材と下地が接着している端部の線上Sに塗り床材の単位幅当りの力として働くはずであるが、塗り床材は塗膜厚みが大きいため、実際には塗り床材と下地が接着している端部の一定の面積に対して作用すると考えられる。よって該垂直方向の力の単位を(N/mm)から該一定の面積を考慮して(N/mm)として垂直応力に換算しても差し支えないと判断出来る。該一定の面積は、例えば、下地に接着している幅1mmの塗り床材を、上記角度3~15度で、上記塗膜連続方向の収縮力と同一の力で引っ張って剥離させ、最初に剥離した下地の表面積を実測することで確認することが出来る。他に有限要素法による解析によっても求めることが出来る。その上で、上記垂直方向の力の単位(N/mm)を垂直応力の単位(N/mm)に置き換える(換算する)のが本工程である。実験的、経験的には角度3~15度で剥離する際には略1mm幅の下地に垂直応力が作用し、1mm幅あたりの垂直方向の力は略1mm当たりの垂直応力として下地に作用する。
<垂直応力と下地表面の単位面積当たりの垂直方向の表面引張強度とを比較し評価する工程>
下地表面の垂直方向の表面引張強度は、例えば2mm×2mmの面積毎に下地表面を引っ張ることで実験的に得ることが出来る。図2は、下地をコンクリートとした場合に、水/セメント(%)が60%で細骨材率46.1%、単位重量(kg/m)が水:172kg、セメント:172kg、細骨材:829kg、粗骨材:988kg、AE減水剤0.72kg、スランプ20.9cm、空気量4.0%の下地コンクリートを厚さ120mm、直径490mmに打設し、28日間養生後、表面を研磨し清掃した後、厚さ1mmにエポキシ樹脂系塗り床材を塗付し、硬化後、該塗り床材に2mm幅の格子状に切り込みを入れ、該一つの格子毎にアタッチメントを張り付けて垂直状に引っ張った際の、下地コンクリート表面のレイタンス(脆弱層)の割合(レイタンス残留率)と単位面積当たりのコンクリートの表面引張強度を示しているが、このような方法で、塗り床材が塗付される下地の表面引張強度を予め得ておくことが出来る。
ここでいう表面引張強度とは、下地表面を引張る際に下地が凝集破壊する場合の他、塗り床材を下地に塗付して接着させて垂直方向に引張った際に、下地との接着力が不足して塗り床材と下地との界面で剥離する場合のその剥離時の強度及び、下地も凝集破壊せず、塗り床材と下地との界面からも剥離せずに塗り床材自身が凝集破壊した際の強度も含んでいる。なぜなれば、これは上記レイタンスがウィークバウンダリーレイヤー(弱境界層)に置き換わったものと理解することが出来るからである。その意味で本発明は、下地の設計だけでなく、接着層の設計、及び塗り床材の塗膜(強度)の設計、さらにはこれらのバランスの設計のすべてに適用できる極めて有用な技術的思想である。
また、平成24年度版の塗り床ハンドブック(平成24年3月1日発行、監修 横山 裕、編著 日本塗り床工業会、発行・販売 工文社)には、塗り床の下地となる新設のコンクリート・モルタル及び改修下地の品質の一つとしての表面(引張)強度を 1.5N/mmと規定している。本工程では、例えば上記前段落に示した方法で得られた下地表面の表面引張強度か、塗り床ハンドブックに規定の表面(引張)強度 1.5N/mmと(下地表面の単位面積当たりの垂直方向の表面引張強度)、上記塗り床材の収縮に係る垂直応力とを比較する。なお、塗り床ハンドブックに記載の建研式接着試験とは、下地を垂直方向に引っ張る試験方法であり、これによって得られる値は本発明でいう下地の表面引張強度に相当する。
比較の結果、垂直応力>表面引張強度の場合は、塗り床材は下地から剥離する、施工する場合は下地がコンクリートやモルタル等の場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要がある等と評価する。垂直応力<表面引張強度の場合は、塗り床材は下地から剥離しない、施工する場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要が無い等と評価する。また、垂直応力=表面引張強度の場合は、安全のため、塗り床材は下地から剥離する場合がある、施工する場合は下地がコンクリートやモルタル等の場合は特許文献3に記載の溝部や目地部を設ける必要がある、等と評価する。
請求項5に記載の発明は、下地を、下記実施例にて実際に表面引張強度が測定され、または塗り床ハンドブックに規定されているコンクリート又はモルタルに限定しているが、下地が例えばセルフレベリング材であったり、下地調整材が塗付された下地であっても適用可能なことは明確であり、塗り床材が塗付されるすべての下地に本発明の耐剥離性評価方法を適用することが出来ることは明らかである。
以下、実施例にて具体的に説明する。
塗り床材として、上記段落0020の方法で算出した塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、0.9で塗膜厚みが2mmのものを実施例1、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、1.1で塗膜厚み7mmのものを実施例2、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、3.6で塗膜厚み7mmのものを実施例3、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、8.0で塗膜厚みが2mmのものを実施例4、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、1.2で塗膜厚みが1mmのものを実施例5、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、0.015で塗膜厚みが1.5mmのものを実施例6、同塗膜連続方向の収縮応力(N/mm)が、6.0で塗膜厚み4mmのものを実施例7として、収縮力が下地コンクリートに対して、角度5度、1mm幅の塗り床材で1mmに、作用するとした際の収縮力と垂直応力を表1に示す。
Figure 0007249234000001
<垂直応力と図2に示した下地コンクリートの表面引張強度とを比較した評価結果>
実施例1、実施例5、実施例6:垂直応力はレイタンスが100%残っている時の表面引張強度0.7N/mm(図2より)より大幅に小さく、塗り床材は剥離せず、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要はない等と評価される。
実施例2:垂直応力はレイタンスが100%残っている時の表面引張強度0.7N/mmとほぼ同等であり、塗り床材は剥離する場合があり、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要があると評価されるが、レイタンスが完全に除去されている場合は、塗り床材は剥離せず、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要はない等と評価される。
実施例3、実施例7:垂直応力はレイタンスが50%残っている時の表面引張強度2.0N/mm(図2より)と近い値であり、下地コンクリートの表面研磨が不十分でレイタンスが多く残っている場合、塗り床材は剥離することがあり、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要があると評価されるが、レイタンスが十分に除去され、レイタンス残留率が例えば40%以下であれば、塗り床材は剥離せず、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要はない等と評価される。
実施例4:垂直応力はレイタンスが70%程度残っている時の表面引張強度1.4N/mm(図2より)と近い値であり、下地コンクリートの表面研磨が不十分でレイタンスが多く残っている場合、塗り床材は剥離することがあり、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要があると評価されるが、レイタンス残留率が例えば60%以下であれば、塗り床材は剥離せず、下地コンクリート表面に溝部や目地部を設ける必要はない等と評価される。
<垂直応力と塗り床ハンドブックに規定された表面(引張)強度とを比較した評価結果>
実施例1、実施例2、実施例4、実施例5、実施例5、実施例6:垂直応力は、塗り床ハンドブックに規定された表面(引張)強度(1.5N/mm)より小さく、塗り床材は下地より剥離せず、下地表面に溝部や目地部を設ける必要はない等と評価される。
実施例3、実施例7:垂直応力は、塗り床ハンドブックに規定される表面(引張)強度(1.5N/mm)より大きく、塗り床材は下地より剥離し、下地表面に溝部や目地部を設ける必要がある等と評価される。
上記評価結果は、実施例1乃至実施例7の塗り床材が実際に使用されている状況と剥離の状況、及び、剥離を防ぐために事前に下地に溝部及び目地部を設けることを記載した施工仕様書(実施例3及び実施例7)との内容と一致し、本発明の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法が妥当であり有用である等と判断された。

Claims (5)

  1. 塗り床材の塗膜連続方向の収縮力を算出する工程と、
    該収縮力が下地表面に対して角度3~15度で作用するとした際の、下地表面に対して垂直方向のベクトル成分として垂直方向の力を算出する工程と、
    該垂直方向の力を下地表面の単位面積当たりに作用する垂直応力に換算する工程と、
    該垂直応力と下地表面の単位面積当たりの垂直方向の表面引張強度とを比較し評価する工程と、
    から成ることを特徴とする下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法。
  2. 前記塗膜連続方向の収縮力を算出する工程が、塗膜連続方向の収縮量と引張弾性係数、及び塗膜厚みから算出すること工程であることを特徴とする請求項1記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法。
  3. 塗膜連続方向の収縮力は、塗膜を50~120℃で加熱後に該塗膜を塗り床材が使用される温度に徐冷した際に生じる収縮力であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法。
  4. 前記単位面積とは1mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法。
  5. 下地はコンクリート又はモルタルであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法。

JP2019141999A 2018-09-11 2019-08-01 下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法 Active JP7249234B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018169640 2018-09-11
JP2018169640 2018-09-11

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020042018A JP2020042018A (ja) 2020-03-19
JP7249234B2 true JP7249234B2 (ja) 2023-03-30

Family

ID=69798091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019141999A Active JP7249234B2 (ja) 2018-09-11 2019-08-01 下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7249234B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010230504A (ja) 2009-03-27 2010-10-14 Fujita Corp 接着性能試験方法
JP2012208042A (ja) 2011-03-30 2012-10-25 Okumura Corp 仕上げタイルの剥離危険度評価方法
JP2013217028A (ja) 2012-04-05 2013-10-24 Aica Kogyo Co Ltd 防水仕上げ構造及び防水仕上げ方法
JP6265466B2 (ja) 2013-09-30 2018-01-24 パナソニック株式会社 片流れ屋根の棟換気構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06265466A (ja) * 1993-03-12 1994-09-22 Kawasaki Steel Corp 複合鋼板の接着強度の促進試験方法
JP4480964B2 (ja) * 2003-07-29 2010-06-16 アイカ工業株式会社 ポリウレタン系セメント組成物及びその施工法
KR102374162B1 (ko) * 2015-03-02 2022-03-11 에스케이하이닉스 주식회사 적층형 반도체 소자용 층간 접착 부재의 인장 모드 접착력의 정량화 방법 및 이의 정량화를 위한 측정 장치

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010230504A (ja) 2009-03-27 2010-10-14 Fujita Corp 接着性能試験方法
JP2012208042A (ja) 2011-03-30 2012-10-25 Okumura Corp 仕上げタイルの剥離危険度評価方法
JP2013217028A (ja) 2012-04-05 2013-10-24 Aica Kogyo Co Ltd 防水仕上げ構造及び防水仕上げ方法
JP6265466B2 (ja) 2013-09-30 2018-01-24 パナソニック株式会社 片流れ屋根の棟換気構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020042018A (ja) 2020-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ameli et al. Fracture R-curve characterization of toughened epoxy adhesives
Nishizaki et al. Durability of the adhesive bond between continuous fibre sheet reinforcements and concrete in an outdoor environment
JP7249234B2 (ja) 下地に塗付された塗り床材の耐剥離性評価方法
US20140342147A1 (en) Covering material for flooring and walls
CN106318076B (zh) 一种贴砖伴侣及其施工方法
JP5457777B2 (ja) コンクリート床版の防水工法
JP5485502B2 (ja) 壁面の補修構造
JP6157303B2 (ja) 建物表面の補修構造及び補修工法
AU2015224401B2 (en) Textile reinforced membranes
JP4993947B2 (ja) 壁面の補修構造
JP6813958B2 (ja) 高強度コンクリート躯体に対する補修用高強度モルタルの設置方法
JP4936752B2 (ja) 防水構造
JP4364003B2 (ja) 軽量気泡コンクリートパネルの表面改修方法
JP5709256B2 (ja) 既設床シートの接着性検査方法
JPH1149550A (ja) 床の補修工法と助材、床材
JP7410838B2 (ja) 水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法
WO2023074610A1 (ja) 構造物保護シート及び補強された構造物の製造方法
JP2007002663A (ja) タイル張り床の構成方法
JP2900024B2 (ja) 床材と床の施工方法
Pattanaik Repair of active cracks of concrete structures with a flexible polyurethane sealant for controlled movement
JPH05155649A (ja) 表面塗装剤とセメント補修剤及び目地剤
JP3626126B2 (ja) 乾式外装下地の化粧仕上げ工法
JPS60137957A (ja) 水中速硬化性エポキシセメント組成物
JP2007331974A (ja) 軽量気泡コンクリートパネルの表面処理方法
JP2023066394A (ja) 構造物保護シート及び補強された構造物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7249234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150