JP7410838B2 - 水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法 - Google Patents

水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、水分散ポリオール、ポリイソシアネート、有機金属系触媒、グリセリン、水硬性セメント及び骨材を含有してなり、床下地コンクリート表面に0.2mm以上4.0mm未満に塗付するペースト状の水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法に関する。
従来、塗膜の収縮応力が小さく、直接床下地コンクリート表面に塗付しても塗膜が剥離することがなく、紫外線によって色調が変化せず美観にも優れる水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法として、水分散ポリオール、ポリイソシアネート、有機金属系触媒、水硬性セメント及び骨材を含有してなる水硬性ポリマーセメント組成物であって、水分散ポリオールはヒマシ油系3官能ポリオールから成り、水酸基当量は250~600であって組成物全体100重量部中の10~25重量部であり、ポリイソシアネートは脂肪族イソシアヌレートから成り、ポリイソシアネートは組成物全体100重量部中の20~35重量部であり、水硬性セメントは組成物全体100重量部中の10~30重量部であり、骨材は組成物全体100重量部中の25~50重量部である、ことを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法が提案されている。
特開2020-037508号公報
しかしながら、該特許文献1記載の水硬性ポリマーセメント組成物は、経時により塗膜にタックが生じる場合があり、該タックは粉塵等を付着することになって塗膜表面が汚染される場合があるという課題を有していた。
本発明が解決しようとする課題は、床下地コンクリート表面に0.2mm以上4.0mm未満に塗付するペースト状の水硬性ポリマーセメント組成物でありながら、塗膜の収縮応力が小さく、直接床下地コンクリート表面に塗付しても塗膜が剥離することがなく、このため床下地コンクリート上に塗付するに当たって、床下地コンクリートの際部に深さ3~7mmで幅が3~7mmの溝部や該溝部から12m以内毎に深さ3~7mmで幅が3~7mmの目地部を設ける必要が無く、さらには紫外線によって色調が変化せず、加えて経時により塗膜にタックが生じることがなく、美観にも優れる水硬性ポリマーセメント組成物及びその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、水分散ポリオール、ポリイソシアネート、有機金属系触媒、グリセリン、水硬性セメント及び骨材を含有してなる水硬性ポリマーセメント組成物であって、
水分散ポリオールは水とヒマシ油系3官能ポリオールとビスフェノールA 骨格を有する4官能ポリオールを含み、水酸基当量は500~800であって組成物全体100重量部中の10~25重量部であり、
ヒマシ油系3官能ポリオールは水分散ポリオール100重量部中の30重量部超50重量部以下であり、
グリセリンは組成物全体100重量部中の0重量部超5重量部以下であり、
ポリイソシアネートは脂肪族イソシアヌレートから成り、ポリイソシアネートは組成物全体100重量部中の20~35重量部であり、
有機金属系触媒は有機錫化合物であって、組成物全体100重量部中の0.005~0.05重量部であり、
水硬性セメントは組成物全体100重量部中の10~30重量部であり、
骨材は組成物全体100重量部中の25~50重量部である、
ことを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物を提供する。
また請求項2記載の発明は、ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1記載の水硬性ポリマーセメント組成物を提供する。
また請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の水硬性ポリマーセメント組成物を、床下地コンクリート表面に下塗として0.2mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに該水硬性ポリマーセメント組成物を上塗りとして1.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して仕上げることを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物の施工方法を提供する。
本発明の水硬性ポリマーセメント組成物は、床下地コンクリート表面に0.2mm以上4.0mm未満に塗付することができる効果があり、また、硬化した塗膜の内部に発生する応力である収縮応力が極めて小さいという効果がある。このため、直接床下地コンクリート上に所定厚み塗付しても硬化後の塗膜が剥離することがないという効果がある。
また本発明の水硬性ポリマーセメント組成物は、上記のように塗膜の収縮応力が極めて小さいため、施工に際して従来のように床下地コンクリートの際部や床下地コンクリート表面の12m以内毎に深さ3~7mmで幅が3~7mmの目地部を設ける必要が無いという効果がある。このため、容易に且つ短時間で床下地コンクリート表面に塗付することが出来る効果があり、結果として低コストであるという効果がある。
また、本発明の水硬性ポリマーセメント組成物は、ポリイソシアネートが脂肪族のイソシアヌレートから成るため、硬化後の塗膜が日光や紫外線等によって黄変することが無く、美観に優れるという効果がある。
さらには、本発明の水硬性ポリマーセメント組成物は、床下地コンクリート表面に塗付されて硬化後、経時によって塗膜表面にタックが生じることが殆ど無く、長期間にわたって塗膜表面に粉塵等の汚れが付着することが殆ど無い、という効果がある。
本発明の請求項3記載の水硬性ポリマーセメント組成物の施工方法は、請求項1又は請求項2に記載の水硬性ポリマーセメント組成物を下地コンクリート表面に所定の厚みで均一に塗付することが出来る効果があり、硬化後の塗膜は美観に優れるという効果がある。特には、床下地コンクリート表面の微細な孔(コンクリートの微細組織構造から生じる細孔)は下塗りの本水硬性ポリマーセメント組成物によって充填された状態になり、該下塗りに上塗りを塗付すると、上塗りを直接床下地コンクリート表面に塗付した場合と比較して、上塗りの塗膜にピンホールが発生しない、という効果があり、本発明の水硬性ポリマーセメント組成物で形成される塗膜表面は美観に優れるという効果がある。
下地コンクリートの表面に塗付した塗床材の塗膜が塗膜収縮力Tにより、5度の角度にて剥離する状態を塗膜断面方向から見た塗膜剥離モデル図である。 水セメント比60%の下地コンクリートの表面引張強度とレイタンス残留率との関係を示した図である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の水硬性ポリマーセメント組成物は、水分散ポリオール、ポリイソシアネート、有機金属系触媒、グリセリン、水硬性セメント及び骨材を含有してなる水硬性ポリマーセメント組成物であって、
水分散ポリオールは水とヒマシ油系3官能ポリオールとビスフェノールA 骨格を有する4官能ポリオールを含み、水酸基当量は500~800であって組成物全体100重量部中の10~25重量部であり、
ヒマシ油系3官能ポリオールは水分散ポリオール100重量部中の30重量部超50重量部以下であり、
グリセリンは組成物全体100重量部中の0重量部超5重量部以下であり、
ポリイソシアネートは脂肪族イソシアヌレートから成り、ポリイソシアネートは組成物全体100重量部中の20~35重量部であり、
有機金属系触媒は有機錫化合物であって、組成物全体100重量部中の0.005~0.05重量部であり、
水硬性セメントは組成物全体100重量部中の10~30重量部であり、
骨材は組成物全体100重量部中の25~50重量部である、
ことを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物であり、必要に応じてこれらの他に、顔料、分散剤、消泡剤、希釈剤等の添加剤を配合することができる。
本発明に使用する水分散ポリオールは、水とヒマシ油系3官能ポリオールとビスフェノールA骨格を有する4官能ポリオールを含み、ヒマシ油系3官能ポリオールは、ヒマシ油及びその誘導体で、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド及びそれらの混合物であり、水酸基数が3のポリオールである。本発明に使用するヒマシ油変性3官能ポリオールの水酸基当量は、250~450が好ましく、250未満では硬化物の収縮応力が大きくなって塗膜が下地コンクリ ートから剥離したり、硬化が速くなって作業性が不良となり、450超では水硬性ポリマーセメント組成物として硬化後の強度が不十分となる。また水分散ポリオール中のヒマシ油系3官能ポリオールの含有量は水分散ポリオール100重量部中の30重量部超50重量部以下が好ましく、30重量部以下では圧縮強度が不足する場合があり、50重量部超では耐衝撃性が不十分となる場合がある。
ビスフェノールA骨格を有する4官能ポリオールは、ビスフェノールA骨格を有するポリエポキシ化合物に活性水素化合物を反応させて得られるエポキシ開環ポリオールであり、水酸基当量は250~450が好ましい。水酸基当量が250未満では硬化物の収縮応力が大きくなって塗膜が下地コンクリートから剥離したり、硬化が速くなって作業性が不良となり、450超では水硬性ポリマーセメント組成物として硬化後の強度が不十分となる。また水分散ポリオール中のビスフェノールA骨格を有する4官能ポリオールの含有量は水分散ポリオール100重量部中の2重量部超15重量部以下が好ましく、2重量部以下では圧縮強度が不足する場合があり、15重量部超では耐衝撃性が不十分となる場合がある。
本発明に使用する水分散ポリオールの水酸基当量は、500~800が好ましく、500未満では水硬性ポリマーセメント組成物としての硬化が速くなって作業性が不良となり、800超では水硬性ポリマーセメント組成物として硬化後の強度が不十分となる。水分散ポリオールの配合量は組成物全体100重量部中の10~25重量部が好ましく、10重量部未満では組成物の硬化物の強度が低下し25重量部超では組成物を金鏝やローラ刷毛等で塗付する際の作業性が低下する。
本発明に使用するグリセリンの配合量は、組成物全体100重量部中の0重量部超5重量部以下であり、上記ビスフェノールA骨格を有する4官能ポリオールの配合により不十分となった圧縮強度又は耐衝撃性を回復する量を配合する。
本発明に使用するポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートから得られ、イソシアヌレート構造を有する脂肪族イソシアヌレートから成る。詳しくは、1,6ヘキサメチレンジイソシアネートを環化三量化することによって得られるヘキサメチレンジイソシアヌレートが優れた耐候性を有し、塗膜の硬度を向上させることより好ましい。1,6ヘキサメチレンジイソシアネートを環化三量化するには、特開平01-33115号公報に記載の方法を使用することができ、本願発明に使用するポリイソシアネートには、他の脂肪族ジイソシアネートや脂環式ジイソシアネート等、またこれらのプレポリマーを併用することが出来、ポリイソシアネートの含有量99重量%以上のものを使用する。
また、本発明に使用するポリイソシアネートとしては、NCO%が15~25重量%のものを使用することができ、NCO%が20~25重量%のポリイソシアネートがより好ましい。15%重量未満では塗膜の強度が不足する場合があり、25重量%超ではイソシアヌレート構造をとっているポリイソシアネートが少なくなり、また逆に三量化されていない、例えばジイソシアネートであるポリイソシアネートが増えることになるため、同様に塗膜の強度が不足する。
また、本発明に使用するポリイソシアネートの粘度は500~3500mPa・s/25℃であることが好ましく、500mPa・s未満では塗膜の強度が不足する場合があり、3500mPa・s超では下地コンクリート表面に塗付する際の作業性が低下する場合がある。
また、本発明に使用するポリイソシアネートは組成物全体100重量部中の20~35重量部であり、20重量部未満では塗膜の強度が不足する場合があり、35重量部超では硬化時間が短くなって、施工性が不足する場合がある。
本発明に使用する有機金属系触媒は、本組成物の硬化を促進させるために配合され、例えば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属系触媒等を使用することが出来る。これらの硬化触媒の中でも、有機錫化合物がより好ましい。また、これらの硬化触媒のうち、触媒効果の点から、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライドがより好ましい。有機金属系触媒の配合量は、組成物全体100重量部中の0.005~0.05重量部であり、0.005重量部未満では塗膜の強度が不十分と成る場合があり、0.05重量部超では硬化が速くなり塗膜表面性が不良と成る場合がある
本発明に使用する水硬性セメントは、特定の色調が付与できるように、主として白色ポルトランドセメントを使用することが好ましく、他に普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント、早強ポルトランドセメント等を併用することが出来る。水硬性セメントの配合量は組成物全体100重量部中の10~30重量部が好ましく、10重量部未満で塗膜の強度が低下し、30重量部超では本組成物を金鏝やローラ刷毛等で下地コンクリート表面に塗付する際の塗付作業性が低下する。
本発明に使用する骨材は、粒径が0.7mm~0.05mmの珪砂、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等を使用することが出来る。粒径が0.7mm超では床下地コンクリート表面に塗付した際に塗膜の表面平滑性に劣る場合があり、粒径が0.05mm未満では組成物としての粘度が高くなり、塗付作業性が低下する。
骨材の配合部数は、骨材は組成物全体100重量部中の25~50重量部であるり、25重量部未満では塗膜平滑性が不良と成る場合があり、50重量部超では耐衝撃性が低下する場合がある。
本発明の水硬性ポリマーセメント組成物の下地コンクリート表面への塗付は、金鏝やローラ刷毛等を使用して、0.2mm以上4.0mm未満に塗付し、まず下塗として0.2mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに本発明の水硬性ポリマーセメント組成物を上塗りとして1.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して仕上げることが望ましい。このように2回に分けて塗付すことにより、上塗りの硬化塗膜にピンホール等が発生することが無く、美観に優れた塗床とすることが出来る。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
<実施例及び比較例>
水酸基当量が350のヒマシ油変性3官能ポリオールを35~40重量部と、水酸基当量が360のビスフェノールA骨格を有する4官能ポリオールを5~10重量部と、希釈剤としてスルホン酸エステル化合物(メザモール;商品名、バイエル社製)を20~25重量部と、水(イオン交換水)30重量部を含み全体として100重量部となり、水酸基当量が500~800の水分散ポリオールAと、ヒマシ油系3官能ポリオール100重量部に対してヒマシ油系2官能ポリオール25~33重量部含まれ、全体として水酸基当量が200~250の水分散ポリオールB(水含有量:25~30重量%)と、ヒマシ油系3官能ポリオール100重量部に対してヒマシ油系2官能ポリオールが14~20重量部含まれ、全体として水酸基当量が200~500の水分散ポリオールC(水含有量:25~30重量%)を使用し、ポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアヌレート(粘度2500mPa・s/25℃、NCO%:20重量%、ポリイソシアネート含有量99重量%以上)のポリイソシアネートAと、4,4´-ジフェニルメタンジイソシアネートであるポリイソシアネートB(NCO重量%:31.0重量%)を使用し、有機金属系触媒として、ネオスタンU220H(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)及びアミン系触媒としてトリエチレンジアミンを使用し、骨材として、粒子径0.6~0.05mmの東北硅砂6号を使用し、水硬性セメントとして白色ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)を使用して、表1の配合にて実施例及び比較例の水硬性ポリマーセメント組成物を作製した。なお下記評価において、実施例1と比較例1乃至比較例3は塗膜厚みを2mmになるように仕上げて評価し、実施例2は塗膜厚みを4mmになるように仕上げて評価した。
<評価項目及び評価方法>
<塗膜表面タック性>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(300×300mm厚さ4mm)を使用し、実施例1と比較例1乃至比較例3については、均一に混合した実施例1と比較例1乃至比較例3の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.2mm以上1.0mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして1.0mm以上2.5mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが2mmと成るように仕上げ、実施例2については、均一に混合した実施例2の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.5mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして2.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが4mmと成るように仕上げる。23℃7日間養生後、塗膜表面に油分があるものを×、油分が発生していないものを〇と評価した。
<塗膜表面平滑性>
23℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI-520コンクリートレンジにて5%以下)の表面に、実施例1と比較例1乃至比較例3については、均一に混合した実施例1と比較例1乃至比較例3の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.2mm以上1.0mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして1.0mm以上2.5mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが2mmと成るように仕上げ、実施例2については、均一に混合した実施例2の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.5mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして2.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが4mmと成るように仕上げ、塗膜の表面状態を目視にて観察した。平滑な仕上がりである場合を○とし、凹凸のある仕上がりとなっている場合を×と評価した。
<耐衝撃性>
23℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI-520コンクリートレンジにて5%以下)の表面に、実施例1と比較例1乃至比較例3については、均一に混合した実施例1と比較例1乃至比較例3の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.2mm以上1.0mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして1.0mm以上2.5mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが2mmと成るように仕上げ、実施例2については、均一に混合した実施例2の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.5mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして2.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが4mmと成るように仕上げる。7日間養生後、中央部に高さ1mから1kgの鋼球を60回落下させ、塗膜に割れ、剥がれ等の異常のないものを○、割れ、剥がれ等の異常が生じたものを×と評価した。
<圧縮強度>
23℃下にて実施例及び比較例の水硬性ポリマーセメント組成物を硬化させ7日養生後の硬化物について、JISK6911の規定に準じて圧縮強さ(N/mm)を測定した。試験体の大きさは13mm×13mm×25mmとした。圧縮強さが25N/mm超であれば十分な強度を有するとして○と評価し、これ以下の場合は×と評価した。
<付着性>
23℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI-520コンクリートレンジにて5%以下)の表面に、実施例1と比較例1乃至比較例3については、均一に混合した実施例1と比較例1乃至比較例3の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.2mm以上1.0mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして1.0mm以上2.5mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが2mmと成るように仕上げ、実施例2については、均一に混合した実施例2の水硬性ポリマーセメント組成物をまず下塗として0.5mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに同一の材料を上塗りとして2.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して、硬化後の下塗りと上塗り硬化後の塗膜厚みが4mmと成るように仕上げる。7日間養生後、建研式接着力試験器により、40×40mm部分の水硬性ポリマーセメント組成物とコンクリート平板との付着強度(N/mm)を測定した。破壊状態は下地コンクリート100%凝集破壊を○と、それ以外を×と評価した。
<耐剥離性>
実施例1と比較例1乃至比較例3の水硬性ポリマーセメント組成物については硬化物を長さ160mm×幅10mm×厚み2mmの短冊状に成型し、実施例2の水硬性ポリマーセメント組成物については硬化物を長さ160mm×幅10mm×厚み4mmの短冊状に成型し、それぞれ23℃7日養生後、さらに50℃14日間加熱養生させた際の収縮歪み量L(mm)を測定する。次に長手方向に速度1mm/分で引張り、引張弾性係数E(N/mm)を測定する。収縮歪み量L(mm)と試験体の23℃7日養生後の長さL(mm)とから次式(1)により塗膜単位断面積当りの収縮応力(N/mm)を算出し、さらに実施例1と比較例1乃至比較例3は塗膜の厚み2mmを、実施例2は塗膜の厚み4mmを乗じて塗膜単位幅当りの塗膜収縮力T(N/mm)を求めた。
収縮応力(N/mm)=E(L/L)・・・(1)
ここで塗膜収縮力T(N/mm)は経験的に塗膜を剥離させる方向に作用するものと考えられるため、この際の塗膜収縮力をモデル的及び経験的に図1に示すように5度程度の浅い角度で塗膜を引っ張るように働いて塗膜を剥離させるものと考え、次式(2)により塗膜の単位幅(mm)当りの垂直方向の力Tv(N/mm)に換算した。
垂直方向の力Tv(N/mm)=sin5°×T・・・(2)
この単位幅当り(1mm)の垂直方向の力Tv(N/mm)は、塗膜厚みが2mm又は4mmと厚いため、実験的及び経験的に塗膜が接着している下地の1mmに作用すると考え、該垂直方向の力は塗膜を下地コンクリートの単位表面積(1mm)に対して垂直方向に引っ張るように作用し、これを垂直応力Tv(N/mm)とした。
その上で、まず、水/セメント比が60%での下地コンクリートの表面引張強度とレイタンス残留率との関係を示した図2(塗り床のふくれ発生に及ぼす下地コンクリートの影響、日本建築学会構造系論文集、第493号、1-7、1997年3月、表1及び図-12(気乾状態)参照。図-12(気乾状態)から下地凝集破壊のもののみを抽出して図示したもの)と、前記垂直応力Tv(N/mm)とを比較し、万が一レイタンスが下地コンクリートに100%残っていたとしても、その下地の表面引張強度は0.7N/mmであるとして(通常はレイタンスがすべて除去された下地コンクリートが塗床材の施工に適した下地コンクリート仕様となっている)、該0.7N/mmよりも垂直応力Tv(N/mm)が小さければ、塗膜の収縮力のみの作用では、該塗膜は下地コンクリートより剥離することがないものと考え、◎と評価した。垂直応力Tv(N/mm)が下地コンクリートの前記表面引張強度0.7N/mm(レイタンス残留率100%)より大きい場合は、塗膜の収縮力のみの作用で、塗膜が下地コンクリートの表面を破壊して剥離する場合があるとして×と評価した。
なおこの場合は、従来のように床下地コンクリートの際部に深さ3~7mmで幅が3~7mmの溝部を設け、対向する溝部と溝部との距離が12m超ある場合は、該溝部から12m以内毎に深さ3~7mmで幅が3~7mmの目地部を設け、該溝部内及び目地部内に組成物を充填しながら、床下地コンクリート上に塗付しなければならないことになり、逆に垂直応力Tv(N/mm)が0.7N/mmよりも小さければ、このような溝部を設ける必要が無い、と判断されるものである。
また、平成24年度版の塗り床ハンドブック(平成24年3月1日発行、監修 横山 裕、編著 日本塗り床工業会、発行・販売 工文社)には、塗り床の下地となる新設のコンクリート・モルタル及び改修下地の品質の一つとしての表面(引張)強度を 1.5N/mmと規定していることより、この1.5N/mmと前記垂直応力Tv(N/mm)とを比較し、該1.5N/mmよりも垂直応力Tv(N/mm)が小さければ、塗膜の収縮力のみの作用では、該塗膜は下地コンクリートより剥離することがないものと考え、○と評価した。垂直応力Tv(N/mm)が表面(引張)強度1.5N/mmより大きい場合は、塗膜の収縮力のみの作用で、塗膜が下地コンクリートの表面を破壊して剥離する場合があるとして×と評価した。
なおこの場合は、上記水/セメント比が60%の下地コンクリートでの判断と同様に、従来のように床下地コンクリートの際部に深さ3~7mmで幅が3~7mmの溝部を設け、対向する溝部と溝部との距離が12m超ある場合は、該溝部から12m以内毎に深さ3~7mmで幅が3~7mmの目地部を設け、該溝部内及び目地部内に組成物を充填しながら、床下地コンクリート上に塗付しなければならないことになり、逆に垂直応力Tv(N/mm)が1.5N/mmよりも小さければ、このような溝部を設ける必要が無い、と判断されるものである。
<耐黄変性>
実施例1と比較例1乃至比較例3については厚み2mmの硬化塗膜に、実施例2については厚み4mmの硬化塗膜に、それぞれブラックライト(殺菌灯、ピーク波長256nm、31μW/cm)を高さ50cmから200時間照射し、照射前と照射後の色差(ΔE)を測定した。ΔEが1.0以下を○、ΔEが1.0超を×と評価した。
<評価結果>
評価結果を表2に示す。

Claims (3)

  1. 水分散ポリオール、ポリイソシアネート、有機金属系触媒、グリセリン、水硬性セメント及び骨材を含有してなる水硬性ポリマーセメント組成物であって、
    水分散ポリオールは水とヒマシ油系3官能ポリオールとビスフェノールA 骨格を有する4官能ポリオールを含み、水酸基当量は500~800であって組成物全体100重量部中の10~25重量部であり、
    ヒマシ油系3官能ポリオールは水分散ポリオール100重量部中の30重量部超50重量部以下であり、
    グリセリンは組成物全体100重量部中の0重量部超5重量部以下であり、
    ポリイソシアネートは脂肪族イソシアヌレートから成り、ポリイソシアネートは組成物全体100重量部中の20~35重量部であり、
    有機金属系触媒は有機錫化合物であって、組成物全体100重量部中の0.005~0.05重量部であり、
    水硬性セメントは組成物全体100重量部中の10~30重量部であり、
    骨材は組成物全体100重量部中の25~50重量部である、
    ことを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物。
  2. ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1記載の水硬性ポリマーセメント組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の水硬性ポリマーセメント組成物を、床下地コンクリート表面に下塗として0.2mm以上1.5mm未満の厚みに塗付して硬化させた後、さらに該水硬性ポリマーセメント組成物を上塗りとして1.0mm以上4.0mm未満の厚みに塗付して仕上げることを特徴とする水硬性ポリマーセメント組成物の施工方法。
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