JP7248030B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池に関する。本出願は、2018年9月5日に出願した日本特許出願である特願2018-166259号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化剤との電気化学反応によって発電する装置であり、化学エネルギーを電気に直接変換できるため、発電効率が高い。なかでも、作動温度が700℃以上、特には800℃~1000℃程度である固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCと称する)は、反応速度が速いため、有望視されている。SOFCには、固体酸化物を含む電解質層が、セラミックス(焼結体)により構成される2枚の電極で挟まれて一体化されたMEA(Membrane Electrode Assembly、膜-電極接合体)が使用される。すなわち、MEAの構成要素がすべて固体であるため、取り扱いが容易である。
燃料電池を構成する部材として、ステンレス鋼等のクロムを含む合金(クロム合金)が使用される場合がある。クロム合金は、耐熱性および耐酸化性に優れるためである。しかし、SOFCを作動させると、クロム合金に含まれるクロムは、蒸気となって燃料電池内に飛散する。飛散したクロムは、カソードを構成する金属酸化物(例えば、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF))と反応して、SrCrOや酸化クロムを生成する。これら生成物はカソードと電解質層との界面に蓄積して、電極反応を低下させる。その結果、発電性能が低下する。
特許文献1(特表2010-519716号公報)および特許文献2(特表2012-500462号公報)は、燃料電池のフードの内面を、クロム吸着剤でコーティングすることを教示している。非特許文献1(The 18th Annual solid Oxide Fuel Cell (SOFC) Project Review Meeting, Pittsburgh June 12-14, 2017)は、セラミックス製のハニカム構造体およびクロム吸着剤を備えるクロム吸着材料を教示している。
特表2010-519716号公報 特表2012-500462号公報
The 18th Annual solid Oxide Fuel Cell (SOFC) Project Review Meeting, Pittsburgh June 12-14, 2017
本開示の一局面は、カソードと、アノードと、前記カソードおよび前記アノードの間に介在する固体電解質層とを含むセル構造体、および、前記カソードに接触する集電体、を備え、前記カソードには、前記集電体を介して酸化剤が供給され、前記集電体は、金属材料からなる多孔体と、前記多孔体の孔内部に担持されたクロム吸着剤と、を備え、前記金属材料は、第1金属および第2金属を含み、前記第1金属は、ニッケルを含み、前記第2金属は、錫、アルミニウム、コバルト、チタン、マンガン、タングステン、銅、銀および金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、燃料電池に関する。
図1は、多孔体の骨格の一部の構造の一例を示す模式図である。 図2は、図1における骨格の一部の断面を模式的に示す断面図である。 図3は、Ni-Sn層のSEM写真である。 図4は、本開示の一実施形態に係る燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 図5は、実施例におけるXRDの測定結果を示すグラフである。 図6は、比較例におけるXRDの測定結果を示すグラフである。 図7は、実施例および比較例における圧縮試験結果を示すグラフである。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1および2の方法では、十分な量のクロム吸着剤を電池内に配置することは難しい。非特許文献1のように、クロム吸着材料を燃料電池内に配置すると、燃料電池のサイズが大きくなるとともに、部品数が増えるため組み立て工程が煩雑になる。また、非特許文献1のセラミックス製のハニカム構造体は、耐熱性を有するものの温度変化に弱い。700℃~1000℃の高温で作動するSOFCは、稼動と停止との繰り返しにより、室温から1000℃までの広範な温度変化にさらされる。そのため、燃料電池内に配置されるクロム吸着材料には、高い耐熱衝撃性が求められる。
本開示は、高い耐熱衝撃性を有し、発電性能に優れる燃料電池を、部品数を増加させることなく提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、高い耐熱衝撃性を有し、発電性能に優れる燃料電池を、部品数を増加させることなく提供することができる。
[発明の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の燃料電池は、カソードと、アノードと、前記カソードおよび前記アノードの間に介在する固体電解質層とを含むセル構造体、および、前記カソードに接触する集電体、を備え、前記カソードには、前記集電体を介して酸化剤が供給され、前記集電体は、金属材料からなる多孔体と、前記多孔体の孔内部に担持されたクロム吸着剤と、を備え、前記金属材料は、第1金属および第2金属を含み、前記第1金属は、ニッケルを含み、前記第2金属は、錫、アルミニウム、コバルト、チタン、マンガン、タングステン、銅、銀および金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。
通常、燃料電池を構成する部材として用いられる集電体に、クロム吸着機能を付与しているため、部品点数の増加を抑制することができるとともに、燃料電池のサイズアップが抑制される。さらに、上記集電体(以下、第1集電体と称す。)は、クロム以外の金属により構成されるにもかかわらず、高い耐熱性および耐酸化性を有するとともに、耐熱衝撃性を有している。そのため、第1集電体は、長期間にわたり優れたクロム吸着性能を発揮することができて、燃料電池の発電性能は高く維持される。
(2)耐熱性、耐酸化性および電気伝導性の観点から、前記金属材料は、前記第1金属と前記第2金属との合金を含むことが好ましい。
(3)同様の観点から、前記金属材料に含まれる前記第1金属および前記第2金属の合計量に占める前記第2金属の割合は、4質量%以上、15質量%以下であることが好ましい。
(4)前記第2金属は錫であることが好ましい。金属材料がニッケルおよび錫を含む場合、多孔体は、特に高い耐熱性および耐酸化性を有する。
(5)前記多孔体は、三次元網目構造の骨格を有してもよい。これにより、圧力損失が小さくなるとともに、集電性が向上する。
[発明の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
燃料電池は、カソードと、アノードと、カソードおよびアノードの間に介在する固体電解質層とを含むセル構造体、および、カソードに接触する第1集電体、を備える。カソードには、第1集電体を介して酸化剤が供給される。
上述の通り、700℃~1000℃の高温で作動するSOFCは、稼動と停止を繰り返すと、室温から1000℃までの広範な温度変化にさらされる。このため、集電体には、耐熱性および高い耐熱衝撃性が必要とされる。空気(酸化性ガス)と接触するカソード側の集電体(第1集電体)は、高温の高酸化性雰囲気にさらされる。そのため、第1集電体には、特に高い耐酸化性が必要とされる。
(第1集電体)
第1集電体は多孔体であり、金属材料からなる。そのため、耐熱衝撃性に優れる。第1集電体は、集電機能に加え、酸化剤ディンプルから導入される酸化剤ガスをカソードに拡散させて供給する機能を果たす。
金属材料は、第1金属および第1金属とは異なる第2金属を含む。第1金属は、ニッケル(Ni)を含み、第2金属は、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、タングステン(W)、銅(Cu)、銀(Ag)および金(Au)よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。金属材料が、Niとともに第2金属を含むことにより、第1集電体の耐酸化性および耐熱性は、著しく向上する。なかでも、第2金属がSnであるとき、第1集電体の耐酸化性および耐熱性が一層高まるとともに、電気伝導性も向上する。
第1金属および第2金属を含む金属材料は、例えば、第1金属以外の金属を含む芯材の表面の少なくとも一部を、第1金属および第2金属を含む層で被覆することにより得られる。あるいは、第1金属を含む芯材の表面の少なくとも一部を、第2金属を含む層で被覆することにより得られる。なかでも、耐熱性および耐酸化性の観点から、後者の方法で得られる金属材料が好ましい。第1金属および第2金属の合計量の比率が金属材料の合計量に対して80質量%以上であることが好ましい。また、第1金属と第2金属との合金の合計量の比率が金属材料の合計量に対して80質量%以上であることがより好ましい。
第1金属および第2金属の合計量に占める第2金属の割合は、耐酸化性および耐熱性の観点から、4質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。一方、第1金属および第2金属の合計量に占める第2金属の割合は、耐熱性および電気伝導性の観点から、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
第2金属がSnである場合、具体的には、Niを含む多孔体(Ni多孔体)の表面に、めっき処理等を用いてSn含有層を形成した後、還元雰囲気下で熱処理する。これにより、SnはNi多孔体内部に拡散し、多孔体の表面から一定の深さの領域までがNiとSnとの合金からなる層(以下、Ni-Sn層と称する場合がある。)になる。Ni-Sn層は、特に高い耐熱性、耐酸化性および電気伝導性を有する。
Ni-Sn層において、第1相および第2相が共存し得る。第1相のNiに対するSn濃度は、第2相より高い。第1相では、NiおよびSnが金属間化合物(例えば、NiSn)の形で存在している。第2相は、Niを主成分とする相であり、SnがNi中に固溶した形で存在していると考えられる。金属間化合物相である第1相は、特に高い耐酸化性および耐熱性を有する。第2相は、高い耐熱性および電気伝導性を示す。
Ni-Sn層に占めるSnの割合が、4質量%以上であり、好ましくは5質量%以上であり、15質量%以下、好ましくは10質量%以下であるとき、Ni-Sn層には、NiSnを主成分とする金属間化合物相(第1相)と、Niを主成分とし、Ni中にSnが固溶した相(第2相)との2相が観察され易くなる。そのため、Ni-Sn層の耐熱性、耐酸化性および電気伝導性はさらに高まり易い。
多孔体の形態は特に限定されず、金属製かつ多孔質であればよい。多孔体としては、例えば、金属製ハニカム構造体、金属繊維製の不織布、金属メッシュ、スポンジ状の金属(焼結体)、三次元網目構造の金属製の骨格を有する構造体などが挙げられる。なかでも、圧力損失が小さい点で、三次元網目構造の金属製の骨格を有する構造体(以下、三次元網目構造体と称する。)であることが好ましい。三次元網目構造体には、任意の方向から気体(酸化剤)を通過させることができるため、設計の自由度が高まる。
三次元網目構造体は、網目を形成する繊維状あるいは棒状の金属材料で形成された骨格を有する。このような骨格は、例えば、不織布状もしくはスポンジ状の構造と同様の骨格であってよい。三次元網目構造体は、骨格で区画された複数の気孔を有する。隣接する気孔同士は連通している。気孔には、クロム吸着剤が担持される。三次元網目構造体において、このような金属製の骨格と、骨格で囲まれた気孔とが1つのセルを構成している。
1つのセルは、図1に示すように、例えば、正十二面体モデルとして表わすことができる。気孔101は、繊維状または棒状の金属部分(繊維部102)により区画されている。複数の気孔101は、三次元的に連なっている。セルの骨格は、繊維部102が連結することにより形成される。セルには、繊維部102により囲まれた略五角形の開口(または窓)103が形成されている。隣接するセル同士は、1つの開口103を共有しながら、互いに連通している。すなわち、三次元網目構造体の骨格は、連続する複数の気孔101を区画しながら、網目状に広がる繊維部102により構成される。図2に示すように、繊維部102は、内部に空洞102aを有していてもよく、つまり、中空であってもよい。
多孔体の気孔率は、70%以上であることが好ましい。気孔率が70%以上であると、圧力損失が小さくなるとともに、十分な量のクロム吸着剤が担持され易くなる。一方、強度の点から、気孔率は98%以下であることが好ましい。
上記多孔体の気孔率は、次式で定義される。
気孔率(%)=[1-{Mp/(Vp×dp)}]×100
Mp :多孔体の質量[g]
Vp :多孔体における外観の形状の体積[cm
dp :多孔体を構成する金属の密度[g/cm
気孔の孔径は特に限定されない。孔径は、例えば、100μm~4000μmであってもよく、200μm~1000μmであってもよい。孔径がこの範囲であると、圧力損失が小さくなるとともに、十分な量のクロム吸着剤が担持され易くなる。
気孔の孔径は、以下のようにして求められる。まず、三次元網目構造体から任意の気孔を1つ選択し、この気孔に収容される最大の球(図示せず)の直径と、この気孔を収容する最小の球S(図1参照)の直径を測定し、これらの平均値を選択された気孔の孔径とする。同様にして、他の任意の複数の気孔(例えば、9個)について孔径を求め、10個の気孔の孔径の平均値を、三次元網目構造体における気孔の孔径とする。
具体的には、三次元網目構造体のSEM写真において、気孔が10個以上含まれる領域Vを決める。領域V内の気孔をランダムに所定数(例えば、10個)選択し、孔径を求める。算出された気孔の各孔径の平均値を求め、三次元網目構造体における気孔の孔径とする。
三次元網目構造体は、例えば、連通孔を有する樹脂製の多孔体(テンプレート)を、金属で被覆することにより形成できる。金属による被覆は、例えば、メッキ処理法、気相法(蒸着、プラズマ化学気相蒸着、スパッタリングなど)、金属ペーストの塗布などにより行うことができる。金属による被覆処理により、三次元網目状の骨格が形成される。なかでも、金属による被覆には、めっき処理法が好ましく用いられる。
めっき処理法としては、テンプレートの表面(内部の空隙の表面も含む)に、金属層を形成できる方法であればよく、公知のめっき処理方法、例えば、電解めっき法、溶融塩めっき法などが採用できる。めっき処理法により、テンプレートの形状に応じた三次元網目状の多孔体が形成される。つまり、得られる多孔体の気孔径は、テンプレートの気孔径により制御することができる。
図3は、中空を有するNi多孔体(三次元網目構造体)の表面にSnめっきを施した後、還元雰囲気下で熱処理して得られた多孔体の断面のSEM写真である。SEM写真の上方の黒い部分は気孔であり、下方の黒い部分は繊維部の内部の空洞である。
図3では、Location 1として示される部分と、Location 2として示される、Location 1よりも黒色の濃い灰色の部分の2相が観察された。Location 1では、Ni、Sn、およびO(酸素)が、原子分率でそれぞれ、75at%、18at%、7at%の割合で含まれていた。このことから、Location 1は、NiおよびSnの大半が金属間化合物NiSnの形で存在する第1相であると考えられる。一方、Location 2では、Ni、Sn、およびOが、原子分率でそれぞれ、91at%、4at%、5at%の割合で含まれていた。このことから、Location 2は、SnがNiに固溶した状態で含まれている第2相であると考えられる。図3からわかるように、骨格である金属材料のほぼすべてはNi-Sn層である。
(クロム吸着剤)
クロム吸着剤は、クロムを吸着できる材料であれば特に限定されない。クロム吸着剤としては、例えば、SrNiO、MgO、BaO、CaO、SrO等が挙げられる。クロム吸着剤の形状も特に限定されず、例えば、粒子状であってもよいし、繊維状であってもよい。
クロム吸着剤は、例えば、クロム吸着剤が分散されたスラリーに多孔体を浸漬した後、熱処理することにより、多孔体の気孔内に担持される。クロム吸着剤の担持量は特に限定されず、例えば、0.1g/cm~1g/cmである。
クロム吸着剤の大きさは特に限定されず、多孔体の気孔の大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。粒子状のクロム吸着剤の平均粒径は、例えば、0.5μm~10μmである。平均粒径とは、レーザー回折法によって測定される体積基準の粒度分布において、累積体積が50%になる粒径である。平均粒径は、クロム吸着材料の断面のSEM画像から算出してもよい。具体的には、クロム吸着材料のSEM写真において、粒子状のクロム吸着剤をランダムに所定数(例えば、10個)選択し、それぞれの最大径を測定する。測定された最大径の平均値を求め、粒子状のクロム吸着剤の平均粒径とする。
(第1集電体の製造方法)
三次元網目構造の骨格を有する中空の多孔体およびクロム吸着剤を備える第1集電体は、例えば、以下の方法により製造される。
第1集電体の製造方法は、三次元網目構造の骨格を有するテンプレートを準備する第1工程と、テンプレートの表面の少なくとも一部にNiを含む第1めっき層を形成する第2工程と、加熱によりテンプレートを除去して、第1金属で構成される中空の多孔体(Ni多孔体)を得る第3工程と、Ni多孔体の表面に第2金属を含む第2めっき層を形成して、多孔体を得る第4工程と、多孔体の気孔にクロム吸着剤を担持させる第5工程と、を備える。
(1)第1工程
三次元網目構造の骨格を有するテンプレートを準備する。テンプレートとしては、Niおよび第2金属の融点以下の温度で容易に分解可能な多孔質材料を用いる。多孔質材料は、樹脂多孔体が好ましい。樹脂多孔体として、樹脂発泡体、不織布、フェルト、織布など、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。
樹脂多孔体のなかでも、三次元網目構造のテンプレートとして、樹脂発泡体を用いることがより好ましい。樹脂発泡体としては、例えば、発泡ウレタン、発泡スチレン等が挙げられる。なかでも、多孔度が大きい観点から、発泡ウレタンが好ましい。樹脂発泡体の厚み、多孔度、平均孔径は、製造後の多孔体の特性に応じて適宜設定される。テンプレートは、導電化処理されることが好ましい。第2工程において、テンプレートがめっきされ易くなるためである。
(2)第2工程
テンプレートにめっき処理を行い、テンプレートの表面の少なくとも一部にNiを含む第1めっき層を形成する。第1金属のめっき方法については、公知のめっき法によって金属めっきを施す工程であれば特に限定されないが、電気めっき法を用いることが好ましい。電気めっき処理は、常法に従って行えばよい。Niめっきのめっき浴としては、公知または市販のものを使用することができ、例えば、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等が挙げられる。なかでも、スルファミン酸ニッケルめっき液は、めっき応力が小さく、かつ、つきまわり性が良いため、熱処理前の中間製品においても柔軟性を確保でき、製造工程内での破断などのトラブルを抑制することができる。
テンプレートをめっき浴に浸し、テンプレートを陰極に、Niの対極板を陽極に接続して直流あるいはパルス断続電流を通電させることにより、テンプレートの表面がNiを含む第1めっき層で被覆される。第1めっき層の被覆量は特に限定されず、通常100g/m~600g/m程度、好ましくは200g/m~500g/m程度とすればよい。
(3)第3工程
テンプレートを除去し、中空のNi多孔体を形成する。テンプレートは、例えば、600℃以上800℃以下、好ましくは600℃以上700℃以下の大気等の酸化性雰囲気に置くことにより除去される。好ましくは、酸化性雰囲気での熱処理を行った後、還元性雰囲気で熱処理する。還元性雰囲気における熱処理温度は、できるだけ高温であることが望ましいが、製造コストおよび還元炉の炉体材質を考慮して、750℃以上1000℃以下であればよい。
(4)第4工程
Ni多孔体にめっき処理を行い、Ni多孔体の表面の少なくとも一部に第2金属を含む第2めっき層を形成して、多孔体を得る。第2金属のめっき方法については、第1めっき工程と同様、公知のめっき法によって金属めっきを施す工程であれば特に限定されないが、電気めっき法を用いることが好ましい。電気めっき処理は、常法に従って行えばよい。
第2めっき層はSnを含むことが好ましい。第1めっき層上に第2めっき層を形成すると、第1めっき層中のNiが第2めっき層に拡散し、第1めっき層と第2めっき層の界面にNiと第2金属との合金からなる層が形成される。あるいは、第1めっき層および第2めっき層全体が、Ni-Sn層になる。Ni-Sn層は、特に高い耐熱性および耐酸化性を有している。Niめっき上に、Ni-Snの合金層をめっきしてもよい。
第2めっき層の被覆量は特に限定されず、通常10g/m~300g/m程度、好ましくは20g/m~250g/m程度とすればよい。なかでも、多孔体の80質量%以上がNiと第2金属との合金からなる層になり易い点で、第2めっき層の厚さ(被覆量)は、0.5μm~20μm(20g/m~200g/m)であってもよく、1μm~10μmであってもよい。が好ましい。Niの拡散を促すため、第2めっき層の形成後、熱処理を行うことが好ましい。
Snを含む第2めっき層の形成は、硫酸および硫酸第1スズを含むめっき液を用いて行うことができる。Ni-Sn合金を含む第2めっき層の形成は、例えば、塩化第1スズ、塩化ニッケル、および、ピロリン酸カリウムを含むめっき液を用いた電解めっき処理により行うことができる。
(5)第5工程
多孔体の気孔にクロム吸着剤を担持させて、第1集電体を得る。
クロム吸着剤は、例えば、バインダ樹脂に分散されたスラリーあるいはペーストの状態で、多孔体に付与される。上記スラリー等に多孔体を浸漬した後、熱処理することにより、多孔体の気孔にクロム吸着剤を担持させることができる。
バインダ樹脂は特に限定されず、例えば、エチルセルロースなどのセルロース誘導体(セルロースエーテルなど)、酢酸ビニル系樹脂(プロビニルアルコールなどの酢酸ビニル系樹脂のケン化物も含む)、アクリル樹脂などのポリマーバインダー;パラフィンワックスなどのワックスなどが挙げられる。
熱処理温度も特に限定されないが、燃料電池の作動温度に近いことが望ましい。熱処理温度は、例えば、700℃以上、1000℃以下である。
得られた第1集電体は、第1工程で使用されたテンプレートの形状に応じた形状を有する。例えば、テンプレートがシート状であれば、シート状の第1集電体が得られる。シート状の第1集電体は、例えば、所望の形状に裁断した後、必要に応じて複数を積層して、第1セパレータとカソードとの間に配置される。
図4に、燃料電池100の断面構造を、模式的に示す。
セル構造体10は、カソード12と、アノード13と、これらの間に介在する固体電解質層14とを含む。アノード13およびカソード12の形状は、例えばそれぞれ平板状であり、セル構造体10も平板状の形状を有する。アノード13と固体電解質層14とは一体化され、電解質層-電極接合体15を形成している。
アノード13の厚みはカソード12よりも大きく、アノード13が固体電解質層14(ひいてはセル構造体10)を支持する支持体として機能している。ただし、アノード13の厚みは、必ずしもカソード12よりも大きい必要はなく、例えば、アノード13の厚みはカソード12の厚みと同程度であってもよい。また、アノード13と固体電解質層14とが一体化された例を示したが、これに限定されない。
燃料電池100は、さらに、カソード12に接触する上記の第1集電体121を備える。酸化剤は、第1集電体121を介して、カソード12に供給される。第1集電体121はクロム吸着性能を備えるため、燃料電池の内部に他のクロム吸着材料を配置することを要しない。よって、燃料電池のサイズアップが抑制されて、部品点数を低減することができる。さらに、第1集電体121は、耐酸化性、耐熱性および耐熱衝撃性に優れるため、長期間の使用に耐え得る。
燃料電池100は、カソード12に酸化剤を供給するための酸化剤ディンプル123と、アノード13に燃料を供給するための燃料ディンプル133と、酸化剤ディンプル123が形成された第1セパレータ122と、燃料ディンプル133が形成された第2セパレータ132と、アノード13に接触する第2集電体131を備えてもよい。第1セパレータ122の酸化剤ディンプル123は、カソード12に対向するように配置され、第2セパレータ132の燃料ディンプル133は、アノード13に対向するように配置される。燃料は、第2集電体131を介して、アノード13に供給される。
以下に、第1集電体以外のセル構造体の個々の構成要素について、更に説明する。
(固体電解質層)
固体電解質層は、例えば、400℃~600℃の中温域でプロトン伝導性または酸素イオン伝導性を有する。BaCe0.80.22.9(BCY)、BaZr0.80.22.9(BZY)などのペロブスカイト酸化物は、中温域で高いプロトン伝導性を示すため、中温型燃料電池の固体電解質として利用可能である。これらの固体電解質は、例えば、焼結により形成することができる。
固体電解質層の厚みは、例えば、1μm~50μmであり、好ましくは3μm~20μmである。固体電解質層の厚みがこのような範囲である場合、固体電解質層の抵抗が低く抑えられる点で好ましい。固体電解質層は、カソードとアノードとの間に挟持されており、固体電解質層の一方の主面は、アノードに接触し、他方の主面はカソードと接触している。
(カソード)
カソードは、多孔質の構造を有している。プロトン伝導性の固体電解質層を用いる場合、カソードでは、固体電解質層を介して伝導されたプロトンと、酸化物イオンとの反応(酸素の還元反応)が進行する。酸化物イオンは、酸化剤ディンプルから導入された酸化剤(酸素)が解離することにより生成する。酸化剤としては、例えば、空気等の酸素を含むガスが挙げられる。
カソード材料としては、公知の材料を用いることができる。カソード材料として、例えば、ランタンを含み、かつペロブスカイト構造を有する化合物(フェライト、マンガナイト、および/またはコバルタイトなど)が好ましく、これらの化合物のうち、さらにストロンチウムを含むものがより好ましい。具体的には、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF、La1-x1Srx1Fe1-y1Coy13-δ1、0<x1<1、0<y1<1、δ1は酸素欠損量である)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM、La1-x2Srx2MnO3-δ1、0<x2<1、δ1は酸素欠損量である)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC、La1-x3Srx3CoO3-δ1、0<x3≦1、δ1は酸素欠損量である)等が挙げられる。プロトンと酸化物イオンとの反応を促進させる観点から、カソードは、Pt等の触媒を含んでいても良い。触媒を含む場合、カソードは、触媒と上記材料とを混合して、焼結することにより形成することができる。
カソードの厚みは、特に限定されないが、例えば、5μm~2mmから適宜決定でき、5μm~40μm程度であってもよい。
(アノード)
アノードは、多孔質の構造を有している。アノードでは、燃料ディンプルから導入される水素などの燃料を酸化して、プロトンと電子とを放出する反応(燃料の酸化反応)が進行する。燃料としては、水素、メタン、アンモニア、一酸化炭素等の気体を含むガスが例示される。
アノードの材料としては、公知の材料を用いることができる。アノード材料として、例えば、触媒成分である酸化ニッケル(NiO)と、プロトン伝導体(酸化イットリウム(Y)、BCY、BZYなど)との複合酸化物などが挙げられる。
アノードは、例えば、原料を焼結することにより形成することができる。例えば、NiO粉末とプロトン伝導体の粉末などとの混合物を焼結することによりアノードを形成できる。アノードの厚みは、例えば、10μm~2mmから適宜決定でき、10μm~100μmであってもよい。
(セパレータ)
第1セパレータおよび第2セパレータの材料としては、耐熱性の点で、ステンレス鋼、ニッケル基合金、クロム基合金等の耐熱合金が例示できる。なかでも、安価である点で、ステンレス鋼が好ましい。プロトン伝導性固体酸化物型燃料電池(PCFC:Protomic Ceramic Fuel Cell)では、動作温度が400℃~600℃程度であるため、ステンレス鋼をセパレータの材料として用いることができる。複数のセル構造体がスタックされる場合、セパレータは、例えば両面にディンプル(酸化剤ディンプルおよび燃料ディンプル)を備えてもよい。
(第2集電体)
第2集電体131は、集電機能に加え、燃料ディンプル133から導入される燃料ガスをアノード13に拡散させて供給する機能を果たす。そのため、各集電体は、十分な通気性を有する構造体であることが好ましい。
第2集電体に用いられる構造体としては、例えば、銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金等を含む多孔体、金属メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル等が挙げられる。なかでも、軽量性や通気性の点で、多孔体が好ましい。特に、上記のような三次元網目構造体が好ましい。
燃料電池は、上記のセル構造体を用いる以外は、公知の方法により製造できる。
[実施例]
以下、本開示を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)第1集電体の作製
テンプレートとして、1.5mm厚のポリウレタンシートを用いた。粒径0.01μm~0.2μmの非晶性炭素であるカーボンブラック100gを0.5Lの10%アクリル酸エステル系樹脂水溶液に分散し、この比率で粘着塗料を作製した。次に、ポリウレタン製テンプレートを粘着塗料に含浸させて、ロールで絞った後、乾燥させた。これにより、ポリウレタン製テンプレートの表面に導電被覆層を形成した。
その後、導電化処理を施したポリウレタン製テンプレートに、ニッケルを電気めっき法により700g/m付着させ、第1めっき層を形成した。めっき液としては、スルファミン酸ニッケルめっき液を用いた。
ニッケルめっきが施されたテンプレートを大気の酸化性雰囲気下で650℃に加熱し、テンプレートを除去した。続いて、窒素と水素の混合気体を用いた還元性ガスにより還元性雰囲気を形成し、1000℃で還元処理を行って、中空のNi多孔体を得た。
Ni多孔体の表面に、電解めっき法によりSnを含む第2めっき層(70g/m)を形成した。めっき液としては、硫酸第1スズ、硫酸、および、クレゾールスルホン酸、ゼラチン、βナフトールを含むめっき液を用いた。その後、1000℃の水素雰囲気下で2時間、熱処理を行った。これにより、Ni-Sn層を備えた三次元網目構造の骨格を有する中空の多孔体を得た。Ni-Sn層におけるSnの割合は10質量%であった。多孔体の骨格は、ほぼすべてNi-Sn層により構成されていた。
その後、クロム吸着剤としてSrNiO、SrOおよびMnOと、バインダ樹脂とを含むスラリーに多孔体を浸漬、乾燥した。その後、大気雰囲気中で700℃、2時間の熱処理を行って、多孔体にクロム吸着剤を担持(担持量0.5g/cm)させて、第1集電体(Ni-Sn集電体)を得た。各クロム吸着剤の質量割合は、SrNiO:SrO:MnO=8:1:1とした。
(2)燃料電池の作製
ZrO2とY23との固溶体であるYSZ粉末に、NiO(触媒原料)を70質量%含むようにNiOを混合し、ボールミルによって粉砕混練した。YSZ中のZrとYとの比率(原子組成比)は90:10とした。得られた混合物(55質量%)およびバインダ樹脂を含むスラリーを、ドクターブレード法によって厚み1.0mmのシート状に加工し、アノード前駆体シートを得た。同様にして、上記YSZ粉末(55質量%)およびバインダ樹脂を含むスラリーを、ドクターブレード法によって厚み12μmのシート状に加工し、固体電解質層の前駆体シートを得た。
これらの前駆体シートを重ねてラミネートし、全体の厚みが約1.0mmの積層シートを得た。次に、得られた積層体を、大気中600℃で1時間加熱して、バインダを除去した。続いて、酸素雰囲気下、1300℃で2時間の加熱処理を行うことにより共焼結し、アノードと固体電解質層との複合体を形成した。
続いて、固体電解質層の表面に、カソードの材料であるLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83-δ)の粉末と有機溶媒とを混合したLSCFペーストをスクリーン印刷し、酸素雰囲気下、1000℃で2時間の焼成を行った。形成されたカソードの厚みは10μmであった。
カソードの表面に第1集電体を積層し、アノードの表面にニッケル多孔質体(住友電気工業株式会社製、セルメット、厚み1mm、気孔率95体積%)で構成された第2集電体を積層した。さらに、各集電体の上に、ディンプルを有するステンレス鋼製のセパレータを積層して、図4に示す構成の燃料電池Xを作製した。
(3)第1集電体の耐酸化性および耐熱衝撃性の評価
第1集電体に対して熱処理を行った。熱処理は、以下の昇温および降温を1サイクルとして、5サイクル行った。
(昇温)600℃まで8℃/分で昇温した後、3時間保持した。
(降温)200℃まで炉冷した後、3時間保持した。
熱処理前後の第1集電体(Ni-Sn集電体)をX線回折(XRD)装置により評価した。結果を図5に示す。別途、熱処理前後のNi-Sn集電体に対して、JIS K 7018に準じて圧縮試験を行った。結果を図7に示す。図5および後述の図6には、併せてNiおよびNiOのピークも示されている。
[比較例1]
第1集電体の作製(1)において、第2めっき層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして集電体(Ni集電体)および燃料電池Yを作製した。得られたNi集電体について、実施例1と同様に評価した。結果を図6および図7に示す。
図5および図6から、実施例1で作製されたNi-Sn集電体の酸化は、比較例1で作製されたNi集電体と比較して、熱処理後においても抑制されていることがわかる。また、Ni-Sn集電体において、熱処理後の変形も抑制されている。一方、熱処理後のNi集電体には、大きな変形(座屈変形)が見られた。これは、NiがNiOに酸化されたことにより集電体の骨格が脆化して、折れたためであると考えられる。
本開示の実施形態に係る集電体は、特にSOFCでの利用に適している。
100:燃料電池、10:セル構造体、12:カソード、13:アノード、14:固体電、解質層、15:電解質層-電極接合体、121:第1集電体、122:第1セパレータ、123:酸化剤ディンプル、131:第2集電体、132:第2セパレータ、133:燃、料ディンプル、101:気孔、102:繊維部、102a:空洞、103:開口。

Claims (5)

  1. カソードと、アノードと、前記カソードおよび前記アノードの間に介在する固体電解質層とを含むセル構造体、および、
    前記カソードに接触する集電体、を備え、
    前記カソードには、前記集電体を介して酸化剤が供給され、
    前記集電体は、金属材料からなる多孔体と、前記多孔体の孔内部に担持されたクロム吸着剤と、を備え、
    前記金属材料は、第1金属および第2金属を含み、
    前記第1金属は、ニッケルを含み、
    前記第2金属は、錫、アルミニウム、コバルト、チタン、マンガン、タングステン、銅、銀および金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、燃料電池。
  2. 前記金属材料は、前記第1金属と前記第2金属との合金を含む、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記金属材料に含まれる前記第1金属および前記第2金属の合計量に占める前記第2金属の割合は、4質量%以上、15質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記第2金属は錫である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記多孔体は、三次元網目構造の骨格を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池。
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