JP7247287B2 - 発泡体表面及び発泡体の内部の発泡層においても持続型帯電防止性能を有するポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材、及びこれらの輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌用、防カビ用途への使用 - Google Patents

発泡体表面及び発泡体の内部の発泡層においても持続型帯電防止性能を有するポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材、及びこれらの輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌用、防カビ用途への使用 Download PDF

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Description

本発明は、発泡体表面及び発泡体の内部の発泡層においても帯電防止性能に優れる持続型帯電防止性能を有するポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材、及びこれらの輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌用、防カビ用途への使用に関する。
プラスチックは電気絶縁性が高いことが特徴であり、幅広い分野で使用されている。しかし、この性質のため帯電しやすく容易に静電気を発生する。この結果、静電気に関する好ましくないトラブルを引き起こす。最も典型的な例はとしては、プラスチック製品へのチリや埃の付着である。また、静電気の問題が最も深刻な場合には放電により電子機器・OA機器において、ICやメモリチップなどの誤動作や破壊などを引き起こす可能性がある。
このような現象を防止するために、帯電防止のための対策が行われるが、帯電防止のレベルにより、その対策も変わってくるが、一般的には、静的な状態で表面固有抵抗を1013Ω以下にすることで、静電気の蓄積が抑えられると考えられている。
帯電を防止する方法としては、プラスチックを表面処理する方法とプラスチックに導電性を付与する物質を練り込む方法がある。例えば、プラスチックの表面に界面活性剤を塗布することも練り込むことも可能で少量の使用でも効果を得ることができる。また親水性の界面活性剤の場合には、界面活性剤が吸湿することで効果を発現する。
しかし、この方法では、表面の帯電防止剤が失われると、効果が持続しない問題がある。また、界面活性剤を樹脂に練り込んだ場合でも、界面活性剤のブリードアウトにより表面が汚染され、梱包対象の製品が汚染される問題がある。また、界面活性剤は耐熱性が低いために、成形加工中に分解したりする可能性がある。
このような問題のない添加剤には、カーボンブラックや炭素繊維などの導電性フィラーの使用が考えられるが、配合量が多く必要で、成形品が黒色になり用途が限定され、耐衝撃性が低下するという問題がある。この方法の場合には、表面固有抵抗を著しく低下させることが可能であるが、コストや製品の着色などに問題が残る。
これに対して、ブリードアウトしない高分子型帯電防止剤、すなわち持続型帯電防止剤が検討されている。例えば、一般的にポリエチレンオキシド(PEO)などの導電性ユニットを高分子鎖中にブロックあるいはランダムに組み込んだ構造を持つ、ポリエチレングリコールーメタクリエート共重合体、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルエステルイミド、ポリエチレンオキシドヒドリン共重合体などが実用化されている。
このような高分子型帯電防止剤の場合には、添加量が多く必要なことと、基材樹脂との粘性の差異により、樹脂中の分散制御が困難なことなどの問題もあり、さらにコストも高い問題もあり、コストダウンのため、梱包用緩衝材や仕切り部材の用途においては、共押出により樹脂発泡体の表面に帯電防止フィルム層を積層した積層樹脂発泡体が開発されている。
一方、無機のホウ素化合物は、医薬、ガラス、窯業、金属溶接、半導体などの産業分野において使用されているが、ホウ酸のメチルエステル、エチルエステル及びアミルエステルなどが有機のホウ素化合物の最初であるが、その後B-O結合をもつホウ素化合物が作られてきた。
ホウ素は通常三価として平面上に結合した化合物を作るがもう一つ空き軌道を有するため、隣接してヒドロキシル基が存在する場合に四価として四面体構造の化合物を作る特性があり、有機ホウ素化合物はホウ素(B)と隣接するヒドロキシル基(OH)の間で特徴的な半極性結合を持つ特徴がある。
これに対して、無極性樹脂に相溶するように構造設計されたB-Nコンプレックスは、主鎖の部分が対象樹脂マトリックス中にアンカーとして保持された状態で、極性部分(B-N)を表面に固定することができる。このようなB-Nコンプレックスを用いた帯電防止剤として、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤としてBN105がある。
一方、包装用緩衝材には、ポリプロピレン樹脂発泡体が使用されているが、特に電子機器部品の輸送用梱包材に使用されるが、この場合には帯電防止性能が要求されるが、帯電防止性能だけでなく、配線基板への配線パターンの小ピッチ化や湿気の多い過酷な条件での使用の増加に伴って、絶縁基板の劣化、ノイズの発生、短絡等の発生原因となるかびや菌類の発生を防止するため、配線基板や電子部品の基板材料への抗菌性や防カビ性が要求されるようになってきている。
これに伴い配線基板や電子部品の基板材料だけでなく、これらの部品と接触する輸送用梱包材材料にも帯電防止性能だけでなく、抗菌性や抗カビ性が要求されている。
抗菌剤は、有機系抗菌剤、抗カビ剤は、有機系抗菌剤と無機系抗菌剤に大別される。有機系抗菌剤には、天然由来のものがあり、無機系のものに比べて抗菌力は強く、殺菌速度が高い。一方、無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤と比べて殺菌力が弱いが、耐性菌を作りにくいのが特徴であり、耐熱性も高い。いずれの抗菌物質も使用環境下で安全である必要がある。これらの抗菌剤や防カビ剤は細胞の崩壊や細胞の死滅やたんぱく質の合成阻害などが起こすか、あるいは細胞の発育阻害などが起こることで抗菌効果や防カビ効果を発揮するものと考えられている。
特許文献1には、空気中の湿度条件に左右されずに帯電防止効果が得られ、柔軟性と緩衝性を備えた帯電防止機能を有するポリオレフィン樹脂発泡シートが開示されている。このポリオレフィン樹脂シートは、ポリオレフィン樹脂発泡層の少なくとも片面に高分子型帯電防止剤を基材樹脂100重量部に対して、5~50重量部の割合で含む坪量で0.1~20g/mのポリオレフィン樹脂層が積層されているポリオレフィン系樹脂発泡シートが記載されている。
この発明によれば、高分子型帯電防止剤を含有するポリオレフィン系樹脂層の坪量が0.1~20g/mであるため、発泡層の特性を阻害することなく軽量性、柔軟性及び緩衝性、外観に優れたポリオレフィン系樹脂発泡シートが得られる。帯電防止性能を有しつつ、被包装物への低分子量成分の移行量がない多層発泡シートを提供することができる。
この発明は、高分子型帯電防止剤を多く含有する樹脂層が樹脂発泡体の表面に積層された積層発泡構造体である。
特許文献2には、所定のフローレート(MFR)、融点を有するポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、同様のメルトフローレートと融点を有する高分子型帯電防止剤を10~25重量部含むポリプロピレン系樹脂組成物を押出発泡させたポリプロピレン系樹脂発泡シートで、その発泡シートは、密度が0.05~0.1g/cm、厚みが0.5~2mm、厚み方向の気泡数が1~3個/mm、表面固有抵抗値が1×1013(Ω/□)未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法が記載されている。
特許文献2の発明は、包装材として用いた場合に接触する相手の表面を汚染する可能性が極めて小さく、外観に優れ、その表面全体にわたって均一な帯電防止特性が発揮されるポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法、及びポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することを目的とする。この発明は、高分子型帯電防止剤を用いるため、基材樹脂に対する帯電防止剤の含有量が10~25質量部と多い。
特許文献3には、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の内の少なくとも1種からなるベース樹脂と、高分子型帯電防止剤とを含有するポリオレフィン系樹脂組成物によって形成されているポリオレフィン系樹脂シートであって、 前記高分子型帯電防止剤として、前記ベース樹脂に非相溶性な高分子型帯電防止剤とポリスチレン系樹脂の両者が
含有されているものが開示されている。
特許文献3のポリオレフィン系樹脂シートは、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に対する相溶性が低いポリスチレン樹脂を加えて、樹脂シートを形成させるのに際して、高分子型帯電防止剤が前記ポリスチレン系樹脂とともにマトリックス中に粒子状に分散して“海島構造”の分散相を形成することになる。その際に、前記ポリスチレン系樹脂粒子とマトリックス樹脂との界面に沿って高分子型帯電防止剤を集合させ、高分子型帯電防止剤の機能向上を図ることができる。すなわち、高分子型帯電防止剤の使用量の低減を図り、帯電防止を図るものである。この発明は、基材樹脂に非相溶な樹脂を含むものでもないし、海島構造の分散層を形成するものでもない。
特許文献4には、ポリエチレン系樹脂、高分子型帯電防止剤、アニオン系界面活性剤、及び、ノニオン系界面活性剤を含有し、前記ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、前記高分子型帯電防止剤を5~15質量部、前記アニオン系界面活性剤としてアルキルスルホン酸塩系界面活性剤を0.1~5質量部、前記ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシアルキレン系界面活性剤を0.1~0.5質量部含有し、前記ノニオン系界面活性剤に対する前記アニオン系界面活性剤の質量比が1~10倍であることを特徴とするポリエチレン系樹脂発泡シートが開示されている。
この発明によれば、輸送容器のガラスに付着した異物は、親油性が比較的高いステアリン酸系化合物等、及び、それ以外の皮脂、繊維、樹脂微粒子等から構成されていて、これらの異物に対しては、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を併用することにより、ガラスに付着した異物の水洗による除去が可能にする発明であることが記載されている。この発明は、高分子型帯電防止剤と低分子型界面活性剤を併用して異物を除去する発明である。
特許文献5には、(A)成分:遷移金属を含有する無機系薬剤。(D)成分:界面活性剤と(B)成分、(C)成分として沸点が異なる2種の有機溶剤を所定量含む抗菌又は防カビ効果を有する界面活性剤及びこれを使用するピエゾ式噴霧装置用空間処理剤が開示されている。
この文献で開示された(D)成分は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性のいずれかを含むものであるが、特に半極性界面活性剤は、アミンオキシド型界面活性剤を含むものである。この発明は、遷移金属を含有する無機系薬剤と必要に応じてカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤としてアミンオキシド型界面活性剤を溶剤に分散させてピエゾ式噴霧装置用空間処理剤として用いるものである。
特許文献6は、界面活性剤やカーボンブラックなどの帯電防止剤を使用せずに、より優れた抗菌性・防黴性の利用可能な静電気対策シートが開示されている。また、特許文献6の帯電防止抗菌幕材は織物を基材として、この基材に設けられた少なくとも1層の帯電防止性樹脂層を有する可撓性積層体において、帯電防止性樹脂層が、分子中に1個以上のエーテル結合を有する液状エステル化合物、及びキレート錯体(金属配位子)を含有し、必要に応じて帯電防止性樹脂層の表面に対して、少なくとも20%の面積占有率を有する塗膜層を設けるものである。この発明の静電気対策シートは、帯電防止樹脂層は抗菌性や防黴性を有するものであるが、帯電防止層は、エーテル結合を有する液状エステル化合物、及びキレート錯体を有するものである。
特許文献7の帯電防止樹脂組成物は、下記の成分(1)および成分(2)を含んでなり、成分(1):下記の(A)および/または(B)からなるプロピレン共重合体。(A) エチレンを0.5~4.0重量%、プロピレンを66.0~98.5重量%、炭素数4~12のα-オレフィンを1.0~30.0重量%の比率(該三成分合計量基準)で重合系に供給して得られるプロピレンランダム共重合体。
(B) エチレンを2.5~10.0重量%、プロピレンを90.0~97.5重量%の比率(該二成分合計量基準)で重合系に供給して得られるプロピレンランダム共重合体である。
さらに、成分(2):特定の一般式にて表わされる半極性有機ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5~82の三級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1個対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分子電荷移動型結合体とを含むプロピレン系共重合体が開示されている。
特許文献7には、特定のプロピレン共重合体と、半極性結合構造を保持しつつ、ホウ素原子が分子内に規則正しく組み込まれている有機ホウ素高分子化合物とヒドロキシアルキルアミンとを反応させることによってつくられる高分子電荷移動型結合体を組合せることにより、該プロピレン共重合体の帯電性が取り除かれ、接触、摩擦、外部電圧の印加等によって瞬間的に生じる帯電筒が素早く、かつ、完全に漏洩され、上述の帯電防止剤と異なり、持続的にしかも安定した無帯電製品をつくり得ることが記載されている。この文献は、B-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤を含むα-オレフィンを含むプロピレン系共重体である。
特許文献1の発明は積層型樹脂発泡体であるため、積層構造にする必要があり、構造が複雑で、さらにスライス面などの発泡層や厚さ方向の切断面に帯電防止性能が付与できない問題がある。特許文献2の発明の場合には、高分子型帯電防止剤を用いるため、基材樹脂に対する帯電防止剤の含有量が10~25質量部と多い問題がある。
特許文献3の発明は、帯電防止剤が基材樹脂に非相溶な樹脂を含み、海島構造の分散層を形成するものであるが、本願発明は、帯電防止剤が相溶性を有し、さらに海島構造を有するものではない。特許文献4の発明は、高分子型帯電防止剤と低分子型界面活性剤を併用して異物を除去する発明であり、B-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤を用いたものではない。特許文献5の発明は、半極性のアミンオキシド型界面活性剤を溶剤に分散させて用いるものであるが、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂にB-Nタイプ半極性構造を形成したものではなく、B-Nタイプ半極性電荷移動型化合物を帯電防止剤として用いるものではない。
特許文献6の発明で開示された帯電防止樹脂層は抗菌性や防黴性を有するものであるが、帯電防止層は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を用いたものではない。特許文献7は、B-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤を含み、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂の他にα-オレフィンを含むプロピレン系共重合体であるが、これに対して、本発明のB-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤を含むポリプロピレン樹脂発泡体であり、両者は基材樹脂の樹脂組成が異なると同時に発泡体でない点で異なり、スキン層や発泡層が存在しないため、発泡層のスライス面におけるB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の分布や発泡体の抗菌・紡カビ性に関する記載や示唆がなく、その効果も不明である点で異なる。
特開2005-074771号 特開2009-191195号 特開2011-162764号 特開2014-136755号 特開2017-119680号 特開2019-093624号 特開平01-230653号
電子部品などのリターナブルな輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材に使用される樹脂発泡体は、繰り返し使用することを前提としているため、これらの部材の表面層が繰り返し使用や輸送中の製品との摩耗などにより、樹脂発泡体の表層近傍が摩耗剥離して発泡層が露出したり、これらの部材の切断端面に製品が接触することなどがあり、少ない帯電防止剤の添加量で、発泡体の表面及び発泡層の両者ともに優れた帯電防止効果を発揮すると同時に、抗菌性や防カビ性を有する持続型帯電防止性能を有する樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材が存在しない。このため、このような輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材とこれに用いる樹脂発泡体の開発が期待されていた。
本発明では、上記の課題を解決するために、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を用いて、前記帯電防止剤の基材樹脂に対する含有量が2.0質量部以下と少なくても樹脂発泡体の表面及び樹脂発泡体の表面及び内部の発泡層がともに持続型帯電防止性能を有する樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の提供と輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌・防カビ用途への使用を目的にする。
さらに、これらの輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、抗菌性または防カビ性にも優れるものであり、これらに用いる樹脂発泡体は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤をポリエチレンとB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤とのマスターバッチを使用し、樹脂発泡体の内部にB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を微細分散させて、押出発泡することで製造することができる。この際、マスターバッチの構成樹脂は低密度ポリエチレンとしてLDPEを用いることが特に好ましいと推定される
本発明の輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、ポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~8.0質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部の範囲で含む、持続型帯電防止性能を有し,表面品質に優れるポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成され
前記押出樹脂発泡体の発泡体表面及び発泡層の両者ともに帯電防止性能に優れるものであり、かつ前記押出樹脂発泡体の外表面がスキン層とスライス面あるいはシート切断面とを含んで構成されるものである輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であり、
前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体表面及び発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定した発泡樹脂層であるスライス面の表面抵抗率が発泡体表面のスキン層の表面抵抗率より高く、両者の表面抵抗率がともに1.0×1013Ω/□以下であり、
前記表面抵抗率に基づく帯電防止効果に加えて、さらに前記押出樹脂発泡体が抗菌効果または防カビ効果を有するものであり、
前記押出樹脂発泡体がJIS Z2801を参考にして行った抗菌試験により確認した抗菌効果または防カビ効果に基づいて、抗菌または防カビ用に使用可能なことを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材である。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、前記ポリプロピレン樹脂発泡体表面及びスライス面の発泡樹脂層の表面抵抗率を5.0×1012Ω/□以下、3.0×1012Ω/□とすることも可能である。
ここで、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~1.0質量部の範囲あるいは0.1~0.8質量部とすることも可能であり、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は1.0質量部以下あるいは0.8質量部以下でも十分な効果を有する。
また、前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体表面のスキン層及び表面から1/4の厚さにおけるスライス面の発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定したスキン層の表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下、スライス面の表面抵抗率が5.0×1012Ω/□以下であることを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材とすることも可能である。
また、前記輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、MD方向の引張強さが6.5~8.0MPaの高強度ポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材とすることも可能であり、MD方向の引張強さが5.0~8.0MPaの低強度から高強度ポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材とすることも可能である。高強度の輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材のMD方向の強度は望ましくは、6.8~7.6MPaであり、低強度から高強度のまでの強度範囲は、望ましくは5.5~7.6MPaである。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、表面層における帯電半減期が0.10秒以下であることを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器及、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であってもよい
輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材に用いる前記ポリプロピレン樹脂発泡体がポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~10質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部、料0.5~4.0質量部の範囲で含む持続型帯電防止性能を有し、表面品質に優れるポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成され、
前記押出樹脂発泡体の発泡体表面及び発泡層の両者ともに帯電防止性能に優れるものであり、かつ前記押出樹脂発泡体の外表面がスキン層とスライス面あるいはシート切断面とを含んで構成されるものである輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であり、
前記顔料が金属フタロシアニン系化合物であり、前記金属フタロシアニン化合物がCu、Co、Fe、Niの金属フタロシアニン系化合物のいずれかの顔料であり、
前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体表面及び発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定した発泡樹脂層であるスライス面の表面抵抗率が発泡体表面のスキン層の表面抵抗率より高く、両者の表面抵抗率がともに1.0×10 13 Ω/□以下であり、
前記表面抵抗率に基づく帯電防止効果に加えて、さらに前記押出樹脂発泡体が抗菌効果または防カビ効果を有するものであり、
前記押出樹脂発泡体がJIS Z2801を参考にして行った抗菌試験により確認した抗菌効果または防カビ効果に基づいて、抗菌または防カビ用に使用可能なことを特徴とするポリプロピレン系押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であってもよい。
ここで、顔料を樹脂発泡体に含有させる場合には、顔料の含有量が少ない場合には、ポリエチレン樹脂と顔料のマスターバッチとして低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを共に添加させてもよい。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体の表面のスキン層及び表面から1/4の厚さにおけるスライス面の発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定したスキン層の表面抵抗率が1.0×10 12 Ω/□以下、スライス面の表面抵抗率5.0×10 12 Ω/□以下であることを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であってもよい。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、表面層における帯電半減期が0.10秒以下であることを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であってよい。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材のJIS Z2801を参考にして下記の抗菌試験方法に沿って行った抗菌試験により確認した前記B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤と金属フタロシアニン系化合物とを含有するポリプロピレン押出樹脂発泡体シートの抗菌効果または防カビ効果は前記試験において生菌コロニー数が5×10 以下であるポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であってもよい。
この際の抗菌試験方法としては、対象試験片を寸法50±2mm□に切り出し、試験片と菌液を接触させ37℃で24時間静置する。その後所定濃度に洗い出し希釈を行い、洗い出し希釈後の試験液を1日の培養処理を行った後に、生菌のコロニー数を測定することで行ってもよい。なお、コロニー数は、測定したコロニー数に希釈倍率をかけた値となるため、実際の測定値の10 倍となる。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材に用いる前記ポリプロ
ピレン押出樹脂発泡体は、アンチモン系難燃剤、水酸化物系難燃剤、臭素系難燃剤いずれ
かの難燃剤を1.0~4.0質量部の範囲で含むことを特徴とするポリプロピレン押出樹
脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材ある
いは梱包用緩衝材であってもよい。
第2の発明は、前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材用に、前記ポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~8.0質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部の範囲で含む、持続型帯電防止性能を有するポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成されるポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌、防カビ用途への使用である。
前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材用に、前記ポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~10質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部、顔料0.5~4.0質量部の範囲で含む持続型帯電防止性能を有するポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成されるポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌、防カビ用途への使用であってもよい。
本発明の前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEとのマスターバッチ全重量に対する、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の含有割合が1/4倍以下のマスターバッチを基材ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.4~10質量部以下添加して、溶融混錬を行い、溶融混錬中にガス発泡を行って、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~8.0質量部含み、B-N電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部の範囲で含む、輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体を製造することで輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体を製造してもよい。
前記ポリプロピレン樹脂発泡体が前記低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~10質量部含みさらに、前記顔料を前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して顔料としてCu、Co、Fe、Niの金属フタロシアニン系化合物のいずれかの顔料を0.5~4.0質量部の範囲で含むものを用いて同様の方法で製造してもよい。
本発明によれば、発泡体表面及び発泡体の内部の発泡層においても持続型帯電防止性能を有し、表面品質に優れるポリプロピレン樹脂発泡体を用いた輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材を得ること及びこれらの輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌用、防カビ用途への使用を実現することができる。
本発明の製品は、帯電防止性能に優れるだけでなく、抗菌性や防カビ性にも優れるものであり、リターナブルなこれらの製品の繰り返し使用に関して、発泡体のポリプロピレン基材樹脂に対して、半極性のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部以下の少ない添加量で加えた樹脂発泡体とすることで、樹脂発泡体表面とスライス面の両方に十分な持続型帯電防止効果と発泡体への抗菌・防カビ効果を得ることが可能になる。
また、本発明では、これらの製品に用いる樹脂発泡体を製造する際に、低密度ポリエチレンであるLDPE半極性のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を混合したLDPEマスターバッチを使用することで、良好な発泡状態と帯電防止剤の分散状態を得ることできることを基に実現したものである。輸送用容器及び輸送用容器の仕切り部材や梱包用緩衝材とその製造方法とこれらの製品の抗菌用、防カビ用途への使用を可能にすると同時に、帯電防止剤を減少させることで、製品の低コスト化を実現することができる特に、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤に加えて、フタロシアニン系顔料を加えることで、良好な抗菌、防カビ効果を得ることができる。
[ポリプロピレン樹脂発泡体]
本発明の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体は、ポリプロピレン樹脂と、B-Nタイプ型電荷移動型帯電防止剤とを含有する帯電防止性に優れるポリプロピレン発泡体である。すなわち、本発明のポリプロピレン樹脂発泡体は、少なくともポリプロピレン樹脂とB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤とを含有する樹脂組成物を用いて形成される発泡体シートである。なお、本発明のポリプロピレン樹脂発泡体は、発泡性を安定させるために、気泡核剤を含んでもよい。
<ポリプロピレン樹脂>
本発明の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体の原料として用いるポリプロピレン樹脂はプロピレンをモノマーとして用い、常法により重合して得たポリプロピレン樹脂を用いることができる。また、原料に用いるポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂発泡体の性能を調整するために、種々の構造の、ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマーなどを適宜ブレンドして用いることができる。例えば、溶融張力の高いホモポリマーを基材樹脂に多く含有させるとポリプロピレン樹脂の溶融張力を向上させ、ポリプロピレン樹脂発泡体の連続気泡の存在割合を低下させ、独立気泡の存在割合を増加させることで、高強度のポリプロピレン樹脂発泡体を得ることができる。
また、本発明の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体の引張試験における引張強さや伸び値、曲げ強さ、曲げ弾性率、引裂強さなどは、上記の原料として用いる種々の構造のポリプロピレン樹脂の選択や混合割合と、気泡核剤の添加量及び押出時の溶融混錬中に注入する炭酸ガスの注入量や注入時の圧力調整により制御することが可能になる。
例えば、本発明に使用するポリプロピレン樹脂は市場から入手することができる。上記のように、ポリプロピレン樹脂発泡体の引張試験における引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、引裂強さなどを調整するためには、ホモポリマーとブロックポリマーをブレンドすることでも調整することが可能である。上記の機械的特性を高強度高剛性にするためには、ホモポリマーの含有量を多くし、さらに発泡条件を制御して、独立気泡の連続気泡に対する割合を多くすればよい。
<B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤>
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は、無極性樹脂に相溶するように構造設計されたB-Nコンプレックスであり、主鎖の部分が対象樹脂マトリックス中にアンカーとして保持された状態で、極性部分(B-N)を表面に固定している。この帯電防止剤は、(-)の帯電荷に対しては、この帯電荷に対応し、消去するN成分である有機窒素化合物と(+)の電荷に対応し消去するB成分(半極性有機ホウ素化合物)から構成され、静電気の発生と同時に電荷移動遷移を起こし、瞬時にイオン対構造に転換する。
また、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は、(B)成分と(N)成分が一体化して3個のアルキル基を有している構造になっており、使用対象のプラスチックにメチレン基(-CH-)があれば、ファデルワールス力を働かせて、内部に微小粒子として微細安定分散したまま存在する特性を有しているため、ポリマーブレンド系の高分子タイプの帯電防止剤とことなり、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に対して相溶性が優れ分散性がよいため、少量の添加で帯電防止性能が得られると言われている。
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は、下記の一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007247287000001
〔式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1~24のアルキル基を表す。RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。Rは炭素数1~12のアルキレン基を表す。Rは炭素数1~24のアルキル基を表す。R~Rはさらに発明の効果を奏する範囲で任意の置換基(ヒドロキシル基等)を有していてもよい。また、発明の効果を奏する範囲で、アルキレン鎖(CH)の一部が酸素原子(O)、カルボニル基(CO)、イミノ基(NH)に置き換わった構造を取っていてもよい。〕
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は、なかでも、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007247287000002
ここで、ホウ素を利用した帯電防止剤には、ドナーアクセプター系分子化合物型帯電防止剤、中和反応によるイオン対化合物型帯電防止剤、半極性有機ホウ素化合物と電界質とのハイブリッド型帯電防止剤などの種々のものがあるが、本発明では、ドナーアクセプター系分子化合物型帯電防止剤として、(株)ボロン研究所製のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤であるBN105を使用した。本発明では、BN105を使用した理由は、メチレン基を有するポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に対しての分散性に優れるためである。
ここで、BN105は、(B)成分と(N)成分の非イオン化合物同士からなる1:1分子化合物が(+)成分と(-)の電荷が存在すると電荷移動遷移して、樹脂の表面及び内部で帯電荷を除電する作用がある。そのため、ドナーであるB化合物からアクセプターN化合物にプロトンが移動する遷移反応が生じる。その結果、樹脂発泡体の表面では帯電荷の中和消滅させることで除電し、表面以外の部分では、Bによる正孔の輸送やNによる電子の拡散が起こることで、帯電荷を除電することが可能になる。
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の含有量としては、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の添加量は、0.1~2.0質量部の範囲で加えることができ、0.1~1.0質量部の範囲でも十分な帯電防止効果を得ることができる。表面抵抗率として、1.00×1013Ω/□以下を目指す場合には、上記添加量で十分である。
なお、意外にも、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は抗菌効果を発揮することを発見した(表1,試験材1~10参照)。B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤が抗菌効果を奏することを開示した文献はなく、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤をポリプロピレンの発泡体に仕込み、抗菌性を発現させ、その効果を利用した用途となる「輸送用容器」または「輸送用容器の仕切り部材」や「梱包用緩衝材」は、上記の発見に基づいて構成されたものであり、思想的に新規な特徴を有するものである。
<B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤のマスターバッチ>
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の性能を最大限に発揮させるためには、界面活性剤型低分子帯電防止剤とことなり、発泡体の表面へのブリードアウト現象を伴うものでないため、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の分散状態の制御が重要となる。
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤としては、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂中にB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を分散させたマスターバッチを、ポリプロピレンに所定量混合したポリプロピレン樹脂を用いることができる。ここで、上記のマスターバッチとしては、低密度ポリエチレンとしてのLDPEとB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を混合溶融押出後切断して、マスターバッチを製造することができる。
マスターバッチに用いるポリエチレン樹脂としては、LDPEを用いるが、ポリエチレン樹脂とB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の混合比率は所定の割合とすることができるが、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の分散性を考慮すると、少なくともポリエチレン樹脂のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の混合割合は、3倍以上とすることが望ましい。さらに望ましくは、4倍以上あるいは5倍以上、7倍以下とすることが望ましい。B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤のポリエチレン樹脂とのマスターバッチ全重量に対する、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の含有割合として言えば、1/8以上1/4倍以下であることが好ましい。
ここで、マスターバッチを構成する樹脂成分の割合の下限値を3倍以上8倍以下としたのは、樹脂成分が少ないと均一な組成の安定したマスターバッチが得られないからであり、逆に樹脂成分の混合比率が高いと、同一のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の含有量を得るための、樹脂発泡体の基材樹脂のポリプロピレン樹脂に対するマスターバッチに混合する樹脂の混合量が多くなり、結果として樹脂発泡体に対するマスターバッチから導入される樹脂成分の含有量が多くなり、ポリプロピレン樹脂発泡体自体の強度や耐熱性などに影響するためである。
マスターバッチは、内製することもできるが、市販のポリコールなどを使用することができる。ここで、マスターバッチの低密度ポリエチレン樹脂としてのLDPEとB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の混合割合は、上記の範囲内で適宜調整することができるが、望ましい範囲は、3倍以上7倍以下(マスターバッチの全重量に対するB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の割合は、4:1~8:1)の範囲である
<その他の樹脂成分>
基剤樹脂は、ポリプロピレン樹脂であるが、ポリプロピレン樹脂以外に少量であれば、その他の樹脂成分として低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEをポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.3質量部~8.0質量部の範囲で含んでもよい。たとえば、ポリプロピレン樹脂中にB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を均一に分散させるためには、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEと混合したマスターバッチとすることが望ましい。
ここで、ポリプロピレン樹脂に対する帯電防止剤マスターバッチから導入されるポリエチレン樹脂としてのLDPEの含有量を8.0質量部以下としたのは、マスターバッチから導入されるポリエチレン樹脂としてのLDPEの含有量が増えると、ポリプロピレン樹脂発泡体の引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、引裂強さなどの機械的性質と耐熱性が低下するため、ポリプロピレン樹脂発泡体のポリプロピレン樹脂に対するポリエチレン樹脂としてのLDPEの上限は、8.0質量部とすることが好ましく、6.0質量部以下とすることが好ましく、4.0質量部以下とすることが特に好ましい。ここで、後述する顔料マスターバッチから導入されるポリエチレン樹脂としてのLDPEの含有量を考慮すると、合計で10質量部までは、ポリエチレン樹脂としてのLDPEの含有量を許容するものとする。ポリエチレン樹脂としてのLDPEの含有量の下限値はB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の下限値である0.1質量部に対するマスターバッチの基材樹脂との混合割合により左右されるため、スターバッチによる分散効果を好適に発揮させる観点から、0.3質量部以上であることが好ましく、0.4質量部以上、0.6質量部以上であることが特に好ましい。
ここで、マスターバッチの樹脂とB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の混合割合は、3:1~7:1の範囲であれば、特に問題はないため、本発明では、本発明における輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材と使用するための材料として、樹脂発泡体やB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部、マスターバッチの基材樹脂としてポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~8.0質量部含むことを阻害しない範囲で、前記B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤と前記マスターバッチの基材樹脂としての低密度ポリエチレン樹脂であるLDPEがその含有量の範囲を満足する限り、マスターバッチの混合割合は、これらのB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の組成範囲と基材樹脂である低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEの組成範囲の全領域である3:1~7:1の全領域に渡って、前記混合比率が適用できなくても特に問題はなく、マスターバッチの混合割合は前記組成範囲を超えないように適宜調整すればよい。なお、これは、マスターバッチ全重量に対するB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の割合でみると、4:1~8:1に相当することは言うまでもない。
<気泡核剤>
本発明のポリプロピレン樹脂発泡体は気泡核剤を含有する。この気泡核剤は、シートの製造工程において、樹脂が発泡する際に気泡核の形成を促すものであり、気泡の微細化と均一分散性を向上させる。ここで発明で使用する気泡核剤に特に制限はなく、例えば、重炭酸ソーダ、重炭酸アンモニウム、重曹クエン酸、アゾジカーボンアミド、タルク等を気泡核剤として用いることができる。
なお、本発明はこれらに限定されるものではなく、樹脂の発泡において一般的に用いられているものを広く適用することができる。ここで、気泡核剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.5~2.0質量部程度含んでもよいが、通常は1質量部程度でよい。
<その他の添加剤>
(顔料)
本発明のポリプロピレン樹脂発泡体は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、顔料、耐熱性向上剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。顔料は、ポリプロピレン樹脂発泡シートに着色するために用いられる。主として用いられる顔料としては、白色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黒色顔料などがある。
これらの顔料には、具体的には、白色顔料としては、酸化チタン、鉛白、酸化アンチモン、黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、クロム-イエロー、カドミウムイエロー等の無機黄色顔料、青色顔料としては、Cuフタロシアニン、Coフタロシアニンなどの有機金属顔料、緑色顔料としては、フタロシアニングリーン(高塩素化Cuフタロシアニン)、赤色顔料としては酸化鉄、鉛丹、硫化カドミウムとセレン化カドミウムの固溶体からなるカドミウムレッドなどが用いられる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックなどを用いることができる。以上の他、フタロシアニン顔料としては、以上の他濃青色のNiフタ
ロシアニン、濃紫色、緑、黒を示すFeフタロシアニンなどがあるが、これらのフタロシ
アニン系顔料も用いることもできる。
上記顔料の内、耐熱性を付与する場合には、酸化チタン(ルチル型)またはカーボンブラックを耐熱性付与部材として用いることができる。この理由は、酸化チタンは耐熱性が高く、さらに熱反射性に優れるためであり、カーボンブラックは耐熱性が高く、熱伝導性にも優れるためである。
また、フタロシアニンブルーやフタロシアニングリーン等の有機金属錯体により、構成される顔料を用いると、抗菌性や防カビ性を期待できる。この理由は、完全には解明されているとは言い切れないが、これらのCu、Co、Ni、Feフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料は酸化作用があることから、これが菌類やカビの細胞の生成や代謝を阻害することで抗菌性や防カビ性に効果を発揮するものと推定される。
なお、顔料による抗菌効果は従来不明確であり、それがポリプロピレンの樹脂発泡体において機能するかはより不明確であった。特に本発明によれば、フタロシアニン系の顔料などの特定の顔料において、共存するB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の持続性の帯電防止効果を阻害することなく、一方で発泡体においては極めて良好な抗菌効果が得られる点は、本願発明の新たな知見である。
ここで、これらの顔料の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.5~4.0質量部の範囲で加えることが望ましい。顔料の含有量の上限を4.0質量部とするのは、顔料としての使用用途を考慮した場合には、製品として目的とする着色状態を得るためには、4.0質量部あれば十分であるためである。また、含有量の下限値を、0.5質量部としたのは、0.5部未満の含有量では、着色が不十分になる場合もあるためである。このため、顔料の好ましい添加量は、0.5~4.0質量部であるが、さらに顔料コストを考えると、0.5~2.0質量部の範囲の含有量で用いることが望ましい。また、酸化チタンやカーボンブラックなどを耐熱性向上用途で用いる場合でも、これらの顔の添加量範囲は上記と同様である。ここで、顔料の添加は、ダイレクトブレンドを原則とするが、顔料添加量が少ない場合には、マスターバッチ添加としてもよい。
(難燃剤)
前記輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材ポリプロピレン樹脂発泡体がアンチモン系難燃剤、水酸化物系難燃剤、臭素系難燃剤いずれかの難燃剤を含むポリオレフィン樹脂発泡体であってもよい。なお、前記ポリプロピレン樹脂発泡体が難燃剤を含む場合は、難燃剤の含有量は、4.0質量部以下が望ましい。難燃剤の含有量が4.0質量部以下であれば、発泡阻害を起こす心配がないので、難燃性は多少抑制してもこの範囲の添加量とする。難燃剤の添加量が1.0~4.0質量部の範囲であれば、一定程度の難燃性が確保できるからである。
<ポリプロピレン発泡体シートの製造>
シリンダー径150mmの押出機に、ポリプロピレン樹脂(成分(A))と、B-N電荷移動型帯電防止剤成分を含むマスターバッチ(B)(好ましくは0.4~8.0質量部、対基材ポリプロピレン樹脂100質量部)とを、所定の割合で投入し、混練した。押出機途中のシリンダー部から炭酸ガスを所定のガス圧及びガス流量で、幅400mmのT型発泡ダイスの先端の中心から混練物を押出し、水平方向に設置された2組の成形ロールダイの間を通過させる。こうして圧延率を調整することで、所定厚さのポリプロピレン樹脂発泡体シートを得ることができる。このポリプロピレン樹脂発泡体シートは、押出温度は160~195℃、成形ロールダイによるMD方向の圧延を圧延率20~90%の範囲の圧延にて製造することができる。なお、必要に応じて気泡核剤や顔料などを所定の割合で加えることができる。
<樹脂発泡体の製品厚さ>
本発明のポリプロピレン発泡体はシート状で、発泡シートの厚さは目的に応じて適宜に設計される。例えば、1.0~5.0mm厚の発泡シートとすることができる。これらの厚さの発泡シートは押出とその後のシートの圧延の圧延率を適宜設定することで、適宜製品厚さを調整することができる。後述するように、本発明の実施例では、発泡体のシート厚さは、3.0mmで統一した。
<樹脂発泡体の構造>
本発明に用いるポリプロピレン樹脂発泡体は、発泡倍率が1.5~4倍であることが好ましい。発泡倍率を1.5~4倍とすることにより、所定の強度と伸び値とすることができる。この発泡倍率は、より好ましくは1.5~3.3倍である。ここで、本願のような低発泡倍率のポリプロピレン樹脂発泡体を成形ロールダイにより圧延を行った樹脂発泡体の場合、発泡倍率がほぼ同一であれば引張強さや伸び値は、基材樹脂の種類の影響が大きいが、これに加えて樹脂の配向も影響する。
また、本発明に用いるポリプロピレン樹脂発泡体は、連続気泡率が10~60%に調整される。連続気泡率を10~60%に調整とすることにより、ポリプロピレン樹脂発泡体の引張強さ、伸び値、曲げ弾性率、曲げ強さ、圧縮強度などを適宜所定の値に調整することが可能となる。したがって、樹脂発泡体の潰れを極力避けて、所定の圧縮強度を高めに設定したい場合や所定の引張強さ、曲げ強さあるいは所定の曲げ弾性率などを付与したい場合には、ポリプロピレン樹脂発泡体の連続気泡率は一定程度小さく独立気泡が多いことが好ましい。ここで、連続気泡率の調整には、高温における歪硬化性や溶融張力と押出発泡時のガス量などを適宜調整することで行うことができる。
ここで、連続気泡率が10%前後とすることで高強度材が得られ、連続気泡率が60%前後の場合には、低強度材を得ることができる。連続気泡率の調整は、樹脂発泡体を構成する基材樹脂の溶融張力を調整することで調整することができる。
本発明のポリプロピレン樹脂発泡体の気泡は圧延により、MD方向に延伸され、シートの厚さ方向に縮径されるため気泡形状がMD方向に伸びた偏平形状となる。そのため、厚さ方向の気泡径が縮小して、厚さ方向の気泡密度が増加する。ポリプロピレン樹脂発泡体シートは気泡密度(セル密度)が1.0×10~3.0×10個/mmであることが好ましく、前記気泡密度は気泡がある程度小さいことを意味する。気泡径が大きい場合、ポリプロピレン樹脂発泡体シート製造時における気泡同士の合体も生じやすい。合体した気泡部分近傍には応力が集中し、局部変形が生じやすく、引張破断伸び値が低下する傾向にある。
<表面抵抗率>
本発明に係るポリプロピレン樹脂発泡体はその表面及びスライス面の表面抵抗率が1.00×1013Ω/□以下であり、5.00×1012Ω/□以下であることが好ましく、3.00×1012Ω/□以下であることがさらに好ましく、1.00×1012Ω/□以下であることが特に好ましい。表面抵抗率は製品としては、低ければ低いほど好ましいため、特に、製品としては下限値を設定する必要はないと考えられるが、1.00×1010Ω/□以上、1.00×109Ω/□以上であることが望ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリプロピレン発泡体を用いた帯電防止性能に優れる輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材を提供することができる。発泡体を構成する樹脂に帯電防止剤を含有させた場合には、発泡体には、発泡体表面近傍の気泡が存在しないスキン層と発泡層があるため、帯電防止剤の種類や製造工程における帯電防止剤の添加方法により、帯電防止剤のスキン層と発泡層における帯電防止剤の分布の相違や帯電防止剤の違いによる帯電防止機構の相違などにより、帯電防止性能が相違する可能性がある。また、発泡層は一般には、気泡の空気層により帯電防止性能の評価に使用する表面抵抗率が増加し帯電防止性能が低下する可能性があり、このような事情に鑑みて、リターナブルな輸送用容器輸送用容器の仕切り部材あるいは長期間使用可能な梱包用緩衝材を目的として、発泡体表面のスキン層と発泡層のスライス面あるいは切断面の表面抵抗率に優れる長期間使用可能なこれらの製品とその抗菌・防カビ用途への使用を提供することができる。好ましい実施形態に係る開発された製品は帯電防止性能だけでなく抗菌、防カビ性にも優れるものであった。
また、本発明の好ましい実施形態に係る製品は、製品表面の摩耗や損傷して発泡層が露出した場合でも、帯電防止性能を維持することが可能であり、製品表面上における細菌やカビの増殖を抑制することで、これらを原因とする製品の劣化や不良の発生を十分抑制することができる。
以上より、本発明のポリプロピレン樹脂発泡体は、輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材に用いられる。輸送等の対象物品は特に限定されないが、電子部品用途などが挙げられる。本発明の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材を用いれば、静電気の発生を抑え、電子部品等の品質を好適に保持することが可能となる。特に、スライス面の表面抵抗率が優れることから、本発明の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材はリターナブルな容器としての使用が可能であり、さらに、抗菌、防カビ性にも優れることから、抗菌、防カビ用の使用にも適する。
<試験材の製造方法>
実施例に使用した試験材1から試験材21は、各試験材の基材樹脂に必要によりB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を加えた樹脂成分に必要に応じて所定量の顔料を加えて、さらに気泡核剤を1部加えて、炭酸ガスをガス圧力7kg/cmで、ガス流量5l/minの条件で、3倍発泡させて、4.5mmのシート厚さに押出後、ロール圧延で、ロール間隔2.8mmにて圧延を行い厚さ3.0mmのポリプロピレン樹脂発泡体に仕上げた。
ここで、気泡核剤には、永和化成工業株式会社製のポリスレンを用いた。
B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤はマスターパッチにより添加した。ここで、各試験材は、(株)ボロン研究所製のBN105を帯電防止剤として使用して、ポリエチレン(LDPEやHDPE)またはポリプロピレンを基材樹脂として所定割合のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含むマスターバッチを、両者を溶融混錬後に所定断面形状のストランド状に押出を行った後に所定寸法切断した内材を使用した。
<試験材の試験測定方法>
後述する実施例1の試験材について、引張試験による引張強さの測定、発泡倍率、連続気泡率の測定、試験材製造後7日及び30日における樹脂発体の表面及びスライス面の表面抵抗率の測定、発泡体表面の帯電半減期の測定と抗菌性評価試験を行った。なお、引張強さ、発泡倍率、連続気泡率、表面抵抗率、帯電半減期の測定、抗菌性試験の各試験は、JISまたはASTM規格のいずれかに準拠して試験を行った。
ここで、スライス面の表面抵抗率測定に用いた材料は、3mm厚さの樹脂発泡体の厚さ方向の中央と表面の発泡体のシート厚さの(1/4)に相当する位置を発泡体表面に平行に切断したものを所定の大きさの試験片に加工したものを用いた。
ここで、実施例2では、主として表面抵抗率上記測定項目の内、表面抵抗率は発泡体の表面のみに全試験材ついて行ない、スライス面の表面抵抗率は後述する特定の材料について測定し、その他の特性は実施例1と同様の測定を行った。また、実施例3として、実施例1の代表材について長期間経過後の帯電防止性能を評価するために、60℃の恒温槽で35日保持した後、試験材表面のみついて表面抵抗率を測定する促進試験をなった。実施例3は、表面抵抗率の長期特性評価のみを付加的に行ったものであり、実施例3で用いた試験材は実施例1の試験材と重複するため、表面抵抗率以外のその他の試験は行う必要が
ないため、行っていない。また、引張強さ、発泡倍率、連続気泡率の測定は各3個の試験
片について測定を行いその平均値を測定値とし、表面抵抗率、帯電半減期、抗菌性確認試験は、測定ばらつきを考慮して各5個の試験片について測定を行ってその平均を測定値とした。また、表面品質は、各試験材の樹脂発泡体表面を目視で評価し、発泡性は、樹脂発泡体の切断面を用いて評価した。
ここで、後述する表中の各実施例の説明で、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどは、実施例の表中など場合により、LDPE、HDPE、PPなどと簡略化する記載を行ない、顔料投入方法などは、ダイレクトブレンド法、マスターバッチ法をDB,MBと記載した。なお、顔料マスターバッチは、電荷移動型帯電防止剤と同様の方法に製造した。
(引張強さ)
JISK6767に準拠して樹脂発泡体の引張破断伸び値を決定した。より詳細には、試験片として2号ダンベル試験片(厚さ3mm)を用い、引張速度を100mm/minとして、試験片が破断するまで引張試験を行い、実施例1,2の各試験材の引張強さをMD方向とTD方向の両方向について求めて、小数点以下2桁を四捨五入して、測定結果を小数点以下1桁まで記載した。
(発泡倍率)
発泡倍率は、発泡前の樹脂の比重を、水中置換法(JISK7112)にて測定した発泡体の比重で割った値である。発泡体の比重の測定には、メトラードレド社製の電子天秤AG204を使用して測定可能である。測定値は、小数点以下第2位を四捨五入した値を発泡倍率とした。実施例1,2の各試験材について発泡倍率を測定した結果、発泡倍率はいずれの試験材発泡倍率3.0±0.1倍(2.9~3.1倍)を満足したが、表1,表2から記載は省いた。
(連続気泡率)
連続気泡率(連通率)は、ASTM D-2856-87に記載の方法に準じて決定した。具体的には、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を用いた測定値を下記式に当てはめ、連続気泡率を決定した。連続気泡率は、小数点以下2桁まで求めて、これを3つの供試材について測定を行い四捨五入して小数点以下1桁まで求めて連続気泡率とした。
[連続気泡率(%)]=100×[(見掛け体積-空気比較式比重計による体積値)
/見掛け体積]
(表面抵抗率の測定)
表面抵抗率測定は、JISK6911に準拠して測定することができる。表面抵抗率測定は,主電極及びリング電極、対向電極を用いて、電圧源Vsをリング電極に印加し、リング電極から主電極に向って試料表面上を流れる電流Imを測定する。ここで、表面抵抗値Rsは、Rs=Vs/Imから計算できる。
ここで、リング電極から対向電極に流れる電流は電流計に流れ込まないので、測定電流には影響を与えない。
ここで、主電極の外径及びリング電極の内径の平均長さをL、主電極の外径とリング電極の内径の間隔をWとすると、表面抵抗率ρsは次式により求められる。ここで、試験片の前処理は、20±2℃、湿度65±5%にて行なった後に測定を行うものとする。
ρs=(L/W)・Rs=(Π(D+d)/(D-d))・(Vs/Im)
表面抵抗率:ρs
リング電極の内径:D
主電極の外径:d
主電極の外径及びリング電極の内径の平均長さ:L=(D+d)/2
主電極の外径及びリング電極の内径の間隔:W=(D-d)/2
表面抵抗:Rs
表面抵抗測定率は、Ω/□で記載し1cm2当たりの抵抗値で表わす。
実際の測定は、試験片を100mm×100mmに切り出し、これをリング電極の内径D=70mmφ、主電極の外径d=50mmφの試験装置を使用して行った。試験装置は、(株)ADVANTEST製のR8340を用いた。
(帯電半減期測定)
スタティックオネストメータによる帯電半減期の測定は、各試験材について、資料寸法45mm×45mmの試験材を切り出して、下記の条件にて行った。
試験方法:JISL1094A法 準拠
試験条件:印加電圧;-10kV
印加時間;30 s
定試験片数:3個
試料保持条件:23℃±2℃、50%RH±2RH×24h
試験環境:23℃±2℃、50%RH±2RH
測定装置:Static Honestmeter Type H-011(シシド静電気(株)製)
(樹脂発泡体の表面品質と発泡性の評価方法)
ここで、本発明の製品の輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材の用途を考えた場合に、これらの製品の樹脂発泡体の表面品質が問題となる。そこで、各試験材の表面品質には発泡時の安定性が表面品質に影響を与えることが分っているため、表面品質と発泡性の関係について確認を行った。表面品質は、目視により評価を行い、樹脂発泡体の表面状態が均一なものは、「◎」、樹脂発泡体の表面が僅かに不均一であるがあるが製品としては問題がないものを「○」、表面に凹凸があり発泡体の板厚が不均一なものを「×」とした。また、発泡状態は、樹脂発泡体の厚さ方向の切断面を走査電子顕微鏡にて50倍で発泡状態の確認を行い、発泡体の観察部位を変えて各3カ所の観察を行い、発泡状態が観察部位によらず均一なものは「○」、発泡状態が観察部位により異なり不均一なものは「×」とした。
(抗菌性の評価方法)
試験にはMicrobiologics社製の大腸菌キットを液体ブイヨン培地に植菌後、37℃恒温槽で一晩培養して、培養後の菌液を適切な濃度に調整したものを菌液として用いた。ここで、抗菌性試験に使用した培地は、日水製薬株式会社製コンパクトドライEC培地を用いた。
ここで、抗菌性の評価は、後述する表1、表2の試験材の発泡体表面のスキン層のみついて行った。各試験材の試験材表面における抗菌性の評価試験はJISZ 2801を参考に無処理試験片の評価は行わずに抗菌試験片のみについて簡易的に実施した。具体的には、対象試験片を寸法50±2mm□に切り出し、試験片と菌液を接触させ37℃で24時間静置した。その後所定濃度に洗い出し希釈を行い、洗い出し希釈後の試験液を1日(37℃24時間)の培養処理を行った後に、生菌のコロニー数を測定した。この操作を各試験片で実施し、生菌のコロニー数が小さいものほど抗菌性が高いと評価した。
ここで、コロニー数は、計算上実施に測定したコロニー数に希釈倍率をかけた値となるため、実際の測定値の10倍となる。測定は、5個のシャーレで測定を行い、5個のシャーレの測定値の平均値を四捨五入したものが測定値となるため、この値の10倍となる。後述する実施例の表中では、10を省いたCn実測値の平均値を記載した。本願では活性値を求めないことから、各試験材の実測値の相対比較のみで十分と考られる。
Cn:コロニー数(採用したシャーレのコロニー数平均値)
At:希釈倍率(採用したシャーレに分注した希釈液の希釈倍数:10
Ct = Cn × At = Cn × 10
<実施例1>
(試験材)
試験材1から試験材11についての各種ポリプロピレン樹脂発泡体の2号ダンベル試験片による引張試験におけるMD方向とTD方向の引張強さ、連続気泡率、製造後7日と30日における発泡体表面とスライス面の表面抵抗率の測定結果とスタティックオネストメータによる帯電半減期測定結果、及び発泡性評価、抗菌性評価結果を示す。
ここで、表面抵抗率の測定を、製品製造直後に測定せずに、7日後と30日後としたが、この理由は、スライス面の表面近傍の気泡のミクロ的な安定性にスライス加工が影響与えるため、切断による気泡構造への影響(切断面近傍の気泡中の炭酸ガスと空気の置換
やごく微量の気泡体積変化)とB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の結晶性の進行度合いを考慮して1週間程度経過後に表面抵抗率の測定を行うことにしたものである。
Figure 0007247287000003
ここで、試験材1から試験材7は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を、ポリエチレン樹脂としてLDPEとB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を所定割合で混合して製造したマスターバッチを用いて、マスターバッチの組成範囲を低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が0.3~8.0質量部、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤0.1~2.0質量部の範囲で、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)とB-Nタイプの帯電防止剤の混合比率を3:1~7:1の混合比率で混合したマスターバッチを使用して樹脂発泡体を製造したものである。ここで、ポリエチレン樹脂としてのLDPEの下限は、マスターバッチにおける混合比率の下限値である、0.3質量部まで許容するが、上限は発泡体の強度や耐熱性を考慮して、顔料などを含有しない場合は8質量部、後述する顔料などを含有する場合であっても10質量部となるようにスターバッチの混合比率を調整する必要がある。また、各試験材は、(株)ボロン研究所製のBN105を、ポリエチレンまたはポリプロピレンを基材樹脂として所定割合のマスターバッチを内製して使用した。試験材8は、前記電荷移動型帯電防止剤のマスターバッチの基材樹脂に高密度ポリエチレン(HDPE)を使用した試験材であり、これを参考例とした。試験材9は、前記電荷移動型帯電防止剤のマスターバッチの基材樹脂にポリプロピレン(PP)を使用した試験材であり、これを比較例とした。両者は、試験材3とマスターバッチの基材樹脂が異なるがB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を同一の含有量である1質量部含む試験材である。ここで、マスターバッチの基材樹脂に使用した樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)は住友化学(株)製のF218-O、高密度ポリエチレンは日本ポリオレフィン(株)製のHD1300、ポリプロピレンはプライムポリマー(株)製のプライムポリプロE702MGをそれぞれ用いた。
ここで、実施例1の試験材に使用した基材樹脂Aは、ホモタイプポリプロピレンとブロックタイプのポリプロピレン樹脂を所定割合(2:1)で加えたものであり、基材樹脂Bはブロックタイプの基材樹脂のみを配合したものである。両者、基材樹脂の相違により、材料強度特性と連続気泡率を変更したものである。基材樹脂Aは高強度樹脂発泡体で、基材樹脂Bは低強度の樹脂発泡体である。ここで、試験材1から試験材9では、基材樹脂として基本的には基材樹脂Aを用いたが、試験材4のみ基材樹脂Bを用いた。
なお、樹脂発泡体の基材樹脂A,Bに使用した、ホモタイプポリプロピレンは、日本ポリプロピレン(株)製をMFX8使用し、ブロックタイプポリプロピレンには、上記のプライムポリマー(株)製のプライムポリプロE702MGを使用した。ここで、基材樹脂Aには、上記のホモタイプポリプロピレンとブロックタイプポリプロピレンを2:1の割合で混合し、基材樹脂Bは、ブロックタイプポリプロピレンとして、プライムポリマー(株)製のプライムポリプロE702MGのみを用いた。
試験材10は、基材樹脂Aに、低分子タイプの花王の界面活性剤型帯電防止剤エラストマスター320を2部添加したポリプロピレン樹脂発体を用いた比較例材としての試験材であり、試験材11は、基材樹脂Aのポリプロピレン樹脂に高分子タイプの帯電防止剤高濃度に添加したポリプロピレン樹脂フィルムを、ポリプロピレン樹脂発泡体の表面に積層押出により融着させた積層構造体からなる比較例材としての試験材である。そのため、試験材11は、住化プラステック社製の表面に高分子タイプの帯電防止剤を含むフィルムが積層された積層構造の樹脂発泡体を用いた緩衝材であるスミセラーST(製品名)を使用したが、支持体である樹脂発泡体は帯電防止剤を含まないものとなる。
(引張強さ、連続気泡率)
試験結果を表1に示す。基材樹脂Aは硬質発泡材で、基材樹脂Bは軟質発泡材であるが、試験材4を除く基材樹脂Aを用いた試験材1~9の各試験材の引張強さは、MD方向:6.8~7.6MPa,TD方向:4.9~5.5MPaで、連続気泡率は、10.7~12.4%であり、これに対して比較材の試験材10は、MD方向の引張強さは、MD方向が7.2MPa,TD方向が5.4MPaで、連続気泡率が12.4%であり、試験材11は、MD方向の引張強さは、MD方向が8.6MPa,TD方向が5.6MPaで、連続気泡率は11.8%であった。また、試験材4の基材樹脂Bの引張強さはMD方向が5.5MPa,TD方向が3.4MPaで、連続気泡率が58.4%であった。ここで、上記の引張強さ、連続気泡率の値は、試験材、比較材ともに輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材として問題のない範囲であった。
(樹脂発泡体の表面の表面抵抗率)
表1から判るように、試験材1~9のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含む表面の製造後7日における表面抵抗率は、前記帯電防止剤の含有量0.1~2.0質量部の範囲で、マスターバッチの基材樹脂の種類を含めて、1.64~5.60×1011、製造後1カ月における表面抵抗率は、1.48~2.97×1011の範囲に含まれ、個々に材料間の表面抵抗率の相違はあるものの、いずれの場合も1012未満である。
これに対して、比較例材である界面活性剤型帯電防止剤を含む試験材10は製造後7日における表面抵抗率は4.15×1011で、本願発明の表面抵抗率範囲に含まれるが、製造後1カ月における表面抵抗率は3.69×1011で、本願発明より表面抵抗率が高く、全体として見ればほぼ同レベルと考えられる。また、高分子型帯電防止剤からなる積層構造材である試験材11の表面の表面抵抗率は、製造後7日における表面抵抗率は3.85×1011で、本願発明の表面抵抗率範囲に含まれるが、製造後1カ月における表面抵抗率は3.17×1011で、本願発明より表面抵抗率が高く、全体として見ればほぼ同レベルと考えられる。
なお、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤と低分子型帯電防止剤をそれぞれ2部含む試験材1と試験材10を比較すると、試験材1の方が試験材10より優れていた。また、高分子型帯電防止剤からなる積層構造材である試験材11の表面抵抗率は、詳細な帯電防止剤の含有量は不明であるが、通常高分子タイプの帯電防止剤を本願発明より多く含むと考えられるにもかかわらず、本願発明より劣っていた。
(樹脂発泡体のスライス面の表面抵抗率)
スライス面の表面抵抗率は、製品の摩耗や損傷を考慮して製品の厚さの中央でなく、樹脂発泡体の厚さ方向の表面から1/4の位置で切断してスライス面とした。表1では、樹脂発泡体の表面から1/4厚さの発泡面を切断したスライス面を実施例1のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含む試験材1から試験材9のスライス面の表面抵抗率は、製造7日後で、1.48~2.56×1012、製造後1カ月で3.34~5.13×1011
と1012台以下であるが、これに対して、低分子の界面活性剤型帯電防止剤は、製造7日後で8.24×1014、製造後1カ月でも2.75×1014であり、高分子タイプ帯電防止剤は、製造7日後で8.26×1014、製造後1カ月でも2.72×1014であり、両者ともに1014台の表面抵抗率を示す。
従って、本発明の試験材1~試験材9は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の含有量やマスターバッチの基材樹脂の種類に関係なく、低分子の界面活性剤型帯電防止剤と高分子タイプ帯電防止剤を含む試験材10、試験材11と比べて、スライス面の表面抵抗率が顕著に低下する傾向を示す。この理由は、例えば、半極性B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の他材料との除電メカニズムの相違とスライス面の気泡を囲むセル壁表面にB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤が均一に高密度に分散した構造となるなどの結果得られるものと考えられる。これに対して界面活性剤型帯電防止剤を含有する試験材10の場合や高分子型帯電防止剤を利用した積層構造のスライス面が帯電防止剤を含有しない樹脂発泡体の発泡層である試験材11の場合には、このような効果が得られないためと考えられる。
(樹脂発泡体表面の帯電半減期)
ここで、各試験材の帯電半減期の測定結果をみると、試験材1~試験材9のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有するポリプロピレン樹脂発泡体の帯電半減期は0.10sec以下であるのに対して、試験材10の界面活性剤型帯電防止剤を含有するポリプロピレン樹脂発泡体の帯電半減期は0.12secで、試験材11の高分子タイプ帯電防止剤を含むポリプロピレン樹脂発泡体の帯電半減期は0.74secである。いずれの場合にも、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有するポリプロピレン樹脂発泡体の帯電半減期が試験材10,試験材11の比較例材の帯電半減期より小さいことから、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は他の帯電防止剤を含有する試験材10,試験材11の比較例材よりも、帯電防止剤が均一に微細分散しているものと考えられる。
(表面品質と発泡性の評価結果)
表面品質を目視により評価を行なったが、試験材1~試験材7の樹脂発泡体表面の表面品質に問題はなく、いずれも「◎」の評価であった。試験材8の表面は樹脂発泡体表面の均一性が僅かに劣り、表面抵抗率も同一添加量で比べると、LDPEより劣るため、参考例とした。また、試験材9は表面の凹凸により発泡体の板厚が不均一であるため「×」の不合格評価となった。また、比較例材の試験材10、試験材11も表面品質には問題がなくいずれも「◎」であった。
また、通常マスターバッチの樹脂成分と基材樹脂の樹脂成分が同一の方が樹脂同士の相溶性に優れるため分散性も優れると考えられるが、本発明における試験結果は、そのようになっていない。この理由については、本発明の製品は発泡製品であるため、マスターバッチ添加の相溶性のみでなく、発泡性への影響のも考える必要がある。
そこで、試験材9の、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤のマスターバッチを構成する樹脂成分を低密度ポリエチレン(LDPE)でなく、ポリプロピレンを用いた場合の試験材の試験結果からすると、マスターバッチを構成する樹脂にポリプロピレンを用いた場合には、マスターバッチを構成する樹脂の融点が高くマスターバッチが基材樹脂に溶融しづらいため、原料樹脂の溶融混錬押出ガス発泡時の発泡性に影響を与えて、発泡状態が不均一になり、発泡阻害が生じてその結果ポリプロピレン樹脂発泡体の表面品質が低下したものと考えられ、これが帯電防止剤の分散性にも影響を与えたものと考えられる。また、試験材8のマスターバッチを構成する樹脂に高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた場合には、ポリプロピレンを用いた場合ほどではないが、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合に比べて、表面抵抗率や樹脂発泡体の表面品質が僅かではあるが低めで、表面抵抗率、表面品質ともに低密度ポリエチレン(LDPE)の場合には及ばなかった。
一方、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含むマスターバッチを構成する樹脂が低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)などの場合には、マスターバッチを構成する樹脂がポリプロピレン樹脂より、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)の融点が低いため、押出発泡プロセスにおける樹脂発泡体の基材樹脂とマスターバッチとの溶融混錬工程において、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)が完全に溶融していることから、ポリプロピレンをマスターバッチの基材樹脂として使用する場合と比べると、発泡過程に対する影響が少なく、マスターバッチの分散性を改善する効果があるものと考えられる。このことは、帯電半減期の試験材3,8,9の対比からも推定できるものと考えられる。
マスターバッチの基材樹脂である、ポリプロピレンの融点が発泡体の基材樹脂Aと同じ基材樹脂Aとすると基材樹脂Aの融点は約167℃で、低密度ポリエチレン(LDPE)の融点が約107℃、高密度ポリエチレン(HDPE)の融点は約131℃であるため、低密度ポリエチレン(LDPE)の融点が低いため、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤のポリプロピレン樹脂発泡体における分散性は、マスターバッチの基材樹脂が高密度ポリエチレン(HDPE)の場合よりも、低密度ポリエチレン(LDPE)の分散性が優れるものと考えられ、さらに半導電性のB-Nタイプ電解移動型帯電防止剤の除電メカニズムの相違と、気泡がB-Nタイプ電解移動型帯電防止剤と樹脂発泡体の基材樹脂のポリプロピレンとの界面のセル壁表面に発生しやすいことにより、スライス面の表面抵抗率が比較例の他材料の場合と比べて発泡体の表面に最も近い値を示すものと考えられた。
(樹脂発泡体の抗菌性)
また、表1には、試験材1~9,10,11の各試験材の発泡体表面における、JISZ 2801に準拠した10希釈後の抗菌性を評価した、各試験材の発泡体表面のコロニー数の測定結果を示す。これによると、試験材1~9のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を用いた場合のコロニー数は20~65であるのに対して、試験材11の高分子タイプ帯電防止剤を用いた樹脂発泡体の場合は、コロニー数が195であり、抗菌試験結果からは、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を使用した場合の方が高分子タイプ帯電防止剤を用いた場合よりコロニー数が少なく抗菌性が優れていると考えられる。また、試験材10の低分子の界面活性剤型帯電防止剤を使用した場合のコロニー数は20であり、試験材10の低分子の界面活性剤型帯電防止剤を使用した場合は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を使用した場合と同レベルか低分子の界面活性剤型帯電防止剤を使用した場合の方が少し優れているものと考えられる。
すなわち、本発明に係るB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤は、界面活性剤に近い抗菌性を発揮する一方で、界面活性剤のようにブリードアウトする問題は起こらないため、持続的帯電防止性能を有するという特徴を有する。このような性能は本発明者らの発見に基づくものであり、これを利用したポリプロピレン樹脂発泡体製品は思想的に他にない新規な特性を有するものとして構成されている。
(実施例1の試験材の総合評価)
以上のように、実施例1の結果から、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体は、樹脂発泡体表面における帯電防止性能だけでなく、樹脂発泡体のスライス面における帯電防止性能にも優れるもので、さらに同様の持続型帯電防止効果を有する高分子タイプの帯電防止剤と比較すると、スライス面におけるこのような帯電防止性能は、高分子タイプの帯電防止剤を用いた試験材11の場合には、表面のみ帯電防止剤を含むフィルムからなる積層構造であるなどの構造的理由により、認められなかった。
さらに、抗菌性試験からも、高分子タイプ帯電防止剤を含有する樹脂発泡体に比べて、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体は、抗菌性に優れることが確認された。また、高分子タイプ帯電防止剤を含有する樹脂発泡体は、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体と表面抵抗率は同等でありながら、帯電半減期はB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体よりも著しく大きい。このような帯電半減期の相違は、高分子タイプ帯電防止剤の場合とB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤との静電による中和撲滅の他、樹脂内部の正孔輸送と電子拡散という異なる除電メカニズムを有するという除電メカニズムの相違と高分子タイプ帯電防止剤の場合は、帯電防止剤の分散状態がB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体よりも悪いことによる帯電防止剤の分散状態の相違とに起因するものと推定される。
上記のようなB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する樹脂発泡体のスライス面における表面抵抗率が優れるという結果は、電子部品の輸送容器やこれらの仕切り部材への使用を想定した場合に、これらの部材の表面が輸送中の振動や摩耗により材料が劣化して、発泡層が表面に露出した場合や仕切り部材の切断端面に製品が接触した場合でも良好な帯電防止効果が得られるため、リターナブルな用途にも好適に使用可能なものである。また、高分子タイプ帯電防止剤を含有する樹脂発泡体に比べて、抗菌性にも優れることから、輸送容器における抗菌性や防カビ性にも優れるものと考えられることから、使用環境が高温・高湿度の環境であってもカビや菌類が繁殖しにくいものと考えられる。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の試験材3に、金属フタロシアニン顔料とその他の顔料を所定の範囲で加えた場合の試験材12から試験材21の試験結果を表2に示す。試験材12~試験材15はCuフタロシアニン顔料を、含有量を4.0~0.5質量部の範囲で変えて加えたものである。試験材17~試験材19は、実施例1の試験材3にさらに、それぞれFeフタロシアニン顔料、Coフタロシアニン顔料、Niフタロシアニン顔料を2質量部加えた試験材である。試験材20は、試験材3に酸化チタンを2.0質量部加えた材料で、試験材21は、同様に試験材3に酸化鉄を2.0質量部加えたものである。
本発明においては、基本的に顔料の添加は、ダイレクトブレンド法としたが、顔料の添加量が1質量部以下ものは、量産においては顔料の分散性を考慮してマスターバッチ法による添加(顔料マスターバッチ:低密度ポリエチレン(LDPE)と顔料の組成比が2:1である顔料マスターバッチ)を用いることもあるため、本発明においては、試験材16の顔料添加をマスターバッチ添加として、その他の試験材はダイレクトブレンドとした。試験材16とCuフタロシアニン顔料を同量添加の試験材14との比較ができるようにした。
実施例2で用いたCu、Fe、Coフタロシアニンは、東京化成工業(株)、Niフタロシアニンは、富士写真和光純薬(株)から入手した顔料を使用し、酸化チタンは石原産業(株)製、酸化鉄は大日精化工業(株)製を使用した。試験材16のマスターバッチは、基材樹脂を低密度ポリエチレン(LDPE)として、低密度ポリエチレン(LDPE)とCuフタロシアニンの混合割合は2:1とした。
ここで、表2の試験材12から試験材21の全ての試験材について試験材表面の表面抵抗率の測定を行なったが、試験材のスライス面の表面抵抗率は、確認のため表1の場合と同様に樹脂発泡体の表面から1/4厚さの発泡面を切断したスライス面を、試験材13,14、16のみ測定を行った。また、試験材9に関しては、試験材表面に凹凸が生じ表面態が不安定になり、主電極やリング電極との安定した接触状態が得られないため、表面抵抗率測定の測定を中止した。ここで、試験材14と試験材16のCuフタロシアニン系の顔料を2質量部加えた同様の組成の材料であるが、顔料の添加方法がダイレクトブレンド法(DB)とマスターバッチ法(MB)で異なるのみである。
Figure 0007247287000004
(試験材の各種試験結果)
実施例2における試験材は、実施例1の試験材3に、所定の顔料を含有させたものであるため、試験材の引張強さ、連続気泡率、樹脂発泡体表面の表面抵抗率、電荷減衰率、樹脂発泡体の表面品質、発泡性は、実施例1とほぼ同様の結果を示した。
具体的には、試験材3の表面における表面抵抗率が製造後7日では、2.07×1011で、製造後1カ月では1.88×1011であり、これに対して、試験材13から試験材22の顔料を所定量加えた場合の表面における表面抵抗率は、製造後7日2.03~2.18×1011で、製造後1カ月では1.84~2.04×1011で、試験材3を基準として、表面抵抗率は、試験材3の表面抵抗率の±約10%の範囲にある。また、試験材13,14,16のスライス面の表面抵抗率は、試験材3を基準とした場合に、試験材3のスライス面の表面抵抗率の±約10%の範囲に収まっていて、試験材3と同レベルである。これに対して、比較例材のスライス面の表面抵抗率は、1014台であり、本発明の試験材13,14,16は比較例の試験材10,11と比べてはるかに低い値を示している。このため、他の顔料添加の試験材も同様の傾向を示すと考えられることから、他の試験材の表面抵抗率の測定を行わなかった。
また、顔料の添加方法による試験材の諸特性に対する影響を評価するため、試験材14と試験材16とで、Cuフタロシアニン1質量部添加の試験材同士でダイレクトブレンドとマスターバッチ添加で、添加方法による前記諸特性に関する試験結果の比較を行ったが、前記の諸特性はダイレクトブレンドの場合とマスターバッチ添加の場合とで大きな差異は認められなかった。
実施例2に記載の試験材12から試験材21は、引張強さ、連通気泡率及び製造後所定日数での表面抵抗率、帯電半減期は、顔料が押出発泡プロセスにおいて安定なため、顔料含有の相違により多少の差異はあるが、機械的性質、連通気泡率などに実用上問題となるような大きな差異はなく、実施例1の試験材1~試験材9と概ね同等の性能を有すると考えられる。
(試験材の顔料による抗菌効果)
試験材12から試験材19の金属フタロシアニン顔料を含む試験材の発泡体表面と試験材3の発泡体表面における抗菌性試験の結果を対比すると、試験材3ではコロニー数が37であるのに、試験材12から試験材19の場合には、コロニー数がゼロまたは5以下の値を示した。このように金属フタロシアニン系顔料を加えた樹脂発泡体は、これらの顔料を加えない材料に比べてコロニー数が大きく減少し、抗菌効果を示すことが分った。試験材20の酸化チタン、試験材21の酸化鉄を含むものは、コロニー数が20台であり僅かではあるが、顔料添加のないものに比べて金属化合物顔料を含むことにより、抗菌性が向上しているようにも見えるが、金属フタロシアニンの場合と比べるとその効果はそれほど顕著ではない。
ここで、金属フタロシアニン系顔料を加えた樹脂発泡体が抗菌性を示すのは、金属フタロシアニン構造を有する顔料としては、フタロシアニン構造を形成する金属部分が典型的には、Cuであるが、Fe、Ni、Coのいずれの場合であっても、金属フタロシアニン構造が酸化作用を有するため、菌類や代謝や細胞膜の生成あるいは増殖のいずれかを阻害することで抗菌性や防カビ性を有するものと考えられる。
本発明においては、抗菌試験のみを行い防カビ試験は行っていないが、菌類とカビは類似性が高い微生物であり、カビは菌類の中の真菌類に分類され、菌類の1種で、菌類から進化した多細胞真核生物であるため、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤及び金属フタロシアニンは、抗菌性のみでなく防カビ性も有するものと考えられる。
<実施例3>
また、実施例3として、実施例1に記載の試験材3,試験材10,試験材11について長期間経過後の帯電防止性能を評価するために、60℃の恒温槽で35日保持した後、これらの試験材の表面層の表面抵抗率を測定する促進試験による表面抵抗率の評価を行った。この促進試験の保持時間は、アレニウスの10℃2倍則が適用できると考えることができるので、これを基に60℃保持時間を室温での保持に換算すると、20℃室温換算での保持時間が約1.5年に相当する。
Figure 0007247287000005
その結果、試験材3のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を2質量部含む材料の表面抵抗率は1,60×1010であり、試験材11の高分子タイプの帯電防止剤を多く含む積層体タイプの表面抵抗率は4.91×1011を示したが、一方試験材10の界面活性剤型帯電防止剤を2質量部含む材料の表面抵抗率は、1.03×1015であり試験材10の表面抵抗率が試験材3,試験材11と比べて著しく高かった。これは、試験材3,試験材11の持続型帯電防止剤を使用した試験材は、いずれも帯電防止剤の効果が持続性を有するた、試験期間が1年半に相当する促進試験における表面抵抗率は、1013を下回ったが、界面活性剤タイプの帯電防止剤を含有する試験材10は、帯電防止剤が60℃×35日間の保持中にブリードアウトすることで、試験材の表面から消失したため表面抵抗率が著しく高い結果となったものと考えられる。
(試験結果の全体まとめ)
ここで、表1の結果から、本発明のB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を含有する試験材は、いずれも、スライス面の表面抵抗率が1013以下の1012台であるのに対して、低分子タイプの界面活性剤型帯電防止剤を含有する試験材10及び高分子タイプ帯電防止剤を含有する積層タイプの試験材11はともにスライス面の表面抵抗率は、いずれも1014を超えるものとなった。
さらに、低分子タイプの帯電防止剤を含有する試験材は、本願発明の試験材と比較して、60℃×35日間の恒温槽保持後の表面抵抗率の測定試験結果や加速試験でない表1、表2のスライス面の表面抵抗率の測定結果から、本発明の製品の長期使用性を判断すると,本発明における持続型帯電防止性能を有するリターナブルな輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材には適さない材料であり、また、高分子型の帯電防止剤の場合には、促進試験による表面抵抗率の評価による長期使用性は本願発明の製品とほぼ同様であるが、スライス面の表面抵抗率が本願発明の製品より劣ると同時に、抗菌性・抗カビ性においても本願発明より劣るものとなった。
また、高分子型帯電防止剤との比較では、スライス面の表面抵抗率と抗菌、抗カビ性を除くと、材料表面の表面抵抗率では両者はほぼ同等と考えられるが、両者帯電防止剤の含有量で大きく相違する。通例高分子型の帯電防止剤は、基材樹脂に対する含有量割合が5質量部以上、10質量部程度含有されるが、本願発明のB-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤の場合は、0.1~2.0質量部の範囲の含有量で同様の効果を有するものと考えられる。この理由は、B-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤を低密度ポリエチレン(LDPE)とのマスターバッチによる帯電防止剤の分散状態の相違とB-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤の電荷消失メカニズムの相違によるものと考えられる。
本願発明においては、既に述べた実施例2の結果より、顔料の抗菌・防カビ効果がB-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤の抗菌・抗カビ効果に加えて、重畳されるものと考えられた。B-Nタイプの電荷移動型帯電防止剤の抗菌・抗カビ効果が生じる理由は不明であるが、金属フタロシアニン顔料の抗菌・抗カビ効果は、金属フタロシアニンの酸化効果による菌類やカビに対する代謝や細胞膜の生成あるいは増殖のいずれかを阻害する阻害効果によるものと考えられた。
ここで、抗菌性評価を発泡体の表面についてのみ行いスライス面の評価を行わなかったのは、表面抵抗率のように表面の気泡の空気層による影響が顕著でなく、材料組成の抗菌性に対する影響としては、発泡体の表面のスキン層とスライス面において少なくともほぼ同様の効果が期待できるためである。この理由は、気泡のないスキン層に比べて、スライス面の見かけ上の断面積が、気泡により表面にミクロ的な凹凸が形成されることで実効的な表面積が大きくなることで、BNタイプ電荷移動型帯電防止剤の表出面積が実質的に増加すること及びマスターバッチに低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を使用することによるB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の発泡過程における3次元変形時の気泡のセル壁表面への表出効果と分散効果も期待できるため表面とスライス面では少なくともほぼ同等の効果が期待できることによる。そこで、確認のため試験材3について、スライス面(シート厚さの1/4面)の抗菌性試験を行ったところ、発泡体の表面のコロニー数37に対してスライス面のコロニー数は34で、スライス面の抗菌性は発泡体の表面とほぼ同等の結果が得られることを確認した。
本発明により、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEと持続型帯電型帯電防止剤としてB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を所定範囲で含む、発泡体表面とスライス面の帯電防止性能に優れるポリプロピレン樹脂発泡体を用いた持続型帯電防止性能を有する輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材が得られた。これらのポリプロピレン樹脂発泡体を用いた持続型帯電防止性能を有する輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材は、帯電防止効果のみでなく、抗菌効果も有するものである。これらの樹脂発泡体を用いた製品は顔料を所定範囲で含むことが許容されるが、その際に顔料がCu、Ni、Fe、Co等の金属フタロシアニン構造を有する顔料である場合には、染色効果だけでなく、B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤の持続性の帯電防止作用を阻害せずに、際立った抗菌・抗カビ効果も期待できる。そのため、これらの製品は、帯電防止性能が持続性を有し、さらに抗菌性や防カビ性を有するもののリターナブルな輸送容器輸送容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材として使用することができる。
ここで、本発明のポリプロピレン樹脂発泡体を用いた製品は、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEとB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を所定割合で複合化したマスターバッチを使用して製造することが可能になるが、本発明はこれらの製品の製造方法を提供するものである。基材樹脂がポリプロピレン樹脂であるためにマスターバッチのB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤が溶融混錬中にポリプロピレン基材樹脂と比較して融点が低い低密度ポリエチレン樹脂であるLDPEを使用することが好ましい。これにより、マスターバッチの相溶性に加えて帯電防止剤の分散性が向上し、さらにマスターバッチと基材樹脂の界面に気泡生成しやすくなることで、スライス面では、気泡を囲むセル壁表面にB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤が多く分散することで、帯電防止性能と発泡性にも優れたものになったものと考えられた。
さらに、本発明は、輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体の製造方法にて、製造したポリプロピレン樹脂発泡体を使用した輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材の抗菌・抗カビ用途へ使用を提供することが可能になる。
さらに、本発明は、輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材用のポリプロピレン樹脂発泡体を使用した輸送用容器輸送用容器の仕切りあるいは梱包用緩衝材の抗菌・抗カビ用途へ使用を提供することが可能になる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に相当し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、上述した各実施形態は、互に組み合わせることができることは言うまでもない。

Claims (10)

  1. 輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、ポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~8.0質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部の範囲で含む、持続型帯電防止性能を有し、表面品質に優れるポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成され、
    前記押出樹脂発泡体の発泡体表面及び発泡層の両者ともに帯電防止性能に優れるものであり、かつ前記押出樹脂発泡体の外表面がスキン層とスライス面あるいはシート切断面とを含んで構成されるものである輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であり、
    前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体表面及び発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定した発泡樹脂層であるスライス面の表面抵抗率が発泡体表面のスキン層の表面抵抗率より高く、両者の表面抵抗率がともに1.0×1013Ω/□以下であり、
    前記表面抵抗率に基づく帯電防止効果に加えて、さらに前記押出樹脂発泡体が抗菌効果または防カビ効果を有するものであり、
    前記押出樹脂発泡体がJIS
    Z2801を参考にして行った抗菌試験により確認した抗菌効果または防カビ効果に基づいて、抗菌または防カビ用に使用可能なことを特徴とするポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  2. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体の表面のスキン層及び表面から1/4の厚さにおけるスライス面の発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定したスキン層の表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下、スライス面の表面抵抗率が5.0×1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  3. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、表面層における帯電半減期が0.10秒以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器及、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  4. 輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材に用いる前記ポリプロピレン樹脂発泡体がポリプロピレン樹脂を基材樹脂として、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、低密度ポリエチレン樹脂としてLDPEを0.3~10質量部含み、さらにB-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤を0.1~2.0質量部、顔料0.5~4.0質量部の範囲で含む持続型帯電防止性能を有し、表面品質に優れるポリプロピレン押出樹脂発泡体から構成され、
    前記押出樹脂発泡体の発泡体表面及び発泡層の両者ともに帯電防止性能に優れるものであり、かつ前記押出樹脂発泡体の外表面がスキン層とスライス面あるいはシート切断面とを含んで構成されるものである輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材であり、
    前記顔料が金属フタロシアニン系化合物であり、前記金属フタロシアニン化合物がCu、Co、Fe、Niの金属フタロシアニン系化合物のいずれかの顔料であり、
    前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体表面及び発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定した発泡樹脂層であるスライス面の表面抵抗率が発泡体表面のスキン層の表面抵抗率より高く、両者の表面抵抗率がともに1.0×1013Ω/□以下であり、
    前記表面抵抗率に基づく帯電防止効果に加えて、さらに前記押出樹脂発泡体が抗菌効果または防カビ効果を有するものであり、
    前記押出樹脂発泡体がJIS
    Z2801を参考にして行った抗菌試験により確認した抗菌効果または防カビ効果に基づいて、抗菌または防カビ用に使用可能なことを特徴とするポリプロピレン系押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  5. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体の表面のスキン層及び表面から1/4の厚さにおけるスライス面の発泡樹脂層のJISK6911に準拠して測定したスキン層の表面抵抗率が1.0×1012Ω/□以下、スライス面の表面抵抗率5.0×1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  6. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材は、表面層における帯電半減期が0.10秒以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  7. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材のJIS Z2801を参考にして下記の抗菌試験方法に沿って行った抗菌試験により確認した前記B-Nタイプ電荷移動型帯電防止剤と金属フタロシアニン系化合物とを含有するポリプロピレン押出樹脂発泡体シートの抗菌効果または防カビ効果は前記試験において生菌コロニー数が5×10 以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
    [抗菌試験方法:対象試験片を寸法50±2mm□に切り出し、試験片と菌液を接触させ37℃で24時間静置する。その後所定濃度に洗い出し希釈を行い、洗い出し希釈後の試験液を1日の培養処理を行った後に、生菌のコロニー数を測定する。なお、コロニー数は、測定したコロニー数に希釈倍率をかけた値となるため、実際の測定値の10 倍となる。
  8. 前記輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材に用いる前記ポリプロピレン押出樹脂発泡体は、アンチモン系難燃剤、水酸化物系難燃剤、臭素系難燃剤いずれかの難燃剤を1.0~4.0質量部の範囲で含むことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材。
  9. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌、防カビ用途への使用。
  10. 請求項4から請求項7のいずれかに記載のポリプロピレン押出樹脂発泡体シートを使用した繰り返し使用可能な輸送用容器、輸送用容器の仕切り部材あるいは梱包用緩衝材の抗菌、防カビ用途への使用。
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