以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(a)および図2(a),(b)を参照して、本発明の実施例1である撮像装置(光学機器)としてのデジタルカメラ(以下、カメラという)10の構成について説明する。図1(a)に示すように、カメラ10において後述するレンズ鏡筒ユニット(光学系)の光軸が延びる光軸方向をZ軸方向とし、これに直交する方向をX軸方向(水平方向)およびY軸方向(垂直方向)とする。以下、X軸方向とY軸方向をまとめてX/Y軸方向とも記す。また、X軸回りの回転方向をピッチ(Pitch)方向とし、Y軸回りの回転方向をヨー(Yaw)方向とする。ピッチ方向とヨー方向(以下、まとめてピッチ/ヨー方向とも記す)は、互いに直交するX軸とY軸である2軸回りでの回転方向である。さらに、Z軸回りの回転方向をロール(Roll)方向とする。
図1(a)は、カメラ10の前面および上面を示している。カメラ10は、本体の前側の部分を構成するフロントカバーユニット11と、該フロントカバーユニット11の中央に設けられ、被写体から光を結像させて被写体像を形成する沈胴式レンズ鏡筒ユニット12とを有する。本体内には、被写体像を光電変換(撮像)して画像を生成する撮像素子(図3参照)が設けられている。
フロントカバーユニット11のうち前方(被写体側)から見て左側(後方から見て右側)の部分には、ユーザがカメラ10を手で把持するためのフロントグリップ部101が設けられている。このフロントグリップ部101は、フロントカバーユニット11におけるレンズ鏡筒ユニット12の周囲の部分(後述するフロントカバー)よりも前側に突出しており、ユーザが手(中指や薬指)で持ちやすい形状を有する。フロントグリップ部101を手で把持したユーザは、その手の人差し指で後述するレリーズボタン17やズームレバー16を操作することができる。このため、フロントグリップ部101は、レンズ鏡筒ユニット12よりもレリーズボタン17側に配置されている。
また、レンズ鏡筒ユニット12の外周には、光軸回りで回転可能な回転操作リング(操作手段)102が設けられている。ユーザは、回転操作リング102に撮像条件を変更するための任意の機能を割り当てることができる。例えば、回転操作リング102を回転させてその回転位置(操作位置)を選択することで、焦点位置や露出値等の撮像条件を可変設定することができる。すなわち、回転操作リング102は、撮像に関する設定のためのユーザ操作が可能な操作手段であるとともに、複数の操作位置(回転位置)へのユーザ操作が可能な操作手段である。本実施例にいう撮像に関する設定とは、撮像に関する切替えや調整等も含む。
カメラ10の上面には、露出値を設定するための露出ダイアル13と、電源ボタン14と、撮像モードを切り替えるためのモードダイアル15とが配置されている。カメラ10の電源がOFFの状態においてユーザが電源ボタン14を押すことで、カメラ10の電源がONになる。カメラ10の電源がONになると、レンズ鏡筒ユニット12が沈胴位置から前方に突出して撮像可能な状態となる。この状態でユーザがモードダイアル15を回転させてその回転位置(操作位置)を選択することにより、各種撮像モードを設定することができる。各種撮像モードには、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件をユーザが任意に設定可能なマニュアル静止画撮像モード、自動で適正な露光量が得られるオート静止画撮像モードおよび動画の撮像を行うための動画撮像モード等が含まれる。マニュアル静止画撮像モードにおいて、ユーザが露出ダイアル13を回転させてその回転位置(操作位置)を選択することにより、任意の露出値(シャッタ速度+絞り値)を設定することができる。露出ダイアル13とモードダイアル15は、撮像に関する設定のためのユーザ操作が可能な操作手段であるとともに、複数の操作位置(回転位置)へのユーザ操作が可能な操作手段である。
また、カメラ10の上面には、レンズ鏡筒ユニット12の焦点距離を変更するためにユーザにより左右に操作されるズームレバー16と、撮像を指示するためにユーザにより押圧操作されるレリーズボタン17とが配置されている。さらにカメラ10の上面には、外付けのフラッシュユニットやマイクロフォン等を脱着可能なアクセサリシュー18が設けられている。
カメラ10の電源がONの状態でユーザが電源ボタン14を押すと、レンズ鏡筒ユニット12が本体内に格納されるとともに、カメラ10の電源がOFFとなる。
フロントグリップ101部の内面には、振動デバイス100が取り付けられている。振動デバイス100は、回転操作リング102、露出ダイアル13、電源ボタン14、モードダイアル15、ズームレバー16およびレリーズボタン17等の操作手段のユーザ操作に応じて振動を発生してフロントグリップ101部に振動を与える。振動デバイス100は、例えばリニアアクチュエータ(LRA)タイプ、圧電素子タイプまたはVCモータタイプの振動デバイスであり、振動強度(振幅)や振動周波数等の振動パラメータの可変設定が可能である。振動パラメータを変更することで、様々な振動パターンの振動を発生させることができる。
図2(a)は、カメラ10の背面を示している。カメラ10の背面には、本体の背面を構成する背面カバーユニット23と、背面カバーユニット23に設けられた背面操作部(操作手段)21と、表示部22とが設けられている。背面操作部21は、複数のボタンやダイアルを含み、背面カバーユニット23のうちユーザがカメラ10を把持する際に親指を当てる背面グリップ部23cの下側に設けられている。
カメラ10の電源がON状態であり、静止画または動画撮像モードが設定されているとき、表示部22には、撮像素子により撮像されている被写体像のスルー画像が表示される。また、表示部22には、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件を示す撮像パラメータが表示され、ユーザはその表示を見ながら背面操作部21を操作することによって撮像パラメータの設定値を変更することが可能である。撮像パラメータの設定値の変更を、タッチパネルとしての表示部22に表示されたスライダに対するタッチ操作(スライド操作)により行ってもよい。この場合のスライダは、撮像に関する設定のためのユーザ操作が可能な操作手段であるとともに、複数の操作位置(スライド位置)へのユーザ操作が可能な操作手段である。
背面操作部21は、記録された撮像画像の再生を指示するための再生ボタンを含み、該再生ボタンをユーザが操作することで、撮像画像が表示部22に再生表示される。背面操作部21のユーザ操作に応じて振動デバイス100に振動を発生させてもよい。
図2(b)は、カメラ10の底面を示している。カメラ10の底面には三脚座30が設けられている。三脚座30には、三脚やジャケット等のアクセサリ機器が取付け可能である。
フロントグリップ部101に取り付けられる振動デバイスの例として、LRAタイプの振動デバイスについて図1(b)を用いて説明する。LRAタイプの振動デバイス100は、振動子100a、マグネット100b、バネ100c、コイル100dおよびベース100eにより構成されている。振動子100aは、マグネット100bを保持し、かつベース100eに対してバネ100cにより移動可能に結合されている。コイル100dは、マグネット100bの近傍に配置され、回路基板(図4参照)と電気的に接続される。コイル100dは、回路基板から電流を与えられることで電磁力を発生し、その電磁力とマグネット100bとの間の吸着力また反発力により振動子100aが往復運動することにより、振動デバイス100に図中の矢印方向に振動が発生する。
図3は、カメラ10の電気的および光学的な構成を示している。カメラ10は、後述する各部に電源を供給する電源部135と、前述した露出ダイアル13、電源ボタン14、モードダイアル15、ズームレバー16、レリーズボタン17および背面操作部21を含む操作部40とを有する。カメラ10全体の制御は制御手段としての制御部501によって行われる。制御部501は、不図示のメモリに格納されている制御プログラムを読み出して実行することで、カメラ10全体を制御する。
レンズ鏡筒ユニット12は、光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズを含むズームユニット116と、像振れを低減(補正)する防振素子としてのシフトレンズを含むレンズ防振ユニット118とを有する。レンズ防振ユニット118は、シフトレンズを光軸に対して直交するX/Y軸方向に移動(シフト)させて像振れを低減する防振動作を行う。また、レンズ鏡筒ユニット12は、光量調節動作とシャッタ動作とを行う絞り・シャッタユニット122と、光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズを含むフォーカスユニット124とを有する。
カメラ10は、ズームユニット116を駆動してズームレンズを移動させるズーム駆動部117と、レンズ防振ユニット118を駆動してシフトレンズをシフトさせる防振駆動部119と、絞り・シャッタユニット122を駆動する絞り・シャッタ駆動部123とを有する。また、カメラ10は、フォーカスユニット124を駆動してフォーカスレンズを移動させるフォーカス駆動部125を有する。
制御部501は、操作部40から変倍の指示が入力されると、ズーム駆動部117を介してズームユニット116の駆動を制御することで変倍を行わせる。また、制御部501は、操作部40から受けた絞り値やシャッタ速度の設定値または後述する画像処理部131から取得した輝度信号に応じて、絞り・シャッタ駆動部123を介して絞り・シャッタユニット122の絞り駆動を制御する。また、制御部501は、レリーズボタン17における撮像指示操作に応じて絞り・シャッタ駆動部123を介して絞り・シャッタユニット122のシャッタ駆動を制御する。さらに、制御部501は、画像処理部131から取得した焦点信号に応じて、フォーカス駆動部125を介してフォーカスユニット124の駆動を制御することで、オートフォーカスを行う。
撮像素子126は、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する。画像処理部131は、撮像信号に対して各種画像処理を行って画像信号を生成する。表示部22は、画像処理部131から出力された画像信号(スルー画像)を表示したり、前述したように撮像パラメータを表示したり、記憶部132に記録された撮像画像を再生表示したりする。
また、撮像素子126は、防振素子としてセンサ防振ユニット130に含まれている。センサ防振ユニット130は、撮像素子126を光軸に対して直交するX/Y軸方向に移動(シフト)させて像振れを低減(補正)する防振動作を行う。制御部501は、センサ駆動部127を介して、撮像素子126による撮像と、センサ防振ユニット130の駆動(撮像素子126のシフト位置)とを制御する。
カメラ10は、該カメラ10に加わる手振れ等の振れ(以下、カメラ振れという)を検出可能な振れ検出手段としてのピッチ振れ検出部120aとヨー振れ検出部120bを有する。ピッチ振れ検出部120aとヨー振れ検出部120bはそれぞれ、角速度センサ(振動ジャイロ)や角加速度センサを用いて、ピッチ方向(X軸回りの回転方向)およびヨー方向(Y軸回りの回転方向)のカメラ振れを検出して振れ信号を出力する。
ピッチ防振演算部121aは、ピッチ振れ検出部120aからの振れ信号を用いてレンズ防振ユニット118(シフトレンズ)とセンサ防振ユニット130(撮像素子126)のY軸方向でのシフト位置を算出する。また、ヨー防振演算部121bは、ヨー振れ検出部120bからの振れ信号を用いてレンズ防振ユニット118とセンサ防振ユニット130のX軸方向でのシフト位置を算出する。制御部501は、ピッチ防振演算部121aとヨー防振演算部121bが算出したピッチ/ヨー方向のシフト位置に応じて、防振駆動部119およびセンサ駆動部127を介してレンズ防振ユニット118およびセンサ防振ユニット130のシフト位置を制御する。これにより、像振れを補正する防振動作が行われる。
なお、防振動作をレンズ防振ユニット118とセンサ防振ユニット130のいずれか一方または両方を駆動して行うかは、操作部40を通じてユーザが選択することができる。例えば、ユーザが防振動作の設定をONにしている場合は、制御部501が撮像シーンを判別し、レンズ防振ユニット118とセンサ防振ユニット130のうち最適な一方または両方の防振ユニットを選択して防振動作を行わせる。
なお、撮像素子126をXY面内で回転させることにより、ロール方向の像振れを低減してもよい。
回転検出部133は、回転操作リング102の回転操作を検出する。回転検出部133により回転操作が検出されると、制御部501は、振動デバイス駆動部134を介して振動デバイス100に駆動信号を出力し、振動デバイス100に振動を発生させる。また、制御部501は、操作部40における操作が行われた場合にも、同様に振動デバイス100に振動を発生させる。振動デバイス100が図1(a)に示したフロントグリップ部101に振動を与えることで、フロントグリップ部101を把持するユーザの手に対して回転操作リング102の回転操作に対するクリック感や操作部40の操作に対する操作感を与えることができる。
前述したように背面操作部21の操作により撮像パラメータの設定値を変更することが可能であるが、撮像パラメータの設定値の変更を回転操作リング102の回転操作に割り当てることも可能である。
図4はフロントカバーユニット11を分解して示している。フロントカバーユニット11はフロントベース部材110を有し、このフロントベース部材110に対して金属製の外装カバーであるフロントカバー103が両面テープまたは接着材により固定される。フロントカバー103には、フロントグリップ部101が外側から組み付けられ、内側から2つのネジ106により固定される。前述したように、フロントグリップ部101は、ユーザが持ちやすいようにフロントカバー103から前側に突出した形状を有する。フロントグリップ部101aは、フロントベース部材110側の樹脂部材と、ユーザが把持する表面側の弾性部材との2層構造を有する。
回転操作リング102において周方向に延びる溝部内には、付勢リング107の前面が両面テープにより貼り付けられる。付勢リング107は、弾性部材により形成されており、クッション性を有する。また、付勢リング107の後面は、摺動性を良くするためのシートにより構成されている。そして、上記溝部には、付勢リング107の後方からO-リング108が嵌め込まれる。O-リング108は、フッ素ゴム等の摺動性が良いゴム素材により形成されている。こうして付勢リング107とO-リング107が組み付けられた回転操作リング102は、フロントベース部材110に前方から組み付けられる。
一方、回転検出リング109の前面には、摺動シート111が貼り付けられる。回転検出リング109には、その周方向に複数の凹部と凸部が等間隔に交互に形成されている。これら凸部は、回転検出リング109の回転に伴ってフォトインタラプタ112の発光部と受光部との間に出入りする。
回転検出リング109は、フロントベース部材110に対して後方から組み付けられる。このとき、回転検出リング109の周方向複数箇所(本実施例では2箇所)に設けられた位相合わせ部109aを、回転操作リング102の内周部における周方向複数箇所に設けられた位相合わせ凹部102aに合わせるように回転検出リング109の回転位置を決める。そして、回転検出リング109の周方向複数箇所(本実施例では4箇所)から前方に延びるように形成されたフッキング部109bを、回転操作リング102の周方向複数箇所に設けられた突起部102bに係合させる。こうして、回転操作リング102と回転検出リング109とが一体回転可能に連結される。
また、上述したフォトインタラプタ112は、フレキシブル回路基板113に実装されている。フレキシブル回路基板113は、フロントベース部材110に組み付けられる。フォトインタラプタ112は、その発光部と受光部との間に回転検出リング109の凸部が位置する場合は遮光状態となり、発光部と受光部との間に回転検出リング109の凸部が位置しない場合は受光状態となる。これら遮光状態と受光状態の切り替わりを検出およびカウントすることで、回転検出リング109、つまりは回転操作リング102の回転および回転量を検出することができる。
さらにフロントベース部材110には、基板ホルダ114が組み付けられる。この基板ホルダ114の腕部は、フォトインタラプタ112が実装されたフレキシブル回路基板113の後面を抑えてフレキシブル回路基板113を固定する。
フロントグリップ部101の内面には、振動デバイス100を保持する保持部材としての振動デバイスホルダ104が両面テープまたは接着剤により取り付けられる。振動デバイスホルダ104には、振動デバイス100が両面テープまたは接着剤により固定される。振動デバイスホルダ104は、振動デバイス100が発生する振動をフロントグリップ部101に伝えやすいように、振動の減衰が少ない金属等の材料により形成されている。すなわち、振動デバイスホルダ104は、フロントグリップ部101に比べて振動における損失係数が小さい材料により形成される。振動デバイス100の不図示の電極は、フロントベース部材110に組み付けられたフレキシブル回路基板113に接続される。
図5は、振動デバイスホルダ104の取り付け構造を示している。カメラ10の右側部には、本体の側面を構成する側面カバーユニット50が配置される。側面カバーユニット50は、側面ベース部材50bを有し、該側面ベース部材50bの外側にカバー部材を固定することで側面グリップ部50aが設けられている。側面グリップ部50aには、カメラ10を把持するユーザの手の平が接触する。側面ベース部材50b(側面カバーユニット50)は、ビスによりカメラ10のメインシャーシ70に取り付けられる。
フロントカバーユニット11に取り付けられる振動デバイスホルダ104は、ホルダ締結部104a,104bを有する。ホルダ締結部104a,104bは、側面グリップ部(カバー部材)50aと前述した背面カバーユニット23の背面グリップ部23cから前側に延びるように設けられた背面カバー締結部23a,23bとの間に挟まれるように配置される。そして、ビス60a,60bにより背面カバー締結部23a,23bに結合される。また、ホルダ締結部104aと側面グリップ部50aとの間には、前述したフロントカバー103に設けられたフロントカバー締結部103aがビス60aにより結合される。
図6は、振動デバイス100の取り付け構造を示している。図6(a)は内面部の傾斜部に振動デバイス100を設置した例図である。フロントカバー103よりも前側(図では下側)に突出するフロントグリップ部101の内面には、振動デバイスホルダ104が取り付けられている。前述したように、フロントグリップ部101は、強度を確保するための樹脂部材101aと、その外側(表面側)を覆う弾性部材101bとの2層構造を有する。弾性部材101bは、ゴムやエラストマーにより形成され、フロントグリップ部101を把持するユーザの手が滑りにくくなるように設けられている。振動デバイスホルダ104は、樹脂部材101aの内面に両面テープまたは接着剤により取り付けられる。
振動デバイスホルダ104の内面には、振動デバイス100が両面テープまたは接着剤により取り付けられる。振動デバイスホルダ104は、フロントグリップ部101の樹脂部材101aや弾性部材101bに比べて、振動の減衰(吸収)が少ない、つまりは振動の損失係数が低い金属等の材料により形成されている。
本実施例では、振動デバイス100として、図1(b)で説明したようにボックス形状のLRAタイプの振動デバイスを用いているため、両面テープや接着剤による固定が可能であるが、振動デバイス100の一部にビス座を設けてビスにより固定してもよい。
振動デバイス100は、図6(a)中のM方向に振動するように配置される。振動デバイス100とともに、M方向の振動を増幅する部材を設けてもよい。振動デバイスホルダ104の一部は、フロントグリップ部101に形成されたスリット形状の開口部101cを通ってフロントグリップ部101の表面よりも突出した突起部105を有する。突起部105は、フロントグリップ部101のうちここを把持したユーザの手の指(例えば中指)が接触する領域にてフロントグリップ部101の外部に露出している。
より具体的には、フロントグリップ部101には、その最も前側に突出した部分からフロントカバー103(レンズ鏡筒ユニット12)に向かって後方に、光軸方向に対して角度θで傾斜する傾斜部101dが設けられている。フロントグリップ部101を把持したユーザの手の指はこの傾斜部101dにM方向と同一方向であるN方向から接触する。振動デバイスホルダ104には、傾斜部101dの内面に沿った傾斜面104bが設けられ、この傾斜面104bの内面側に振動デバイス100が固定されるとともに、傾斜面104bの外面側に上述した突起部105がM方向に延びるように設けられている。突起部105は、フロントグリップ部101の傾斜部101dに形成された開口部101cを通って傾斜部101dの表面から突出する。
突起部105には、ユーザの指がカメラ10を把持するために必要な押圧力でN方向から接触する。このN方向と振動デバイス100の振動方向であり、かつ突起部105の突出方向であるM方向とを一致させることにより、振動デバイス100の振動を突起部105に触れたユーザの指に対して効率良く伝えることができる。
また、図5を用いて説明したように、振動デバイスホルダ104は、ホルダ締結部104a,104bを介して、背面クリップ部23cに設けられた背面カバー締結部23a,23bと側面グリップ部50aとにビス60a,60bにより結合されている。このため、振動デバイス100の振動が、振動デバイスホルダ104を介して背面グリップ部23cと側面グリップ部50aとに効率良く伝わる。このため、カメラ10を把持したユーザの手の全体に振動デバイス100からの振動を効率良く伝えることができる。本実施例では、振動デバイスホルダ104が第1の部材に相当し、背面クリップ部23cおよび側面グリップ部50aが第2の部材に相当する。
なお、本実施例では、フロントカバー103と振動デバイスホルダ104とを別々の部材により構成した場合について説明したが、これらを金属により一体成形してもよい。この場合、フロントカバー103に、図6(a)に示した傾斜面104bに相当する傾斜面を設け、該傾斜面の内面に振動デバイス100を取り付ける。また、フロントグリップ部101、振動デバイスホルダ104およびフロントカバー103が金属により一体成形されてもよい。この場合は、フロントカバー103に、フロントグリップ部101に相当するグリップ部と、図6(a)に示した傾斜面104bに相当する傾斜面とを設け、該傾斜面の内面に振動デバイス100を取り付ける。これらの場合、フロントカバー103が第1の部材に相当し、フロントカバー103に結合される背面クリップ部23cおよび側面グリップ部50aが第2の部材に相当する。本実施形態では図6(a)のようにグリップ部101のレンズ鏡筒12に対向する傾斜面に配置しているが、図6(b)の内面部の垂直部に振動デバイス100を設置した例のように、グリップ部101のユーザが把持する際に指先が接触する面が角度θを持つ傾斜面では無く、レンズ鏡筒12の光軸に対して平行であっていても良い。この時、振動デバイス100はユーザが把持する際に接触する指先先端に接触する平行面101eの内面部、もしくはグリップ部101内部に備えるホルダ104の直角面101eに平行に備えられた面に接着されている。
また、本実施例では、振動デバイス100を振動デバイスホルダ104の傾斜面104bに固定する場合について説明した。しかし、振動デバイスホルダ104を用いずにフロントグリップ部101の傾斜部101cの内面に直接固定してもよいし、フロントグリップ部101おける最も前側に突出した部分の内面に固定してもよい。
本実施例によれば、グリップ部(101,50a,23c)とは異なる箇所に設けられた複数の操作部材(102,13,14,15,16,17,21)に対するユーザ操作に応じて、グリップ部内に設けられた振動デバイス100に振動を発生させる。これにより、少ない数(本実施例では1つ)の振動デバイス100を用いて複数(多数)の操作部材のユーザ操作に対する操作感をユーザに与えることができる。また、本実施例では、複数の操作位置を有する操作部材(102,13,15)に対する各操作位置へのユーザ操作ごとに振動デバイス100に振動を発生させる。これにより、1つの振動デバイス100を用いて各操作位置へのユーザ操作に対するクリック感をユーザに与えることができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、交換レンズ(他の光学機器)を装着可能な撮像装置(光学機器)としてのレンズ交換式デジタルカメラ(以下、カメラという)について説明する。本実施例において、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付してその詳しい説明は省略する。
図7は前方(被写体側)から見た本実施例のカメラ1000を示し、図8(a)はカメラ1000の背面を示す。また、図8(b)は、カメラ1000の底面を示す。カメラ1000の前面におけるフロントカバーユニット1011のうち前方から見て左側(後側から見て右側)の部分には、ユーザがカメラ1000を把持するために前方に突出するフロントグリップ部1101が設けられている。フロントグリップ部1101の内側には、実施例1で説明した振動デバイス100と同じ振動デバイス(以下、カメラ側振動デバイスという)1100が設けられている。フロントグリップ部1101には、実施例1で説明した振動デバイスホルダ104と同様の振動デバイスホルダ(図示せず)に設けられた突起部1105が設けられている。また、カメラ1000の前面における中央には、交換レンズ200の着脱が可能なマウント部1005が設けられている。
本実施例におけるフロントカバーユニット1011の構成やカメラ側振動デバイス1100の取り付け構造は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。また、カメラ1000の上面には、実施例1と同様に、モードダイアル15やレリーズボタン17等の操作部材や、アクセサリシュー18が設けられている。また、図2(a)に示すように、カメラ1000の上面には、実施例1の電源ボタン14に代わる電源レバー1014が設けられている。
カメラ1000の背面には、本体の背面を構成する背面カバーユニット1123と、実施例1と同様の背面操作部21および表示部22とが設けられている。背面操作部21は、背面カバーユニット1123においてユーザがカメラ1000を把持する際に親指を当てる背面グリップ部1123cの下側と後方から見たときの背面グリップ部1123cの右側とに設けられている。
交換レンズ200の外周には、ユーザが交換レンズ200の光軸回りで回転操作可能な回転操作リング210が設けられている。ユーザは、焦点位置や露出値等の撮像条件を変更するための機能を回転操作リング210に割り当てることができる。回転操作リング210は、撮像に関するユーザ操作が可能な操作手段であるとともに、複数の操作位置へのユーザ操作が可能な操作手段である。
また、交換レンズ200の内部(回転操作リング210の内側)には、レンズ側振動デバイス220が設けられている。レンズ側振動デバイス220は、例えばカメラ側振動デバイス1100と同じリニアアクチュエータ(LRA)タイプ、圧電素子タイプまたはVCモータタイプの振動デバイスであり、振動強度(振幅)や振動周波数等の振動パラメータの可変設定が可能である。
レンズ側振動デバイス(第1の振動デバイス)220とカメラ側振動デバイス(第2の振動デバイス)1100は、レンズ側操作手段(第1の操作手段)である回転操作リング210のユーザ操作に応じて振動を発生することができる。また、レンズ側振動デバイス220とカメラ側振動デバイス1100は、カメラ側操作手段(第2の操作手段)である電源レバー1014、モードダイアル15およびレリーズボタン17、背面操作部21のユーザ操作に応じて振動を発生することもできる。これにより、フロントグリップ部1101や回転操作リング210に振動を与え、ユーザに操作感を与えることができる。カメラ側振動デバイス1100とレンズ側振動デバイス220のうちいずれか一方のみに振動を発生させるか両方に振動を発生させるかは、ユーザが任意に設定可能である。
なお、交換レンズ200にレンズ側振動デバイス220が設けられていない場合でも、回転操作リング210のユーザ操作に応じてカメラ側振動デバイス1100を振動させることができる。
図2(b)に示すように、カメラ1000の底面には、実施例1と同様の三脚座30が設けられている。
図9は、本実施例におけるカメラ1000と交換レンズ200の電気的および光学的構成を示す。同図において、カメラ1000の構成要素のうち実施例1で図3を用いて説明したカメラ100と共通する構成要素には、実施例1と同符号を付して説明に代える。
カメラ1000は、電源レバー1014、モードダイアル15、レリーズボタン17および背面操作部21を含む操作部1040を備えている。本実施例では、制御部501は、カメラ1000および交換レンズ200からなる撮像システム全体の制御を行う。この際、前述したマウント部1005に設けられた電気接点群1006を介して交換レンズ200との通信を行う。
交換レンズ200は、光軸方向に移動して変倍を行うズームレンズを含むズームユニット1016と、光軸に対して直交するX/Y軸方向に移動(シフト)して像振れを低減(補正)するシフトレンズを含むレンズ防振ユニット1018とを有する。また、交換レンズ200は、光量調節機能を有する絞りユニット1022と、光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズを含むフォーカスユニット1024とを有する。
さらに、交換レンズ200は、回転操作リング210の回転を検出する回転検出部1033を有する。制御部501は、回転操作リング210が操作されて回転検出部1033を介して変倍の指示が入力されると、交換レンズ1002に設けられたズーム駆動部1017を介してズームユニット1016の駆動を制御することで変倍を行わせる。また、制御部501は、操作部1040から受けた絞り値の設定値または画像処理部131から取得した輝度信号に応じて、交換レンズ200に設けられた絞り駆動部1023を介して絞りユニット1022の駆動を制御する。また、制御部501は、画像処理部131から取得した焦点信号に応じて、交換レンズ200に設けられたフォーカス駆動部1025を介してフォーカスユニット1024の駆動を制御することで、オートフォーカスを行う。
交換レンズ200には、レンズ防振ユニット1018を駆動する防振駆動部1019が設けられている。カメラ1000に設けられたピッチ防振演算部121aとヨー防振演算部121bは、カメラ側ピッチ振れ検出部120aとカメラ側ヨー振れ検出部120bからの振れ信号を用いてピッチ/ヨー方向のシフト位置を算出する。制御部501は、これら算出されたシフト位置に応じて、防振駆動部1019およびセンサ駆動部127を介してレンズ防振ユニット1018およびセンサ防振ユニット130のシフト位置を制御する。これにより、像振れを補正する防振動作が行われる。
なお、交換レンズ200に振れ検出部と防振演算部を設け、該防振演算部にて算出されたシフト位置に応じて、レンズ防振ユニット1018およびセンサ防振ユニット130のシフト位置を制御してもよい。
カメラ1000は、シャッタ動作を行うシャッタユニット151と、これを駆動するシャッタ駆動部152とを有する。制御部501は、レリーズボタン17における撮像指示操作に応じてシャッタ駆動部152を介してシャッタユニット151の駆動を制御する。
また、制御部501は、回転検出部1033により回転操作リング210の回転操作が検出されると、レンズ側振動デバイス駆動部139にレンズ側振動デバイス220に対して駆動信号を出力させ、レンズ側振動デバイス220に振動を発生させる。また、制御部501は、カメラ側振動デバイス駆動部134にカメラ側振動デバイス1100に対して駆動信号を出力させ、カメラ側振動デバイス1100に振動を発生させることもできる。前述したように、レンズ側振動デバイス220とカメラ側振動デバイス1100のいずれに振動を発生させるかは、ユーザが任意に選択することができる。
また、制御部501は、回転操作リング210のユーザ操作に応じてだけでなく、操作部1040でのユーザ操作が行われた際にも同様にカメラ側振動デバイス1100またはレンズ側振動デバイス220に振動を発生させる。この場合も、カメラ側振動デバイス1100またはレンズ側振動デバイス220のいずれに振動を発生させるかは、ユーザが任意に選択することができる。
本実施例でも、グリップ部(1101)とは異なる箇所に設けられた複数の操作部材(210,13,14,15,16,17,21)に対するユーザ操作に応じて、グリップ部内に設けられたカメラ側振動デバイス1100に振動を発生させる。これにより、少ない数(本実施例でも1つ)のカメラ側振動デバイス1100を用いて複数(多数)の操作部材のユーザ操作に対する操作感をユーザに与えることができる。また、交換レンズ200に設けられたレンズ側振動デバイス220を用いて、カメラ1000に設けられた複数の操作部材のユーザ操作に対する操作感をユーザに与えることもできる。
図10のフローチャートは、制御部501が行う振動制御処理を示す。制御部501は、コンピュータプログラムとしての制御プログラムに従って本処理を実行する。本実施例では、カメラ1000に、レンズ側振動デバイス220を備えた交換レンズ200が装着された場合とレンズ側振動デバイス220を備えていない交換レンズが装着された場合とで異なる処理を行う。以下の説明において、「S」はステップを意味する。
S1001において、制御部510は、カメラ1000に交換レンズが装着された否かを、電気接点群1006を介して交換レンズから信号が入力されたか否かによって検知する。交換レンズが装着されたことを検知した制御部501はS1002に進み、装着された交換レンズがレンズ側振動デバイス220を備えた交換レンズ200であるか、レンズ側振動デバイス220を備えていない交換レンズかを判断する。制御部510は、レンズ側振動デバイス220を備えた交換レンズ200が装着された場合はS1003に進み、レンズ側振動デバイス220を備えていない交換レンズが装着された場合はS1010に進む。
S1003では、制御部501は、操作部1040および回転操作リング210(回転検出部1033)からの操作入力を待つ。そして、S1004において操作部(図には操作ボタンと記す)1040からの操作入力を検知した制御部501はS1005に進み、操作部1040からの操作入力を検知しなければS1006に進む。
S1005では、制御部501は、カメラ側振動デバイス駆動部134を介してカメラ側振動デバイス1100に振動を発生させる。操作部1040はカメラ1000に設けられており、ユーザはカメラ1000を手で保持した状態で該操作部1040を操作するため、カメラ側振動デバイス1100に振動を発生させることで、該振動による操作感をユーザに伝えることができる。
次にS1006において回転操作リング210からの操作入力を検知した制御部501はS1007に進み、レンズ側振動デバイス駆動部139を介してレンズ側振動デバイス220に振動を発生させる。この際、制御部501は、回転操作リング210の所定回転量(複数の操作位置)ごとにレンズ側振動デバイス220に振動を発生させる。レンズ側振動デバイス220からの振動はユーザが手で持っている回転操作リング210に所定回転量ごとに伝わることにより、回転操作リング210の回転操作に伴う操作感としてのクリック感をユーザに伝えることができる。制御部501は、S1007からS1001(またはS1002)に戻る。
一方、S1010では、制御部501は、操作部1040および回転操作リング210(回転検出部1033)からの操作入力を待つ。そして、S1011において操作部1040または回転操作リング210からの操作入力を検知した制御部501はS1012に進み、カメラ側振動デバイス駆動部134を介してカメラ側振動デバイス1100に振動を発生させる。制御部501は、S1012からS1001(またはS1002)に戻る。
以上説明したように、本実施例では、カメラ1000と交換レンズ200がともに振動デバイス1100,220を備えている場合において、ユーザが操作する操作部材(操作部1040と回転操作リング210)に応じて振動を発生させる振動デバイスを選択する。これにより、過度な振動の発生や電力消費を抑えて、効率良くユーザに振動を伝達して操作感を与えることができる。またカメラ1000に装着された交換レンズ200が振動デバイスを備えていない場合にユーザ操作された操作部材にかかわらずカメラ側振動デバイス1100に振動を発生させることで、どの操作部材が操作されてもユーザに振動による操作感を与えることができる。
なお、カメラ1000と交換レンズ200のそれぞれに備えられた振動デバイス1100,220の選択は上述した操作部材に応じたものだけでなく、カメラ1000のモードに応じた選択を行ってもよい。例えばカメラ1000の設定を行う設定モードでのユーザ操作に対してはカメラ側振動デバイス1100に振動を発生させ、撮像モードにて絞り値やシャッタ速度等の撮像パラメータを変更するユーザ操作に対してはレンズ側振動デバイス220に振動を発生させてもよい。
また、本実施例では、カメラ1000に設けられた制御部501がカメラ側およびレンズ側振動デバイス1100,220の駆動を制御する場合について説明した。しかし、交換レンズにカメラ側およびレンズ側振動デバイス1100,220の駆動を制御する制御部を設けてもよい。
図11を参照して、本発明の実施形態3である撮像装置(光学機器)としてのデジタルカメラ(以下、カメラという)10の構成について説明する。本実施例において、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付してその詳しい説明は省略する。本実施例3におけるカメラ10の背面グリップ部23c以外は実施例1と同一構成であり、同一符号を用いて説明する。また、実施例3ではカメラ10の前面グリップ部101内部に配置された振動デバイス100は前面振動デバイス100として説明する。
図11は本実施形態の実施例3における背面斜視図である。図11は、カメラ10の背面を示している。カメラ10の背面には、本体の背面を構成する背面カバーユニット23と、背面カバーユニット23に設けられた背面操作部(操作手段)21と、表示部22とが設けられている。背面操作部21は、複数のボタンやダイアルを含み、背面カバーユニット23のうちユーザがカメラ10を把持する際に親指を当てる背面グリップ部23cの下側に設けられている。背面グリップ部23cはカメラ10から突出する形状になっている。
背面グリップ部23cの内面には、背面振動デバイス600が取り付けられている。背面振動デバイス600はフロントグリップ101の内部に取り付けてある前面振動デバイス100同様に、回転操作リング102、露出ダイアル13、電源ボタン14、モードダイアル15、ズームレバー16およびレリーズボタン17等の操作手段のユーザ操作に応じて振動を発生して背面グリップ部23cに振動を与える。背面振動デバイス600は、例えばリニアアクチュエータ(LRA)タイプ、圧電素子タイプまたはVCモータタイプの振動アクチュエータであり、振動強度(振幅)や振動周波数等の振動パラメータの可変設定が可能である。振動パラメータを変更することで、様々な振動パターンの振動を発生させることができる。
カメラ10の電源がON状態であり、静止画または動画撮像モードが設定されているとき、表示部22には、撮像素子により撮像されている被写体像のスルー画像が表示される。また、表示部22には、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件を示す撮像パラメータが表示され、ユーザはその表示を見ながら背面操作部21を操作することによって撮像パラメータの設定値を変更することが可能である。撮像パラメータの設定値の変更を、タッチパネルとしての表示部22に表示されたスライダに対するタッチ操作(スライド操作)により行ってもよい。この場合のスライダは、撮像に関する設定のためのユーザ操作が可能な操作手段であるとともに、複数の操作位置(スライド位置)へのユーザ操作が可能な操作手段である。
背面操作部21は、記録された撮像画像の再生を指示するための再生ボタンを含み、該再生ボタンをユーザが操作することで、撮像画像が表示部22に再生表示される。背面操作部21のユーザ操作に応じて前面振動デバイス100、及び背面振動デバイス600に振動を発生させてもよい。
背面グリップ部23cの内面に備える背面振動デバイス600の取り付け構成に関して図12の実施例3における背面振動デバイス配置概略図を用いて説明する。
図12(a)は、実施例3における背面デバイス600配置時の一例における概略断面図である。ユーザがカメラ10を把持した時に背面カバーユニット23の一部は親指が背面グリップ部23cを握りやすいような構成となっている。本実施形態では背面カバーユニット23の一部を突出させて背面グリップ部23cを形成している。また、カメラ10を把持した時に、親指が滑にくく、且つ非撮影時にも指が引っかかりやすい構成として背面カバーユニット23には背面グリップ部23cから突出した傾斜を設けた背面グリップ立ち壁23dを備えている。
背面振動デバイス600は背面グリップ部23cの内側部に備えている。把持する時に力を加える親指先端部に近接する箇所に背面振動デバイス600を備えているため、背面振動デバイス600が振動した時に効果的に振動が伝わる構成となっている。また、本実施形態では背面グリップ部23cはカメラ10の背面部と略水平に面が形成しており、背面振動デバイス600は背面グリップ部23cに配置している。また、背面振動デバイス600は取り付け面に対して垂直に振動が発生する構成としているため、ユーザがカメラ10を把持した時に親指の押圧方向が振動方向と略同一方向になるため、指に振動を効率的に伝えることが可能となる。
図12(b)は実施例3における背面振動デバイス600配置時の異なる例における概略断面図である。本実施形態では振動デバイスが背面グリップ立ち壁部23dの内部に配置されている。背面グリップ立ち壁部23dはユーザが把持する際に親指部が引っ掛かりやすい形状となっているため、撮影時ではない、構えていないような時には背面グリップ立ち壁部23dに親指を引っ掛けることがある。このような時に背面振動デバイス600の振動を頻繁に行う時には背面振動デバイス600は背面グリップ立ち壁部23dに配置することがこのましい。また、本実施形態では背面振動デバイス600を背面に略水平な背面グリップ部23cや傾斜部を設けた背面グリップ立ち壁部23dに配置しているがこの限りでなく、カメラ10を把持した時に指が置かれる部分の内部に背面振動デバイス600を配置していれば良く、指が置かれる箇所は湾曲していてもよい。
図13のブロック図は、実施形態3におけるカメラ10の電気的および光学的な構成を示している。カメラ10は、実施例1で示したように各部に電源を供給する電源部135と、前述した露出ダイアル13、電源ボタン14、モードダイアル15、ズームレバー16、レリーズボタン17および背面操作部21を含む操作部40とを有する。カメラ10全体の制御は制御手段としての制御部501によって行われる。
制御部501は、不図示のメモリに格納されている制御プログラムを読み出して実行することで、カメラ10全体を制御する。実施例3における制御構成に関しては実施例1で示した構成に背面振動デバイス600が追加となっている。制御部501は、振動デバイス駆動部134を介して前面振動デバイス100や背面振動デバイス600に駆動信号を出力し、前面振動デバイス100、もしくは背面振動デバイス600に振動を発生させる。制御部501が前面振動デバイス100や背面振動デバイス600に駆動信号を出力する場合としては、回転リング102が操作された時や操作部40における操作が行われた場合がある。また、ピッチ振れ検出部120aやヨー振れ検出部120bにより制御部501が信号を入力した結果を持って傾きを検知し、振動デバイス100や背面振動デバイス600を傾きの補正を誘導するような振動を実施しても良い。例えば、カメラ10が下側に傾いている時に背面振動デバイス600を振動させてカメラ10を上向きへ誘導したり、カメラ10が上側に傾いている時に前側に備えている振動デバイス100を振動させて下向きへ誘導すれば良い。
次に実施例3のカメラ10の前面と背面に配置された前面振動デバイス100と背面振動デバイス600の振動を使い分けた例を示す。図14のフローチャートは、制御部501が行う振動制御処理を示す。制御部501は、コンピュータプログラムとしての制御プログラムに従って本処理を実行する。本実施例では、カメラ10に、フロントグリップ部101に備えた前面振動デバイス100と背面側の背面グリップ部23cに備えた背面振動デバイス600で異なる制御を行う。以下の説明において、「S」はステップを意味する。
回転操作部材102、露出ダイアル13、電源ボタン14、モードダイアル15、ズームレバー16、レリーズボタン17および背面操作部21を含む操作部40を操作すると振動制御信号が制御部501へ入力される。また、操作部材の操作だけでなく、カメラ10を振動させてユーザに振動を感じさせて触覚を与えることでカメラ内処理を認知させるため、画像処理部131の処理からの振動制御信号を制御部501に入力する。また、上述したように、ピッチ、ヨーを検出して傾きを補正する誘導を促すためにピッチ防振演算部121aやヨー防振演算部121bからの振動制御信号を制御部501に入力する(S2001)。S2001で制御部501が振動制御信号を入力したと判断すると制御部501は振動デバイス駆動部134へ振動信号を出力する(S2002)。振動デバイス駆動部134が制御部501から受けた信号により、前面振動デバイス100の制御が必要である信号であれば振動デバイス駆動部134は前面振動デバイス100を所望の動作で作動させる(S2003)。振動デバイス駆動部134が制御部501から受けた信号により、背面振動デバイス600の制御が必要である信号であれば振動デバイス駆動部134は背面振動デバイス600を所望の動作で作動させる(S2004)。
上述する制御を行うことにより前面振動デバイス100と背面振動デバイス600を別々に振動させることが可能となり、様々な使い方が可能となる。以下にその例を記す。
背面ボタン21を操作時、または表示部22部による操作時、背面振動デバイス600は停止させて前面振動デバイス100のみ振動させる。これは、背面ボタン21がカメラ10を把持する親指で操作しやすい位置に配置されているため、カメラ10を把持している時は背面グリップ部23cに接触している指を離すことになり、背面振動デバイス600を振動させる必要がないため、省電力の効果が得られる。また、カメラ10の前面に配置されている回転操作部102を操作した際はフロントグリップ部101の内部に備える前面振動デバイス100を背面振動デバイス600よりも強い振動量で作動させる。これは、操作を行っている回転操作部材102が前面に配置されているため、操作している部材に近い前面振動デバイス100を強調することで、回転操作部材102を操作しているということをより認知させることが可能となる。さらに、前面振動デバイス100と背面振動デバイス600における振動アクチュエータの種類を変えても良い。例えば前面振動デバイス100には消費電力は高いが応答性の良いピエゾを用いた振動アクチュエータ、背面振動デバイス600には高い振動量を得られ、消費電力が低いLRAタイプを備える。カメラ10の前面に備える回転操作部材102を操作した際は回転操作部材102の操作によりパラメータを変更したことが明確にわかりやすいクリック感を得るために応答性の良いピエゾを用いた前面振動デバイス100を振動させる。そして、回転操作部材102以外の操作を行った時は消費電力が低く、よりカメラ10全体を震わせやすいLRAを用いた背面振動デバイス600を、または前面振動デバイス100と背面振動デバイス600の両方を振動させても良い。
本実施例3の形態は、レンズ鏡筒とカメラ本体が一体型の実施例1の構成としているが、この限りでなく、実施例2のカメラ本体と交換レンズが取り外し可能なカメラ構成でもよく、振動デバイスをカメラ本体の前面グリップ内部と背面のグリップ内部、さらに交換レンズ内部に備えても良い。この場合、カメラ本体1000に備える制御手段501は前面振動デバイス100と背面振動デバイス600、さらにレンズ側振動デバイス220の振動制御を各々行う。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。