以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。なお、ここでは病院に設置されるナースコールシステムを例にとって説明するが、本実施形態のナースコールシステムは、病院に設置されるものに限定されない。例えば、介護施設等に設置される場合にも適用可能である。
図1に示すように、本実施形態のナースコールシステムは、据置型ナースコール親機1、制御機2、廊下灯3、壁埋込形子機4、ハンド形子機5(特許請求の範囲におけるナースコール子機に相当)、ハンディナースコール主装置6、構内交換機(PBX)7、無線基地局8、携帯型ナースコール親機(例えば、PHS端末またはスマートフォン)9、端末制御装置11、無線アクセスポイント(AP)12、端末13,14、無線受信機15および無線発信機16を備えて構成されている。
据置型ナースコール親機1および携帯型ナースコール親機9(以下、両方をまとめてナースコール親機1,9と記すことがある)は、ハンド形子機5または無線受信機15からの呼び出しに対応して報知動作を行う報知機能と、ナースコール親機1,9での応答操作に応じてハンド形子機5との間に形成される通話路を介して通話を行うことを可能にする電話機能とを備えている。これに対し、端末13,14は、報知機能を備える一方、電話機能を備えていない。
据置型ナースコール親機1は、施設利用者である患者(ハンド形子機5)からの呼び出しに対する応答の操作を行い、看護師が患者と通話を行うためのものであり、ナースステーションに設置される。据置型ナースコール親機1は、制御機2が患者からの呼び出しを受けたとき、制御機2からの指示により所定の報知動作を行う。報知動作は、据置型ナースコール親機1が備えるスピーカから報知音を出力するとともに、据置型ナースコール親機1が備えるディスプレイに対して呼び出しに係る患者および呼出種別などの情報を表示させることによって行われる。
この報知動作の実行中に、看護師が据置型ナースコール親機1でオフフック等の応答操作を行うと、応答操作が行われたことが制御機2に通知される。そして、据置型ナースコール親機1は、制御機2からの指示に従って、上述の報知動作を停止するとともに、ハンド形子機5との間に通話路を形成することにより、患者と通話を行うことができる状態とする。
また、据置型ナースコール親機1は、無線受信機15からの呼び出しが発生したときも、制御機2からの指示により上述と同様の報知動作を行う。この報知動作の実行中に、看護師が据置型ナースコール親機1でオフフック等の応答操作を行うと、応答操作が行われたことが制御機2に通知される。そして、据置型ナースコール親機1は、制御機2からの指示に従って、上述の報知動作を停止する。
制御機2は、据置型ナースコール親機1およびハンド形子機5とナースコール幹線を介して接続されるとともに、端末制御装置11および無線受信機15とコンピュータネットワーク(LAN)を介して接続され、据置型ナースコール親機1、ハンド形子機5、端末制御装置11および無線受信機15と協働して所定の制御を行う。なお、制御機2とハンド形子機5との間は、廊下灯3および壁埋込形子機4を介して接続される。また、制御機2は、ナースコール幹線を介してハンディナースコール主装置6にも接続され、当該ハンディナースコール主装置6、PBX7および無線基地局8を介して携帯型ナースコール親機9も制御する。この制御機2による制御内容の詳細については後述する。
廊下灯3は、病院の各病室の入口付近外部に設置される。この廊下灯3は、表示装置を備え、病室内の患者名が表示されるとともに、病室内の患者がハンド形子機5を用いて看護師の呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことが表示されるようになっている。なお、呼び出しが行われたことの表示は、LEDの点灯または点滅により行うようにしてよい。廊下灯3は、ハンド形子機5から壁埋込形子機4を介して送信された呼出信号を制御機2に送信する。また、廊下灯3は、ナースコール親機1,9とハンド形子機5との間に形成された通話路を介してやり取りされる会話の音声信号を中継する。ハンド形子機5からの呼び出しによって点灯または点滅したLEDを消灯させるための復旧は、通常復旧方式または現場復旧方式の何れであってもよい。
壁埋込形子機4は、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。この壁埋込形子機4は、廊下灯3に接続されている。壁埋込形子機4は、ハンド形子機5を接続するための接続端子および復旧ボタンを備えている。壁埋込形子機4は、廊下灯3とハンド形子機5との間で上述した呼出信号および音声信号を送受信する。なお、壁埋込形子機4は、患者が看護師を呼び出すための呼出ボタン、患者が看護師と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカを備えてもよい。この場合、壁埋込形子機4も特許請求の範囲のナースコール子機に相当する。
ハンド形子機5は、壁埋込形子機4に接続され、患者のベッドサイド(特許請求の範囲の「施設の所定の場所」に相当)に設置される。ハンド形子機5は、患者が看護師を呼び出すための呼出ボタン、患者が看護師と会話を行う際に使用するマイク(図示せず)およびスピーカを備えている。ハンド形子機5は、一または複数の呼出種別に対応する呼出ボタンを備えており、患者が何れかの呼出ボタンを操作すると、操作された呼出ボタンに対応する呼出種別の呼出信号が壁埋込形子機4および廊下灯3を介して制御機2に送信されるようになっている。呼出種別は、例えば、一般呼出、緊急呼出、特定呼出(トイレまたは点滴)などである。ハンド形子機5から送信される呼出信号には、当該ハンド形子機5を識別するための子機IDが含まれている。
ハンディナースコール主装置6は、PBX7および無線基地局8を介して、個々の看護師が所持する携帯型ナースコール親機9との間で通話やデータの送受信に関する制御を行う。このハンディナースコール主装置6は、例えば病院内の通信センタに設置され、制御機2と接続されている。ハンディナースコール主装置6は、制御機2からの制御に従って、複数の携帯型ナースコール親機9に対する呼び出しを実行する。また、ハンディナースコール主装置6は、携帯型ナースコール親機9で応答操作が行われた場合の応答通知を制御機2に対して行う。無線基地局8は、携帯型ナースコール親機9との間で通話やデータの無線通信をするためのものであり、PBX7と接続されている。
携帯型ナースコール親機9は、制御機2が患者からの呼び出しを受けたとき、制御機2からの指示により所定の報知動作を行う。報知動作は、携帯型ナースコール親機9が備えるスピーカから報知音を出力するとともに、携帯型ナースコール親機9が備えるディスプレイに対して呼び出しに係る患者および呼出種別などの情報を表示させることによって行われる。
この報知動作の実行中に、看護師が携帯型ナースコール親機9でオフフック等の応答操作を行うと、応答操作が行われたことが制御機2に通知される。そして、携帯型ナースコール親機9は、制御機2からの指示に従って、上述の報知動作を停止するとともに、ハンド形子機5との間に通話路を形成することにより、患者と通話を行うことができる状態とする。
また、携帯型ナースコール親機9は、無線受信機15からの呼び出しが発生したときも、制御機2からの指示により上述と同様の報知動作を行う。この報知動作の実行中に、看護師が携帯型ナースコール親機9でオフフック等の応答操作を行うと、応答操作が行われたことが制御機2に通知される。そして、携帯型ナースコール親機9は、制御機2からの指示に従って、上述の報知動作を停止する。
端末制御装置11は、LANに接続されたAP12を介して端末13,14との間の通信を制御する。端末13,14は、無線LANによりAP12に接続する無線LAN機能と、上述した報知機能とを少なくとも有するものであればよく、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンまたは病院内専用端末(例えば、電子カルテ端末など)により構成することが可能である。端末制御装置11は、制御機2からの制御に従って、端末13,14に対して報知動作の実行を指示する。また、端末制御装置11は、端末13,14で応答操作が行われた場合の応答通知を制御機2に対して行う。なお、端末13,14に対する報知動作の詳細は後述する。
無線発信機16は、徘徊の検出対象とされる患者(施設利用者)が携帯する。無線発信機16は、少なくとも無線発信機16を保持する患者の患者IDを記憶している。無線発信機16としては、例えばRFID(Radio Frequency Identifier)タグ等が用いられる。なお、無線発信機16は、患者IDの代わりにタグIDを記憶するようにしてもよい。ただし、この場合は、タグIDと患者IDとの関連付け情報を制御機2が記憶する必要がある。
無線受信機15は、患者の移動が許容されている許容エリアと許容されていない外部エリア(徘徊とみなす外部エリア)との境界地点(例えば、エレベータホール、階段、玄関等)の外部エリア側に設置されている。無線受信機15は、自身の無線通信エリア内に進入した無線発信機16を検出し、当該無線発信機16から発信される患者ID(発信情報)を受信する。そして、無線受信機15は、少なくとも自身の識別情報(受信機ID)と、受信した患者IDとを含む呼出信号を制御機2に通知する。
制御機2は、患者(無線発信機16を携帯する徘徊検出対象の患者に限らない)によるハンド形子機5に対する呼出操作(呼出ボタンの押下)に応じてハンド形子機5から送信される呼出信号(以下、子機呼出信号という)、または、無線受信機15が無線発信機16からの発信情報を受信した場合に無線受信機15から送信される呼出信号(以下、エリア検知呼出信号という)を受信して呼出状態に遷移し、ナースコール親機1,9および端末13,14に報知動作を実行させるように制御する。
制御機2は、子機呼出信号を受信した場合に遷移する呼出状態において、呼び出しを行った患者に対して呼出実行中であることを知らせるための呼出確認音をハンド形子機5のスピーカに出力するように制御する。一方、エリア検知呼出信号を受信した場合に遷移する呼出状態において、制御機2は、呼出確認音をハンド形子機5に出力する制御は行わない。なお、無線受信機15は、呼出確認音を出力する機能を持たない。
制御機2は、子機呼出信号を受信して遷移する呼出状態において、同じハンド形子機5からの呼び出しを重複して受け付けることはしない。すなわち、呼出状態とされた子機呼出信号に含まれる子機IDと同じ子機IDを含む子機呼出信号が後から送信されてきても、制御機2は後からの子機呼出信号を受け付けず、ナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を重ねて実行することはしない。
同様に、エリア検知呼出信号を受信して遷移する呼出状態において、制御機2は、同じ無線発信機16から発信された発信情報に基づく無線受信機15からの呼び出しを重複して受け付けることはしない。すなわち、呼出状態とされたエリア検知呼出信号に含まれる患者IDと同じ患者IDを含むエリア検知呼出信号が後から送信されてきても、制御機2は後からのエリア検知呼出信号を受け付けず、ナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を重ねて実行することはしない。
制御機2は、ハンド形子機5から子機呼出信号を受信した場合、応答操作が可能な態様(詳細は後述する)でナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を実行させる。その後、ナースコール親機1,9での応答操作に応じて当該ナースコール親機1,9から送信される応答通知(以下、親機応答通知という)を受信したときは、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させるとともに、呼出状態を解除する。
一方、制御機2は、子機呼出信号の受信に応じてナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を実行させた後、端末13,14での応答操作に応じて端末13,14から端末制御装置11を介して送信される応答通知(以下、端末応答通知という)を受信したときは、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させ、さらにその後、ハンド形子機5による呼び出しが行われた場所において所定の復旧操作(例えば、壁埋込形子機4に設けられた復旧ボタンの押下)が行われたときに送信される復旧信号を受信したことに対応して、呼出状態を解除する。
すなわち、制御機2は、子機呼出信号の受信後に端末応答通知を受信した場合は、呼出確認音の出力を含む呼出状態を維持しつつ、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させるように制御する。そして、その後に壁埋込形子機4の復旧ボタンの押下に応じて送信される復旧信号を受信したことに対応して、呼出状態を解除する。端末応答通知を受信した場合に現場での復旧操作により呼出状態を解除することとするのは、電話機能を持たない端末13,14で応答した場合は患者との間で通話を行うことができず、看護師が応答したことを患者に対して確実に伝えることができないからである。これについては詳細を後述する。
また、制御機2は、無線受信機15からエリア検知呼出信号を受信した場合、応答操作が可能な態様でナースコール親機1,9に対する報知動作を実行させるとともに、応答操作ができない態様(詳細は後述する)で端末13,14に対する報知動作を実行させる。その後、ナースコール親機1,9での応答操作に応じて当該ナースコール親機1,9から送信される親機応答通知を受信したときに、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させるとともに、呼出状態を解除する。一方、端末13,14では、応答操作ができないため、呼出状態を解除することはできない。なお、無線受信機15は、応答操作の機能を持たない。
図2は、以上のような制御を実行する制御機2の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、制御機2は、機能構成として、子機呼出受付部21、エリア検知呼出受付部22、報知処理部23、親機応答受付部24、端末応答受付部25、通話路形成部26および復旧受付部27を備えている。また、ナースコール親機1は、記憶媒体として、管理情報記憶部20を備えている。
なお、上記各機能ブロック21~27は、ハードウェア構成、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、上記各機能ブロック21~27は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
管理情報記憶部20は、患者に関する情報(以下、患者情報という)と、看護師に関する情報(以下、看護師情報という)と、ナースコールの呼出先に関する情報(以下、呼出先情報という)と、無線受信機15が設置されている場所(許容エリアと外部エリアとの境界地点)を示す境界地点情報とをナースコールに関する管理情報として記憶している。
患者情報は、例えば、患者の氏名、年齢、性別、病室の部屋番号、患者が使用しているベッドを識別するベッド番号、患者を識別するための患者ID、患者が使用するハンド形子機5を識別するための子機ID、患者が使用する無線発信機16を識別するためのタグIDなどの各種情報を含む。また、看護師情報は、例えば、看護師の氏名、看護師を識別するための看護師ID、担当する患者を識別するための患者ID、看護師が使用する携帯型ナースコール親機9を識別するための親機IDなどの各種情報を含む。
呼出先情報は、患者(例えば、患者ID)と、当該患者からの呼び出しに対応して報知を行う担当看護師(例えば、看護師ID)と、当該担当看護師が所持する携帯型ナースコール親機9の親機IDおよび呼出先に関する情報(内線番号など)とを関連付けて記憶したものである。一人の患者を複数の看護師でサポートするチームナーシングを行う場合は、一人の患者と複数の看護師と各看護師が所持する複数の携帯型ナースコール親機9の呼出先とがグルーピングされて記憶される。また、境界地点情報は、無線受信機15が設置されている境界地点を示す情報と、無線受信機15の受信機IDとを関連付けて記憶したものである。
子機呼出受付部21は、患者(ハンド形子機5)からの呼び出しを受け付ける。すなわち、子機呼出受付部21は、ハンド形子機5から壁埋込形子機4および廊下灯3を介して送られてくる子機呼出信号を受信する。子機呼出受付部21が子機呼出信号を受信すると、子機呼出受付部21は呼出状態に遷移し、呼出状態であることを患者に知らせるための呼出確認音をハンド形子機5のスピーカから出力するための処理を行い、そのような呼出状態を所定の操作(ナースコール親機1,9での応答操作または壁埋込形子機4での復旧操作)が行われるまで継続する。
エリア検知呼出受付部22は、無線受信機15からの呼び出しを受け付ける。すなわち、エリア検知呼出受付部22は、無線受信機15から送られてくるエリア検知呼出信号を受信する。このエリア検知呼出信号には、無線受信機15の受信機IDと、無線発信機16を携帯する患者の患者IDとが含まれている。エリア検知呼出受付部22がエリア検知呼出信号を受信すると、エリア検知呼出受付部22は呼出状態に遷移し、その呼出状態を所定の操作(ナースコール親機1,9での応答操作)が行われるまで継続する。
報知処理部23は、子機呼出受付部21が患者からの呼び出しを受け付けた場合(ハンド形子機5から送信される子機呼出信号を受信した場合)、および、エリア検知呼出受付部22がエリア検知呼出を受け付けた場合(無線受信機15から送信されるエリア検知呼出信号を受信した場合)、ナースコール親機1,9に報知動作を実行させるように制御するとともに、端末制御装置11に指示をして端末13,14に報知動作を実行させるように制御する。
ここで、報知処理部23は、子機呼出受付部21が子機呼出信号を受信した場合、応答操作が可能な態様でナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を実行させるように制御する。一方、エリア検知呼出受付部22がエリア検知呼出信号を受信した場合、報知処理部23は、応答操作が可能な態様でナースコール親機1,9に対する報知動作を実行させるとともに、応答操作ができない態様で端末13,14に対する報知動作を実行させるように制御する。以下に、この報知処理の具体的な内容を、6つのパターンに分けて説明する。
(1)子機呼出信号の受信に基づく据置型ナースコール親機1に対する報知処理
子機呼出信号の受信に基づく据置型ナースコール親機1に対する報知処理は、以下のようにして行う。すなわち、報知処理部23は、子機呼出受付部21が受信した子機呼出信号によって伝えられる子機情報(呼び出しを行ったハンド形子機5を特定するための子機IDなど)に基づいて、管理情報記憶部20を参照することにより、呼び出しを行った患者を特定する。そして、報知処理部23は、特定した患者に関する患者情報の一部(例えば、氏名、年齢、性別、部屋番号、ベッド番号など)を管理情報記憶部20から読み出し、呼出種別の情報と共に据置型ナースコール親機1に送信する。
据置型ナースコール親機1は、ディスプレイ上に報知画面を生成し、制御機2から受信した患者情報および呼出種別を表示させる。また、据置型ナースコール親機1は、スピーカから所定の報知音を出力する。このような報知動作に対し、看護師は、据置型ナースコール親機1のハンドセットをオフフックする操作を行うことによって応答操作を行うことが可能である。なお、報知画面に応答ボタンを表示させ、この応答ボタンの押下によって応答操作を行うことができるようにしてもよい。以上の報知処理は、「応答操作が可能な態様での報知動作」に相当する。
(2)子機呼出信号の受信に基づく携帯型ナースコール親機9に対する報知処理
子機呼出信号の受信に基づく携帯型ナースコール親機9に対する報知処理は、以下のようにして行う。すなわち、報知処理部23は、上述のようにして呼び出しを行った患者を特定した後、その患者を担当する看護師の呼出先情報を管理情報記憶部20から読み出し、当該読み出した呼出先情報に基づいて、チームナーシングのためにグルーピングされた複数の携帯型ナースコール親機9に対する報知を実行する。例えば、公知のスライド呼出機能によって、複数の携帯型ナースコール親機9に対する報知を順番に実行する。
具体的には、報知処理部23は、ハンディナースコール主装置6を介してPBX7に対し、複数の携帯型ナースコール親機9に対する報知の実行を指示する呼出信号を所定の時間間隔ごとに順番に送信する。この呼出信号には、報知処理部23が特定した患者に関する患者情報の一部(例えば、氏名、年齢、性別、部屋番号、ベッド番号など)および呼出種別の情報が含まれている。PBX7は、制御機2からハンディナースコール主装置6を介して呼出信号を受信したとき、呼出先として指定されている携帯型ナースコール親機9に対する呼び出しを実行する。
この呼出信号を受信した携帯型ナースコール親機9は、患者情報および呼出種別をディスプレイに表示させるとともに、スピーカから所定の報知音を出力する。このような報知動作に対し、看護師は、携帯型ナースコール親機9のディスプレイに表示されたオフフックボタンを押下することによって応答操作を行うことが可能である。以上の報知処理は、「応答操作が可能な態様での報知動作」に相当する。
(3)子機呼出信号の受信に基づく端末13,14に対する報知処理
子機呼出信号の受信に基づく端末13,14に対する報知処理は、以下のようにして行う。すなわち、報知処理部23は、端末制御装置11に対し、端末13,14に対する報知の実行を指示する指示情報を送信する。この指示情報には、報知処理部23が特定した患者に関する患者情報の一部(例えば、氏名、年齢、性別、部屋番号、ベッド番号、子機IDなど)および呼出種別の情報が含まれている。端末制御装置11は、制御機2から指示情報を受信したとき、AP12を介して端末13,14に対して指示情報を送信することにより、報知動作の実行を指示する。この指示情報を受信した端末13,14は、患者情報および呼出種別をディスプレイに表示させる。このとき、スピーカから所定の報知音を出力するようにしてもよい。
図4は、端末13,14に表示される報知画面の一例を示す図である。ここでは一例として、電子カルテ端末に表示される報知画面の一例を示す。図4(a)に示すように、電子カルテ端末は、端末制御装置11から報知動作の指示情報を受信すると、電子カルテ情報を表示しているメイン画面上に報知画面40をポップアップ表示させ、この報知画面40に患者情報および呼出種別を表示させる。
図4(b)は、報知画面40の表示例を示すものである。図4(b)に示すように、報知画面40には、呼出種別41および患者情報42が表示されている。また、報知画面40には、電子カルテ端末を使用する看護師または他の病院スタッフが応答操作をするための応答ボタン43も表示されている。看護師等がこの応答ボタン43を操作すると、応答ボタン43が操作されたことを知らせる端末応答通知が端末制御装置11に送信され、さらに端末制御装置11から制御機2に送信される。この端末応答通知には、応答ボタン43を操作した端末を識別するための端末IDが含まれている。このように、報知画面40には、応答操作を行うためのインタフェースである応答ボタン43が操作可能な態様で表示されており、以上の報知処理は「応答操作が可能な態様での報知動作」に相当する。
(4)エリア検知呼出信号の受信に基づく据置型ナースコール親機1に対する報知処理
エリア検知呼出信号の受信に基づく据置型ナースコール親機1に対する報知処理は、以下のようにして行う。すなわち、報知処理部23は、エリア検知呼出受付部22が受信したエリア検知呼出信号によって伝えられる患者ID(外部エリアにおいて患者の無線発信機16から発信されて無線受信機15にて受信された発信情報に含まれる患者ID))に基づいて、管理情報記憶部20を参照することにより、エリア検知された患者を特定する。そして、報知処理部23は、特定した患者に関する患者情報の一部(例えば、氏名、年齢、性別など)を管理情報記憶部20から読み出し、エリア検知呼出であることを示す呼出種別の情報および受信機IDに基づいて特定される境界地点の情報と共に据置型ナースコール親機1に送信する。
据置型ナースコール親機1は、ディスプレイ上に報知画面を生成し、制御機2から受信した患者情報、境界地点情報および呼出種別を表示させる。また、据置型ナースコール親機1は、スピーカから所定の報知音を出力する。このような報知動作に対し、看護師は、据置型ナースコール親機1のハンドセットをオフフックする操作を行うことによって応答操作を行うことが可能である。なお、報知画面に応答ボタンを表示させ、この応答ボタンの押下によって応答操作を行うことができるようにしてもよい。以上の報知処理は、「応答操作が可能な態様での報知動作」に相当する。
(5)エリア検知呼出信号の受信に基づく携帯型ナースコール親機9に対する報知処理
エリア検知呼出信号の受信に基づく携帯型ナースコール親機9に対する報知処理は、以下のようにして行う。すなわち、報知処理部23は、上述のようにして呼び出しを行った患者を特定した後、上述したスライド呼出機能によって、複数の携帯型ナースコール親機9に対する報知を順番に実行する。このとき携帯型ナースコール親機9に送信される呼出信号には、報知処理部23が特定した患者に関する患者情報の一部(例えば、氏名、年齢、性別など)、エリア検知された境界地点および呼出種別の情報が含まれている。
この呼出信号を受信した携帯型ナースコール親機9は、患者情報、境界地点情報および呼出種別をディスプレイに表示させるとともに、スピーカから所定の報知音を出力する。このような報知動作に対し、看護師は、携帯型ナースコール親機9のディスプレイに表示されたオフフックボタンを押下することによって応答操作を行うことが可能である。以上の報知処理は、「応答操作が可能な態様での報知動作」に相当する。
(6)エリア検知呼出信号の受信に基づく端末13,14に対する報知処理
エリア検知呼出信号の受信に基づく端末13,14に対する報知処理は、子機呼出信号の受信に基づく端末13,14に対する報知処理とほぼ同様に行う。ただし、図4に示した報知画面40に代えて、図5に示す報知画面50を用いて報知処理を行う。すなわち、図5(a)に示すように、端末13,14は、端末制御装置11から報知動作の指示情報を受信すると、電子カルテ情報を表示しているメイン画面上に報知画面50をポップアップ表示させ、この報知画面50に患者情報、境界地点情報および呼出種別を表示させる。
図5(b)は、報知画面50の表示例を示すものである。図5(b)に示すように、報知画面50には、エリア検知呼出であることを示す呼出種別51、患者情報52(部屋番号およびベッド番号は含まない)およびエリア検知された境界地点の情報54が表示されている。しかし、報知画面50には、図4の報知画面40には存在していた応答ボタン43が表示されていない。よって、看護師等は応答操作をすることができない。このように、報知画面50は、応答操作を行うためのインタフェースを操作不可能な態様で表示されたものであり、以上の報知処理は「応答操作ができない態様での報知動作」に相当する。
なお、ここでは応答ボタン43を非表示としたが、これに限定されない。例えば、応答ボタン43は表示するものの、グレーアウトした状態で表示させ、押下を受け付けないようにしてもよい。
図2に戻って説明する。親機応答受付部24は、報知処理部23により報知動作が実行されたナースコール親機1,9からの親機応答通知を受け付ける。例えば、看護師が患者(ハンド形子機5)からの呼び出しに応答するために据置型ナースコール親機1のハンドセットをオフフックすると、据置型ナースコール親機1でオフフックされたことを知らせる親機応答通知が据置型ナースコール親機1から制御機2に送信され、親機応答受付部24にて受信される。
また、看護師が患者(ハンド形子機5)からの呼び出しに応答するために携帯型ナースコール親機9をオフフックすると、携帯型ナースコール親機9でオフフックされたことを知らせる親機応答通知がハンディナースコール主装置6を介して制御機2に送信され、親機応答受付部24にて受信される。
親機応答受付部24は、ハンド形子機5からの呼び出しに対してナースコール親機1,9から送信される親機応答通知を受信した場合、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御する。また、親機応答受付部24は、ハンド形子機5からの呼出状態(ハンド形子機5に呼出確認音を鳴らせている状態)を停止させるように子機呼出受付部21を制御するとともに、ハンド形子機5とナースコール親機1,9との間に通話路を形成するように通話路形成部26を制御する。
また、看護師がエリア検知呼出に応答するためにナースコール親機1,9にてオフフックの操作をした場合も、据置型ナースコール親機1,9でオフフックされたことを知らせる親機応答通知が据置型ナースコール親機1,9から制御機2に送信され、親機応答受付部24にて受信される。この場合、親機応答受付部24は、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御するとともに、無線受信機15からの呼出状態を停止させるようにエリア検知呼出受付部22を制御する。
端末応答受付部25は、報知処理部23により報知動作が実行された端末13,14からの端末応答通知を受け付ける。例えば、看護師または他の病院スタッフが患者(ハンド形子機5)からの呼び出しに応答するために端末13,14で応答ボタン43を操作すると、端末13,14で応答ボタン43が操作されたことを知らせる端末応答通知が端末制御装置11を介して制御機2に送信され、端末応答受付部25にて受信される。
端末応答受付部25は、端末13,14から送信される端末応答通知を端末制御装置11を介して受信した場合、子機呼出受付部21におけるハンド形子機5からの呼出状態を維持しつつ、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御する。呼出状態を維持して報知処理のみを停止し、呼出状態の解除を呼び出しの現場で復旧操作を行ったときとするのは、以下の理由による。
すなわち、端末13,14において呼び出しに対する応答操作が行われた場合は、ハンド形子機5との間に通話路が形成されないため、患者は看護師と通話を行うことができない。このような場合に、端末13,14での応答操作に応じて呼出状態を停止させてハンド形子機5から呼出確認音の出力を止めると、患者は、看護師が応答してくれたのか、何かの不具合で呼び出しが不通になってしまったのかを判別することができない。そのため、患者が不安に思う可能性がある。
そこで、端末13,14での応答操作が行われた場合は、ハンド形子機5に対する呼出確認音の出力を継続して、呼出中であることが患者に分かるようにする。この場合、端末13,14で応答操作をした看護師等が患者の病室に行って、壁埋込形子機4の復旧ボタンを操作したときに、ハンド形子機5の呼出状態を停止する。すなわち、壁埋込形子機4の復旧ボタンが操作されると、復旧信号が廊下灯3を介して制御機2に送信され、復旧受付部27にて受信される。復旧受付部27は、復旧信号を受信したことを子機呼出受付部21に通知する。子機呼出受付部21は、この通知を受けて、ハンド形子機5の呼出状態を停止する。
このように構成することにより、ハンド形子機5との間に通話路が形成されない端末13,14において応答操作が行われた場合に、応答操作を行った看護師等が患者の病室に行って壁埋込形子機4の復旧ボタンを操作するまでは、ハンド形子機5から呼出確認音が出力され続ける。このため、呼び出しを行った患者は、呼出確認音が途切れた後に看護師と通話をすることができない状態で待つことがなくなる。これにより、患者に対して不安感を与えないようにすることができる。
なお、ハンド形子機5との間に通話路が形成されない端末13,14において応答操作が行われた場合に、応答操作を行った看護師等が患者の病室に行くのを忘れてしまうとハンド形子機5から呼出確認音が出力され続けてしまう。そこで、これを防止するために、端末13,14において応答操作が行われてから復旧操作が行われるまでの時間を計測するタイマーを端末制御装置11等に設け、応答操作が行われてから所定時間が経過しても復旧操作が行われなかった場合に端末13,14にて再度報知動作を行うようにしても良い。
上述したように、端末応答受付部25が端末応答通知を受信するのは、ハンド形子機5からの呼び出しがあった場合のみであり、エリア検知呼出があった場合に端末応答通知を受けることはない(応答ボタン43が表示されないため、端末13,14において応答操作が行われることがない)。エリア検知呼出の場合に端末13,14で応答操作を行うことができないようにしているのは、以下の理由による。
すなわち、ハンド形子機5からの呼び出しに対して端末13,14にて応答した場合における呼出状態を解除するのは現場で復旧操作を行ったときとしているが、エリア検知呼出に対して端末13,14にて応答した場合における呼出状態の解除についても同様に現場での復旧操作を要件とした場合、エリア検知呼出を受けて応答した看護師がエリア検知された場所に駆けつけても、そこには復旧ボタンがなく、復旧操作を行うことができないからである。
これに対し、エリア検知呼出があった場合の報知動作では端末13,14において応答操作ができないようすることにより、エリア検知呼出に対して応答するのはナースコール親機1,9のみということになる。この場合は、ナースコール親機1,9での応答操作によって呼出状態が解除される。これにより、ある境界地点でエリア検知された患者が他の境界地点へ行って再びエリア検知された場合に、新たにエリア検知呼出を行うことが可能となる。また、ハンド形子機5からの呼び出しにより遷移した呼出状態が解除されないまま所定時間が経過した場合に再び報知処理を行うように報知処理部23を構成したときも、ナースコール親機1,9による応答操作によって報知処理が停止するので、報知処理が何度も繰り返し実行されてしまうという不都合も回避することができる。
図3は、端末制御装置11の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、端末制御装置11は、機能構成として、報知指示受信部31、報知部32、端末応答通知受信部33、端末応答通知部34および報知指定部35を備えている。また、端末制御装置11は、記憶媒体として、指定情報記憶部30を備えている。
上記各機能ブロック31~35は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック31~35は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
報知指示受信部31は、制御機2の報知処理部23により送信された端末13,14に対する報知動作実行の指示情報を受信する。報知部32は、報知指示受信部31により受信された指示情報を、AP12を介して端末13,14に送信することにより、図4で例示したような報知画面40または図5で例示したような報知画面50を端末13,14のディスプレイに表示させる。なお、報知部32が端末13,14に送信する指示情報は、報知指示受信部31が制御機2から受信する指示情報とフォーマット等の形式が同じである必要はなく、端末13,14が受け付け可能な形式に変換されたものであってもよい。
端末応答通知受信部33は、報知画面40に表示された応答ボタン43が操作された端末13,14から、当該応答ボタン43が操作されたことを知らせる端末応答通知を受信する。端末応答通知部34は、端末応答通知受信部33が受信した端末応答通知を制御機2に送信する。なお、端末応答通知部34が制御機2に送信する端末応答通知は、端末応答通知受信部33が端末13,14から受信する端末応答通知とフォーマット等の形式が同じである必要はなく、制御機2が受け付け可能な形式に変換されたものであってもよい。
報知指定部35は、どのハンド形子機5からの呼び出しを受け付けて端末13,14に対する報知動作を行うか、あるいは、どのハンド形子機5からの呼び出しを拒否して端末13,14に対する報知動作を行わないかを指定し、その指定内容を指定情報記憶部30に記憶する。指定情報は、例えば、報知動作を行う(または行わない)ハンド形子機5の子機IDにより構成される。これに加え、エリア検知呼出を受け付けて端末13,14に対する報知動作を行うか否かを指定し、その指定内容を指定情報記憶部30に記憶するようにしてもよい。これらの指定操作は、例えば、端末13,14からAP12を介して端末制御装置11にアクセスし、端末13,14の操作部を用いて看護師等により行うことが可能である。
報知部32は、ハンド形子機5からの呼び出しに関して、報知指示受信部31が受信した指示情報に含まれている子機IDと、指定情報記憶部30に記憶されている指定情報(子機ID)とに基づいて、報知動作を行うものとして指定されているハンド形子機5からの呼び出しに対応して報知動作の指示があったときにのみ、端末13,14に対する報知動作の実行を制御する。また、報知部32は、エリア検知呼出に関して、指定情報記憶部30に記憶されている指定情報に基づいて、エリア検知呼出に対して報知動作を行うものとして指定されている場合にのみ、端末13,14に対する報知動作の実行を制御する。
なお、報知指定部35により指定された内容に従って端末13,14に対する報知動作を実行しない場合においても、ナースコール親機1,9に対する報知動作は実行される。したがって、端末13,14を使用する看護師等が、業務の都合等を考慮して、報知動作を行う(または行わない)対象のハンド形子機5を任意に指定したり、エリア検知呼出に対して報知動作を行うか否かを任意に指定したりすることが可能である。
ここでは、指定情報を端末制御装置11に記憶し、端末制御装置11において、報知動作の指示情報を端末13,14に送信するか否かを決定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、指定情報を端末制御装置11から制御機2に送信して制御機2に記憶するようにする。そして、制御機2が指定情報に従って、報知動作の指示情報を端末制御装置11に送信するか否かを決定するようにしてもよい。この場合、端末制御装置11から制御機2に指定情報を送信して記憶させることが、指定された内容に従って端末13,14に対する報知動作の実行を制御することに相当する。
図6は、以上のように構成した制御機2の動作例を示すフローチャートである。まず、子機呼出受付部21は、ハンド形子機5から送られてくる子機呼出信号を受信したか否かを判定する(ステップS1)。子機呼出受付部21が子機呼出信号を受信した場合、報知処理部23は、ナースコール親機1,9および端末13,14に報知動作を実行させるように制御する(ステップS2)。ここでの端末13,14に対する報知動作は、図4の報知画面40により、応答ボタン43を表示させた状態で実行する。
その後、端末応答受付部25は、端末13,14から端末応答通知を受信したか否かを判定する(ステップS3)。ここで、端末応答受付部25が端末応答通知を受信した場合、端末応答受付部25は、子機呼出受付部21が受け付けたハンド形子機5からの呼出状態を維持しつつ、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御する(ステップS4)。
さらにその後、復旧受付部27は、壁埋込形子機4から送られてくる復旧信号を受信したか否かを判定する(ステップS5)。復旧受付部27が復旧信号を受信していない場合は、ステップS5の判定が繰り返される。一方、復旧受付部27が復旧信号を受信した場合、子機呼出受付部21は、ハンド形子機5からの呼出状態を停止させる(ステップS6)。これにより、図6に示すフローチャートの処理が終了する。
上記ステップS3において、端末応答受付部25が端末応答通知を受信していない場合、親機応答受付部24は、ナースコール親機1,9から親機応答通知を受信したか否かを判定する(ステップS7)。親機応答受付部24が親機応答通知を受信していない場合、処理はステップS3に戻る。一方、親機応答受付部24が親機応答通知を受信した場合、親機応答受付部24は、ハンド形子機5からの呼出状態を停止させるように子機呼出受付部21を制御するとともに、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御する(ステップS8)。
次いで、親機応答受付部24は、ハンド形子機5とナースコール親機1,9との間に通話路を形成するように通話路形成部26を制御する(ステップS9)。これにより、図6に示すフローチャートの処理が終了する。なお、通話路を形成した後、ナースコール親機1,9においてオンフックの操作が行われると、ナースコール親機1,9とハンド形子機5との間に形成された通話路が切断される。
上記ステップS1において、子機呼出受付部21が子機呼出信号を受信していない場合、エリア検知呼出受付部22は、無線受信機15から送られてくるエリア検知呼出信号を受信したか否かを判定する(ステップS10)。エリア検知呼出受付部22がエリア検知呼出信号を受信していない場合、処理はステップS1に戻る。
一方、エリア検知呼出受付部22がエリア検知呼出信号を受信した場合、報知処理部23は、ナースコール親機1,9および端末13,14に報知動作を実行させるように制御する(ステップS11)。ここでの端末13,14に対する報知動作は、図5の報知画面50により、応答ボタン43を非表示とした状態で実行する。
その後、親機応答受付部24は、ナースコール親機1,9から親機応答通知を受信したか否かを判定する(ステップS12)。親機応答受付部24が親機応答通知を受信していない場合は、ステップS12の判定が繰り返される。一方、親機応答受付部24が親機応答通知を受信した場合、親機応答受付部24は、無線受信機15からの呼出状態を停止させるようにエリア検知呼出受付部22を制御するとともに、ナースコール親機1,9および端末13,14の報知動作を停止させるように報知処理部23を制御する(ステップS13)。これにより、図6に示すフローチャートの処理が終了する。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、制御機2が、ハンド形子機5または無線受信機15から送信される呼出信号を受信したときに、ナースコール幹線を介して接続されたナースコール親機1,9に報知動作を実行させるように制御するとともに、コンピュータネットワーク(LAN)を介して接続された端末制御装置11に指示をして端末13,14に報知動作を実行させるようにしている。
このように本実施形態によれば、ナースコール幹線とは別のコンピュータネットワークを介して、制御機2が無線受信機15からエリア検知呼出を受けることが可能であり、かつ、端末制御装置11を介して端末13,14を制御可能に構成されているので、ハンド形子機5からの呼び出しに応答することによって通話可能とする電話機能を持たない端末13,14に対しても、制御機2から端末制御装置11への制御を通じてハンド形子機5からの呼び出しおよびエリア検知呼出を報知することができる。
また、本実施形態では、制御機2がハンド形子機5から子機呼出信号を受信した場合は、図4の報知画面40によって応答操作が可能な態様で端末13,14に対する報知動作を実行させた後、ナースコール親機1,9での応答操作に応じてナースコール親機1,9から送信される親機応答通知を受信したときは、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させるとともに呼出状態を解除する。一方、ナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作を実行させた後、端末13,14での応答操作(応答ボタン43の押下)に応じて端末13,14から送信される端末応答通知を受信したときは、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させ、さらにその後、ハンド形子機5による呼び出しが行われた場所において壁埋込形子機4の復旧ボタンが押下されたときに送信される復旧信号を受信したことに対応して、呼出状態を解除する。また、制御機2が無線受信機15からエリア検知呼出信号を受信した場合は、応答操作が可能な態様でナースコール親機1,9に対する報知動作を実行させるとともに、図5の報知画面50によって応答操作ができない態様で端末13,14に対する報知動作を実行させた後、親機応答通知を受信したときに、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作を停止させるとともに呼出状態を解除するようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、制御機2がハンド形子機5から子機呼出信号を受信した場合は、呼出状態に遷移してナースコール親機1,9および端末13,14に対する報知動作が実行された後、端末13,14で応答操作が行われたときは、呼び出しが行われた場所において復旧操作が行われたときに呼出状態が解除される。一方、制御機2がエリア検知呼出信号を受信した場合は、応答操作が可能な態様でナースコール親機1,9に対する報知動作が行われるとともに、応答操作ができない態様で端末13,14に対する報知動作が行われる。そして、制御機2が親機応答通知を受信したときに、ナースコール親機1,9および端末13,14での報知動作が停止するとともに、呼出状態が解除される。このため、端末13,14においてエリア検知呼出の報知を受けた看護師等が、当該端末13,14において応答操作をすることはないし、エリア検知呼出が行われた無線受信機15のある境界地点に出向いて復旧操作をすることもない。一方、ナースコール親機1,9においてエリア検知呼出の報知を受けた看護師等が応答操作をすることで、呼出状態が解除される。これにより、電話機能を持たない端末13,14に対しても、ハンド形子機5からの呼び出しおよび無線受信機15からのエリア検知呼出を報知することができるとともに、エリア検知呼出を適切に復旧することができる。
なお、上記実施形態では、ナースコール親機1,9または端末13,14において応答操作が行われたときに、応答通知を制御機2に送信し、制御機2からナースコール親機1,9および端末13,14に対する指示によって報知動作を停止する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、応答操作をしたナースコール親機1,9または端末13,14のそれ自身の報知動作に関しては、制御機2からの指示によることなく自分自身で停止するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、壁埋込形子機4の復旧ボタンを操作することによってハンド形子機5の呼出状態を停止させる例について説明したが、壁埋込形子機4の復旧ボタンは一例であり、これ以外の復旧操作であってもよい。例えば、廊下灯3に設けた復旧ボタンを操作することによってハンド形子機5の呼出状態を停止させるようにしてもよい。あるいは、病室内に設置される他の機器に設けた復旧ボタンを操作することによってハンド形子機5の呼出状態を停止させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、据置型ナースコール親機1と制御機2とを別に構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御機2を省略し、制御機2の機能を据置型ナースコール親機1が備えるようにしてもよい。この場合、制御機2から据置型ナースコール親機1に送信していた情報および据置型ナースコール親機1から制御機2に送信していた情報は、据置型ナースコール親機1が内部的に処理することになる。
また、上記実施形態では、制御機2が無線受信機15からエリア検知呼出信号を受信した場合に、応答操作ができない態様で端末13,14に対する報知動作を実行させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナースコール親機1,9と同様に、応答操作が可能な態様で端末13,14に対する報知動作を実行させた上で、端末13,14から端末応答通知を受信した場合に呼出状態を解除するようにしてもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。