JP7244740B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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Description

本発明は、積層剥離容器に関する。
積層剥離容器には、容器本体と弁部材とを備えるものが各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。積層剥離容器の容器本体は、有底筒状の胴部と、胴部に接続される筒状の肩部と、肩部に接続される円筒状の口部とを備え、弁部材は容器本体に設けられている。この容器本体は、パリソンが金型で筒状に成形されることで、製造される。また、積層剥離容器の容器本体には、外殻と、外殻の内側に設けられている内袋とが形成されている。特許文献1の積層剥離容器の弁部材の弁部材は、外殻と内袋との間の中間空間と容器本体外の空間との間の空気の出入りを調節する機能を有する。
特許文献1の弁部材は、ユーザーが容器本体を押圧したときに生じる、中間空間から容器本体外の空間へ向かう空気の流れ、或いは、弁部材自体に作用する重力によって動作する。ここで、弁部材の動作とは、中間空間と容器本体外との空間との連通及び非連通とが切り替えられることを指す。非連通状態となっている場合には、ユーザーが容器本体を押圧することで中間空間の圧力が上昇し、内袋が加圧され、容器本体内の内容物がすみやかに流出する。
特開2016-222343号公報
例えば点眼用の積層剥離容器の容器本体は、液滴するような緩やかなスクイズがなされるよう、硬めに構成されている。このため、ユーザーが容器本体を押圧したときにおける容器本体の変形量は小さくなる。その結果、弁部材を通過する空気の流量が低減し、弁部材が連通状態から非連通状態へ動作しにくくなる。また、点眼時においてユーザーは容器本体を逆さにする。特許文献1の積層剥離容器がこの姿勢をとっているとき、弁部材の軸方向と重力方向とがなす角度が大きくて、弁部材が、連通状態から非連通状態へ動作しにくくなる。点眼時において弁部材が動作しないと、中間空間の空気が筒体の開口部から漏れ、内袋が加圧されにくくなり、容器本体内の内容物が流出しにくくなる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、容器本体内の内容物が流出しにくくなることを抑制することができる積層剥離容器を提供することを目的としている。
本発明によれば、外殻及び内袋を有する容器本体と、前記容器本体に設けられる弁部材とを備える積層剥離容器であって、前記容器本体は、胴部と肩部と口部とを有し、前記胴部は、有底筒状に形成され、且つ、前記胴部の上部は、前記肩部の下部に接続され、前記口部の下部は、前記肩部の上部に接続され、前記肩部は、天井面部を有し、前記天井面部は、前記肩部の前記上部側から前記肩部の前記下部側にかけて形成され、前記弁部材は、前記天井面部に設けられている、積層剥離容器が提供される。
本発明に係る積層剥離容器によれば、弁部材は、天井面部に設けられている。このため、ユーザーが積層剥離容器の容器本体を逆さにしたときにおいて、弁部材の軸方向が重力方向に沿うようになる。その結果、弁部材が連通状態から非連通状態へ動作しやすくなり、内袋がより確実に加圧されることとなり、容器本体内の内容物が流出しにくくなることが抑制される。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記容器本体の中心軸に平行であって前記弁部材の中央を通る断面で前記容器本体を断面視したときにおいて、前記天井面部のうち前記弁部材が設けられている部分と前記中心軸に直交する直交面とがなす角度は0度以上であって45度以下である、積層剥離容器が提供される。
好ましくは、前記容器本体は、扁平な前記胴部を有し、前記天井面部は、第1及び第2天井面部を有し、前記弁部材は、第1及び第2天井面部のうちの一方に設けられ、第1及び第2天井面部は、前記口部を挟むように配置され、且つ、第1及び第2天井面部は、前記胴部の長軸方向に並んでいる、積層剥離容器が提供される。
好ましくは、前記容器本体は、円筒状の前記胴部を有し、前記天井面部は、前記肩部の前記上部側から前記肩部の前記下部側にかけて錐面状に形成され、前記角度は0度以上であって20度以下である、積層剥離容器が提供される。
好ましくは、前記弁部材は、筒体と移動体とを有し、前記筒体には、収容空間が形成され、前記収容空間は、前記外殻外と、前記外殻と前記内袋との間の中間空間と、を連通しており、前記移動体は、前記収容空間に設けられ、且つ、前記移動体は、前記収容空間を移動可能である、積層剥離容器が提供される。
好ましくは、前記積層剥離容器は点眼容器である、積層剥離容器が提供される。
第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の斜視図である。 図2Aは第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の正面図であり、図2Bは第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の上面図である。 図2Bに示すA-A端面図である。 図3に示す領域Aの拡大図である。 図4に示す拡大図の弁部材4を除いた状態を示している。 図6Aは弁部材4の上側斜視図であり、図6Bは弁部材4の下側斜視図であり、図6Cは弁部材4の上面図であり、図6Dは図6Cに示すD-D断面図である。 図7Aは積層剥離容器1の容器本体3を逆さにした状態を示し、図7Bは図7Aに示す弁部材4及びその周辺の構成の拡大端面図である。 第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の斜視図である。 図9Aは第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の正面図であり、図9Bは第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の上面図である。 図9Bに示すA-A端面図である。 図11Aは第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3を逆さにした第1状態を示している。図11Bは第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3を逆さにした第2状態を示している。図11Cは第2実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の天井面部の角度を、図11Bに示す形態の天井面部の角度よりも大きくした場合の第2状態を示している。 図12A及び図12Bは第1実施形態の変形例の説明図であり、図12Aは変形例に係る弁部材4を第1実施形態に係る容器本体3に装着した状態を示す端面図であり、図12Bは変形例に係る弁部材4の拡大端面図である。
1.第1実施形態
1-1.積層剥離容器1の構成説明
図1~図2Bに示すように、積層剥離容器1は、容器本体3と、弁部材4と、を備える。容器本体3は、扁平な胴部7と、胴部7に接続される肩部8と、肩部8に接続される口部9と、を備える。
1-1-1.容器本体3
<外殻12及び内袋14>
容器本体3は、胴部7、肩部8及び口部9において、外殻12と内袋14を備える。内容物の減少に伴って内袋14が外殻12の内面から剥離することによって、内袋14が外殻12の内面から離れて収縮する。外殻12は、復元性が高くなるように、内袋14よりも肉厚に形成されている。外殻12は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外殻12は、複数層構成であってもよい。内袋14は、複数の層から構成することが好ましい。例えば、外殻12と接触する層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなるEVOH層を用い、内容物に接触する層に、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなる内面層を用いることができる。そして、上記EVOH層と内面層との間には、接着層を用いることが好ましい。
<胴部7>
図2A及び図2Bに示すように、胴部7は有底筒状部材である。胴部7の上部7aは肩部8の下部8bに接続されている。胴部7は長軸と短軸を有する。また、胴部7は、一対の向かい合う周面7B1と、一対の向かい合う周面7B2とを有する。一方の周面7B1と他方の周面7B1とは短軸方向に向かい合っており、また、一方の周面7B2と他方の周面7B2とは長軸方向に向かい合っている。胴部7の短軸は、胴部7の最小直径R1の位置を通り、胴部7の長軸は、胴部7の最大直径R2の位置を通る。胴部7の形状は、次に説明する長軸短軸比に基づいて定義することができる。長軸短軸比は、胴部7を容器本体3の中心軸Cx1(口部9の中心軸)に直交する面で断面視したときにおいて、胴部7の最小直径R1を胴部7の最大直径R2で割った値である。任意の筒状部材の長軸短軸比が大きければ、筒状部材の断面形状は円形状に近づき、任意の筒状部材の長軸短軸比が小さければ、筒状部材の扁平の度合いが大きくなる。第1実施形態において、胴部7の長軸短軸比は一定である。なお、胴部7の長軸短軸比は、例えば、胴部7の上部7a、胴部7の中央部及び胴部7の下部において変化していてもよい。
胴部7の長軸短軸比は、例えば、0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,0.70,0.75,0.80である。また、胴部7の長軸短軸比は、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、第1実施形態において、胴部7の周面は曲面となっているが、曲面に限定されるものではない。胴部7の周面は複数の平面で構成されていてもよい。つまり、胴部7を容器本体3の中心軸Cx1(口部9の中心軸)に直交する面で断面視した形状は、例えば四角形であってもよいし、四角形以外の多角形であってもよい。
<肩部8>
肩部8の上部8aは口部9に接続され、肩部8の下部8bが胴部7に接続されている。肩部8は天井面部8ABを有する。天井面部8ABは第1天井面部8A及び第2天井面部8Bを有する。第1天井面部8Aの形状及び第2天井面部8Bの形状は同じであり、第1天井面部8A及び第2天井面部8Bは口部9を境にして対称に設けられている。第1天井面部8A及び第2天井面部8Bは、口部9を挟むように配置されている。第1天井面部8A及び第2天井面部8Bは、胴部7の長軸方向に並んでいる。第1天井面部8A及び第2天井面部8Bのうちの一方には外気導入孔15が形成されている。外気導入孔15には弁部材4が装着される。第1実施形態では、外気導入孔15は第1天井面部8Aに形成され、弁部材4は第1天井面部8Aに設けられている。
天井面部8ABは、肩部8の上部8a側から肩部8の下部8b側にかけて形成されている。
容器本体3の中心軸Cx1に平行であって弁部材4の中央(中心軸)を通る断面で容器本体3を断面視したときにおいて、天井面部8ABのうち弁部材4が設けられている部分と、中心軸Cx1に直交する直交面とがなす角度θは、0度以上であって45度以下である。具体的には、角度θは次のように定義することができる。角度θは、天井面部8ABのうち弁部材4が装着される部分を通る線L1と、中心軸Cx1に直交する直交面とがなす角度として定義することができる。図3において、中心軸Cx1に直交する直交面は線L2に対応している。つまり、角度θは、線L1と線L2とがなす角度で定義される。
ここで、図5に示すように、弁部材4が装着される部分は、弁部材4が装着される外気導入孔15の縁部Edである。弁部材4が装着される部分を通る線L1は、第1部分Ed1と第2部分Ed2とを通る直線である。弁部材4が装着される部分を通る線L1は、外気導入孔15の中心軸Cx2と直交する。縁部Edは第1部分Ed1及び第2部分Ed2を含む。第1部分Ed1及び第2部分Ed2は向かい合うように配置されている。つまり、第1部分Ed1及び第2部分Ed2は、外気導入孔15の中心軸Cx2に対して180度の角度をなすように配置されている。なお、第1実施形態において、天井面部8ABは平坦な板状部材で構成されているが、これに限定されるものではなく、天井面部8ABは湾曲した板状部材であってもよい。
角度θは、例えば、0度,5度,10度,15度,20度,25度,30度,35度,40度,45度である。また、角度θは、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。例えば、角度θは、0度以上であって45度以下として定義することができる。
<口部9>
図1に示すように、口部9の下部9aは肩部8の上部8aに接続されている。口部9は円筒状部材である。口部9の下部9aは容器本体3の外側から内側に向かう方向に凸となるように湾曲している。口部9は下部9aから口部9の上部にかけて垂直に立ち上がっている。口部9の周面には図示省略のキャップが螺合されるねじ部9A(図1参照)が形成されている。つまり、口部9はスクリュータイプのキャップと螺合するように構成されている。なお、口部9の形態はスクリュータイプに限定されるものではなく、口部9は打栓式のキャップと係合するように構成されていてもよい。
1-1-2.弁部材4
図3~図5に示すように、弁部材4は、肩部8に形成された外気導入孔15に装着され、外殻12と内袋14の間の中間空間21と外部空間S1との間の空気の出入りを調節する。外気導入孔15は、外殻12にのみ設けられた貫通孔であり、内袋14には到達していない。ここで、外殻12外の空間を外部空間S1と定義し、内袋14内の空間を内部空間S2と定義する。中間空間21は外部空間S1と内部空間S2との間に配置されている。
図3~図6Dに示すように、弁部材4は、中間空間21と外部空間S1を連通させるように構成された筒体5と、筒体5内に移動可能に収容された移動体6とを備える。筒体5及び移動体6は、射出成形などによって形成されている。移動体6は球状に構成されている。なお、移動体6の形状は球状に限定されない。筒体5には、収容空間Spと、開口部Opとが形成されている。収容空間Spは、移動体6を収容する空間である。収容空間Spは、外殻12外(外部空間S1)と中間空間21とを連通している。筒体5のうち収容空間Spが形成されている部分は、外部空間S1側において縮径している。同様に、筒体5のうち収容空間Spが形成されている部分は、中間空間21側において縮径している。このため、移動体6は筒体5から飛び出さない。筒体5の中心軸は、外気導入孔15の中心軸に一致する。ここで、筒体5の中心軸は収容空間Spを通り、また、筒体5の中心軸は移動体6の移動方向に平行又は略平行である。
1-2.弁部材4の動作説明
ユーザーが容器本体3内の内容物を流出させるときには、図7Aに示すように、ユーザーは容器本体3を傾けるため、移動体6が重力作用によって内部空間S2側から外部空間S1側へ向かう方向(内袋14側から外殻12側に向かう方向)に移動する。換言すると、移動体6が、重力作用によって中心軸Cx2方向に平行又は略平行な方向であって内袋14側から開口部Op側へ向かう方向に移動する。
移動体6が内部空間S2側から外部空間S1側へ向かう方向に移動すると、図7Bに示すように、筒体5の開口部Opが移動体6に閉塞される(非連通状態)。この状態において、ユーザーが容器本体3を押圧すると、外殻12が凹むように変形し、その結果、中間空間21の容積が小さくなるように作用する。このため、中間空間21内の空気は、筒体5の収容空間Sp及び開口部Opを介して、外部空間S1に逃げようとするが、押圧の開始時点において既に開口部Opが移動体6によって閉塞されているので、中間空間21内の空気が外部空間S1に漏れることがない。これによって、中間空間21の圧力がすみやかに上昇する。つまり、中間空間21内の空気が外部空間S1に漏れることがないので、ユーザーが容器本体3を押圧させたときの容器本体3の変形量が小さくても、内袋14が適切に加圧される。このため、第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3は、内袋14内の内容物を容器本体3からすみやかに流出させることができる。
1-3.積層剥離容器の製造方法
次に、積層剥離容器1の製造方法の一例を説明する。溶融状態の積層パリソンを押出機から押出し、この溶融状態の積層パリソンをブロー成形用の分割金型にセットし、分割金型を閉じる。次に、容器本体3の口部9側の開口部にブローノズルを挿入し、型締めを行った状態で分割金型のキャビティー内にエアーを吹き込む。その後、分割金型を開いて、ブロー成形品を取り出す。更に、積層剥離容器1の容器本体3の外殻12に外気導入孔15を形成する。その後、外気導入孔15には弁部材4が装着される。
1-4.第1実施形態の作用効果
第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の弁部材4は、天井面部8ABに設けられている。ここで、容器本体3の中心軸Cx1に平行であって弁部材4の中央(中心軸)を通る断面で容器本体3を断面視したときにおいて、天井面部8ABのうち弁部材4が設けられている部分と中心軸Cx1に直交する直交面とがなす角度θは、0度以上であって45度以下である。このため、ユーザーが容器本体3を逆さにしたときにおいて、弁部材4の軸方向が重力方向に沿うようになり、移動体6が重力作用によって移動しやすくなる。例えば、天井面部8ABと中心軸Cx2に直交する直交面とがなす角度が0度、すなわち天井面部8ABと中心軸Cx2に直交する直交面とが平行である場合には、図7Aに示すように容器本体3を逆さにすると、弁部材4の軸方向は重力方向に平行になる。
このため、ユーザーが容器本体3を逆さにしたときにおいて、移動体6は収容空間Sp内を落下し又は筒体5の壁面を転がり、移動体6は筒体5の開口部Opをすみやかに閉塞する。その結果、内袋14がより確実に加圧されることとなり、内袋14内の内容物が流出しにくくなることが抑制される。
図7Aに示すように、点眼時においてユーザーは容器本体3を逆さにする。しかし、従来のように、弁部材4が胴部7に装着されている容器本体3では、ユーザーが容器本体3を逆さにしたときに、筒体5の軸方向と重力方向とがなす角度が大きくなってしまい、移動体6が移動しない可能性がある。更に、積層剥離容器1(容器本体3)が点眼容器である場合には、ユーザーが液滴するような緩やかなスクイズをなしやすいように、容器本体3の外殻12が硬めに構成される。このため、ユーザーが容器本体3を押圧したときにおける外殻12の変形量は小さくなり、中間空間21内の空気が筒体5内にあまり流れ込まない。したがって、積層剥離容器1(容器本体3)が点眼容器である場合には、移動体6を空気の勢いで移動させる作用が小さい。しかし、第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3の弁部材4は天井面部8ABに設けられているので、弁部材4の軸方向が重力方向に沿うようになる。このように、第1実施形態に係る積層剥離容器1の容器本体3は重力作用を活用しやすく構成されているので、移動体6を空気の勢いで移動させる作用が小さくても、移動体6は収容空間Sp内を落下し又は筒体5の壁面を転がり、移動体6は筒体5の開口部Opをすみやかに閉塞する。その結果、内袋14がより確実に加圧されることとなり、内袋14内の内容物が流出しにくくなることが抑制される。
2.第2実施形態
第2実施形態は第1実施形態と相違する部分を主に説明し、同様の部分については説明を省略する。
2-1.第2実施形態の構成
<胴部7>
図8~図10に示すように、第2実施形態における容器本体3の胴部7は円筒状に構成されている。つまり、胴部7の長軸短軸比が1となっている。なお、胴部7の長軸短軸比は、必ずしも1である必要はなく、例えば、0.82,0.84,0.86,0.88,0.90,0.92,0.94,0.96,0.98,1.00ある。また、胴部7の長軸短軸比は、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<肩部8>
図8~図10に示すように、肩部8は環状に形成された天井面部8ABを有する。天井面部8ABは胴部7側から口部9側へ先細りになっているので、天井面部8ABは錐面状に形成されている。天井面部8ABは、肩部8の上部8a側から肩部8の下部8b側にかけて形成されている。容器本体3の中心軸Cx1に平行であって弁部材4の中央(中心軸)を通る断面で容器本体3を断面視したときにおいて、天井面部8ABのうち弁部材4が設けられている部分と中心軸Cx1に直交する直交面とがなす角度θは、0度以上であって20度以下となっている。つまり、第2実施形態のおける角度θは第1実施形態における角度θよりも小さくしている。
角度θは、例えば、0度,5度,10度,15度,20度である。また、角度θは、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。例えば、角度θは、0度以上であって20度以下として定義することができる。
2-2.弁部材4の動作説明
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、筒体5の中心軸は、外気導入孔15の中心軸に一致する。ユーザーが筒体5の中心軸(中心軸Cx2)と重力方向とが平行になるように容器本体3を逆さにした場合には、第2実施形態の弁部材4の動作は第1実施形態の弁部材4の動作と同様である。ここで、ユーザーは中心軸Cx2と重力方向とが平行になるように容器本体3を傾けるとは限らない。図11A及び図11Bに示すように、ユーザーは中心軸Cx2と重力方向とが鋭角を形成するように容器本体3を逆さにする場合もある。
図11A及び図11Bの違いについて説明する。図11Aは、天井面部8ABのうち弁部材4が設けられている部分が、天井面部8ABのうちで最も低くなるように傾けた状態を示している。図11Bは、天井面部8ABのうち弁部材4が設けられている部分が、天井面部8ABのうちで最も高くなるように傾けた状態を示している。図11A及び図11Bから明らかなように、図11Aに示す中心軸Cx1は重力方向に平行になっているが、図11Bに示す中心軸Cx2は重力方向に平行ではなく、重力方向となす角度が図11Aの場合と比較すると大きくなっている。
第2実施形態における胴部7の長軸短軸比は第1実施形態における胴部7の長軸短軸比よりも大きく設定している。このため、第2実施形態における胴部7は、把持される箇所の自由度が、第1実施形態における胴部7よりも、大きくなっている。つまり、第1実施形態における容器本体3は扁平な胴部7を有する形態であるので、ユーザーは対をなす周面7B1を把持する可能性が高く、周面7B2を把持する可能性は低い。そうしないと、ユーザーは容器本体3を押圧させにくい上に、指と容器本体3の周面との接触面積が狭くて持ちにくいからである。それに対し、第2実施形態における容器本体3は円筒状の胴部7を有する形態であるので、ユーザーが胴部7の周面のどの位置を把持しても、容器本体3を適切に押圧させることができるし、また、ユーザーが胴部7の周面のどの位置を把持しても、指と容器本体3の周面との接触面積は変わらない。
したがって、ユーザーは、容器本体3を傾けたときにおいて図11Aに示すような状態にする場合もあるし、図11Bに示すような状態にする場合もある。図11Bに示す状態では、筒体5の中心軸(中心軸Cx2)と、重力方向となす角度とが大きくなってしまう。
また、図11Cに示す容器本体3の天井面部8ABの角度θは、図11A及び図11Bに示す容器本体3の天井面部8ABの角度θよりも大きくしている。図11Cに示すように、容器本体3の天井面部8ABの角度θが大きくなると、筒体5の中心軸(中心軸Cx2)は、重力方向となす角度が更に大きくなる。
このため、第2実施形態における角度θは第1実施形態における角度θよりも小さくしている。これにより、図11Bに示す状態であっても、筒体5の中心軸(中心軸Cx2)は、重力方向となす角度が小さくなる。その結果、移動体6は、重力作用によって中心軸Cx2方向に平行又は略平行な方向であって内袋14側から開口部Op側へ向かう方向に移動する。
2-3.第2実施形態の作用効果
第2実施形態に係る積層剥離容器1は第1実施形態に係る積層剥離容器1と同様の作用効果を有する。
3.変形例
第1及び第2実施形態は、弁部材4が筒体5及び移動体6を備える積層剥離容器1に関する形態であったが、これらの形態に限定されるものではない。図12A及び図12Bに示すように、弁部材4の形態は、弁部材4全体が容器本体3の外気導入孔15に対し、スライド自在に設けられる形態であってもよい。
変形例に係る弁部材4は、軸部4aと、蓋部4bと、係止部4cとを備えている。軸部4aは、外気導入孔15に挿通され、且つ、外気導入孔15に対してスライド移動可能に構成されている。蓋部4bは、中間空間21側に設けられている。また、蓋部4bは、軸部4aの軸方向に垂直な断面において、軸部4aよりも断面積が大きく構成されている。軸部4aと外気導入孔15の縁部との間には隙間が形成されており、外部空間S1と内部空間S2とは連通している。蓋部4bは、軸部4aと外気導入孔15の縁部との間の隙間を閉塞する機能を有する。係止部4cは、外部空間S1側に設けられている。係止部4cは、弁部材4が中間空間21に入り込むことを防ぐ機能を有する。
ユーザーが容器本体3を傾けたときにおいて、弁部材4全体が、弁部材4に働く重力の作用によって、外気導入孔15の中心軸Cx2に平行にスライド移動する。これにより、外気導入孔15が蓋部4bによって閉塞される。その結果、ユーザーが容器本体3を押圧したときにおいて、中間空間21の圧力がすみやかに上昇し、内袋14が加圧され、容器本体3内の内容物がすみやかに流出する。変形例に係る弁部材4であっても第1及び第2実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果を有する。
1 :積層剥離容器
3 :容器本体
4 :弁部材
4a :軸部
4b :蓋部
4c :係止部
5 :筒体
6 :移動体
7 :胴部
7B1 :周面
7B2 :周面
7a :上部
8 :肩部
8A :第1天井面部
8AB :天井面部
8B :第2天井面部
8a :上部
8b :下部
9 :口部
9A :ねじ部
9a :下部
12 :外殻
14 :内袋
15 :外気導入孔
21 :中間空間
Cx1 :中心軸
Cx2 :中心軸
Ed :縁部
Ed1 :第1部分
Ed2 :第2部分
Op :開口部
R1 :最小直径
R2 :最大直径
S1 :外部空間
S2 :内部空間
Sp :収容空間
θ :角度

Claims (5)

  1. 外殻及び内袋を有する容器本体と、前記容器本体に設けられる弁部材とを備える積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、胴部と肩部と口部とを有し、
    前記胴部は、有底筒状に形成され、且つ、前記胴部の上部は、前記肩部の下部に接続され、
    前記口部の下部は、前記肩部の上部に接続され、
    前記弁部材は、前記肩部に設けられ、
    前記弁部材は、前記容器本体が逆さにされると、重力作用によって、前記外殻外と、前記外殻と前記内袋との間の中間空間とが連通した後に非連通となるように構成され、
    前記容器本体の中心軸に平行であって前記弁部材の中央を通る断面で前記容器本体を断面視したときにおいて、前記肩部のうち前記弁部材が設けられている部分と前記中心軸に直交する直交面とがなす角度は0度以上であって40度以下である、積層剥離容器。
  2. 請求項に記載の積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、扁平な前記胴部を有し、
    前記弁部材は、前記胴部の長軸の位置に設けられている、積層剥離容器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、円筒状の前記胴部を有し、
    前記肩部は、前記肩部の前記上部側から前記肩部の前記下部側にかけて錐面状に形成され、
    前記角度は0度以上であって20度以下である、積層剥離容器。
  4. 請求項1~請求項の何れか1つに記載の積層剥離容器であって、
    前記弁部材は、筒体と移動体とを有し、
    前記筒体には、収容空間が形成され、
    前記収容空間は、前記外殻外と、前記中間空間と、を連通しており、
    前記移動体は、前記収容空間に設けられ、且つ、前記移動体は、前記収容空間を移動可能である、積層剥離容器。
  5. 請求項1~請求項の何れか1つに記載の積層剥離容器であって、
    前記積層剥離容器は点眼容器である、積層剥離容器。
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