JP7244225B2 - 繊維補強コンクリート部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維補強コンクリート部材の製造方法に関する。
近年、未硬化状態のコンクリートやモルタル(以下、これらをまとめてコンクリート材料という場合がある)に所定量の繊維を混入させることによって、コンクリートの靭性を高めてコンクリートを補強した繊維補強コンクリートが注目されている。繊維補強コンクリートは、トンネルの吹き付けや道路の舗装、建築物における土間コンクリート、基礎構造や脚部、コンクリ-ト二次製品等に広く使用されている。コンクリート材料に混入させる繊維の種類は、繊維補強コンクリートの使用目的や繊維が混入されるコンクリート材料の種類等を勘案して適宜選択される。
例えば、特許文献1には、高強度鋼繊維補強コンクリートを適用したずれ止め構造が開示されている。このずれ止め構造は、橋梁の鋼桁と鉄筋コンクリート橋脚との接合に適用可能である。
特開2011-196098号公報
特許文献1に記載されている高強度鋼繊維補強コンクリートは、鋼殻をはじめとする型枠内への充填及び打設終了後に、特殊な養生を施すことなく、一般的な湿潤養生で完成させることができる。しかしながら、特許文献1に記載されているずれ止め構造を構築する際に、流動性を有する練り上げ直後の高強度鋼繊維補強コンクリートを鋼殻(型枠)内に充填すると、未硬化状態のコンクリートの流動に伴って繊維が所望の方向とは異なる方向に配向する場合があった。すなわち、従来の繊維補強コンクリートでは、繊維の配向を制御することが難しいという問題があった。繊維の方向が所望の方向とは異なる、あるいは繊維の配向に偏りが生じると、硬化後の繊維補強コンクリート及び繊維補強コンクリートを用いた構造物の力学性能に影響を及ぼす虞があった。
上述の問題に対応する一つの方法として、繊維補強コンクリートを打設している最中又は直後(すなわち、未硬化状態のとき)に、回転自在な円盤を備えた整流器を打設したコンクリート中に挿入し、円盤を回転させながら繊維を所望の方向に沿って動かす方法が提案されている。しかしながら、この方法では、コンクリートの打設後に整流器を動かす手間と労力と時間を要し、煩雑である。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、繊維の配向を容易に制御可能な繊維補強コンクリート部材の製造方法を提供する。
本発明の繊維補強コンクリート部材の製造方法は、未硬化状態のコンクリート又はモルタルに複数の繊維を混入させて繊維入りコンクリートを生成する繊維入りコンクリート生成工程と、前記繊維入りコンクリートを付加製造装置のノズルから所定の位置に押し出して繊維補強コンクリート体を施工する繊維補強コンクリート体施工工程と、を備え、前記繊維の直径は、0.005mm以上1.0mm以下であり、前記複数の繊維の平均長さは、3mm以上30mm以下であり、前記ノズルは、大径部と、該大径部の押出方向の先端に連結された小径部と、を備え、前記小径部の押出方向の先端に押出口が形成されており、前記ノズルの前記押出口の幅は、前記複数の繊維の平均長さより短く、前記ノズルの前記小径部の長さは、前記複数の繊維の平均長さより長いことを特徴とする。
本発明の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、繊維入りコンクリートを付加製造装置のノズル(以下、単にノズルという場合がある)から押し出すだけで、それぞれの繊維が造形(プリント)方向に配向されやすく、複数の繊維が整列しやすくなる。このことによって、繊維補強コンクリート体で構成される繊維補強コンクリート部材中の繊維の配向が容易に制御される。
本発明の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、繊維入りコンクリートがノズルの押出口付近に集められて押出口から押し出される過程において、繊維の長手方向が押出口を含む面に略直交する方向に配向されるので、ノズルの押出口の直径が複数の繊維の平均長さ以上である場合に比べて、複数の繊維がより確実に整列する。
本発明の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、繊維の配向を容易に制御できる。
本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能な繊維補強コンクリート部材の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能な別の繊維補強コンクリート部材の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能なさらに別の繊維補強コンクリート部材の平面図である。 図4に示す繊維補強コンクリート部材をD-D´線で矢視した断面図である。 図4に示す繊維補強コンクリート部材の製造方法を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能な他の繊維補強コンクリート部材の図であり、図4に示すD-D´線で矢視した場合に対応する断面図である。 本発明の一実施形態に係る繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能なさらに他の繊維補強コンクリート部材の図であり、図4に示すD-D´線で矢視した場合に対応する断面図である。
以下、本発明を適用した繊維補強コンクリート部材の製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
(繊維補強コンクリート部材の製造方法)
本実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法は、繊維入りコンクリート生成工程(以下、単に生成工程という場合がある)と、設置工程と、繊維補強コンクリート体施工工程(以下、単に施工工程という場合がある)と、を備える。以下、各工程について説明する。
[生成工程]
生成工程では、コンクリート材料に複数の繊維を混入させて繊維入りコンクリートを生成する。本実施形態で使用するコンクリート材料は、未硬化状態で適度な流動性を有するコンクリート又はモルタルであり、公知のものを使用できるが、例えば積層造形が適切に行えるように、形状保持性やチキソトロピー性を有し、さらに積層プロセスにおいて適度に硬化して短時間で高い強度を発現する材料であることが好ましい。
コンクリート材料に混入させる繊維は、金属又は樹脂からなる短繊維である。本発明で使用される繊維の直径に制限はないが、短繊維の直径は例えば0.005mm以上1.0mm以下であることが好ましい。複数の繊維の平均長さは、例えば3mm以上30mm以下であることが好ましい。なお、後述するノズル10の押出口18の内径に対して、繊維の長さが長いほうが、繊維がより確実に整列する。
繊維は、コンクリート材料に対して、例えば0.1容量%以上5.0容量%以下で混入されることが好ましい。詳しくは、繊維入りコンクリートが空気中で形状を維持可能な程度、かつ繊維入りコンクリートの乾燥収縮ひび割れを抑制できる程度に、コンクリート材料における繊維の割合を調整する。繊維入りコンクリートの硬化後に、外力に抗して繊維補強コンクリート体の引張靭性を発揮させるためには、繊維がコンクリート材料に対して1.0容量%以上で混入されることが好ましい。
[設置工程]
製造対象の繊維補強コンクリート部材の形状に合わせて、次に説明する施工工程で少なくともノズル10を移動可能にするために、図1に示すノズル10を有する付加製造装置(ノズル10以外の部分は不図示)を施工現場に設置する。また、付加製造装置も移動可能とし、付加製造装置のX方向及びY方向の位置やZ方向の高さを変更できるようにするため、現場にレールやリフトをさらに設けてもよい。
[施工工程]
施工工程では、図1に示すように、生成工程で生成された繊維入りコンクリートFCを付加製造装置に供給し、繊維入りコンクリートFCを付加製造装置のノズル10から所定の位置に押し出して繊維補強コンクリート体ACを施工する。本実施形態の製造対象の繊維補強コンクリート部材は、繊維入りコンクリートFCを層状に接合することによって形成される部材であり、層状に接合された繊維補強コンクリート体ACによって構成される部材である。
ノズル10は、大径部12と、大径部12の押出方向Pの先端に連結された小径部14と、を備える。大径部12及び小径部14は略四角柱状に形成され、大径部12の中空部と小径部14の中空部とは連結部16で接続されている。
大径部12及び小径部14の形状は特に限定されないが、未硬化状態のコンクリートC中又はモルタルM中(すなわち、コンクリート材料中)の複数の繊維Fをより確実に整列させる点から、小径部14は少なくとも押出方向Pに沿って同じ大きさの断面を有する柱状であることが好ましい。すなわち、小径部14の内壁面14eの幅(すなわち、ノズル10の長手方向及び押出方向Pに直交する方向の大きさ)wは、ノズル10の長手方向及び押出方向Pに沿って均一であることが好ましい。ここで、「複数の繊維Fが整列する」とは、複数の繊維Fの長手方向が互いに平行になり、かつ、任意の方向に沿って揃うことを意味する。
小径部14の押出方向Pの先端には、押出口18が設けられている。押出口18の幅(大きさ、すなわち、ノズル10の長手方向及び押出方向Pに直交する方向の幅)gは、本実施形態では幅wに等しい。幅gは、複数の繊維Fの平均長さより短いことが好ましい。小径部14において押出方向Pに沿って押し出されるコンクリート材料中の複数の繊維Fを確実に整列させる点から、小径部14の長さ(すなわち、ノズル10の長手方向及び押出方向Pに平行な方向の大きさ)は、複数の繊維Fの平均長さより長いことが好ましい。
施工工程では、繊維入りコンクリートFCを所定の位置でノズル10の押出口18から押し出しつつ、所定の位置に所謂3次元プリントし、積層する。層状に繊維入りコンクリートFCを押し出す。この際、繊維入りコンクリートFCを、製造対象の繊維補強コンクリート部材の形状に合わせて複数回(例えば、図1ではZ方向に3回であり、図2ではY方向に3回、Z方向に2回)にわたって押し出してもよく、製造対象の繊維補強コンクリート部材の形状をなぞるように1回で押し出してもよい。
なお、Z方向(高さ方向)において隣接する繊維入りコンクリートFCを3次元プリントする方向(以下、プリント方向とする)Tを平面視で互いに90°ずらしてもよい。本実施形態では、不図示の床面又は地面に対して平行かつ互いに直交する方向をX方向及びY方向とし、前述の床面又は地面に対して直交する方向をZ方向とする。
繊維入りコンクリートFCは、所定の時間の経過と共に硬化し、隣接する繊維入りコンクリートFCの表面同士が接合し、繊維補強コンクリート体ACが施工される。製造対象の繊維補強コンクリート部材の形状に合わせて押し出された繊維入りコンクリートFCを全て繊維補強コンクリート体ACとして施工することによって、施工工程が完了する。なお、図1では、Z方向の最下層及び下から2層目を繊維補強コンクリート体ACとしているが、最下層及び下から2層目のそれぞれの未硬化状態で最上層の繊維入りコンクリートFCを設けた場合は、Z方向の最下層及び下から2層目は繊維入りコンクリートFCである。
また、設置工程は施工工程前に行うが、生成工程と施工工程は、並行して行ってもよい。例えば、製造対象の繊維補強コンクリート部材の製造に必要とされる繊維入りコンクリートFCの総量に対して、ノズル10の中空部に収容可能な繊維入りコンクリートFCの量が少ない場合は、生成工程で生成された繊維入りコンクリートFCをノズル10の中空部に供給しつつ、施工工程でノズル10から繊維入りコンクリートFCを所定の位置に押し出してもよい。
[作用効果]
以上説明した本実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、上述の生成工程及び施工工程を備えるので、ノズル10から繊維入りコンクリートFCを押し出すだけで、図2に示すようにそれぞれの繊維Fの長手方向を造形方向、すなわちプリント方向Tと平行に配向させ、かつ複数の繊維Fを容易に整列させることができる。図2には、X方向をプリント方向Tとして、Y方向に3層の繊維補強コンクリート体AC、Z方向に2層の繊維補強コンクリート体ACが積層された繊維補強コンクリート部材M1が例示されている。繊維補強コンクリート部材M1では、複数の繊維補強コンクリート体ACのそれぞれに複数含まれる繊維Fがプリント方向Tに対して平行に整列されている。このことによって、配向制御による材料の不均一性を回避することができ、プリント方向Tに沿った外力作用に対して、繊維による補強効果をより効率的に発揮させることができる。
また、本実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、ノズル10から繊維入りコンクリートFCを押し出すだけで、繊維補強コンクリート体ACを施工でき、型枠不要とし、作業時間及び工程数を減じることができる。
また、本実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法によれば、ノズル10の押出口18の幅gは、複数の繊維Fの平均長さより短い。このことによって、繊維入りコンクリートFCがノズル10の大径部12の中空部から、連結部16を介して小径部14の中空部に集められる際に、大径部12の中空部内でランダムに配向していた複数の繊維Fを、図1に示すように、順次押出方向Pに沿って概ね配向させることができる。さらに、押出口18の押出方向Pの前後で繊維Fを確実に押出方向Pに配向させることができる。その結果、押出口18の幅が複数の繊維Fの平均長さ以上である場合に比べて、押出口18から押し出された繊維入りコンクリートFCの複数の繊維Fをプリント方向Tに対して平行にし、容易かつ確実に整列させることができる。
また、本実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法では、Z方向において隣接する繊維入りコンクリートFCのプリント方向Tを平面視で互いに90°ずらすことができる。このことによって、図3に示すように、Z方向で隣接する繊維補強コンクリート体AC中の繊維Fの長手方向(すなわち、配向)を互いに90°ずらすことができる。その結果、例えば図2に示す繊維補強コンクリート部材M1のように繊維Fの長手方向がX方向に揃っている場合に比べて、図3に示す繊維補強コンクリート部材M2は、材料の異方性を弱めることができる。すなわち、多方向(X方向とy方向の両方)に外力が作用する場合であっても、繊維の補強効果を発揮させると共に、部材の靭性を高めることができる。
(繊維補強コンクリート部材の例)
次に、上述の実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法によって製造可能な繊維補強コンクリート部材の例を説明する。
[第1例]
図4に示す繊維補強コンクリート部材M3は、既存の柱Lの基部L0の外周から基部L0に当接して設けられ、柱Lの靭性を向上させる。
図5に示すように、柱Lは、フーチング(又はスタブ)Sと、鉄筋コンクリート柱LCと、を備える。
繊維補強コンクリート部材M3は、Z方向に積層された複数の繊維補強コンクリート体AC1によって構成されている。繊維補強コンクリート体AC1は、基部L0の外周から基部L0に当接するように形成されている。
図6に示すように、繊維補強コンクリート部材M3を製造する際は、上述の実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法の施工工程において、付加製造装置のノズル10を基部L0の外周部上方で周回させ、ノズル10から、繊維入りコンクリートFCを基部L0に当接させつつ、基部L0の全周に押し出し、Z方向の最下層の繊維補強コンクリート体AC1を施工する。
続いて、ノズル10を基部L0の外周部かつ最下層の繊維補強コンクリート体AC1の上方で周回させ、繊維入りコンクリートFCをノズル10から、基部L0に当接させつつ、基部L0の全周に押し出してZ方向の2層目の繊維補強コンクリート体AC1を施工する。
なお、図6では、Z方向の最下層から下から3層目までを繊維補強コンクリート体AC1としているが、これらのいずれかの未硬化状態で最上層の繊維入りコンクリートFCを設けた場合は、前述の未硬化状態の層は繊維入りコンクリートFCである。
同様の工程を続け、所定の層数の繊維補強コンクリート体AC1を施工することによって、繊維補強コンクリート部材M3が完成する。
上述の繊維補強コンクリート部材M3の製造方法によれば、型枠等を用いることなく、ノズル10から繊維入りコンクリートFCを押し出すだけで、それぞれの繊維Fの長手方向を基部L0の外周面に沿った造形方向、すなわちプリント方向Tと平行に配向させ、かつ複数の繊維Fを容易に整列させることができる。したがって、柱Lの基部L0の靭性を補強する繊維補強コンクリート部材M3を容易に製造できる。
[第2例]
第1例の繊維補強コンクリート部材M3の変形例として、図7に示す繊維補強コンクリート部材M4が挙げられる。なお、繊維補強コンクリート部材M4の構成のうち、繊維補強コンクリート部材M3と共通する構成には、繊維補強コンクリート部材M3と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7に示すように、繊維補強コンクリート部材M4では、Z方向に複数積層された繊維補強コンクリート体AC1の外周に、それぞれZ方向に複数積層された繊維補強コンクリート体AC2,AC3,・・・ACX(Xは2以上の任意の自然数)が設けられている。繊維補強コンクリート体AC2は、繊維補強コンクリート体AC1の外周からX方向又はY方向において繊維補強コンクリート体AC1に当接するように形成されている。繊維補強コンクリート体AC3は、繊維補強コンクリート体AC2の外周からX方向又はY方向において繊維補強コンクリート体AC2に当接するように形成されている。さらに、繊維補強コンクリート体ACXは、繊維補強コンクリート体AC(X-1)の外周からX方向又はY方向において繊維補強コンクリート体AC(X-1)に当接するように形成されている。繊維補強コンクリート体AC2,AC3,・・・,ACXのそれぞれのZ方向の層数は、繊維補強コンクリート体AC1,AC2,・・・,AC(X-1)のそれぞれのZ方向の層数より小さい。
繊維補強コンクリート部材M4を製造する際は、上述の繊維補強コンクリート部材M3の製造方法の完了後に、付加製造装置のノズル10を最下層の繊維補強コンクリート体AC1の外周部上方で周回させ、ノズル10から、繊維入りコンクリートFCを最下層の繊維補強コンクリート体AC1に当接させつつ、最下層の繊維補強コンクリート体AC1の全周に押し出し、Z方向の最下層の繊維補強コンクリート体AC2を施工する。その後、繊維補強コンクリート部材M3の製造方法における繊維補強コンクリート体AC1の積層工程と同様に、繊維補強コンクリート体AC2をZ方向に積層する。
続いて、ノズル10を繊維補強コンクリート体AC2の外周部上方で周回させ、複数の繊維補強コンクリート体AC2の製造工程と同様に、繊維補強コンクリート体AC2と当接させつつ繊維補強コンクリート体AC2の外周部に複数の繊維補強コンクリート体AC3を積層する。このように繊維補強コンクリート体ACの配置及び積層を繰り返し、最後に、ノズル10を繊維補強コンクリート体AC(X-1)の外周部上方で周回させ、繊維補強コンクリート体AC(X-1)と当接させつつ、繊維補強コンクリート体AC(X-1)の外周部に繊維補強コンクリート体ACXを施工する。これらの工程によって、繊維補強コンクリート部材M4が完成する。
上述の繊維補強コンクリート部材M4の製造方法によれば、型枠等を用いることなく、繊維補強コンクリート部材M3の製造時と共通のノズル10から繊維入りコンクリートFCを押し出すだけで、それぞれの繊維Fの長手方向を基部L0の外周面に沿った造形方向、すなわちプリント方向Tと平行に配向させ、かつ複数の繊維Fを容易に整列させることができる。図7に示すように、繊維補強コンクリート体AC1,AC2,AC3,・・・,ACXのそれぞれの幅や高さを適度に調整し、従来のように型枠を用いた施工では困難な曲面(図7の二点鎖線)に沿うような形状の繊維補強コンクリート部材M4を施工できる。すなわち、本実施形態のように付加製造技術に基づいて、力学的に最適な構造(繊維補強コンクリート部材)を施工できる。また、既設の柱Lの基部L0の靭性を補強し、繊維補強コンクリート部材M3とは形状の異なる繊維補強コンクリート部材M4であっても容易に製造できる。なお、繊維補強コンクリート部材M3,M4の製造方法で用いるノズル10は互いに異なっていても構わない。
[第3例]
第1例の繊維補強コンクリート部材M3の変形例として、図8に示す繊維補強コンクリート部材M5が挙げられる。なお、繊維補強コンクリート部材M4の構成のうち、繊維補強コンクリート部材M3と共通する構成には、繊維補強コンクリート部材M3と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、繊維補強コンクリート部材M5では、複数の繊維補強コンクリート体AC1は、X方向又はY方向において柱Lの基部L0に対して間隔をあけて施工されている。基部L0と繊維補強コンクリート部材M5との間の領域Rには、繋ぎ筋LB2が鉛直方向に沿ってフーチングSの上方からフーチングSの内部に埋まるように設けられている。繋ぎ筋LB2は、略直線状の鉄筋であり、柱Lの外表面から所定の間隔をおいて、柱Lの外周を取り囲むようにして環状に設置される。繋ぎ筋LB2は、必ずしもフーチングSに埋込まれる必要はなく、フーチングSの上に配置されるだけでもよい。フーチングGより上方の繋ぎ筋LB2の長さは、繊維補強コンクリート部材M5と略同等である。鉄筋LB2を芯として、不図示かつ繊維Fを含まないコンクリート材料、あるいは繊維入りコンクリートFCが領域Rに打ち込まれる。
繊維補強コンクリート部材M5は、繊維入りコンクリートFCを基部L0に当接させずにX方向又はY方向において基部L0と間隔をあけること以外は、繊維補強コンクリート部材M3と同様の製造工程によって製造できる。また、柱Lを除く図8に示す構造物を製造する際には、領域Rに繋ぎ筋LB2を埋設あるいは配置し、繊維補強コンクリート部材M5の製造後に、領域Rに繊維Fを含まないコンクリート、あるいは繊維入りコンクリートFCを打ち込み、硬化させる。なお、繋ぎ筋LB2の配置は、繊維補強コンクリート部材M5の製造前、製造と同時、製造後のいずれで行っても構わない。繋ぎ筋LB2をフーチングSの内部に埋め込む場合は、繋ぎ筋LB2の配置を繊維補強コンクリート部材M5の製造前に行うと、やり易い。
上述の繊維補強コンクリート部材M5の製造方法によれば、繊維補強コンクリート部材M3と同様に、繊維Fの配向を容易に制御し、既存の柱Lの靭性を補強する繊維補強コンクリート部材M5を製造できる。また、このような製造方法は、繊維補強コンクリート部材M5の製造前、製造と同時及び製造後に、繋ぎ筋LB2や繊維Fを含まないコンクリート材料の打ち込み工程と組み合わせて容易に実施できる。
なお、繋ぎ筋LB2は、領域Rに施工されるコンクリート部材の曲げ耐力を向上させる目的で施工されるものであり、前述の目的が不要である場合は省略できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、ノズル10の押出口18の形状(すなわち、押出方向Pに沿って見たときの形状)は、略矩形に限らず、円形、5以上の多角形等であってもよい。押出口18の形状は、押出口18から押し出される繊維入りコンクリートFCや繊維補強コンクリート体ACの形状に反映されるので、繊維入りコンクリートFCや繊維補強コンクリート体ACの形状に合わせて適宜変更される。また、ノズル10は、小径部14が大径部12に対して着脱可能であってもよく、前述のように繊維入りコンクリートFCや繊維補強コンクリート体ACの形状に合わせて形状の異なる複数の小径部14を交換取り付け可能であってもよい。
また、繊維補強コンクリート部材M3において、プリント方向T1,T2が平面視で互いに90°で交差している必要はなく、任意の角度で交差していてもよい。プリント方向T1,T2が互いに交差する角度を変えることによって、繊維補強コンクリート体ACの力学的性質を調整できる。
さらに、繊維補強コンクリート部材M4において、繊維補強コンクリート体AC1,AC2,AC3,・・・,ACXのそれぞれのZ方向の層数は、基部L0から離間するにしたがって減少しているが、繊維補強コンクリート体AC1,AC2,AC3,・・・,ACXの層数は特に限定されない。上述の実施形態の繊維補強コンクリート部材の製造方法では、繊維補強コンクリート体の層数、配置は自在に設定及び変更できる。
10 ノズル
18 押出口
F 繊維
FC 繊維入りコンクリート
AC,AC1,AC2,AC3,AC(X-1),ACX 繊維補強コンクリート体
M1,M2,M3,M4,M5 繊維補強コンクリート部材

Claims (1)

  1. 未硬化状態のコンクリート又はモルタルに複数の繊維を混入させて繊維入りコンクリートを生成する繊維入りコンクリート生成工程と、
    前記繊維入りコンクリートを付加製造装置のノズルから所定の位置に押し出して繊維補強コンクリート体を施工する繊維補強コンクリート体施工工程と、
    を備え、
    前記繊維の直径は、0.005mm以上1.0mm以下であり、
    前記複数の繊維の平均長さは、3mm以上30mm以下であり、
    前記ノズルは、大径部と、該大径部の押出方向の先端に連結された小径部と、を備え、
    前記小径部の押出方向の先端に押出口が形成されており、
    前記ノズルの前記押出口の幅は、前記複数の繊維の平均長さより短く、
    前記ノズルの前記小径部の長さは、前記複数の繊維の平均長さより長いことを特徴とする繊維補強コンクリート部材の製造方法。
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