JP7286441B2 - 中空構造物の構築方法 - Google Patents

中空構造物の構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7286441B2
JP7286441B2 JP2019119573A JP2019119573A JP7286441B2 JP 7286441 B2 JP7286441 B2 JP 7286441B2 JP 2019119573 A JP2019119573 A JP 2019119573A JP 2019119573 A JP2019119573 A JP 2019119573A JP 7286441 B2 JP7286441 B2 JP 7286441B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
air
air film
hollow structure
constructing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019119573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021004516A (ja
Inventor
大季 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Corp filed Critical Shimizu Corp
Priority to JP2019119573A priority Critical patent/JP7286441B2/ja
Publication of JP2021004516A publication Critical patent/JP2021004516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7286441B2 publication Critical patent/JP7286441B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

本発明は、中空構造物の構築方法に関する。
一般に、橋脚等の鉄筋コンクリート構造物を施工する際には、まず、足場を組み立て、基礎に鉄筋を組み立て、鉄筋を囲むように型枠を組み立て、型枠内にコンクリートを打ち込み、コンクリートの養生、硬化後に型枠を解体する(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-214290号公報
従来の構築方法では、板材や鋼殻等のように所定形状を有する型枠を設置し、型枠で囲まれた空間内にコンクリート材料を充填することで構造物を構築していた。ここで、シェル構造やドーム構造、アーチカルバート等のように水平方向に張り出した中空構造物を構築する場合には、所定形状の型枠を中空部に対応する形状に設置するとともに、型枠を支保工により十分な強度で支持させ、型枠により囲まれた空間内にコンクリート材料を打設して充填していた。しかも完成後には型枠及び支保工を撤去することも必要であった。そのためシェル構造やドーム構造、アーチカルバート等の中空構造物の構築には著しく手間を要していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定形状の型枠や支保工等を設置することなく中空構造物を容易に構築できる中空構造物の構築方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の中空構造物の構築方法は、中空構造物の中空部に対応した形状の空気膜を設置する空気膜設置工程と、前記空気膜で覆われる内側に空気を圧入し、内圧により前記空気膜を外向きに加圧する空気圧入工程と、未硬化状態の水硬性混合物を前記空気膜の外面に配置することで構造体を施工する構造体施工工程と、を備え、前記構造体施工工程では、付加製造装置を用いて前記水硬性混合物を角柱状、円柱状または小判型柱状に押出しながらノズルを前記空気膜の外面に沿って移動させることで、所定形状の前記構造体を施工し、前記水硬性混合物には複数の繊維が混入されており、前記複数の繊維は整列した状態で前記ノズルから吐出されることを特徴としている。
本発明によれば、中空構造物の中空部に対応した形状の空気膜を設置し、内圧により外向きに加圧した状態で、空気膜の外面に水硬性混合物を配置して構造体を施工するため、所定形状の型枠や支保工等を設置しなくても、中空構造物の形状に応じて水硬性混合物を配置でき、シェル構造やドーム構造、アーチカルバート等の中空構造物を容易に構築することが可能である。なお、水硬性混合物とは、種々のセメント系材料(例えば、セメントペースト、モルタル、コンクリート)、およびジオポリマー組成物などを含むものであり、形状保持性および速硬性を有する材料のことである。また、シェル構造には、筒形シェル、球形シェル、鞍形シェル、任意形状シェル(楕円放物面シェル、双曲放物面シェル等)、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。
また、この構築方法では、付加製造装置を用いて所定位置に所定形状の構造体を容易に配置できるため、所定形状の型枠を用いなくても中空構造物を確実に、かつ、容易に施工できる。
本発明の中空構造物の構築方法において、前記空気膜設置工程では、前記空気膜にケーブルを係止することで前記空気膜の変形を抑制してもよい。
この構築方法では、構造体施工工程において空気膜の外面に水硬性混合物を配置しても空気膜の変形を抑制でき、構造体を所定形状に施工し易い。
本発明の中空構造物の構築方法では、前記構造体施工工程において、前記空気膜の外面に繊維補強複合材料を配置してもよい。
この構築方法では、未硬化状態のモルタルに複数の繊維が混入された繊維補強複合材料を前記空気膜の外面に配置することで繊維補強構造体を施工することができるため、構造的に補強された中空構造体を容易に施工することができる。
本発明の中空構造物の構築方法によれば、所定形状の型枠や支保工等を設置することなく中空構造物を容易に構築することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る構築方法により構築する中空構造物を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法で設置される空気膜の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法を説明する図で、構造体施工工程の施工途中を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法を説明する図で、付加製造装置のノズルから繊維入りモルタルを吐出する状態を示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法を説明する図で、空気膜の外面に繊維補強構造体を角柱状に吐出した状態を示す部分斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法の変形例を説明する図で、構造体施工工程の施工途中を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る構築方法の他の変形例を説明する図で、構造体施工工程の施工途中を示す概略正面図である。 本発明の第2実施形態に係る構築方法を説明する図で、(a)は構造体施工工程の施工途中を示す概略斜視図、(b)は構築された中空構造物の平面図、(c)は(b)のZ-Z線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係る構築方法により構築された中空構造物(鞍形シェル)を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る構築方法により構築された中空構造物(楕円放物面シェル)を示す斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本実施形態の中空構造物の構築方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、繊維入りモルタルを用いて中空構造物を構築する場合について説明する。
(中空構造物)
本実施形態で構築する中空構造物Xは、例えば筒形シェルや道路、水路のアーチカルバートの頂版部などの構造物であり、図1(a)、(b)に示すように、基礎等に設置された幅方向両側の基部Xbと、この基部Xbから上方及び水平方向に張り出したアーチ部(屋根部)Xaと、を備えている。アーチ部Xaの内側には、略半円弧状断面形状で一軸方向に延びる中空部Xcが形成されている。
(中空構造物の構築方法)
本実施形態の中空構造物Xの構築方法は、空気膜設置工程と、空気圧入工程と、繊維入りモルタル生成工程(以下、単に生成工程という場合がある)と、繊維補強構造体施工工程(以下、単に構造体施工工程又は施工工程という場合がある)と、を備える。
以下、各工程について説明する。
(空気膜設置工程)
空気膜設置工程では、図2に示すように、中空構造物Xの構築位置に、中空構造物Xの中空部Xcに対応した形状の空気膜Sを設置する。
空気膜Sは、施工工程で外面Soに繊維入りモルタルFCを配置しても損傷を生じない十分な強度を有するとともに可撓性を有する膜材料からなる。
空気膜Sは、中空構造物Xの中空部Xcに対応した形状に作製されており、空気圧入工程で膨張したときに形状の変形を抑制するために、図示しないケーブルが適宜配設・係止されている。
また本実施形態の空気膜Sには、一軸方向に延びる中空部Xcに対応した形状の両端側に、空気膜Sで覆われた内側に加圧空気を保持するための端部閉塞膜Seが設けられている。端部閉塞膜Seは、空気膜Sの他の部分と着脱可能に構成されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。また、端部閉塞膜Seは、空気膜Sと別の素材で形成されていてもよく、また、出入り口(不図示)が設けられていてもよい。
(空気圧入工程)
空気圧入工程では、図2に示すように、空気膜設置工程で構築位置に設置された空気膜Sで覆われる内側に空気を圧入し、内圧により空気膜Sを外向きに加圧する(図2の矢印参照)。
本実施形態では、空気膜Sが構築位置に設置されると、中空部Xcに対応する形状を有して両端側が閉じられた内部空間Scが形成される。内部空間Scにブロア等を用いて空気を圧入することで内部空間Scの内圧を高め、空気膜Sを膨張させることができる。これにより空気膜Sが構築する中空構造物Xに対応した所定形状に成形され、その形状が保たれるとともに、外向きに加圧された状態となる。
(繊維入りモルタル生成工程)
生成工程では、未硬化状態のモルタル材料に複数の繊維を混入させて繊維入りモルタルを作製する。
本実施形態で使用するモルタル材料は、未硬化状態で適度な流動性を有するコンクリート又はモルタルであり、公知のものを使用できる。モルタル材料は、例えば積層造形が適切に行えるように、形状保持性やチキソトロピー性を有し、さらに積層プロセスにおいて適度に硬化して短時間で高い強度を発現する材料であることが好ましい。
モルタル材料に混入させる繊維は、化学的に合成された高分子からできた繊維、または無機質からなる繊維である。前者としては、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維などがある。後者としては、ガラス繊維、鋼繊維、炭素繊維、岩石繊維(バサルトなど)、セラミック繊維、シリカ繊維などがある。本実施形態で使用される繊維の直径に制限はないが、短繊維の直径は例えば0.005mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、短繊維の平均長さは、例えば3mm以上30mm以下であることが好ましい。
繊維は、モルタル材料に対して、例えば0.1容量%以上5.0容量%以下で混入されることが好ましい。詳しくは、繊維入りモルタルが空気中で形状を維持可能な程度、かつ繊維入りモルタルの乾燥収縮ひび割れを抑制できる程度に、モルタル材料における繊維の割合を調整する。繊維入りモルタルの硬化後に、外力に抗して繊維補強構造体の引張靭性を発揮させるためには、繊維がモルタル材料に対して1.0容量%以上で混入されることが好ましい。
(繊維補強構造体施工工程)
繊維補強構造体施工工程では、図3に示すように、未硬化状態のコンクリート又はモルタルに複数の繊維を混入した繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面Soに配置していくことで、空気膜Sの外面Soに連続した繊維補強構造体(構造体)ACを施工する。
繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面Soに配置するために、本実施形態では、空気膜Sの外側に配置された付加製造装置10を用いてセメント系材料(繊維入りモルタルFC)を自動施工する。
付加製造装置10は,自動制御により指定位置にセメント系材料を押出しあるいは吹付けて積層造形する装置であり、自走システムを有している。なお、図示した付加製造装置10は一例であり、この形態に限定されない。
図3~図4に示すように、本実施形態の付加製造装置10では、生成工程で作製された繊維入りモルタルFCが供給されると、付加製造装置10のノズル11から角柱状、円柱状または小判型柱状の繊維入りモルタルFCを順次に押し出すことができる。
繊維入りモルタルFCをノズル11から順次押出しながらノズル11を空気膜Sの外面Soに沿って移動させることで、空気膜Sの外面Soに角柱状、円柱状または小判型柱状に吐出された繊維補強構造体ACを並べて配置することができる。つまり、本実施形態では、付加製造装置10を用いて、所謂3次元プリントを行って、繊維補強構造体ACを施工する。なお、本実施形態では、角柱状に押し出している。
図4に示すように、ノズル11は、大径部12と、大径部12の押出方向Pの先端に連結された小径部14と、を備える。大径部12及び小径部14は略四角筒状に形成され、大径部12の中空部と小径部14の中空部とは連結部16で接続されている。
大径部12及び小径部14の形状は特に限定されないが、未硬化状態のコンクリートC中又はモルタルM中(すなわち、モルタル材料中)の複数の繊維Fをより確実に整列させる点から、小径部14は少なくとも押出方向Pに沿って同じ大きさの断面を有する筒状であることが好ましい。すなわち、小径部14の内壁面14eの幅(すなわち、ノズル11の長手方向及び押出方向Pに直交する方向の大きさ)wは、ノズル11の長手方向及び押出方向Pに沿って均一であることが好ましい。ここで、「複数の繊維Fが整列する」とは、複数の繊維Fの長手方向が互いに平行になり、かつ、押出方向Pに沿って揃うことを意味する。
小径部14の押出方向Pの先端には、押出口18が設けられている。押出口18の幅(大きさ、すなわち、ノズル11の長手方向及び押出方向Pに直交する方向の幅)gは、本実施形態では幅wに等しい。幅gは、複数の繊維Fの平均長さより小さいことが好ましい。
小径部14において押出方向Pに沿って押し出されるモルタル材料中の複数の繊維Fを確実に整列させる点から、小径部14の長さ(すなわち、ノズル11の長手方向及び押出方向pに平行な方向の大きさ)は、複数の繊維Fの平均長さより長いことが好ましい。
本実施形態の押出口18は角筒形状の小径部14の断面形状を有しており、繊維入りモルタルFCを角柱状に押出し可能となっている。
施工工程では、繊維入りモルタルFCを所定の位置でノズル11の押出口18から押出しながら、空気膜Sの外面Soに沿ってノズル11を移動させることで、角柱状に吐出された繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面Soに所謂3次元プリントを行う。すなわち、角柱状に吐出された繊維入りモルタルFCを、アーチ部Xaの横断方向に連続するように空気膜Sの外面So上に順次配置する。
さらに、先に空気膜Sの外面So上に配置された繊維入りモルタルFCに沿って隣接するように並べて、次の繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面Soに沿って配置する。
そして、角柱状の繊維入りモルタルFCを順次施工することで、図5に示すように、空気膜Sの外面Soに角柱状に吐出された隣り合う繊維入りモルタルFC同士が密着乃至重複した状態で接合一体化する。これにより空気膜Sの外面So上で繊維補強構造体ACが連続した一体形状に形成される。ここで、水平方向に隣り合う繊維入りモルタルFCを施工する時間間隔は短くすることが好ましい。なお、空気膜Sの外面So上に繊維入りモルタルFCを吐出して配置しているが、繊維補強構造体ACの強度などを鑑みて、必要に応じて上方に何層か積層して繊維補強構造体ACを構築するようしてもよい。
繊維補強構造体ACの施工期間中、空気膜S内の内部空間Scは加圧状態を保つように制御されている。好ましくは、空気膜S内の内圧は,施工期間中から繊維入りモルタルFCのセメント材料が硬化して強度が発現されるまで,所定範囲内の内圧、特に一定の内圧となるように制御するのがよい。
また、繊維入りモルタルFCを上方に何層か積層して繊維補強構造体ACを構築する際は、下層の角柱状の繊維補強構造体ACを空気膜S上に積層してから、次の層(上層)の角柱状の繊維補強構造体ACを積層するまでの時間間隔を短くすることが好ましい。これにより一層の繊維補強構造体ACと、隣接する層の繊維補強構造体ACとが境界無く一体化して積層することができる。
繊維入りモルタルFCにより中空構造物Xに対応した所定形状が形成され、互いに隣接する繊維入りモルタルFCが所定の時間の経過とともに接合・硬化することで繊維補強構造体ACが形成される。その後、空気膜S内の内圧を開放して大気圧にするとともに、収縮した空気膜Sを取り除くことで、所望の中空構造物Xが得られ、施工工程を完了することができる。
以上のような本実施形態の中空構造物Xの構築方法では、中空構造物Xに対応した形状の空気膜Sを設置し、内圧により外向きに加圧した状態で、空気膜Sの外面Soに繊維入りモルタルFCを配置して繊維補強構造体ACを施工している。そのため流動し難い粘度を有する繊維入りモルタルFCを繊維補強構造体ACとして空気膜Sの外面Soに安定して配置でき、しかも繊維補強構造体ACを空気膜Sにより下方から安定して支持できる。
これにより所定形状の型枠や支保工等を設置することなく中空構造物Xを容易に構築することが可能であり、型枠や支保工を設置したり解体したりする作業や、型枠で囲まれた内側にモルタル材料を打設して充填させたりする作業などが不要となる。
その結果、中空構造物Xの工期を短縮したり、高所作業を削減して安全性を向上したり、作業を削減して省人化を図ったりすることが可能である。さらには月面などの極限環境における住居空間の無人施工への展開も期待できる。
また、本実施形態の中空構造物Xの構築方法では、付加製造装置10を用いて繊維入りモルタルFCを角柱状に押出しながらノズル11を空気膜Sの外面Soに沿って移動させることで、空気膜Sの外面Soに所定形状の繊維補強構造体ACを順次配置している。そのため板材等の型枠を用いなくても、所定位置に所定形状の繊維補強構造体ACを容易且つ確実に配置して施工できる。
また、本実施形態の中空構造物Xの構築方法では、空気膜設置工程で空気膜Sにケーブルを係止することで空気膜Sの変形を抑制している。そのため繊維補強構造体施工工程において、空気膜Sの外面Soに繊維入りモルタルFCを配置しても空気膜Sが変形し難く、繊維補強構造体ACを所定形状に施工し易い。
なお、上記第1実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、繊維補強構造体施工工程において、付加製造装置10のノズル11により角柱状に吐出された繊維入りモルタルFCを、アーチ部Xaの横断方向に連続するように空気膜Sの外面Soに配置したが、図6に示すように、繊維入りモルタルFCをアーチ部Xaの縦断方向(中空部Xcの軸線方向)に連続するように空気膜Sの外面Soに配置して順次積層してもよい。
また、上記実施形態では、繊維補強構造体施工工程において、1台の付加製造装置10を用いて繊維補強構造体ACを空気膜Sの外面Soに配置して施工したが、図7に示すように複数の付加製造装置10A,10Bを同時使用して繊維補強構造体ACを空気膜Sの外面Soに配置してもよい。付加製造装置を複数台使用することで、施工期間をより短工期にすることができる。
[第2実施形態]
図8(a)~(c)は第2実施形態を示している。第2実施形態の繊維入りモルタルFCを用いた中空構造物Xの構築方法では、構築する中空構造物Xの形状が第1実施形態とは異なり、球形シェルやドーム構造を有する大型のドーム建築物等である。本実施形態では、半球シェルの施工方法(中空構造物の構築方法)について説明する。
本実施形態の中空構造物Xであっても、第1実施形態と同様に、空気膜設置工程と、空気圧入工程と、繊維入りモルタル生成工程と、繊維補強構造体施工工程と、により構築することができる。
第2実施形態の構築方法では、空気膜設置工程で構築位置に設置する空気膜Sが中空構造物Xの中空部Xcの形状に対応した半球形状を有している。
この半球形状の空気膜Sに、空気圧入工程で空気を圧入し、図8(a)に示すように、繊維補強構造体施工工程において、付加製造装置10により繊維入りモルタルFCを押出して配置することで、繊維補強構造体ACを施工する。この繊維補強構造体施工工程では、付加製造装置10のノズル11により角柱状に吐出された繊維補強構造体ACを、空気膜Sの外面Soに円環状又は渦状に半球形状の空気膜Sの下端側から順次上方へ積層配置することで施工する。
その他は第1実施形態と同様にして、図8(b)、(c)に示すように、繊維補強構造体ACを基部Xb側から半球部Xd全体に一体化して施工し、硬化することで、中空構造物Xを構築する。
このような第2実施形態の繊維入りモルタルFCを用いた中空構造物Xの構築方法であっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、所定形状の型枠や支保工等を設置しなくても、繊維補強構造体ACを配置して中空構造物Xを容易に構築することが可能である。
なお第2実施形態であっても、本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば第1実施形態と同様に、角柱状に吐出された繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面Soに順次積層配置する方向や順序を適宜変更したり、複数の付加製造装置10を同時使用して繊維入りモルタルFCを空気膜Sに配置することが可能である。
また何れの実施形態であっても、空気膜Sの形状は何ら限定されるものではなく、設置状態で内側に空気を圧入することで外向きに加圧でき、外面Soに繊維入りモルタルFCを配置して所望の繊維補強構造体ACを施工できるものであれば、筒形状や半球形状でない形状であっても、本発明を適用可能である。他の適用先としては、例えば鞍形シェル(図9)、楕円放物面シェル(図10)、双曲放物面シェルなどの複雑形状、あるいは矩形カルバートの頂版などが挙げられる。
さらに上記各実施形態では、繊維入りモルタルFCを用いたが、材料は適宜選択可能であり、何ら限定されない。例えば構造的に問題ない場合は、繊維を混入させない単なるコンクリートやモルタルなどの水硬性混合物を採用してもよい。
また、耐荷力や耐震性を向上するために、繊維補強構造体施工工程において、空気膜Sの外面So上に繊維入りモルタルFC等の水硬性混合物を配置したり、積層したりする前または後に、鋼製、連続繊維、FRP(繊維補強プラスチック)製等からなる線材あるいはシートを積層面に水平あるいは鉛直に配置して補強することも可能である。水平方向に配置する場合、先組みした補強用の線材を水硬性混合物のプリント層に沿って配置できるとともに、水硬性混合物のプリントと同時に、プリント層に沿って補強用の線材を連続して送出し、プリント層に埋入または載置して設置できる。
また、上記実施形態では、空気膜Sの形状を保持するためにケーブルを配置した場合の説明をしたが、強度が問題なければケーブルは用いなくてもよい。
さらに上記各実施形態では、何れも繊維補強構造体施工工程において、角柱状に吐出した繊維入りモルタルFCを空気膜Sの外面So上の全面に配置した例について説明したが、特に限定されるものではなく、一部開口部(貫通孔)を形成するような構造であってもよい。
10 付加製造装置
11 ノズル
X 中空構造物
Xa アーチ部
Xb 基部
Xc 中空部
Xd ドーム部
S 空気膜
Sc 内部空間
Se 端部閉塞膜
So 外面
F 繊維
M モルタル
C コンクリート
FC 繊維入りモルタル
AC 繊維補強構造体(構造体)
P 押出方向

Claims (4)

  1. 中空構造物の中空部に対応した形状の空気膜を設置する空気膜設置工程と、
    前記空気膜で覆われる内側に空気を圧入し、内圧により前記空気膜を外向きに加圧する空気圧入工程と、
    未硬化状態の水硬性混合物を前記空気膜の外面に配置することで構造体を施工する構造体施工工程と、を備え
    前記構造体施工工程では、付加製造装置を用いて前記水硬性混合物を角柱状、円柱状または小判型柱状に押出しながらノズルを前記空気膜の外面に沿って移動させることで、所定形状の前記構造体を施工し、
    前記水硬性混合物には複数の繊維が混入されており、前記複数の繊維は整列した状態で前記ノズルから吐出されることを特徴とする中空構造物の構築方法。
  2. 前記空気膜設置工程では、前記空気膜にケーブルを係止することで前記空気膜の変形を抑制することを特徴とする請求項1に記載の中空構造物の構築方法。
  3. 前記構造体施工工程において、前記空気膜の外面に繊維補強複合材料を配置することを特徴とする請求項1または請求項に記載の中空構造物の構築方法。
  4. 前記構造体施工工程において、前記構造体を補強する線材またはシート材を前記構造体の施工前後または施工中に配置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の中空構造物の構築方法。
JP2019119573A 2019-06-27 2019-06-27 中空構造物の構築方法 Active JP7286441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019119573A JP7286441B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 中空構造物の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019119573A JP7286441B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 中空構造物の構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021004516A JP2021004516A (ja) 2021-01-14
JP7286441B2 true JP7286441B2 (ja) 2023-06-05

Family

ID=74098055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019119573A Active JP7286441B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 中空構造物の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7286441B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102526813B1 (ko) * 2022-11-16 2023-04-28 김민강 쌍곡포물면의 안정성을 이용한 비닐 하우스

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001048289A (ja) 1999-08-11 2001-02-20 Ishii Iron Works Co Ltd 貯 槽
JP2018199940A (ja) 2017-05-26 2018-12-20 大成建設株式会社 積層構造物の施工方法、積層構造物および積層構造物施工装置
JP2020094401A (ja) 2018-12-12 2020-06-18 鹿島建設株式会社 構造体の構築方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3859185B2 (ja) * 1998-05-01 2006-12-20 株式会社フジタ 膜体を用いた天井壁の形成方法
JP2002047799A (ja) * 2000-08-04 2002-02-15 Taisei Corp コンクリート構造体の構築方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001048289A (ja) 1999-08-11 2001-02-20 Ishii Iron Works Co Ltd 貯 槽
JP2018199940A (ja) 2017-05-26 2018-12-20 大成建設株式会社 積層構造物の施工方法、積層構造物および積層構造物施工装置
JP2020094401A (ja) 2018-12-12 2020-06-18 鹿島建設株式会社 構造体の構築方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021004516A (ja) 2021-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5078909B2 (ja) 複合建設部材および作成方法
CN100501023C (zh) 一种现浇钢筋砼成孔用构件
JP7286441B2 (ja) 中空構造物の構築方法
JP7375148B2 (ja) 繊維補強コンクリート部材の製造方法
CN112282214A (zh) 预制装配式frp管-混凝土-钢管组合柱及其建造方法
JPH10501325A (ja) 連結されたプラスチックで被覆したコンクリート・パイプ
JP5758468B2 (ja) コンクリート充填不良防止方法
KR102100783B1 (ko) 3d 프린팅을 이용한 철근 및 골재 콘크리트 적층 방법 및 장치
CN213418235U (zh) 一种预制装配式frp管-混凝土-钢管组合柱
KR102313849B1 (ko) 3차원 콘크리트 프린팅을 이용한 철근을 포함하는 비정형 콘크리트 구조물의 성형방법 및 그 성형 방법으로 제조된 콘크리트 구조물
US20240077165A1 (en) Lightweight strong pipe for new construction and repair of pipes
JP7139234B2 (ja) 構造体の構築方法
EA023958B1 (ru) Арматурная сетка из композитного материала
JP7257919B2 (ja) 構造物の構築方法
CN1982629A (zh) 一种现浇钢筋砼成孔用构件
JP7300951B2 (ja) 構造物の構築方法
RU2699087C1 (ru) Способ возведения каркаса конструкции
CN108204076A (zh) 一种多腔frp管混凝土组合柱及其制备方法
JP2007077743A (ja) プレキャスト部材
JP4574778B2 (ja) コンクリート構造物の補修方法及び表面被覆型枠
JP2020139370A (ja) 型枠形成方法、構造体の構築方法
JP4287640B2 (ja) 内型枠及び中空コンクリート体の製造方法
CN110788970B (zh) 用于混凝土结构的多曲面造型衬模
RU2679013C1 (ru) Способ возведения каркаса конструкции
JPH02163586A (ja) 含浸モルタル層を有する多層管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7286441

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150