JP7337714B2 - 構造体の構築方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 [ウェブサイトのアドレス] 令和元年度土木学会全国大会 講演情報ページ(『鋼繊維補強コンクリートを用いた新しい外殻構造に関する検討』) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsce2019/subject/V-121/tables?cryptoId= [掲載日] 令和1年7月12日 [刊行物等] [ウェブサイトのアドレス] 令和元年度土木学会全国大会 講演情報ページ(『吹付け可能な鋼繊維補強コンクリートによる外殻を有するRC梁部材の曲げ実験』) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsce2019/subject/V-338/tables?cryptoId= [掲載日] 令和1年7月12日 [刊行物等] [集会名] 令和元年度土木学会全国大会(『鋼繊維補強コンクリートを用いた新しい外殻構造に関する検討』の講演) [開催日] 令和1年9月3日 [刊行物等] [集会名] 令和元年度土木学会全国大会(『吹付け可能な鋼繊維補強コンクリートによる外殻を有するRC梁部材の曲げ実験』の講演) [開催日] 令和1年9月4日 [刊行物等] [刊行物名] 令和元年度土木学会全国大会 第74回年次学術講演会 講演概要集(『鋼繊維補強コンクリートを用いた新しい外殻構造に関する検討』) [発行日] 令和1年8月1日 [刊行物等] [刊行物名] 令和元年度土木学会全国大会 第74回年次学術講演会 講演概要集(『吹付け可能な鋼繊維補強コンクリートによる外殻を有するRC梁部材の曲げ実験』) [発行日] 令和1年8月1日
本発明は、構造体の構築方法に関する。
橋脚や柱のようなコンクリート構造体を構築する際、従来は鉄筋を組み上げ、型枠を組み立ててコンクリートを打設し、所定の材齢まで養生した後に脱型をするのが一般的である。
このように、コンクリート構造体の構築時には複数の工種が混在しており、作業も煩雑である。また、近年は建設技能者が不足する傾向があり、特に大工作業員の減少が著しく、今後は大工の人員確保が困難となってくると予想される。
そのため、近年ではより簡易な工法の開発が求められており、一例として、帯鉄筋や中間帯鉄筋を埋設したコンクリート製のプレキャストパネルにより橋脚の外殻部分を形成し、その後外殻部分の内側にコンクリートを充填するSPER工法(例えば、特許文献1参照)などがある。
特開2019-148108号公報
SPER工法では、コンクリート製のプレキャストパネルを外殻部分の構築に用いることで施工を簡略化できる。しかしながら、隣接するプレキャストパネルの間には継目が存在し、継目から劣化因子が侵入すると内部の鉄筋腐食等により橋脚が劣化し健全性が損なわれる恐れがある。そのため、プレキャストパネル間の継目の処理を適切に行ってこのような劣化因子の侵入を未然に防ぐ必要があり、その施工に手間がかかる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、施工を簡略化できる構造体の構築方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、前記内型枠の少なくとも一部を残置して、前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、により、前記硬化材、前記内型枠の少なくとも一部、および前記充填材による構造体を構築し、前記内型枠は、複数並べて配置された鋼製の芯材を有し、隣り合う前記芯材の間に気体により膨張した袋体を設けたものであり、前記工程(a)と前記工程(b)の間で、前記袋体を撤去することを特徴とする構造体の構築方法である。
第2の発明は、内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、前記内型枠の少なくとも一部を残置して、前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、により、前記硬化材、前記内型枠の少なくとも一部、および前記充填材による構造体を構築し、前記内型枠は、下方に行くにつれ内側に後退し、前記硬化材は、下方に行くにつれ厚く塗布されることを特徴とする構造体の構築方法である。
本発明では、硬化材を内型枠の外側に塗布することで構造体の外殻部分を構築する。当該外殻部分を、硬化材を型枠内に流し込む(打設する)のでは無く、硬化材を内型枠に塗布して構築することで、外殻部分の構築時に外型枠が不要となり、外殻部分に継目が生じることもない。また内型枠の少なくとも一部を残置して構造体として用いるので、全体として構造体の施工を簡略化できる。さらに、上記の硬化材は充填材の充填時の型枠としても機能し、通常の型枠作業が省略されるため大工の作業員が不足しても対応可能である。
前記硬化材を吹付により塗布することが望ましい。
本発明では、硬化材を内型枠の外側に吹付けることで、硬化材の塗布を容易に行うことが出来る。この場合は吹付工が必要となるが、硬化材の吹付は通常の吹付機械を用いて行うことができ、一般的な作業員でも作業可能である。
第1の発明では、内型枠として鋼製の芯材を複数並べて用いることができる。剛性の高い芯材は、充填材の充填時には硬化材の補強機能を有し、充填時の側圧を芯材で主に負担させることができる。また、上記芯材と気体により膨張する袋体を用いることで、内型枠を容易に形成できる。当該袋体は設置や撤去が容易にでき、運搬も簡単で保管に場所も取らない。また上記芯材を残置して構造体が構築されることで、当該芯材が構造体の補強材としても機能する。
前記内型枠は、前記硬化材が塗布される網状部材を含むことも望ましい
れにより、内型枠の外側に塗布する硬化材の付着性を高めることができる。
第2の発明において、前記内型枠は、下方に行くにつれ内側に後退し、前記硬化材は、下方に行くにつれ厚く塗布される
充填材の充填時の側圧は下方に行くにつれ大きくなる。従って、硬化材を下方に行くにつれ厚く塗布すれば、側圧に耐え得る剛性を硬化材の全高に亘って合理的に確保できる。この時、内型枠を下方に行くにつれ内側に後退させることで、硬化材の外面を、鉛直方向に沿った収まりの良い形状とすることができる。
前記工程(a)において、対向する位置にある前記内型枠の間に水平材が配置され、前記水平材の両端部が前記硬化材に埋設されることも望ましい。
このように水平材の端部を硬化材と一体化させれば、水平材をセパレータとして機能させ、充填時の側圧に耐え得る構造とできる。
本発明により、施工を簡略化できる構造体の構築方法を提供することができる。
構造体の構築方法を示す図。 構造体の構築方法を示す図。 芯材11としてフレーム部材を用いる例。 水平材18をセパレータとして利用する例。 構造体の構築方法を示す図。 構造体の構築方法を示す図。 構造体の構築方法を示す図。 構造体1a’とラス網15に吹付材を吹付ける例とを示す図。 内型枠として凹凸シート15aを用いる例。 構造体の構築方法を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1、2は本発明の第1の実施形態に係る構造体の構築方法における各工程を示す図である。本実施形態では橋脚や柱などの柱状の構造体を構築するものとし、まず図1(a)に示すように芯材11を構造体の周方向に複数並べて配置する。
芯材11は剛性の高い鋼製部材とし、構造体の平面の辺に当たる部分では芯材11としてH形鋼を用い、その軸方向を鉛直方向として配置する。隣り合うH形鋼は、フランジの端部同士が対向するように配置される。一方、構造体の平面の角に当たる部分では芯材11として山形鋼を用い、その軸方向を鉛直方向として配置する。山形鋼は、軸方向と直交する断面の角部が外側に向くように配置される。なお、「外側」とは構造体の外部側をいい、その反対側すなわち構造体の平面における中心側は「内側」というものとする。
次に、図1(b)に示すように隣り合う芯材11の間にエアチューブ12を配置する。エアチューブ12は筒状の袋体であり、エア(気体)を注入し膨張させて用いる。エアチューブ12は芯材11に密着するように配置される。
図1(c)に示すように隣り合う全ての芯材11の間にエアチューブ12を配置すると、芯材11とエアチューブ12により平面視でロの字型の閉断面となる内型枠が形成される。
その後、図1(d)に示すように当該内型枠の外側に硬化材13を塗布する。硬化材13にはコンクリートやモルタルなどのセメント系材料を用いることができる。
本実施形態では、吹付機械aを用いて内型枠の外側に硬化材13を吹付けることで、内型枠の側方での作業により硬化材13の塗布を行う。硬化材13の塗布を終えた後の状態を図2(a)に示す。吹付後の硬化材13の表面は例えば人力でコテ仕上げして平滑にする。
この後、硬化材13の養生を行って硬化材13を硬化させ、これにより構造体の外殻部分が構築される。硬化材13には、硬化を早めるために既知の硬化促進剤を添加することも可能である。硬化材13を塗布して外殻部分を構築することで、外殻部分を継目の無いシームレスな構造とできる。
その後、図2(b)に示すように、内型枠として用いたエアチューブ12を芯材11の間から撤去する。エアチューブ12は内部の気体を抜くことで容易に撤去できる。一方、内型枠として用いた芯材11はそのまま残置する。
全てのエアチューブ12を撤去した後、図2(c)に示すように硬化材13の内側に充填材であるコンクリート20を打設し、充填する。図2(d)に示すように所定高さまでコンクリート20を打設すると、硬化材13による外殻部分の内側に芯材11とコンクリート20を設けた構造体1が構築される。必要に応じて構造体1の内部にせん断補強鉄筋や主筋、配力筋などの補強筋(不図示)を埋設することもでき、この場合は遅くともコンクリート20の充填前に配筋を行っておく。
以上説明したように、本実施形態では、硬化材13を内型枠の外側に塗布することで構造体1の外殻部分を構築する。当該外殻部分を、硬化材13を型枠内に流し込む(打設する)のでは無く、硬化材13を内型枠に塗布して構築することで、外殻部分の構築時に外型枠が不要となり、外殻部分に継目が生じることもない。また内型枠の一部である芯材11を残置して構造体1として用いるので、全体として構造体1の施工を簡略化できる。さらに、硬化材13はコンクリート20の打設時の型枠としても機能し、通常の型枠作業が省略されるため大工の作業員が不足しても対応可能である。
また本実施形態では、硬化材13を内型枠の外側に吹付けることで、硬化材13の塗布を容易に行うことが出来る。本実施形態では吹付工が必要となるが、硬化材13の吹付は通常の吹付機械aを用いて行うことができ、一般的な作業員でも作業可能である。
また、本実施形態では鋼製の芯材11と気体により膨張するエアチューブ12を用いることで、硬化材13の塗布面を構成する内型枠を容易に形成できる。エアチューブ12は設置や撤去が容易にでき、運搬も簡単で保管に場所も取らない。また剛性の高い芯材11は、コンクリート20の打設時には硬化材13の補強機能を有し、打設時の側圧を芯材11で主に負担させることができる。さらに、芯材11を残置して構造体1が構築されることで、芯材11が構造体1の補強材としても機能し、構造体1内部の補強筋の量を低減もしくは省略することができる。また芯材11を介して硬化材13とコンクリート20が一体化することにより、高い強度を有する耐久性の高い構造体1を構築できる。
しかしながら、本発明が以上の実施形態に限られることはない。例えば本実施形態では構造体1の平面が矩形状であり、内型枠がロの字型の閉断面を有するが、構造体1の形状は特に限定されず、内型枠の形状を自由に設定して様々な構造体1を構築できる。例えば内型枠を円筒状として円形の平面を有する構造体を構築することもできる。また本実施形態では柱状の構造体1を構築しているが、例えば壁状の構造体を構築することも可能である。さらに、構造体の形状や施工条件等によっては内型枠が閉断面とならない場合もある。
また、硬化材13として超高強度繊維補強コンクリートを用いることもできる。このような硬化材13は鋼繊維が混入されており引張強度が高いため、構造体1内部の補強筋の量を更に低減もしくは省略することができる。
また、本実施形態では硬化材13を吹付により塗布したが、硬化材13の塗布方法は吹付に限らず、左官的方法により硬化材13を塗り付けてもよい。さらに、構造体1の外殻部分の出来形の3次元データに基づいて硬化材13の塗布を自動で行う自動塗布装置(3Dプリンタ)を用いることも可能であり、作業員の数をより少なくできる。
また本実施形態では硬化材13の内側にコンクリート20を打設し充填したが、硬化材13の内側に充填する充填材はこれに限らず、個々の構造体1等に応じて異なる場合もある。
また、本実施形態では芯材11として山形鋼やH形鋼を用いたが、他の鋼製部材を用いてもよい。例えば鋼材をトラス状に組み合わせたトラス部材や、鋼材を梯子状に組み合わせたフレーム部材を芯材11として用いてもよい。
フレーム部材は、例えば、図3(a)に示すように一対の縦枠部111を連結部112によって連結して構成された剛性の高い梯子状の構成を有する。縦枠部111の平面は凹字状であり、凹字の上端に当たる部分には、凹字から離れる方向に折り返される折返部分111aが設けられる。
一対の縦枠部111は、凹字の底辺部分同士を背中合わせにして配置される。連結部112は上下に間隔を空けて設けられ、縦枠部111の上記底辺部分同士を連結する。縦枠部111の上記底辺部分には、上下に間隔を空けて複数の開口部114が設けられる。
隣り合うフレーム部材は上記の折返部分111a同士が向かい合うように配置され、図3(a)の矢印に示すように隣り合うフレーム部材の間にエアチューブ12を配置することで前記と同様に内型枠を形成でき、その外側に硬化材13を塗布することで構造体の外殻部分を構築できる。図3(b)は、芯材11として前記のH形鋼の代わりに上記のフレーム部材を用いた場合について、内型枠の外側に硬化材13を塗布した後の状態を示した平面図である。
この後、前記と同様にエアチューブ12を撤去し、硬化材13の内側にコンクリート20を打設することで構造体を構築できる。フレーム部材は高剛性且つ軽量の鋼製部材であり、コンクリート20の打設時の側圧に耐え得る剛性を合理的に確保できる。また、フレーム部材は、鋼材を梯子状に組み合わせた構成であることから、充填材との一体性が高く、構造体1の補強材としての効果を高めることができる。なお、規格品として市販されている型枠支保工用のフレーム部材を用いることで鋼材のコスト低減が期待できる。
その他、図4(a)に示すように、対向する位置にある内型枠の間に水平材18を配置し、その両端部181を内型枠から突出させ、当該両端部181を硬化材13に埋設し一体化してもよい。これにより、水平材18をセパレータとして用い、コンクリート20を打設する際の側圧に耐え得る構造とすることもできる。水平材18の配置は硬化材13の塗布前に行っておく。
水平材18としては、例えば前記したせん断補強鉄筋などの補強筋を用いることができ、その他の補強筋をはじめとする構造体の補強材(不図示)に水平材18を架けて配置することで、コンクリート20の打設時の側圧に対する抵抗性が向上する。ただし水平材18はこれに限らない。また図4(a)の例ではフレーム部材を芯材11として用いており、水平材18を前記の開口部114(図3(a)参照)に通して配置することでエアチューブ12との干渉を回避できる。
さらに、図4(b)に示すように、水平材18の端部181を拡径するなどして定着部を設け、硬化材13への定着力を高めてもよい。また図4(c)に示すように、定着部の近傍に格子状のメッシュ筋182を設け、定着部付近の硬化材13の補強を行ってもよい。加えて、図4(d)に示すように定着部の近傍の硬化材13を他より厚く塗布して定着効果を高めてもよい。本実施形態では硬化材13を塗布により設けるので、硬化材13の増厚も簡単に行うことができる。
以下、本発明の別の例を第2、第3の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図5~図7は本発明の第2の実施形態に係る構造体の構築方法を示す図である。第2の実施形態は、硬化材13の塗布対象となる内型枠の構成が異なる例である。
すなわち、本実施形態では図5(a)に示すように構造体の平面の角に当たる部分に設けた鉛直方向の支持材14によってラス網15を支持させ、ラス網15を平面視でロの字型の閉断面となるように配置し、硬化材13を塗布するための内型枠を形成する。またラス網15の外側にはメッシュ筋17を設け、ラス網15とメッシュ筋17の間にはスペーサ16を配置する。支持材14としては例えば前記した主筋などの補強筋を用いることができるが、これに限らない。
図5(b)に示すように、ラス網15は鋼製の網状部材である。メッシュ筋17はラス網15よりも目の大きい鋼製の網状部材であり、縦横の鉄筋を格子状に組み合わせて形成される。
本実施形態でも、図6(a)に示すようにラス網15(内型枠)の外側に硬化材13を塗布することで構造体の外殻部分が構築される。図6(b)に示すように、硬化材13の塗布は吹付により行い、吹付けた硬化材13はラス網15に保持される。メッシュ筋17は硬化材13に埋設され、硬化材13を補強する。
硬化材13が硬化した後、図7に示すように硬化材13の内側にコンクリート20を打設、充填することで構造体1aが構築される。本実施形態では内型枠として用いたラス網15をそのまま残置し、構造体1aに埋設させる。
第2の実施形態でも、ラス網15の外側に硬化材13を塗布した後、ラス網15を残置して硬化材13の内側にコンクリート20を打設することで、第1の実施形態と同様、構造体1aの施工を容易に行うことができる。
また、ラス網15を硬化材13の塗布時の内型枠として用いることで、硬化材13の付着性が向上する。またラス網15とコンクリート20の付着性も向上し、硬化材13とコンクリート20がラス網15を介して一体化した高強度の構造体1aを構築できる。
また、硬化材13にメッシュ筋17を埋設することで、コンクリート20の打設時の側圧をメッシュ筋17にも負担させ、硬化材13に生じる引張応力を低減できる。さらに、構造体1aの外殻部分の硬化材13がメッシュ筋17により補強されることで、構造体1aの耐久性も向上させることができ、構造体1a内部の補強筋の削減も期待できる。
なお、硬化材13の補強方法としては、メッシュ筋17などの補強材を埋設する他、硬化材13の形状や厚さを調節することも有効である。硬化材13の形状は内型枠の形状により様々なものとでき、例えば図8(a)の構造体1a’に示すように、内側に窪んだ鉛直方向の溝部151をラス網15に設けることで硬化材13の内側に凸状のリブが形成され、硬化材13の剛性が向上するとともに、硬化材13とその内側のコンクリート20との一体性が向上する。
また、硬化材13の塗布前に、図8(b)に示すようにラス網15に樹脂等の吹付材bを吹付けてもよい。これによりラス網15の目が小さくなり、硬化材13を塗布する際にラス網15からの硬化材13のすり抜けを防ぐことができ、ラス網15自体も補強されて剛性が向上する。
また、ラス網15の代わりにメッシュ筋17を用いてもよく、図9(a)に示すように凹凸シート15aを硬化材13の塗布時の内型枠として用いてもよい。凹凸シート15aは外側に複数の凸部152を有するシート状部材であり、モルタルやレジンコンクリート、あるいは樹脂のような剛性を有する材質により形成される。凸部152は凹凸シート15aの外側で縦横に多数並べて配置される。
図9(a)は凹凸シート15aの外側に硬化材13を塗布して構造体の外殻部分を構築した状態であり、この後、硬化材13の内側にコンクリート20を打設、充填することで図9(b)に示す構造体1a”を構築できる。
ラス網15と同様、凹凸シート15aを用いることでも多数の凸部152により硬化材13の付着性が向上する。硬化材13には補強材を埋設することもでき、この場合、硬化材13の塗布前に凹凸シート15aの外側で例えば図9(c)に示すように鉄筋などの鋼材31を配置すればよい。図9(c)の例では、凹凸シート15aの外側で、凸部152を避けるように斜め方向の鋼材31が配置される。また、凹凸シート15aの内側にも外側と同様に凸部を設け、凹凸シート15aを介した硬化材13とコンクリート20の一体性が高まるようにしてもよい。
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態に係る構造体の構築方法を示す図である。第3の実施形態は、硬化材13の塗布厚を高さに応じて変化させる例である。
すなわち本実施形態では、図10(a)に示すように、硬化材を塗布する内型枠19の形状を、下方に行くにつれ内側に後退し、内空の断面積が小さくなるものとする。なお内型枠19は平面視でロの字型の閉断面を有する。
本実施形態でも、内型枠19の外側に硬化材13を塗布することで構造体の外殻部分を構築するが、図10(b)に示すように硬化材13は下方に行くにつれ厚く塗布され、天端の厚みTtが最も小さく、下端の厚みTbが最も大きい。内型枠19の形状は、上記した塗布厚の変化に応じて内側に後退したものとなっており、結果的に、硬化材13の外面は鉛直方向に沿って形成される。
このように硬化材13を塗布した後、図10(c)に示すように硬化材13の内側にコンクリート20を打設することで構造体1bが構築される。なお本実施形態では内型枠19がそのまま残置される。
第3の実施形態でも、内型枠19の外側に硬化材13を塗布した後、内型枠19を残置して硬化材13の内側にコンクリート20を打設することで、第1の実施形態と同様、構造体1bの施工を容易に行うことができる。
また本実施形態では硬化材13が下方に行くにつれ厚く塗布されるが、これは、コンクリート20の打設時の側圧が下方に行くにつれ大きくなることによる。すなわち、硬化材13を下方に行くにつれ厚く塗布し、硬化材13の厚さを上記した側圧の分布に見合ったものとすれば、当該側圧に耐え得る剛性を硬化材13の全高に亘って合理的に確保できる。また本実施形態では、上記した硬化材13の厚さ変化に応じて、内型枠19が下方に行くにつれ内側に後退した形状となっているので、硬化材13の外面を、鉛直方向に沿った収まりの良い形状とすることができる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1a'、1a”、1b:構造体
11:芯材
12:エアチューブ
13:硬化材
15:ラス網
15a:凹凸シート
18:水平材
19:内型枠
20:コンクリート

Claims (5)

  1. 内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、
    前記内型枠の少なくとも一部を残置して、前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、
    により、前記硬化材、前記内型枠の少なくとも一部、および前記充填材による構造体を構築し、
    前記内型枠は、複数並べて配置された鋼製の芯材を有し、隣り合う前記芯材の間に気体により膨張した袋体を設けたものであり、
    前記工程(a)と前記工程(b)の間で、前記袋体を撤去することを特徴とする構造体の構築方法。
  2. 内型枠の外側に硬化材を塗布する工程(a)と、
    前記内型枠の少なくとも一部を残置して、前記硬化材の内側に充填材を充填する工程(b)と、
    により、前記硬化材、前記内型枠の少なくとも一部、および前記充填材による構造体を構築し、
    前記内型枠は、下方に行くにつれ内側に後退し、
    前記硬化材は、下方に行くにつれ厚く塗布されることを特徴とする構造体の構築方法。
  3. 前記硬化材を吹付により塗布することを特徴とする請求項1または請求項2記載の構造体の構築方法。
  4. 前記内型枠は、前記硬化材が塗布される網状部材を含むことを特徴とする請求項記載の構造体の構築方法。
  5. 前記工程(a)において、対向する位置にある前記内型枠の間に水平材が配置され、前記水平材の両端部が前記硬化材に埋設されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の構造体の構築方法。
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