図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話(情報処理装置の一例)10、プリンタ(印刷部の一例)50、アクセスポイント58、基地局62を備える。プリンタ50は、例えば、ラベルプリンタであり、携帯電話10との間で各種の情報や指示信号を送受信し、携帯電話10による制御に基づいて、所望のテキストや画像等のオブジェクトを印刷したラベルを作成する。なお、プリンタ50は、インクリボンを用いる熱転写式のプリンタ、所謂、サーマルプリンタである。また、アクセスポイント58は、無線LANアクセスポイント、及びルーターとしての機能を備える。
携帯電話10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ14、無線通信I/F16、携帯電話通信I/F18、LCD20、タッチパネル22を主に備えている。これらの構成要素は、バス28を介して互いに通信可能とされている。
無線通信I/F16は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(登録商標)方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント58へアクセスし、WF方式の無線通信を行える状態になれば、アクセスポイント58を介して、プリンタ50とデータ通信することが可能になる。
携帯電話通信I/F18は、基地局62との間で携帯電話通信方式の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信を行える状態になれば、基地局62を介して、データ通信することが可能になる。
CPU12は、メモリ14内の制御アプリケーション(制御プログラムの一例)30に従って処理を実行する。制御アプリケーション30は、携帯電話10を用いてプリンタ50に印刷処理を実行させるためのプログラムである。なお、制御アプリケーション30を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御アプリケーション30が」という記載は、「制御アプリケーション30を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
また、メモリ14は、データ記憶領域32を備える。データ記憶領域32は、制御アプリケーション30の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
LCD20は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。タッチパネル22は、タッチセンサを有し、LCD20の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル22は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル22への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。
なお、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「設定」等の処理は、入力された設定情報をメモリに記憶することで行われる。
通信システム1では、上述した構成に従って、携帯電話10において、プリンタ50での印刷媒体であるラベルへの印刷対象のオブジェクトが編集される。詳しくは、制御アプリケーション30の処理により、図2に示す選択画面70がLCD20に表示される。選択画面70には、複数のテンプレート画像72a~dが表示されている。各テンプレート画像72a~dは、印刷対象のオブジェクトのテンプレート画像であり、各テンプレート画像72a~dには、文字列により構成されるオブジェクトのテンプレート画像72a~c,バーコードにより構成されるオブジェクトのテンプレート画像72d等がある。
そして、選択画面70において、任意のテンプレート画像がユーザ操作により選択されると、その選択画面70の代わりに、図3に示す編集画面80がLCD20に表示される。編集画面80には、編集画像82と印刷ボタン84とが表示されている。編集画像82には、選択画面70において選択されたテンプレート画像72a~dに応じた画像が表示される。なお、図3では、テンプレート画像72aに応じた画像が、編集画像82として表示されている。つまり、文字列「hello」により構成されるオブジェクトが、表示されている。
編集画面80では、編集画像82が操作されることで、編集画像82として表示されている文字列「hello」の編集を行うことができる。そして、編集操作が完了した後に、印刷ボタン84が操作されることで、編集画像82の印刷用画像データが作成される。なお、図3に示す編集画像82の基となるテンプレート画像72aは、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像とされている。繰返印刷処理とは、テープ状のラベル,リボン等の印刷媒体に、オブジェクトを、テープ状の印刷媒体の延びる方向に沿って、繰り返し配置した画像を印刷する処理である。このため、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像が、選択画面70において選択され、その選択されたテンプレート画像に応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、繰返印刷処理を実行するための繰返印刷実行画面(図4参照)110がLCD20に表示される。
なお、選択画面70において表示される複数のテンプレート画像72a~dのうちのテンプレート画像72a,c,dは、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像であり、テンプレート画像72bは、繰返印刷処理に対応していないテンプレート画像である。このため、選択画面70においてテンプレート画像72bが選択され、その選択されたテンプレート画像72bに応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、繰返印刷処理は実行されず、通常のラベル印刷処理が実行される。つまり、制御アプリケーション30が、編集画像82として表示されているオブジェクトの印刷用画像データを作成し、作成した印刷用画像データをプリンタ50に送信する。これにより、プリンタ50において、通常のラベル印刷処理が実行される。
また、選択画面70において、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像72a,c,dの何れかが選択され、その選択されたテンプレート画像72a,c,dに応じた編集画像82が編集画面80に表示されている状態において、印刷ボタン84が操作されると、制御アプリケーション30は、図4に示す繰返印刷実行画面110をLCD20に表示する。繰返印刷実行画面110には、編集画面80の編集画像82として表示されているオブジェクト、例えば、文字列「hello」が繰り返して配置された画像がプレビュー画像112として表示される。
また、繰返印刷実行画面110には、長さ設定ボタン114,切断オプション設定ボタン116,余白設定ボタン117も表示されている。長さ設定ボタン114は、テープ状の印刷媒体の長さ寸法を設定するためのボタンであり、長さ設定ボタン114への操作により、任意の長さ寸法が入力されることで、入力された長さ寸法となるように繰り返し配置されたオブジェクトの印刷用画像データが形成される。また、切断オプション設定ボタン116は、テープ状の印刷媒体に画像が印刷された後に、その印刷媒体の切断態様を設定するためのボタンであり、切断オプション設定ボタン116が操作されることで、図5に示す切断オプション設定画面120がLCD20に表示される。
切断オプション設定画面120には、第1選択ボタン122,第2選択ボタン124,第3選択ボタン126が表示される。第1選択ボタン122は、印刷媒体に画像が印刷される毎に、その印刷媒体を切断する切断オプション「オートカット」を選択するためのボタンである。このため、第1選択ボタン122が操作された場合には、プリンタ50において、1回の印刷処理が完了する毎に、印刷媒体が自動で切断される。第2選択ボタン124は、印刷部数が複数である場合に、最後の部数の印刷が完了した後に、印刷媒体を切断する切断オプション「最後のラベルカット」を選択するためのボタンである。このため、第2選択ボタン124が操作された場合に、例えば、印刷部数が2部である場合に、プリンタ50では、1部目の印刷処理が完了しても、印刷媒体は切断されず、2部目の印刷処理が完了した後に、印刷媒体が自動で切断される。第3選択ボタン126は、ユーザが自身で印刷媒体を切断する切断オプション「自分でカット」を選択するためのボタンである。このため、第3選択ボタン126が操作された場合には、プリンタ50において、印刷処理が完了しても自動で切断されず、ユーザが手動で印刷媒体を切断する。
そして、切断オプション設定画面120において、何れかの選択ボタンが操作されることで、切断オプション設定画面120の代わりに、繰返印刷実行画面110がLCD20に表示される。また、繰返印刷実行画面110の余白設定ボタン117は、印刷対象のオブジェクトが繰り返し配置される際に、隣り合って配置される2つのオブジェクトの間、つまり、余白の長さ寸法を設定するためのボタンである。このため、余白設定ボタン117への操作により、余白の長さ寸法が入力されることで、入力された長さ寸法に応じた余白で繰り返し配置されたオブジェクトの印刷用画像データが形成される。そして、繰返印刷実行画面110において、印刷ボタン118が操作されることで、長さ設定ボタン114及び切断オプション設定ボタン116への操作により入力された寸法に応じて繰り返し配置されたオブジェクトの印刷用画像データが作成され、プリンタ50に送信される。これにより、プリンタ50において、繰返印刷処理が実行される。
具体的には、例えば、長さ設定ボタン114への操作により入力された長さ寸法(以下、「入力全体長」と記載する)(画像長さの一例)がXmmであり、余白設定ボタン117への操作により入力された余白寸法(以下、「入力余白」と記載する)がL0mmである場合に、制御アプリケーション30は、全長がXmmとなるように、入力余白L0でオブジェクを繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成し、プリンタ50に送信する。これにより、図6に示すように、Xmmのテープ状の印刷媒体に、余白L0でオブジェクが繰り返し配置された画像が印刷される。
なお、制御アプリケーション30は、印刷用画像データを含むジョブをプリンタ50に送信するが、そのジョブには、切断オプション設定画面120において選択された切断オプションに応じた切断コマンドが含まれる。つまり、切断オプション設定画面120において第1選択ボタン122が操作されている場合は、送信されるジョブ毎に、切断コマンド「ON」が含まれる。これにより、プリンタ50は、受信したジョブに含まれる印刷用画像データに基づく印刷処理を実行する毎に、切断コマンド「ON」に従って、印刷処理の完了後に、印刷媒体を切断する。また、切断オプション設定画面120において第2選択ボタン124が操作されている場合は、ジョブに印刷部数及び、その印刷部数の印刷が完了した後に切断を実行する切断コマンド「ON」が含まれる。これにより、プリンタ50は、受信したジョブに含まれる印刷用画像データに基づいて、そのジョブに含まれる印刷部数に応じた数の印刷処理を実行した後に、切断コマンド「ON」に従って、印刷媒体を切断する。切断オプション設定画面120において第3選択ボタン126が操作されている場合は、送信されるジョブに、切断コマンド「OFF」が含まれる。これにより、プリンタ50は、受信したジョブに含まれる印刷用画像データに基づく印刷処理を実行するが、切断コマンド「OFF」に従って、印刷媒体を切断しない。
また、プリンタ50は、上述したように、サーマルプリンタであるため、印刷時間が長くなるとサーマルヘッドが熱くなり過ぎて、印刷不良が生じる虞がある。このため、従来の繰返印刷処理では、1度の印刷処理で印刷可能な印刷媒体の全体長の最大長さが設定されており、その最大長さに、印刷媒体の全体長が制限されていた。具体的には、印刷媒体の最大長さが999mm(設定長さの一例)に設定されており、印刷媒体の全体長が999mm以下に制限されていた。このため、繰返印刷実行画面110での長さ設定ボタン114への操作により入力可能な入力全体長も、999mm以下とされていた。
しかしながら、1000mm以上のテープ状の印刷媒体への繰返印刷処理を望むユーザも当然、存在する。このようなことに鑑みて、長さ設定ボタン114への操作により、1000mm以上の入力全体長を入力することが可能とされている。そして、1000mm以上の入力全体長が入力された場合に、999mmとなるようにオブジェクトを繰り返し配置した画像(以下、「第1画像」と記載する)の印刷用画像データと、入力全体長から、第1画像の長さ、つまり、999mmを減じた長さとなるようにオブジェクトを繰り返し配置した画像(以下、「第2画像」と記載する)の印刷用画像データとが作成される。
詳しくは、入力全体長が1500mmであり、入力余白がL0mmである場合に、制御アプリケーション30は、図7(a)に示すように、全長が999mmとなるように、入力余白L0でオブジェクが繰り返し配置された第1画像の印刷用画像データを作成する。そして、第1画像の最後から連続するように、制御アプリケーション30は、第2画像の印刷用画像データを作成する。つまり、例えば、第1画像の最後が余白となっている場合に、第2画像の最初の画像が余白とされ、第1画像の最後の余白の長さと、第2画像の最所の余白の長さとの合計が、入力余白L0となるように、第2画像の印刷用画像データが作成される。
具体的には、第1画像の最後が余白となっている場合に、制御アプリケーション30は、第1画像の最後の余白の長さ(L1)を演算する。なお、制御アプリケーション30は、第1画像の印刷用画像データを分析し、第1画像の最後において文字列が配置されていない領域を特定し、その領域の長さを、第1画像の最後の余白の長さ(L1)として演算する。次に、制御アプリケーション30は、図7(b)に示すように、第2画像の最所の余白の長さ(L2)が、入力余白L0から第1画像の最後の余白の長さ(L1)を減じた長さ(L0-L1)となるように、先頭のオブジェクトを配置し、以降のオブジェクトを、入力余白L0で繰り返し配置する。この際、制御アプリケーション30は、第2画像の全長が、入力全体長(1500mm)から第1画像の長さ(999mm)を減じた長さ(501mm)となるように、オブジェクトを繰り返し配置する。そして、制御アプリケーション30は、このようにオブジェクトを繰り返し配置した第2画像の印刷用画像データを作成する。
また、制御アプリケーション30は、第1画像の印刷用画像データを作成すると、切断オプション設定画面120において第1選択ボタン122若しくは第2選択ボタン124が操作されている場合であっても、第1画像の印刷用画像データを含むジョブに、切断コマンド「OFF」をセットする。一方、制御アプリケーション30は、第2画像の印刷用画像データを作成すると、切断オプション設定画面120において第1選択ボタン122若しくは第2選択ボタン124が操作されている場合に、第2画像の印刷用画像データを含むジョブに、切断コマンド「ON」をセットする。そして、制御アプリケーション30は、第1画像の印刷用画像データを含むジョブを、プリンタ50に送信した後に、第2画像の印刷用画像データを含むジョブを、プリンタ50に送信する。
これにより、プリンタ50では、まず、第1画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行され、999mmの長さの第1画像が印刷媒体に印刷される。この際、第1画像の印刷が完了しても、切断コマンド「OFF」に従って、印刷媒体は切断されない。そして、第1画像が印刷媒体に印刷された後に、第2画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行され、第1画像が印刷された印刷媒体に、第1画像の最後から連続して、501mmの長さの第2画像が印刷媒体に印刷される。そして、第2画像の印刷完了後に、切断コマンド「ON」に従って、印刷媒体が切断される。このため、図8に示すように、1本の1500mmの印刷媒体に、999mmの第1画像と、その第1画像の最後から連続する501mmの第2画像が印刷される。これにより、1000mm以上の印刷媒体への繰返印刷処理を実行することができる。また、第1画像の最後が余白となっている場合に、第1画像の最後の余白の長さを考量して、第2画像の最所の余白の長さが設定されることで、第1画像と第2画像との間の余白を、適切な長さ、つまり、入力余白L0とすることができる。
なお、入力余白がL0とされている場合には、図7(a)に示すように、第1画像の最後が余白となるが、入力余白の数値に応じて、図9(a)に示すように、第1画像の最後が余白とならず、オブジェクトの途中となる場合もある。このような場合においても、第2画像は、第1画像の最後から連続するように形成される。詳しくは、プリンタ50では、テープ状の印刷媒体の延びる方向、つまり、繰返印刷処理においてオブジェクトを繰り返し配置される方向が副走査方向であり、制御アプリケーション30は、その副走査方向と直行する方向、つまり、主走査方向に延びるライン毎に、印刷用画像データを作成する。このため、第1画像の最後がオブジェクトの途中となっており、第1画像の印刷用画像データの最後端のラインが、そのオブジェクトのNライン目である場合に、制御アプリケーション30は、図9(b)に示すように、第2画像の最前端が、そのオブジェクトの(N+1)ライン目となるように、第2画像の印刷用画像データを作成する。これにより、プリンタ50において、第1画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行された後に、連続して、第2画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行されると、図10に示すように、第1画像の最後のオブジェクトと第2画像の最初のオブジェクトとが連続した状態で、適切に印刷される。
また、プリンタ50では、第1画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行されると、サーマルヘッドを冷却するべく、所定の時間、印刷処理が停止し、その後に、第2画像の印刷用画像データに基づく印刷処理が実行される。つまり、第1画像の印刷用画像データに基づく印刷処理と、第2画像の印刷用画像データに基づく印刷処理との間に、サーマルヘッドを冷却するための待機時間がある。このため、制御アプリケーション30は、第1画像の印刷用画像データ及び、第2画像の印刷用画像データをプリンタ50に送信する前に、図11に示す告知画面130をLCD20に表示する。この告知画面130には、印刷途中で印刷が停止する旨のコメントが表示されており、ユーザが印刷途中での印刷停止に対して戸惑わないように考慮されている。
また、上記説明では、選択画面70においてテンプレート画像72aが選択され、印刷対象のオブジェクトは、文字列「hello」とされていた。一方、選択画面70においてテンプレート画像72cが選択されると、印刷対象のオブジェクトは、文字列「堀田 太郎」とされる。この文字列「堀田 太郎」では、文字列「hello」と異なり、文字列の途中に空白が存在する。このように、文字列の途中に空白が存在すると、繰返印刷処理で印刷された画像において、繰返し配置されたオブジェクトに対して、ユーザが違和感を抱く虞がある。
具体的には、図12に示すように、文字列「堀田 太郎」には、「堀田」と「太郎」との間にスペースが挿入されており、長さ寸法L3の空白が存在する。このように途中に空白L3が存在する文字列「堀田 太郎」が、例えば、入力余白L4で繰り返し配置され、空白L3の値と入力余白L4の値とが同程度であれば、ユーザが文字列「堀田 太郎」を1つのオブジェクトとして認識し難くなり、ユーザが違和感を抱く虞がある。このようなことに鑑みて、オブジェクトが文字列を含み、その文字列の間に空白が存在する場合に、制御アプリケーション30は、入力余白L0に関わらず、オブジェクト間の余白を、空白L3の5倍に設定する。詳しくは、オブジェクトが文字列を含み、その文字列の間に空白が存在する場合に、制御アプリケーション30は、その空白の長さ寸法を演算する。なお、制御アプリケーション30は、文字列のテキストデータを分析し、文字列の途中に文字が配置されていない領域を特定し、その領域の長さを、空白の長さ(L3)として演算する。そして、制御アプリケーション30は、その空白L3の5倍の長さ寸法を、新たなオブジェクト間の余白L5(=L3×5)として設定する。このため、制御アプリケーション30は、文字列「堀田 太郎」を、入力余白L0でなく、余白L5で繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する。これにより、文字列「堀田 太郎」は、図13に示すように、空白L3の5倍の長さ寸法とされた余白L5で、繰り返し配置されるため、ユーザが文字列「堀田 太郎」を1つのオブジェクトとして認識し、ユーザによる違和感を解消することができる。
また、選択画面70においてテンプレート画像72dが選択されると、印刷対象のオブジェクトは、バーコードとされる。そして、バーコードが繰返印刷処理で印刷される際に、入力余白が小さな値である場合に、バーコードを適切に読み取ることができない虞がある。具体的には、図14に示すように、バーコートが、小さな値の入力余白L6で繰り返し配置されると、隣り合って配置される2つのバーコードの間が非常に狭くなる。このような場合に、バーコードリーダにより読取作業が実行されると、1回の読取作業において、隣り合って配置された複数のバーコードが読み取られるため、適切にバーコードを読み取ることができない。
このようなことに鑑みて、オブジェクトがバーコードを含む場合に、制御アプリケーション30は、入力余白L0に関わらず、オブジェクト間の余白を、予め設定されたているバーコード用の余白L7に設定する。余白L7は、バーコードリーダの読取部の幅を考量した長さ寸法に設定されており、比較的長くされている。このため、制御アプリケーション30は、バーコードを、入力余白L0でなく、バーコード用の余白L7で繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する。これにより、バーコードは、図15に示すように、比較的長い余白L7で、繰り返し配置されるため、1回の読取作業において、1個のバーコードのみを読み取ることが可能となり、適切なバーコードの読取作業を担保することができる。
上述した印刷処理は、CPU12において制御アプリケーション30が実行されることによって行われる。以下に、図16及び図17を用いて、制御アプリケーション30のフローが実行される際の処理を説明する。
制御アプリケーション30は、印刷ボタンが操作されると、編集画面80における編集画像82の印刷指示を受け付ける(S100)。なお、印刷指示には、長さ設定ボタン114への操作により入力された入力全体長および、余白設定ボタン117への操作により入力された入力余白L0が含まれている。次に、制御アプリケーション30は、印刷指示の編集画像82の基となるテンプレート画像、つまり、選択画面70において選択されたテンプレート画像が、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像であるか否かを判断する(S102)。
この際、選択されたテンプレート画像が、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像である場合(S102:YES)に、制御アプリケーション30は、S100で受け付けた印刷指示に含まれる入力全体長が1000mm以上であるか否かを判断する(S104)。そして、入力全体長が1000mm以上である場合(S104:YES)に、制御アプリケーション30は、オブジェクトにバーコードが含まれているか否かを判断する(S106)。この際、オブジェクトにバーコードが含まれている場合(S106:YES)に、制御アプリケーション30は、オブジェクト間の余白をバーコード用の余白L7に設定する(S108)。そして、S110に進む。
また、オブジェクトにバーコードが含まれていない場合(S106:NO)に、制御アプリケーション30は、文字列の途中に空白が存在するか否かを判断する(S112)。そして、文字列の途中に空白が存在する場合(S112:YES)に、制御アプリケーション30は、オブジェクト間の余白を、文字列の途中に存在する空白L3の5倍に設定する(S113)。そして、S110に進む。また、文字列の途中に空白が存在しない場合(S112:NO)に、制御アプリケーション30は、オブジェクト間の余白を、S100で受け付けた印刷指示に含まれる入力余白L0に設定する(S114)。そして、S110に進む。
続いて、S110において、制御アプリケーション30は、第1画像、つまり、全長が999mmとなるようにオブジェクトを繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する(S110)。次に、制御アプリケーション30は、第2画像、つまり、全長が、入力全体長から999mmを減じた長さとなるようにオブジェクトを繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する(S112)。そして、制御アプリケーション30は、切断オプション設定画面120において設定された切断オプションが、「オートカット」若しくは、「最後のラベルカット」であるか否かを判断する(S116)。
この際、切断オプションが、「オートカット」若しくは、「最後のラベルカット」である場合(S116:YES)に、制御アプリケーション30は、第1画像の印刷用画像データを含むジョブに、印刷コマンド「OFF」をセットする(S117)。次に、制御アプリケーション30は、第2画像の印刷用画像データを含むジョブに、印刷コマンド「ON」をセットする(S118)。そして、S120に進む。また、S116で切断オプションが、「オートカット」若しくは、「最後のラベルカット」でない場合(S116:NO)に、S117及びS118の処理がスキップされ、S120に進む。
続いて、S120において、制御アプリケーション30は、告知画面130をLCD20に表示する(S120)。そして、制御アプリケーション30は、印刷用画像データを含むジョブを、プリンタ50に送信する(S122)。これにより、本フローが終了する。
また、S104で入力全体長が1000mm未満である場合(S104:NO)に、制御アプリケーション30は、繰返印刷用の画像データ、つまり、全長が入力全体長となるようにオブジェクトを繰り返し配置した画像の印刷用画像データを作成する(S124)。そして、制御アプリケーション30は、印刷用画像データを含むジョブを、プリンタ50に送信する(S122)。これにより、本フローが終了する。
また、S102でテンプレート画像が、繰返印刷処理に対応するテンプレート画像でない場合(S102:NO)に、制御アプリケーション30は、通常のラベル印刷用の画像データ、つまり、オブジェクトを繰り返し配置することなく、1個のオブジェクトを配置した画像の印刷用画像データを作成する(S126)。そして、制御アプリケーション30は、印刷用画像データを含むジョブを、プリンタ50に送信する(S122)。これにより、本フローが終了する。
なお、S100を実行するCPU12は、受付手段の一例である。S104を実行するCPU12は、判断手段の一例である。S108を実行するCPU12は、第2設定手段の一例である。S110及びS115を実行するCPU12は、第1作成手段の一例である。S113を実行するCPU12は、第1設定手段の一例である。S120を実行するCPU12は、告知手段の一例である。S122を実行するCPU12は、出力手段の一例である。S124を実行するCPU12は、第2作成手段の一例である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、第1画像の全長が999mmとなるように、オブジェクトが繰り返し配置されているが、第1画像の全長が999mm以下であり、かつ、入力全体長から第1画像の全長を減じた長さ寸法が999mm以下であれば、第1画像の全長を任意に設定することができる。具体的には、例えば、図9(a)に示すように、第1画像の全長が999mmとなるように、オブジェクトを繰り返し配置すると、第1画像の最後がオブジェクトの途中となる場合がある。このような場合に、例えば、図18(a)に示すように、第1画像の全長が987mmとなるように、オブジェクトを繰り返し配置すると、第1画像の最後が、オブジェクトの途中とならずに、余白となる。このように、第1画像の最後が余白となるように、第1画像の全長を設定してもよい。なお、第1画像の最後が余白となる第1画像の全長は、例えば、オブジェクトの長さ寸法と入力余白L0とを合計した値を整数倍した長さ寸法Y以上、その長さ寸法Yに入力余白L0を加えた長さ寸法(Y+L0)以下となる。また、第2画像の全長は、入力全体長から第1画像の全長を減じた長さ寸法となるため、513(=1500-987)mmに設定される。このため、図18(b)に示すように、第1画像の最後から連続し、全長が513mmとなるように、オブジェクトが繰り返し配置された画像が、第2画像とされる。このように、全長が987mmの第1画像と、全長が513mmの第2画像とが形成された場合においても、図19に示すように、1500mmの長さの印刷媒体に、オブジェクトを繰り返し配置した画像を適切に印刷することができる。また、全長が2000mm以上の長さの印刷媒体が指定された場合、制御プログラムは、全長が999mmとなるような第1画像を複数生成する。
また、上記実施形態では、繰返印刷処理を実行するプリンタとして、サーマルプリンタが採用されているが、種々のタイプのプリンタを採用することができる。これは、サーマルプリンタに限られず、種々のタイプのプリンタにおいても、種々の理由で、一度に印刷される印刷媒体の全長が制限される可能性があるためである。
また、上記実施形態では、CPU12によって図16及び図17に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。