JP7243055B2 - 筒体の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る製造装置100の構成を説明する。
図1及び図2には、インパクトプレス装置10の構成が示されている。図1及び図2に示されるインパクトプレス装置10は、素材である金属塊に対してインパクトプレス加工を行う装置の一例である。具体的には、インパクトプレス装置10は、金属塊の一例としてのスラグ30に対して、衝撃(インパクト)を付与して、有底の筒体を成形する機能を有している。
図1及び図2に示されるダイス20は、金属塊が配置される凹部を有するダイスの一例である。具体的には、ダイス20は、図2に示されるように、スラグ30が配置される凹部22を有する雌型である。さらに具体的には、ダイス20は、以下のように構成されている。
図1及び図2に示されるパンチ40は、ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチ一例である。具体的には、パンチ40は、図3及び図4に示されるように、ダイス20に対して降下して先端面45がスラグ30に押し付けられる雄型である。このパンチ40は、スラグ30に対して衝撃を付与してスラグ30をプレスする機能を有している。さらに具体的には、パンチ40は、以下のように構成とされている。
図3及び図5に示されるストリッパー60は、成形された円筒体410をパンチ40から取り外す機能を有している。ストリッパー60は、平面視における中央部で貫通する円形状の貫通孔62を有している。これにより、ストリッパー60は、平面視にて円環状に形成されている。インパクトプレス装置10では、図5に示されるように、パンチ40をストリッパー60の貫通孔62に通して、円筒体410をストリッパー60に接触させることにより、円筒体410がパンチ40から取り外される。
図2に示されるスラグ30は、一方の面と、パンチの先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊の一例である。具体的には、スラグ30は、図2に示されるように、第一面31(一方の面の一例)と、第一面31の反対側に形成された第二面32(他方の面の一例)と、を有している。
図8及び図9に示されるしごき加工装置200は、インパクトプレス装置によって金属塊をインパクトプレス加工して成形された円筒体をしごき加工するしごき加工装置の一例である。具体的には、しごき加工装置200は、インパクトプレス装置10によってスラグ30をインパクトプレス加工にして形成された円筒体410をしごき加工する装置である。
図10及び図11に示される切断装置300は、しごき加工装置200によってしごき加工が行われた円筒体410の底壁412が設けられた軸方向端部425を切断する装置である。
電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400(支持体の一例)の製造方法について説明する。本製造方法は、第一準備工程と、第二準備工程と、配置工程と、インパクトプレス加工工程と、しごき加工工程と、切断工程と、洗浄工程と、を有している。
第一準備工程では、インパクトプレス装置10と、しごき加工装置200と、切断装置300と、を有する前述の製造装置100を準備する。
第二準備工程では、前述のスラグ30を準備する。すなわち、第二準備工程では、第一面31と、パンチ40の先端面45に対する接触面積が第一面31よりも小さくなる第二面32と、を有するスラグ30を準備する。
配置工程では、まず、スラグ30の第一面31及び第二面32を含む表面に潤滑剤を付与する。スラグ30に潤滑剤を付与するのは、スラグ30のパンチ40やダイス20との接触によるキズの発生を抑制するためである。
次に、図3及び図4に示されるように、ダイス20の上側に配置されたパンチ40を降下させて凹部22内に挿入する。これにより、凹部22に配置されたスラグ30の第二面32にパンチ40の先端面45を押し付け、スラグ30を押し潰して変形させる。すなわち、パンチ40がスラグ30をプレスする。これにより、スラグ30は凹部22からパンチ40の周囲を覆うように円筒状に伸びるスラグ流れが生じて、底壁412を有する円筒体410が成形される。このようにして、インパクトプレス加工が行われる。
しごき工程では、まず、図9に示されるように、円柱型210の先端側の部分を、円筒体410に挿入する。
切断工程では、図11に示されるように、切断装置300のカッタ310により、円筒体410の底壁412が設けられた軸方向端部425を切断する。これにより、軸方向両端部が開放された円筒管400が得られる。
洗浄工程では、円筒管400の表面を洗浄する。これにより、インパクトプレス加工工程においてスラグ30に付与された潤滑剤が除去される。洗浄工程で用いられる洗浄方法としては、特に限定されず公知の方法を採用し得る。具体的には、例えば、洗浄剤中に浸漬する浸漬洗浄、流動させた洗浄剤中に浸漬する流動洗浄、超音波洗浄、スクラブ洗浄、シャワー洗浄などが採用される。以上により、電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400が製造される。なお、製造方法としては、スラグ30に潤滑剤を付与しない構成であってもよい。この場合、洗浄工程は行わなくてもよい。
本実施形態では、前述のように、配置工程において、第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)に向けた状態で、ダイス20の凹部22に配置する。すなわち、第一面31を凹部22の底面23へ向けた状態で、スラグ30をダイス20の凹部22に配置する。
保持量が極端に少なくなり、第一面31でのダイス20との接触によるキズの発生を抑制する効果が低下する。このため、第一面31の最大高さ粗さRzは、1μm以上であることが望ましい。また、第二面32の最大高さ粗さRzが45μmを超えると、製造される円筒管400の表面の最大高さ粗さRzに影響がでる。このため、第二面32の最大高さ粗さRzは、45μm以下であることが望ましい。
実施例及び比較例において、製造される円筒管400の偏肉を評価した。
評価基準は、周方向の膜厚差(最大値と最小値の差)が40μmを超える場合を評価「×」とし、周方向の膜厚差が30μmを超え40μm以下の場合を評価「△」とし、周方向の膜厚差が30μm以下の場合を評価「○」とした。
スラグ30としては、金属板330を打ち抜きパンチ320で打ち抜くことで、円盤状に形成されたスラグ30を用いた。当該スラグ30は、第二面32が凸状面に形成され、第一面31が平面に形成されている。
第一評価では、図12の表に示されるように、第二面32の平面部の直径B(幅B)の異なるスラグ30を用いてインパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
さらに、A-Bが-2mm未満である場合(実施例1)に比べ、A-Bが-2mm以上である場合(実施例2~4)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
第二評価では、図13の表に示されるように、厚みの異なるスラグ30を用いることで、凹部22の内部に配置されたスラグ30の最頂部32Aから凹部22の内壁22Nの最頂部22Sまでの長さLAの値を変えて、インパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
さらに、長さLAが4.8mm未満である場合(実施例1)に比べ、長さLAが4.8mm以上である場合(実施例2、3)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
第三評価では、図14の表に示されるように、第一面31及び第二面32の最大高さ粗さRzが異なるスラグ30を用いて、インパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
さらに、第一面31の最大高さ粗さRzが20μmを超えるスラグ30(実施例1)、又は第二面32の最大高さ粗さRzが15μm未満とされたスラグ30(実施例2)を用いる場合に比べ、第二面32の最大高さ粗さRzが15μm以上とされ且つ第一面31の最大高さ粗さRzが20μm以下とされたスラグ30を用いる場合において(実施例3~5)、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
20 ダイス
22 凹部
22N 内壁
23 底面
30 スラグ(金属塊の一例)
31 第一面(一方の面の一例)
32 第二面(他方の面の一例)
40 パンチ
Claims (9)
- 金属塊が配置される凹部を有するダイスと、該ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチと、を有するインパクトプレス装置を準備する第一準備工程と、
凸状に湾曲する凸状面を有する金属塊を準備する第二準備工程と、
前記凸状面を前記先端面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する配置工程と、
前記パンチを前記ダイスに対して相対移動して前記先端面を前記凸状面に押し付け、前記金属塊に対してインパクトプレス加工を行うインパクトプレス加工工程と、
を有する筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、前記凸状面の反対側に前記凸状面よりも平らな平面が形成された前記金属塊を準備し、
前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態且つ前記平面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する
請求項1に記載の筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、金属板を打ち抜きパンチで打ち抜くことで、前記凸状面が形成され且つ該凸状面の反対側に前記平面が形成された前記金属塊を準備し、
前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態且つ前記平面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する
請求項2に記載の筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、前記凸状面の最大高さ粗さRzが、前記凸状面の反対側の反対面の最大高さ粗さRzよりも大きい金属塊を準備し、
前記配置工程では、前記凸状面及び前記反対面に潤滑剤が付与された金属塊を前記凹部の内部に配置する
請求項1~3のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、前記凸状面の最大高さ粗さRzが15μm以上45μm以下とされ、前記反対面の最大高さ粗さRzが1μm以上20μm以下とされた金属塊を準備する
請求項4に記載の筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、
前記パンチ及び前記金属塊の断面において、前記先端面の幅をAとし、前記金属塊の該先端面に沿った幅をBとした場合に、A-Bが-2mm以上である金属塊を準備する
請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記第二準備工程では、A≧Bである金属塊を準備する
請求項6に記載の筒体の製造方法。 - 前記第二準備工程では、
前記凹部の内部に配置された金属塊の最頂部から前記凹部の内壁の最頂部までの長さが4.8mm以上となる金属塊を準備する
請求項1~7のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。 - 前記インパクトプレス加工工程によって成形された筒体をしごき加工する工程、
を有し、
前記筒体としての、電子写真式の感光体用の支持体を製造する
請求項1~8のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。
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