JP7243055B2 - 筒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、筒体の製造方法に関する。
特許文献1には、スラグが配置される凹部を内部に有するダイスと、ダイスに対して相対移動して先端面がスラグに押し付けられるパンチと、を有するインパクトプレス装置によって、筒体を製造する製造方法が開示されている。
特許第4154337号公報
ここで、金属塊としてのスラグをパンチでプレスする際に、パンチの軸(芯)が、ダイスの軸(芯)に対してずれると、製造される筒体に偏肉が発生する場合がある。
本発明は、一方の面と、パンチの先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊を、該一方の面を該先端面へ向けた状態で凹部の内部へ配置する場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制することを目的とする。
第1態様は、金属塊が配置される凹部を有するダイスと、該ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチと、を有するインパクトプレス装置を準備する第一準備工程と、一方の面と、前記先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊を準備する第二準備工程と、前記他方の面を前記先端面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する配置工程と、前記パンチを前記ダイスに対して相対移動して前記先端面を前記他方の面に押し付け、前記金属塊に対してインパクトプレス加工を行うインパクトプレス加工工程と、を有する。
第2態様における前記第二準備工程では、前記他方の面が前記一方の面の反対側に形成された前記金属塊を準備し、前記配置工程では、前記一方の面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する。
第3態様における前記第二準備工程では、前記他方の面が凸状に湾曲する凸状面とされ、且つ前記一方の面が前記凸状面よりも平らな平面とされた前記金属塊を準備し、前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する。
第4態様における前記第二準備工程では、金属板を打ち抜きパンチで打ち抜くことで、前記凸状面が形成され且つ該凸状面の反対側に前記平面が形成された前記金属塊を準備し、前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態且つ前記平面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する。
第5態様における前記第二準備工程では、前記他方の面の最大高さ粗さRzが、前記一方の面の最大高さ粗さRzよりも大きい金属塊を準備し、前記配置工程では、前記一方の面及び前記他方の面に潤滑剤が付与された金属塊を前記凹部の内部に配置する。
第6態様における前記第二準備工程では、前記他方の面の最大高さ粗さRzが15μm以上45μm以下とされ、前記一方の面の最大高さ粗さRzが1μm以上20μm以下とされた金属塊を準備する。
第7態様は、金属塊が配置される凹部を有するダイスと、該ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチと、を有するインパクトプレス装置を準備する第一準備工程と、凸状に湾曲する凸状面を有する金属塊を準備する第二準備工程と、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する配置工程と、前記パンチを前記ダイスに対して相対移動して前記先端面を前記凸状面に押し付け、前記金属塊に対してインパクトプレス加工を行うインパクトプレス加工工程と、を有する。
第8態様における前記第二準備工程では、前記パンチ及び前記金属塊の断面において、前記先端面の幅をAとし、前記金属塊の該先端面に沿った幅をBとした場合に、A-Bが-2mm以上である金属塊を準備する。
第9態様における前記第二準備工程では、A≧Bである金属塊を準備する。
第10態様における前記第二準備工程では、前記凹部の内部に配置された金属塊の最頂部から前記凹部の内壁の最頂部までの長さが4.8mm以上となる金属塊を準備する。
第11態様は、前記インパクトプレス加工工程によって成形された筒体をしごき加工する工程、を有し、前記筒体としての、電子写真式の感光体用の支持体を製造する。
第1態様の製造方法によれば、一方の面と、パンチの先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊を、該一方の面を該先端面へ向けた状態で凹部の内部へ配置する場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第2態様の製造方法によれば、他方の面を凹部の底面へ向けた状態で、金属塊を凹部の内部へ配置する場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第3態様の製造方法によれば、金属塊における凸状面よりも平らな平面をパンチの先端面へ向けた状態で、金属塊を凹部の内部へ配置する場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第4態様の製造方法によれば、凸状面と平面が別工程で形成された金属塊を用いる場合に比べ、簡易な工程で凸状面及び平面が形成された金属塊を用いて、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第5態様の製造方法によれば、他方の面の最大高さ粗さRzと一方の面の最大高さ粗さRzとが同じ金属塊を用いる場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第6態様の製造方法によれば、他方の面の最大高さ粗さRzが15μm未満とされ、又は、一方の面の最大高さ粗さRzが20μmを超える金属塊を用いる場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第7態様の製造方法によれば、金属塊の平面をパンチの先端面へ向けた状態で、金属塊を凹部の内部へ配置する場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第8態様の製造方法によれば、A-Bが-2mm未満である金属塊を用いる場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第9態様の製造方法によれば、パンチの断面における先端面の幅よりも、金属塊の該先端面に沿った幅が広い金属塊を用いる場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第10態様の製造方法によれば、凹部の内部に配置された金属塊の最頂部から凹部の内壁の最頂部までの長さが4.8mm未満となる金属塊を用いる場合に比べ、製造される筒体の偏肉を抑制できる。
第11態様の製造方法によれば、一方の面と、パンチの先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊を、該一方の面を該先端面へ向けた状態で凹部の内部へ配置する場合に比べ、偏肉が抑制された電子写真式の感光体用の支持体を得ることができる。
本実施形態に係る製造装置のインパクトプレス装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るインパクトプレス装置の構成を示す側断面図である。 図1に示されるインパクトプレス装置において、パンチをダイスの凹部に挿入させた状態を示す斜視図である。 図3に示されるインパクトプレス装置の側断面図である。 図1に示されるインパクトプレス装置において、成形された円筒体をパンチから取り外す過程を示す斜視図である。 金属板と該金属板を打ち抜く打ち抜きパンチとを示す側断面図である。 図6に示される打ち抜きパンチで金属板を打ち抜いた状態を示す側断面図である。 本実施形態に係る製造装置のしごき加工装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るしごき加工装置の構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る製造装置の切断装置の構成を示す概略図である。 図10に示される切断装置で円筒体を切断した状態を示す概略図である。 実施例及び比較例の評価結果を示す表である。 実施例及び比較例の評価結果を示す表である。 実施例及び比較例の評価結果を示す表である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
<製造装置100>
本実施形態に係る製造装置100の構成を説明する。
図1等に示される製造装置100は、筒体を製造する製造装置の一例である。具体的には、製造装置100は、電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400(図11参照)を製造する機能を有している。すなわち、製造装置100は、電子写真式の感光体用の支持体を製造する製造装置の一例ともいえる。なお、製造装置100が製造する対象は、電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400に限られない。例えば、製造装置100は、現像ロールに用いられる円筒体などを製造する装置であってもよい。また、製造装置100は、電池ケースなどの角筒を製造する装置であってよい。すなわち、製造対象の筒体の断面形状は、円形状だけでなく、四角形等を含む多角形状などであってもよく、種々の形状とすることが可能である。
製造装置100は、具体的には、インパクトプレス装置10(図1及び図2参照)と、しごき加工装置200(図8及び図9参照)と、切断装置300(図10及び図11参照)と、を有している。以下、インパクトプレス装置10、しごき加工装置200、及び切断装置300について説明する。
(インパクトプレス装置10)
図1及び図2には、インパクトプレス装置10の構成が示されている。図1及び図2に示されるインパクトプレス装置10は、素材である金属塊に対してインパクトプレス加工を行う装置の一例である。具体的には、インパクトプレス装置10は、金属塊の一例としてのスラグ30に対して、衝撃(インパクト)を付与して、有底の筒体を成形する機能を有している。
インパクトプレス装置10は、一例として、図中の矢印+Y方向側を鉛直上方側とし、図中の矢印-Y方向側を鉛直下方側とした向きに配置されている。なお、インパクトプレス装置10は、+Y方向側を水平方向側とした向きに配置されていてもよく、インパクトプレス装置10が配置される向きと、重力方向との関係は、不問である。
インパクトプレス装置10は、具体的には、図1に示されるように、ダイス20と、パンチ40と、ストリッパー60と、を有している。以下、インパクトプレス装置10の各部(ダイス20、パンチ40、及びストリッパー60)及びスラグ30について説明する。
(ダイス20)
図1及び図2に示されるダイス20は、金属塊が配置される凹部を有するダイスの一例である。具体的には、ダイス20は、図2に示されるように、スラグ30が配置される凹部22を有する雌型である。さらに具体的には、ダイス20は、以下のように構成されている。
ダイス20は、図1に示されるように、例えば、円盤状に形成されている。凹部22は、ダイス20の上面(+Y方向側の面)で開口するように、ダイス20の中央部に形成されている。凹部22は、円柱状又は円盤状に形成されている。すなわち、凹部22は、平面視(-Y方向視)にて円形状に形成されている。
凹部22の底面23は、図2に示されるように、上方側(+Y方向側)を向く平面とされている。すなわち、底面23は、無勾配な面(フラットな面)とされている。
また、本明細書における「底」とは、凹部22の奥側の部分を意味する。本実施形態のように、インパクトプレス装置10が矢印+Y方向側を鉛直上方側とした向きに配置される場合では、「底」は、「鉛直下方側の部分」となるが、インパクトプレス装置10が矢印+Y方向側を水平方向側とした向きに配置される場合では、「鉛直下方側の部分」とはならない。
(パンチ40)
図1及び図2に示されるパンチ40は、ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチ一例である。具体的には、パンチ40は、図3及び図4に示されるように、ダイス20に対して降下して先端面45がスラグ30に押し付けられる雄型である。このパンチ40は、スラグ30に対して衝撃を付与してスラグ30をプレスする機能を有している。さらに具体的には、パンチ40は、以下のように構成とされている。
パンチ40は、図1に示されるように、略円柱状に形成されている。すなわち、パンチ40は、平面視(平断面視)にて、円形状とされている。パンチ40の外径は、ダイス20の凹部22の内径よりも小さくされている。パンチ40の先端側(-Y方向側)には、図2及び図4に示されるように、後端側(+Y方向側)の部分よりも外径が大きい大径部42(ランド部)が形成されている。大径部42は、成形される円筒体410(筒体の一例)の内径を規定する機能を有している。換言すれば、大径部42の外周面は、成形される円筒体410の内径を規定する加工面とされている。なお、大径部42は、凹部22内に挿入される部分において最も外径が大きい部分である。
パンチ40の先端部43(大径部42に対する-Y方向側の部分)は、先端面45(-Y方向側の面)に向けて徐々に縮径されている。先端面45は、-Y方向側を向く平面で構成されている。なお、パンチ40の形状は、図2に示される形状に限られない。
パンチ40は、図示せぬ駆動源から駆動力が伝達されて、上下方向(-Y方向及び+Y方向)に移動するようになっている。
そして、インパクトプレス装置10では、図3及び図4に示されるように、スラグ30が配置された凹部22内に底面23に対して隙間を有するように、パンチ40を挿入して、パンチ40の先端面45がスラグ30に対して衝撃を付与することで、スラグ30を押し潰して変形させる。すなわち、パンチ40がスラグ30をプレスする。これにより、スラグ30は凹部22からパンチ40の周囲(外周)を覆うように円筒状に伸びて、底壁412を有する円筒体410が成形される。
なお、パンチ40に対してダイス20が移動することで、パンチ40が凹部22に挿入される構成であってもよい。すなわち、パンチ40がダイス20に対して相対移動する構成であればよい。また、パンチ40の平面視(平断面視)の形状、及び凹部22の平面視の形状は、成形品の形状に応じて選択される。例えば、成形品が角筒であれば、パンチ40の平面視(平断面視)の形状、及び凹部22の平面視の形状は、四角形とされる。
(ストリッパー60)
図3及び図5に示されるストリッパー60は、成形された円筒体410をパンチ40から取り外す機能を有している。ストリッパー60は、平面視における中央部で貫通する円形状の貫通孔62を有している。これにより、ストリッパー60は、平面視にて円環状に形成されている。インパクトプレス装置10では、図5に示されるように、パンチ40をストリッパー60の貫通孔62に通して、円筒体410をストリッパー60に接触させることにより、円筒体410がパンチ40から取り外される。
(スラグ30)
図2に示されるスラグ30は、一方の面と、パンチの先端面に対する接触面積が該一方の面よりも小さくなる他方の面と、を有する金属塊の一例である。具体的には、スラグ30は、図2に示されるように、第一面31(一方の面の一例)と、第一面31の反対側に形成された第二面32(他方の面の一例)と、を有している。
スラグ30の第二面32は、パンチ40の先端面45に対する接触面積が、第一面31のパンチ40の先端面45に対する接触面積よりも小さくされている。
ここで、パンチ40の先端面45に対する接触面積とは、仮にパンチ40の先端面45を接触させたときの接触面積である。具体的には、パンチ40の先端面45に対する接触面積とは、スラグ30を凹部22の内部に配置した場合において、パンチ40を降下させて先端面45をスラグ30に接触させたときの接触面積である。
したがって、本実施形態では、第二面32をパンチ40の先端面45へ(上方へ)向けてスラグ30を凹部22の内部に配置し、パンチ40を降下させて先端面45を第二面32に接触させたときの接触面積が、第一面31をパンチ40の先端面45へ(上方へ)向けてスラグ30を凹部22の内部に配置し、パンチ40を降下させて先端面45を第一面31に接触させたときの接触面積よりも小さくなる。
さらに具体的には、スラグ30は、第二面32が凸状に湾曲する凸状面とされている。すなわち、第二面32は、第二面32に対する第一面31とは反対側(図2における上方側)へ突出する凸状に湾曲(膨出)されている。
また、スラグ30の第一面31は、第二面32よりも平らな平面とされている。ここで、第二面32よりも平らな状態とは、第一面31における高低差(最高点と最低点との差)が、第二面32における高低差よりも小さい状態をいう。したがって、第一面31における高低差が、第二面32における高低差よりも小さければ、傾斜や凹凸を有していても、「第二面32よりも平らな平面」に該当する。
さらに、スラグ30は、具体的には、図6及び図7に示されるように、金属板330を打ち抜きパンチ320で打ち抜くことで形成される。また、金属板330を打ち抜きパンチ320で打ち抜くことで、スラグ30の第二面32が凸状面に形成され、且つ、第一面31が第二面32よりも平らな平面に形成される。なお、打ち抜かれたスラグ30は、打ち抜きパンチ320が接触していた接触面が第一面31とされ、反対側の面が凸状面とされた第二面32とされる。
さらに、スラグ30は、円盤状に形成されており、第一面31と第二面32との間に円筒面34を有している。したがって、スラグ30は、平面視にて円形状に形成されている。
また、スラグ30は、第二面32の最大高さ粗さRzが、第一面31の最大高さ粗さRzよりも大きくされている。具体的には、第二面32の最大高さ粗さRzが15μm以上45μm以下とされ、第一面31の最大高さ粗さRzが1μm以上20μm以下とされている。
なお、最大高さ粗さRzは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値との和であり、例えば、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。
本実施形態では、例えば、第二面32を粗面化(表面に凹凸を付与)することで、第二面32の最大高さ粗さRzが、第一面31の最大高さ粗さRzよりも大きくされる。粗面化の方法としては、例えば、複数の小径の球体を第二面32に衝突させるショットピーニングが挙げられる。粗面化の方法としては、エッチング等の他の方法を用いてもよい。
また、パンチ40及びスラグ30の断面(図2参照)において、先端面45の幅をAとし、スラグ30の先端面45に沿った幅をBとした場合に、スラグ30は、A-Bが-2mm以上とされる。さらに具体的には、幅Aは、幅B以上の幅(A≧B)とされている。
なお、スラグ30の先端面45に沿った幅Bとは、本実施形態では、スラグ30の第二面32における先端面45に沿った幅に相当する。さらに、具体的には、当該幅Bは、第二面32における先端面45に沿った平面部における幅である。また、幅Aは、先端面45の直径に相当し、幅Bは、第二面32における先端面45に沿った平面部の直径に相当するともいえる。なお、第二面32において、0.1mm以内の傾斜を有するものを平面部とみなすようにしてもよい。
「パンチ40及びスラグ30の断面」とは、パンチ40及びスラグ30を-Y方向に沿って切断したときの断面である(図2参照)。具体的には、「パンチ40及びスラグ30の断面」は、平面視にて円形状のパンチ40の平面視における中心を通るように、凹部22に配置されたスラグ30及びパンチ40を-Y方向に沿って切断したときの断面である。
さらに、スラグ30は、凹部22の内部に配置したときに、スラグ30の最頂部32Aから凹部22の内壁22Nの最頂部22Sまでの長さLA(図2参照)が4.8mm以上となる厚み(+Y方向の寸法)が設定されている。長さLAは、パンチ40の相対移動方向(-Y方向)に沿った長さである。
また、スラグ30の材料、平面視における形状、大きさ等は、成形品の形状、大きさ、用途などに応じて選択される。本実施形態のように、電子写真式の感光体用の支持体を製造する場合は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の円盤状又は円柱状のスラグ30が好適に用いられる。なお、成形品の形状などによっては、平面視にて、楕円形状や、四角形状等の多角形状などのスラグ30を用いてもよい。
スラグ30として用いられるアルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti等を含むアルミニウム合金が挙げられる。電子写真式の感光体用の支持体を製造する場合に用いるスラグ30に含まれるアルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が好ましい。
なお、本実施形態では、スラグ30は、金属板を打ち抜きパンチで打ち抜く方法で作成されていたが、これに限られない。例えば、円柱状又は円盤状のスラグ30を使用する場合は、長手方向に垂直な断面が円形である棒状の金属材料をスラグ30の高さ(厚み)に相当する長さに切断する方法などを用いてもよい。
また、本実施形態では、第一面31のパンチ40に対する接触面積よりもパンチ40に対する接触面積が小さくなる第二面32は、第一面31の反対側に形成されていたが、これに限られない。例えば、スラグ30が、略直方体で形成される場合では、スラグ30の上面(+Y方向側の面)が第二面32とされ、スラグ30の側面(凹部22の内壁22Nに対向する面)が第一面31とされる構成であってもよい。
また、本実施形態では、凸状面とされた第二面32の反対側に、第二面32よりも平らな平面とされた第一面31が形成されていたが、これに限られない。すなわち、凸状面とされた第二面32の反対側の面は、第二面32よりも平らな平面でなくてもよく、例えば、第二面32と同様の凸状面や、凹状面とされていてもよい。
(しごき加工装置200)
図8及び図9に示されるしごき加工装置200は、インパクトプレス装置によって金属塊をインパクトプレス加工して成形された円筒体をしごき加工するしごき加工装置の一例である。具体的には、しごき加工装置200は、インパクトプレス装置10によってスラグ30をインパクトプレス加工にして形成された円筒体410をしごき加工する装置である。
さらに具体的には、しごき加工装置200は、図8及び図9に示されるように、円柱型210と、押付型220と、を備えている。
円柱型210は、インパクトプレス装置10によるインパクトプレス加工によって成形された円筒体410の内部に先端側の部分が挿入される円柱状の型である。円柱型210の外径は、円筒体410の内径と比して小さくされている。
このため、図9に示されるように、先端側の部分(図中下側の部分)が円筒体410の内部に挿入された状態(円柱型210に円筒体410を装着させた状態)で、円柱型210の外周面と円筒体410の内周面との間には隙間が形成されるようになっている。
円柱型210は、図示せぬ駆動源から駆動力が伝達されて、上下方向(-Y方向及び+Y方向)に移動するようになっている。
押付型220は、円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける型である。押付型220は、図8に示されるように、円柱型210と同軸上に配置された円環状とされている。また、押付型220には、押付型220の径方向の内側に突出する突起部223が円環状に形成されている。
この突起部223の内径は、円柱型210の外径と比して大きくされ、かつ、しごき加工前の円筒体410の外径と比して小さくされている。
しごき加工装置200では、図9に示されるように、円柱型210に円筒体410を装着させた状態の円柱型210を下方側へ移動させて円筒体410が押付型220の内部を通過させることで、押付型220が、円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける。このように、しごき加工が行われることで、円筒体410の形状が矯正される。これにより、円筒体410の内径、外径、及び真円度などが調整される。
(切断装置300)
図10及び図11に示される切断装置300は、しごき加工装置200によってしごき加工が行われた円筒体410の底壁412が設けられた軸方向端部425を切断する装置である。
切断装置300は、図10に示されるように、円筒体410の軸方向端部425を切断するカッタ310(切断部)を有している。切断装置300では、図11に示されるように、カッタ310が円筒体410の軸方向端部425を切断することで、軸方向両端部が開放された円筒管400が得られる。
<製造方法>
電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400(支持体の一例)の製造方法について説明する。本製造方法は、第一準備工程と、第二準備工程と、配置工程と、インパクトプレス加工工程と、しごき加工工程と、切断工程と、洗浄工程と、を有している。
(第一準備工程)
第一準備工程では、インパクトプレス装置10と、しごき加工装置200と、切断装置300と、を有する前述の製造装置100を準備する。
(第二準備工程)
第二準備工程では、前述のスラグ30を準備する。すなわち、第二準備工程では、第一面31と、パンチ40の先端面45に対する接触面積が第一面31よりも小さくなる第二面32と、を有するスラグ30を準備する。
(配置工程)
配置工程では、まず、スラグ30の第一面31及び第二面32を含む表面に潤滑剤を付与する。スラグ30に潤滑剤を付与するのは、スラグ30のパンチ40やダイス20との接触によるキズの発生を抑制するためである。
潤滑剤としては、特に制限はないが、偏肉抑制の観点から、粉末状の固体潤滑剤が好ましい。固体潤滑剤としては、脂肪酸金属塩が好ましい。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
次に、表面に潤滑剤が付与されたスラグ30を、図1及び図2に示されるように、第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)に向けた状態で、ダイス20の凹部22に配置する。すなわち、第一面31を凹部22の底面23へ向けた状態で、スラグ30をダイス20の凹部22に配置する。
(インパクトプレス加工工程)
次に、図3及び図4に示されるように、ダイス20の上側に配置されたパンチ40を降下させて凹部22内に挿入する。これにより、凹部22に配置されたスラグ30の第二面32にパンチ40の先端面45を押し付け、スラグ30を押し潰して変形させる。すなわち、パンチ40がスラグ30をプレスする。これにより、スラグ30は凹部22からパンチ40の周囲を覆うように円筒状に伸びるスラグ流れが生じて、底壁412を有する円筒体410が成形される。このようにして、インパクトプレス加工が行われる。
次に、パンチ40を上方側へ移動させて、パンチ40をストリッパー60の貫通孔62に通すことにより、円筒体410がパンチ40から取り外される。このようにして、円筒体410が成形される。
(しごき加工工程)
しごき工程では、まず、図9に示されるように、円柱型210の先端側の部分を、円筒体410に挿入する。
次に、円柱型210を下方側へ移動させ、円筒体410を押付型220の内部で通過させる。これにより、押付型220が円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける。
この結果、円筒体410が円柱型210の外周面に沿うように塑性変形し、円筒体410の形状が矯正される。次に、形状が矯正された円筒体410が円柱型210から脱型される。
(切断工程)
切断工程では、図11に示されるように、切断装置300のカッタ310により、円筒体410の底壁412が設けられた軸方向端部425を切断する。これにより、軸方向両端部が開放された円筒管400が得られる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、円筒管400の表面を洗浄する。これにより、インパクトプレス加工工程においてスラグ30に付与された潤滑剤が除去される。洗浄工程で用いられる洗浄方法としては、特に限定されず公知の方法を採用し得る。具体的には、例えば、洗浄剤中に浸漬する浸漬洗浄、流動させた洗浄剤中に浸漬する流動洗浄、超音波洗浄、スクラブ洗浄、シャワー洗浄などが採用される。以上により、電子写真式の感光体ドラム用の円筒管400が製造される。なお、製造方法としては、スラグ30に潤滑剤を付与しない構成であってもよい。この場合、洗浄工程は行わなくてもよい。
<本実施形態に係る作用>
本実施形態では、前述のように、配置工程において、第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)に向けた状態で、ダイス20の凹部22に配置する。すなわち、第一面31を凹部22の底面23へ向けた状態で、スラグ30をダイス20の凹部22に配置する。
さらに、前述のように、インパクトプレス加工工程において、パンチ40の先端面45をスラグ30の第二面32に押し付け、スラグ30に対してインパクトプレス加工を行う。
そして、本実施形態では、第二面32は、パンチ40の先端面45に対する接触面積が第一面31よりも小さくされている。
ここで、第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)に向けた状態で、ダイス20の凹部22に配置する場合(第一態様)では、インパクトプレス加工において、パンチ40の先端面45に対する接触面積が第二面32よりも大きい第一面31にパンチ40の先端面45が接触するため、パンチ40がスラグ30に対してパンチ40の径方向に移動しにくい。
これに対して、本実施形態では、インパクトプレス加工において、パンチ40の先端面45に対する接触面積が第一面31よりも大きい第二面32にパンチ40の先端面45が接触するため、第一態様に比べ、パンチ40がスラグ30に対してパンチ40の径方向に移動しやすい。このため、第一態様に比べ、パンチ40がダイス20における中心位置に戻る調芯作用が発生しやすく、当該調芯作用によって、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
また、本実施形態では、配置工程では、第一面31を凹部22の底面23へ向けた状態で、スラグ30をダイス20の凹部22に配置するので、第二面32を凹部22の底面23へ向けた状態で、スラグ30をダイス20の凹部22に配置する場合(第二態様)に比べ以下の作用を有する。
すなわち、第二態様では、凹部22の底面23に対するスラグ30の接触面積が小さいことで、スラグ30がダイス20に対して横ずれ(径方向への移動)が発生しやすい。これに対して、本実施形態では、第二態様に比べ、凹部22の底面23に対するスラグ30の接触面積が大きく、スラグ30がダイス20に対して横ずれ(径方向への移動)が発生しにくい。このため、スラグ30が凹部22の内部で径方向の一方に偏った位置に位置せず、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
また、本実施形態では、金属板330を打ち抜きパンチ320で打ち抜くことで形成されたスラグ30を用いるので、凸状面(第二面32)と平面(第一面31)が別工程で形成されたスラグを用いる場合に比べ、簡易な工程で、凸状面(第二面32)と平面(第一面31)が形成されたスラグを用いて、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
また、本実施形態では、第二面32の最大高さ粗さRzが、第一面31の最大高さ粗さRzよりも大きくされている。このため、第二面32の最大高さ粗さRzと第一面31の最大高さ粗さRzとが同じスラグ30を用いる場合(第三態様)に比べ、スラグ30の表面に付与された潤滑剤が第二面32に保持される。このため、第三態様に比べ、加工後半まで十分に潤滑性能が保持されるため、潤滑剤不足によるパンチ40とスラグ30の摩擦抵抗の増大が起きず、それに伴い、パンチ40が径方向に移動する偏芯作用が発生にしにくく、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
特に、本実施形態では、第二面32の最大高さ粗さRzが15μm以上45μm以下とされ、第一面31の最大高さ粗さRzが1μm以上20μm以下とされている。このため、第二面32の最大高さ粗さRzが15μm未満とされ、又は、第一面31の最大高さ粗さRzが20μmを超えるスラグ30を用いる場合に比べ、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
なお、第一面31の最大高さ粗さRzが1μm未満であると、第一面31での潤滑剤の
保持量が極端に少なくなり、第一面31でのダイス20との接触によるキズの発生を抑制する効果が低下する。このため、第一面31の最大高さ粗さRzは、1μm以上であることが望ましい。また、第二面32の最大高さ粗さRzが45μmを超えると、製造される円筒管400の表面の最大高さ粗さRzに影響がでる。このため、第二面32の最大高さ粗さRzは、45μm以下であることが望ましい。
また、本実施形態では、パンチ40及びスラグ30の断面において、先端面45の幅をAとし、スラグ30の先端面45に沿った幅をBとした場合に、スラグ30は、A-Bが-2mm以上とされる。ここで、A-Bが-2mm未満とされるスラグ30を用いる場合(第四態様)では、インパクトプレス加工において、パンチ40の先端面45がスラグ30に接触した際に、パンチ40がスラグ30に食い込みやすいため、パンチ40がスラグ30に対してパンチ40の径方向に移動しにくい。
これに対して、本実施形態では、A-Bが-2mm未満とされるスラグ30を用いるので、インパクトプレス加工において、パンチ40の先端面45がスラグ30に接触した際に、パンチ40がスラグ30に食い込みにくく、第四態様に比べ、パンチ40がスラグ30に対してパンチ40の径方向に移動しやすい。このため、第四態様に比べ、パンチ40がダイス20における中心位置に戻る調芯作用が発生しやすく、当該調芯作用によって、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
特に、本実施形態では、幅Aが幅B以上の幅(A≧B)とされているので、幅Aが幅B未満の幅(A<B)とされている場合に比べ、前述の調芯作用によって、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
また、本実施形態では、スラグ30は、凹部22の内部に配置したときに、スラグ30の最頂部32Aから凹部22の内壁22Nの最頂部22Sまでの長さLAが4.8mm以上となる厚み(+Y方向の寸法)が設定されている。
このため、インパクトプレス加工工程において、パンチ40にプレスされたスラグ30が、凹部22からパンチ40の周囲を覆うように円筒状に伸びるスラグ流れが生じたときに、スラグ30と凹部22の内壁22Nとの摩擦が、長さLAが4.8mm未満である場合(第五態様)に比べ、大きくなる。このため、第五態様に比べ、パンチ40の周方向におけるスラグ流れのバラつきが小さいため、前述の調芯作用が発生しやすく、当該調芯作用によって、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
<評価>
実施例及び比較例において、製造される円筒管400の偏肉を評価した。
本評価では、前述のインパクトプレス装置10と同様に構成されたインパクトプレス装置を用いた。また、本評価では、製造された円筒管400を周方向4点×軸方向5点で肉厚測定をオリンパス製膜厚計で行い、周方向の膜厚差の軸方向5データの内最大値を偏肉として算出した。
評価基準は、周方向の膜厚差(最大値と最小値の差)が40μmを超える場合を評価「×」とし、周方向の膜厚差が30μmを超え40μm以下の場合を評価「△」とし、周方向の膜厚差が30μm以下の場合を評価「○」とした。
スラグ30としては、金属板330を打ち抜きパンチ320で打ち抜くことで、円盤状に形成されたスラグ30を用いた。当該スラグ30は、第二面32が凸状面に形成され、第一面31が平面に形成されている。
(第一評価)
第一評価では、図12の表に示されるように、第二面32の平面部の直径B(幅B)の異なるスラグ30を用いてインパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
この結果、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置した場合(実施例1~4)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
さらに、A-Bが-2mm未満である場合(実施例1)に比べ、A-Bが-2mm以上である場合(実施例2~4)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
(第二評価)
第二評価では、図13の表に示されるように、厚みの異なるスラグ30を用いることで、凹部22の内部に配置されたスラグ30の最頂部32Aから凹部22の内壁22Nの最頂部22Sまでの長さLAの値を変えて、インパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
この結果、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置した場合(実施例1~3)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
さらに、長さLAが4.8mm未満である場合(実施例1)に比べ、長さLAが4.8mm以上である場合(実施例2、3)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
(第三評価)
第三評価では、図14の表に示されるように、第一面31及び第二面32の最大高さ粗さRzが異なるスラグ30を用いて、インパクトプレス加工を行った場合について評価した。他の条件については、比較例と各実施例とで同じとされている。
比較例では、スラグ30の第一面31をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
実施例1~4では、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置して、インパクトプレス加工を行った。
この結果、スラグ30の第二面32をパンチ40の先端面45側(上方側)へ向けた状態で、スラグ30を凹部22の内部に配置した場合(実施例1~5)において、製造される円筒管400の偏肉が抑制されることがわかった。
さらに、第一面31の最大高さ粗さRzが20μmを超えるスラグ30(実施例1)、又は第二面32の最大高さ粗さRzが15μm未満とされたスラグ30(実施例2)を用いる場合に比べ、第二面32の最大高さ粗さRzが15μm以上とされ且つ第一面31の最大高さ粗さRzが20μm以下とされたスラグ30を用いる場合において(実施例3~5)、製造される円筒管400の偏肉が抑制される。
10 インパクトプレス装置
20 ダイス
22 凹部
22N 内壁
23 底面
30 スラグ(金属塊の一例)
31 第一面(一方の面の一例)
32 第二面(他方の面の一例)
40 パンチ

Claims (9)

  1. 金属塊が配置される凹部を有するダイスと、該ダイスに対して相対移動して先端面が該金属塊に押し付けられるパンチと、を有するインパクトプレス装置を準備する第一準備工程と、
    凸状に湾曲する凸状面を有する金属塊を準備する第二準備工程と、
    前記凸状面を前記先端面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する配置工程と、
    前記パンチを前記ダイスに対して相対移動して前記先端面を前記凸状面に押し付け、前記金属塊に対してインパクトプレス加工を行うインパクトプレス加工工程と、
    を有する筒体の製造方法。
  2. 前記第二準備工程では、前記凸状面の反対側に前記凸状面よりも平らな平面が形成された前記金属塊を準備し、
    前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態且つ前記平面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する
    請求項1に記載の筒体の製造方法。
  3. 前記第二準備工程では、金属板を打ち抜きパンチで打ち抜くことで、前記凸状面が形成され且つ該凸状面の反対側に前記平面が形成された前記金属塊を準備し、
    前記配置工程では、前記凸状面を前記先端面へ向けた状態且つ前記平面を前記凹部の底面へ向けた状態で、前記金属塊を前記凹部の内部へ配置する
    請求項2に記載の筒体の製造方法。
  4. 前記第二準備工程では、前記凸状面の最大高さ粗さRzが、前記凸状面の反対側の反対面の最大高さ粗さRzよりも大きい金属塊を準備し、
    前記配置工程では、前記凸状面及び前記反対面に潤滑剤が付与された金属塊を前記凹部の内部に配置する
    請求項1~3のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。
  5. 前記第二準備工程では、前記凸状面の最大高さ粗さRzが15μm以上45μm以下とされ、前記反対面の最大高さ粗さRzが1μm以上20μm以下とされた金属塊を準備する
    請求項4に記載の筒体の製造方法。
  6. 前記第二準備工程では、
    前記パンチ及び前記金属塊の断面において、前記先端面の幅をAとし、前記金属塊の該先端面に沿った幅をBとした場合に、A-Bが-2mm以上である金属塊を準備する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記第二準備工程では、A≧Bである金属塊を準備する
    請求項6に記載の筒体の製造方法。
  8. 前記第二準備工程では、
    前記凹部の内部に配置された金属塊の最頂部から前記凹部の内壁の最頂部までの長さが4.8mm以上となる金属塊を準備する
    請求項1~7のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。
  9. 前記インパクトプレス加工工程によって成形された筒体をしごき加工する工程、
    を有し、
    前記筒体としての、電子写真式の感光体用の支持体を製造する
    請求項1~8のいずれか1項に記載の筒体の製造方法。
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