JP7421365B2 - プレス装置及び部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板材を押込成形することにより、当該板材に突出部を形成するプレス装置及び突出部が形成された部材を製造する製造方法に関するものである。
従来、金属製等の板材に雌ネジを形成する場合、ネジの締め付け強度を高める目的で、前記板材に突出部を形成し、当該突出部の内側にネジ溝を形成することが行われている。これにより、ネジの係合代を大きくでき、ネジの締め付け強度が確保できるものとされている。また、薄板に突出部を形成する方法として、バーリング加工が用いられている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、薄板にバーリング加工を施し、円筒形の立ち上げ部を形成することが開示されている。
特許文献1の薄板のバーリング加工方法は、加工対象部位にあらかじめ潰し加工を行い、潰し加工を行った後に突き出し加工を行うことで、薄板であっても十分なバーリング高さを得ることができるものとされている。
特開2013-126673号公報
ところで、例えば、自動車等の車両において、リアサスペンション(リアサスとも称する)等を車両に固定するために、エンドプレート等の部材が用いられている。このような車両部材としてのエンドプレートは、強度を必要とする一方、軽量化を図るため、最小限度に板材の厚みを確保しつつ、ネジの締め付け強度を確保する必要がある。そのため、例えば、リアサス用のエンドプレートは、厚板(厚さ10mm程度の鋼板など)が用いられ、当該厚板を加工して突出したネジ孔を形成する必要がある。
上述したような厚板は、材料の変形抵抗が大きいため、バーリング加工を施すことが困難である。そのため、厚板では、プレス装置を用いた押込成形(エンボス成形とも称する)により、部分的に厚板を突出させて突出部を形成した後にタップ加工を行って、ネジ孔を形成することが考えられる。
しかしながら、押込成形を行う場合であっても、材料の変形抵抗が大きくなるため、単にプレス装置のパンチを押込むだけでは、金型(下型とも称する)に沿うように材料(肉とも称する)が流動せず、突出部の径や肉厚にばらつきが生じる問題があった。特に、厚板で、形成する突出部の高さが低い場合は、パンチの押込みストローク量が少なくなるため、厚板の曲げ角度が浅くなり、上述したばらつきが顕著になる問題がある。また、プレス装置での押込圧力が不足した場合にも、突出部の根元部分に肉が上手く流動せず、突出部の径や肉厚にばらつきが生じる問題がある。かかる問題を解決するためには、パンチの押込圧力を高めると共に材料からの反力に耐え得るよう材料の押え力も高める必要がある。
しかしながら、パンチの押込圧力を高めるためには、プレス装置を大型化させるか、あるいは、複数回に亘ってプレス加工を行うなどの必要があり、工程や加工コストが増大する問題があった。
そこで、本発明は、厚板であっても、必要以上に押込圧力を高めることなく、精度の良い突出部を形成することができるプレス装置及び部材の製造方法を提供することを目的とする。
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のプレス装置は、板材を押込成形することにより、前記板材に突出部を形成するプレス装置であって、前記板材を押し込むパンチと、前記パンチにより押し込まれた前記板材を受け入れ可能な受入部を備えた下型と、を有し、前記受入部が、前記突出部に対応する形状に形成された凹状部と、前記凹状部の底部に対して連続し、前記板材の押込方向下流側に向けて突出した逃がし部とを有し、前記逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して、前記パンチによる押込中心側にオフセットしていることを特徴とするものである。
本発明のプレス装置は、板材を押込成形することにより、板材に突出部を形成することができる。また、本発明のプレス装置は、板材を押し込むパンチと、前記パンチにより押し込まれた板材を受け入れ可能な受入部を備えた下型とを有している。そのため、パンチにより押込された板材が下型の受入部に収容されて、突出部が受入部内に形成される。また、本発明のプレス装置は、受入部が、突出部に対応する形状に形成された凹状部を有しているので、板材が凹状部に向けて押込されることにより、凹状部の形状に沿う突出部が形成される。これにより、複数回の押込みを行うことなく1回の押込みにより、板材に突出部を形成することができる。また、鍛造によるものでなく、プレス加工で板材に突出部を形成することができるので、製造コストを低減することができる。
また、本発明のプレス装置は、凹状部が、当該凹状部の底部に対して連続し、板材の押込方向下流側に向けて突出した逃がし部を有している。そのため、板材が凹状部に向けて押込される際に、板材の反力を逃がし部に向けて逃がすことができる。これにより、パンチにより板材を凹状部に向けて押込成形する際に、板材が押圧による反力によって凹状部の内面から離れようとすることを抑制できるので、当該凹状部の内面に沿って板材の肉を流動させることができる。従って、例えば、厚さが10mm程度あるような厚い板材であっても、径と肉厚が安定した精度の良い突出部を形成することができる。また、高さが低い突出部を形成する場合であっても、パンチのストローク量を必要以上に増やす必要がないので、板材の変形による反力を抑制することができる。
また、本発明のプレス装置は、前記逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して、前記パンチによる押込中心側にオフセットされている。これにより、凹状部と逃がし部とが段状に形成される。また、板材の肉の一部が押込み方向下流側の逃がし部に流動することで、凹状部の内面に沿う方向に押込み力を作用させることができる。従って、肉厚で精度の良い突出部が板材に形成される。
(2)上述した課題を解決すべく提供される本発明のプレス装置は、前記逃がし部が、底面を備えた凹部又は底面の少なくとも一部が開孔された開孔部であることを特徴とするものである。
本発明のプレス装置は、逃がし部が、底面を備えた凹部又は底面の少なくとも一部が開孔された開孔部とされている。従って、板材のパンチによる押込により、板材の肉が凹部又は開孔部に向けて円滑に流動し、これに伴い、凹状部の内面に沿って板材の肉を流動させることができる。なお、逃がし部が、底面を備えた凹部である場合、当該凹部に開孔を設けて、当該凹部内の空気抜きをすることが望ましい。これにより、凹部内の圧が高まり過ぎて、下型が破損することを抑制することができる。また、逃がし部が、底面の少なくとも一部が開孔された開孔部である場合、下型の形成を容易に行うことができる。
(3)本発明のプレス装置は、前記逃がし部の内周面が、前記パンチの外周面に対して、前記パンチによる押込中心側にオフセットしていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、逃がし部の内周面とパンチの外周面との間に作用するせん断力を抑制することができるので、板材がパンチにより切断されることを抑制できる。
(4)本発明の部材の製造方法は、板材を押込成形することにより、前記板材に突出部を形成する部材の製造方法であって、前記板材を押し込むパンチと、前記パンチにより押し込まれた前記板材を受け入れ可能な受入部を備えた下型と、を有し、前記受入部が、前記突出部に対応する形状に形成された凹状部と、前記凹状部の底部に対して連続し、前記板材の押込方向下流側に向けて突出した逃がし部とを有し、前記逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して前記パンチによる押込中心側にオフセットしたプレス装置が用いられ、前記パンチにより、前記板材を前記下型に向けて押し込み、前記板材を前記凹状部に向けて突出させながら、前記板材を前記逃がし部に向けて逃がすことにより、前記板材を前記凹状部の内面に沿う方向に突出させて前記突出部を形成することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、板材が凹状部に向けて押込される際に、板材の反力を前記逃がし部に向けて逃がすことができる。これにより、前記パンチにより板材を凹状部に向けて押込成形する際に、板材が押圧による反力によって凹状部の内面から離れようとすることを抑制できるので、当該凹状部の内面に沿って材料を流動させることができる。従って、例えば、厚さが10mm程度あるような厚い板材であっても、径と肉厚が安定した精度の良い突出部を形成することができる。これにより、複数回の押込みを行うことなく1回の押込みにより、板材に突出部を形成することができる。また、高さが低い突出部を形成する場合であっても、パンチのストローク量を必要以上に増やす必要がないので、板材の変形による反力を抑制することができる。また、鍛造によるものでなく、プレス加工で板材に突出部を形成することができるので、製造コストを低減することができる。
また、本発明の部材の製造方法は、用いられるプレス装置における逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して前記パンチによる押込中心側にオフセットされている。これにより、パンチにより押込される板材の少なくとも一部が前記凹状部の底部の少なくとも一部に係合し、板材がパンチにより打ち抜かれることが抑制される。従って、前記凹状部に沿った突出部が板材に形成される。
(5)本発明の部材の製造方法は、前記突出部の形成後、当該突出部を切削加工することによりタップ下穴が形成されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、精度良く形成された突出部に切削加工を施してタップ下穴が形成されるので、肉厚のあるタップ下穴を形成することができる。これにより、強度を確保できるネジ孔をタップ下穴に形成できる。
(6)本発明の部材の製造方法は、前記逃がし部の外径を前記タップ下穴の径以下に形成しておき、前記タップ下穴の切削加工の際に、前記タップ下穴と共に前記逃がし部に向けて突出した板材を切削加工することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、突出部の形成の際に生じた逃がし部での板材の突出を、タップ下穴の切削加工と同時に除去することができる。これにより、加工の工程数を減らすことが可能であるので、加工コストを低減できる。また、汎用性の高い加工方法を提供することができる。
本発明によれば、厚板であっても、必要以上に押込圧力を高めることなく、精度の良い突出部を形成することができるプレス装置及び部材の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るプレス装置の概略図である。 (a)及び(b)は、本発明を適用して製造された部材の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る部材の製造方法の説明図である。 (c)及び(d)は、本発明の一実施形態に係る部材の製造方法の説明図である。 (a)は、本発明を適用して押込成形された部材の断面図であり、(b)は、当該部材におけるタップ下穴の断面図である。 本発明の別の実施形態に係るプレス装置の概略図である。
以下では、本発明の一実施形態に係るプレス装置10及び部材Pの製造方法について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明を容易にするため、実際のスケールとは異なって描いていることに留意されたい。
本実施形態では、部材Pとして、図2(a)及び図2(b)に示すような車両のリアサスエンドプレートを製造する方法を例として説明する。部材Pは、例えば、鋼板からなる板材50(本実施形態では10mm)に突出部Paが形成されたものである。また、部材Pは、突出部Paにタップ下穴Pbが切削加工により形成されており、タップ下穴Pbがタップされてネジ孔が形成されている。
以下、上述した部材Pの製造に用いられるプレス装置10について、図1を参照しながら、詳細を説明する。
図1に示すようにプレス装置10は、板材50を成形する下型30と、板材50を下型30に向けて押込むことが可能なパンチ20と、板材50を上方側から押える押え部11等を有している。
パンチ20は、図示しないシリンダやスライダ等により、昇降自在である。また、パンチ20は、円形状に形成されており、外径がD1(本実施形態では9.8mm)とされている。また、パンチ20は、板材50を上方側から押圧することで、板材50を下型30に向けて押込することが可能である。これにより、板材50が下型30に沿った形状に押込成形される。
下型30は、パンチ20により押込まれる板材50を受入部31に受け入れることで、板材50を押込成形するものである。受入部31は、突出部Paに対応する形状に形成された凹状部32と、凹状部32の底部32bに形成された逃がし部33等を有している。突出部Paは各種の形状に形成することが可能であるが、本実施形態では、突出部Paは、ネジ孔形成のため、円形状に形成されている。
凹状部32は、内周面32aの内径がD2(本実施形態では16mm)となる円形状に形成され、底部32bを有している。凹状部32は、押込まれる板材50を受け入れて、板材50に突出部Paを形成する。
逃がし部33は、凹状部32の底部32bに対して連続し、押込方向下流側に向けて突出するように形成されている。また、逃がし部33の内周面33aが、凹状部32の内周面に対して、パンチ20による押込中心側にオフセットされている。従って、受入部31は、上段に位置する凹状部32と、下段に位置する逃がし部33とが段状となるように形成されている。また、逃がし部33は、凹状部32の底部32bに対して連続して形成された内周面33aを有している。なお、内周面33aは、突出部Paが形成された板材50を下型30から取り外しやすいようにテーパー状に形成することが望ましい。
また、本実施形態では、逃がし部33は、底面33bを有しており、底面33bに下型30の外部と連通する開孔33cが形成されている。また、逃がし部33は、パンチ20により板材50を押込する際に、押込中心付近で突出した板材50の一部を受け入れることが可能である。これにより、板材50による押込み方向上流側への反力を低減できるので、パンチ20の押込み力を凹状部32の内面方向に向けることができる。従って、板材50の肉を凹状部32の内面に沿って流動させることができ、精度の良い肉厚の突出部Paを形成することができる。ここで、突出部Paは、凹状部32の内面に完全に沿うものでなくても良く、突出部Paと内面との間に隙間ができるものであっても良い。前記隙間は、要求される突出部Paの厚みや形状に応じて調整すれば良い。
逃がし部33は、上端側の内径がパンチ20の外径D1(9.8mm)よりも小径のD3(本実施形態では8.8mm)となるように形成されている。すなわち、逃がし部33の内周面33aが、パンチ20の外周面に対して、パンチ20による押込中心側にD4(本実施形態では1mm)だけオフセットされている。従って、パンチ20は、外形の一部が、逃がし部33の外周部分において、凹状部32と重なっている。これにより、パンチ20によるせん断力が板材50に作用することを抑制することができ、板材50が切断されて打ち抜かれることを抑制することができる。
ここで、パンチ20の外形と、逃がし部33の外周部分における凹状部32との重なりが少なすぎると、せん断力が発生して板材50が切断されやすくなる。一方、上述した重なりが多くなると、凹状部32の内周面32aとパンチ20との外周面との隙間が狭くなるため、板材50の肉が逃がし部33方向へ流動しにくくなる。そのため、板材50の肉が凹状部32の内面に沿う方向に流動することが阻害される。従って、パンチ20の外径と、逃がし部33の外周部分における凹状部32との重なりは、0.5~1.5mmとすることが望ましく、0.8~1.2mmとすることがより望ましい。なお、この重なり量は、板材50の材質、厚み、形成する突出部Paの形状等に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の重なり量を調整することで、板材50の肉が、凹状部32の内面方向に流動する流動量を調整することが可能である。
パンチ20の外周方向には、板材50を上方側から押さえ込む押え部11が設けられている。押え部11は、板材50を押込する際に板材50に生じる反力を抑制することが可能である。これにより、板材50の肉を凹状部32の内面方向に押込みつつ、逃がし部33方向に逃がすことができる。なお、押え部11は、金型で構成されるものであっても良い。
以上が、本発明のプレス装置10の構成であり、次に本発明のプレス装置10を用いて、部材Pを製造する製造工程について、図3~図5を参照しながら以下に説明する。
図3(a)に示すように、ネジ孔形成予定の中心部分が、下型30の凹状部32の中心となるように下型30上に板材50が配置され、押え部11により板材50を固定する。
図3(b)に示すように、パンチ20が下降し、パンチ20により板材50が下型30に向けて押込まれる。これにより、板材50が受入部31における凹状部32に向けて突出する。
さらにパンチ20による押込みを続けることで、図4(c)に示すように、板材50が押込み中心周辺で突出し、突出部分の一部が逃がし部33に受け入れられる。これにより、板材50の変形に伴う上方向への反力が、逃がし部33により緩和される。従って、押え部11による板材50の押さえ込み力を軽減させることができる。
続いて、図4(d)に示すように、パンチ20が所定の押込み量(板材50の厚みより突出量分多い量、本実施形態では12mm)となるまで板材50を押込むことにより、板材50の押込み中心付近が、さらに逃がし部33に向けて突出する(当該突出した板材50を膨出部50aとも称する)。板材50の押込み中心付近が、逃がし部33方向に突出することにより、凹状部32の内面に沿って板材50の肉が流動する。これにより、板材50に凹状部32の内面に沿った肉厚の突出部Paが形成される。なお、逃がし部33は、板材50の肉の流動により、内圧が上がり過ぎて下型30が破損しないように、溜った空気を抜く開孔33cを形成しておくことが望ましい。
上述したように、押込みによる力の一部を押込み方向下流側方向に逃がすことにより、板材50の変形による反力(押込み方向上流側方向)を抑制できるので、押込み力を凹状部32の内面方向に効率的に作用させることができる。また、板材50の肉を凹状部32の内面方向に沿って流動させることができる。
次に、図5(a)に示すように、突出部Paと膨出部50aとが形成された板材50が、プレス装置10から取り出される。突出部Paは、高さがD5(本実施形態では2mm)に形成されている。次に、図示しない切削装置により、突出部Paの内周側におけるパンチ痕50bの外周部分(図示二点鎖線部分)に切削加工が行われる。
図5(b)は、突出部Paに切削加工が行われてタップ下穴Pbが形成された部材Pである。タップ下穴Pbは、内径がD6(本実施形態では10.8mm)となるように形成されている。また、突出部Paの外径はD4となるように形成されている。このように、本発明のプレス装置10及び部材Pの製造方法によれば、厚さが10mm程度の板材50であっても、肉厚の突出部Paを形成することができるので、肉厚のネジ孔を形成することが可能である。
次に、本発明の別の実施形態について図6に基づいて、以下に詳細を説明する。なお、本実施形態においては、逃がし部33の形状を変更した以外は、同一の構成であるので、共通部分の説明は省略する。また、同一の部材については、同一の符号を用いていることに留意されたい。
図6に示すように、プレス装置10の逃がし部33は、本実施形態においては、内周面33aに連なる底面33bを有しないものとされている。すなわち、逃がし部33には、貫通孔が形成されている。このように、逃がし部33に貫通孔を形成することで、下型30の形成が容易となる。
本実施形態においては、部材Pとして車両のリアサスエンドプレートを例示して説明したが、各種の機械部材や建築用部材に適用することができる。また、本発明は、強度を要求される板材に突出部を形成する場合に、好ましく適用できる。また、本実施形態においては、10mmの厚みの板材を例示しているが、本発明は、任意の厚みの板材に適用することが可能である。
本実施形態においては、突出部Paが円形状のものを例示したが、本発明はこれに限定されず、突出部Paは、各種の形状のものであっても良い。例えば、突出部Paは、楕円、四角形、三角形などに形成されていても良い。また、本実施形態においては、パンチ20が円形状のものを用いたが、パンチ20は突出部Paの形状に合わせて各種の形状のものを採用することが可能である。また、凹状部32や逃がし部33の形状も形成する突出部Paの形状に合わせて各種の形状のものを採用することが可能である。また、凹状部32の内径D2や逃がし部33の内径D3も板材50の材質や厚みに応じて適宜のサイズに形成すれば良い。また、凹状部32や逃がし部33の高さも形成する突出部Paの高さや板材50の厚み等に応じて適宜のサイズに形成すれば良い。また、下型30も円形だけではなく、突出部Paやパンチ20の形状に合わせて、各種の形状のものを採用することが可能である。
本実施形態においては、逃がし部33の内周面33aが、パンチ20の外周面に対してパンチ20による押込中心側にオフセットしているが、当該オフセット量は、板材の材質や厚みに応じて変更することが可能である。ここで、パンチ20の外形と、逃がし部33の外周部分における凹状部32との重なりが、多すぎると板材50の肉が行き場を失って凹状部32に流動することが阻害される。一方、上述した重なりが少なすぎると、せん断力が発生して板材50が切断されやすくなる。従って、オフセット量は、係る知見に基づいて設定することが望ましい。
本実施形態において、逃がし部33は、底面33bを備えた凹部33d又は底面の少なくとも一部が開孔された開孔部33eとされているが、逃がし部33の形状は、板材50の膨出部50aを逃がすことが可能なものであれば各種の形状のものを採用することが可能である。
本実施形態においては、突出部Paの形成後、突出部Paを切削加工することによりタップ下穴Pbが形成されているが、タップ下穴Pbのサイズは、形成するネジ孔のサイズに応じて各種のサイズに形成することが可能である。
本実施形態においては、逃がし部33の外径をタップ下穴Pbの径以下に形成しておき、タップ下穴Pbの切削加工の際に、タップ下穴Pbと共に逃がし部33に向けて突出した板材50(膨出部50aとも称する)を切削加工するものとしているが、膨出部50aとタップ下穴Pbとが個別に切削加工されるものであっても良い。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明は、板材を押込成形するプレス装置及び板材を押込成形して部材を製造する方法として好適に利用することが可能である。また、本発明は、自動車、各種機械、各種建築用部材等の各種産業用部材としての板材の押込成形に好適に利用することが可能である。
P :部材
Pa :突出部
Pb :タップ下穴
F1 :上方面
F2 :下方面
10 :プレス装置
20 :パンチ
30 :下型
31 :受入部
32 :凹状部
32a:内周面
32b:底部
33 :逃がし部
33a:内周面
33b:底面
33c:開孔
33d:凹部
33e:開孔部
50 :板材

Claims (2)

  1. 板材を押込成形することにより、前記板材に突出部を形成するプレス装置であって、
    前記板材を押し込むパンチと、
    前記パンチにより押し込まれた前記板材を受け入れ可能な受入部を備えた下型と、
    前記パンチの外周において、当該パンチの進行方向に沿って前記板材を押え込む押え部と、
    を有し、
    前記受入部が、
    前記突出部に対応する形状に形成された凹状部と、
    前記凹状部の底部に対して連続し、前記板材の押込方向下流側に向けて突出した逃がし部とを有し、
    前記逃がし部は、底面を備え開孔が形成された凹部、又は底面の少なくとも一部が開孔された開孔部として構成されており、
    前記逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して、前記パンチによる押込中心側にオフセットしており、
    タップ下穴が、前記突出部に対して、当該突出部の外形よりも小さい内径に形成されており、
    前記パンチの外形が、前記タップ下穴の内径よりも小さく、前記逃がし部の内径よりも大きく形成されていることを特徴とするプレス装置。
  2. 板材を押込成形することにより、前記板材に突出部を形成する部材の製造方法であって、
    前記板材を押し込むパンチと、前記パンチにより押し込まれた前記板材を受け入れ可能な受入部を備えた下型と、前記パンチの外周において、当該パンチの進行方向に沿って前記板材を押え込む押え部とを有し、前記受入部が、前記突出部に対応する形状に形成された凹状部と、前記凹状部の底部に対して連続し、前記板材の押込方向下流側に向けて突出した逃がし部とを有し、前記逃がし部は、底面を備え開孔が形成された凹部、又は底面の少なくとも一部が開孔された開孔部として構成されており、タップ下穴が、前記突出部に対して、当該突出部の外形よりも小さい内径に形成されており、前記逃がし部の内周面が、前記凹状部の内周面に対して前記パンチによる押込中心側にオフセットされると共に、前記パンチの外形が、前記タップ下穴の内径よりも小さく、前記逃がし部の内径よりも大きく形成されたプレス装置が用いられ、
    前記パンチにより、前記板材を前記下型に向けて押し込み、
    前記板材を前記凹状部に向けて突出させながら、前記板材を前記逃がし部に向けて逃がすことにより、前記板材を前記凹状部の内面に沿う方向に突出させて前記突出部を形成し、
    前記タップ下穴の切削加工の際に、前記タップ下穴と共に、前記逃がし部に向けて突出した部分の前記板材を切削加工することを特徴とする部材の製造方法。
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