JP7241786B2 - 半導体チップのピックアップ装置、半導体チップの実装装置および実装方法 - Google Patents

半導体チップのピックアップ装置、半導体チップの実装装置および実装方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体チップのピックアップ装置、半導体チップの実装装置および実装方法に関する。
半導体チップをリードフレームや配線基板、インターポーザ基板等の基板上に実装する実装工程が知られている。この実装工程では、ウエーハリング上から、半導体チップを1つずつ取り出し、基板上に移送して実装することが行われている。ウエーハリングは、半導体チップ毎に切断されて個片化された半導体ウエーハが貼着された粘着シートを保持するリング状の部材である。ウエーハリングからの半導体チップの取り出しには、半導体チップを吸着する吸着ノズルを有するピックアップ機構と、吸着ノズルに吸着された半導体チップを下面から突上げピンで突き上げて、粘着シートから半導体チップの剥離および取り出しを補助する突き上げ機構と、を備えるピックアップ装置が用いられている。
ところで、最近の半導体チップは、その厚さが50μm以下というように薄化が進められている。そのような薄い半導体チップを先端の尖った突き上げピンで単に突き上げた場合、半導体チップが割れるなどの損傷を生じるおそれが大きくなる。そこで、特許文献1に示されるように、複数の押し上げ体を有するピックアップ装置が開発されている。複数の押し上げ体は、軸線を一致させて同心的に設けられ、半導体チップの下面に貼着された粘着シートの剥離が半導体チップの周辺部から中心部に向かって徐々に進行するように作動する。複数の押し上げ体の上面形状は、通常、ピックアップされる半導体チップと同じ形状、例えば四角形に形成されている。
このようなピックアップ装置においては、まず複数の押し上げ体を同時に所定の高さまで上昇させて、ピックアップされる半導体チップの下面全体を押し上げる。その後、最も外側に位置する押し上げ体を残し、他の押し上げ体を所定の高さまでさらに上昇させる。次いで、2番目の押し上げ体を残して他の押し上げ体を上昇させる。半導体チップの下面の押し上げ体による支持は、周辺から中心部に向かって順次開放される。そのため、粘着シートは、半導体チップの外周側から徐々に剥離される。さらに、半導体チップの下面からの粘着シートの剥離を促進するために、押し上げ体の粘着シートとの接触面(上面)に、粘着シートとの間に吸引力を作用させるための凹部を設けることが提案されている。押し上げ体に設けられた凹部は、粘着シートが半導体チップから剥離し始める個所となり、粘着テープの半導体チップからの剥離を促進することができる。
特開2010-056466号公報
しかしながら、上述したようなピックアップ装置を用いた場合においても、半導体チップに破損を生じることがあることを本願発明者等は発見した。すなわち、本願発明者等が実験用として使用している実装装置において、複数の品種の半導体チップを用いて実装実験を行なっていたところ、粘着シートから剥離してピックアップする際に破損が生じる半導体チップがあることが確認された。
本願発明者等が鋭意検討したところ、半導体チップの厚さが概ね30μm以下の半導体チップで破損が比較的生じやすいことを突き止めた。そこで、30μm以下の複数の品種の半導体チップを用いて、所定の単位数の半導体チップをピックアップする実験を行なった。その結果、同じ品種の半導体チップであっても単位数毎に破損の発生頻度が大きく異なる場合があることが判明した。具体的には、厚さが27μmの半導体チップについて、ある日の午前中に行なったピックアップの実験では、破損の発生率が92%であった。対して、翌日の午前中に同じ品種の半導体チップで行なったピックアップの実験では、破損の発生頻度が4%であった。また、さらに別の日に行った実験では、所定の単位数のうち、前半に破損が集中し、後半では破損がほとんど見られないものがあった。
これらの結果を受け発明者等が更に鋭意検討した結果、押し上げ時に押し上げ体と粘着シートの間に作用させている吸引力が変動していることを突き止めた。すなわち、吸引力は、実験室に設備されている負圧供給用の配管設備から得ている。この配管設備の負圧が、共に負圧を利用する他の実験装置の使用状況によって変動していたのである。つまり、本願発明者等は、半導体チップの破損と突き上げ時の吸引力との間には密接な関係があることを突き止めた。
本発明の目的は、半導体チップを粘着シートから安定して剥離することができる半導体チップのピックアップ装置、半導体チップの実装装置および実装方法を提供することにある。
本実施形態の半導体チップのピックアップ装置は、粘着シートに貼着保持された半導体チップを前記粘着シートからピックアップする半導体チップのピックアップ装置であって、 前記粘着シートから前記半導体チップをピックアップするピックアップ機構と、軸心を同じにして配置され互いに軸心方向に移動自在に設けられた複数の押し上げ体と、前記粘着シートを半導体チップとは反対側からバックアップ面で支持するバックアップ体とを有し、前記粘着シートにおいて前記ピックアップ機構によってピックアップされる前記半導体チップが位置する部分前記バックアップ面に負圧を作用させて吸着保持し、当該半導体チップが前記ピックアップ機構によってピックアップされるときに、当該半導体チップを前記複数の押し上げ体によって突き上げる突き上げ機構と、前記負圧の大きさを設定する負圧調整機構と、前記負圧調整機構にゲージ圧で-85kPa以下の負圧を安定して供給する負圧源と、を備え、前記半導体チップの厚さは15μm~35μmであり、前記突き上げ機構は、前記厚さの半導体チップを貼着保持した前記粘着シートを、前記負圧調整機構によってゲージ圧で-85kPa以下とした負圧で前記バックアップ面に吸着保持した状態で、当該半導体チップを突き上げる。
本実施形態の半導体チップの実装装置は、半導体チップを貼着保持した粘着シートを保持する供給装置と、基板を載置する基板ステージと、前記供給装置が保持した前記粘着シートから前記半導体チップをピックアップする前記ピックアップ装置と、前記ピックアップ装置によって取り出された前記半導体チップを、前記基板に実装する実装機構と、を備える。
本実施形態の半導体チップの実装方法は、粘着シートに貼着保持された半導体チップを前記粘着シートからピックアップし、ピックアップした半導体チップを基板上に実装する半導体チップの実装方法であって、前記半導体チップの厚さは15μm~35μmであり、 前記粘着シートから前記厚さの半導体チップをピックアップするピックアップ機構によって前記半導体チップを前記粘着シートからピックアップするときに、当該半導体チップとは反対側から、前記粘着シートに負圧を作用させるとともに、軸心を同じにして配置され互いに軸心方向に移動自在に設けられた複数の押し上げ体によって当該半導体チップを突き上げるにあたり、ゲージ圧で-85kPa以下の負圧を安定して供給する負圧源から負圧を負圧調整機構に供給し、前記負圧調整機構によってゲージ圧で-85kPa以下とした負圧を前記粘着シートに作用させる。
本発明によれば、半導体チップを粘着シートから安定して剥離することができる。
実施形態の半導体チップの実装装置の概略構成を示す側面図である。 実施形態の半導体チップのピックアップ装置の突き上げ機構を示す斜視図である。 図2に示す突き上げ機構を示す概略断面図である。 図3に示す押し上げ機構の押し上げ体を示す平面図である。 実施形態のピックアップ装置の動作を示す断面図である。 実施形態のピックアップ装置の動作を示す断面図である。 実施形態のピックアップ装置の動作を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、各構成部の位置及び大きさ等は、構造を分かり易くするための便宜的な表現に過ぎない。
図1は、実施形態の半導体チップの実装装置の概略構成を示す側面図である。半導体チップの実装装置1は、半導体チップtを供給する供給装置10、半導体チップtが実装される基板Kを載置する基板ステージ20、この供給装置10と基板ステージ20との間に配置され、半導体チップtを載置する中間ステージ30、供給装置10から半導体チップtを一つずつピックアップして中間ステージ30に移送するピックアップ機構40、中間ステージ30に載置された半導体チップtを吸着保持し、基板ステージ20上に載置された基板K上の所定の位置に実装する実装機構50、供給装置10内に配置され、ピックアップ機構40でピックアップされる半導体チップtを押し上げる突き上げ機構60、および、供給装置10、基板ステージ20、ピックアップ機構40、実装機構50、突き上げ機構60等を制御する制御装置70、を備える。なお、ピックアップ機構40と突き上げ機構60は、ピックアップ装置の構成要素である。
供給装置10は、半導体ウエーハWが切断されて個片化された複数の半導体チップtが貼着された粘着シート11を保持するウエーハリング12が、不図示のウエーハリング供給装置によって供給されるウエーハテーブル13を有する。ウエーハテーブル13は、不図示のXYθ方向駆動装置によってX、Y、θ(水平回転)方向に移動可能とされる。X方向、Y方向は、互いに直交する水平方向である。図示のZ方向は、水平方向に対して垂直な方向である。
基板ステージ20は、不図示の基板搬入装置によって実装前の基板Kが供給載置され、半導体チップtが実装された後の基板Kが不図示の基板搬出装置によって取り出されて搬出される。基板ステージ20は、不図示のXYθ方向駆動装置に支持され、X、Y、θ(水平回転)方向に移動可能とされる。
中間ステージ30は、ピックアップ機構40がピックアップした半導体チップtを実装機構50に受け渡す際に、半導体チップtを一時的に載置するステージである。
ピックアップ機構40は、半導体チップtを吸着保持する吸着ノズル41と、この吸着ノズル41を、図1に破線矢印で示すように、供給装置10と中間ステージ30との間で移動させる駆動装置(不図示)とを備える。
実装機構50は、半導体チップtを吸着保持し、吸着保持した半導体チップtを基板K上の所定の位置に加圧(加熱を併用する場合もある。)して実装する実装ツール51と、この実装ツール51を、破線矢印で示すように、中間ステージ30と基板ステージ20との間で移動させる駆動装置(不図示)とを備える。
次に、突き上げ機構60について、さらに図2および図3を用いて説明する。
突き上げ機構60は、ウエーハテーブル13に支持された粘着シート11の下面に対向して設けられたバックアップ体61と、バックアップ体61に内蔵され、粘着シート11に貼着された半導体チップtを突き上げる押し上げ機構62とを備える。
バックアップ体61は、吸着ノズル41による半導体チップtのピックアップ位置に合わせて固定的に配置される。バックアップ体61は、上下面が閉塞された中空の円柱形状を成しており、その上面は、粘着シート11を下側から吸着支持するバックアップ面61aとされている。また、バックアップ体61の中空部分は、内部空間61bとなっている。
バックアップ面61aには、ピックアップされる半導体チップtの周囲に位置する粘着シート11を吸着するための環状の吸引溝61cと複数の吸引孔61dが設けられる。これらの吸引溝61cと複数の吸引孔61dは、連通溝61eや不図示の連通孔を介してバックアップ体61の内部空間61bに連通している。すなわち、バックアップ体61の内部空間61bには、吸引ポンプ63に連通する真空配管63aが接続されており、内部空間61b内に負圧を供給できるようになっている。内部空間61b内を負圧にすることによって、吸引溝61cと複数の吸引孔61dに負圧を作用させることができるようになっている。また、真空配管63aには、電空レギュレータ等の圧力制御装置63bと、電磁弁等の開閉弁63cとが、吸引ポンプ63側からこの順で設けられており、吸引溝61cと複数の吸引孔61dに作用させる負圧のオン・オフ、および負圧の大きさを制御できるようになっている。圧力制御装置63bは、負圧調整機構として機能する。圧力制御装置63bは、ゲージ圧で-85kPa以下、好ましくは-90kPa以下の負圧が吸引溝61cと複数の吸引孔61dに作用するように設定するとよい。本実施形態では、-90kPaとした例で説明する。ここで、ゲージ圧とは、大気圧を基準(0kPa)とした相対的な圧力のことである。したがって、ゲージ圧で-85kPa以下とは、大気圧よりも85kPa低い圧力を含み、この圧力(-85kPa)よりも真空度が高い圧力のことを指す。つまり、-90kPaは、-85kPaよりも真空度が高い圧力である。また、「-85kPa以下の負圧」、「負圧の大きさを-85kPa」等の表現をすることがあるが、いずれもゲージ圧での圧力値を指すものである。
なお、圧力制御装置63bに設定した圧力がそのまま内部空間61bおよび吸引溝61c、吸引孔61dに作用すると考えられる。そこで、本実施形態では、真空配管63aにおける開閉弁63cと内部空間61bの間の部分に圧力検出器63dを設けている。そして、圧力検出器63dの検出値が-90kPaになるように、圧力制御装置63bの制御圧力を設定している。なお、内部空間61b、或いは、吸引溝61cや複数の吸引孔61dに作用する圧力を検出し、この検出値が上記の圧力範囲となるように圧力制御装置63bの制御圧力を設定するようにしてもよい。また、吸引ポンプ63は、実装装置1に部品として組み込まれるものとしてもよいが、これに限らず、実装装置1とは別に用意されたものであってもよいし、例えば、工場等に設備されている負圧供給用の配管設備であってもよい。要は、圧力制御装置63bにゲージ圧で-85kPa以下の負圧を安定して供給することができる負圧源であればよい。
押し上げ機構62は、第1~第4の押し上げ体62a、62b、62c、62dと、第1~第4の押し上げ体62a~62dに対応して設けられ、第1~第4の押し上げ体62a~62dを個別に昇降動させる第1~第4の昇降駆動装置62e、62f、62g、62hと、を備える。
第1~第4の押し上げ体62a~62dのうち、第1~第3の押し上げ体62a~62cは平面視で矩形の角筒状を成し、軸心を同じにした三重構造となっている。第4の押し上げ体62dは角柱状を成し、第1~第3の押し上げ体62a~62cと軸心を同じにしてこれらの中央に配置されている。なお、本実施形態では、4個の押し上げ体62a~62dを設けたが、4個に限られるものでは無く、2個、3個、或いは5個以上であってもよい。
第1の押し上げ体62aは、最も外側に位置する押し上げ体であり、バックアップ体61の上面、つまり、バックアップ面61aの中央に設けられた矩形の開口部61f内に、この開口部61fの縁との間に隙間を設けて配置される。すなわち、開口部61fは、第1の押し上げ体62aの外形と相似形で、第1の押し上げ体62aの外形よりもわずかに大きく形成されている。また、第1の押し上げ体62aの先端面は、平面視において、押し上げる対象となる半導体チップtと相似形状であって半導体チップtよりもわずかに小さな大きさに形成されている。したがって、半導体チップtを押し上げたとき、半導体チップtの縁部が第1の押し上げ体62aの周囲からわずかにはみ出すようになっている。
第2の押し上げ体62bは、第1の押し上げ体62aの内側に、第1の押し上げ体62aの内側面にガイドされる状態で配置される。第3の押し上げ体62cは、第2の押し上げ体62bの内側に、第2の押し上げ体62bの内側面にガイドされる状態で配置される。第4の押し上げ体62dは、第3の押し上げ体62cの内側に、第3の押し上げ体62cの内側面にガイドされる状態で配置される。
これらの押し上げ体62a~62dは、第1~第4の昇降駆動装置62e~62hによって、予め設定された動作条件に従って上下動する。本実施形態では、最初に全ての押し上げ体62a~62dがバックアップ面61aの高さから所定量突出する高さまで上昇する。この後、外側から順、つまり、第1、第2、第3、第4の押し上げ体の順でバックアップ面61aの高さ以下まで順次下降するように、動作条件が設定されている。なお、動作条件は、ピックアップ対象の半導体チップt、半導体チップtが貼着される粘着シート11の品種等に応じた動作に設定すればよい。
また、第1~第3の押し上げ体62a~62cの上端部には、図4(A)に示すように、それぞれ凸部64、65と凹部66が設けられる。なお、図4では、凹部66の形成位置に斜線を付し、凸部64、65との区別を明確にしている。第1の押し上げ体62aの矩形枠状を成す上端面の4つのコーナー部にはそれぞれ凸部64Aが形成される。また、第1の押し上げ体62aの矩形枠状の上端面の4つの側辺部には、略均等の間隔で複数の凸部65Aがそれぞれ設けられる。そして、凸部64Aと凸部65Aの間および凸部65A同士の間にはそれぞれ凹部66Aが設けられる。第2の押し上げ体62bの矩形枠状の上端面の4つのコーナー部にはそれぞれ凸部64Bが形成される。また、第2の押し上げ体62bの矩形枠状の上端面の4つの側辺部には、略均等の間隔で複数の凸部65Bがそれぞれ設けられる。そして、凸部64Bと凸部65Bの間および凸部64B同士の間にはそれぞれ凹部66Bが設けられる。また、第2の押し上げ体62bの凸部65Bと凹部66Bの配置は、第1の押し上げ体62aの凸部65Aと凹部66Aの配置に対して互い違いの関係となっている。第3の押し上げ体62cの矩形枠状の上端面にも、第1、第2の押し上げ体62a、62bと同様に、凸部64C、65Cと凹部66Cが形成される。第3の押し上げ体62cの凸部65Cと凹部66Cの配置は、第2の押し上げ体62bの凸部65Bと凹部66Bの配置に対して互い違いの関係となっている。これらの凸部64A~64C、65A~65Cの上面および第4の押し上げ体62dの上面は、バックアップ面61aと同一平面上で粘着シート11を支持できるように形成されている。そして、凸部64A~64C、65A~65Cの上面と第4の押し上げ体62dの上面によって形成される平面の面精度が20μm以下となるように形成されている。
また、側辺部に設けられた各凸部65A~65Cは、側辺部に沿う方向の長さが0.4mm以上2.0mm以下となるように形成することが好ましい。また、各凹部66A~66Cは、側辺部に沿う方向の長さが、凸部65A~65Cの長さと同じとしてもよいし、異なってもよいが、凸部65A~65Cと同様に、側辺部に沿う方向の長さが0.4mm以上2.0mm以下となるように形成することが好ましい。また、隣接する凹部66Aと凹部66Bおよび凹部66Bと凹部66Cは、一部が重なるような配置としてもよいが、重なる部分の長さは、側辺部に沿う方向における凹部66A~66Cの長さの20%以下とすることが好ましい。したがって、凹部66A~66Cの長さは、凸部65A~65Cの長さに対して0.8倍以上1.2倍以下となるように形成することが好ましい。
さらに、第1~第4の押し上げ体62a~62dがバックアップ体61と共に粘着シート11を支持した状態で、第1~第4の押し上げ体62a~62dの上端面と粘着シート11との間には、負圧を作用させることができるようになっている。すなわち、バックアップ体61の開口部61fは内部空間61bに連通しており、第1の押し上げ体62aと開口部61fの縁との間には隙間がある。また、押し上げ体62a~62d同士の間にも隙間がある。したがって、これらの隙間を通して内部空間61b内の負圧が第1~第4の押し上げ体62a~62dの上端面と粘着シート11との間に作用する。つまり、突き上げ機構60と粘着シート11との間には、上述の圧力範囲に設定された負圧、具体的には、-90kPaの負圧が作用するように構成されている。
制御装置70は、記憶部71を備える。記憶部71には、押し上げ体62a~62dの動作条件など、実装装置1の動作に必要なデータが記憶される。制御装置70は、記憶部71に記憶されたデータを参照し、供給装置10、基板ステージ20、ピックアップ機構40、実装機構50、突き上げ機構60等を制御する。
(作動の説明)
次に、実装装置1およびピックアップ装置の作動について、図1及び図5~図7を用いて説明する。
まず、粘着シート11に複数の半導体チップtが貼着されたウエーハリング12が、供給装置10のウエーハテーブル13にセットされる。また、基板ステージ20には、不図示の基板搬入装置によって実装前の基板Kが載置される。
この状態で、ピックアップ機構40の吸着ノズル41は、供給装置10上でピックアップ位置に位置付けられた半導体チップtをピックアップして中間ステージ30に移送する。実装機構50の実装ツール51は、中間ステージ30に移送された半導体チップtを受取り、基板ステージ20に載置された基板Kの所定の実装位置に実装する。このような動作を繰り返し実行し、半導体チップtを基板Kの各実装位置に順次実装する。
なお、ピックアップ装置によるピックアップの際、すなわち、吸着ノズル41が半導体チップtをピックアップする際、突上げ機構60は次のように作動する。
図5(A)に示すように、突き上げ機構60の直上、つまり、ピックアップ位置にピックアップ対象の半導体チップtが位置付けられると、突上げ機構60はバックアップ面61aによって粘着シート11の下面を支持する。そして、開閉弁63cを開くことによって吸引溝61cおよび吸引孔61dに所定の負圧(-90kPaの負圧)を作用させて粘着シート11を吸着保持する。
バックアップ面61aによって粘着シート11を吸着保持したならば、図5(B)に示すように、吸着ノズル41を下降させて半導体チップtに当接させ、半導体チップtを吸着保持させる。
吸着ノズル41が半導体チップtを吸着したならば、図5(C)に示すように、第1~第4の押し上げ体62a~62dを予め設定された高さだけ上昇させる。このとき、吸着ノズル41は同期して上昇する。これにより、粘着シート11は、第1~第4の押し上げ体62a~62dによって凸状に押し上げられる。このとき、粘着シート11とバックアップ面61aおよび第1~第4の押し上げ体62a~62dの上端面との間には-90kPaの負圧が作用されている。そのため、粘着シート11において第1~第4の押し上げ体62a~62dによって押し上げられて傾斜した部分11aには、負圧によって引き下げられる力が作用する。これにより、半導体チップtの外縁部、より具体的には、半導体チップtにおいて第1の押し上げ体62aからはみ出した外縁部において、粘着シート11には半導体チップtから引き剥がそうとする力が作用する。これにより、半導体チップtの前記外縁部から粘着シート11が剥離する。なおこのとき、半導体チップtのはみ出し量がわずかであるから、半導体チップtの各辺の全域で一度に粘着シート11の剥離を開始したとしても、半導体チップtの損傷が発生することがない。
またこのとき、第1の押し上げ体62aの凹部66Aにも-90kPaの負圧が作用する。そのため、半導体チップtの縁のうち凹部66Aに対向する部分では、粘着シート11に作用する負圧により、半導体チップtからの粘着シート11の剥離が他の縁よりも促進される。図4(B)は、凹部66において粘着シート11の剥離が進行した状態を模式的に示した平面図であるが、凹部66には、図中に符号Pで示すような概略三日月形状(斜線で示した凹部66内の白抜き部分)の剥離部が生じる。なお、図4(B)では、全ての凹部66A、66B、66Cに剥離部Pを示しているが、この段階では概ね第1の押し上げ体62aの凹部66Aの部分にのみ剥離部Pが生じる。また、この剥離部Pは、後述の第2の押し上げ体62bが下降を開始するまでの間に負圧の作用によって第2の押し上げ体62bに向けて伸長するように拡大する。
第1~第4の押し上げ体62a~62dが上昇してから所定の待機時間が経過した後、図6(A)に示すように、第1の押し上げ体62aが下降する。第1の押し上げ体62aは、第1の押し上げ体62aの上端面がバックアップ面61aよりも所定の高さ低くなる位置まで下降する。これにより、第1の押し上げ体62aは半導体チップtから離間する。第1の押し上げ体62aが下降することで、粘着シート11のうち今まで第1の押し上げ体62aで支持されていた部分には、自身の張力と負圧によって引き下げる方向、つまり、半導体チップtから引き剥がす方向に力が作用する。この力により、半導体チップtの中央に向けて粘着シート11の剥離が進行する。図6(A)に示す状態は、第1の押し上げ体62aで支持されていた粘着シート11が半導体チップtから引き剥がされた状態である。またこのとき、第2の押し上げ体62bの凹部66Bにも負圧が作用するので、凹部66Bに対向する部分で粘着シート11の剥離が進行する。これにより、図4(B)に示すように、第2の押し上げ体62bの凹部66Bに対応する部分に剥離部Pが生じる。
更に、所定の待機時間が経過した後、図6(B)に示すように、第2の押し上げ体62bが、第1の押し上げ体62aの位置まで下降する。このときにも、第1の押し上げ体62aが下降したときと同様に、粘着シート11のうち第2の押し上げ体62bで支持されていた部分の剥離が進行する。また、図6(B)に示すように、第3の押し上げ体62cの凹部66Cに対向する部分で粘着シート11の剥離が進行し、剥離部Pが生じる。また更に所定の待機時間が経過した後、図6(C)に示すように、第3の押し上げ体62cが第1、第2の押し上げ体62a、62bの位置まで下降する。このときにも、第1、第2の押し上げ体62a、62bが下降したときと同様に、粘着シート11のうち第3の押し上げ体62cで支持されていた部分の剥離が進行する。
第3の押し上げ体62cが下降してから所定の待機時間が経過した後、図7(A)に示すように、第4の押し上げ体62dが、第1~第3の押し上げ体62a~62cの位置まで下降する。これにより、粘着シート11のうち第4の押し上げ体62dで支持されていた部分の剥離が進行する。図7(A)に示す状態は、この剥離の進行過程を示す。
なお、各押し上げ体62a~62dを下降させるまでの待機時間は、同じ時間に設定してもよいし、個別の時間を設定してもよい。ただし、この待機時間を長く設定することは、生産性を低下させることにつながるので、生産性を考慮して設定するとよい。すなわち、半導体チップtの実装工程で用いられる実装装置1において、1時間当たりに実装可能な半導体チップtの数を表すUPH(Unit Per Hour)は生産性を左右する重要な要素である。そのため、生産性の向上を図るためには、UPHの数値が高い方が好ましい。この数値を高めるためには、一つ一つの半導体チップtの実装を極力短い時間で行うことが必要である。この際、半導体チップtを基板Kに対して加圧接合(加熱を併用することもある)する時間、所謂、ボンディング時間は短くすることができない。そこで、半導体チップtの加圧接合と同時並行的に実行される半導体チップtの移送に要する時間をボンディング時間内で納めることが要求される。なお、移送に要する時間とは、吸着ノズル41が、ピックアップ位置の直上に位置してからピックアップ位置に位置付けられた半導体チップtに向けて下降し、半導体チップtをピックアップし、中間ステージ30上に移送して載置するまでに要する時間のことである。
そこで、上述した待機時間は、移送に要する時間がボンディング時間以内となる条件で設定することが要求される。例えば、ボンディング時間が1.2秒であり、ピックアップ位置の直上に位置した吸着ノズル41が半導体チップtまで下降する時間および吸着ノズル41がピックアップした半導体チップtを中間ステージ30に移送して載置するまでの時間が合わせて0.5秒であった場合、押し上げ機構62による半導体チップtの突き上げに使える時間は、1.2秒-0.5秒=0.7秒足らずとなる。この場合、上述の待機時間は、0.1秒弱~0.3秒程度に設定する必要が生じる。すなわち、待機時間は、設定可能な範囲がボンディング時間によって極めて短い時間の範囲内に制限されるものであり、ピックアップ装置にはこの短い時間内に粘着シート11を半導体チップtから剥離することが求められるのである。
本実施形態のように、突き上げ機構60と粘着シート11との間に上述の圧力範囲に設定された負圧を作用させることで、上述の待機時間が0.1秒弱~0.3秒程度の短い時間に設定されたとしても、その間に、押し上げ体62a~62cの支持が解除された粘着シート11の部分を半導体チップtから剥離させることができるだけの力を十分に作用させることが可能となる。
なお、第4の押し上げ体62dが下降してから所定の待機時間が経過した後、図7(B)に示すように、吸着ノズル41を上昇させて、半導体チップtをピックアップする。また、開閉弁63cが閉じられて負圧が停止され、第1~第4の押し上げ体62a~62dがもとの高さ、つまり、上端がバックアップ面61aに一致する高さまで上昇する。
(作用効果)
このような実施形態の実装装置1によれば、ピックアップ機構40と突き上げ機構60を有して構成されるピックアップ装置を備え、ピックアップ機構40の吸着ノズル41によって粘着シート11から半導体チップtをピックアップする際、突き上げ機構60の押し上げ機構62を用いて、ピックアップされる半導体チップtを粘着シート11の下側から突き上げる。この突き上げの際に、突き上げ機構60と粘着シート11との間に作用させる負圧の大きさを、ゲージ圧で-85kPa以下に設定した。突き上げ機構60と粘着シート11との間に作用させる負圧とは、具体的には、バックアップ体61の吸引溝61cと吸引孔61d、および、各押し上げ体62a~62dと粘着シート11との間、押し上げ体62a~62dの凹部66A~66C内に作用させる負圧のことである。
このような負圧を作用させることにより、押し上げ機構62で粘着シート11の下から半導体チップtを突き上げる際、複数の押し上げ体62a~62dによる半導体チップtの支持面積を段階的に減少させていくときに、支持面積の減少に追従して粘着シートを半導体チップtから剥離させることができる。
また、設定する負圧の圧力範囲を-85kPa以下としたので、複数の押し上げ体62a~62dのうちの1つを半導体チップtから離間させてから次の押し上げ体が離間するまでの時間(上述の待機時間)が0.1秒弱~0.3秒程度と短い時間であっても、この間に、押し上げ体62a~62cの支持が解除された粘着シート11の部分を半導体チップtから剥離させることができる。このため、30μm以下の厚みの半導体チップであっても、粘着シート11から迅速に剥離することが可能となり、生産性を損ねることが防止できる。
また、第1~第3の押し上げ体62a~62cの上端部に凸部64、65と凹部66を交互に形成した。これにより、凸部64と凸部65の間および凸部65同士の間に設けられた凹部66に対向する粘着シート11の部位には、上述の圧力範囲に設定された負圧(-85kPa以下の負圧)が作用する。そのため、凹部66に対応する粘着シート11の部分においては、押し上げ体62a~62cの下降(半導体チップtからの離間)を待たずして、半導体チップtからの粘着シート11の剥離を進行させることが可能となる。この結果、押し上げ体62a~62cを下降させた際、半導体チップtからの粘着シート11の剥離をより一層迅速に進行させることができる。しかも、押し上げ体62a~62cが下降し始めたときには、当該押し上げ体62a~62cの凹部66に対応する粘着シート11の部分では半導体チップtからの剥離が進行している。そのため、押し上げ体62a~62cで支持されていた部分の粘着シート11の剥離が2回に分けて行われることになるので、押し上げ体62a~62cが下降して初めて当該部分の剥離が一斉に始まる場合に比べて、半導体チップtに作用するストレスを格段に低減させることができる。このため、破損が生じやすい厚みの薄い半導体チップt、例えば、30μm以下の厚みの半導体チップtであっても良好にピックアップすることができる。さらに、凹部66に対応する粘着シート11の部分が半導体チップtから剥離するときには、半導体チップtは凹部66の両側(半導体チップtの辺に沿う方向の両側)と中央側の三方側から凸部64、65によって支持されている。そのため、粘着シート11に半導体チップtから引き剥がす方向の力が作用したとしても、半導体チップtの周縁部の全域の支持が解除された状態で粘着シート11に力が作用する場合に比べて、半導体チップtに生じるストレスを格段に低減させることができる。
また、矩形の第1~第3の押し上げ体62a~62cの上端部に設けた凹部66の周方向に沿う長さ、つまり、側辺部に沿う方向の長さが、0.4mm以上2.0mm以下となるように形成した。凹部66の長さが0.4mmよりも短い場合、凹部66内に-85kPa以下の負圧を作用させたとしても、粘着シート11において負圧が作用する面積が過少となり、剥離部Pを良好に形成することが困難になる。一方、凹部66の長さが2.0mmよりも長い場合、粘着シート11において負圧が作用する面積が過大となり、剥離部Pが形成されるときに半導体チップtに過度のストレスが加わり、破損を生じるおそれがある。凹部66の長さを0.4mm以上2.0mm以下とすることにより、半導体チップtの支持性を確保しつつ、粘着シート11の剥離性が確保できる。その結果、半導体チップtに加わるストレスを抑制しつつ良好に剥離部Pを形成することが可能となり、半導体チップtを粘着シート11から迅速かつ良好に剥離することができる。
また、四角形の第1~第3の押し上げ体62a~62cの上端部に設けた凹部66の周方向に沿う長さ、つまり、側辺部に沿う方向の長さを、凸部65における側辺部に沿う方向の長さに対して0.8倍以上1.2倍以下に設定した。0.8倍よりも小さい場合、各押し上げ体62a~62cの側辺部の長さに対して、剥離部Pの形成される領域の割合が少なくなる。そのため、その後の押し上げ体62a、62b、62cの下降による粘着シート11の剥離の際に、隔離の起点となる剥離部Pが小さく、剥離の進行が滞る確率が高くなる。反対に、1.2倍よりも大きい場合、各押し上げ体62a~62cの側辺部の長さに対して凸部64、65によって支持される領域の割合が少なくなる。そのため、剥離部Pが形成されるときに半導体チップtに加わるストレスが大きくなり、半導体チップtの破損の確率が高くなる。また、凹部66A、66B、66C同士を互い違いの位置関係で形成することで、剥離部Pが半導体チップtの中央まで連続して形成されることを防止し、半導体チップtに加わるストレスの軽減を図っている。しかしながら、凹部66の長さが1.2倍を超えると、隣接する凹部66A、66Bおよび66B、66Cを伝って剥離部Pが半導体チップtの中央まで広がり易くなる。そうすると、凹部66A、66B、66C同士を互い違いに形成したことによるダメージの抑制効果が低下してしまう。したがって、凹部66は凸部65の0.8倍以上1.2倍以下の長さに設定することが好ましい。
(他の実施の形態)
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実装形態において、突き上げ機構60の第1~第4の押し上げ体62a~62dの動作を、第1~第4の押し上げ体62a~62dを一緒に上昇させた後、外側に位置する第1の押し上げ体62aから順に下降させる例としたが、これに限られるものでは無い。例えば、第1~第4の押し上げ体62a~62dを、内側に位置する押し上げ体ほど高くなるように上昇動作させるようにしてもよい。すなわち、第1~第4の押し上げ体62a~62dを所定高さだけ一緒に上昇させた後、第2~第4の押し上げ体62b~62dを更に所定高さ上昇させ、その後、第3~第4の押し上げ体62c~62dを更に所定高さ上昇させ、最後に第4の押し上げ体62dを更に所定高さ上昇させるようにしてもよい。要は、複数の押し上げ体62a~62dが半導体チップtから順次離間するように動作させればよい。
また、上記実施形態において、基板ステージとして、基板KをXYθ方向に移動する基板ステージ20の例で説明したが、これに限られるものでは無い。例えば、供給装置10と中間ステージ30の配列方向とは交差する方向に沿って一対のガイドレールを配置し、このガイドレール上を基板Kが、実装機構50による実装作業位置に搬送位置決めされるように構成してもよい。すなわち、基板Kを、実装機構50による実装作業位置に搬入し、実装作業位置に位置付け、実装作業位置から搬出する搬送部も基板ステージに含まれる。
(実施例と比較例)
次に、本発明の実施例とその評価結果について述べる。
上述した実施形態の実装装置1により、以下の条件でピックアップ試験を行なった。なお、ピックアップ機構40でピックアップした半導体チップtは、実装機構50によって基板ステージ20に載置した試験用のガラス基板の上に配置した。ガラス基板には粘着性を有するフィルムを貼付しておき、配置した半導体チップtが基板ステージ20の移動中に動かないようにした。突き上げ機構には、図3に示した突き上げ機構60を使用し、図5~7に示した動作で突き上げを行なった。
直径300mmのウエーハから半導体チップtを50個ピックアップし、ピックアップ時に割れが発生した半導体チップtの数を計測した。具体的には、ピックアップの前に、ピックアップ対象の50個の半導体チップtに割れが無いことを確認し、ガラス基板に配置された50個の半導体チップtの中に割れが発生している半導体チップtがいくつあるかを数えることで、ピックアップ時に割れが発生した半導体チップtの数を計測した。
<試験条件>
・半導体チップの大きさ:3×4mm
・半導体チップの厚さ:35μm、25μm、15μmの3種類
・突き上げ機構60と粘着シート11との間に作用させる負圧の大きさ:-90kPa、-88kPa、-85kPa、-83kPa、-80kPaの5条件
・突き上げ量:1mm
※突き上げ量は、図5(C)に示す第1~第4の押し上げ体62a~62dを上昇させる量のこと。
・待機時間:0.2秒
(実施例1)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-90kPaとし、厚さ35μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例2)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-90kPaとし、厚さ25μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例3)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-90kPaとし、厚さ15μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例4)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-88kPaとし、厚さ35μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例5)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-88kPaとし、厚さ25μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例6)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-88kPaとし、厚さ15μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例7)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-85kPaとし、厚さ35μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例8)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-85kPaとし、厚さ25μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(実施例9)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-85kPaとし、厚さ15μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例1)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-83kPaとし、厚さ35μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例2)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-83kPaとし、厚さ25μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例3)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-83kPaとし、厚さ15μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例4)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-80kPaとし、厚さ35μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例5)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-80kPaとし、厚さ25μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
(比較例6)
上記試験条件のうち、負圧の大きさを-80kPaとし、厚さ15μmの半導体チップtを用いてピックアップ試験を行なった。結果は、表1に示す。
Figure 0007241786000001
以上、本発明の実施形態および実施例、比較例を説明したが、これらは発明の範囲を限定することを意図していない。上述した新規の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 実装装置
10 供給装置
11 粘着シート
12 ウエーハリング
13 ウエーハテーブル
20 基板ステージ
30 中間ステージ
40 ピックアップ機構
41 吸着ノズル
50 実装機構
51 実装ツール
60 突き上げ機構
61 バックアップ体
61a バックアップ面
61b 内部空間
61c 吸引溝
61d 吸引孔
61e 連通溝
61f 開口部
62 押し上げ機構
62a 第1の押し上げ体
62b 第2の押し上げ体
62c 第3の押し上げ体
62d 第4の押し上げ体
62e 昇降駆動装置
62f 昇降駆動装置
62g 昇降駆動装置
62h 昇降駆動装置
63 吸引ポンプ
63a 真空配管
63b 圧力制御装置(負圧調整機構)
63c 開閉弁
63d 圧力検出器
64 凸部
65 凸部
66 凹部
70 制御装置
71 記憶部
t 半導体チップ
K 基板
W ウエーハ

Claims (6)

  1. 粘着シートに貼着保持された半導体チップを前記粘着シートからピックアップする半導体チップのピックアップ装置であって、
    前記粘着シートから前記半導体チップをピックアップするピックアップ機構と、
    軸心を同じにして配置され互いに軸心方向に移動自在に設けられた複数の押し上げ体と、前記粘着シートを半導体チップとは反対側からバックアップ面で支持するバックアップ体とを有し、前記粘着シートにおいて前記ピックアップ機構によってピックアップされる前記半導体チップが位置する部分前記バックアップ面に負圧を作用させて吸着保持し、当該半導体チップが前記ピックアップ機構によってピックアップされるときに、当該半導体チップを前記複数の押し上げ体によって突き上げる突き上げ機構と、
    前記負圧の大きさを設定する負圧調整機構と、
    前記負圧調整機構にゲージ圧で-85kPa以下の負圧を安定して供給する負圧源と、
    を備え、
    前記半導体チップの厚さは15μm~35μmであり、
    前記突き上げ機構は、前記厚さの半導体チップを貼着保持した前記粘着シートを、前記負圧調整機構によってゲージ圧で-85kPa以下とした負圧で前記バックアップ面に吸着保持した状態で、当該半導体チップを突き上げる
    ことを特徴とする半導体チップのピックアップ装置。
  2. 前記複数の押し上げ体は、中央に配置された角柱状の押し上げ体と、この角柱状の押し上げ体と軸心を同じにして配置された少なくとも1つの角筒状の押し上げ体とを有することを特徴とする請求項1記載の半導体チップのピックアップ装置。
  3. 前記角筒状の押し上げ体は、その上端部に周方向に沿って凸部と凹部とが交互に設けられてなることを特徴とする請求項2記載の半導体チップのピックアップ装置。
  4. 前記凹部の前記周方向に沿う長さは、前記凸部の前記周方向に沿う長さに対して、0.8倍以上1.2倍以下に設定されることを特徴とする請求項3記載の半導体チップのピックアップ装置。
  5. 半導体チップを貼着保持した粘着シートを保持する供給装置と、
    基板を載置する基板ステージと、
    前記供給装置が保持した前記粘着シートから前記半導体チップをピックアップするピックアップ装置と、
    前記ピックアップ装置によって取り出された前記半導体チップを、前記基板に実装する実装機構と、を備え、
    前記ピックアップ装置は、請求項1~4いずれかに記載のピックアップ装置である
    ことを特徴とする半導体チップの実装装置。
  6. 粘着シートに貼着保持された半導体チップを前記粘着シートからピックアップし、ピックアップした半導体チップを基板上に実装する半導体チップの実装方法であって、
    前記半導体チップの厚さは15μm~35μmであり、
    前記粘着シートから前記厚さの半導体チップをピックアップするピックアップ機構によって前記半導体チップを前記粘着シートからピックアップするときに、当該半導体チップとは反対側から、前記粘着シートに負圧を作用させるとともに、軸心を同じにして配置され互いに軸心方向に移動自在に設けられた複数の押し上げ体によって当該半導体チップを突き上げるにあたり、
    ゲージ圧で-85kPa以下の負圧を安定して供給する負圧源から負圧を負圧調整機構に供給し、前記負圧調整機構によってゲージ圧で-85kPa以下とした負圧を前記粘着シートに作用させることを特徴とする半導体チップの実装方法。
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