JP7241612B2 - 切削装置及び切削工法 - Google Patents

切削装置及び切削工法 Download PDF

Info

Publication number
JP7241612B2
JP7241612B2 JP2019106085A JP2019106085A JP7241612B2 JP 7241612 B2 JP7241612 B2 JP 7241612B2 JP 2019106085 A JP2019106085 A JP 2019106085A JP 2019106085 A JP2019106085 A JP 2019106085A JP 7241612 B2 JP7241612 B2 JP 7241612B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
pulley
wire
concrete structure
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019106085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020200590A (ja
Inventor
正明 佐藤
宏明 上條
康太 丈達
暁彦 小河原
孝喜 富井
峻二 青木
文治 綿川
貴史 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2019106085A priority Critical patent/JP7241612B2/ja
Publication of JP2020200590A publication Critical patent/JP2020200590A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7241612B2 publication Critical patent/JP7241612B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Description

本発明は、循環走行するワイヤー(ダイヤモンドワイヤー等)を用いてコンクリート構造物を切削する切削装置及び切削工法に関する。
本出願人は、先端側に複数の先端プーリを備え、各先端プーリにエンドレスなダイヤモンドワイヤーが掛けられるワイヤーソー装置を用い、各先端プーリに掛けられるダイヤモンドワイヤーをコンクリート構造物に押付けた状態で前記各先端プーリを穿孔方向に送りながらダイヤモンドワイヤーを循環駆動させてコンクリート構造物の切削を行うワイヤーソー工法を提案した(例えば、特許文献1参照)。このワイヤーソー工法によると、ガイドプーリ挿入用のコア孔を必要とすることなく、コンクリート構造物の切削することが可能になる。
特開2016-173025号公報
しかしながら、従来技術では、壁高欄等の横方向に長いコンクリート構造物に対して切削施工を行う際は、1回の切削が完了するごとに機器を揚重して設置盛替を行う必要があった。これにより切削施工のサイクルに機器の盛替作業も含まれることになり、効率的な切削施工が難しいという問題点があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、設置盛替を行うことなく横方向への切削施工を行うことができる切削装置及び切削工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の切削装置は、循環走行するワイヤーを用いてコンクリート構造物を切削する切削装置であって、先端プーリに架け渡した前記ワイヤーを循環走行させながら前記コンクリート構造物に向けスライドさせ、前記ワイヤーを前記先端プーリと共に前記コンクリート構造物に切り込ませて切削させる切削部と、前記コンクリート構造物を突き抜けた前記先端プーリと前記コンクリート構造物の手前側に配置された横切断用プーリとの間に架け渡した前記ワイヤーを循環走行させながら前記切削部を横方向にスライドさせ、前記先端プーリと前記横切断用プーリとの間に架け渡された前記ワイヤーによって前記コンクリート構造物を切削させる架台部と、を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の切削装置において、前記横切断用プーリを支持する支持機構は、前記架台部に取り付けられており、前記横切断用プーリを前記ワイヤーの走行経路から退避させる退避状態と、前記ワイヤーの走行を案内する位置に前記横切断用プーリを配置させる稼働状態とで切り換え可能に構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の切削装置において、前記切削部は、前記ワイヤーの走行方向を前記先端プーリによる走行面から転向させる転向プーリと、前記転向プーリによって転向された前記ワイヤーの走行面で前記ワイヤーの走行を駆動する駆動プーリと、を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の切削装置において、前記切削部は、前記先端プーリを支持して前記コンクリート構造物に向けスライドするスライド台車を具備し、前記架台部は、前記スライド台車をスライド可能に支持する架台と、前記架台の後方側に接続された延長架台と、を具備し、前記スライド台車が前記架台に位置する状態で、前記延長架台は前記架台から取り外し可能であることを特徴とする。
さらに、本発明において、前記コンクリート構造物に取り付けられた左右スライド用レールに転動可能に係合する左右スライドローラと、前記コンクリート構造物に取り付けられた左右スライド用ラックと噛合するピニオンが回転軸に設けられた左右スライドモータと、を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の切削装置において、前記架台部は、前記左右スライド用レールに前記左右スライドローラとは異なる方向から転動可能に係合する脱輪防止ローラを具備することを特徴とする。
また、本発明の切削工法は、循環走行するワイヤーを用いてコンクリート構造物を切削する切削工法であって、 前記ワイヤーが架け渡された先端プーリを備えた切削部を、前記ワイヤーを走行させながら前記コンクリート構造物に向けスライドさせ、前記ワイヤーを前記先端プーリごと前記コンクリート構造物に切り込ませて切削させた後、前記切削部のスライドを支持する架台部を、前記コンクリート構造物を突き抜けた前記先端プーリと前記コンクリート構造物の手前側に配置された横切断用プーリとの間に架け渡した前記ワイヤーを走行させながら横方向にスライドさせ、前記先端プーリと前記横切断用プーリとの間に架け渡された前記ワイヤーによって前記コンクリート構造物を切削させることを特徴とする。
本発明によれば、横方向に長いコンクリート構造物に対して切削施工を行う際に、設置盛替を行うことなく横方向への切削施工を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る切削装置の実施形態の構成を示す斜視図である。 本発明に係る切削装置の実施形態の構成を示す側面図である。 図1に示す切削部の構成を示す斜視図である。 図1に示す切削部を前方向にスライドさせた状態を示す斜視図である。 図4に示す横切断用プーリの稼働状態を示す図である。 制御ボックスを取り除いた切削装置の構成を示す斜視図である。 壁高欄コンクリートにブラケットの設置状態を示す斜視図である。 壁高欄コンクリートに左右スライド用レール及び左右スライド用ラックを設置した状態を示す斜視図である。 本発明に係る切削装置の実施形態を壁高欄コンクリートに設置した状態を示す斜視図である。 本発明に係る切削装置の実施形態を壁高欄コンクリートに設置した状態を示す側面図である。 切削工程の説明する説明図である。 本発明に係る切削装置の実施形態によって壁高欄コンクリートをX軸方向に切削した状態を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態の切削装置1は、図1及び図2を参照すると、切削対象物としてコンクリート構造物を摩擦切削により切断するダイヤモンドワイヤー等のワイヤー2が無端状に架け渡された切削部10と、切削部10を支持する架台部30とを備えている。図1は、切削装置1を右斜め後方側から見た斜視図であり、図2は、切削装置1を右側方側から見た側面図である。なお、本実施形態の切削装置1は、多くの水を供給しながら切削する湿式工法と、わずかな水の供給のみで切削する乾式工法とのいずれにも適用することができる。従って、以下の説明において、水供給機構や集塵機構等を省略している。
架台部30は、前後方向に延設された前後スライド用レール31を備え、前後スライド用レール31に沿って切削部10は前後方向にスライドする。そして、切削部10は、後方側から前方側に自走して、前方側に配置されたコンクリート構造物にワイヤー2を押し付け、所謂押し切りする。
切削部10は、図1及び図3を参照すると、ワイヤー2の走行を案内する走行案内部として、駆動プーリ11と、右側ガイドプーリ12aと、左側ガイドプーリ12bと、右側転向プーリ13aと、左側転向プーリ13bと、右側先端プーリ14aと、左側先端プーリ14bとを備えている。図3は、切削部10を左斜め前方側から見た斜視図である。
駆動プーリ11、右側ガイドプーリ12a及び左側ガイドプーリ12bは、回転軸が前後方向(X軸方向)であり、同一のY-Z平面上に配置されている。右側転向プーリ13a及び左側転向プーリ13bは、回転軸が前後方向と直交する左右方向(Y軸方向)であり、互いの回転軸が同軸上に配置されている。右側先端プーリ14a及び左側先端プーリ14bは、回転軸は前後方向及び左右方向と直交する上下方向(Z軸方向)であり、同一のX-Y平面上に配置されている。
駆動プーリ11を回転駆動する駆動モータ15は、架台部30に対して前後方向に移動するスライド台車16に備え付けられている。スライド台車16には、右側ガイドプーリ12aを回転可能に支持する右側支柱16aと、左側ガイドプーリ12bを回転可能に支持する左側支柱16bとが立設され、右側支柱16aと左側支柱16bとの間に駆動モータ15が支持されている。また、スライド台車16には、右側に向けて張り出した右側アーム16cと、左側に向けて張り出し左側アーム16dとが取付けられ、右側アーム16cの先端部に右側転向プーリ13aが、左側アーム16dの先端部に左側転向プーリ13bがそれぞれ回転可能に支持されている。
ワイヤー2は、駆動プーリ11から右側ガイドプーリ12aを経由して右側転向プーリ13aに至るY-Z平面上の経路を走行する(以下、走行経路A)。そして、右側転向プーリ13aで走行方向が転向されたワイヤー2は、右側先端プーリ14aと、左側先端プーリ14bとを経由して左側転向プーリ13bに至るX-Y平面上の経路を走行する(以下、走行経路B)。そして、左側転向プーリ13bで再び走行方向が転向されたワイヤー2は、左側ガイドプーリ12bを経由して駆動プーリ11に戻るY-Z平面上の経路を走行する(以下、走行経路C)。なお、ワイヤー2は、走行経路C-B-Aの逆方向に走行させることもできる。
スライド台車16には、支持部17が前方に向けて延設されており、右側先端プーリ14aが支持部17の先端側から斜め右前方に、左側先端プーリ14bが支持部17の先端側から斜め左前方にそれぞれ周面が突出するように取り付けられている。これにより、走行経路Bにおいて、ワイヤー2は、支持部17の外周を囲むように走行する。なお、本実施形態では、支持部17を1枚のプレートで構成したが、支持部17の形状には制限がなく、例えば、右側先端プーリ14aと左側先端プーリ14bとを個別のアームで支持するようにしても良い。
また、支持部17と、右側先端プーリ14a及び左側先端プーリ14bの支持機構との上下方向の厚さは、いずれもワイヤー2の直径以下に設定され、側面視でワイヤー2から上下方向にはみ出さないように配置されている。これにより、スライド台車16を前方向にスライドさせて走行経路Bのワイヤー2をコンクリート構造物に押し当てることで、走行経路Bのワイヤー2がコンクリート構造物に切り込まれて押し切りが可能になる。
架台部30は、上面に前後スライド用レール31が取り付けられた架台32と、切削装置1の動作を制御する制御部等が収納された制御ボックス33とを備えている。架台32には、右前側支柱32a、左前側支柱32b、右後側支柱32c及び左後側支柱32dが立設され、この複数の支柱によって、制御ボックス33は、架台32上に間隔をおいて支持されている。
図2に示すように、架台32の後端に設けられたフランジ部35と延長架台32xの前端に設けられたフランジ部35xとを締結することで、架台32の後方側に、前後スライド用レール31に接続される前後スライド用延長レール31xが上面に取り付けられた延長架台32xが接続されている。そして、スライド台車16は、前後スライド用レール31及び前後スライド用延長レール31xに転動可能に係合する前後スライドローラ20を備えている。
図2及び図3を参照すると、架台32には前後方向に延設された前後スライド用ラック36が、延長架台32xには前後スライド用ラック36に接続される前後スライド用延長ラック36aが上面にそれぞれ取り付けられている。スライド台車16には、架台部30に対して前後方向に移動する際の駆動源である前後スライドモータ18が備え付けられ、ギアボックス19を介して前後スライドモータ18によって回転駆動されるピニオン21が前後スライド用ラック36及び前後スライド用延長ラック36aと噛合している。これにより、スライド台車16は、前後スライドモータ18の回転駆動によって前後方向に自走可能になる。
架台32には、支持部17の前後方向のスライドをガイドする右側ガイド部34aと左側ガイド部34bとが走行経路Bの内側に設けられている。
架台32と制御ボックス33とは、スライド台車16の車高以上の十分な間隔で配置され、図4に示すように、スライド台車16の全体が架台32上にスライド可能に構成されている。なお、右側ガイド部34a及び左側ガイド部34bは、スライド台車16が架台32上にスライドしても、スライド台車16と接触しない位置に設けられている。
また、図3乃至図5を参照すると、架台32の上面には、横切断用プーリ50が支持機構51を介して取付けられている。支持機構51は、横切断用プーリ50を回転可能に支持する。支持機構51は、図3乃至図4に示すように、横切断用プーリ50をワイヤー2の走行経路Bから下方向に退避させた退避状態と、図5に示すように、横切断用プーリ50の周面を左側先端プーリ14bから左側転向プーリ13bに至るワイヤー2の走行経路Bに内側(右側)から当接させ、ワイヤー2の走行を案内する位置に配置させる稼働状態とで切り換え可能に構成されている。
図6は、制御ボックス33を取り除いた切削装置1の斜視図である。図2及び図6を参照すると、架台部30には、回転軸が前後方向(X軸方向)である複数の左右スライドローラ37及び脱輪防止ローラ38が前面から突出するように取付けられている。左右スライドローラ37は、左右方向に延びる左右スライド用レール91に対して上側から転動可能に係合することで、架台部30が左右スライド用レール91に沿って移動可能になる。左右スライド用レール91の取り付け方法については後述する。脱輪防止ローラ38は、上下方向に移動可能に取り付けられており、左右スライド用レール91に対して左右スライドローラ37とは異なる方向から(下側から)転動可能に係合することで、左右スライド用レール91からの左右スライドローラ37の脱輪を防止する。なお、本実施形態において、左右スライドローラ37及び脱輪防止ローラ38は、右前側支柱32aと左前側支柱32bとに、上下2セットがそれぞれ取り付けられている。
また、架台部30には、回転軸が前後方向(X軸方向)である左右スライドモータ39が備え付けられている。左右スライドモータ39は、架台部30を切削対象物に対して左右方向に移動させる駆動源である。架台部30の前面から突出した左右スライドモータ39の回転軸には、ピニオン40が取り付けられている。これにより、ピニオン40を左右方向に延びる左右スライド用ラック92と噛合させることで、架台部30は、前後左右スライドモータ39の回転駆動によって左右方向に自走可能になる。左右スライド用ラック92の取り付け方法については後述する。なお、本実施形態において、左右スライドモータ39は、右前側支柱32aと左前側支柱32bとの間に架け渡された梁32eに立設された補助支柱32f、32gによって取付けられている。
次に、切削装置1を用いてコンクリート構造物とし高架橋の壁高欄コンクリート60を切断する切削工法について図7乃至図11を参照して詳細に説明する。
まず、図7に示すように、舗装部61を取り除いて床版62と壁高欄コンクリート60の地覆部63との接続部を露出させ、壁高欄コンクリート60に複数のブラケット70を引っ掛ける。そして、複数のブラケット70の上面に(壁高欄コンクリート60の横方向に)仮固定用パイプ80を架け渡した状態で、ブラケット70を壁高欄コンクリート60に仮固定する。なお、ブラケット70には、壁高欄コンクリート60の外壁、上面及び内壁との間隔及び傾きをそれぞれ調整するボルトやナットで構成された調整機構71が設けられている。
次に、仮固定用パイプ80を外し、複数のブラケット70の上面に、左右スライド用レール91及び左右スライド用ラック92を備えた枠体90を、横方向に延びる左右スライド用レール91及び左右スライド用ラック92が壁高欄コンクリート60の外壁に配置されるように取り付ける。図8には、複数のブラケット70によって2個の枠体90が壁高欄コンクリート60に取り付けられ、左右スライド用レール91及び左右スライド用ラック92が連結された状態が示されている。なお、枠体90には、壁高欄コンクリート60の外壁との傾きをそれぞれ調整するボルトやナットで構成された調整機構93が設けられている。
次に、ブラケット70の調整機構71や枠体90の調整機構93によって、左右スライド用レール91及び左右スライド用ラック92の上下位置や傾きを調整することで、切削装置1による切れ込み位置を決定する。なお、枠体90における左右スライド用レール91及び左右スライド用ラック92の取り付け位置は、架台部30における左右スライドローラ37と、左右スライドモータ39のピニオン40の取り付け位置に対応している。
次に、図9及び図10に示すように、左右スライド用レール91に左右スライドローラ37を乗せ、脱輪防止ローラ38を下側から左右スライド用レール91に押し当てた状態で固定することで、切削装置1を壁高欄コンクリート60の外壁にセットする。なお、左右スライド用ラック92の歯は、上面に形成されており、切削装置1のセットによって、左右スライドモータ39のピニオン40が左右スライド用ラック92と噛合する。
次に、駆動モータ15によって駆動プーリ11を回転させて、ワイヤー2を循環走行させながら、前後スライドモータ18によってピニオン21を回転させて、スライド台車16(切削部10)を壁高欄コンクリート60の外壁に向けて前方向(図11(a)に示す矢印X)にスライドさせる。
これにより、走行経路Bのワイヤー2が壁高欄コンクリート60に押し当てられ、図11(b)に示すように、ワイヤー2が右側先端プーリ14a及び左側先端プーリ14bと共に壁高欄コンクリート60に切り込まれ、壁高欄コンクリート60がX軸方向に切削される。
なお、X軸方向の切削において、駆動モータ15の回転速度(ワイヤー2の走行速度)は、一定になるように制御される。そして、駆動モータ15の負荷トルクを検出するトルク検出部が設けられており、前後スライドモータ18の回転速度(切削部10のスライド速度)は、駆動モータ15の負荷トルクに応じて、駆動モータ15の負荷トルクが大きくなると、前後スライドモータ18の回転速度を低下させるように制御される。前後スライドモータ18の回転速度は、駆動モータ15の負荷トルクに応じてリニアに制御しても良く、段階的に制御しても良い。
図11(c)及び図12は、壁高欄コンクリート60(地覆部63)がX軸方向に完全に切削され、右側先端プーリ14a及び左側先端プーリ14bが壁高欄コンクリート60を突き抜けて内壁に位置する状態が示されている。このように、ガイドプーリ挿入用のコア孔を必要することなくX軸方向の切削を行うことができるため、壁高欄コンクリート60を床版62に合わせて正確に切断することができ、切断面の斫り作業等の後作業を軽減することができる。
なお、図12は、架台32から延長架台32xを取り外した状態が示されている。このように、スライド台車16は、全体が架台32上に位置することができるように構成され、スライド台車16が架台32上に位置する状態で、延長架台32xは架台32から取り外し可能になる。
次に、駆動モータ15及び前後スライドモータ18の回転を停止させ、横切断用プーリ50をワイヤー2の走行を案内する位置に配置させる図5に示す稼働状態に切り換える。なお、図11(d)に示すように、左側先端プーリ14bもワイヤー2の直径より厚みのある左側先端プーリ14b‘に取り換え、ワイヤー2の走行をより確実に案内できるようにしても良い。
次に、駆動モータ15によって駆動プーリ11を回転させて、ワイヤー2を循環走行させながら、左右スライドモータ39によってピニオン40を回転させて、架台部30を壁高欄コンクリート60の外壁に沿って横方向(図11(d)に示す矢印Y)にスライドさせる。
これにより、右側先端プーリ14aと横切断用プーリ50との間に架け渡されたワイヤー2によって壁高欄コンクリート60が横方向に切削される。
なお、Y軸方向の切削において、駆動モータ15の回転速度(ワイヤー2の走行速度)は、一定になるように制御される。そして、左右スライドモータ39の回転速度(架台部30のスライド速度)は、駆動モータ15の負荷トルクに応じて、駆動モータ15の負荷トルクが大きくなると、左右スライドモータ39の回転速度を低下させるように制御される。左右スライドモータ39の回転速度は、駆動モータ15の負荷トルクに応じてリニアに制御しても良く、段階的に制御しても良い。
以上説明したように、本実施形態は、循環走行するワイヤー2を用いて壁高欄コンクリート60を切削する切削装置1であって、先端プーリ(右側先端プーリ14a、左側先端プーリ14b)に架け渡したワイヤー2を循環走行させながら壁高欄コンクリート60に向けスライドさせ、ワイヤー2を先端プーリ(右側先端プーリ14a、左側先端プーリ14b)と共に壁高欄コンクリート60に切り込ませて切削させる切削部10と、壁高欄コンクリート60を突き抜けた先端プーリ(左側先端プーリ14b)と壁高欄コンクリート60の手前側に配置された横切断用プーリ50との間に架け渡したワイヤー2を循環走行させながら切削部10を横方向にスライドさせ、先端プーリ(右側先端プーリ14a)と横切断用プーリ50との間に架け渡されたワイヤー2によって壁高欄コンクリート60を切削させる架台部30と、を具備する。
この構成により、壁高欄コンクリート60に対して切削施工を行う際に、設置盛替を行うことなく横方向への切削施工を行うことができ、切削施工の出来高を大きく増加させることができる。また、切削装置1を壁高欄コンクリート60に設置した状態で横方向に切断することができるため、壁高欄コンクリート60に外壁側に作業足場を設置して、切削装置1を据え付けるためのスペースを確保する必要がなく、事前の施工準備を簡略化することができる。
さらに、本実施形態において、横切断用プーリ50を支持する支持機構51は、架台部30に取り付けられており、横切断用プーリ50をワイヤー2の走行経路Bから退避させる退避状態と、ワイヤー2の走行を案内する位置に横切断用プーリ50を配置させる稼働状態とで切り換え可能に構成されている。
この構成により、横切断用プーリ50を横方向にスライドする架台部30に取り付けることができるため、横方向への切削時に強度を確保することができる。なお、強度を確保できる場合には、横切断用プーリ50を支持部17に取り付け、常にワイヤー2の走行を案内するようにしても良い。
また、本実施形態において、切削部10は、ワイヤー2の走行方向を先端プーリ(右側先端プーリ14a、左側先端プーリ14b)による走行面から転向させる転向プーリ(右側転向プーリ13a、左側転向プーリ13b)と、転向プーリ(右側転向プーリ13a、左側転向プーリ13b)によって転向されたワイヤー2の走行面でワイヤー2の走行を駆動する駆動プーリ11とを具備する。
この構成により、切削部10の前後方向(X軸方向)の全長をコンパクトにすることが可能となり、必要な作業足場スペースを減少させ、施工準備手間を減少させることができる。
さらに、本実施形態において、切削部10は、先端プーリ(右側先端プーリ14a、左側先端プーリ14b)を支持して壁高欄コンクリート60に向けスライドするスライド台車16を具備し、架台部30は、スライド台車16をスライド可能に支持する架台32と、架台30の後方側に接続された延長架台32xと、を具備し、スライド台車16が架台32上に位置する状態で、延長架台32xは架台32から取り外し可能である。
この構成により、横方向への切削時に壁高欄コンクリート60からの張り出し長を短くすることができ、壁高欄コンクリート60の外壁側に大きなスペースを必要とすることなく、横方向への切削施工をすることができる。
さらに、本実施形態において、壁高欄コンクリート60に取り付けられた左右スライド用レール91に転動可能に係合する左右スライドローラ37と、壁高欄コンクリート60に取り付けられた左右スライド用ラック92と噛合するピニオン40が回転軸に設けられた左右スライドモータ39と、を具備する。
この構成により、切削装置1を左右スライド用レール91に沿ってスムーズにスライドさせることができる。
また、本実施形態において、架台部30は、左右スライド用レール91に左右スライドローラ37とは異なる方向から転動可能に係合する脱輪防止ローラ38を具備する。
この構成により、簡単な構成で左右スライド用レール91からの脱落を防止できる。
以上、本発明を、実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 切削装置
2 ワイヤー
10 切削部
11 駆動プーリ
12a 右側ガイドプーリ
12b 左側ガイドプーリ
13a 右側転向プーリ
13b 左側転向プーリ
14a 右側先端プーリ
14b 左側先端プーリ
15 駆動モータ
16 スライド台車
16a 右側支柱
16b 左側支柱
16c 右側アーム
16d 左側アーム
17 支持部
18 前後スライドモータ
19 ギアボックス
20 前後スライドローラ
21 ピニオン
30 架台部
31 前後スライド用レール
31x 前後スライド用延長レール
32 架台
32x 延長架台
32a 右前側支柱
32b 左前側支柱
32c 右後側支柱
32d 左後側支柱
32e 梁
32f、32g 補助支柱
33 制御ボックス
34a 右側ガイド部
34b 左側ガイド部
35 フランジ部
35x フランジ部
36 前後スライド用ラック
36a 前後スライド用延長ラック
37 左右スライドローラ
38 脱輪防止ローラ
39 左右スライドモータ
40 ピニオン
50 横切断用プーリ
51 支持機構
60 壁高欄コンクリート
61 舗装部
62 床版
63 地覆部
70 ブラケット
80 仮固定用パイプ
71 調整機構
90 枠体
91 左右スライド用レール
92 左右スライド用ラック
93 調整機構

Claims (7)

  1. 循環走行するワイヤーを用いてコンクリート構造物を切削する切削装置であって、
    先端プーリに架け渡した前記ワイヤーを循環走行させながら前記コンクリート構造物に向けスライドさせ、前記ワイヤーを前記先端プーリと共に前記コンクリート構造物に切り込ませて切削させる切削部と、
    前記コンクリート構造物を突き抜けた前記先端プーリと前記コンクリート構造物の手前側に配置された横切断用プーリとの間に架け渡した前記ワイヤーを循環走行させながら前記切削部を横方向にスライドさせ、前記先端プーリと前記横切断用プーリとの間に架け渡された前記ワイヤーによって前記コンクリート構造物を切削させる架台部と、を具備することを特徴とする切削装置。
  2. 前記横切断用プーリを支持する支持機構は、前記架台部に取り付けられており、前記横切断用プーリを前記ワイヤーの走行経路から退避させる退避状態と、前記ワイヤーの走行を案内する位置に前記横切断用プーリを配置させる稼働状態とで切り換え可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の切削装置。
  3. 前記切削部は、
    前記ワイヤーの走行方向を前記先端プーリによる走行面から転向させる転向プーリと、
    前記転向プーリによって転向された前記ワイヤーの走行面で前記ワイヤーの走行を駆動する駆動プーリと、を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の切削装置。
  4. 前記切削部は、
    前記先端プーリを支持して前記コンクリート構造物に向けスライドするスライド台車を具備し、
    前記架台部は、
    前記スライド台車をスライド可能に支持する架台と、
    前記架台の後方側に接続された延長架台と、を具備し、
    前記スライド台車が前記架台に位置する状態で、前記延長架台は前記架台から取り外し可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の切削装置。
  5. 前記コンクリート構造物に取り付けられた左右スライド用レールに転動可能に係合する左右スライドローラと、
    前記コンクリート構造物に取り付けられた左右スライド用ラックと噛合するピニオンが回転軸に設けられた左右スライドモータと、を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の切削装置。
  6. 前記架台部は、
    前記左右スライド用レールに前記左右スライドローラとは異なる方向から転動可能に係合する脱輪防止ローラを具備することを特徴とする請求項5記載の切削装置。
  7. 循環走行するワイヤーを用いてコンクリート構造物を切削する切削工法であって、
    前記ワイヤーが架け渡された先端プーリを備えた切削部を、前記ワイヤーを走行させながら前記コンクリート構造物に向けスライドさせ、前記ワイヤーを前記先端プーリごと前記コンクリート構造物に切り込ませて切削させた後、
    前記切削部のスライドを支持する架台部を、前記コンクリート構造物を突き抜けた前記先端プーリと前記コンクリート構造物の手前側に配置された横切断用プーリとの間に架け渡した前記ワイヤーを走行させながら横方向にスライドさせ、前記先端プーリと前記横切断用プーリとの間に架け渡された前記ワイヤーによって前記コンクリート構造物を切削させることを特徴とする切削工法。
JP2019106085A 2019-06-06 2019-06-06 切削装置及び切削工法 Active JP7241612B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019106085A JP7241612B2 (ja) 2019-06-06 2019-06-06 切削装置及び切削工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019106085A JP7241612B2 (ja) 2019-06-06 2019-06-06 切削装置及び切削工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020200590A JP2020200590A (ja) 2020-12-17
JP7241612B2 true JP7241612B2 (ja) 2023-03-17

Family

ID=73743819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019106085A Active JP7241612B2 (ja) 2019-06-06 2019-06-06 切削装置及び切削工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7241612B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102503930B1 (ko) * 2022-04-29 2023-02-24 김창호 와이어 쏘우 머신
CN115171462A (zh) * 2022-08-17 2022-10-11 湖北兴久科技有限公司 一种具有可延展功能的电工电子实训考核装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016173025A (ja) 2015-03-16 2016-09-29 株式会社大林組 ワイヤーソー工法及び装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001062826A (ja) * 1999-08-31 2001-03-13 Takao Sato 岩盤の切断工法及び切断装置並びに地盤への処理工法及び処理装置
JP2002086441A (ja) * 2000-09-18 2002-03-26 Shibuya:Kk ワイヤーソー切断装置及びワイヤーソー切断装置ユニット

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016173025A (ja) 2015-03-16 2016-09-29 株式会社大林組 ワイヤーソー工法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020200590A (ja) 2020-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7241612B2 (ja) 切削装置及び切削工法
CN112542808B (zh) 一种电力工程建设用线缆敷设装置
KR101909977B1 (ko) 차량 주행 상태에서의 터널 방음벽 설치 및 보수 작업이 가능한 작업대차
KR20140052149A (ko) 용접기 지지장치
JP2020165272A (ja) カバー
CN217371069U (zh) 一种基于轨道装备制造的轨道焊接小车
JP2002081298A (ja) トンネル内壁補修機
JP4428204B2 (ja) 搬送装置
JP3796509B2 (ja) 既設伸縮継手の切り取り撤去装置とその使用法
KR20180003229U (ko) 터널 작업용 작업대 이동장치
JP4072109B2 (ja) トンネル工事設備のコンベア支持装置
CN109296386B (zh) 一种用于模喷的前臂机构
CN109462187B (zh) 电缆施工装置的放线方法
CN109339822B (zh) 一种混凝土模喷用集成机构
KR101050474B1 (ko) 교량 유지관리용 편심형 이동식 점검차
JP2007190611A (ja) 溶接機の走行装置
JP3879632B2 (ja) 搬送装置
JP6370007B1 (ja) 乗客コンベアの取り付け方法と乗客コンベア
JP2005120746A5 (ja)
JPH07292964A (ja) 建築物壁面の工事装置
JP3170679U (ja) 移動切断機
JPS6023115Y2 (ja) 円筒状物の縦継手溶接用裏当装置
CN109322681B (zh) 一种模喷用喷头移动总成机构
JP2023037401A (ja) 切断装置
JP5403265B2 (ja) 液剤散布用処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220509

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7241612

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150