JP7241529B2 - 皮膜形成性外用製剤 - Google Patents
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Description
項1.(A)炭素数1~4の一価アルコール、(B)炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル、(C)ニトロセルロース、及び(D)グリチルレチン酸、その誘導体、及び/又はその塩を含み、
前記(B)成分の含有量が40重量%以上であることを特徴とする、皮膜形成性外用製剤。
項2. 前記(B)成分の含有量が40~52重量%である、項1に記載の皮膜形成性外用製剤。
項3. 前記(B)成分が、酢酸エチルと酢酸ブチルとを含む、項1又は2に記載の皮膜形成性外用製剤。
項4. 更に(E)可塑剤を含む、項1~3のいずれかに記載の皮膜形成性外用製剤。
項5. 前記(E)成分の含有量が0重量%超6重量%以下である、項4に記載の皮膜形成性外用製剤。
項6. 前記(E)成分が、炭素数5~22のモノ、ジ又はトリカルボン酸と炭素数1~9の一価アルコールのエステルである、項4又は5に記載の皮膜形成性外用製剤。
項7. (A)炭素数1~4の一価アルコール、(B)炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル、(C)ニトロセルロース、及び(D)グリチルレチン酸、その誘導体、及び/又はその塩を含む皮膜形成性外用製剤において、前記皮膜形成性外用製剤から形成される皮膜からの前記(D)成分の放出率を向上させる方法であって、前記皮膜形成性外用製剤に、前記(B)成分を40重量%以上の含有量となるように配合することを特徴とする、皮膜からの放出率向上方法。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、(A)特定のアルコール(以下において(A)成分とも記載する)、所定量の(B)特定のエステル(以下において(B)成分とも記載する)、(C)ニトロセルロース(以下において(C)成分とも記載する)、及び(D)グリチルレチン酸類(以下において(D)成分とも記載する)を含むことを特徴とする。以下、本発明の皮膜形成性外用製剤について詳述する。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、(A)成分として、炭素数1~4の一価アルコールを含有する。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、(B)成分として、炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステルを含有する。「炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル」とは、炭素数2~4のモノカルボン酸1分子と炭素数1~5の一価アルコール1分子がエステル結合した化合物である。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、(C)成分としてニトロセルロースを含有する。ニトロセルロースは、皮膚上形成される耐水性皮膜の基剤としての役割を果たす。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、(D)成分としてグリチルレチン酸類を含有する。グリチルレチン酸類は、グリチルレチン酸、その誘導体、及びそれらの塩の少なくともいずれかである。(D)成分は皮膜形成性外用製剤の有効成分として含まれており、本発明の皮膜形成性外用製剤においては、形成された皮膜からの(D)成分の放出率が向上されている。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、皮膚上に形成させる皮膜に対して、良好な柔軟性や皮膚付着性を付与するために、必要に応じて、(E)成分として可塑剤を含んでいてもよい。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、水、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルエーテル等の溶剤を更に含んでいてもよい。但し、(A)成分及び(B)成分以外の溶剤は、皮膜の透明性を損なったり、水との接触による皮膜の白濁化やゲル化を生じ易くなったりすることがあるため、(A)成分及び(B)成分以外の溶剤を配合する場合には、かかる特性を考慮する必要がある。更に、ジエチルエーテルは、揮発性の高さに起因する発火性から製造上の取り扱いに注意が必要であり、また、保存中の乾燥による固化、特有の匂い等の原因にもなり得るので、ジエチルエーテルを配合する場合には、このような特性に配慮することが求められる。本発明の皮膜形成性外用製剤における(A)成分及び(B)成分以外の溶剤の含有量としては、例えば、4重量%以下程度、特に2重量%以下程度であることが望ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物の製剤形態については、皮膚に適用可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、液状又は半固形状(ゲル状、ペースト状)が挙げられ、形成する皮膜の厚みを十分に確保する観点から、好ましくは半固形状が挙げられる。本発明の皮膚洗浄剤組成物が半固形状である場合の具体的な粘度としては、形成する皮膜の厚みを十分に確保する観点から、好ましくは5000~15000mPa・s、より好ましくは5500~13000mPa・s、更に好ましくは6000~11000mPa・s、特に好ましくは6000~8000mPa・sが挙げられる。ここで、粘度とは、20~22℃において、B型粘度計(スピンドルNo.3、12rpm)によって測定される値である。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、上記(A)~(D)成分、及び必要に応じて、上記(E)成分、上記他の溶剤、薬効成分、添加剤等を所望量混合することにより調製される。
本発明の皮膜形成性外用製剤は、有効成分である(D)成分の供給が求められている部位であれば、特に制限されず、例えば、上肢、下肢、胸部、腹部、背部、腰部、足首、手首、肘、膝、指、足背部、足底部、踵等が挙げられる。本発明の皮膜形成性外用製剤は有効成分である(D)成分の放出率が向上しているため、皮膚の創傷部に対して適用されることがより好ましい。創傷部としては、(D)成分による効能が期待されるものであれば特に限定されず、例えば、すり傷、掻き傷、靴ずれ、ひび、あかぎれ、切り傷、刺し傷、皮むけ、その他角質層の薄化又は欠落を生じている部位が挙げられる。
前述するように、炭素数1~4の一価アルコールと、炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステルと、ニトロセルロースと、グリチルレチン酸類とを含む皮膜形成性外用製剤において、炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステルの含有量を40重量%以上となるように調節することで、形成される皮膜からのグリチルレチン酸類の放出率を向上させることができる。従って、本発明は、更に、(A)炭素数1~4の一価アルコール、(B)炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル、(C)ニトロセルロース、及び(D)グリチルレチン酸、その誘導体、及び/又はその塩を含む皮膜形成性外用製剤において、前記皮膜形成性外用製剤から形成される皮膜からの前記(D)成分の放出率を向上させる方法であって、前記皮膜形成性外用製剤に、前記(B)成分を40重量%以上の含有量となるように配合することを特徴とする、皮膜からの放出率向上方法を提供する。
[皮膜形成性外用製剤の調製]
表1に示す組成の皮膜形成性外用製剤を調製した。具体的には、(A)成分、(D)成分、及び(E)成分を撹拌混合し、これに(C)成分を添加して分散させた後、(B)成分を加えて均一に撹拌溶解して皮膜形成性外用製剤を得た。なお、ニトロセルロースについてはピロキシリンを用い、ピロキシリン中のニトロセルロースが表中の配合量となるように調製した。
(放出試験)
第十七改正日本薬局方に規定されたパドルオーバーディスク法に準拠し、パドルオーバーディスク(富山産業株式会社製、網125μm、SUS316製、D2414)に、調製された皮膜形成性外用製剤約0.1gを素早くドーナツ状に塗布し、約2時間風乾して皮膜を形成した。試験液(放出されるグリチルレチン酸を受容する液)としては、32℃±0.5℃に加温したエタノール900mLを用いた。皮膜形成性外用製剤で皮膜を形成したディスク1個を、ベッセル内に収容した試験液中で、パドル回転数を毎分50回転に設定した試験に供した。回転開始1分後にベッセル内の試験液を採取し、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過して試料溶液とした。
グリチルレチン酸標準品をエタノールに加えて超音波照射で溶解させることで、0.5μg/mLグリチルレチン酸標準溶液を調製した。
標準溶液及び試料溶液25μLについて、高速液体クロマトグラフを用いた以下の条件での試験に供し、グリチルレチン酸を測定した。
<高速液体クロマトグラフ操作条件>
検出器:紫外吸光光度計
カラム:Inertsil ODS-4(3μm,4.6mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/リン酸(1v/v%→100v/v%グラジエント)混液(3:2(v:v))
流量:0.75mL/min
測定波長:254nm
Claims (7)
- (A)炭素数1~4の一価アルコール、(B)炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル、(C)ニトロセルロース、並びに(D)グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル、グリチルレチン酸モノグルクロニド、及び/又はそれらの塩を含み、
前記(B)成分の含有量が45重量%以上であることを特徴とする、皮膜形成性外用製剤(但し、6~13重量%の前記(C)成分と5~15重量%の植物油とを含有し、前記植物油/前記(C)成分重量比が0.8~1.5であるものを除く)。 - 前記(B)成分の含有量が45~52重量%である、請求項1に記載の皮膜形成性外用製剤。
- 前記(B)成分が、酢酸エチルと酢酸ブチルとを含む、請求項1又は2に記載の皮膜形成性外用製剤。
- 更に(E)可塑剤を含む、請求項1~3のいずれかに記載の皮膜形成性外用製剤。
- 前記(E)成分の含有量が0重量%超6重量%以下である、請求項4に記載の皮膜形成性外用製剤。
- 前記(E)成分が、炭素数5~22のモノ、ジ又はトリカルボン酸と炭素数1~9の一価アルコールのエステルである、請求項4又は5に記載の皮膜形成性外用製剤。
- (A)炭素数1~4の一価アルコール、(B)炭素数2~4のモノカルボン酸と炭素数1~5の一価アルコールとのエステル、(C)ニトロセルロース、並びに(D)グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル、グリチルレチン酸モノグルクロニド、及び/又はそれらの塩を含む皮膜形成性外用製剤(但し、6~13重量%の前記(C)成分と5~15重量%の植物油とを含有し、前記植物油/前記(C)成分重量比が0.8~1.5であるものを除く)において、前記皮膜形成性外用製剤から形成される皮膜からの前記(D)成分の放出率を向上させる方法であって、前記皮膜形成性外用製剤に、前記(B)成分を45重量%以上の含有量となるように配合することを特徴とする、皮膜からの放出率向上方法。
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