JP7241276B2 - 街路用照明器具 - Google Patents

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本開示は、街路用照明器具に関する。
街路の照明に用いられる照明器具は、街路を通行する歩行者や自転車、段差、表出物等の視認性を向上させ、通行上、防犯上の安全性を確保することが要求される。ところで、人の視感度は、明所視と、暗所視と、薄明視とでそれぞれ異なっている。明所視(明るい環境下)では、錐体細胞の働きにより色の知覚が可能である。暗所視(暗い環境下)では、錐体細胞が機能しないために色の知覚はできないが、桿体細胞の働きによって視感度が向上する。
また、薄明視(薄暗い環境下)では、明所視と暗所視との中間の状態であって、錐体細胞及び桿体細胞の双方が機能する。人が薄明視となる明るさは、0.01~10lx程度といわれており、これ以上の明るさの場合は明所視となり、これ以下の明るさの場合は暗所視となるといわれている。
ここで、暗い環境下において、明るい環境下に対して視感度のピークは短波長側にシフトする。このような現象は、プルキンエ現象としてよく知られている。また、錐体細胞は網膜の中心側に数が多く、中心側から離れると数が極端に減少するのに対し、桿体細胞は網膜の中心側には存在せず、中心から離れると数が急激に増加する。そのため、薄明視において、街路を歩行する歩行者は、例えば、対向者の顔などを中心視によって視認し、かつ、街路脇にある表出物などを周辺視によって視認することが多い。プルキンエ現象を利用した照明器具としては、例えば特許文献1に開示されている屋外用の照明器具がある。
特開2008-091232号公報
従来、上述したプルキンエ現象を利用した照明装置の例として、屋外用の照明装置が挙げられる。ここでは、相関色温度が高くなると、薄明視環境下における視認性評価指数であるS/Pが高くなる傾向から、相関色温度が7100Kよりも高い光で照射し、薄明視環境下において街路歩行する歩行者の視認性を向上させている。S/P比とは、光の視認性を評価する数値であり、S/P比が高いほど薄明視環境下における視認性が高くなる。
従来の照明器具は、歩行者の視認性を重視した照明器具であるが、屋外歩行空間では、空間の見通し良さ、対向する歩行者等の視認性と空間の雰囲気の良さとを両立することが重要である。しかしながら、視認性を良くするためには、高いS/P比が好ましく、そのため高い相関色温度が適しているが、空間の雰囲気を良くするためには、低い相関色温度が良好であることから、視認性と雰囲気の良さとの両立は困難である。
そこで、本開示は、薄明視環境下において、視認性を高め、且つ、空間の雰囲気を良好にする街路用照明器具を提供する。
本開示の一態様に係る街路灯は、路面からの高さが2m以上5m以下に配置され、前記街路に白色光を照射する発光部を備え、前記白色光は、相関色温度が5000K以上6500K以下であり、色偏差が-10以上+10以下であり、暗所視における光束及び明所視における光束の比率であるS/P比が2.0以上であり、前記白色光が照射される街路上の照射面における平均水平面照度が1lx以上である。
本開示の街路用照明器具によれば、薄明視環境下において、街路を通行する歩行者から見て、対向する歩行者、自転車、段差、表出物等の視認性を高め、且つ、雰囲気を良くすることができる。
図1は、実施の形態に係る街路用照明器具による光の照射面を示す模式図である。 図2は、実施の形態に係る街路用照明器具の外観斜視図である。 図3は、実施の形態に係る街路用照明器具の内部構成を示す平面図である。 図4は、実施の形態に係る照明用光源を示す外観斜視図である。 図5は、図4のV-V線における照明用光源の模式断面図である。 図6は、実施例に係る街路用照明器具の発光スペクトルを示す図である。 図7は、比較例1に係る照明用光源の発光スペクトルを示す図である。 図8は、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源の比較検証実験空間の平面図及び側面図である。 図9Aは、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源における視認性の比較検証実験の結果を示す図である。 図9Bは、実施例、比較例1、比較例2に係る照明用光源における空間の雰囲気の比較検証実験の結果を示す図である。 図10は、他の実施の形態に係る照明用光源を示す外観斜視図である。 図11は、図10のXI-XI線における照明用光源の模式断面図である。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る街路用照明器具について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示す数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、以下の実施の形態において、略半円形状などの「略」を用いた表現を用いている。例えば、略半円形状は、完全に半円形状であることを意味するだけでなく、実質的に半円形状である、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を用いた表現が記載されている場合についても同様である。
[街路用照明器具の構成]
まず、実施の形態に係る街路用照明器具に関して説明する。図1は、実施の形態に係る街路用照明器具による光の照射面を示す模式図である。図1に示すように、街路用照明器具100は、街路200に光を照射するように設置される。街路用照明器具100は、柱状部材110によって街路200の上方に支持される。街路用照明器具100は、例えば、生活街路で使用される。図1に示すように、複数の街路用照明器具100は、街路200沿いに所定の間隔をあけて設置される。
また、街路用照明器具100は、街路200の路面に光を照射する。街路用照明器具100は、路面のうち照射面LA(図1における街路200のハッチングで示す領域)を照らす。
街路用照明器具100は、後述する照明用光源310を備えることにより、薄明視環境下における視認性を高める光を照射する。また、街路用照明器具100は、街路200の路面からの高さが2m以上5m以下の高さに設置され、照射面LAの平均水平面照度が1lx以上になるように設定される。ここで、平均水平面照度とは、水平な面に照射される光における単位面積あたりの照度である。本明細書において、平均水平面照度は、街路用照明器具100が街路200の路面に照射する照射面LAの平均照度を示す。
街路用照明器具100から発せられる光の広がり角度は、平均水平面照度が1lx以上になるように街路200が照らされればよく、特に限定されない。街路用照明器具100は、街路200が効率良く照らされるように設計されればよい。
また、街路用照明器具100から発せられる白色光は、後述する筺体120(図3参照)、図示しない反射板やレンズ等を用いて、街路200側(下方側)に照射される構成となっている。これは、例えば、街路用照明器具100が夜間に白色光を照射する場合に、街路用照明器具100の上方に光を照射すると、夜空に光が照射されることによる景観の悪化、周辺の動植物への悪影響を与える等の光害が発生する虞があるためである。そのために、街路用照明器具100から発せられる白色光の多くは、街路用照明器具100の下方側に照射されるとよい。例えば、街路用照明器具100から上方側に照射される白色光は、当該白色光における全光束の5%以下に設定される。なお、街路用照明器具100から「上方側」又は「下方側」とは、例えば、街路用照明器具100から発せられる光の角度が、水平方向に対して上方側に傾いているか下方側に傾いているかであるかを意味する。
また、街路用照明器具100が発する白色光が水平方向及び上方に照射される光量は、小さくなるように設定されている。これは、配光角が広い照明器具では、街路200の歩行者が、当該照明器具が発する白色光をグレアと感じる虞があるためである。このように、街路の歩行者が白色光をグレアと感じることが抑制するために、例えば、街路用照明器具100が照射する白色光における鉛直角85度以上の輝度値は、20000cd/m以下に設定される。当該鉛直角における輝度値を達成するために、街路用照明器具100は、後述する筺体120(図3参照)、図示しない反射板やレンズ等を用いて、鉛直角85度以上の輝度値が、20000cd/m以下になるように構成されている。
以下、街路用照明器具100の詳細な構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る街路用照明器具100の外観斜視図である。なお、図2は、街路用照明器具100が街路200に設置された場合に、下方から街路用照明器具100を見た場合の外観斜視図である。図3は、実施の形態に係る街路用照明器具100の透光カバー130を取り外して見たときの内部構成を示す平面図である。図2及び図3に示すように、街路用照明器具100は、筺体120と、透光カバー130と、発光部300とを備える。
筺体120は、発光部300を収容し、収容された発光部300を覆う透光カバー130を保持する。筺体120は、例えば、金属材料を用いて形成されるが、樹脂材料等の他の材料を用いて形成されてもよい。また、筺体120は、光の利用効率を上げるために内面が光反射材で形成されてもよい。
透光カバー130は、発光部300からの光を透過するカバー部材であり、筺体120に取り付けられている。透光カバー130は、例えばガラス材料またはアクリルもしくはポリカーボネート等の透明樹脂材料によって形成することができる。なお、透光カバー130は、光拡散性を有してもよい。なお、街路用照明器具100は、透光カバー130を備えなくてもよい。
また、発光部300は、光学レンズ150を備える。
光学レンズ150は、照明用光源310から発せられる光の配光を制御するためのレンズ部材である。光学レンズ150は、例えば、図3に示すように発光部300が備える複数の照明用光源310のそれぞれを覆うように複数配置される。光学部材150の材料としては、例えば、アクリル樹脂等の透明樹脂材料が採用される。
発光部300は、街路200に向けて白色光を照射する。発光部300は、具体的には、街路用照明器具100の長尺な方向に2列で配置された複数の照明用光源310を備える。後述するように、照明用光源310は、例えば、発光素子と当該発光素子から発せされる光の一部を波長変換する蛍光体とを備える。なお、発光部300は、照明用光源310を少なくとも1つ備えればよく、配置される照明用光源310の数は限定されない。
また、街路用照明器具100は、照明用光源310に、当該街路用照明器具100を点灯させるための電力を供給する電源ユニット140を備えてもよい。電源ユニット140は、例えば、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して照明用光源310に出力する電源回路から構成される。なお、電源ユニット140は、街路用照明器具100に内蔵されてもよいし、街路用照明器具100とは別に設置されてもよい。
[照明用光源の構成]
次に、実施の形態に係る照明用光源310の構成について図面を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る照明用光源310の外観斜視図である。図5は、図4のV-V線における照明用光源310の模式断面図である。
図4及び図5に示すように、実施の形態に係る照明用光源310は、SMD(Surface Mount Device)型の発光デバイスとして実現される。照明用光源310は、後述するように、薄明視環境下の中心視及び周辺視において、明るく知覚される白色光を発することができる。このため、照明用光源310は、夜間等の周囲が暗い環境下において使用される街路用照明器具に適している。
照明用光源310は、凹部を有する容器311と、凹部内に封入された封止部材312と、凹部の中に実装されたLED(Light Emitting Diode)チップ(発光素子)313とを備える。
容器311は、LEDチップ313と、封止部材312とを収容する容器である。また、容器311は、LEDチップ313に電力を供給するための金属配線である電極314を備える。LEDチップ313と電極314とは、ボンディングワイヤ315によって電気的に接続される。容器311の材料は、例えば、金属、セラミックまたは樹脂である。
セラミックとしては、酸化アルミニウム(アルミナ)または窒化アルミニウム等が採用される。また、金属としては、例えば、表面に絶縁膜が形成された、アルミニウム合金、鉄合金または銅合金等が採用される。樹脂としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ等が採用される。なお、容器311の材料は、上記材料が組み合わされて採用されてもよい。
なお、容器311として、例えば、光反射率が比較的高い(例えば、光反射率が90%以上の)材料が採用されてもよい。容器311として光反射率の比較的高い材料が採用されることで、LEDチップ313が発する光を容器311の表面で反射させることができる。この結果、照明用光源310の光取り出し効率が向上される。また、LEDチップ313が配置される容器311の内面は、光反射率を高めるように加工が施されてもよい。
LEDチップ313は、発光素子の一例であって、青色光を発する青色LEDチップである。LEDチップ313は、例えば、InGaN系(インジウム・ガリウム・ナイトライド系)の材料によって構成された、中心波長(発光スペクトルの発光ピーク波長)が430nm以上460nm以下の窒化ガリウム系のLEDチップである。
封止部材312は、LEDチップ313、ボンディングワイヤ315、及び電極314の少なくとも一部を封止する封止部材である。また、封止部材312は、LEDチップ313から発せられる光の一部の波長を変換する波長変換材が含まれる。具体的には、封止部材312は、波長変換材として複数の緑色蛍光体317a及び複数の赤色蛍光体317bを含んだ透光性樹脂材料で構成される。透光性樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、メチル系のシリコーン樹脂、エポキシ樹脂またはユリア樹脂等が用いられてもよい。
緑色蛍光体317aは、蛍光体(蛍光体粒子)の一例であって、LEDチップ313からの青色光で励起され、LEDチップ313からの青色光と異なる波長の光である緑色光を発する。緑色蛍光体317aには、具体的には、光の中心波長が540nm以上550nm以下のLuAl12:Ce3+蛍光体が採用される。
後述するように、照明用光源310では、当該照明用光源310が発する白色光のS/P比が高められている。なお、S/P比は、薄明視環境下での視認性の評価指数である。S/P比が高い程、薄明視環境下における視認性が高い光である。ここで、S/P比を高めるためには、波長が480nm以上520nm以下の青緑色領域の光成分を増加させることが有効である。そして、このような青緑色領域の光成分を増加させるためには、波長変換効率の高さの観点から、LuAl12:Ce3+蛍光体が有効である。
そして、LuAl12:Ce3+蛍光体が採用される場合、光の中心波長が540nmよりも小さいと、波長変換効率が低下する。一方で、光の中心波長が550nmよりも大きいと、青緑色領域の光成分を増加させる効果、つまり、S/P比を高める効果が低下する。したがって、実施の形態では、光の中心波長が540nm以上550nm以下のLuAl12:Ce3+蛍光体が採用される。
なお、光変換効率の低下が許容できるのであれば、緑色蛍光体317aには、後述する発光スペクトルを実現できる範囲でどのような蛍光体が採用されてもよい。例えば、緑色蛍光体317aとして、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の蛍光体が採用されてもよい。また、例えば、緑色蛍光体317aとして、ハロシリケート系の蛍光体が採用されてもよい。また、例えば、緑色蛍光体317aとして、酸窒化物系の蛍光体が採用されてもよい。
赤色蛍光体317bは、蛍光体の一例であって、LEDチップ313からの光で励起され、LEDチップ313からの青色光と異なる波長の光である赤色光を発する。赤色蛍光体317bには、具体的には、光の中心波長が610nm以上620nm以下の(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+蛍光体が採用される。なお、後述する発光スペクトルを実現できるのであれば、赤色蛍光体317bには、どのような蛍光体が採用されてもよい。
以上のような構成により、LEDチップ313が発した青色光の一部は、封止部材312に含まれる緑色蛍光体317aによって緑色光に波長変換される。同様に、LEDチップ313が発した青色光の他の一部は、封止部材312に含まれる赤色蛍光体317bによって赤色光に波長変換される。そして、緑色蛍光体317a及び赤色蛍光体317bに吸収されなかった青色光と、緑色蛍光体317aによって波長変換された緑色光と、赤色蛍光体317bによって波長変換された赤色光とは、封止部材312中で拡散及び混合される。これにより、封止部材312から、白色光が発せられる。つまり、照明用光源310は、LEDチップ313からの光と、緑色蛍光体317a及び赤色蛍光体317bが発する光が混ざることにより白色光を発する。
以下、照明用光源310が発する白色光の発光スペクトルの実施例及び比較例1について説明する。
[実施例]
図6は、実施例に係る照明用光源310の発光スペクトルを示す図である。なお、図6の縦軸は、発光スペクトルのうち波長450nmの光の強度を1.0として正規化されている。
実施例に係る照明用光源310は、波長450nmに発光ピークを有するLEDチップ313と、波長545nmに発光ピークを有する緑色蛍光体317a(LuAl12:Ce3+蛍光体)と、波長615nmに発光ピークを有する赤色蛍光体317b((Sr,Ca)AlSiN:Eu2+蛍光体)とを備える。そして、実施例に係る照明用光源310は、当該照明用光源310から発せられる白色光の相関色温度が5500Kとなるように、緑色蛍光体317a及び赤色蛍光体317bの混合量が調整されている。つまり、実施例に係る照明用光源310が発する白色光の相関色温度は、5500Kである。
図6に示すように、発光スペクトルの第一ピーク(波長450nm)における光強度に対する波長510nmにおける光強度の比率は、0.47である。発光スペクトルの第一ピークにおける光強度に対する波長580nmにおける光強度(図6中のa1)の比率は、0.60である。また、波長580nmにおける光強度に対する波長650nmにおける光強度(図6中のb1)の比率(図6中のb1/a1)は、0.45である。また、実施例に係る照明用光源310の発光スペクトルは、波長580nmに第二ピークを有する。なお、第二ピークは、波長450nmの発光ピーク(第一ピーク)の次に光強度が高い部分を意味する。また、実施例に係る照明用光源310の色偏差(Duv)は-0.80である。ここで色偏差とは、黒体軌跡上の色温度からの偏差である。
また、実施例に係る照明用光源310が発する白色光の平均演色評価数(Ra)は、80である。実施例に係る照明用光源310が発する白色光の、暗所視における光束及び明所視における光束の比率であるS/P比は、2.0である。
なお、S/P比は、薄明視環境下での視認性の評価指数である。S/P比が高い程、薄明視環境下における視認性が高い光である。S/P比(RSP)は、例えば、V(λ)を照明用光源310の明所視における分光視感効率とし、V’(λ)を暗所視における分光視感効率とした場合、以下の式(1)に基づいて算出することができる。
Figure 0007241276000001
なお、式(1)において、Kは、明所視最大視感度(=683lm/W)であり、K’は、暗所視最大視感度(=1699lm/W)であり、Φ(λ)は、照明用光源310の分光全放射束である。
[比較例1]
図7は、比較例1に係る照明用光源の発光スペクトルを示す図である。
比較例1に係る照明用光源は、全体構成は照明用光源310と同様であるが、封止部材に含まれる蛍光体が異なる。比較例1に係る照明用光源は、具体的には、波長450nmに発光ピークを有するLEDチップと、波長555nmに発光ピークを有する緑色蛍光体(YAl12:Ce3+蛍光体)とを備える。比較例1に係る照明用光源は、赤色蛍光体を備えない。そして、比較例1に係る照明用光源は、当該照明用光源から発せられる白色光の相関色温度が5000Kとなるように、緑色蛍光体の混合量が調整されている。つまり、比較例1に係る照明用光源が発する白色光の相関色温度は、5000Kである。
図7に示されるように、発光スペクトルの発光ピーク(波長450nm)における光強度に対する波長510nmにおける光強度の比率は、0.27である。発光スペクトルの発光ピークにおける光強度に対する波長580nmにおける光強度(図7中のA1)の比率は、0.66である。また、波長580nmにおける光強度に対する波長650nmにおける光強度(図7中のB1)の比率(図7中のB1/A1)は、0.40である。
また、比較例1に係る照明用光源が発する白色光の平均演色評価数は、70である。比較例1に係る照明用光源が発する白色光のS/P比は、1.7である。
[印象評価]
次に、図8、図9A及び図9Bを参照して、上記実施例及び上記比較例1の照明用光源を用いて実施した官能試験による印象評価の検証結果について説明する。なお、当該官能試験においては、さらに相関色温度が8000Kの白色光を照射する比較例2の照明用光源を準備し、実施例及び比較例1の照明用光源とあわせて比較検証を行った。比較例2の照明用光源は、全体構成については照明用光源310と同様であるが、比較例2に係る照明用光源から発せられる白色光の相関色温度が8000Kとなるように、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の混合量が調整された光源である。つまり、比較例2に係る照明用光源が発する白色光の相関色温度は、8000Kである。また、比較例2に係る照明用光源が発する白色光のS/P比は、2.0以上である。
図8は、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源の比較検証実験空間を説明するための平面図及び側面図である。具体的には、図8の(a)は、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源の比較検証実験空間を説明するための平面図(上面図)であり、図8の(b)は、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源の比較検証実験空間を説明するための側面図である。
図8に示すように、比較検証実験空間では、街路用照明器具100を街路200の路面から高さ4.5mの位置に設置した。また、街路用照明器具100から鉛直角60°方向であり、Y軸負方向に5.2m離れた場所に被験者Uを位置させた。また、街路用照明器具100からY軸正方向に4.8m離れた位置の視対象物Vを位置させた。また、被験者U及び視対象物Vを街路用照明器具100からX軸負方向に1.67m離れた場所に位置させた。
なお、視対象物Vは、等身大の人形(マネキン)である。また、視対象物Vには、JIS Z 8721準拠の異なる複数の色が記された色票を配した。
このような条件のもと、街路用照明器具100の照明用光源を、実施例、比較例1及び比較例2の照明用光源に置き換えて、それぞれの照明用光源で、被験者Uが認識する視対象物Vの見え方(視認性)及び比較検証実験空間の雰囲気の良さを評価した。なお、比較検証実験では、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源のそれぞれについて、1lx、3lx及び7.5lxの3条件で実験を行った。
図9Aは、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源における視認性の比較検証実験の結果を示す図である。図9Bは、実施例、比較例1及び比較例2に係る照明用光源における空間の雰囲気の良さの比較検証実験の結果を示す図である。具体的には、図9Aの(a)は、各照明用光源の照度を1lxに設定した場合であり、図9Aの(b)は、各照明用光源の照度を3lxに設定した場合であり、図9Aの(c)は、各照明用光源の照度を7.5lxに設定した場合である。また、図9Bの(a)は、各照明用光源の照度を1lxに設定した場合であり、図9Bの(b)は、各照明用光源の照度を3lxに設定した場合であり、図9Bの(c)は、各照明用光源の照度を7.5lxに設定した場合である。
比較対象実験の被験者数は、29人である。また、比較対象実験の結果は、シェッフェの一対比較法を用いて解析した。具体的には、まず、実施例、比較例1又は比較例2に係る照明用光源により白色光が照射された環境下で、各被験者に視対象物Vを確認させた。さらに、各被験者には、確認させた照明用光源とは異なる実施例、比較例1又は比較例2に係る照明用光源により白色光が照射された環境下で視対象物Vを確認させた。一定時間に区切り、一定回数上記の行為を繰り返した。さらに、各被験者には、先に確認させた照明用光源による白色光が、後に確認させた照明用光源による白色光に対して、視認性及び空間の雰囲気の良さをどのように感じたか、-2、-1、0、1、2の5段階の評価尺度に基づく相対評点で評価させた。なお、プラスは被験者が良いと感じた評価であり、マイナスは被験者が悪いと感じた評価である。また、各被験者には、実験空間における視対象物Vの形状の見え方及び視対象物Vに配置された異なる複数の色(上述した色票)の見え方及び床面に設置した白線の見え方、植栽、外壁の見え方を、視認性として評価させた。
例えば、まず、被験者Uに、実施例に係る照明用光源において1lxで照射させた白色光を確認させる。次に、被験者Uに、比較例1に係る照明用光源において1lxで照射させた白色光を確認させる。次に、被験者Uには、実施例に係る照明用光源の白色光が、比較例1に係る照明用光源の白色光よりも視認性及び空間の雰囲気の良さが良かったか否かについて5段階で評価させる。このように、被験者には、まず、対象となる照明用光源が照射する白色光環境下における視対象物Vを確認させ、次に、比較対象となる照明用光源が照射する白色光環境下における視対象物Vを確認させる。さらに、被験者には、対象となる照明用光源が照射する白色光が、比較対象となる照明用光源が照射する白色光に対してどのように感じたか、視対象物Vの見えやすさ(視認性)と比較検証実験空間の雰囲気の良さとの2つの観点から評価させた。このような方法で、各被験者に、3つの照度(1lx、3lx、7.5lx)の条件下で、3つの照明用光源(実施例、比較例1、比較例2)による白色光からうける印象の比較評価を行った。
図9A及び図9Bに示すグラフの縦軸に示す平均嗜好度は、一対比較において各条件の嗜好を同一の次元で値として表したものであり、平均的な好ましさの度合いを示している。また、図9A及び図9Bに示す有意差は、各被験者の評価値から分散分析により算出した値である。二つの評価対象の評点がこの値以上に離れているとき、優位差があると判定する。例えば、図9Aの(a)において、実施例と比較例2との評点の差は0.03であり、有意差0.29より値が小さいため有意差はない。一方で、実施例と比較例1との評点の差は0.61であり、0.29以上なので優位差があると判定できる。
図9Aの(a)及び(c)に示すように、実施例に係る照明用光源310では、比較例2に係る照明用光源と同等の平均嗜好度が得られた。また、図9Aの(b)に示すように、実施例に係る照明用光源310では、比較例2に係る照明用光源よりも高い平均嗜好度が得られた。これらの結果は、各被験者が、実施例に係る照明用光源310と比較例2に係る照明用光源とで同等又はそれ以上の見通しの良さを感じたことを意味する。つまり、各被験者は、相関色温度が近しい値でも、S/P比が高い方に視認性が高い(視認性が良い)と感じたことを意味する。
また、図9Bの(a)、(b)及び(c)に示すように、実施例に係る照明用光源310は、比較例1に係る照明用光源と同等の平均嗜好度が得られた。これらの結果は、実施例に係る照明用光源310による白色光と比較例1に係る照明用光源による白色光とでは、S/P比は異なるが、相関色温度が5500K又は5000Kであるために、同等の空間の雰囲気の良さを得られたことを意味する。
また、図9Bの(b)及び(c)に示すように、実施例に係る照明用光源310では、比較例2に係る照明用光源以上の平均嗜好度が得られた。これらの結果は、各被験者が、実施例に係る照明用光源310の方が比較例2に係る照明用光源よりも空間の雰囲気の良さを感じたことを意味する。つまり、S/P比が2.0以上であっても、相関色温度が5500Kである方が各被験者には空間の雰囲気が良いと感じられることを意味する。
[効果等]
次に、実施例に係る照明用光源310により得られる効果について、比較例1及び比較例2に係る照明用光源と比較しながら説明する。
実施例に係る照明用光源310が発する白色光の発光スペクトルは、いずれも波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有する。また、実施例に係る照明用光源310が発する白色光の発光スペクトルは、発光ピークにおける光強度に対する波長510nmにおける光強度の比率が0.45以上であり、発光ピークにおける光強度に対する波長580nmにおける光強度の比率が0.60以上である。実施例に係る照明用光源310が発する白色光の発光スペクトルは、波長580nmにおける光強度に対する波長650nmにおける光強度の比率が0.5以下である。
このような条件を満たす発光スペクトルを有する照明用光源310では、波長480nm以上520nm以下の青緑色領域の光成分が増加され、照明用光源310が発する白色光のS/P比を高めることができる。具体的には、照明用光源310が発する白色光のS/P比を2.0以上にすることができる。なお、S/P比は、LEDチップ313の発光ピーク波長を長波長側へシフトさせると向上する。しかしながら、LEDチップ313の発光効率は、LEDチップ313の発光ピーク波長を長波長側へシフトさせると低下する。そのため、LEDチップ313の発光ピーク波長は、430nm以上460nm以下が好ましい。さらに、LEDチップ313の発光ピーク波長は、450nm以上460nm以下がより好ましい。
ここで、明所視環境下においては、視細胞のうち分光視感効率のピークを波長555nmに有する錐体細胞が刺激される。また、夜間の道路(街路)空間等の薄明視環境下においては、錐体細胞に加えて、さらに分光視感効率のピークを波長507nmに有する桿体細胞が刺激される。薄明視環境下において、錐体細胞及び桿体細胞の両方が刺激されることから、発光スペクトルにおける波長480nm以上520nm以下の青緑色領域の光成分が増加されることにより、照明用光源310が発する白色光のS/P比は高められる。
なお、S/P比は、2.0以上であることが好ましい。S/P比が2.0以上の光は、特に周辺視において明るく知覚される。なお、周辺視は、例えば、視角が10度以上の視野の周辺部分を視認することを意味し、薄明視環境下或いは暗所視環境下を主たる活動環境とする。したがって、照明用光源310は、薄明視環境下の、特に周辺視において明るく知覚される白色光を発することができる。
これに対し、例えば、比較例1に係る照明用光源の発光スペクトルは、上記のS/P比が2.0以上の条件を満たさない。比較例1に係る照明用光源は、薄明視環境下における視認性が低下する。
また、上記のような条件を満たす発光スペクトルを有する照明用光源310は、当該発光スペクトルの形状により、薄明視環境下の中心視においても明るく知覚される白色光を発することができる。なお、中心視は、例えば、視角が2度以上10度未満程度の、視野の中心部分を視認することを意味し、明所視環境下を主たる活動環境とする。
また、実施例に係る照明用光源310が発する白色光では、平均演色評価数が80以上であることから、色再現性が高い。したがって、実施例に係る照明用光源310は、街路200上または街路200周辺部に設置された表出物等の色情報をより正確に発色させることができる。そのため、街路200の歩行者による色の誤認は低減される。
これに対し、例えば、比較例1に係る照明用光源が発する白色光は、平均演色評価数が71であることから、色再現性が低い。したがって、街路200の歩行者は、色を誤認する懸念がある。そのため、図9Aに示すように、各被験者は、実施例の照明用光源310と比較例2の照明用光源とで同等又はそれ以上の視認性の良さを感じ、且つ、実施例の照明用光源の方が比較例1の照明用光源よりも視認性の良さを感じたものと推察される。
また、実施例に係る照明用光源310が発する白色光の相関色温度は、5000K以上6500K以下である。これにより、実施例に係る照明用光源310は、街路200上の白線等が明確に視認され、かつ、青味の少ない自然な昼白色(昼光色)の光を発することができる。
これに対し、比較例2に係る照明用光源が発する白色光の相関色温度は8000Kであり、実施例に係る照明用光源310と比較するとやや青みがかった光色である。そのために、図9Bに示すように、実施例の照明用光源310は、比較例2に係る照明用光源よりも、被験者Uが空間の雰囲気が良いと感じたものと推察される。
以上のように、実施例の照明用光源310によれば、街路200における空間の視認性の良さと空間の雰囲気の良さとを両立できる。なお、上記特性及び上記効果は、街路用照明器具100から発せられる光として達成されればよく、街路用照明器具100に設置される複数の照明用光源310のそれぞれが上記特性及び上記効果を達成している必要はない。例えば、街路用照明器具は、発光部に青色光を発する青色LEDチップが配置され、且つ、透光カバーに緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含ませてもよい。こうすることで、例えば、街路用照明器具から発せられる発光スペクトルが、上記実施例に示す発光スペクトルとなるように構成されてもよい。
また、白色光の相関色温度は、5200K以上6000K以下がより好ましい。こうすることで、白色光における青色領域(例えば、波長400nm以上500nm以下)の光成分がさらに低減されるため、霧が発生した場合等に照明光の散乱が抑制される。そのため、歩行者の街路歩行時の安全性はより向上される。
また、実施例に係る照明用光源310の色偏差は-10.0以上+10.0以下である。これにより、実施例に係る照明用光源310は、緑味が多い、或いは赤味が多いということなく、より自然な白色光を発することができる。なお、色偏差は-5.0以上+5.0以下がより好ましい。こうすることで、白色光は、より自然な白色となり、例えば、街路200上の白線、表出物の白色等がより明確に視認されるようになる。
また、実施例に係る照明用光源310のルーメン当量(LE)は300lm/W以上となっている。ここで、ルーメン当量とは、明所視における光の等エネルギーあたりの視認性を評価する指標である。言い換えると、ルーメン当量が大きい光は、明所視において同じ光エネルギーあたりの視認性が高い、つまり錐体細胞が知覚しやすい光であると解釈される。さらには、ルーメン当量が大きい照明は、薄明視においても、錐体細胞が知覚しやすい照明であると解釈される。ルーメン当量は、例えば、Kを明所視最大視感度(=683lm/W)とし、V(λ)を明所視における分光視感効率とし、Φ(λ)を照明用光源310の分光全放射束とした場合、以下の式(2)に基づいて算出することができる。
Figure 0007241276000002
これにより、照明用光源310から発せられる光は、薄明視においても、錐体細胞が知覚しやすい光の割合が多い光となる。そのため、照明用光源310から発せられる光は、薄明視において、街路歩行者にとって中心視及び周辺視で明るく感じられるために光エネルギーの利用効率のよい光となる。
[まとめ]
実施の形態1に係る街路用照明器具100は、街路200の路面からの高さが2m以上5m以下に配置され、街路200に白色光を照射する発光部300を備える。当該白色光は、相関色温度が5000K以上6500K以下であり、色偏差が-10以上+10以下であり、暗所視における光束及び明所視における光束の比率であるS/P比が2.0以上である。また、白色光が照射される街路200上の照射面LAにおける平均水平面照度は1lx以上である。
これにより、街路用照明器具100から発せられる白色光により照らされた街路200にいる歩行者は、周辺視で明るく知覚される白色光で周囲を照らされるため、周辺視でとらえる街路脇にある表出物などへの視認性が高められる。そのため、街路用照明器具100によれば、歩行者の歩行の際の安全性が高められる。
また、街路用照明器具100が照射する白色光は、相関色温度が5000K以上6500K以下であり、且つ、色偏差が-10以上+10以下である。そのため、当該白色光が照射される空間の雰囲気は良好となる。雰囲気が良好な空間であれば、街路200の歩行者の安心感を高める効果が期待される。
これらのように、街路用照明器具100によれば、薄明視環境下において、街路200を通行する歩行者や対向する歩行者、自転車、段差、表出物等の視認性を高め、且つ、空間の雰囲気を良好にすることができる。街路200の歩行者の視認性を良好にし、且つ、安心感を高めることのできる街路用照明器具100によれば、対向する歩行者を正確に知覚し、且つ、空間の雰囲気が悪いことによる街路200の歩行者数の減少を抑制できるため、防犯対策としても効果が期待される。
また、街路用照明器具100から発せられる白色光の平均演色評価数は、80以上でもよい。
これにより、街路200の歩行者は、色をより正確に認識できるため、街路200上に設置された表出物(標識)等の色情報をより正確に認識できる。また、対向する歩行者の服或いは自転車の色等に誤認が生じる虞が低減される。
また、街路用照明器具100から発せられる白色光の発光スペクトルは、ルーメン当量が300lm/W以上であり、波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有してもよい。また、発光スペクトルにおいては、当該発光ピークにおける光強度に対する波長510nmにおける光強度の比率が0.45以上であり、当該発光ピークにおける光強度に対する波長580nmにおける光強度の比率が0.60以上でもよい。また、発光スペクトルは、波長580nmにおける光強度に対する波長650nmにおける光強度の比率が0.5以下でもよい。
これにより、街路用照明器具100から発せられる白色光は、街路200の歩行者により明るく感じさせ、かつ、光エネルギーの無駄が抑制された白色光となる。
また、街路用照明器具100の発光部300は、照明用光源310を備えてもよい。照明用光源310は、発光素子313と、発光素子313からの光で励起され、発光素子313からの光と異なる波長の光を発する複数の蛍光体とを備えてもよい。また、発光素子313は、波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有してもよい。つまり、発光素子313は、例えば、波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有するLEDチップ313が採用される。
これにより、照明用光源310は、周辺視及び中心視の両方において明るく知覚される光であって、色の再現性が向上された光を発することができる。
また、複数の蛍光体には、波長が540nm以上550nm以下の範囲に発光ピークを有するLuAl12:Ce3+蛍光体が含まれてもよい。つまり、蛍光体は、例えば、青緑色領域における光変換効率が高いLuAl12:Ce3+蛍光体が採用される。
これにより、照明用光源310は、周辺視及び中心視の両方において明るく知覚される光であって、色の再現性が向上された光を効率的に発することができる。
また、複数の蛍光体には、波長が610nm以上620nm以下の範囲に発光ピークを有する(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+蛍光体が含まれてもよい。つまり、蛍光体は、例えば、赤色領域における光変換効率が高い(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+蛍光体が採用される。
これにより、照明用光源310は、周辺視及び中心視の両方において明るく知覚される光であって、色の再現性が向上された光を効率的に発することができる。
また、街路用照明器具100から上方側に照射される白色光の光束は、当該白色光における全光束の5%以下でもよい。
このような構成によれば、発光部300から照射される白色光が街路用照明器具100の上方へ漏出されることにより、例えば、夜空の明るさ、街路用照明器具100の周辺の動植物への悪影響を抑制することができる。つまり、このような構成によれば、街路用照明器具100による周囲への光害が抑制され得る。
また、白色光における鉛直角85度以上の輝度値は、20000cd/m以下でもよい。
このような構成によれば、街路の歩行者が白色光をグレアと感じることが抑制される。
(他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る街路用照明器具について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、容器311に発光素子313が実装された照明用光源について説明したが、これに限らない。以下に、他の実施の形態に係る照明用光源について説明する。図10は、他の実施の形態に係る照明用光源を示す外観斜視図である。図11は、図10のXI-XI線における照明用光源の模式断面図である。図10及び図11に示すように、照明用光源310aは、基板316と、基板316上に実装されたLEDチップ(発光素子)313とを備える。
基板316は、電極314が設けられた配線領域を有する基板である。なお、電極314は、LEDチップ313に電力を供給するための金属配線である。基板316は、例えば、メタルベース基板またはセラミック基板である。また、基板316は、樹脂を基材とする樹脂基板であってもよい。
また、基板316として、光反射率が高い(例えば、光反射率が90%以上の)基板が採用されてもよい。基板316として光反射率の高い基板が採用されることで、LEDチップ313が発する光を基板316の表面で反射させることができる。この結果、照明用光源310aの光取り出し効率が向上される。このような基板としては、例えばアルミナを基材とする白色セラミック基板が例示される。
なお、他の実施の形態では基板316は矩形であるが、円形などその他の形状であってもよい。
封止部材312は、LEDチップ313、ボンディングワイヤ315及び電極314の少なくとも一部を封止する封止部材である。また、封止部材312は、LEDチップ313から発せられる光の一部の波長を変換する波長変換材が含まれる。具体的には、封止部材312は、波長変換材として複数の緑色蛍光体317a及び複数の赤色蛍光体317bを含んだ透光性樹脂材料で構成される。
また、照明用光源310aの封止部材312は、基板316上に曲率を有するようにドーム状に形成される。具体的には、図11に示すように、基板316上に形成された封止部材312の断面は、略半円形状になるように形成される。こうすることで、封止部材312は、LEDチップ313から発せられる光及び封止部材312に封止されている波長変換材をから発せられる光を集光させることができる。つまり、曲率を有するように形成された封止部材312は、上記光を集光するレンズの機能を有する。
なお、基板316上に形成された封止部材312の断面形状は、限定されない。形成される封止部材312の曲率を変更することで、照明用光源310a及び当該照明用光源310aを備える街路用照明器具から発せられる光は、所望の照射角度に変更され得る。こうすることで、照明用光源310a及び当該照明用光源310aを備える街路用照明器具は、新たにレンズ等を設けることなく、所望の照射範囲で街路200を照らすことができる。
また、上記実施の形態では、2種類の蛍光体と、1つのLEDチップ(発光素子)とによって上記の発光スペクトルが実現されたが、このような実現方法は一例であり、上記の条件を満たすのであればどのような蛍光体及び発光素子が用いられてもよい。
例えば、上記実施例では、発光素子の一具体例としてLEDチップを用いたが、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等の固体発光素子が、発光素子として採用されてもよい。また、例えば、照明用光源は、蛍光の中心波長が異なる3種類以上の蛍光体を備えてもよい。いずれの場合も、上述した発光スペクトルの条件が満たされれば、街路用照明器具は、周辺視及び中心視の両方において明るく知覚される光を発することができる。
また、例えば、上記実施の形態では、SMD構造の発光モジュールとして実現された照明用光源について説明したが、本開示の照明用光源は、基板にLEDチップが直接実装された、いわゆるCOB(Chip On Board)構造のLEDモジュールでもよい。
また、本開示の照明用光源は、LEDチップと離れた位置に蛍光体を含む樹脂部材が配置されたリモートフォスファ型の発光モジュールとして実現されてもよい。
また、本開示の街路用照明器具は、LEDチップと離れた位置に蛍光体を含む樹脂部材が配置されたリモートフォスファ型の照明として実現されてもよい。
また、本開示の街路用照明器具の形状、構造、及び、大きさは、特に限定されるものではなく、本開示の街路用照明器具は、上記実施の形態で説明された発光スペクトルの条件を満たせばよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
100 街路用照明器具
200 街路
300 発光部
310、310a 照明用光源
313 LEDチップ(発光素子)
317a 緑色蛍光体(蛍光体)
317b 赤色蛍光体(蛍光体)
LA 照射面

Claims (7)

  1. 街路の路面からの高さが2m以上5m以下に配置され、前記街路に白色光を照射する発光部を備え、
    前記白色光は、
    相関色温度が5000K以上6500K以下であり、
    色偏差が-10以上+10以下であり、
    暗所視における光束及び明所視における光束の比率であるS/P比が2.0以上であり、
    前記白色光が照射される街路上の照射面における平均水平面照度が1lx以上であり、
    前記白色光の発光スペクトルは、
    ルーメン当量が300lm/W以上であり、
    波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有し、
    前記発光スペクトルにおいては、
    前記発光ピークにおける光強度に対する波長510nmにおける光強度の比率が0.45以上であり、
    前記発光ピークにおける光強度に対する波長580nmにおける光強度の比率が0.60以上であり、
    波長580nmにおける光強度に対する波長650nmにおける光強度の比率が0.45以上0.5以下である
    街路用照明器具。
  2. 前記白色光の平均演色評価数は、80以上である
    請求項1に記載の街路用照明器具。
  3. 前記発光部は、照明用光源を備え、
    前記照明用光源は、
    発光素子と、
    前記発光素子からの光で励起され、前記発光素子からの光と異なる波長の光を発する複数の蛍光体と
    を備え、
    前記発光素子は、波長が430nm以上460nm以下の範囲に発光ピークを有する
    請求項1又は2に記載の街路用照明器具。
  4. 前記複数の蛍光体には、波長が540nm以上550nm以下の範囲に発光ピークを有するLuAl12:Ce3+蛍光体が含まれる
    請求項3に記載の街路用照明器具。
  5. 前記複数の蛍光体には、波長が610nm以上620nm以下の範囲に発光ピークを有する(Sr,Ca)AlSiN:Eu2+蛍光体が含まれる
    請求項3又は4に記載の街路用照明器具。
  6. 前記街路用照明器具から上方側に照射される前記白色光の光束は、前記白色光における全光束の5%以下である
    請求項1~5のいずれか1項に記載の街路用照明器具。
  7. 前記白色光における鉛直角85度以上の輝度値は、20000cd/m以下である
    請求項1~6のいずれか1項に記載の街路用照明器具。
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