JP2020136121A - 発光装置、屋外用照明装置及び非常用照明装置 - Google Patents

発光装置、屋外用照明装置及び非常用照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄明視環境において視認性が高まる発光装置等を提供する。【解決手段】発光装置100は、430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する光を放射する固体発光素子113と、半値幅が100nm以上120nm以下であり、且つ、発光のピーク波長が535nm以上565nm以下である黄緑色蛍光体117a、及び、KSF蛍光体217bを少なくとも含み、固体発光素子113からの光で励起されて光を放射する蛍光部材116と、を備え、固体発光素子113が放射する光と蛍光部材116が放射する光との合成光を放射し、合成光のスペクトルにおいて、波長580nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比が、65%以上80%以下であり、合成光の相関色温度が4600K以上5500K以下であり、合成光の平均演色評価数が80以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置、屋外用照明装置及び非常用照明装置、特に、薄明視環境で使用される発光装置、屋外用照明装置及び非常用照明装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)を光源とした発光装置は、LEDの高出力化によって益々普及している。街路空間等で使用されるLEDを用いた照明装置は、照度を確保するために発光効率を優先して設計されていた。近年、LEDの高出力化に伴い、発光装置は、照明空間に存在する物体の色を自然な色に見せる、すなわち、演色性が高い白色光を出射することを要求されるようになってきている。このような高い演色性を実現する発光装置では、LEDと、複数種の蛍光体とを組み合わせて白色光を得る方式が主流となっているが、この場合、発光効率が低下し、発光効率と演色性とを両立することが難しいという課題がある。
発光効率と演色性とを両立することが難しいという課題に対して、発光装置に用いる複数種の蛍光体のうち、赤色蛍光体として、KSF蛍光体等が含まれるMn賦活フッ化物錯体蛍光体を組合せることが提案されている(特許文献1)。KSF蛍光体は、輝線状の発光特性を示すことから、視感度の低い長波長領域での発光が少ないため、高い発光効率と高い演色性とを両立する光源を実現することができる。
特許第5840540号公報
ところで、夜間の街路空間等は薄明視環境であり、そのような薄明視環境においては、明るい環境下である明所視環境とは異なる視細胞が刺激される。具体的には、薄明視環境においては、人が明るく知覚する分光視感効率のピーク値が555nmであり、明所視環境で主に刺激される錐体細胞が刺激されるのに加えて、人が明るく知覚する分光視感効率のピーク値が507nmである桿体細胞も刺激される。そのため、薄明視環境において視認性を高めるためには、明所視環境とは異なった照明設計が要求される。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、薄明視環境において視認性が高まる発光装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る発光装置は、430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する光を放射する固体発光素子と、半値幅が100nm以上120nm以下であり、且つ、発光のピーク波長が535nm以上565nm以下である黄緑色蛍光体、及び、KSF蛍光体を少なくとも含み、前記固体発光素子からの光で励起されて光を放射する蛍光部材と、を備え、前記固体発光素子が放射する光と前記蛍光部材が放射する光との合成光を放射し、前記合成光のスペクトルにおいて、波長580nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比が、65%以上80%以下であり、前記合成光の相関色温度が4600K以上5500K以下であり、前記合成光の平均演色評価数が80以上である。
また、本発明の一態様に係る発光装置は、430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する光を放射する固体発光素子と、半値幅が100nm以上140nm以下であり、発光のピーク波長が550nm以上580nm以下である黄緑色蛍光体及びKSF蛍光体を少なくとも含み、前記固体発光素子からの光で励起されて異なる波長の光を放射する蛍光部材と、を備え、前記固体発光素子が放射する光と前記蛍光部材が放射する光との合成光を放射し、前記合成光のスペクトルにおいて、波長590nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比が、30%以上50%以下であり、前記合成光の相関色温度が2600K以上3250K以下であり、前記合成光の平均演色評価数が80以上である。
また、本発明の一態様に係る屋外用照明装置は、地面からの高さが2m以上15m以下に配置され、前記地面に前記合成光を照射し、上記発光装置を有する発光部を備え、前記合成光が照射される前記地面上の照射面における平均水平面照度が5lx以上30lx以下である。
また、本発明の一態様に係る非常用照明装置は、構造物に設置される非常用照明装置であって、前記構造物の床面からの高さが2m以上の範囲に配置され、上記発光装置を有する発光部を備える。
本発明に係る発光装置等によれば、薄明視環境において視認性が高まる。
図1は、実施の形態1に係る白色光源の外観斜視図である。 図2は、図1のII−II線における白色光源の模式断面図である。 図3は、実施の形態1に係る白色光源が放射する白色光のスペクトルの一例を示す図である。 図4は、比較例1における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図5は、実施例1における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図6は、実施例2における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図7は、実施例3における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図8は、比較例2における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図9は、比較例3における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図10は、実施の形態1の変形例に係る白色光源の外観斜視図である。 図11は、図10のXI−XI線における白色光源の模式断面図である。 図12は、実施の形態1の変形例に係る白色光源が放射する白色光のスペクトルの一例を示す図である。 図13は、比較例4における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図14は、実施例4における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図15は、実施例5における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図16は、実施例6における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図17は、比較例5における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。 図18は、実施の形態2に係る屋外用照明装置の外観図である。 図19は、実施の形態3に係る非常用照明装置の外観図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る発光装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る白色光源100の外観斜視図である。図2は、図1のII−II線における白色光源100の模式断面図である。なお、本明細書において、白色光源100は、発光装置の一例である。
図1及び図2に示されるように、実施の形態1に係る白色光源100は、SMD(Surface Mount Device)型の発光デバイスとして実現される。白色光源100は、後述するように、薄明視環境において、明るく知覚される白色光を放射することができる。このため、白色光源100は、夜間等の周囲が暗い環境下において使用される屋外用照明装置に適している。
なお、白色光源100は、リモートフォスファー型の発光デバイスであってもよい。また、白色光源100は、COB(Chip On Board)型の発光デバイスであってもよい。
白色光源100は、凹部を有する容器111と、凹部内に封入された封止部材112と、凹部の中に実装された固体発光素子113と、封止部材112中に分散して存在する蛍光部材116とを備える。図1及び図2においては、白色光源100は、直方体形状であるが、これに限られず、円柱状、半球状等、他の形状であってもよい。
容器111は、固体発光素子113と、封止部材112とを収容する容器である。また、容器111は、固体発光素子113に電力を供給するための金属配線である電極114を備える。固体発光素子113と電極114とは、ボンディングワイヤ115によって電気的に接続される。容器111の材料は、例えば、金属、セラミック又は樹脂である。
セラミックとしては、酸化アルミニウム(アルミナ)又は窒化アルミニウム等が採用される。また、金属としては、例えば、表面に絶縁膜が形成された、アルミニウム合金、鉄合金又は銅合金等が採用される。樹脂としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ等が用いられる。なお、容器111の材料は、上記材料が組み合わされて用いられてもよい。
封止部材112は、固体発光素子113、ボンディングワイヤ115、及び電極114の少なくとも一部を封止し、中に蛍光部材116が分散した透光性樹脂材料である。透光性樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はユリア樹脂等が用いられる。
固体発光素子113は、430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する発光素子である。固体発光素子113の発光のピーク波長は、440nm以上460nm以下であってもよい。固体発光素子113の発光のピーク波長を430nm以上とすることで、蛍光部材116の発光効率が高くなりやすいため、白色光源100の発光効率が高くなりやすい。固体発光素子113の発光のピーク波長を480nm以下とすることで、固体発光素子113の発光効率が高くなりやすいため、白色光源100の発光効率が高くなりやすい。固体発光素子113としては、例えば、青色光を放射する青色LEDが用いられる。具体的な青色LEDとしては、例えば、インジウム・ガリウム・ナイトライド系の材料によって構成された窒化ガリウム系のLEDが用いられる。
蛍光部材116は、黄緑色蛍光体117a及びKSF蛍光体117bを含み、固体発光素子113から発せられる光の一部で励起されて光を放射する。
黄緑色蛍光体117aは、固体発光素子113から発せられる光の一部で励起され、半値幅が100nm以上120nm以下であり、発光のピーク波長が535nm以上565nm以下である黄緑色光を放射する蛍光体である。半値幅を100nm以上にすることで、白色光源100が放射する光の演色性が向上する。半値幅を120nm以下にすることで白色光源100の発光効率が向上する。黄緑色蛍光体117aとしては、1種類の黄緑色蛍光体を用いてもよく、青緑色から黄色の波長を放射する複数種の蛍光体を組み合わせて用いてもよい。具体的には、黄緑色蛍光体117aとしては、(Y,Lu)(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、CaSc:Ce、CaScSi12:Ce、(La,Y)Si11:Ce、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。これらの中でも、黄緑色蛍光体117aは、(Y,Lu)(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce等のCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体を含んでいるとよい。黄緑色蛍光体117aがCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体を含むことにより、発光効率の高い白色光源100が得られやすく、白色光源100を照明装置に用いた場合には、当該照明装置の発光効率も高くなる。
KSF蛍光体117bは、固体発光素子113から発せられる光の一部で励起されて赤色光を放射する。KSF蛍光体117bは、一般式(M1)((M2)1−xMn)Fで表される赤色蛍光体である。M1は、Li、Na、K、Rb、Csのうちの少なくとも1つのアルカリ金属元素であり、M2は、Ge、Si、Sn、Ti、Zrのうちの少なくとも1つの4価の金属元素であり、xは、0.00<x≦0.5を満たす。KSF蛍光体117bの代表的な組成式としては、K(Si,Mn)Fである。KSF蛍光体117bは、発光スペクトルにおいて、発光波長が625nm以上635nm以下の輝線状の赤色発光ピークを有する。
蛍光部材116の赤色蛍光体としては、KSF蛍光体117bが単独で用いられてもよく、KSF蛍光体117bと他の赤色蛍光体(Eu賦活窒化物蛍光体、Eu賦活酸窒化物蛍光体等)とを組み合わせた蛍光体が用いられてもよい。
蛍光部材116に含まれる黄緑色蛍光体117aとKSF蛍光体117bとの配合比率及び配合量は、白色光源100が放射する白色光が後述するスペクトル、相関色温度及び平均演色評価数となるように調整される。
[動作]
次に、実施の形態1に係る白色光源100の動作について説明する。
白色光源100は、電力が供給されると、固体発光素子113が青色光を放射する。固体発光素子113が放射した青色光の一部は、黄緑色蛍光体117aによって吸収されて黄緑色光に波長変換される。同様に、固体発光素子113が発した青色光の他の一部は、KSF蛍光体117bによって吸収されて赤色光に波長変換される。そして、黄緑色蛍光体117a及びKSF蛍光体117bに吸収されなかった青色光と、黄緑色蛍光体117aが放射する黄緑色光と、KSF蛍光体117bが放射する赤色光とは、封止部材112中で拡散及び混合され、合成光である白色光が発せられる。つまり、白色光源100は、固体発光素子113が放射する光と、黄緑色蛍光体117a及びKSF蛍光体117bを含む蛍光部材116が放射する光との合成光である白色光を放射する。このような構成によって目的の色度の白色光にすることで、それぞれの光の出力比が一定となるため、色度のずれの小さい白色光を得ることができる。白色光の色偏差は、−10以上+2以下の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、−7以上+0以下の範囲である。白色光の色偏差が当該範囲となることで、自然な白色でありながら、照明空間内にある被照射物をより目立たせることができる。また、白色光の相関色温度が4600K以上5500K以下であり、白色光の平均演色評価数が80以上である。これにより、演色性の高い昼白色の白色光を出射する白色光源100となる。
図3は、白色光源100が放射する白色光のスペクトルの一例を示す図である。図3に示されるように、白色光源100は、白色光のスペクトルにおいて、波長580nmの光強度Xbに対する波長480nmの光強度Xaの比(Xa/Xb)が、65%以上80%以下である。Xa/Xbは、65%以上75%以下であってもよい。Xa/Xbを65%以上とすることで、白色光が、桿体細胞を刺激しやすい青から青緑色の波長の光を多く含むため、薄明視環境での視認性が高まる。さらに、鮮やかに見せる効果が向上するため、被照射物が有色物体であれば、有色物体が目立ちやすくなるため、有色物体の存在に気づきやすくなる。また、Xa/Xbを80%以下とすることで、同じ量の投入電流でも照度が高くなり、薄明視環境での視認性が向上する。このため、Xa/Xbを当該範囲にすることで、薄明視環境において、被照射物を目立たせる効果と照度とを両立できる。また、白色光のスペクトルは、KSF蛍光体117bに由来する輝線状の赤色発光ピークを有しており、演色性が向上し、より有色物体の視認性が高まる。よって、白色光源100を用いた照明装置は、発光効率が高く、夜間の街路空間等の薄明視環境においても、照明空間内にある被照射物の色見えも良好であり、視認性が高まる。そのため、白色光源100は、薄明視環境用発光装置であるとよい。なお、本明細書において、薄明視とは、順応輝度が、0.005cd/m以上5cd/m以下の範囲の明るさのことである。
[実施例及び比較例]
以下に、実施の形態1に係る白色光源の実施例及び比較例について説明する。以下の実施例1〜3及び比較例1〜3では、同じ量の投入電流で白色光源を発光させ、評価を実施した。また、それぞれの実施例1〜3及び比較例1〜3における白色光源は、固体発光素子と、黄緑色蛍光体及びKSF蛍光体から構成される蛍光部材とを備えている白色光源である。
<薄明視環境での視認性>
実施例及び比較例における薄明視環境での視認性は、有色物体を配置した暗室において、基準光源として比較例1における白色光源を照射した環境に対して、各実施例又は比較例における白色光源を照射した環境での見え方を以下の基準で評価した。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3では、薄明視環境となるように白色光源を発光させた。
良好:基準光源よりも周辺が明るく見え、有色物体を見つけやすい。
同等:基準光源と同等の明るさで周辺が見え、有色物体の見つけやすさも同等である。
不良:基準光源よりも周辺が暗く見え、有色物体が見つけにくい。
<評価項目>
上記の薄明視環境での視認性に加えて、それぞれの実施例又は比較例における白色光源が放射する白色光の、CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束についても評価した。
<比較例1>
まず、比較例1における白色光源について説明する。比較例1において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、550nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmのであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図4は、比較例1における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図4に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb並びに光束について、比較例1における白色光源の評価結果を表1に示す。比較例1における白色光源は、明所視環境での演色性及び発光効率が高くなるように設計されている。表1に示されるように、比較例1における白色光源のXa/Xbは、24%である。
<実施例1>
次に、実施例1における白色光源について説明する。実施例1において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、540nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図5は、実施例1における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図5に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例1における白色光源の評価結果を表1に示す。また、比較例1における白色光源に対して、実施例1における白色光源は、S/P比が20%増加し、FCI(Feeling of Contrast Index)も15%増加している。S/P比とは、暗所視における光束と明所視における光束との比率であり、S/P比が高いほど薄明視環境における視認性が高くなる、光の視認性を評価する数値である。S/P比が高いほど、薄明視環境において周辺が明るく見えやすい傾向がある。FCIとは、色彩の鮮やかさを示す指数であり、FCIが高いほど、被照射物を鮮やかに目立たせることができる目立ち度の指標である。具体的には、FCIは、色の見えによる標準光D65に対して感じられる明るさ感の比率を示している。FCIが高いほど、有色物体の目立ち度が高まりその存在を見つけやすくなる傾向がある。
表1に示されるように、実施例1における白色光源のXa/Xbは65%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例1における白色光源と比べると、実施例1における白色光源は、光束が10lm下がっているものの、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性が高まっている。
<実施例2>
次に、実施例2における白色光源について説明する。実施例2における白色光源は、基本的な構成は実施例1と同じ構成であるが、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量が異なる。
図6は、実施例2における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図6に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例2における白色光源の評価結果を表1に示す。また、比較例1における白色光源に対して、実施例2における白色光源は、S/P比が20%増加し、FCIも15%増加している。
表1に示されるように、実施例2における白色光源のXa/Xbは、66%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例1における白色光源と比べると、実施例2における白色光源は、光束が15lm下がっているものの、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性の評価結果が高まっている。
<実施例3>
次に、実施例3における白色光源について説明する。実施例3における白色光源は、基本的な構成は実施例1と同じ構成であるが、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量が異なる。
図7は、実施例3における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図7に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例3における白色光源の評価結果を表1に示す。また、比較例1における白色光源に対して、実施例3における白色光源は、S/P比が20%増加し、FCIも20%増加している。
表1に示されるように、実施例3における白色光源のXa/Xbは、72%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例1における白色光源と比べると、実施例3における白色光源は、光束が15lm下がっているものの、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性が高まる。
<比較例2>
次に、比較例2における白色光源について説明する。比較例2において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、540nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が105nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図8は、比較例2における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図8に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、比較例2における白色光源の評価結果を表1に示す。また、比較例1における白色光源に対して、比較例2における白色光源は、S/P比が20%増加し、FCIも20%増加している。
表1に示されるように、比較例2における白色光源のXa/Xbは、82%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が不良である。比較例1における白色光源と比べると、比較例2における白色光源は、S/P比及びFCIが増加しているものの、光束が25lm下がり、白色光の照射面全体が暗くなるため、薄明視環境での視認性が低下する。
<比較例3>
次に、比較例3における白色光源について説明する。比較例3において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、545nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図9は、比較例3における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図9に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、比較例3における白色光源の評価結果を表1に示す。また、比較例1における白色光源に対して、比較例3における白色光源は、S/P比が10%増加している。
表1に示されるように、比較例3における白色光源のXa/Xbは、41%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が同等である。比較例1における白色光源と比べると、比較例3における白色光源は、S/P比がわずかに増加しているものの、光束が15lm下がっているため、薄明視環境での視認性が変わらない。
Figure 2020136121
<まとめ>
以上のように、波長580nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比Xa/Xbが、65%以上80%以下の範囲である実施例1〜3における白色光源は、薄明視環境での視認性の評価結果が良好であった。それに対して、比較例2における白色光源ように、Xa/Xbが80%を超える場合は、薄明視環境での視認性の評価結果が不良であり、比較例3における白色光源ように、Xa/Xbが65%より低い場合には、薄明視環境での視認性の評価結果は同等であった。また、実施例1〜3における白色光源は、平均演色評価数が80以上であり、色度x及び色度yの結果から、色温度が4600K以上5500K以下である。
(変形例)
[構成]
次に、実施の形態1の変形例に係る発光装置について説明する。なお、以下の実施の形態1の変形例の説明において、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図10は、実施の形態1の変形例に係る白色光源200の外観斜視図である。図11は、図10のXI−XI線における白色光源200の模式断面図である。なお、本明細書において、白色光源200は、発光装置の一例である。
図10及び図11に示されるように、白色光源200は、実施の形態1に係る白色光源100と比較して、白色光源200が備える蛍光部材が異なる。具体的には、白色光源200が発する白色光の相関色温度が、白色光源100が発する白色光の相関色温度よりも低くなるように、蛍光部材が変更されている。白色光源200は、凹部を有する容器111と、凹部内に封入された封止部材112と、凹部の中に実装された固体発光素子113と、封止部材112中に分散して存在する蛍光部材216とを備える。容器111は、固体発光素子113に電力を供給するための金属配線である電極114を備える。固体発光素子113と電極114とは、ボンディングワイヤ115によって電気的に接続される。
蛍光部材216は、黄緑色蛍光体217a及びKSF蛍光体217bを含み、固体発光素子113から発せられる光の一部で励起されて光を放射する。
黄緑色蛍光体217aは、固体発光素子113から発せられる光の一部で励起され、半値幅が100nm以上140nm以下であり、発光のピーク波長が550nm以上580nm以下である黄緑色光を放射する蛍光体である。半値幅を100nm以上にすることで、白色光源200が放射する光の演色性が向上する。半値幅を140nm以下にすることで白色光源200の発光効率が向上する。黄緑色蛍光体217aとしては、1種類の黄緑色蛍光体を用いてもよく、青緑色から赤色の波長を放射する複数種の蛍光体を組み合わせて用いてもよい。具体的には、黄緑色蛍光体217aとしては、(Sr,Ca,Ba)Mg(SiOCl:Eu、(Sr,Ca,Ba)Si:Eu、(Y,Lu)(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、CaSc:Ce、CaScSi12:Ce、(La,Y)Si11:Ce、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ca,Ba)AlSiN:Eu、βサイアロン蛍光体、αサイアロン蛍光体等が挙げられる。これらの中でも、黄緑色蛍光体217aは、(Y,Lu)(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce等のCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体を含んでいるとよい。また、黄緑色蛍光体217aは、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体と、(Sr,Ca,Ba)AlSiN:Eu等のEu賦活窒化物蛍光体とを含んでいるとよい。また、黄緑色蛍光体217aは、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体と、(Sr,Ca,Ba)Si等のEu賦活酸窒化物蛍光体とを含んでいるとよい。黄緑色蛍光体217aが、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体と、Eu賦活窒化物蛍光体又はEu賦活酸窒化物蛍光体とを含むことにより、演色性の高い白色光源200が得られやすい。よって、白色光源200を照明装置に用いた場合には、色の再現性の良い照明空間を実現しやすく、被照射物の色の誤認を抑制できる。
蛍光部材216に含まれる黄緑色蛍光体217aとKSF蛍光体217bとの配合比率及び配合量は、白色光源200が放射する光が後述するスペクトル、相関色温度及び平均演色評価数となるように調整される。
[動作]
次に、実施の形態1の変形例に係る白色光源200の動作について説明する。
白色光源200は、固体発光素子113が放射する光と、黄緑色蛍光体217a及びKSF蛍光体217bを含む蛍光部材216が放射する光との合成光である白色光を放射する。このような構成によって目的の色度の白色光にすることで、それぞれの光の出力比が一定となるため、色度のずれの小さい白色光を得ることができる。白色光の色偏差は、−10以上+2以下の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、−7以上+0以下の範囲である。白色光の色偏差が当該範囲となることで、自然な白色でありながら、照明空間内にある被照射物をより目立たせることができる。また、白色光の相関色温度が2600K以上3250K以下であり、白色光の平均演色評価数が80以上である。これにより、演色性の高い電球色の白色光を照射する白色光源200となる。
図12は、白色光源200が放射する白色光のスペクトルの一例を示す図である。図12に示されるように、白色光源200は、白色光のスペクトルにおいて、波長590nmの光強度Xdに対する波長480nmの光強度Xcの比(Xc/Xd)が、30%以上50%以下である。Xc/Xdは、30%以上45%以下であってもよく、30%以上40%以下であってもよい。Xc/Xdを30%以上とすることで、白色光が桿体細胞を刺激しやすい青から青緑色の波長の光を多く含むため、薄明視環境での視認性が高まる。さらに、鮮やかに見せる効果が向上するため、被照射物が有色物体であれば、有色物体が目立ちやすくなるため、有色物体の存在に気づきやすくなる。また、Xc/Xdを50%以下とすることで、同じ量の投入電流でも照度が高くなり、薄明視環境での視認性が向上する。このため、Xc/Xdを当該範囲にすることで、薄明視環境において、被照射物を目立たせる効果と照度とを両立できる。また、白色光のスペクトルは、KSF蛍光体217bに由来する輝線状の赤色発光ピークを有しており、演色性が向上し、より有色物体の視認性が高まる。よって、固体発光素子113と蛍光部材216とを備える白色光源200を用いた照明装置は、発光効率が高く、夜間の街路空間等の薄明視環境においても、照明空間内にある被照射物の色見えも良好であり、視認性が高まる。そのため、白色光源200は、薄明視環境用発光装置であるとよい。
[実施例及び比較例]
以下に、実施の形態1の変形例に係る白色光源の実施例及び比較例について説明する。以下の実施例4〜6及び比較例4並びに5では、同じ量の投入電流で白色光源を発光させ、評価を実施した。また、それぞれの実施例4〜6及び比較例4並びに5における白色光源は、固体発光素子と、黄緑色蛍光体及びKSF蛍光体から構成される蛍光部材とを備えている。
<薄明視環境での視認性>
実施例及び比較例における白色光源の薄明視環境での視認性は、有色物体を配置した暗室において、比較例4における白色光源を基準光源として照射した環境に対して、各実施例又は比較例における白色光源を照射した環境での見え方を以下の基準で評価した。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3では、薄明視環境となるように白色光源を発光させた。
良好:基準光源よりも周辺が明るく見え、有色物体を見つけやすい。
同等:基準光源と同等の明るさで周辺が見え、有色物体の見つけやすさも同等である。
不良:基準光源よりも周辺が暗く見え、有色物体が見つけにくい。
<評価項目>
上記の薄明視環境での視認性に加えて、それぞれの実施例又は比較例における白色光源が放射する白色光の、CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xc/Xd、光束についても評価した。
<比較例4>
まず、比較例4における白色光源について説明する。比較例4において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、550nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図12は、比較例4における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図12に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xc/Xd並びに光束について、比較例4における白色光源の評価結果を表2に示す。比較例4における白色光源は、明所視環境での演色性及び発光効率が高くなるように設計されている。表2に示されるように、比較例4における白色光源のXc/Xdは、15%である。
<実施例4>
次に、実施例4における白色光源について説明する。実施例4において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、545nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図13は、実施例4における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図13に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例4における白色光源の評価結果を表2に示す。また、比較例4における白色光源に対して、実施例4における白色光源は、S/P比が15%増加し、FCIも5%増加している。
表2に示されるように、実施例4における白色光源のXc/Xdは37%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例4における白色光源と比べると、実施例4における白色光源は、光束が同等であり、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性が高まっている。
<実施例5>
次に、実施例5における白色光源について説明する。実施例5において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDである。実施例5において、黄緑色蛍光体は、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体とEu賦活窒化物蛍光体とを組み合わせて、発光のピーク波長が560nmとなり、半値幅が135nmとなるように調整した蛍光体である。
図14は、実施例5における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図14に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例5における白色光源の評価結果を表2に示す。また、比較例4における白色光源に対して、実施例5における白色光源は、S/P比が17%増加し、FCIも5%増加している。
表2に示されるように、実施例5における白色光源のXc/Xdは38%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例4における白色光源と比べると、実施例5における白色光源は、光束が15lm下がっているものの、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性が高まる。
<実施例6>
次に、実施例6における白色光源について説明する。実施例6において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDである。実施例6において、黄緑色蛍光体は、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体とEu賦活酸窒化物蛍光体とを組み合わせて、発光のピーク波長が545nmとなり、半値幅が125nmとなるように調整した蛍光体である。
図15は、実施例6における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図15に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、実施例6における白色光源の評価結果を表2に示す。また、比較例4における白色光源に対して、実施例6における白色光源は、S/P比が17%増加し、FCIも5%増加している。
表2に示されるように、実施例6における白色光源のXc/Xdは31%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が良好である。比較例4における白色光源と比べると、実施例6における白色光源は、光束が20lm下がっているものの、S/P比及びFCIが増加しているため、薄明視環境での視認性が高まる。
<比較例5>
次に、比較例5における白色光源について説明する。比較例5において、固体発光素子は、450nmに発光のピークを有するLEDであり、黄緑色蛍光体は、540nmに発光のピーク波長を有し、半値幅が110nmであるCe賦活のガーネット構造を有する蛍光体である。
図16は、比較例5における白色光源が放射する白色光のスペクトルを示す図である。図16に示されるスペクトルは、黄緑色蛍光体とKSF蛍光体との配合比率及び配合量を調整することで実現される。CIE xy色度図における色度x及び色度y、平均演色評価数、Xa/Xb、光束並びに薄明視環境での視認性について、比較例5における白色光源の評価結果を表2に示す。また、比較例4における白色光源に対して、比較例5における白色光源は、S/P比が15%増加し、FCIも5%増加している。
表2に示されるように、比較例5における白色光源のXc/Xdは58%であり、薄明視環境での視認性の評価結果が不良である。比較例4における白色光源と比べると、比較例5における白色光源は、S/P比及びFCIが増加しているものの、光束が25lm下がり、白色光の照射面全体が暗くなるため、薄明視環境での視認性が低下する。
Figure 2020136121
<まとめ>
以上のように、波長590nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比Xc/Xdが、30%以上50%以下の範囲である実施例4〜6における白色光源は、薄明視環境での視認性の評価結果が良好であった。それに対して、比較例5における白色光源ようにXc/Xdが、50%を超える場合は、薄明視環境での視認性の評価結果が不良である。また、実施例4〜6における白色光源は、平均演色評価数が80以上であり、色度x及び色度yの結果から、色温度が2600K以上3250K以下である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、白色光源を備える屋外用照明装置について説明する。図18は、実施の形態2に係る屋外用照明装置300の外観図である。
図18に示されるように、屋外用照明装置300は、街路400に白色光を照射するように設置される。本明細書において、街路400は、地面の一例である。屋外用照明装置300は、柱状部材320によって街路400の上方に支持される。屋外用照明装置300は、例えば、生活街路で使用される。屋外用照明装置300は、発光装置311を有する発光部310を備える。発光装置311としては、実施の形態1における白色光源100又は実施の形態1の変形例における白色光源200が用いられる。発光装置311として、白色光源100又は白色光源200が用いられることにより、屋外用照明装置300は、夜間の街路空間等の薄明視環境において視認性を高める白色光を照射する。白色光源100を用いた場合には、昼白色の白色光が照射され、白色光源200を用いた場合には、電球色の白色光が照射される。
また、屋外用照明装置300は、発光部310が、街路400からの高さH1が2m以上15m以下となるように設置される。屋外用照明装置300は、一定の間隔をあけて設置される場合が多く、街路400上に照度の低い場所が発生しやすいが、高さH1を上記範囲とすることで、より均一に街路400を照らすことができる。よって、薄明視環境でも視認性を高める効果が街路400上で均一になる。
発光部310は、街路400に光を照射する。具体的には、発光部310は、街路400のうち照射面LA(図18における街路400のハッチングで示される領域)に白色光を照射する。発光部310は、照射面LAの平均水平面照度が5lx以上30lx以下になるように設定される。ここで、平均水平面照度とは、水平な面に照射される白色光における単位面積あたりの照度である。本明細書において、平均水平面照度は、発光部310が街路400に照射する照射面LAの平均照度を示す。照射面LAの平均水平面照度を上記範囲とすることで、薄明視環境での視認性を高めつつ、街路400の通行者等がまぶしさを感じることを抑制できる。
発光部310から発せられる白色光の広がり角度は、平均水平面照度が上記範囲となるように街路400が照らされればよく、特に限定されない。発光部310は、街路400が効率良く照らされるように設計されればよい。
発光部310は、街路400に光を照射できる構造であれば特に制限は無いが、例えば、電力を供給する電源ユニットと共に筐体に収容され、筐体に収容された発光部310が透光カバーに覆われる。また、発光部310は、発光装置311から発せられる光の配光を制御するためのレンズ部材を備えていてもよい。発光部310は、発光装置311を少なくとも1つ備えればよく、配置される発光装置311の数及び配置形態は限定されない。また、発光部310は、発光装置311以外の発光装置を含んでいてもよい。
以上のように、屋外用照明装置300は、街路400からの高さH1が2m以上15m以下に配置され、発光装置311を有する発光部310を備え、照射面LAにおける平均水平面照度が5lx以上30lx以下である。これにより、発光装置311として、白色光源100又は白色光源200が用いられることで、夜間の街路空間等の薄明視環境において視認性の高い自然な白色光が均一に違和感なく照射される。よって、効果的に周辺を明るく知覚することができる照明空間を提供することができ、通行者の安全性を高めることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、白色光源を備える非常用照明装置について説明する。図19は、実施の形態3に係る非常用照明装置500の外観図である。
図19に示されるように、非常用照明装置500は、構造物の天井に設置される。非常用照明装置500が設置される場所は、構造物内を照射できる場所であれば特に限定されず、例えば、構造物の壁又は柱であってもよい。非常用照明装置500は、災害等で停電が発生した場合にも、バッテリの電源により点灯させるようにした非常灯である。非常用照明装置500は、例えば、図19に示されるような天井に埋込型の照明装置であり、ベースライト、シーリングライト、ダウンライト等の照明装置であってもよい。非常用照明装置500は、例えば、駅、病院、商業施設、マンションの共用部等で使用される。
非常用照明装置500は、発光装置511を有する発光部510を備える。発光装置511には、実施の形態1における白色光源100又は実施の形態1の変形例における白色光源200が用いられる。発光装置511として、白色光源100又は白色光源200が用いられることにより、非常用照明装置500は、停電により通常の照明が消灯している薄明視環境において、視認性を高める白色光を照射する。これにより、例えば、停電時でも扉等の位置を認識しやすくなる。白色光源100を用いた場合には、昼白色の白色光が照射され、白色光源200を用いた場合には、電球色の白色光が照射される。
また、非常用照明装置500は、発光部510が、構造物の床面600からの高さH2が2m以上の範囲となるように設置される。高さH2を2m以上の範囲とすることで、非常用照明装置500が設置された場所の下方を均一に照射することができる。
発光部510は、例えば、停電時に電力を供給するバッテリと共に筐体に収容され、筐体に収容された発光部510が透光カバーに覆われる。また、発光部510は、発光装置511から発せられる光の配光を制御するためのレンズ部材を備えていてもよい。発光部510は、発光装置511を少なくとも1つ備えればよく、配置される発光装置511の数及び配置形態は限定されない。また、発光部510は、発光装置511以外の発光装置を含んでいてもよい。
以上のように、非常用照明装置500は、構造物の床面600からの高さH2が2m以上の範囲に配置され、発光装置511を有する発光部510を備える。これにより、発光装置511として、白色光源100又は白色光源200が用いられることで、停電時等の薄明視環境において視認性の高い自然な白色光が均一に違和感なく照射される。よって、照射される空間に存在する障害物、落下物、扉又は表示物を認識しやすくなり、人が構造物から避難する場合に落ち着いて行動でき、避難者の安全性を高めることができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る照明装置、屋外用照明装置及び非常用照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、白色光源100及び白色光源200は、それぞれ固体発光素子113、213と黄緑色蛍光体117a、217a及びKSF蛍光体117b、217bを有する蛍光部材116、216を備えていたが、これに限るものではない。白色光源100及び200は、固体発光素子113、213とは異なる発光のピーク波長を有する固体発光素子、又は、蛍光部材116、216とは異なる種類の蛍光部材を、さらに備えていてもよい。
また、上記実施の形態において、固体発光素子113、213は青色LEDであったが、これに限るものではない。固体発光素子113、213は、それぞれ蛍光部材116、216を励起させることができる青色発光素子であればよい。例えば、固体発光素子113、213には、青色LEDに代えて、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、又は、半導体レーザー等の固体発光素子が使用されてもよい。
また、上記実施の形態において、屋外用照明装置300は、街路400に設置されていたが、これに限るものではない。屋外用照明装置は、夜間に人が通行する屋外空間の地面に設置されればよく、例えば、公園、駐車場、海岸、河原、林道、集合住宅の敷地内又は、工場の敷地内等の屋外空間の地面に設置されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
100、200 白色光源
113 固体発光素子
116、216 蛍光部材
117a、217a 黄緑色蛍光体
117b、217b KSF蛍光体
300 屋外用照明装置
310、510 発光部
311、511 発光装置
400 街路
500 非常用照明装置
600 床面
LA 照射面

Claims (6)

  1. 430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する光を放射する固体発光素子と、
    半値幅が100nm以上120nm以下であり、且つ、発光のピーク波長が535nm以上565nm以下である黄緑色蛍光体、及び、KSF蛍光体を少なくとも含み、前記固体発光素子からの光で励起されて光を放射する蛍光部材と、を備え、
    前記固体発光素子が放射する光と前記蛍光部材が放射する光との合成光を放射し、
    前記合成光のスペクトルにおいて、波長580nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比が、65%以上80%以下であり、
    前記合成光の相関色温度が4600K以上5500K以下であり、
    前記合成光の平均演色評価数が80以上である
    発光装置。
  2. 430nm以上480nm以下に発光のピーク波長を有する光を放射する固体発光素子と、
    半値幅が100nm以上140nm以下であり、発光のピーク波長が550nm以上580nm以下である黄緑色蛍光体及びKSF蛍光体を少なくとも含み、前記固体発光素子からの光で励起されて異なる波長の光を放射する蛍光部材と、を備え、
    前記固体発光素子が放射する光と前記蛍光部材が放射する光との合成光を放射し、
    前記合成光のスペクトルにおいて、波長590nmの光強度に対する波長480nmの光強度の比が、30%以上50%以下であり、
    前記合成光の相関色温度が2600K以上3250K以下であり、
    前記合成光の平均演色評価数が80以上である
    発光装置。
  3. 前記黄緑色蛍光体は、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体を含む
    請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記黄緑色蛍光体は、Ce賦活のガーネット構造を有する蛍光体と、Eu賦活窒化物蛍光体又はEu賦活酸窒化物蛍光体とを含む
    請求項2に記載の発光装置。
  5. 地面からの高さが2m以上15m以下に配置され、前記地面に前記合成光を照射し、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置を有する発光部を備え、
    前記合成光が照射される前記地面上の照射面における平均水平面照度が5lx以上30lx以下である
    屋外用照明装置。
  6. 構造物に設置される非常用照明装置であって、
    前記構造物の床面からの高さが2m以上の範囲に配置され、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置を有する発光部を備える
    非常用照明装置。
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