JP2010272536A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】色温度の低い発光ダイオード(LED)と色温度の高いLEDとの簡単な組み合わせからなり、少なくとも片方の明るさを変化させることで、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の白色5色が実現可能な照明器具の提供。
【解決手段】LED素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを有するLED、又はLED素子のみを発光源とするLEDを回路基材に複数個実装してなる照明器具において、色温度の高いLED11と、それよりも色温度の低いLED10とを対として組み合わせて回路基材13に実装し、且つ少なくとも片方のLEDの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたことを特徴とする照明器具。
【選択図】図2
【解決手段】LED素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを有するLED、又はLED素子のみを発光源とするLEDを回路基材に複数個実装してなる照明器具において、色温度の高いLED11と、それよりも色温度の低いLED10とを対として組み合わせて回路基材13に実装し、且つ少なくとも片方のLEDの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたことを特徴とする照明器具。
【選択図】図2
Description
本発明は、発光ダイオード(以下、LEDと記す。)を用い、照明用光源として好適な白色光(昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色)を照射することができる照明器具に関する。
従来、複数のLED素子を基材に実装し、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の白色5色のいずれかの白色光を発する照明器具が種々検討されている。例えば、3波長LED(赤色LED+緑色LED+青色LED)を用いることで白色5色を得ることができる。しかし、この場合には、3色LEDがそれぞれ別な材料を用いて形成されていることから、各LEDの駆動電力が異なり、個々に所定の電圧を印加する必要があるために、駆動回路が複雑になるという問題点があった。また、LEDが半導体であるために、個々に温度特性や経時変化が異なり、色調が使用環境(主として周囲温度)により変化するという問題があった。これを防ぐためには、それぞれのLEDの明るさをモニタし、それによりそれぞれの明るさをコントロールする制御回路が必要になる。また、3波長LEDでは、それぞれが単色性のピーク波長を持つため演色性が乏しいという欠点もある。
特許文献1には、複数光色の光源を内蔵し、光照射開口面に拡散透光板を有し、全光量を略一定に保ちつつ、各光色の光源を連動調光して色温度を変化させる光色変化モードと、各光色の光源の光量比を略一定に保って各光色の光源の光量を変化させる調光モードを有する色温度可変照明装置において、各光源を光源の光色配列が対称で且つ同色の光源が相隣接しないように一様に分布させて配置し、光色変化モードにおける光量の変化量の最も大きい光源を配列両端と中心部に配置し、当該色の光源を一斉に調光するモードと、少なくとも中心部に配置した光源を残して対称的に消灯し、残点灯させた光源のみを調光するモードとを有することを特徴とする色温度可変照明装置が開示されている。しかしながら、特許文献1記載の装置は、R・G・B三色の混色タイプであるため、制御回路が非常に複雑になっている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、色温度の低いLEDと色温度の高いLEDとの簡単な組み合わせからなり、少なくとも片方の明るさを変化させることで、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の白色5色が実現可能な照明器具の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、LED素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを有するLED、又はLED素子のみを発光源とするLEDを回路基材に複数個実装してなる照明器具において、色温度の高いLEDと、それよりも色温度の低いLEDとを対として組み合わせて回路基材に実装し、且つ少なくとも片方のLEDの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたことを特徴とする照明器具を提供する。
本発明の照明器具において、色温度の高いLEDの色度が、CIE1931xy色度図上の昼光色範囲上端の座標0.3274,0.3673と電球色範囲下端の座標0.4594,0.3971の2点を通る第1の直線と、昼光色範囲下端の座標0.3064,0.3091と電球色範囲上端の座標0.4338,0.4185の2点を通る第2の直線との間の領域であって、且つ昼光色範囲と該色度図における昼光色よりも左側の領域に存在することが好ましい。
本発明の照明器具において、色温度の低いLEDの色度が、CIE1931xy色度図上の昼光色範囲上端の座標0.3274,0.3673と電球色範囲下端の座標0.4594,0.3971の2点を通る第1の直線と、昼光色範囲下端の座標0.3064,0.3091と電球色範囲上端の座標0.4338,0.4185の2点を通る第2の直線との間の領域であって、且つ電球色範囲と該色度図における電球色よりも右側の領域に存在することが好ましい。
本発明の照明器具において、色温度の低いLEDと色温度の高いLEDとが、それぞれ青色LED素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを組み合わせたLEDであることが好ましい。
本発明の照明器具において、複数のLEDから発せられる混色光の色温度が高くなるに従い該混色光の光量が増す構成としたことが好ましい。
本発明の照明器具は、色温度の高いLEDと、それよりも色温度の低いLEDとを対として組み合わせて回路基材に実装し、且つ少なくとも片方のLEDの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたものなので、照明に適している白色光を一つの器具で実現可能となる。例えば、住居用照明であれば、夏は涼しげな色温度の高い昼光色などを使用し、冬は暖かみのある電球色での照明が可能となり、心理的作用により冷暖房費節減も期待でき、省エネ効果が期待できる。また、夜の食事時などは昼白色を使用し、深夜に電球色に変化させることなどの使い方も可能となる。これらを最低限1系統の明るさ(電流値もしくは電圧)を変化させる機能をもつ照明器具で実現可能となる。
本発明の照明器具は、LED素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを有するLED、又はLED素子のみを発光源とするLEDを回路基材に複数個実装してなり、色温度の高いLEDと、それよりも色温度の低いLEDとを対として組み合わせて回路基材に実装し、且つ少なくとも片方のLEDの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたことを特徴としている。
本発明において、照明器具に使用する色温度の高いLED及び色温度の低いLEDは、種々のLEDの組み合わせを採用でき、例えば、色温度の高いLEDとして青色LEDを用い、色温度の低いLEDとして黄色LEDを用いることができ、以下の実施形態ではこれら青色LEDと黄色LEDとを組み合わせた照明器具に沿って説明する。
本発明において、色温度を変化させる場合には、大きく分けて二つの方法がある。ひとつは、黄色LEDを光量一定として、青色LEDの光量を変化させる方式(以下、青変化方式と記す。)であり、もうひとつは青色LEDを光量一定として、黄色LEDの光量を変化させる方式(以下、黄変化方式と記す。)である。
青変化方式の場合は、青色LEDの光が徐々に増加するに従って、色温度が上昇し、さらに照明器具から出る光量も増加することになる。これは心理的に非常に有効である。
蛍光灯のように青白い光(色温度が高い)は、暗いと陰気で寒々しく感じ、白熱灯のように赤っぽい光(色温度が低い光)は、明るすぎると暑苦しく感じる。このように色温度による心理効果をクルーゾフ効果という。これは、日の出と共に活動を始め、夕方から夜にかけて休息をとる一般的な人の生活のリズムによるものである。人を活動的にして勉強や仕事を行う日中は、色温度が高くかつ光量が必要となり、夜になると安らぎが感じられる色温度が低くかつ光量も低い照明が望ましい。このため、本発明には、青変化方式が非常に適している。
一方、黄変化方式は、前述した心理効果と逆行するために、非常に心理的に不愉快な照明となってしまう。
これは、心理効果であることから、具体的な数値での光量差は明確ではないが、例えば、新照明教室・光源(照明学会普及部)によれば、色温度が3300K以下では、2000lxから500lxが快適であり、色温度5300Kでは2000lx以上が快適とある。
また、人間の目は、明るさが1.5倍程度変化しないと明るさを感じないため、色温度の低い照明と色温度の高い照明では2倍程度の変化を与えることで、心理的に良好な照明が実現できる。これにより、さらに省エネルギー効果が期待できるとともに、一般的な生活リズムにあった照明が実現できるために、寝つきがよくなるなど健康への効果も期待できる。
蛍光灯のように青白い光(色温度が高い)は、暗いと陰気で寒々しく感じ、白熱灯のように赤っぽい光(色温度が低い光)は、明るすぎると暑苦しく感じる。このように色温度による心理効果をクルーゾフ効果という。これは、日の出と共に活動を始め、夕方から夜にかけて休息をとる一般的な人の生活のリズムによるものである。人を活動的にして勉強や仕事を行う日中は、色温度が高くかつ光量が必要となり、夜になると安らぎが感じられる色温度が低くかつ光量も低い照明が望ましい。このため、本発明には、青変化方式が非常に適している。
一方、黄変化方式は、前述した心理効果と逆行するために、非常に心理的に不愉快な照明となってしまう。
これは、心理効果であることから、具体的な数値での光量差は明確ではないが、例えば、新照明教室・光源(照明学会普及部)によれば、色温度が3300K以下では、2000lxから500lxが快適であり、色温度5300Kでは2000lx以上が快適とある。
また、人間の目は、明るさが1.5倍程度変化しないと明るさを感じないため、色温度の低い照明と色温度の高い照明では2倍程度の変化を与えることで、心理的に良好な照明が実現できる。これにより、さらに省エネルギー効果が期待できるとともに、一般的な生活リズムにあった照明が実現できるために、寝つきがよくなるなど健康への効果も期待できる。
以下、図面を参照して本発明の照明器具の実施形態を説明する。
図1は、本発明の照明器具に用いるLEDの一例である表面実装型パッケージ(SMD)の構造を示す断面図である。図1中、符号1はLED、2はカップ部材、3はLED素子、4は金細線、5A及び5Bはパッケージ電極、6は蛍光体入り透明樹脂、7は蛍光体である。このLED1は、擂り鉢状の凹部を有し、かつ裏面側から凹部底面に延設された一対のパッケージ電極5A,5Bを有するカップ部材2と、このカップ部材2の凹部底面の一方のパッケージ電極5A上に載置されたLED素子3と、LED素子3の上部電極と他方のパッケージ電極5Bとを電気的に接続する金細線4と、このLED素子3を封止するようにカップ部材2の凹部内に充填・硬化された蛍光体入り透明樹脂6とを備えて構成されている。LED素子3の下部電極と一方のパッケージ電極5Aとは、導電性ペーストによって電気的に接続されている。蛍光体7を分散した樹脂は透明であり、LED素子3の全体を被覆している。
図1は、本発明の照明器具に用いるLEDの一例である表面実装型パッケージ(SMD)の構造を示す断面図である。図1中、符号1はLED、2はカップ部材、3はLED素子、4は金細線、5A及び5Bはパッケージ電極、6は蛍光体入り透明樹脂、7は蛍光体である。このLED1は、擂り鉢状の凹部を有し、かつ裏面側から凹部底面に延設された一対のパッケージ電極5A,5Bを有するカップ部材2と、このカップ部材2の凹部底面の一方のパッケージ電極5A上に載置されたLED素子3と、LED素子3の上部電極と他方のパッケージ電極5Bとを電気的に接続する金細線4と、このLED素子3を封止するようにカップ部材2の凹部内に充填・硬化された蛍光体入り透明樹脂6とを備えて構成されている。LED素子3の下部電極と一方のパッケージ電極5Aとは、導電性ペーストによって電気的に接続されている。蛍光体7を分散した樹脂は透明であり、LED素子3の全体を被覆している。
このLED素子3と蛍光体7とを有するLEDの製造手順の概略を説明する。
第1の工程では、カップ部材2の凹部底面に露出しているLED素子載置用(中央まで延びている)のパッケージ電極5A上にLED素子3を導電性ペーストを用いてダイボンディングする。
第2の工程では、LED素子3ともう一方のパッケージ電極5Bとを金細線4でワイヤボンディングする。
第3の工程では、粉末状の蛍光体7を混合分散させた樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)を、LED素子3及び金細線4を覆うように、カップ部材2の凹部に適量塗布し、樹脂を硬化させる。この時、それぞれの蛍光体について、予め実験によって決定した適切な濃度及び塗布量に調整する。
第1の工程では、カップ部材2の凹部底面に露出しているLED素子載置用(中央まで延びている)のパッケージ電極5A上にLED素子3を導電性ペーストを用いてダイボンディングする。
第2の工程では、LED素子3ともう一方のパッケージ電極5Bとを金細線4でワイヤボンディングする。
第3の工程では、粉末状の蛍光体7を混合分散させた樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)を、LED素子3及び金細線4を覆うように、カップ部材2の凹部に適量塗布し、樹脂を硬化させる。この時、それぞれの蛍光体について、予め実験によって決定した適切な濃度及び塗布量に調整する。
図2は、本発明の照明器具の実施形態を示す図であり、図2(a)は、本実施形態で用いる色温度の低いLEDとしての黄色LED10と、色温度の高いLEDとしての青色LED11を示す斜視図、(b)は黄色LED10と青色LED11をそれぞれ10個(合計20個)用いて構成した照明器具12の一例を示す斜視図、(c)は黄色LED10と青色LED11をそれぞれ4個(合計8個)用いて構成した照明器具14の他の例を示す斜視図である。
図2に例示したそれぞれの照明器具12,14は、青色LED11と黄色LED10とを1対1の組とし、青色LED11と黄色LED10からの混色した光を外部に出す照明器具であり、青色LED11の明るさを変化させる(駆動電流を変化させる)ことで、外部に出す光の色温度が変化するようになっている。なお、詳細は略しているが、青色LED11と黄色LED10とが実装されている回路基材13は、実装された多数のLEDに電流を印加するための配線と、黄色LED10は電流一定とし、青色LED11の電流値を任意に変化させることが可能な図示していない電源回路とを有している。この回路基材13の形状は、平板状の基板に限定されず、照明器具の使用形態に応じて、曲面板状、円筒状などの任意の形状とすることができる。
図2(b)に例示した照明器具12では、5個一列の黄色LED10と5個一列の青色LED11とを、黄色−青色−青色−黄色の列配置で並べた構造であり、これらのLEDを点灯させることで、黄色光と青色光との混色光、すなわち白色光が出力されるようになっている。
図2(c)に例示した照明器具14では、黄色LED10と青色LED11とを四角形枠上に沿って交互に合計8個並べた構造であり、これらのLEDを点灯させることで、黄色光と青色光の混色光が出力されるようになっている。
なお、各LEDの配列形態は、これらの例示にのみ限定されず、多数の黄色LED10と青色LED11とを交互に、又はランダムに配置する各種の配列形態を採用し得る。
また、これらの照明器具において、混色のために拡散板を配置したり、集光等のための光学部材を配置することもある。
図2(c)に例示した照明器具14では、黄色LED10と青色LED11とを四角形枠上に沿って交互に合計8個並べた構造であり、これらのLEDを点灯させることで、黄色光と青色光の混色光が出力されるようになっている。
なお、各LEDの配列形態は、これらの例示にのみ限定されず、多数の黄色LED10と青色LED11とを交互に、又はランダムに配置する各種の配列形態を採用し得る。
また、これらの照明器具において、混色のために拡散板を配置したり、集光等のための光学部材を配置することもある。
本実施形態の照明器具12,14は、色温度の高い青色LED11と、それよりも色温度の低い黄色LED10とを対として組み合わせて回路基材13に実装し、且つ青色LED11の光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたものなので、照明に適している白色光を一つの器具で実現可能となる。例えば、住居用照明であれば、夏は涼しげな色温度の高い昼光色などを使用し、冬は暖かみのある電球色での照明が可能となり、心理的作用により冷暖房費節減も期待でき、省エネ効果が期待できる。また、夜の食事時などは昼白色を使用し、深夜に電球色に変化させることなどの使い方も可能となる。これらを最低限1系統の明るさ(電流値もしくは電圧)を変化させる機能をもつ照明器具で実現可能となる。
次に、本発明において関係する用語、及び各構成要素の詳細について説明する。
(演色性)
演色とは照明される光源の違いによって色の見え方が異なる現象を言い、その特性を演色性と言う。一般に演色性とは自然光と対比させた光源の性質を表すものであり、光源の演色性評価方法は、JIS Z8726により決まっている。
演色とは照明される光源の違いによって色の見え方が異なる現象を言い、その特性を演色性と言う。一般に演色性とは自然光と対比させた光源の性質を表すものであり、光源の演色性評価方法は、JIS Z8726により決まっている。
(平均演色評価数(Ra))
演色性は、一般的には、自然光のような光を基準にして、「よい」、「わるい」と表現するが、その自然光に近い照明を基準光として、JIS Z 8726に規定された方法で試験光を調べ、照明光の演色性を評価する。演色評価数には、平均演色評価数と特殊演色評価数がある。平均演色評価数とは、試験色を、試料光源と基準光で照明したときの色ずれの大きさを数値化したもので、基準光で見た時を100とし、色ずれが大きくなるに従って数値が小さくなる。平均演色評価数(Ra)は、基準光No.1〜8の演色評価数値の平均値として表される。
CIE(国際照明委員会)による演色評価数の基準において、望ましい平均演色評価数は、次の通りである。
Ra≧90・・・色比較・検査、臨床試験、美術館。
90>Ra≧80・・・住宅、ホテル、レストラン、店舗、オフィス、学校、病院など。
80>Ra≧60・・・一般的作業の工場。
演色性は、一般的には、自然光のような光を基準にして、「よい」、「わるい」と表現するが、その自然光に近い照明を基準光として、JIS Z 8726に規定された方法で試験光を調べ、照明光の演色性を評価する。演色評価数には、平均演色評価数と特殊演色評価数がある。平均演色評価数とは、試験色を、試料光源と基準光で照明したときの色ずれの大きさを数値化したもので、基準光で見た時を100とし、色ずれが大きくなるに従って数値が小さくなる。平均演色評価数(Ra)は、基準光No.1〜8の演色評価数値の平均値として表される。
CIE(国際照明委員会)による演色評価数の基準において、望ましい平均演色評価数は、次の通りである。
Ra≧90・・・色比較・検査、臨床試験、美術館。
90>Ra≧80・・・住宅、ホテル、レストラン、店舗、オフィス、学校、病院など。
80>Ra≧60・・・一般的作業の工場。
(主波長)
主波長とは、特定の無彩色刺激と適当な比率で加法混色することによって、試料色刺激に等色するような単色光刺激の波長(JIS Z8105)とする。
主波長とは、特定の無彩色刺激と適当な比率で加法混色することによって、試料色刺激に等色するような単色光刺激の波長(JIS Z8105)とする。
(LED素子)
本発明に使用するLED素子としては、樹脂(蛍光体を混合した透明樹脂)を劣化させる紫外光を発光するものより、可視光を発光するものを用いる方が望ましい。視感効率(人間の目の感度)は、550nm程度にピークがあるため、LED素子の主ピークも550nmに近いほうが視覚効率が良くなる。このため、本発明に使用するLED素子としては、照明器具に使われるLEDの長寿命化、また発光効率のために、LED素子の発光スペクトルの主ピークを可視光の範囲内とすることが望ましい。
本発明に使用するLED素子としては、樹脂(蛍光体を混合した透明樹脂)を劣化させる紫外光を発光するものより、可視光を発光するものを用いる方が望ましい。視感効率(人間の目の感度)は、550nm程度にピークがあるため、LED素子の主ピークも550nmに近いほうが視覚効率が良くなる。このため、本発明に使用するLED素子としては、照明器具に使われるLEDの長寿命化、また発光効率のために、LED素子の発光スペクトルの主ピークを可視光の範囲内とすることが望ましい。
特に、LED素子に480nm〜490nm程度の範囲の主ピークを持つLED素子を使用すると、5つの白色領域(昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色)を実現できる色変化が可能な照明器具用の青色LEDを蛍光体等を使用せずに実現が可能となるためさらに望ましい。ただし、黄色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。
なお、5つの白色領域すべてを実現させる必要がない場合には、それに応じた主発光波長のLED素子を選択することが可能となり、例えば、発光効率の向上やコストの低減が可能となる。例えば、白色と温白色と電球色の3つの領域の発光が可能な照明器具の青色LEDの場合には、470nm〜500nm程度の範囲の主ピークを持つLED素子で実現が可能となるため、LED素子の選択の幅が広がる(ただし、黄色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。)。
LED素子と蛍光体を使用して青色LEDを作製する場合には、一般的に蛍光体は、短波長の光を吸収して長波長の光を発光するものの方が、長波長の光を吸収して短波長の光を発光するものに比較して効率が良いため、LED素子からの光の少なくとも一部の光を吸収し、吸収した光の波長よりも長波長の主ピークを持つ光を発光する蛍光体を用いることが望ましい。
なお、上述のように5つの白色領域(昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色)を実現させるためには、LED素子と蛍光体からの混色された光の主波長が490nmから480nmに調整することで対応できる(ただし、黄色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。)。波長の調整は、青色LEDに使用する蛍光体の量を変化させることで可能であり、図1に例示しているようなカップ部材2に蛍光体入り透明樹脂6を塗布する場合には、透明樹脂に分散混合させる蛍光体7の量を変化させることで波長の調整が可能となる。なお、この際に効率向上のために、480nm以下の主ピークを持つLED素子と、それよりも長波長側に主発光波長を持つ蛍光体を使用することが望ましく、使用する蛍光体によって、励起光率の良い波長が変化するために、青色LEDに使用するLED素子は、480nm以下でかつ使用する蛍光体の励起効率の良い波長を選択することがさらに望ましい。蛍光体の励起効率は、蛍光分光光度計(例えば、日本分光社製FP6500)で測定することができる。
また、青色LEDに使用する蛍光体は、複数使用してもよい。複数の蛍光体を使用した場合においても、上述したように5つの白色領域(昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色)を実現させるためには、LED素子と蛍光体からの混色された光の主波長が480nm〜490nmになるように、各蛍光体の配合比を変化させることで対応できる(ただし、黄色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。)。配合比とは、上述のように透明樹脂に分散混合するそれぞれの蛍光体の比率となる。一般的に複数種類の蛍光体を使用した場合には、青色LEDからの混色された光が太陽光のように可視光の波長範囲内においてブロードな光に近くなるために、演色性が良くなる。このため青色LEDの演色性を高くすることが重視される場合には、LED素子と異なる主発光波長を持つ複数の蛍光体を使用することが望ましい。また、一般的に蛍光体は、短波長の光を吸収して長波長の光を発光するものの方が、長波長の光を吸収して短波長の光を発光するものに比較して効率が良いため、可視光域に主ピークを持つLED素子を用い、それよりも長波長側に主発光波長を持つ第1の蛍光体と、さらにそれよりも長波長側に主発光波長を持つ第2の蛍光体と、場合によっては、さらに長波長側に主発光波長を持つ第3、第4の蛍光体を使用することが望ましい。さらに、使用する蛍光体の少なくとも1種類に、赤色に主波長を持つ蛍光体(610nmから750nmに主発光波長を持つ蛍光体)を使用することが演色性向上の点でさらに望ましい。
黄色LEDの主波長は、青色LEDよりも長波長側になる。特に、5つの白色領域(昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色)全てで発光する照明器具の場合、580nm〜590nm程度の主波長のLED素子を黄色LEDに使用すると、蛍光体を使用せずに実現が可能となる(ただし、黄色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。)。
なお、5つの白色領域すべてを実現させる必要がない場合には、それに応じた主発光波長のLED素子を選択することが可能となり、例えば、発光効率の向上やコストの低減が可能となる。例えば、白色と温白色と電球色の3つの領域の発光が可能な照明器具の黄色LEDの場合には、600nm程度の範囲の主ピークを持つLED素子でも実現が可能となるため、LED素子の選択の幅がさらに広がる(ただし、青色LEDが所定の色度範囲にあることが必要である。)。
また、蛍光体を使用する場合は、青色LEDと同様に蛍光体の量を調整することで実現が可能となる。一般的に蛍光体は、短波長の光を吸収して長波長の光を発光するものの方が、長波長の光を吸収して短波長の光を発光するものに比較して効率が良いため、LED素子の発光スペクトルの主ピークを可視光の短波長側にし、LED素子からの光の少なくとも一部の光を吸収し、吸収した光の波長よりも長波長の主ピークを持つ光を発光する蛍光体を用いることが望ましい。また、演色性を重視する場合などの用途には、青色LEDと同様に複数種類の蛍光体を用いることもできる。
また、電源回路の簡略化のためには、青色LEDと黄色LEDのそれぞれに使用するLED素子を同じ電流、電圧で使用することが望ましい。この場合には、図3の回路図に示すような単純な構成で実現可能である。図3では、可変抵抗を用いているが、抵抗と切り替えスイッチを組み合わせることで、予め設定された色度に簡単に変化させることも可能になる。
一般的には、消費電力の関係から、抵抗は用いずに、パルス状に点灯と消灯を繰り返し、その点灯している時間の比率によりLEDの明るさの調整を行う。その場合には、点灯と消灯の比率を変化させることにより色の変化が可能になる。しかし、あまりに消灯時間が長い場合(青色LEDと黄色LEDの点灯時間の差が大きい場合)には、混色がうまくいかなくなる。
一般的には、消費電力の関係から、抵抗は用いずに、パルス状に点灯と消灯を繰り返し、その点灯している時間の比率によりLEDの明るさの調整を行う。その場合には、点灯と消灯の比率を変化させることにより色の変化が可能になる。しかし、あまりに消灯時間が長い場合(青色LEDと黄色LEDの点灯時間の差が大きい場合)には、混色がうまくいかなくなる。
さらに、青色LEDと黄色LEDのそれぞれに使用するLED素子に同じ主ピークを持つ、同じメーカーのLED素子を使用した場合には、使用していることにより生じる光強度の低下(経時変化)も同程度になるため、使用している際に生じる色ずれも最小限度に押さえることが可能となる。
(色温度(JIS Z8113など参照)
自然昼光や照明用の人工光源等の色度座標は、すべて黒体軌跡の近傍にある。そこで、光源の色度を黒体の色度と関連づけて表す。ある光源色の色度が絶対温度T[K]の黒体の色度に完全に一致するとき、その光源色の色温度はT[K]であるという。ほとんどの光源色は黒体の色度に近似していても完全には一致しない。このような場合を、色温度ではなく相関色温度という。相関色温度の計算は、JIS Z8725を参照。
自然昼光や照明用の人工光源等の色度座標は、すべて黒体軌跡の近傍にある。そこで、光源の色度を黒体の色度と関連づけて表す。ある光源色の色度が絶対温度T[K]の黒体の色度に完全に一致するとき、その光源色の色温度はT[K]であるという。ほとんどの光源色は黒体の色度に近似していても完全には一致しない。このような場合を、色温度ではなく相関色温度という。相関色温度の計算は、JIS Z8725を参照。
(蛍光体)
本発明に使用する蛍光体としては、LED素子のごく近い部分に配置されるために、LED素子から光の照射に長時間耐えられる耐候性が必要である。また、LED素子のごく近い部分に配置されることから、LED素子の発熱により温度変化の影響を受けるために、温度特性(特に温度による光量と色度の変化)が小さいことが必要である。特に、実施例における青色LEDにおいては、駆動電流を変化させるため、駆動電流に応じてLED素子の発熱が変化するために、温度特性が小さい必要がある。また、蛍光体はLED素子によって励起されるために、LED素子の発光により効率よく励起されるものがよい。視感効率を上げるためには、可視光域で発光するLED素子を用いるのがよいため、可視光域で光るLED素子で効率よく励起される蛍光体が好ましい。さらに、複数の蛍光体を用いる場合には、それぞれの励起光率の良い波長が同様な波長域であったほうが発光効率が良くなる。
本発明に使用する蛍光体としては、LED素子のごく近い部分に配置されるために、LED素子から光の照射に長時間耐えられる耐候性が必要である。また、LED素子のごく近い部分に配置されることから、LED素子の発熱により温度変化の影響を受けるために、温度特性(特に温度による光量と色度の変化)が小さいことが必要である。特に、実施例における青色LEDにおいては、駆動電流を変化させるため、駆動電流に応じてLED素子の発熱が変化するために、温度特性が小さい必要がある。また、蛍光体はLED素子によって励起されるために、LED素子の発光により効率よく励起されるものがよい。視感効率を上げるためには、可視光域で発光するLED素子を用いるのがよいため、可視光域で光るLED素子で効率よく励起される蛍光体が好ましい。さらに、複数の蛍光体を用いる場合には、それぞれの励起光率の良い波長が同様な波長域であったほうが発光効率が良くなる。
LED素子にInを含む窒化ガリウム系半導体を用いる場合、駆動電流を小さくすると、LED素子の主ピークが短波長側にシフトするという現象が生じる。これは、主ピーク波長が短波長になるほど顕著になる。このために、LED素子にInを含む窒化ガリウム系半導体を用いる場合には、使用する蛍光体の励起スペクトルがブロードなものが望ましい。特に光量変化を行う側のLED(実施例における青色LED)に蛍光体を使用する場合には、励起スペクトルが急峻であると、電流変化による光量変化での色ずれが大きくなってしまう。
これらのLED素子と蛍光体を組み合わせることで、本発明を実施することが可能となる。それぞれのLEDの色度は、図4にCIE1931xy色度図中に示すように、例えば、584nmで発光するLEDと485nmで発光するLEDにおいて、それぞれの明るさの比率を変化させることで、図4の線上の色度が得られる。図4に示すように、5つの白色領域(昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色)の全ての範囲を通ることがわかる。このことから、この線上で、昼光色(図4中一番左側の小さな四角)とそれよりも左側の領域で発光するLEDと、電球色(図4中一番左側の小さな四角)とそれよりも右側の領域で発光するLEDの組み合わせでも、白色5色が実現できることがわかる。
具体的なLEDの色度範囲を図5に示す。白色5色を実現するためには、色度図上の両端の昼光色と電球色の端点を結ぶ直線に囲まれた領域の色度のLEDの組み合わせ、すなわち図5中の領域A内の色度を持つLEDと領域Bの色度を持つLEDの組み合わせになる。
領域Aの上側の直線は、1931色度図上の昼光色範囲上端の座標0.3274,0.3673と電球色範囲下の0.4594,0.3971の2点を通る直線である。領域Aの下の直線は、昼光色範囲下0.3064,0.3091と電球色範囲上端0.4338,0.4185を通る直線である。領域Bの上の直線は、領域Aの下の直線であり、領域Bの下の直線は領域Aの上の直線となる。各白色の領域については、JIS Z9112に記載されている。
(LEDの組み合わせ)
本発明における色温度の変化する照明器具は、実現できる色温度変化と光量変化が非常に重要となる。心理的には、色温度が高い場合には、明るすぎるとは感じず、暗いと不快になり、また、色温度が低い場合には、明るすぎると不快になるために、色温度変化と光量変化が同時に適切な範囲で変化しないと、心理的に不快な照明器具となってしまい、実用的なものではなくなってしまう。そのため、色温度が低い場合には暗く、色温度が高い場合に明るくなる照明器具を実現する必要がある。
本発明における色温度の変化する照明器具は、実現できる色温度変化と光量変化が非常に重要となる。心理的には、色温度が高い場合には、明るすぎるとは感じず、暗いと不快になり、また、色温度が低い場合には、明るすぎると不快になるために、色温度変化と光量変化が同時に適切な範囲で変化しないと、心理的に不快な照明器具となってしまい、実用的なものではなくなってしまう。そのため、色温度が低い場合には暗く、色温度が高い場合に明るくなる照明器具を実現する必要がある。
例えば、白色5色を実現する場合には、黄色LEDと青色LEDが定格電流で駆動しているときに昼光色となり、青色LEDの駆動電流を変化させることで、5つの白色を実現できることが望ましい。そうした場合は、色温度が低い場合には暗く、色温度が高い場合には明るくなる照明器具となり、また、そのときの昼光色と電球色との光量の差が少なくとも2倍程度は必要となる。なお、この時の光量の基準は、光束を使用するのが良い。光束は、可視光領域での放射を考えている量であり、具体的には、光源が空間に放射する光のパワーに、人間の目の分光感度分布を乗じて積分したものである。
以下、例として、黄色LEDと青色LEDに使用しているLED素子の定格電流が20mAとする。黄色LED20mAを駆動させ、青色LEDを20mAで駆動させた場合に、昼光色まで色温度が上がらす昼白色までしかならない場合には、青色LEDの駆動電流をさらに上げるか、黄色LEDの駆動電流を下げることでしか対応できない。駆動電流を定格以上にする場合には、寿命が短くなり、かつ発光効率が悪くなるなどの問題を生じる。黄色LEDの駆動電流を下げる場合には、黄色LEDと青色LEDからの合計した光量が下がってしまうことになる。これは、LED素子1個あたりから出る光量が下がることになるため、必要な光量の照明器具を作製した場合に必要なLED素子数が増えることになるため、コストが上昇してしまう。また、昼光色のみを黄色LEDの電流を下げることで実現する場合には、前述の心理的な効果が生かされず、不快な照明となってしまう。
逆に黄色LEDを20mAで駆動させ、青色LEDを20mAで駆動させた場合に、昼光色以上の色温度になる場合には、黄色LEDを定格電流以上で駆動させるか、青色LEDを定格電流以下にする必要がある。黄色LEDを定格電流以上で駆動させる場合は、青色LEDのときと同様に、寿命や発光効率などで問題が生じる。また、青色LEDの駆動電流を下げて使用する場合には、黄色LEDの駆動電流を下げた場合と同様に、コストが上昇する問題が生じる。また、青色LEDの駆動電流が低い場合には、心理的な効果の面から、色温度が低い場合と高い場合での光量比が小さくなってしまう。心理的には、色温度が高い場合には、明るすぎるとは感じず、暗いと不快になり、また、色温度が低い場合には、明るすぎると不快になるために、色温度が変化する照明器具でありながら、心理的に不快な照明となってしまう。
このように、心理的な面からは光量の変化が大きいほどよいが、光量変化を適切にしないとコスト上昇となってしまうため、本発明では、色温度の変化とともに適切に光量の変化をさせることが非常に重要となる。これまでは、所望の色温度変化をする照明器具を実現するためには、非常に労力がかかっていた。例えば、白色5色を実現しようとした場合には、黄色LEDと青色LEDの組み合わせで色の変化はすぐ予測ができる(前述のように、色は色度図上を直線的に動くため)。
しかし、光量変化に関しては、予想ができないために、数多くの試作が必要となるためである。これは、特に蛍光体を使用する際に顕著となる。蛍光体を使用する場合には、LED素子の効率により光量が変化するために、所望の色度を実現したが、光量が合わないということが生じるためである。光量は蛍光体の量によって変化するために、蛍光体により色度を合わせた場合には、同じ蛍光体を用いると光量が決まってしまう。このため、使用する蛍光体により、実現できる白色範囲が決まる、もしくは、光量変化の範囲が決まるということになる。このため、蛍光体を使用する場合には、単体では使用ができず、組み合わせが必要になったり、色度を決めるなど、労力がかかる理由である。
これが、以下の簡単な試算で青色LEDと黄色LEDの組み合わせの結果が予測できる。青色LEDと黄色LEDが決まっている場合には、実現できる色温度の変化範囲と光量の変化が予測でき、また、色温度の変化範囲と光量の変化と青色LEDもしくは黄色LEDのどちらかが決まっている場合には、残りのLEDの色度と光量が計算によって決まるため、その計算結果のLEDを作製すればよいことになる。
以下、青色LEDと黄色LEDが決まっている場合の例を示す。
青色LEDと黄色LEDのそれぞれの分光スペクトルを測定する。それぞれの分光スペクトルから3刺激値(JIS Z8724参照)を求める(3刺激値XYZは、それぞれ赤、緑、青の刺激値となる)。それぞれの3刺激値のなかのZに青色LEDと黄色LEDの放射束比を乗じた値を下記表1の範囲から実現できる範囲が求められる(ただし、黒体輻射軌跡からのずれが大きい場合には、誤差が大きくなる。)。放射束はJIS Z8113参照。
青色LEDと黄色LEDのそれぞれの分光スペクトルを測定する。それぞれの分光スペクトルから3刺激値(JIS Z8724参照)を求める(3刺激値XYZは、それぞれ赤、緑、青の刺激値となる)。それぞれの3刺激値のなかのZに青色LEDと黄色LEDの放射束比を乗じた値を下記表1の範囲から実現できる範囲が求められる(ただし、黒体輻射軌跡からのずれが大きい場合には、誤差が大きくなる。)。放射束はJIS Z8113参照。
表1に示す通り、青色LEDと黄色LEDの組み合わせの場合には、前記Z値に青色LEDと黄色LEDの放射束比を乗じた値が、昼光色で107、昼白色で85、白色で68、温白色で53、電球色で38となり、これらの白色範囲に合致するような青色LEDと黄色LEDの組み合わせを選択し、青色LEDの電流値を制御することにより、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色が発光可能となり、照明に適している白色光を一つの器具で実現可能となる。
[実施例1]
蛍光体にアルファサイアロンを用いた色温度の低いLED(以下、電球色LEDと記す。)と蛍光体にベータサイアロンを用いた色温度の高いLED(以下、緑色LED)を用いた。これらの蛍光体は公知の材料である。
アルファサイアロン黄色蛍光体は、特許第3668770号公報(発明の名称:「希土類元素を付活させた酸窒化物蛍光体」)、及び、Rong-Jun Xie et al., Appl. Phys. Lett., Vol.84, pp-5404-5406に開示されている。
ベータサイアロン緑色蛍光体は、Naoto Hirosaki et al., Appl. Phys. Lett., Vol.86, 211905に開示されている。
蛍光体にアルファサイアロンを用いた色温度の低いLED(以下、電球色LEDと記す。)と蛍光体にベータサイアロンを用いた色温度の高いLED(以下、緑色LED)を用いた。これらの蛍光体は公知の材料である。
アルファサイアロン黄色蛍光体は、特許第3668770号公報(発明の名称:「希土類元素を付活させた酸窒化物蛍光体」)、及び、Rong-Jun Xie et al., Appl. Phys. Lett., Vol.84, pp-5404-5406に開示されている。
ベータサイアロン緑色蛍光体は、Naoto Hirosaki et al., Appl. Phys. Lett., Vol.86, 211905に開示されている。
それぞれのLEDの色度を図6に示す。なお、緑色LEDは、青色LED素子に緑色蛍光体を加えて作製した。電球色LEDのZ値は15で、緑色LEDのZ値は177である。また、放射束比は、電球色LEDを1とすると、緑色LEDは1.4であった。
昼光色にするためには、Z値×放射束比=107以上が必要なので(表1参照)、緑色LEDは(30×A+177×B)÷(A+B)>107であるから、B>1.1Aとなる。よって、緑色LEDの定格での放射束が電球色LEDの定格での放射束の1.1倍以上であれば、電球色LED1個に対して、緑色LEDが1個の組み合わせで昼光色までの範囲が実現できることになり、実際の放射束比も1.4倍程度であるので、昼光色まで実現可能と試算される。
昼光色にするためには、Z値×放射束比=107以上が必要なので(表1参照)、緑色LEDは(30×A+177×B)÷(A+B)>107であるから、B>1.1Aとなる。よって、緑色LEDの定格での放射束が電球色LEDの定格での放射束の1.1倍以上であれば、電球色LED1個に対して、緑色LEDが1個の組み合わせで昼光色までの範囲が実現できることになり、実際の放射束比も1.4倍程度であるので、昼光色まで実現可能と試算される。
測定結果を図7に示す。この図中、それぞれの点は、青色LED素子の定格電流20mAに対して、電球色LEDを20mAで駆動し、緑色LEDの電流値を0〜20mAまで変化させた結果であり、図7中の一番右の点が緑色LEDの電流が0mA(不点灯)の状態である。
また、光束の変化を図8に示す。電球色から昼光色に移行するに従い明るさが増加し、昼光色領域では電球色の2倍程度になることがわかる。
この組み合わせの場合には、緑色LEDの電流値が2mA程度でも電球色範囲が実現できるために、前述のような可変抵抗を用いた回路においては、可変抵抗の最大抵抗値をそれほど大きくせずに済むというメリットがある。
この組み合わせの場合には、緑色LEDの電流値が2mA程度でも電球色範囲が実現できるために、前述のような可変抵抗を用いた回路においては、可変抵抗の最大抵抗値をそれほど大きくせずに済むというメリットがある。
[実施例2]
蛍光体にアルファサイアロンを用いた色温度の低いLED(電球色LED)と、蛍光体にアルファサイアロンとベータサイアロンを用いた色温度の高いLED(以下、昼光色LEDと記す。)を用いた。
それぞれのLEDの色度を図9に示す。なお、昼光色LEDは青色LED素子にアルファサイアロンとベータサイアロンを使用し、各蛍光体の比率を調整して作製した。電球色LEDのZ値は23で、昼光色LEDのZ値は101である。また、放射束比は、電球色LEDを1とすると、昼光色LEDは1.2であった。
1個対1個の場合で計算すると、(13×1+101×1.2)÷(1+1)=65.5となり、表1から白色の中心までは達しない程度であることがわかる。
蛍光体にアルファサイアロンを用いた色温度の低いLED(電球色LED)と、蛍光体にアルファサイアロンとベータサイアロンを用いた色温度の高いLED(以下、昼光色LEDと記す。)を用いた。
それぞれのLEDの色度を図9に示す。なお、昼光色LEDは青色LED素子にアルファサイアロンとベータサイアロンを使用し、各蛍光体の比率を調整して作製した。電球色LEDのZ値は23で、昼光色LEDのZ値は101である。また、放射束比は、電球色LEDを1とすると、昼光色LEDは1.2であった。
1個対1個の場合で計算すると、(13×1+101×1.2)÷(1+1)=65.5となり、表1から白色の中心までは達しない程度であることがわかる。
測定結果を図10に示す。図10中のそれぞれの点は、青色LED素子の定格電流20mAに対して、電球色LEDを20mAで駆動し、昼光色LEDの電流値を0〜20mAまで変化させた結果である。図10の一番右の点が、昼光色LEDの電流が0mA(不点灯)の状態である。
電球色LED1個対昼光色LED2個の場合で計算すると、(23×1+101×1.2×2)÷(1+1)=78.1となり、昼光色LEDを2倍に増やしても、前記表1の範囲表から、昼光色までは届かず、昼白色程度であることがわかる。
測定結果を図11に示す。図11中のそれぞれの点は、青色LED素子の定格電流20mAに対して、電球色LEDを20mAで駆動し、電球色LEDの2倍の昼光色LEDの電流値を0〜20mAまで変化させた結果である。図11の一番右の点が、昼光色LEDの電流が0mA(不点灯)の状態である。
測定結果を図11に示す。図11中のそれぞれの点は、青色LED素子の定格電流20mAに対して、電球色LEDを20mAで駆動し、電球色LEDの2倍の昼光色LEDの電流値を0〜20mAまで変化させた結果である。図11の一番右の点が、昼光色LEDの電流が0mA(不点灯)の状態である。
図12に、本実施例の照明器具の構成例を示す。本実施例の照明器具15は、電球色LED16と昼光色LED17とを1対2の対として組み合わせてなり、図12では5個一列に並べた電球色LED16の両側に、それぞれ5個の昼光色LED17を隣接して配置した構成になっている。本実施例の照明器具15は、前述したように、図11中に昼白色から電球色までの白色範囲の色度を得ることができた。
1…LED、2…カップ部材、3…LED素子、4…金細線、5A,5B…パッケージ電極、6…蛍光体入り透明樹脂、7…蛍光体、10…黄色LED、11…青色LED、12,14,15…照明器具、13…回路基材、16…電球色LED、17…昼光色LED。
Claims (5)
- 発光ダイオード素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを有する発光ダイオード、又は発光ダイオード素子のみを発光源とする発光ダイオードを回路基材に複数個実装してなる照明器具において、
色温度の高い発光ダイオードと、それよりも色温度の低い発光ダイオードとを対として組み合わせて回路基材に実装し、且つ前記色温度の低い発光ダイオードの光出力を一定として、前記色温度の高い発光ダイオードの光出力を変更する電源回路を有し、前記光出力を変更することで、昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色からなる群から選択される複数の白色を発光可能としたことを特徴とする照明器具。 - 色温度の高い発光ダイオードの色度が、CIE1931xy色度図上の昼光色範囲上端の座標0.3274,0.3673と電球色範囲下端の座標0.4594,0.3971の2点を通る第1の直線と、昼光色範囲下端の座標0.3064,0.3091と電球色範囲上端の座標0.4338,0.4185の2点を通る第2の直線との間の領域であって、且つ昼光色範囲と該色度図における昼光色よりも左側の領域に存在することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
- 色温度の低い発光ダイオードの色度が、CIE1931xy色度図上の昼光色範囲上端の座標0.3274,0.3673と電球色範囲下端の座標0.4594,0.3971の2点を通る第1の直線と、昼光色範囲下端の座標0.3064,0.3091と電球色範囲上端の座標0.4338,0.4185の2点を通る第2の直線との間の領域であって、且つ電球色範囲と該色度図における電球色よりも右側の領域に存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
- 色温度の低い発光ダイオードと色温度の高い発光ダイオードとが、それぞれ青色発光ダイオード素子とその発光により励起され異なる波長の光を発する蛍光体とを組み合わせた発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
- 複数の発光ダイオードから発せられる混色光の色温度が高くなるに従い該混色光の光量が増す構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。
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JP2005100800A (ja) * | 2003-09-25 | 2005-04-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Led照明光源 |
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