JP7240143B2 - 裁断装置 - Google Patents
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Description
まず、裁断対象となる袋(枚葉シート)について、図1を参照しつつ説明する。図1は、裁断対象となる袋の平面図である。同図に示すように、この袋10は、矩形状に形成された2枚のシート材の周縁を融着などによって固定したものである。シート材は、例えば、プラスチックフィルム等の樹脂材料のフィルム、プラスチックフィルムに金属等を蒸着したフィルム、金属箔、それらを組み合わせたフィルム等で形成することができる。そして、裁断装置では、この袋10を短辺が搬送方向に沿うように搬送し、4つの隅部を円弧状に裁断する。以下では、搬送方向の上流側の一対の隅部を第1隅部11と称し、下流側の一対の隅部を第2隅部12と称することとする。そして、この裁断装置は、後述するように、第1隅部11を裁断した後、第2隅部12を裁断するように構成されている。なお、本明細書における「袋(枚葉シート)の幅」とは、裁断装置での搬送方向の長さをいうこととする。
図2は、本実施形態に係る断裁装置の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態に係る裁断装置は、無端ベルト23を有する搬送路によって、上述した袋10を所定の搬送ピッチで断続的に搬送するものである。すなわち、上流側の製袋装置(供給装置)100で製造された袋10を受け取り、所定の搬送ピッチだけ、無端ベルト23を移動させて袋10を搬送した後、所定時間停止する。これを繰り返すことで、袋10を下流側の処理装置200に供給するようになっている。そして、搬送路の途中において、無端ベルト23の停止中には、後述する打ち抜きユニット4,5により隅部11,12の裁断が行われる。また、無端ベルト23の最下流付近においては、幅の異なる袋であっても同じ位置で停止し、その下流側の処理装置に袋10を受け渡すようになっている。以下、裁断装置の構成について説明した後、搬送に係る制御について説明する。
各プーリ21,22の外周面には、軸方向に延びる歯が形成されている。すなわち、各プーリ21,22は歯車状に形成されている。
両打ち抜きユニット(打ち抜き手段)4,5は、概ね同様の構成を有しているため、ここでは、主として第1打ち抜きユニット4について説明し、相違部分については後述する。
次に、第1及び第2吸引ユニットについて、図10及び図11を参照しつつ説明する。図10は第1及び第2吸引ユニットの概略構成を示す側面図、図11は第1吸引ユニットの拡大断面図である。
次に、噴射ユニット8について説明する。図10に示すように、噴射ユニット8は、各上刃部材41,51に設けられている。この噴射ユニット8は、上刃部材41,51にブラケット80を介して取り付けられる2つの噴射管、つまり第1噴射管81と第2噴射管82とを有している。これら噴射管81,82は、コンプレッサ(図示省略)に接続されており、空気を噴射するようになっている。すなわち、第1噴射管81の噴射口は、上刃部材41の下端の切断刃411の中央付近に向けて斜め下方に空気を噴射するようになっている(図6の符号Pの付近)。すなわち、噴射された空気が上刃部材41,51の前方から上刃部材41,51の直下に向かうように構成されている。一方、第2噴射管82は、上刃部材41の下端の外縁部412の中央付近に向けて斜め下方に空気を噴射するようになっている(図6の符号Qの付近)。すなわち、噴射された空気が上刃部材41,51の後方から上刃部材41,51の直下に向かうように構成されている。
次に、制御ユニット7について説明する。制御ユニットは、PLC(Programmable Logic Controller)など、公知のコンピュータで構成することができる。そして、上述したように、幅の異なる袋10であっても、隅部11,12の打ち抜きを正確に行うとともに、搬送路の最下流付近で同じ位置で袋を停止させて、下流の処理装置に受け渡すようにするため、制御ユニット7により、無端ベルト23の搬送ピッチ、各打ち抜きユニット4,5の位置決めなどの制御を行うことができる。その他、制御ユニット7は、処理速度の調整のため、無端ベルト23の搬送速度、停止時間などの制御も行うことができる。また、制御ユニット7には、袋10の搬送方向の幅を入力するための、テンキー、キーボード、タッチパネルなどの入力装置が設けられている。
・搬送路の長さL:1620mm(既知)
・袋の幅X:220mm
・袋の受け渡し位置(最下流点と袋との距離)D1:10mm(予め決定)
・隣接する袋の間隔D2:10mm以上(予め決定)
ここでは、受け渡し位置での袋10の位置が固定されているため、これを差し引いて、残りの袋10のピッチを計算する。すなわち、「(1620mm-10(D1)mm-220mm(受け渡し位置の袋10の幅))/(220mm+10mm)=6余り10mm」となり、同時に搬送される袋の個数は、受け渡し位置での袋を含めて、6+1=7個となる。そして、余りの10mmを6で割ると、1.66mmとなるため、袋の搬送ピッチPは、「220mm+10mm+1.66mm=231.66mm」となる。また、袋10が停止する位置に合わせて、各打ち抜きユニット4,5による裁断位置を決定し、各打ち抜きユニット4,5を移動させる。なお、各打ち抜きユニット4,5による裁断位置は特には限定されないが、搬送路の中央付近とすることができる。
・搬送路の長さL:1620mm(既知)
・袋の幅X:160mm
・袋の受け渡し位置(最下流点と袋との距離)D1:10mm(予め決定)
・隣接する袋の間隔D2:10mm以上(予め決定)
上記パターン1と同様に計算を行う。「1620mm-10(D1)mm-220mm/(160mm+10mm)=8余り90mm」となり、同時に搬送される袋の個数は、受け渡し位置での袋を含めて、8+1=9個となる。そして、余りの90mmを8で割ると、11.25mmとなるため、袋の搬送ピッチPは、「160mm+10mm+11.25mm=181.25mm」となる。D1=D2の場合の計算は省略するが、パターン1で示したとおりである。
以上のように構成された裁断装置の動作について説明する。まず、裁断対象となる袋10の幅を制御ユニットに入力する。これにより、制御ユニットは、搬送路で配置する袋10の個数、搬送ピッチ、各打ち抜きユニット4,5の位置を決定する。ここでは、上記パターン1の入力を行うこととする。これに続いて、無端ベルト23を決定された搬送ピッチで、断続的に駆動する。
以上のように構成された裁断装置では、次の効果を得ることができる。
(1)各隅部11,12の裁断は、エジェクタ62が空気の吸引を行っている間に行われるため、裁断によって生じた打ち抜き片Kは、凹部420,520へと吸引されていく。また、各噴射管81,82から空気が噴射されているため、この空気によって、打ち抜き片Kは、凹部420,520へと誘導される。したがって、打ち抜き片Kが搬送路に残留したり、裁断後の袋10に付着するのを防止することができる。
したがって、例えば、閉じた領域を打ち抜くように上刃部材で打ち抜き片の全体を凹部に押し込むのに比べ、本実施形態のように上刃部材41,51の一部を用いて裁断を行うと、上刃部材41,51が打ち抜き片Kに対して作用させることのできる力が弱い。そのため、切断後の打ち抜き片Kを凹部420,520に確実に押し込むことが難しい。また、本実施形態が対象とする袋10のような枚葉シートは、比較的柔らかい材料で形成されているため、特に、打ち抜き片Kを凹部420,520に押し込みにくい。したがって、上記のように隅部11,12に対して打抜き加工を施す際に、上記のような第1吸引ユニット6や噴射ユニット8を用いると特に有利である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
第1吸引ユニット6において、空気を吸引するタイミングは、特には限定されず、打抜き加工の1サイクル内で吸引のONとOFFとを行うように制御されていればよい。したがって、上記実施形態で示したタイミングチャートは一例であり、種々の変更が可能である。したがって、例えば、上記実施形態では、無端ベルト23が停止すると同時に第1吸引ユニット6で吸引を開始しているが、無端ベルト23が停止する前であっても、袋10が凹部420、凹部520を通過した時点で、吸引を開始してもよい。また、例えば、図16に示すように、袋10が位置(A)から位置(B)に連続的に移動し、その間に第1打ち抜きユニット4の下刃部材42の上方を通過する際には、吸引を行っていると、袋10が凹部420に吸い込まれるため、袋10がこのような挙動を取るときには、吸引を停止する必要がある。
上記実施形態では、2つの打ち抜きユニット4,5で、第1隅部11に対して打抜き加工を施してから、第2隅部12の打抜き加工を行ったが、これを反対にし、第2隅部12に対して打抜き加工を施してから、第1隅部11の打抜き加工を行ってもよい。
上記実施形態では、搬送路上で袋10を一列にして搬送しているが、例えば、図19に示すように、2列以上で袋10を搬送することもできる。この場合、第1打ち抜きユニット4において、幅方向に隣接する隅部の裁断を行う上刃部材48を一体化し、2つの切断面を有するように構成することができる。この点は、下刃部材42、第2打ち抜きユニット5でも同様に構成することができる。
無端ベルト23、各プーリ21,22、支持台3の構成は、特には限定されず、上述した以外の構成でもよく、プーリの数、位置なども適宜設定することができる。上記実施形態では、高速搬送を行うことができるようにプーリ21,22を歯車状に形成し、これに合わせて無端ベルト23に突部231を形成したり、支持台3に溝部31を形成したりしているが、搬送速度等によっては、突部231を有さない無端ベルト23であってもよい。
両打ち抜きユニット4,5では、袋10の隅部11,12を円弧状に打ち抜いているが、円弧状に限られず、例えば、隅部11,12を斜めに直線状に切り取ったり、直線と曲線とが混在した形状に切り取るような処理を行うこともできる。また、本発明に係る吸引ユニットは、袋10の隅部でなく、閉じた領域を打ち抜くような打抜き加工にも適用することができる。
第1吸引ユニット6では、エジェクタ62を用いて吸引を行っているが、打ち抜き片Kを吸引できるのであれば、これ以外の吸引手段を用いることもできる。
噴射ユニット8の構成は特には限定されず、種々の変更が可能である。例えば、噴射管81,82の数、空気を噴射する位置は特には限定されない。また、噴射管81,82を上刃部材41,51とともに移動させず、静止したままで空気を噴射するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1吸引ユニット6と噴射ユニット8の両方を用いているが、噴射ユニット8は必ずしも設けなくてもよい。また、第2吸引ユニット60の構成は特には限定されず、これを用いず、第1吸引ユニット6で吸引した打ち抜き片Kを他の手段で回収することもできる。
上記実施形態では、本発明に係る裁断装置を袋10の裁断に適用した例を示したが、本発明は、袋の裁断以外でも、シート材などの枚葉シート全般の裁断に適用することができる。
11 第1隅部
12 第2隅部
4 第1打ち抜きユニット(打ち抜き手段)
41 上刃部材(パンチ)
42 下刃部材(ダイ)
420 凹部(進入口)
5 第2打ち抜きユニット(打ち抜き手段)
51 上刃部材(パンチ)
52 下刃部材(ダイ)
520 凹部(進入口)
6 第1吸引ユニット(第1吸引手段)
60 第2吸引ユニット(第2吸引手段)
8 噴射ユニット(噴射手段)
Claims (6)
- 供給装置から順次移送された複数の枚葉シートを順に裁断する裁断装置であって、
前記枚葉シートを、吸引により保持しつつ、所定のピッチで断続的に搬送する搬送路を有する、搬送手段と、
パンチ、及び当該パンチが進入する進入口が形成されているダイによって、前記搬送路によって搬送される前記枚葉シートの外縁の一部に打抜き加工を施す、少なくとも一つの打ち抜き手段と、
前記打ち抜き手段によって前記枚葉シートから打ち抜かれた打ち抜き片を、前記進入口を通じて、吸引する第1吸引手段と、
を備え、
前記ダイ及びパンチにより構成される打ち抜き刃の一部を用いて、前記枚葉シートに対する打抜き加工が施され、
前記第1吸引手段は、前記打抜き加工の1サイクル内で吸引のONとOFFとを行うように制御されている、
前記1サイクル内において、前記第1吸引手段よりも低圧で、常時吸引を行う第2吸引手段をさらに備え、
前記第2吸引手段は、前記打ち抜き片の吸引経路において、前記第1吸引手段よりも下流側に配置されている、裁断装置。 - 前記第1吸引手段は、前記進入口の上流側から下流側へ前記枚葉シートが通過しているときに、吸引をOFFにするように制御されている、請求項1に記載の裁断装置。
- 前記第1吸引手段は、
前記枚葉シートの移動の停止後、前記パンチが前記ダイに向かって移動を開始する前に、吸引をONにし、
前記パンチが前記ダイから離間するのを開始した後、前記枚葉シートの移動再開前に、吸引をOFFにする制御されている、請求項1または2に記載の裁断装置。 - 前記第1吸引手段は、圧縮空気を噴出することで、前記進入口の内部を負圧にして前記打ち抜き片を吸引するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の裁断装置。
- 前記ダイの進入口に向かって空気を噴射する噴射手段をさらに備えており、
前記噴射手段は、前記打抜き加工の1サイクル内で噴射のONとOFFとを行うように制御されている、請求項1から4のいずれかに記載の裁断装置。 - 前記噴射手段は、前記パンチとともに前記ダイに向かって移動するように構成されている、請求項5に記載の裁断装置。
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