JP4942564B2 - 密着書簡製造装置、フィルム挿入機構、密着書簡の製造方法、及びフィルム挿入方法 - Google Patents

密着書簡製造装置、フィルム挿入機構、密着書簡の製造方法、及びフィルム挿入方法 Download PDF

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Description

本発明は、折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを挟み、折り片同士を、接着フィルムを介して接着して、密着書簡を製造するための、製造装置及び製造方法に、関するものであり、更には、折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを、連続して挿入するための、挿入機構及び挿入方法に、関するものである。
基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを用いて、密着書簡を製造する、装置は、例えば、特許文献1、2に示されている。特許文献1の装置は、連続した用紙を折り畳み、折り片の間の空間に接着フィルムを連続して挿入し、折り片同士を、接着フィルムを介して接着させて、密着書簡を製造している。特許文献2の装置は、枚葉紙を搬送しながら折り畳み、折り片の間の空間に接着フィルムを連続して挿入し、折り片同士を、接着フィルムを介して接着させて、密着書簡を製造している。
従来においては、一般に、特許文献1の装置のように、連続した用紙を用いて密着書簡を製造していた。しかし、次第に、特許文献2の装置のように枚葉紙を用いて密着書簡を製造することが、増えてきた。
特開平5−38894号公報 特開平9−76665号公報
しかるに、特許文献2の装置では、枚葉紙を搬送しながら折り畳んでいるため、次のような不具合があった。
(I)折り畳み作業に要する作業スペースが長くなり、装置全体が大型化する。
(II)搬送と折り畳みとを同時に行うための特別な部品を必要とするため、折り畳みの精度が不十分となる場合がある。
(III)特許文献2では、用紙を3つ折りして接着フィルムを挿入する実施例について言及されているが、その実施例における折り工程は複雑であり、その実施例を実際に実施した機械は存在していない。
(IV)用紙を3つ折りして接着フィルムを挿入する場合には、折り工程とフィルム挿入工程との2工程に分けて実施するのが、実情である。
そこで、専用の折り畳み機を用いて密着書簡を製造でき、更には、3つ折り以上の折り畳みを一度で行うことができ、また、接着フィルムの挿入も一度で行うことができる、装置が、望まれていた。
本発明は、専用の折り畳み機を用いて密着書簡を製造できる装置を実現でき、それにより、装置の小型化及び折り畳みの高精度化を実現できる、密着書簡製造装置、を提供することを目的とする。
本願の第1発明は、折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを挟み、折り片同士を、接着フィルムを介して接着して、密着書簡を製造する、密着書簡製造装置であって、
所定寸法形状の用紙を1枚ずつ連続して供給する、給紙手段と、
給紙手段から供給された用紙を、所定の折り型に折り畳む、折り畳み手段と、
折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入手段と、
挿入された接着フィルムと共に折り片の間を閉塞状態として、接着フィルムと共に用紙を所定寸法に切断する、切断手段と、
切断された用紙中の上記接着フィルムの接着剤層によって、折り片同士を、接着フィルムを介して接着させる、接着手段と、を備えており、
開放挿入手段が、用紙を上下両側から吸引する吸引手段、を有している、ことを特徴としている。
上記第1発明においては、次の構成(1)を採用するのが好ましい。
(1)切断手段が、用紙の搬送方向に所定間隔を置いて配置され且つ用紙を搬送方向に対する直交方向に裁断する、2個のカッター、を有している。
上記構成(1)においては、更に、次の構成(A)を採用するのが好ましい。
(A)切断手段が、切断作業を制御する切断制御部を有しており、
切断制御部が、接着フィルムによって搬送方向に繋がった状態で搬送されてくる複数枚の用紙を順に切断する際において、所定位置で2個のカッターによって先の用紙を切断した後であって次の用紙を上記所定位置で切断する前に、先の用紙と次の用紙とを繋いでいる接着フィルムを、搬送方向上流側のカッターによって切断するように、制御するものである。
本願の第2発明は、折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを、連続して挿入する、フィルム挿入機構であって、
折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に上記接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入手段、を有しており、
開放挿入手段が、用紙を上下両側から吸引する吸引手段、を有している、ことを特徴としている。
本願の第発明は、折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを、連続して挿入する、フィルム挿入方法であって、
折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に上記接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入工程、を有しており、
開放挿入工程において、用紙を上下両側から吸引している、ことを特徴としている。
本願の第1発明によれば、枚葉紙を用いて密着書簡を製造する場合において、次のような効果を発揮できる。
(a)開放挿入手段によって、用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に接着フィルムを連続して挿入するようにしているので、次の効果を発揮できる。
(i)密着書簡の製造において、折り畳み作業とフィルム挿入作業とを全く別々に独立して行うことができる。したがって、折り畳み手段として、専用の折り畳み機を用いることができる。
(ii)フィルム挿入作業を行うための、搬送方向の作業スペースを、従来に比して、短くでき、したがって、装置全体の小型化を実現できる。
(iii)接着フィルムの挿入を一度で行うことができる。
(b)折り畳み手段として、専用の折り畳み機を用いているので、折り畳みの高精度化を実現でき、しかも、種々の折り型、例えば3つ折り以上の折り型、を実現でき、更に、折り畳み作業に要する作業スペースを短くして装置全体の小型化を実現できる。
更に、本願の第1発明によれば、簡単な構成で開放挿入手段を実現できる。
本願の第1発明において、上記構成(1)を採用すれば、用紙の搬送方向に所定間隔を置いて配置された2個のカッターを作動させて、用紙を切断するので、1度の切断作業で、所定寸法に切断された用紙を得ることができ、したがって、作業性を向上でき、しかも、1個のカッターで2回切断していた従来例に比して、寸法精度を向上させることができる。
本願の第1発明において、上記構成(1)と共に上記構成(A)を採用すれば、接着フィルムが次の用紙の先端部に絡まった状態で用紙と共に切断されるのを防止でき、それに伴う不具合の発生を防止できる。例えば、切断された接着フィルムが後の用紙に付着するのを防止できる。
本願の第2発明又は第3発明によれば、次のような効果を発揮できる。
(i)密着書簡の製造において、折り畳み作業とフィルム挿入作業とを全く別々に独立して行うことができる。したがって、折り畳み手段として、専用の折り畳み機を用いることができる。
(ii)フィルム挿入作業を行うための、搬送方向の作業スペースを、従来に比して、短くでき、したがって、装置全体の小型化を実現できる。
(iii)接着フィルムの挿入を一度で行うことができる。
図1は、本発明の密着書簡製造装置1の平面模式図である。この装置1は、給紙手段2と、第1搬送手段3と、折り畳み手段4と、第2搬送手段5と、開放挿入手段6と、切断手段7と、接着手段8と、排紙手段10と、をこの順に備えている。図2は、図1の給紙手段2、第1搬送手段3、折り畳み手段4、及び第2搬送手段5からなる部分の平面図であり、図3は、図2のIII矢視図である。
給紙手段2は、所定寸法形状の用紙11が積載される載置部21と、載置部21の最上の用紙11を1枚ずつ上方から吸着して搬送するフィーダ部22と、を有している。給紙手段2は、載置部21の用紙11をフィーダ部22によって1枚ずつ第1搬送手段3へ搬送する。
第1搬送手段3は、2本の搬送ベルト31、32を有している。第1搬送手段3は、フィーダ部22により搬送されてきた用紙11を2本の搬送ベルト31、32の上に載せて、折り畳み手段4へ搬送する。なお、2本の搬送ベルト31、32は、相互に平行であるが、全体として搬送方向(矢印X1方向)に対して傾斜している。このため、第1搬送手段3は、用紙11を、搬送ベルト31、32の傾斜側に位置しているガイド33に沿って整列させながら、搬送する。
折り畳み手段4は、専用の折り畳み機からなっている。専用の折り畳み機は、各種の折り型を精度良く実現できるものであり、例えば特開2003−20163号公報に記載されている機構を採用したものである。折り畳み手段4は、用紙11の折り畳み作業を行う折り畳み機構部41と、折り畳まれた用紙11を上方から押さえながら搬送する押圧搬送部42と、を有している。
本実施形態では、折り畳み機構部41は、図4の(a)〜(d)に示すように作動することによって、用紙11をZ型に折り畳む。すなわち、用紙11は、図4(a)に示すように、送りローラ411、412間のニップに送り込まれ、搬送ガイド413に沿って搬送される。用紙11の先端がストッパ414に衝突しても、用紙11は、送りローラ411、412によって送り込まれるので、図4(b)に示すように、行き場の無くなった用紙11の途中部分が挫屈される。用紙11の挫屈された部分は、送りローラ412、415間のニップに送り込まれ、図4(c)に示すように、搬送ガイド417に沿って搬送される。用紙11の挫屈された部分の先端がストッパ418に衝突しても、用紙11は、送りローラ412、415によって送り込まれるので、図4(d)に示すように、行き場の無くなった用紙11の途中部分が更に挫屈される。そして、その挫屈された部分が、送りローラ415、416間のニップに送り込まれて、送り出される。このように、2度挫屈が形成されることにより、用紙11がZ型に折り畳まれる。したがって、折り畳み機構部41は、第1搬送手段3から送られてきた用紙11を、1枚ずつ、図5に示すようなZ型に折り畳む。
第2搬送手段5は、多数の搬送ローラ51を搬送方向(矢印X2方向)に並べて構成されている。なお、矢印X1方向と矢印X2方向とは、直交している。全ての搬送ローラ51は、その回転軸が搬送方向に対する直交方向から少し傾斜している。このため、第2搬送手段5は、用紙11を、ガイド52に沿って整列させながら、搬送する。
図6は、図1の第2搬送手段5、開放挿入手段6、及び切断手段7からなる部分の平面図であり、図7は、図6のVII−VII断面模式図であり、図8は、図6のVIII−VIII矢視図である。
開放挿入手段6は、下側搬送部61と、上側搬送部62と、下側吸引部63と、上側吸引部64と、下側フィルム挿入部65と、上側フィルム挿入部66と、を有している。本発明のフィルム挿入機構は、開放挿入手段6によって構成されており、吸引手段は、下側吸引部63と上側吸引部64とによって構成されている。
下側搬送部61は、4個の搬送ローラ611に、無端ベルト612が掛け渡されて、構成されている。下側搬送部61は、搬送ローラ611を回転させてベルト612を矢印方向に移動させることにより、ベルト612上に載っている用紙11を矢印X2方向へ搬送する。ベルト612には、多数の貫通孔(図示せず)が形成されている。一方、下側吸引部63の吸引口は、ベルト612で囲まれた空間内にて上向きに配置されている。下側吸引部63は、例えば吸引ファンからなっており、吸引口から、矢印Y1方向へ空気を吸引する。したがって、下側吸引部63を作動させると、下側搬送部61は、図8に示すように、貫通孔を通して吸引される空気によって用紙11をベルト612表面に吸着した状態で、用紙11を搬送する。
上側搬送部63は、2個の搬送ローラ631に、無端ベルト632が掛け渡されて、構成されている。ベルト632には、多数の貫通孔6321(図6)が形成されている。一方、上側吸引部64の吸引口は、ベルト632で囲まれた空間内にて下向きに配置されている。上側吸引部64は、例えば吸引ファンからなっており、矢印Y2方向へ空気を吸引する。したがって、上側吸引部64を作動させると、上側搬送部63は、図8に示すように、貫通孔6321を通して吸引される空気によって用紙11をベルト632の下面に吸着した状態で、用紙11を搬送する。なお、上側搬送部63は、搬送ローラ631を回転させてベルト632を矢印方向に移動させることにより、ベルト632に吸着された用紙11を矢印X2方向へ搬送する。
下側フィルム挿入部65は、フィルム供給部651からの接着フィルム9を、外側ガイド652に巻き掛けた後に内側ガイド653に巻き掛けることにより、用紙11の第1折り片111と第2折り片112との間の空間101に接着フィルム9を挿入するようになっている。挿入された接着フィルム9は、用紙11と共に搬送されていくようになっている。なお、外側ガイド652と内側ガイド653とは、用紙11の搬送方向に対して、例えば約60度等の所定の角度で配置されている。そして、外側ガイド652は、その先端が搬送される用紙11の側縁の外側に位置するよう、配置されており、内側ガイド653は、その先端が空間101に挿入されて反対側の側縁を越えて位置するよう、配置されている。
上側フィルム挿入部66は、フィルム供給部661からの接着フィルム9を、外側ガイド662に巻き掛けた後に内側ガイド663に巻き掛けることにより、用紙11の第2折り片112と第3折り片113との間の空間102に接着フィルム9を挿入するようになっている。挿入された接着フィルム9は、用紙11と共に搬送されていくようになっている。なお、外側ガイド662と内側ガイド663とは、用紙11の搬送方向に対して、例えば約60度等の所定の角度で配置されている。そして、外側ガイド662は、その先端が搬送される用紙11の側縁の外側に位置するよう、配置されており、内側ガイド663は、その先端が空間102に挿入されて反対側の側縁を越えて位置するよう、配置されている。
ところで、接着フィルム9は、図9に示すような構造を有している。すなわち、接着フィルム9は、図9(a)に示すように、2層からなる基材層91の表裏面に、接着剤層92、93を有している。そして、接着フィルム9は、図9(b)に示すように、基材層91にて分離して、基材層911と接着剤層92とからなる層9Aと、基材層912と接着剤層93とからなる層9Bと、の2層に、剥離可能となっている。
切断手段7は、用紙11の搬送方向に並んで配置された4個の押圧ローラ対71と、用紙11の搬送方向に所定間隔を置いて配置された2個のカッター72と、押圧ローラ対71及びカッター72の作動を制御する切断制御部(図示せず)と、を有している。カッター72は、上刃721を下刃722に対して摺接させることにより、用紙11を搬送方向に対する直交方向に裁断する。切断手段7は、接着フィルム9が空間101、102に挿入された状態の用紙11の折り片の間を、押圧ローラ対71によって閉塞状態とした状態で、2個のカッター72によって、接着フィルム9と共に用紙11を所定寸法に切断する。
接着手段8は、複数の搬送ローラ対と複数のヒータとを備えている。各搬送ローラ対は、用紙11の搬送経路の上下に配置されたローラ対からなっている。隣接する搬送ローラ対の間隔は、切断手段7において切断された用紙11の搬送方向寸法より小さく設定されている。各ヒータは、隣接する搬送ローラ対の間であって搬送経路の上下に、配置されている。接着手段8では、空間101、102に挿入されている接着フィルム9が加熱されて、接着剤層92、93がそれに対向している折り片に熱融着し、これによって、用紙11の折り片同士が接着フィルム9を介して接着されてなる密着書簡が、得られる。
排紙手段10は、ベルトコンベアを有しており、接着手段8から送り出されてきた密着書簡を、起立状態で、スタッカに重ねて回収する。
次に、上記構成の密着書簡製造装置1の作動について説明する。
本装置1の作動を開始すると、まず、給紙手段2の載置部21に積載された用紙11の最上の用紙11が、フィーダ部22によって、1枚ずつ、第1搬送手段3へ搬送される。
第1搬送手段3では、用紙11は、ガイド33に沿って整列されながら折り畳み手段4へ搬送される。
折り畳み手段4では、用紙11は、折り畳み機構部41によってZ型に折り畳まれ、その後、押圧搬送部42によって上方から押圧されながら第2搬送手段5へ搬送される。したがって、第2搬送手段5へ搬送された用紙11は、図10に示すように、第1折り片111と第2折り片112との間、及び、第2折り片112と第3折り片113との間、が閉塞状態となっている。
なお、折り畳み手段4では、専用の折り畳み機を用いているので、用紙11は、精度良く、Z型に折り畳まれる。
第2搬送手段5では、用紙11は、ガイド52に沿って整列されながら、開放挿入手段6へ搬送される。
開放挿入手段6では、下側搬送部61と上側搬送部62とが同時に作動するとともに、下側吸引部63と上側吸引部64とが同時に作動する。下側吸引部63と上側吸引部64とが作動することにより、Z型に折り畳まれた用紙11は、図8に示すように、上下に引っ張られることとなり、第1折り片111と第2折り片112との間に空間101が形成されるとともに、第2折り片112と第3折り片113との間に空間102が形成される。これにより、用紙11の折り片の間の閉塞状態が開放されるとともに、用紙11が、下側搬送部61と上側搬送部62とによって、矢印X2方向へ搬送される。そして、これらの作動と同時に、下側フィルム挿入部65と上側フィルム挿入部66とが作動して、空間101、102に接着フィルム9が挿入される。これにより、図11に示すように空間101、102に接着フィルム9が挿入された状態の用紙11が、切断手段7へ搬送される。
切断手段7では、用紙11は、押圧ローラ対71によって押圧された状態で、すなわち、第1折り片111と第2折り片112との間、及び、第2折り片112と第3折り片113との間、が閉塞された状態で、所定位置に停止する。そして、その状態で、2個のカッター72が作動することによって、用紙11は、接着フィルム9と共に所定寸法に切断される。切断された用紙11は、押圧ローラ対71の作動によって接着手段8へ搬送される。
接着手段8では、用紙11は、押圧状態で加熱される。これにより、空間101、102に挿入されている接着フィルム9の接着剤層92、93が溶融して、第1折り片111と第2折り片112とが接着されるとともに第2折り片112と第3折り片113とが接着される。これにより、図12に示すようにZ型に折り畳まれた用紙11の折り片同士が接着フィルム9を介して接着されてなる密着書簡100が、得られる。密着書簡100は、接着手段8から送り出されて、排紙手段10で回収される。
なお、図12の密着書簡100は、図13に示すように、基材層91にて分離される。すなわち、第1折り片111の内面には、接着剤層93を介して基材層912が貼り付いており、第2折り片112の下面には、接着剤層92を介して基材層911が貼り付いており、第2折り片112の上面には、接着剤層93を介して基材層912が貼り付いており、第3折り片113の内面には、接着剤層92を介して基材層911が貼り付いている。
ところで、具体的には、1枚の用紙11は、2枚の葉書大の密着書簡を形成できる寸法形状を、有している。そして、開放挿入手段6を経た用紙11は、接着フィルム9によって後方の用紙11と繋がった状態で、切断手段7へ搬送される。そして、切断手段7においては、具体的には、切断制御部による制御によって、用紙11が図14に示すように切断される。
すなわち、まず、(A)に示すように、押圧ローラ対71の作動によって、先の用紙11Aが、2個のカッター72の位置C1、C2に搬送される。そして、先の用紙11Aは、その位置で、切断される。これにより、先の用紙11Aから1枚目の葉書大の用紙100Aが分離される。次に、(B)に示すように、押圧ローラ対71の作動によって、先の用紙11Aの残りが、2個のカッター72の位置C1、C2に搬送される。そして、先の用紙11Aの残りは、その位置で、切断される。これにより、先の用紙11Aから2枚目の葉書大の用紙100Bが分離される。次に、(C)に示すように、用紙11Bの先端縁に付いている接着フィルム9が2個のカッター72の内の搬送方向上流側のカッター72の位置C2に来るように、押圧ローラ対71の作動によって、次の用紙11Bが、少しだけ搬送される。そして、搬送方向上流側のカッター72によって、用紙11Bの先端縁に付いている接着フィルム9が切断される。これにより、用紙11Bの先端縁に付いている接着フィルム9の搬送方向の長さは、極めて短くなる。そして、(D)に示すように、押圧ローラ対71の作動によって、次の用紙11Bが、2個のカッター72の位置C1、C2に搬送され、先の用紙11Aと同様に切断される。こうして、用紙11は、順次切断されていく。
ちなみに、切断手段7において、上記(C)の作業を行わなかった場合には、上記(B)の作業で生じた用紙11Bの先端が、図15(A)に示す状態となり、更に当該先端は、先の用紙11Aの残辺11aが接着フィルム9から外れて、図15(B)に示す状態となる。この状態の用紙11Bに対して上記(D)の作業を行うと、図16に示すように、接着フィルム9が、用紙11Bの先端部に絡まった状態で用紙11Bと共に切断されることとなる。そして、切断された接着フィルム9が後の用紙に付着するなどの不具合が発生する。
しかるに、上記構成の密着書簡製造装置1では、切断手段7において、切断制御部によって上述のように制御した切断作業が行われ、特に、上記(C)の作業によって、次の用紙11Bの先端縁に付いている接着フィルム9の搬送方向の長さが極めて短くなっている。それ故、接着フィルム9が用紙11Bの先端部に絡まるのを防止できる。したがって、接着フィルム9が用紙11Bの先端部に絡まった状態で用紙11Bと共に切断されることに基づく不具合の発生を、防止できる。
上記構成の密着書簡製造装置1によれば、枚葉紙を用いて密着書簡を製造する場合において、次のような効果を発揮できる。なお、本発明の密着書簡の製造方法によっても、同様の効果を発揮できる。
(a)開放挿入手段6によって、用紙11を搬送しながら、用紙11の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に接着フィルム9を連続して挿入するようにしているので、次の効果を発揮できる。なお、本発明のフィルム挿入機構によっても、同様の効果を発揮できる。
(i)密着書簡の製造において、折り畳み作業とフィルム挿入作業とを全く別々に独立して行うことができる。したがって、折り畳み手段4として、専用の折り畳み機を用いることができる。
(ii)フィルム挿入作業を行うための、搬送方向の作業スペースを、従来に比して、短くでき、したがって、装置全体の小型化を実現できる。
(iii)接着フィルムの挿入を一度で行うことができる。
(b)折り畳み手段4として、専用の折り畳み機を用いているので、折り畳みの高精度化を実現でき、しかも、種々の折り型を実現でき、更に、折り畳み作業に要する作業スペースを短くして装置全体の小型化を実現できる。
(c)切断手段7において、用紙11の搬送方向に所定間隔を置いて配置された2個のカッター72を作動させて、用紙11を切断しているので、1度の切断作業で、所定寸法に切断された用紙11を得ることができ、したがって、作業性を向上でき、しかも、1個のカッターで2回切断していた従来例に比して、寸法精度を向上させることができる。
なお、上記実施形態においては、折り型がZ型の場合について説明したが、本発明は、折り型が図17に示す横V型や図18に示す横W型の場合でも、適用できる。
本発明の密着書簡製造装置は、折り畳みの高精度化を実現でき、しかも、装置全体の小型化を実現できるので、産業上の利用価値が大である。
本発明の密着書簡製造装置の平面模式図である。 図1の給紙手段、第1搬送手段、折り畳み手段、及び第2搬送手段からなる部分の平面図である。 図2のIII矢視図である。 折り畳み機構部の作動を説明するための側面断面模式図である。 Z型に折られた用紙の斜視図である。 図1の第2搬送手段、開放挿入手段、及び切断手段からなる部分の平面図である。 図6のVII−VII断面模式図である。 図6のVIII−VIII矢視図である。 接着フィルムの構造を示す断面図である。 第2搬送手段における用紙の状態を示す断面図である。 開放挿入手段によって折り片の間の空間に接着フィルムが挿入された状態の用紙を示す断面図である。 接着手段を経て得られた密着書簡の断面図である。 図12の密着書簡を開いた状態の断面部分図である。 切断手段における切断作業の工程を示す平面図である。 図14(B)の作業後の用紙の先端の状態を示す側面断面図である。 切断作業における不具合の発生原因を示す側面断面図である。 本発明を適用できる折り型の別の例を示す斜視図である。 本発明を適用できる折り型の更に別の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 密着書簡製造装置 11 用紙 100 密着書簡 2 給紙手段 4 折り畳み手段 6 開放挿入手段 63 下側吸引部 64 上側吸引部 7 切断手段 72 カッター 8 接着手段 9 接着フィルム 91 基材層 92、93 接着剤層

Claims (5)

  1. 折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを挟み、折り片同士を、接着フィルムを介して接着して、密着書簡を製造する、密着書簡製造装置であって、
    所定寸法形状の用紙を1枚ずつ連続して供給する、給紙手段と、
    給紙手段から供給された用紙を、所定の折り型に折り畳む、折り畳み手段と、
    折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入手段と、
    挿入された接着フィルムと共に折り片の間を閉塞状態として、接着フィルムと共に用紙を所定寸法に切断する、切断手段と、
    切断された用紙中の上記接着フィルムの接着剤層によって、折り片同士を、接着フィルムを介して接着させる、接着手段と、を備えており、
    開放挿入手段が、用紙を上下両側から吸引する吸引手段、を有している、ことを特徴とする密着書簡製造装置。
  2. 切断手段が、用紙の搬送方向に所定間隔を置いて配置され且つ用紙を搬送方向に対する直交方向に裁断する、2個のカッター、を有している、請求項1記載の密着書簡製造装置。
  3. 切断手段が、切断作業を制御する切断制御部を有しており、
    切断制御部が、接着フィルムによって搬送方向に繋がった状態で搬送されてくる複数枚の用紙を順に切断する際において、所定位置で2個のカッターによって先の用紙を切断した後であって次の用紙を上記所定位置で切断する前に、先の用紙と次の用紙とを繋いでいる接着フィルムを、搬送方向上流側のカッターによって切断するように、制御するものである、請求項記載の密着書簡製造装置。
  4. 折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを、連続して挿入する、フィルム挿入機構であって、
    折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に上記接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入手段、を有しており、
    開放挿入手段が、用紙を上下両側から吸引する吸引手段、を有している、ことを特徴とするフィルム挿入機構。
  5. 折り畳まれた用紙の折り片の間に、基材層の表裏面に接着剤層を有し且つ基材層にて分離して2層に剥離可能である接着フィルムを、連続して挿入する、フィルム挿入方法であって、
    折り畳まれた用紙を搬送しながら、用紙の折り片の間の閉塞状態を開放するとともに、開放状態の折り片の間に上記接着フィルムを連続して挿入する、開放挿入工程、を有しており、
    開放挿入工程において、用紙を上下両側から吸引している、ことを特徴とするフィルム挿入方法。
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