JP7239898B2 - ブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空間を区画するケースと、当該空間を密封するバルブと、を有しており、バルブによってケースへの吸気およびケースからの排気を行うことができるブリーザ装置に関する。
特許文献1には、差動歯車装置を収容するケースに設けられたブリーザ室が開示されている。ケースには、ブリーザ室内の圧力が上昇したときにブリーザ室内の空気を排出するために開弁するブリーザプラグが取り付けられている。ブリーザプラグは、ケースのハウジングを貫通する筒状のブリーザ本体と、ケースの外部側からブリーザ本体を覆うキャップと、を備えている。キャップ内には、ブリーザ本体の開口を塞ぐ弁体と、弁体をブリーザ本体に押し付けるスプリングと、が設けられている。
特開2015-94449号公報
特許文献1に開示されているブリーザプラグでは、ブリーザ室内の圧力が上昇したときに弁体がブリーザ本体から離間する。ブリーザ室内の圧力が減少して弁体が再びブリーザ本体に押し付けられるときに、弁体が傾くなど、キャップ内で姿勢を崩していると、ブリーザ本体の開口を閉塞するように弁体がブリーザ本体に当接しない場合がある。
すなわち、ブリーザ装置に関して、開弁と閉弁とが繰り返される場合に弁体の変位を安定させるという点で改良の余地があった。
上記課題を解決するためのブリーザ装置は、内部空間に機器を収容するケースと、前記内部空間を密封するバルブと、を有し、前記ケースの外側の空間である外部空間と前記内部空間との差圧に基づいて前記バルブが開弁して、前記外部空間から前記内部空間への吸気または前記内部空間から前記外部空間への排気を行うことができるブリーザ装置であって、前記バルブは、前記ケースを貫通する挿通部と、該挿通部に形成されており前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通路と、該連通路の閉塞および開放を行う弁構造と、を備え、前記弁構造は、前記連通路に配置されており当該連通路内を変位可能な弁体と、該弁体の変位を規制する係止部と、該係止部に形成されており前記弁体の直径よりも径が小さい弁孔と、前記弁体を前記係止部に押し付けるスプリングと、前記挿通部において前記弁体を挟んで前記係止部とは反対側に位置しており前記係止部から離れた位置ほど前記連通路が狭くなるように傾斜している着座部と、を有し、前記弁体は、前記弁孔の径よりも直径が大きいシール面を有する円板状の板部と、当該板部の縁が径方向内側に凹んだ通気部と、を有し、前記弁体における前記シール面と前記係止部とが当接して前記弁孔が塞がれた状態では、前記連通路が閉塞され、前記弁体が前記係止部から離間した状態では、前記連通路が開放され、前記弁体が前記係止部から離間しており前記弁体と前記着座部とが当接している状態では、前記通気部を介して前記外部空間と前記内部空間とが連通することをその要旨とする。
上記構成によれば、弁体が連通路内に配置されているので弁体が変位する際に弁体が案内されやすくなる。また、連通路が開放される際に弁体が着座部に当接できるため、係止部から離間した弁体の位置が特定の位置に収まりやすくなる。さらに、通気部が設けられていることによって、弁体が着座部に当接した場合でも弁体によって連通路が閉塞されずに外部空間と内部空間とを連通させることができる。
なお、弁体が有する通気部は板部の縁が凹んで形成されている。このため、弁体が着座部に当接する際には板部のうち通気部が形成されていない部分の縁が着座部に接することになる。弁体が着座部に当接したときに通気部があることによって弁体と着座部との間に隙間ができ、外部空間と内部空間とが連通する。
また、上記構成では、板部に通気部を設けつつもシール面が確保されているため、弁体と係止部との当接によって連通路を閉塞することができる。
すなわち、上記構成によれば、弁体と係止部との当接によって連通路を閉塞する機能を損なうことなく、連通路を開放するときには連通路によって弁体を案内して着座部に弁体を着座させることができ、且つ弁体が着座部に当接した状態で弁体を通過する空気量を確保することができる構成を実現できる。
ブリーザ装置の一例では、前記弁体には、前記通気部が複数形成されており、前記板部の周方向において各通気部が等間隔を空けて配置されている。
上記構成によれば、板部のうち着座部に接する部分が板部の周方向において等間隔に並ぶことになる。これによって、弁体が着座部に当接する場合に、弁体が安定した姿勢で着座部に当接することができる。
ブリーザ装置の一例では、前記弁体における複数の前記通気部は、各通気部と前記板部の中心とを通る直線上には、複数の前記通気部における他の通気部が存在しないように配置されている。
板部の縁が凹んだ通気部が設けられていることで、挿通部の内壁と弁体の板部との隙間は、板部に通気部が設けられていない場合と比較して大きくなる。仮に、板部の中心を通る直線上に二つの通気部が配置されている場合、当該直線の方向における挿通部の内壁と板部との隙間は、板部の中心を通る直線上に一つの通気部が配置されている場合よりも大きくなる。板部の中心を通る直線の方向における隙間が大きいほど、弁体が着座部に当接する際の弁体の位置がずれやすくなり、弁体の姿勢が崩れやすい。
この点、上記構成では、板部の中心を通る直線上に配置されている通気部が一つであるため、当該直線上に二つの通気部を配置する場合と比較して、挿通部の内壁と弁体の板部との隙間が大きくなることを軽減できる。
ブリーザ装置の一例では、前記板部の縁における前記板部の周方向に隣り合う二つの前記通気部に挟まれた部分を当接部として、前記板部は、奇数個の前記通気部と、該通気部と同じ数の前記当接部と、を備え、前記当接部における弧の長さは、すべての前記当接部において等しく、すべての前記当接部における弧の長さの合計が前記板部における円周の長さの半分に等しい。
上記構成によれば、各通気部と板部の中心とを通る直線上に、他の通気部が存在しないようにしつつ、等しい大きさの複数の通気部を、前記板部に等間隔で配置することができる。なお、上記構成は、こうした要件を満たした上で、各通気部での板部の周方向における大きさを最大限に確保した構成である。したがって、上記構成によれば、着座姿勢の安定化と、通気部を通じた空気の流れの確保との両立を図ることができる。
ブリーザ装置の一例では、前記係止部は、前記弁体よりも弾性率が小さい材料によって成形されている。
上記構成によれば、弁体が係止部に当接する際に係止部の弾性変形によって弁体と係止部とが密着しやすくなり、弁体と係止部との間でのシール性を向上させることができる。
ブリーザ装置の一例は、前記弁体と前記係止部とによって前記外部空間と前記内部空間との連通を遮断する弁が構成されており、前記係止部は、前記挿通部における前記連通路の前記外部空間側の端に配置されており、前記弁体は、前記スプリングによって前記内部空間側から前記係止部に押し付けられており、前記スプリングを第1スプリングとして、該第1スプリングに対して前記弁を挟んで対向する位置に、前記係止部を前記挿通部に押し付ける第2スプリングをさらに備え、前記弁構造は、前記係止部の前記弁孔を前記弁体が塞いだ状態の前記弁が前記挿通部に押し付けられることによって、前記連通路を閉塞した状態となる。
上記構成では、内部空間の圧力が外部空間の圧力よりも低くなって弁体を着座部側に押し込む力が第1スプリングによる力を上回ると、弁体が係止部から離間して連通路が開放され、外部空間から内部空間への吸気が行われる。一方、内部空間の圧力が外部空間の圧力よりも高くなって係止部を外部空間側に押し込む力が第2スプリングによる力を上回ると、係止部が挿通部から離間して連通路が開放され、内部空間から外部空間への排気が行われる。
すなわち、上記構成によれば、吸気および排気を行うバルブを実現できる。
ブリーザ装置の一実施形態を示す模式図。 同実施形態にかかるブリーザ装置のバルブを示す断面図。 同実施形態にかかるバルブの弁体を示す斜視図。 同弁体を示す正面図。 同弁体の一部を拡大した図。 同実施形態にかかるバルブの模式図。 同実施形態にかかるバルブの模式図。 比較例としてのバルブの模式図。 同実施形態にかかるブリーザ装置のバルブについて、排気を行う状態を示す断面図。 同実施形態にかかるブリーザ装置のバルブについて、吸気を行う状態を示す断面図。 変更例のブリーザ装置におけるバルブの弁体を示す図。
以下、ブリーザ装置の一実施形態について、図1~図10を参照して説明する。
図1は、車両に搭載されるブリーザ装置10を示す。ブリーザ装置10は、車両の変速機90を収容するケース11を備えている。ケース11によって、変速機90を収容する空間である内部空間12が区画されている。図1には、ケース11の外側の空間を外部空間13として示している。
ブリーザ装置10は、ケース11に取り付けられているバルブ20を備えている。バルブ20が閉弁状態であるとき、内部空間12が密封される。バルブ20は、内部空間12と外部空間13との差圧に基づいて開弁する。バルブ20の開弁態様については後述するが、ブリーザ装置10は、バルブ20が開弁しているとき、図1に破線の矢印で示すように外部空間13から内部空間12への吸気を行うことができる。また、ブリーザ装置10は、バルブ20が開弁しているとき、図1に実線の矢印で示すように内部空間12から外部空間13への排気を行うことができる。
図2に示すように、バルブ20は、ケース11を貫通する円筒形状の挿通部21を備えている。挿通部21内は、内部空間12と外部空間13とを連通する連通路22になっている。図2には、連通路22の中心軸に沿った軸線C11を表示している。内部空間12は、連通路22とカバー29内の空間とを介して外部空間13に連通されている。バルブ20は、ケース11の外側から挿通部21を覆うカバー29を備えている。カバー29は、カバー29と挿通部21との間に隙間がある状態で、一部分が挿通部21に固定されている。バルブ20は、内部空間12と外部空間13との差圧に基づいて変位する弁体60を備えている。弁体60は、たとえば樹脂材料によって成形されている。なお、図2は、閉弁状態であるバルブ20を示している。
図2および図3に示すように、弁体60は、円板状の板部61を備えている。弁体60の板部61は、図2に示すように連通路22内に収容されている。弁体60は、板部61の両面から突出する円柱形状の柱部を備えている。柱部のうち一方を第1柱部65として他方を第2柱部66とする。第1柱部65は、板部61における外部空間13側の面である第1面61Aから突出している。第2柱部66は、板部61における内部空間12側の面である第2面61Bから突出している。第2柱部66は、連通路22内に挿入されている。第2柱部66と挿通部21との間には隙間がある。また、板部61において第1面61Aおよび第2面61Bに接している面のことを板部61の側面とする。
第1柱部65および第2柱部66は、板部61を対称面とした面対称の形状である。第1柱部65における第1面61A上での直径は、板部61の直径よりも小さい。第2柱部66における第2面61B上での直径は、板部61の直径よりも小さい。第1柱部65および第2柱部66は、板部61から離れた部分ほど直径が小さい。第1柱部65の中心軸は、板部61の中心を通過している。第2柱部66の中心軸は、第1柱部65の中心軸と一致している。図3には、第1柱部65および第2柱部66の中心軸に沿った軸線として、軸線C12を表示している。軸線C12は、弁体60の中心軸に沿った軸線である。上記の板部61の直径とは、軸線C12と直交する直線上における板部61の長さのことをいう。図2には、弁体60の中心軸が軸線C11と一致するように配置されている弁体60を示している。
図2に示すように、挿通部21は、外部空間13側の端部に、弁体60の板部61を収容する開口部24を備えている。開口部24の位置での連通路22の径は、弁体60の板部61の直径よりも大きい。挿通部21と板部61との間には隙間がある。弁体60の中心軸に沿った軸線C12方向での板部61の寸法を板部61の厚さとすると、軸線C11方向での開口部24の長さは、板部61の厚さよりも大きい。
挿通部21は、開口部24における内部空間12側の端に着座部25を備えている。着座部25は、開口部24から離れた位置ほど連通路22が狭くなるように傾斜している。着座部25における開口部24とは反対側の端部での連通路22の径は、弁体60の板部61の直径よりも小さい。
バルブ20は、カバー29内の空間に配置されている円筒形状の可動体50を備えている。可動体50は、たとえば樹脂材料によって成形されている。可動体50は、中心軸が軸線C11と一致するように配置されている。可動体50が有する孔である収容孔54には、弁体60の第1柱部65が挿入されている。収容孔54の径は第1柱部65の直径よりも大きく、第1柱部65と可動体50との間には隙間がある。可動体50は、挿通部21側の端部が拡径したフランジ部52を備えている。可動体50におけるフランジ部52とは反対側の端部には、収容孔54を塞ぐようにフィルタ55が取り付けられている。フィルタ55は、気体を通過させるが液体は通過させない止水フィルタである。
バルブ20は、可動体50と挿通部21との間に挟まれた弾性体30を備えている。弾性体30は、円環形状である。弾性体30は、中心軸が軸線C11と一致するように配置されている。弾性体30は、弁体60よりも弾性率が小さい材料によって成形されている。弾性体30の材料の一例は、ゴムである。図2に示す状態では、弾性体30は、挿通部21における開口部24の端面に当接するように配置されている。弾性体30における可動体50側の面は、可動体50のフランジ部52に当接している。弾性体30と挿通部21とは、離間することができる。弾性体30と可動体50とは、離間することができる。弾性体30が有する孔である弁孔31には、第1柱部65が挿入されている。弁孔31の径は第1柱部65の直径よりも大きく、第1柱部65と弾性体30との間には隙間がある。また、弁孔31の径は、板部61の直径よりも小さい。弁孔31の径は、開口部24の位置での連通路22の径よりも小さい。また、弁孔31の径は、収容孔54の径よりも小さい。
バルブ20は、弁体60を付勢する第1スプリング71と、可動体50を付勢する第2スプリング72と、を備えている。第2スプリング72は、カバー29と可動体50との間に配置されている。第2スプリング72によって、可動体50が弾性体30に押し付けられている。第2スプリング72は、可動体50を介して弾性体30を挿通部21に押し付けている。第1スプリング71は、連通路22に配置されている。第1スプリング71によって、弁体60が弾性体30に押し付けられている。すなわち、第2スプリング72は、第1スプリング71に対して弁体60、弾性体30および可動体50を挟んで対向する位置に配置されている。
弾性体30が挿通部21に押し付けられて弾性体30と挿通部21とが当接している状態では、弁体60が着座部25から離れる方向に変位することが弾性体30および可動体50によって規制されている。すなわち、バルブ20では、弾性体30と可動体50とによって弁体60の変位を規制する係止部が構成されている。
また、弁体60が弾性体30の弁孔31を閉塞している状態で弾性体30が挿通部21に押し付けられると、弁体60および弾性体30によって連通路22が閉塞されて外部空間13と内部空間12との連通が遮断される。すなわち、弾性体30と可動体50とによって構成される係止部と、弁体60と、によって外部空間13と内部空間12との連通を遮断する弁が構成されている。
図2に示すようにバルブ20が閉弁状態であるときには、第2スプリング72によって挿通部21に弾性体30が押し付けられている。さらに、挿通部21に押し付けられている状態の弾性体30に向かって弁体60が第1スプリング71によって押し付けられている。第1スプリング71のばね荷重と第2スプリング72のばね荷重は、図2に示す状態における第2スプリング72の弾性力が第1スプリング71の弾性力よりも強くなるように設定されている。
ブリーザ装置10では、内部空間12と外部空間13との差圧が「0」を含む範囲でバルブ20が閉弁状態となる。内部空間12の圧力が高くなり、差圧が規定の排気差圧よりも大きくなると、バルブ20が開弁状態となり、連通路22を介して内部空間12から外部空間13への排気が行われる。一方、内部空間12の圧力が低くなり、差圧が規定の吸気差圧よりも小さくなると、バルブ20が開弁状態となり、連通路22を介して外部空間13から内部空間12への吸気が行われる。
排気差圧および吸気差圧は、第1スプリング71のばね荷重と第2スプリング72のばね荷重の調整によって変更することができる。また、弁体60、可動体50および弾性体30には、内部空間12および外部空間13からの圧力が作用する。このため、排気差圧および吸気差圧は、弁体60において内部空間12の圧力が作用する部分の面積、弁体60において外部空間13の圧力が作用する部分の面積、および、可動体50および弾性体30において外部空間13の圧力が作用する部分の面積の調整によっても変更することができる。
ブリーザ装置10では、弁体60と、弁体60の変位を規制する係止部と、着座部25と、弾性体30の弁孔31と、弁体60を付勢する第1スプリング71と、係止部を付勢する第2スプリング72と、によって連通路22の閉塞および開放を行う弁構造が構成されている。
図2~図5を参照して、弁体60について説明する。
弁体60は、板部61の縁が径方向内側に凹んだ通気部を備えている。通気部が設けられている部分では、軸線C12と直交する直線上における板部61の長さが短くなっている。板部61には、九個の通気部が形成されている。図4に示すように、板部61の周方向において第1通気部62A~第9通気部62Iが等間隔を空けて配置されている。第1通気部62A~第9通気部62Iは、板部61を第1面61A側から見た場合の板部61の円周に沿った時計回りの方向に、順に並んでいる。各通気部62A~62Iは、形状および各部の寸法が共通である。図2には、複数の通気部のうち第1通気部62Aを示している。
板部61の縁における周方向に隣り合う二つの通気部に挟まれた部分を当接部とする。板部61には、第1通気部62A~第9通気部62Iと同じ数である九個の当接部がある。板部61には、第1通気部62Aと第2通気部62Bとに挟まれた当接部を第1当接部63Aとして、板部61の円周に沿った時計回りの方向に、第1当接部63A~第9当接部63Iが順に並んでいる。各当接部63A~63Iは、形状および各部の寸法が共通である。
図4には、第1当接部63A~第9当接部63Iの縁に沿って描いた円を仮想円C21として二点鎖線で表示している。仮想円C21は、仮に板部61に通気部が形成されていない場合の板部61の外縁に相当する。すなわち、仮想円C21の直径は、仮に板部61に通気部が形成されていない場合の軸線C12と直交する直線上における板部61の長さに等しい。また、図4には、仮想円C21の中心C22を表示している。仮想円C21の中心C22は、弁体60の中心軸に沿った軸線C12上の点である。中心C22は、板部61における第1面61Aの中心と同じ位置を示すものでもある。
弁体60において、第1面61Aの表面積は、仮想円C21の面積から第1面61A上における第1柱部65の断面積を引いた値と比較して、第1通気部62A~第9通気部62Iが設けられている分だけ減少している。同様に、第2面61Bの表面積も、仮想円C21の面積から第2面61B上における第2柱部66の断面積を引いた値と比較して、第1通気部62A~第9通気部62Iが設けられている分だけ減少している。
各当接部63A~63Iにおける弧の長さは、仮想円C21の円周の長さの18分の1である。すなわち、各当接部63A~63Iにおける弧の長さを合計すると、仮想円C21の円周の長さの半分に等しくなる。言い換えると、仮想円C21の円周の長さの半分に相当する領域において、第1当接部63A~第9当接部63Iが設けられており、残りの半分に相当する領域において、第1通気部62A~第9通気部62Iが設けられている。
図4には、中心C22を通る直線であり第1通気部62Aを通る仮想直線を第1直線L11として破線で示している。板部61において第1直線L11上で第1通気部62Aと対向する位置には、第5当接部63Eが設けられている。同様に中心C22を通る直線であり第2通気部62Bを通る直線を考えると、板部61において当該直線上で第2通気部62Bと対向する位置には、第6当接部63Fが設けられている。このように弁体60の板部61では、各通気部62A~62Iと対向する位置にはそれぞれ当接部が設けられている。言い換えると、弁体60における複数の通気部は、各通気部と板部61の中心とを通る直線上に、複数の通気部における他の通気部が存在しないように配置されている。
図3に示すように、各通気部62A~62Iは、板部61の側面が軸線C12に近づく方向に落ち込んだ形状として形成されている。各通気部62A~62Iにおいて、板部61の側面上に一辺をとり軸線C12に近づく方向に広がる面を凹側面621とする。各通気部62A~62Iは、二つの凹側面621と、凹側面621における軸線C12側の端に位置する辺同士を繋ぐ底面622と、によって構成されている。凹側面621および底面622の軸線C12方向における長さは、板部61の側面の軸線C12方向における長さと等しい。
図4に示すように第1面61A側から弁体60を見たとき、凹側面621は、仮想円C21の円周上から中心C22に向かって直線状に延びている。同じく第1面61A側から弁体60を見たとき、底面622は、円弧状に延びている。
図5には、第9通気部62Iについて、仮想円C21から底面622までの寸法を深さD1と表示している。図5に示しているのは第1面61A側であるが、第2面61B側においても、仮想円C21から底面622までの第9通気部62Iの寸法は、深さD1に等しい。
図5には、第1通気部62Aについて、凹側面621における仮想円C21側の辺同士を通る直線を第2直線L12と表示している。言い換えると、第2直線L12は、第1通気部62Aを挟む位置にある第1当接部63Aおよび第9当接部63Iの縁のうち、第1通気部62A側の角同士を通る直線である。第2直線L12は、仮想円C21の弦の一つと同一線上にある直線でもある。また、図5には、仮想円C21の接線のうち第2直線L12と平行な線を第3直線L13と表示している。第2直線L12と第3直線L13との間の寸法を減少幅D2とする。板部61は、仮想円C21と同一形状の円板を比較対象にすると、第1通気部62Aが設けられていることで、板部61が挿通部21に当接した場合の板部61の中心から挿通部21の内壁までの距離が最大で減少幅D2の分だけ小さくなる。
図6および図7は、弁体60の板部61と、挿通部21の開口部24と、弾性体30の弁孔31と、を示している。第2面61B側から板部61を見たものであるが、第2柱部66の図示は省略している。また、説明の便宜上、寸法関係を模式的にしたものであり、図6および図7は実際の寸法関係を表すものではない。
図6には、弁体60の中心軸が連通路22の中心軸と一致するように板部61が配置されている例を示している。すなわち、弁体60の中心軸が軸線C11と一致している。図6に示すように、弁体60の中心軸が軸線C11と一致している場合、板部61によって弁孔31を閉塞することができる。弁孔31は、図2に示したように、板部61における第1面61Aが弾性体30に当接することによって閉塞される。すなわち、板部61の第1面61Aは、弁孔31の径よりも直径が大きいシール面を含んでいる。
図7には、弁体60の中心軸が軸線C11からずれて板部61が挿通部21の内壁に当接した場合の例を示している。具体的には、板部61の第7当接部63Gおよび第8当接部63Hが挿通部21の内壁に当接している。弁体60では、図7に示すような位置に弁体60がずれた場合でも板部61によって弁孔31を閉塞することができる。図8は、比較例としての弁体260を示す。弁体260では、通気部の深さが弁体60と比較して大きくなっているが、その他は弁体60と共通である。図8に示す例では、通気部262C~262Eが弁孔31と重なっており、弁孔31が開放されている。このように弁体の位置がずれた際に弁孔31を閉塞することができるか否かは、弁体の大きさが共通であれば通気部の深さによって変わる。バルブ20では、図7に示すような位置まで弁体60がずれたとしても、弁孔31と第1通気部62A~第9通気部62Iとが重ならないように、各通気部62A~62Iの位置および大きさが設定されている。図7に示す例では第8当接部63Hと対向する位置にある第4通気部62Dが弁孔31に最も近づいているが、第4通気部62Dは、弁孔31よりも径方向外側に位置している。
なお、弁体60は、実際には第1柱部65を備えている。図2に示すように第1柱部65が弁孔31に挿入されているため、弁体60の中心軸が連通路22の中心軸からずれる方向に弁体60が変位することは第1柱部65と弾性体30とが当接することによって規制される。すなわち、図7に示したような当接部63A~63Iと挿通部21の内壁との接触は、生じにくい。各通気部62A~62Iの位置および大きさは、第1柱部65と弾性体30とによる弁体60の変位の規制を考慮して、少なくとも弁体60が変位可能な範囲内に弁体60が位置しているときには弁孔31と第1通気部62A~第9通気部62Iとが重ならないように設定されていればよい。
本実施形態の作用について説明する。
図9は、内部空間12から外部空間13への排気が行われるときの弁体60の位置を例示している。内部空間12の圧力が高くなり、弁体60、弾性体30および可動体50を挿通部21から離れる方向に押圧する力が第2スプリング72の弾性力を上回ると、弁体60、弾性体30および可動体50が挿通部21から離れる方向に変位する。弾性体30が挿通部21から離間するため、連通路22が開放されて、内部空間12と外部空間13とが連通する。バルブ20がこの状態であるとき、内部空間12の圧力が高いため、内部空間12から外部空間13への排気が行われる。内部空間12の空気は、連通路22を通り、挿通部21とカバー29との間の隙間を通って外部空間13に排出される。
図10は、外部空間13から内部空間12への吸気が行われるときの弁体60の位置を例示している。内部空間12の圧力が低くなり、弁体60を着座部25側に吸引する力が第1スプリング71の弾性力を上回ると、弁体60が着座部25側に変位する。弁体60が弾性体30から離間するため、弁孔31が開放されて、内部空間12と外部空間13とが連通する。バルブ20がこの状態であるとき、内部空間12の圧力が低いため、外部空間13から内部空間12への吸気が行われる。外部空間13の空気は、挿通部21とカバー29との間の隙間を通ってカバー29内に入り、収容孔54と弁孔31と連通路22を通過して内部空間12に吸引される。空気は、収容孔54に入るときにはフィルタ55を通過する。
図10には、弾性体30から離間した弁体60が着座部25に当接するまで変位した状態を示している。このとき、弁体60では、板部61の第1当接部63A~第9当接部63Iのうち第2面61B側の部分が着座部25に当接している。第1通気部62A~第9通気部62Iが設けられていることによって、弁体60が着座部25に当接した状態で弁体60と着座部25との間に隙間ができ、外部空間13と内部空間12とが連通している。
本実施形態の効果について説明する。
(1)ブリーザ装置10では、弁体60の板部61が連通路22内に配置されているため、弁体60が変位する際に挿通部21の内壁によって弁体60が案内されやすくなる。さらに、弁孔31および収容孔54に挿入されている第1柱部65と、連通路22に挿入されている第2柱部66と、を弁体60が備えていることによって、連通路22の中心軸と弁体60の中心軸とのずれが発生しにくくなっている。これによって、開弁と閉弁とが繰り返される場合に弁体60の変位を安定させることができる。弁体60の変位が安定することで、閉弁状態において弾性体30と弁体60とが密着しない状態が発生することを抑制できる。
(2)弁体60の板部61に通気部62A~62Iが設けられていることによって、弁体60が弾性体30から離間する吸気の際に、空気が各通気部62A~62Iを流れることができる。これによって、通気部62A~62Iが設けられていない場合と比較して、吸気の際に空気が連通路22を流れやすくなる。
(3)弁体60では、第1通気部62A~第9通気部62Iのうち隣り合う二つの通気部に挟まれた位置に当接部63A~63Iが配置されている。このため、弁体60が弾性体30から離間して連通路22が開放される吸気の際には、各当接部63A~63Iによって弁体60が着座部25に当接することができるとともに、弁体60が着座部25に当接した状態では通気部62A~62Iが設けられていることによって弁体60と着座部25との間に隙間ができる。
弁体60が着座部25に当接することができるため、係止部を構成する弾性体30から離間した弁体60の位置が特定の位置に収まりやすくなる。これによって、連通路22の中心軸と弁体60の中心軸とがずれることを抑制できる。さらに、通気部62A~62Iが設けられていることによって、弁体60が着座部25に当接した場合でも弁体60によって連通路22が閉塞されずに外部空間13と内部空間12とを連通させることができる。
(4)弁体60では、各通気部62A~62Iの大きさがそれぞれ等しく、各当接部63A~63Iの大きさがそれぞれ等しく、板部61の周方向において当接部63A~63Iが等間隔に並んでいる。これによって、弁体60が着座部25に接触する位置まで変位したときには、弁体60は、安定した姿勢で着座部25に当接することができる。
(5)弁体60では、板部61に通気部62A~62Iを設けつつも、板部61の第1面61Aには弁孔31の径よりも径が大きいシール面が確保されている。さらに、仮に弁体60の中心軸が挿通部21の中心軸からずれた場合でも弁孔31を閉塞できるように通気部62A~62Iの位置および大きさが設定されている。これによって、弁体60と弾性体30との当接によって連通路22を閉塞する機能を損なうことなく、連通路22を開放するときには連通路22によって弁体60を案内して着座部25に弁体60を着座させることができ、且つ弁体60が着座部25に当接した状態で弁体60を通過する空気量を確保することができる構成を実現できる。
(6)ブリーザ装置10のバルブ20では、板部61の縁が凹んだ通気部62A~62Iが設けられていることで、挿通部21の内壁と弁体60の板部61との間の隙間は、板部61に通気部62A~62Iが設けられていない場合と比較して大きい部分ができる。仮に、軸線C12と直交する直線上に二つの通気部が配置されている場合、当該直線の方向における挿通部21の内壁と板部との隙間が大きくなる幅は、減少幅D2の二倍に相当する。軸線C12と直交する直線上の方向における隙間が大きいほど、弁体が着座部に当接する際の弁体の位置がずれやすく、板部の中心が挿通部の内壁に近づきやすくなる。着座部25が、開口部24から離れた内部空間12側ほど連通路22を狭くするよう傾斜した面を備えているため、弁体60の位置がずれると、弁体60の中心軸が軸線C11に対して傾斜して、弁体の姿勢が崩れることがある。
この点、弁体60では、各通気部62A~62Iと対向する位置に当接部が設けられており、軸線C12と直交する直線上に配置されている通気部が一つである。このため、軸線C12と直交する直線上における板部61の長さが減少する幅は、減少幅D2となる。軸線C12と直交する直線上に二つの通気部を配置する場合と比較して、当該直線の方向における挿通部21の内壁と弁体60の板部61との隙間が大きくなることを軽減できる。弁体60が着座部25に当接する際の弁体60の位置がずれることを抑制できる。
(7)弁体60には、各当接部63A~63Iにおける弧の長さの合計が円周の長さの半分となるように当接部63A~63Iを設けている。このため、各通気部62A~62Iと板部61の中心とを通る直線上に他の通気部が存在しないようにしつつ、各通気部62A~62Iでの板部61の周方向における大きさを最大限に確保することができる。したがって、弁体60によれば、着座部25に着座した状態の弁体60の姿勢の安定化と、通気部62A~62Iを通じた空気の流れの確保との両立を図ることができる。
(8)ブリーザ装置10では、弁体60が当接する弾性体30が、弁体60よりも弾性率が小さい材料によって成形されている。これによって、弁体60が係止部である弾性体30に当接する際に弾性体30の弾性変形によって弁体60と弾性体30とが密着しやすくなり、弁体60と弾性体30との間でのシール性を向上させることができる。
また、可動体50が弾性体30に当接する際にも弾性体30の弾性変形によって可動体50と弾性体30とが密着しやすくなるため、可動体50と弾性体30とのシール性も向上させることができる。
(9)ブリーザ装置10では、吸気時における外部空間13から内部空間12までの空気の流れの経路上にフィルタ55が配置されている。これによって、吸気の際に外部空間13から内部空間12に液体が吸引されることを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ブリーザ装置10におけるバルブ20の弁構造は、上記実施形態において図2に示した構造に限らない。弁構造が異なる場合でも、板部61に通気部62A~62Iを備える弁体60を採用することができる。
たとえば、ブリーザ装置における連通路の閉塞および開放を行う弁構造としては、弁体60と、弁体60の変位を規制する係止部と、係止部である弾性体30の弁孔31と、弁体60を付勢する第1スプリング71と、着座部25と、を備えていればよい。こうした弁構造であっても、内部空間12の圧力が低くなった場合に外部空間13から内部空間12への吸気を行うことができる。弁体60に通気部を形成することで、上記実施形態において通気部62A~62Iを設けて得られる効果と同様の効果を奏することができる。
また、たとえば、連通路における外部空間側の端部に着座部を設けて、連通路における内部空間側の端部に弁孔を有する係止部を設けて、着座部と係止部との間に弁体を収容して、弁体を付勢するスプリングによって弁体を係止部側に押し付けるようにした弁構造に、上記実施形態と同様の通気部62A~62Iを採用してもよい。こうした弁構造によれば、内部空間12の圧力が高くなった場合に内部空間12から外部空間13への排気を行うことができる。そして、排気の際に、通気部62A~62Iが設けられていることによって連通路を通過する空気量を多く確保できる効果を奏することができる。
・上記実施形態では、弾性体30および可動体50によって係止部を構成している。係止部としては、弾性体30を可動体50に取り付けて、弾性体30と可動体50とが一体に変位可能なように構成してもよい。
・係止部としては、弾性体30を省略することもできる。この場合、可動体50のフランジ部52が挿通部21に当接する。フランジ部52が挿通部21に押し付けられている状態では、フランジ部52が弁体60の変位を規制する。
・係止部として弾性体30を省略した構成を採用する場合には、弁体60よりも弾性率が小さい材料によって可動体50を形成することで、弁体60と可動体50とのシール性を向上させることができる。
・可動体50に取り付けられているフィルタ55は必須の構成ではない。
・上記実施形態では、樹脂材料によって成形された弁体60を採用している。弁体60の材料は、これに限られたものではなく適宜変更することができる。弁体60と係止部とのシール性が向上するように弁体60および係止部の材料を選択することが好ましい。
・上記実施形態では、弁体60は、九個の通気部62A~62Iを備えている。通気部を設ける数は、これに限定されるものではない。通気部は、八個以下でもよいし十個以上でもよい。なお、通気部が奇数個であると、板部において通気部に対向する位置に当接部を設けてバランスよく通気部を配置することができる。
・上記実施形態における各通気部62A~62Iの形状および各部の寸法は、一例である。たとえば、各通気部62A~62Iの深さを変更してもよい。また、通気部62A~62Iに関しての減少幅D2が変わるように通気部62A~62Iの寸法を変更してもよい。
・上記実施形態では、図4に示したように、第1面61A側から板部61を見たときの各通気部62A~62Iの底面622を円弧状とした。底面622の形態はこれに限らない。たとえば、図4に示す板部61と同様の角度で板部61を見たときに、凹側面621における軸線C12側の端に位置する辺同士を底面622が直線状に繋ぐ形態を採用してもよい。
・上記実施形態は、図3および図4に示したように、板部61の側面が軸線C12に近づく方向に凹んだ形状としての各通気部62A~62Iを備えている。板部に形成する通気部としては、弁孔31を閉塞するシール面を確保しつつ、弁孔31を開放した際に連通路22を通過する空気量を多くすることができる形状であればよく、上記実施形態に示した形状に限らない。たとえば、図11に示すような通気部を板部に形成することもできる。
図11に示す弁体160は、板部161に通気部162と当接部163とを備えている。通気部162は、二つの凹側面162Aと、底面162Bとによって構成されている。一つの通気部162において凹側面162Aは、底面162Bから離れた位置ほど互いに近づくように広がっている。すなわち、図11に示すように、通気部162は、板部161の中心側よりも板部161の外縁側ほど狭くなっている。
・上記実施形態では、すべての通気部62A~62Iを共通の形状としているが、一部の通気部の形状を他の通気部の形状と異なるようにしてもよい。この場合でも、板部において通気部に対向する位置には当接部が配置されるようにすることが好ましい。
・上記実施形態では、弁体60は、第1柱部65および第2柱部66を備えている。弁体60としては、板部61を備えていれば弁孔31の閉塞および開放を行うことができる。すなわち、第1柱部65および第2柱部66を省略した弁体を採用してもよいし、第1柱部65または第2柱部66を省略した弁体を採用してもよい。
・上記実施形態における変速機90は、ケース11に収容される機器の一例である。
10…ブリーザ装置
11…ケース
12…内部空間
13…外部空間
20…バルブ
21…挿通部
22…連通路
24…開口部
25…着座部
29…カバー
30…弾性体
31…弁孔
50…可動体
52…フランジ部
54…収容孔
55…フィルタ
60…弁体
61…板部
62A~62I…第1通気部~第9通気部
63A~63I…第1当接部~第9当接部
65…第1柱部
66…第2柱部
71…第1スプリング
72…第2スプリング
90…変速機
621…凹側面
622…底面

Claims (6)

  1. 内部空間に機器を収容するケースと、前記内部空間を密封するバルブと、を有し、前記ケースの外側の空間である外部空間と前記内部空間との差圧に基づいて前記バルブが開弁して、前記外部空間から前記内部空間への吸気または前記内部空間から前記外部空間への排気を行うことができるブリーザ装置であって、
    前記バルブは、前記ケースを貫通する挿通部と、該挿通部に形成されており前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通路と、該連通路の閉塞および開放を行う弁構造と、を備え、
    前記弁構造は、前記連通路に配置されており当該連通路内を変位可能な弁体と、該弁体の変位を規制する係止部と、該係止部に形成されており前記弁体の直径よりも径が小さい弁孔と、前記弁体を前記係止部に押し付けるスプリングと、前記挿通部において前記弁体を挟んで前記係止部とは反対側に位置しており前記係止部から離れた位置ほど前記連通路が狭くなるように傾斜している着座部と、を有し、
    前記弁体は、前記弁孔の径よりも直径が大きいシール面を有する円板状の板部と、当該板部の縁が径方向内側に凹んだ通気部と、を有し、
    前記弁体における前記シール面と前記係止部とが当接して前記弁孔が塞がれた状態では、前記連通路が閉塞され、
    前記弁体が前記係止部から離間した状態では、前記連通路が開放され、前記弁体が前記係止部から離間しており前記弁体と前記着座部とが当接している状態では、前記通気部を介して前記外部空間と前記内部空間とが連通する
    ブリーザ装置。
  2. 前記弁体には、前記通気部が複数形成されており、前記板部の周方向において各通気部が等間隔を空けて配置されている
    請求項1に記載のブリーザ装置。
  3. 前記弁体における複数の前記通気部は、各通気部と前記板部の中心とを通る直線上には、複数の前記通気部における他の通気部が存在しないように配置されている
    請求項2に記載のブリーザ装置。
  4. 前記板部の縁における前記板部の周方向に隣り合う二つの前記通気部に挟まれた部分を当接部として、
    前記板部は、奇数個の前記通気部と、該通気部と同じ数の前記当接部と、を備え、
    前記当接部における弧の長さは、すべての前記当接部において等しく、
    すべての前記当接部における弧の長さの合計が前記板部における円周の長さの半分に等しい
    請求項3に記載のブリーザ装置。
  5. 前記係止部は、前記弁体よりも弾性率が小さい材料によって成形されている
    請求項1~4のいずれか一項に記載のブリーザ装置。
  6. 前記弁体と前記係止部とによって前記外部空間と前記内部空間との連通を遮断する弁が構成されており、
    前記係止部は、前記挿通部における前記連通路の前記外部空間側の端に配置されており、
    前記弁体は、前記スプリングによって前記内部空間側から前記係止部に押し付けられており、
    前記スプリングを第1スプリングとして、該第1スプリングに対して前記弁を挟んで対向する位置に、前記係止部を前記挿通部に押し付ける第2スプリングをさらに備え、
    前記弁構造は、前記係止部の前記弁孔を前記弁体が塞いだ状態の前記弁が前記挿通部に押し付けられることによって、前記連通路を閉塞した状態となる
    請求項1~5のいずれか一項に記載のブリーザ装置。
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