JP7239420B2 - 配策材の結束構造 - Google Patents

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Description

本発明は配策材の結束構造に関する。
車両には、信号線や電源線を有した配線群からなるワイヤーハーネスを結束状態で車体に保持するために、特許文献1等のようなクランプが使用されている。
こうした係合部材は、ベルトやテープ等によってワイヤーハーネスと共に結束保持されることにより、ワイヤーハーネスに対し一体となる形で取り付けられる。そして、ワイヤーハーネスと一体となった係合部材は、係合部が車体側の固定孔に挿入されて車体側に組み付けられる。こうした係合部材は、ワイヤーハーネスに対しその長手方向の各所定位置に取り付けられ、それぞれが車体側に設けられた対応する位置の固定孔に挿入されて組み付く。
特開2007-282352号公報
ところで、近年では、信号線をなすワイヤーハーネスと、電源線をなす平型配策材とをそれぞれ別に用意して車体に配策されることがある。しかしながら、平型配策材が用いられる場合、従来の係合部材には次のような問題がある。
即ち、従来の係合部材は、可撓性を有するワイヤーハーネスに対して取り付けられるため、係合部と車体側の固定孔との間に多少の位置ずれがあったとしても、ワイヤーハーネスを撓ませることによってそのずれを吸収できるから、係合部を車体側の固定孔に確実に挿入させることが可能であった。ところが、剛性の高い平型配策材が採用されると、撓ませることによる位置ずれの吸収はできない。その結果、平型配策材を含む配策材に対し係合部材を取り付ける際に、係合部を車体側の固定孔に確実に挿入できるよう、その取り付け位置をシビアに管理する必要が生じ、平型配策材を含む配策材に対し係合部材を取り付ける作業の効率が大きく落ちる可能性がある。
一方で、そうした配策材に対し係合部材を移動可能となる形で取り付ける構造が考えられている。この場合、係合部材の移動によって係合部の位置を変えることができるから、より確実に係合部を車体側の固定孔に確実に挿入できる。しかしながら、移動が可能になることで、係合部の位置が大きくずれてしまう等、かえって組み付けにくくなる可能性もある。
本発明の課題は、長手状の配策材に対し係合部材をその長手方向に移動可能に取り付けるにあたり、その移動に起因した係合部材の係合部の組み付けにくさを低減できる配策材の結束構造を実現することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するための配策材の結束構造は、
長手状の配策材と、
前記配策材を取り巻いて結束する結束部材と、
車体側に組み付けるための係合部と、前記配策材に対しその長手方向に摺動可能となる形で該配策材を取り付けるための取付部と、前記配策材に対し前記長手方向における第一側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部と、前記配策材に対し前記長手方向における前記第一側とは逆の第二側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部と、を有する係合部材と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、係合部材は、配策材を束ねる結束部材を利用する形で、その移動範囲を所定範囲に限定することができる。これにより、係合部を車体側の固定孔等に組み付ける際に、係合部が移動しすぎることを防ぐことができ、移動による組み付けにくさを低減できる。
上記本発明における前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向における前記第一側結束部材と前記第二側結束部材との間に設けられるようにできる。この構成によれば、結束部材を利用して係合部材の移動範囲を容易に限定できる。具体的にいえば、前記第一側結束部材と前記第二側結束部材との間に設けられる前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、係合部材に設けられている係合部とすることができる。この場合、係合部材側に追加構造が一切必要なくなる。なお、前記第一側結束部材と前記第二側結束部材との間に設けられる前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記取付部そのものとする、もしくは前記取付部に設けられていてもよい。
上記本発明における前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、前記第一移動規制部は、前記第二側結束部材よりも前記長手方向における前記第二側に設けられ、前記第二移動規制部は、前記第一側結束部材よりも前記長手方向における前記第一側に設けられるようにできる。この構成においても、結束部材を利用して係合部材の移動範囲を容易に限定できる。
上記本発明における前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向において前記結束部材を挟むように設けることができる。この構成によれば、例えば、1つの結束部材を利用する形で、係合部材の移動範囲を容易に限定できる。具体的にいえば、前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部の一方を、前記係合部とすることができる。また、前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部の一方を、前記取付部そのものとする、もしくは前記取付部に設けることもできる。さらにいえば、前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部の一方を前記係合部とし、他方を取付部に設けることもできる。
なお、本発明における配策材は、平板状の平型配策材のみに限らず、ワイヤーハーネスのような可撓性を有する配策材にも適用可能である。
本発明の第一実施例をなす配策材の結束構造を示した斜視図。 図1の配策材の結束構造において係合部材の一方の被結束部側を示した平面図。 図2のIII-III断面図。 図2のIV-IV断面図。 係合部材が挿入固定される車体側の固定孔を示した側面図。 係合部材の係合部が車体側の固定孔に挿入される前後の状態を示した正面図。 図6の側面図。 係合部材の係合部が挿入された車体側の固定孔の底面図。 本発明の第二実施例をなす配策材の結束構造を示した斜視図。 図9の係合部材に配策材を取り付けて結束保持状態とする方法を示した斜視図。 図9の係合部材に配策材が結束保持された状態を示した断面図。 図9の係合部材に、図11とは異なる幅の配策材が結束保持された状態を示した断面図。 本発明の第三実施例をなす配策材の結束構造を示した斜視図。 図13の側面図。 図1の第一変形例である配策材の結束構造を示した正面図。 図1の第二変形例である配策材の結束構造を示した正面図。 図1の第三変形例である配策材の結束構造を示した正面図。 図1の第四変形例である配策材の結束構造を示した斜視図。
以下、本発明の第一実施例を、図面を参照して説明する。
本実施例では、図1及び図2に示すように、第一の配策材をなす可撓性配策材2と、第二の配策材をなし、可撓性配策材2よりも高剛性で平板状の平型配策材3と、配策材2、3を結束ないし拘束する結束部材5R、5Lと、車体100側に組み付けるための係合部40と配策材2、3と共に結束部材5R、5Lに結束保持される被結束部41R、41L(取付部)とを一体に有した係合部材4と、を備えた配策材の結束構造1が形成される。
可撓性配策材2は、長手状に延出する複数の配線が束をなした可撓性を有する部材である。ここでの可撓性配策材2は、信号線を形成するワイヤーハーネスである。なお、本発明の可撓性配策材2は、ワイヤーハーネスに限るものではない。
平型配策材3は、平板状をなして長手状に延出し、可撓性配策材2よりも高剛性かつ低撓性を有する部材である。ここでの平型配策材3は、電源線を形成する金属製のバスバーである。平型配策材3は、外周面を形成する四面がそれぞれ平型配策材3自身の長手方向に延びる平面として形成されている。なお、本発明の平型配策材3は、フラット電線をなすFFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuit)でもよく、バスバーに限るものではない。
係合部材4は、図6及び図7に示すように、車体100側に組み付けるための係合部40を有する。
係合部40は、車体100側に設けられた固定部101の所定の固定孔101H(図5参照)に挿入されることにより、その固定孔101Hに対し、抜け止め状態となるよう係合して組み付くアンカー部である。ここでの係合部40は、図6及び図7に示すように、固定孔101Hに挿入される柱部40Bと、柱部40Bと共に固定孔101Hに挿入され、挿入した先で固定孔101Hの周辺部101Rに対し抜け止め状態となるよう係合する弾性係止片40Aと、その抜け止め状態において固定孔101Hの周辺部101Rを弾性係止片40Aとの間で挟み込む当接部40Cと、を有する。
弾性係止片40Aは、柱部40Bの先端側(図6及び図7の柱部40Bの上側)からその基端側(図6及び図7の柱部40Bの下側)に向かうほど柱部40Bから離れる側に拡がる形状をなし、その基端側が柱部40Bに接近する弾性変形が可能とされている。弾性係止片40Aは、固定孔101Hに対し所定の挿入方向Zに向けて挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rによって孔内向き(図6の矢印R側)に押し込まれ、柱部40Bに接近する弾性変形が生じるが、所定位置まで挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの奥側(図6及び図7上側)から係止し、挿入方向Zの逆向きへの抜けが阻止された抜け止め状態となる。
当接部40Cは、柱部40Bの基端側から挿入方向Zに向けて皿状に広がる形状をなしており、固定孔101Hの周辺部101Rに対し環状をなして当接する。当接部40Cは、上述の抜け止め状態において、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの手前側(図6及び図7下側)から当接し、弾性係止片40Aとの間で当該周辺部101Rを挟み込む。これにより、係合部40は、固定孔101Hに対し抜け止め状態となって組み付く。また、当接部40Cは、固定孔101Hの挿入方向Zの奥側(図6及び図7上側)から手前側(図6及び図7下側)へと固定孔101Hを通って進入する異物(埃等)を防ぐ役割も果たしている。
また、係合部材4は、図1及び図2に示すように、平型配策材3を取り付けるための取付部として、被結束部41R、41Lを有する。
被結束部41R、41Lは、平板状の平型配策材3を含む1又は複数の配策材2、3に添設されて結束部材5R、5Lにより結束される。被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3が結束される際に、それら配策材2、3と共に取り巻かれて結束保持される配策材2、3のための取付部である。また、ここでの被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3と共に結束保持された結束保持状態において、配策材2、3の長手方向Xに延出する袖部である。具体的にいえば、被結束部41R(第一側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として上記結束保持状態における配策材2、3の長手方向Xの第一側(XR側)に延出する。他方、被結束部41L(第二側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として第一側とは逆の長手方向Xの第二側に延出する。
結束部材5R(第一側結束部材)は、図1に示すように、係合部材4の係合部40に対し上記長手方向Xの第一側(XR側)で、被結束部41Rと共に平型配策材3及び可撓性配策材2を取り巻いて結束する。他方、結束部材5L(第二側結束部材)は、第一側とは逆の長手方向Xの第二側(XL側)で、被結束部41Rと共に平型配策材3及び可撓性配策材2を取り巻いて結束する。
ここでの結束部材5R、5Lは、可撓性を有した長手状の部材であり、図3に示すように、結束対象と対面する側の面(結束対象を取り巻いたときの内周面)が接着面5bをなすテープ部材である。結束部材5R、5Lは、取り巻いた結束対象との接触部分に対し接着するとともに、自身の両端部が重なる形で互いに接着することにより結束状態となる。なお、結束部材5R、5Lは、テープ部材に限らず、ベルト部とバックル部とを有したベルト部材等であってもよい。
結束部材5R、5Lの結束対象には、平型配策材3と可撓性配策材2と共に、係合部材4の対応する被結束部41R、41Lが含まれている。このため、結束部材5R、5Lは、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41R、41Lを結束し、上記の結束状態となることにより、平型配策材3と可撓性配策材2とが係合部材4に取り付けられて保持された結束保持状態となる。
ところで、被結束部41R、41Lは、係合部材4を配策材2、3に対しその長手方向Xに移動可能となる形で取り付けるための部位である。ここでの被結束部41R、41Lは、配策材2、3の長手方向Xに摺動する形で移動可能とされた摺動部をなす。その摺動が容易となるように、本実施例の被結束部41R、41Lは、図1及び図2に示すように、結束部材5R、5Lによる上記の結束保持状態において結束部材5R、5Lと密着する結束部材側外表面41bに、結束部材5R、5Lとの密着面積を減少させることにより該結束部材5R、5Lとの摺動抵抗を減じる摺動抵抗低減部として、凹凸部41Tが設けられている。さらに、ここでの被結束部41R、41Lは、凹凸部41Tが設けられていることによって、配策材2、3を、その長手方向Xだけではなく、その長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yにもわずかに摺動できる。
ここでの凹凸部41Tは、被結束部41R、41Lにおいて配策材2,3との対向面とは反対側で、結束部材に対向する結束部材側外表面41bに形成され、上記の結束保持状態において結束部材との接触面積を減少させている。凹凸部41Tは、凹部及び凸部のいずれか又は双方が長手方向Xに延びる形で形成されている。被結束部41R、41Lには、図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが、載置される平型配策材3の長手方向Xに直線状に延出して形成されている。凹凸部41Tは、その載置面41aには非形成とされ、載置面41aの裏側の結束部材側外表面41bにおいて、長手方向Xに直線状に延びる形で形成されている。
このような凹凸部41Tが形成されていることにより、係合部材4は、図1に示すように、平型配策材3と可撓性配策材2と対応する被結束部41R、41Lとを結束部材5R、5Lによって結束した結束保持状態において、結束部材5R、5Lと平型配策材3に対し被結束部41R、41Lを摺動させる形で、平型配策材3と可撓性配策材2に対し、主には長手方向Xに移動可能とされ、さらには直交方向Yにもわずかに移動可能とされている。本実施例において結束保持状態となった結束部材5R、5Lは、図3に示すように、内周側の平型配策材3と可撓性配策材2と係合部材4の被結束部41R、41Lを挟圧して結束するとともに、それらとの接着によってその結束状態を維持している。ところが、結束部材5R、5L(図3では5Rのみ)は、被結束部41R、41Lとの密着面積(接触面積)が凹凸部41Tによって減じられていることにより、被結束部41R、41Lとの間の接着力が低下している。このため、被結束部41R、41Lを有する係合部材4だけが、結束及び接着により固定されている残余の部材2、3、5R、5Lに対し摺動して移動することができる。
具体的にいえば、図4に示すように、被結束部41R、41Lの凹凸部41Tは、結束部材5R、5Lが平型配策材3と可撓性配策材2と被結束部41R、41Lを取り囲む周方向における区間5r内で結束部材5R、5Lと対向する。区間5rには、凹凸部41Tが結束部材5R、5Lと密着する密着区間5r1と、結束部材5R、5Lとの間に空隙5Sが介在する形で対向する非密着区間5r2とが凹凸によって形成され、これらの凹凸により、上記の結束保持状態において密着する結束部材5R、5Lとの接触面積が減じられている。ここでの密着区間5r1は、係合部材4の被結束部41R、41Lがテープ部材をなす結束部材5R、5Lの接着面5bと接着する接着区間であり、非密着区間5r2は、係合部材4の被結束部41R、41Lが結束部材5R、5Lの接着面5bと接着しない非接着区間である。密着区間5r1(接着区間)が長くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が広い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が大きくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しにくくなる。他方、非密着区間5r2(非接着区間)が短くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が狭い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が小さくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しやすくなる。
なお、ここでの凹凸部41Tは、図2及び図4に示すように、係合部40から長手方向Xに延びる突条部41T1と、当該突条部41T1に隣接する段差凹部41T2とが形成されている。そして、図4に示すように、結束部材5R、5Lが突条部41T1の突出先端面41Taと密着する区間が上記密着区間5r1、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2と空隙5Sを挟んで対面する区間が上記非密着区間5r2、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2の外側角部41Tbと密着する区間が上記密着区間5r1となっている。
また、被結束部41R、41Lでは、図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが長手方向Xの拡がる平坦面として形成される。一方、この載置面41aに載置される平型配策材3も、この載置面41aとの接触面が長手方向Xの拡がる平坦面として形成されている。このため、係合部材4は、結束部材5R、5Lによる結束保持状態にあっても平型配策材3と結束部材5R、5Lとの双方に対し摺動しやすく、長手方向における位置移動が容易となる。
また、係合部材4は、係合部材4の結束部材5R、5L及び配策材3に対する長手方向X(図1の矢印方向XR、XL)の移動(ここでは摺動)を、所定位置で規制する移動規制部を有する。移動規制部は、配策材3に対し長手方向Xにおける第一側(XR側)に摺動した場合に結束部材5R(第一側結束部材)と接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部として、係合部40を有する。また、移動規制部は、配策材3に対し長手方向Xにおける第一側とは逆の第二側に摺動した場合に結束部材5L(第二側結束部材)と接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部として、同じく係合部40を有する。つまり、本実施例における第一移動規制部及び第二移動規制部は、結束部材5R、5Lとの間に設けられる係合部40である。これにより、係合部材4の移動範囲(以下、摺動可能範囲X1という)は、図1に示すように、係合部40が長手方向Xの第一側(XR側)で結束部材5Rに対し長手方向Xに接触して移動規制される第一側規制位置x1から、係合部40が長手方向Xの第二側(XL側)で結束部材5Lに対し長手方向Xに接触して移動規制される第二側規制位置x2までの間のみに制限されている。この係合部材4の摺動により、係合部40は、摺動可能範囲X1の中で任意に位置を変えることができる。
また、係合部40は、可撓性配策材2と平型配策材3とが結束部材5R、5Lによって被結束部41R、41Lと共に結束保持された結束保持状態において、係合部材4の可撓性配策材2側ではなく平型配策材3側(図3の破線Qよりも上側の領域)から突出して形成されている。具体的にいえば、係合部40は、上記結束保持状態にある係合部材4において、被結束部41R、41Lの接続部の、平型配策材3が載置される面41aの裏面41b側に形成されており、係合部40の柱部40Bが当該裏面41bから突出形成されている。
また、係合部材4は、係合部40が長手方向Xの両側に傾倒する可能性があるが、長手方向Xに延びる被結束部41R、41Lがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。このため、配策材3上での係合部材4の長手方向Xへの摺動を、係合部材4全体が平行移動する形でスムーズに行うことができる。また、係合部材4は、図1~図3に示すように、長手方向Xにおける係合部40の形成位置から、上記長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yの両側に突出する突出部41E、41Eを有する。係合部材4は、係合部40が上記直交方向Yの両側にも傾倒する可能性があるが、直交方向Yに延びる突出部41E、41Eがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。配策材3上での係合部材4の直交方向Yへの摺動も、長手方向Xと同様、スムーズに行うことができる。
ところで、本実施例では、図6及び図7に示すように、長手状の配策材2、3を保持する係合部材4を車体100側の固定孔101Hに挿入して組み付ける係合部材4の組み付け構造10が形成されている。この組み付け構造10において、固定孔101Hは、図5に示すように、予め定められた長幅方向H(長軸方向)に長く開口する長孔形状をなしており、係合部材4の係合部40は、図7に示すように、その固定孔101Hの長幅方向Hの任意の位置において挿入方向Zに挿入可能であり、挿入されることでその固定孔101H対し係合して組み付けられている。
なお、ここでの長幅方向Hは、上述の直交方向Yに一致しているため、長孔形状の固定孔101Hの長幅方向H(直交方向Y)の孔幅範囲Y1(挿入可能範囲)内であれば、係合部材4の係合部40はどの位置にも挿入できる。これにより、係合部材4は、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入組み付けするにあたり、固定孔101Hに対する位置ずれを、上記2方向X、Yにおいて吸収することができる。
係合部材4の係合部40が挿入可能となる長幅方向H(直交方向Y)における範囲Y1は、係合部40が直交方向Yの第一側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第一側規制位置y1から、係合部40が直交方向Yの第一側とは逆の第二側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第二側規制位置y2までの間とされている(図7の下図参照)。これにより、係合部40は、範囲Y1の中で任意の位置に挿入できる。
また、図6及び図7に示すように、係合部40は、固定孔101Hに挿入されるときの先頭面40Ba(挿入方向Zの前方側の先端面)が、外周側ほどその挿入方向Zの後方側に位置するように傾斜した傾斜面をなす。これにより、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入する際に、係合部40の挿入方向Zの先端が固定孔101Hの内側にさえ位置していれば、係合部材4を挿入方向Zに押し込んでいくだけで、固定孔101Hの内縁が傾斜面をなす先頭面40Ba上を滑って、矢印Z0のような方向に沿って挿入が進む。このとき、係合部40は、固定孔101Hの内縁によって押し付けられるが、上述したように係合部材4は2方向X、Yへの位置移動が可能となっているので、押し付けに伴い自らの位置を変えながら係合部40を挿入可能な位置まで到達させることができる。そして、最終的に係合部40は、固定孔101H内に挿入係止される形で車体100側に組み付けられる。
また、図2及び図3に示すように、係合部40が固定孔101Hに挿入されて組み付けられた際に、該固定孔101Hに挿入されない非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)は、直交方向Yにおいて配策材2、3よりも外側に突出する突出部41E、41E(突起部)を有する。他方、固定孔101Hの孔周辺部101Rは、図8に示すように、係合部40が挿入されてくる側の面101aの、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(図中の長幅方向H)の双方の側において、該固定孔101Hから所定距離離れた位置に目印部101Q、101Qを有するように形成される。この構成によれば、図8に示すように、直交方向Y(長幅方向H)における突出部41Eと目印部101Qとの対向間隔によって、係合部40が長孔状の固定孔101Hのどの位置に組み付いているのか、目印部101Q、101Qのうちのどちら側に偏った位置で組み付いているのかがわかりやすい。また、固定孔101Hに対する係合部40の組み付いた位置は、係合部40を挿入組み付けした作業者の側から見ることができる利点もある。目印部101Q、101Qは、凹凸により形成することができ、ここでは面101aに対し円筒状に凹む凹部として形成されている。
また、ここでの突出部41Eは、図2及び図3に示すように、上記非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)から直交方向Yの双方の側に突出形成され、目印部101Qは、図8に示すように、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(長幅方向H)の双方の側に設けられている。そして、それら突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、固定孔101Hを係合部40が挿入されてくる側から正面視したときに、直交方向Y(長幅方向H)に延びる同一直線上に位置して見える。つまり、突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、直交方向Yに直線状に並んでいるから、それらの対向間隔をより把握しやすくなっている。
また、ここでの被結束部41R、41Lは、その両外側において、被結束部41R、41Lの軸線に対し直交する方向に突出する外側凸部41Sを有しており、被結束部41R、41Lに対し結束部材5R、5Lが長手方向Xの外側に脱落することを防ぐ脱落阻止部としての役割を果たしている。ここでの外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの端部において係合部40が突出する側に突出して形成されている。また、外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの長手方向Xの外側端部において、上記載置面41aの直交方向Yに延出形成されるとともに、係合部40側の立面が凹凸部41Tと接続している。ここでの外側凸部41Sは、突条部41T1よりも高く突出形成されている。
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記した実施例とは別の実施例やそれら実施例の変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と、下記変形例及び別実施例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
例えば、本発明において可撓性配策材2を省略して平型配策材3のみとする、あるいは平型配策材3を省略して可撓性配策材2のみとすることが可能である。
上記実施例の結束部材5R、5Lは、テープ部材であったが、他の結束部材であってもよい。例えば結束部材5R、5Lは、配策材を取り巻くベルト部と、取り巻いたベルト部の両端を固定するバックル部と、を有した、いわゆるタイバンドのようなベルト部材であってもよいし、配策材の長手方向の第一側とその逆の第二側とで異なるものを用いてもよい。
上記実施例の取付部は、被結束部41R、41Lであり、係合部材4に配策材2、3を取り付けるために、それら配策材2、3と共に結束部材5R、5Lによって結束される部位であったが、配策材2、3に対しその長手方向Xに摺動可能となる形で該配策材2,3を取り付けるための部位であれば、他の構造を有していてもよい。
本発明の第二実施例について、図9~図12を用いて説明する。
第二実施例では、図9に示すように、第一実施例と同様、係合部材4の摺動可能範囲X1が、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間の範囲とされた結束構造1が形成されている。ただし、第一側規制位置x1及び第二側規制位置x2において、対応する結束部材5R、5Lに対し長手方向Xに接触するのは、係合部材4の係合部40ではなく、取付部41である。
第二実施例の係合部材4は、係合部40と、結束部材5R、5Lに結束された配策材2、3を取り付けるための取付部41と、を有する。
取付部41は、結束部材5R、5Lにより結束された可撓性配策材2と平型配策材3とを係合部材4に取り付けるために、配策材2、3のうち平型配策材3のみを把持する把持部である。取付部41は、平型配策材3をその長手方向Xに摺動可能に把持する。
取付部41は、図11に示すように、平型配策材3のみを所定の収容口42Hから内部に収容する収容部42と、収容した平型配策材3の収容口42Hからの抜けを阻止する抜け止め部43Kと、を有する。係合部材4は、収容部42に収容された平型配策材3が抜け止め部43Kによって収容口42Hからの抜けを阻止された把持状態となっても、収容した平型配策材3とその上に重なる可撓性配策材2との双方に対し長手方向Xへ摺動を伴った移動が可能とされている。なお、その摺動は、長手方向Xにおいて結束部材5R、5Lの結束位置が離れるほど容易となり、接近するほど難しくなる。
収容部42は、平型配策材3が載置される載置壁部42Aと、載置壁部42Aに対し載置された平型配策材3を挟んで対向する弾性壁部42Jと、載置壁部42Aと弾性壁部42Jとをそれらの対向方向Zと平型配策材3の長手方向Xとの双方に対し直交する直交方向Yの一方の側で連結する連結壁部42Iと、を有する。直交方向Yの他方の側には、収容口42Hが形成される。収容部42は、それら壁部41A、42J、42Iによって平型配策材3をコの字状(U字状)に取り囲み、かつ弾性壁部42J及び連結壁部42Iのいずれか又は双方の弾性変形により弾性壁部42Jの収容口42H側を載置壁部42Aに対し接近ないし離間させる弾性変形が可能とされている。
弾性壁部42Jは、結束部材5R、5Lによる配策材2、3の結束状態においてそれら配策材2、3の間に挟まれて挟圧される挟圧部であり、上記結束状態において平型配策材3と密着し、かつその逆側で可撓性配策材2とも密着する。
抜け止め部43Kは、収容部42に収容された平型配策材3を収容口42H側で係止して収容口42Hからの抜けを阻止する抜け止め係止部である。抜け止め部43Kは、弾性壁部42Jの収容口42H側に設けられ、収容部42から遠い側ほど載置壁部42Aに接近するよう階段状に突出し、その各段には、収容部42に収容された平型配策材3を係止する係止面42jを有している。これにより、図12に示すような、図11とは幅の異なる平型配策材3にも対応できる。
平型配策材3は、図10に示すように、収容口42Hから収容部42内に収容される際、係合部材4の抜け止め部43Kを載置壁部42Aから離間させる方向に押し出す形で弾性壁部42Jを撓ませて、収容部42内へと進入する(進入方向3Y)。一方、このとき係合部材4は、抜け止め部43Kが平型配策材3とその上に重なる可撓性配策材2との間に進入し(進入方向4Y)、弾性壁部42Jが平型配策材3と可撓性配策材2とに挟まれた挟圧状態となる。平型配策材3の進入が進み、抜け止め部43Kを乗り越えると、弾性壁部42Jが弾性復帰して、図12に示すように、階段状の抜け止め部43Kが、進入した平型配策材3の収容口42H側に回り込む。これにより、平型配策材3は、抜け止め部43Kによって収容口42Hからの抜けが阻止された形で収容部42内に収容される。この収容状態が平型配策材3が取付部41に把持された状態である。
可撓性配策材2は、図9に示すように、その長手方向Xにおいて結束部をなす結束部材5R、5Lに結束された結束区間Xbでは平型配策材3と密着する。他方、平型配策材3との間に挟圧部をなす弾性壁部42Jが介在する介在区間Xaでは、平型配策材3から引き離されている。このため、可撓性配策材2は、結束区間Xbから介在区間Xaにかけてが平型配策材3に対し離れる側に曲がった曲げ状態となっている。
本発明の第三実施例について、図13及び図14を用いて説明する。
第三実施例では、図13に示すように、第一実施例と同様、係合部材4の摺動可能範囲X1が、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間の範囲とされた結束構造1が形成されている。第一側規制位置x1及び第二側規制位置x2において、対応する結束部材5R、5Lに対し長手方向Xに接触するのは、第二実施例と同様、係合部材4の取付部41である。
第三実施例の係合部材4は、第二実施例と同様、係合部40と、結束部材5R、5Lに結束された配策材2、3を取り付けるための取付部41と、を有する。
取付部41は、図14に示すように、配策材2、3の双方を所定の収容口42Hから内部に収容する収容部42と、収容した配策材2、3のうち可撓性配策材2に重なる形で収容口42H側に位置する平型配策材3の収容口42Hからの抜けを阻止する抜け止め部43Dと、を有する。係合部材4は、収容部42に収容された平型配策材3が抜け止め部43Dによって抜け止め保持されることにより、配策材2、3の双方が把持された把持状態となり、この把持状態において、収容した配策材2、3に対し長手方向Xへ摺動を伴った移動が可能とされている。
収容部42は、可撓性配策材2が載置される載置壁部42Aと、載置壁部の両外側から互いに対向して立ち上がる側方壁部42B、42Bと、を有し、各側方壁部43Bの先端側の対向間が収容口42Hとして形成される。各側方壁部43Bは、先端側が互いの対向方向Yに撓む弾性変形が可能な弾性壁部である。
抜け止め部43Dは、収容部42に収容した配策材2、3のうち載置壁部41Aに載置された可撓性配策材2に重なる平型配策材3に対し収容口42H側で係止して該収容口42Hからの抜けを阻止する抜け止め係止部である。平型配策材3は、載置壁部41Aに載置された可撓性配策材2に重なる形で収容口42H側において、収容口42H側を塞ぐ蓋のように位置しており、可撓性配策材2の収容口42Hからの抜けを阻止している。
配策材2、3は、収容口42Hから収容部42内に収容される際、可撓性配策材2を先頭にして収容部42内へと進入する(図14参照)。このとき配策材2、3は、係合部材4の各抜け止め部43Dを離間させる方向(対向方向Y)に押し出す形で各側方壁部42Bを撓ませて、載置壁部41A側へと進入する(進入方向Z)。配策材2、3の進入が進んでそれらが両抜け止め部43Dを乗り越えると、各側方壁部42Bは弾性復帰する。この弾性復帰によって、抜け止め部43Dのいずれかの段の係止面42jが、進入した平型配策材3の収容口42H側に回り込む。これにより、平型配策材3は、抜け止め部43Dによって収容口42Hからの抜けが阻止された形で収容部42内に収容される。この収容状態が、配策材2、3が取付部41に把持された状態である。
なお、第二及び第三実施例において、配策材2,3に対する長手方向Xへの移動を規制する移動規制部は、第二実施例と同様、取付部41そのものである。取付部41は、配策材2,3に対し長手方向Xにおける第一側に摺動した場合に結束部材5Rと接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部として機能し、第一側とは逆の第二側に摺動した場合に結束部材5Lと接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部として機能する。
また、第二及び第三実施例の変形例として、係合部材4は、第二実施例や第三実施例の取付部41を長手方向Xに複数設けて、それらの間の位置で結束部材による配策材2、3の結束を行うことができる。この場合、係合部材4の摺動可能範囲は、長手方向Xにおいて結束部材を挟んで第一側に位置する一方の取付部41(第一移動規制部)に当該結束部材が接触する第一側規制位置と、係合部材4の摺動可能範囲は、その逆の第二側に位置する他方の取付部41(第二移動規制部)に当該結束部材が接触する第二側規制位置との間に定めることができる。
第一実施例の各種変形例について、図15~図18を用いて説明する。
図15に示す第一変形例は、結束部材5R、5Lの位置が第一実施例よりも外側に位置している。このため、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(図15の右側)に摺動させた場合には、係合部40が第一側の結束部材5Rと接触するよりも先に、その逆の第二側(図15の左側)の外側凸部41Sが結束部材5Lに接触する。このため、その外側凸部41Sが結束部材5Lに接触した第一側規制位置x1にて、係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(図15の左側)に摺動させた場合には、係合部40が第二側の結束部材5Lと接触するよりも先に、その逆の第一側(図15の右側)の外側凸部41Sが結束部材5Rに接触する。このため、その外側凸部41Sが結束部材5Rに接触した第二接触位置x2にて、係合部材4の第二側への摺動が規制される。
このように第一変形例では、取付部である被結束部41Rの第一側(図15の右側)に突出形成された外側凸部41Sが、係合部材4の第二側への摺動を規制する第二移動規制部として機能し、取付部である被結束部41Lの第二側(図15の左側)に突出形成された外側凸部41Sが、係合部材4の第一側への摺動を規制する第一移動規制部として機能しており、係合部材4の摺動可能範囲X1は、図15に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
図16に示す第二変形例は、各結束部材5R、5Lと係合部40との間の区間に、外側凸部41Sと同様の形で、各被結束部41R、41Lから突出する内側凸部41Pを有する。このため、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(図16の右側)に摺動させた場合には、第一側の内側凸部41Pが結束部材5Rに接触し、同時に第二側(図16の左側)の外側凸部41Sが結束部材5Lに接触する。このため、それら凸部41P、41Sが、対応する結束部材5R、5Lに接触した第一側規制位置x1にて、係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(図16の左側)に摺動させた場合には、第二側の内側凸部41Pが結束部材5Lに接触し、同時に第一側(図16の右側)の外側凸部41Sが結束部材5Rに接触して、係合部材4の第二側への摺動を規制する。このため、それら凸部41P、41Sが、対応する結束部材5R、5Lに接触した第二側規制位置x2にて、係合部材4の第第二一側への摺動が規制される。
このように第二変形例では、第一側(図16の右側)の被結束部41Rの外側凸部41Sと、第二側(図16の右側)の被結束部41Lの内側凸部41Pとが、第二移動規制部として機能し、第二側(図16の左側)の被結束部41Lの外側凸部41Sと、第一側(図16の右側)の被結束部41Rの内側凸部41Pとが、第一移動規制部として機能する。係合部材4の摺動可能範囲X1は、図16に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
なお、第一移動規制部及び第二移動規制部は、それぞれが1以上あればよく、複数ある場合には1つに省略できる。例えば、第二変形例の場合、被結束部41R、41Lの一方に、対応する側の結束部材5R、5Lを挟む形で外側凸部41S及び内側凸部41Pが形成し、被結束部41R、41Lの他方の外側凸部41S及び内側凸部41Pを省略してもよいし、さらにいえば、他方の被結束部そのものを省略してもよい。また、第二変形例の場合、長手方向Xの第一側及び第二側の内側凸部41Pのみを形成し、第一側及び第二側の外側凸部41Sを省略してもよい。
図17に示す第三変形例は、係合部40の下側に台座部41Qが形成されている。台座部41Qは、被結束部41R、41Lの軸線に対し直交する方向に膨出する形で形成されており、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(図17の右側)に摺動させた場合には、その台座部41Qが結束部材5Rと接触し、接触した第一側規制位置x1にて係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(図17の左側)に摺動させた場合には、その台座部41Qが結束部材5Lに接触し、接触した第二接触位置x2にて係合部材4の第二側への摺動が規制される。
このように第三変形例では、台座部41Qが第一移動規制部及び第二移動規制部として機能しており、係合部材4の摺動可能範囲X1は、図17に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
図18に示す第四変形例は、第一実施例の突出部41E、41Eと同様、係合部40の下側に直交方向Yに突出(膨出)する突出部41F、41Fを有する。突出部41F、41Fは、第一実施例の突出部41E、41Eとしての機能を有する一方で、第一移動規制部及び第二移動規制部として機能する。具体的にいえば、第三実施例の台座部41Qと同様、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(図18の右側)に摺動させた場合には、突出部41F、41Fが結束部材5Rと接触し、接触した第一側規制位置x1にて係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(図18の左側)に摺動させた場合には、突出部41F、41Fが結束部材5Lに接触し、接触した第二接触位置x2にて係合部材4の第二側への摺動が規制される。係合部材4の摺動可能範囲X1は、図18に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
1 配策材の結束構造
10 係合部材の組み付け構造
2 可撓性配策材
3 平型配策材
4 係合部材
40 係合部
41 取付部
41R、41L 被結束部(袖部、取付部)
42 収容部
43K、43D 抜け止め部
5R 第一側結束部材(結束部材)
5L 第二側結束部材(結束部材)
X 長手方向
X1 摺動可能範囲
Y 直交方向、対向方向
Z 挿入方向、対向方向
H 長幅方向

Claims (8)

  1. 長手状の配策材と、
    前記配策材を取り巻いて結束する結束部材と、
    車体側に組み付けるための係合部と、前記配策材に対しその長手方向に摺動可能となる形で該配策材を取り付けるための取付部と、前記配策材に対し前記長手方向における第一側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部と、前記配策材に対し前記長手方向における前記第一側とは逆の第二側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部と、を有する係合部材と、
    を備えることを特徴とする配策材の結束構造。
  2. 前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、
    前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向における前記第一側結束部材と前記第二側結束部材との間に設けられる請求項1に記載の配策材の結束構造。
  3. 前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記係合部である請求項2に記載の配策材の結束構造。
  4. 前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記取付部そのものである、もしくは前記取付部に設けられている請求項2に記載の配策材の結束構造。
  5. 前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、
    前記第一移動規制部は、前記第二側結束部材よりも前記長手方向における前記第二側に設けられ、
    前記第二移動規制部は、前記第一側結束部材よりも前記長手方向における前記第一側に設けられる請求項1に記載の配策材の結束構造。
  6. 前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向において前記結束部材を挟むように設けられる請求項1に記載の配策材の結束構造。
  7. 前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部の一方が、前記係合部である請求項6に記載の配策材の結束構造。
  8. 前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部の一方が、前記取付部そのものである、もしくは前記取付部に設けられている請求項6又は請求項7に記載の配策材の結束構造。
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